(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139219
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】学習を支援するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 7/04 20060101AFI20241002BHJP
G09B 19/02 20060101ALI20241002BHJP
G09B 7/08 20060101ALI20241002BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20241002BHJP
【FI】
G09B7/04
G09B19/02 Z
G09B7/08
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050064
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】517310197
【氏名又は名称】モノグサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祐二
(72)【発明者】
【氏名】深谷 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 祐志
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C028AA07
2C028BB04
2C028BC01
2C028BC04
2C028BD01
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】 問題を解くための解法テクニックの習得を支援する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る学習支援サーバ10は、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されているユーザ端末30を操作するユーザに対して学習支援サービスを提供する。当該学習支援サーバ10は、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの当該ユーザの定着度に基づいて、当該解法テクニックを習得するための演習問題を設定して提供するから、ユーザは、こうした演習問題を介して、解法テクニックを効率的に習得することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、学習を支援するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、
ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの前記ユーザの定着度を取得するステップと、
前記解法テクニックの定着度に基づいて、前記解法テクニックを習得するための演習問題であって、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用された前記演習問題を設定するステップと、
前記演習問題を前記ユーザに対して提供するステップと、を実行する、
システム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記演習問題の解答状況データに基づいて、前記解法テクニックの定着度を更新するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記解法テクニックの定着度は、前記解法テクニックの複数の演習テーマの各々についての定着度であるテーマ別定着度を含む、
請求項1のシステム。
【請求項4】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記適用演習テーマが適用された前記演習問題の解答状況データに基づいて、前記解法テクニックの前記適用演習テーマに対応する前記テーマ別定着度を更新するステップを実行する、
請求項3のシステム。
【請求項5】
前記演習問題を設定するステップは、前記複数の演習テーマに含まれる第1演習テーマに対応する前記テーマ別定着度が閾値より大きい場合に、前記複数の演習テーマに含まれる第2演習テーマを前記適用演習テーマとして決定する、
請求項3のシステム。
【請求項6】
前記複数の演習テーマは、前記出題問題に関連付けられた前記解法テクニックの特定、前記解法テクニックの内容の記憶、及び、前記解法テクニックの使用のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1のシステム。
【請求項7】
前記解法テクニックは、前記問題を解くための公式、法則、又は、着眼点を含む、
請求項1のシステム。
【請求項8】
前記解法テクニックの定着度を取得するステップは、前記出題問題に関連付けられている複数の解法テクニックの各々の定着度に基づいて前記解法テクニックを特定し、特定された前記解法テクニックの定着度を取得する、
請求項1のシステム。
【請求項9】
前記解法テクニックは、前記複数の解法テクニックの各々の定着度に加えて、前記複数の解法テクニックの各々に予め設定されている順序に基づいて特定される、
請求項8のシステム。
【請求項10】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、第1解法テクニックに類似する第2解法テクニックの定着度に基づいて、前記第1解法テクニックの定着度を更新するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項11】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、複数の問題にそれぞれ関連付けられた複数の解法テクニックの各々の前記ユーザの定着度に基づいて、前記複数の問題の中から前記出題問題を決定するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項12】
前記演習問題を設定するステップは、前記ユーザの前記テーマ別定着度に基づいて、前記演習問題の難易度を決定する、
請求項3のシステム。
【請求項13】
前記解法テクニックは、相互に異なる複数の問題に関連付けられる、
請求項1のシステム。
【請求項14】
前記演習問題を設定するステップは、予め定められた条件の範囲内で、前記演習問題の内容を自動的に設定する、
請求項1のシステム。
【請求項15】
1又は複数のコンピュータによって実行され、学習を支援するための方法であって、
ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの前記ユーザの定着度を取得するステップと、
前記解法テクニックの定着度に基づいて、前記解法テクニックを習得するための演習問題であって、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用された前記演習問題を設定するステップと、
前記演習問題を前記ユーザに対して提供するステップと、を備える、
方法。
【請求項16】
学習を支援するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの前記ユーザの定着度を取得するステップと、
前記解法テクニックの定着度に基づいて、前記解法テクニックを習得するための演習問題であって、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用された前記演習問題を設定するステップと、
前記演習問題を前記ユーザに対して提供するステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習を支援するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、中学生及び高校生等のユーザの学習を支援するための様々なサービスが提供されている。例えば、数学及び物理等の問題を解く際には、定理等の公式、及び、等式変形等の解法テクニックを用いるのが一般的であり、こうしたテクニックを覚えることがユーザの成績向上にとって重要であると言える。そこで、例えば、下記特許文献1は、出題された問題に適用可能な数学上の公式を表示することを開示している。こうした仕組みは、ユーザによる公式等の暗記を支援し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の仕組みは、公式等の暗記を支援し得るが、表示される公式等の解法テクニックを闇雲に暗記することは、効率的な学習とは言えない。したがって、解法テクニックを効率的に習得できるような仕組みの実現が望まれる。
【0005】
本発明の実施形態は、問題を解くための解法テクニックの習得を支援することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、学習を支援するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの前記ユーザの定着度を取得するステップと、前記解法テクニックの定着度に基づいて、前記解法テクニックを習得するための演習問題であって、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用された前記演習問題を設定するステップと、前記演習問題を前記ユーザに対して提供するステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、学習を支援するための方法であって、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの前記ユーザの定着度を取得するステップと、前記解法テクニックの定着度に基づいて、前記解法テクニックを習得するための演習問題であって、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用された前記演習問題を設定するステップと、前記演習問題を前記ユーザに対して提供するステップと、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、学習を支援するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの前記ユーザの定着度を取得するステップと、前記解法テクニックの定着度に基づいて、前記解法テクニックを習得するための演習問題であって、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用された前記演習問題を設定するステップと、前記演習問題を前記ユーザに対して提供するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、問題を解くための解法テクニックの習得を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る学習支援サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
【
図3】問題集情報テーブル152が管理する情報を例示する図。
【
図4】問題情報テーブル153が管理する情報を例示する図。
【
図5】解法テクニック情報テーブル154が管理する情報を例示する図。
【
図6】定着度管理テーブル155が管理する情報を例示する図。
【
図7】学習管理テーブル156が管理する情報を例示する図。
【
図8】学習支援サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図10】第1演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する図。
【
図11】第2演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する図。
【
図12】2回目の第1演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する図。
【
図13】2回目の第2演習問題が出題された場合の問題学習画面70の解答入力領域74を例示する図。
【
図14】第3演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する図。
【
図15】2回目の第3演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る学習支援サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。学習支援サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワークNWを介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、学習支援サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。学習支援サーバ10は、ユーザ端末30を操作するユーザに対して、学習支援サービスを提供する。学習支援サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、学習支援サーバ10のハードウェア構成について説明する。学習支援サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU、GPU又はFPGA等、またはそれらを含む回路により構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワークNW等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、学習支援サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル151と、学習支援サービスにおいて提供される問題集に関する情報を管理する問題集情報テーブル152と、当該問題集に含まれる問題に関する情報を管理する問題情報テーブル153と、問題を解くための解法テクニックに関する情報を管理する解法テクニック情報テーブル154と、各ユーザの解法テクニックの定着度を管理する定着度管理テーブル155と、各ユーザによって行われる学習を管理する学習管理テーブル156とを有する。これらのテーブルは、その一部が1つのテーブルに統合されてもよいし、複数のテーブルに分割されてもよい。
【0018】
また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、学習支援サーバ10を、学習支援サービスを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介して、ユーザ端末30側において実行されるように構成され得る。
【0019】
本実施形態において、学習支援サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、学習支援サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0020】
このように構成された学習支援サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有し、ユーザ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0021】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0022】
コンピュータプロセッサ31は、CPU、GPU又はFPGA等、またはそれらを含む回路により構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0023】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0024】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワークNW等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0025】
ストレージ35は、例えば、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、上述した端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、学習支援サービス用のアプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0026】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等として構成され得る。
【0027】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35にインストールされている端末側プログラム42を介した学習支援サーバ10との通信を実行することによって、学習支援サーバ10が提供する学習支援サービスを利用することができる。
【0028】
次に、このように構成された学習支援サーバ10が有する機能について説明する。学習支援サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部112、及び、学習管理部114として機能するように構成されている。
【0029】
管理機能制御部112は、学習支援サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部112は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。管理機能制御部112によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、及び、ユーザ情報の管理等を含む。
【0030】
学習管理部114は、ユーザによって行われる学習の管理に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、学習管理部114は、学習の管理に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0031】
本実施形態において、学習管理部114は、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの当該ユーザの定着度を取得するように構成されている。各問題に関連付けられた解法テクニックに関する情報は、例えば、問題情報テーブル153において管理される。また、各ユーザの解法テクニックの定着度は、例えば、定着度管理テーブル155において管理される。解法テクニックは、問題を解くためのテクニックと言うことができ、これらに限定されないが、例えば、問題を解くための公式、法則、又は、着眼点を含む。解法テクニックは、例えば、三平方の定理や二次方程式の解の公式、正弦定理、交換法則、重心の求め方、三角関数の導関数、当式変形、対称式の式変形、放物線の軸の式、放物線の頂点の求め方、連続な関数の最大・最小の求め方、定義域と軸の位置関係に基づく二次関数のグラフの判別方法等である。1つの解法テクニックは、相互に異なる複数の問題に関連付けられ得る。また、定着度は、解法テクニックの定着の度合いであって、習得度等と言うこともできる。
【0032】
また、学習管理部114は、取得した解法テクニックの定着度に基づいて、当該解法テクニックを習得するための演習問題を設定し、当該演習問題をユーザに対して提供するように構成されている。当該演習問題は、複数の演習テーマの中から決定された適用演習テーマが適用されている。本実施形態において、演習テーマは、解法テクニックを習得するための演習問題に適用され得る様々なテーマを含み、これらに限定されないが、例えば、解法テクニックの特定(問題を解くために必要な解法テクニックの特定、又は、当該解法テクニックを用いた解き方の特定)、解法テクニックの内容の記憶、又は、解法テクニックの使用(問題への適用)を少なくとも含む。
【0033】
例えば、学習管理部114は、ユーザが出題問題の正答を入力できない場合(例えば、ユーザによって入力された解答が誤答である場合等)に、当該出題問題に関連付けられた解法テクニックを習得するための演習問題を設定して提供する。こうした演習問題は、例えば、ユーザ端末30において出力される画面において表示される(当該画面を介してユーザに提供される。)。
【0034】
このように、本実施形態における学習支援サーバ10は、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの当該ユーザの定着度に基づいて、当該解法テクニックを習得するための演習問題を設定して提供するから、ユーザは、こうした演習問題を介して、解法テクニックを効率的に習得することができる。つまり、学習支援サーバ10は、問題を解くための解法テクニックの習得を支援する。
【0035】
本実施形態において、学習管理部114は、演習問題の解答状況データに基づいて、解法テクニックの定着度を更新するように構成され得る。例えば、解法テクニックの定着度は、対応する演習問題に正答するほど高くなるように更新される。また、例えば、解法テクニックの定着度は、さらに、時間の経過に従って低くなるように更新される。こうした構成は、対応する演習問題の解答状況等に基づいて、解法テクニックの定着度を更新することを可能とする。
【0036】
本実施形態において、解法テクニックの定着度が、当該解法テクニックの複数の演習テーマの各々についての定着度であるテーマ別定着度を含むようにしてもよい。この場合、学習管理部114は、解法テクニックのテーマ別定着度に基づいて、当該解法テクニックを習得するための演習問題を設定するように構成され得る。こうした構成は、解法テクニックの演習テーマ別の定着度に基づいて、当該解法テクニックを習得するための演習問題を設定することを可能とする。
【0037】
また、解法テクニックの定着度がテーマ別定着度を含む場合において、学習管理部114は、対応する演習問題の解答状況データに基づいて、解法テクニックのテーマ別定着度のうち、当該演習問題に適用されている適用演習テーマに対応するテーマ別定着度を更新するように構成され得る。こうした構成は、対応する演習問題の解答状況に基づいて、解法テクニックの演習テーマ別の定着度を更新することを可能とする。
【0038】
本実施形態において、演習問題に適用される適用演習テーマが、複数の演習テーマの中から、対応する解法テクニックのテーマ別定着度に基づいて選択されるようにしてもよい。例えば、学習管理部114は、第1演習テーマに対応するテーマ別定着度が閾値より大きい場合に、第2演習テーマ(例えば、対応するテーマ別定着度が当該閾値より小さい演習テーマ)を適用演習テーマとして決定するように構成される。こうした構成は、解法テクニックのテーマ別定着度に基づいて、適用演習テーマを決定することを可能とする。
【0039】
本実施形態において、1つの問題に対して、複数の解法テクニックが関連付けられるようにしてもよい。この場合、学習管理部114は、ユーザへの出題問題に関連付けられている複数の解法テクニックの各々の定着度に基づいて、演習問題を設定及び提供する対象となる対象解法テクニックを特定するように構成され得る。例えば、学習管理部114は、第1解法テクニックの定着度が閾値より大きい場合に、第2解法テクニック(例えば、対応する定着度が当該閾値より小さい解法テクニック)を対象解法テクニックとして特定する。こうした構成は、複数の解法テクニックの中から特定された解法テクニックを習得するための演習問題の設定及び提供を可能とする。
【0040】
また、学習管理部114は、出題問題に関連付けられている複数の解法テクニックの各々の定着度に加えて、これらの複数の解法テクニックの各々に予め設定されている順序に基づいて、対象解法テクニックを特定するように構成され得る。例えば、学習管理部114は、第1解法テクニックの定着度が閾値より大きい場合に、当該第1解法テクニックの次の順序の第2解法テクニックを対象解法テクニックとして特定する。こうした構成は、複数の解法テクニックの各々の順序に基づく対象解法テクニックの特定を可能とする。
【0041】
本実施形態において、解法テクニックの定着度が、類似する他の解法テクニックの定着度に基づいて更新されるようにしてもよい。例えば、学習管理部114は、第1解法テクニックに類似する第2解法テクニックの定着度に基づいて、当該第1解法テクニックの定着度を更新するように構成される。類似する解法テクニックに関する情報は、例えば、解法テクニック情報テーブル154において管理される。こうした構成は、類似する他の解法テクニックの定着度に基づく解法テクニックの定着度の更新を可能とする。
【0042】
また、学習管理部114は、複数の問題にそれぞれ関連付けられた複数の解法テクニックの各々のユーザの定着度に基づいて、複数の問題の中から当該ユーザに対して出題する出題問題を決定するように構成され得る。例えば、こうした定着度に基づいて、ユーザのレベル(当該定着度が閾値を超えているか否か)を判定し、当該レベルに基づいて、複数の問題の中から当該ユーザに対して出題する出題問題が決定されるようにしてもよい(例えば、ユーザのレベルが高いほど、出題問題の難易度が高くなる。)。こうした構成は、複数の解法テクニックの定着度に基づく出題問題の決定を可能とする。なお、こうしたレベルを、数値として、ユーザ情報テーブル151において管理するようにしてもよい。
【0043】
また、学習管理部114は、ユーザのテーマ別定着度に基づいて、演習問題の難易度を決定するように構成され得る。例えば、定着度が高くなるほど、演習問題の難易度が上がる。
【0044】
本実施形態において、解法テクニックの定着度とは別に出題問題に対する定着度である問題定着度を設定し、出題問題に関連付けられた解法テクニックの定着度に基づいて問題定着度を決定してもよい。例えば、学習管理部114は、出題問題の解答状況データと、出題問題に関連付けられている解法テクニックの定着度に基づいて、出題問題の問題定着度を決定する。なお、出題問題に複数の解法テクニックが関連付けられている場合は、学習管理部114は、出題問題の解答状況データと出題問題に関連付けられている複数の解法テクニックの定着度に基づいて、出題問題の問題定着度を決定してもよい。こうした構成は、複数の問題において関連付けられている解法テクニックが共通する場合に、学習ユーザが解いていない問題であっても、すでに学習ユーザが学習した解法テクニックの定着度からその問題に対する問題定着度を推測して管理することを可能とする。
【0045】
本実施形態において、演習問題が、様々なルールで自動的に設定されるようにしてもよい。つまり、学習管理部114は、予め定められた条件の範囲内で、演習問題の内容を自動的に設定するように構成され得る。例えば、演習問題は、複数の空欄を埋める穴埋め形式の問題として設定されており、予め定められた複数の空欄の一部が実際の空欄となるように自動的に設定される。こうした構成は、演習問題の自動的な設定を可能とする。
【0046】
次に、このような機能を有する本実施形態の学習支援サーバ10の一態様としての具体例について説明する。まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。
図2は、この例において、ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ情報テーブル151は、学習支援サービスを利用して学習する学生等のユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザID」に対応付けて、氏名等を含む「基本情報」等の情報を管理する。
【0047】
図3は、この例において、問題集情報テーブル152が管理する情報を例示する。この例における問題集情報テーブル152は、学習支援サービスにおいて利用可能な問題集に関する情報を管理し、図示するように、個別の問題集を識別する「問題集ID」に対応付けて、「名称」、対応する単元を識別する「単元ID」等の情報を管理する。この例では、1つの問題集は、1つの単元に関連付けられている。
【0048】
単元は、学習内容又は学習項目であり、例えば、中学数学の場合には、「因数分解」、「平方根」及び「二次方程式」等を含み、高校物理の場合には、「等速直線運動」、「作用反作用」及び「運動方程式」等を含む。
【0049】
図4は、この例において、問題情報テーブル153が管理する情報を例示する。この例における問題情報テーブル153は、問題集に含まれる問題に関する情報を管理し、図示するように、個別の問題を識別する「問題ID」に対応付けて、この問題が含まれる問題集を識別する「問題集ID」、この問題の内容及び解答を含む「問題詳細情報」、この問題に用いられる解法テクニックを識別する「解法テクニックID」等の情報を管理する。この例では、1つの問題は、1つの解法テクニックに関連付けられている。
【0050】
図5は、この例において、解法テクニック情報テーブル154が管理する情報を例示する。この例における解法テクニック情報テーブル154は、問題を解くために用いられる解法テクニックに関する情報を管理し、図示するように、個別の解法テクニックを識別する「解法テクニックID」に対応付けて、この解法テクニックの内容を含む「解法テクニック詳細情報」、この解法テクニックを習得するための演習問題のうち、第1演習テーマに沿った演習問題に関する情報である「第1演習問題情報」、第2演習テーマに沿った演習問題に関する情報である「第2演習問題情報」、第3演習テーマに沿った演習問題に関する情報である「第3演習問題情報」等の情報を管理する。
【0051】
この例において、第1演習テーマは「解法テクニックの特定」であり、第1演習問題情報には、複数の解法テクニックの中から必要な解法テクニック(又は、当該解法テクニックを用いた解き方)を特定するという形式の問題に関する情報が設定される。また、第2演習テーマは「解法テクニックの内容の記憶」であり、第2演習問題情報には、解法テクニックの内容を入力するという形式の問題に関する情報が設定される。また、第3演習テーマは「解法テクニックの使用」であり、第3演習問題情報には、解法テクニックの使用に関するヒントが表示される形式の問題に関する情報が設定される。なお、第3演習問題情報には、解法テクニックを使用して解く必要がある形式の問題であればよく、ヒントが表示されない形式の問題が含まれていてもよい。
【0052】
図6は、この例において、定着度管理テーブル155が管理する情報を例示する。この例における定着度管理テーブル155は、各ユーザの解法テクニックの定着度に関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザID」、及び、個別の解法テクニックを識別する「解法テクニックID」の組合せに対応付けて、解法テクニックの総合的な定着度である「総合定着度」、解法テクニックの第1演習テーマについてのテーマ別定着度である「第1演習テーマ定着度」、解法テクニックの第2演習テーマについてのテーマ別定着度である「第2演習テーマ定着度」、解法テクニックの第3演習テーマについてのテーマ別定着度である「第3演習テーマ定着度」等の情報を管理する。
【0053】
図7は、この例において、学習管理テーブル156が管理する情報を例示する。この例における学習管理テーブル156は、各ユーザによって行われる個別の学習に関する情報を管理し、図示するように、個別の学習を識別する「学習ID」に対応付けて、対応するユーザを識別する「ユーザID」、「学習年月日」、通常の問題(問題情報テーブル153において管理されている問題)を学習した場合の当該問題を識別する「問題ID」、解法テクニックの演習問題を学習した場合の当該解法テクニックを識別する「解法テクニックID」、当該演習問題に適用されている演習テーマの種類を示す「演習テーマ種別」、問題の解答状況(正答又は誤答)を示す「解答状況」等の情報を管理する。
【0054】
この例では、学習管理テーブル156において、通常の問題の学習である場合には問題IDが設定され、解法テクニックの演習問題の学習である場合には解法テクニックIDが設定される。演習テーマ種別には、解法テクニックの演習問題の学習である場合において、上述した第1~第3演習テーマの何れかに対応する値が設定される。
【0055】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、学習支援サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において出力される画面等について説明する。
【0056】
図8は、ユーザに対して通常の問題を出題する際に、学習支援サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。学習支援サーバ10は、まず、図示するように、出題する出題問題を決定して表示する(ステップS100)。この例では、問題情報テーブル153において管理されている複数の問題の中から、様々なルールが適用されて、出題問題が決定される。例えば、学習支援サーバ10は、ユーザによって指定された問題集(例えば、単元の特定を伴って指定される。)に含まれる複数の問題の各々に設定されている順序に従って、これらの複数の問題の中から順に選択される問題を出題問題として決定する。
【0057】
出題問題は、ユーザ端末30において出力される画面において表示される。
図9は、ユーザ端末30において出力される問題学習画面70を例示する。問題学習画面70は、ユーザが問題を学習するための画面であり、図示するように、問題の内容を表示する問題表示領域72と、問題に対する解答を入力するための解答入力領域74と、解答入力領域74に対する入力操作を行うための入力操作領域76と、確定ボタン78とを有する。
【0058】
問題表示領域72には、問題の内容(
図9の例では、数式)が表示される。また、解答入力領域74には、問題の解答が表示されるが、当該解答となる数式を構成する複数の要素(数字、文字、又は、記号等)の一部が、空欄オブジェクト741に置き換わっている。入力操作領域76には、複数の入力オブジェクト762が配置されており、これらの入力オブジェクト762は、0~9の数字、左方向、又は、右方向の入力を行うためのオブジェクトである。ユーザは、これらの入力オブジェクト762を介した入力操作によって、解答入力領域74の各空欄オブジェクト741に対して値を入力することができる。確定ボタン78がユーザによって選択されると、解答入力領域74に対して入力された解答が確定する。解答の確定に応じて、対応する学習が、学習管理テーブル156に登録され、具体的には、新たなレコードが作成されて、学習ID、ユーザID、学習年月日、問題ID、及び、解答状況が設定される。
【0059】
図8のフローチャートに戻り、ユーザによって入力された解答が誤答である場合には(ステップS110においてYES)、次に、学習支援サーバ10は、解法テクニックの各定着度(総合定着度、及び、第1~第3演習テーマ定着度)に0を設定する(ステップS120)。具体的には、定着度管理テーブル155において、出題問題に関連付けられている解法テクニック(問題情報テーブル153の解法テクニックIDを参照することによって特定される。)の対応するユーザの各定着度に0が設定される。
【0060】
続いて、学習支援サーバ10は、解法テクニックの演習問題を設定して表示する(ステップS130)。具体的には、解法テクニックの総合定着度、及び、テーマ別定着度に基づいて、演習問題が設定される。まず、解法テクニックの総合定着度が0である場合(解法テクニックの演習問題の設定及び表示が1回目である場合)には、第1演習テーマが適用された第1演習問題、及び、第2演習テーマが適用された第2演習問題の何れ一方がランダムに設定される。
【0061】
図10は、第1演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する。この状態の問題学習画面70は、図示するように、問題表示領域72において、元の出題問題及びその正答が表示されると共に「利用する公式を以下から選択せよ」というテキストが表示されている。こうした表示内容は、問題情報テーブル153の問題情報、及び、解法テクニック情報テーブル154の第1演習問題情報に基づいて設定される。
【0062】
また、解答入力領域74には、4つの選択肢オブジェクト742が上下方向に並べて配置されている。これらの選択肢オブジェクト742には、相互に異なる3つの公式、及び、「この中にはない」というテキストが付加されている。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第1演習問題情報に基づいて設定される。
【0063】
上述したように、第1演習テーマは「解法テクニックの特定」であり、第1演習問題は、複数の公式の中から利用する公式を選択する形式の問題を含む。ユーザは、これらの4つの選択肢の中から、正解と思われる選択肢オブジェクト742を選択した上で、確定ボタン78を選択する。確定ボタン78がユーザによって選択されると、解答入力領域74に対して入力(選択)された解答が確定する。解答の確定に応じて、対応する学習が、学習管理テーブル156に登録され、具体的には、新たなレコードが作成されて、学習ID、ユーザID、学習年月日、解法テクニックID、演習テーマ種別、及び、解答状況が設定される。なお、「利用する公式を以下から選択せよ」は「解法テクニックの特定」のうち、「問題を解くために必要な解法テクニックの特定に関する問題」に相当する。「解法テクニックを用いた解き方の特定に関する問題」の場合は、例えば「問題の解き方として適切なものを選択せよ」と出題され、選択肢として正解の解き方、不正解の解き方が表示される。
【0064】
図11は、第2演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する。この状態の問題学習画面70は、図示するように、問題表示領域72において、「以下の公式の空欄を埋めよ」というテキストが表示されると共に、解法テクニックに対応する公式の左辺が表示されている。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第2演習問題情報に基づいて設定される。
【0065】
また、解答入力領域74には、問題表示領域72において表示されている公式の右辺に対応する数式を構成する全ての複数の要素に対応する複数の空欄オブジェクト741が配置されている。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第2演習問題情報に基づいて設定される。
【0066】
また、入力操作領域76には、空欄オブジェクト741に対して入力する値の候補となる「a」、「b」、「+」及び「-」をそれぞれ入力するための4つの入力オブジェクト762が追加で配置されている。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第2演習問題情報に基づいて設定される。
【0067】
上述したように、第2演習テーマは「解法テクニックの内容の記憶」であり、第2演習問題は、公式に含まれる数式の空欄を埋める形式の問題を含む。ユーザは、入力操作領域76を介した入力操作によって、解答入力領域74の空欄オブジェクト741に正解と思われる値を入力した上で、確定ボタン78を選択する。確定ボタン78がユーザによって選択されると、解答入力領域74に対して入力された解答が確定する。解答の確定に応じて、対応する学習が、学習管理テーブル156に登録され、具体的には、新たなレコードが作成されて、学習ID、ユーザID、学習年月日、解法テクニックID、演習テーマ種別、及び、解答状況が設定される。なお、第2演習テーマの演習テーマ定着度に応じて入力オブジェクトの数を増減させてもよい。
【0068】
図8のフローチャートに戻り、解法テクニックの演習問題を設定して表示すると、次に、学習支援サーバ10は、当該演習問題の解答結果に基づいて定着度を更新する(ステップS140)。具体的には、演習問題に正答した場合には、対応するテーマ別定着度に100を設定し、演習問題に誤答した場合には、対応するテーマ別定着度に50を加算する。
【0069】
また、この例では、総合定着度は、以下の計算式で算出される。
総合定着度=第1演習テーマ定着度×0.3+第2演習テーマ定着度×0.3+第3演習テーマ定着度×0.4
つまり、第1~第3演習テーマ定着度の全てが100になると、総合定着度も100(30+30+40)となる。第1~第3演習テーマ定着度が更新される都度、総合定着度も更新される。
【0070】
続いて、学習支援サーバ10は、演習問題の学習の終了条件を充足したか否かを判断し、当該条件を充足していない場合には(ステップS150においてNO)、解法テクニックの演習問題の設定及び表示へと戻る(ステップS130)。この例において、演習問題の学習の終了条件は、総合定着度が100になることである。
【0071】
2回目以降の演習問題の設定及び表示においては、第1~第3演習テーマ定着度に基づいて、演習問題が設定される。まず、第1~第3演習テーマ定着度の何れかが50である場合(つまり、1回目の対応する演習問題に誤答した場合)には、同じ演習テーマの2回目の演習問題が設定される。
【0072】
図12は、2回目の第1演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する。この状態の問題学習画面70では、図示するように、解答入力領域74において配置されている選択肢オブジェクト742の数が4つから2つに減少している。配置されなくなる選択肢オブジェクト742は、「この中にはない」という選択肢、及び、誤答の2つの選択肢の何れか一方の選択肢に対応するものである。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第1演習問題情報に基づいて設定される。このように、2回目の第1演習問題では、選択肢の減少によって、「解法テクニックの特定」という第1演習テーマの定着が図られる。
【0073】
図13は、2回目の第2演習問題が出題された場合の問題学習画面70の解答入力領域74を例示する。この状態の問題学習画面70では、解答入力領域74に配置されている複数の空欄オブジェクト741において、順に、正解の値が(例えば、淡い色の文字で)表示され、正解の入力が誘導される。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第2演習問題情報に基づいて設定される。このように、2回目の第2演習問題では、正解の入力の誘導によって、「解法テクニックの内容の記憶」という第2演習テーマの定着が図られる。
【0074】
また、2回目以降の演習問題の設定及び表示において、第1~第3演習テーマ定着度の全てが50でない場合、テーマ別の定着度が0である演習テーマの演習問題が設定される。こうした演習テーマが複数存在する場合、第1又は第2演習問題が優先され、第1及び第2演習テーマ定着度が0でない(つまり、100である)場合、第3演習問題が設定される。
【0075】
図14は、第3演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する。この状態の問題学習画面70は、図示するように、問題表示領域72、解答入力領域74、及び、入力操作領域76の表示は、元の出題問題が表示されている
図9の問題学習画面70と同様であるが、問題表示領域72において、問題を解くためのヒントを表示するヒントオブジェクト721が配置されている。ヒントオブジェクト721は、具体的には、出題問題に関連付けられている解法テクニックとしての公式を、「以下の公式を利用」というテキストと共に表示する。こうした表示内容は、解法テクニック情報テーブル154の第3演習問題情報に基づいて設定される。なお、ヒントオブジェクト721には問題出題時からヒントとなるテキストや図を表示しておいてもよいし、学習ユーザがヒントオブジェクト721を選択した際にヒントとなるテキストや図が表示されるようにしてもよい。
【0076】
上述したように、第3演習テーマは「解法テクニックの使用」であり、第3演習問題は、公式の使用に関するヒントを表示する形式の問題を含む。ユーザは、入力操作領域76を介した入力操作によって、解答入力領域74の空欄オブジェクト741に正解と思われる値を入力した上で、確定ボタン78を選択する。確定ボタン78がユーザによって選択されると、解答入力領域74に対して入力された解答が確定する。解答の確定に応じて、対応する学習が、学習管理テーブル156に登録され、具体的には、新たなレコードが作成されて、学習ID、ユーザID、学習年月日、解法テクニックID、演習テーマ種別、及び、解答状況が設定される。
【0077】
図15は、2回目の第3演習問題が出題された場合の問題学習画面70を例示する。この状態の問題学習画面70では、図示するように、入力操作領域76において配置されている入力オブジェクト762の数が減少している。配置される(残っている)入力オブジェクト762は、何れかの空欄オブジェクト741に正解として入力される値に対応するものである。このように、2回目の第3演習問題では、入力オブジェクト762の減少によって、「解法テクニックの使用」という第3演習テーマの定着が図られる。
【0078】
図8のフローチャートに戻り、こうした演習問題の設定及び表示、並びに、解答結果に基づく定着度の更新は、解法テクニックの総合定着度が100になって終了条件が充足するまで繰り返される。なお、元の出題問題に対してユーザによって入力された解答が正答である場合には(ステップS110においてNO)、学習支援サーバ10によって、解法テクニックの各定着度に100が設定され(ステップS160)、解法テクニックの演習問題の学習(ステップS130~S150)はスキップされる。
【0079】
上述した例において、定着度の更新方法は例示であって、様々な更新方法が適用され得る。例えば、元の出題問題に正答した場合に総合定着度に20を加算し、同じ問題又は同じ解法テクニックに紐づく問題を5回連続して正答した場合に総合定着度が100となるようにしてもよい。また、上述の総合定着度を算出するための計算式は例示であって、様々な計算式が適用され得る。例えば、計算式が解法テクニック毎、又は、関連する単元毎に異なるようにしてもよいし、各演習テーマ定着度の係数は任意に設定され得る。さらに、総合定着度を個別に管理せずに、第1~第3演習テーマ定着度の全てが100になったかを管理するようにしてもよい。また、第1~第3演習テーマの演習問題において問題の難易度を設定し、解いた問題の難易度に応じて演習テーマ定着度の増減を設定してもよい。例えば、ヒントを表示していない第3演習テーマの演習問題を解いたときは、ヒントを表示している第3演習テーマの演習問題を解いたときよりも演習テーマ定着度が増加するように設定してもよい。また、演習テーマ定着度に基づいて出題される演習問題の難易度を変更してもよい。例えば、第3演習テーマの演習テーマ定着度が一定の閾値未満の場合はヒントを表示している形式の問題を出題し、閾値以上の場合はヒントを表示していない形式の問題を出題してもよい。
【0080】
上述した例では、1つの問題が、1つの解法テクニックに関連付けられるようにしたが、1つの問題に対して複数の解法テクニックが関連付けられるようにしてもよい。この場合、出題問題に対して入力された解答が誤答であったときには、当該出題問題に関連付けられている複数の解法テクニックの各々の定着度に基づいて特定された対象解法テクニック(例えば、総合定着度が0である解法テクニックであって、予め定められた順序が最も先行する解法テクニック)の演習問題の学習を順に進めるようにすればよい。
【0081】
上述した例において、類似する他の解法テクニックの定着度に基づいて、解法テクニックの定着度が更新されるようにしてもよい。例えば、第1解法テクニックの総合定着度に100が設定される場合に、当該第1解法テクニックに類似する第2解法テクニックの総合定着度にも100が設定されるようにしてもよい。
【0082】
上述した例において、複数の解法テクニックの各々の定着度に基づいて、ユーザのレベルが更新される(例えば、総合定着度が100である解法テクニックの数が閾値に到達するごとにレベルアップする等)ようにしてもよい。この場合、ユーザのレベルに基づいて、複数の問題の中から出題問題を決定する(例えば、ユーザのレベルが高いほど、出題問題の難易度が高くなる。)ようにしてもよい。また、複数の解法テクニックの各々の定着度に基づいて、出題問題を決定するようにしてもよい。
【0083】
上述した例において、各問題に関連付けられている解法テクニックの定着度に基づいて複数の問題の中から出題問題を決定するようにしてもよい。例えば、関連付けられている解法テクニックの定着度が高い問題の出題頻度を低くする一方、関連付けられている解法テクニックの定着度が低い問題の出題頻度を高くするようにしてもよい。
【0084】
以上説明した本実施形態に係る学習支援サーバ10は、ユーザに対して出題する出題問題に関連付けられた解法テクニックの当該ユーザの定着度に基づいて、当該解法テクニックを習得するための演習問題を設定して提供するから、ユーザは、こうした演習問題を介して、解法テクニックを効率的に習得することができる。つまり、学習支援サーバ10は、問題を解くための解法テクニックの習得を支援する。
【0085】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態における学習支援サーバ10が有する機能の一部又は全部は、学習支援サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、或いは、ユーザ端末30によって実現され得る。つまり、本発明のシステムは、学習支援サーバ10によって構成される他、学習支援サーバ10及びユーザ端末30によって構成され、或いは、ユーザ端末30によって構成され得る。
【0086】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0087】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0088】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 学習支援サーバ
11 コンピュータプロセッサ
112 管理機能制御部
114 学習管理部
15 ストレージ
151 ユーザ情報テーブル
152 問題集情報テーブル
153 問題情報テーブル
154 解法テクニック情報テーブル
155 定着度管理テーブル
156 学習管理テーブル
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
70 問題学習画面