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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139144
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】シールド掘進機
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/093 20060101AFI20241002BHJP
   E21D 11/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
E21D9/093 D
E21D11/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049955
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】津村 匡洋
(72)【発明者】
【氏名】星 智久
(72)【発明者】
【氏名】松田 直篤
(72)【発明者】
【氏名】森 竜生
(72)【発明者】
【氏名】今北 公宏
【テーマコード(参考)】
2D054
2D155
【Fターム(参考)】
2D054AA02
2D054AC01
2D054AD02
2D054AD20
2D054GA04
2D054GA17
2D054GA96
2D155BA01
2D155LA13
(57)【要約】
【課題】後胴部が二重構造になったシールド掘進機において、後胴プレートの長さを短くした場合におけるセンサのケーブルと後胴内筒部との干渉を防止する。
【解決手段】後胴内筒部5baおよび後胴内筒部5baに後続設置されて軸方向に移動して後胴プレート5bを伸縮させる後胴外筒部5bbからなる後胴プレート5bと、後胴外筒部5bbの外周面に設けられたシール剤供給管14と、シール剤供給管14と連通して後胴外筒部5bbに形成された外筒部側貫通孔H1と、機内から外筒部側貫通孔H1を通りシール剤供給管14内に配設されて後胴外筒部5bbに設置されたセンサSと電気的に接続され、後胴外筒部側と機内側とに分離可能なケーブルCと、外筒部側貫通孔H1に選択的に嵌め込まれ、機内側のケーブルCaに取り付けられた接続プラグ24、および外筒部側貫通孔H1を閉塞する閉塞プラグ25とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を掘削するカッタヘッドが進行方向先端に回転可能に設置された前胴部と、
前記前胴部に後続して設けられた後胴内筒部、および前記後胴内筒部に後続して当該後胴内筒部と部分的に重なり合って設置されて軸方向に移動可能とされた後胴外筒部を備えた後胴部と、
前記後胴外筒部の軸方向に沿って当該後胴外筒部の外周面に設けられた配管と、
前記後胴外筒部の切羽側で且つ前記後胴内筒部と重なり合う部分よりも立坑側において前記配管内と連通して前記後胴外筒部に形成された外筒部側貫通孔と、
機内から前記外筒部側貫通孔を通り前記配管内に配設されて前記後胴外筒部に設置された電子機器と電気的に接続され、後胴外筒部側と機内側とに分離可能なケーブルと、
機内側の前記ケーブルに取り付けられ、前記後胴部の長さが相対的に長くなった第1の状態で後胴外筒部側の前記ケーブルと機内側の前記ケーブルとを連結して前記外筒部側貫通孔に嵌め込まれる接続部材と、
前記後胴部の長さが相対的に短くなった第2の状態で後胴外筒部側の前記ケーブルと機内側の前記ケーブルとを分離して前記外筒部側貫通孔に嵌め込まれる閉塞部材と、
を有することを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
前記接続部材および前記閉塞部材は、前記外筒部側貫通孔内への水の浸入を防止する止水構造となっている、
ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機。
【請求項3】
前記後胴外筒部の内周面から内側に突出して環状に設けられて前記後胴外筒部の軸方向に間隔を開けて複数配置され、前記後胴外筒部と当該後胴外筒部内でトンネルを形成するセグメントの外周との間をシールするテールシールをさらに有し、
前記電子機器は、少なくとも1つの前記テールシールに装着され、当該テールシールの姿勢を検出するセンサである、
ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機。
【請求項4】
前記後胴外筒部の内周面から内側に突出して環状に設けられ、前記後胴外筒部の軸方向に間隔を開けて複数配置されて当該後胴外筒部とトンネルを形成するセグメントの外周との間をシールするテールシールと、
複数の前記テールシールの間で前記後胴外筒部と前記セグメントで囲まれるように形成され、シール剤供給手段から圧送されたシール剤が供給されるシール室とをさらに有し、
前記電子機器は、前記シール室に設置され、前記シール室内のシール剤の充填圧を計測する圧力計である、
ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機。
【請求項5】
前記後胴内筒部には、前記第2の状態において前記外筒部側貫通孔と連通するとともに前記接続部材が嵌め込み可能とされた内筒部側貫通孔が形成され、
前記第2の状態では、後胴外筒部側の前記ケーブルと機内側の前記ケーブルとを連結して前記接続部材を前記内筒部側貫通孔に嵌め込む、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載のシールド掘進機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地盤を掘削してトンネルや地下鉄などシールドトンネルの掘削に使用される装置として、シールド掘進機が知られている。
【0003】
このシールド掘進機はスキンプレートの進行方向先端にカッタヘッドが回転可能に設置されており、当該カッタヘッドにはビットが円周状・放射状に複数配置されている。そして、カッタヘッドを掘削面(切羽)に押し付けて回転させながら進むことにより、地盤が円形に掘削されていく。このとき、シールド掘進機の機内では、筒状に組み立てられたセグメントがシールド掘進機の掘進に合わせてスキンプレートの後方に押し出される。
【0004】
このようなシールド掘進機を用いてシールドトンネルの曲線部を施工する際には、中折れジャッキによりシールド掘進機を中折れ操作して当該シールド掘進機を曲線に合わせて屈曲させている。
【0005】
ここで、シールド掘進機を構成するスキンプレートの後端には、シールド工事においてスキンプレートとセグメントの間をシールしてシールド掘進機内への地下水侵入を防止するためのテールシールが設けられている。このテールシールはセグメントの外周面に押し当てられた状態でシールド掘進機の掘進に伴って移動する。また、シールドトンネルの長距離化が進んでいる(一般的に、1.5km以上が長距離、3.0km以上が超長距離と呼ばれる。)。
【0006】
このようなシールドトンネルの長距離化に伴うテールシールの劣化や損傷(シール部材自体の変形、ワイヤブラシの抜けや変形など)に因って、セグメントに不具合が生じたり、推力が異常に上昇したりする等、様々なトラブルが発生している。そして、テールシールの不具合はテールシールが変形した後に発生しているものと思われる。そこで、テールシールのトラブルを未然に回避するために、テールシールにセンサ(電子機器)を装着しておき、掘進途中におけるテールシールの姿勢を検出することが行われている。
【0007】
例えば、特許文献1には、セグメントに接触しているテールシールの曲げを検出する曲げセンサをテールシールに設けておき、曲げセンサが検出したテールシールの曲げ量に基づいてテールシールのシール状態を判断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-180226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さて、前述したシールドトンネルの施工において、施工場所によっては、急曲線掘進が必要な場合がある。このとき、シールド掘進機の最大中折れ角によっては、要求される急曲線に追従しにくかったり、余掘りが大きくなったりすることがある。
【0010】
そこで、スキンプレートを構成する後胴プレート(後胴部)を、径の異なる2つの筒を組み合わせた二重構造にして後胴内筒部とこれに後続するとともに軸方向に移動可能な後胴外筒部で構成し、直線施工では後胴プレートの長さを長くし、曲線施工では短くすることで、シールド掘進機の施工性を向上させることが考えられる。
【0011】
ここで、二重構造のシールド掘進機に前述した曲げセンサをテールシールに設けた場合、センサのケーブルは、テールシール側から見ると、一旦後胴外筒部の後端部から外側に出て配管内を通り、後胴外筒部の先端側から機内に導入されるという配線経路となる。
【0012】
このような配線経路では、後胴外筒部を後胴内筒部内に引き込んで後胴プレートの長さを短くする場合、ケーブルの機内導入位置が後胴内筒部と干渉することになってしまう。
【0013】
そして、このような問題は、テールシール姿勢検出用のセンサを装着した場合のみならず、他の様々な電子機器を装着した場合にも発生する。
【0014】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、後胴部が二重構造になったシールド掘進機において、後胴部の長さを短くした場合における電子機器のケーブルと後胴内筒部との干渉を防止することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のシールド掘進機は、地盤を掘削するカッタヘッドが進行方向先端に回転可能に設置された前胴部と、前記前胴部に後続して設けられた後胴内筒部、および前記後胴内筒部に後続して当該後胴内筒部と部分的に重なり合って設置されて軸方向に移動可能とされた後胴外筒部を備えた後胴部と、前記後胴外筒部の軸方向に沿って当該後胴外筒部の外周面に設けられた配管と、前記後胴外筒部の切羽側で且つ前記後胴内筒部と重なり合う部分よりも立坑側において前記配管内と連通して前記後胴外筒部に形成された外筒部側貫通孔と、機内から前記外筒部側貫通孔を通り前記配管内に配設されて前記後胴外筒部に設置された電子機器と電気的に接続され、後胴外筒部側と機内側とに分離可能なケーブルと、機内側の前記ケーブルに取り付けられ、前記後胴部の長さが相対的に長くなった第1の状態で後胴外筒部側の前記ケーブルと機内側の前記ケーブルとを連結して前記外筒部側貫通孔に嵌め込まれる接続部材と、前記後胴部の長さが相対的に短くなった第2の状態で後胴外筒部側の前記ケーブルと機内側の前記ケーブルとを分離して前記外筒部側貫通孔に嵌め込まれる閉塞部材と、を有することを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の本発明のシールド掘進機は、上記請求項1に記載の発明において、前記接続部材および前記閉塞部材は、前記外筒部側貫通孔内への水の浸入を防止する止水構造となっている、ことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の本発明のシールド掘進機は、上記請求項1記載の発明において、前記後胴外筒部の内周面から内側に突出して環状に設けられて前記後胴外筒部の軸方向に間隔を開けて複数配置され、前記後胴外筒部と当該後胴外筒部内でトンネルを形成するセグメントの外周との間をシールするテールシールをさらに有し、前記電子機器は、少なくとも1つの前記テールシールに装着され、当該テールシールの姿勢を検出するセンサである、ことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の本発明のシールド掘進機は、上記請求項1記載の発明において、前記後胴外筒部の内周面から内側に突出して環状に設けられ、前記後胴外筒部の軸方向に間隔を開けて複数配置されて当該後胴外筒部とトンネルを形成するセグメントの外周との間をシールするテールシールと、複数の前記テールシールの間で前記後胴外筒部と前記セグメントで囲まれるように形成され、シール剤供給手段から圧送されたシール剤が供給されるシール室とをさらに有し、前記電子機器は、前記シール室に設置され、前記シール室内のシール剤の充填圧を計測する圧力計である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の本発明のシールド掘進機は、上記請求項1~4の何れか一項に記載の発明において、前記後胴内筒部には、前記第2の状態において前記外筒部側貫通孔と連通するとともに前記接続部材が嵌め込み可能とされた内筒部側貫通孔が形成され、前記第2の状態では、後胴外筒部側の前記ケーブルと機内側の前記ケーブルとを連結して前記接続部材を前記内筒部側貫通孔に嵌め込む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、後胴部の長さが相対的に長くなった第1の状態では後胴外筒部側のケーブルと機内側のケーブルとを連結して接続部材を外筒部側貫通孔に嵌め込み、後胴部の長さが相対的に短くなった第2の状態では後胴外筒部側のケーブルと機内側のケーブルとを分離して閉塞部材を外筒部側貫通孔に嵌め込むようにしているので、後胴部が二重構造になったシールド掘進機において、後胴部の長さを短くした場合における電子機器のケーブルと後胴内筒部との干渉を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施の形態であるシールド掘進機の内部を横から透かして見た要部構成図である。
図2図1のシールド掘進機において長くなった状態での後胴プレートを横から見た要部構成図である。
図3図1のシールド掘進機において縮んだ状態での後胴プレートを横から見た要部構成図である。
図4】(a)は後胴外筒部に形成された外筒部側貫通孔に取り付けられた接続プラグを示す説明図、(b)は後胴外筒部に形成された外筒部側貫通孔に取り付けられた閉塞プラグを示す説明図である。
図5図1のシールド掘進機を図2のA線に沿って示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
まず、本実施の形態のシールド掘進機の全体構成について図1を参照して説明する。図1は本実施の形態のシールド掘進機の内部を横から透かして見た要部構成図である。
【0024】
本実施の形態のシールド掘進機1は、例えば、カッタヘッド2で掘削された土砂に添加材を注入して練り混ぜることで生成された不透水性と塑性流動性(自由に変形および移動できる性質)とを有する泥土を、カッタヘッド2と機器本体3との間のチャンバ4内に充填した状態で掘進することにより、切羽の土圧に対抗する泥土圧を発生させて切羽の安定性を確保した状態で掘削を行う泥土加圧式のシールドマシンである。
【0025】
カッタヘッド2は、地盤を掘削するシールドカッタ盤であり、シールド掘進機1の先端頭部の前面に機器本体3の周方向に沿って正逆方向に回転可能な状態で設置されている。
【0026】
このカッタヘッド2の前面(切羽に対向する面)には、センタービットCB、ビットBおよびスクレーパツース(図示せず)等が装着されている。センタービットCBやビットBは、主に地山を切り崩す掘削部品であり、スクレーパツースは、主に地山を切削する切削部品である。なお、ビットBに代えて、例えば、ローラカッタ等を装着してもよい。
【0027】
また、カッタヘッド2の外周には、コピーカッタCCが設置されている。コピーカッタCCは、曲線施工時の余堀りやシールド掘進機1の姿勢制御等を行う役割を備えている。また、カッタヘッド2の裏面内の中央周辺には、複数本の攪拌棒SBが装着されている。攪拌棒SBは、例えば、円柱状の突出部材で形成されており、カッタヘッド2が回転するとチャンバ4内の土砂と添加材とを撹拌混合する役割を備えている。なお、この攪拌棒SBには、例えば、振動センサが内装されている。
【0028】
機器本体3は、シールド掘進機1を駆動する主要構成部である。シールド掘進機1を駆動する機器等は、機器本体3の筒状の外殻を構成するスキンプレート5によって取り囲まれ保護されている。スキンプレート5は、前胴プレート(前胴部)5aと、その後方の後胴プレート(後胴部)5bとを有している。この前胴プレート5aと後胴プレート5bとは、例えば、円筒状の鋼製板によって構成されており、後胴プレート5bの先端の球面軸受部が前胴プレート5aの内周面に接した状態で入り込むことで係合されている。
【0029】
後胴プレート5bは、前胴プレート5a側に位置する後胴内筒部5ba、および後胴内筒部5baに後続して設置された後胴外筒部5bbで構成されている。なお、後胴プレート5bの詳細な構造については後述する。
【0030】
スキンプレート5内の中空空間は、前胴プレート5aの内部に設けられた隔壁7によって切羽側と機内側とに区画されている。隔壁7の切羽側(すなわち、カッタヘッド2と隔壁7との間)には、前述のチャンバ4が設けられている。なお、カッタヘッド2により掘削された土砂等は、カッタヘッド2の前裏面を貫通する貫通孔(図示せず)を通じチャンバ4内に取り込まれるようになっている。
【0031】
一方、スキンプレート5の中空空間の機内側には、カッタ駆動体8、中折れジャッキ9a、シールドジャッキ9b、スクリューコンベア10、エレクタ11およびテールシール12Ba,12Bb等が設置されている。また、シールドジャッキ9bを構成するロッド9baの先端には、シールドジャッキ9bの推力をトンネルを形成するセグメントSG(後述する)の広い範囲に伝えるためのスプレッダ15が、シールドジャッキ9bのロッド9baの位置とセグメントSGの位置とを合わせるためのブロック9bbを介して取り付けられている。なお、図示はしないが、機器本体3には、上記の他に、チャンバ4内の泥土圧を検出する土圧検出部やチャンバ4内に上記添加材(作泥土材)を注入する添加材注入部等、種々の機器が設置されている。
【0032】
カッタ駆動体8は、カッタヘッド2を正逆方向に回転させるモータ(駆動源)であり、カッタヘッド2の正面内の外周近傍位置に、カッタヘッド2の周方向に沿って複数個並んで設置されている。なお、ここでは、カッタ駆動方式として外周支持駆動方式が例示されている。
【0033】
中折れジャッキ9aは、シールド掘進機1の推進方向や姿勢を修正する機器であり、機器本体3内において前胴プレート5aと後胴プレート5bとを連結するように前胴プレート5aと後胴プレート5bとの境界を跨いだ状態で機器本体3の周方向に沿って複数本並んで設置されている。この中折れジャッキ9aに圧油を供給し前胴プレート5aと後胴プレート5bとを予め決められた方向および角度に屈折させた状態でシールド掘進機1を推進することでシールド掘進機1の推進方向や姿勢を制御することが可能になっている。
【0034】
シールドジャッキ9bは、機器本体3の後方に設置されたセグメントSGに反力をとってシールド掘進機1を前進させるための推進力を発生させる機器であり、後胴プレート5bを構成する後胴内筒部5baに設置されている。このシールドジャッキ9bは前胴プレート5aと後胴プレート5bとの境界を跨いだ状態で配置されており、機器本体3の周方向に沿って複数本並んで設置されている。
【0035】
スクリューコンベア10は、チャンバ4内に取り込まれた土砂を機外に排出するための機器であり、チャンバ4から隔壁7を貫通し、後方に向かって斜め上方に連続的に延在するように設置されている。なお、ここでは、リボンスクリューコンベアが例示されている。
【0036】
エレクタ11は、セグメントSGを把持して掘削坑の内周方向に旋回し、掘削坑の内周方向の組立位置に移送する組立装置であり、後胴内筒部5baの内周面に沿って設けられた中間リング体16に取り付けられて、エレクタ駆動用の油圧モータ(図示せず)等によって掘削坑の周方向に沿って回転可能な状態で後胴プレート5bの中空内に設置されている。
【0037】
テールシール12Ba,12Bbは、後胴プレート5bを構成する後胴外筒部5bbの後端においてスキンプレート5の内周とセグメントSGの外周との間に設けられており、掘進作業中に、シールド掘進機1の後端側の外部から機器本体3の機内に、地下水、土砂および裏込め材等(以下、地下水等という)が入り込むのを防止する止水構造部であり、金属製のブラシ、および当該ブラシを挟むようにブラシの厚さ方向の両側と内部に配置された弾性を有する金属板で構成されている。
【0038】
テールシール12Ba,12Bbは、スキンプレート5の最後端側の内周面から内側に突出して、シールド掘進機1の前後方向(シールド掘進機1の軸方向、掘削坑の延在方向)に沿って互いに離間した状態で2箇所に設置されているとともに、各テールシール12Ba,12Bbは、セグメントSGの外周を取り囲むようにスキンプレート5の内周に沿って環状に複数個並んだ状態で設置されている。また、これらのテールシール12Ba,12Bbの間には、後胴外筒部5bbとセグメントSGで囲まれたシール室12Rが形成されている。なお、テールシールの設置個数は2箇所に限定されるものではなく、例えば、シールド掘進機1の前後方向に沿って3箇所以上に設置してもよい。
【0039】
また、各テールシール12Ba,12Bbは、スキンプレート5の内周に片持ち状態で設置されている。すなわち、各テールシール12Ba,12Bbの一端側(機器本体3の前後方向の一端側)はスキンプレート5の内周に固定され、テールシール12Ba,12Bbの一端側と他端側(機器本体3の前後方向の他端側)との間でセグメントSGに向かって傾斜した状態で折れ曲がり、さらに、テールシール12Ba,12Bbの他端側はテールシール12Ba,12Bbのバネ力によってセグメントSGに押し付けられた状態で接触するようになっている。
【0040】
後胴外筒部5bbの外周面には、シール剤供給管(配管)14が設置されている。シール剤供給管14は、シール室12Rにグリス等のようなシール剤を供給するための配管であり、後胴外筒部5bbの外周面の上下および両側部の合計4カ所に設置されている(図4参照)。そして、図示しないシール剤供給手段から圧送されたシール剤がシール剤供給管14を通じてシール室12R内に充填されることにより、後胴外筒部5bbの内周とセグメントSGの外周との隙間がシールされ、テールシール12Ba,12Bbと相俟って、掘進作業中にシールド掘進機1の機内に地下水等が入り込むことが防止される。
【0041】
さらに、後胴外筒部5bbの外周面には、裏込め材供給路(図示せず)が設置されている。裏込め材供給路は、例えば、セメント系の硬化材または固化材からなる裏込め材を後胴外筒部5bbの後方の掘削坑とセグメントSGとの隙間に供給するための配管である。なお、掘削坑とセグメントSGとの隙間に裏込め材を充填することにより、地盤沈下が防止され、さらに、セグメントSGと地山とが一体構造となってセグメントSGの継手からの漏水が防止される。
【0042】
また、裏込め材供給路は、例えば、後胴外筒部5bbの頂部を挟んで2箇所に設けられている。シール剤供給管14は後胴外筒部5bbの外周面の前述した4カ所箇所に設けられているのに対して、裏込め材供給路は後胴外筒部5bbの頂部付近にしか設けられていない。これは、シール剤は粘性が高いので、セグメントSGの外周に付着させるためには後胴外筒部5bbの内周に満遍なく供給しなければならないのに対して、裏込め材は粘性が低いので後胴外筒部5bbの頂部付近に供給すれば自重でセグメントSGの外周下部にまで回り込むからである。
【0043】
なお、シール剤供給管14および裏込め材供給路の形成箇所や形成数は上記したものに限定されない。例えば、シール剤供給管14はさらに数多く設けてもよく、裏込め材供給路は後胴外筒部5bbの軸方向の頂部の1箇所だけに設けてもよい。
【0044】
次に、シールド掘進機1の後胴プレート5bについて図2図4を用いて説明する。図2は長くなった状態での後胴プレートを横から見た要部構成図、図3は縮んだ状態での後胴プレートを横から見た要部構成図、図4(a)は後胴外筒部に形成された外筒部側貫通孔に取り付けられた接続プラグを示す説明図、図4(b)は後胴外筒部に形成された外筒部側貫通孔に取り付けられた閉塞部材を示す説明図である。
【0045】
図2および図3に示すように、後胴プレート5bは、前胴プレート5a側に位置する後胴内筒部5ba、および後胴内筒部5baに後続して設置された後胴外筒部5bbで構成されており、後胴内筒部5baと後胴外筒部5bbとが軸方向で部分的に重なり合っている。また、後胴外筒部5bbは後胴内筒部5baと摺動するようにして軸方向に移動可能になっている。したがって、後胴外筒部5bbの移動によって後胴プレート5bの全長が伸縮する。
【0046】
後胴外筒部5bbの内周面には、第1の固定部材用溝部21、第2の固定部材用溝部22および伝達部材用溝部23が前方から後方に向かって周方向に形成されている。
【0047】
第1の固定部材用溝部21および第2の固定部材用溝部22には、後胴外筒部5bbを後胴内筒部5baに固定して当該後胴外筒部5bbが移動できないようにするための固定部材17がボルトにより着脱可能に且つ選択的に嵌まり込むようになっている。
【0048】
すなわち、図示するように、固定部材17が第1の固定部材用溝部21に嵌まり込むとともに後胴内筒部5baに設けられた中間リング体16に設けられた固定台16aにボルトで固定されることにより、後胴外筒部5bbが伸びた位置、つまり後胴プレート5bの長さが相対的に長くなった状態(第1の状態)で後胴外筒部5bbが後胴内筒部5baに固定される。また、第1の固定部材用溝部21があった位置が第2の固定部材用溝部22の位置となる長さまで後胴外筒部5bbが縮み、その長さで固定部材17が第2の固定部材用溝部22に嵌まり込むとともに後胴内筒部5baに設けられた中間リング体16に設けられた固定台16aにボルトで固定されることにより、後胴外筒部5bbが縮んだ位置、つまり後胴プレート5bの長さが相対的に短くなった状態(第2の状態)で後胴外筒部5bbが後胴内筒部5baに固定される。
【0049】
なお、本実施の形態では、このように後胴外筒部5bbが2段階に移動するようになっているが、3段階以上に移動するようになっていてもよい。この場合には、第1の固定部材用溝部21および第2の固定部材用溝部22以外にさらに固定部材用溝部を形成する。また、本実施の形態では、固定部材17が後胴内筒部5baに設けられた中間リング体16に設けられた固定台16aに固定されることで後胴外筒部5bbが後胴内筒部5baに固定されるようになっているが、固定部材17は後胴内筒部5baの中間リング体16以外に設けられた固定台に固定されるようになっていてもよい。
【0050】
また、伝達部材用溝部23には、シールドジャッキ9bに固定され、シールドジャッキ9bの伸縮により後胴外筒部5bbを軸方向に移動させる伸縮力伝達部材(図示せず)がボルトにより着脱可能に嵌まり込むようになっている。したがって、シールドジャッキ9bの伸縮によって後胴外筒部5bbは前述の第1の状態または第2の状態に移動する。
【0051】
ここで、前側のテールシール12Baには、当該テールシール12Baの姿勢を検出するためのセンサ(電子機器)Sが装着されている。このセンサSは、出力される電気抵抗値により曲げ具合と曲げ方向が検出される長尺フィルム状のセンサであり、コーキングされてテールシール12Baを構成する外側の金属板に貼着されている。また、長尺フィルム状のセンサSは、その長手方向がテールシール12Baの突出方向となるようにして配置されており、テールシール12Baの上下および両側部の合計4カ所に装着されている。
【0052】
なお、本実施の形態では前側のテールシール12BaにセンサSが装着されているが、後側のテールシール12Bbあるいは両方のテールシール12Ba,12Bbに装着されていてもよい。また、センサSのテールシール12Baへの装着形態は本実施の形態に限定されるものではなく、例えばテールシール12Baを構成するブラシの中に配置するなどしてもよい。つまり、センサSはテールシール12Baの金属板あるいはブラシ中に装着されていればよい。さらに、センサSの装着数および装着箇所についても本実施の形態に限定されるものではない。
【0053】
図示するように、後胴外筒部5bbには、当該後胴外筒部5bbの切羽側で且つ後胴内筒部5baと重なり合う部分よりも立坑側に、前述したシール剤供給管14と連通した外筒部側貫通孔H1が形成されている。また、機内には、センサSで検出された電気抵抗値を表示するモニタ(図示せず)が設置されている。そして、機内のモニタと後胴外筒部5bbのテールシール12Baに装着されたセンサSとは、機内側から外筒部側貫通孔H1を通ってシール剤供給管14内に配設されたケーブルCにより電気的に接続されている。このように、本実施の形態では、テールシール12Baの上下および両側部に装着されたセンサSと接続されたケーブルCが、後胴外筒部5bbの外周面の上下および両側部の合計4カ所に設置されたシール剤供給管14内に配設されており、ケーブルCを配設するための配管とシール剤を供給するための配管とが共用されている。但し、ケーブルCを配設するための配管は、シール剤供給管14と共用することなく専用の配管として後胴外筒部5bbの外周面に設けてもよい。なお、本実施の形態では、外筒部側貫通孔H1はシール剤供給管14の先端部と連通する位置に形成されているが、形成位置は特に限定されるものではない。
【0054】
ケーブルCは、後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとに分離可能になっている。具体的には、ケーブルCは、後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとがギボシ端子のように着脱可能な端子26を介して接続された構造となっており、当該端子26は外筒部側貫通孔H1内に位置している。よって、端子26を機内側に引き出して接続を解除することにより、ケーブルCが後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとに分離される。
【0055】
このようにケーブルCを分離可能にしたのは、後胴外筒部5bbが軸方向に移動可能になって後胴プレート5bの全長が伸縮するようになっているためである。すなわち、図2に示す後胴プレート5bが長くなった第1の状態から後胴外筒部5bbを移動させて(後胴内筒部5baに引き込んで)図3に示す後胴プレート5bが縮んだ第2の状態にした場合、後胴外筒部5bbに形成された外筒部側貫通孔H1が後胴内筒部5baと重なる位置まで移動するために、外筒部側貫通孔H1から機内側にケーブルCが出ていると後胴内筒部5baと干渉することになる。そのため、後胴プレート5bを第1の状態から第2の状態にする場合には、予めケーブルCを後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとに分離しておくことが必要になるからである。
【0056】
なお、後胴内筒部5baには、図3に示すように、後胴プレート5bが縮んだ第2の状態で外筒部側貫通孔H1と連通する内筒部側貫通孔H2が形成されている。これにより、第2の状態では、内筒部側貫通孔H2を介して後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとを連結することができるようになっている。
【0057】
図4(a)に示すように、機内側のケーブルCbには、外筒部側貫通孔H1に嵌め込み可能になった接続プラグ(接続部材)24が取り付けられている。機内側のケーブルCbは接続プラグ24を貫通して僅かに突出しており、突出端に前述の着脱可能な端子26の一方が圧着されている。なお、接続プラグ24は内筒部側貫通孔H2にも嵌め込み可能になっている。また、本実施の形態において、接続プラグ24はねじ込み式で外筒部側貫通孔H1や内筒部側貫通孔H2に嵌め込まれているが、ねじ込み式以外の形式(例えば、爪部の弾性変形を利用した形式など)であってもよい。
【0058】
図示するように、接続プラグ24は、外周に形成された雄ネジが外筒部側貫通孔H1に形成された雌ネジと螺合する止水ボス24aと、止水ボス24aに装着された環状のゴムパッキン24bと、ゴムパッキン24bを止水ボス24aに押さえ付ける押えリング24cと、止水ボス24aに締め込まれて押えリング24cの脱落を防止するナット24dとで構成されている。したがって、接続プラグ24は、当該接続プラグ24を外筒部側貫通孔H1に嵌め込むことで後胴外筒部5bb内への水の浸入が防止される止水構造となっている。但し、接続プラグ24の構造は本実施の形態の形態に示すものに限定されるものではなく、また止水構造ではなくてもよい。
【0059】
前述のように、後胴プレート5bを第1の状態から第2の状態にする場合にはケーブルCを後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとに分離するが、このときには接続プラグ24が取り外される。そして、図4(b)に示すように、閉塞プラグ(閉塞部材)25を嵌め込んで外筒部側貫通孔H1を閉塞する。図示するように、閉塞プラグ25にはゴムパッキン25aが嵌め込まれた止水構造となっており、接続プラグ24と同様に、閉塞プラグ25を外筒部側貫通孔H1に嵌め込むことで後胴外筒部5bb内への水の浸入が防止される。但し、閉塞プラグ25の構造も本実施の形態の形態に示すものに限定されるものではなく、また止水構造ではなくてもよい。
【0060】
なお、前述のように、後胴プレート5bを第2の状態にしたときには後胴外筒部5bbに形成された外筒部側貫通孔H1が後胴内筒部5baと重なり合う。したがって、後胴外筒部5bbが第2の状態に移動する際に外筒部側貫通孔H1に嵌め込まれた閉塞プラグ25が後胴内筒部5baと干渉しないように、当該閉塞プラグ25は外筒部側貫通孔H1内に収まるサイズになっている(図4(b)参照)。
【0061】
図5図1のシールド掘進機を図2のA線に沿って示す断面図である。
【0062】
図5に示すように、後胴内筒部5baの内周面に沿って中間リング体16が環状に設けられており、中間リング体16には、複数本(本実施の形態では8本)のシールドジャッキ9bが一定の間隔を開けて周方向に設置されている。また、シールドジャッキ9bとシールドジャッキ9bとの間には、後胴外筒部5bbを後胴内筒部5baに固定するための固定部材17が、後胴外筒部5bbに形成された第1の固定部材用溝部21に嵌め込まれた状態で位置している。
【0063】
また、上下2カ所ずつのシールドジャッキ9bと固定部材17との間には、後胴外筒部5bbの後胴内筒部5baに対する周方向へのずれを規制するためのローリングストッパ19が設けられている。このローリングストッパ19により、曲線施工時に発生しやすいローリング(後胴外筒部5bbの周方向へのずれ)が防止される。なお、ローリングストッパ19は、後胴外筒部5bbの軸方向に沿って延びた嵌合溝(図示せず)と、後胴内筒部5baに設けられて嵌合溝に嵌まり込んで嵌合溝に沿って移動可能な嵌合部材(図示せず)とからなる。
【0064】
さらに、図示するように、後胴外筒部5bbの外周面の上下および両側部の合計4カ所には、シール室12Rにシール剤を供給するためのシール剤供給管14が設置されている。
【0065】
次に、以上の構成を有するシールド掘進機1における後胴プレート5bの伸縮について説明する。
【0066】
後胴プレート5bの長さが相対的に長くなった第1の状態では、図2に示すように、後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとを連結しておき、接続プラグ24を外筒部側貫通孔H1に嵌め込んで、シールド掘進機1によりシールドトンネルの施工(例えば直線施工)を行う。
【0067】
そして、例えばシールドトンネルの曲線部を施工する際には、シールド掘進機1を中折れ操作して当該シールド掘進機1を曲線に合わせて屈曲させるとともに、後胴プレート5bの長さが相対的に短くなった第2の状態にする。すなわち、第1の状態において、接続プラグ24を外筒部側貫通孔H1から外し、ケーブルCを後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとに分離する。さらに、外筒部側貫通孔H1に閉塞プラグ25を嵌め込む。そして、後胴外筒部5bbを移動して後胴プレート5bを第2の状態にしたならば、内筒部側貫通孔H2を通して後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとを連結して接続プラグ24を内筒部側貫通孔H2に嵌め込む。このようにケーブルCの配線経路を変更して、シールド掘進機1によりシールドトンネルの施工(例えば曲線施工)を行う。
【0068】
なお、後胴プレート5bを第2の状態から第1の状態に戻すには、第2の状態において、接続プラグ24を内筒部側貫通孔H2から外し、ケーブルCを後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとに分離する。そして、後胴外筒部5bbを移動して後胴プレート5bを第1の状態にし、外筒部側貫通孔H1を通して後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとを連結して接続プラグ24を外筒部側貫通孔H1に嵌め込む。
【0069】
このように、本実施の形態のシールド掘進機1によれば、後胴プレート5bの長さが相対的に長くなった第1の状態では後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとを連結して接続プラグ24を外筒部側貫通孔H1に嵌め込み、後胴プレート5bの長さが相対的に短くなった第2の状態では後胴外筒部側のケーブルCaと機内側のケーブルCbとを分離して閉塞プラグ25を外筒部側貫通孔H1に嵌め込むようにしているので、後胴プレート5bが二重構造になったシールド掘進機1において、後胴プレート5bの長さを短くした場合におけるセンサSのケーブルCと後胴内筒部5baとの干渉を防止することが可能になる。
【0070】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0071】
例えば、本実施の形態では、電子機器としてはテールシール12Baの姿勢を検出するセンサSが例示されているが、本発明の電子機器はこれに限定されるものではなく、後胴外筒部5bbに設置された様々な電子機器が適用される。したがって、電子機器と接続されたケーブルCは、センサS以外の電子機器と接続されたケーブルCであってもよい。一例を挙げると、シール室12R内のシール剤の充填圧を計測するために設置した圧力計を電子機器としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上の説明では、本発明を泥土圧シールド掘進機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、チャンバ内の泥水に所定の圧力を加えることにより切羽を安定させ、泥水を循環させることにより掘削土砂を輸送する仕組みを持つ泥水式シールド掘進機など、他のシールド掘進機にも適用できる。
【符号の説明】
【0073】
1 シールド掘進機
2 カッタヘッド
3 機器本体
5 スキンプレート
5a 前胴プレート(前胴部)
5b 後胴プレート(後胴部)
5ba 後胴内筒部
5bb 後胴外筒部
9b シールドジャッキ
12Ba,12Bb テールシール
12R シール室
14 シール剤供給管(配管)
21 第1の固定部材用溝部
22 第2の固定部材用溝部
23 伝達部材用溝部
24 接続プラグ(接続部材)
24a 止水ボス
24b ゴムパッキン
24c リング
24d ナット
25 閉塞プラグ(閉塞部材)
25a ゴムパッキン
26 端子
C ケーブル
Ca 後胴外筒部側のケーブル
Cb 機内側のケーブル
H1 外筒部側貫通孔
H2 内筒部側貫通孔
S センサ(電子機器)
SG セグメント
図1
図2
図3
図4
図5