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  • 特開-管路補修構造及び管路補修工法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139133
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】管路補修構造及び管路補修工法
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/06 20060101AFI20241002BHJP
   H02G 9/06 20060101ALI20241002BHJP
   H02G 9/08 20060101ALI20241002BHJP
   F16L 55/18 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H02G1/06
H02G9/06
H02G9/08
F16L55/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049942
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】593027716
【氏名又は名称】株式会社エステック
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 稔
(72)【発明者】
【氏名】姜 恵子
(72)【発明者】
【氏名】吉村 正樹
【テーマコード(参考)】
5G352
5G369
【Fターム(参考)】
5G352CG05
5G369BA04
5G369BA05
5G369DC20
(57)【要約】
【課題】ケーブルを収容し、天吊りされた既設管であっても、補修工の簡素化、省力化及び施工期間の短縮化を図りつつ、恒久性の高い既設管路として補修できる管路補修構造を提供すること。
【解決手段】内部にケーブルが挿通されて天吊りされた既設管路の補修構造であって、既設管路において、軸方向で離間して対向配置され、夫々の内部をケーブルが挿通する第1及び第2既設管路部と、記第1及び第2既設管路部の間に、ケーブル部位を覆うように配置される筒状の補修管路と、第1及び第2既設管路部の対向する端部と補修管路の両端部とを、夫々の内部にケーブルを挿通した状態で接続する継手部と、を有し、補修管路は、第1及び第2既設管路部間に配置され、複数の分割可能な分割スリーブからなる筒状の補修管路本体と、補修管路本体の外周面に設けられ、補修管路本体を被覆するように巻回された炭素繊維シートからなる炭素繊維層とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にケーブルが挿通されて天吊りされた既設管路の補修構造であって、
前記既設管路において、軸方向で離間して対向配置され、夫々の内部を前記ケーブルが挿通する第1及び第2既設管路部と、
前記第1及び第2既設管路部の間に、ケーブル部位を覆うように配置される筒状の補修管路と、
前記第1及び第2既設管路部の対向する端部と前記補修管路の両端部とを、夫々の内部に前記ケーブルを挿通した状態で接続する継手部と、
を有し、
前記補修管路は、
前記第1及び第2既設管路部間に配置され、複数の分割可能な分割スリーブからなる筒状の補修管路本体と、
前記補修管路本体の外周面に設けられ、前記補修管路本体を被覆するように巻回された炭素繊維シートからなる炭素繊維層と、
を有する、
既設管路の補修構造。
【請求項2】
前記炭素繊維層は前記補修管路本体の外周面に接着剤を介して設けられ、当該接着剤とともに一体的に固定されている、
請求項1記載の既設管路の補修構造。
【請求項3】
前記補修管路本体の外周面を囲むように配置された仮止め部を有し、
前記炭素繊維層は、前記仮止め部とともに前記補修管路本体を被覆する、
請求項1記載の既設管路の補修構造。
【請求項4】
内部にケーブルが収容され天吊りされた既設管路の損傷個所を補修する既設管路の補修工法において、
前記既設管路における補修部位を前記既設管路の軸方向の長さで切断して撤去する撤去工程と、
筒状の補修管路本体を構成する複数の分割スリーブを、前記補修部位の撤去後の位置で、前記ケーブルを囲む筒状に配置して補修管路本体を形成する管路形成第1工程と、
前記補修管路本体の外周面に、炭素繊維シートを密着して巻回して炭素繊維層を形成して補修管路を形成する管路形成第2工程と、
前記補修管路の両端部と前記両端部の夫々に跨って継手部を設け、前記既設管路の軸方向で対向する前記既設管路の一対の対向端部とを内部を連通状態で接続する接続工程と、
を有する、
既設管路の補修工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路補修構造及び管路補修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力ケーブル、通信ケーブル等の各種ケーブルは、ヒューム管を用いて地中や共同溝等に敷設されている。このヒューム管を用いた既設管路では、土木工事や地盤変動等の種々の外的要因によりひび割れや欠損等の損傷が発生する場合がある。これに対応して、例えば、特許文献1に示すように管路を補修する管路補修工法が知られている。
【0003】
特許文献1では、内部にケーブルが収容された既設管路の損傷箇所を補修するために、まず、既設管路において軸方向での補修範囲にある管路部分を撤去する。次いで、撤去した補修範囲に、割りスリーブを、管路部分の軸方向の長さが管路部分よりも長く、かつ、両端部が既設管路の内径よりも小さい外径の筒状体になるように配置する。次いで、配置した割りスリーブと既設管、又は、割りスリーブ同士を、止水材を施して固定した後、コンクリートを打設して割りスリーブを含む補修範囲を外側から被覆する、つまり、胴締めコンクリートを打設して補修が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-170511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、補修対象となる既設管として、地中に敷設された既設管よりも下方に、地下鉄の駅舎等の地下構造物を構築する場合、底部が掘削されることで形成された地中掘削工事空間において天吊りされる既設管がある。
【0006】
天吊りされた既設管は、工事空間内において、敷設状態と変わらない状態で配設されるように、上方に架設された作業台等から吊り下げられている。
【0007】
このような既設管に対して、従来工法で補修を行う場合、補修範囲をコンクリートで被覆するために、吊られた既設管に対して補修範囲に型枠を設けてコンクリートを打設する、つまり、胴締めコンクリートを打設する必要がある。胴締めコンクリートを打設作業において、型枠の設置や、コンクリートの打設を行う際に、既設管路に極力荷重を掛けずに行う必要があり、その作業に手間がかかり施工性が悪く補修期間が長くなるという問題がある。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ケーブルを収容し、天吊りされた既設管であっても、補修工の簡素化、省力化及び施工期間の短縮化を図りつつ、恒久性の高い既設管路として補修できる管路補修構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る既設管路の補修構造の一態様は、
内部にケーブルが挿通されて天吊りされた既設管路の補修構造であって、
前記既設管路において、軸方向で離間して対向配置され、夫々の内部を前記ケーブルが挿通する第1及び第2既設管路部と、
前記第1及び第2既設管路部の間に、ケーブル部位を覆うように配置される筒状の補修管路と、
前記第1及び第2既設管路部の対向する端部と前記補修管路の両端部とを、夫々の内部に前記ケーブルを挿通した状態で接続する継手部と、
を有し、
前記補修管路は、
前記第1及び第2既設管路部間に配置され、複数の分割可能な分割スリーブからなる筒状の補修管路本体と、
前記補修管路本体の外周面に設けられ、前記補修管路本体を被覆するように巻回された炭素繊維シートからなる炭素繊維層とを有する構成を採る。
【0010】
本発明に係る既設管路の補修工法の一態様は、
内部にケーブルが収容され天吊りされた既設管路の損傷個所を補修する既設管路の補修工法において、
前記既設管路における補修部位を前記既設管路の軸方向の長さで切断して撤去する撤去工程と、
筒状の補修管路本体を構成する複数の分割スリーブを、前記補修部位の撤去後の位置で、前記ケーブルを囲む筒状に配置して補修管路本体を形成する管路形成第1工程と、
前記補修管路本体の外周面に、炭素繊維シートを密着して巻回して炭素繊維層を形成して補修管路を形成する管路形成第2工程と、
前記補修管路の両端部と前記両端部の夫々に跨って継手部を設け、前記既設管路の軸方向で対向する前記既設管路の一対の対向端部とを内部を連通状態で接続する接続工程と、
を有するようにした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ケーブルを収容し、天吊りされた既設管であっても、補修工の簡素化、省力化及び施工期間の短縮化を図りつつ、恒久性の高い既設管路として補修できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る既設管路の一例を示す側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る既設管路を軸方向で切断した概略切断図である。
図3】本発明の実施の形態に係る既設管路の補修構造の要部構成を示す概略外観図である。
図4図4A図4B図4C図4Dは、本発明の実施の形態に係る既設管路の補修工法の工程を示す説明である。
図5図5A図5B図5C図5Dは、本発明の実施の形態に係る既設管路の補修工法の工程を示す説明である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
<既設管路100の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る既設管路の一例を示す側面図であり、図2は、本発明の実施の形態に係る既設管路を軸方向で切断した概略切断図である。
【0015】
図1及び図2に示す本発明の実施の形態に係る既設管路100は、外傷が補修された既設管路であり、例えば、吊アーム106を介して天吊りされた複数の既設管路100、102、104のうちの一本である。既設管路100は、既設管路が敷設された地中を既設管路よりも深く掘削する工事での工事空間内で、足場、作業台108等から天吊りされ、既設位置で保持されている。
【0016】
なお、既設管路100は、工事空間の上方で天吊りされたものとしたが、これに限らず、構造物の天井から吊り下げられるように敷設された既設管路であってもよい。
【0017】
既設管路100、102、104は、電力ケーブル10を収容して地中に敷設されていたものであり、例えばヒューム管により構成されている。既設管路100、102、104は、同方向に延在して敷設され、隣同士が近接或いは隣接する位置で配置されている。
【0018】
既設管路100は、本実施の形態の既設管路の補修方法により、ヒューム管の一部が補修されている。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態に係る既設管路の補修構造の要部構成を示す概略外観図である。図3に示すように既設管路100は、配置される軸方向で離間して配置される第1既設管路部20及び第2既設管路部30と、補修管路50と、継手部70、80とを有する。
【0020】
第1既設管路部20及び第2既設管路部30は、既設管路100において、外傷部分(図4参照)を含む補修範囲である一部分を切り欠いた既設のヒューム管である。
これら第1既設管路部20及び第2既設管路部30の端部間に、補修管路50が配置され、継手部70、80を介して連通した状態で配設されている。
【0021】
なお、これら第1既設管路部20、第2既設管路部30及び補修管路50内には、予め敷設された電力ケーブル10が挿通して、電力ケーブル10を収容した状態となっている。
【0022】
補修管路50は、既設管路100の一部として第1既設管路部20と第2既設管路部30との間に配設される筒状体である。補修管路50は、補修管路本体52(図3参照)と、補修管路本体52の外周に、仮止め部54を介して設けられた炭素繊維層56と、を有する。
【0023】
補修管路本体52(図5参照)は、合成樹脂或いは樹脂を含む保護管である。補修管路本体52は、例えば、強化プラスチック複合管(PFP(Polyester Concrete Fiberglass Reinforced Plastic Pipe)で構成される。なお、この補修管路本体52は、複数の分割スリーブ材522、524を筒状に組み合わせて構成されている(図4参照)。
【0024】
この補修管路本体52を被覆するように炭素繊維層56が設けられている。
炭素繊維層56は、難燃性、耐久性に優れた炭素繊維により形成されるシート材を補修管路本体52の外周に巻回して形成されている。炭素繊維層56は、炭素繊維により構成され、補修管路本体52に一体的に設けられている。
【0025】
継手部70、80は、補修管路50の両端部と第1既設管路部20及び既設管路部30の対向端部とを内部を閉塞した状態で接続する。
【0026】
<既設管路の補修工法>
図4A図4B図4C図4D図5A図5B図5C図5Dは、本発明の実施の形態に係る既設管路の補修工法の工程を示す説明である。図4Aに示す既設管路100は、本体部分の一部に破損、クラック等の外傷部Kを有し、この外傷部Kを補修するものとする。
【0027】
まず、図4Bに示すように、既設管路100において、外傷部Kを含む補修範囲を設定し、切削機Sを用いて、補修範囲に相当する既設管路100の一部(補修部位)を切断する。その際、内部に収容される電力ケーブル10は、今回そのまま使用され、管路部分のみ補修するものとする。
【0028】
よって、補修範囲の部位は、径方向で複数分割するように軸方向で切断され、図4Cに示すように、第1既設管路部20及び第2既設管路部30間を挿通するように電力ケーブル10を残した状態で、補修部位121、122を撤去する(撤去工程)。
【0029】
次いで、図4Dに示す筒状の補修管路本体52の分割体である分割スリーブ522、524を用いる。分割スリーブ522、524を、第1既設管路部20と第2既設管路部30の間の補修範囲で露出する電力ケーブル10の部位を覆うように配置する(再配管する)。
【0030】
ここで分割スリーブ522、524は、第1既設管路部及び第2既設管路部間で、電力ケーブル10の部位を収容する筒状の補修管路本体52の分割体である。
【0031】
分割スリーブ522、524の軸方向の長さは、補修範囲の軸方向の長さよりも短い。また、分割スリーブ522、524により形成される筒状の補修管路本体52の外径は、既設管路100、具体的には、第1既設管路部20及び第2既設管路部30の外径と同様であることが好ましい。
【0032】
分割スリーブ522、524は、筒状の補修管路本体を2分割した分割体であるが、これに限らず2分割以上の数の分割体としてもよい。
【0033】
図5Aに示すように、これら分割スリーブ522、524の合わせ部526同士を合わせて、第1既設管路部20と第2既設管路部30の間のケーブル部位を覆う筒状体を形成する(管路形成第1工程)。
【0034】
そして、図5Bに示すように、筒状体に組み合わせた分割スリーブ522、524を仮止め部54で筒状体として仮止めする。仮止め部54は、例えば、分割スリーブ522、524を筒状に組み合わせて外周に巻いたバンドにより構成され、ステンレスバンドであることが好ましい。なお、このとき分割スリーブ522、524どうしの仮止めに接着剤を部分的に用いてもよい。この仮止め工程を管路形成第1工程に含めてもよい。
【0035】
次いで、炭素繊維シート562を、仮止め部54で筒状に仮止めされて補修管路本体52を構成する分割スリーブ522、524の外周に巻き付けて固定する。炭素繊維シートは、難燃性、可撓性を有するシートであり、ハサミ等で容易に切断できる等加工がし易く、使い勝手がよい。炭素繊維シート562は、帯状であり、分割スリーブ522、524の外周にらせん状に巻き付けられるが、炭素繊維シート562は、対象物にどのように巻き付けられてもよい。
【0036】
分割スリーブ522、524は、仮止め部54により筒状体を形成するように仮止めされているため、これにより、炭素繊維層56は、補修管路本体52の外周面に密着して補修管路本体52を被覆する。
【0037】
炭素繊維シート562は、例えば、含浸性や接着強度に優れたエポキシ樹脂製の接着剤を介して補修管路本体52の外周面の全面に巻き付けられることで補修管路本体52に、仮止め部54とともに一体的に設けられている(管路形成第2工程)。
【0038】
接着剤は、常温硬化型の接着剤である。なお、補修管路本体52に巻き付けた炭素繊維シート562に接着剤を上塗りし、接着剤層を設ける等してより、補修管路本体52と炭素繊維シート562とを一体化してもよい(管路形成第2工程)。
【0039】
このように、炭素繊維シート562は、補修管路本体52に炭素繊維層56を形成することにより、強度、耐久性を確保した筒状の補修管路50を形成している。炭素繊維層56はシート状部材を筒状に形成することで構成されるので、予め筒状の炭素繊維体を用意する必要がなく、狭隘な場所でもシート材で巻回できれば、どこにでも形成できる。
【0040】
補修管路本体52の外周に炭素繊維層56が一体的に形成されることにより、補修管路50が配設される。
【0041】
そして、第1既設管路部20の対向端部22と補修管路50の一端部50aとに跨って、双方間の隙間を閉塞するように継手部70を設ける。継手部70は、双方を、双方の内部を連通させた状態で、密閉した状態で接続する。この接続部分には、ゴム材(管状のゴム材等)を介在させており、継手部70と、第1既設管路部20及び補修管路50とは水密状態で接合される。継手部70は、筒状体を分割した複数の分割体を有して形成されてもよい。継手部70は、例えば、断面円弧状の半割の分割体72、74を有し、分割体72、74を、対向端部22と一端部50aとに跨って筒状に形成して取り付けてボルト等の締結部材で締結することで双方を接続するようにしてもよい。
【0042】
また、同様に、第2既設管路部30の対向端部32(図5C参照)と補修管路50の他端部50b(図5C参照)とに跨ってゴム材を介して継手部80を設けている。継手部80は、継手部70と同様の構成を有し、第2既設管路部30の対向端部32(図5C参照)と補修管路50の双方を、双方の内部を連通させた状態で接続する(接続工程)。
【0043】
本実施の形態の既設管路の補修工法によれば、既設管路を補修する際に、従来と異なり、補修範囲に型枠を設置してコンクリートを打設、つまり、胴締コンクリートを打設する必要がない。また、軽量化を図りつつ補修できる。
【0044】
分割スリーブ522、524を筒状体にする際に仮止め部54で仮止めし、分割スリーブの筒状体(補修管路本体52)を保持した状態で、それに炭素繊維シート562を巻回して接着するだけで補修できる。
【0045】
これにより、補修対象管路が複数段に配列されている場合、或いは、既設管路100のように他の既設管路102、104が近接配置されている場合等のように狭く狭隘な管路補修箇所で作業を行う場合でも容易に簡単に行うことができる。本実施の形態によれば、胴締めコンクリートの打設(型枠設置、コンクリート打設)の作業を行うことなく、簡単に補修でき補修工の短縮化を図ることができる。また、他業者に依存せず直営で補修作業を行うことができる。
【0046】
このように本実施の形態によれば、作業台108等から吊り下げられ、内部にケーブル(電力ケーブル10)が敷設された既設管路100に生じたひびや亀裂等の局所的に生じた補修対象箇所の補修を、内部の電力ケーブル10を保護し、補修工の簡素化、省力化及び施工期間の短縮化を図りつつ、行うことができる。これにより、本実施の形態は、恒久性の高い既設管路を確保できる。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記構造の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る既設管路の補修構造及び既設管路の補修工法は、ケーブルを収容し、天吊りされた既設管路であっても、補修工の簡素化、省力化及び施工期間の短縮化を図りつつ、恒久性の高い既設管路として補修できる効果を有し、天吊り既設管路の補修に適用するものとして有用である。
【符号の説明】
【0049】
10 電力ケーブル
20 第1既設管路部
22 対向端部
30 第2既設管路部
32 対向端部
50 補修管路
50a 一端部
50b 他端部
52 補修管路本体
54 仮止め部
56 炭素繊維層
70、80 継手部
100、102、104 既設管路
106 吊アーム
108 作業台
121、122 補修部位
522、524 分割スリーブ
526 合わせ部
562 炭素繊維シート
図1
図2
図3
図4
図5