(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139179
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】在庫引当実行装置、在庫引当実行方法および在庫引当実行プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20241002BHJP
【FI】
G06Q10/087
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050008
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠原 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】宮井 直哉
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かい場合においても、得意先において使用または出荷された商品に対応する自社における複数の商品の在庫引当を実行できる在庫引当実行装置等の提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)商品変換マスタから、取込用レコード中の得意先コードおよび得意先商品コードと紐付く自社商品コードを取得し、(2)在庫ファイルから、取込用レコード中の倉庫コードを有し、かつ、前記取得した自社商品コードを有する在庫レコードを取得し、(3)前記取得した在庫レコード中の賞味期限が近いものから順に、取込用レコード中の数量から在庫レコード中の引当可能在庫数を差し引くことにより、自社における複数の商品の在庫引当を実行し、(4)この(1)~(3)の処理を、取込用ファイル中の最初の取込用レコードから最後の取込用レコードについてまで実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応している場合において、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる、制御部および記憶部を備える在庫引当実行装置であって、
前記記憶部には、
前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データと、前記得意先を識別するための得意先識別データと、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データと、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、を有する取込用レコードを含む取込用ファイルと、
前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データと、を含み、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている商品対応付けマスタと、
前記倉庫識別データと、前記自社商品識別データと、前記商品に関する期限と、前記商品の引当可能在庫数と、を有する在庫レコードを含む在庫ファイルと、
が格納されており、
前記制御部は、
前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得手段と、
前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得手段で取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得手段と、
前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行手段と、
を備え、
前記自社商品取得手段、前記在庫レコード取得手段および前記在庫引当実行手段における処理が、前記取込用ファイル中の最初の前記取込用レコードから最後の前記取込用レコードについてまで実行されること、
を特徴とする在庫引当実行装置。
【請求項2】
前記在庫ファイル中の前記在庫レコードは、前記自社において前記商品のロットを識別するためのロット識別データを更に有し、
前記在庫引当実行手段は、前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記期限が複数の在庫レコード間で同じである場合には、前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記ロット識別データが若いものから順に、前記在庫引当を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の在庫引当実行装置。
【請求項3】
前記取込用ファイル中の前記取込用レコードは、納入先を識別するための納入先識別データを更に有し、
前記記憶部には、
前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記倉庫識別データと、前記納入先識別データと、前記自社商品識別データと、を含む例外設定マスタが更に格納されており、
前記制御部は、
前記例外設定マスタから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データ、前記得意先識別データ、前記得意先商品識別データおよび前記納入先識別データと紐付く自社商品識別データを取得する例外取得手段を更に備え、
前記自社商品取得手段は、前記例外取得手段で取得した前記自社商品識別データについては取得の対象としないこと、
を特徴とする請求項1に記載の在庫引当実行装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記在庫引当実行手段で在庫引当の対象とした前記在庫レコード中の前記自社商品識別データを有し、かつ、前記在庫引当実行手段で差し引いた前記引当可能在庫数を売上数として有する売上レコードを含む売上データを生成する売上データ生成手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の在庫引当実行装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数から、前記在庫引当実行手段で差し引いた前記引当可能在庫数を減算することにより、前記在庫ファイルを更新する在庫ファイル更新手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の在庫引当実行装置。
【請求項6】
前記商品が、食品であり、
前記得意先商品識別データは、前記商品の規格別に採番されており、
前記自社商品識別データは、前記商品の規格別かつ産地別、または、前記商品の規格別かつランク別に採番されており、
前記期限は、賞味期限または消費期限であること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の在庫引当実行装置。
【請求項7】
得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応している場合において、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される在庫引当実行方法であって、
前記記憶部には、
前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データと、前記得意先を識別するための得意先識別データと、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データと、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、を有する取込用レコードを含む取込用ファイルと、
前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データと、を含み、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている商品対応付けマスタと、
前記倉庫識別データと、前記自社商品識別データと、前記商品に関する期限と、前記商品の引当可能在庫数と、を有する在庫レコードを含む在庫ファイルと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得ステップと、
前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得ステップで取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得ステップと、
前記在庫レコード取得ステップで取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行ステップと、
を含み、
前記自社商品取得ステップ、前記在庫レコード取得ステップおよび前記在庫引当実行ステップにおける処理が、前記取込用ファイル中の最初の前記取込用レコードから最後の前記取込用レコードについてまで実行されること、
を特徴とする在庫引当実行方法。
【請求項8】
得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応している場合において、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される在庫引当実行プログラムであって、
前記記憶部には、
前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データと、前記得意先を識別するための得意先識別データと、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データと、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、を有する取込用レコードを含む取込用ファイルと、
前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データと、を含み、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている商品対応付けマスタと、
前記倉庫識別データと、前記自社商品識別データと、前記商品に関する期限と、前記商品の引当可能在庫数と、を有する在庫レコードを含む在庫ファイルと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得ステップと、
前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得ステップで取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得ステップと、
前記在庫レコード取得ステップで取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行ステップと、
を含み、
前記自社商品取得ステップ、前記在庫レコード取得ステップおよび前記在庫引当実行ステップにおける処理が、前記取込用ファイル中の最初の前記取込用レコードから最後の前記取込用レコードについてまで実行されること、
を特徴とする在庫引当実行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫引当実行装置、在庫引当実行方法および在庫引当実行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、食品原材料の流通過程における流通量を適切に管理することができる在庫管理発注装置等が開示されている(特許文献1の0007段落および0008段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような食品の在庫を管理する分野においては、得意先における商品の管理粒度よりも、自社における商品の管理粒度の方が細かい場合がある。例えば、得意先における商品の管理粒度が、「エビ」のように「規格別」であり、一方で、自社における商品の管理粒度が、「タイ産エビ」、「ベトナム産エビ」のように「規格別かつ産地別」である場合である。
【0005】
ここで、食品業界では、得意先からの出荷報告を元に、自社在庫の売上を計上するという運用(消化売上)があるが、商品の管理粒度が前述のように得意先と自社とで異なる場合には、得意先から報告された商品が自社におけるどの商品に対応しているのかを把握するのに時間および労力がかかってしまう。この結果、自社在庫の在庫引当をスムーズに行えないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かい場合においても、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる在庫引当実行装置、在庫引当実行方法および在庫引当実行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫引当実行装置は、得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応している場合において、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる、制御部および記憶部を備える在庫引当実行装置であって、前記記憶部には、前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データと、前記得意先を識別するための得意先識別データと、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データと、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、を有する取込用レコードを含む取込用ファイルと、前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データと、を含み、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている商品対応付けマスタと、前記倉庫識別データと、前記自社商品識別データと、前記商品に関する期限と、前記商品の引当可能在庫数と、を有する在庫レコードを含む在庫ファイルと、が格納されており、前記制御部が、前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得手段と、前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得手段で取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得手段と、前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行手段と、を備え、前記自社商品取得手段、前記在庫レコード取得手段および前記在庫引当実行手段における処理が、前記取込用ファイル中の最初の前記取込用レコードから最後の前記取込用レコードについてまで実行されること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る在庫引当実行装置は、前記在庫ファイル中の前記在庫レコードが、前記自社において前記商品のロットを識別するためのロット識別データを更に有し、前記在庫引当実行手段が、前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記期限が複数の在庫レコード間で同じである場合には、前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記ロット識別データが若いものから順に、前記在庫引当を実行すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る在庫引当実行装置は、前記取込用ファイル中の前記取込用レコードが、納入先を識別するための納入先識別データを更に有し、前記記憶部には、前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記倉庫識別データと、前記納入先識別データと、前記自社商品識別データと、を含む例外設定マスタが更に格納されており、前記制御部が、前記例外設定マスタから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データ、前記得意先識別データ、前記得意先商品識別データおよび前記納入先識別データと紐付く自社商品識別データを取得する例外取得手段を更に備え、前記自社商品取得手段が、前記例外取得手段で取得した前記自社商品識別データについては取得の対象としないこと、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る在庫引当実行装置は、前記制御部が、前記在庫引当実行手段で在庫引当の対象とした前記在庫レコード中の前記自社商品識別データを有し、かつ、前記在庫引当実行手段で差し引いた前記引当可能在庫数を売上数として有する売上レコードを含む売上データを生成する売上データ生成手段を更に備えること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る在庫引当実行装置は、前記制御部が、前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数から、前記在庫引当実行手段で差し引いた前記引当可能在庫数を減算することにより、前記在庫ファイルを更新する在庫ファイル更新手段を更に備えること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る在庫引当実行装置は、前記商品が、食品であり、前記得意先商品識別データが、前記商品の規格別に採番されており、前記自社商品識別データが、前記商品の規格別かつ産地別、または、前記商品の規格別かつランク別に採番されており、前記期限は、賞味期限または消費期限であること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る在庫引当実行方法は、得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応している場合において、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される在庫引当実行方法であって、前記記憶部には、前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データと、前記得意先を識別するための得意先識別データと、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データと、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、を有する取込用レコードを含む取込用ファイルと、前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データと、を含み、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている商品対応付けマスタと、前記倉庫識別データと、前記自社商品識別データと、前記商品に関する期限と、前記商品の引当可能在庫数と、を有する在庫レコードを含む在庫ファイルと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得ステップと、前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得ステップで取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得ステップと、前記在庫レコード取得ステップで取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行ステップと、を含み、前記自社商品取得ステップ、前記在庫レコード取得ステップおよび前記在庫引当実行ステップにおける処理が、前記取込用ファイル中の最初の前記取込用レコードから最後の前記取込用レコードについてまで実行されること、を特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る在庫引当実行プログラムは、得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応している場合において、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される在庫引当実行プログラムであって、前記記憶部には、前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データと、前記得意先を識別するための得意先識別データと、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データと、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、を有する取込用レコードを含む取込用ファイルと、前記得意先識別データと、前記得意先商品識別データと、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データと、を含み、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている商品対応付けマスタと、前記倉庫識別データと、前記自社商品識別データと、前記商品に関する期限と、前記商品の引当可能在庫数と、を有する在庫レコードを含む在庫ファイルと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得ステップと、前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得ステップで取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得ステップと、前記在庫レコード取得ステップで取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行ステップと、を含み、前記自社商品取得ステップ、前記在庫レコード取得ステップおよび前記在庫引当実行ステップにおける処理が、前記取込用ファイル中の最初の前記取込用レコードから最後の前記取込用レコードについてまで実行されること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かい場合においても、前記得意先において使用または出荷された商品に対応する前記自社における複数の商品の在庫引当を実行することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、在庫引当実行装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る処理フローの概要の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、取込用ファイルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、商品変換マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、例外パターンマスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、更新前の在庫ファイルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、行番号1の取込用レコードについての自社商品取得処理の結果を示す図である。
【
図8】
図8は、行番号1の取込用レコードについての在庫引当実行処理の結果を示す図である。
【
図9】
図9は、行番号2の取込用レコードについての在庫引当実行処理の結果を示す図である。
【
図10】
図10は、各取込用レコードについての在庫引当の結果をまとめた表を示す図である。
【
図11】
図11は、生成された売上データの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、更新後の在庫ファイルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る在庫引当実行装置、在庫引当実行方法および在庫引当実行プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
食品業界等においては、得意先からの出荷報告を元に、委託倉庫に置いた自社在庫の売上を計上するという運用(消化売上)がある。この際、得意先から報告される商品の管理粒度よりも、自社のシステム(例えば販売管理システム)上における商品の管理粒度の方が細かい場合がある。例えば、得意先では「規格別」に商品コードを採番しているが、自社では「規格別かつ産地別」に商品コードを採番している場合である。この場合、得意先から報告された商品と自社の商品とを1:1で対応付けることができない。
【0019】
従来においては、担当者が、倉庫の在庫状況を参照して、得意先から報告された商品が自社のどの商品に対応しているのかを判断していた。しかしながら、賞味期限ごとに在庫管理を行なっていることもあるため、細かく分かれた在庫情報から使用した自社の在庫を判断してシステムに登録する作業には、多くの時間を要していた。
【0020】
そこで、本実施形態においては、得意先の商品1つに対して自社の商品を複数登録できる商品変換マスタを実装した。当該マスタを予め用意しておくことで、得意先の商品と自社の商品が1:1で対応していない場合においても、得意先から報告された商品に対応する自社の商品の在庫引当を自動で実行できるようになった。なお、当該在庫引当は、例えば、自社の商品の在庫の賞味期限順に行う。
【0021】
これにより、例えば、使用した自社の在庫を判断してシステムに登録する作業の負荷を軽減することに成功した。また、当該作業における入力ミスを削減することに成功した。従来においては、当該作業は、時間のかかる作業であったため、担当者は、まとまった時間を確保して複数社の処理をまとめて行っていたが、当該作業に必要な時間が削減されたことで、担当者は、得意先から報告された商品に対応する自社の商品をその都度リアルタイムにシステムに登録することが可能となった。
【0022】
また、本実施形態においては、前記在庫引当の対象外とする、自社倉庫と納入先の組合せを登録できる例外パターンマスタを実装した。当該マスタを予め用意しておくことで、特定の自社倉庫と納入先の組合せについては、前記在庫引当の対象外としたいという細かな業界要望にも応えることが可能となった。
【0023】
そして、本実施形態においては、前記在庫引当の対象として特定された在庫毎に、売上明細を分けてシステムに登録できるようにした。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る在庫引当実行装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、在庫引当実行装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
在庫引当実行装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、在庫引当実行装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
在庫引当実行装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。在庫引当実行装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、在庫引当実行装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、在庫引当実行装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0030】
記憶部106は、例えば、取込用ファイル106aと、商品対応付けマスタとしての商品変換マスタ106bと、例外設定マスタとしての例外パターンマスタ106cと、在庫ファイル106dと、売上データ106eと、を備えている。
【0031】
ここで、以下の説明においては、得意先における商品の管理粒度よりも自社における商品の管理粒度の方が細かく、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品が対応しているという前提が存在するものとする。前記商品は、特に制限されないが、例えば、食品である。
【0032】
取込用ファイル106aは、前記得意先から報告のあった、使用または出荷された商品を取込用に整えたファイルである。取込用ファイル106aは、
図3に示すように、例えば、行番号(行)と、前記自社の倉庫からの出庫日と、前記自社の倉庫を識別するための倉庫識別データ(倉庫コード)と、前記得意先を識別するための得意先識別データ(得意先コード)と、納入先を識別するための納入先識別データ(納入先コード)と、前記得意先において前記商品を識別するための得意先商品識別データ(得意先商品コードおよび得意先商品名)と、前記得意先において使用または出荷された商品の数量と、前記得意先において使用または出荷された商品の単価と、等を有する取込用レコードを含む。
【0033】
前記得意先商品識別データは、例えば、前記商品の「規格別」に採番されたコードである。なお、取込用ファイル106a中における複数の取込用レコードの並び順は、特に制限されないが、
図3の例では、前記出庫日が若い順に並び替えられている。
【0034】
商品変換マスタ106bは、前記得意先における商品1つに対して前記自社における複数の商品を対応付けるためのマスタである。商品変換マスタ106bを用いることで、前記得意先における商品の管理粒度(例えば、「規格別」)よりも前記自社における商品の管理粒度(例えば、「規格別かつ産地別」や「規格別かつランク別」)の方が細かい場合に、前記得意先の商品と前記自社の商品とを対応付けることができる。
【0035】
商品変換マスタ106bは、
図4に示すように、例えば、前記得意先識別データ(得意先コード)と、前記得意先商品識別データ(得意先商品コード)と、前記自社において前記商品を識別するための自社商品識別データ(自社商品コードおよび自社品名)と、等を含む。前記自社商品識別データは、例えば、前記商品の「規格別かつ産地別」に採番されたコード、または、前記商品の「規格別かつランク別」に採番されたコードである。
【0036】
ここで、商品変換マスタ106bにおいては、前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データの組合せ1つに対して、複数の前記自社商品識別データが設定されている。
図4の例では、得意先「TK01」については、1つの得意先商品「TKS01:エビ」に対して、「EBI01:タイ産エビ」、「EBI02:ベトナム産エビ」、「EBI03:国産エビ」および「EBI04:中国産エビ」という4つの自社商品が対応付けられている。
【0037】
例外パターンマスタ106cは、在庫引当の対象外となる、前記自社の倉庫(=出し元)および前記納入先(=出し先)の組合せを設定するためのマスタである。例外パターンマスタ106cで設定された組合せと紐付く自社商品については、商品変換マスタ106bからの取得の対象外となるため、結果として、在庫引当の対象外となる。
【0038】
例外パターンマスタ106cは、
図5に示すように、例えば、前記得意先識別データ(得意先コード)と、前記得意先商品識別データ(得意先商品コード)と、前記倉庫識別データ(倉庫コード)と、前記納入先識別データ(納入先コード)と、前記自社商品識別データ(自社商品コード)と、等を含む。
【0039】
図5の項目行を除いた1行目のレコードでは、自社倉庫が「LG01」であり、納入先が「N001」である場合に、「EBI03:国産エビ」を商品変換マスタ106bからの取得の対象外とする旨が設定されている。
【0040】
なお、自社倉庫と納入先のどちらか一方をブランクとしてもよい。
図5の項目行を除いた2行目のレコードでは、納入先が「N003」である場合には、自社倉庫がどこであるかに関わらず、「EBI03:国産エビ」を商品変換マスタ106bからの取得の対象外とする旨が設定されている。また、
図5の項目行を除いた3行目のレコードでは、自社倉庫が「LG02」である場合には、納入先がどこであるかに関わらず、「EBI04:中国産エビ」を商品変換マスタ106bからの取得の対象外とする旨が設定されている。
【0041】
在庫ファイル106dは、前記自社の在庫を管理するためのファイルである。在庫ファイル106dは、
図6に示すように、例えば、前記倉庫識別データ(倉庫コード)と、前記自社商品識別データ(自社商品コード)と、前記自社において前記商品のロットを識別するためのロット識別データ(ロット番号)と、前記商品に関する期限(賞味期限)と、前記商品の引当可能在庫数と、等を有する在庫レコードを含む。前記期限は、賞味期限に限らず、例えば、消費期限であってもよい。
【0042】
売上データ106eは、前記自社の売上に関する情報を管理するためのデータである。売上データ106eの内容の詳細は、以下の[4-2]で説明する。
【0043】
制御部102は、在庫引当実行装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0044】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記例外設定マスタから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データ、前記得意先識別データ、前記得意先商品識別データおよび前記納入先識別データと紐付く自社商品識別データを取得する例外取得手段としての例外取得部102aと、(2)前記商品対応付けマスタから、前記取込用レコード中の前記得意先識別データおよび前記得意先商品識別データと紐付く自社商品識別データを取得する自社商品取得手段としての自社商品取得部102bと、(3)前記在庫ファイルから、前記取込用レコード中の前記倉庫識別データを有し、かつ、前記自社商品取得手段で取得した自社商品識別データを有する在庫レコードを取得する在庫レコード取得手段としての在庫レコード取得部102cと、(4)前記在庫レコード取得手段で取得した在庫レコード中の前記期限が近いものから順に、前記取込用レコード中の前記数量から前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数を差し引くことにより、前記自社における複数の商品の在庫引当を実行する在庫引当実行手段としての在庫引当実行部102dと、(5)前記在庫引当実行手段で在庫引当の対象とした前記在庫レコード中の前記自社商品識別データを有し、かつ、前記在庫引当実行手段で差し引いた前記引当可能在庫数を売上数として有する売上レコードを含む売上データを生成する売上データ生成手段としての売上データ生成部102eと、(6)前記在庫レコード中の前記引当可能在庫数から、前記在庫引当実行手段で差し引いた前記引当可能在庫数を減算することにより、前記在庫ファイルを更新する在庫ファイル更新手段としての在庫ファイル更新部102fと、を備えている。
【0045】
例外取得部102aは、例外パターンマスタ106c(
図5参照)から、取込用ファイル(
図3参照)における取込用レコード中の倉庫コード、得意先コード、得意先商品コードおよび納入先コードと紐付く自社商品コードを取得する。
【0046】
自社商品取得部102bは、商品変換マスタ106b(
図4参照)から、取込用ファイル(
図3参照)における取込用レコード中の得意先コードおよび得意先商品コードと紐付く自社商品コードを取得する。ただし、自社商品取得部102bは、例外取得部102aで取得した自社商品コードについては、取得の対象としない、こととしてもよい。
【0047】
在庫レコード取得部102cは、更新前の在庫ファイル106d(
図6参照)から、取込用ファイル(
図3参照)における取込用レコード中の倉庫コードを有し、かつ、自社商品取得部102bで取得した自社商品コードを有する在庫レコードを取得する。
【0048】
在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中の賞味期限が近いものから順に、取込用ファイル(
図3参照)における取込用レコード中の数量から、在庫レコード中の引当可能在庫数を差し引くことにより、自社における複数の商品の在庫引当を実行する。なお、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中の賞味期限が複数の在庫レコード間で同じである場合には、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中のロット番号が若いものから順に、前記在庫引当を実行してもよい。
【0049】
そして、前述した例外取得部102a、自社商品取得部102b、在庫レコード取得部102cおよび在庫引当実行部102dにおける処理は、取込用ファイル(
図3参照)中の最初の取込用レコードから最後の取込用レコードについてまで実行される。
【0050】
売上データ生成部102eは、在庫引当実行部102dで在庫引当の対象とした在庫レコード中の自社商品コードを有し、かつ、在庫引当実行部102dで差し引いた引当可能在庫数を売上数として有する売上レコードを含む売上データ106eを生成する(
図11参照)。
【0051】
在庫ファイル更新部102fは、更新前の在庫ファイル106d(
図6参照)における在庫レコード中の引当可能在庫数から、在庫引当実行部102dで差し引いた引当可能在庫数を減算することにより、在庫ファイル106dを更新する(
図12参照)。
【0052】
[3.処理フローの概要]
本項目では、本実施形態に係る処理フローの概要について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、商品変換マスタ106bおよび例外パターンマスタ106cを予め登録し、一方で、得意先から受領した出庫報告ファイルを取込用ファイル106aとして登録する。商品変換マスタ106bにおいては、得意先商品と自社商品との対応付けを設定し、例外パターンマスタ106cにおいては、在庫引当の例外とする、倉庫と納入先の組合せを設定する。また、前記出庫報告ファイルは、自社の商品コードではなく、得意先の商品コードを含む。
【0053】
そして、
図2に示すように、登録した取込用ファイル106a、商品変換マスタ106bおよび例外パターンマスタ106cに基づいて売上取込処理を実行して、売上データ106eの生成および在庫ファイル106dからの在庫の引落しを行う。当該売上取込処理においては、次段落から説明する順で在庫の引当を行い、引当された在庫に合わせた売上データ106eを生成する。
【0054】
まず、
図2の(1)に示すように、取込用ファイル106aを元に、商品変換マスタ106bおよび例外パターンマスタ106cを参照して、対象となる自社商品コードの一覧を取得する。
【0055】
次に、
図2の(2)に示すように、(1)において一覧で取得した自社商品コードの在庫情報を在庫ファイル106dから取得する。
【0056】
最後に、
図2の(3)に示すように、(2)において取得した在庫情報(通常は、複数の商品についての在庫情報)を対象として、賞味期限の近い順に在庫引当を実行することで在庫ファイル106dを更新し、一方で、引当された在庫毎に売上明細を分けた売上データ106eを生成する。
【0057】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。なお、本項目では、取込用ファイル106aは
図3に示す内容で、商品変換マスタ106bは
図4に示す内容で、例外パターンマスタ106cは
図5に示す内容で、更新前の在庫ファイル106dは
図6に示す内容で予め設定されているという前提で説明を進める。
【0058】
[4-1.在庫引当の実行]
本項目では、
図3の取込用ファイル106a中の各取込用レコードについて、例外取得処理、自社商品取得処理、在庫レコード取得処理および在庫引当実行処理という4つの処理がどのように行われるのかについて説明する。
【0059】
(1)行番号1の取込用レコードについて
まず、
図3の取込用ファイル106a中の行番号1の取込用レコードについて、前記4つの処理がどのように行われるのかについて説明する。
【0060】
例外取得部102aは、
図5の例外パターンマスタ106cから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号1の取込用レコード中の倉庫コード「LG01」、得意先コード「TK01」、得意先商品コード「TKS01」および納入先コード「N001」と紐づく自社商品コードとして、「EBI03」を取得する。当該「EBI03」の商品は、在庫引当の例外となる商品である。
【0061】
次に、自社商品取得部102bは、
図4の商品変換マスタ106bから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号1の取込用レコード中の得意先コード「TK01」および得意先商品コード「TKS01」と紐づく自社商品コードとして、「EBI01」~「EBI04」の4つの商品を取得しようとするが、「EBI03」は前段落で説明したように在庫引当の例外となる商品であるため、「EBI01」、「EBI02」および「EBI04」の3つの商品のみを取得する。当該取得の結果を
図7に示す。
【0062】
次に、在庫レコード取得部102cは、
図6の更新前の在庫ファイル106dから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号1の取込用レコード中の倉庫コード「LG01」を有し、かつ、自社商品取得部102bで取得した自社商品コード「EBI01」、「EBI02」または「EBI04」を有する在庫レコードとして、1行目~4行目の在庫レコードを取得する。
【0063】
最後に、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中の賞味期限が近いものから順に、以下のようにして在庫引当を実行する。
【0064】
まず、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した1行目~4行目の在庫レコードを対象として、賞味期限が近いものから順に優先順を採番していく。すなわち、在庫引当実行部102dは、
図8に示すように、4行目の在庫レコード(賞味期限10/15)に優先順「1」を採番し、1行目の在庫レコード(賞味期限10/20)に優先順「2」を採番し、2行目の在庫レコード(賞味期限10/30)に優先順「3」を採番し、3行目の在庫レコード(賞味期限11/10)に優先順「4」を採番する。
【0065】
そして、在庫引当実行部102dは、
図8に示すように、
図3の取込用ファイル106a中の行番号1の取込用レコード中の数量「5」から、優先順「1」の4行目の在庫レコード中の引当可能在庫数「5」を差し引くことにより、在庫引当を実行する。
【0066】
当該在庫引当により、行番号1の取込用レコード中の数量「5」はすべて差し引かれて0となったため、行番号1の取込用レコードについての在庫引当の処理はここで終了となる。
【0067】
(2)行番号2の取込用レコードについて
次に、
図3の取込用ファイル106a中の行番号2の取込用レコードについて、前記4つの処理がどのように行われるのかについて説明する。
【0068】
図5の例外パターンマスタ106cを参照すると、
図3の取込用ファイル106a中の行番号2の取込用レコード中の倉庫コード「LG01」、得意先コード「TK01」、得意先商品コード「TKS01」および納入先コード「N002」と紐づく自社商品コードは存在しないため、行番号2の取込用レコードについては、在庫引当の例外となる商品は存在しないこととなる。
【0069】
次に、自社商品取得部102bは、
図4の商品変換マスタ106bから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号2の取込用レコード中の得意先コード「TK01」および得意先商品コード「TKS01」と紐づく自社商品コードとして、「EBI01」~「EBI04」の4つの商品を取得する。
【0070】
次に、在庫レコード取得部102cは、
図6の更新前の在庫ファイル106dから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号2の取込用レコード中の倉庫コード「LG01」を有し、かつ、自社商品取得部102bで取得した自社商品コード「EBI01」、「EBI02」、「EBI03」または「EBI04」を有する在庫レコードとして、1行目~5行目の在庫レコードを取得しようとするが、4行目の在庫レコードについては(1)で説明したように引当可能在庫数をすべて引当済のため、1行目~3行目および5行目の在庫レコードのみ取得する。
【0071】
最後に、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中の賞味期限が近いものから順に、以下のようにして在庫引当を実行する。
【0072】
まず、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した1行目~3行目および5行目の在庫レコードを対象として、賞味期限が近いものから順に優先順を採番していく。すなわち、在庫引当実行部102dは、
図9に示すように、5行目の在庫レコード(賞味期限10/05)に優先順「1」を採番し、1行目の在庫レコード(賞味期限10/20)に優先順「2」を採番し、2行目の在庫レコード(賞味期限10/30)に優先順「3」を採番し、3行目の在庫レコード(賞味期限11/10)に優先順「4」を採番する。
【0073】
そして、在庫引当実行部102dは、
図9に示すように、
図3の取込用ファイル106a中の行番号2の取込用レコード中の数量「5」から、優先順「1」の5行目の在庫レコード中の引当可能在庫数「4」を差し引くことにより、在庫引当を実行する。
【0074】
当該在庫引当により、行番号2の取込用レコード中の数量は「1」に更新されるが、まだ在庫引当が完了していない。このため、在庫引当実行部102dは、続けて、
図9に示すように、行番号2の取込用レコード中の更新された数量「1」から、優先順「2」の1行目の在庫レコード中の引当可能在庫数「5」のうち「1」を差し引くことにより、在庫引当を実行する。当該在庫引当により、優先順「2」の1行目の在庫レコード中の引当可能在庫数は、「5」から「4」に更新される。
【0075】
当該在庫引当により、行番号2の取込用レコード中の数量「5」はすべて差し引かれて0となったため、行番号2の取込用レコードについての在庫引当の処理もここで終了となる。
【0076】
(3)行番号3の取込用レコードについて
次に、取込用ファイル106a中の行番号3の取込用レコードについて、前記4つの処理がどのように行われるのかについて説明するが、例外取得処理および自社商品取得処理については(2)と同様であるため、在庫レコード取得処理および在庫引当実行処理についてのみ説明する。
【0077】
まず、在庫レコード取得部102cは、
図6の更新前の在庫ファイル106dから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号3の取込用レコード中の倉庫コード「LG01」を有し、かつ、自社商品取得部102bで取得した自社商品コード「EBI01」、「EBI02」、「EBI03」または「EBI04」を有する在庫レコードとして、1行目~5行目の在庫レコードを取得しようとするが、4行目の在庫レコードについては(1)で説明したように引当可能在庫数をすべて引当済であり、5行目の在庫レコードについては(2)で説明したように引当可能在庫数をすべて引当済であるため、1行目~3行目の在庫レコードのみ取得する。
【0078】
次に、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中の賞味期限が近いものから順に、以下のようにして在庫引当を実行する。
【0079】
まず、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した1行目~3行目の在庫レコードを対象として、賞味期限が近いものから順に優先順を採番していく。すなわち、在庫引当実行部102dは、図示はしないが、1行目の在庫レコード(賞味期限10/20)に優先順「1」を採番し、2行目の在庫レコード(賞味期限10/30)に優先順「2」を採番し、3行目の在庫レコード(賞味期限11/10)に優先順「3」を採番する。
【0080】
そして、在庫引当実行部102dは、図示はしないが、
図3の取込用ファイル106a中の行番号3の取込用レコード中の数量「5」から、優先順「1」の1行目の在庫レコード中の更新された引当可能在庫数「4」を差し引くことにより、在庫引当を実行する。
【0081】
当該在庫引当により、行番号3の取込用レコード中の数量は「1」に更新されるが、まだ在庫引手が完了していない。このため、在庫引当実行部102dは、続けて、図示しないが、行番号3の取込用レコード中の更新された数量「1」から、優先順「2」の2行目の在庫レコード中の引当可能在庫数「10」のうち「1」を差し引くことにより、在庫引当を実行する。当該在庫引当により、優先順「2」の2行目の在庫レコード中の引当可能在庫数は、「10」から「9」に更新される。
【0082】
当該在庫引当により、行番号3の取込用レコード中の数量「5」はすべて差し引かれて0となったため、行番号3の取込用レコードについての在庫引当の処理もここで終了となる。
【0083】
(4)行番号4の取込用レコードについて
最後に、取込用ファイル106a中の行番号4の取込用レコードについて、前記4つの処理がどのように行われるのかについて説明するが、例外取得処理および自社商品取得処理については(2)と同様であるため、在庫レコード取得処理および在庫引当実行処理についてのみ説明する。
【0084】
まず、在庫レコード取得部102cは、
図6の更新前の在庫ファイル106dから、
図3の取込用ファイル106a中の行番号4の取込用レコード中の倉庫コード「LG01」を有し、かつ、自社商品取得部102bで取得した自社商品コード「EBI01」、「EBI02」、「EBI03」または「EBI04」を有する在庫レコードとして、1行目~5行目の在庫レコードを取得しようとするが、4行目の在庫レコードについては(1)で説明したように引当可能在庫数をすべて引当済であり、5行目の在庫レコードについては(2)で説明したように引当可能在庫数をすべて引当済であり、1行目の在庫レコードについては(3)で説明したように引当可能在庫数をすべて引当済であるため、2行目~3行目の在庫レコードのみ取得する。
【0085】
次に、在庫引当実行部102dは、在庫レコード取得部102cで取得した在庫レコード中の賞味期限が近いものから順に、以下のようにして在庫引当を実行する。
【0086】
まず、在庫引当実行部102dは、2行目~3行目の在庫レコードを対象として、賞味期限が近いものから順に優先順を採番していく。すなわち、在庫引当実行部102dは、図示はしないが、2行目の在庫レコード(賞味期限10/30)に優先順「1」を採番し、3行目の在庫レコード(賞味期限11/10)に優先順「2」を採番する。
【0087】
そして、在庫引当実行部102dは、図示はしないが、
図3の取込用ファイル106a中の行番号4の取込用レコード中の数量「5」から、優先順「1」の2行目の在庫レコード中の更新された引当可能在庫数「9」のうち「5」を差し引くことにより、在庫引当を実行する。
【0088】
当該在庫引当により、行番号4の取込用レコード中の数量「5」はすべて差し引かれて0となったため、行番号4の取込用レコードについての在庫引当の処理もここで終了となる。
【0089】
以上、(1)~(4)で説明した処理により、
図3の取込用ファイル106a中の行番号1~4のすべての取込用レコードについての在庫引当が完了した。各取込用レコードについての在庫引当の結果をまとめた表を、
図10として示す。
【0090】
以上、本項目[4-1]で説明したように、本実施形態に係る在庫引当実行装置100によれば、得意先における商品の管理粒度(本例では、「規格別」)よりも自社における商品の管理粒度(本例では、「規格別かつ産地別」)の方が細かい場合においても、前記得意先において使用または出荷された商品(本例では、「TKS01」の商品)に対応する前記自社における複数の商品(本例では、「EBI01」~「EBI04」の商品)の在庫引当を実行することができる。これにより、自社の商品の在庫引当を迅速、簡便かつ正確に行うことが可能となる。
【0091】
[4-2.売上データの生成]
本項目では、売上データ106eの生成について説明する。
【0092】
売上データ生成部102eは、
図11に示す売上データ106eを生成する。
図11の売上データ106e中の各売上レコードは、
図3の取込用ファイル106a中の各取込用レコードに基づいて生成されたものである。すなわち、売上番号「UR001」~「UR004」の売上レコードは、それぞれ、行番号1~4の取込用レコードに基づいて生成されたものである。
【0093】
売上データ106eは、
図11に示すように、例えば、売上番号と、取込用ファイル106a中の前記出庫日(売上日)と、取込用ファイル106a中の前記倉庫識別データ(倉庫コード)と、取込用ファイル106a中の前記得意先識別データ(得意先コード)と、取込用ファイル106a中の前記納入先識別データ(納入先コード)と、明細番号と、[4-1]において在庫引当実行部102dで在庫引当の対象とした在庫レコード中の前記自社商品識別データ(商品コード)と、当該在庫レコード中の前記ロット識別データ(ロット番号)と、当該在庫レコード中の賞味期限と、[4-1]において在庫引当実行部102dで差し引いた前記引当可能在庫数(売上数)と、当該在庫レコード中の前記単価と、当該売上数に当該単価を乗じて算出される売上金額(金額)と、等を有する売上レコードを含む。
【0094】
ここで、
図11にハッチングで示すように、売上番号「UR002」の売上レコード中の賞味期限10/05は、より若い売上番号「UR001」の売上レコード中の賞味期限10/15よりも近い期限である。つまり、引当された在庫の賞味期限が、ここだけ、「10/15→10/05」という遠い順になっている。これは、例外パターンマスタ106cでの例外設定に起因するものである。例外パターンマスタ106cで例外設定をした場合には、このように売上データ106eにおいて、引当された在庫の賞味期限が、一部逆転する(遠い順になる)ことがある。
【0095】
また、得意先から出荷報告された商品(「TKS01」の商品)が1つであっても、売上データ106eにおいては、明細番号を分けることで、自社の複数の商品(
図11にハッチングで示す「EBI03」の商品および「EBI01」の商品)に分けた状態で情報が登録される。
【0096】
以上、本項目[4-2]で説明したように、本実施形態に係る在庫引当実行装置100によれば、在庫引当の結果を反映した売上データ106eを生成することができる。
【0097】
[4-3.在庫ファイルの更新]
本項目では、在庫ファイル106dの更新について説明する。
【0098】
在庫ファイル更新部102fは、
図6に示す更新前の在庫ファイル106d中の在庫レコード中の引当可能在庫数から、[4-1]において在庫引当実行部102dで差し引いた引当可能在庫数を減算することにより、在庫ファイル106dを更新する。更新後の在庫ファイル106dを
図12に示す。なお、
図12の更新後の在庫ファイル106dにおいては、更新のあった引当可能在庫数をハッチングにより示している。
【0099】
以上、本項目[4-3]で説明したように、本実施形態に係る在庫引当実行装置100によれば、在庫引当の結果を反映することで在庫ファイル106dを更新することができる。これにより、例えば、得意先からの出荷報告と同時に在庫ファイル106dを更新することができるため、在庫ファイル106dの更新遅れに起因する在庫引当ミス等をなくすことができる。
【0100】
[5.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0101】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0103】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0104】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0105】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0106】
また、在庫引当実行装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0107】
例えば、在庫引当実行装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫引当実行装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0108】
また、このコンピュータプログラムは、在庫引当実行装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0109】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0110】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0111】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0112】
また、在庫引当実行装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、在庫引当実行装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0113】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、在庫の扱いが存在するあらゆる業界において有用であるが、例えば、食品業界(中でも特に、加工前の食材を扱う食品業界)、食品加工業界、水産業界および生鮮食品業界等において有用である。
【符号の説明】
【0115】
100 在庫引当実行装置
102 制御部
102a 例外取得部
102b 自社商品取得部
102c 在庫レコード取得部
102d 在庫引当実行部
102e 売上データ生成部
102f 在庫ファイル更新部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 取込用ファイル
106b 商品変換マスタ
106c 例外パターンマスタ
106d 在庫ファイル
106e 売上データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク