IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

特開2024-139074駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法
<>
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図1
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図2
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図3
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図4
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図5
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図6
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図7
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図8
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図9
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図10
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図11
  • 特開-駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139074
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049866
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】小磯 久
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC13
5L050CC13
(57)【要約】
【課題】適切に駐車料金を決定することができる駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法を提供する。
【解決手段】駐車料金決定装置は、車両を駐車するユーザによって入力された駐車枠の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部311と、駐車枠を実際に確認した確認結果を取得する確認結果取得部312と、状態情報と確認結果とを比較して、状態情報と確認結果との一致度を判定する判定部313と、一致度に基づいて駐車料金を決定する料金決定部322と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車するユーザによって入力された駐車枠の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、
前記駐車枠を実際に確認した確認結果を取得する確認結果取得部と、
前記状態情報と前記確認結果とを比較して、前記状態情報と前記確認結果との一致度を判定する判定部と、
前記一致度に基づいて駐車料金を決定する料金決定部と、を備えた駐車料金決定装置。
【請求項2】
前記ユーザの信用度を取得する信用度取得部と、
前記一致度に基づいて前記信用度を更新する信用度更新部と、
をさらに備え、
前記料金決定部は、前記一致度と、前記信用度とに基づいて前記駐車料金を決定する請求項1に記載の駐車料金決定装置。
【請求項3】
前記状態情報の粒度を特定する粒度特定部をさらに備え、
前記判定部は、前記粒度に従って前記状態情報と前記確認結果とを比較して、前記状態情報と前記確認結果との一致度を判定し、
前記料金決定部は、前記一致度と、前記信用度と、前記粒度とに基づいて前記駐車料金を決定する請求項2に記載の駐車料金決定装置。
【請求項4】
前記一致度に基づいて駐車場の修繕費用を推定する修繕費用推定部をさらに備えた請求項1に記載の駐車料金決定装置。
【請求項5】
車両を駐車するユーザによって入力された駐車枠の状態を示す状態情報を取得するステップと、
前記駐車枠を実際に確認した確認結果を取得するステップと、
前記状態情報と前記確認結果とを比較して、前記状態情報と前記確認結果との一致度を判定するステップと、
前記一致度に基づいて駐車料金を決定するステップと、を備えた駐車料金決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駐車料金を決定するシステムが開示されている。特許文献2には、汚染要因が存在しない駐車場を選択して、ルート案内を行うナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174509号公報
【特許文献2】特開2010-151453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
駐車場の状態によってユーザが駐車場を選択するときの条件が異なる場合がある。駐車場を使用しているユーザが駐車場の状態の情報を提供することで、駐車場を使用しているユーザの駐車料金に反映させたり、駐車場に入庫しようとするユーザへの駐車場や駐車区画の案内に反映させたりすることが、駐車場を使用しているユーザ、駐車場に入庫しようとするユーザの双方に有益となることがある。
【0005】
本開示は、より適切に駐車料金を決定することができる駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる駐車料金決定装置は、車両を駐車するユーザによって入力された駐車枠の状態を示す状態情報を取得する状態情報取得部と、前記駐車枠を実際に確認した確認結果を取得する確認結果取得部と、前記状態情報と前記確認結果とを比較して、前記状態情報と前記確認結果との一致度を判定する判定部と、前記一致度に基づいて駐車料金を決定する料金決定部と、を備えている。
【0007】
本開示にかかる駐車料金決定方法は、車両を駐車するユーザによって入力された駐車枠の状態を示す状態情報を取得するステップと、前記駐車枠を実際に確認した確認結果を取得するステップと、前記状態情報と前記確認結果とを比較して、前記状態情報と前記確認結果との一致度を判定するステップと、前記一致度に基づいて駐車料金を決定するステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、より適切に駐車料金を決定することができる駐車料金決定装置、及び駐車料金決定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】システムの全体構成を示す模式図である。
図2】料金を決定するためのシステム構成を示すブロック図である。
図3】状態情報と確認結果の一致度を説明するためのデータを示す表である。
図4】信用度を更新するためのデータを説明するための表である。
図5】駐車料金を割り引く方法を示すフローチャートである。
図6】一致度に基づいて駐車料金を決定する方法を示すフローチャートである。
図7】粒度の粗い状態情報を説明するための表である。
図8】駐車場を提示するためのシステム構成を示すブロック図である。
図9】状態情報に基づいて算出された状態ポイントを説明するための表である。
図10】粒度の粗い状態情報に基づいて算出された状態ポイントを説明するための表である。
図11】ユーザに対して駐車場を提示する駐車場提示方法を示すフローチャートである。
図12】変形例にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0011】
図1は駐車場システムの全体構成を簡略化して示す模式図である。システム100は、車両200と、端末220と、サーバ装置300と、駐車場500と、精算機540と、確認用デバイス550と、を備えている。なお、図1では、一人のユーザUのみが図示されているが、実際には複数のユーザUがそれぞれシステム100を利用する。
【0012】
システム100は1つ又は2つ以上の駐車場500を備えている。駐車場500は、時間貸しの駐車場であり、1時間当たりの駐車料金が所定の金額となっている。もちろん、昼間と夜間とで1時間当たりの駐車料金が異なっていてもよい。さらに、駐車場には駐車料金の上限等が設定されていてもよい。また、駐車場毎に駐車料金が異なっていてもよい。
【0013】
ユーザUはサーバ装置300に駐車場500や駐車枠510に関する情報を提供する情報提供者となる。端末220は、ユーザUが利用する情報処理装置である。端末220は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ等の通信端末である。したがって、端末220は、入力機能、表示機能、カメラ機能、演算処理機能、ルート案内機能、通信機能等を有している。例えば、端末220であるスマートフォンにアプリケーションプログラム(アプリ)をインストールすることで、後述する処理を実行する。例えば、ユーザは、端末220でアプリをインストールして、ユーザ登録を行う。
【0014】
端末220は、ユーザUに情報を提供してもらうため、駐車場500や駐車枠510に関する情報を入力するようにユーザUに促す。ユーザUが端末220のアプリを起動すると、アプリが情報を入力するようなメッセージを表示する。端末220は、情報を入力する画面を表示する。情報の入力はテキスト入力、プルダウンメニューによる入力、チェックボックスによる入力などで行われる。あるいは、ユーザUは、マイクを用いた音声入力等で情報を入力してもよい。
【0015】
端末220は、入力された情報をサーバ装置300に送信する。ユーザUが端末220から入力する情報は、駐車場に関する駐車場情報を含んでいてもよい。さらに、ユーザUが端末220から入力する情報は、駐車枠510の状態を示す状態情報を含んでいてもよい。
【0016】
駐車場情報は、駐車場名、駐車料金、駐車枠数、駐車場内の様子などに関するデータを含んでいる。ユーザUは、駐車場500の駐車枠510の状態を示す状態情報を入力する。状態情報は、駐車枠や駐車枠の周辺の状態に関する情報を含んでいる。状態情報の詳細については、後述する。端末220は、駐車場情報又は状態情報とともに、入力した場所(位置座標)、及び入力時間などのデータをサーバ装置300に送信してもよい。
【0017】
ユーザUは、端末220のカメラによって情報を入力してもよい。ユーザUは、端末220のカメラで、情報を認識できるような位置、及び角度で駐車場500や駐車枠510を撮像する。端末220が、表示画面上で、撮像方向、撮像位置などを指定してもよい。なお、画像は静止画でもよく、動画像であってもよい。動画像を撮像することで、より詳細な情報を入力することができる。
【0018】
端末220が画像をサーバ装置300に送信すると、サーバ装置300が画像解析により、駐車場情報や状態情報を抽出する。あるいは、端末220は、撮像した画像を画像解析することで、駐車場情報又は状態情報を抽出してもよい。この場合、端末220が、抽出した情報をサーバ装置300に送信する。端末220は、画像とともに、撮像位置、及び撮像時間などのデータをサーバ装置300に送信してもよい。これにより、駐車場情報や状態情報がサーバ装置300に入力される。そして、サーバ装置300が駐車場毎にデータを対応付けた駐車場データベースを構築する。
【0019】
具体的には、ユーザUは、端末220のカメラによって、駐車場名や駐車料金が分かる画角で駐車場500を撮影する。あるいは、ユーザUは、端末220のカメラによって、駐車場内の様子を確認できる画角で駐車場500や駐車枠510を撮影する。端末220が、画像認識で駐車枠の状態を評価した場合、ユーザがその評価を修正してもよい。さらに、サーバ装置300又は端末220は、撮影した画像に基づいて、駐車場の空き状況を判定してもよい。
【0020】
なお、ユーザUは、車両200の運転者又は同乗者であってもよい。ユーザUが運転者等である場合、ユーザUが駐車場500の駐車枠510に車両200を駐車してもよい。そして、ユーザUは、車両200を駐車するときに、駐車場500の駐車場情報又は駐車枠510の状態情報を入力する。ユーザUは端末220を操作して駐車場500を指定することで、駐車場を予約してもよい。
【0021】
ユーザUは、車両200の運転者又は同乗者でなくてもよい。例えば、ユーザUは歩行者などであってもよい。ユーザUは駐車場500の付近を歩行しているときに、端末220から情報を入力してもよい。
【0022】
あるいは、端末220は、カーナビゲーションやドライブレコーダ等の車載機器であってもよい。端末220、又は車両200は、サーバ装置300との通信機能を備えている。複数のユーザがシステム100を利用する。システム100には、ユーザを識別するために各ユーザに固有のユーザIDが登録されている。また、後述する処理の一部を車載機器が行い、残りをスマートフォン等が行ってもよい。例えば、スマートフォンがサーバ装置300との通信処理を行い、ナビゲーション装置がルート案内を行ってもよい。
【0023】
駐車場500は複数の駐車枠510を備えている。そして、それぞれの駐車枠510に車両200が駐車する。また、駐車場500には、精算機540が設置されている。精算機540は、駐車場の出入り口に設置されている。駐車場が立体駐車場である場合、各フロアに精算機540が設置されていてもよい。運転者であるユーザUは、精算機540に提示された駐車料金を支払う。現金決済の場合、ユーザUはコインや紙幣を精算機540に投入することで、駐車料金を支払う。あるいは、ユーザUは、クレジットカード、プリペイドカード、ポイントカード、端末220等を用いてキャッシュレス決済で駐車料金を支払ってもよい。また、精算機540は、入庫時に、駐車券を発行してもよい。駐車場500に設けられている精算機540は1台に限らず、2台以上であってもよい。また、駐車料金の支払いは、駐車の都度行うものではなく、月単位などの一定の期間毎にまとめて支払うものであってもよい。
【0024】
確認用デバイス550は、例えば、システム100の管理者側が保持する情報処理装置である。システム100の管理者等が駐車場500を確認する確認者となる。確認者は、駐車場500を巡回して、確認用デバイス550から駐車枠510等の確認結果を入力する。確認用デバイス550はスマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートパソコンなどであってもよい。確認者は、確認用デバイス550を用いて、各種情報に関する確認結果を入力する。確認結果の入力は、端末220と同様に、テキスト入力、プルダウンメニューによる入力、チェックボックスなどによりに行うことができる。
【0025】
確認用デバイス550がカメラを搭載している場合、確認者は駐車場500の画像を撮像してもよい。そして、確認用デバイス550又はサーバ装置300が画像から確認結果を抽出してもよい。なお、カメラは、車両200に設置されたドライブレコーダなどの車載カメラ、駐車場500に設置された監視カメラ、防犯カメラ等であってもよい。確認用デバイス550は、人工衛星に搭載された人工衛星カメラであってもよい。
【0026】
さらに、確認用デバイス550のカメラは、駐車場の入り口付近を撮像してもよい。これにより、システム100が、入庫待ちしている車両の有無や入庫待ち台数を確認することができる。
【0027】
なお、システム100には、駐車場500を識別するために、各駐車場に固有の駐車場IDが登録されている。駐車場500は、ショッピングモール等の施設に付設されたものであってもよく、独立したものであってもよい。そして、精算機540は、駐車場500に対応付けられている。それぞれの駐車場において、駐車枠を識別するためのIDが付されていてもよい。例えば、駐車枠内や駐車枠の周辺に、駐車枠の番号が付されている場合、この番号を駐車枠のIDとすることができる。
【0028】
サーバ装置300は、プロセッサ、メモリ、入出力デバイス、通信IF等を備えたコンピュータである。サーバ装置300は、確認用デバイス550、精算機540、車両200、及び端末220と、ネットワークを介してそれぞれ接続されている。サーバ装置300は、確認用デバイス550、精算機540、車両200、及び端末220からのデータを受信して、処理を行う。さらに、サーバ装置300は、確認用デバイス550、精算機540、車両200、及び端末220にデータを送信する。サーバ装置300は、クラウドサーバであってもよい。サーバ装置300は、複数の駐車場500と、複数のユーザを管理するための処理を行う。
【0029】
システム100では、車両200と、端末220のユーザとが予め対応付けられている。つまり、複数のユーザが使用している車両200と各ユーザが所持する端末220とが予め登録されている。ユーザ毎に、使用している端末220及び車両200が識別される。よって、車両200又は端末220を特定することで、使用しているユーザが特定される。例えば、ユーザがシステム100の利用を開始するために会員登録をする際に、車両200のナンバーや端末220の携帯電話番号等を登録しておく。例えば,ユーザはアプリを通じて、車両200のナンバーや携帯電話番号などを入力することができる。
【0030】
実施の形態1
(駐車料金の決定)
本実施の形態では、システム100が、駐車場に駐車している車両の駐車料金を決定するための処理を行う。以下、駐車料金を決定するための構成及び処理について、図2、及び図3を参照して説明する。図2は、サーバ装置300の構成を示す制御ブロック図である。図3は、駐車料金を決定するためのデータを説明する表である。
【0031】
サーバ装置300は、駐車場情報取得部310と、状態情報取得部311と、確認結果取得部312と、判定部313と、粒度特定部314と、を備えている。サーバ装置300は、信用度取得部321と、料金決定部322と、信用度更新部323と、修繕費用推定部328と、を備えていてもよい。サーバ装置300は通信部340と、データ格納部341とを備えている。サーバ装置300は、それぞれの駐車場を管理するためのデータを収集する。
【0032】
通信部340は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の通信モジュールを備えている。あるいは、通信部340は、4G LTE(Long Term Evolution)や5G等の携帯電話通信用の無線通信モジュールを備えていてもよい。通信部340は、異なる通信規格で通信できるように、2つ以上の通信モジュールを有していてもよい。通信部340は、データ通信のための受信器や送信器を備えている。
【0033】
通信部340は、無線通信によって、車両200、端末220、精算機540、確認用デバイス550とデータ通信を行う。サーバ装置300は、車両200、端末220、精算機540、確認用デバイス550と各種データを送受信することができる。もちろん、通信部340の通信方式は上記の通信方式に限られるものではなく、有線通信であってもよい。
【0034】
データ格納部341は、車両200、端末220、精算機540、確認用デバイス550から送信された各種データを格納する。さらに、データ格納部341は、車両200、端末220、精算機540、確認用デバイス550に送信する各種データを格納する。後述するように、データ格納部341は、ユーザの信用度に関するデータ、駐車場情報を示すデータ、状態情報を示すデータ、確認結果を示すデータ等を格納する。データ格納部341は、ユーザIDに各種データを対応付けて格納するデータベースを備えていてもよい。あるいは、データ格納部341は、駐車場IDや駐車枠IDに各種データを対応付けて格納するデータベースを備えていてもよい。
【0035】
駐車場情報取得部310は、端末220からの駐車場情報を取得する。データ格納部341は、駐車場情報をメモリなどに書き込む。駐車場情報は、駐車場名、駐車場料金、駐車枠数、駐車枠サイズ、路面状態、駐車方式、屋根の有無などの項目を含んでいる。
【0036】
駐車場名は、駐車場IDと紐づけられるデータである。駐車場料金は、駐車場500の1時間当たりの利用料金等を示すデータである。さらに、駐車料金は、上限金額などを含むデータであってもよい。駐車枠数は、駐車場500にある駐車枠510の数を示すデータである。駐車枠サイズは、駐車枠510の平面サイズを示すデータである。あるいは、駐車枠サイズは、駐車枠の高さを示すデータを含んでいてもよい。
【0037】
路面状態は、舗装の有無を示すデータである。さらに、路面状態は傾斜の有無を示すデータを含んでいてもよい。駐車方式は、自走式駐車場(平置き駐車場)、立体自走式駐車場、機械式駐車場(立体駐車場)等を属性情報として格納しておく。屋根の有無は、駐車場500に屋根があるか否かを示すデータである。
【0038】
状態情報取得部311は、ユーザUによって入力された駐車枠510の状態を示す状態情報を取得する。ユーザUの端末220からデータがサーバ装置300に送信されると、状態情報取得部311は、状態情報を抽出する。データ格納部341は、状態情報をメモリなどに書き込む。例えば、状態情報は駐車枠の状態を示す情報を含む。あるいは、状態情報は、雑草が生えているか否か、障害物があるか否か、など駐車枠周辺の状態を示す情報を含む。
【0039】
例えば、図3に示すように、ユーザUは、駐車枠510の奥側、手前側、左側、右側の駐車枠の状態を状態情報として入力する。また、ユーザUは、駐車枠510の奥側、手前側、左側、右側の駐車枠周辺の状態を状態情報として入力する。つまり、状態情報は、8つの項目を有している。状態情報は、駐車枠毎に入力される。
【0040】
ここで、駐車枠の状態について、駐車枠が問題なく見える状態をA、途切れている状態をB、全く見えない状態をCとして示す。駐車枠周辺の状態について、ここでは雑草の例で説明する。雑草の状態について、雑草が生えておらず問題が無い状態をA、雑草が生えているが駐車に影響のない状態をB、雑草が茂っていて駐車に影響する状態(例えば乗降車がしにくい状態)をCとして示す。このように、ユーザUは状態情報の各項目について3段階で状態を評価して、入力している。なお、駐車枠周辺の状態については、さらに項目を追加して評価してもよいし、雑草の代わりに別の項目を評価してもよい。
【0041】
確認結果取得部312は、駐車枠を実際に確認した確認結果を取得する。具体的には、確認結果取得部312は、確認用デバイス550から入力された確認結果を取得する。確認結果は、確認者が、駐車枠の状態を確認した結果を示すものである。図3に示すように、確認結果は、状態情報と同様に、8つの項目を有している。具体的には、確認結果は8つの項目を確認した結果を3段階で示すデータである。確認結果、駐車枠毎に入力されていてもよく、駐車場毎に入力されていてもよい。また、確認結果は、随時、最新のデータに更新されてもよい。例えば、確認者が確認用デバイス550を用いて、定期的に又は不定期に確認結果を入力してもよい。データ格納部341は、確認結果をメモリなどに書き込む。
【0042】
判定部313は、状態情報と確認結果とを比較して、状態情報と確認結果との一致度(以降に記載する「一致度」は「状態情報と確認結果との一致度」のことである)を判定する。判定部313は、項目毎に状態情報と確認結果とを比較して、一致しているか否かを判定する。そして、判定部313は、一致している項目数に基づいて、一致度を算出する。ここでは、一致している項目の割合が一致度となる。図3に示す例では、8項目中、7項目が一致しており、1項目が不一致となっている。よって、図3では一致度が7/8となる。
【0043】
料金決定部322は、一致度に基づいて、駐車料金を決定する。具体的には、一致度が高いほど、駐車料金を低額とする。これにより、ユーザUがより正確な情報を入力するようになる。例えば、一致度が80%以上の場合、料金決定部322は、駐車料金を100円割引とする。一致度が60%以上の場合、料金決定部322は、駐車料金を50円割引とする。一致度が60未満の場合、料金決定部322は、割引料金を0円とする。このように、料金決定部322は一致度に基づいて、割引額を段階的に決定する。
【0044】
料金決定部322は、一致度に基づいて、駐車料金を変動する。料金決定部322は、一致度に基づいて、割引額等を変化させる。ここで、駐車料金の変動は、実質的な金額であれば、出庫時に提示される金額や支払う金額に限られるものではない。例えば、次回以降に利用できるポイントを付与することで、実質的な駐車料金を低額にしてもよい。上記の例では、一致度が80%以上の場合、料金決定部322は、駐車料金を100円分のポイントをユーザUに付与する。一致度が60%以上の場合、料金決定部322は、50円分のポイントを付与してもよい。一致度が60%未満の場合、料金決定部322は、ポイントを付与しない。
【0045】
このように、料金決定部322は、ポイント付与により実質的な駐車料金を変動させてもよい。さらに、料金決定部322が付与するポイントは、駐車料金以外の料金に使用できるポイントであってもよい。
【0046】
また、料金決定部322は、割引率を変えることで、実質的な駐車料金を変動させてもよい。例えば、一致度が80%以上の場合、料金決定部322は、割引率を2割とする。一致度が60%以上の場合、料金決定部322は、割引率を1割としてもよい。一致度が60%未満の場合、料金決定部322は、割引なし(0割)としてもよい。
【0047】
あるいは、次回以降に使用できるクーポン券等により、実質的な駐車料金を低額にしてもよい。さらに、クーポン券は、他人に譲渡可能なものであってもよく、駐車料金以外に利用可能なものであってもよい。このように、料金決定部322は、ポイント、クーポン券、割引率、割引額等によって、駐車料金を優遇することができる。一致度が高いほど、料金決定部322が、駐車料金を優遇する。
【0048】
このようにすることで、ユーザUが正確な状態情報を提供するように促すことができる。ユーザUに対して、駐車枠の状態を正確に入力するようにインセンティブを与えることができる。これにより、システム100の管理者側で駐車枠の管理を適切に行うことができる。よって、システム100は、駐車場を管理するための情報を簡便に収集することができる。また、状態情報によって駐車しやすさなどを評価することができる。よって、駐車場提示部335は、ユーザUに対して適切な駐車場を提示することができる。
【0049】
(信用度)
さらに、サーバ装置300は、信用度取得部321と信用度更新部323とを有していてもよい。そして、料金決定部322が信用度に基づいて駐車料金を決定してもよい。以下、信用度を更新する処理について、図4を用いて説明する。図4は、各ユーザの信用度のデータを示す表である。
【0050】
信用度取得部321は、それぞれのユーザの信用度を取得する。なお、端末220や車両200がユーザの信用度をサーバ装置300に送信してもよい。あるいは、データ格納部341が予めデータベースにユーザ毎の信用度を格納していてもよい。図4に示すように、ユーザU1の現在の信用度は2となっており、ユーザU2の現在の信用度は2となっている。ユーザU3の現在の信用度は4となっており、ユーザU4の現在の信用度は3となっている。
【0051】
ここで、信用度の値が大きいほど、信用度が高いことを示す。例えば、信用度4が最高であり、信用度1が最低となる。信用度4は超優良会員(VIP会員)として規定され、信用度3は、優良会員として規定される。また、信用度2は、一般会員として規定され、信用度1は不良会員として規定される。このように、信用度に基づいて、ユーザがランク分けされる。そして、ランクに基づいて、適用される割引が異なる。
【0052】
信用度更新部323は、料金決定部322と同様に、状態情報と確認結果との一致度に基づいて信用度の評価値を増減する。信用度更新部323は、評価値の初期値を0として、信用度の初期値を2(一般会員)とする。評価値が10以上になった場合、信用度更新部323は、信用度を3(優良会員)に更新する。評価値が20以上になった場合、信用度更新部323は、信用度を4(超優良会員)に更新する。評価値が0未満になった場合、信用度更新部323は、信用度を1(不良会員)に更新する。
【0053】
信用度更新部323は、一致度に基づいて、信用度を更新する。例えば、信用度更新部323は、一致度を第1閾値と比較して、一致度が高いか否かを判定する。例えば、第1閾値を80%とし、一致度が80%以上の場合、信用度更新部323は、一致度が高いと判定する。そして、一致度が高い場合、信用度更新部323は、評価値をカウントアップする。一致度が第1閾値未満の場合、信用度更新部323は、評価値を増加しない。
【0054】
ユーザU1の現在の評価値は9、現在の信用度は2となっている。ユーザU1の一致度は7/8となっている。ユーザU1の一致度が80%以上であるため、評価値が1増加する。ユーザU1の評価値が9から10に増加する。ユーザU1の信用度は2(一般会員)から3(優良会員)にランクアップする。ユーザU1は、駐車料金が優遇される。
【0055】
さらに、一致度が低い場合、信用度更新部323が評価値を下げるようにしてもよい。例えば、第2閾値を50%とし、一致度が50%未満の場合、信用度更新部323が評価値をカウントダウンする。そして、評価値が所定値を下回ると、信用度がランクダウンする。例えば、評価値が0未満となった場合、信用度更新部323は信用度を1に更新する。
【0056】
ユーザU2の現在の評価値は0、現在の信用度は2となっている。ユーザU2は、一致度が3/8となっている。一度度が50%未満であるため、ユーザU2の評価値が1減少する。ユーザU2の評価値が0から-1に更新される。ユーザU2の信用度は2から1にランクダウンする。
【0057】
ユーザU3の現在の評価値は22、現在の信用度は4となっている。ユーザU3の一致度は5/8である。一致度が50%以上、80%未満であるため、評価値が増減しない。ユーザU3の評価値が22のままとなる。ユーザU3の信用度は4のままとなる。
【0058】
さらに、評価値の増減値がより細かく設定されていてもよい。この場合、信用度更新部323は、閾値、増分値、減算値などを段階的に設定すればよい。例えば、一致度が100%の場合は評価値の増分値が3となり、一致度が80%以上、100%未満の場合は評価値の増分値が1となる。
【0059】
ユーザU4の現在の評価値は14、現在の信用度は3となっている。ユーザU4は、一致度は8/8となっている。ユーザU4は、一致度が100%であるため、評価値が3増加する。ユーザU4の評価値が17に増加するが、信用度は3のままとなる。よって、ユーザU4の信用度が3のまま維持される。このようにすることで、ユーザUが精度の高い状態情報を入力するようになる。なお、状態情報を入力しないユーザについては、評価値を1減少させてもよく、増減なしとしてもよい。
【0060】
評価値には、上限値又は下限値が設定されていてもよい。評価値が上限値に到達した後に、一致度が80%以上であった場合でも、信用度更新部323が評価値を増加しないようにする。同様に、評価値が下限値に到達した後に、一致度が50%未満の場合であっても、信用度更新部323が評価値を減少しないようにする。例えば、評価値の上限値を30とし、評価値の下限値を-10としてもよい。
【0061】
このように、信用度更新部323は、一致度に基づいて、評価値を増減させていく。信用度更新部323は、最新の評価値に基づいて、ユーザの信用度を評価する。つまり、信用度更新部323は、評価値と閾値とを比較して、信用度を更新していく。このようにすることで、信用度更新部323は、信用度を適切に設定することができる。
【0062】
信用度更新部323は、更新された信用度をデータ格納部341に書き込む。データ格納部341は、ユーザ毎に、信用度及び評価値を格納する。あるいは、通信部340が更新された信用度又は評価値を端末220に送信してもよい。そして、端末220が最新の信用度、又は評価値を保存してもよい。
【0063】
このようにすることで、より適切にユーザの信用度を設定することができる。つまり、ユーザの評価値を蓄積して評価しているため、信用度の精度を向上することができる。なお、上記の説明では、評価値、及び信用度は整数値で示されていたが、より細かな値で示されていても良い。例えば、信用度更新部323は、一致度に基づいて設定されるスコアを評価値として用いてもよい。
【0064】
料金決定部322は、信用度に基づいて駐車料金を決定する。例えば、料金決定部322は、信用度が高いほど、実質的な駐車料金を低額にする。つまり、信用度が高いほど割引を大きくする。
【0065】
信用度4の場合、料金決定部322は、100円割引とし、信用度3の場合、料金決定部322は、50円割引とする。信用度2、1の場合、料金決定部322は、割引無しとする。このように、料金決定部322は信用度に基づいて、割引額を段階的に決定する。もちろん、信用度による割引は、一致度の割引と同様に、ポイント、割引率、割引額、クーポン券などによるものであってもよい。
【0066】
これにより、ユーザが信用度を上げるために、正確な状態情報を入力するようになる。よって、サーバ装置300は、正確な情報を収集することができる。また、ユーザUによって入力された状態情報を確認結果として用いることも可能である。例えば、信用度の高いユーザUによって入力された状態情報を確認結果として、データ格納部341が格納してもよい。
【0067】
本実施の形態にかかる方法について、図5を用いて説明する。図5は、システム100がユーザUから情報を収集する処理を示すフローチャートである。図5では、カメラの画像によって情報を収集する例を示している。
【0068】
まず、駐車場情報取得部310が駐車場情報を取得する(S101)。例えば、駐車場情報取得部310がユーザによって撮影された画像から文字認識による駐車場名や料金を取得する。あるいは、駐車場情報取得部310は、端末220の位置情報から、駐車場を特定して、駐車場情報を取得してもよい。
【0069】
端末220が駐車場内を撮影するように指示を行う(S102)。例えば、端末220は、表示画面上に、指定の画角での撮影を促すメッセージを表示する。あるいは、端末220は、音声メッセージによって、撮影を促してもよい。これにより、適切な画角を指示するため、ユーザUが、駐車場情報や状態情報を示す画像を撮像することができる。
【0070】
端末220が適切に撮影を完了したか否かを判定する(S103)。撮影する画像については、撮影画角等がシステム100側であらかじめ設定されている。また、同じ写真が複数枚転送されないように、同じ位置、同じ角度での写真は、1枚のみ送信可能としてもよい。適切に撮影が完了していない場合(S103のNO)、ステップS102に戻り、端末220が、再度撮影指示を行う。適切に撮影が完了した場合(S103のYES)、端末220が画像又は画像から抽出したデータをサーバ装置300に送信する(S104)。
【0071】
端末220が、各種データの送信を完了したか否かを判定する(S105)。データの送信が完了していない場合(S105のNO)、ステップS104に戻り、端末220がサーバ装置300にデータを送信する。データの送信が完了した場合(S105のYES)、料金決定部322が料金を決定する(S106)。料金決定部322は、送信したデータに基づいて駐車料金を決定する。例えば、料金決定部322は割引額、割引ポイント、割引率等を決定する。
【0072】
駐車場情報や状態情報を送信したユーザUが駐車場の割引するためのポイントを得ることができる。駐車場情報や状態情報を送信したユーザUに対してポイントを付与することで、ユーザUに情報提供を促すことができる。これにより、駐車場に関する情報を適切に収集することができるため、最新の情報に更新することが可能となる。
【0073】
次に、図5のS106の処理である、駐車料金を決定する処理について図6を用いて説明する。まず、状態情報取得部311が駐車枠510の状態を示す状態情報を取得する(S201)。つまり、ユーザUが端末220を操作することで状態情報を入力すると、端末220が状態情報をサーバ装置300に送信する。これにより、状態情報取得部311が端末220から送信された状態情報を取得する。また、状態情報が取得された駐車場500や駐車枠510のIDがサーバ装置300に送信される。さらに、状態情報を入力したユーザUのIDがサーバ装置300に送信される。
【0074】
次に、確認結果取得部312は、状態情報が入力された駐車枠についての確認結果を取得する(S202)。例えば、確認用デバイス550によって入力された確認結果を取得する。確認結果取得部312は、駐車場500や駐車枠510のIDを参照して、駐車枠510の確認結果を取得する。
【0075】
そして、信用度取得部321が、状態情報を入力したユーザUの信用度を取得する(S203)。ここでは、端末220のユーザUのIDを参照して、信用度取得部321が信用度をデータ格納部341から読み出す。
【0076】
判定部313が状態情報と確認結果を比較して、一致度を判定する(S204)。例えば、判定部313は、項目毎に状態情報が確認結果と一致するか否かを判定して、一致度を算出する。料金決定部322が、一致度が所定以上(例えば80%以上)であるか否かを判定する(S205)。一致度が所定以上である場合(S205のYES)、料金決定部322が駐車料金の割引を行う(S206)。料金決定部322は、一致度が高いほど、実質的な駐車料金が低額になるように、割引額、割引ポイント、割引率等を多段階に決定してもよい。
【0077】
次に、一致度に基づいて、信用度更新部323が信用度を更新する(S207)。ここでは、上記のように、信用度更新部323が、一致度に基づいて評価値を増減して、信用度を更新する。なお、割引額等を決定する一致度と、評価値を増減する一致度と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0078】
料金決定部322が、信用度が所定以上か否かを判定する(S208)。信用度が所定以上(例えば3以上)の場合(S208のYES)、料金決定部322が駐車料金の割引を行う(S209)。信用度が高いほど、実質的な駐車料金が低額になるように、料金決定部322が割引額、割引ポイント、割引率等を決定してもよい。これにより、信用度の高いユーザUが割引を受けることができる。そして、ユーザUが駐車場から出庫するときに、割引後の金額を精算機540に支払う(S210)。
【0079】
このように、料金決定部322は、一致度、及び信用度に基づいて、駐車料金を決定している。これにより、システム100は、ユーザUに対してより正確な状態情報を入力するように促すことができる。よって、正確な情報の収集が可能となる。なお、上記の説明では、料金決定部322は、信用度と一致度の両方に基づいて、駐車料金を決定したが、一致度のみに基づいて料金を決定してもよい。あるいは、料金決定部322は、信用度のみに基づいて料金を決定してもよい。また、一致度又は信用度に基づいて、多段階に割引額、割引ポイントなどが設定されていてもよい。
【0080】
さらに、信用度の高いユーザによって入力された状態情報に基づいて、確認結果を更新してもよい。例えば、信用度が4のユーザを高信用度ユーザとする。サーバ装置300は、高信用度ユーザが提供した状態情報を、確認結果として採用してもよい。データ格納部341は、ユーザUからの状態情報を確認結果として格納する。管理者が確認用デバイス550を用いて駐車場を確認する頻度を低減することができる。よって、管理コストを抑制することができる。この場合、ユーザUの端末220が確認用デバイス550として機能する。
【0081】
さらに、複数の高信用度ユーザが入力した状態情報が一致する場合、確認結果取得部312がその状態情報を確認結果として、更新してもよい。例えば、高信用度ユーザが入力した状態情報が5回連続一致している場合、確認結果取得部312が、その状態情報を最新の確認結果として更新することができる。これにより、誤った確認結果が登録されることを防ぐことができる。
【0082】
以上の方法により、設備の導入を必要とせず、複数の情報提供者から多くの駐車場情報を収集することができる。運転者となるユーザUが、任意の場所の駐車場の情報を提供することが可能になる。また、監視カメラ等が設置されていない駐車場や、新たに設置された駐車場についても、サーバ装置300が速やかに情報を収集することができる。
【0083】
(状態情報の粒度)
図2に示したように、サーバ装置300は、状態情報の粒度を特定する粒度特定部314を備えていてもよい。粒度は、ユーザUが入力する状態情報の細かさを規定するものである。例えば、ユーザUが、状態情報について詳細報告を行った場合、粒度が細かいものとする。ユーザUが状態情報について簡易報告を行った場合、粒度が粗いものとする。
【0084】
例えば、図3で示した表は詳細報告であり、図7に示した表は簡易報告である。図7では、図3に比べて状態情報の項目数が少なくなっている。図7では、駐車枠と、駐車枠周辺の2つの項目のみしか入力していない。つまり、場所の列が削除されている。ユーザUは、2つの項目について、A~Cの3段階で状態情報を入力するが、3段階以外の多段階であってもよい。
【0085】
状態情報の項目は、駐車枠、又は駐車枠周辺の状態に限られるものではない。例えば、状態情報の項目は、舗装の凹凸状態、舗装の破損状態、側壁の破損状態、車輪止め等の状態を示す情報を含んでいてもよい。
【0086】
このように、粒度特定部314は、端末220から送信された状態情報の粒度を特定する。判定部313は、粒度に従って状態情報と確認結果とを比較して状態情報と確認結果の一致度を判定する。確認結果と状態情報の粒度が異なる場合、判定部313が、粒度を粗い方に合わせて、判定を行ってもよい。
【0087】
料金決定部322は、信用度と、粒度と、一致度と、に基づいて駐車料金を変更する。例えば、料金決定部322は粒度が細かい場合、割引ポイントや割引額を大きくする。料金決定部322は、粒度の細かい詳細報告を行ったユーザUに対して、100ポイントを付与する。料金決定部322は、粒度の粗い簡易報告を行ったユーザに対してポイントを付与しない。
【0088】
このようにすることで、システム100は、ユーザに対して、より粒度の細かい状態情報を入力するように促すことができる。サーバ装置300が、詳細な状態情報を収集することができるようになる。例えば、粒度特定部314は、各項目の場所ごとについての記載の有無で粒度を特定してもよい。
【0089】
また、粒度が細かい場合と粗い場合とで、一致度に応じた割引額を変更してもよい。例えば、詳細報告の場合、一致度が100%のときに割引額100ポイントとする。簡易報告の場合、一致度が100%のときに割引額50ポイントとする。詳細報告の割引額を簡易報告よりも大きくすることで、ユーザUに粒度の細かい状態情報の入力を促すことができる。
【0090】
さらに、粒度の細かい詳細報告と粒度の粗い簡易報告とで、信用度更新部323が信用度を更新する処理を変更してもよい。詳細報告と簡易報告とで場所ごとの記載の有無により判定結果の数が異なる。よって、粒度に基づいて、評価値を加減算するための一致度の割合を変える。
【0091】
例えば、簡易報告では一致度100%の時に、評価値を1加算し、一致度50%未満の場合、評価値を1減算する。詳細報告では、一致度100%の場合、評価値を3加算する。詳細報告では、一致度100%未満80%以上の場合、評価値を1加算する。詳細報告では、一致度50%未満の場合、評価値を1減算する。このように、詳細報告では、評価値を加減算する値を段階的に設定することができる。これにより、ユーザUに対して詳細報告を行うように、促すことができる。
【0092】
(修繕費用の推定)
図2に示すように、サーバ装置300は修繕費用推定部328を備えていてもよい。修繕費用推定部328は、信用度と一致度に基づいて、駐車場の修繕費用を推定する。例えば、駐車枠が見えない場合や途切れている場合、修繕費用推定部328は駐車枠を引き直す費用を修繕費用として推定する。あるいは、雑草が生えている場合、修繕費用推定部328は除草費用を修繕費用として推定する。例えば、データ格納部341には、状態情報の評価項目毎に予め修繕費用が登録されていればよい。修繕費用推定部328は、項目毎に修繕費用を推定することができる。
【0093】
修繕費用推定部328は、一致度と信用度に基づいて、修繕費用を推定する。あるいは、修繕費用推定部328は、一致度と信用度と粒度とに基づいて、修繕費用を推定する。ユーザの信用度が高いほど、修繕費用の推定精度が高くなる。また,駐車場において複数の駐車枠がある場合、修繕費用推定部328は、一部の駐車枠の状態から全ての駐車枠を修繕した場合の費用を推定してもよい。もちろん、舗装状態や壁の状態を状態情報として入力している場合、修繕費用推定部328は、これらの補修費用を修繕費用として推定してもよい。
【0094】
実施の形態2
本実施の形態では、システムが、運転中のユーザに対して、駐車場を提示する処理を行う。具体的には、システムが、目的地に向かう車両のユーザに対して状態のよい駐車場を提示する。本実施の形態にかかるシステム構成について、図8を用いて説明する。
【0095】
図8は、駐車場を提示するシステム100の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の構成については適宜説明を省略する。また、本実施の形態では、目的地に向かって運転中のユーザを単にユーザと称し、駐車場を利用中で状態情報を入力したユーザを他ユーザと称する。他ユーザは例えば、駐車場を利用したときに状態情報を端末220から入力する。
【0096】
端末220は、入力部221、通信部222、表示部223、位置情報取得部224と、地図情報記憶部225と、抽出部226と、ルート案内部228とを備えている。なお、端末220は、スマートフォンであるとして説明するが、カーナビゲーション等の車載装置が各種処理を行ってもよい。例えばルート案内部228と地図情報記憶部225は、車載装置に搭載されていてもよい。
【0097】
入力部221は、タッチパネル、キーボタン等の入力デバイスを備えている。また、入力部221は、音声入力用のマイクを有していてもよい。ユーザが入力部221によって、目的地を入力する。また、ユーザは、入力部221によって、駐車場を選定するための基準(選定基準ともいう)や条件を入力することができる。また、ユーザは駐車場に到着したときに、入力部221によって、状態情報を入力することもできる。
【0098】
通信部222は、サーバ装置300と通信するための通信IFを有している。例えば、通信部222は、Wi-FiやBluetooth等の通信モジュールを備えている。あるいは、通信部222は、4G LTE(Long Term Evolution)や5G等の携帯電話通信用の無線通信モジュールを備えていてもよい。通信部222は、異なる通信規格で通信できるように、2つ以上の通信モジュールを有していてもよい。
【0099】
表示部223は、表示装置を有しており、運転者等のユーザに各種情報を提示する。表示部223は、例えば液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等を含む。表示部223は、ナビゲーションに必要な地図情報等を表示する。例えば、表示部223は、目的地までの経路、時間、距離等を表示してもよい。表示部223は、カーナビゲーション等の車載装置に搭載されたモニタであってもよい。
【0100】
位置情報取得部224は端末220又は車両200の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部224は、図示しない測位情報受信部が受信したGPS(Global Positioning System)データ等の測位信号に基づいて、位置情報を順次、取得していく。位置情報取得部224は、位置情報の時系列データを取得する。位置情報は、地図情報における現在位置(自車位置ともいう)を示す。
【0101】
地図情報記憶部225は、ハードディスクやメモリ等の記録媒体を有しており、ナビゲーションに必要な地図情報を記憶している。なお、端末220が、スマートフォン等の場合、地図情報記憶部225は、外部サーバから受信した地図情報を一時的に記憶する構成であってもよい。さらに、地図情報記憶部225は、各駐車場に関する情報を格納している。例えば、地図情報記憶部225は、駐車場の位置、駐車料金、利用可能時間、駐車枠数(駐車可能台数)、属性情報等の情報を格納していてもよい。
【0102】
抽出部226は、地図情報を参照して、目的地の周辺にある複数の駐車場を抽出する。ユーザが目的地を入力すると、抽出部226は目的地から所定の距離以下にある駐車場を抽出する。あるいは、抽出部226は、予め抽出数を定めておき、目的地から近い順に抽出数の駐車場を抽出してもよい。抽出部226で抽出された駐車場を抽出駐車場ともいう。さらに、抽出部226は、予め設定された抽出条件に基づいて、抽出駐車場を抽出しても良い。ここで、抽出部226は、目的地の周辺にある3つの駐車場P1~P3を抽出駐車場として抽出しているとする。
【0103】
後述するように、サーバ装置300は、抽出された複数の駐車場の中で駐車枠の状態が良好な駐車場を選択する。サーバ装置300によって選択された駐車場を目的駐車所とする。通信部222は、目的駐車場に関する情報をサーバ装置300から受信する。ルート案内部228は、現在位置から目的駐車場までのルートを探索して、ルート案内を行う。
【0104】
なお、抽出駐車場の中で、良好な駐車枠を有する駐車場がない場合、抽出部226は、抽出範囲を広くしてもよい。つまり、目的地からの距離を広げて、駐車場を抽出してもよい。また、状態の良好な駐車場が複数ある場合、サーバ装置300は、複数の目的駐車場を提示してもよい。この場合、端末220は、目的駐車場をリスト表示する。そして、ユーザが1つの駐車場を選択すると、端末220がルート案内を行う。
【0105】
次に、サーバ装置300の構成について説明する。なお、サーバ装置300の機能ブロックのうち、実施の形態1で示した構成については適宜説明を省略する。例えば、駐車場情報取得部310と、状態情報取得部311、信用度取得部321、通信部340、データ格納部341等については、実施の形態1と同様になっているため、詳細な説明を省略する。サーバ装置300は、駐車場提示部335、を備えている。
【0106】
駐車場P1~P3が抽出されているとする。駐車場情報取得部310は、駐車場P1~P3に関する駐車場情報を端末220から受信する。駐車場情報は、駐車場のID、位置等を含む情報である。上記のように、駐車場や他ユーザについての各種情報は、データ格納部341に格納されている。
【0107】
状態情報取得部311は、駐車場P1~P3について、他ユーザによって入力された状態情報を取得する。状態情報は、例えば、図3等に示したように、駐車枠と駐車枠周辺の状態を示す情報を含んでいる。データ格納部341は、他ユーザによって入力された状態情報を格納している。状態情報取得部311は、駐車場及び駐車枠のIDなどを参照して、状態情報をデータ格納部341から読み出す。一つの駐車枠について、複数回状態情報が入力されている場合、状態情報取得部311は、最新の状態情報を取得してもよい。あるいは、状態情報取得部311は、現在から一定の期間内に入力された状態情報を取得してもよい。
【0108】
信用度取得部321は状態情報を入力した他ユーザの信用度を取得する。状態情報取得部311が取得した状態情報には、状態情報を入力した他ユーザの信用度が対応付けられている。信用度取得部321は、他ユーザのIDなどを参照して、信用度をデータ格納部341から読み出す。この信用度は、他ユーザが状態情報を入力した後に更新された最新値である。
【0109】
駐車場提示部335は、状態情報及び信用度に基づいて、複数の抽出駐車場の中から駐車場を選択して、目的駐車場としてユーザに提示する。例えば、駐車場提示部335は、状態情報に基づいて、状態の良好な駐車枠を有する駐車場を提示する。
【0110】
ここでは、駐車場提示部335は、状態情報に基づいて、駐車枠の状態を示す状態ポイントを算出している。状態ポイントは、駐車枠又は駐車枠周辺の状態が良好か否かを判定するための指標となる。図9は、状態ポイントを算出するためのデータを説明するための表である。
【0111】
図9では、状態情報がAの場合、状態ポイントが2点、状態情報がBの場合、状態ポイントが1点となる。状態情報がCの場合、状態ポイントが0点となっている。駐車場提示部335は、各項目の状態ポイントを加算することで駐車枠の状態ポイントを算出する。図9では、駐車枠の状態ポイントの総和が、11点となっている。
【0112】
さらに、駐車場提示部335は、状態情報を入力した他ユーザの信用度が高い場合、その状態情報を信用する。駐車場提示部335は、他ユーザの信用度に基づいて状態ポイントを算出する。例えば、駐車場提示部335は、信用度に応じた係数を、状態ポイントに乗じる。例えば、信用度4の他ユーザについては、係数を2とし、信用度3の他ユーザについては、係数を1.5とする。信用度2の他ユーザについては、係数を1とし、信用度1の他ユーザについては、係数を0.5とする。
【0113】
図9に示す状態情報は、信用度が4の他ユーザによって入力されているとする。この場合、駐車場提示部335は、状態ポイントの総和11点を2倍した値を最終的な状態ポイントとする。つまり、図9では、最終的な状態ポイント(最終ポイントともいう)は22点となる。
【0114】
駐車場提示部335は、状態情報に基づいて、各駐車枠の最終ポイントを算出する。駐車場提示部335は、最終ポイントに基づいて、駐車枠が良好な状態か否かを判定することができる。駐車場提示部335には、駐車枠が良好な状態であるか否かを判定するための判定値が設定されている。そして、駐車場提示部335は、最終ポイントと判定値とを比較する。最終ポイントが判定値以上の駐車場を良好な駐車枠とする。例えば、最終ポイントが20点以上の駐車枠を良好な駐車枠とすることができる。
【0115】
駐車場提示部335は、最終ポイントに基づいて、良好な駐車枠を有する駐車場を提示する。駐車場提示部335は、良好な駐車枠を有する駐車場を目的駐車場として提示する。駐車場提示部335は複数の駐車枠の最終ポイントの平均値などに基づいて、目的駐車場としてもよい。あるいは、駐車場提示部335は、良好な駐車枠の数が多い駐車場を目的駐車場としてもよい。従って、駐車場提示部335は、ユーザに対して良好な駐車場を提示することができる。通信部340が、目的駐車場のデータを端末220に送信する。ルート案内部228が目的駐車場までのルート案内を行う。
【0116】
駐車場提示部335は、最終ポイントに基づいて、最も状態のよい駐車場を提示してもよい。例えば、抽出された駐車場P1~P3のうち、駐車場P1が良好な駐車枠の数が最も多い駐車場である場合、駐車場提示部335は、駐車場P1を目的駐車場として提示する。あるいは、駐車場P2、P3が良好な駐車枠を備えていない場合、駐車場提示部335は駐車場P1を目的駐車場として提示する。
【0117】
また、駐車場提示部335は、良好な駐車枠を有する駐車場が複数ある場合、到着時刻が最も早い駐車場や目的地に最も近い駐車場を目的駐車場として提示してもよい。駐車場提示部335は、良好な駐車枠を有する駐車場が複数ある場合、駐車場提示部335は複数の駐車場の情報を端末220に送信してもよい。表示部223は、複数の駐車場のリストを表示する。リスト表示された複数の駐車場から目的駐車場を選択すると、ルート案内部228が目的駐車場へのルート案内を行う。良好な駐車枠か否かを判定するための判定値はユーザ毎に異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0118】
ユーザが入力部221によって、良好な駐車場を判定するための設定を入力してもよい。例えば、ユーザが最終ポイントと比較される判定値を入力してもよい。より良好な状態の駐車場を好むユーザは、判定値を高く設定する。また、ユーザは、入力部221によって駐車場を除外するための基準を入力してもよい。例えば、雑草の生えている駐車場又は駐車枠を除外するように、ユーザUは基準を設定してもよい。この場合、最終ポイントが高くなっていたとしても、雑草のある駐車場は、目的駐車場から除外される。
【0119】
また、複数の他ユーザが同一の駐車枠の状態情報を入力している場合、駐車場提示部335は、最新の状態情報を参照して、状態ポイントを集計してもよい。あるいは、それぞれの状態情報から得られた状態ポイントの平均値などを用いてもよい。
【0120】
このように、状態情報を入力した他ユーザの信用度に基づいて、駐車場提示部335が駐車場を提示している。これにより、精度の高い状態情報が入力された駐車場を提示することができる。よって、ユーザに対して、適切な駐車場を提示することができる。
【0121】
(状態情報の粒度)
さらに、粒度特定部314は状態情報の粒度を特定している。そして、状態情報の粒度に基づいて、駐車場提示部335が複数の抽出駐車場から目的駐車場を選択して、提示してもよい。このようにすることで、ユーザに対して適切な駐車場を提示することができる。
【0122】
例えば、駐車場提示部335は、最終ポイントの算出方法を粒度に基づいて変更する。駐車場提示部335は、粒度に応じた係数を設定する。粒度の細かい詳細報告の場合、係数が1となり、粒度の粗い簡易報告の場合、係数が2となる。
【0123】
図9に示すデータは、粒度が細かい状態情報のデータである。図9では、最終ポイントが22となっている。図10は、粒度が粗い場合の状態情報を示すデータである。図10では、状態情報の入力項目が駐車枠と駐車枠周辺の2項目となっている。さらに、2項目とも状態情報がAとなっているため、各項目の状態ポイントが2点となる。よって、状態ポイントの総和が4点となる。
【0124】
また他ユーザの信用度が4であるため、係数を2とする。さらに、簡易報告であるため、係数が2となる。つまり、簡易報告では項目数が少ないため、詳細報告よりも係数を大きくする。図10では、最終ポイントが16となる。なお、簡易報告の場合、最大の最終ポイントが、詳細報告の最終ポイントの最大値を超えないように設定することが好ましい。もちろん、係数の値は上記の例に限られるものではなく、項目数等に基づいて設定されていればよい。
【0125】
図9では、駐車場P1の最終ポイントが22となり、図10では、駐車場P2の最終ポイントが16となっている。駐車場提示部335は、最終ポイントが高い駐車場P1を目的駐車場として提示する。このように、駐車場提示部335が最終ポイントに基づいて目的駐車場を選択して,提示している。従って、駐車場提示部335は、より適切な駐車場をユーザに提示することができる。
【0126】
図11は、目的駐車場までのルート案内を行うための処理を示すフローチャートである。まず、ユーザが目的地を入力すると、抽出部226が目的地周辺の駐車場を探索する(S301)。ここでは、抽出部226が地図情報を参照して、複数の駐車場を探索する。これにより、目的地から所定の距離以内にある駐車場が探索される。そして、通信部222は、検索された駐車場の情報をサーバ装置300に送信する。ここでは、後述するように、抽出部226が、ユーザによって入力された抽出条件に合致する駐車場のみを探索してもよい。
【0127】
抽出部226が駐車場を抽出する(S302)。通信部222は、抽出された駐車場(抽出駐車場)のデータをサーバ装置300に送信する。状態情報取得部311が抽出駐車場における駐車枠と駐車枠周辺の状態情報を取得する(S303)。例えば、データ格納部341は、他ユーザによって入力された状態情報を格納している。状態情報取得部311は、抽出駐車場の状態情報のデータをデータ格納部341から読み出す。
【0128】
信用度取得部321は、状態情報を入力した他ユーザの信用度を取得する(S304)。例えば、データ格納部341は、状態情報を入力した他ユーザの信用度を格納している。信用度取得部321は、他ユーザの信用度のデータをデータ格納部341から読み出す。
【0129】
駐車場提示部335は、状態情報と信用度に基づいて、状態ポイントを集計する(S305)。これにより、駐車枠又は駐車場の状態ポイントが求められる。上記のように、駐車場提示部335は、各項目の状態ポイントを加算する。そして、駐車場提示部335は、状態ポイントに信用度に応じた係数を乗じる。また、駐車場提示部335は、状態情報の粒度に基づいて、状態ポイントを集計してもよい。
【0130】
サーバ装置300は、全抽出駐車場に対する処理が終了したか否かを判定する(S306)。全ての抽出駐車場に対する処理が終了していない場合(S306のNO)、処理がステップS302に戻る。よって、抽出部226によって抽出された次の抽出駐車場に対して、同様の処理が施される。
【0131】
全ての抽出駐車場に対する処理が終了した場合(S306のYES)、駐車場提示部335は、状態ポイントに基づいて、駐車場を選択して、目的駐車場として提示する(S307)。駐車場提示部335は、状態ポイントが最も高い駐車場を目的駐車場として提示する。あるいは、駐車場提示部335は、状態ポイントが基準値以上の駐車場の中で、目的地に最も近い駐車場を目的駐車場として提示する。通信部340は、目的駐車場に関する情報を端末220に送信する。
【0132】
そして、ルート案内部228が目的駐車場までのルート案内を行う(S308)。このようにすることで、ユーザは目的地の周辺において、状態の良好な駐車場に移動することができる。
【0133】
(駐車場の抽出条件)
さらに、ユーザは、駐車場の抽出条件を登録してもよい。サーバ装置300は、駐車場の属性情報をデータ格納部341に予め格納しておく。駐車場の属性情報は、駐車場情報に含まれていてもよい。そして、駐車場の属性情報が抽出条件に合致する駐車場を駐車場提示部335が提示するようにしてもよい。つまり、抽出駐車場の中で、抽出条件に合致する駐車場を駐車場提示部335が目的駐車場として提示する。駐車場提示部335は、抽出条件に合致しない駐車場を目的駐車場から除外する。あるいは、抽出部226は、抽出条件に合致する駐車場のみを抽出してもよい。
【0134】
抽出条件は、例えば、(車両サイズ)、(目的地から駐車場の距離)、(駐車料金)、(駐車場付近の治安の良さ)、(駐車場内の事故歴)、(車室の配置)、(路面状態)、(駐車方式)、(屋根の有無)等がある。なお、ユーザは抽出条件を予め登録しておいてもよい。あるいは、ユーザは目的地ごとに、抽出条件を入力してもよい。他ユーザが抽出条件に関する属性情報は、駐車場情報として入力していてもよい。抽出条件の少なくとも一つは、状態情報に含まれていてもよい。以下、抽出条件について説明する。
【0135】
(車両サイズ)
ユーザは、車両200の平面サイズ(前後長さ、左右幅)、高さを示す値を車両サイズとして登録しておく。あるいは、ユーザが車種を入力することで、車両サイズが自動で登録されてもよい。サーバ装置300は、駐車場毎に、車室(駐車枠)の平面サイズ、駐車可能高さのデータを格納しておく。例えば、機械式駐車場の場合、車両の高さ制限がある場合がある。あるいは、平置き駐車場においても、小型車両しか駐車できないサイズとなっている駐車場がある。このような、制限がある駐車場については、予めサーバ装置300がデータを格納しておく。これにより、ユーザが駐車できない駐車場に移動することを防ぐことができる。
【0136】
なお、端末220は、情報提供者となるユーザに撮影する画角を指定してもよい。例えば、端末220は、駐車枠の四隅から撮影する等の指定をしてもよい。そして、駐車枠の四隅から撮影した画像とそれぞれの位置情報から駐車枠の面積を計算し、駐車のしやすさの評価として使用してもよい。また、Google Map等インターネット経由で衛星写真を取得し、画像認識することで車室のサイズを取得することができる。サーバ装置300は、車室のサイズを駐車場の属性条件として格納しておく。
【0137】
(目的地から駐車場の距離)
徒歩での移動距離を短くしたいユーザは、目的地から駐車場の距離を抽出条件として登録しておく。例えば、ユーザが、目的地から駐車場の距離を500mとして入力すると、駐車場提示部335又は抽出部226は、目的地から500m以上離れた駐車場を除外する。
【0138】
(駐車料金)
ユーザは駐車料金の上限値を抽出条件として登録することができる。例えば、ユーザが1時間600円を駐車料金の上限値として登録すると、駐車場提示部335又は抽出部226は、1時間当たりの駐車料金が600円を超える駐車場を除外する。
【0139】
多くの駐車場では走行中に見える場所に料金の看板を掲示していることから、Googleストリートビュー等の映像を取得し、画像の認識を行うことで駐車料金の取得を行うことができる。ドライブレコーダの映像を収集、提供するサービスを利用しここから得られた映像を使用しても良い。
【0140】
(駐車場付近の治安の良さ)
ユーザが治安の悪い駐車場を避けるか否かを登録することができる。自治体によって、過去の犯罪情報がインターネット上に場所と発生時刻とともに提供されていることが多い。犯罪の発生件数が多い地域では、車上荒らし等のリスクが高いことが推測できる。したがって、治安の良さを、属性情報、及び抽出条件として使用することができる。
【0141】
(駐車場内の事故歴)
ユーザは過去の事故回数が多い駐車場を避けるか否かを登録することができる。駐車場内において、過去に車両事故があった場合、サーバ装置300は、データベースに登録しておく。そして、ユーザは、事故の発生回数や発生割合を抽出条件として登録する。これにより、ユーザが事故の発生回数が少ない駐車場等に駐車することができる。
【0142】
(路面状態)
ユーザは、路面状態として、舗装のみ駐車可能、あるいは、砂利でも駐車可能かを登録することができる。サーバ装置300は、駐車場の路面が舗装済みか、砂利かを示す属性情報を記憶している。また、衛星写真、ドライブレコーダ等から路面が舗装されているか、砂利であるかの判別を行うことができる。砂利からの石ハネによる傷を避けるよう考慮する条件として使用することができる。例えば、路面状態として舗装の有無や舗装の凹凸などの状態を状態情報として他ユーザが入力していてもよい。
【0143】
(駐車方式)
ユーザは駐車方式を抽出条件として登録することができる。例えば、サーバ装置は、自走式駐車場(平置き駐車場)、立体自走式駐車場、機械式駐車場(立体駐車場)等を属性情報として格納しておく。例えば、荷物等を頻繁に出し入れする場合、ユーザは機械式駐車場を除外するように抽出条件を設定することができる。
【0144】
(屋根の有無)
さらに、屋根の有無を抽出条件としてもよい。例えば、サーバ装置は駐車場の屋根の有無を属性情報として格納しておく。ユーザは、雨天時において、屋根有りの駐車場のみを抽出するように抽出条件を設定する。
【0145】
(変形例)
本実施の形態の変形例について、図12を用いて説明する。図12はサーバ装置300の構成を説明するためのブロック図である。サーバ装置300は、総数取得部371と、枠数取得部372と、割合算出部373とを備えている。総数取得部371、枠数取得部372、割合算出部373以外の構成、及び処理については適宜説明を省略する。
【0146】
総数取得部371は、抽出駐車場の駐車枠の総数を取得する。例えば、データ格納部341には駐車場毎に駐車枠の総数のデータが格納されている。枠数取得部372は、駐車場において、状態が良好な駐車枠の数を取得する。上記のように、枠数取得部372は、状態ポイントに基づいて、駐車枠の状態が良好か否かを判定する。枠数取得部372は、駐車枠毎に状態が良好か否かを判定する。そして、状態が良好な駐車枠の枠数を計数する。
【0147】
他ユーザが状態情報を入力していない駐車枠については、枠数取得部372は、良好な駐車枠として計数しない。または、枠数取得部372は、信用度の高い他ユーザによって入力された状態情報のみを用いて枠数を計数してもよい。具体的には、信用度が3又は4の他ユーザを信用度が高い他ユーザとする。そして、駐車場提示部335は、信用度が高い他ユーザが入力した状態情報のみに基づいて、状態ポイントを算出する。枠数取得部372は、状態ポイントが20以上となる駐車枠を、良好な駐車枠として計数する。
【0148】
割合算出部373は、駐車場の駐車枠の総数の内、状態が良好な駐車枠の割合を算出する。例えば、駐車場P1において、総数が50台で、状態が良好な駐車枠が20台の場合、割合は、40%となる。駐車場P2において、総数が20台で、状態が良好な駐車枠が15台の場合、割合は、75%となる。
【0149】
駐車場提示部335は、良好な駐車枠の割合に基づいて、目的駐車場を提示する。例えば、駐車場提示部335は、抽出駐車場の中で良好な駐車枠の割合が最も高い駐車場を目的駐車場として提示する。これにより、駐車場提示部335は、適切な駐車場を提示することができる。ユーザが駐車場に到着したときに、良好な駐車枠に駐車する確率を高くすることができる。
【0150】
なお、実施の形態1と実施の形態2とは適宜組み合わせることができる。例えば、実施の形態1で用いた信用度を、実施の形態2の駐車場提示に用いてもよい。さらに、実施の形態2において、実施の形態1で用いた方法によって、信用度を更新してもよい。
【0151】
また、他ユーザによって入力された状態情報を実施の形態1の確認結果として用いてもよい。確認結果取得部312は、高信用度ユーザが入力した状態情報を信用して、確認結果として取得する。さらに、2以上の高信用度ユーザが入力した状態情報が一致する場合、その状態情報を確認結果として更新してもよい。このようにすることで、確認結果取得部312は、駐車枠の状態を確認結果として取得することができる。
【0152】
サーバ装置300、又は端末220は、プログラムを格納するメモリとプログラムを実行するプロセッサとを備えた情報処理装置である。サーバ装置300、又は端末220はそれぞれ、物理的に単一な装置に限らず、分散配置された装置であってもよい。たとえば、端末220の処理の一部はスマートフォンやタブレットコンピュータで実行され、残りはナビゲーション装置等の車載装置で実行されていてもよい。また、サーバ装置300の処理の一部は、端末220、確認用デバイス550、精算機540等で実行されてもよい。端末220の処理の一部は、サーバ装置300等で実行されてもよい。
【0153】
なお、上述した端末220やサーバ装置300の処理はコンピュータプログラムによって実現されてもよく、このプログラムがコンピュータに読み込まれた場合に、実施の形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0154】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0155】
100 システム
200 車両
220 端末
221 入力部
222 通信部
223 表示部
224 位置情報取得部
225 地図情報記憶部
226 抽出部
228 ルート案内部
300 サーバ装置
310 駐車場情報取得部
311 状態情報取得部
312 確認結果取得部
313 判定部
314 粒度特定部
321 信用度取得部
322 料金決定部
323 信用度更新部
328 修繕費用推定部
335 駐車場提示部
340 通信部
341 データ格納部
371 総数取得部
372 枠数取得部
373 割合算出部
500 駐車場
510 駐車枠
540 精算機
550 確認用デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12