(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139170
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】退去システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023049993
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】523028840
【氏名又は名称】REMODELA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】福本 拓磨
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC28
5L050CC28
(57)【要約】
【課題】退去者が不動産から退去するときにおける立ち会いを効率よく行うことができると共に、納得感を得られる原状回復費用を効率的に決定できる退去システムを提供する。
【解決手段】一実施形態に係る退去システムでは、退去者用端末T1は、不動産の第1欠陥部C1を撮影する機能と、撮影する機能によって撮影された第1欠陥部C1の画像を送信する機能と、第1欠陥部C1を補修するために必要な第1金額を受信する機能と、第1金額に合意するか否かを受け付ける機能と、第1金額に合意するか否かを送信する機能と、を有する。立会人用端末T2は、第1欠陥部C1の画像を受信する機能と、第1欠陥部C1の画像を受信した後に第1欠陥部C1を補修するために必要な第1金額を受け付ける機能と、第1金額を送信する機能と、退去者が第1金額に合意するか否かを受信する機能と、を有する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産から退去する退去者が使用する退去者用端末と、前記退去者用端末と通信可能であって前記不動産を管理する立会人が使用する立会人用端末と、を備え、前記退去者が前記不動産から退去するときに用いられる退去システムであって、
前記退去者用端末は、
前記不動産の第1欠陥部を撮影する機能と、
前記撮影する機能によって撮影された前記第1欠陥部の画像を送信する機能と、
前記第1欠陥部を補修するために必要な第1金額を受信する機能と、
前記第1金額に合意するか否かを受け付ける機能と、
前記第1金額に合意するか否かを送信する機能と、
を有し、
前記立会人用端末は、
前記第1欠陥部の画像を受信する機能と、
前記第1欠陥部の画像を受信した後に前記第1欠陥部を補修するために必要な前記第1金額を受け付ける機能と、
前記第1金額を送信する機能と、
前記退去者が前記第1金額に合意するか否かを受信する機能と、
を有する、
退去システム。
【請求項2】
前記立会人用端末は、
前記立会人によって把握されている前記不動産の第2欠陥部の情報を受け付ける機能と、
前記第2欠陥部を補修するために必要な第2金額を受け付ける機能と、
前記第2欠陥部の情報、及び前記第2金額を送信する機能と、
前記退去者が前記第2金額に合意するか否かを受信する機能と、
を有し、
前記退去者用端末は、
前記第2欠陥部の情報、及び前記第2金額を受信する機能と、
前記第2金額に合意するか否かを受け付ける機能と、
前記第2金額に合意するか否かを送信する機能と、
を有する、
請求項1に記載の退去システム。
【請求項3】
前記退去者用端末は、
前記不動産において禁止されている行為の有無の確認画面を表示する機能と、
前記確認画面において前記行為の有無の入力を受け付ける機能と、
入力された前記行為の有無を送信する機能と、
を有し、
前記立会人用端末は、前記行為の有無を受信する機能を有する、
請求項1又は2に記載の退去システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、不動産から退去者が退去するときに用いられる退去システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、家賃の支払いを保証する家賃保証者が退去の手続を行う退去支援システムが記載されている。家賃保証者とは、入居者が家賃又は原状回復費用を支払うことができない場合に、入居者に代わって家賃又は原状回復費用を代位弁済することを契約している家賃保証会社、家賃保証会社の従業者、又は家賃保証会社から委託を受けた者とされている。
【0003】
退去支援システムでは、物件内で発生したキズ、汚れ又は破損について、家賃保証者から報告がなされる。退去支援システムでは、予めキズ、汚れ及び破損の画像が記憶されている。家賃保証者は、物件内で発生したキズ、汚れ及び破損を撮影し、撮影した画像データを退去支援システムに送信する。
【0004】
退去支援システムは、受信した画像データと予め記憶している画像とを比較してキズの程度を数値によって特定し、予め記憶している費用テーブルにおける特定した数値の費用を抽出して原状回復費用を算出する。このように、退去支援システムでは、家賃保証者による報告が完了した後に原状回復費用を自動的に算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、不動産から退去者が退去するときには、立会人が当該不動産に出向いて退去の立ち会いをする場合がある。しかしながら、退去の度に立会人が不動産に出向いて立ち会いを行う場合には、立ち会いに多大な労力を要することになる。特に、引っ越しが多い時期等には退去が頻発することがあり、このような場合にいちいち不動産に出向くのは困難となりうる。
【0007】
また、立ち会いのときに、壁に付着したタバコのヤニ、又は壁に空いた穴等、不動産の欠陥が発覚することがある。立ち合いのときに欠陥部が発見されると、欠陥部を修理するための費用について、立会人と退去者との間で折り合いがつかないことがあり、これが立ち会いに時間を要する一因となる。このように、退去者が不動産から退去するときには、立ち会いを効率よく行えないという問題がある。
【0008】
前述した退去支援システムでは、キズ等の有無の報告を終えた後に原状回復費用が自動的に算出される。しかしながら、このように原状回復費用が後で算出される場合、原状回復費用を後で知った退去者等は、算出された原状回復費用に納得できないことがある。従って、納得感を得られる原状回復費用を効率的に決定できないという問題が生じうる。
【0009】
本開示は、退去者が不動産から退去するときにおける立ち会いを効率よく行うことができると共に、納得感を得られる原状回復費用を効率的に決定できる退去システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る退去システムは、(1)不動産から退去する退去者が使用する退去者用端末と、退去者用端末と通信可能であって不動産を管理する立会人が使用する立会人用端末と、を備え、退去者が不動産から退去するときに用いられる退去システムである。退去者用端末は、不動産の第1欠陥部を撮影する機能と、撮影する機能によって撮影された第1欠陥部の画像を送信する機能と、第1欠陥部を補修するために必要な第1金額を受信する機能と、第1金額に合意するか否かを受け付ける機能と、第1金額に合意するか否かを送信する機能と、を有する。立会人用端末は、第1欠陥部の画像を受信する機能と、第1欠陥部の画像を受信した後に第1欠陥部を補修するために必要な第1金額を受け付ける機能と、第1金額を送信する機能と、退去者が第1金額に合意するか否かを受信する機能と、を有する。
【0011】
この退去システムは、退去者用端末と、退去者用端末と通信可能な立会人用端末とを備え、退去者用端末と立会人用端末との間で通信されることによって立ち会いが行われる。従って、立会人が不動産に出向く必要がないので、立ち会いを効率よく行うことができる。退去システムでは、不動産の第1欠陥部が退去者用端末によって撮影され、撮影された第1欠陥部の画像が送信される。立会人用端末は、退去者用端末から送信された第1欠陥部の画像を受信する。従って、立会人は、不動産の第1欠陥部の情報を画像として把握することができるので、第1欠陥部の欠陥の程度から第1欠陥部の補修にかかる第1金額を見積もることができる。立会人用端末は第1金額を受け付ける機能と第1金額を送信する機能とを有し、退去者用端末は第1金額を受信する機能を有する。よって、退去者は、第1欠陥部の補修に必要な第1金額を速やかに把握できる。更に、退去者用端末は、第1金額に合意するか否かを受け付ける機能と、当該合意するか否かを送信する機能とを有し、立会人用端末は当該合意するか否かを受信する機能を有する。従って、退去者は、立会人に対して第1金額に合意するか否かの意思表示をオンラインですることができるため、第1金額について退去者と立会人との間で折り合いをつけやすい。よって、退去者及び立会人の双方にとって納得感が高い原状回復費用をスピーディーに決定できる。以上より、退去者が不動産から退去するときにおける立ち会いをオンラインで効率よく行うことができると共に、納得感を得られる原状回復費用を効率的に決定できる。
【0012】
(2)上記(1)において、立会人用端末は、立会人によって把握されている不動産の第2欠陥部の情報を受け付ける機能と、第2欠陥部を補修するために必要な第2金額を受け付ける機能と、第2欠陥部の情報、及び第2金額を送信する機能と、退去者が第2金額に合意するか否かを受信する機能と、を有してもよい。退去者用端末は、第2欠陥部の情報、及び第2金額を受信する機能と、第2金額に合意するか否かを受け付ける機能と、第2金額に合意するか否かを送信する機能と、を有してもよい。この場合、立会人が予め把握している不動産の第2欠陥部の情報と、第2欠陥部を補修するために必要な第2金額とを退去者用端末に送信することができる。従って、立会人が把握している第2欠陥部の情報と第2金額とを退去者に確認してもらうことができる。よって、不動産に生じた欠陥部の情報をより確実に退去者に伝えることができる。
【0013】
(3)上記(1)又は(2)において、退去者用端末は、不動産において禁止されている行為の有無の確認画面を表示する機能と、確認画面において行為の有無の入力を受け付ける機能と、入力された行為の有無を送信する機能と、を有してもよい。立会人用端末は、行為の有無を受信する機能を有してもよい。この場合、退去者に禁止行為の有無を確認してもらうことができ、禁止行為の有無の情報が立会人用端末に送信される。よって、立会人は、退去者による禁止行為の有無を把握することができると共に、禁止行為があったときに然るべき対応をとることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、退去者が不動産から退去するときにおける立ち会いを効率よく行うことができると共に、納得感を得られる原状回復費用を効率的に決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る退去システムの機能の構成の例を示すブロック図である。
【
図5】立ち会いの一覧表示画面の例を示す図である。
【
図6】退去者用端末に表示されるログイン画面の例を示す図である。
【
図8】退去者の画像が表示された画面の例を示す図である。
【
図9】不動産の第1欠陥部の画像の例を示す図である。
【
図10】第1欠陥部の補修のために必要な第1金額の表示画面の例を示す図である。
【
図11】第1金額に退去者が合意するか否かを表示する画面の例を示す図である。
【
図12】(a)及び(b)は、立会人が把握している第2欠陥部の情報の画像を示す図である。
【
図13】第2金額に退去者が合意するか否かの画面の例を示す図である。
【
図14】退去者用端末に表示される禁止事項の有無確認の画面の例を示す図である。
【
図15】禁止事項の結果必要となった補償金額の設定画面の例を示す図である。
【
図16】退去立会合意書の表示画面の例を示す図である。
【
図17】退去者用端末に表示されるサイン入力画面の例を示す図である。
【
図18】実施形態に係る退去方法の例を示すシーケンス図である。
【
図19】実施形態に係る退去方法の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図面を参照しながら本開示に係る退去システムの実施形態について説明する。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、画面のレイアウト等は図面に記載のものに限定されない。すなわち、退去システムにおいて用いられる画面のレイアウト等は、後述する例に限られず適宜変更可能である。
【0017】
一実施形態に係る退去システムは、退去者の退去時に行われる立ち会いをオンラインで行うシステムであり、退去の立ち会いを効率よく行うことを可能にする。退去システムでは、例えば、退去者及び立会人がスマートフォン、パソコン又はモバイル端末を用いてオンライン立ち会いを行う。
【0018】
通常、昔から不動産から退去者が退去するときに、退去は不動産の管理者である立会人の立ち会いの下で行われる。従来の立ち会いでは、借主である退去者と、貸主である立会人とが当該不動産を一緒に確認し、補修が必要な箇所がある場合には、その補修にどのように対処するかが話し合われる。
【0019】
立会人が不動産の立ち会いを行うには、不動産の現場まで出向く時間と、立ち会いそのものの時間とがかかり、1時間以上かかることもよくある。従って、毎回不動産の現場まで出向いて立ち会いを行う場合、立会人の負荷が大きいという問題が生じうる。特に、年度末等、引っ越しが頻発する時期になると退去者が続出することがあり、このようなときには更に立会人の負荷が増大する。また、立ち会い時に発覚した欠陥部等の工事を行う工事業者への発注が限られるので、工事を取りこぼしてしまうということも生じうる。従って、立会人等の負荷を軽減させることが求められる。
【0020】
一実施形態に係る退去システムでは、退去者が不動産から退去するときに、例えば、当該不動産のところにいる退去者と、当該不動産から離れた遠隔地にいる立会人との間でオンラインによって立ち会いが行われる。よって、立会人は不動産の現場に出向く必要がないので、立会人の負荷を著しく低減できる。
【0021】
一実施形態に係る退去システムでは、退去者用端末によって不動産の欠陥部が撮影され、撮影された欠陥部の画像が立会人用端末に送信される。従って、立会人は、遠隔地にいながら不動産の欠陥部の情報を把握できる。一実施形態に係る退去システムでは、立会人用端末に欠陥部の補修のために必要な金額が入力され、当該金額が退去者用端末に送信される。よって、退去者は欠陥部の補修に必要な金額を把握できる。
【0022】
退去者用端末は退去者が金額に合意するか否かを入力する機能を有し、当該合意するか否かは立会人用端末に送信される。このように、退去者は金額に合意するか否かの意思表示をすることができ、その意思表示を立会人が把握できるので、退去者と立会人との間でオンラインでインタラクティブなやりとりをすることができる。その結果、一実施形態に係る退去システムでは、退去の立ち会いを短時間でスムーズに進めることができる。更に、欠陥部がある場合でも、欠陥部を補修する工事が簡易であれば、現地調査を不要とすることもできる。
【0023】
一実施形態において、「不動産」は、土地、及び土地に定着する建物を示している。例えば、不動産は、アパート、マンション、ビル、店舗、倉庫、又は工場である。不動産は物件であってもよい。よって、以下では不動産を物件と称することもある。「退去」は、立ち退くこと、すなわち、その場をあけて他の場所に移動することを示している。「退去者」は、退去する人を示しており、例えば、アパートの賃借人である。
【0024】
「立ち会い」は、物事の成り行き又は結果を見守ることを示している。本実施形態において、「立ち会い」は、必ずしもその場に居合わせなくてもよく、オンラインで遠隔地から物事の成り行き又は結果を見守ることを含む。「立会人」は、立ち会いを行う人又は組織(例えば、不動産の管理会社)を示している。例えば、「立会人」は、不動産の貸主、又は立ち会いを行う人そのものであってもよいし、不動産の管理会社の構成員であってもよい。
【0025】
退去者が不動産から退去するときに、不動産に欠陥部があることが発覚する場合がある。「欠陥部」とは、不動産における欠陥がある部分を示している。例えば、「欠陥部」は、建物の壁、床若しくは天井にあいた穴、又は、タバコのヤニ等、壁、床又は天井に付着した汚れを示している。欠陥部は、補修が必要になる場合がある。「補修」とは、欠陥部を修復することを示している。例えば、補修は、原状回復である。具体例として、「補修」は、壁の穴を塞ぐこと、又は、壁紙を貼り替えることを示している。
【0026】
図1は、本実施形態において例示する退去システム1のブロック図である。例えば、退去システム1は、情報端末において実行されるアプリケーション等のプログラムを有する。退去システム1は、例えば、後述する退去者用端末T1及び立会人用端末T2と通信可能なサーバ上で実行されてもよい。また、退去システム1は、退去者用端末T1にダウンロードされた退去プログラムP1、及び立会人用端末T2にダウンロードされた退去プログラムP2によって実行されてもよい。
【0027】
退去者用端末T1及び立会人用端末T2は情報端末である。「情報端末」は、例えば、携帯端末である。「携帯端末」は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット又はノートパソコン等、携帯可能な情報端末を示している。「情報端末」は、携帯端末以外の端末であってもよく、例えば、パソコンであってもよい。
【0028】
「情報端末」は、一例として、オペレーティングシステム及びソフトウェア(アプリケーション)等を実行するプロセッサ(例えばCPU)と、ROM及びRAMによって構成される主記憶部と、フラッシュメモリ等によって構成される補助記憶部と、無線通信モジュール等によって構成される通信制御部と、入力装置と、ディスプレイ等の出力装置とを備える。但し、「情報端末」の構成は、上記に限定されず適宜変更可能である。以下では、主記憶部及び補助記憶部等、情報端末において情報が記憶される部分をメモリと称することがある。
【0029】
「情報端末」の各機能要素は、プロセッサ又は記憶部(例えば前述した主記憶部又は補助記憶部)に所定のソフトウェアを読み込ませて当該ソフトウェアを実行することによって実現される。プロセッサは、当該ソフトウェアに従って、前述した通信制御部、入力装置又は出力装置を動作させ、記憶部におけるデータの読み出し及び書き出しを行う。「情報端末」の処理に用いられるデータ又はデータベースは記憶部に格納される。
【0030】
退去システム1は、複数のコンピュータによって構成される分散処理システムであってもよいし、クライアントサーバシステム、又はクラウドシステムであってもよい。前述したように、退去システム1は、退去プログラムP1,P2を備えていてもよい。退去プログラムP1及び退去プログラムP2のそれぞれは、例えば、メインモジュール、データ取得モジュール、判定モジュール、及び出力モジュールを含む。
【0031】
データ取得モジュール、判定モジュール、及び出力モジュールが実行されることによって退去システム1(退去プログラムP1及び退去プログラムP2のそれぞれ)の各機能要素が機能する。退去システム1は、一例として、CD-ROM、DVD-ROM、又は半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されるものであってもよい。この場合、退去プログラムP1,P2は記録媒体に記録された状態で提供される。また、退去プログラムP1,P2は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されるものであってもよい。
【0032】
例えば、退去システム1は、退去者の情報端末である退去者用端末T1と、立会人の情報端末である立会人用端末T2とを備え、退去者用端末T1及び立会人用端末T2は互いに通信可能とされている。上記の例とは異なり、退去システム1は、サーバを備え、当該サーバが退去者用端末T1及び立会人用端末T2のそれぞれと通信可能とされていてもよい。
【0033】
本実施形態において、退去システム1は、退去者用端末T1と、立会人用端末T2と、退去者用端末T1及び立会人用端末T2のそれぞれにダウンロードされた退去プログラムP1,P2とを備える。
図1は、退去者用端末T1及び立会人用端末T2の機能構成を示すブロック図である。
【0034】
図1に示されるように、退去プログラムP1は、表示制御部11と、記憶部12と、認証部13と、撮影部14と、画像送信部15と、金額受信部16と、合意受付部17と、合意送信部18と、入力受付部20と、禁止行為有無送信部21と、通信部22とを有する。退去プログラムP2は、表示制御部31と、記憶部32と、退去情報設定部33と、画像受信部34と、金額受付部35と、金額送信部36と、合意受信部37と、欠陥部情報受付部38と、禁止行為有無受信部39と、通信部40とを有する。
【0035】
表示制御部11は、退去プログラムP1の各機能が実行された結果を退去者用端末T1のディスプレイD1に表示する機能である。表示制御部11は、退去者用端末T1のCPU及びディスプレイD1によって実現される。退去者用端末T1(ディスプレイD1)に表示される後述の各画面は表示制御部11によって表示制御される。記憶部12は、退去プログラムP1の各機能が実行された結果、及び退去者用端末T1が受信した情報をメモリに記憶する機能である。記憶部12は、退去者用端末T1のCPU及びメモリの少なくともいずれかによって実現される。
【0036】
表示制御部31は、退去プログラムP2の各機能が実行された結果を立会人用端末T2のディスプレイD2に表示する機能である。表示制御部31は、立会人用端末T2のCPU及びディスプレイD2によって実現される。立会人用端末T2(ディスプレイD2)に表示される後述の各画面は表示制御部31によって表示制御される。記憶部32は、退去プログラムP2の各機能が実行された結果、及び立会人用端末T2が受信した情報をメモリに記憶する機能である。記憶部32は、立会人用端末T2のCPU及びメモリの少なくともいずれかによって実現される。
【0037】
退去情報設定部33は、退去者の基本情報を設定する機能である。例えば
図2に示されるように、退去情報設定部33は、退去をする旨の連絡を退去者から受けた後に、退去情報入力画面M1を表示制御部31に表示させる。一例として、退去情報入力画面M1は、物件名入力部M11、部屋番号入力部M12、駐車場番号入力部M13、契約開始日入力部M14、契約終了日入力部M15、退去立会日入力部M16、入居月数入力部M17、借主負担割合入力部M18、及び間取り図入力部M19を有する。
【0038】
例えば、退去情報入力画面M1、及び後述する退去情報入力画面M2,M3への各情報の入力は、退去者から退去の連絡を受けた立会人によって行われる。物件名入力部M11には退去者の物件名が入力され、部屋番号入力部M12には退去者の部屋番号が入力される。駐車場番号入力部M13には退去者が使用している駐車場の番号が入力される。契約開始日入力部M14には物件の契約開始日が入力され、契約終了日入力部M15には物件の契約終了日が入力される。
【0039】
退去立会日入力部M16は、退去立会日が決まっているか否かの情報と退去立会日とが入力される。入居月数入力部M17には退去者が当該物件に住んでいた月数が入力される。借主負担割合入力部M18には物件に欠陥部があった場合等における原状回復の借主負担割合が入力され、間取り図入力部M19には物件の間取り図が入力される。
【0040】
例えば、物件名入力部M11、部屋番号入力部M12、駐車場番号入力部M13、契約開始日入力部M14、契約終了日入力部M15、退去立会日入力部M16、入居月数入力部M17、借主負担割合入力部M18、及び間取り図入力部M19の全てへの入力は必須ではなく、最低限必須と記載された項目のみが入力されればよい。退去情報入力画面M1における各項目への入力が完了した後に、退去情報入力画面M1に表示されている次へボタンB1が押下される。
【0041】
次へボタンB1が押下されると、例えば
図3に示されるように、退去情報設定部33は、退去情報入力画面M2を表示制御部31に表示させる。一例として、退去情報入力画面M2は、返金情報入力部M21、預り金入力部M22、その他清算金入力部M23、及び清算金振込先入力部M24を有する。
【0042】
例えば、返金情報入力部M21には、退去者(一例として賃借人)への返金の項目(例えば、日割り家賃返金)とその金額が入力される。預り金入力部M22には、退去者から預かっているお金の項目(例えば、敷金又は保証金)及び金額が入力される。その他清算金入力部M23には、返金情報入力部M21又は預り金入力部M22以外の清算金の項目(例えば、解約違約金又はクリーニング代)及びその金額が入力される。
【0043】
清算金振込先入力部M24には、退去者に清算金を支払うための振込口座の情報が入力される。返金情報入力部M21、預り金入力部M22、その他清算金入力部M23及び清算金振込先入力部M24の少なくともいずれかに入力がなされた後に、退去情報入力画面M2に表示されている次へボタンB2が押下される。
【0044】
次へボタンB2が押下されると、例えば
図4に示されるように、退去情報設定部33は、退去情報入力画面M3を表示制御部31に表示させる。一例として、退去情報入力画面M3は、貸与物入力部M31、貸与物返送方法入力部M32、及び貸与物返送先入力部M33を有する。
【0045】
貸与物入力部M31には、退去者に貸与している物の種類(例えば、玄関鍵又は宅配ボックスカード)が入力される。貸与物返送方法入力部M32には、退去者に貸与している物の返送方法が入力される。例えば、貸与物返送方法入力部M32には、レターパックによる郵送、又は部屋に置いておく等と入力される。
【0046】
貸与物返送先入力部M33には、退去者に貸与している物の郵送先の郵便番号及び住所が入力される。貸与物入力部M31、貸与物返送方法入力部M32及び貸与物返送先入力部M33の少なくともいずれかに入力がなされた後に、退去情報入力画面M3に表示されている完了ボタンB3が押下される。
【0047】
完了ボタンB3が押されると退去情報の入力が完了する。
図5は、一例としての退去情報画面M4を示す図である。例えば、完了ボタンB3が押されると、退去情報設定部33が表示制御部31に退去情報画面M4を表示させる。一例として、退去情報画面M4は、退去情報一覧M41を有する。
【0048】
退去情報一覧M41は、退去情報項目M42を有する。例えば、前述した完了ボタンB3が押下されて退去情報の入力が完了すると、当該退去情報が退去情報項目M42として表示される。退去情報項目M42は、一例として、物件名M43と、退去情報作成日M44と、立会日M45とを有する。
【0049】
退去情報一覧M41において複数の退去情報項目M42が表示されることにより、立会人は、どの物件で何月何日に退去があるかを一目で把握することができる。退去情報画面M4には事前準備ボタンM46が表示されており、事前準備ボタンM46が押下されると退去情報入力画面M1(
図2参照)に遷移する。これにより、新たに退去情報を追加することができる。
【0050】
次に、退去者に提供される機能の例について説明する。例えば
図6に示されるように、認証部13は、認証画面M5を表示制御部11に表示させる。一例として、認証画面M5は、電話番号入力部M51と、ログインボタンM52とを有する。電話番号入力部M51には退去者によって電話番号が入力される。
【0051】
電話番号入力部M51に退去者の退去者用端末T1の電話番号が入力された状態でログインボタンM52が押下されると退去システム1へのログインが実行される。一方、電話番号入力部M51に当該電話番号以外の文字列が入力された状態でログインボタンM52が押下されると退去システム1へのログインが拒否される。
【0052】
例えば
図7に示されるように、表示制御部11は、退去者による退去システム1へのログインが実行されたときに退去説明画面M6を表示する。一例として、退去説明画面M6は、説明表示ボタンM61、ガイドライン表示ボタンM62、試行ボタンM63、及び退去情報表示ボタンM64を有する。
【0053】
説明表示ボタンM61が押下されると、表示制御部11によって立ち会いの情報がディスプレイD1に表示される。例えば、立ち会いの情報は、立ち会いがオンラインによって行われること、欠陥部の写真撮影が必要であること、欠陥部の確認後にサインが必要であること、及び、貸与物の返却については貸主の指示に従うことを含んでいる。立ち会いの情報は、立ち会いの日から数日後(一例として2週間程度後)に請求書が送付されることを含んでいてもよい。
【0054】
説明表示ボタンM61が押下されたときに、表示制御部11によって立ち会いの注意事項がディスプレイD1に表示されてもよい。例えば、注意事項は、室内が明るくないと撮影を上手く行えない場合があること、電気は退去日まで解約しない方がいいこと、立ち会いの前までに全ての荷物を撤去すること、荷物がある場合には撤去費用がかかる可能性があること、及び、立ち会いの開始予定時刻に当該物件に到着しない場合には立ち会いの日にちが変更される可能性があることを含んでいる。
【0055】
更に、上記の注意事項は、欠陥部が適切に撮影されていない場合、又は欠陥部の補修に必要な金額が確定しない場合には、立会日以降に追加の請求をする可能性があること、立ち会いの内容が全て録画されること、及び、欠陥部の虚偽報告をしてはならないことを含んでいてもよい。
【0056】
ガイドライン表示ボタンM62が押下されると、表示制御部11によって退去のガイドラインが表示される。一例として、ガイドラインは、国土交通省による原状回復をめぐるトラブルとガイドラインである。試行ボタンM63が押下されると、退去の事前練習画面がディスプレイD1に表示される。これにより、退去者は、オンライン立ち会いの事前練習を行うことができる。
【0057】
次に、オンライン立ち会いの例について説明する。例えば、退去者が退去情報表示ボタンM64を押下することによってオンライン立ち会いが開始される。退去情報表示ボタンM64が押下されると、例えば
図8に示されるように、表示制御部11が立ち会い開始確認画面M7を退去者用端末T1に表示する。
【0058】
一例として、立ち会い開始確認画面M7は、立ち会いの日時M71と、退去者Aの画像M72と、立ち会いの開始ボタンM73と、契約内容確認ボタンM74とを有する。画像M72は、予め撮影された退去者Aの画像であって、記憶部32に記憶されている画像である。契約内容確認ボタンM74が押下されると、退去者が退去する物件の契約内容が退去者用端末T1に表示される。そして、開始ボタンM73が押下されると、例えば、遠隔地にいる立会人とのオンライン立ち会いが開始される。
【0059】
撮影部14は、
図9に示されるように、オンライン立ち会いにおいて物件の第1欠陥部C1を撮影する。例えば、撮影部14の機能は、退去者用端末T1のカメラ及びCPUによって実現される。
図9は、撮影部14によって撮影された第1欠陥部C1を含む立ち会い画像N1の例を示している。
【0060】
「第1欠陥部」とは、退去者によって立会人に報告される欠陥部を示している。撮影部14は、前述した開始ボタンM73が押下された後に表示制御部31に立ち会い画像N1を表示させる。立ち会い画像N1は、カメラチャット確認事項選択ボタンN11と、欠陥部表示部N12と、欠陥部情報入力部N13と、退去者表示部N14とを有する。
【0061】
カメラチャット確認事項選択ボタンN11は、カメラ画面、チャット画面、及び確認事項表示画面への切り替えが可能なボタンである。カメラ画面は、撮影部14による第1欠陥部C1の撮影が可能な画面である。確認事項表示画面は、立ち会いについて確認すべき事項を表示する画面である。チャット画面は、退去者及び立会人が互いにチャットを行うための画面である。チャット画面については後に詳述する。
【0062】
欠陥部表示部N12は、撮影部14によって撮影された第1欠陥部C1の画像が表示される部分である。欠陥部情報入力部N13は、退去者Aによって、第1欠陥部C1がある場所、及び第1欠陥部C1の内容が入力される部分である。
図9の例では、欠陥部情報入力部N13に、洋室の壁紙に穴があいていることが入力されている。
【0063】
退去者表示部N14は、退去者Aの顔が表示される部分である。なお、退去者表示部N14には、退去者Aの顔と共に立会人の顔が表示されてもよい。撮影部14による第1欠陥部C1の撮影、及び欠陥部情報入力部N13への第1欠陥部C1の情報の入力が完了すると、例えば立ち会い画像N1に表示された報告ボタンN15が退去者Aによって押下される。
【0064】
画像送信部15は、撮影部14によって撮影された第1欠陥部C1の画像を立会人用端末T2に送信する。例えば、画像送信部15は、報告ボタンN15が押下されたときに第1欠陥部C1の画像を立会人用端末T2に送信する。画像送信部15は、例えば、第1欠陥部C1の画像と共に、欠陥部情報入力部N13に入力された情報を立会人用端末T2に送信する。一例として、画像送信部15は、第1欠陥部C1の画像と、第1欠陥部C1が洋室にあけられた壁穴であるという情報を立会人用端末T2に送信する。
【0065】
画像受信部34は、画像送信部15によって送信された第1欠陥部C1の画像を退去者用端末T1から受信する。例えば、画像受信部34が第1欠陥部C1の画像を受信すると、
図10に示されるように、表示制御部31によってチャット画面N2が立会人用端末T2のディスプレイD2に表示されると共に、表示制御部11によってチャット画面N2が退去者用端末T1のディスプレイD1に表示される。
【0066】
金額受付部35は、第1欠陥部C1の補修に必要な金額を受け付ける。例えば、金額受付部35は、表示制御部31に金額入力画面N3を表示させる。金額入力画面N3は、例えば、チャット画面N2に重なるように立会人用端末T2に表示される。一例として、金額入力画面N3は、第1欠陥部C1の数量入力部N31、単価入力部N32、工事金額入力部N33、負担割合入力部N34、及び負担額入力部である第1金額入力部N35を有する。
【0067】
例えば、数量入力部N31、単価入力部N32、退去情報設定部33、負担割合入力部N34及び第1金額入力部N35には、立会人によって情報が入力される。数量入力部N31には、第1欠陥部C1の数が入力される。数量入力部N31には、デフォルトで1という数字が入力されている。単価入力部N32には、第1欠陥部C1の単価が入力される。
【0068】
工事金額入力部N33には、第1欠陥部C1の原状回復のための工事に必要な工事金額が入力される。例えば、退去者Aによって撮影された第1欠陥部C1の画像から第1欠陥部C1の損傷の程度を欠陥部情報受付部38が判定し、欠陥部情報受付部38が判定した第1欠陥部C1の損傷の程度に応じて金額受付部35が工事金額入力部N33に工事金額を自動入力してもよい。また、立会人が工事金額入力部N33に工事金額を入力してもよい。
【0069】
負担割合入力部N34には、工事金額入力部N33に入力される工事金額のうち退去者Aが負担すべき割合である負担割合が入力される。例えば、立会人によって負担割合入力部N34に負担割合が入力される。第1金額入力部N35には、退去者Aが負担すべき負担額が入力される。「第1金額」とは、第1欠陥部C1の補修のために必要な金額である。例えば、第1金額入力部N35には、工事金額入力部N33に入力された工事金額と、負担割合入力部N34に入力された負担割合との積の値が自動入力される。
【0070】
金額送信部36は、第1金額を退去者用端末T1に送信する。例えば、金額入力画面N3の各項目への入力が完了した後に金額入力画面N3に表示されている提示ボタンN36が押されると、金額送信部36は第1金額と共に金額入力画面N3への入力内容を退去者用端末T1に送信する。
【0071】
金額受信部16は、立会人用端末T2から第1金額を受信する。例えば、金額受信部16は、立会人によって金額入力画面N3に入力された情報を表示制御部11に表示させる。このとき、表示制御部11は、チャット画面N2と共に金額入力画面N3に入力された情報をディスプレイD1に表示する。
【0072】
合意受付部17は、合意受付画面N4を表示制御部11に表示させる。合意受付画面N4は、例えば、チャット画面N2に重なるように退去者用端末T1に表示される。一例として、合意受付画面N4は、退去者が合意するときに退去者によって押下される合意するボタンN41と、退去者が合意しないときに退去者によって押下される合意しないボタンN42とを有する。
【0073】
合意送信部18は、第1欠陥部C1を補修するために必要な第1金額に退去者Aが合意するか否かを送信する。例えば、合意送信部18は、合意するボタンN41が押下されたときに第1金額に合意することを立会人用端末T2に送信する。例えば
図10及び
図11に示されるように、第1金額に合意することが立会人用端末T2に送信されると、合意受信部37が合意しました画面N43を表示制御部31に表示させる。合意しました画面N43は、例えば、チャット画面N2に重なるように立会人用端末T2に表示される。
【0074】
例えば、合意送信部18は、合意しないボタンN42が押下されたときに理由入力画面N44を表示制御部11に表示させる。理由入力画面N44は、例えば、チャット画面N2に重なるように退去者用端末T1に表示される。一例として、理由入力画面N44は、理由入力部N45と、合意しないボタンN46と、戻るボタンN47とを有する。
【0075】
理由入力画面N44には、退去者Aによって第1金額に合意しない理由が入力される。例えば、合意送信部18は、理由入力画面N44に合意しない理由が入力された状態で合意しないボタンN46が押下されたときに、当該合意しない理由を立会人用端末T2に送信する。立会人用端末T2に当該合意しない理由が送信されると、合意受信部37は当該合意しない理由を表示制御部31に表示させる。当該合意しない理由は、チャット画面N2に重なるように立会人用端末T2に表示される。
【0076】
また、合意しないボタンN42が押下されたときに、合意受信部37は、退去者Aが第1金額に合意しなかったことを示す拒否画面N48を表示制御部31に表示させてもよい。例えば、合意しました画面N43及び拒否画面N48は、修正ボタンN49を有する。例えば、修正ボタンN49が押下されると、金額受付部35が再度金額入力画面N3を表示制御部31に表示させる。これにより、金額入力画面N3における金額の修正を行うことが可能となる。
【0077】
例えば、退去者Aが第1金額に合意して合意しました画面N43が立会人用端末T2に表示されるまで、チャット画面N2において退去者Aと立会人とのやりとりが行われる。
図12(a)及び
図12(b)に示されるように、退去システム1では、立会人Eによって把握されている第2欠陥部C2の情報を退去者Aに確認してもらうことが可能である。「第2欠陥部」とは、立会人Eによって退去者Aに報告される欠陥部を示している。
【0078】
欠陥部情報受付部38は、立会人Eによって把握されている第2欠陥部C2の情報を受け付ける。
図12(b)は、欠陥部情報受付部38による第2欠陥部C2の受付画面N5の例を示す図である。例えば
図12(b)に示されるように、受付画面N5は、第2欠陥部C2の場所を入力する場所入力部N51と、第2欠陥部C2の補修の方法を入力する補修方法入力部N52と、第2欠陥部C2の情報を入力する情報入力部N53とを有する。
【0079】
受付画面N5の各項目への入力がなされた状態で受付画面N5に表示されている提示ボタンN54が押下されると、退去者用端末T1が第2欠陥部C2の情報を受信する。このとき、退去者用端末T1は受付画面N5に入力された情報を受信する。例えば
図13に示されるように、退去者用端末T1が受付画面N5に入力された情報を受信すると、表示制御部11がチャット画面N61及び第2欠陥部C2の情報画面N62を退去者用端末T1に表示する。そして、表示制御部31がチャット画面N61及び情報画面N62を立会人用端末T2に表示する。
【0080】
情報画面N62は、第2欠陥部C2の場所を示す場所表示部N63と、第2欠陥部C2の補修の方法を示す補修方法表示部N64と、第2欠陥部C2の情報を表示する情報表示部N65とを有する。場所表示部N63、補修方法表示部N64及び情報表示部N65のそれぞれに表示される内容は、前述した場所入力部N51、補修方法入力部N52及び情報入力部N53において入力された内容と同一である。
【0081】
金額受付部35は、第2欠陥部C2の補修に必要な金額を受け付ける。例えば、金額受付部35は、表示制御部31に金額入力画面N7を表示させる。金額入力画面N7に表示される内容は、例えば、前述した金額入力画面N3に表示される内容と同一である。この場合、金額入力画面N7は、チャット画面N61に重なるように立会人用端末T2に表示される。そして、金額入力画面N7は、第2欠陥部C2の数量入力部N31、単価入力部N32、工事金額入力部N33、負担割合入力部N34、及び負担額入力部である第2金額入力部N75を有する。
【0082】
金額入力画面N7の第2金額入力部N75には、第2金額が入力される。第2金額入力部N75には、例えば、第2欠陥部C2の補修にあたり退去者Aが負担すべき負担額が第2金額として入力される。「第2金額」とは、第2欠陥部C2の補修のために必要な金額である。
【0083】
金額送信部36は、第2金額を退去者用端末T1に送信する。例えば、金額入力画面N7の各項目への入力が完了した後に金額入力画面N7に表示されている提示ボタンN36が押されると、金額送信部36は第2金額と共に金額入力画面N7への入力内容を退去者用端末T1に送信する。
【0084】
金額受信部16は、立会人用端末T2から第2金額を受信する。例えば、金額受信部16は、立会人Eによって金額入力画面N7に入力された情報を表示制御部11に表示させる。このとき、表示制御部11は、チャット画面N61と共に金額入力画面N7に入力された情報をディスプレイD1に表示する。
【0085】
金額入力画面N7に入力された情報がディスプレイD1に表示された後にも、合意受付部17は、合意受付画面N4を表示制御部11に表示させる。このとき、合意受付画面N4は、チャット画面N61に重なるように退去者用端末T1に表示される。合意送信部18は、第2欠陥部C2を補修するために必要な第2金額に退去者Aが合意するか否かを送信する。例えば、合意送信部18は、合意するボタンN41が押下されたときに第2金額に合意することを立会人用端末T2に送信する。
【0086】
例えば
図10及び
図11に示されるように、第2金額に合意することが立会人用端末T2に送信されると、合意受信部37が合意しました画面N43を表示制御部31に表示させる。合意しました画面N43は、例えば、チャット画面N61に重なるように立会人用端末T2に表示される。
【0087】
例えば、理由入力画面N44には、退去者Aによって第2金額に合意しない理由が入力される。また、合意しないボタンN42が押下されたときに、合意受信部37は、退去者Aが第2金額に合意しなかったことを示す拒否画面N48を表示制御部31に表示させてもよい。例えば、退去者Aが第2金額に合意して合意しました画面N43が立会人用端末T2に表示されるまで、チャット画面N61において退去者Aと立会人Eとのやりとりが行われる。
【0088】
例えば、退去システム1では、退去者Aが不動産(物件)における禁止行為を行ったか否かを立会人Eが把握することが可能である。
図14に示されるように、入力受付部20は、不動産において禁止されている行為(禁止行為)の有無の入力を受け付ける受付画面N8を表示制御部11に表示させる。
【0089】
一例として、受付画面N8は、カメラチャット確認事項選択ボタンN11と、喫煙有無確認入力部N81と、ペット飼育有無入力部N82とを有する。受付画面N8は、退去者Aの画像N83を有していてもよい。更に、受付画面N8は、立会人Eの画像を有していてもよい。退去者Aは、退去者用端末T1に表示された受付画面N8において禁止されている行為の有無を入力する。例えば、退去者Aは、喫煙有無確認入力部N81に喫煙行為の有無を入力すると共に、ペット飼育有無入力部N82にペット飼育行為の有無を入力する。
【0090】
禁止行為有無送信部21は、退去者Aによって入力された禁止行為の有無を立会人用端末T2に送信する。例えば、禁止行為有無送信部21は、喫煙有無確認入力部N81及びペット飼育有無入力部N82への入力が完了した状態で受付画面N8に表示されている次へボタンN84が押下されたときに、喫煙行為の有無、及びペット飼育の有無を立会人用端末T2に送信する。
【0091】
禁止行為有無受信部39は、禁止行為有無送信部21によって送信された禁止行為の有無を立会人用端末T2に受信する。これにより、立会人Eは、退去者Aによる禁止行為の有無を把握できる。立会人Eは、必要に応じて、
図15に示されるように金額入力画面N7を表示し、金額入力画面N7に金額を入力してチャット画面N61にて退去者Aに金額入力画面N7を送信できる。この場合、禁止行為に対する退去者Aへの費用請求を行うことも可能となる。
【0092】
例えば
図16に示されるように、表示制御部11は、立ち会いが完了する前に退去立会合意書表示画面N91を退去者用端末T1に表示する。退去立会合意書表示画面N91には、退去者Aに退去に関する各項目への合意を求める退去立会合意書が表示される。退去立会合意書表示画面N91は、例えば、物件の情報(基本情報)、退去において確認が必要な事項(確認事項)、補修項目、及び清算金の情報を有する。
【0093】
退去者Aは、退去者用端末T1に表示された退去立会合意書表示画面N91を確認して、退去立会合意書表示画面N91に表示された内容に合意する場合には、退去立会合意書表示画面N91に表示されたサインするボタンN92を押下する。一方、退去者Aは、退去立会合意書表示画面N91に表示された内容に合意しない場合には、退去立会合意書表示画面N91に表示されたもどるボタンN93を押下する。もどるボタンN93が押下されると、チャット画面N2等にもどり、金額の調整を再度立会人Eとやり直すことができる。
【0094】
例えば
図17に示されるように、表示制御部11は、退去者Aが退去立会合意書に合意するときに退去者Aにサインの入力を求めるサイン入力画面N94を退去者用端末T1に表示する。一例として、サイン入力画面N94は、カメラチャット確認事項選択ボタンN11と、サイン入力部N95と、退去者Aの画像N96とを有する。退去者Aは、例えば指又はタッチペンによって、サイン入力部N95にサインを(一例としてフルネームで)入力する。
【0095】
そして、サイン入力部N95にサインが入力された状態でサイン入力画面N94に表示されている完了ボタンN98が押下されることにより、オンライン立ち会いの一連の工程が完了する。一方、サイン入力画面N94に表示されているもどるボタンN97が押下されると、例えば、退去立会合意書表示画面N91が再度表示されて退去立会合意書表示画面N91の内容を再度確認することが可能である。
【0096】
図1に示されるように、通信部22は、退去者用端末T1の立会人用端末T2との通信機能である。通信部22は、退去者用端末T1の通信制御部によって実現される。通信部40は、立会人用端末T2の退去者用端末T1との通信機能である。通信部40は、立会人用端末T2の通信制御部によって実現される。
【0097】
次に、本実施形態に係る退去方法の例について、
図18及び
図19に示されるシーケンス図を参照しながら説明する。本実施形態に係る退去方法は、退去システム1を用いて行われるオンライン立ち会いである。立会人用端末T2には予め退去プログラムP2がダウンロードされている。まず、立会人Eは、退去者Aから退去をする旨の連絡を受ける(ステップS1)。
【0098】
その後、立会人Eは、退去に関する情報(退去情報)を退去システム1に入力する(ステップS2)。ステップS2では、例えば
図2~
図4に示されるように、立会人Eが立会人用端末T2において退去情報入力画面M1、退去情報入力画面M2及び退去情報入力画面M3を開き、退去情報入力画面M1、退去情報入力画面M2及び退去情報入力画面M3のそれぞれの項目に対して入力を行う(退去情報を入力する工程)。
【0099】
そして、立会人Eは、退去者Aへの連絡を行う(ステップS3)。例えば、立会人Eが退去者Aに電話して立ち会いの進め方を口頭で説明する。そして、立会人用端末T2から退去者用端末T1に退去システム1のリンク付きの電子メール(一例としてショートメール)を送信する。
【0100】
例えば、退去システム1のリンクには、退去プログラムP1のダウンロードサイトへのURLが含まれている。退去者Aは、上記の電子メールを退去者用端末T1に受信すると、例えば退去プログラムP1をダウンロードしていない場合には、退去プログラムP1をダウンロードする。そして、退去者Aは、退去システム1のアカウントを作成する。
【0101】
退去者Aは、退去システム1のアカウントを作成した後には、例えば
図6及び
図7に示されるように、認証画面M5を退去者用端末T1に表示してログインを行い、退去説明画面M6を表示する。そして、退去者Aは、説明表示ボタンM61、ガイドライン表示ボタンM62、又は試行ボタンM63を押下して退去前の事前確認を行う(ステップS4)。
【0102】
その後、退去が開始される(ステップS5)。具体的には、退去者Aは予め定められた時刻までに物件に到着し、立会人Eは当該時刻までに当該退去の準備をしておく。そして、退去者Aは、撮影部14によって第1欠陥部C1を撮影する(第1欠陥部を撮影する工程、ステップS6)。画像送信部15は撮影部14によって撮影された第1欠陥部C1の画像を送信し、画像受信部34は当該第1欠陥部C1の画像を受信する。
【0103】
画像受信部34が受信した第1欠陥部C1の画像は、例えば
図10に示されるように、チャット画面N2として立会人用端末T2のディスプレイD2に表示される。立会人Eは、ディスプレイD2に表示された第1欠陥部C1の画像を見て金額入力画面N3に第1欠陥部C1の補修のために必要な第1金額を第1金額入力部N35に入力する(第1金額を入力する工程、ステップS7)。
【0104】
そして、立会人Eは、金額入力画面N3に金額等を入力した後には、提示ボタンN36を押下する。このとき、金額送信部36は第1金額を送信し、金額受信部16は第1金額を受信する。合意受付部17は、退去者用端末T1に合意受付画面N4を表示する。例えば、退去者Aは、合意受付画面N4において第1金額に合意するか否かを決定し、合意するボタンN41又は合意しないボタンN42を押下する(第1金額に合意するかしないかを選択する工程、ステップS8)。
【0105】
合意しないボタンN42が押下された場合には、例えばステップS7に戻り、再度立会人Eによる第1金額の入力等が行われる。一方、合意するボタンN41が押下された場合には、例えば立会人Eが第2欠陥部C2を提示する(立会人が第2欠陥部を提示する工程、ステップS9)。
【0106】
具体的には、例えば
図12に示されるように、欠陥部情報受付部38が立会人用端末T2に受付画面N5を表示し、立会人Eによる受付画面N5への入力を経て第2欠陥部C2が退去者Aに提示される。このとき、立会人Eは、第2欠陥部C2の情報と共に、第2欠陥部C2の補修に必要な金額である第2金額を受付画面N5に入力する(第2金額を入力する工程、ステップS10)。そして、立会人Eによって入力された受付画面N5の情報は退去者用端末T1に送信される。
【0107】
このとき、金額送信部36は第2金額を送信し、金額受信部16は第2金額を受信する。合意受付部17は、退去者用端末T1に合意受付画面N4を表示する。例えば、退去者Aは、合意受付画面N4において第2金額に合意するか否かを決定し、合意するボタンN41又は合意しないボタンN42を押下する(第2金額に合意するかしないかを選択する工程、ステップS11)。なお、ステップS11の内容は、ステップS8の内容と同様である。
【0108】
ステップS11において、合意するボタンN41が押下された場合には、禁止行為の確認が行われる(禁止行為の有無を確認する工程、ステップS12)。具体的には、例えば
図14に示されるように、入力受付部20が退去者用端末T1に受付画面N8を表示する。
【0109】
退去者Aは受付画面N8に禁止行為の有無を入力して次へボタンN84が押下すると、禁止行為有無送信部21が立会人用端末T2に禁止行為の有無を送信する。禁止行為があった場合には、例えば、欠陥部情報受付部38が立会人用端末T2に受付画面N5(
図12(b)参照)を表示する。立会人Eによる受付画面N5への入力によって、必要に応じて禁止行為を補償する補償金額が入力され退去者用端末T1に通知される(禁止行為の補償金額を入力する工程、ステップS13)。その後、退去者用端末T1には合意受付画面N4が表示され、退去者Aによる合意可否が立会人用端末T2に通知される(補償金額に合意するかしないかを確認する工程、ステップS14)。
【0110】
そして、立ち会いが完了する前に、退去立会合意書へのサインが退去者Aによって行われる(退去者がサインする工程、ステップS15)。具体的には、退去者用端末T1に退去立会合意書表示画面N91が表示されて退去者Aが退去立会合意書表示画面N91を確認し、その後、退去者Aがサイン入力画面N94にサインを行う。以上の工程を経てオンライン立ち会いが完了する(ステップS16)。
【0111】
次に、本実施形態に係る退去システム1及び退去方法から得られる効果について詳細に説明する。
図1に示されるように、退去システム1は、退去者用端末T1と、退去者用端末T1と通信可能な立会人用端末T2とを備え、退去者用端末T1と立会人用端末T2との間で通信されることによって立ち会いが行われる。従って、立会人Eが不動産に出向く必要がないので、立ち会いを効率よく行うことができる。
【0112】
本実施形態に係る退去システム1及び退去方法では、不動産の第1欠陥部C1が退去者用端末T1によって撮影され、撮影された第1欠陥部C1の画像が送信される。立会人用端末T2は、退去者用端末T1から送信された第1欠陥部C1の画像を受信する。従って、立会人Eは、不動産の第1欠陥部C1の情報を画像として把握することができるので、第1欠陥部C1の欠陥の程度から第1欠陥部C1の補修にかかる第1金額を見積もることができる。
【0113】
立会人用端末T2は第1金額を受け付ける金額受付部35と第1金額を送信する金額送信部36とを有し、退去者用端末T1は第1金額を受信する金額受信部16を有する。よって、退去者Aは、第1欠陥部C1の補修に必要な第1金額を速やかに把握できる。更に、退去者用端末T1は、第1金額に合意するか否かを受け付ける合意受付部17と、当該合意するか否かを送信する合意送信部18とを有し、立会人用端末T2は当該合意するか否かを受信する合意受信部37を有する。従って、退去者Aは、立会人Eに対して第1金額に合意するか否かの意思表示をオンラインですることができるため、第1金額について退去者Aと立会人Eとの間で折り合いをつけやすい。よって、退去者A及び立会人Eの双方にとって納得感が高い原状回復費用をスピーディーに決定できる。以上より、退去者Aが不動産から退去するときにおける立ち会いをオンラインで効率よく行うことができると共に、納得感を得られる原状回復費用を効率的に決定できる。
【0114】
本実施形態において、立会人用端末T2は、立会人Eによって把握されている不動産の第2欠陥部C2の情報を受け付ける機能、及び、第2欠陥部C2を補修するために必要な第2金額を受け付ける機能である入力受付部20と、第2欠陥部C2の情報、及び第2金額を送信する金額送信部36と、退去者Aが第2金額に合意するか否かを受信する合意受信部37と、を有する。退去者用端末T1は、第2欠陥部C2の情報、及び第2金額を受信する金額受信部16と、第2金額に合意するか否かを受け付ける合意受付部17と、第2金額に合意するか否かを送信する合意送信部18と、を有する。よって、立会人Eが予め把握している不動産の第2欠陥部C2の情報と、第2欠陥部C2を補修するために必要な第2金額とを退去者用端末T1に送信することができる。従って、立会人Eが把握している第2欠陥部C2の情報と第2金額とを退去者Aに確認してもらうことができる。よって、不動産に生じた欠陥部の情報をより確実に退去者Aに伝えることができる。
【0115】
本実施形態において、退去者用端末T1は、不動産において禁止されている行為の有無の確認画面である受付画面N8(
図14参照)を表示する機能、及び、受付画面N8において当該行為の有無の入力を受け付ける機能である入力受付部20と、入力受付部20において入力された行為の有無を送信する禁止行為有無送信部21と、を有する。立会人用端末T2は、当該行為の有無を受信する禁止行為有無受信部39を有する。従って、退去者Aに禁止行為の有無を確認してもらうことができ、禁止行為の有無が立会人用端末T2に表示される。よって、立会人Eは、退去者Aによる禁止行為の有無を把握することができると共に、禁止行為があったときに然るべき対応をとることができる。
【0116】
本実施形態において、第1欠陥部C1の撮影後に表示される立ち会い画像N1は、第1欠陥部C1の画像と共に退去者Aの顔が表示される。更に、立ち会い画像N1に立会人Eの顔が表示されてもよい。この場合、退去者Aと立会人Eとによって行われるオンライン立ち会いをインタラクティブな形で行うことができるので、金額の合意を含めて退去の立ち会いを効率よく行うことができる。
【0117】
以上、本開示に係る退去システム及び退去方法の実施形態について説明した。しかしながら、本開示に係る退去システム及び退去方法は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨の範囲内において適宜変形させることが可能である。すなわち、退去システムの構成及び機能、並びに、退去方法の工程の内容及び順序は、上記の要旨の範囲内において適宜変更可能である。更に、前述した実施形態において説明した画面のレイアウトは一例であるため、画面のレイアウトについても適宜変更可能である。
【0118】
以下では、変形例に係る退去システム及び退去方法について説明する。変形例に係る退去システム及び退去方法は、前述した実施形態に係る退去システム1及び退去方法と組み合わせて用いられる。
図20に示されるように、変形例に係る退去システムおよび退去方法において、表示制御部11は、退去立会合意書F1を退去者用端末T1に表示する。退去立会合意書F1は、例えば、前述した退去立会合意書表示画面N91に代えて表示される。
【0119】
退去立会合意書F1は、退去者Aに対して退去の合意を求めるための書面である。例えば、退去立会合意書F1は、ペットの飼育有無、及び室内における喫煙の有無の情報を含む。また、実際の退去では、欠陥部の補修の金額に関し、退去者Aと立会人Eとの間で折り合いがつかないことがある。この場合、例えば、立ち会いが完了した後に立会人Eによって欠陥部の補修の見積もりが算出される。退去立会合意書F1は、立ち会いの後に再度見積もりを算出する旨の情報を含む。退去立会合意書F1において後日見積と記載された箇所が当該情報に該当する。退去者Aは、退去立会合意書F1の後日見積との記載を見ることによって、補修のための金額が再度見積もられることを把握できる。退去立会合意書F1は電子サインの欄を有し、退去者Aが電子サインの欄にサインすることによって退去者Aが退去立会合意書F1に合意したとの意思表示が確定する。
【0120】
変形例に係る退去システム及び退去方法において、
図21に示されるように、表示制御部11は、覚書F2を退去者用端末T1に表示する。覚書F2は、退去者Aが立ち会いにおいて立会人Eに合意しなかったときに退去者用端末T1に表示される。覚書F2は、退去者Aが合意しなかった欠陥部の情報が項目の欄に表示されるとともに、合意しなかった理由、及び、立会人Eが提示した金額、または立ち会いの後に再度見積もりを算出する旨の情報(後日見積)を含む。更に、覚書F2としては、退去者Aが報告した情報に虚偽情報が含まれていない旨が表示される。覚書F2は電子サインの欄を有し、退去者Aが電子サインの欄にサインすることによって退去者Aが覚書F2に合意したとの意思表示が確定する。
【0121】
変形例に係る退去システム及び退去方法において、
図22に示されるように、表示制御部11は、退去費用請求明細書F3を退去者用端末T1に表示する。退去費用請求明細書F3は、立ち会いの後日に退去者用端末T1に表示される。具体的には、オンライン立ち会いの後には、立会人Eによって退去者Aが退去した物件が精査される。例えば,当該物件に報告されていない欠陥部がないか等が立会人Eによって精査される。そして、立会人Eは、欠陥部ごとに当該欠陥部の補修のための金額を確定させ、当該確定させた金額が退去費用請求明細書F3に表示される。退去者Aは、立ち会いの後日、退去者用端末T1に表示された退去費用請求明細書F3の金額を見ることによって自分が支払うべき金額を把握できる。更に、退去費用請求明細書F3には金額の振り込み先の情報が含まれるので、退去者Aは当該金額の振り込み先を把握できる。退去費用請求明細書F3は電子サインの欄を有し、退去者Aが電子サインの欄にサインすることによって退去者Aが退去費用請求明細書F3に合意したとの意思表示が確定する。
【0122】
以上、変形例に係る退去システム及び退去方法は、退去立会合意書F1、覚書F2及び退去費用請求明細書F3の少なくともいずれかを退去者用端末T1に表示する。従って、たとえオンライン立ち会いのときに退去者Aと立会人Eとの間で合意に至らなかった事項があったとしても、当該事項を解決して欠陥部の補償の金額を確定させることができる。以上のように、退去システム及び退去方法の構成は特許請求の範囲に記載した要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0123】
1…退去システム、11…表示制御部、12…記憶部、13…認証部、14…撮影部、15…画像送信部、16…金額受信部、17…合意受付部、18…合意送信部、20…入力受付部、21…禁止行為有無送信部、22…通信部、31…表示制御部、32…記憶部、33…退去情報設定部、34…画像受信部、35…金額受付部、36…金額送信部、37…合意受信部、38…欠陥部情報受付部、39…禁止行為有無受信部、40…通信部、A…退去者、B1,B2…ボタン、B3…完了ボタン、C1…第1欠陥部、C2…第2欠陥部、D1,D2…ディスプレイ、E…立会人、M1,M2,M3…退去情報入力画面、M4…退去情報画面、M5…認証画面、M6…退去説明画面、M7…立ち会い開始確認画面、M11…物件名入力部、M12…部屋番号入力部、M13…駐車場番号入力部、M14…契約開始日入力部、M15…契約終了日入力部、M16…退去立会日入力部、M17…入居月数入力部、M18…借主負担割合入力部、M19…間取り図入力部、M21…返金情報入力部、M22…預り金入力部、M23…清算金入力部、M24…清算金振込先入力部、M31…貸与物入力部、M32…貸与物返送方法入力部、M33…貸与物返送先入力部、M41…退去情報一覧、M42…退去情報項目、M43…物件名、M44…退去情報作成日、M45…立会日、M46…事前準備ボタン、M51…電話番号入力部、M52…ログインボタン、M61…説明表示ボタン、M62…ガイドライン表示ボタン、M63…試行ボタン、M64…退去情報表示ボタン、M71…日時、M72…画像、M73…開始ボタン、M74…契約内容確認ボタン、N1…立ち会い画像、N2…チャット画面、N3…金額入力画面、N4…合意受付画面、N5…受付画面、N7…金額入力画面、N8…受付画面、N11…カメラチャット確認事項選択ボタン、N12…欠陥部表示部、N13…欠陥部情報入力部、N14…退去者表示部、N15…報告ボタン、N31…数量入力部、N32…単価入力部、N33…工事金額入力部、N34…負担割合入力部、N35…第1金額入力部、N36…提示ボタン、N41…合意するボタン、N42…合意しないボタン、N43…合意しました画面、N44…理由入力画面、N45…理由入力部、N46…合意しないボタン、N47…戻るボタン、N48…拒否画面、N49…修正ボタン、N51…場所入力部、N52…補修方法入力部、N53…情報入力部、N54…提示ボタン、N61…チャット画面、N62…情報画面、N63…場所表示部、N64…補修方法表示部、N65…情報表示部、N81…喫煙有無確認入力部、N82…ペット飼育有無入力部、N83…画像、N84…次へボタン、N91…退去立会合意書表示画面、N92…サインするボタン、N93…もどるボタン、N94…サイン入力画面、N95…サイン入力部、N96…画像、N97…もどるボタン、N98…完了ボタン、P1,P2…退去プログラム、T1…退去者用端末、T2…立会人用端末。