(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139188
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28D 7/02 20060101AFI20241002BHJP
F28D 1/06 20060101ALI20241002BHJP
F28F 9/22 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
F28D7/02
F28D1/06 A
F28F9/22
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050017
(22)【出願日】2023-03-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】595088078
【氏名又は名称】ファインマシーンカタオカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】片岡 啓二
【テーマコード(参考)】
3L065
3L103
【Fターム(参考)】
3L065DA04
3L103AA37
(57)【要約】
【課題】熱変換効率の低下を抑制することができる熱交換器を提供することを目的とする。
【解決手段】熱交換器1は、下方に開放する第1の開口20aが形成されたカバー20、及び、第1の開口20aを閉塞する底板10を有し、底板10に第1の流体を供給する流体供給口12が形成された筐体と、底板10に取り付けられ、下端部が筐体の外部と連通し、上方に開放する第2の開口30aが形成された第1の流体が流れる筒体30と、筒体30の側面に固定され、螺旋間の隙間が上下方向に等間隔な螺旋状に形成され、カバー20内に収納され、螺旋間の隙間に第1の流体が流れ、第1の流体を旋回させる旋回盤31と、底板10に取り付けられ、両端部が筐体の外部と連通し、底板10から旋回盤31の螺旋間の隙間を通って上がり、折り返して旋回盤31の螺旋間の隙間を通って下り底板10へ戻る構成を有し、第1の流体との間で熱交換を行う第2の流体が流れる第1パイプ40と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に開放する第1の開口が形成されたカバー、及び、前記第1の開口を閉塞する底板を有し、前記底板に第1の流体を供給する流体供給口が形成された筐体と、
前記底板に取り付けられ、下端部が前記筐体の外部と連通し、上方に開放する第2の開口が形成された前記第1の流体が流れる筒体と、
前記筒体の側面に固定され、螺旋間の隙間が上下方向に等間隔な螺旋状に形成され、前記カバー内に収納され、螺旋間の隙間に前記第1の流体が流れ、前記第1の流体を旋回させる旋回盤と、
前記底板に取り付けられ、両端部が前記筐体の外部と連通し、前記底板から前記旋回盤の螺旋間の隙間を通って上がり、折り返して前記旋回盤の螺旋間の隙間を通って下り前記底板へ戻る構成を有し、前記第1の流体との間で熱交換を行う第2の流体が流れる第1パイプと、
を備える、熱交換器。
【請求項2】
前記第1パイプは、
前記底板から上方へと向かう螺旋状に形成された第1立ち上がり管部と、
前記第1立ち上がり管部と連続し前記筒体から離れる方向へと折り返す第1折返部と、
前記第1折返部と連続し下方へと向かい前記底板に戻る螺旋状に形成された第1立ち下がり管部と、
を有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記底板は、さらに、流体排出口と、第1流体出入口と、第2流体出入口と、が形成され、
前記筒体は、前記底板の中央に形成された前記流体排出口と連通し、
前記第1立ち上がり管部は、前記第1流体出入口と連通し、
前記第1立ち下がり管部と、前記第2流体出入口と連通する、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記旋回盤が、前記第1立ち上がり管部及び前記第1立ち下がり管部の螺旋間の隙間に配置され、
前記筒体は、捻るように回転させ、前記第1立ち上がり管部及び前記第1立ち下がり管部の螺旋間の隙間から前記旋回盤を外すことで、取り外し可能である、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記流体排出口と前記流体供給口の間で、前記筒体、及び、前記旋回盤の螺旋間の隙間を通って第1の流体が流れ、
前記第1流体出入口と前記第2流体出入口の間で、前記第1パイプの内部を通って第2の流体が流れる、請求項3に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1立ち下がり管部の螺旋間の隙間が、前記第1立ち上がり管部の螺旋間の隙間と等間隔である、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記底板に取り付けられ、前記旋回盤の螺旋間の隙間を通り、前記第1の流体との間で熱交換を行う第2の流体が流れる第2パイプと、
前記第2パイプを構成する、前記底板から上方へと向かう螺旋状に形成された第2立ち上がり管部と、
前記第2パイプを構成する、前記第2立ち上がり管部と連続し前記筒体から離れる方向へと折り返す第2折返部と、
前記第2パイプを構成する、前記第2折返部と連続し下方へと向かい前記底板に戻る螺旋状に形成された第2立ち下がり管部と、
を備える、請求項3に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記底板は、さらに、第3流体出入口と、第4流体出入口と、が形成され、
前記第2立ち上がり管部は、前記第3流体出入口と連通し、
前記第2立ち下がり管部と、前記第4流体出入口と連通し
前記第1流体出入口と前記第2流体出入口の間、及び、前記第3流体出入口と前記第4流体出入口の間で、それぞれ前記第1パイプ及び前記第2パイプの内部を通って第2の流体が流れる、請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第2立ち下がり管部及び前記第2立ち上がり管部の螺旋間の隙間が、前記第1立ち下がり管部及び前記第1立ち上がり管部の螺旋間の隙間と等間隔である、請求項7に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記旋回盤が、前記第1立ち上がり管部、前記第1立ち下がり管部、前記第2立ち上がり管部、及び、前記第2立ち下がり管部の螺旋間の隙間に配置され、
前記筒体は、捻るように回転させ、前記第1立ち上がり管部、前記第1立ち下がり管部、前記第2立ち上がり管部、及び、前記第2立ち下がり管部の螺旋間の隙間から前記旋回盤を外すことで、取り外し可能である、請求項7に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第2パイプの長さが、前記第1パイプの長さと同じである、請求項7に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、円筒状に形成されたカバーと、螺旋状に形成された部位と折り返して戻る直線状に形成された部位とを有し、冷媒が流れるパイプと、側面に螺旋状に形成され、螺旋間の隙間に流体が流れ、流体を螺旋状に旋回させる旋回盤を有し、旋回盤の螺旋間の隙間にパイプが通される筒体と、を備える水冷式冷媒凝縮器が開示されている。特許文献1の水冷式冷媒凝縮器は、パイプを捻りながら抜き差しすることで、分解及び組み立てをすることができる。そのため、特許文献1の水冷式冷媒凝縮器は、内部の清掃を容易にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された水冷式冷媒凝縮器においては、パイプの直線状に形成された部位を通すために、カバーと旋回盤の側端との間に隙間を設けている。この隙間から上下方向に流体が流れ、熱交換効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、熱変換効率の低下を抑制することができる熱交換器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の実施の形態に係る熱交換器の基本的構成では、
下方に開放する第1の開口が形成されたカバー、及び、前記第1の開口を閉塞する底板を有し、前記底板に第1の流体を供給する流体供給口が形成された筐体と、
前記底板に取り付けられ、下端部が前記筐体の外部と連通し、上方に開放する第2の開口が形成された前記第1の流体が流れる筒体と、
前記筒体の側面に固定され、螺旋間の隙間が上下方向に等間隔な螺旋状に形成され、前記カバー内に収納され、螺旋間の隙間に前記第1の流体が流れ、前記第1の流体を旋回させる旋回盤と、
前記底板に両端が取り付けられ、前記筐体の外部と連通し、前記底板から前記旋回盤の螺旋間の隙間を通って上がり、折り返して前記旋回盤の螺旋間の隙間を通って下り前記底板へ戻る構成を有し、前記第1の流体との間で熱交換を行う第2の流体が流れる第1パイプと、
を備える。
【0007】
前記第1パイプは、
前記底板から上方へと向かう螺旋状に形成された第1立ち上がり管部と、
前記第1立ち上がり管部と連続し前記筒体から離れる方向へと折り返す第1折返部と、
前記第1折返部と連続し下方へと向かい前記底板に戻る螺旋状に形成された第1立ち下がり管部と、
を有してもよい。
【0008】
前記底板は、さらに、流体排出口と、第1流体出入口と、第2流体出入口と、が形成され、
前記筒体は、前記底板の中央に形成された前記流体排出口と連通し、
前記第1立ち上がり管部は、前記第1流体出入口と連通し、
前記第1立ち下がり管部と、前記第2流体出入口と連通してもよい。
【0009】
前記旋回盤が、前記第1立ち上がり管部及び前記第1立ち下がり管部の螺旋間の隙間に配置され、
前記筒体は、捻るように回転させ、前記第1立ち上がり管部及び前記第1立ち下がり管部の螺旋間の隙間から前記旋回盤を外すことで、取り外し可能であってもよい。
【0010】
前記流体排出口と前記流体供給口の間で、前記筒体、及び、前記旋回盤の螺旋間の隙間を通って第1の流体が流れ、
前記第1流体出入口と前記第2流体出入口の間で、前記第1パイプの内部を通って第2の流体が流れてもよい。
【0011】
前記第1立ち下がり管部の螺旋間の隙間が、前記第1立ち上がり管部の螺旋間の隙間と等間隔であってもよい。
【0012】
前記底板に取り付けられ、前記旋回盤の螺旋間の隙間を通り、前記第1の流体との間で熱交換を行う第2の流体が流れる第2パイプと、
前記第2パイプを構成する、前記底板から上方へと向かう螺旋状に形成された第2立ち上がり管部と、
前記第2パイプを構成する、前記第2立ち上がり管部と連続し前記筒体から離れる方向へと折り返す第2折返部と、
前記第2パイプを構成する、前記第2折返部と連続し下方へと向かい前記底板に戻る螺旋状に形成された第2立ち下がり管部と、
を備えてもよい。
【0013】
前記底板は、さらに、第3流体出入口と、第4流体出入口と、が形成され、
前記第2立ち上がり管部は、前記第3流体出入口と連通し、
前記第2立ち下がり管部と、前記第4流体出入口と連通し
前記第1流体出入口と前記第2流体出入口の間、及び、前記第3流体出入口と前記第4流体出入口の間で、それぞれ前記第1パイプ及び前記第2パイプの内部を通って第2の流体が流れてもよい。
【0014】
前記第2立ち下がり管部及び前記第2立ち上がり管部の螺旋間の隙間が、前記第1立ち下がり管部及び前記第1立ち上がり管部の螺旋間の隙間と等間隔であってもよい。
【0015】
前記旋回盤が、前記第1立ち上がり管部、前記第1立ち下がり管部、前記第2立ち上がり管部、及び、前記第2立ち下がり管部の螺旋間の隙間に配置され、
前記筒体は、捻るように回転させ、前記第1立ち上がり管部、前記第1立ち下がり管部、前記第2立ち上がり管部、及び、前記第2立ち下がり管部の螺旋間の隙間から前記旋回盤を外すことで、取り外し可能であってもよい。
【0016】
前記第2パイプの長さが、前記第1パイプの長さと同じでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る熱交換器においては、第1パイプが旋回盤の螺旋間の隙間を通り、カバーと旋回盤の側端との間に第1パイプを通さない。このため、カバーと旋回盤の側端との間に、熱変換効率の低下の原因となる第1パイプを通す隙間を設ける必要がない。そのため、本発明においては、熱変換効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】実施の形態に係る熱交換器の右側面図である。
【
図6】実施の形態に係るパイプ及び筒体を示す正面から見た図である。
【
図7】実施の形態に係るパイプ及び筒体を示す右側面から見た図である。
【
図8】実施の形態に係る熱交換器のカバー及び旋回盤を省略した平面図である。
【
図9】(a)は、実施の形態に係る第1パイプの平面図である。(b)は、実施の形態に係る第1パイプの正面図である。
【
図10】(a)は、実施の形態に係る第2パイプの平面図である。(b)は、実施の形態に係る第2パイプの正面図である。
【
図11】(a)は、実施の形態に係る第1パイプ及び第2パイプの平面図である。(b)は、実施の形態に係る第1パイプ、第2パイプ、及び、筒体の正面図である。
【
図12】(a)は、実施の形態に係る筒体の平面図である。(b)は、実施の形態に係る筒体の正面図である。(c)は、実施の形態に係る筒体の底面図である。
【
図13】(a)は、実施の形態に係る第1の流路W1の断面図である。(b)は、実施の形態に係る第1の流路W1とセットカラーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施の形態.
以下、本発明の実施の形態に係る熱交換器1を図に基づいて説明する。なお、理解を容易にするために、XYZ座標を設定し、適宜参照する。
【0020】
図1から
図4に示す熱交換器1は、2つの流体の間で熱交換を行うための装置である。熱交換器1は、
図5に示すタンク100に貯蔵された第1の流体Aと、冷熱源装置200の第2の流体Bとの間で熱交換を行うための装置である。冷熱源装置200は、例えば、ボイラーである。しかしながら、これに限られない。冷熱源装置200は、第2の流体Bを冷却または加熱する装置である。冷熱源装置200は、例えば、凝縮器、蒸発器、冷却塔、加熱塔を備えた冷蔵・冷凍機、エアコンであってもよい。
【0021】
タンク100に貯蔵された第1の流体Aは洗浄液である。しかしながら、これに限られない。第1の流体Aは、冷却または加熱される伝熱媒体である。第1の流体Aは、例えば、オイル、冷却水であってもよい。
【0022】
冷熱源装置200の第2の流体Bは冷媒である。しかしながら、これに限られない。第2の流体Bは、第1の流体Aを冷却または加熱する伝熱媒体である。第2の流体Bは、例えば、オイルであってもよい。
【0023】
熱交換器1は、
図6及び
図7に示すように、底板10と、カバー20と、第1パイプ40と、第2パイプ50と、筒体30と、セットカラー60と、支持脚70と、を備える。熱交換器1は、底板10と、カバー20と、筒体30と、の間を流れる第1の流体Aと、第1パイプ40及び第2パイプ50の内部を流れる第2の流体Bとの間で熱交換を行う。
【0024】
底板10は、
図8に示す板材である。底板10は、ステンレスからなる。しかしながら、これに限られない。底板10は、耐環境性と耐久性に優れた素材からなればよい。底板10の下面には、断熱材が貼り付けられている。底板10の上面には、環状に形成された凸部10aが形成されている。底板10には、流体排出口11と、流体供給口12と、第1流体出入口13と、第2流体出入口14と、第3流体出入口15と、第4流体出入口16と、ドレン17と、が形成されている。
【0025】
流体排出口11は、第1の流体Aが出入りするための開口である。流体排出口11は、底板10の中央部に形成されている。
【0026】
流体供給口12は、第1の流体Aが出入りするための開口である。流体供給口12は、流体排出口11の縁部と、凸部10aの内縁部との間に形成されている。流体供給口12には、エルボ12aが設けられている、
【0027】
エルボ12aは、流体供給口12から上方(+Z軸方向)へと伸び、90度曲がって側方に開口を向けるように形成されている。エルボ12aの開口は、上方から見て、流体排出口11の中心軸を中心とし、流体供給口12の中心軸を通る円を仮定して、円の接線方向に開口している。
【0028】
第1流体出入口13は、第2の流体Bが出入りするための開口である。第1流体出入口13は、流体排出口11の縁部と、凸部10aの内縁部との間に形成されている。
【0029】
第2流体出入口14は、第2の流体Bが出入りするための開口である。第2流体出入口14は、流体排出口11の縁部と、凸部10aの内縁部との間に形成されている。第2流体出入口14は、
図4に示すように、流体排出口11の中心から第2流体出入口14の中心までの距離d1が、流体排出口11の中心から第1流体出入口13の中心までの距離D1よりも長いd1>D1となる位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第2流体出入口14は、距離D1が距離d1以上となる位置に形成されてもよい。
【0030】
第3流体出入口15は、第2の流体Bが出入りするための開口である。第3流体出入口15は、
図8に示すように、流体排出口11の縁部と、凸部10aの内縁部との間に形成されている。第3流体出入口15は、流体排出口11の中心から第3流体出入口15の中心までの距離D2が、d1>D2>D1となる位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第3流体出入口15は、距離D2が距離D1以下、又は距離D2が距離d1以上となる位置に形成されてもよい。
【0031】
第4流体出入口16は、第2の流体Bが出入りするための開口である。第4流体出入口16は、
図4に示すように、流体排出口11の縁部と、凸部10aの内縁部との間に形成されている。第4流体出入口16は、
図4に示すように、流体排出口11の中心から第4流体出入口16の中心までの距離d2が、D1+d1=D2+d2となる位置に形成されている。しかしながら、これに限られない。第4流体出入口16は、D2+d2の長さとD1+d1の長さが異なる位置に形成されてもよい。
【0032】
ドレン17は、メンテナンスを行う時に、熱交換器1内の第1の流体を排出するための開口である。ドレン17には、エルボ17a及びバルブ17bが設けられている。
【0033】
カバー20は、
図6に示すように、下方(-Z軸方向)に開放する第1の開口20aが形成された箱体である。カバー20の第1の開口20aは、底板10により閉塞される。カバー20は、第1の開口20aを底板10で閉塞されることにより筐体を構成する。カバー20は、断熱性、耐環境性、及び、耐久性に優れた素材又は構造からなる。カバー20は、胴体部21と、天面22と、を有する。
【0034】
胴体部21は、Z軸方向を軸芯方向とした円筒状に形成された筒体である。胴体部21は、下端が第1の開口20aの縁部となるように形成されている。
【0035】
天面22は、丸みを帯びたドーム形状に形成された部材である。天面22は、胴体部21の上端と連続し、胴体部21の上方を覆うように形成されている。
【0036】
筒体30は、
図12に示すように、Z軸方向を軸芯方向とした円筒状に形成されている。筒体30には、上方(+Z軸方向)に開放する第2の開口30aが形成されている。筒体30は、ステンレスからなる。しかしながら、これに限られない。筒体30は、耐環境性と耐久性に優れた素材からなればよい。筒体30は、
図6に示すように、底板10に取り付けられる。筒体30は、底板10によりカバー20の第1の開口20aが閉塞されることで、底板10及びカバー20からなる筐体の内部に収納される。筒体30の第1の開口20aの外縁部は、底板10の凸部10aと接する。筒体30の下端は、流体排出口11と連通している。筒体30の内部では、第2の開口30aから流体排出口11へと第1の流体Aが流れる。筒体30の内部を流れる第1の流体Aは、流体排出口11から排出される。筒体30の側壁には、螺旋状に形成された旋回盤31が固定されている。
【0037】
旋回盤31は、筒体30の側壁に固定された板材である。旋回盤31は、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成されている。旋回盤31は、螺旋間の隙間が上下方向に等間隔な螺旋状に形成されている。旋回盤31は、カバー20に揺動可能に嵌め込まれる大きさになるように形成されている。旋回盤31は、下端から上端へと向かう螺旋の回転方向がエルボ12aの開口の向きに沿うよう、形成されている。旋回盤31の螺旋間の隙間には、第2の開口30aを通る第1の流体Aが流れる。旋回盤31は、底板10、カバー20、及び、筒体30とともに、螺旋状の空間を規定する。そして、この螺旋状の空間により、第1の流体Aが流れる第1の流路W1が形成される。旋回盤31は、側端31aを有する。
【0038】
側端31aは、
図11から
図13に示すように、旋回盤31の筒体30から最も離れた端部である。側端31aは、カバー20と揺動可能に嵌め込まれる。旋回盤31の側端31aと、カバー20の内壁20bと、の間の隙間tの幅は、第1の流路W1の幅よりも極めて小さく、隙間tを流れる第1の流体Aは少ない。
【0039】
第1パイプ40は、
図9に示すように、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成された蛇管である。第1パイプ40の内部は、第2の流体Bの一部が流れる第2の流路W2を形成する。第1パイプ40は、ステンレスからなる。しかしながら、これに限られない。第1パイプ40は、耐環境性と耐久性に優れた素材からなればよい。第1パイプ40は、
図6に示すように、底板10の上面に取り付けられる。第1パイプ40の一端は第1流体出入口13と連通し、他端は第2流体出入口14と連通する。そして、第1パイプ40は、旋回盤31の螺旋間の隙間を通るように形成されている。第1パイプ40の外径Tの長さは、
図13に示すように、旋回盤31の側端31aと、カバー20の内壁20bと、の隙間tの幅の長さよりも長い。しかしながら、これに限られない。第1パイプ40の外径Tの長さは、隙間tの幅の長さ以下であってもよい。第1パイプ40は、
図6に示すように、底板10によりカバー20の第1の開口20aが閉塞されることで、底板10及びカバー20からなる筐体の内部に収納される。第1パイプ40は、第1立ち上がり管部41と、第1折返部42と、第1立ち下がり管部43と、を有する。
【0040】
第1立ち上がり管部41は、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成された管体である。第1立ち上がり管部41の下端部41aは、直線状に形成されている。第1立ち上がり管部41の下端部41aは、第1流体出入口13と連通している。第1立ち上がり管部41は、底板10から上方(+Z軸方向)へと向かう。
図9に示す第1立ち上がり管部41の螺旋の上方(+Z軸方向)から見た半径R1は、
図4に示す距離D1の長さと等しい。しかしながら、これに限られない。半径R1は、距離D1の長さと異なっていてもよい。
【0041】
第1折返部42は、
図9に示すように、一端が第1立ち上がり管部41の上端と連続し、筒体30から離れる方向へと折り返されている。
【0042】
第1立ち下がり管部43は、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成されている。第1立ち下がり管部43の上端は、第1折返部42の他端と連続している。第1立ち下がり管部43は、第1折返部42の他端から下方(-Z軸方向)へと向かう。第1立ち下がり管部43の下端部43aは、直線状に形成されている。第1立ち下がり管部43の下端部43aは、第2流体出入口14と連通している。第1立ち下がり管部43の螺旋の上方(+Z軸方向)から見た半径r1は、距離d1の長さと等しい。しかしながら、これに限られない。半径r1は、半径r1は、距離d1の長さと異なっていてもよい。半径r1は、例えば、R1<r1の範囲となる長さであってもよい。
【0043】
第2パイプ50は、
図10に示すように、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成されている。第2パイプ50の内部は、第2の流体Bの一部が流れる第3の流路W3を形成する。第2パイプ50は、ステンレスからなる。しかしながら、これに限られない。第2パイプ50は、耐環境性と耐久性に優れた素材からなればよい。第2パイプ50は、
図6に示すように、底板10の上面に取り付けられる。第2パイプ50の一端は第3流体出入口15と連通し、他端は第4流体出入口16と連通する。そして、第2パイプ50は、旋回盤31の螺旋間の隙間を通るように形成されている。第2パイプ50は、底板10によりカバー20の第1の開口20aが閉塞されることで、底板10及びカバー20からなる筐体の内部に収納される。第2パイプ50は、第2立ち上がり管部51と、第2折返部52と、第2立ち下がり管部53と、を有する。
【0044】
第2立ち上がり管部51は、
図10に示すように、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成されている。第2立ち上がり管部51の下端部51aは、直線状に形成されている。第2立ち上がり管部51の下端部51aは、第3流体出入口15と連通している。第2立ち上がり管部51は、底板10から上方(+Z軸方向)へと向かう。
図10に示す第2立ち上がり管部51の螺旋の上方(+Z軸方向)から見た半径R2は、
図4に示す距離D2の長さと等しい。しかしながら、これに限られない。半径R2は、距離D1の長さと異なっていてもよい。半径R2は、例えば、R1<R2<r1の範囲となる長さであってもよい。
【0045】
第2折返部52は、一端が第2立ち上がり管部51の上端と連続し、筒体30から離れる方向へと折り返されている。第2折返部52は、第1折返部42と上下方向(Z軸方向)において、ほぼ同じ高さに位置する。
【0046】
第2立ち下がり管部53は、Z軸方向を軸芯方向とした螺旋状に形成されている。第2立ち下がり管部53の上端は、第2折返部52の他端と連続している。第2立ち下がり管部53は、第2折返部52の他端から下方(-Z軸方向)へと向かう。第2立ち下がり管部53の下端部53aは、直線状に形成されている。第2立ち下がり管部53の下端部53aは、第4流体出入口16と連通している。第2立ち下がり管部53の螺旋の上方(+Z軸方向)から見た半径r2は、距離d2の長さと等しい。しかしながら、これに限られない。半径r2は、距離d1の長さと異なっていてもよい。
【0047】
第1パイプ40の半径R1及び半径r1と、第2パイプ50の半径R2及び半径r2は、R1+r1=R2+r2となる。そして、第1パイプ40の長さと第2パイプ50の長さは、ほぼ等しい。しかしながら、これに限られない。R1+r1の長さとR2+r2の長さが異なり、第1パイプ40の長さと第2パイプ50の長さが、異なっていてもよい。
【0048】
セットカラー60は、環状の樹脂部品である。セットカラー60の中央の開口には、旋回盤31の螺旋間の隙間に設けられた第1パイプ40が差し込まれる。セットカラー60の外径の長さは、旋回盤31の螺旋間の隙間の幅の長さよりも短い。セットカラー60は、旋回盤31と、第1パイプ40及び第2パイプ50と、の振動による接触を防ぐ。セットカラー60は、半周に1つ設けられる。しかしながら、これに限られない。セットカラー60は、一定間隔で設けられていればよい。セットカラー60は、例えば、1周に1つ設けられてもよい。
【0049】
支持脚70は、
図6に示すように、底板10の下面を支持する部材である。支持脚70は、Z軸方向を軸芯方向とした柱状に形成されている。そして、支持脚70は、底板10の下に、配管を配置するための空間を確保する。さらに、支持脚70は、底板10をタンク100よりも高い位置で支持する。
【0050】
次に、熱交換器1の組立方法について説明する。
【0051】
最初に、
図6に示す底板10に、底板10の上面側から第1パイプ40及び第2パイプ50を取り付ける。具体的には、
図9に示す第1立ち上がり管部41の下端部41aは、
図8に示す底板10の第1流体出入口13に連通され、
図9に示す第1立ち下がり管部43の下端部は、
図8に示す第2流体出入口14に連通される。そして、
図10に示す第2立ち上がり管部51の下端部41aは、
図8に示す第3流体出入口15に連通され、
図10に示す第2立ち下がり管部53の下端部53aは、
図8に示す第4流体出入口16に連通される。
図6に示す第1パイプ40及び第2パイプ50は、留め具、例えば、ボルトにより、底板10に取り付けられる。
【0052】
さらに、底板10に、底板10の上面側から筒体30を取付金具により取り付ける。具体的には、筒体30は、
図6に示すように、第1パイプ40及び第2パイプ50を旋回盤31の螺旋間の隙間にねじ込むようにして回転させながら組込まれる。そして、筒体30は、第2の開口30aが上方に開放されるように、下端部を
図8に示す底板10の流体排出口11に連通される。
図6に示す筒体30は、取付金具により、底板10に取り付けられる。
【0053】
次に、カバー20を筒体30、第1パイプ40、及び、第2パイプ50を覆うように被せる。そして、カバー20の胴体部21の下端部が底板10の凸部10aと接するように位置合わせし、留め具によりカバー20を底板10に固定する。その結果、カバー20の第1の開口20aが、底板10により閉塞される。そして、第1パイプ40及び第2パイプ50は、底板10及びカバー20により規定される空間Sの内部に収納される。
【0054】
最後に、流体排出口11及び流体供給口12と、
図5に示すタンク100と、の間に配管を設けて連通し、ポンプを用いてタンク100内に貯蔵された第1の流体Aを循環可能な状態にする。そして、第1流体出入口13、第2流体出入口14、第3流体出入口15、及び、第4流体出入口16と、冷熱源装置200と、の間に配管を設けて連通し、冷熱源装置200の第2の流体Bを循環可能な状態にする。第1流体出入口13及び第3流体出入口15と、冷熱源装置200と、を連通させる配管は、二又分岐管である。しかしながら、これに限られない。第1流体出入口13及び第3流体出入口15と、冷熱源装置200と、を連通させる配管は別個に設けられてもよい。第2流体出入口14及び第4流体出入口16と、冷熱源装置200と、を連通させる配管は、二又分岐管である。しかしながら、これに限られない。第2流体出入口14及び第4流体出入口16と、冷熱源装置200と、を連通させる配管は別個に設けられてもよい。
【0055】
次に、熱交換器1の使用方法について説明する。
【0056】
図5から
図8に示す熱交換器1では、最初に、流体供給口12から、底板10及びカバー20からなる筐体の空間Sの内部へと、タンク100内に貯蔵された第1の流体Aをポンプにより送り込む。流体供給口12に送り込まれた第1の流体Aは、底板10と、カバー20と、筒体30と、旋回盤31と、により形成された第1の流路W1を流れる。具体的には、第1の流体Aは、流体供給口12のエルボ12aから、旋回盤31の下端から上端へと向かう螺旋の回転方向へと吐出される。吐出された第1の流体Aは、旋回盤31の上面に沿って、螺旋状に旋回しながら上昇し、筒体30の第2の開口30aから筒体30の内部に流れ込む。筒体30の内部に流れ込んだ第1の流体Aは、筒体30の内部を下降し、流体排出口11から空間Sの外部へと排出される。第1の流体Aは、旋回盤31の側端31aと、カバー20と、が揺動可能に嵌め込まれ、旋回盤31の側端31aと内壁20bの間の隙間が小さいため、第1の流路W1から外れ、直接上方(+Z軸方向)に流れにくい。
【0057】
第1の流路W1を流れた第1の流体Aは、
図8に示す流体排出口11から熱交換器1の外部に排出され、
図5に示す熱交換器1とタンク100とを連通させる配管により、タンク100の内部に戻される。
【0058】
次に、
図8に示す第1流体出入口13から、第1パイプ40の内部に、
図5に示す冷熱源装置200の第2の流体Bの一部を送り込むとともに、
図8に示す第3流体出入口15から、第2パイプ50の内部に、
図5に示す冷熱源装置200の第2の流体Bの一部を送り込む。
【0059】
第1流体出入口13から第1パイプ40の内部に送り込まれた第2の流体Bは、
図6に示すように、第1パイプ40により形成された第2の流路W2を流れる。具体的には、第2の流体Bは、第1流体出入口13から第1立ち上がり管部41の内部を通って螺旋状に上昇し、第1折返部42の内部を通って筒体30から離れる方向へと折り返し、第1立ち下がり管部43の内部を通って螺旋状に下降する。
【0060】
第2の流路W2を流れる第2の流体Bは、第2の流路W2を形成する第1パイプ40が第1の流路W1の内部に位置するため、第1の流路W1を流れる第1の流体Aとの間で熱交換が行われる。
【0061】
第1立ち上がり管部41の内部を上昇する第2の流体Bの流れは、旋回盤31の上面に沿って上昇する第1の流体Aの流れに対して並行流となる。
【0062】
第1立ち下がり管部43の内部を下降する第2の流体Bの流れは、旋回盤31の上面に沿って上昇する第1の流体Aの流れに対して対向流となる。そして、第1立ち下がり管部43の内部の内部を流れる第2の流体Bは、高い位置ほど温度が高く、第1の流路W1を流れる第1の流体Aは、高い位置ほど温度が低い。その結果、熱が筐体内の全体に伝わり、熱交換効率が向上する。一般に、熱交換器について、対向流の熱交換効率が、並行流の熱交換効率よりも高いことが知られている。
【0063】
第2の流体Bと、第1の流体Aは、第1立ち上がり管部41と、第1立ち下がり管部43の両方において熱交換を行うため、熱交換器1全体としての熱交換効率は向上する。
【0064】
第2の流路W2を流れた第2の流体Bは、第2流体出入口14から熱交換器1の外部に排出され、冷熱源装置200と第2流体出入口14とを連通させる配管により、冷熱源装置200に戻される。
【0065】
第3流体出入口15から第2パイプ50の内部に送り込まれた第2の流体Bは、第2パイプ50により形成された第3の流路W3を流れる。具体的には、第2の流体Bは、第3流体出入口15から第2立ち上がり管部51の内部を通って螺旋状に上昇し、第2折返部52の内部を通って筒体30から離れる方向へと折り返し、第2立ち下がり管部53の内部を通って螺旋状に下降する。
【0066】
第3の流路W3を流れる第2の流体Bは、第3の流路W3を形成する第2パイプ50が第1の流路W1の内部に位置するため、第1の流路W1を流れる第1の流体Aとの間で熱交換が行われる。
【0067】
第2立ち上がり管部51の内部を上昇する第2の流体Bの流れは、旋回盤31の上面に沿って上昇する第1の流体Aの流れに対して並行流となる。
【0068】
第2立ち下がり管部53の内部を上昇する第2の流体Bの流れは、旋回盤31の上面に沿って上昇する第1の流体Aの流れに対して対向流となる。そして、第2の流体Bと、第1の流体Aは、第2立ち上がり管部51と、第2立ち下がり管部53の両方において熱交換を行うため、熱交換器1全体としての熱交換効率は向上する。
【0069】
第3の流路W3を流れた第2の流体Bは、
図8に示す第4流体出入口16から熱交換器1の外部に排出され、
図5に示す熱交換器1と冷熱源装置200とを連通させる配管により、冷熱源装置200に戻される。
【0070】
一般に、パイプを流れる流体の圧力損失は、パイプのサイズと、パイプを流れる流体の流速により決まるため、パイプのサイズ、及び、パイプを流れる流体の流量には制限がある。しかしながら、
図6に示すように、第1パイプ40と第2パイプ50の2つのパイプを設けることで、圧力損失を抑制しつつ、第2の流体Bの流量を増やし、熱交換効率を向上させることができる。
【0071】
熱交換器1をメンテナンスする場合、熱交換器1と、
図5に示すタンク100と、を連通させる配管に設けられたポンプを停止させる。そして、ドレン17のバルブ17bを開く。熱交換器1の底板10は、タンク100内に貯蔵された第1の流体Aよりも高い位置で支持されているため、熱交換器1の空間S内部の第1の流体Aは、ドレン17から排出されタンク100へと流れる。
【0072】
その後、カバー20を取り外し、第1パイプ40と、第2パイプ50と、筒体30と、が露出した状態にする。そして、筒体30を捻るように回転させ、第1立ち上がり管部41、第1立ち下がり管部43、第2立ち上がり管部51、及び、第2立ち下がり管部53の螺旋間の隙間から旋回盤31を外すことで、取り外す。その結果、第1パイプ40、第2パイプ50、筒体30を清掃可能な状態に分解することができる。
【0073】
以上、説明したように、本実施の形態に係る熱交換器1においては、メンテナンスするために、第1パイプ40及び第2パイプ50を外さずに分解することができる。さらに、第1折返部42で折り返された第1パイプ40の第1立ち下がり管部43が、第1の流路W1の内部を通るように設けられている。加えて、第2折返部52で折り返された第2パイプ50の第2立ち下がり管部53が、第1の流路W1の内部を通るように設けられている。上端で折り返された第1パイプ40、及び、上端で折り返された第2パイプ50を通す隙間を第1の流路W1とは別に設ける必要がない。その結果、本実施の形態に係る熱交換器1は、第1の流体Aのほとんどが第1の流路W1を流れ、熱変換効率の低下を抑制することができる
【0074】
本実施の形態に係る熱交換器1においては、熱交換器1の底板10は、タンク100内に貯蔵された第1の流体Aよりも高い位置で支持されているため、熱交換器1の空間S内部の第1の流体Aは、タンク100へと流れる。
【0075】
本実施の形態に係る熱交換器1においては、第1パイプ40の第1立ち上がり管部41の半径R1、第1立ち下がり管部43の半径r1と、第2パイプ50の第2立ち上がり管部51の半径R2、第2立ち上がり管部51の半径r2は、R1<R2<r2<r1である。そして、第2折返部52は、第1折返部42と上下方向(Z軸方向)において、ほぼ同じ高さに位置する。さらに、第1パイプ40又は第2パイプ50が接続される底板10の第1流体出入口13から第4流体出入口16の中心までの距離D1、D2、d1、d2は、D1<D2<d2<d1である。したがって、本実施の形態に係る熱交換器1では、第1パイプ40と第2パイプ50は、接触しない。
【0076】
本実施の形態に係る熱交換器1においては、第1パイプ40の長さと第2パイプ50の長さは、ほぼ等しい。そのため、第2の流路W2と第3の流路W3において、第2の流体Bと、第1の流体Aと、の間の熱交換がほぼ均等に行われる。その結果、本実施の形態に係る熱交換器1は、第2の流体Bと、第1の流体Aと、の間で安定した熱交換を行うことができる。
【0077】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0078】
上記実施の形態では、第1パイプ40の下端部41a、下端部43a、第2パイプ50の下端部51a、下端部53aが直線状に形成され、流体排出口11の中心から第1流体出入口13から第4流体出入口16の各中心までの距離D1、D2、d1、d2は、D1<D2<d2<d1である。これに限らず、第1流体出入口13から第4流体出入口16に接続される第1パイプ40と第2パイプ50とが接触しなければよい。第1パイプ40及び第2パイプ50は、例えば、互いに接触しないように屈曲した下端部41a、下端部43a、下端部51a、下端部53aを有してもよい。
【0079】
上記実施の形態では、第2の流路W2において、第2の流体Bが第1流体出入口13から第2流体出入口14へと流れ、第3の流路W3において、第2の流体Bが第3流体出入口15から第4流体出入口16へと流れる。しかしながら、これに限られない。第2の流路W2において、第2の流体Bが第2流体出入口14から第1流体出入口13へと流れ、第3の流路W3において、第2の流体Bが第4流体出入口16から第3流体出入口15へと流れてもよい。
【0080】
上記実施の形態では、熱交換器1は、第1パイプ40と第2パイプ50の2つのパイプを有する。しかしながら、これに限られない。熱交換器1は、例えば、1つのパイプ、又は3つ以上のパイプを有してもよい。
【0081】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0082】
1 熱交換器、10 底板、10a 凸部、11 流体排出口、12 流体供給口12a エルボ、13 第1流体出入口、14 第2流体出入口、15 第3流体出入口、16 第4流体出入口、17 ドレン、17a エルボ、17b バルブ、20 カバー、20a 第1の開口、20b 内壁、20c 外壁、21 胴体部、22 天面、30 筒体、30a 第2の開口、31 旋回盤、40 第1パイプ、41 第1立ち上がり管部、41a 下端部、42 第1折返部、43 第1立ち下がり管部、43a 下端部、50 第2パイプ、51 第2立ち上がり管部、51a 下端部、52 第2折返部、53 第2立ち下がり管部、53a 下端部、60 セットカラー、70 支持脚、100 タンク、200 冷熱源装置、A 第1の流体、B 第2の流体、D1 距離、D2 距離、d1 距離、d2 距離、R1 半径、R2 半径、r1 半径、r2 半径、S 空間