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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139036
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049815
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰弘
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB72
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】特定の操作を行う権限を与えられるべき人物が情報処理装置を操作する場合には、当該情報処理装置における認証作業を不要とする。
【解決手段】情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、人物を撮像した撮像情報を取得し、取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡し、予め設定された特定領域8に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置20において特定の操作を行う権限を付与する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
人物を撮像した撮像情報を取得し、
取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡し、
予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置において特定の操作を行う権限を付与する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記特定の操作を行う権限が第1の操作権限であり、前記第1の操作権限を付与された人物が予め定められた認証方式で認証を行って成功した場合には、前記特定の操作とは異なる操作に対する権限を更に含む第2の操作権限を当該人物に付与する、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の操作権限を付与された人物が前記特定領域に入るための第1の認証方式とは異なる第2の認証方式により認証を行って成功した場合には、前記第2の操作権限を付与する、請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記特定領域に予め定められた時間以上留まっていない人物が前記情報処理装置の前記特定の操作を行おうとした場合には、当該人物に対して認証作業を要求し、
前記特定領域に予め定められた時間以上留まった人物が前記情報処理装置の前記特定の操作を行う場合には、当該人物に対して認証作業を要求しない、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を付与された前記人物が、前記情報処理装置に対する予め定められた操作を行った場合、あるいは予め定められた行動をした場合には、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限の少なくとも一部を制限する、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を付与された前記人物が、前記情報処理装置に対する予め定められた操作を行った場合、あるいは予め定められた行動をした場合には、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を取り消す、請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置が画像形成装置である、請求項1から6のいずれか1項記載の情報処理システム。
【請求項8】
人物を撮像した撮像情報を取得するステップと、
取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡するステップと、
予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置において特定の操作を行う権限を付与するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、店舗端末に客モードと従業員モードを備えており、客モードでは客自身が任意のタイミングで代金の支払いを行い、従業員モードでは従業員の業務に係る処理を行う店舗端末装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-009454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンビニエンスストアといった小売店舗には、無人決済型の店舗システムが導入されつつある。これは、店舗に入場した一人一人の動きを店舗に設置された多数のカメラによって撮影して追跡し、それぞれの人物が取得した商品を認識し、決済エリアにおいて当該人物が所持する商品を決済レジ装置に表示し決済を行うものである。決済の方法には、現金、クレジットカード、ICカード、二次元コード決済システムを使用するものがある。
【0005】
こうした無人決済型の店舗に設置された画像形成装置には、店舗従業員のみが利用できる従業員モードが設けられている。そして、この従業員モードを使用することにより、店舗従業員は、各種設定及びメンテナンス作業を行うことができる。しかし、無人決済型の店舗に設置された画像形成装置において、従業員モードを利用するためには、画像形成装置の入力装置からパスワードを入力したりICカードをスキャンしたりして認証する必要があり、操作が煩雑である。
【0006】
本発明の目的は、特定の操作を行う権限を与えられるべき人物が情報処理装置を操作する場合には、当該情報処理装置における認証作業を不要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様の情報処理システムは、プロセッサを備え、前記プロセッサは、人物を撮像した撮像情報を取得し、取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡し、予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置において特定の操作を行う権限を付与する。
【0008】
本開示の第2態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記特定の操作を行う権限が第1の操作権限であり、前記第1の操作権限を付与された人物が予め定められた認証方式で認証を行って成功した場合には、前記特定の操作とは異なる操作に対する権限を更に含む第2の操作権限を当該人物に付与する。
【0009】
本開示の第3態様の情報処理システムは、第2態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記第1の操作権限を付与された人物が前記特定領域に入るための第1の認証方式とは異なる第2の認証方式により認証を行って成功した場合には、前記第2の操作権限を付与する。
【0010】
本開示の第4態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、前記特定領域に予め定められた時間以上留まっていない人物が前記情報処理装置の前記特定の操作を行おうとした場合には、当該人物に対して認証作業を要求し、前記特定領域に予め定められた時間以上留まった人物が前記情報処理装置の前記特定の操作を行う場合には、当該人物に対して認証作業を要求しない。
【0011】
本開示の第5態様の情報処理システムは、第1態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を付与された前記人物が、前記情報処理装置に対する予め定められた操作を行った場合、あるいは予め定められた行動をした場合には、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限の少なくとも一部を制限する。
【0012】
本開示の第6態様の情報処理システムは、第5態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を付与された前記人物が、前記情報処理装置に対する予め定められた操作を行った場合、あるいは予め定められた行動をした場合には、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を取り消す。
【0013】
本開示の第7態様の情報処理システムは、第1態様から第6態様の情報処理システムにおいて、前記情報処理装置が画像形成装置である。
【0014】
本開示の第8態様のプログラムは、人物を撮像した撮像情報を取得するステップと、取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡するステップと、予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置において特定の操作を行う権限を付与するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の第1態様の情報処理装置によれば、特定の操作を行う権限を与えられるべき人物が情報処理装置を操作する場合には、当該情報処理装置における認証作業を不要とすることができる。
【0016】
本開示の第2態様の情報処理装置によれば、情報処理装置において特定の操作を行う権限を、操作を行っている人物に対して認証作業を要求することなく当該権限を与えられるべき人物に付与し、更なる認証を行った場合には、さらに他の権限を付与できるようになる。
【0017】
本開示の第3態様の情報処理装置によれば、特定領域に入るための第1の認証方式だけでは情報処理装置の第2の操作権限が付与されないようにすることができる。
【0018】
本開示の第4態様の情報処理装置によれば、特定領域に予め定められた時間留まった人物が、操作権限を要求する操作を行わずに、情報処理装置の特定の操作を行うことが可能となる。
【0019】
本開示の第5態様の情報処理装置によれば、情報処理装置の特定の操作を行う権限を、不適切な操作又は行動を行う人物に対して制限することができる。
【0020】
本開示の第6態様の情報処理装置によれば、情報処理装置の特定の操作を行う権限を、不適切な操作又は行動を行う人物に対して取り消すことができるようになる。
【0021】
本開示の第7態様の情報処理装置によれば、画像形成装置の特定の操作を行う権限を、操作を行う人物に対して認証作業を要求することなく、当該権限を与えられるべき人物に付与できるようになる。
【0022】
本開示の第8態様の情報処理装置によれば、特定の操作を行う権限を与えられるべき人物が情報処理装置を操作する場合には、当該情報処理装置における認証作業を不要とする制御をコンピュータに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の一実施形態の情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態におけるシステムサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態におけるシステムサーバの機能構成を示すブロック図である。
図4】システムサーバのデータ記憶部に記憶されたデータ構成の一例を示す図である。
図5】本開示の一実施形態における画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6】本開示の一実施形態における画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図7】システムサーバにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図8】画像形成装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図9】画像形成装置のUI装置に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
図10】画像形成装置のUI装置に表示される従業員モードの操作ニューの一例を示す図である。
図11】画像形成装置のUI装置に表示される履歴確認画面の一例を示す図である。
図12】画像形成装置のUI装置に表示されるネットワーク状況確認画面の一例を示す図である。
図13】画像形成装置のUI装置に表示される消耗品確認・音量設定画面の一例を示す図である。
図14】画像形成装置のUI装置に表示されるエラー画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本開示の第1実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【0026】
無人決済店舗1には、利用者の出入口となるゲート2、商品を陳列する陳列棚3、商品やサービスの利用による結果物に対する対価の料金を纏めて決済する決済端末装置4、撮像装置としてのカメラ5が設置されている。陳列棚3には、商品の取り出しを検出するセンサ6が複数設けられている。センサ6として例えば重量センサ等が用いられる。また、無人決済店舗1はカメラ5が撮像する対象となる撮像空間であり、無人決済店舗1には後述する画像形成装置20が設置されている。
【0027】
また、無人決済店舗1には、バックヤード8等の予め設定された特定領域が設けられており、従業員のみが当該領域に出入りできるようになっている。
【0028】
本開示の第1実施形態の情報処理システムは、ゲート2、決済端末装置4、複数台のカメラ5、複数のセンサ6、画像形成装置20がそれぞれルータ7に接続されている。また、ルータ7、システムサーバ10、課金サーバ30がインターネット40を介して互いに接続されている。
【0029】
システムサーバ10は、無人決済店舗1に出入り(入退店ともいう)する人物つまり利用者に関する情報と、無人決済店舗1内の商品及びサービスの利用に関する情報等を管理するシステム管理装置である。
【0030】
画像形成装置20は、無人決済店舗1において、サービスを提供するサービス提供装置の一例である。画像形成装置20は、普通紙や写真用紙等の用紙を用いた印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。そして、画像形成装置20は、利用者がコピー、スキャン、プリント、ファクシミリといったサービスを利用できるように構成されている。
【0031】
課金サーバ30は、利用者毎に、商品の料金、及び画像形成装置20を使用したサービスの利用に対する対価の料金を纏めて計算する決算処理を行う課金管理装置である。
【0032】
つまり、システムサーバ10は、画像形成装置20が設置された無人決済店舗1内にゲート2を介して入店した利用者を、複数台のカメラ5によって撮像した撮像情報を取得し、取得した撮像情報を用いて無人決済店舗1内の利用者の行動を退店するまで追跡する。そして、システムサーバ10は、利用者が手に取った商品(以下、購入予定商品という)の情報を複数のセンサ6と複数台のカメラ5から取得する。またシステムサーバ10は、利用者による画像形成装置20のサービスの利用に関する情報等を画像形成装置20から取得する。
【0033】
すなわち、システムサーバ10は、どの利用者が、どの購入予定商品を手にしたかについての情報、及び画像形成装置20のどのサービスを利用したかについての情報を、複数台のカメラ5、複数のセンサ6、及び画像形成装置20からリアルタイムで認識する。そして、システムサーバ10は、購入予定商品及びサービスの利用に関する情報を課金サーバ30に送信する。
【0034】
例えば、画像形成装置20において、利用者Aにより複写(コピー)サービスが利用されたとする。その場合、コピー枚数と、用紙の種類及び大きさ等の印刷内容に関する情報とが画像形成装置20からシステムサーバ10へ送信される。そしてシステムサーバ10は、カメラ5から取得した情報に基づいて、コピーサービスを利用した利用者がだれであるかを特定し、画像形成装置20から取得したコピー枚数と、用紙の種類及び大きさ等の印刷内容に関する情報とを結びつける。そして、当該情報を課金サーバ30へ送信する。
【0035】
課金サーバ30は、システムサーバ10から、画像形成装置20を利用したサービスについての情報を取得すると、利用者ごとに、該当するサービスの利用に対する対価の料金を纏めて計算する決算処理を行う。また、利用者が商品を所持している場合には、当該商品に対する料金をさらに纏めて計算する課金額を算出する。
【0036】
課金サーバ30は、利用者に関する情報と、決算処理により算出された課金額をシステムサーバ10に通知する。
【0037】
そして、購入予定商品を持った利用者、又はサービスを利用した利用者が、決済端末装置4の周辺である決済エリアに入ると、決済端末装置4はシステムサーバ10から課金額を取得し、表示部に、購入予定商品及びサービスの利用内容と、課金額が表示される。これにより、決済エリアにいる利用者は、表示内容を確認して決済する。
【0038】
また、無人決済店舗1のバックヤード8等の予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった利用者が画像形成装置20を操作する場合であって、後述する従業員モードの操作をするときには、当該利用者に対して認証作業を要求せずに行う。
【0039】
上記のように構成された情報処理システムのシステムサーバ10のハードウェア構成を図2に示す。
【0040】
システムサーバ10は、図2に示されるように、CPU101、メモリ102、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置103、通信インタフェース104と、を有する。これらの構成要素は、制御バス105を介して互いに接続されている。
【0041】
CPU101は、メモリ102又は記憶装置103に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、システムサーバ10の動作を制御するプロセッサである。なお、本第1実施形態では、CPU101は、メモリ102又は記憶装置103内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース104に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0042】
通信インタフェース104は、インターネット40を介して課金サーバ30や、無人決済店舗1内に設置された画像形成装置20、決済端末装置4、カメラ5、センサ6等との間でデータの送信及び受信を行うように構成されている。
【0043】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現されるシステムサーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0044】
本第1実施形態のシステムサーバ10は、図3に示されるように、情報取得部111、利用者管理部112、権限通知部113、課金対象情報通知部114、データ記憶部115として機能する。
【0045】
情報取得部111は、複数台のカメラ5の画像情報を取得する。つまり、ゲート2を介して入退店する利用者の画像、無人決済店舗1内にいる利用者が商品を手に取った際に、その時刻、その利用者の画像、手に取った購入予定商品についての情報を取得する。また、利用者が画像形成装置20を使用する場合に、画像形成装置20を操作している利用者の画像、および利用したサービスについての情報を取得する。また、情報取得部111は、バックヤード8等の予め設定された特定領域に留まった利用者の画像を取得する。
【0046】
利用者管理部112は、情報取得部111が取得した画像を解析し、ゲート2を介して入店した利用者を後述するデータ記憶部115に「非従業員」として登録する。あるいは、当該利用者を「客」として登録してもよい。そして、利用者管理部112は、情報取得部111が取得した、利用者の購入予定商品についての情報と、その利用者の画像を解析して結びつけ、どの利用者がどの購入予定商品を所持しているかをデータ記憶部115に登録する。また、利用者管理部112は、情報取得部111が取得した、画像形成装置20のサービスを利用した利用者の画像と、利用したサービスについての情報とを結びつけ、どの利用者がどのサービスを利用したかをデータ記憶部115に登録する。
【0047】
利用者管理部112は、無人決済店舗1の予め設定された特定領域、例えばバックヤード8に予め定められた時間以上留まった利用者に対して、画像形成装置20において特定の操作を行う権限を付与する。なお、予め定められた時間以上留まるとは、特定の領域を通過することを含む。特定の操作については後述するが、利用履歴の確認、ネットワーク状況の確認、消耗品の確認、UI装置205の音量調整、ライセンス情報の確認といった非従業員である一般の利用者が行うことが禁止される従業員モードの制御である。利用者管理部112は、バックヤード8に予め定められた時間以上留まった利用者を、「従業員」であると特定し、データ記憶部115の当該人物についての情報を「非従業員」から「従業員」に更新する。
【0048】
さらに、利用者管理部112は、情報取得部111が取得した画像を解析し、ゲート2を介して退店した利用者の情報をデータ記憶部115から削除する。
【0049】
権限通知部113は、画像形成装置20を操作している人物について画像形成装置20から問い合わせがあった場合に、当該人物が従業員であるか客であるかを通知する。
【0050】
課金対象情報通知部114は、データ記憶部115に記憶されている利用者についての情報と当該利用者の購入予定商品についての情報、及び利用したサービスについての情報を課金サーバ30に送信する。また、課金対象情報通知部114は、課金サーバ30から取得した課金額についての情報を、決済端末装置4に送信する。
【0051】
データ記憶部115は、図4に示す監視対象リストを記憶している。監視対象リストには、入店した各利用者に割り振られた利用者ID、各利用者の入店時刻、利用者を特定する画像情報、非従業員又は従業員を示す情報、商品又は/及びサービスの提供時刻、その商品又は/及びサービスの利用情報が対応付けて記憶されている。
【0052】
例えば、利用者Aには、入店時刻「9:28」、利用者Aをカメラ5により撮影した画像情報、当該利用者の種別として「従業員」が対応付けられて記憶されている。また、利用者Bには、入店時刻「9:55」、利用者Bをカメラ5により撮影した画像情報、当該利用者の種別として「非従業員」が記憶されている。さらに、商品の提供時刻「10:00」、商品の利用情報「弁当、540円」、サービスの提供時刻「10:02」、サービスの利用情報「A3白黒コピー 30円」が利用者Bに対応付けられて記憶されている。
【0053】
次に、本第1実施形態の画像形成装置20のハードウェア構成を図5に示す。
【0054】
画像形成装置20は、図5に示されるように、CPU201、メモリ202、HDD等の記憶装置203、通信インタフェース204、タッチパネル等のUI装置205、スキャンユニット206、画像形成ユニット207を有する。これらの構成要素は、制御バス208を介して互いに接続されている。
【0055】
CPU201は、メモリ202又は記憶装置203に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置20の動作を制御するプロセッサである。なお、本第1実施形態では、CPU201は、メモリ202又は記憶装置203内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD-ROM及びDVD-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSBメモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信インタフェース204に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0056】
通信インタフェース204は、インターネット40を介してシステムサーバ10や課金サーバ30や他の外部の装置等との間でデータの送受信を行う。
【0057】
UI装置205は、利用者に各種情報を表示する表示装置と、利用者からの画像形成装置20に対する各種操作を受け付ける入力装置とを備えている。なお、本第1実施形態では、UI装置205はタッチパネルを採用しているが、これに限定されない。
【0058】
スキャンユニット206は、セットされた原稿から原稿画像を読み取り、画像データとしてメモリ202に一時的に記憶、あるいは記憶装置203に格納する。
【0059】
画像形成ユニット207は、メモリ202に一時的に記憶された画像データ、あるいは記憶装置203に格納された画像データを印刷用紙等の印刷物上に画像を出力する。または、画像形成ユニット207は、インターネット40経由で取得した画像データを印刷用紙等の印刷物上に画像を出力してもよい。
【0060】
図6は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0061】
本第1実施形態の画像形成装置20は、図6に示されるように、サービス提供部211、メンテナンス制御部212、表示制御部213、モード管理部214として機能する。
【0062】
サービス提供部211は、利用者によるUI装置205の入力操作に応じて、セットされた原稿をコピーしたり、スキャンしたり、インターネット上から取得した画像データをプリントしたり等のサービス処理を行う。
【0063】
メンテナンス制御部212は、従業員である利用者によるUI装置205の入力操作に応じて、管理及び/又は設定に関わる従業員モードの制御を行う。この従業員モードの制御は、非従業員である一般の利用者が行うことが禁止される制御である。具体的には、利用履歴の確認、ネットワーク状況の確認、消耗品の確認、UI装置205の音量調整、ライセンス情報の確認といった制御、及び色合い変更、階調補正、チャートの確認といった保守に関わる制御が含まれる。
【0064】
表示制御部213は、利用者が画像形成装置20のサービスを利用する際に、UI装置205に表示するための操作用メニュー画像を生成し表示する。また、従業員として登録されていない利用者が画像形成装置20の設定変更を行おうとした際に、エラー画像を生成して表示する。
【0065】
モード管理部214は、利用者が従業員モードの操作をしようとした際に、システムサーバ10に操作をしている利用者についての情報を要求する。
【0066】
モード管理部214は、システムサーバ10から当該利用者が従業員であるとの情報を取得した場合には、従業員モードの操作を許可し、表示制御部213に従業員モードの操作メニューを表示するよう指示する。一方、システムサーバ10から当該利用者が非従業員であるとの情報を取得した場合には、モード管理部214は、従業員モードの操作を許可せず、表示制御部213にエラー画像を表示するよう指示する。
【0067】
以上のように構成された情報処理システムにおいて、利用者が画像形成装置20を操作する際の処理の流れを、図7図8を参照して説明する。まず、図7は、システムサーバ10における処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明においては、課金等は本開示の肝要な部分ではないので、それについての説明は省略する。
【0068】
図7のステップS701において、システムサーバ10の情報取得部111は、無人決済店舗1に設置された複数台のカメラ5の画像情報を取得する。
【0069】
ステップS702において、利用者管理部112は、情報取得部111が取得した画像を解析し、新たな利用者がゲート2を介して入店したか否かを判断する。新たな利用者が入店したと判断された場合、ステップS703の処理に進む。ステップS703において、利用者管理部112は、新たに入店した利用者を、例えば「利用者A」とし、その入店時刻と、利用者Aを特定する画像情報である顔写真と、利用者が「非従業員」であることを示す情報とを結びつけてデータ記憶部115に登録する。そして、ステップS701の処理に戻る。
【0070】
ステップS702において、新たな利用者が入店していないと判断された場合、ステップS704の処理に進む。ステップS704において、利用者管理部112は、ある利用者がゲート2を介して退店したか否かを判断する。利用者が退店したと判断された場合、ステップS705の処理に進む。ステップS705において、利用者管理部112は、退店した利用者を特定し、例えばそれが「利用者A」である場合には、「利用者A」に関連付けられている情報を、データ記憶部115から削除し、ステップS701の処理に戻る。
【0071】
ステップS704において、利用者が退店していないと判断された場合、ステップS706の処理に進む。ステップS706において、利用者管理部112は、ある利用者が無人決済店舗1の予め設定された特定領域、例えばバックヤード8に予め定められた時間以上留まったか否かを判断する。例えば、予め定められた時間とは30秒である。利用者がバックヤード8に予め定められた時間以上留まったと判断された場合、ステップS707の処理に進む。ステップS707において、利用者管理部112は、バックヤード8に留まった利用者を特定し、例えばそれが利用者Aである場合には、利用者に関連付けられている「非従業員」の情報を「従業員」に更新し、ステップS701の処理に戻る。なお、図4では、「9:28」に入店した「利用者A」がバックヤード8に予め定められた時間以上留まったため、「従業員」として更新されている。
【0072】
ステップS706において、利用者がバックヤード8に予め定められた時間以上留まってはいないと判断された場合、ステップS708の処理に進む。ステップS708において、権限通知部113は、画像形成装置20から当該装置を操作している利用者についての問い合わせがあったか否かを判断する。問い合わせがあったと判断された場合、ステップS709の処理に進む。
【0073】
ステップS709において、情報取得部111は、画像形成装置20を操作している利用者の画像をカメラ5から取得する。そして、権限通知部113は、取得した当該利用者の画像に対応する利用者が「非従業員」か「従業員」であるかを、データ記憶部115のデータを参照して特定して、画像形成装置20に通知する。例えば、図4の「利用者A」が画像形成装置20を操作している場合には、情報取得部111は、利用者Aは「従業員」であることを特定し、画像形成装置20に通知する。そして、ステップS701の処理に戻る。
【0074】
ステップS708において画像形成装置20から問い合わせがないと判断された場合には、ステップS701の処理に戻り、上記の処理を継続して行う。
【0075】
図8は、画像形成装置20における処理の流れを示すフローチャートである。図8のステップS801において、表示制御部213は、画像形成装置20のUI装置205にメニュー画面を表示し、利用者による操作を受け付ける。例えば、表示制御部213は、図9に示すメニュー画面900をUI装置205に表示させる。メニュー画面900には、「コピー」アイコン901、「スキャン」アイコン902、「プリント」アイコン903、「ファックス」アイコン904、「管理/設定」アイコン905が含まれる。利用者はこのメニュー画面900を視認しながら、希望する操作を行う。
【0076】
ステップS802において、モード管理部214は、利用者による操作が、従業員モードに含まれる操作であるか否かを判断する。従業員モードに含まれない操作、つまりコピー、スキャン、プリント、ファクシミリといった通常サービスについての操作であると判断された場合、ステップS803の処理に進む。
【0077】
ステップS803において、サービス提供部211は、利用者によるUI装置205の入力操作に応じて、セットされた原稿をコピーしたり、スキャンしたり、インターネット上から取得した画像データをプリントしたりする等の通常のサービス処理を行う。なお、画像形成装置20は、サービス処理を行った場合、当該サービスの情報についての情報、例えばコピー枚数と用紙の種類及び大きさ等の印刷内容に関する情報とをシステムサーバ10に送信するが、本開示の肝要な部分ではないので、説明を省略する。サービス処理を終了したら、ステップS801の処理に戻る。
【0078】
ステップS802において、利用者による操作が、従業員モードに含まれる操作であると判断された場合、ステップS804の処理に進む。すなわち、図9のメニュー画面900において、利用者が「管理/設定」アイコン905を選択した場合、ステップS804の処理に進む。
【0079】
ステップS804において、モード管理部214は、システムサーバ10に対して問い合わせを行う。つまり、モード管理部214は、画像形成装置20を操作しているのが非従業員であるか、それとも従業員であるかについての問い合わせをシステムサーバ10に対して行う。
【0080】
ステップS805において、モード管理部214は、システムサーバ10から問い合わせ結果を受信し、画像形成装置20を操作しているのが従業員か否かを判断する。従業員であると判断された場合、ステップS806の処理に進む。
【0081】
ステップS806において、モード管理部214は、メンテナンス制御部212による処理を許可し、表示制御部213に従業員モードの操作メニューの表示を指示する。つまり、バックヤード8に予め定められた時間以上留まった従業員である利用者が従業員モードの操作を行おうとした場合には、当該利用者に対しては認証作業を要求することなく従業員モードの操作メニューを表示する。そして、ステップS807において、メンテナンス制御部212は、従業員である利用者によるUI装置205の入力操作に応じて、画像形成装置20のメンテナンス又は設定変更を行う。
【0082】
このときにUI装置205に表示される従業員モードの操作メニューの一例を図10に示す。従業員モードの操作メニューは、例えば、図10に示す「管理/設定」画面1000を含む。「管理/設定」画面1000には、「利用履歴」アイコン1001、「店内ネットワーク状況」アイコン1002、「消耗品、スピーカ音量」アイコン1003、「ライセンス情報」アイコン1004、「保守員用」アイコン1005が含まれる。従業員である利用者は、この「管理/設定」画面1000を視認しながら操作を行い、画像形成装置20のメンテナンス又は設定変更を行う。メンテナンス又は設定変更が終了すると、ステップS801の処理に戻る。
【0083】
例えば、従業員である利用者が「利用履歴」アイコン1001を選択すると、メンテナンス制御部212は、表示制御部213に対して図11に示す履歴確認画面1100をUI装置205に表示するよう指示する。履歴確認画面1100には、画像形成装置20が提供した当日のサービスについての情報が表示される。さらに、履歴確認画面1100を操作して、前日、翌日のサービス利用の履歴、あるいは日付指定を行って任意の日付のサービス利用の履歴を表示させることができる。
【0084】
図10の「管理/設定」画面1000において、「店内ネットワーク状況」アイコン1002が選択されると、メンテナンス制御部212は、表示制御部213に、図12に示すネットワーク状況確認画面1200をUI装置205に表示するよう指示する。ネットワーク状況確認画面1200には、画像形成装置20が通信を行うルータ7、システムサーバ10、課金サーバ30との通信状況が「正常」又は「応答なし」として表示される。
【0085】
図10の「管理/設定」画面1000において、「消耗品、スピーカ音量」アイコン1003が選択されると、メンテナンス制御部212は、表示制御部213に、図13に示す消耗品確認・音量設定画面1300をUI装置205に表示するよう指示する。消耗品確認・音量設定画面1300には、画像形成装置20の消耗品であるトナー残量、インク残量の情報が表示される。また、消耗品確認・音量設定画面1300には音量設定画面1310が含まれ、従業員である利用者はこの音量設定画面1310を視認しながら操作を行い、画像形成装置20の音量を調整する。
【0086】
図8のステップS805において、モード管理部214が、画像形成装置20を操作しているのが従業員ではないと判断された場合、ステップS808の処理に進む。ステップS808において、モード管理部214は、従業員モードの操作を許可せず、表示制御部213に、図14に示すエラー画面1400をUI装置205に表示するよう指示する。
【0087】
図14に示すように、エラー画面1400には、「一般の利用者にはこの操作は許可されていません」というメッセージが表示される。表示制御部213は、このエラー画面1400を所定の期間、例えば数秒間UI装置205に表示した後、ステップS801の処理に戻る。
【0088】
上記第1実施形態によれば、バックヤード8等の予め設定された領域に予め定められた時間以上留まった利用者が画像形成装置20の従業員モードの操作を行う際に、認証作業を当該利用者に対して要求することなく従業員モードの操作を受け付ける。
【0089】
なお、上記第1実施形態では、従業員ではないと判定された利用者が従業員モードの処理を行おうとした際にはエラー画面が表示されるように制御する例を説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。モード管理部214は、表示制御部213によってエラー画面を表示させる代わりに、従業員であることを認証する認証画面を表示させ、利用者が正しく認証を行った場合に従業員モードの処理を行えるようにしてもよい。すなわち、バックヤード8に予め定められた時間以上留まっていない非従業員である利用者が従業員モードの操作を行おうとした場合には、当該利用者に対して認証作業を要求する。この認証は、例えば、ICカード認証あるいはIDとパスワードの入力による認証により、利用者が従業員であることを確認するものでもよい。
【0090】
また、上記第1実施形態では、システムサーバ10の権限通知部113は、画像形成装置20を操作している人物について画像形成装置20から問い合わせがあった場合に、当該人物が従業員であるか非従業員であるかを通知した。しかしながら、本開示は上記第1実施形態に限定されない。システムサーバ10の権限通知部113は、ある人物が画像形成装置20の操作を開始した際に、データ記憶部115の情報に基づいて、当該画像形成装置20を操作している利用者が従業員であるか非従業員であるかを画像形成装置20に能動的に通知してもよい。
【0091】
その場合、従業員である利用者が図9のメニュー画面900において、「管理/設定」アイコン905を選択したときには、認証要求をすることなく図10の「管理/設定」画面1000がUI装置205に表示され、利用者がメンテナンス又は設定変更を行う。一方、非従業員である利用者が図9のメニュー画面900において、「管理/設定」アイコン905を選択したときには、図14に示すエラー画面1400を表示し、非従業員である利用者によるメンテナンス又は設定変更を行えないようにする。
【0092】
さらに、データ記憶部115に従業員であると登録された利用者が予め定められた特定の操作、例えば許可されていない操作を行ったこと、又は行おうとしたことを、情報取得部111が画像形成装置20から取得した場合、後述の処理を行うようにしてもよい。あるいは、利用者管理部112は、データ記憶部115に従業員であると登録された利用者が店舗内で予め定められた行動をしたことを情報取得部111が取得する画像データから判断した場合、後述の処理を行うようにしてもよい。
【0093】
すなわち、利用者管理部112は、データ記憶部115の「従業員」としての登録情報を「非従業員」に変更し、その旨を画像形成装置20に通知する。つまり、当該利用者に付与されていた従業員モードの操作権限を取り消す。画像形成装置20のモード管理部214は、この通知を受けて、表示制御部213にエラー画像を表示し、違反行為があったために従業員モードの操作を行うことができなくなった旨の表示を行うよう指示する。そして、モード管理部214は、当該利用者による従業員モードの操作を行うことができないようにする。
【0094】
あるいは、モード管理部214は、上記の通知を受けた場合に、従業員モードの操作の少なくとも一部を制限し、一部の操作のみが許可されるようにしてもよい。
【0095】
[第2実施形態]
第2実施形態の情報処理システムにおいては、第1実施形態の構成に加えて、従業員であると見なされた利用者が、画像形成装置20において認証をさらに行って成功した場合には、従業員モードよりもさらに広範な操作権限を利用者に付与する。なお、第2実施形態の情報処理システムを構成するシステムサーバ10と画像形成装置20の構成は、第1実施形態のものと基本的に同じであるので、同じ構成要素については、同一の参照符号を用いて説明する。
【0096】
第2実施形態において、画像形成装置20は、利用履歴の確認、店内ネットワーク状況の確認、消耗品、スピーカ音量の確認、ライセンス情報の確認といった第1の操作権限が付与された利用者が操作できる第1従業員モードを有している。さらに、これらに加えて、色合いの変更、階調補正、チャートの確認、出力イメージの位置調整、出力イメージの濃度調整といった機械管理者向け操作となる、第2の操作権限が付与された利用者が操作できる第2従業員モードとを有している。なお、第2従業員モードの操作は、第1従業員モードの操作とは異なる操作を含むものである。
【0097】
モード管理部214は、システムサーバ10から画像形成装置20の利用者が従業員であるとの情報を取得した場合には、第1従業員モードの操作を許可し、表示制御部213に第1従業員モードの操作メニューの表示を指示する。第1従業員モードの操作メニューは、例えば第1実施形態の図10で説明した「管理/設定」画面1000と同様のものである。
【0098】
さらに、モード管理部214は、従業員が第2従業員モードの操作を行おうとした場合、当該従業員に対して認証作業を要求する。具体的には、図10の「管理/設定」画面1000で、従業員である利用者が「保守員用」アイコン1005を選択した場合、モード管理部214は、表示制御部213に対しIDとパスワード入力を求める認証要求画面をUI装置205に表示するよう指示する。認証は、上記方法に限定されず、画像形成装置20にICカードリーダを設け、ICカードによる認証を行ってもよいし、画像形成装置20にカメラを設け、当該カメラで撮像した顔画像等を、予め登録された画像と照合することに行うものであってもよい。モード管理部214は、システムサーバ10に対して問い合わせを行い、従業員である利用者が第2の操作権限を付与されるべき利用者であるか否かの認証を行う。
【0099】
システムサーバ10の権限通知部113は、上記の認証に対し、認証結果を画像形成装置20に通知する。つまり、認証を行った利用者が第2の操作権限を付与されるべき利用者であるか否かを通知する。認証に成功した場合、モード管理部214は、第2従業員モードの操作を許可し、表示制御部213に第2従業員モードの操作メニューの表示を指示する。この操作メニューには、色合いの変更、階調補正、チャートの確認、出力イメージの位置調整、出力イメージの濃度調整といった機械管理者向け操作メニューである。そして、利用者は、第2従業員モードの操作メニューを視認しながらUI装置205を操作し、第2従業員モードの操作を行う。一方、認証に成功しなかった場合、モード管理部214は、第2従業員モードの操作を許可せず、表示制御部213にエラー画像を表示するよう指示する。
【0100】
また、無人決済店舗1のバックヤード8の出入口に認証装置を設置し、従業員は当該バックヤード8に入る場合にはICカード認証といった第1の認証方法を用いて認証を行う。一方、画像形成装置20の第2従業員モードの操作を行う場合には、上記第1の認証方法とは異なる、IDとパスワードを入力といった第2の認証方法を行うようにしてもよい。その場合、システムサーバ10において利用者の認証の成功の可否の情報を管理しておき、第1の認証方式により認証が成功した場合には当該利用者に第1の操作権限を付与し、第2の認証方式により認証が成功した場合には当該利用者に第2の操作権限を付与する。
【0101】
以上、無人決済店舗1のバックヤード8に入室した利用者を従業員として登録し、当該利用者が画像形成装置20を使用する場合には、認証作業を当該利用者に要求することなく、従業員モードの操作を行わせることについて説明した。上記各実施形態では、情報処理装置として画像形成装置20を用いた場合を説明したが、本開示はこれに限定されず、権限付与により特定の操作が可能となる装置及びシステム全般に対して適用できる。例えば、画像形成装置20に代えて、セルフレジ装置といった決済端末装置4に適用してもよい。一般の利用者である非従業員は、セルフレジ装置の一般的な機能を利用できるが、バックヤード8に入室することにより従業員であると見なされた利用者は、セルフレジ装置の特別な操作を、認証作業を要求されることなく行える。
【0102】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0103】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0104】
(付記)
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
人物を撮像した撮像情報を取得し、
取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡し、
予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置において特定の操作を行う権限を付与する、
情報処理システム。
(((2)))
前記特定の操作を行う権限が第1の操作権限であり、前記第1の操作権限を付与された人物が予め定められた認証方式で認証を行って成功した場合には、前記特定の操作とは異なる操作に対する権限を更に含む第2の操作権限を当該人物に付与する、(((1)))記載の情報処理システム。
(((3)))
前記プロセッサは、前記第1の操作権限を付与された人物が前記特定領域に入るための第1の認証方式とは異なる第2の認証方式により認証を行って成功した場合には、前記第2の操作権限を付与する、(((2)))記載の情報処理システム。
(((4)))
前記プロセッサは、
前記特定領域に予め定められた時間以上留まっていない人物が前記情報処理装置の前記特定の操作を行おうとした場合には、当該人物に対して認証作業を要求し、
前記特定領域に予め定められた時間以上留まった人物が前記情報処理装置の前記特定の操作を行う場合には、当該人物に対して認証作業を要求しない、(((1)))記載の情報処理システム。
(((5)))
前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を付与された前記人物が、前記情報処理装置に対する予め定められた操作を行った場合、あるいは予め定められた行動をした場合には、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限の少なくとも一部を制限する、(((1)))記載の情報処理システム。
(((6)))
前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を付与された前記人物が、前記情報処理装置に対する予め定められた操作を行った場合、あるいは予め定められた行動をした場合には、前記情報処理装置の特定の操作を行う権限を取り消す、(((5)))記載の情報処理システム。
(((7)))
前記情報処理装置が画像形成装置である、(((1)))から(((6)))のいずれか1項記載の情報処理システム。
(((8)))
人物を撮像した撮像情報を取得するステップと、
取得した前記撮像情報を用いて前記人物の行動を追跡するステップと、
予め設定された特定領域に予め定められた時間以上留まった人物に対して、情報処理装置において特定の操作を行う権限を付与するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【0105】
(((1)))に係る情報処理システムによれば、特定の操作を行う権限を与えられるべき人物が情報処理装置を操作する場合には、当該情報処理装置における認証作業を不要とすることができる。
(((2)))に係る情報処理システムによれば、情報処理装置において特定の操作を行う権限を、操作を行っている人物に対して認証作業を要求することなく当該権限を与えられるべき人物に付与し、更なる認証を行った場合には、さらに他の権限を付与できるようになる。
(((3)))に係る情報処理システムによれば、特定領域に入るための第1の認証方式だけでは情報処理装置の第2の操作権限が付与されないようにすることができる。
(((4)))に係る情報処理システムによれば、特定領域に予め定められた時間留まった人物が、操作権限を要求する操作を行わずに、情報処理装置の特定の操作を行うことが可能となる。
(((5)))に係る情報処理システムによれば、情報処理装置の特定の操作を行う権限を、不適切な操作又は行動を行う人物に対して制限することができる。
(((6)))に係る情報処理システムによれば、情報処理装置の特定の操作を行う権限を、不適切な操作又は行動を行う人物に対して取り消すことができるようになる。
(((7)))に係る情報処理システムによれば、画像形成装置の特定の操作を行う権限を、操作を行う人物に対して認証作業を要求することなく、当該権限を与えられるべき人物に付与できるようになる。
(((8)))に係るプログラムによれば、特定の操作を行う権限を与えられるべき人物が情報処理装置を操作する場合には、当該情報処理装置における認証作業を不要とする制御をコンピュータに行わせることができる。
【符号の説明】
【0106】
1 無人決済店舗
2 前記第
2 ゲート
3 陳列棚
4 決済端末装置
5 カメラ
6 センサ
7 ルータ
8 バックヤード
10 システムサーバ
20 画像形成装置
30 課金サーバ
40 インターネット
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 制御バス
111 情報取得部
112 利用者管理部
113 権限通知部
114 課金対象情報通知部
115 データ記憶部
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
204 通信インタフェース
205 装置
206 スキャンユニット
207 画像形成ユニット
208 制御バス
211 サービス提供部
212 メンテナンス制御部
213 表示制御部
214 モード管理部
900 メニュー画面
901 「コピー」アイコン
902 「スキャン」アイコン
903 「プリント」アイコン
904 「ファックス」アイコン
905 「管理/設定」アイコン
1000 画面
1001 「利用履歴」アイコン
1002 「店内ネットワーク状況」アイコン
1003 「消耗品、スピーカ音量」アイコン
1004 「ライセンス情報」アイコン
1005 「保守員用」アイコン
1100 履歴確認画面
1200 ネットワーク状況確認画面
1300 消耗品確認・音量設定画面
1310 音量設定画面
1400 エラー画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14