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特開2024-139217電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法
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  • 特開-電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法 図1
  • 特開-電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法 図2
  • 特開-電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法 図3
  • 特開-電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139217
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20241002BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241002BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H02G3/16
B60R16/02 610A
H05K5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050062
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉田 翔
(72)【発明者】
【氏名】中山 拓哉
【テーマコード(参考)】
4E360
5G361
【Fターム(参考)】
4E360AA10
4E360AB12
4E360BA04
4E360BB30
4E360GA60
5G361BA02
5G361BC01
(57)【要約】
【課題】ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能な電気接続箱を提供すること。
【解決手段】電気接続箱1は、電子部品20を取り付け可能なハウジング10と、ハウジング10に保持されるバスバ40と、を備える。バスバ40は、第1バスバ部41と、第1バスバ部41から分岐するように第1バスバ部41に冶金的に接合される第2バスバ部42と、を有する。第1バスバ部41及び第2バスバ部42は、板状の形状を有し、第1バスバ部41と第2バスバ部42との重複箇所Pを接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接によって接合される。ハウジング10は、重複箇所Pから第1バスバ部41又は第2バスバ部42の板面に直交する向きに離れた位置に、電子部品20及びバスバ40の少なくとも一方を配置する、ように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を取り付け可能なハウジングと、前記ハウジングに保持されるバスバと、を備える電気接続箱であって、
前記バスバは、
第1バスバ部と、前記第1バスバ部から分岐するように前記第1バスバ部に冶金的に接合される第2バスバ部と、を有する、
電気接続箱。
【請求項2】
請求項1に記載の電気接続箱において、
前記第1バスバ部及び前記第2バスバ部は、
板状の形状を有し、当該第1バスバ部と当該第2バスバ部との重複箇所を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接によって接合され、
前記ハウジングは、
前記重複箇所から前記第1バスバ部の板面に直交する向きに離れた位置、又は、前記重複箇所から前記第2バスバ部の板面に直交する向きに離れた位置に、前記電子部品及び前記バスバの少なくとも一方を配置する、ように構成される、
電気接続箱。
【請求項3】
電子部品を取り付け可能なハウジングと、前記ハウジングに保持されるバスバと、を有する電気接続箱を製造するための、電気接続箱の製造方法であって、
前記バスバは、板状の第1バスバ部と、前記第1バスバ部から分岐するように前記第1バスバ部に接合される板状の第2バスバ部と、を有し、
当該製造方法は、
前記ハウジングに前記第1バスバ部及び前記第2バスバ部を保持する工程と、
前記第1バスバ部の一部と前記第2バスバ部の一部とを重ねた状態にて、前記第1バスバ部と前記第2バスバ部との重複箇所を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接を施す工程と、をこの順に備える、
電気接続箱の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を取り付け可能なハウジングと、ハウジングに保持されるバスバと、を備える電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等に用いられる電気接続箱は、リレーやヒューズ等の電子部品を樹脂等で構成された所定形状のハウジングに取り付けるとともに、ハウジングに保持されているバスバや外部負荷に繋がる端子と、それら電子部品の入力端子や出力端子と、を電気的に接続するように構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-028919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した種類の電気接続箱では、電気接続箱に要求される仕様等に起因してバスバを枝分かれするように分岐させる必要がある場合、一般に、分岐先の各々に対応する複数のバスバを、ボルト及びナットで共締め(締結)して電気的に接続するようになっている。この場合、締結後のボルト及びナットを収容するスペースや、締結作業を行う際に工具等を挿入するスペースを、ハウジング内に確保することになる。このようなスペースを要することは、ハウジング内のバスバの配置や電子部品の配置の自由度を損なう原因となり得る。
【0005】
本発明の目的の一つは、ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能な電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱、及び、電気接続箱の製造方法は、以下を特徴としている。
【0007】
電子部品を取り付け可能なハウジングと、前記ハウジングに保持されるバスバと、を備える電気接続箱であって、
前記バスバは、
第1バスバ部と、前記第1バスバ部から分岐するように前記第1バスバ部に冶金的に接合される第2バスバ部と、を有する、
電気接続箱であること。
【0008】
電子部品を取り付け可能なハウジングと、前記ハウジングに保持されるバスバと、を有する電気接続箱を製造するための、電気接続箱の製造方法であって、
前記バスバは、板状の第1バスバ部と、前記第1バスバ部から分岐するように前記第1バスバ部に接合される板状の第2バスバ部と、を有し、
当該製造方法は、
前記ハウジングに前記第1バスバ部及び前記第2バスバ部を保持する工程と、
前記第1バスバ部の一部と前記第2バスバ部の一部とを重ねた状態にて、前記第1バスバ部と前記第2バスバ部との重複箇所を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接を施す工程と、をこの順に備える、
電気接続箱の製造方法であること。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電気接続箱によれば、バスバが、第1バスバ部と、第1バスバ部から分岐するように第1バスバ部に冶金的に接合される第2バスバ部と、を有する。冶金的な接合として、例えば、圧接、融接、及び、ろう接などが挙げられる。第1バスバ部と第2バスバ部とが冶金的に接合されることで、ボルト及びナットによる締結に比べ、締結後のボルト及びナットを収容するスペースをハウジング内に確保する必要がない。更に、第1バスバ部及び第2バスバ部をハウジングに保持した後に接合を行う場合であっても、一般に、冶金的接合のための工具等をハウジングに挿入するためのスペースのほうが、ボルト及びナットの締結作業に要するスペースに比べて小さい。したがって、本構成の電気接続箱は、ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能である。更に、ボルト及びナットが不要である分、電気接続箱の部品数を低減できる。
【0010】
更に、本発明に係る電気接続箱の製造方法によれば、ハウジングに第1バスバ部及び第2バスバ部を保持した後、第1バスバ部の一部と第2バスバ部の一部とを重ねた状態にて、第1バスバ部と第2バスバ部との重複箇所を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接を施す。抵抗溶接のための接合用電極は、第1バスバ部及び第2バスバ部の板面に沿って(例えば、電気接続箱の下方から)ハウジングに挿入することが可能であるため、ボルト及びナットによる締結のように板面に直交する向きから工具等を挿入する必要がない。そのため、重複箇所から第1バスバ部及び第2バスバ部の板面に直交する向きに離れた位置(即ち、接合される箇所の周辺のスペース)を、電子部品やバスバを配置するために用いることができる。よって、本構成の電気接続箱の製造方法は、ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能である。更に、ボルト及びナットが不要である分、電気接続箱の部品数を低減できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係る電気接続箱の斜視図である。
図2図2は、図1に示す電気接続箱の上面図である。
図3図3は、図1に示す電気接続箱の下面図である(ただし、バスバ及び電子部品のみを図示)。
図4図4は、図3のA部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電気接続箱1について説明する。電気接続箱1は、典型的には、車両に搭載されて、リレーやヒューズ等の電子部品を収容するリレーボックスであり、図1図3に示すように、ハウジング10と、ハウジング10に収容される複数の電子部品20と、ハウジング10に保持される複数のバスバ40(図3参照)と、を備える。
【0014】
以下、説明の便宜上、図1等に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。前後方向、左右方向及び上下方向は、互いに直交している。「上」側及び「下」側は、それぞれ、電気接続箱1が車両に搭載された状態における車両の「上」側及び「下」側と一致している。なお、これらの方向は、あくまで説明の便宜のために定めているに過ぎず、電気接続箱1が車両に搭載されたときの車両の前後方向、左右方向及び上下方向に必ずしも対応する必要はない。以下、電気接続箱1を構成する各部品について順に説明する。
【0015】
ハウジング10は、図1及び図2に示すように、前後方向、左右方向及び上下方向に延びる略直方体状の樹脂製の筐体である。ハウジング10は、単一の樹脂成形体で構成されても、複数の樹脂成形体を組み合わせて構成されてもよい。
【0016】
ハウジング10の上面には、複数の電子部品20を収容するための複数のキャビティ11が形成されている。各キャビティ11は、下方に窪み且つ上方に開口する凹状部である。ハウジング10の前面の右下の端部には、電線挿通部12が設けられている(図1及び図2参照)。電線挿通部12からは、ハウジング10に収容された電子部品20と電気的に接続された電線30が、ハウジング10の内部から外部に向けて前方へ延出している(図1及び図2参照)。
【0017】
ハウジング10に収容される複数の電子部品20の各々(図1及び図2参照)は、リレー、ヒュージブルリンク、及び、ヒューズ等である。各電子部品20は、ハウジング10に設けられた対応するキャビティ11に上側から下側に向けて収容される。
【0018】
図3に示すように、ハウジング10に保持される複数のバスバ40の各々は、上下方向からみて所定の形状を有する長尺状の金属板である。複数のバスバ40の各々は、板厚方向が上下方向に直交する方向と一致する向きで(板面が上下方向に直交する方向を向くように)、ハウジング10の下部の対応する所定箇所に、下側から上側に向けて装着され保持されている。この結果、複数のバスバ40の各々が、対応する1つまたは複数の電子部品20の入力端子や出力端子(図示省略)と電気的に接続されることで、複数の電子部品20が、複数のバスバ40を介して電線30(図1及び図2参照)と電気的に接続される。
【0019】
以下、複数のバスバ40のうちバスバ41及びバスバ42(図3参照)に着目する。バスバ41は、上下方向からみて前後方向に一直線状に延びる形状を有しており、バスバ42は、上下方向からみてクランク状に屈曲した形状を有している。バスバ42の前後方向に延びる一端部42a(図4参照)は、バスバ41の前後方向の途中箇所41a(図4参照)の右側に重ねて配置されている。この結果、バスバ42は、前後方向に延びるバスバ41の途中箇所41aから右側に分岐するように延びている。このように、バスバ42がバスバ41から分岐するように配置されるのは、電気接続箱1に要求される仕様等に起因する。バスバ41の途中箇所41aとバスバ42の一端部42aとは、左右方向に重なる重複箇所Pを構成している。この重複箇所Pは、本例では、抵抗溶接によって冶金的に接合されている。
【0020】
以下、バスバ41及びバスバ42のハウジング10への組み付け手順について説明する。まず、バスバ41及びバスバ42が、バスバ41の途中箇所41a及びバスバ42の一端部42aが重複箇所Pを構成するように、ハウジング10の下部の所定箇所に、下側から上側に向けて装着され保持される。次いで、重複箇所Pが、接合用電極(図示省略)によって左右方向に挟まれて圧接される抵抗溶接によって、冶金的に接合される。
【0021】
このように、バスバ41及びバスバ42のハウジング10への装着後に、重複箇所Pの接合が行われるのは、以下の理由に基づく。即ち、バスバ41及びバスバ42のハウジング10への装着前に重複箇所Pの接合が行われると、重複箇所Pが接合されたバスバ41及びバスバ42をハウジング10に装着させる際に重複箇所Pに過度の負荷が作用して、重複箇所Pを構成するバスバ41の途中箇所41a及びバスバ42の一端部42aが互いに分離する可能性があるからである。
【0022】
更に、重複箇所Pが接合用電極を用いた抵抗溶接によって冶金的に接合されるのは、以下の理由に基づく。即ち、重複箇所Pが冶金的に接合されることで、重複箇所Pがボルト及びナットにより締結される場合に比べ、ボルト及びナットを収容するスペースをハウジング10内に確保することを回避できる。更に、本例のように、バスバ41及びバスバ42がハウジング10に装着された後に重複箇所Pの接合が行われる場合であっても、接合のための接合用電極をハウジング10に挿入するためのスペースは、一般に、ボルト及びナットによる締結に要するスペースに比べて小さい。加えて、接合用電極は、バスバ41及びバスバ42の板面に沿って(本例では、電気接続箱1の下方から)ハウジング10に挿入することが可能であるため、ボルト及びナットによる締結のように板面に直交する向き(本例では、左右方向)から工具等を挿入する必要がない。そのため、重複箇所Pからバスバ41及びバスバ42の板面に直交する向きに離れた位置(スペース)を、電子部品20やバスバ40を配置するために用いることができる。具体的には、本例では、図3に示すように、重複箇所Pからバスバ41の板面に直交する向き(左向き)に離れた領域(図3における領域Bを参照)に、バスバ43(図3参照)が配置されている。同様に、重複箇所Pからバスバ42の板面に直交する向き(右向き)に離れた領域(図3における領域Cを参照)に、バスバ44(図3参照)が配置されている。
【0023】
<作用・効果>
以上、本実施形態に係る電気接続箱1によれば、バスバ40が、バスバ41と、バスバ41から分岐するようにバスバ41に冶金的に接合されるバスバ42と、を有する。バスバ41とバスバ42とが冶金的に接合されることで、ボルト及びナットによる締結に比べ、ボルト及びナットを収容するスペースをハウジング10内に確保することを回避できる。更に、本例のように、バスバ41及びバスバ42をハウジング10に保持した後に接合を行う場合であっても、接合のための工具等をハウジング10に挿入するためのスペースは、一般に、ボルト及びナットによる締結に要するスペースに比べて小さい。したがって、本実施形態に係る電気接続箱1は、ハウジング10へのバスバ40や電子部品20の配置の自由度を向上可能である。
【0024】
更に、バスバ41とバスバ42とが抵抗溶接によって接合される。抵抗溶接のための接合用電極は、バスバ41及びバスバ42の板面に沿って(本例では、電気接続箱1の下方から)ハウジング10に挿入することが可能であるため、ボルト及びナットによる締結のように板面に直交する向き(本例では、左右方向)から工具等を挿入する必要がない。そのため、重複箇所Pからバスバ41及びバスバ42の板面に直交する向きに離れた位置(スペース)を、電子部品20やバスバ40を配置するために用いることができる。よって、本実施形態に係る電気接続箱1は、バスバ41及びバスバ42をハウジング10に保持した後に接合を行う場合であっても、ハウジング10へのバスバ40や電子部品20の配置の自由度を向上可能である。
【0025】
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0026】
上記実施形態では、重複箇所Pの冶金的な接合として、抵抗溶接が採用されている。これに対し、重複箇所Pの冶金的な接合として、圧接、融接、及び、ろう接などが採用されてもよい。
【0027】
ここで、上述した本発明に係る電気接続箱1及び電気接続箱1の製造方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
【0028】
[1]
電子部品(20)を取り付け可能なハウジング(10)と、前記ハウジング(10)に保持されるバスバ(40)と、を備える電気接続箱(1)であって、
前記バスバ(40)は、
第1バスバ部(41)と、前記第1バスバ部(41)から分岐するように前記第1バスバ部(41)に冶金的に接合される第2バスバ部(42)と、を有する、
電気接続箱(1)。
【0029】
上記[1]の構成の電気接続箱によれば、バスバが、第1バスバ部と、第1バスバ部から分岐するように第1バスバ部に冶金的に接合される第2バスバ部と、を有する。冶金的な接合として、例えば、圧接、融接、及び、ろう接などが挙げられる。第1バスバ部と第2バスバ部とが冶金的に接合されることで、ボルト及びナットによる締結に比べ、締結後のボルト及びナットを収容するスペースをハウジング内に確保する必要がない。更に、第1バスバ部及び第2バスバ部をハウジングに保持した後に接合を行う場合であっても、一般に、冶金的接合のための工具等をハウジングに挿入するためのスペースのほうが、ボルト及びナットの締結作業に要するスペースに比べて小さい。したがって、本構成の電気接続箱は、ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能である。更に、ボルト及びナットが不要である分、電気接続箱の部品数を低減できる。
【0030】
[2]
上記[1]に記載の電気接続箱(1)において、
前記第1バスバ部(41)及び前記第2バスバ部(42)は、
板状の形状を有し、当該第1バスバ部(41)と当該第2バスバ部(42)との重複箇所(P)を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接によって接合され、
前記ハウジング(10)は、
前記重複箇所(P)から前記第1バスバ部(41)の板面に直交する向きに離れた位置、又は、前記重複箇所(P)から前記第2バスバ部(42)の板面に直交する向きに離れた位置に、前記電子部品(20)及び前記バスバ(40)の少なくとも一方を配置する、ように構成される、
電気接続箱(1)。
【0031】
上記[2]の構成の電気接続箱によれば、第1バスバ部と第2バスバ部とが抵抗溶接によって接合される。抵抗溶接のための接合用電極は、第1バスバ部及び第2バスバ部の板面に沿って(例えば、電気接続箱の下方から)ハウジングに挿入することが可能であるため、ボルト及びナットの作業締結のように板面に直交する向きから工具等を挿入する必要がない。そのため、第1バスバ部と第2バスバ部との重複箇所から第1バスバ部及び第2バスバ部の板面に直交する向きに離れた位置(即ち、接合される箇所の周辺のスペース)を、電子部品やバスバを配置するために用いることができる。よって、本構成の電気接続箱は、第1バスバ部及び第2バスバ部をハウジングに保持した後に接合を行う場合に、ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能である。
【0032】
[3]
電子部品(20)を取り付け可能なハウジング(10)と、前記ハウジング(10)に保持されるバスバ(40)と、を有する電気接続箱(1)を製造するための、電気接続箱(1)の製造方法であって、
前記バスバ(40)は、板状の第1バスバ部(41)と、前記第1バスバ部(41)から分岐するように前記第1バスバ部(41)に接合される板状の第2バスバ部(42)と、を有し、
当該製造方法は、
前記ハウジング(10)に前記第1バスバ部(41)及び前記第2バスバ部(42)を保持する工程と、
前記第1バスバ部(41)の一部(41a)と前記第2バスバ部(42)の一部(42a)とを重ねた状態にて、前記第1バスバ部(41)と前記第2バスバ部(42)との重複箇所(P)を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接を施す工程と、をこの順に備える、
電気接続箱(1)の製造方法。
【0033】
上記[3]の構成の電気接続箱の製造方法によれば、ハウジングに第1バスバ部及び第2バスバ部を保持した後、第1バスバ部の一部と第2バスバ部の一部とを重ねた状態にて、第1バスバ部と第2バスバ部との重複箇所を接合用電極によって挟んで圧接する抵抗溶接を施す。抵抗溶接のための接合用電極は、第1バスバ部及び第2バスバ部の板面に沿って(例えば、電気接続箱の下方から)ハウジングに挿入することが可能であるため、ボルト及びナットによる締結のように板面に直交する向きから工具等を挿入する必要がない。そのため、重複箇所から第1バスバ部及び第2バスバ部の板面に直交する向きに離れた位置(即ち、接合される箇所の周辺のスペース)を、電子部品やバスバを配置するために用いることができる。よって、本構成の電気接続箱の製造方法は、ハウジングへのバスバや電子部品の配置の自由度を向上可能である。更に、ボルト及びナットが不要である分、電気接続箱の部品数を低減できる。
【符号の説明】
【0034】
1 電気接続箱
10 ハウジング
20 電子部品
40 バスバ
41 バスバ(第1バスバ部)
41a 途中箇所(第1バスバ部の一部)
42 バスバ(第2バスバ部)
42a 一端部(第2バスバ部の一部)
P 重複箇所
図1
図2
図3
図4