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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139204
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】実装基板及び内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/04 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
A61B1/04 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050039
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】小師 敦
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF45
4C161LL02
4C161PP08
4C161UU03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化に伴う強度低下の問題を解決できる実装基板及び内視鏡を提供する。
【解決手段】電子部品の実装面60を有する実装部62と、前記電子部品に電力を供給するための端子が設けられた端子部63とを備える実装基板6であって、端子部63は、実装部62の実装面60と反対側の反対面に設けられており、実装部62の角に対応する位置に形成された切り欠き部64と、切り欠き部64に設けられた第1端子65とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の実装面を有する実装部と、前記電子部品に電力を供給するための端子が設けられた端子部とを備える実装基板であって、
前記端子部は、
前記実装部の前記実装面と反対側の反対面に設けられており、
前記実装部の角に対応する位置に形成された切り欠き部と、前記切り欠き部に設けられた第1端子とを有する実装基板。
【請求項2】
前記端子部は、柱形状であって、前記反対面から突出しており、
前記端子部の軸心に対する放射方向において、前記端子部の寸法は前記反対面の寸法以下である請求項1に記載の実装基板。
【請求項3】
前記端子部の突出端面には第2端子が設けられている請求項2に記載の実装基板。
【請求項4】
前記実装部の前記反対面は矩形であり、
前記切り欠き部は、前記反対面の少なくとも2つの角に対応する位置に形成されている請求項1から3の何れか一項に記載の実装基板。
【請求項5】
前記切り欠き部は、前記端子部の軸心方向に沿って延びており、凹曲面を有する請求項2に記載の実装基板。
【請求項6】
前記実装部は矩形板形状であり、
前記実装部及び前記端子部の並設方向において、前記実装部の寸法は前記端子部の寸法以下である請求項1に記載の実装基板。
【請求項7】
前記実装部は、
前記実装部及び前記端子部の並設方向での寸法が前記端子部の寸法以上である六面体形状であり、
前記実装面と隣り合う一側面から、該一側面と隣り合う2つの側面に亘って形成された凹部を有し、
前記凹部には、第3端子が設けられている請求項1に記載の実装基板。
【請求項8】
前記電子部品は、体腔内部の撮像に用いられる撮像素子である請求項1に記載の実装基板。
【請求項9】
請求項1に記載の実装基板と、
前記実装基板に実装された電子部品とを備える内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装基板及び内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、被検者の体腔内に挿入することで所望の箇所の観察、処置を可能とする医療用機器であり、体腔内に挿入される挿入管の先端部に組み込まれた撮像モジュールを備えている。撮像モジュールは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )等の撮像素子と、該撮像素子を複数の受動部品と共に実装する実装基板とを備えている。
【0003】
内視鏡においては、被検者の負担を軽減するため、挿入管の細径化が進められており、挿入管の先端部に組み込まれる撮像モジュールの小型化が求められている。特許文献1、2には、小型化を図った撮像モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-039427号公報
【特許文献2】特開2017-153769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像モジュールは撮像素子を有しており、実装基板に該撮像素子と電気的に接続された端子を設ける必要がある。端子を設ける際には、実装基板の対向する2つの面を切り欠いて端子を埋設することによって、斯かる端子に電力供給用の電線が接続された場合、接続部が撮像素子よりも外側にはみ出ることを防いでいる。
【0006】
しかしながら、近年、被検者の負担を軽減すべく、小型の撮像素子及び実装基板を用いた内視鏡の先端部の細径化が進められている。しかし、このような小型の実装基板においては、対向する2つの面を切り欠いてランド部を設ける場合、端子同士間の距離が短くなるので、斯かる2つの面の対向方向に加わる外力に対する強度が大きく減少する問題が生じていた。
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2では上述のような問題について考慮しておらず、解決できない。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型化に伴う強度低下の問題を解決できる実装基板及び内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る実装基板は、電子部品の実装面を有する実装部と、前記電子部品に電力を供給するための端子が設けられた端子部とを備える実装基板であって、前記端子部は、前記実装部の前記実装面と反対側の反対面に設けられており、前記実装部の角に対応する位置に形成された切り欠き部と、前記切り欠き部に設けられた第1端子とを有する。
【0010】
本発明にあっては、前記端子部は前記実装部の実装面と反対側の反対面に設けられており、前記実装部の角に対応する位置に切り欠き部が形成され、前記切り欠き部に第1端子が設けられている。斯かる第1端子には、前記実装面に実装される電子部品に電力を供給する電力線が接続される。
【0011】
本発明に係る内視鏡は、上述した実装基板と、前記実装基板に実装された電子部品とを備える。
【0012】
本発明にあっては、前記電子部品は、例えば撮像素子又はLEDであり、前記実装基板に撮像素子を実装して体腔の内部を撮像し、又は、前記実装基板にLEDを実装して体腔の内部を照らす。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、内視鏡(実装基板)の小型化に伴う強度の低下問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る撮像モジュールの側面図である。
図3】実施形態1に係る撮像モジュールの実装基板の斜視図である。
図4図3Bの矢印方向による実装基板の矢視図である。
図5】実施形態2に係る撮像モジュールの実装基板の斜視図である。
図6図5Bの矢印方向による実装基板の矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施形態に係る内視鏡について、図面に基づいて詳述する。
【0016】
(実施形態1)
図1は、内視鏡装置の構成を示すブロック図である。内視鏡装置は、内視鏡1とプロセッサ装置2とを備える。内視鏡1は、被検者の体腔内に挿入される挿入管部10と、挿入管部10の先端部を操作するための操作部11と、コネクタ部13とを備えており、操作部11はユニバーサルチューブ12を介してコネクタ部13に接続されている。内視鏡1はコネクタ部13を介してプロセッサ装置2に接続される。
【0017】
挿入管部10の先端部には、配光レンズ14及び対物レンズ15が設けられ、外部に露出している。配光レンズ14の裏側には、ライトガイド16の一端部が臨ませてあり、対物レンズ15の裏側には、撮像モジュール3が撮像面を対物レンズ15に向けて組み込まれている。
【0018】
ライトガイド16は、複数本の光ファイバを束ねて構成され、挿入管部10、操作部11及びユニバーサルチューブ12の内部を通してコネクタ部13に接続されている。
【0019】
挿入管部10、操作部11及びユニバーサルチューブ12の内部にはケーブル17が挿入されている。ケーブル17は、制御線、信号線等の複数の芯線を備えるシールドケーブルである。撮像モジュール3は、ケーブル17によりコネクタ部13内に設けられた駆動部18に接続されている。
【0020】
操作部11には、各種の操作を行うための操作ボタンが設けられている。例えば、操作部11はコントロールボタン19を有している。コントロールボタン19は、コネクタ部13により接続されたプロセッサ装置2を遠隔操作するためのボタンである。また、操作部11には操作ノブ(図示せず)が設けられており、ユーザは該ノブを操作することにより、挿入管部10の先端部の向きを調整できる。
【0021】
プロセッサ装置2は、制御部20、タイミングコントローラ21及び信号処理回路22を備えている。制御部20は、CPU、ROM、RAMを備え、ROMに記憶された制御プログラムに従うCPUの動作により内視鏡装置を統合制御する。制御部20は、内視鏡1のコネクタ部13に設けられた駆動部18、及び操作部11に設けられたコントロールボタン19に接続されている。
【0022】
駆動部18は、撮像モジュール3の固有情報(画素数、感度、フィールドレート等)を制御部20に出力する。制御部20は、コントロールボタン19の操作に応じて動作し、駆動部18から与えられる撮像モジュール3の固有情報に基づいて制御指令を出力する。
【0023】
タイミングコントローラ21は、制御部20から与えられる制御指令に従ってクロックパルスを生成して、信号処理回路22及びコネクタ部13に設けられた駆動部18に出力する。駆動部18は、タイミングコントローラ21から出力されるクロックパルスに同期したタイミングで撮像モジュール3を駆動する。
【0024】
撮像モジュール3が出力する画像信号は、駆動部18において前処理され、プロセッサ装置2の信号処理回路22に1フィールド周期で入力される。撮像モジュール3からの画像信号に対し、信号処理回路22は、タイミングコントローラ21からのクロックパルスに従って、ガンマ補正、補間処理等の画像処理、並びに各種文字及び画像の重畳処理等を実行し、所定の規格に準拠した画像信号に変換して外部のモニタ23に出力する。
【0025】
モニタ23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を備えており、プロセッサ装置2から出力される画像信号に基づいて撮像モジュール3による撮像画像を表示する。
【0026】
プロセッサ装置2は、光源24及び操作パネル25を更に備える。光源24は、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等の高輝度ランプであり、ランプ電源26からの給電により点灯する。
【0027】
内視鏡1のライトガイド16の他端部は、コネクタ部13を介してプロセッサ装置2の内部に差し込まれ、他端が集光レンズ27に臨ませてある。光源24の発光は、図1中に2点鎖線により示す如く、集光レンズ27により集光されてライトガイド16の他端に入射される。ライトガイド16への入射光は、挿入管部10の先端部まで導かれ、配光レンズ14により拡散されて出光し、体腔の内部を照射する。
【0028】
操作パネル25は、操作ボタン、タッチパネル式GUI(Graphical User Interface)等を備えている。操作パネル25は、制御部20に接続されており、ユーザが操作パネル25を操作することにより、明るさ、コントラスト等の撮像条件を含む種々の設定が可能である。
【0029】
撮像モジュール3は体腔の内部を撮像する。撮像モジュール3が出力する撮像画像(画像信号)は、上述の如く、信号処理回路22による画像処理を経て、モニタ23に表示される。撮像モジュール3による撮像は、操作部11のコントロールボタン19の操作に応じて実行される。
【0030】
図2は、実施形態1に係る撮像モジュール3の側面図である。図2では、便宜上、撮像モジュール3にケーブル17が接続された場合を図示している。撮像モジュール3は、撮像素子4と、実装基板6とを備える。
【0031】
撮像素子4は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )、CCD(Charge Coupled Device )等であり、矩形の撮像面41に結ばれる光学像を電気信号に変換して出力する。撮像素子4において撮像面41と反対面には、入出力用の4つの電極40が設けられており、撮像素子4は、これらの電極40を介して実装基板6の実装面60に実装されている。
【0032】
図3は、実施形態1に係る撮像モジュール3の実装基板6の斜視図である。図3A及び図3Bは、夫々異なる方向から見た場合の実装基板6を示している。
【0033】
実装基板6は、実装部62と、端子部63とを備える。例えば、実装部62及び端子部63は、セラミックス又は樹脂等の絶縁性材料からなり、3Dプリンティング等によって一体形成されている。
【0034】
実装部62は、矩形板形状であって、撮像素子4と対向配置されており、撮像素子4側には、上述の如く、実装面60を有している。実装部62の厚み方向、即ち実装部62及び端子部63の並設方向(以下、単に並設方向ともいう)において、実装部62の寸法は端子部63の寸法以下である。
【0035】
実装面60は撮像素子4に対応する大きさを有しており、上述の如く、実装面60には、撮像素子4が実装されている。実装面60では、撮像素子4の電極40に対応する位置に、通電パターン61が設けられている。通電パターン61は例えば、はんだ付けによって、撮像素子4の電極40と接続されている。実装面60と反対側にある反対面623には、端子部63が設けられている。
【0036】
端子部63は、撮像素子4に電力を供給するための端子が設けられている。端子部63は、柱形状であり、反対面623から実装部62の厚み方向に突出している。端子部63には、実装部62の各エッジ、換言すれば反対面623の各角に対応する位置に夫々切り欠き部64が形成されている。各切り欠き部64は同じ構成であり、一つの切り欠き部64についてのみ説明する。
【0037】
図4は、図3Bの矢印方向による実装基板6の矢視図である。
切り欠き部64は、他部分に比べて端子部63の軸心方向に凹んでおり、凹曲面を有している。切り欠き部64は、実装部62及び端子部63の並設方向、即ち端子部63の軸心方向に沿って延びている。
【0038】
切り欠き部64の前記凹曲面には第1端子65が形成されている。第1端子65は、切り欠き部64の前記凹曲面と略同じ曲率の半円筒形状の導電性金属からなる。第1端子65は端子部63及び実装部62の内部を通って実装面60の通電パターン61と電気的に接続されている。第1端子65は、所謂キャスタレーション加工によって切り欠き部64の前記凹曲面に埋設されており、内側曲面が露出している。図2に示すように、ケーブル17の芯線が、例えばはんだ付けによって第1端子65に接続されている。
【0039】
端子部63では、上述の如く、実装部62の各エッジに対応する位置に夫々切り欠き部64が形成されており、かつ切り欠き部64を除く部分は、実装部62の側面と面一を成している(図3及び図4参照)。従って、端子部63は、軸心方向と交差する方向の断面視で、略十字形状をなす。
【0040】
よって、端子部63は、軸心方向、即ち前記並設方向での実装部62の実装面60と反対側に、略十字形状の端面67(突出端面)を有している。端面67には第2端子66が2箇所に形成されている。
【0041】
各第2端子66は、矩形の導電性金属からなり、端面67に埋設されている。例えば、第2端子66には受動部品が接続される。
受動部品は、撮像素子4の出力信号を処理し、撮像素子4の各画素の輝度を示す画像信号に変換して出力する処理回路を構成する電子部品であり、例えば、コンデンサ等である。
【0042】
一般には、内視鏡への取り付けの利便性のため、実装部及び端子部は並設方向視で同じ形状を成しており、端子部にランド部を設けるときは、対向する2つの面を切り欠いて電極を埋設している。これによって、斯かるランド部に電力供給用のケーブルの芯線がはんだ付けによって接続された場合、接続部が端子部及び実装部の側面からはみ出ることを防ぐことができ、撮像モジュールを内視鏡に取り付ける際の作業性を高めている。
【0043】
しかしながら、近年、被検者の負担を軽減すべく、内視鏡の挿入管の細径化が進められており、一辺が1mmである四角柱形状の端子部を有する撮像モジュールも開発されている。しかし、このような小型の端子部においては、対向する2つの面を切り欠いてランド部を設ける場合、ランド部同士間の距離が短くなるので、斯かる2つの面の対向方向に加わる外力に対して、端子部の強度が大きく減少する問題が生じていた。
【0044】
これに対して、実施形態1の内視鏡1の端子部63は、実装部62の各エッジ、即ち反対面623の各角に対応する位置に夫々切り欠き部64が形成されている。
詳しくは、実装部62に倣う四角柱形状である端子部63のエッジに対してキャスタレーション加工を施すことによって、切り欠き部64が形成されている。よって、切り欠き部64が四角柱のエッジに該当する位置に設けられており、切り欠き部64(第1端子65)同士間の距離(厚み)を十分に確保できる。従って、上述した強度が低下する問題を解決できる。
【0045】
更に、図4が示すように、実装部62及び端子部63は前記並設方向視で同じく矩形であって、切り欠き部64を除く部分は、実装部62の側面と面一を成しており、切り欠き部64が前記凹曲面を有して端子部63の軸心方向に凹んでいる。即ち、端子部63の軸心に対する放射方向において、端子部63の寸法は反対面623の寸法以下である。
【0046】
そして、以上のような構成を有するので、実施形態1の内視鏡1の端子部63では、第1端子65にケーブル17の芯線がはんだ付けされた場合でも、斯かる接続部(図4の一点鎖線部参照)が前記並設方向視で実装部62の側面からはみ出ることはない。
【0047】
以上のように、実施形態1の内視鏡1の実装基板6では端子部63の強度を強化でき、かつ内視鏡1の挿入管部10の細径化を図ることができる。
【0048】
(実施形態2)
実施形態2の内視鏡1は、実施形態1と同様、撮像モジュール3を備えており、撮像モジュール3は、撮像素子4と、実装基板6とを備えている。撮像素子4の構成は実施形態1と同じであり、詳しい説明を省略する。
【0049】
図5は、実施形態2に係る撮像モジュール3の実装基板6の斜視図である。図5A図5B及び図5Cは、夫々異なる方向から見た場合の実装基板6を示している。
【0050】
実装基板6は、実装部62と、端子部63とを備えており、実装部62及び端子部63は一体形成されている。
【0051】
実装部62は、略六面体形状であり、実装部62及び端子部63の並設方向に延びている。実装部62は、撮像素子4側に実装面60を有している。実装部62の長さ方向、即ち実装部62及び端子部63の並設方向において、実装部62の寸法は端子部63の寸法以上である。
【0052】
実装面60は撮像素子4に対応する大きさを有しており、実装面60では、撮像素子4の電極40に対応する位置に、撮像素子4の電極40と接続される通電パターン61が設けられている。実装面60と反対面623には、端子部63が設けられている。
【0053】
実施形態2に係る実装基板6においては、実装部62に凹部621が形成されている。凹部621は、実装面60と隣り合う4つの側面のうち一側面624から、一側面624と隣り合う2つの側面に亘って形成されている。即ち、凹部621は一側面624を切り欠いて形成されており、扁平な底を有している。凹部621は、反対面623寄りに形成されている。凹部621の底には第3端子622が設けられている。
【0054】
第3端子622は、矩形の導電性金属からなり、例えば、キャスタレーション加工によって凹部621の底に埋設されている。第3端子622は一主面が外部に露出している。第3端子622には上述した受動部品が実装される。
【0055】
端子部63は、撮像素子4に電力を供給するための端子が設けられている。端子部63は、柱形状であり、反対面623から実装部62の厚み方向に突出している。端子部63には、実装部62の各エッジ(反対面623の各角)に対応する位置に夫々切り欠き部64が形成されている。また、各切り欠き部64には実施形態1と同様、第1端子65が設けられている。各切り欠き部64の構成及び第1端子65の構成は実施形態1と同じ構成であり、詳しい説明を省略する。
【0056】
また、端子部63は、軸心方向、即ち前記並設方向での実装部62の実装面60と反対側に、略十字形状の端面67を有している。端面67には第2端子66Aが1箇所に形成されている。第2端子66Aは、円形の導電性金属からなり、端面67に埋設されている。例えば、第2端子66Aにはグランド線が接続される。
【0057】
図6は、図5Bの矢印方向による実装基板6の矢視図である。
図5及び図6が示すように、実装部62及び端子部63は前記並設方向視で同じく矩形であって、切り欠き部64を除く部分は、実装部62の側面と面一を成している。また、切り欠き部64が前記凹曲面を有しており、端子部63の軸心方向に凹んでいる。
【0058】
以上のような構成を有するので、実施形態2の内視鏡1の端子部63では、第1端子65にケーブル17の芯線がはんだ付けされた場合でも、斯かる接続部が前記並設方向視で実装部62の側面からはみ出ることはない。
【0059】
また、実施形態2の内視鏡1の実装基板6でも、実施形態1と同様、端子部63の強度を強化でき、かつ内視鏡1の挿入管部10の細径化を図ることができる。
【0060】
更に、実施形態2の内視鏡1の実装基板6では、上述の如く、実装部62が凹部621を有し、凹部621に受動部品が実装される。よって撮像モジュール3をコンパクト化できる。
【0061】
実施形態2の内視鏡1における他の構成は、実施形態1の内視鏡1と同じであるので、実施形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0062】
以上では、反対面623の各角に対応する4つの箇所に夫々切り欠き部64が形成されている場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2箇所又は3箇所にのみ切り欠き部64が形成されても良い。
【0063】
また、以上では、切り欠き部64が凹曲面を有する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、切り欠き部64が平坦面を有するように構成しても良い。
【0064】
更に、以上では、実装部62が矩形板形状であり、これに対応して端子部63が四角柱形状である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。実装部62が多角形の板形状であって、端子部63が斯かる多角形の柱形状であっても良良い。
【0065】
そして、以上では、実装基板6に撮像素子4が実装された場合を例に挙げて説明したがこれに限定されるものではない。他の電子部品、例えばLEDが実装される場合にも適用可能であることは言うまでもない。
【0066】
実施形態1~2で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
1 内視鏡
4 撮像素子
6 実装基板
10 挿入管部
60 実装面
62 実装部
63 端子部
64 切り欠き部
65 第1端子
66,66A 第2端子
67 端面
621 凹部
622 第3端子
623 反対面
624 一側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6