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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139034
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049810
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 卓司
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 幸徳
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC22
5L050CC22
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、電子署名が付された文書データを長期間管理する場合において、ユーザの体験を向上させることである。
【解決手段】文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、文書データに対し、認証機関により発行された電子証明書に基づく有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり、電子署名が付された文書データについて、文書データの当事者であるユーザに対し、文書データに関する情報を提示するステップと、電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を文書データの当事者であるユーザから受け付けて、電子署名の有効期限を延長する操作を文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、文書データの電子署名の有効期限を延長する、プログラム。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、
前記文書管理サービスは、文書データに対し、認証機関により発行された電子証明書に基づく有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり、
前記プログラムは、前記コンピュータのプロセッサに、
前記電子署名が付された文書データについて、前記文書データの当事者であるユーザに対し、前記文書データに関する情報を提示するステップと、
前記電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を前記文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップと、
前記電子署名の有効期限を延長する操作を前記文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、前記文書データの電子署名の有効期限を延長するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記提示するステップにおいて、
前記文書データに付された電子署名の有効期限が到来することに基づいて、前記当事者であるユーザに、前記文書データに関する情報を提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示するステップにおいて、
前記文書データに関する情報を提示することとして、
前記文書データの内容、
前記文書データの種類、
前記文書データの利用状況、
前記文書データの閲覧頻度、
前記文書データの法定保存年数、
からなる群のうち少なくともいずれかを提示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記受け付けるステップにおいて、
前記電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を、前記文書データの両当事者のユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記提示するステップにおいて、
前記文書データの電子署名の有効期限が到来するより一定期間前に、前記文書データの両当事者であるユーザに通知する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記提示するステップにおいて、
前記文書データの両当事者であるユーザに通知することとして、
前記文書データの閲覧権限を有するユーザ、または、前記文書データに合意する操作をしたユーザの少なくともいずれかを対象として通知する、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記受け付けるステップにおいて、
前記文書データが特定の条件を満たしている場合に、前記文書データについて電子署名の有効期限を延長する操作を前記ユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータは、記憶部において、前記文書データの内容、または、前記文書データの種類に応じて設定される、前記文書データを保存すべき期間の情報を記憶しており、
前記受け付けるステップにおいて、
前記文書データが特定の条件を満たしていることとして、
前記文書データについての保存すべき期間が到来するより前に当該文書データの電子署名の有効期限が到来している場合に、前記文書データについて電子署名の有効期限を延長する操作をユーザから受け付ける、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータは、前記文書データについて前記当事者であるユーザから合意を受け付けることが可能であり、
前記受け付けるステップにおいて、
前記文書データについて前記当事者であるユーザから合意を受け付けることとともに、
前記ユーザの操作によらず前記電子署名の有効期限を延長するための設定を前記ユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータは、前記文書データについて前記当事者であるユーザから合意を受け付けることが可能であり、
前記受け付けるステップにおいて、
前記当事者のユーザの少なくともいずれかからの一方のユーザから前記電子署名の有効期限の延長を希望する操作を受け付けた場合、延長を希望しなかった前記当事者のもう一方のユーザに対して、前記文書データに関する閲覧を制限する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記延長するステップにおいて、
前記電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、延長を希望する操作を受け付けた前記ユーザに料金を課し、延長を希望しなかった前記ユーザに対しては料金を課さない、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記延長するステップにおいて、
前記電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、前記延長を希望する操作を受け付けた前記ユーザに料金を課し、
前記延長を希望するユーザが複数ある場合、前記ユーザに料金を課すこととして、
前記ユーザに対して、按分して、延長をする際の料金を課す、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記延長するステップにおいて、
前記電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、前記延長を希望する操作を受け付けた前記ユーザに料金を課し、
前記当事者のユーザに料金を課すこととして、
前記文書データを管理する期間に応じて、前記当事者のユーザに料金を課す、請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
前記提示するステップにおいて、
前記当事者であるユーザに対して、前記電子署名の有効期限に関する通知を1回以上行い、
前記通知に関する記録をし、
前記通知に対して応答がなかった場合に、前記文書データの有効期限の延長をしない、請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
コンピュータを動作させるための方法であって、
前記コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、
前記文書管理サービスは、文書データに有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり、
前記方法は、前記コンピュータのプロセッサに、
前記電子署名が付された文書データについて、前記文書データの当事者であるユーザに対し、前記文書データに関する情報を提示するステップと、
前記電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を前記文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップと、
前記電子署名の有効期限を延長する操作を前記文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、前記文書データの電子署名の有効期限を延長するステップと、を実行する、方法。
【請求項16】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、
前記文書管理サービスは、文書データに有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり、
前記制御部が、
前記電子署名が付された文書データについて、前記文書データの当事者であるユーザに対し、前記文書データに関する情報を提示するステップと、
前記電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を前記文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップと、
前記電子署名の有効期限を延長する操作を前記文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、前記文書データの電子署名の有効期限を延長するステップと、を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事業活動において、社内外で様々な取り決め、申請について承認をしつつ事業を進展させることが行われている。例えば、事業者の社内では、承認者が、承認すべき内容について決裁をすることが行われている。
また、事業者の社内外において、契約については、近年、IT技術の発達により、これまでは紙により締結が行われていたものが、徐々に電子契約で行われている。
【0003】
電子契約では、電子契約サービスの利用者が、署名対象の契約書に電子署名をする。電子契約サービスは、いわゆる当事者署名型のもの、いわゆる事業者署名型(立会人型)のもの等様々な方式により事業者によって提供されている。
電子契約サービスを用いて契約締結を結ぶ際、契約の当事者を特定する情報により、契約の当事者間で契約対象の契約書を閲覧可能としつつ締結作業を進めることがある。例えば、契約の当事者を特定する情報として、メールアドレスを用いて契約締結を進める場合、契約を行いたい者の一方が、他方のメールアドレスを指定した状態で契約書を電子契約サービスへ送信する。そして、契約書を受け取った者が、電子契約サービスを用いて、契約書を承認する等により、電子契約による締結作業を進める。
【0004】
下記の特開2004-046590号公報(特許文献1)には、契約申込情報を通信網を介して契約受付サーバに送信し、契約受付サーバから契約書情報を受信する契約申込クライアント200と、契約申込クライアント200から通信網を介して申込情報を受信し、契約申込情報から契約書情報を生成し、契約書情報をクライアントに送信する契約受付サーバ210と、契約申込クライアント200と契約受付サーバ210との間の通信メッセージを取得して、通信メッセージに電子署名を付与し、通信メッセージと電子署名とを格納する契約書保管サーバ230とを備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-046590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1は、契約書の電子署名に関する情報を保管することについては記載がある。しかし、上記の特許文献1の技術によっても、契約書の電子署名に関する情報を長期間管理する場合については十分な考慮が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に示す一実施形態は、コンピュータを動作させるためのプログラムであって、コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、文書データに対し、認証機関により発行された電子証明書に基づく有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり、プログラムは、コンピュータのプロセッサに、電子署名が付された文書データについて、文書データの当事者であるユーザに対し、文書データに関する情報を提示するステップと、電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップと、電子署名の有効期限を延長する操作を文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、文書データの電子署名の有効期限を延長するステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、電子署名が付された文書データを長期間管理する場合において、ユーザの体験を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、文書管理システム1の全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、第1のユーザの装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、文書管理サービスのサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図4図4は、電子契約を説明するための概念図である。
図5図5は、文書データのデータベース2021のデータ構造を示す図である。
図6図6は、法定保存年数のデータベース2022のデータ構造を示す図である。
図7図7は、アクセスログのデータベース2023のデータ構造を示す図である。
図8図8は、文書管理のデータベース2024のデータ構造を示す図である。
図9図9は、ユーザのデータベース2025のデータ構造を示す図である。
図10図10は、長期署名の延長記録のデータベース2026のデータ構造を示す図である。
図11図11は、通知記録のデータベース2027のデータ構造を示す図である。
図12図12は、第1のユーザの装置10と文書管理サービスのサーバ20において、長期署名の有効期間の延長に関する処理の流れを示す図である。
図13図13は、第1のユーザの装置10と文書管理サービスのサーバ20において、長期署名の有効期間の通知に関する処理の流れを示す図である。
図14図14は、文書データの長期署名に関する通知の画面を示す図である。
図15図15は、文書データに関する情報と長期署名に関する情報を画面に示す図である。
図16図16は、長期署名の延長を受け付ける場面において、長期署名の参考情報と併せて、画面に示す図である。
図17図17は、契約書の締結を行う場面において、長期署名の自動延長に関する事項を画面に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明するのは、本開示の実施形態である。本開示の実施形態の説明は、図面を参照しつつ説明を行う。また、本開示の実施形態の説明は、同一の部品に同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態の概略>
本実施形態において、ユーザは、PC(Personal Computer)を操作し、文書管理サービスを用いて、文書データを管理する。
文書データは、文字、画像、および、表等の形で表現される文書の情報をデジタル化した電子データである。具体的には、文書データは、契約書、請求書、もしくは、報告書等があげられる。文書データは、例えば、電子契約の対象となる契約書を電子化した、電子データも含まれる。本実施形態における説明において、主に文書データに関する説明は、契約書を主体として行うこととする。
【0012】
契約書は、例えば、以下のような種別がある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・賃貸借契約書
・秘密保持契約書
・売買契約
・業務委託契約
・譲渡担保契約
・M&A契約
・合弁契約
・ソフトウェア開発契約
・知的財産に関する契約(実施許諾契約等)
・フランチャイズ契約書
・雇用契約書
・労働者派遣契約書
・事業譲渡契約書
・取締役会議事録
【0013】
文書管理サービスは、文書データを管理するサービスである。具体的には、当事者が保有する契約書等の文書データを、誰がいつどのタイミングで操作したか等の情報を管理するものである。また、文書管理サービスには、当事者間で合意した文書データを管理する機能も存在する。例えば、契約書に付された電子署名の有効期間の情報を、文書管理サービスが管理することが可能である。このように、文書管理サービスは、文書データの管理に関する基本的な機能に加え、当事者間での文書データに関する情報共有にも対応している。
【0014】
また、本実施形態において、ユーザは、PC(Personal Computer)を操作し、電子契約サービスを用いて、契約を締結する場合についても想定している。
本実施形態において、電子契約とは、契約書を電子化した電子データを、インターネット上で交換し、契約当事者が合意の意思表示を行い、契約書の電子データに電子署名を付与することを指す。契約書は、典型的にはドキュメント作成用のソフトウェアで作成され、内容の改変ができない電子データのファイルである。電子データは、例えば、PDFファイル等を含む。契約当事者は、契約書送信者側と契約書受信者側が存在する。電子契約には契約書を承認するための承認者が一人以上存在する。承認者は契約書に基づき、当該契約書の内容に示される条件での契約締結の可否を判断する。当該電子契約サービスにより当事者間で契約を締結した場合、上記の文書管理サービスは、合意にかかる契約書データを管理することとしてもよい。
【0015】
<1.1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態の文書管理システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、文書管理システム1は、第1のユーザの装置10と、文書管理サービスのサーバ20とを含む。文書管理システム1は、第1のユーザの装置10と、文書管理サービスのサーバ20とがネットワーク80によって互いに通信可能に接続されている。
【0016】
図1の例は、第1のユーザの装置10を示している。第1のユーザは、文書データの当事者であるユーザのことを指す。第1のユーザの装置10は、例えば、PC、スマートフォン等によって実現される。第1のユーザの装置10は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じたシステムを操作する環境を第1のユーザに対して提供する。
【0017】
第1のユーザの装置10は、第1のユーザから入力操作を受け付ける装置であるものとする。
【0018】
第1のユーザの装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0019】
通信IF12は、第1のユーザの装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0020】
入力装置13は、第1のユーザからの入力操作を受け付けるための装置である。入力操作を受け付けるための装置は、例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボードである。
【0021】
出力装置14は、第1のユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0022】
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ15は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0023】
記憶部16は、データを保存するためのものである。記憶部16は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
【0024】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0025】
図1の例は、文書管理サービスのサーバ20を示している。
【0026】
文書管理サービスのサーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0027】
通信IF22は、文書管理サービスのサーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0028】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0029】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ25は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0030】
ストレージ26は、データを保存するためのものである。ストレージ26は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)である。
【0031】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0032】
文書管理サービスのサーバ20は、文書管理システム1を利用するユーザの情報、および、文書管理サービスで取り扱われる文書データの情報等を管理する装置である。
【0033】
文書管理サービスのサーバ20は、文書管理サービスを利用するのに必要なデータを、適宜、第1のユーザの装置10へ送信することで、第1のユーザの装置10での文書管理サービスの状況等を可視化させる。また、文書管理サービスのサーバ20は、第1のユーザの装置10と通信し、各ユーザの操作に応じて、画像、ファイル、テキストデータ等を第1のユーザの装置10へ送信する。
【0034】
<1.2 第1のユーザの装置10の機能的な構成>
図2は、第1のユーザの装置10の機能的な構成を示す図である。第1のユーザの装置10は、アンテナ111と、第1無線通信部121と、プロセッサ19と、操作受付部130と、記憶部16と、メモリ15と、ディスプレイ132と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカー142とを含む。
【0035】
アンテナ111は、第1のユーザの装置10が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0036】
第1無線通信部121は、第1のユーザの装置10が他の通信機器と通信するため、アンテナ111等を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121は、チューナー、高周波回路等を含む無線通信用の通信モジュールであり、第1のユーザの装置10が送受信する無線信号の変復調、周波数変換を行い、受信信号をプロセッサ19へ与える。
【0037】
プロセッサ19は、記憶部16に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、第1のユーザの装置10の動作を制御する。プロセッサ19は、例えばアプリケーションプロセッサによって実現される。
【0038】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。例えば、操作受付部130は、マウス、タッチパッド、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、コントローラ、エンドユーザの身体の動きを入力操作としてセンシングする撮影手段等として実現される。例えば、操作受付部130は、エンドユーザの身体の動きとして、手等の身体の部位の動き、エンドユーザの顔の表情等をセンシングすることにより、これら身体の部位等の動きを入力操作として受け付ける。操作受付部130は、タッチパネル等に対してエンドユーザが指を接触させる等により入力操作を受け付けた座標に基づいて、エンドユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0039】
記憶部16は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等により構成される。また、記憶部16は、第1のユーザの装置10が使用するプログラム、および、第1のユーザの装置10が文書管理サービスのサーバ20から受信する各種データ等を記憶する。
【0040】
ディスプレイ132は、プロセッサ19の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等の表示装置によって実現される。
【0041】
音声処理部140は音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号をプロセッサ19へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカー142へ与える。
【0042】
マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。
【0043】
スピーカー142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を第1のユーザの装置10の外部へ出力する。
【0044】
記憶部16は、文書データ情報161と、文書管理情報162とを記憶する。
【0045】
文書データ情報161は、文書管理システム1における、書誌情報等の文書のデータに関する情報である。文書データ情報161は、例えば、「文書データID」と、「文書タイトル」と、「内容」と、「長期署名の有効期間」と、「種類データID」とを含む。
【0046】
文書管理情報162は、文書管理システム1における、文書データを管理するための情報である。文書管理情報162は、例えば、「文書管理ID」と、「文書データID」と、「送信者のユーザID」と、「受信者のユーザID」と、「当事者のユーザID」を含む。
【0047】
プロセッサ19がプログラムにしたがって動作することにより、入力操作受付部191、送受信部192、データ処理部193、報知制御部194としての機能を発揮する。
入力操作受付部191は、操作受付部130等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、操作受付部130が例えばタッチデバイスである場合、タッチデバイスに対してユーザが指等を接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか等の操作の種別を判定する。
送受信部192は、第1のユーザの装置10が、文書管理サービスのサーバ20等の外部の装置と通信プロトコルにしたがってデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部193は、第1のユーザの装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムにしたがって演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
報知制御部194は、情報をユーザに提示する処理として、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカー142に出力させる処理、振動をバイブレータ等に発生させる処理等を行う。
【0048】
<1.3 文書管理サービスのサーバ20の機能的な構成>
図3は、文書管理サービスのサーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、文書管理サービスのサーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0049】
通信部201は、文書管理サービスのサーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0050】
記憶部202は、文書データのデータベース2021と、法定保存年数のデータベース2022、アクセスログのデータベース2023、文書管理のデータベース2024、ユーザのデータベース2025、長期署名の延長記録のデータベース2026、通知記録のデータベース2027等の各種データベースを記憶する。
【0051】
文書データのデータベース2021は、文書管理システム1における文書データの情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0052】
法定保存年数のデータベース2022は、文書管理システム1における文書データの種類に応じた法定保存年数の情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0053】
アクセスログのデータベース2023は、文書管理システム1におけるユーザが行った操作、および、アクセス情報を収集し、保存、および、管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0054】
文書管理のデータベース2024は、文書管理システム1における文書データに関係するユーザの情報等を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0055】
ユーザのデータベース2025は、文書管理システム1を利用するユーザの情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0056】
長期署名の延長記録のデータベース2026は、文書管理システム1における長期署名の延長記録に関する情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0057】
通知記録のデータベース2027は、文書管理システム1における長期署名に関する通知記録の情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0058】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムにしたがって動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032として示す機能を発揮する。
【0059】
受信制御モジュール2031は、文書管理サービスのサーバ20が外部の装置から通信プロトコルにしたがって信号を受信する処理を制御する。
【0060】
送信制御モジュール2032は、文書管理サービスのサーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルにしたがって信号を送信する処理を制御する。
【0061】
<1.4 電子契約を説明するための概念図>
図4は、電子契約を説明するための概念図である。図4に示すように、電子契約のシステムは、契約書送信者のユーザの装置40と、契約管理サービスのサーバ50と、契約書受信者のユーザの装置60とを含む。
【0062】
まず契約書送信者は、契約書送信者のユーザの装置40を操作することにより、契約書をクラウド上の契約管理サービスのサーバ50にアップロードする。契約管理サービスのサーバ50は、契約書送信者が送信することに承諾した契約書に対し、契約書送信者の電子署名を付与する。
【0063】
契約書送信者は、契約書受信者に合意締結を依頼するための操作を行う。具体的には、契約書送信者のユーザの装置40は、契約書受信者を指定する操作を契約書送信者から受け付けて、契約管理サービスのサーバ50へ送信する。本実施形態では、契約書送信者のユーザの装置40は、契約書受信者を特定する情報として、1名以上の契約書受信者のそれぞれのメールアドレスを指定する操作を契約書送信者から受け付ける。
契約管理サービスのサーバ50は、契約書送信者のユーザによって指定された受信者側のメールアドレスに宛てて、契約書にアクセスするための情報を契約書受信者に送付する。本実施形態では、契約管理サービスのサーバ50は、契約書送信者のユーザによって指定された受信者側のメールアドレスに宛てて、契約書にアクセスするための情報を契約書受信者のユーザの装置60に送付する。契約書にアクセスするための情報は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)として記述されるリンク等を含む。
【0064】
契約書受信者は、契約書受信者のユーザの装置60において受信した契約書にアクセスするための情報を指定する操作(クリック、タップ等)をし、オンラインで契約管理サービスのサーバ50上の契約書の内容を確認して、合意締結することができる。契約書受信者のユーザの装置60は、契約書について合意をすることを示す操作を受け付けるための画面を契約書受信者のユーザの装置60のユーザに提示して、合意するための操作を契約書受信者から受け付ける。
この時点で契約内容に瑕疵があるような場合、契約管理サービスのサーバ50は、契約書受信者から、契約に合意をしない旨の操作を受け付けることとしてもよい。
【0065】
契約管理サービスのサーバ50は、契約書受信者から、契約書について合意する操作を受け付けることにより、当該契約書に、契約書受信者の電子署名を付与する。契約管理サービスのサーバ50は、契約書を管理するデータベースに保管する。契約書の改ざんは、契約当事者双方の電子署名が付与されることで防止される。
【0066】
本実施形態は、このようなクラウド型の文書管理サービスを実現するものである。
【0067】
<2 データ構造>
図5図6図7図8図9図10図11は、文書管理サービスのサーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、図4図5図6図7図8図9図10図11は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0068】
図5は、文書データのデータベース2021のデータ構造を示す図である。文書データのデータベース2021は、文書管理システム1における文書データの情報を管理するためのデータベースである。
図5の文書データのデータベース2021の各レコードは、項目「文書データID」と、項目「文書タイトル」と、項目「内容」と、項目「長期署名の有効期間」と、項目「種類データID」とを含む。
【0069】
項目「文書データID」は、文書管理システム1において文書データを管理する際に必要となる、文書データに対して一意なIDのことを示す。
文書データIDを付与することにより、複数の文書が存在する場合でも、それぞれの文書を識別することが可能である。
文書データIDの利点は、文書を簡単に検索、参照、管理できることである。例えば、大量の文書がある場合でも、文書データIDにより、必要な文書を素早く特定することができる。また、文書データIDは、文書のバージョン管理、および、権限管理にも利用される。
【0070】
項目「文書タイトル」は、文書データのタイトル名のことを示す。タイトル名は、各文書データを表す簡潔な名称のことである。文書タイトルの例は、例えば、以下のようなものがある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・秘密保持契約書
・製品の製造に関する契約書
・建築設計図に関する契約書
・業務委託契約書
・物品売買契約書
・物品賃貸借契約書
・建設工事請負契約書
・保険契約書
・コンサルティング契約書
・ライセンス契約書
・不動産売買契約書
・商標使用許諾契約書
・土地賃貸借契約書
・代理店契約書
・著作権譲渡契約書
【0071】
項目「内容」は、文書データに含まれる情報、および、文書データのテキストの内容を記載する項目である。文書データが契約書の場合、内容には以下のような情報が含まれる可能性がある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・契約の主題、および、契約の目的
契約書は、契約の主題、および、契約の目的について記載された部分がある。例えば、契約書が物件購入契約書の場合、物件の住所、物件の用途、購入価格、および、支払い条件等がその内容に含まれる。
・契約の条件、および、契約の規定
契約書には、契約の条件、および、契約の規定が記載されている。例えば、契約書が物件購入契約書の場合、引き渡しの時期、引き渡しの方法、買主の義務、買主の責任、および、売主の保証等がその内容に含まれる。
・署名、および、日付等の情報
契約書には、署名、および、日付等の情報が含まれる場合がある。これらの情報は、契約の有効性、および、時期を判断するために重要である。
以上のように、契約書等の文書データには、様々な情報が含まれる可能性がある。
【0072】
項目「長期署名の有効期間」は、ユーザIDごとにおける各文書データの長期署名の有効期間が記録されている。
長期署名とは、電子署名が付された文書データに対して、電子証明書の有効期間内に必要な情報(例えば失効情報等)を付加し、新たなタイムスタンプを付与することで、元の電子証明書の有効期間が切れた後でも、署名検証を可能にする技術である。
電子署名においては、当該本人を認証局が確認し、公開鍵証明書を発行する。この公開鍵証明書は、秘密鍵の対であり、本人がその秘密鍵を保有しているため、紛失や漏洩、本人の属性変更等が発生する場合がある。そのため、有効期間は、一般的に数ヶ月から数年となる。認証については、その時点で確認可能であれば、有効期間は短くても問題がないが、将来にわたって検証可能である必要がある場合、電子署名だけでは実現不可能である。
タイムスタンプについては、PKI技術によって認証局が保証をしているため、有効期間の考え方は上記と同様である。ただし、タイムスタンプは、個人ではなく、事業者が厳格に秘密鍵を管理、および、運用するタイムスタンプサーバに対して発行されるため、比較的長期の有効期限の公開鍵証明書を発行できる。しかし、タイムスタンプは、有効期間が長くなるほど、紛失や漏洩、本人属性の変更等の課題が生じる。
この課題を解決するために、タイムスタンプの生成に使用する秘密鍵は、毎年更新する。そして、古い秘密鍵は、安全性を担保するため破棄される。生成に利用した秘密鍵が消滅すると、同じタイムスタンプを再現することはできなくなる。このようにすることで、長期署名は、電子証明書の有効期間が切れた後でも、署名検証を可能にしている。
長期署名の有効期間は、署名者が認証情報を保持することができる期間である。そのため、その期間中は、署名者がその署名を作成した場所、および、方法が変化した場合でも、署名の有効性を保持することができる。
長期署名の有効期間が切れると、認証情報は無効となり、署名の有効性が失われる。一般的に、長期署名の有効期間は、数年から数十年にわたることがある。なお、以下の説明における有効期限は、長期署名の有効期間の終了日を表す言葉である。
【0073】
項目「種類データID」は、文書管理システム1において文書データの種類を管理する際に必要となる、文書データの種類に対して一意なIDのことである。文書データの種類は、例えば、以下のようなものがある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・取引証憑書類(請求書、注文請書、契約書、見積書)
・製品の製造・加工・出荷・販売記録に関する文書
・建築事務所の業務に関する図書
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・決算書類
なお、項目「種類データID」は、図6の法定保存年数のデータベース2022にて改めて説明する。
【0074】
図6は、法定保存年数のデータベース2022のデータ構造を示す図である。法定保存年数のデータベース2022は、文書管理システム1における文書データの種類に応じた法定保存年数の情報を管理するためのデータベースである。
図6の法定保存年数のデータベース2022の各レコードは、項目「種類データID」と、項目「文書データの種類」と、項目「法定保存年数」とを含む。
【0075】
項目「種類データID」は、上記にて説明した通りである。
【0076】
項目「文書データの種類」は、文書データの種類を示す。文書データの種類は、例えば、以下のようなものがある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・取引証憑書類(請求書、注文請書、契約書、見積書)
・製品の製造・加工・出荷・販売記録に関する文書
・建築事務所の業務に関する図書
・株主総会議事録
・取締役会議事録
【0077】
項目「法定保存年数」は、文書データの種類ごとに定められている法定保存年数を示す。
法定保存年数とは、法律によって定められた、ある種の書類、および、記録を保存しておくべき期間のことを指す。これらの書類、および、記録は、証拠、および、証明のためあるいは税務、および、監査目的等で必要になる場合がある。文書データの種類ごとの法定保存年数は、例えば、日本では、以下のように定められている。
以下は例示であり、これらに限られない。
・取引証憑書類(請求書、注文請書、契約書、見積書)の法定保存年数は、7年
・製品の製造・加工・出荷・販売記録に関する文書の法定保存年数は、10年
・建築事務所の業務に関する図書の法定保存年数は、15年
・株主総会議事録の法定保存年数は、10年
・取締役会議事録の法定保存年数は、10年
法定保存年数にしたがって、書類、および、記録を保存することは、法的な要件を満たすために重要である。保存期間が終了した場合は、書類、および、記録を廃棄することができるが、廃棄する前に注意点を確認する必要がある。例えば、税務上の書類、および、記録は、保存期間が終了しても、特定の場合には引き続き保存する必要がある場合がある。
また、法定保存年数は最低限の保存期間であり、必要に応じて長期保存することが推奨される。例えば、会社の取締役会議事録、および、契約書等は、法定保存年数が経過しても、将来的に訴訟、および、紛争が起こった場合に備え、長期保存が必要な場合がある。
【0078】
図7は、アクセスログのデータベース2023のデータ構造を示す図である。アクセスログのデータベース2023は、文書管理システム1におけるユーザが行った操作、および、アクセス情報を収集し、保存、および、管理するためのデータベースである。
図7のアクセスログのデータベース2023の各レコードは、項目「アクセスログID」と、項目「ユーザID」と、項目「文書データID」と、項目「閲覧日時」とを含む。
【0079】
項目「アクセスログID」は、ウェブサイト、および、システム等において、アクセスログに対して一意なIDのことを指す。アクセスログとは、サイト、または、システムにアクセスしたユーザの情報を記録するログのことである。例えば、アクセスした日時、IPアドレス、および、閲覧したページ等が含まれる。
アクセスログIDは、それぞれのアクセスログに対して一意なIDを割り当てることで、ログの管理、および、ログの解析を容易にするために用いられる。
アクセスログIDを用いることで、アクセスログを迅速に特定し、必要に応じて分析、および、問題の解決等に役立てることができる。また、アクセスログIDには、セキュリティ上の意味がある場合もある。例えば、アクセスログIDを利用することで、不正なアクセス、および、攻撃を追跡し、対処することができる。
【0080】
項目「ユーザID」は、文書管理システム1において、文書管理システム1の利用者を管理する際に必要となるユーザに対して一意なIDのことを示す。
ユーザIDには、様々な形式がある。例えば、文字列の組み合わせ、数字と文字列の組み合わせ、もしくは、電子メールアドレス等があげられる。一般的には、ユーザIDは、システム内で一意であることが重要であり、重複することがないように設計されている。
例えば、文書管理システム1において、文書管理システム1の利用者のアカウントを発行する際に、第1のユーザの装置10は、文書管理システム1の利用者からメールアドレスの登録の入力を受け付ける。文書管理サービスのサーバ20は、メールアドレスの登録の入力を受け付けたことに応じて、ユーザIDを発行する。
【0081】
項目「文書データID」は、上記にて説明した通りである。ここでの項目「文書データID」は、ユーザからアクセスを受け付けた文書データの文書データIDの情報を示す。
【0082】
項目「閲覧日時」は、特定の文書データをユーザが閲覧した日時を記録するための項目である。これは、ウェブサイト、システム、および、アプリ等の利用履歴を記録するために用いられる。閲覧日時は、ユーザが何時に情報を閲覧したのかを記録することができるため、ユーザの利用状況を把握したり、分析したりすることができる。
【0083】
図8は、文書管理のデータベース2024のデータ構造を示す図である。文書管理のデータベース2024は、文書管理システム1における文書データに関係するユーザの情報等を管理するためのデータベースである。
図8の文書管理のデータベース2024の各レコードは、項目「文書管理ID」と、項目「文書データID」と、項目「送信者のユーザID」と、項目「受信者のユーザID」、「当事者のユーザID」とを含む。
【0084】
項目「文書管理ID」は、文書管理システム1において、文書データに関係するユーザの情報等を管理する際に必要となる一意なIDのことである。これは、企業、および、組織等が保有する、膨大な文書に関係するユーザの情報等を管理するために用いられる。
【0085】
項目「文書データID」は、上記にて説明した通りである。
【0086】
項目「送信者のユーザID」は、文書管理システム1において、文書データの送信者のユーザを識別するためのユーザIDのことである。ユーザIDは、上記にて説明した通りである。なお、送信者のユーザIDは、一つではなく、複数存在している場合も多々存在する。
【0087】
項目「受信者のユーザID」は、文書管理システム1において、文書データの受信者のユーザを識別するためのユーザIDのことである。ユーザIDは、上記にて説明した通りである。なお、受信者のユーザIDは、一つではなく、複数存在している場合も多々存在する。
【0088】
項目「当事者のユーザID」は、文書管理システム1において、文書データの当事者であるユーザを識別するためのユーザIDのことである。ユーザIDは、上記にて説明した通りである。なお、契約当事者のユーザIDは、一つではなく、複数存在している場合も多々存在する。
【0089】
図9は、ユーザのデータベース2025のデータ構造を示す図である。ユーザのデータベース2025は、文書管理システム1を利用するユーザの情報を管理するためのデータベースである。
図9のユーザのデータベース2025の各レコードは、項目「ユーザID」と、項目「メールアドレス」と、項目「名前」と、項目「会社名」と、項目「役職」とを含む。
【0090】
項目「ユーザID」は、上記にて説明した通りである。
【0091】
項目「メールアドレス」は、文書管理システム1を利用するユーザのメールアドレスのことである。メールアドレスは、電子メールを送受信するために必要なアドレスのことを指す。
【0092】
項目「会社名」は、ユーザが所属する企業の名称を表す項目である。会社名は、ユーザを識別するための情報の一つであり、複数のユーザが同じ企業に所属している場合には、会社名を基にグループ化、および、統計処理を行うことができる。
【0093】
項目「役職」は、ユーザが所属する企業における役割、および、職務を表す項目である。役職は、ユーザを識別するための情報の一つであり、ユーザのスキル、および、業務内容等に関する情報も含まれる。項目「役職」は、例えば、部長、課長、代表取締役等である。
【0094】
図10は、長期署名の延長記録のデータベース2026のデータ構造を示す図である。長期署名の延長記録のデータベース2026は、文書管理システム1における長期署名の延長記録に関する情報を管理するためのデータベースである。
図10の長期署名の延長記録のデータベース2026の各レコードは、項目「長期署名の延長記録のID」、項目「文書データID」と、項目「ユーザID」と、項目「操作日時」とを含む。
【0095】
項目「長期署名の延長記録のID」は、文書管理システム1において、文書データの長期署名の延長を記録する際に必要となる一意なIDのことである。
【0096】
項目「文書データID」は、上記にて説明した通りである。ここでの項目「文書データID」は、ユーザから長期署名の延長に関する操作を受け付けた文書データの文書データIDの情報を示す。長期署名の延長に関する操作は、例えば、長期署名の延長の申請、および、延長に関する手続き等の操作である。
【0097】
項目「ユーザID」は、上記にて説明した通りである。ここでの項目「ユーザID」は、長期署名の延長に関する操作を実行したユーザのユーザIDの情報を示す。
【0098】
項目「操作日時」は、ユーザが行った長期署名の延長に関する操作の日時を示す。例えば、署名の有効期限を延長するためにユーザが申請した日時がこの項目に記録される。
【0099】
図11は、通知記録のデータベース2027のデータ構造を示す図である。通知記録のデータベース2027は、文書管理システム1における長期署名に関する通知記録の情報を管理するためのデータベースである。
例えば、長期署名の有効期間が到来することを通知するために、文書データの当事者であるユーザに通知を行った場合、文書管理サービスのサーバ20は、通知をしたことに応答して、通知記録のデータベース2027の各項目を更新する。
図11の通知記録のデータベース2027の各レコードは、項目「文書データID」と、項目「通知日時」と、項目「ユーザID」と、項目「通知回数」とを含む。
【0100】
長期署名に関する通知は、主に、長期署名の有効期間に関する通知のことを指す。長期署名に関する通知は、例えば、長期署名の有効期間が到来することを通知するために、文書データの当事者であるユーザに通知を行うといったものである。なお、長期署名に関する通知は、文書データの電子署名の有効期限が到来するより一定期間前に行ってもよい。一定期間前は、例えば、有効期限が到来する一週間前、および、有効期限が到来する一ヶ月前等である。また、長期署名に関する通知は、文書データの両当事者であるユーザに通知を行ってもよい。
また、一定期間前に、文書データの両当事者であるユーザに通知する場合、長期署名に関する通知は、文書データの閲覧権限を有するユーザ、または、文書データに合意する操作をしたユーザの少なくともいずれかを対象として通知してもよい。
【0101】
項目「文書データID」は、上記にて説明した通りである。ここでの項目「文書データID」は、どの文書データに対して長期署名に関する通知が行われたかを特定するための、文書データの文書データIDの情報を示す。
【0102】
項目「通知日時」は、長期署名に関する通知が行われた日時を示す項目である。この項目には、通知が行われた年月日と時刻が記録される。例えば、長期署名の有効期間が到来することを通知するために、文書データの当事者に通知が行われた場合、その通知が行われた年月日と時刻が「通知日時」の項目に記録される。
【0103】
項目「ユーザID」は、上記にて説明した通りである。ここでの項目「ユーザID」は、長期署名に関する通知が行われたユーザのユーザIDの情報を示す。
【0104】
項目「通知回数」は、長期署名に関する通知について、通知が行われた回数を示すデータである。この項目には、何回通知が行われたかという数値が格納される。例えば、ある文書データの契約書に関して、契約書の長期署名の有効期間が到来するために、当該契約の当事者に3回の通知が行われた場合、この項目には「3」という数値が格納される。この項目は、通知が適切に行われているかどうか、何回当事者に通知を行っているか等を確認するために使用される。
【0105】
<第1の実施形態の動作>
次に説明するのは、文書管理システム1を構成する各装置の動作についてである。
【0106】
図12は、第1のユーザの装置10と文書管理サービスのサーバ20において、長期署名の有効期間の延長に関する処理の流れを示す図である。
【0107】
ステップS12021において、文書管理サービスのサーバ20は、文書データに有効期限付きの電子署名を付与し、安全性と信頼性を確保した上で管理している。この電子署名により、文書の改ざん、および、不正アクセスを防止し、文書の正当性を保証することができる。また、有効期限付きの電子署名により、文書の保管期間を明確に設定し、期限が過ぎた文書については自動的に削除することが可能である。このように、文書管理システム1のサーバ20は、高いセキュリティ性と効率性を備えた文書管理システムを提供しているものとする。
【0108】
ステップS12022において、文書管理サービスのサーバ20は、文書データに付された電子署名の有効期間が到来することに基づいて、当該文書データの当事者であるユーザに、文書データに関する情報を出力する。文書データに関する情報は、次のステップS12011にて詳細な説明を行う。
【0109】
ステップS12011において、第1のユーザの装置10は、文書データの当事者である第1のユーザに対し、電子署名が付された文書データについて、文書データに関する情報と長期署名に関する情報を提示する。
【0110】
文書データに関する情報は、文書データのデータベース2021の項目「内容」に含まれている。文書データに関する情報は、例えば、契約書の場合、内容には以下のような情報が含まれる可能性がある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・契約の主題、および、契約の目的
契約書は、契約の主題、および、契約の目的について記載された部分がある。例えば、物件購入契約書の場合、物件の住所、物件の用途、購入価格、および、支払い条件等がその内容に含まれる。
・契約の条件、および、契約の規定
契約書には、契約の条件、および、契約の規定が記載されている。例えば、物件購入契約書の場合、引き渡しの時期、引き渡しの方法、買主の義務、買主の責任、および、売主の保証等がその内容に含まれる。
・署名、および、日付等の情報
契約書には、署名、および、日付等の情報が含まれる場合がある。これらの情報は、契約の有効性、および、時期を判断するために重要である。
以上のように、契約書等の文書には、様々な情報が含まれる可能性がある。
【0111】
長期署名に関する情報は、主に、長期署名の延長の判断に関する情報である。長期署名に関する情報は、例えば、以下のような情報が含まれる可能性がある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・長期署名の延長を行うか否かの説明文
長期署名の延長を行うか否かを説明文が記載される。具体的には、説明文は、「上記の文書データについて、長期署名の延長をしますか」等である。
・長期署名の延長を行った場合の長期署名の有効期間
長期署名の延長を行った場合の長期署名の有効期間に関する説明文が記載される。例えば、長期署名の延長を行った場合の長期署名の有効期間に関する説明文は、「延長をした場合、長期署名の有効期間は、2020/01/01~2030/01/01から2020/01/01~2040/01/01になります。」等である。
・長期署名の延長を行うか否かの判断をユーザから受け付けるボタン
長期署名の延長を行うか否かの判断をユーザから受け付けるボタンが設置される場合がある。具体的には、長期署名の延長を行うか否かの判断をユーザから受け付けるボタンは、長期署名の延長を行うボタンと、延長を行わないボタンが設置される等である。そして、文書管理サービスのサーバ20は、長期署名の延長を行うボタンについてユーザから押下する操作を受け付けた場合、当該文書データについて長期署名の延長を実行するようにしてもよい。
・長期署名を何年延長するかの選択
第1のユーザの装置10は、長期署名の延長を行う場合、どのくらいの期間に対して、長期署名の延長を行うかの操作をユーザから受け付けてもよい。
・どのユーザの長期署名の有効期間を延長するのかの選択
第1のユーザの装置10は、長期署名の延長を行う場合、どのユーザに対して、長期署名の延長を行うかの操作をユーザから受け付けてもよい。
【0112】
ステップS12012において、第1のユーザの装置10は、長期署名の延長を行うか否かの操作を、文書データの当事者であるユーザの少なくともいずれかから受け付ける。なお、第1のユーザの装置10は、有効期限を延長するか否かの操作を、文書データの両当事者のユーザから受け付けてもよいものとする。
ステップS12012の次のステップであるS12023は、ステップS12012において、長期署名の延長を行う操作をユーザから受け付けた場合について説明する。
なお、長期署名の延長を行わない操作をユーザから受け付けた場合、文書管理サービスのサーバ20は、ユーザの入力操作に応答して、電子署名の有効期限を延長しないこととする。つまり、文書管理サービスのサーバ20は、文書データのデータベース2021に記憶されている項目「長期署名の有効期間」について、新たに更新しないものとする。
【0113】
ステップS12023において、文書管理サービスのサーバ20は、ユーザから長期署名の延長を行う操作に応答して、文書データの電子署名の有効期限を延長する。具体的には、文書データの電子署名の有効期限を延長する際、文書管理サービスのサーバ20は、長期署名の延長記録のデータベース2026と文書データのデータベース2021について更新を行う。
【0114】
文書管理サービスのサーバ20は、長期署名の延長を行う操作に応答して、長期署名の延長記録のデータベース2026の各項目を更新する。長期署名の延長記録のデータベース2026の各レコードは、項目「長期署名の延長記録のID」、項目「文書データID」と、項目「ユーザID」と、項目「操作日時」とを含む。例えば、具体的には、文書管理サービスのサーバ20は、項目「ユーザID」に、長期署名の延長に関する操作を実行したユーザのユーザIDの情報を記録する。
【0115】
文書管理サービスのサーバ20は、長期署名の延長を行う操作に応答して、文書データのデータベース2021の項目「長期署名の有効期間」を更新する。例えば、文書管理サービスのサーバ20は、長期署名を10年長く延長した場合、項目「長期署名の有効期間」の値を2020/01/01~2030/01/01から、2020/01/01~2040/01/01に更新する。
【0116】
図13は、第1のユーザの装置10と文書管理サービスのサーバ20において、長期署名の有効期間の通知に関する処理の流れを示す図である。
【0117】
ステップS12021は、上記で説明した通りである。
【0118】
ステップS13021において、文書管理サービスのサーバ20は、文書データに付された電子署名の有効期間が到来することに基づいて、当該文書データの当事者であるユーザに、文書データに関する情報を出力する。文書データに関する情報は、ステップS12011にて詳細な説明を既に行っている。
そして、ステップS13021において、文書管理サービスのサーバ20は、文文書データの当事者であるユーザに対して、長期署名に関する通知を1回以上行うものとする。長期署名に関する通知とは、上記で説明した通りである。
【0119】
例えば、長期署名の有効期間が到来することを通知するために、文書データの当事者であるユーザに通知を1回行った場合、文書管理サービスのサーバ20は、通知をしたことに応答して、通知記録のデータベース2027の各項目を以下のように更新する。通知記録のデータベース2027の各レコードは、項目「文書データID」と、項目「通知日時」と、項目「ユーザID」と、項目「通知回数」とを含む。各項目の説明は、上記で説明した通りである。例えば、文書管理サービスのサーバ20は、項目「通知回数」について「1」という数値を格納する。
【0120】
ステップS13011において、第1のユーザの装置10は、ステップS13021にて文書管理サービスのサーバ20から送信された、長期署名に関する通知を受け付ける。
【0121】
ステップS13022において、文書管理サービスのサーバ20は、長期署名に関する通知に対してユーザから応答がなかった場合、文書データの長期署名の有効期間の延長をしないこととする。つまり、文書管理サービスのサーバ20は、文書データのデータベース2021に記憶されている項目「長期署名の有効期間」について、新たに更新しないものとする。
なお、長期署名に関する通知に対してユーザから応答がなかった場合、文書データの有効期間の延長をしないことは、会社が倒産、会社が清算した場合、または、文書データの担当者がいなくなっている場合等においても価値があるものである。等々のケースにおいて、長期署名に関する通知に対してユーザから応答がなかった場合、文書データの有効期間の延長をしないことは、有益であることが示唆される。
【0122】
<画面例>
図14は、文書データの長期署名に関する通知の画面を示す図である。
【0123】
ステップS13021において説明したように、文書管理サービスのサーバ20は、文書データの当事者であるユーザに対して、長期署名に関する通知を行う。図14は、その長期署名に関する通知の画面例の一例である。
【0124】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1400に以下の各情報を提示する。
・領域1401は、メールの件名を示す領域である。メールの件名は、文書データの長期署名に関する通知が届いたことを示すものであってもよい。メールの件名は、例えば、「賃貸借契約書.pdfの長期署名に関する確認依頼が届いています。」等である。
・領域1402は、メールの送信先、かつ、メール受信先のメールアドレスを示す領域である。
・領域1403は、文書データの長期署名に関する通知を示す文言が表示される領域である。文書データの長期署名に関する通知を示す文言は、例えば、「文書データについて、長期署名に関する確認依頼が届きました。」等である。
・領域1404は、文書データの書誌情報を示す領域である。文書データの書誌情報は、例えば、文書データの文書タイトル名、および、文書データのファイル名等を示す領域である。
・ボタン1405は、ユーザからの入力操作に応じて文書データの内容を確認するためのボタンである。例えば、ユーザがボタン1405を押す操作に応答して、第1のユーザの装置10は、下記に説明する図15のような画面を提示する。
【0125】
図15は、文書データに関する情報と長期署名に関する情報を画面に示す図である。
【0126】
第1のユーザの装置10は、長期署名の有効期間の延長の操作を受け付ける際に、文書データに関する情報と長期署名に関する情報の両方を提示する。
文書データに関する情報、および、長期署名に関する情報は、ステップS12011において説明した通りである。
【0127】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1500に以下の各情報を提示する。
・領域1501は、文書データに関する情報を示す領域である。文書データに関する情報は、ステップS12011において説明した通りである。
・領域1502は、長期署名の延長を行うか否かの説明文を示す領域である。
・領域1503は、長期署名の延長を行った場合の長期署名の有効期間を示す領域である。
・ボタン1504は、ユーザから長期署名の延長を行う操作を受け付けるボタンである。文書管理サービスのサーバ20は、ユーザから長期署名の延長を行う操作に応答して、S12023の処理を実行する。
・ボタン1505は、ユーザから長期署名の延長を行わない操作を受け付けるボタンである。文書管理サービスのサーバ20は、ユーザの入力操作に応答して、電子署名の有効期限を延長しないこととする。つまり、文書管理サービスのサーバ20は、文書データのデータベース2021に記憶されている項目「長期署名の有効期間」について、新たに更新しないものとする。
【0128】
図16は、長期署名の延長を受け付ける場面において、長期署名の参考情報と併せて、画面に示す図である。
【0129】
第1のユーザの装置10は、長期署名の有効期間の延長の操作を受け付ける際に、文書データに関する情報と長期署名に関する情報の両方を提示する。また、第1のユーザの装置10は、長期署名に関する情報の一つとして、特定の文書データにおける長期署名の参考情報も提示してもよい。これは、長期署名の延長の判断を手助けする効果がある。
特定の文書データに関わる長期署名の参考情報は、例えば、契約書の場合、内容には以下のような情報が含まれる可能性がある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・文書データの内容
文書データの内容は、文書データのデータベース2021の項目「内容」にて説明した通りである。
・文書データの種類
文書データの種類は、法定保存年数のデータベース2022の項目「文書データの種類」にて説明した通りである。
・法定保存年数
文書データの種類は、法定保存年数のデータベース2022の項目「法定保存年数」にて説明した通りである。
・利用状況
利用状況は、特定の文書データに関する利用状況を示すものである。具体的には、アクセスログのデータベース2023に記憶されている情報から、利用状況を割り出して、表示することができる。また、ユーザが利用状況に関するリンクをクリックすることで、特定の文書データに関する利用状況を表示するような形式であってもよい。
・閲覧頻度
閲覧頻度とは、あるウェブサイト、および、アプリケーション等のコンテンツを利用するユーザーが、そのコンテンツを何度も訪れる回数、および、頻度のことを指す。
ここでの閲覧頻度は、特定の文書データに関する閲覧頻度を示すものである。具体的にはアクセスログのデータベース2023に記録された情報から、閲覧状況を割り出して、特定の文書データの閲覧頻度を表示することができる。また、ユーザが閲覧頻度に関するリンクをクリックすることで、特定の文書データに関する閲覧頻度を表示するような形式であってもよい。
閲覧頻度が高いということは、その文書データに対してユーザが興味を持っており、頻繁に利用していることを示す。また、閲覧頻度が高いということは、その文書データがユーザにとって重要であることも示唆する。
それゆえ、閲覧頻度が高い特定の文書データであった場合、閲覧のニーズが高いと思われるため、長期署名の延長をした方がよいといった判断に役立つ可能性が存在する。
【0130】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1600に以下の各情報を提示する。
・領域1601は、長期署名に関する情報の一つとして、特定の文書データにおける長期署名の参考情報を示す領域である。
【0131】
図17は、契約書の締結を行う場面において、長期署名の自動延長に関する事項を画面に示す図である。
【0132】
図17は、契約書の締結を行う場面において、長期署名の自動延長に関する事項を予め定めておく画面例の一つである。特定の文書データについて、契約締結前に予め長期署名を延長することが決定している場合、契約書の締結を行う場面において、長期署名の自動延長に関する事項を契約の締結事項の一つとして入れておいてもよい。
これにより、文書データの当事者であるユーザにとって、長期署名を延長する手間を省くことが可能である。
文書管理システム1は、例えば、予め長期署名の有効期間を長期間設定するようユーザから受け付けてもよい。また、文書管理システム1は、一回につき特定の年数を延長するとして、長期署名を特定の回数分だけ延長することを定めて設定を受け付けてもよい。
文書管理サービスのサーバ20は、上記で記載した予め定められた長期署名の有効期間、もしくは、長期署名の延長の回数に応じて、文書データのデータベース2021の項目「長期署名の有効期間」を設定する。
【0133】
具体的には、第1のユーザの装置10は、ダイアログ画面1700に以下の各情報を提示する。
・領域1701は、締結前の契約書に関して、文書データに関する情報を示す領域である。文書データに関する情報は、ステップS12011において説明した通りである。
・領域1702は、長期署名の自動延長に関する事項を示す領域である。長期署名の自動延長に関する事項は、例えば、「文書データについて、契約時に長期署名の延長を2040/01/01まで自動で行うこととする。」等である。
・ボタン1703は、ユーザから契約書の内容に同意する操作を受け付けるボタンである。
具体的には、例えば、契約書受信者から契約書について合意する操作を受け付けることにより、契約管理サービスのサーバ50は、当該契約書に、契約書受信者の電子署名を付与する。
【0134】
<変形例>
(1)電子署名の有効期限を延長
文書データが特定の条件を満たしている場合に、電子署名の有効期限を延長する操作をユーザから受け付けてもよい。特定の条件とは、文書データの内容、および、文書データの種類等に関するものである。文書データの内容、および、文書データの種類は、上記に説明した通りである。
上記のように、文書データに保存すべき期間が決まっており、文書データの保存すべき期間が到来するより前に電子署名の有効期限が到来している場合は、文書データについて電子署名の有効期限を延長する操作をユーザから受け付けてもよい。例えば、文書データの種類が建築事務所の業務に関する図書の場合は、法定保存年数が15年と定められている。その場合、15年といった法定保存年数が到来するよりも前に電子署名の有効期限が到来している場合、電子署名の有効期限を延長する操作をユーザから受け付けてもよい。
【0135】
(2)閲覧制限
文書データに関する閲覧制限は、例えば、以下のようなものが想定される。
以下は例示であり、これらに限られない。
・両当事者とも閲覧可能
文書管理システム1は、当事者のユーザの少なくともいずれかからの一方のユーザから電子署名の有効期限の延長を希望する操作を受け付けた場合、延長を希望しなかった当事者のもう一方のユーザも、どちらも文書データに関する閲覧可能と設定してもよい。
・一方は閲覧可能、一方は閲覧不可
文書管理システム1は、当事者のユーザの少なくともいずれかからの一方のユーザから電子署名の有効期限の延長を希望する操作を受け付けた場合、延長を希望しなかった当事者のもう一方のユーザに対して、文書データに関する閲覧を制限するよう設定してもよい。例えば、文書管理システム1は、当事者である送信者のユーザから延長を希望する操作を受け付けて、かつ、もう一方の当事者である受信者のユーザからは延長を希望しない操作を受け付けた場合を想定したとする。その場合、文書管理システム1は、延長を希望した送信者のユーザに対しては契約書に対するアクセス権限を許可し、延長を希望しなかった受信者のユーザに対しては契約書に対して閲覧できないといった閲覧制限を実行できるようにしてもよい。
なお、この閲覧制限の場合において、文書管理システム1は、電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、延長を希望する操作を受け付けたユーザに料金を課し、延長を希望しなかったユーザに対しては料金を課さないといった料金体系を設定してもよい。
【0136】
(3)長期署名の有効期間を延長する場合の料金体系
長期署名の有効期間を延長する場合の料金体系は、例えば、以下のようなものがある。
以下は例示であり、これらに限られない。
・延長を希望するユーザに対して按分
文書管理システム1は、長期署名の有効期間の延長を希望する操作を受け付けたユーザに料金を課すことを前提として、延長を希望するユーザが複数ある場合、ユーザに対して按分して、延長をする際の料金を課す。例えば、延長を希望するユーザが三人いた場合、延長にかかる料金を三人で按分する。
・文書データの管理期間
文書管理システム1は、長期署名の有効期間の延長を希望する操作を受け付けたユーザに料金を課すことを前提として、文書データを管理する期間に応じて、当事者のユーザに料金を課す。例えば、文書データを長期期管理するほど格安になるように設定してもよいし、文書データを長期間管理するほど料金がかかる料金プランを設定してもよい。
【0137】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態、その変形は、発明の範囲、要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0138】
<付記>
以下に説明するのは、上記の各実施形態で説明した事項を付記したものである。
(付記1)
コンピュータを動作させるためのプログラムであって、コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、文書データに対し、認証機関により発行された電子証明書に基づく有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり(S12021)、プログラムは、コンピュータのプロセッサに、電子署名が付された文書データについて、文書データの当事者であるユーザに対し、文書データに関する情報を提示するステップ(S12011)と、電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップ(S12012)と、電子署名の有効期限を延長する操作を文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、文書データの電子署名の有効期限を延長するステップ(S12023)と、を実行させる、プログラム。
【0139】
(付記2)
提示するステップにおいて、文書データに付された電子署名の有効期限が到来することに基づいて、当事者であるユーザに、文書データに関する情報を提示する(S12011)、請求項1に記載のプログラム。
【0140】
(付記3)
提示するステップにおいて、文書データに関する情報を提示することとして、文書データの内容、文書データの種類、文書データの利用状況、文書データの閲覧頻度、文書データの法定保存年数、からなる群のうち少なくともいずれかを提示する(S12011)、請求項1に記載のプログラム。
【0141】
(付記4)
受け付けるステップ(S12012)において、電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を、文書データの両当事者のユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【0142】
(付記5)
提示するステップにおいて、文書データの電子署名の有効期限が到来するより一定期間前に、文書データの両当事者であるユーザに通知する、請求項4に記載のプログラム。
【0143】
(付記6)
提示するステップにおいて、文書データの両当事者であるユーザに通知することとして、文書データの閲覧権限を有するユーザ、または、文書データに合意する操作をしたユーザの少なくともいずれかを対象として通知する、請求項5に記載のプログラム。
【0144】
(付記7)
受け付けるステップにおいて、文書データが特定の条件を満たしている場合に、文書データについて電子署名の有効期限を延長する操作をユーザから受け付ける、請求項1に記載のプログラム。
【0145】
(付記8)
コンピュータは、記憶部において、文書データの内容、または、文書データの種類に応じて設定される、文書データを保存すべき期間の情報を記憶しており、受け付けるステップにおいて、文書データが特定の条件を満たしていることとして、文書データについての保存すべき期間が到来するより前に当該文書データの電子署名の有効期限が到来している場合に、文書データについて電子署名の有効期限を延長する操作をユーザから受け付ける、請求項7に記載のプログラム。
【0146】
(付記9)
コンピュータは、文書データについて当事者であるユーザから合意を受け付けることが可能であり、受け付けるステップにおいて、文書データについて当事者であるユーザから合意を受け付けることとともに、ユーザの操作によらず電子署名の有効期限を延長するための設定をユーザから受け付ける(1700)、請求項1に記載のプログラム。
【0147】
(付記10)
コンピュータは、文書データについて当事者であるユーザから合意を受け付けることが可能であり、受け付けるステップにおいて、当事者のユーザの少なくともいずれかからの一方のユーザから電子署名の有効期限の延長を希望する操作を受け付けた場合、延長を希望しなかった当事者のもう一方のユーザに対して、文書データに関する閲覧を制限する、請求項1に記載のプログラム。
【0148】
(付記11)
延長するステップ(S12023)において、電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、延長を希望する操作を受け付けたユーザに料金を課し、延長を希望しなかったユーザに対しては料金を課さない、請求項10に記載のプログラム。
【0149】
(付記12)
延長するステップ(S12023)において、電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、延長を希望する操作を受け付けたユーザに料金を課し、延長を希望するユーザが複数ある場合、ユーザに料金を課すこととして、ユーザに対して、按分して、延長をする際の料金を課す、請求項1に記載のプログラム。
【0150】
(付記13)
延長するステップ(S12023)において、電子署名の有効期限の延長を行うことに応答して、延長を希望する操作を受け付けたユーザに料金を課し、当事者のユーザに料金を課すこととして、文書データを管理する期間に応じて、当事者のユーザに料金を課す、請求項1に記載のプログラム。
【0151】
(付記14)
提示するステップにおいて、当事者であるユーザに対して、電子署名の有効期限に関する通知を1回以上行い(S13021)、通知に関する記録をし、通知に対して応答がなかった場合に、文書データの有効期限の延長をしない(S13022)、請求項1に記載のプログラム。
【0152】
(付記15)
コンピュータを動作させるための方法であって、コンピュータは、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、文書データに有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり(S12021)、方法は、コンピュータのプロセッサに、電子署名が付された文書データについて、文書データの当事者であるユーザに対し、文書データに関する情報を提示するステップ(S12011)と、電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップ(S12012)と、電子署名の有効期限を延長する操作を文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、文書データの電子署名の有効期限を延長するステップ(S12023)と、を実行する、方法。
【0153】
(付記16)
制御部を備える情報処理装置であって、情報処理装置は、文書管理サービスをユーザに提供するためのものであり、文書管理サービスは、文書データに有効期限付きの電子署名を付して管理するものであり(S12021)、制御部が、電子署名が付された文書データについて、文書データの当事者であるユーザに対し、文書データに関する情報を提示するステップ(S12011)と、電子署名の有効期限を延長するか否かの操作を文書データの当事者であるユーザから受け付けるステップ(S12012)と、電子署名の有効期限を延長する操作を文書データの当事者のユーザの少なくともいずれかから受け付けることに応答して、文書データの電子署名の有効期限を延長するステップ(S12023)と、を実行する、情報処理装置。
【符号の説明】
【0154】
1:文書管理システム、10:第1のユーザの装置、12:通信IF、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:記憶部、19:プロセッサ、20:文書管理サービスのサーバ、22:通信IF、23:入出力IF、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、40:契約書送信者のユーザの装置、50:契約管理サービスのサーバ、60:契約書受信者のユーザの装置、80:ネットワーク、111:アンテナ、121:第1無線通信部、130:操作受付部、132:ディスプレイ、140:音声処理部、141:マイク、142:スピーカー、161:文書データ情報、162:文書管理情報、191:入力操作受付部、192:送受信部、193:データ処理部、194:報知制御部、201:通信部、202:記憶部、203:制御部、2021:文書データのデータベース、2022:法定保存年数のデータベース、2023:アクセスログのデータベース、2024:文書管理のデータベース、2025:ユーザのデータベース、2026:長期署名の延長記録のデータベース、2027:通知記録のデータベース、2031:受信制御モジュール、2032:送信制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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