(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139072
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】マウス用テーブル
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20241002BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G06F1/16 313Z
G06F1/16 312E
H05K5/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049864
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】391004517
【氏名又は名称】中川 滋夫
(72)【発明者】
【氏名】中川滋夫
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB52
4E360AB62
4E360AC05
4E360AC17
4E360GA52
4E360GB46
(57)【要約】
【課題】パソコン用のマウスを操作するスペースが無い場所でも、マウス操作を可能とする。
【解決手段】パソコンのキーボード上部にテーブルを形成し、テーブル下面には、キーボード操作が可能な空隙があり、テーブルは透明で表面に微細な模様を形成する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が平滑なプレートの裏面に形成された脚部は、脚部先端がキーボタンに重ならない位置でキーボード上に載置可能に配置され、且つ、キーボタンエリアの上部及び手前側空間が開口するように構成されており、プレートに対して折り畳み可能であることを特徴とするマウス用テーブル
【請求項2】
プレートの少なくとも一部分が透明で、透明部分には微細なドット或いは格子或いは柄模様が印刷または刻彫されていることを特徴とする請求項1記載のマウス用テーブル
【請求項3】
プレートには、ディスプレイに差し込めるスリット、もしくはディスプレイに固定可能な係着具、もしくはディスプレイを挟み込んで保持するフックが形成されていることを特徴とする請求項1及び2記載マウス用テーブル
【請求項4】
プレートの上面に表面シートが貼り付けられることを特徴とする請求項1及び2及び3記載マウス用テーブル
【請求項5】
プレートもしくは表面シートの一部分または外周に縁帯部分が設けられ、縁帯部分は段差が形成されるか、摩擦係数の高い材質で形成されていることを特徴とする請求項1及び2及び3及び4記載マウス用テーブル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウス操作用のテーブルとして使用できるノートパソコンに付帯するテーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコン用入力補助具として、広くマウスが用いられている。ノートパソコンには、本体装置だけで入力操作を行えるように、マウスの代用として、スクロールパッド等と呼称される平面タッチパネルが具備されている。スクロールパッドは、本体筐体に完結して形成されるので、携行には非常に有利であるが、操作性の点では、マウスの方が扱いやすく、慣れているという意見も多く、ノートパソコン利用時にマウスを接続して使用する人も非常に多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ノートパソコン利用時に、パソコンを置くだけの狭いスペースしかない場合でも、マウスを利用することができるマウス用テーブルである。列車や飛行機のパーソナルテーブルや喫茶店などの狭いテーブルの上でノートパソコンを利用する場合でも、使い慣れたマウスで入力作業を行うことができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ノートパソコンのキーボード部分の上方で水平に保持できる構造の光透過性を有するテーブルを固定する。テーブルの脚部は、キー入力を行う手及び手首付近に干渉しないような位置及び形状に形成され、ディスプレイの傾斜角度に関わらずテーブルの水平を保って固定できる構造を有する。
【発明の効果】
【0005】
キーボードの上方で保持された透明なテーブルプレートは、キーボードの文字を透かして見通すことができる。テーブルは、網点状に微細な模様や又は様々な柄が印刷されていて、レーザーまたは光学式マウスでもこの模様を読み取りマウスの移動を検出することができる。テーブルを固定する為の脚部は、ノートパソコンに取り付けた際、少なくとも手前部分に開口部分が形成される形状であり、開口部分からテーブルの下に手を差し入れてキー入力操作を行うことができる。脚部は、折り畳み構造とすることで、テーブル板と平行に折り畳まれ、保管 携行にスペースを取らない形状になる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】フック部分が可動であるテーブルプレートの正面透視図
【
図5】フック部分が可動であるテーブルプレートの正面透視図
【
図6】フック部分とプレートが軸着されたテーブルプレートの斜視図
【
図10】全面タイプのテーブルプレートの裏面正面図
【
図12】ノートパソコンにテーブルプレートをセットした側面図
【
図14】テーブルプレートに表面シートを貼り付けた側面図
【
図16】テーブルプレートに形成される網点または模様の例を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
プレートには微細なドット状または格子状あるいは不定形の模様が印刷または形成されており、プレートが透明な場合であってもレーザー方式を含む光学式マウスは、この印刷柄を検知してマウスの移動を検出し操作が可能となる。
【0008】
プレートの裏面には、プレートをパソコンにセットした状態で前後となる位置に、折り畳み可能な脚部が取り付けられている。脚部は、線材を折り曲げた形状のアームであり、前側の脚部アームの屹立部分は、キーボード上の右端に位置しており、キーボードの前面が開口するので、手を差し入れてキー操作を行うことが可能である。後側脚部アームも屹立部分が右側に位置していて、ディスプレイ画面に重ならず視認を妨げない。
プレート表面の外縁部分には、段差のある帯状の枠が形成されており、マウスがテーブルから滑り落ちるのを防ぐ。
【実施例0009】
本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、脚部3がアーム状に形成された線材で構成されている本発明のプレートテーブルの側面を示したものである。
テーブルとなるプレート1は透明な素材で表面にドット模様が印刷されており、裏面には、前後二カ所に金属棒をコの字型に形成したアーム状脚部を軸支する軸ホルダー4と、アームの回転可動域を制限するストッパー5が形成されている。
アーム状脚部を閉じると、プレートに対して平行に折り畳まれコンパクトになる。
【0010】
図2は
図1のアーム状脚部3を開いてノートパソコンのキーボード上にセットした状態を示している。前後のアームはストッパー5により特定の角度で固定されることで台形状に広がる。その為プレート1は上から加わる力に対して、グラつかずに安定して水平に保持することができるので、ブレート上にマウス2を置いて操作することができる。
前側の脚部アームの屹立部分3aは、本発明テーブルをキーボードに固定した時、右端に位置するので、キーボード操作時に手の邪魔にならない。またアームの水平部分3bは、キーボードに密着するので手や手首をその上に乗せてキー操作をすることができる。キーボードとテーブルプレートの間隔は、狭すぎると手が入らず操作できないので3cm以上が望ましい。
【0011】
キーボードのキー面のサイズは、規格でほぼ決まっているので、前後アームの脚部先端部分の間隔は、それを基準に決定することができる。また、規格サイズより小型のキーボードの盤面に合わせてセットすることも可能なように、脚部アームの開閉角度がクリックストップ可能な開き止め構造としておいても良い。
【0012】
また、ディスプレイ6と接触する可能性のあるプレート1の後側端面に、柔軟なクッション材7を形成しておくことで、ディスプレイ面に傷が付くのを防ぐことができる。キーボードに接触するアームの水平部分にも摩擦係数の高い柔軟なクッション材7が取り付けられていて、脚部がキーボード上でずれ動くのを防ぎ、キーボードに傷が付くのを防ぐ。クッション材の代わりに、吸盤や着脱可能な吸着体を形成してもよい。
【0013】
図3は、プレート1にフック部分10が設けられスリット11が形成された例で、スリット部分をディスプレイに差し込んだ状態を示している。本例では前後の脚部が板状の部材で形成されており、プレート1に対して軸着され、
図1の例と同様に、プレートに対して平らに畳むことができる。前面の板状脚部8の左側の開口部分より手を差し入れてキーボード操作ができる構造となっている。後面の板状脚部9は、透明なプレートで形成されていてもよく、ディスプレイ画面を透過して視認できる。
【0014】
本構成の脚部の場合、後面の板状脚部9がディスプレイと略平行となるため、側方向から見て、ハの字型とはならず、本テーブルだけで自立しにくいが、後面の板状脚部9によりテーブル後側の高さが決まり、またテーブルプレートとディスプレイとの距離がスリットにより定まるので、テーブルの前後方向への動きが規制される為、テーブル面を安定して保持することができる。
前面の板状脚部8には、側方向にアーム棒18が取り付けられていても良く、テーブルの左下付近で下向きの力が加わった場合でも、アーム棒が支えとなり、テーブルが傾斜するのを防ぐ。本例の場合ディスプレイの傾斜角度を変えても前後の板状脚部の角度を調節してテーブルプレートの水平を保つことができる。
【0015】
図4は、フックのスリットの間隔が調整可能となっている例である。本例では着磁性のある金属製のスライドフック部分12が、テーブルプレートに取り付けられている磁石13でスライド可能に固定されている。スリットの間隔がディスプレイの厚みに対して大きすぎる場合、テーブルを手前に引く力が加わった際に、がたつきを生じるが、スリット間隔を調整することで、がたつきを減らすことができる。また、ディスプレイの厚さも、時代や機種により異なるが、アジャストにより対応が可能になる。スライドフック12とプレートの取り付け構造は、磁石に限らず、様々なクランプ方式や、係着方法があるが、本発明はこれを限定するものではない。
【0016】
図5は、プレートのフック部分にクリップ機能を有した例であり、フックのスリット部分11でディスプレイを厚み方向で挟み込む力により、プレート1の左右のズレが防げ、テーブルの前後のがたつきも無くすことができる。
本図ではねじりスプリングを用いた例を示しているが、スリット間隔の調整機構やクリップ部分の構造は、様々なバネ材を用いたり、弾性ゴムやネジや磁石を用いた機構など様々考えられ、本発明はこれを限定するものではない。
【0017】
図6は、フック部分10が、プレート1に対して、回転可能に軸着された例である。フックがクリップ力を有してディスプレイに固定される場合、ディスプレイの傾斜角を変えると、プレート1も追従して角度が変わる力を受ける。フック回転軸21は、この応力を解消するもので、後述の
図11のような構成のテーブルプレートで有効に機能する。
本例以外でも、例えば、プレート1の奥側が屈曲可能に形成しておく等、ディスプレイに固定されたフック部分と、プレート1の角度を可変とする方法は様々あるが、本発明はこれを限定するものではない。
【0018】
図7は、脚部構造の一例を示しており、板状脚部8と連結されるステー板17の自由端19の裏にはスライドマグネットシート16が取り付けられ、テーブルプレート1の裏面にはベースマグネットシート15が設けられ、密着状態で摺動可能となっている。板状脚部8及び対称的に設けられる板状脚部9を内側に折り畳むとステー板17の角度が変わり平らに折り畳むことができる。また、自由端19の可動域を制限することで、脚部の開き止めストッパーとすることができ、フリーストップ機能も有する。
【0019】
図8は、プレートがキーボード上の全面に形成される例であり、脚部は屈曲した線材で構成されていてプレート裏面の前後の位置に形成されている。
図1の例と同様にプレート裏面には軸ホルダー4とストッパーが形成されていて、脚部アーム3が台形型に開くのでプレートは安定して固定することができる。前面の脚部アーム17の屹立部分3aは、キーボードの左右端に位置するので、キー操作の妨げになることは無い。
本図のようにプレートでキーボード上部の全面を覆うと、マウス操作以外に、書類への文字記入や小物グッズなどを置くテーブルとして利用することができる。
【0020】
図9も、プレートがキーボード全面を覆うタイプで、線材で形成された脚部アーム3がプレート裏面の左右の位置に形成された例である。本例でも脚部アームの屹立部分がキーボードの左右端に位置するので、キー操作の妨げになることは無い。
【0021】
図10もキーボード全面を覆うタイプで、プレート1の後側には左右に対向するフックが形成され、少なくとも片側のフック12には内向き方向に挟み込むクリップ力を有しているか、または、間隔が調整できるアジャスト機能を有している。
フック10と12により、テーブルとディスプレイの位置が定まる為、
図4や
図5の例と同様にテーブル面を安定して保持することが可能になる。
本例では、テーブルプレートの後部の位置が定まるので、アーム状の脚部は前面側のみに形成されていてもテーブルは安定して固定される。
【0022】
図11もキーボード全面を覆うタイプで、プレート1の後側には、複数回の着脱が可能な粘着体が形成された接着プレート22が、プレート1に対して屈曲可能に設けられている。接着プレートは、ディスプレイの表面に密着して固定されるので、ディスプレイの側方向から挟み込む必要が無いので、スライド構造が不要となる。本図の例も、脚部3は前面のみに配置されているが、図中の接着プレート22の下端位置をディスプレイの下縁部分まで伸ばして、後側板状脚部とすることもできる。
【0023】
図12は、フック10によりテーブルプレート後部がディスプレイに固定された例で、脚部3が前面のみに形成された例の側面図である。
図3の例と同様にディスプレイの傾斜角度を変えても、プレートに対する脚部の角度を調整してテーブルを水平に保つことができる。また、脚部が任意の角度で保持されるフリーストップ構造の場合、ディスプレイ面6とプレート面1と前面脚部3と、キーボード面で構成される4節リンクのうちの一つの角が規定されるのでリンク形状が固定され、テーブル面に対しての下向きの力に対して、強い抗力を保つことができる。
【0024】
図13は、プレート1に形成されたスリット11が細長い穴として構成された例であり、ディスプレイをこの穴に差し込んで前後方向の動きを固定することができる。本例の構成では、プレートの横幅がディスプレイよりも広くなるので、プレート本体は、キーボード上の全面を覆うタイプにしやすい。
【0025】
以上述べたように各実施例では、プレートのフックやスリット部分の形状や、プレート裏面の脚部の構造について様々な例を示したが、これらを組み合わせて実施することも可能である。
【0026】
図14は、プレート1の上面に固定可能な表面シート22を示した例である。プレートの表面は、マウスが擦れ続けるので、摩耗や汚損が生じる恐れがあるが、表面部分を取り替え可能としておくことで、綺麗な状態に戻すことができる。表面シートの裏面には接着または吸着面が形成され、プレートの表面にドットが形成されている場合でも、着脱可能に密着固定させることが可能となっている。また、マウスの検出タイプによっては、プレートが透明度の高い材質の場合検出精度が低下するケースがあるが、表面シートに不透明な素材を選択可能とすることで、低感度のマウスにも対応させることができるようになる。更に、表面シートが柔軟な材質であったりスエード等摩擦係数が高い場合、プレート1が傾斜した場合でもマウスが滑り落ちる危険性が低くなる。
【0027】
図15は、プレート1の断面を示しており、全周にわたって外周に外縁部分20を形成した例である。外縁部分20は、摩擦係数の高い素材を貼り付けたり、印刷することで形成することもできる。またプレート1の素材自体の外縁部分に段差を有して盛り上がった形状としておいても良い。外縁部分20はノートパソコンが傾斜したり、マウスに不用意に横方向の力が加わった時、プレート1からマウスが落下するのを防ぐ効果がある。
外縁部分20は、表面シート22に形成されていても良い。
【0028】
マウスが落下するのを防ぐ方法として、プレート1の表面の外縁付近の一部に、高摩擦シートを貼り付け、摩擦係数の高いエリアを形成しておくだけでも良い。マウス裏面の一部分が、この高摩擦シート部分の上に乗っているだけで、マウスが不用意に横滑りするのを防ぐことができる。このマウスをストップさせる位置は、プレートの奥の位置など、通常のマウス操作でマウスが移動しにくい場所であることが、望ましい。
【0029】
光学式マウスやレーザー式マウスは、マウスが置かれている場所の表面模様、性状を読み取り、移動させた方向距離を検出するが、透明で平滑なプレートの上では、検出が不完全となる場合がある。本発明のプレートテーブルのプレート1を透明な素材とした場合でも、表面または内部に細かなドット柄や格子柄など、様々な規則的、あるいは不規則な模様を印刷または刻削することでマウスはこれを検知して、透明性を有しながらマウス操作も可能とすることができる。
【0030】
図16は、プレートに形成された微細な柄模様の例を示したものである。
13aは、ドット状斑点を規則的に並べた例 13bは、ドット状斑点を不規則に並べた例 13cは、不規則な間隔のストライプを縦横に配置した例 13dは不規則な形状のドットブロックを不規則に配置した例である。
【0031】
本発明は、ドットの形状、色、間隔や規則性について限定するものではないが、ドット間隔が広くなりすぎると光学的検知範囲にドットが含まれなくなり、狭すぎると、光の透過率が低くなったり、或いはディスプレイの発光ドットとモアレ縞模様が生じる恐れが有る。
以上述べたように、本発明は、ノートパソコンのキーボード上部の空間にプレートを配置することで、キーを入力を行いながら、マウスの操作も可能としたものであるが、プレートを透明、または半透明にすることでディスプレイを見通すことができ、またキーボートの文字も視認することも可能となる。
アンケート調査の結果、ノートパソコンを利用する際、付属のスクロールパッドを利用せずに別途マウスを接続して利用している人の割合が5倍以上で、マウスの有用性を示しているが、スクロールパッドの利用を余儀なくされている列車や航空機等の限られたテーブルスペースでもマウスを利用することが可能になる。