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特開2024-139108基地局、通信経路設定方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139108
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】基地局、通信経路設定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 40/20 20090101AFI20241002BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20241002BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20241002BHJP
【FI】
H04W40/20
H04W88/08
H04W92/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049908
(22)【出願日】2023-03-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】藤波 誠
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067EE23
(57)【要約】
【課題】コアを備えた一体型基地局を複数連携させて使用する場合に、複数の基地局をまたがって通信経路を設定可能な基地局等を提供する。
【解決手段】基地局10は、基地局10の位置情報を取得する位置情報取得部11と、基地局の位置情報と、基地局の配下端末情報とを、基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、周辺基地局ごとの位置情報と、周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部12と、基地局の配下の第1通信端末から、周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部13と、基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部14と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部と、
を備える基地局。
【請求項2】
前記基地局は、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備え、
前記位置情報取得部は、前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた前記基地局の位置情報を取得する、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記配下端末情報共有部は、同報により、前記基地局の識別子とともに、前記基地局の状態情報を1つ以上の周辺基地局に送信するとともに、同報により、前記周辺基地局から、前記周辺基地局の識別子とともに、前記周辺基地局の状態情報を取得する、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記配下端末情報共有部は、ランダムバックオフアルゴリズムを使用する、請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記周辺基地局は、前記基地局に隣接する隣接基地局と、前記隣接基地局を超えて存在する基地局を含む、請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
コアを備え、かつセルラ通信規格に従って動作するハンドキャリー型基地局である、請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)と、を更に備える、請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記第1通信端末と設定された経路上の前記周辺基地局及び前記第2通信端末との通信制御を行う、通信制御部を更に備える、請求項1に記載の基地局。
【請求項9】
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する、
通信経路設定方法。
【請求項10】
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定することを、コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、通信経路設定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無線により近距離のローカルな通信を行う複数の端末同士を接続してなり、複数の端末を仮想的な中継ノードとして通信を行うネットワークにおいて、各端末における通信量を軽減しながら通信元の端末から通信先の端末までの通信経路を決定し、通信を行うことができる通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006―191519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通信環境が乏しい災害時の被災地やイベント会場に持っていき、利用することができる基地局が必要とされている。こうした環境で、広範囲のカバーエリアを確保するため、複数の基地局を連携させて使用することもある。しかし、複数の基地局がクラウド上にあるコアにそれぞれ接続されているのではなく、各基地局は、それぞれコアを備え、独立している場合、通信端末は、ある基地局に接続したとしても、別の基地局を利用することができない。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、コアを備えた一体型基地局を複数連携させて使用する場合に、複数の基地局をまたがって通信経路を設定可能な基地局等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる基地局は、
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部と、
を備える。
【0007】
本開示の一態様にかかる通信経路設定方法は、
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する。
【0008】
本開示の一態様にかかるプログラムは、
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コアを備えた一体型基地局を複数連携させて使用する場合に、複数の基地局をまたがって通信経路を設定可能な基地局等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的実施形態1にかかる基地局の構成を示すブロック図である。
図2】例示的実施形態1にかかる通信経路設定方法を示すフローチャートである。
図3】一般的な基地局の構成を示すブロック図である。
図4】例示的実施形態2にかかる一体型基地局の構成を示すブロック図である。
図5】例示的実施形態2にかかる複数の基地局を使用する例を説明する図である。
図6】例示的実施形態2にかかる基地局の制御部の機能ブロックを示す図である。
図7】例示的実施形態2にかかる通信経路設定方法を説明する図である。
図8】例示的実施形態2にかかる通信経路設定方法を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的実施形態1
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。
図1は、例示的実施形態1にかかる基地局の構成を示すブロック図である。
基地局10は、様々な可能なセルラ通信規格のいずれかに従って動作することが可能である。基地局10は、コアを含む一体型基地局であり得る。基地局10は、基地局10の周辺にある他の周辺基地局とともに、使用され得る。周辺基地局は、基地局10と隣接する隣接基地局だけでなく、基地局10から隣接基地局を超えて存在し、かつ、基地局10と通信可能な基地局も含みうる。なお、基地局10は、コアを含む一体型基地局として説明を進めるが、非内蔵型であっても同等の処理を実現可能である。
【0012】
基地局10は、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース等を有する。図1に示すように、基地局10は、位置情報取得部11と、配下端末情報共有部12、通信要求受付部13、経路設定部14を備える。
【0013】
位置情報取得部11は、基地局の位置情報を取得する。配下端末情報共有部12は、基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する。なお、基地局と周辺基地局との情報の共有方法は、基地局間で直接送受信する、外部ネットワーク経由での送受信、あるいは、クラウド経由(どこか外部サーバ経由)での送受信、あるいは基地局と周辺基地局とがそれぞれ、外部ネットワーク又はクラウドにアクセスし相互参照すること等を含み得る。
【0014】
通信要求受付部13は、前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける。経路設定部14は、基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する。
【0015】
図2は、例示的実施形態1にかかる通信経路設定方法を示すフローチャートである。
位置情報取得部11は、基地局の位置情報を取得する(ステップS11)。配下端末情報共有部12は、基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有する(ステップS12)。さらに、配下端末情報共有部12は、周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する(ステップS13)。
【0016】
通信要求受付部13は、基地局の配下の第1通信端末から、周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける(ステップS14)。経路設定部14は、基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する(ステップS15)。
【0017】
以上説明した例示的実施形態1によれば、コアを含む一体型基地局であっても、周辺基地局との間で、位置情報及び配下端末情報を共有し合い、適切な通信経路を設定することができる。
【0018】
例示的実施形態2
図3は、一般的な基地局の構成を示すブロック図である。
一般的な基地局構成では、図3に示すように、コア(5GC)と基地局が分離されている。コアは、1対多の関係で複数の基地局等と通信可能に接続される。コアは、各基地局に無線で接続された通信端末が、複数の基地局間を移動したとしても、通信する基地局等を切り替える処理(ハンドオーバー処理)等を行うことができる。
【0019】
5GCは、一般的にクラウドに置かれ、Cプレーン機能を果たすAMF/SMF/とオンプレ上に置かれるUPF(User Plane Function)を含む。UPFは、ユーザデータのパケットデータを転送するUプレーン処理に特化した機能を提供する。基地局は、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)を含む。いくつか実施形態では、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)はそれぞれ、別々のサーバであり得る。
【0020】
RUは、基地局のアンテナ部分であり、UE(User Equipment)と電波を送受信し、DUと通信を行う。DUは、子局と呼ばれることもあり、主に信号の変調復調(アナログとディジタルとの間の変換)、欠損した信号の再送を行う。CUは、複数のDUの制御、UEと基地局間の通信プロトコルであるRRC(Radio Resource Control)の制御を行う。
【0021】
図4は、本開示の実施形態にかかる一体型基地局の構成を示すブロック図である。
本明細書で使用される場合、一体型基地局とは、5GC(5G Core Network)を備えた基地局をいう。例えば、基地局は3GPP(登録商標) 5G NR gNBであり得るが、これに限定されない。基地局は、様々な可能な他のセルラ通信規格のいずれかに従って動作することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、一体型基地局10は、アプリケーションサーバを備えてもよい。
【0022】
本開示の実施形態にかかるコア機能内蔵する一体型基地局10においては、5GCはUPFを含む。以後、コアとして、UPFを含む5GCを説明する。なお、実際にUPF機能を担うかどうかは基地局の動作環境に依存しており、いくつかの実施形態では、UPF機能を実行しない場合もある。一体型基地局10は、RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)を含む。図4では、RUは、、アンテナ(RFアンテナ、無線アンテナ)と接続されている。またDUは、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)受信機と接続されている。また、基地局10は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、メモリと、指向性のあるアンテナと、バッテリなどの電源等も含む。
【0023】
プロセッサは、メモリからソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、実施形態においてフローチャートを用いて説明された基地局10等の処理を行う。プロセッサは、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)またはCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサは、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0024】
メモリは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリは、プロセッサから離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサは、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリにアクセスしてもよい。
【0025】
本開示の一体型基地局10は、Uプレーンを担うUPFを含むCN(コアネットワーク)を備える基地局であるため、基地局間通信(またはコア間通信)が実現できれば複数の基地局をまたがる1つの5G通信網構築可能である。基地局間通信は、基地局間の直接送受信だけでなく、外部ネットワーク経由での送受信、又はクラウド経由での送受信であってもよい。各基地局が、クラウドにアクセスし相互参照してもよい。また、一体型基地局10は、UPF機能を含む。一体型基地局10は、UPF機能を実行する場合には、Cプレーン、Uプレーン機能を共に実行可能な基地局として機能する。5G通信は広帯域通信(通信速度高速化)ゆえに、Uプレーン機能に対して既存の基地局より高いCPU処理性能が求められる。
【0026】
図5は、複数の一体型基地局を使用する例を説明する上面図である。
上記した一体型基地局10は1つの筐体内に収容可能、かつ持ち運び可能であり、災害時に被災地に持っていき、キャリア回線がない場合であっても、電源さえあれば、使用することができる。そのため、一体型基地局10は、ハンドキャリー型基地局とも称される。その場合、図5に示すように、広範囲のカバーエリア(図5では、100A、100B、及び100C)を確保するため、複数の一体型基地局(図5では、10A、10B、及び10C)を連携させて使用することもある。しかし、基地局10A~Cがクラウド上にあるコアにそれぞれ接続されているのではなく、前述したように、各基地局10A~Cは、それぞれコアを備え、独立している場合がある。したがって、通信端末20Aは、基地局10Aに接続したとしても、基地局B及び基地局Cを利用することができない場合がある。そこで、本開示では、例えば、図5に示すように、通信端末20Aが、基地局10Aに対して、通信端末20Bを接続先とする通信要求を行うと、基地局10Aは、基地局間通信により、基地局10Bに接続された通信端末20Bを認識し、周辺基地局を経由した通信経路を設定することができる仕組みを提案する。これにより、図5に示すように、通信端末20Aは、基地局10A及び基地局10Bを経由して、通信端末20Bと通信することができる。通信経路設定方法の詳細は後述する。
【0027】
なお、図5に示す例では、各一体型基地局は、指向性のないアンテナを用いているので、基地局は、全方位に均等に電波を出している(図5に示すように、略円状のカバーエリアとなり得る)。指向性のあるアンテナを使用してもよい。
【0028】
現状、キャリア5Gもローカル5Gも、通信方向を極めて短時間ごとに反転させるTDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用している。アップリンク(UL)信号とダウンリンク(DL)信号の通信方向の切替を実現し、同期要件を満たすために、GPS衛星に搭載された原子時計及び衛星アンテナから取得されるGPS信号に基づき、各場所での正確な時刻を計算することが要求される。そのため、キャリア5G及びローカル5G用基地局は、GPS受信機相当の測位機能を備えている。衛星測位システムの例としては、GPS(global positioning system)、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本開示による基地局は、この位置取得機能を利用し、各基地局が位置情報を取得した後、基地局間通信により、事前に互いの位置情報を共有し合う。基地局間通信は、極めて短時間ごとに行われ得る。
【0029】
また、基地局は、基地局の配下の通信端末の情報を取得し、基地局間通信により、各基地局の配下の通信端末を共有しあう。具体的には、以下のとおりである。
各基地局下の通信端末は、ARP(Address Resolution Protocol)の原理と同様の処理により、通信端末のIPアドレスを把握することができる。例えば、発呼側通信端末は受話側通信端末に対して、ARPリクエストに相当するリクエストをブロードキャストする。このリクエストを取得した受話側通信端末は、自身のMACアドレスを送信元として発呼側通信端末に応答を返す。応答はブロードキャストの送信元MACアドレスを宛先としてユニキャストで送られる。このプロセスを経て、発呼側通信端末は、受話側通信端末のIMACアドレスを認識し、これによって、以降ユニキャストでの通信が可能となる。
【0030】
各基地局は、それぞれ独立に基地局配下の通信端末に、基地局別のセグメントのIPアドレスを付与するものとする。その場合、
A基地局(192.168.0.1)配下の端末のIPアドレスは、192.168.0.2(端末A2). 192.168.0.3(端末A3) 192.168.0.4(端末A4) ...
B基地局(192.168.1.1)配下の端末のIPアドレスは、192.168.1.2(端末B2). 1. 192.168.1.3(端末B3). 192.168.1.4(端末B4)....
C基地局(192.168.2.1)配下の端末のIPアドレスは、192.168.2.2(端末C2).. 192.168.2.3(端末C3) 192.168.2.4..(端末C4)
となる。
【0031】
基地局A,B,Cは、基地局間通信により、互いに地理的位置関係、各基地局配下の端末への通信経路(どの基地局を経由すればよいか)、基地局の緯度経度情報、および端末のIPアドレス(どの基地局配下にあるIPアドレスか)を把握することができる。
【0032】
すなわち、システム全体の動作としては、まず基地局を複数配置した段階でそれぞれの基地局が互いに位置情報をやりとりし、どのような論理関係及び接続関係にあるか、基地局のIPアドレスがなにかを把握する。基地局は、ルータ的な役割を果たし、各基地局が独立にA-B-Cという論理接続マップを作成する。
【0033】
次に、A2端末がA基地局配下に接続し、C2端末がC基地局配下に接続し、それぞれ
192.168.0.2(端末A2).、192.168.2.2(端末C2)..を付与される。
【0034】
端末A2は端末C2のIPアドレスを知るためにARPパケット(のような)名前解決パケット(DNSのような)とをブロードキャストする。端末A2は、端末C2からの応答によってIPアドレス192.168.2.2とそのインタフェースのMACアドレスをそれぞれ送信元IPアドレス、送信元MACアドレスとして入手する。
【0035】
最後に端末A2は端末C2のIPアドレス、MACアドレス宛に通信を開始する。
端末A2が基地局Aに端末C2宛パケットを送信すると、その後の経路は基地局間の位置関係のよって予め決まっている経路によって基地局Cまで転送される。
【0036】
図6は、基地局の制御部の機能ブロックを示す図である。
制御部100は、位置情報取得部110と、配下端末情報共有部120と、通信要求受付部130と、経路設定部140と、通信制御部150と、記憶部190と、を含む。制御部100は、プログラムを実行することにより、これらの細分化された処理のそれぞれを実行する機能演算部として機能する。
【0037】
位置情報取得部110は、基地局の位置情報を取得する。位置情報取得部110は、GNSS受信機を用いて、基地局10Aの位置情報(例えば、経度、緯度など)を取得することができる。位置情報取得部110は、基地局の電源起動後、衛星測位システムからの受信信号に基づき、基地局自身の位置を測定してもよい。位置情報取得は、極めて短時間ごとに行われ得る。
【0038】
配下端末情報共有部120は、前述の取得した基地局の位置情報と、基地局の配下通信端末情報とを、1つ以上の周辺基地局10B、10Cに直接的に送信する。基地局は、通信端末が基地局に接続されるたびに、基地局の配下通信端末情報を更新し、1つ以上の周辺基地局に送信することができる。
【0039】
また、配下端末情報共有部120は、周辺基地局10Bから、周辺基地局10Bの位置情報と、周辺基地局10Bの配下通信端末のIDを含む配下端末情報とを直接的に取得する。配下端末情報共有部120は、隣接基地局10Cから、周辺基地局10Cの位置情報と、周辺基地局10Cの配下通信端末のIDを含む配下端末情報とを直接的に取得する。他の実施形態では、配下端末情報は、基地局のUPF処理負荷状況、配下台数、配下端末の接続先情報から推測される通信量も含み得る。
【0040】
各基地局の配下端末情報共有部120は、基地局自身のID(識別子)とともに、測定された位置情報、最新の配下通信端末情報を1つ以上の周辺基地局に同報送信する。同報送信とは、同一内容の情報を、多数の相手に同時に送信することをいう。これにより、各基地局は、周辺基地局の位置情報、及び配下端末情報を取得することができる。周辺基地局の位置情報、及び配下端末情報は、各基地局の記憶部190に格納される。位置情報及び配下端末情報の共有には、基地局間マルチホップのIAB(Integrated Access Backhaul)を用いることができる。また、いくつかの実施形態では、基地局間を有線ネットワークで接続することにより、基地局間同士で通信路を構築することができる。他の実施形態では、基地局と隣接基地局との情報の共有方法は、インターネット又は外部ネットワーク経由での情報の送受信、インターネット又は外部ネットワーク経由でクラウドにアクセスし相互参照であってもよい。なお、配下端末情報共有部120は、同報の際に、衝突回避のために、無線LANでのランダムバックオフアルゴリズムを利用することもできる。ランダムバックオフアルゴリズムとは、データ送信を開始するタイミングをずらすことで、コリジョンを回避するために、データ送信を開始する前に待機するランダムな時間を決めるアルゴリズムである。
【0041】
通信要求受付部130は、基地局10Aの配下の通信端末20Aから、基地局10A以外の基地局、例えば、基地局10Bの配下の通信端末20Bへの接続要求を受け付ける。
【0042】
経路設定部140は、基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する。基地局は、接続先の通信端末の識別情報を、基地局の記憶部190に格納された周辺基地局の位置情報、及び配下端末情報から取得し、事前に設定された経路を取得してもよい。
【0043】
通信制御部150は、設定された経路上の周辺基地局を利用して、通信端末20Aと通信端末20Bとの通信制御を行う。
【0044】
図7及び図8を参照して、通信経路設定方法を説明する。図8は、通信経路設定方法を説明するシーケンス図である。
通信端末20Aは、基地局10Aに対して、通信端末20Dを接続先とする通信要求を出したものとする。図7では、基地局10Aの周辺基地局は、基地局10B、10C、10D、10Eであり得る。なお、基地局10Aの隣接基地局は、基地局10Aと隣り合う基地局10B、10Cであり得る。換言すると、基地局10Aの周辺基地局は、基地局10Aの隣接基地局を超えて(より遠く離れて)存在する場合がある。
【0045】
図8に示すように、基地局10Aは、GNSS受信機を用いて、基地局10Aの位置情報(例えば、経度、緯度など)を取得する(ステップS201)。同様に、基地局10Aの周辺基地局10B~10Eは、それぞれ、GNSS受信機を用いて、周辺基地局10B~10Eの位置情報(例えば、経度、緯度など)を取得する(ステップS202)。
【0046】
次に、通信端末20Aは、基地局10Aに無線で接続される(ステップS203)。通信端末20A以外の通信端末も基地局10Aに無線で接続され得る。基地局10Aは、現在の配下端末情報を取得し、前述の基地局10Aの位置情報とともに、周辺基地局10B~10Eに同報送信し、共有する(ステップS204)。
【0047】
通信端末20Dは、周辺基地局10Dに無線で接続される(ステップS206)。通信端末20D以外の1つ以上の通信端末も周辺基地局10Dに無線で接続され得る。同様に、通信端末20Bは、周辺基地局10Bに無線で接続される。通信端末20Cは、周辺基地局10Cに無線で接続される。通信端末20Eは、周辺基地局10Eに無線で接続される。周辺基地局10B~10Eは、それぞれ、配下端末情報を取得し、各周辺基地局10B~10Eの位置情報とともに、基地局10A(及び自身の周辺基地局)に同報送信し、共有する(ステップS207)。位置情報及び配下端末情報などの共有情報は、各基地局10A~10Eのそれぞれの記憶部190に格納される。
【0048】
次いで、通信端末20Aは、通信端末20Dを接続先とする通信要求を基地局10Aに出す(ステップS210)。基地局10Aは、基地局10Aの記憶部190Aを参照して、共有情報から、通信端末20Dに関する識別情報を取得し、通信端末20Aから通信端末20Dまでの経路を設定する(ステップS214)。図7では、通信端末20Aから、基地局10A、周辺基地局10B及び周辺基地局10Dを経由して、通信端末20Dまでの経路が設定され得る。この場合、基地局10Dは、接続先の通信端末20Dと接続されているので、終端基地局とも称され得る。
【0049】
基地局10A、周辺基地局10B及び周辺基地局10Dは、通信端末20Aと通信端末20Dとの通信制御を行う(ステップS215,216)。基地局10Aの通信制御部150Aは、第1通信端末20Aと、設定された経路上の周辺基地局10B及び10D、及び第2通信端末20Bとの通信制御を行う。
【0050】
いくつかの実施形態では、通信経路設定システムは、基地局と、前記基地局配下の第1通信端末と、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局と、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末と、を備える。基地局は、基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、基地局の配下の前記第1通信端末から、前記一の周辺基地局の配下の前記第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、通信要求の受付に応答して、前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部と、を備える。周辺基地局は、周辺基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、周辺基地局の前記位置情報と、前記周辺基地局の配下端末情報とを、前記基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記基地局から、前記基地局の位置情報と、前記基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、基地局から、前記周辺基地局配下の前記第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、を備える。
【0051】
以上説明したように、通信経路設定システムにおいて、コアを内蔵した複数の基地局が、それぞれ、位置情報及び配下端末情報を共有しあい、適切な通信経路を設定することができる。
【0052】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。コア内蔵型基地局群を用いた実施例説明を行ったが、コア非内蔵型基地局がこの群の中に存在してもよい。
【0054】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部と、
を備える基地局。
(付記2)
前記基地局は、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備え、
前記位置情報取得部は、前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた前記基地局の位置情報を取得する、付記1に記載の基地局。
(付記3)
前記配下端末情報共有部は、同報により、前記基地局の識別子とともに、前記基地局の状態情報を1つ以上の周辺基地局に送信するとともに、同報により、前記周辺基地局から、前記周辺基地局の識別子とともに、前記周辺基地局の状態情報を取得する、付記2に記載の基地局。
(付記4)
前記配下端末情報共有部は、ランダムバックオフアルゴリズムを使用する、付記3に記載の基地局。
(付記5)
前記周辺基地局は、前記基地局に隣接する隣接基地局と、前記隣接基地局を超えて存在する基地局を含む、付記1に記載の基地局。
(付記6)
コアを備え、かつセルラ通信規格に従って動作するハンドキャリー型基地局である、付記1に記載の基地局。
(付記7)
RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)と、を更に備える、付記6に記載の基地局。
(付記8)
前記第1通信端末と設定された経路上の前記周辺基地局及び前記第2通信端末との通信制御を行う、通信制御部を更に備える、付記1に記載の基地局。
(付記9)
基地局と、前記基地局配下の第1通信端末と、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局と、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末と、を備える通信経路設定システムであって、
前記基地局は、
前記基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、
前記基地局の配下の前記第1通信端末から、前記一の周辺基地局の配下の前記第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、
前記通信要求の受付に応答して、前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部と、
を備え、
前記周辺基地局は、
前記周辺基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記周辺基地局の前記位置情報と、前記周辺基地局の配下端末情報とを、前記基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記基地局の位置情報と、前記基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、
前記基地局から、前記周辺基地局配下の前記第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、
を備える、通信経路設定システム。
(付記10)
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する、
通信経路設定方法。
(付記11)
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定することを、コンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0055】
10 基地局
11 位置情報取得部
12 配下端末情報共有部
13 通信要求受付部
14 経路設定部
20 通信端末
100 制御部
110 位置情報取得部
120 配下端末情報共有部
130 通信要求受付部
140 経路設定部
150 通信制御部
190 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する配下端末情報共有部と、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付ける通信要求受付部と、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する経路設定部と、
を備える基地局。
【請求項2】
前記基地局は、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)を採用し、衛星測位システムからの測位信号を受信する受信機を備え、
前記位置情報取得部は、前記受信機を介して受信した測位信号に基づいた前記基地局の位置情報を取得する、請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記配下端末情報共有部は、同報により、前記基地局の識別子とともに、前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報を1つ以上の周辺基地局に送信するとともに、同報により、前記周辺基地局から、前記周辺基地局の識別子とともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得する、請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記配下端末情報共有部は、ランダムバックオフアルゴリズムを使用する、請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記周辺基地局は、前記基地局に隣接する隣接基地局と、前記隣接基地局を超えて存在する基地局を含む、請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
コアを備え、かつセルラ通信規格に従って動作するハンドキャリー型基地局である、請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
RU(Radio Unit)と、DU(Distributed Unit)と、CU(Central Unit)と、を更に備える、請求項6に記載の基地局。
【請求項8】
前記第1通信端末と設定された経路上の前記周辺基地局及び前記第2通信端末との通信制御を行う、通信制御部を更に備える、請求項1に記載の基地局。
【請求項9】
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定する、
通信経路設定方法。
【請求項10】
基地局の位置情報を取得し、
前記基地局の前記位置情報と、前記基地局の配下端末情報とを、前記基地局の周辺にある1つ以上の周辺基地局に直接的又は間接的に共有するとともに、前記周辺基地局ごとの位置情報と、前記周辺基地局ごとの配下端末情報を取得し、
前記基地局の配下の第1通信端末から、前記周辺基地局のうち一の周辺基地局の配下の第2通信端末への通信要求を受け付け、
前記基地局の位置情報と、各周辺基地局の位置情報と、前記一の周辺基地局の配下通信端末情報に基づいて、前記第1通信端末から前記第2通信端末への通信経路を設定することを、コンピュータに実行させるプログラム。