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特開2024-139107基地局、セル調整システム、セル調整方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139107
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】基地局、セル調整システム、セル調整方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20241002BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20241002BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20241002BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20241002BHJP
   H04W 52/42 20090101ALI20241002BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W16/28
H04W24/02
H04W92/20
H04W52/42
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049907
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】藤波 誠
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067DD20
5K067EE10
5K067EE56
5K067FF03
5K067GG08
5K067JJ41
5K067KK02
(57)【要約】
【課題】電波との干渉を抑制可能な基地局等を提供する。
【解決手段】基地局10は、基地局の位置情報を取得する位置情報取得部11と、基地局の前記位置情報と、送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部12と、隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部13と、セル調整が必要と判定された場合は、基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部14と、計算された送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える、基地局。
【請求項2】
前記基地局は、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備え、
前記位置情報取得部は、前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた前記基地局の位置情報を取得する、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記状態情報共有部は、同報により、前記基地局の識別子とともに、前記基地局の状態情報を1つ以上の隣接基地局に送信するとともに、同報により、前記隣接基地局から、前記隣接基地局の識別子とともに、前記隣接基地局の状態情報を取得する、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記状態情報共有部は、ランダムバックオフアルゴリズムを使用する、請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記計算部は、取得された前記基地局の位置情報と取得された前記隣接基地局の位置情報とに基づいて、前記基地局と隣接基地局との間の距離長を計算する、請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
コアと、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)と、を備え、かつセルラ通信規格に従って動作する移動可能な基地局である、請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記計算部は、前記隣接基地局と同一のセル調整アルゴリズムを用いて、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する、請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
基地局と隣接基地局とを備えるセル調整システムであって、
前記基地局は、基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備え、
前記隣接基地局は、
前記隣接基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記隣接基地局の前記位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、前記基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記基地局の位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記隣接基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える、セル調整システム。
【請求項9】
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する、
セル調整方法。
【請求項10】
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整することを、コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、セル調整システム、セル調整方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の自律的セル形成方法は、アドレス割当ルールに基づいて特定した周辺基地局から、セル設定情報を取得した後、送信電力制御を行う。また、特許文献2には、基地局間干渉発生を検知した通信端末が、取得した干渉源の基地局情報と端末の位置情報を出力することで干渉解消することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/125249号公報
【特許文献2】特開2004-207840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信環境が乏しい災害時の被災地やイベント会場に持っていき、利用することができる基地局が必要とされている。また、こうした環境で、複数の基地局を連携させて利用する場合には、他の基地局の電波との干渉を抑制することが求められる。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、他の基地局の電波との干渉を抑制可能な基地局等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる基地局は、
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様にかかるセル調整システムは、
基地局と隣接基地局とを備え、
前記基地局は、基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備え、
前記隣接基地局は、
前記隣接基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記隣接基地局の前記位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、前記基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記基地局の位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記隣接基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様にかかるセル調整方法は、
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する。
【0009】
本開示の一態様にかかるプログラムは、
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、他の基地局の電波との干渉を抑制可能な基地局等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】例示的実施形態1にかかる基地局の構成を示すブロック図である。
図2】例示的実施形態1にかかるセル調整方法を示すフローチャートである。
図3】一般的な基地局の構成を示すブロック図である。
図4】例示的実施形態2にかかる一体型基地局の構成を示すブロック図である。
図5】例示的実施形態2にかかる複数の基地局を使用する例を説明する図である。
図6】例示的実施形態2にかかる基地局の制御部の機能ブロックを示す図である。
図7】例示的実施形態2にかかるセル調整方法を示すフローチャートである。
図8】例示的実施形態2にかかる各基地局のセル調整を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的実施形態1
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。
図1は、例示的実施形態1にかかる基地局の構成を示すブロック図である。
基地局10は、様々な可能なセルラ通信規格のいずれかに従って動作することが可能である。基地局10は、コアを含む一体型基地局であり得る。基地局10は、コアを含む一体型基地局として説明を進めるが、非内蔵型であっても同等の処理を実現可能である。基地局10は、他の基地局とともに、使用され得る。複数の基地局をそれぞれどこに設置したとしても、それぞれの基地局自身が自動的に、設置された位置を認識し、基地局間でそれぞれの基地局の位置情報を互いに伝達し、共有し合うことで、自律的にセルを調整する。
【0013】
基地局10は、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース等を有する。図1に示すように、基地局10は、位置情報取得部11、状態情報共有部12,判定部13、計算部14、セル調整部15を含む。位置情報取得部11は、基地局の位置情報を取得する。状態情報共有部12は、基地局の前記位置情報と、基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する。なお、基地局と隣接基地局との情報の共有方法は、基地局間で直接送受信する、外部ネットワーク経由での送受信、あるいは、クラウド経由(どこか外部サーバ経由)での送受信、あるいは基地局と隣接基地局とがそれぞれ、外部ネットワーク又はクラウドにアクセスし相互参照すること等を含み得る。
【0014】
判定部13は、隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する。計算部14は、セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する。セル調整部15は、計算された送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する。
【0015】
図2は、例示的実施形態1にかかるセル調整方法を示すフローチャートである。
位置情報取得部11は、基地局の位置情報を取得する(ステップS11)。状態情報共有部12は、基地局の位置情報と、基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有する(ステップS12)。また、状態情報共有部12は、隣接基地局の位置情報と、隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する(ステップS13)。
【0016】
判定部13は、隣接基地局の位置情報と、取得した隣接基地局の状態情報と、基地局の位置情報と、取得した基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する(ステップS14)。計算部14は、セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する(ステップS15)。セル調整部15は、計算された送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する(ステップS16)。
【0017】
以上説明した例示的実施形態1によれば、他の基地局の電波との干渉を抑制可能な基地局及びセル調整方法等を提供することができる。
【0018】
例示的実施形態2
図3は、一般的な基地局の構成を示すブロック図である。
一般的な基地局構成では、図3に示すように、コア(5GC)と基地局が分離されている。コアは、1対多の関係で複数の基地局等と通信可能に接続される。コアは、各基地局に無線で接続された通信端末が、複数の基地局間を移動したとしても、通信する基地局等を切り替える処理(ハンドオーバー処理)等を行うことができる。
【0019】
5GCは、一般的にクラウドに置かれ、Cプレーン機能を果たすAMF/SMF/とオンプレ上に置かれるUPF(User Plane Function)を含む。UPFは、ユーザデータのパケットデータを転送するUプレーン処理に特化した機能を提供する。基地局は、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)を含む。いくつか実施形態では、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)はそれぞれ、別々のサーバであり得る。
【0020】
RUは、基地局のアンテナ部分であり、UE(User Equipment)と電波を送受信し、DUと通信を行う。DUは、子局と呼ばれることもあり、主に信号の変調復調(アナログとディジタルとの間の変換)、欠損した信号の再送を行う。CUは、複数のDUの制御、UEと基地局間の通信プロトコルであるRRC(Radio Resource Control)の制御を行う。
【0021】
図4は、本開示の実施形態にかかる一体型基地局の構成を示すブロック図である。
本明細書で使用される場合、一体型基地局とは、5GC(5G Core Network)を備えた基地局をいう。例えば、基地局は3GPP(登録商標) 5G NR gNBであり得るが、これに限定されない。基地局は、様々な可能な他のセルラ通信規格のいずれかに従って動作することが可能であり得る。いくらかの実施形態では、一体型基地局10は、アプリケーションサーバを備えてもよい。
【0022】
本開示の実施形態にかかるコア機能内蔵する一体型基地局10においては、5GCはUPFを含む。以後、コアとして、UPFを含む5GCを説明する。なお、実際にUPF機能を担うかどうかは基地局の動作環境に依存しており、いくつかの実施形態では、UPF機能を実行しない場合もある。一体型基地局10は、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)を含む。図4では、RUは、アンテナ(RFアンテナ、無線アンテナ)と接続されている。またDUは、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)受信機と接続されている。また、基地局10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、メモリと、指向性のあるアンテナと、バッテリなどの電源等も含む。
【0023】
プロセッサは、メモリからソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、実施形態においてフローチャートを用いて説明された基地局10等の処理を行う。プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)またはCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサは、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0024】
メモリは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリは、プロセッサから離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサは、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリにアクセスしてもよい。
【0025】
本開示の一体型基地局10は、Uプレーンを担うUPFを含むCN(コアネットワーク)を備える基地局であるため、基地局間通信(またはコア間通信)が実現できれば複数の基地局をまたがる1つの5G通信網構築可能である。基地局間通信は、基地局間の直接送受信だけでなく、外部ネットワーク経由での送受信、又はクラウド経由での送受信であってもよい。各基地局が、クラウドにアクセスし相互参照してもよい。また、一体型基地局10は、UPF機能を含む。一体型基地局10は、UPF機能を実行する場合には、Cプレーン、Uプレーン機能を共に実行可能な基地局として機能する。5G通信は広帯域通信(通信速度高速化)ゆえに、Uプレーン機能に対して既存の基地局より高いCPU処理性能が求められる。
【0026】
図5は、複数の一体型基地局を使用する例を説明する上面図である。
上記した一体型基地局10は1つの筐体内に収容可能、かつ持ち運び可能であり、災害時に被災地に持っていき、キャリア回線がない場合であっても、電源さえあれば、使用することができる。そのため、一体型基地局10は、ハンドキャリー型基地局とも称される。その場合、図5に示すように、広範囲のカバーエリア(図5では、100A、100B、及び100C)を確保するため、複数の一体型基地局(図5では、10A、10B、及び10C)を連携させて使用することもできる。これにより、例えば、通信装置20Aは、基地局10A及び基地局10Bを経由して、通信装置20Bと通信することができる。
【0027】
図5に示す例では、各一体型基地局は、指向性のないアンテナを用いているので、基地局は、全方位に均等に電波を出している(図5に示すように、略円状のカバーエリアとなり得る)。通常では、基地局の設置前に精密な計算を行うことで、各基地局の電波が到達するカバーエリアは、互いにほとんど重複しないように、設定することができる。また、基地局の設置位置(例えば、経度、緯度など)及び設定条件(例えば、最大送信電力など)については、事前に総務省等に申請を行い、許可を得る必要があり得る。しかしながら、災害時に上記のハンドキャリー型基地局を利用する場合等のように、カバーエリア、送信電力、アンテナの向きなどについて、事前に正確に計算し、設定を行うことができない場合がある。
【0028】
そこで、本開示では、複数の基地局をそれぞれどこに設置したとしても、それぞれの基地局自身が自動的に、設置された位置を認識し、基地局間でそれぞれの基地局の位置情報を互いに伝達し、共有し合うことで、自律的に送信電力やアンテナの向きを調整し、カバーエリアを調整する方法を提案する。
【0029】
現状、キャリア5Gもローカル5Gも、通信方向を極めて短時間ごとに反転させるTDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用している。アップリンク(UL)信号とダウンリンク(DL)信号の通信方向の切替を実現し、同期要件を満たすために、GPS衛星に搭載された原子時計及び衛星アンテナから取得されるGPS信号に基づき、各場所での正確な時刻を計算することが要求される。そのため、キャリア5G及びローカル5G用基地局は、GPS受信機相当の測位機能を備えている。衛星測位システムの例としては、GPS(global positioning system)、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本開示による基地局は、衛星測位システムからの測位信号に基づく、この位置取得機能を利用し、各基地局が位置情報を取得した後、基地局間通信により、事前に互いの位置情報を共有し合う。基地局間通信は、極めて短時間ごとに行われ得る。
【0030】
図6は、基地局の制御部の機能ブロックを示す図である。
制御部100は、位置情報取得部110と、状態情報共有部120と、判定部130と、計算部140と、セル調整部150と、記憶部190と、を含む。制御部100は、プログラムを実行することにより、これらの細分化された処理のそれぞれを実行する機能演算部として機能する。
【0031】
位置情報取得部110は、基地局の位置情報を取得する。位置情報取得部110は、GNSS受信機を用いて、基地局10Aの位置情報(例えば、経度、緯度など)を取得することができる。位置情報取得部110は、基地局の電源起動後、衛星測位システムからの受信信号に基づき、基地局自身の位置を測定してもよい。位置情報取得は、極めて短時間ごとに行われ得る。
【0032】
状態情報共有部120は、基地局間通信により、前述の取得した基地局の位置情報と、基地局の送信電力量及び電波指向性を含む電波の状態情報とを、隣接基地局10B及び隣接基地局10Cに直接的に送信する。いくつかの実施形態では、例えば、送信電力量は、最大送信電力量であり得る。電波指向性は、指向性のない電波であり得る。他の実施形態では、初期の送信電力量は、比較的に小さい送信電力であり、隣接する他の基地局を認識できるまで、又は最大送信電力量に達するまで、送信電力を徐々に大きくする場合もある。
【0033】
また、状態情報共有部120は、隣接基地局10Bから、隣接基地局10Bの位置情報と、隣接基地局10Bの送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを直接的に取得する。状態情報共有部120は、隣接基地局10Cから、隣接基地局10Cの位置情報と、隣接基地局10Cの送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを直接的に取得する。他の実施形態では、状態情報は、基地局のUPF処理負荷状況、収容台数、収容端末の接続先情報から推測される通信量も含み得る。
【0034】
各基地局の状態情報共有部120は、基地局自身のID(識別子)とともに、測定された位置情報、初期送信電力量及び初期電波指向性を含む状態情報を隣接基地局に同報送信する。同報送信とは、同一内容の情報を、多数の相手に同時に送信することをいう。これにより、各基地局は、隣接基地局の位置情報、初期送信電力量及び初期電波指向性を含む状態情報を取得することができる。隣接基地局の位置情報、及び状態情報は、各基地局の記憶部190に記憶される。なお、位置情報及び状態情報の共有は、極めて短時間ごとに行われ得る。位置情報及び状態情報の共有には、基地局間マルチホップのIAB(Integrated Access Backhaul)を用いることができる。また、いくつかの実施形態では、基地局間を有線ネットワークで接続することにより、基地局間同士で通信路を構築することができる。他の実施形態では、基地局と隣接基地局との情報の共有方法は、インターネット又は外部ネットワーク経由での情報の送受信、インターネット又は外部ネットワーク経由でクラウドにアクセスし相互参照、であってもよい。なお、状態情報共有部120は、同報の際に、衝突回避のために、無線LANでのランダムバックオフアルゴリズムを利用することもできる。ランダムバックオフアルゴリズムとは、データ送信を開始するタイミングをずらすことで、コリジョンを回避するために、データ送信を開始する前に待機するランダムな時間を決めるアルゴリズムである。
【0035】
判定部130は、取得した隣接基地局の位置情報と、取得した隣接基地局の状態情報と、取得した基地局の位置情報と、取得した基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する。具体的には、判定部130は、取得した隣接基地局の状態情報に基づいて、隣接基地局のセルサイズやカバーエリアを計算し、取得した基地局の状態情報に基づいて、基地局のセルサイズやカバーエリアを計算する。さらに、判定部130は、隣接基地局の位置情報と、基地局の位置情報と、に基づいて、互いのセルが重なり合うか否かを判定することができる。判定部130は、セルの重なり合う領域が閾値以上の場合、電波干渉が生じうると判定し、セル調整が必要であると判定することができる。
【0036】
計算部140は、判定部130により、セル調整が必要と判定された場合は、セル調整アルゴリズムを用いて、基地局の送信電力量及び電波指向性の少なくとも1つを計算する。ここで、基地局10Aの計算部140は、隣接基地局10Bの計算部と同じセル調整アルゴリズムに基づいて、基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する。セル調整アルゴリズムは、予め、各基地局の記憶部に格納されていてもよいし、状態情報共有部120による状態情報とともに隣接基地局へ同報送信され、共有されてもよい。いくつかの実施形態では、計算部140は、取得された前記基地局の位置情報と取得された前記隣接基地局の位置情報とに基づいて、基地局と隣接基地局との間の距離長を計算してもよい。
【0037】
セル調整部150は、計算された送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する。
【0038】
図7は、セル調整方法を説明する図である。
基地局10Aは、任意のエリアに配置され、電源が起動される。同様に、基地局10Bは、基地局10Aとは異なり、隣接する任意のエリアに配置され、電源が起動される。
【0039】
基地局10Aは、GNSS受信機を用いて、基地局10Aの位置情報(例えば、経度、緯度など)を取得する(ステップS201)。同様に、基地局10Bは、GNSS受信機を用いて、基地局10Bの位置情報(例えば、経度、緯度など)を取得する(ステップS201)。
【0040】
基地局10Aは、現在の電波の状態情報を取得し、前述の基地局10Aの位置情報とともに、基地局10Bに同報送信し、共有する(ステップS203)。基地局10Bは、現在の電波の状態情報を取得し、前述の基地局10Bの位置情報とともに、基地局10Aに同報送信し、共有する(ステップS204)。
【0041】
基地局10Aは、セル調整が必要か否かを判定する(ステップS205)。具体的には、基地局10Aの判定部130Aは、取得した隣接基地局の状態情報に基づいて、隣接基地局10Bのセルサイズやカバーエリアを計算し、取得した基地局10Aの状態情報に基づいて、基地局のセルサイズやカバーエリアを計算する。さらに、判定部130は、隣接基地局の位置情報と、基地局の位置情報と、に基づいて、互いのセルが重なり合うか否かを判定する。同様に、基地局10Bは、セル調整が必要か否かを判定する(ステップS206)。
【0042】
基地局10Aは、セル調整が必要な場合は(ステップS205でYes)、基地局10Bの電波との干渉を抑制するように、送信電力量及び電波指向性を計算する(ステップS207)。同様に、基地局10Bは、セル調整が必要な場合は(ステップS206でYes)、基地局10Aの電波との干渉を抑制するように、送信電力量及び電波指向性を計算する(ステップS208)。この際、基地局10A及び基地局10Bは、同一のセル調整アルゴリズムを用いて、調整すべき送信電力量及び電波指向性を計算する。
【0043】
最後に、基地局10Aは、計算された送信電力量及び電波指向性に変更して、セル調整する(ステップS209)。基地局10Bは、計算された送信電力量及び電波指向性に変更して、セル調整する(ステップS210)。これにより、送信電力の調整前の状態(図8の破線の100A~C)から調整後の状態(図8の実線の100A~C)に示すように、干渉を起こさない程度までセルサイズを減衰することができる。また、いくつかの実施形態では、送信電力量を変えずに、電波指向性を変更する(例えば、楕円形のセル)ことで、セルを調整することもできる。電波指向性の変更には、既知のビームフォーミング技術を使用することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、セル調整システムは、基地局と隣接基地局とを備える。基地局は、基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、基地局の位置情報と、基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、隣接基地局の位置情報と、隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、隣接基地局の位置情報と、取得した隣接基地局の状態情報と、基地局の位置情報と、取得した基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、セル調整が必要と判定された場合は、基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、計算された送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える。また、隣接基地局は、隣接基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、隣接基地局の位置情報と、隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、基地局の位置情報と、基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、隣接基地局の位置情報と、取得した隣接基地局の状態情報と、基地局の位置情報と、取得した基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、セル調整が必要と判定された場合は、隣接基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、計算された隣接基地局の送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える。
【0045】
以上説明したように、セル調整システムにおいて、移動可能な基地局が、自律的なセル径調整を可能とすることで、複数の基地局を使用した場合の電波の干渉を防止することができる。
【0046】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0047】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0048】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える、基地局。
(付記2)
前記基地局は、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備え、
前記位置情報取得部は、前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた前記基地局の位置情報を取得する、付記1に記載の基地局。
(付記3)
前記状態情報共有部は、同報により、前記基地局の識別子とともに、前記基地局の状態情報を1つ以上の隣接基地局に送信するとともに、同報により、前記隣接基地局から、前記隣接基地局の識別子とともに、前記隣接基地局の状態情報を取得する、付記2に記載の基地局。
(付記4)
前記状態情報共有部は、ランダムバックオフアルゴリズムを使用する、付記3に記載の基地局。
(付記5)
前記計算部は、取得された前記基地局の位置情報と取得された前記隣接基地局の位置情報とに基づいて、前記基地局と隣接基地局との間の距離長を計算する、付記1に記載の基地局。
(付記6)
コアと、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)と、を備え、かつセルラ通信規格に従って動作する移動可能な基地局である、請求項1に記載の基地局。
(付記7)
前記計算部は、前記隣接基地局と同一のセル調整アルゴリズムを用いて、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する、付記1に記載の基地局。
(付記8)
基地局と隣接基地局とを備えるセル調整システムであって、
前記基地局は、基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備え、
前記隣接基地局は、
前記隣接基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記隣接基地局の前記位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、前記基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記基地局の位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記隣接基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える、セル調整システム。
(付記9)
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する、
セル調整方法。
(付記10)
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整することを、コンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0049】
10 基地局
11 位置情報取得部
12 状態情報共有部
13 判定部
14 計算部
15 セル調整部
20 通信装置
100 制御部
110 位置情報取得部
120 状態情報共有部
130 判定部
140 計算部
150 セル調整部
190 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機と、
前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える、基地局。
【請求項2】
前記基地局は、持ち運び可能なハンドキャリー型である、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記状態情報共有部は、同報により、前記基地局の識別子とともに、前記基地局の状態情報を1つ以上の隣接基地局に送信するとともに、同報により、前記隣接基地局から、前記隣接基地局の識別子とともに、前記隣接基地局の状態情報を取得する、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記状態情報共有部は、ランダムバックオフアルゴリズムを使用する、請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記計算部は、取得された前記基地局の位置情報と取得された前記隣接基地局の位置情報とに基づいて、前記基地局と隣接基地局との間の距離長を計算する、請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
コアと、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)と、を備え、かつセルラ通信規格に従って動作する移動可能な基地局である、請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記計算部は、前記隣接基地局と同一のセル調整アルゴリズムを用いて、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する、請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
基地局と隣接基地局とを備えるセル調整システムであって、
前記基地局は、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機と、
前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備え、
前記隣接基地局は、
TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機と、
前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた前記隣接基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記隣接基地局の前記位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、前記基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記基地局の位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得する状態情報共有部と、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定する判定部と、
セル調整が必要と判定された場合は、前記隣接基地局の送信電力量又は電波指向性を計算する計算部と、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整するセル調整部と、を備える、セル調整システム。
【請求項9】
TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備える基地局であって、前記受信機を介して測位信号を受信し、基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整する、
セル調整方法。
【請求項10】
TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備える基地局であって、前記受信機を介して測位信号を受信し、基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報とを、1つ以上の隣接基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記隣接基地局の位置情報と、前記隣接基地局の送信電力量及び電波指向性を含む状態情報を取得し、
前記隣接基地局の位置情報と、取得した前記隣接基地局の状態情報と、前記基地局の位置情報と、取得した前記基地局の状態情報とに基づいて、セル調整が必要か否かを判定し、
セル調整が必要と判定された場合は、前記基地局の送信電力量又は電波指向性を計算し、
計算された前記送信電力量又は電波指向性に変更することによりセルを調整することを、コンピュータに実行させるプログラム。