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特開2024-139215荷室管理車載装置および荷室管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139215
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】荷室管理車載装置および荷室管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241002BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241002BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241002BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050060
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 孝幸
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB12
5H181CC02
5H181CC03
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MA42
(57)【要約】
【課題】作業者の作業の負担を増やすことなく車載器にかかる負荷や車両外への通信データ量を抑制できる荷室管理車載装置および荷室管理システムを提供する。
【解決手段】車載器11の制御部11aは、ドア開閉信号42、車速信号、位置情報などの外部入力に基づいて所定のトリガの有無およびトリガの種類を識別し、トリガに同期した状態で3次元センサを制御して、車両荷室の積載率を計測する。荷積み、荷卸し作業の前後など積載率が増減する時だけ3次元センサを作動させるので、3次元センサの電力消費量を削減すると共に寿命を延ばすことができる。トリガにより日報の作成に必要な重要な情報の抽出が容易になる。サーバ又は事務所PCが当日の実績データを集計して日報を自動的に作成する。推定した積載率を利用して荷物輸送に伴って発生するCO2排出量のデータを作成し、その排出量の情報を日報にも含める。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態変化に関連する車両信号を入力する外部信号入力部と、
照射された光を受光して検出された前記車両の荷室内各部の距離および形状を表す検出信号に基づいて前記荷室の積載率を推定するセンサ部と接続され、前記荷室の積載率の出力動作を前記センサ部に指示する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記外部信号入力部に入力された車両信号に基づいて車両の状態変化を表すトリガの有無を識別すると共に、前記トリガに同期して前記センサ部に前記出力動作を指示し、前記荷室の積載率を取得する、
荷室管理車載装置。
【請求項2】
前記制御部は、検出した前記トリガの種類を識別し、トリガの種類と推定した前記積載率の変化を含む車両の情報を互いに関連付けて管理する車載情報管理部を有する、
請求項1に記載の荷室管理車載装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車両信号として、車両ドアの開閉信号、車両の走行速度と関連する信号、車両の現在位置を表す信号、および操作者による入力操作の1つ以上を入力して監視し、トリガの有無および種類を特定する、
請求項1または請求項2に記載の荷室管理車載装置。
【請求項4】
前記制御部は、検出した前記トリガ毎に、時刻情報及び車両位置情報の少なくとも一方と、トリガの種類と、前記積載率または当該積載率から算出される積載量を含む荷室情報とを互いに関連付けて管理する車載情報管理部を有する、
請求項1に記載の荷室管理車載装置。
【請求項5】
請求項1に記載の荷室管理車載装置と、
前記車両の荷室内にレーザ光または赤外光を照射し、その反射光または散乱光に基づいて前記荷室内各部の距離および形状を検出し前記検出信号を生成するセンサ部と、
前記制御部が取得した前記積載率または当該積載率から算出される積載量を含む荷室情報を、トリガの種類と紐付け可能な状態で車両上から車外装置に向けて送信する情報送信部と、
各車両上の前記情報送信部が送信した情報をそれぞれ受信して車両毎に管理する車外荷室管理部と、
を備え、
前記車外荷室管理部は、各車両で発生したトリガ毎に、時刻情報及び車両位置情報の少なくとも一方と、トリガの種類と、前記荷室情報とを作業実績情報として取得すると共に、前記作業実績情報の一覧と車両の種別とを紐付けした状態の日報を出力する機能を有する、
荷室管理システム。
【請求項6】
前記車外荷室管理部は、各車両が単一の荷主の荷物だけを輸送する場合、または荷主毎に積載率を区別する必要がない場合に、車両毎の1区間での輸送重量および1区間での輸送距離を取得して、二酸化炭素の排出量を算出する機能を有する、
請求項5に記載の荷室管理システム。
【請求項7】
前記車外荷室管理部は、各車両が単一の荷主の荷物だけを輸送する場合、または荷主毎に積載率を区別する必要がない場合に、車両毎の1区間での輸送重量および1区間での輸送距離を取得して二酸化炭素排出量を算出し、二酸化炭素排出量を含む日報を出力する機能を有する、
請求項5または請求項6に記載の荷室管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷室管理車載装置および荷室管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
運送事業者は、トラックなどの運送車両を利用して、様々な荷主から依頼された荷物を運送する事業を日常的に行っている。したがって、それぞれの運送車両の荷室の限られた空間の中により多くの荷物を積載した状態で各車両を運行することで効率的な運送を実現できる。
【0003】
特許文献1には、ドライバの負担を軽減するとともに、荷物の搬送処理作業を効率よく行うための車両荷物状態検出装置が開示されている。この車両荷物状態検出装置は、CCDカメラ、緩衝具制御器、荷台重量計、車両重量計、車載通信機、報知装置、電子ナンバープレート、車載情報処理装置などを備えている。また、CCDカメラにより荷室内を撮影した画像を分析して空き空間A、Bを検出し、これらに基づいて空間積載率を求め、空間積載率を事務所に通信で伝えるようになっている。ここで、空き空間Aは壁面側の空き空間を表し、空き空間Bは床面側の空き空間を表す。また、画像の分析を容易にするために、荷室内には複数色の着色により格子状の線が形成されている。
【0004】
また、特許文献2には、積荷が積載される移動体の許容容量を有効活用する物流システムが開示されている。この物流システムは、移動体の荷室に配置された検出部と、情報処理装置とを有し、情報処理装置は、記憶部、予測部、判定部、未積載空間算出部、運賃算出部を備えている。また、検出部は、移動体の荷室内に配置され、カメラ、積荷重量計、車両重量計を有している。カメラ、積荷重量計、車両重量計は、車載ネットワークを介して情報処理装置に接続されている。また、予測部は積荷の総積載量を予測し、未積載空間算出部は未積載空間を検出するようになっている。
【0005】
また、LiDAR(Laser imaging Detection and Ranging)等の3次元センサを利用して車両の積載容積率を検出する技術が知られている(特許文献3、4参照)。
【0006】
また、作業車両の運行に関する作業日報を出力可能な運行管理システムが特許文献5に開示されている。また、タンクローリー等の搬送車における運行情報と積載量を関連付けた帳票を発行する技術もある(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-334864号公報
【特許文献2】国際公開第2019/216128号
【特許文献3】特開2021-56765号公報
【特許文献4】特開2021-189666号公報
【特許文献5】特開2021-77112号公報
【特許文献6】特開2004-83274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば特許文献1又は特許文献2のように、カメラで車両の荷室内を撮影した画像を処理することで荷室の積載率等を検出することが可能である。また、特許文献3又は特許文献4のようにLiDAR等の3次元センサを利用することも想定される。
【0009】
しかしながら、LiDAR等の3次元センサは、出力するデータ量が大きいため、常時作動する3次元センサを車載器に接続して使用する場合、車載器の演算処理に負荷がかかる。また、車載器が3次元センサから取得したデータを通信により車両外に送信する場合には、通信量が増大する。
【0010】
そのため、3次元センサにデータ出力のオンオフ状態を切り替える出力スイッチを取り付け、乗務員等の作業者が3次元センサから車載器へのデータ入力の有無を切り替えることが考えられる。しかし、積載率の検出が必要になる度に乗務員等の作業者は出力スイッチのオンオフ操作を行わなければならず、作業者の負担が増えてしまう。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者の作業の負担を増やすことなく車載器にかかる負荷や車両外への通信データ量を抑制できる荷室管理車載装置および荷室管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
車両の状態変化に関連する車両信号を入力する外部信号入力部と、
照射された光を受光して検出された前記車両の荷室内各部の距離および形状を表す検出信号に基づいて前記荷室の積載率を推定するセンサ部と接続され、前記荷室の積載率の出力動作を前記センサ部に指示する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記外部信号入力部に入力された車両信号に基づいて車両の状態変化を表すトリガの有無を識別すると共に、前記トリガに同期して前記センサ部に前記出力動作を指示し、前記荷室の積載率を取得する、
荷室管理車載装置。
【0013】
荷室管理車載装置と、
前記車両の荷室内にレーザ光または赤外光を照射し、その反射光または散乱光に基づいて前記荷室内各部の距離および形状を検出し前記検出信号を生成するセンサ部と、
前記制御部が取得した前記積載率または当該積載率から算出される積載量を含む荷室情報を、トリガの種類と紐付け可能な状態で車両上から車外装置に向けて送信する情報送信部と、
各車両上の前記情報送信部が送信した情報をそれぞれ受信して車両毎に管理する車外荷室管理部と、を備え、
前記車外荷室管理部は、各車両で発生したトリガ毎に、時刻情報及び車両位置情報の少なくとも一方と、トリガの種類と、前記荷室情報とを作業実績情報として取得すると共に、前記作業実績情報の一覧と車両の種別とを紐付けした状態の日報を出力する機能を有する、荷室管理システム。
【発明の効果】
【0014】
本発明の荷室管理車載装置によれば、車両の状態変化を表すトリガに同期してセンサ部による荷室の積載率の推定やその情報の出力動作を制御するので、作業者の作業の負担を増やすことなく車載器にかかる負荷や車両外への通信データ量を抑制できる。また、本発明の荷室管理システムは車両毎の荷室の状態変化を表す日報を出力できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施形態に係る荷室管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る荷室管理車載装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、車両の輸送経路上の各拠点と各区間で輸送する荷物および積載率との関係の例を示す模式図である。
図4図4は、車載器が検出する代表的なトリガの種類の一覧を示す模式図である。
図5図5は、車両の荷室内における荷物および3次元センサの配置例を示す模式図である。
図6図6は、3次元センサが計測する荷室内領域の複数状態の具体例を示す正面図である。
図7図7は、車載器の動作例を示すフローチャートである。
図8図8は、サーバの動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、荷室管理システムが出力する日報の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る荷室管理システム100の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示した荷室管理システム100は、複数のトラック車両10のそれぞれに搭載される車載器11及び3次元センサであるLiDARユニット12を備えている。LiDARユニット12は、荷室内の3次元空間における荷物の積載率を検出するようになっている。各車載器11は、無線通信機能により通信ネットワーク29を介してサーバ20と通信回線を接続できるように構成されている。
【0020】
各トラック車両10を管理している運送会社の事務所31には、運送会社の管理者が利用可能な事務所PC(パーソナルコンピュータ)31aが配置されている。この事務所PC31aは、通信ネットワーク29を介してサーバ20と通信回線を接続できるように構成されている。
【0021】
事務所PC31aは、契約荷主からの荷物輸送を受注する機能、事前に輸送を依頼された荷物の運送計画を作成する機能、運送計画に応じた運行指示を各車両に与える機能、各車両の運行実績などに関する日報の作成機能などを有している。なお、これらの機能の一部分または全体は、クラウドサービスとしてサーバ20が有していてもよい。
【0022】
また、契約荷主の事業者32には、ユーザ端末32aが配置されている。契約荷主の事業者32は、一例として、事前に特定の運送会社と契約した比較的大口の事業者である。ユーザ端末32aは、通信ネットワーク29を介してサーバ20と通信回線を接続できるように構成されている。
【0023】
契約荷主の管理者は、ユーザ端末32aを利用してサーバ20又は事務所PC31aにアクセスし、運送会社に対して新たな荷物の輸送を発注する。同様に、契約荷主以外の一般荷主33はユーザ端末33aを利用してサーバ20にアクセスすることで、サーバ20の機能を利用できる。
【0024】
サーバ20は、例えば所定のデータセンタなどに設置されたコンピュータシステムにより構成されている。また、サーバ20は、通信部21、車両管理部22、運行記録DB(データベース)23、日報作成部24、契約荷主管理部25、一般荷主管理部26、事務所管理部27、及びCO2(二酸化炭素)排出量算出部28を備え、荷室管理システム100の全体の制御に必要な各種機能を実現できる。
【0025】
通信部21は、通信ネットワーク29と接続されている。サーバ20は、通信部21及び通信ネットワーク29を経由して、インターネットなどの公共の通信網と接続可能であり、各トラック車両10に搭載された車載器11、事務所PC31a、ユーザ端末32a、及び33aとの間でそれぞれ通信できる。
【0026】
車両管理部22は、通信部21を介して各トラック車両10に搭載された車載器11との間でデータ通信を行い、各トラック車両10の各時点の運行状況を表す運行データや、所定のトリガが発生した時点の車両の荷室状態データを取得できる。この運行データの中には、車両や車載器11を特定するID、日時、車両の現在位置、現在の車速、車載器11が把握している現在の状態などの情報が含まれている。また、荷室状態データの中には発生した各トリガに同期した時点の積載率を含むデータが、トリガの種類、車両の種別、発着先、現在位置、時刻等と関連付けた状態で記録される。
【0027】
運行記録DB23は、車両管理部22が各車両から取得した運行データおよび荷室状態データを車両毎及び荷主毎に区別して蓄積し保存する機能を有している。
【0028】
事務所管理部27は、事務所PC31aの画面上に表示すべきWebページの情報や、事務所PC31aがアクセスするために必要な情報や、メッセージなどの送信先を表す情報を保持し管理している。
【0029】
CO2排出量算出部28は、当日の各車両の運行において、各トラック車両10が単一の荷主の荷物だけを輸送した場合、または荷主毎に積載率を区別する必要がない場合に、運行記録DB23が保持している当日の車両毎の運行状況や、荷室の積載率変動などの実績データに基づいて、荷主の当日の二酸化炭素排出量を表す数値を算出する。
【0030】
日報作成部24は、運行記録DB23が保持している当日の車両毎の運行状況や、荷室の積載率変動などの実績データに基づいて、当日の車両毎の運行状況や、荷室の積載率変動の一覧を表す日報のデータを作成する。また、日報作成部24は、CO2排出量算出部28が算出した二酸化炭素排出量の数値を日報に含ませることができる。
【0031】
図2は、本発明の実施形態に係る荷室管理車載装置、すなわち車載器11の構成例を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態の車載器11は、制御部11a、IF部11b、車速検出部11c、GPS受信機11d、表示部11e、操作部11f、RTC11g、外部信号入力部11h、不揮発性メモリ11i、揮発性メモリ11j、メモリカードIF11k、無線通信部11m、及びメモリカード44を備えている。
【0033】
制御部11aは、マイクロコンピュータを主体とする電子回路により構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、車載器11に必要とされる機能を実現するための各種制御を実施する。一例として、制御部11aは、次の(1)~(5)に示す機能を有している。
【0034】
(1)現在位置、現在時刻、車速などを含む自車両の運行情報を定期的に取得して記録する機能。更に、記録した情報をサーバ20へ送信する機能。
(2)車両の状態変化を表す車載器外部から入力された外部信号に基づいて、トリガの発生を検出する機能。外部信号として、荷室ドアや運転席ドアのドア開閉信号42、車速パルスから算出される車速変化(始動/停止)などがある。
(3)操作ボタン41からの操作入力の監視によりトリガの発生を検出する機能。操作ボタン41の中には、荷積みボタン、荷卸しボタン、テールゲートリフター用スイッチなどが含まれる。
(4)定期的に現在位置(緯度/経度)の情報を取得し、事前に定めたジオフェンスの範囲と現在位置とを比較し、各ジオフェンスに対する出入りの有無によりトリガの発生を検出する機能。
(5)検出したトリガの種類を識別するとともに、トリガに応じて事前に定めた制御動作を実行する機能。トリガに応じて実行する動作の中には、次の動作が含まれている。
・LiDARユニット12を用いた荷室内空間の3次元測定。
・積載率の取得。
・積載率の記録およびそれと関連のある各種情報との紐付け。
・積載率およびそれと関連のある各種情報のサーバ20への送信。
【0035】
IF(インタフェース)部11bは、LiDAR(Light Detection and Ranging)ユニット12と制御部11aとを接続するためのインタフェースである。LiDARユニット12は、レーザー光を出射する光源と、反射光や散乱光を検出する検出器とを内蔵している。LiDARユニット12は、被写体の三次元空間に対してレーザー光を照射し、その反射光や散乱光を検出器で検出することで、対象物までの距離や形状を測定できる。
【0036】
制御部11aは、IF部11bを介してLiDARユニット12を制御し、LiDARユニット12による3次元測定動作の開始、終了、測定結果の取得などを行うことができる。
【0037】
車速検出部11cは、車両側から出力される車速パルスの信号を入力し、制御部11aにおける車速検出の処理に適した信号に変換する。GPS(Global Positioning System)受信機11dは、複数のGPS衛星からの電波を受信して、受信した信号の時間に基づいて自車両の現在位置を表す緯度/経度を算出することができる。
【0038】
表示部11eは、運転者の視認しやすい位置に配置され、運転者の入力操作の際に必要な案内の情報や数値、時間などの情報を表示する。操作部11fは、運転者の操作しやすい位置に配置され、運転者からの入力操作を受け付け可能な多数のボタン、すなわち荷積み作業を開始する際に操作される荷積みボタンや、荷卸し作業を開始する際に操作される荷卸しボタンなどを含む操作ボタン41を有している。
【0039】
RTC(Real Time Clock)11gは、半導体の集積回路(IC)により構成され、現在の日付、曜日、時刻(時分秒)の情報を生成したり、時間を計測するための時計機能を有している。
【0040】
外部信号入力部11hは、ドア開閉信号42を入力して制御部11aの処理に適した信号を制御部11aに与える。ドア開閉信号42の中には、荷室ドアの開閉を検出するスイッチの信号や、運転席ドアの開閉を検出するスイッチの信号が含まれている。
【0041】
不揮発性メモリ11iは、車載器11の各種機能を実現するために必要な制御部11aのコンピュータが実行可能なプログラムや、車両固有の各種定数データを登録データ43として保持している。登録データ43の中には、車両固有のID、車種情報などが含まれている。また、積載率を積載量に換算するためのテーブルを含んでいてもよい。また、保存の必要な各種データを不揮発性メモリ11iに書き込み登録することができる。
【0042】
揮発性メモリ11jは、制御部11aが動作中に生成した各種データを一時的に保持できる。メモリカードIF11kは、メモリカード44を着脱自在に保持可能なカードスロットを有し、メモリカード44を制御部11aのマイクロコンピュータと接続することができる。
【0043】
無線通信部11mは、例えばLTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線通信機能を有し、移動体通信事業者などが提供する無線基地局と自車両との間で無線通信回線を確立することができる。
【0044】
メモリカード44は、不揮発性メモリを内蔵し、自車両を運行する運転者を特定する情報、車両を特定する情報、車載器11が生成した運行記録データ、イベント毎に発生したトリガの種類、積載率の変動などを登録し保持することができる。
【0045】
図3は、車両の輸送経路上の各拠点と各区間で輸送する荷物および積載率との関係の例を示す模式図である。運送会社に所属する各トラック車両10は、例えば図3に示すような輸送経路で顧客の複数の拠点間を移動する。また、輸送経路の途中にある各拠点で荷積みや荷卸しを行う。
【0046】
図3に示した例では、出庫したトラック車両10は、最初に走行して荷主拠点B11に向かい、荷主拠点B11で荷物LO1の荷積み作業を行った後、荷主拠点B11を出発して荷主拠点B12に向かう。次に、荷主拠点B12で荷物LO1の荷卸し作業を行うと共に、別の荷物LO2の荷積み作業を行った後、荷主拠点B12を出発して次の荷主拠点B13に向かう。
【0047】
更に、このトラック車両10は荷主拠点B13で荷物LO3の荷積み作業を行った後、荷主拠点B13を出発して次の荷主拠点B14に向かう。次に、荷主拠点B14で荷物LO3及びLO2の両方の荷卸し作業を行って当日の荷物の輸送を終了する。その後、トラック車両10は運送会社事務所B0まで走行して戻り入庫する。なお、複数の荷主拠点B11、B12、B13、及びB14は、同一荷主の会社に属していても、互いに異なる複数の荷主の会社に属していてもよい。
【0048】
この例では、荷主拠点B11で荷物LO1の荷積み作業が完了した時点におけるトラック車両10の積載率は30%である。また、荷主拠点B12で荷物LO1の荷卸し及び荷物LO2の荷積みが終了した時点における積載率は30%である。また、荷主拠点B13で荷物LO3の荷積み作業が完了した時点の積載率は60%である。そして、荷主拠点B14で荷物LO3、LO2の荷卸し作業が終了し積載率は0%になる。
【0049】
図3に示した例では、トラック車両10の積載率が平均的に30%程度であり、トラック車両10の運送能力に大きな余力がある。つまり、トラック車両10の荷室の空いている空間に予定外の他の荷物を追加で積載して運送することが可能であり、運送する荷物を追加することで運送効率を改善することができる。
【0050】
したがって、管理者は、荷室管理システム100を利用することで、トラック車両10における各拠点間積載率や、当日又は過去の積載率の実績データなど、運送効率の改善に役立つ情報を取得できる。
【0051】
また、荷主が1社のみの場合や、荷主毎の積載率を区別する必要がない場合には、車両の運行記録と積載率のデータを利用して荷主のCO2排出量を算出できる。すなわち、CO2排出量は輸送重量と輸送距離の積に基づいて算出できる。一般に、ガイドラインを参照すると一例として、輸送重量は、車両の種別毎に固有の最大積載量と積載率の積として算出できる。本発明においては、LiDARユニット12の計測によって算出された積載率を、計測区間における平均積載率とみなして算出する。
【0052】
図4は、車載器11が検出する代表的なトリガの種類の一覧を示す模式図である。
図4に示した例では、車載器11は、6種類のトリガTR1~TR6を検出する。トリガTR1は、荷室ドアの開閉を表すドア開閉信号42に変化がある場合の状態変化を反映している。トリガTR2は、運転席ドアの開閉を表すドア開閉信号42に変化がある場合の状態変化を反映している。トリガTR3は、操作部11fにある各種操作ボタン41に対する入力操作を反映している。トリガTR4は、車両が停止状態から動き始めた時の車速変化を反映しており、車両の車速パルスに基づいて検出される。トリガTR5は、車両が走行状態から停止した時の車速変化を反映しており、車両の車速パルスに基づいて検出される。トリガTR6は、例えば荷主の各拠点近傍の範囲などを表す複数のジオフェンスと、GPS受信機11dが検出した車両の現在位置との比較により検出される。
【0053】
図5は、車両の荷室内における荷物および3次元センサの配置例を示す模式図である。図5の例では、トラック車両10の荷室後部天井位置に3次元センサであるLiDARユニット12が固定されている。また、LiDARユニット12の測定方向の軸は、車両前方の向きで、やや斜め下向きに傾斜するように配置されている。
【0054】
図6は、3次元センサが計測する荷室内領域の複数状態の具体例を示す正面図である。例えば、図5のような場所に設置したLiDARユニット12は、図6に示した各荷室状態C1~C4のような範囲の空間について3次元の計測をすることができる。
【0055】
図6の例は、トラック車両10の荷室CRの前方側から後部側(像の手前側)に向かって順番に各荷物L61、L62、L63、L64を荷積みする状況を表している。LiDARユニット12は、レーザー光の照射により計測範囲内の各座標位置で手前側の荷物L61~L64の表面までの距離をそれぞれ測定する。LiDARユニット12は、測定された距離に基づいて荷室CR内で荷物が存在する空間と空いている空間とを区別し、積載率を算出する。
【0056】
<車載器およびLiDARユニットの動作>
図7は、車載器11およびLiDARユニット12の動作例を示すフローチャートである。車載器11内の制御部11aおよびLiDARユニット12が共働で図7に示すように動作を制御する。図7の動作について以下に説明する。
【0057】
車載器11の電源がオンになると、制御部11aはS11で所定の初期化を実行する。また、制御部11aは必要な登録データ43を不揮発性メモリ11iから取得する。次に、制御部11aは、荷室ドアおよび運転席ドアのドア開閉信号42を外部信号入力部11hから取得して開閉変化の有無をS12で検知する。制御部11aは、操作ボタン41からの入力の有無を操作部11fの監視によりS13で検知する。なお、上記のS12において外部信号入力部11hに入力される信号は一例であり、いずれかの信号のみを検出するようになっていても、他の信号を更に検出するようになっていてもよい。また、S12における検知とS13における検知の順序も一例であり、これらが同時に検知されたり、逆の順序で検知されるようになっていてもよい。
【0058】
制御部11aは、車速検出部11cの出力を監視して車速の変化を把握し、自車両の停止状態から始動への変化や、走行状態から停止状態への変化をS14で検知する。次に、制御部11aは、最新の現在位置の情報をGPS受信機11dから取得し、各ジオフェンスの範囲と現在位置とを比較した結果から、各ジオフェンスに対する自車両の出入りの変化をS15で検知する。
【0059】
制御部11aは、現在時刻の情報をS16でRTC11gから取得する。制御部11aは、S12~S15の結果に基づいてS17でトリガ発生の有無を検知すると共に、図4に示すようなトリガの種類を識別する。なお、現在時刻の情報は、S23の前であればいつ取得されるようにしてもよい。
【0060】
トリガが発生しない場合は制御部11aはS18からS12の処理に戻り、トリガが発生した場合はS18からS19の処理に進む。制御部11aは、S19でIF部11bを介してLiDARユニット12を制御し、LiDARユニット12による3次元測定動作を開始する。
【0061】
LiDARユニット12は、S20でトラック車両10の荷室内の3次元計測を実行する。制御部11aは、S21でIF部11bを介してLiDARユニット12を制御し、LiDARユニット12による3次元測定動作を停止する。
【0062】
LiDARユニット12は、S20の計測結果に基づいて、S22で荷室の積載率を算出し、車載器11に出力する。制御部11aは、取得した積載率と、車種の違いに応じた最大積載量とに基づいて積載量を算出できる。
【0063】
制御部11aは、S22でLiDARユニット12により取得した荷室の積載率および積載率から算出した積載量の実績データを、S23でトリガの種類、自車両の車種、現在時刻、現在位置などのデータと関連付けた状態でメモリカード44に記録する。また、この実績データをトリガの種類、自車両の車種、現在時刻、現在位置などのデータと関連付けてサーバ20へ送信する。
【0064】
<サーバの動作>
図8は、サーバ20の動作例を示すフローチャートである。図8の動作について以下に説明する。
【0065】
サーバ20内の車両管理部22は、各トラック車両10の車載器11から送信される運行記録データおよび荷室のデータを実績データとして車両毎に区別して受信し、運行記録DB23上に記録する(S30)。
【0066】
サーバ20は、管理対象の各トラック車両10における当日の運行業務が終了したことを検知すると、S31からS32の処理に進む。そして、サーバ20内の日報作成部24は、運行記録DB23に記録されている車両毎の当日の実績データに基づいて日報のデータを作成し出力する(S32)。この日報には、一般的な当日の運行記録の他に、トリガ発生毎の荷室の積載率変動の状況を表す実績も含まれている。また、荷室の積載率変動は、時刻、位置、車両種別などの情報と関連付けられている。また、サーバ20は、後述するように、トリップごとの積載率や、一日の全工程での実積載率を日報に出力してもよい。
【0067】
サーバ20は、処理対象のトラック車両10が当日輸送した全ての荷物の荷主が1社のみか否か、あるいは複数の荷主を区別する必要がない状況か否かをS33で識別する。そして、荷主が1社のみ又は複数の荷主を区別する必要がない場合はS33からS34の処理に進む。
【0068】
サーバ20内のCO2排出量算出部28は、該当するトラック車両10の車種を表す情報に基づいて、その車両固有の最大積載量WmをS34で取得する。次に、CO2排出量算出部28は、該当するトラック車両10の区間毎の積載率RnをS35でそれぞれLiDARユニット12の検出結果から取得する。図3に示した例では、荷主拠点B11~B12の区間の積載率は30%、荷主拠点B12~B13の区間の積載率は30%、荷主拠点B13~B14の区間の積載率は60%である。
【0069】
CO2排出量算出部28は、該当するトラック車両10の区間毎の輸送距離LnをS36でそれぞれ取得する。例えば図3に示した例では、荷主拠点B11~B12の区間の輸送距離、荷主拠点B12~B13の区間の輸送距離、荷主拠点B13~B14の区間の輸送距離をそれぞれ取得する。
【0070】
CO2排出量算出部28は、該当するトラック車両10の区間毎のおおよその輸送重量WnをS37でそれぞれ算出する。各区間の輸送重量Wnは次式で算出される。
Wn=Wm×Rn
【0071】
CO2排出量算出部28は、該当するトラック車両10の荷物輸送における該当荷主のCO2排出量Vco2をS38で算出する。このCO2排出量Vco2は、各区間のおおよその輸送重量Wnと輸送距離Lnの積の総和に比例する値として求めることができる。
【0072】
サーバ20の日報作成部24は、CO2排出量算出部28が算出した該当荷主のCO2排出量Vco2の情報を含む日報のデータをS39で作成し出力する。
【0073】
<事務所PCの動作>
一方、事務所PC31aは、それ自身に備わった日報作成機能によりサーバ20と同様の日報を作成することもできるし、サーバ20が作成した日報のデータをサーバ20から取得することもできる。
【0074】
例えば、各トラック車両10が当日の荷物輸送業務を終了して運送会社事務所31で入庫すると、運転手は、トラック車両10に搭載されている車載器11からメモリカード44を取り外して事務所PC31aに装着する。事務所PC31aは、メモリカード44から車両毎の当日の運行実績や、荷室状態の実績データを読み込んで集計し、サーバ20の日報作成部24と同様に日報を作成することができる。また、事務所PC31aは、CO2排出量算出部28と同様に該当荷主のCO2排出量Vco2の情報を算出したり、CO2排出量Vco2を含む日報を作成したりできる。
【0075】
<日報の構成例>
図9は、荷室管理システム100が出力する日報の構成例を示す模式図である。
図9に示した日報は、日報番号、運行日、コース、乗務員、車両を特定する情報、車種の情報、最大積載量と、荷室の積載率を含む運行実績の一覧とを含んでいる。運行実績の一覧の中の作業項目の内容は、車載器11が検出したトリガの種類により特定できる。また、運行実績の一覧の中の着住所は、車両の位置情報に基づいて特定できる。また、着日時および発日時は実績データの中の時刻情報により特定できる。また、この日報の中にCO2排出量Vco2の項目を追加してもよい。また、日報には、トリップごとの積載率や、一日の全工程での実積載率が含まれていてもよい。この場合、運送会社等は、曜日別、時間別、荷主別等による積載効率の分析が可能になるので、積載効率の分析結果に基づいて、運行計画の見直しや設定運賃の調整を行うことができる。
【0076】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0077】
例えば、上述の実施形態では3次元センサとしてLiDARユニット12を使用する場合について説明したが、LiDARユニット12の代わりにTOFカメラやステレオカメラを使用してもよい。この場合、車載器11側の制御部11aが、車両の状態変化を表すトリガに同期した荷室の積載率の推定やその情報の出力動作の制御を行うようにしてもよい。
【0078】
また、トラック車両10に自重計を搭載し、荷積み/荷卸しに伴う車両全体の積載重量の変化を計測して、計測した荷物の重量を実績データとして記録したり制御や分析に反映してもよい。
【0079】
また、サーバ20と同等の機能を事務所PC31a上に実装し、サーバ20を省略してもよい。
【0080】
上述の荷室管理車載装置および荷室管理システムに関する特徴的な事項について、以下の[1]~[7]に簡潔に纏めて列挙する。
[1] 車両(トラック車両10)の状態変化に関連する車両信号を入力する外部信号入力部(11f、11h、車速検出部11c、GPS受信機11d)と、
照射された光を受光して検出された前記車両の荷室内各部の距離および形状を表す検出信号に基づいて前記荷室の積載率を推定するセンサ部(LiDARユニット12)と接続され、前記荷室の積載率の出力動作を前記センサ部(LiDARユニット12)に指示する制御部(11a)と、
を備え、
前記制御部は、前記外部信号入力部に入力された車両信号に基づいて車両の状態変化を表すトリガ(TR1~TR6)の有無を識別すると共に、前記トリガに同期して前記センサ部に前記出力動作を指示し、前記荷室の積載率を取得する(S17~S23)、
荷室管理車載装置(車載器11)。
【0081】
上記[1]の構成の荷室管理車載装置によれば、荷室の積載率が増減する可能性のある状態をトリガとして検出し、制御に反映することができる。したがって、積載率が変化しない状況ではセンサ部の不要な動作を停止することができる。そのため、作業者の作業の負担を増やすことなく車載器にかかる負荷を低減できるとともに、車両外へ送信される通信データが大幅に増加することを抑制できる。また、トリガを利用することで、日報の作成に役立つ重要な実績データの抽出が容易になる。
【0082】
[2] 前記制御部は、検出した前記トリガの種類を識別し、トリガの種類と推定した前記積載率の変化を含む車両の情報を互いに関連付けて管理する車載情報管理部(S12~S23)を有する、
上記[1]に記載の荷室管理車載装置。
【0083】
上記[2]の構成の荷室管理車載装置によれば、荷積み、荷卸しなどに伴って積載率が変化する状況における車両の重要な情報を積載率と共に確実に記録することができ、輸送効率の改善に役立つ情報を抽出するための処理が容易になる。
【0084】
[3] 前記制御部は、前記車両信号として、車両ドアの開閉信号(ドア開閉信号42)、車両の走行速度と関連する信号、車両の現在位置、および操作者による入力操作を表す信号の1つ以上を入力して監視し、トリガの有無および種類を特定する(S12、S14、S15、S17)、
上記[1]または[2]に記載の荷室管理車載装置。
【0085】
上記[3]の構成の荷室管理車載装置によれば、車両ドアの開閉を監視することで、荷積み、荷卸しの作業開始および終了のタイミングを把握することが容易になる。また、車両の走行速度の変化を監視することで、各拠点への到着や出発のタイミングを把握することが容易になる。また、車両の現在位置をジオフェンスの範囲などと比較することで、各拠点への到着や出発のタイミングを把握することが容易になる。また、トリガの種類を特定することで、正確な状況の把握が容易になる。
【0086】
[4] 前記制御部は、検出した前記トリガ毎に、時刻情報及び車両位置情報の少なくとも一方と、トリガの種類と、前記積載率または当該積載率から算出される積載量を含む荷室情報とを互いに関連付けて管理する車載情報管理部を有する、
上記[1]から[3]のいずれかに記載の荷室管理車載装置。
【0087】
上記[4]の構成の荷室管理車載装置によれば、発生したトリガの種類と時刻または車両位置とを関連付けることで、荷積み、荷卸し作業を行う地点への到着や出発の事象を把握するための情報が得られる。したがって、輸送区間毎の積載率、積載量などの把握が容易になる。
【0088】
[5] 上記[1]に記載の荷室管理車載装置(車載器11)と、
前記車両の荷室内にレーザ光または赤外光を照射し、その反射光または散乱光に基づいて前記荷室内各部の距離および形状を検出し前記検出信号を生成するセンサ部(LiDARユニット12)と、
前記制御部が取得した前記積載率または当該積載率から算出される積載量を含む荷室情報を、トリガの種類と紐付け可能な状態で車両上から車外装置に向けて送信する情報送信部(無線通信部11m)と、
各車両上の前記情報送信部が送信した情報をそれぞれ受信して車両毎に管理する車外荷室管理部(サーバ20、又は事務所PC31a)と、
を備え、
前記車外荷室管理部は、各車両で発生したトリガ毎に、時刻情報及び車両位置情報の少なくとも一方と、トリガの種類と、前記荷室情報とを作業実績情報として取得すると共に、前記作業実績情報の一覧と車両の種別とを紐付けした状態の日報を出力する機能(S30~S32)を有する、
荷室管理システム(100)。
【0089】
上記[5]の構成の荷室管理システムによれば、荷室管理車載装置が生成した実績データに基づいて、各車両の輸送効率を改善するために役立つ日報を自動的に出力することが可能である。
【0090】
[6] 前記車外荷室管理部は、各車両が単一の荷主の荷物だけを輸送する場合、または荷主毎に積載率を区別する必要がない場合に、車両毎の1区間での輸送重量および1区間での輸送距離を取得して、二酸化炭素の排出量を算出する機能(S33~S39)を有する、
上記[5]に記載の荷室管理システム。
【0091】
上記[6]の構成の荷室管理システムによれば、運送会社は、顧客の荷主に対して荷主の会社が把握すべき二酸化炭素の排出量の情報を容易に提供できる。
【0092】
[7] 前記車外荷室管理部は、各車両が単一の荷主の荷物だけを輸送する場合、または荷主毎に積載率を区別する必要がない場合に、車両毎の1区間での輸送重量および1区間での輸送距離を取得して二酸化炭素排出量を算出し、二酸化炭素排出量を含む日報を出力する機能を有する、
上記[5]または[6]に記載の荷室管理システム。
【0093】
上記[7]の構成の荷室管理システムによれば、運送会社は、顧客の荷主に対して荷主の会社が把握すべき二酸化炭素の排出量のデータと、その根拠となる輸送中の排出状況を表す日報の情報を容易に提供できる。
【符号の説明】
【0094】
10 トラック車両
11 車載器
11a 制御部
11b IF部
11c 車速検出部
11d GPS受信機
11e 表示部
11f 操作部
11g RTC
11h 外部信号入力部
11i 不揮発性メモリ
11j 揮発性メモリ
11k メモリカードIF
11m 無線通信部
12 LiDARユニット
20 サーバ
21 通信部
22 車両管理部
23 運行記録DB
24 日報作成部
25 契約荷主管理部
26 一般荷主管理部
27 事務所管理部
28 CO2排出量算出部
29 通信ネットワーク
31 運送会社事務所
31a 事務所PC
32 契約荷主の事業者
32a,33a ユーザ端末
33 一般荷主
41 操作ボタン
42 ドア開閉信号
43 登録データ
44 メモリカード
100 荷室管理システム
B0 運送会社事務所
B11,B12,B13,B14 荷主拠点
C1,C2,C3,C4 荷室状態
CR 荷室
TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6 トリガ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9