IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝デバイス&ストレージ株式会社の特許一覧

特開2024-139073半導体装置および半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139073
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20241002BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20241002BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20241002BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H01L29/78 652S
H01L29/78 652F
H01L29/78 653C
H01L29/78 652L
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652R
H01L29/78 652T
H01L29/78 658Z
H01L29/78 658G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049865
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】高原 祥真
(72)【発明者】
【氏名】生野 徹
(72)【発明者】
【氏名】大西 孝治
(72)【発明者】
【氏名】上野 豊
(72)【発明者】
【氏名】石川 隆司
(57)【要約】
【課題】反りを抑制可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態は、導電層と、半導体部と、第1ソース電極と、第2ソース電極と、第1制御電極と、第1制御電極と、を備える。半導体部は、導電層上に設けられる。半導体部は、第1素子領域および第2素子領域を含む。平面視で、前記導電層の第1端部は、前記半導体部の第2端部よりも内側に位置する。前記第1端部からなる外周は、前記第1素子領域の第3端部の少なくとも一部および前記第2素子領域の第4端部の少なくとも一部の両方を囲む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電層と、
前記導電層上に設けられた半導体部と、
前記半導体部上に設けられた第1ソース電極と、
前記半導体部上で、前記第1ソース電極から離れた設けられた第2ソース電極と、
前記半導体部に設けられ、前記第1ソース電極および前記第2ソース電極から電気的に分離された第1制御電極と、
前記半導体部に設けられ、前記第1ソース電極、前記第2ソース電極および前記第1制御電極から電気的に分離された第2制御電極と、
を備え、
前記半導体部は、
前記導電層上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
を含み、
前記第1ソース電極は、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に電気的に接続され、
前記第2ソース電極は、前記第3半導体領域および前記第5半導体領域に電気的に接続され、
前記第1制御電極は、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域と、第1絶縁膜を介して対向して配置され、
前記第2制御電極は、前記第1半導体領域、前記第4半導体領域および前記第5半導体領域と、第2絶縁膜を介して対向して配置され、
平面視で、
前記導電層の第1端部は、前記半導体部の第2端部よりも内側に位置し、
前記第1端部からなる外周は、前記第2半導体領域を含む第1素子領域の第3端部の少なくとも一部および前記第4半導体領域を含む第2素子領域の第4端部の少なくとも一部の両方を囲む半導体装置。
【請求項2】
平面視で、前記第1端部は、前記第3端部よりも外側かつ前記第4端部よりも外側に位置する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
平面視で、前記第3端部は、前記第2半導体領域の端部に一致し、前記第4端部は、前記第4半導体領域の端部に一致する請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記導電層は、前記半導体部に対向する上面と、前記上面の反対側に位置する下面とを有する錐台であり、
前記錐台は、前記上面から下面に向かって細くなる請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面上に複数の半導体層が形成された半導体基板を準備する工程と、
前記複数の半導体層のうち、隣り合う2つの半導体層の間に、前記2つの半導体層の間の第1距離に応じて、前記第2面にマスク層を形成する工程と、
前記第2面および前記マスク層に導電層を形成する工程と、
前記マスク層を除去して、前記2つの半導体層の位置に応じた2つの第1導電部(シードメタル)を形成する工程と、
前記2つの第1導電部に2つの第2導電部を形成する工程と、
前記2つの半導体層の間の前記半導体基板をダイシングする工程と、
を有し、
前記第1距離は、前記半導体基板をダイシングするダイシングブレードの設定にもとづいて設定され、
前記マスク層の幅は、前記第1距離にもとづいて設定され、
前記半導体層は、
前記半導体基板上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記マスク層の幅は、
前記第2半導体領域を含む第1素子領域の端部、および、
前記第4半導体領域を含む第2素子領域の端部の位置にもとづいて設定された請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面上に複数の半導体層が形成された半導体基板を準備する工程と、
前記第2面に第3導電層を形成する工程と、
前記複数の半導体層のうち、隣り合う2つの半導体層の間に、前記2つの半導体層の間の第1距離に応じて、前記第3導電層に第2マスク層を形成する工程と、
前記第3導電層をエッチングにより分断して、前記2つの半導体層の位置に対応した2つの第3導電層を形成する工程と、
前記マスク層を除去して、前記2つの半導体層の間の前記半導体基板をダイシングする工程と、
を有し、
前記第1距離は、前記半導体基板をダイシングするダイシングブレードの設定にもとづいて設定され、
前記第2マスク層の幅は、前記第1距離にもとづいて設定され、
前記半導体層は、
前記半導体基板上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記2つの第3導電層を形成する工程は、ウェットエッチング工程を含む請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体装置においては、オン抵抗を小さくするために、電流経路となる金属層を厚くすることや、半導体基板を薄くすることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6756062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、半導体装置においては、熱によって半導体装置に反りが発生する場合がある。たとえば、実装基板上に半導体装置をハンダ付けする実装工程において、半導体装置に反りが発生すると、接続不良が発生する恐れがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、反りを抑制可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る半導体装置は、導電層と、前記導電層上に設けられた半導体部と、前記半導体部上に設けられた第1ソース電極と、前記半導体部上で、前記第1ソース電極から離れた設けられた第2ソース電極と、前記半導体部に設けられ、前記第1ソース電極および前記第2ソース電極から電気的に分離された第1制御電極と、前記半導体部に設けられ、前記第1ソース電極、前記第2ソース電極および前記第1制御電極から電気的に分離された第2制御電極と、を備える。前記半導体部は、前記導電層上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、を含む。前記第1ソース電極は、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に電気的に接続される。前記第2ソース電極は、前記第3半導体領域および前記第5半導体領域に電気的に接続される。前記第1制御電極は、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域と、第1絶縁膜を介して対向して配置される。前記第2制御電極は、前記第1半導体領域、前記第4半導体領域および前記第5半導体領域と、第2絶縁膜を介して対向して配置される。平面視で、前記導電層の第1端部は、前記半導体部の第2端部よりも内側に位置し、前記第1端部からなる外周は、前記第2半導体領域を含む第1素子領域の第3端部の少なくとも一部および前記第4半導体領域を含む第2素子領域の第4端部の少なくとも一部の両方を囲む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的な平面図である。
図2】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的な下面図である。
図3図1のA-A線における模式的な断面図である。
図4図1のB1-B1線における模式的な断面図である。
図5図1のB2-B2線における模式的な断面図である。
図6図1のC-C線における模式的な断面図である。
図7図1のD-D線における模式的な断面図である。
図8】第1の実施形態の変形例に係る半導体装置を例示する模式的な下面図である。
図9図8のB3-B3線における模式的な断面図である。
図10】第1の実施形態の他の変形例に係る半導体装置を例示する模式的な下面図である。
図11図10のB4-B4線における模式的な断面図である。
図12】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図13】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図14】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図15】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図16】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図17】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図18】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図19】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図20図17のE部を拡大して例示する模式的な斜視断面図である。
図21図8に対応する変形例の場合に、図17のE部に対応する領域を拡大して例示する模式的な斜視断面図である。
図22】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図23】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図24】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図25】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図26】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図27】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図28】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図29図26のF部を拡大して例示する模式的な斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下の説明および図面において、n、nおよびp、pの表記は、各不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわち、「+」が付されている表記は、「+」および「-」のいずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に高く、「-」が付されている表記は、いずれも付されていない表記よりも不純物濃度が相対的に低いことを示す。これらの表記は、それぞれの領域にp形不純物とn形不純物の両方が含まれている場合には、それらの不純物が補償しあった後の正味の不純物濃度の相対的な高低を表す。なお、キャリア濃度は、実効的な不純物濃度とみなすものとする。
以下で説明する各実施形態について、各半導体領域のp形とn形を反転させて各実施形態を実施してもよい。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的な平面図である。
図2は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式的な底面図である。
図3は、図1のA-A線における模式的な断面図である。
図1図3に示すように、本実施形態に係る半導体装置100は、半導体部10と、下部電極(導電層)11と、第1ソース電極61と、第2ソース電極62と、第1ゲート電極(第1制御電極)41と、第2ゲート電極(第2制御電極)42と、を備える。第1ソース電極61は、第1ソース電極パッドS1に電気的に接続されている。第2ソース電極62は、第2ソース電極パッドS2に電気的に接続されている。第1ゲート電極41は、第1ゲート電極パッドG1に電気的に接続されている。第2ゲート電極42は、第2ゲート電極パッドG2に接続されている。
【0010】
半導体部10は、下部電極11上に設けられている。第1ソース電極61、第2ソース電極62、第1ゲート電極41および第2ゲート電極42は、半導体部10上に設けられている。
【0011】
以下の説明では、Z軸は、下部電極11から半導体部10へ向かう方向を有する座標軸であり、Z軸が向く方向をZ方向ということがある。X軸およびY軸は、Z軸に直交する座標軸である。X軸が向く方向をX方向といい。Y軸が向く方向をY方向ということがある。たとえば、X軸およびY軸を含む平面は、図3および図4に関連して説明する半導体基板20aの上面または下面に平行である。これらの方向は、下部電極11と半導体部10との相対的な位置関係にもとづくものであり、実際の方向を限定するものではない。Z軸の正方向を「上」、「上方」といい、Z軸の負方向を「下」、「下方」ということがあるが、重力の方向とは無関係である。Z方向は、たとえば半導体基板の上面に垂直な方向である。Z軸の正方向から負方向に向かって見ることを上面視といい、Z軸の負方向から正方向に向かって見ることを下面視ということがある。また、上面視と下面視とを区別せずに、平面視ということがある。
【0012】
本実施形態に係る半導体装置100は、第1素子領域R1と第2素子領域R2とを含む。第1素子領域R1および第2素子領域R2は、X方向に互いに離れて並んでいる。第1素子領域R1には、第1トランジスタQ1が設けられており、第2素子領域R2には、第2トランジスタQ2が設けられている。第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、たとえば、MOSFETである。
【0013】
第1素子領域R1の表面側には、第1ソース電極パッドS1および第1ゲート電極パッドG1が設けられている。この例では、Y方向に並ぶ2つの第1ソース電極パッドS1の間に、1つの第1ゲート電極パッドG1が配置されている。第1ソース電極パッドS1は、第1ソース電極61の上で第1ソース電極61と電気的に接続されている。第1ゲート電極パッドG1は、第1ソース電極パッドS1および第1ソース電極61から電気的に分離されている。
【0014】
同様に、第2素子領域R2の表面側には、第2ソース電極パッドS2および第2ゲート電極パッドG2が設けられている。この例では、Y方向に並ぶ2つの第2ソース電極パッドS2の間に、1つの第2ゲート電極パッドG2が配置されている。第2ソース電極パッドS2は、第2ソース電極62の上で第2ソース電極62と電気的に接続されている。第2ゲート電極パッドG2は、第2ソース電極パッドS2および第2ソース電極62から電気的に分離されている。
【0015】
第1ソース電極パッドS1および第2ソース電極パッドS2は、X方向において並ぶ。第1ゲート電極パッドG1および第2ゲート電極パッドG2は、X方向において並ぶ。図1に表した各電極パッドの配置や形状は、一例であり、実施形態は図示したものに限らない。
【0016】
半導体装置100を下面から見た場合には、図2に示すように、第1素子領域R1の外周および第2素子領域R2の外周は、下部電極11の外周の内側に配置されている。また、下部電極11の外周は、半導体部10の外周の内側に配置されている。
【0017】
半導体部10および下部電極11は、上面視または下面視で、矩形である。半導体部10は端部10a~10dを有する。端部10aは、端部10cと対向する位置にある。端部10bは、端部10dと対向する位置に配置されている。端部10b、10dは、端部10a、10cと隣り合っている。下部電極11は端部11a~11dを有する。端部11aは、端部11cと対向する位置にある。端部11bは、端部11dと対向する位置にある。端部11b、11dは、端部11a、11cと隣り合っている。半導体部10は、端部10a~10dを外周とする矩形であり、下部電極11は、端部11a~11dを外周とする矩形である。
【0018】
第1素子領域R1は、たとえば、平面視で矩形であり、4つの端部R1a~R1dを有する。端部R1aは、端部R1cと対向する位置に配置されている。端部R1bは、端部R1dと対向する位置に配置されている。端部R1b、R1dは、端部R1a、R1cと隣り合っている。第2素子領域R2は、たとえば、平面視で矩形であり、4つの端部R2a~R2dを有する。端部R2aは、端部R2cと対向する位置に配置されている。端部R2bは、端部R2dと対向する位置に配置されている。端部R2b、R2dは、端部R2a、R2cと隣り合っている。
【0019】
第1素子領域R1および第2素子領域R2は、端部R1cとR2cとを対向させて、X方向に離れて並んでいる。
【0020】
第1素子領域R1および第2素子領域R2の平面視での端部の形状は、これに限らず、適切に任意に設定される。第1素子領域R1の端部は、たとえば、図3および図4に関連して説明する第1ベース領域22とドリフト層20bとの界面のうち、平面視でもっとも外側の界面である。第2素子領域R2の端部は、たとえば、第2ベース領域24とドリフト層20bとの界面のうち、平面視でもっとも外側の界面である。
【0021】
本実施形態に係る半導体装置100では、下部電極11の端部11a~11dは、下部電極11の端部11a~11dが半導体部10の端部10a~10dよりも内側に位置していればよい。好ましくは、下部電極11の端部11a~11dは、下部電極11の端部11a~11dで形成される周が、第1素子領域R1の端部R1a~R1dよりも外側に位置し、かつ、第2素子領域R2の端部R2a~R2dよりも外側に位置する。
【0022】
下部電極11は、高い導電率を有する材料で形成される。下部電極11は、たとえば、アルミニウム、銅、銀、チタン、タングステンなどの金属を含む。下部電極11の導電率は、半導体部10の導電率よりも高い。下部電極11の厚さは、たとえば半導体部10の厚さよりも薄い。
【0023】
図4は、図1のB1-B1線における模式的な断面図である。
図5は、図1のB2-B2線における模式的な断面図である。
図6は、図1のC-C線における模式的な断面図である。
図7は、図1のD-D線における模式的な断面図である。
なお、図6および図7は、対応する箇所の構成をより明確に表すため、簡素化して示されている。具体的には、複数の第1ゲート電極41とこれらに対応するゲート絶縁膜51の数は、図4および図5の例よりも少ない。同様に、複数の第2ゲート電極42とこれらに対応するゲート絶縁膜52の数は、図4および図5の例よりも少ない。また、図6および図7では、複数の第1ゲート電極41を互いに接続し、第1ゲート電極パッドG1との電気的接続をとるための配線構造についても簡略化して表している。同様に、複数の第2ゲート電極42を互いに接続し、第2ゲート電極パッドG2との電気的接続をとるための配線構造についても簡略化して表している。
図3図7を用いて、本実施形態に係る半導体装置100の詳細な構成について説明する。
【0024】
図3図5に示すように、半導体部10は、半導体基板20aと、ドリフト層(第1半導体領域)20bと、第1ベース領域(第2半導体領域)22と、第2ベース領域(第3半導体領域)24と、第1ソース領域(第4半導体領域)23と、第2ソース領域(第5半導体領域)25と、を含む。半導体基板20aは、下部電極11上に設けられている。ドリフト層20bは、半導体基板20a上に設けられている。半導体基板20aおよびドリフト層20bは、半導体部10に全体にわたって設けられている。つまり、半導体基板20aおよびドリフト層20bの端部は、図1および図2に示した半導体部10の端部10a~10dに一致する。換言すると、平面視において、半導体基板20aおよびドリフト層20bの外周形状は、半導体部10の外周形状と一致する。
【0025】
第1ベース領域22および第2ベース領域24は、ドリフト層20bに設けられ、X方向に離れて配置されている。図6および図7に示すように、第1ソース領域23は、第1ベース領域22上に選択的に設けられ、第2ソース領域25は、第2ベース領域24上に選択的に設けられている。
【0026】
半導体基板20a、ドリフト層20b、第1ソース領域23および第2ソース領域25は、第1導電形である。第1ベース領域22および第2ベース領域24は、第2導電形である。以下、説明する半導体装置100においては、第1導電形はn形であり、第2導電形はp形であるものとする。実施形態においては、これに限らず、第1導電形をp形、第2導電形をn形としてもよい。
【0027】
第1ベース領域22は、第1素子領域R1内に設けられている。第2ベース領域24は、第2素子領域R2内に設けられている。たとえば、平面視において、第1ベース領域22の外周は第1素子領域R1の外周に一致し、第2ベース領域24の外周は第2素子領域R2の外周に一致する。換言すると、第1ベース領域22の端部は第1素子領域R1の端部に一致し、第2ベース領域24の端部は第2素子領域R2の端部に一致する。
【0028】
図6および図7に示すように、第1ベース領域22には、第1ゲート絶縁膜51を介して、複数の第1ゲート電極41が設けられている。複数の第1ゲート電極41は、ドリフト層20b内まで、トレンチ状にZ方向に延びている。また、第2ベース領域24には、第2ゲート絶縁膜52を介して、複数の第2ゲート電極42が設けられている。複数の第2ゲート電極42は、ドリフト層20b内まで、トレンチ状にZ方向に延びている。
【0029】
第1ゲート電極41および第1ゲート絶縁膜51を含むトレンチT1内には、第1ゲート電極41と第1ソース電極61との間に絶縁部55が設けられている。また、第2ゲート電極42および第2ゲート絶縁膜52を含むトレンチT2内には、第2ゲート電極42と第2ソース電極61との間に絶縁部56が設けられている。
【0030】
複数の第1ゲート電極41は、第1ベース領域22内でY方向にほぼ等間隔で並んでいる。つまり、複数の第1ゲート電極41は、第1素子領域R1内でY方向に並んで設けられている。また、複数の第2ゲート電極42は、第2ベース領域24内でY方向にほぼ等間隔で並んでいる。つまり、複数のゲート電極42は、第2素子領域R2内でY方向にほぼ等間隔で並んでいる。
【0031】
図3に示すように、複数の第1ゲート電極41は、第1素子領域R1内でX方向にストライプ状に延びて配置されている。複数の第2ゲート電極42は、第2素子領域R2内でX方向にストライブ状に延びて配置されている。
【0032】
図示しないが、第1ゲート電極41は、ゲートコンタクトおよびゲート配線などの導電部を介して、図1に示したゲート電極パッドG1と電気的に接続される。また、第2ゲート電極42も、図示しないゲートコンタクトおよびゲート配線などの導電部を介して、図1に示したゲート電極パッドG1と電気的に接続される。
【0033】
第1ソース電極61は、複数の第1ソース領域23の上に設けられ、複数の第1ソース領域23と電気的に接続されている。すなわち、第1ソース電極パッドS1は、第1ソース電極61を介して、ソース領域23と電気的に接続されている。第2ソース電極62は、複数の第2ソース領域25の上に設けられ、複数の第2ソース領域25と電気的に接続されている。すなわち、第2ソース電極パッドS2は、第2ソース電極62を介して、第2ソース領域25と電気的に接続されている。
【0034】
第1ソース電極61と第2ソース電極62との間には、絶縁層70が設けられている。第1ゲート電極パッドG1は、絶縁層70上に設けられている。図示しないが、第2ゲート電極パッドG2も絶縁層70上に設けられている。そのため、各電極パッドは、電気的に分離されている。絶縁層70上には、パッシベーション層71が設けられている。
【0035】
半導体部10は、上述のように構成される。半導体部10の半導体基板20a、第1ベース領域22、第2ベース領域24、第1ソース領域23および第2ソース領域25は、半導体材料として、シリコン、炭化シリコン、窒化ガリウム、またはガリウムヒ素を含む。半導体材料としてシリコンが用いられる場合、n形不純物として、ヒ素、リン、またはアンチモンを用いることができる。p形不純物として、ボロンを用いることができる。また、第1ソース電極61、第2ソース電極62、第1ソース電極パッドS1、第2ソース電極パッドS2、第1ゲート電極パッドG1および第2ゲート電極パッドG2は、アルミニウム、銅、銀、チタン、タングステンなどの金属を含む。
【0036】
上述では、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、ストライプ状のトレンチゲート構造を有するものとしたが、これに限らず、メッシュ状のトレンチゲート構造としてもよい。また、トレンチゲート構造に限らず、その他の任意の適切なトランジスタ構造とすることができる。たとえば、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、プレーナゲート構造を有するものとしてもよい。
【0037】
本実施形態に係る半導体装置100の動作および効果について説明する。
まず、半導体装置100の電気的な動作について説明する。
第1トランジスタQ1は、ドリフト層20bを介して設けられた半導体基板20aをドレイン電極として有し、第1ソース電極61および第1ゲート電極41を有するMOSFETである。第1トランジスタQ1では、第1ゲート電極41の第1ソース電極61に対する電圧を制御することによって、ドリフト層20bと第1ソース電極61との間を流れる電流を制御することができる。第2トランジスタQ2は、ドリフト層20bを介して設けられた半導体基板20aをドレイン電極として有し、第2ソース電極62および第2ゲート電極42を有するMOSFETである。第2トランジスタQ2では、第2ゲート電極42の第2ソース電極62に対する電圧を制御することによって、ドリフト層20bと第2ソース電極62との間を流れる電流を制御することができる。
【0038】
半導体装置100においては、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、ドリフト層20bで電気的に接続されている。つまり、半導体装置100は、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2をドレイン電極同士で接続した逆直列回路を構成している。
【0039】
半導体装置100では、ドリフト層20bは、半導体基板20a上に設けられ、半導体基板20aには、下部電極11が設けられており、電気的に接続されている。つまり、下部電極11は、半導体基板20aを介してドリフト層20bに電気的に接続される。ここで、下部電極11の導電率は、半導体基板20aおよびドリフト層20bの導電率よりも十分に高い。そのため、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2の流れる電流のほとんどは、下部電極11に分流される。
【0040】
図3の破線の矢印は、下部電極11に分流される電流経路cp1、cp2を示している。電流経路cp1は、第1ソース電極パッドS1から第2ソース電極パッドS2に流れる電流の経路である。電流経路cp2は、第2ソース電極パッドS2から第1ソース電極パッドS1に流れる電流の経路である。このように、第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2との間を流れる電流は、半導体部10を半導体部10の厚さ方向に沿って流れ、下部電極11において下部電極11の厚さ方向に交差する方向に流れる。
【0041】
半導体部10の厚さを薄くすることによって、半導体部10を流れる電流の方向における抵抗値を低減することができる。また、下部電極11の厚さを厚くすることによって、下部電極11を流れる電流の方向における抵抗値を低減することができる。つまり、半導体装置100では、半導体部10の厚さを薄くし、下部電極11の厚さを厚くすることによって、半導体装置100の導通時の電圧降下を抑制し、熱損失を低減することができる。
【0042】
次に、半導体装置100の機械的動作について説明する。
ここで機械的動作とは、半導体装置100に熱ストレスを印加したときの半導体部10の線膨張係数と下部電極11の線膨張係数との差にもとづく、せん断応力の印加動作をいう。
【0043】
半導体部10および下部電極11は、上述したとおりの材料で形成される。下部電極11の線膨張係数は、半導体部10の線膨張係数よりも大きい。このような半導体装置100に熱ストレスを印加すると、下部電極11が半導体部10よりも膨張するため、半導体装置100は、Z軸の負方向に凸となるように反りを生ずる。
【0044】
線膨張係数の相違にもとづく半導体装置100の反りは、部材の体積が大きいほど、反りの量も大きくなる。そのため、半導体部10の厚さを薄くするほど、熱ストレスを印加した場合の半導体部10の体積の増加量は減少する。一方、下部電極11の厚さを厚くするほど、熱ストレスを印加した場合の下部電極11の体積の増加量は増大する。半導体装置100の反りを低減するには、半導体部10の厚さを厚くし、下部電極11の厚さを薄くすることが求められる。
【0045】
電気的動作において上述したように、半導体部10の厚さを薄くし、下部電極11の厚さを厚くした場合に、半導体装置100の特性には有利である。一方で、線膨張係数の相違にもとづいて発生するせん断応力で半導体装置100に生ずる反りを低減する観点からは、半導体部10を厚く、下部電極11を薄くすることが好ましい。
【0046】
つまり、電気的な特性と機械的な特性との間にはトレードオフの関係があり、半導体部10の材質および下部電極11の材質に応じて、半導体部10の厚さおよび下部電極11の厚さは、半導体装置ごとに適切に設定される。
【0047】
本実施形態に係る半導体装置100では、平面視において、下部電極11の端部は、半導体装置100の端部よりも内側に位置するように配置される。下部電極11は、十分な厚さを有し、低抵抗を実現しつつ、下部電極11の体積を低減させることができるので、熱ストレス印加時に増大する体積を抑制することができる。そのため、本実施形態に係る半導体装置100では、熱ストレス印加による半導体装置100の反りを低減することができる。
【0048】
さらに、下部電極11の端部は、第1素子領域R1および第2素子領域R2にわたる領域の外側となるように配置される。半導体部10では、半導体部10の厚さ方向にほぼ沿って電流が流れるので、半導体部10を流れる電流をより確実に下部電極11に導くことができる。そのため、第1素子領域R1に設けられた第1トランジスタQ1と第2素子領域R2に設けられた第2トランジスタQ2との間の抵抗値を効果的に低減することができる。
【0049】
上述のような構成を有する半導体装置100は、双方向のスイッチ回路として利用される。双方向のスイッチ回路は、たとえばリチウムイオン二次電池の過放電保護および過充電保護のため、リチウムイオン二次電池のバッテリパック内に搭載される。リチウムイオン二次電池のバッテリパックは、エネルギー容量の改善が続き、小型化および大容量化が進められている。バッテリパックの小型化を図るには、双方向スイッチ回路が搭載される回路基板の小型化、薄型化が必要となり、回路部品には、より高い実装性が要求される。また、回路部品には、高温ハンダでフロー実装等においても部品の反りを抑えて、高い歩留りを実現することが求められている。本実施形態に係る半導体装置100は、半導体装置100の反りが低減されるので、このようなバッテリパック等の装置の小型化、薄型化に容易に対応することができる。
【0050】
バッテリパックの大容量化の観点では、双方向スイッチ回路の高性能化が要求され、具体的には、低オン抵抗(低い電圧降下)化が要求される。そのためには、双方向スイッチ回路の大型化は避けられず、装置の要求に応じた性能を有する双方向スイッチが求められる。半導体装置100の反り量は、半導体部10の長手方向の長さが長いほど、大きくなる。たとえば、簡易な近似を用いた場合には、反り量は、長手方向の長さの2乗に比例して大きくなる。バッテリパックの大容量化に対応して半導体装置100を大型化した場合には、半導体装置100の反りは、半導体部10のX方向またはY方向の長さが長いほど反りの絶対量は大きくなる。
【0051】
本実施形態に係る半導体装置100では、上述のように構成されるので、下部電極11の体積の増大を抑制しつつ、半導体部10の平面視での形状を大型化することが可能である。
【0052】
上述では、下部電極11の端部は、第1素子領域R1および第2素子領域R2で半導体部10の厚さ方向に流れた電流が下部電極11で形成する電流密度の分布にもとづいて、適切に任意の位置とすることができる。すなわち、平面視において、下部電極11は、下部電極11の端部が形成する外周が、第1素子領域R1のすべての端部および第2素子領域R2のすべての端部を取り囲む場合に限らず、第1素子領域R1の端部の少なくとも一部および第2素子領域R2の端部の少なくとも一部の両方を囲んでいればよい。
【0053】
(変形例1)
図8は、第1の実施形態の変形例に係る半導体装置を例示する模式的な下面図である。
図9は、図8のB3-B3線における模式的な断面図である。
図8および図9に示すように、本変形例に係る半導体装置100aは、下部電極111を備える。下部電極111は、図1図5に示した半導体装置100の下部電極11と相違する。他の点では、本変形例に係る半導体装置100aは、半導体装置100の場合と同じであり、同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
下部電極111の端部は、第1素子領域R1の端部および第2素子領域R2の端部の包絡線と一致する。第1素子領域R1の端部および第2素子領域R2の端部の包絡線とは、図1および図2において、端部R1a、R1b、R2d、R2a、R2b、R1dを結ぶ線である。たとえば、図3図5に示したように、第1素子領域R1の端部は、第1ベース領域22の端部であり、第2素子領域R2の端部は、第2ベース領域24の端部である。
【0055】
本変形例では、第1素子領域R1と下部電極111との間を流れる電流および第2素子領域R2と下部電極111との間を流れる電流を漏れなく下部電極111に誘導し、分流させることができる。そのため、半導体装置100aは、下部電極111の体積増加を抑制しつつ、十分に低いオン抵抗値を実現することができる。
【0056】
本変形例においても、下部電極111の端部は、第1素子領域R1および第2素子領域R2で半導体部10の厚さ方向に流れた電流が下部電極111で形成する電流密度の分布にもとづいて、適切に任意の位置とすることができる。
【0057】
(変形例2)
図10は、第1の実施形態の他の変形例に係る半導体装置を例示する模式的な下面図である。
図11は、図10のB4-B4線における模式的な断面図である。
図10および図11に示すように、本変形例に係る半導体装置100bは、下部電極211を備える。下部電極211は、図1図4に示した半導体装置100の下部電極11と相違する。他の点では、本変形例に係る半導体装置100bは、半導体装置100の場合と同じであり、同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
下部電極211は、錘台の形状を有する。この錘台は、平面視でほぼ四角形で角が丸くてもよい。錐台は、上面212aおよび下面212bを有する。錐台の上面212aは、半導体部10の端部10a~10dに一致する端部211a1~211d1に囲まれた領域である。たとえば、錘台の下面212bは、第1素子領域R1の端部および第2素子領域R2の端部の包絡線に一致する端部211a2~211d2に囲まれた領域である。つまり、下部電極211は、Z軸の正方向から負方向に向かって、次第に細くなる錐台である。錐台の側面は、この例のような直線状に限らず、凸状または凹状の曲面であってもよい。
【0059】
本変形例では、下部電極211は、第1素子領域R1の端部および第2素子領域R2の端部の包絡線に囲まれた領域では、十分な厚さを確保して半導体部10の厚さ方向に交差する方向の抵抗値を引き下げる。一方、第1素子領域R1の端部および第2素子領域R2の端部の包絡線よりも外側では、四角錐台の傾斜とすることによって、下部電極211の体積の増加を抑制して、熱ストレス印加時の下部電極211の体積の増加を抑制する。
【0060】
本変形例では、このようにすることによって、第1素子領域R1と下部電極211との間を流れる電流および第2素子領域R2と下部電極211との間を流れる電流を漏れなく下部電極211に誘導し、分流させることができる。そのため、そのため、下部電極111の体積増加を抑制しつつ、十分に低いオン抵抗値を実現することができる。
【0061】
本変形例においては、四角錘台の傾斜面は、平面状でなくてもよく、Z軸の負方向に凸またはZ軸の正方向に凸となる曲面であってもよいし、複数段を有する階段状であってもよい。
【0062】
本変形例においても、下部電極211の端部は、第1素子領域R1および第2素子領域R2で半導体部10の厚さ方向に流れた電流が下部電極211で形成する電流密度の分布にもとづいて、適切に任意の位置とし、適切に任意の形状とすることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
以下では、第1の実施形態として説明した半導体装置100の製造方法について説明する。
図12図19は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図12図19では、図1等で説明した半導体部10のうち半導体基板20aよりも上部の構造体は、図示した場合の煩雑さを回避するために、簡略化して示している。後述する第3の実施形態における図22図28についても同様に簡略化して示す。簡略化して示す部分は、半導体層1002であり、半導体層1002は、図3図5に示した半導体装置100のドリフト層20b、第1ベース領域22、第2ベース領域24、第1ソース領域23、第2ソース領域25、第1ゲート電極41および第2ゲート電極42を含んでいる。また、半導体層1002上には、図3図5に示した第1ソース電極61、第2ソース電極62、第1ソース電極パッドS1、第2ソース電極パッドS2、第1ゲート電極パッドG1および第2ゲート電極パッドG2は、半導体層1002上に形成され、さらに絶縁層70およびパッシベーション層71も設けられているものとする。なお、半導体層1002のうち、ダイシングラインLdに対応する箇所では、半導体基板20a上にドリフト層20bに対応する部分のみが設けられている。
【0064】
図12に示すように、中間部材1000が準備される。中間部材1000は、半導体基板1001および半導体層1002を含んでいる。半導体基板1001上には、複数の半導体層1002が形成されている。半導体基板1001は、第1面1001aおよび第2面1001bを有する。第2面1001bは、第1面の反対側に位置する面である。複数の半導体層1002は、半導体基板1001の第1面1001a上に形成されている。
【0065】
複数の半導体層1002は、半導体基板1001上で、ダイシング幅Wdだけ離れて形成されている。半導体基板1001は、たとえばシリコンウェハであり、複数の半導体層1002は、半導体基板1001であるシリコン基板上に格子状に形成される。ダイシング幅Wdは、後述するようにダイシングブレードを挿入し、半導体基板1001を半導体層1002ごとに分断するために設けられる。ダイシング幅Wdは、ダイシングブレードの幅およびダイシングブレードの挿入位置の精度に応じてあらかじめ設定されている。
【0066】
隣り合う半導体層1002において、半導体層1002の端部1002a、1002cがダイシング幅Wdだけ離れて配置されている。
【0067】
図13に示すように、図12に示した中間部材1000の半導体基板1001の第2面1001bにレジスト層1010が形成され、中間部材1000aが形成される。レジスト層1010は、第2面1001bの全面にわたって形成される。
【0068】
図14に示すように、レジスト層1010が形成された側にマスク1012が形成される。マスク1012は、ダイシングラインLdに対応する位置に設けられる。マスク1012は、ダイシングラインの幅であるダイシング幅Wdと等しいマスク幅Mdを有する。
【0069】
マスク1012を形成した中間部材1000bには、レジスト層1010を形成した側から露光し、レジスト層1010をパターニングする。
【0070】
図15に示すように、露光後に図14に示したマスク1012を除去し、第2面1001bおよびマスク1012により残されたレジスト1010aにシードメタル層1020を形成して中間部材1000cを形成する。シードメタル層1020の形成には、たとえば、真空蒸着やスパッタ等が用いられる。
【0071】
図16に示すように、図15に示したレジスト1010aを除去して中間部材1000dを形成する。レジスト1010aを除去することによって、シードメタル1020aは、ダイシングラインLdに対応する位置に以外の位置に形成される。そのため、隣り合う2つのシードメタル1020aの間の距離Sdは、ダイシング幅Wdにほぼ等しい。
【0072】
図17に示すように、シードメタル1020aに下部電極1030を形成して、中間部材1000eを形成する。下部電極1030は、たとえば、電解メッキにより形成することができる。下部電極1030を電解メッキで形成することによって、十分な厚さとすることができる。
【0073】
また、電解メッキを用いて、下部電極1030を形成することによって、シードメタル1020aの位置で下部電極1030が形成されるので、隣り合う2つの下部電極1030の間の距離Edは、隣り合うシードメタル1020aの間の距離Sdとほぼ等しい。つまり、隣り合う下部電極1030は、それらの端部11a、11cが距離Sdだけ離れて形成される。
【0074】
図18に示すように、図17に示した中間部材1000eにダイシングシート1040を貼付して中間部材1000fを形成する。ダイシングシート1040は、半導体基板1001の第2面1001b側に貼付される。ダイシングシート1040は、中間部材1000fを半導体層1002ごとに分断した後に、分断された半導体層1002および半導体基板1001が飛散するのを防止するために設けられる。
【0075】
ダイシングブレード1100は、ダイシングラインLdに合わせて位置決めされる。ダイシングラインLdにおいて、ダイシングブレード1100の挿入位置は、たとえばダイシング幅Wdの1/2とされる。ダイシング幅Wdは、ダイシングブレード1100の挿入位置がダイシング幅Wdの1/2の位置としたときに、ダイシングブレード1100の幅Wbにもとづいて設定される。より具体的には、1/2Wd>1/2Wb+ダイシングブレードの位置設定精度とされる。このように設定することによって、ダイシングブレード1100が半導体層1002を切削することを防止することができる。
【0076】
図19に示すように、図18に示した中間部材1000fをダイシングブレード1100によって分断し、複数の半導体装置100が形成される。複数の半導体装置100では、ダイシングブレード1100で切断した面が端部を形成する。図19の例では、半導体装置100は、一方の端部10aを有し、他方の端部10cを有する。隣り合って配置された2つの半導体層1002をそれぞれ有する2つの半導体装置100では、一方の半導体装置100の端部10aは、他方の半導体装置100の端部10cに対向する位置にあり、1つのダイシングブレード1100で切断された端部である。分断された直後では、これらの端部10a、10cは、ダイシングブレードの幅Wb程度に離れている。
【0077】
また、分断後の半導体装置100におけるメタルシード1020aおよび下部電極1030は、下部電極11を構成する。図16図18に示したように、隣り合う2つのシードメタル1020aは、距離Sdだけ離れており、隣り合う2つの下部電極1030は、距離Edだけ離れている。距離Sd、Edは、ダイシング幅Wdと等しくなるように設定されている。一方、ダイシング幅Wdは、ダイシングブレード1100の幅Wbおよびおダイシングブレードの設定位置の精度にもとづいて、十分に広く設定されている。そのため、距離Sd、Edは、ダイシングブレードの幅Wbよりも十分に長い。つまり、半導体装置100において、下部電極11の端部は、半導体部10の端部よりも内側に配置されることになる。分断された直後では、端部11a、11cは、距離Ed=Sdだけ離れている。距離Ed=Sdは、ダイシングブレードの幅Wbよりも長いので、下部電極11の端部は、半導体基板の端部よりも内側に位置する。
【0078】
図20は、図17のE部を拡大して例示する模式的な斜視断面図である。
図20に示すように、中間部材1000eでは、半導体層1002は、半導体基板20a、ドリフト層20bおよび第1ベース領域22を含んでおり、第1ベース領域22の端部が第1素子領域R1の端部R1aである。なお、図3図6に関連して詳述したので繰り返さないが、第1ベース領域22上に第1ソース領域を介して第1ソース電極61が形成されている。
【0079】
端部R1aの外側には、この例では、図4に示した第1ゲート電極41に接続されるゲート配線Gaが設けられ、ゲート配線Gaを絶縁層70およびパッシベーション層71が覆っている。そのため、半導体層1002の端部1002aは、第1素子領域R1の端部R1aよりも外側に位置するように配置される。他の例では、半導体層1002の端部と第1素子領域R1の端部との間の領域には、他の配線層等が形成される場合があり、ダイシングラインLdは、隣り合う半導体層1002の間の距離を十分にとる必要がある。
【0080】
図21は、図8に対応する変形例の場合に、図17のE部に対応する領域を拡大して例示する模式的な斜視断面図である。
図21では、第1素子領域R1の電流がドリフト層20bおよび半導体基板20aの厚さ方向に流れることが矢印で示されている。図21に示すように、第1素子領域R1の端部および第2素子領域R2の端部の外側には、第1素子領域R1および第2素子領域R2に流れる電流の経路ではない領域が設けられることがある。つまり、ドリフト層20bおよび半導体基板20aの厚さ方向に流れる電流は、第1素子領域R1の端部R1aから外側にはほとんど流れないことが図21に示されている。下部電極111の端部111aは、ドリフト層20bおよび半導体基板20aの厚さ方向に流れる電流が下部電極111に流れる場合に、十分に高い電流密度となる境界にもとづいて定められる。図21の例では、この境界は、第1素子領域R1の端部R1aとされている。
【0081】
図21の例では、下部電極111の端部111aの位置は、図14に関連して説明した
マスク1012の幅Mdを調整することによって設定することができる。具体的には、マスク幅Mdをダイシング幅Wdよりも十分に広くすることによって、下部電極111の端部の位置を半導体部10の端部の位置よりも十分に内側にすることが可能である。また、第1素子領域R1および第2素子領域R2の端部の位置を用いることによって、下部電極111の端部の位置を第1素子領域R1および第2素子領域R2の端部の位置に合わせるように、マスク幅Mdを設定することができる。
【0082】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法の効果について説明する。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、下部電極11を形成するためのシードメタルのマスク幅Mdをダイシング幅Wdと一致するか、広くすることによって、下部電極11の端部を半導体部10の端部よりも確実に内側にすることができる。このようにして半導体装置100を形成することによって、熱ストレスの印加時に反りの少ない半導体装置100を形成することができる。
【0083】
本実施形態に係る半導体装置の製造方法では、下部電極11の端部を半導体部10の端部よりも確実に内側にすることによって、ダイシングブレード1100がシードメタル1020aおよび下部電極1030を切削することを回避することができる。ダイシングブレード1100がシードメタル1020aおよび下部電極1030を含む金属部の切削を回避することによって、金属部の切削による金属部のバリの発生を抑制することができる。また、金属部の切削を回避することによって、ダイシングブレード1100の刃の欠けを防止し、それにより引き起こされるチッピングを防止して、半導体装置100の製造をより円滑に行うとともに、半導体装置100の品質の向上が可能である。
【0084】
(第3の実施形態)
以下では、図10および図11に関連して説明した半導体装置100bの製造方法について説明する。
図22図28は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図22に示すように、図12に示した中間部材1000が準備され、中間部材1000の半導体基板1001の第2面1001bにシードメタル層2020が形成され、中間部材2000aが形成される。シードメタル層2020は、第2面1001bの全面にわたって形成される。シードメタル層2020は、たとえば、真空蒸着やスパッタ等が用いられる。
【0085】
図23に示すように、図22に示した中間部材2000aのシードメタル層2020に下部電極層2030が形成され、中間部材2000bが形成される。下部電極層2030の形成には、たとえば、電解メッキが用いられ、電解メッキによってシードメタル層2020の全面に下部電極層2030が形成される。電解メッキによる下部電極層2030の形成により、十分な厚さの下部電極層2030を形成することができる。
【0086】
図24に示すように、下部電極層2030にレジストマスク2010が形成され、中間部材2000cが形成される。レジストマスク2010は、半導体層1002に対応する位置に設けられ、隣り合うレジストマスク2010の距離Md1は、ダイシング幅Wdに応じて設定される。たとえば、レジストマスク2010の距離Md1は、ダイシング幅Wdと等しいか、広くなるように設定される。
【0087】
図25に示すように、図24に示した中間部材2000cをエッチング溶媒に浸漬し、シードメタル層2020および下部電極層2030を分断し、シードメタル2020a上に形成された下部電極2030aを有する中間部材2000dが形成される。中間部材2000dの形成では、シードメタル層2020および下部電極層2030をウェットエッチングによって分断するので、シードメタル層2020および下部電極層2030のエッチングは、等方向に進行し、シードメタル2020aおよび下部電極2030aは、半導体基板1001の第1面1001aから第2面1001bに向かう方向に細くなる錘台状に成型される。
【0088】
図26に示すように、図25に示したレジストマスク2010は除去されて、中間部材2000eが形成される。
【0089】
図27に示すように、図26に示した中間部材2000eにダイシングシート2040を貼付して中間部材2000fを形成する。ダイシングシート2040は、中間部材2000fを半導体層1002ごとに分断した後に、分断された半導体層1002および半導体基板1001が飛散するのを防止するために設けられる。
【0090】
ダイシングブレード1100は、ダイシングラインLdに合わせて位置決めされる。ダイシングラインLdにおいて、ダイシングブレード1100の挿入位置は、たとえばダイシング幅Wdの1/2とされる。ダイシング幅Wdは、ダイシングブレード1100の挿入位置がダイシング幅Wdの1/2の位置としたときに、ダイシングブレード1100の幅Wbにもとづいて設定される。より具体的には、1/2Wd>1/2Wb+ダイシングブレードの位置設定精度とされる。このように設定することによって、ダイシングブレード1100が半導体層1002を切削することを防止することができる。
【0091】
図28に示すように、図27に示した中間部材2000fをダイシングブレード1100によって分断し、複数の半導体装置100bが形成される。複数の半導体装置100bでは、ダイシングブレード1100で切断した面が端部を形成する。図28の例では、半導体装置100bは、一方の端部10aを有し、他方の端部10cを有する。隣り合って配置された2つの半導体層1002をそれぞれ有する2つの半導体装置100bでは、一方の半導体装置100の端部10aは、他方の半導体装置100の端部10cに対向する位置にあり、1つのダイシングブレード1100で切断された端部である。
【0092】
隣り合って配置された2つの半導体層をそれぞれ有する2つの半導体装置100bでは、ダイシング幅Wdにもとづいて設定されたレジストマスク2010の距離Md1だけ離れており、距離Md1をダイシング幅Wdと同じか広くすることができる。そのため、下部電極211の端部211c1と、隣り合う下部電極211の端部211a1との間の距離をMd1とすることができる。半導体部10の端部10cと隣り合う端部10aとの間の距離は、ブレード幅Wb程度である。そのため、下部電極211の端部を半導体部10の端部と一致させるか内側にすることができる。半導体基板1001の第1面1001aから第2面1001bに向かう方向に狭くなる位置の下部電極211の端部211c2と、隣り合う下部電極211の端部211a2との間の距離は、端部211c1と端部211a1との間の距離よりもさらに広げることができる。
【0093】
図29は、図26のF部を拡大して例示する模式的な斜視断面図である。
図29に示すように、隣り合う半導体層1002の端部1002cと端部1002aとの間の距離は、ダイシング幅Wdにもとづいて設定された図24に示したマスクの幅Md1とすることができる。そのため、図29の例では、下部電極211の端部211c1の位置を半導体層1002の端部1002cと一致させるか、端部1002cよりも内側にすることができる。
【0094】
下部電極211の形成には、ウェットエッチングを用いるので、半導体基板1001の第1面1001aから第2面1001bに向かって、よりエッチングが進むので、下部電極211の側面をテーパ形状とすることができる。テーパの程度は、ウェットエッチングの条件等により適切に設定することができる。図29の例では、下部電極211の端部211c2は、第1素子領域R1の端部R1aよりも外側にすることによって、第1素子領域R1において、下部電極211の十分な厚さを確保することができる。
【0095】
本変形例では、隣り合うシードメタル2020aの間の距離をマスクの幅Md1で設定することができる。マスクの幅Md1は、ダイシング幅Wdにもとづいて設定することができる。半導体層1002をダイシングブレード1100で切削しないように、十分な距離を確保することができる。たとえば、マスクの幅Md1をダイシング幅Wdと同じとすることによって、レジストマスク2010の形成が容易となる。
【0096】
このようにして、反りを抑制可能な半導体装置および半導体装置の製造方法を実現することができる。
【0097】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0098】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0099】
(付記1)
導電層と、
前記導電層上に設けられた半導体部と、
前記半導体部上に設けられた第1ソース電極と、
前記半導体部上で、前記第1ソース電極から離れた設けられた第2ソース電極と、
前記半導体部に設けられ、前記第1ソース電極および前記第2ソース電極から電気的に分離された第1制御電極と、
前記半導体部に設けられ、前記第1ソース電極、前記第2ソース電極および前記第1制御電極から電気的に分離された第2制御電極と、
を備え、
前記半導体部は、
前記導電層上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
を含み、
前記第1ソース電極は、前記第2半導体領域および前記第4半導体領域に電気的に接続され、
前記第2ソース電極は、前記第3半導体領域および前記第5半導体領域に電気的に接続され、
前記第1制御電極は、前記第1半導体領域、前記第2半導体領域および前記第3半導体領域と、第1絶縁膜を介して対向して配置され、
前記第2制御電極は、前記第1半導体領域、前記第4半導体領域および前記第5半導体領域と、第2絶縁膜を介して対向して配置され、
平面視で、
前記導電層の第1端部は、前記半導体部の第2端部よりも内側に位置し、
前記第1端部からなる外周は、前記第2半導体領域を含む第1素子領域の第3端部の少なくとも一部および前記第4半導体領域を含む第2素子領域の第4端部の少なくとも一部の両方を囲む半導体装置。
【0100】
(付記2)
平面視で、前記第1端部は、前記第3端部よりも外側かつ前記第4端部よりも外側に位置する付記1記載の半導体装置。
【0101】
(付記3)
平面視で、前記第3端部は、前記第2半導体領域の端部に一致し、前記第4端部は、前記第4半導体領域の端部に一致する付記1または2に記載の半導体装置。
【0102】
(付記4)
前記導電層は、前記半導体部に対向する上面と、前記上面の反対側に位置する下面とを有する錐台であり、
前記錐台は、前記上面から下面に向かって細くなる付記1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0103】
(付記5)
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面上に複数の半導体層が形成された半導体基板を準備する工程と、
前記複数の半導体層のうち、隣り合う2つの半導体層の間に、前記2つの半導体層の間の第1距離に応じて、前記第2面にマスク層を形成する工程と、
前記第2面および前記マスク層に導電層を形成する工程と、
前記マスク層を除去して、前記2つの半導体層の位置に応じた2つの第1導電部を形成する工程と、
前記2つの第1導電部に2つの第2導電部を形成する工程と、
前記2つの半導体層の間の前記半導体基板をダイシングする工程と、
を有し、
前記第1距離は、前記半導体基板をダイシングするダイシングブレードの設定にもとづいて設定され、
前記マスク層の幅は、前記第1距離にもとづいて設定され、
前記半導体層は、
前記半導体基板上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0104】
(付記6)
前記マスク層の幅は、
前記第2半導体領域を含む第1素子領域の端部、および、
前記第4半導体領域を含む第2素子領域の端部の位置にもとづいて設定された付記5記載の半導体装置の製造方法。
【0105】
(付記7)
第1面と前記第1面の反対側に位置する第2面とを有し、前記第1面上に複数の半導体層が形成された半導体基板を準備する工程と、
前記第2面に第3導電層を形成する工程と、
前記複数の半導体層のうち、隣り合う2つの半導体層の間に、前記2つの半導体層の間の第1距離に応じて、前記第3導電層に第2マスク層を形成する工程と、
前記第3導電層をエッチングにより分断して、前記2つの半導体層の位置に対応した2つの第3導電層を形成する工程と、
前記マスク層を除去して、前記2つの半導体層の間の前記半導体基板をダイシングする工程と、
を有し、
前記第1距離は、前記半導体基板をダイシングするダイシングブレードの設定にもとづいて設定され、
前記第2マスク層の幅は、前記第1距離にもとづいて設定され、
前記半導体層は、
前記半導体基板上に設けられた第1導電形の第1半導体領域と、
前記第1半導体領域上に設けられた第2導電形の第2半導体領域と、
前記第1半導体領域上で、前記第2半導体領域から離れて設けられた第2導電形の第3半導体領域と、
前記第2半導体領域上に設けられた第1導電形の第4半導体領域と、
前記第3半導体領域上に設けられた第1導電形の第5半導体領域と、
を含む半導体装置の製造方法。
【0106】
(付記8)
前記2つの第3導電層を形成する工程は、ウェットエッチング工程を含む付記7記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0107】
10…半導体部、10a~10d、11a~11d、111a~111d、211a1~211d1、211a2~211d2、R1a~R1d、R2a~R2d…端部、11、111、211…下部電極、20a…半導体基板、20b…ドリフト層、22…第1ベース領域、23…第1ソース領域、24…第2ベース領域、25…第2ソース領域、41…第1ゲート電極、42…第2ゲート電極、51、52…ゲート絶縁膜、61…第1ソース電極、62…第2ソース電極、70…絶縁層、71…パッシベーション層、100、100a、100b…半導体装置、1001…半導体基板、1002…半導体層、1010…レジスト層、1020、2020…シードメタル層、1020a…シードメタル、1030、2030a…下部電極、1100…ダイシングブレード、2030…下部電極層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29