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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139224
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】アシストグリップ
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
B60N3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050071
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】308016242
【氏名又は名称】豊和化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(74)【代理人】
【識別番号】100188765
【弁理士】
【氏名又は名称】赤座 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】永田 昌之
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088DA06
3B088DA07
3B088DB01
(57)【要約】
【課題】水平横方向とともに上下縦方向にも把持部を有し、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、各種の姿勢で便利に使用することができるアシストグリップを提供する。
【解決手段】このアシストグリップは、被取付部の被取付面と平行で且つ取付部の取付軸と直角方向に把持部を連結する二股直角取付部3と、端部位置の把持部1の嵌合凸部11が嵌着される端末嵌合凹部21を有した端末取付部2と、を備える。二股直角取付部3には、把持部1の嵌合凸部11を嵌着して連結する第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32が、第1嵌合凹部31の連結軸R1と第2嵌合凹部32の連結軸R2とが相互に直角で且つ被取付部の被取付面と平行となるように、二股直角取付部3に設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部に嵌合凸部を設けた棒状の把持部と、該把持部の該嵌合凸部が嵌着される嵌合凹部を設け、車室内の被取付部に固定される複数の取付部と、を備えたアシストグリップにおいて、
該被取付部の被取付面と平行で且つ該取付部の取付軸と直角方向に該把持部を連結する二股直角取付部と、端部位置の該把持部の該嵌合凸部が嵌着される端末嵌合凹部を有した端末取付部と、を備え、
該二股直角取付部には、該把持部の該嵌合凸部を嵌着して連結する第1嵌合凹部と第2嵌合凹部が、該第1嵌合凹部の連結軸と該第2嵌合凹部の連結軸とが相互に直角で且つ該被取付部の被取付面と平行となるように、該第1嵌合凹部と該第2嵌合凹部が該二股直角取付部に設けられたことを特徴とするアシストグリップ。
【請求項2】
端部に嵌合凸部を設けた棒状の把持部と、該把持部の該嵌合凸部が嵌着される嵌合凹部を設け、車室内の被取付部に固定される複数の取付部と、を備えたアシストグリップにおいて、
該被取付部の被取付面と平行で且つ該取付部の取付軸と直角方向に該把持部を連結する三股平行直角取付部と、端部位置の該把持部の該嵌合凸部が嵌着される端末嵌合凹部を有した端末取付部と、を備え、
該三股平行直角取付部には、該把持部の該嵌合凸部を嵌着して連結する第1嵌合凹部、第2嵌合凹部及び第3嵌合凹部が設けられ、該第1嵌合凹部の連結軸と該第2嵌合凹部の連結軸とが相互に直角で且つ該被取付部の被取付面と平行となり、該第1嵌合凹部の連結軸と該第3嵌合凹部の連結軸とが平行となるように、該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部及び該第3嵌合凹部が該三股平行直角取付部に設けられたことを特徴とするアシストグリップ。
【請求項3】
前記被取付部の被取付面と平行で且つ前記取付部の取付軸と直角方向に前記把持部を連結する二股平行取付部が設けられ、該二股平行取付部には、該把持部の前記嵌合凸部を、両側に嵌着して平行に連結する第1嵌合凹部と第2嵌合凹部が、該第1嵌合凹部の連結軸と該第2嵌合凹部の連結軸とを一直線上に位置させるように、設けられたことを特徴とする請求項1または2記載のアシストグリップ。
【請求項4】
前記把持部の該嵌合凸部の中間部両側に、切欠溝部が設けられ、両側の該切欠溝部に対し該嵌合凸部の横断方向から挟み込んで嵌着させる嵌着部材が設けられ、前記端末取付部、二股直角取付部または三股平行直角取付部の内側には、該嵌着部材を差し込むための嵌着室が該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部または該第3嵌合凹部と連通して設けられ、該嵌着室内の該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部または該第3嵌合凹部の端部に、フランジ部が設けられ、該嵌着室内に外側から差し込まれた該嵌着部材の一部が該フランジ部に当接し、該把持部の該嵌合凸部の抜けが阻止されることを特徴とする請求項1または2記載のアシストグリップ。
【請求項5】
前記二股平行取付部に設けた該第1嵌合凹部と第2嵌合凹部の少なくとも一方の内部に、略U字形でばね状弾性を有したクリップが嵌着され、該クリップの内側に、前記把持部の嵌合凸部が差し込まれ、該嵌合凸部が該クリップを介して該第1嵌合凹部または第2嵌合凹部内で嵌着されたことを特徴とする請求項3記載のアシストグリップ。
【請求項6】
前記二股平行取付部の該第1嵌合凹部または第2嵌合凹部に、物品を載置し或いは保持させる物品ホルダーが、嵌合凸部を介して連結されたことを特徴とする請求項3記載のアシストグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車室内のルーフ側壁部、ドア側壁部、ピラー側壁部などに装着されるアシストグリップに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車室内のルーフ側壁部、ドア側壁部などに装着され、乗員が握って身体を支持するために使用されるグリップとして、従来、合成樹脂によって全体が一体成形或は一部が一体成形され、把持部の両側に取付脚部を設け、取付ネジなどにより両側の取付脚部を車室内のルーフ側部に固定して使用するアシストグリップが、広く汎用されている。
【0003】
また、長尺化されたアシストグリップを、ルーフ側壁部の水平方向に沿って、水平に取り付ける構造のグリップが、下記特許文献1により、提案されている。この長尺化されたアシストグリップは、各取付脚部と各把持部を含む複数の部材を分割して成形し、それらの分割形成された各部材を、各取付脚部の個所で、凹凸嵌合して連結させ、長尺のアシストグリップを組み立てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-230294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来のアシストグリップは、各部材の製造時に、合成樹脂成型用の金型コストを低減することができ、ルーフ側部の水平方向に、長尺化されたグリップを、任意の長さに、比較的安価に製造できる。
【0006】
しかしながら、車室内の多様性用途から、ドア側面やピラー側面などに、水平横方向とともに上下縦方向にも、把持部を設けたい場合がある。その場合、長尺化されたアシストグリップを、さらにドア側面などにも取り付ける必要があり、取付スペースの制限の問題や部品数の増加、組み付け工程の増加などにより、コストアップになり易い。また、複数のアシストグリップをそのまま取り付けた場合、見栄えの悪化につながる課題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、水平横方向とともに上下縦方向にも把持部を有し、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、各種の姿勢で便利に使用することができるアシストグリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアシストグリップは、
端部に嵌合凸部を設けた棒状の把持部と、該把持部の該嵌合凸部が嵌着される嵌合凹部を設け、車室内の被取付部に固定される複数の取付部と、を備えたアシストグリップにおいて、
該被取付部の被取付面と平行で且つ該取付部の取付軸と直角方向に該把持部を連結する二股直角取付部と、端部位置の該把持部の該嵌合凸部が嵌着される端末嵌合凹部を有した端末取付部と、を備え、
該二股直角取付部には、該把持部の該嵌合凸部を嵌着して連結する第1嵌合凹部と第2嵌合凹部が、該第1嵌合凹部の連結軸と該第2嵌合凹部の連結軸とが相互に直角で且つ該被取付部の被取付面と平行となるように、該第1嵌合凹部と該第2嵌合凹部が該二股直角取付部に設けられたことを特徴とする。
【0009】
このアシストグリップによれば、二股直角取付部の第1嵌合凹部に第1の把持部の嵌合凸部を嵌着し、その第2嵌合凹部に第2の把持部の嵌合凸部を嵌着し、各把持部の他端の嵌合凸部を、端末取付部の端末嵌合凹部に嵌着し、2個の端末取付部と二股直角取付部を、被取付部の被取付面に固定して設置する。
【0010】
これにより、例えば、第1の把持部を水平横方向に向け、第2の把持部を上下縦方向に向けて、アシストグリップを設置すれば、第1の把持部が水平横方向を向き、第2の把持部が上下縦方向に向いた状態となり、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、ユーザーが、各種の姿勢で、多様性をもって、アシストグリップを使用することができる。
【0011】
さらに、本発明に係るアシストグリップは、
端部に嵌合凸部を設けた棒状の把持部と、該把持部の該嵌合凸部が嵌着される嵌合凹部を設け、車室内の被取付部に固定される複数の取付部と、を備えたアシストグリップにおいて、
該被取付部の被取付面と平行で且つ該取付部の取付軸と直角方向に該把持部を連結する三股平行直角取付部と、端部位置の該把持部の該嵌合凸部が嵌着される端末嵌合凹部を有した端末取付部と、を備え、
該三股平行直角取付部には、該把持部の該嵌合凸部を嵌着して連結する第1嵌合凹部、第2嵌合凹部及び第3嵌合凹部が設けられ、該第1嵌合凹部の連結軸と該第2嵌合凹部の連結軸とが相互に直角で且つ該被取付部の被取付面と平行となり、該第1嵌合凹部の連結軸と該第3嵌合凹部の連結軸とが平行となるように、該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部及び該第3嵌合凹部が該三股平行直角取付部に設けられたことを特徴とする。
【0012】
このアシストグリップによれば、例えば、三股平行直角取付部の第1嵌合凹部に第1の把持部の嵌合凸部を嵌着し、その第2嵌合凹部に第2の把持部の嵌合凸部を嵌着し、その第3嵌合凹部に第3の把持部の嵌合凸部を嵌着し、第1から第3の各把持部の他方の嵌合凸部を、各々、各端末取付部の該端末嵌合凹部に嵌着し、3個の端末取付部と三股平行直角取付部を、被取付部の被取付面に固定して設置する。
【0013】
これにより、例えば、第1の把持部と第3の把持部を水平横方向に向けてアシストグリップを設置すれば、第2の把持部は上下縦方向を向き、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、各種の姿勢で、多様性をもって、アシストグリップを使用することができる。
【0014】
ここで、上記アシストグリップにおいて、さらに、被取付部の被取付面と平行で且つ取付部の取付軸と直角方向に該把持部を連結する二股平行取付部が設けられ、二股平行取付部には、該把持部の嵌合凸部を、両側に嵌着して平行に連結する第1嵌合凹部と第2嵌合凹部が、該第1嵌合凹部の連結軸と該第2嵌合凹部の連結軸とを一直線上に位置させるように、設けられた構成とすることができる。
【0015】
これによれば、二股平行取付部を使用して、把持部の長さを水平横方向に又は上下縦方向に、長く延設し、縦横共に比較的長尺のアシストグリップを、一体性を持ったデザインで製造することができる。
【0016】
また、ここで、上記把持部の嵌合凸部には、中間部両側に切欠溝部が設けられ、両側の該切欠溝部に対し嵌合凸部の横断方向から挟み込んで嵌着させる嵌着部材が設けられ、該端末取付部、該二股直角取付部及び三股平行直角取付部の内側には、該嵌着部材を差し込むための嵌着室が該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部及び該第3嵌合凹部と連通して設けられ、該嵌着室内の該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部または該第3嵌合凹部の端部には、フランジ部が設けられ、嵌着室内に外側から差し込まれた嵌着部材の一部が該フランジ部に当接し、該把持部の嵌合凸部の抜けを阻止する構成とすることができる。
【0017】
これによれば、把持部の嵌合凸部を、該端末取付部、該二股直角取付部または三股平行直角取付部の該第1嵌合凹部、該第2嵌合凹部または該第3嵌合凹部に差し込み、嵌着部材を嵌着室に差し込むだけの簡単な作業で、把持部の嵌合凸部の抜けを阻止し、端末取付部、二股直角取付部、または三股平行直角取付部に、把持部を確実に連結することができる。
【0018】
また、ここで、上記二股平行取付部に設けた両側の第1嵌合凹部と第2嵌合凹部の内部に、略U字形でばね状弾性を有したクリップが嵌着され、該クリップの内側に、把持部の嵌合凸部が差し込まれ、嵌合凸部がクリップを介して第1嵌合凹部及び第2嵌合凹部内で嵌着される構成とすることができる。これによれば、簡単な作業で、上記二股平行取付部の第1嵌合凹部と第2嵌合凹部に、クリップを介して、把持部の嵌合凸部を、確実に連結することができる。
【0019】
また、ここで、上記二股平行取付部の第1嵌合凹部または第2嵌合凹部に、物品を載置し或いは保持させる物品ホルダーを、嵌合凸部を介して連結することができる。これによれば、例えば、トレイ、カップホルダー、フックなどを、アシストグリップの一部に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明のアシストグリップによれば、把持部を、水平横方向とともに上下縦方向にも、簡単に設置することができ、ユーザーの体格や男女の違いに応じて、各種の姿勢で便利に使用することができる
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態を示し、アシストグリップAG1の概略正面図である。
図2】同アシストグリップの把持部とカバーを外した状態の二股直角取付部の正面図である。
図3】Aは同アシストグリップ、Bはその右側面図である。
図4図3のIV-IV断面図である。
図5】同アシストグリップの斜視図である。
図6】Aはカバーを外した状態の端末取付部の斜視図、Bはその先端部分の拡大断面図、Cは見る角度を変えた状態の同斜視図である。
図7】同端末取付部の分解斜視図である。
図8】把持部の嵌合凸部に嵌着部材を嵌め込む際の斜視図である。
図9】Aはカバーを外した状態の二股直角取付部の斜視図、Bは見る角度を変えた際の同斜視図である。
図10】Aはカバーを外した状態の端末取付部の斜視図、Bは見る角度を変えた状態の同斜視図である。
図11】Aはカバーを外した状態の端末取付部の正面図、Bは同端末取付部の底面図、Cは同端末取付部の左側面図、Dは同端末取付部の右側面図である。
図12】Aは把持部の正面図、Bはその先端の嵌合凸部の斜視図である。
図13】A、B、C、Dは、各々、嵌着部材の見る角度変えた際の斜視図である。
図14】2個の二股直角取付部、2個の端末取付部を連結した第2実施形態のアシストグリップAG2の概略正面図である。
図15】第3実施形態のアシストグリップAG3の概略正面図である。
図16】同アシストグリップAG3の端部に連結される二股平行取付部とトレイの斜視図である。
図17】二股平行取付部とそこに連結された把持部の底面図である。
図18】二股平行取付部と把持部の断面図である。
図19】二股平行取付部に把持部を連結する際の斜視図である。
図20】二股平行取付部とそこに被せるカバー53の斜視図である。
図21】二股平行取付部にフックを連結した状態の斜視図である。
図22】第4実施形態のアシストグリップAG4の概略正面図である。
図23】Aは三股平行直角取付部の斜視図、Bは見る角度を変えたときの同取付部の斜視図である。
図24】三股平行直角取付部とその第1嵌合凹部に把持部を連結した状態の斜視図である。
図25】Aは三股平行直角取付部と第1嵌合凹部に連結した把持部の正面図、BはそのB-B断面図である。
図26】Aは三股平行直角取付部と第1嵌合凹部に連結した把持部の底面図、Bはその左側面図、Cはその平面図である。
図27】Aはカバー蓋の斜視図、Bはその裏側から見た斜視図である。
図28】Aは別の二股平行取付部6の正面図、Bはその底面図、Cはその左側面図、Dはその斜視図である。
図29】Aは、二股平行取付部6の第1嵌合凹部に把持部10を連結した状態の正面図、BはそのB-B断面図、CはそのC-C断面図、Dはその留め具を外した状態の部分断面図である。
図30】Aは、二股平行取付部6の第1嵌合凹部に把持部を連結した状態の底面図、Bは、そのB-B断面図である。
図31】Aはカバー蓋69の正面図、Bはその平面図、Cはその右側面図、Dはその背面図、Eはその背面斜視図である。
図32】Aは把持部10の部分正面図、Bはその右側面図、Cはその平面図、Dはその背面図、Eはその嵌合凸部の斜視図である。
図33】Aは、二股平行取付部6の第1嵌合凹部に把持部10を連結した状態の斜視図、Bはその分解斜視図である。
図34】Aは把持部10の嵌合凸部の斜視図、Bはクリップの斜視図、Cはその向きを変えた状態の斜視図である。
図35】Aは留め具の斜視図、Bはその向きを変えた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、第1実施形態のアシストグリップAG1は、両端部に嵌合凸部11を設けた棒状の把持部1と、把持部1の嵌合凸部11が嵌着される嵌合凹部を設け、車室内の被取付部に固定される端末取付部2と、二股直角取付部3とを備え、把持部1を含む各部材が図1のように連結されて構成される。
【0023】
把持部1の両端には、図12に示すように、嵌合凸部11が突設され、両側の嵌合凸部11は同一形状であり、把持部1の両端の嵌合凸部11の中間部両側に、切欠溝部13が設けられる。この切欠溝部13に、嵌着部材7が嵌着される。
【0024】
端末取付部2は、図7図11に示すように、アシストグリップAG1の把持部1の端に取り付けられる部材であり、端末取付部2には、嵌着室22が設けられ、その嵌着室22には、穴状の端末嵌合凹部21が設けられ、把持部1の嵌合凸部11が、端末嵌合凹部21に差し込まれる。差し込まれた状態で、図7に示す如く、嵌合凸部11には、上から嵌着部材7が嵌め込まれ、嵌合凸部11が端末取付部2内で嵌着され、把持部1の抜けが防止される。
【0025】
端末取付部2の下部には、取付座部24が平坦状に形成され、その座面は、嵌合凸部11の中心軸R(図2)及び端末嵌合凹部21の中央を通る連結軸R1と平行である。取付座部24は、図示しない取付ネジにより、車室の側壁部、天井の側壁部、或いは扉の壁面に、取り付けられる。これにより、壁面などに端末取付部2が取り付けられた状態で、把持部1は壁面(被取付面)Hと平行に配置されることとなる。
【0026】
嵌着部材7は、図13に示す如く、略U字形の脚部7a,7bを有し、脚部7a,7bの間に、係止部7cが設けられ、係止部7cの内側端部に、係止爪7dが設けられる。図7図8に示す如く、嵌着部材7は、把持部1の嵌合凸部11または嵌合凸部12が、端末取付部2の穴状の端末嵌合凹部21に差し込まれた状態で、端末嵌合凹部21の内側の嵌着室22内に差し込まれる。
【0027】
このとき、図8の如く、嵌着部材7の両側の脚部7a,7bが嵌合凸部の切欠溝部13を挟むように嵌め込まれ、係止部7cの係止爪7dが嵌合凸部11の係止爪に係止され、確実にその先端部に係止される。このとき、図6に示す如く、嵌着部材7の一部が、嵌着室22内のフランジ部23に当接し、把持部1の嵌合凸部11は、抜けを阻止され、把持部1と端末取付部2は、がたつきを防止され、強固に連結される。
【0028】
把持部1の両端の嵌合凸部11は、角柱状に形成され、嵌着部材11は、図8に示すように、把持部1の中心軸Rと直角横断方向に、差し込まれ、嵌合凸部11に嵌着される。嵌着部材7は、図13に示すように、両側に垂下したU字状の脚部7a、7bを有し、中央に係止部7cが垂下され、係止部7cの先端内側に係止爪7dが設けられる。また、嵌着部材7の内側底部には、リブ7eが設けられ、リブ7eが嵌合凸部11の上面に当接し、位置決めされる。
【0029】
図7に示すように、端末取付部2の上部に設けた凹状の部分には、組み付け後に、カバー14が嵌められ、嵌着室22,嵌着部材7はカバー14により、覆われ、良好な意匠となり、不要な外れは防止される。なお、把持部1及び端末取付部2の外側面には、場合に応じて、表皮が被せられる。
【0030】
図1図2図5に示すように、把持部1の他端には、二股直角取付部3が連結される。二股直角取付部3は、被取付部の被取付面Hと平行で且つ取付部の取付軸RT(図2図3)と直角方向に把持部1を連結して被取付部に取り付けられる。二股直角取付部3には、穴状の第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32が、相互に直交(直角)方向に設けられる。図2に示すように、第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32を通る連結軸R1とR2は、相互に直角方向に設けられ、且つ取付軸RTに対しほぼ直角である。第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32に差し込まれる各把持部1の嵌合凸部11の中心軸Rは、連結軸R1とR2とほぼ一致する。
【0031】
二股直角取付部3の下部には、取付座部37が形成され、その座面は、嵌合凸部11の中心軸R及び第1、第2嵌合凹部31、32の中央を通る連結軸R1,R2と平行である。これにより、壁面などの被取付面Hに二股直角取付部3が取り付けられた状態で、そこに連結された把持部1は被取付面Hと平行に配置される。
【0032】
なお、アシストグリップが取り付けられる壁面によっては、端末取付部2の取付座部24,二股直角取付部3の取付座部37が、その上下方向などにおいて傾斜した方が望ましい場合、取付座部24,37は、水平横方向と平行の状態で、上下方向で傾斜した座面を持つように構成することもできる。
【0033】
図5に示すように、二股直角取付部3内には、第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32と連通する内側空間が形成され、第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32に通じる空間内に、嵌着室33,34が設けられる。各把持部1の嵌合凸部11は、相互に直角方向から第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32に差し込まれ、それらの嵌合凸部11の切欠溝部13は嵌着室33,34内に達する。
【0034】
上述のように、各把持部1の嵌合凸部11が第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32に差し込まれると、嵌着部材7が、嵌着室33,34内に入り、図5に示すように、そこを通る把持部1の嵌合凸部11に形成された切欠溝部13に、各々、嵌着部材7が挟むように嵌着される。図9に示す如く、二股直角取付部3の嵌着室33,34には、上記端末取付部2と同様に、フランジ部35,36が設けられ、差し込まれ嵌着された嵌着部材7の一部が、図5に示す如く、フランジ部35,36に当接し、把持部1の嵌合凸部11は、嵌着部材7により抜けを阻止され、第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32内で固定され、把持部1と二股直角取付部3が連結される。
【0035】
図2に示すように、二股直角取付部3には、第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32が相互に直角方向に設けられ、各把持部1の嵌合凸部11が二股直角取付部3の第1嵌合凹部31と第2嵌合凹部32に差し込まれ、二股直角取付部3が、図4のように、被取付面の壁面Hに固定された場合、第1嵌合凹部31に連結された把持部1は連結軸R1上に位置し、第2嵌合凹部32に連結された他方の把持部1は、連結軸R2上に位置し、両把持部1は、壁面Hと平行で、且つ相互に直角となる。
【0036】
上記のように構成された把持部1,端末取付部2,及び二股直角取付部3は、例えば、図1に示すように、全体が略L字形になるように連結されて使用される。図1に示すように、組み合わせて連結する場合、まず、1本の把持部1の末端に端末取付部2を図7のように連結し、その把持部1の他端の嵌合凸部11を、二股直角取付部3の一方の第1嵌合凹部31に差し込み、内側空間の嵌着室33から嵌着部材7を、嵌合凸部11の切欠溝部13に嵌め込み、嵌合凸部11を第1嵌合凹部31及び嵌着室33内で嵌着させる。
【0037】
次に、他の把持部1の一端を、同様に、二股直角取付部3の他方の第2嵌合凹部32に差し込み、内側空間の嵌着室34から嵌着部材7を、嵌合凸部11の切欠溝部13に嵌め込み、他の把持部1の嵌合凸部11を、二股直角取付部3の第2嵌合凹部32及び嵌着室34内で嵌着させる。次に、他の把持部1の末端に、端末取付部2を図7のように連結する。つまり、その把持部1の嵌合凸部11を、端末取付部2の端末嵌合凹部21に差し込み、内側空間の嵌着室22から嵌着部材7を、嵌合凸部11の切欠溝部13に嵌め込み、嵌合凸部11を端末嵌合凹部21及び嵌着室22内で嵌着させる。これにより、図1に示すように、略L字形のアシストグリップAG1が組み立てられる。
【0038】
車室内のドアや側壁の壁面Hに、アシストグリップAG1を取り付ける場合、2個の端末取付部2の取付座部24を、図示しない取付ネジにより壁面Hに固定し、1個の二股直角取付部3の取付座部37を同様に、図示しない取付ネジにより壁面Hに固定する。端末取付部2及び二股直角取付部3を壁面Hに固定した後、端末取付部2上には、カバー14(図7)が嵌着室22を覆って取り付けられ、二股直角取付部3にはカバー38(図2図4)が嵌着室33,34を覆って取り付けられる。これにより、2本の把持部1は、壁面Hと平行で、相互に直角に連結配置される。
【0039】
このように、アシストグリップAG1を、車室内の壁面に、例えば一方の把持部1を水平横方向に向け、他の把持部1を上下縦方向に向けて、アシストグリップAG1を壁面Hに設置すれば、一方の把持部1が水平横方向を向き、他方の把持部1が上下縦方向に向いた状態となる。これにより、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、ユーザーが、各種の姿勢で、多様性をもって、アシストグリップを使用することができる。また、アシストグリップは、全体が一体的に構成されるため、良好な意匠性を持たせることができる。
【0040】
図14は、第2実施形態のアシストグリップAG2を示している。このアシストグリップAG2は、図14に示す如く、上記アシストグリップAG1の上部末端に連結した端末取付部2に代えて、二股直角取付部3,把持部1及び端末取付部2を連結して構成される。二股直角取付部3,把持部1及び端末取付部2の構成は、上記と同様であり、その詳細な説明は省略するが、二股直角取付部3の第1嵌合凹部31には、アシストグリップAG1と同様に、把持部1の上端部が連結され、二股直角取付部3の第2嵌合凹部32には、新たな別の把持部1の嵌合凸部11が差し込まれ、上記と同様に連結される。
【0041】
これにより、図14に示すように、2本の把持部1が高さと位置を相違して水平横方向に配置され、1本の把持部1が上下縦方向を向いて配置される。ユーザーは、このアシストグリップAG2においても、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、各種の姿勢で、多様性をもって、アシストグリップを使用することができる。
【0042】
このように、上記アシストグリップAG1、AG2によれば、二股直角取付部3の第1嵌合凹部31に第1の把持部1の嵌合凸部11を嵌着し、その第2嵌合凹部32に第2の把持部1の嵌合凸部11を嵌着し、各把持部1の他端の嵌合凸部11を、端末取付部2の端末嵌合凹部21に嵌着し、2個の端末取付部2と二股直角取付部3を、被取付部の被取付面に固定して設置する。これにより、例えば、第1の把持部1を水平横方向に向け、第2の把持部1を上下縦方向に向けて、アシストグリップを設置すれば、第1の把持部1が水平横方向を向き、第2の把持部1が上下縦方向に向いた状態となり、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、ユーザーが、各種の姿勢で、多様性をもって、アシストグリップを使用することができる。
【0043】
図15は、第3実施形態のアシストグリップAG3の概略正面図を示している。このアシストグリップAG3は、図15に示す如く、上記アシストグリップAG2(図14)の上部末端に連結した端末取付部2に代えて、トレイ58が、二股平行取付部5を介して連結される。トレイ58の端部には、図16に示すように、把持部1の嵌合凸部11と同様の嵌合凸部54が設けられる。
【0044】
二股平行取付部5は、図16図21のように、下部に取付座部50を有するとともに、取付座部50の上方に開口部が設けられ、開口部の両側に、穴状の第1嵌合凹部51と第2嵌合凹部52が、相互に平行に、両側に突出する形態で設けられる。図18に示すように、二股平行取付部5の第1嵌合凹部51の中央を通る連結軸R1と第2嵌合凹部52の連結軸R2は、ほぼ平行に設けられる。
【0045】
穴状の第1嵌合凹部51と第2嵌合凹部52は、二股平行取付部5の両側に、角穴形状に形成され、上記把持部1の嵌合凸部11が外側から第1嵌合凹部51に嵌入され、図16に示す如く、第2嵌合凹部52には、反対側からトレイ58の嵌合凸部54が差し込まれる。嵌合凸部54の形状及び形状は、上記把持部1の嵌合凸部11と同じである。二股平行取付部5内には、図19に示す如く、嵌着室55が設けられ、嵌着室55内の第1嵌合凹部51の開口縁部にフランジ部56が設けられる。
【0046】
図19のように、二股平行取付部5の第1嵌合凹部51に、把持部1の嵌合凸部11を、差し込み、内側に突き出した嵌合凸部11の切欠溝部13を挟むように、嵌着部材7が嵌着されると、把持部1が二股平行取付部5の第1嵌合凹部51に連結される。他方、第2嵌合凹部52には、トレイ58の端部に突設した嵌合凸部54が差し込まれ、嵌着部材7を同様にトレイ58の嵌合凸部54の先端部に嵌着すれば、トレイ58は、二股平行取付部5に連結され、二股平行取付部5を介してアシストグリップの端部に取り付けられる。トレイ58は、物品を載置し或いは保持させる物品ホルダーの一つである。
【0047】
把持部1の嵌合凸部11は、図19のように、二股平行取付部5の第1嵌合凹部51に差し込まれ、内側の嵌着室55に突き出した嵌合凸部11の先端部に設けた切欠溝部13に、嵌着部材7が両側から挟むように嵌着される。この状態で、嵌着部材7の一部が、フランジ部56に当接し、把持部1の嵌合凸部11が二股平行取付部5の第1嵌合凹部51に固定され連結される。
【0048】
また、トレイ58には、その端部に嵌合凸部11と同じ形状の嵌合凸部54が突設され、トレイ58の嵌合凸部54は、二股平行取付部5の第2嵌合凹部52に、外側から差し込まれる。これにより、嵌着部材7が嵌合凸部54の先端部に嵌着され、トレイ58は二股平行取付部5の端部に連結される。
嵌着部材7が嵌着された状態の二股平行取付部5中央の開口部には、カバー53が被せられ、閉じられる。これにより、アシストグリップの端部にトレイ58が取り付けられ、ユーザーは、トレイ58を便利に使用することができる。
【0049】
なお、トレイ58に代えて、カップを載せるカップホルダーを取り付けることもでき、スマホを入れるスマホホルダーを取り付けることができる。カップホルダーは、例えば、トレイの一部に、カップを入れる凹部を設け、スマホホルダーは、トレイの一部にスマホを入れる凹部を設けておけばよい。
【0050】
また、図21に示すように、トレイに代えて、フック59を二股平行取付部5の端部に連結することもできる。この場合、フック59には、その裏面に嵌合凸部54と同じ嵌合凸部を突設し、その嵌合凸部を二股平行取部5の第2嵌合凹部52に差し込み、第2嵌合凹部52の内側に突き出した嵌合凸部に、嵌着部材を嵌着して連結すればよい。これにより、アシストグリップの端部にフック59が取り付けられ、ユーザーは、フック59をハンガー掛けなどとして便利に使用することができる。
【0051】
図22は、第4実施形態のアシストグリップAG4を示している。このアシストグリップAG4は、上述の把持部1,端末取付部2、及び二股直角取付部3に加え、三股平行直角取付部4が連結され、平行部分の把持部1が、上下縦方向の把持部1を間に、上下2段状に連結される。
【0052】
三股平行直角取付部4は、図23に示すように、下部に設けた取付座部40の上に、2個の穴状の第1嵌合凹部41と第2嵌合凹部42が、両側に平行に、横方向に向けて設けられ、さらに第1嵌合凹部41と第2嵌合凹部42の間に、第3嵌合凹部43が、第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42の軸と直交(直角)方向に、設けられる。
【0053】
三股平行直角取付部4の穴状の第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42、第3嵌合凹部43は、上記二股直角取付部3の第2嵌合凹部32、及び二股平行取付部5の第1嵌合凹部51、第2嵌合凹部52と同様に角穴状に形成される。把持部1の嵌合凸部11をこれらの嵌合凹部に差し込み、上記と同様の嵌着部材7を、取付部内側に設けた嵌着室44,45,46に、差し込み嵌着して連結する構造である。
【0054】
つまり、三股平行直角取付部4内には、図23,24に示す如く、各嵌着室44,45,46が設けられ、その内側に、フランジ部47,48,49が設けられる。各第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42、第3嵌合凹部43に、外側から把持部1の嵌合凸部11が差し込まれた状態で、嵌着室44,45,46側に突き出した嵌合凸部11の切欠溝部13に、嵌着部材7を図8のように、嵌め込み、嵌着部材7の一部をフランジ部47,48,49に当接させて、各把持部1を第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42、第3嵌合凹部43に連結する。
【0055】
三股平行直角取付部4では、図22図25に如く、第1嵌合凹部41と第2嵌合凹部42を平行に通る連結軸R1に対し、その間の第3嵌合凹部43の連結軸R2は連結軸R1と直角方向に設けられる。よって、第1嵌合凹部41と第2嵌合凹部42に差し込まれる各把持部1の嵌合凸部11の中心軸Rは、連結軸R1とほぼ一致する。
【0056】
これにより、図26のように、三股平行直角取付部4を、取付座部40を介して被取付部の壁面Hに固定した場合、第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42の連結軸R1と第3嵌合凹部43の連結軸R2は壁面Hと平行に配される。そして、図22のように、第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42に連結される2本の把持部1は、水平横方向に、且つ壁面Hと平行に配置され、第3嵌合凹部43に連結される把持部1は、上下縦方向に配置される。
【0057】
なお、三股平行直角取付部4の第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42、或いは第3嵌合凹部43に、嵌合凸部11などを連結せずにアシストグリップを使用する場合、図27に示すカバー蓋18を、開口した第1嵌合凹部41、第2嵌合凹部42、或いは第3嵌合凹部43の開口に被せて使用すればよい。
【0058】
この三股平行直角取付部4を使用することにより、図22に示すように、水平横方向に2本の把持部1を連結し、2本の把持部1の中間部から1本の把持部1を上下縦方向に連結し、その把持部1の上端部に1本の把持部1を水平横方向に連結して、上下2段の水平把持部を有するアシストグリップを構成することができる。これにより、3本の把持部1が高さと位置を相違して水平横方向に配置され、1本の把持部1が上下縦方向を向いて配置され、ユーザーは、このアシストグリップAG4においても、ユーザーの体格や男女の違いなどに応じて、各種の姿勢で、多様性をもって、アシストグリップを使用することができる。
【0059】
図28A~Dは、把持部10を、クリップ8を用いて連結する構造を有する二股平行取付部6を示している。この二股平行取付部6では、上記嵌着部材7に代えて、図34に示すようなクリップ8を用いて、把持部10の嵌合凸部15を第1嵌合凹部61または第2嵌合凹部62内で嵌着させる構造である。二股平行取付部6の基本的構成は、上記アシストグリップAG3の二股平行取付部5と同様であり、第1嵌合凹部61と第2嵌合凹部62を有して構成される。
【0060】
二股平行取付部6は、図28に示すように、下部に取付座部60を有するとともに、取付座部60の前部に前開口部63が設けられ、前開口部63の両側に、穴状の第1嵌合凹部61と第2嵌合凹部62が、相互に平行に、両側に突出する形態で設けられる。図28A,Bに示すように、二股平行取付部6の第1嵌合凹部61の中央を通る連結軸R1と第2嵌合凹部62の連結軸R2は、ほぼ平行に設けられる。前開口部63には、カバー蓋69(図31)が被せられる。
【0061】
なお、図28に示すように、この取付座部60の底面は傾斜して、傾斜底面となっているが、被取付部の壁面などが傾斜し、その傾斜面に対応するために、恵瓊斜面となっており、被取付面が通常の垂直面などであれば、取付座部60の底面は正面と平行の平行面とすることもできる。また、図29図30に示すように、このアシストグリップは、合成樹脂のコアの部分の表面に、表皮部材を被覆して構成するようになっているが、表皮を用いずに、合成樹脂の一体成型で、把持部、二股平行取付部を形成することもできる。
【0062】
穴状の第1嵌合凹部61と第2嵌合凹部62は、二股平行取付部6の両側に、角穴形状に形成され、第1嵌合凹部61と第2嵌合凹部62内には、図34に示すように、略U字状のクリップ8が嵌め込まれ、把持部10の嵌合凸部15が外側から、例えば第1嵌合凹部61に嵌入され、連結される。或いは、図34に示すように、把持部10の嵌合凸部15に、予めクリップ8を嵌合させた状態で、第1嵌合凹部61内に、嵌合凸部15を差し込んで、クリップ8を介して、嵌合凸部15を第1嵌合凹部61内に嵌着させることもできる。
【0063】
図34に示すごとく、クリップ8は、ばね弾性を有した金属板、或いは合成樹脂により、略U字状に形成され、両側辺部には、ばね弾性を有する係止爪8a,8bが、内側に曲げるように、設けられる。一方、把持部1の嵌合凸部15には、図32Eに示すように、クリップ8の両側辺部が嵌入される凹部15aが形成され、その凹部15a内に、クリップ8の係止爪8a、8bが係止される、係止凹部15bが両側に設けられる。
【0064】
図33に示すように、二股平行取付部6内には空間が形成され、その上部から内部の空間(第1嵌合凹部61と第2嵌合凹部62)に通じるように、2個の開口部66(図33B)が縦に設けられる。この開口部66には、図35に示す留め具9の脚部9a,9bが内部に向けて差し込まれ、留め具9の裏面には、2本の脚部9a,9b(図35)が、設けられる。2本の脚部9a,9bは、取付時、二股平行取付部6内に差し込まれ、図30Bに示すように、クリップ8の内側に挿入され、クリップ8の外れを阻止するように機能する。また、留め具9の裏面の中央には、図35のように、係止部9cが設けられ、係止部9cを二股平行取付部6内に係止させて、留め具9の取付状態を保持する。
【0065】
留め具9は、図29Dのように、二股平行取付部6上に設けた開口部66に上から差し込まれ、クリップ8の両側辺部の内側に、進入し、図30Bのように、クリップ8を、第1嵌合凹部61と第2嵌合凹部62内で、適正な係止位置に保持する機能を有する。また、把持部10の嵌合凸部15を二股平行取付部6の第1嵌合凹部61または第2嵌合凹部62に一旦、嵌着した後、そこから嵌合凸部15を外す場合、留め具9を外すことにより、開口部66を開放し、そこを通して内部のクリップ8を操作しながら、クリップ8の係止を外し、把持部10の嵌合凸部15を外すことができるようになっている。
【0066】
なお、図28などに示すように、二股平行取付部6の前部に設けた前開口部63は、図31に示すようなカバー蓋69が嵌め込まれ、閉鎖される。カバー蓋69の内側には、4本の係止爪69aが突設され、係止爪69aを前開口部63の内側に係止して、簡単にカバー蓋69を取り付けることができる。
【0067】
このように、上記把持部1の嵌合凸部11,または把持部10の嵌合凸部15は、嵌着部材7に代えて、図34に示すようなクリップ8と留め具9を用いて、二股平行取付部6の第1嵌合凹部61または第2嵌合凹部62などに、嵌着させ、把持部1や把持部10を連結することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 把持部
2 端末取付部
3 二股直角取付部
4 三股平行直角取付部
5 二股平行取付部
6 二股平行取付部
7 嵌着部材
7a 7b 脚部
7c 係止部
7d 係止爪
7e リブ
8 クリップ
8a, 8b 係止爪
9 留め具
9c 係止部
10 把持部
11 嵌合凸部
13 切欠溝部
14 カバー
15 嵌合凸部
15a 凹部
15b 係止凹部
18 カバー蓋
21 端末嵌合凹部
22 嵌着室
23 フランジ部
24 取付座部
31 第1嵌合凹部
32 第2嵌合凹部
33 嵌着室
34 嵌着室
35 フランジ部
37 取付座部
38 カバー
40 取付座部
41 第1嵌合凹部
42 第2嵌合凹部
43 第3嵌合凹部
44 嵌着室
47 フランジ部
50 取付座部
51 第1嵌合凹部
52 第2嵌合凹部
53 カバー
54 嵌合凸部
55 嵌着室
56 フランジ部
58 トレイ
59 フック
60 取付座部
61 第1嵌合凹部
62 第2嵌合凹部
63 前開口部
67 a, 67b 係止爪
69 カバー蓋

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35