(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139243
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】車両用制御装置
(51)【国際特許分類】
B60T 7/12 20060101AFI20241002BHJP
B60T 1/06 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B60T7/12 A
B60T1/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050100
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】寺川 浩史
(72)【発明者】
【氏名】伊達 宗充
(72)【発明者】
【氏名】干場 創太
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246BA02
3D246BA08
3D246DA01
3D246DA02
3D246GA09
3D246GB40
3D246GC07
3D246GC11
3D246HA03A
3D246HA08A
3D246HA25A
3D246HA34A
3D246HA86A
3D246HA94A
3D246JB41
3D246KA15
3D246LA12Z
3D246LA16Z
(57)【要約】
【課題】車両が発進する場合に、パーキングロック装置による車輪の回転を規制する状態を解除することに起因する車体振動が発生することを抑制できるようにすること。
【解決手段】停車制御システムは、駐車制動装置50及びPロック装置60によって停車が保持されている場合に、Pロック装置60が車輪の回転を規制していることを解除しても停車を保持できるか否かを判定する停車保持判定部M13と、車両の発進が要求されていない状況下において、停車保持判定部M13によって停車を保持できると判定されている場合に、Pロック装置60によって車輪の回転を規制している状態の解除をPロック制御装置65に指示する指示部M15とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールシリンダの液圧を増大させることによって常用制動力を発生させる常用制動装置と、第1アクチュエータの作動によって駐車制動力を発生させる駐車制動装置と、第2アクチュエータによって車輪の回転を規制するパーキングロック装置と、を備えた車両に適用され、
前記駐車制動装置及び前記パーキングロック装置によって停車が保持されている場合に、前記パーキングロック装置が前記車輪の回転を規制していることを解除しても停車を保持できるか否かを判定する停車保持判定部と、
前記車両の発進が要求されていない状況下において、前記停車保持判定部によって停車を保持できると判定されている場合に、前記パーキングロック装置によって前記車輪の回転を規制している状態の解除を当該パーキングロック装置の制御部に指示する指示部と、を備える
車両用制御装置。
【請求項2】
前記指示部は、前記常用制動装置、前記駐車制動装置及び前記パーキングロック装置のうちの当該駐車制動装置のみによって停車が保持されている状況下で前記車両の発進が要求された場合に、前記車両の駆動力の増大に応じて駐車制動力を減少させることを前記駐車制動装置の制御部に指示する
請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記指示部は、
前記常用制動装置、前記駐車制動装置及び前記パーキングロック装置のうちの当該パーキングロック装置のみによって停車が保持されている状況下で、前記車両の発進が要求された場合に、
前記常用制動装置及び前記駐車制動装置の少なくとも一方の装置を作動させることによって前記車両に制動力を発生させることを、当該少なくとも一方の装置の制御部に指示し、
前記少なくとも一方の装置の作動によって前記車両に制動力が発生すると、前記パーキングロック装置によって前記車輪の回転を規制している状態の解除を当該パーキングロック装置の制御部に指示し、
前記パーキングロック装置によって前記車輪の回転が規制されている状態が解除されると、前記車両の駆動力の増大に応じて、前記少なくとも一方の装置が発生させている制動力を減少させることを当該少なくとも一方の装置の制御部に指示する
請求項1又は請求項2に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
前記パーキングロック装置によって回転を規制できる前記車輪を第1車輪としたとき、前記車両は、前記第1車輪に加え、前記パーキングロック装置によって回転を規制できない第2車輪を備えるものであり、
前記駐車制動装置は、前記第2車輪で駐車制動力を発生させる装置であり、
前記指示部は、
前記常用制動装置、前記駐車制動装置及び前記パーキングロック装置のうちの当該駐車制動装置及び当該パーキングロック装置のみによって停車が保持されている状況下で、前記車両の発進が指示された場合に、
常用制動力を前記第1車輪で発生させることを前記常用制動装置の制御部に指示し、
前記第1車輪で常用制動力が発生すると、前記パーキングロック装置によって前記第1車輪の回転を規制している状態の解除を当該パーキングロック装置の制御部に指示し、
前記パーキングロック装置によって前記第1車輪の回転が規制されている状態が解除されると、前記車両の駆動力の増大に応じて常用制動力と駐車制動力との合計を減少させることを前記常用制動装置の制御部及び前記駐車制動装置の制御部に指示する
請求項1又は請求項2に記載の車両用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ホイールシリンダの液圧を増大させることによって常用制動力を発生させる常用制動装置と、駐車制動力を発生させる電動式の駐車制動装置とを制御する制動制御装置を開示している。当該制動制御装置は、常用制動力を発生させることによって車両を停車させると、駐車制動力を発生させるべく駐車制動装置を作動させる。そして、当該制動制御装置は、車両の停止中に常用制動力を減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、車両の駆動輪の回転を規制するパーキングロック装置として、電動式の装置が普及しつつある。電動式のパーキングロック装置を備えた車両では、パーキングロック装置の作動によって駆動輪の回転を規制することによって停車を保持できる。このような状況下で車両の発進が要求された場合、車両では、駆動輪の回転を規制している状態をパーキングロック装置に解除させた上で車両の駆動力が増大されることになる。しかしながら、この場合、車両発進時に、パーキングロック装置によって車輪の回転を規制している状態が解除されたことに起因する車体振動が発生するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための車両用制御装置は、ホイールシリンダの液圧を増大させることによって常用制動力を発生させる常用制動装置と、第1アクチュエータの作動によって駐車制動力を発生させる駐車制動装置と、第2アクチュエータによって車輪の回転を規制するパーキングロック装置と、を備えた車両に適用される。当該車両用制御装置は、前記駐車制動装置及び前記パーキングロック装置によって停車が保持されている場合に、前記パーキングロック装置が前記車輪の回転を規制していることを解除しても停車を保持できるか否かを判定する停車保持判定部と、前記車両の発進が要求されていない状況下において、前記停車保持判定部によって停車を保持できると判定されている場合に、前記パーキングロック装置によって前記車輪の回転を規制している状態の解除を当該パーキングロック装置の制御部に指示する指示部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
上記車両用制御装置は、車両が発進する場合に、パーキングロック装置による車輪の回転を規制する状態を解除することに起因する車体振動が発生することを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、車両用制御装置の一実施形態である統括制御装置が適用される車両の概略を示す構成図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す車両が備える停車制御システムにおいて、常用制動装置、駐車制動装置及びパーキングロック装置の概略構成と、
図1に示す統括制御装置の機能構成とを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す統括制御装置で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、車両用制御装置の一実施形態を
図1から
図3に従って説明する。
<車両の構成>
図1は、本実施形態の車両用制御装置が適用される車両10を図示している。車両10は、車両10の運転者が操作する操作部として、アクセルペダル11、ブレーキペダル12及びシフト装置13を備えている。シフト装置13は、車両10のレンジを選択するための操作部である。シフト装置13で選択されるシフトレンジは、パーキングレンジ(Pレンジ)、前進レンジ(Dレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)及び後退レンジ(Rレンジ)を含んでいる。
【0009】
車両10は、複数の車輪と、複数の摩擦ブレーキ20と、駆動装置30とを備えている。複数の車輪は、2つの前輪15Fと2つの後輪15Rとを含んでいる。車両10は、常用制動装置40と、駐車制動装置50と、パーキングロック装置60とを備えている。以降では、パーキングロック装置60を「Pロック装置60」ともいう。
【0010】
<駆動装置>
駆動装置30は、車両10の動力源である。例えば、駆動装置30は、エンジン及び走行モーターのうち少なくとも一方を有している。駆動装置30から出力された駆動トルクは、車軸31を介して2つの前輪15Fに伝達される。すなわち、車両10にあっては、2つの前輪15Fが車両10の駆動輪に相当する。
【0011】
<摩擦ブレーキ>
複数の摩擦ブレーキ20は、複数の車輪の各々に対して設けられている。複数の摩擦ブレーキ20は、対応する車輪に摩擦制動力を付与する。摩擦ブレーキ20は、ホイールシリンダ21と回転体22と摩擦部23とを有している。回転体22は車輪と一体に回転するため、摩擦部23を回転体22に押し付けることにより、車輪に摩擦制動力が付与される。回転体22に摩擦部23を押し付ける力は、ホイールシリンダ21内の液圧が高いほど大きくなる。そのため、摩擦ブレーキ20は、液圧が高いほど大きい摩擦制動力を車輪に付与できる。
【0012】
<常用制動装置>
図1及び
図2を参照し、常用制動装置40について説明する。
常用制動装置40は、ホイールシリンダ21の液圧を増大させることによって常用制動力を車両10に発生させる。常用制動力とは、常用制動装置40の作動によって車両10に付与される摩擦制動力である。
【0013】
常用制動装置40は、前輪15F用のホイールシリンダ21の液圧と後輪15R用のホイールシリンダ21の液圧とを個別に調整できる。常用制動装置40は、制動アクチュエータ41と、常用制動装置40の制御部である常用制動制御装置45とを備えている。常用制動制御装置45については後述する。制動アクチュエータ41は、複数のホイールシリンダ21にブレーキ液を供給する加圧源を有している。加圧源は、例えば、電動ポンプ及び電動シリンダである。
【0014】
<駐車制動装置>
図1及び
図2を参照し、駐車制動装置50について説明する。
駐車制動装置50は、車両10に駐車制動力を発生させる電動式の装置である。駐車制動力とは、駐車制動装置50の作動によって車両10に付与される摩擦制動力である。
【0015】
駐車制動装置50は、2つの第1アクチュエータ51と、駐車制動装置50の制御部である駐車制動制御装置55とを備えている。駐車制動制御装置55については後述する。2つの第1アクチュエータ51のうち、一方は右後輪15R用の摩擦ブレーキ20に設けられている一方、他方は左後輪15R用の摩擦ブレーキ20に設けられている。2つの第1アクチュエータ51の一例は電気モーターである。第1アクチュエータ51が作動することにより、ホイールシリンダ21の液圧を増大させることなく、後輪15Rで駐車制動力が発生する。
【0016】
<Pロック装置>
図1及び
図2を参照し、Pロック装置60について説明する。
Pロック装置60は、2つの前輪15Fの回転を規制する電動式のパーキングロック装置である。Pロック装置60は、第2アクチュエータ61と、第2アクチュエータ61の駆動に応じて、前輪15Fをロックしたり、ロックを解除したりするロック機構62と、Pロック装置60の制御部であるPロック制御装置65とを備えている。Pロック制御装置65については後述する。第2アクチュエータ61の一例はソレノイドである。ロック機構62は、第2アクチュエータ61が作動することによって、2つの前輪15Fの回転を規制したり、2つの前輪15Fの回転の規制を解除したりできる。例えば、Pロック装置60が前輪15Fの回転の規制を解除する際の前輪15Fの回転を規制する力は、線形的に変化せず、ステップ的に0(零)に変化する。
【0017】
ここで、前輪15F及び後輪15Rのうち、前輪15Fは、Pロック装置60によって回転を規制できる。一方、後輪15Rは、Pロック装置60によって回転を規制できない。したがって、車両10にあっては、2つの前輪15Fが「第1車輪」に対応するとともに、2つの後輪15Rが「第2車輪」に対応する。
【0018】
<車両の検出系>
車両10の検出系は、検出結果に応じた検出信号を出力する複数のセンサを備えている。複数のセンサは、アクセルセンサ101、ブレーキセンサ102及び前後加速度センサ103を含んでいる。アクセルセンサ101は、運転者のアクセルペダル11の操作量を検出する。ブレーキセンサ102は、運転者のブレーキペダル12の操作に関する情報を検出する。ブレーキセンサ102としては、例えば、ブレーキペダル12の操作量を検出するセンサ、及び、ブレーキペダル12に入力される操作力を検出するセンサを挙げることができる。前後加速度センサ103は車両10の前後加速度を検出する。前後加速度センサ103の検出信号に基づいた前後加速度を「前後加速度Gx」という。
【0019】
<停車制御システム>
図1及び
図2を参照し、停車制御システム80について説明する。
停車制御システム80は、常用制動制御装置45、駐車制動制御装置55及びPロック制御装置65と、統括制御装置85とを含んでいる。統括制御装置85は、各種の情報や指令を常用制動制御装置45、駐車制動制御装置55及びPロック制御装置65に出力できる。これら複数の制御装置45,55,65,85は、処理回路をそれぞれ有している。処理回路の一例は電子制御装置である。この場合、処理回路はCPU及びメモリを有している。メモリは、CPUによって実行される制御プログラムを記憶している。
【0020】
常用制動制御装置45は、自身のCPUがメモリの制御プログラムを実行することにより、制動アクチュエータ41を制御する。例えばブレーキペダル12が操作されている場合、常用制動制御装置45は、ブレーキセンサ102の検出信号に応じた常用制動力が発生するように制動アクチュエータ41を制御する。また、常用制動制御装置45は、統括制御装置85からの指令に従って制動アクチュエータ41を作動させることもある。
【0021】
駐車制動制御装置55は、自身のCPUがメモリの制御プログラムを実行することにより、2つの第1アクチュエータ51を制御する。例えば図示しないパーキングレバーが操作された場合、駐車制動制御装置55は、2つの第1アクチュエータ51を作動させることによって、2つの後輪15Rで駐車制動力を発生させる。また、駐車制動制御装置55は、統括制御装置85からの指令に従って2つの第1アクチュエータ51を作動させることもある。
【0022】
Pロック制御装置65は、自身のCPUがメモリの制御プログラムを実行することにより、第2アクチュエータ61を制御する。例えばシフト装置13によってパーキングレンジが選択された場合、Pロック制御装置65は、第2アクチュエータ61を作動させることによって2つの前輪15Fの回転を規制する。また例えばシフト装置13によってパーキングレンジ以外のレンジが選択された場合、Pロック制御装置65は、第2アクチュエータ61を作動させることによって2つの前輪15Fの回転を規制する状態を解除する。さらに、Pロック制御装置65は、統括制御装置85からの指令に従って、第2アクチュエータ61を作動させたり、シフト装置13が選択するレンジを変更させたりすることもある。
【0023】
<統括制御装置の機能構成>
図2を参照し、統括制御装置85について詳述する。
統括制御装置85の処理回路86は、CPU87がメモリ88の制御プログラムを実行することにより、停車状態判別部M11、停車保持判定部M13及び指示部M15として機能する。
【0024】
停車状態判別部M11は、停車している場合、常用制動装置40及び駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、何れの装置が作動しているのかを判別する。
停車保持判定部M13は、駐車制動装置50及びPロック装置60によって停車が保持されている場合に、Pロック装置60が2つの前輪15Fの回転を規制していることを解除しても停車を保持できるか否かを判定する。すなわち、停車保持判定部M13は、駐車制動装置50が発生させている駐車制動力のみで停車を保持できるか否かを判定する。
【0025】
具体的には、停車保持判定部M13は、停車を保持するのに必要な制動力の最小値である停車保持制動力下限値を導出する。例えば、停車保持判定部M13は、車両10が位置する路面の勾配θを、前後加速度Gxに基づいて導出する。停車保持判定部M13は、路面の勾配θが大きいほど大きい制動力を、停車保持制動力下限値として導出する。停車保持判定部M13は、2つの第1アクチュエータ51の制御量(例えば、第1アクチュエータ51への通電量)を基に、駐車制動装置50が発生させている駐車制動力を導出する。そして、停車保持判定部M13は、当該駐車制動力が停車保持制動力下限値よりも大きい場合に、停車を保持できると判定する。一方、停車保持判定部M13は、当該駐車制動力が停車保持制動力下限値以下である場合に、停車を保持できないと判定する。
【0026】
指示部M15は、常用制動制御装置45、駐車制動制御装置55及びPロック制御装置65の制御部に各種の指令を出力する。例えば、指示部M15は、車両10の発進が要求されていない状況下で、停車保持判定部M13によって停車を保持できると判定された場合に、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制している状態の解除をPロック制御装置65に指示する。
【0027】
常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、駐車制動装置50及びPロック装置60のみによって停車が保持されていることがある。このような状況下で車両10の発進が要求された場合、指示部M15は、常用制動装置40を作動させることによって、車両10に常用制動力を発生させることを常用制動制御装置45に指示する。続いて、指示部M15は、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制している状態の解除をPロック制御装置65に指示する。そして、指示部M15は、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転が規制されている状態が解除されると、駆動装置30の作動に伴う車両10の駆動力の増大に応じて、常用制動力を減少させることを常用制動制御装置45に指示するとともに、駐車制動力を減少させることを駐車制動制御装置55に指示する。
【0028】
常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうちのPロック装置60のみによって停車が保持されていることがある。このような状況下で車両10の発進が要求された場合、指示部M15は、常用制動装置40を作動させることによって、車両10に常用制動力を発生させることを常用制動制御装置45に指示する。続いて、指示部M15は、常用制動装置40の作動によって車両10に常用制動力を発生させると、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制している状態の解除をPロック制御装置65に指示する。そして、指示部M15は、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転が規制されている状態が解除されると、駆動装置30の作動に伴う車両10の駆動力の増大に応じて常用制動力を減少させることを常用制動制御装置45に指示する。
【0029】
常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうちの駐車制動装置50のみによって停車が保持されていることがある。このような状況下で車両10の発進が要求された場合、指示部M15は、駆動装置30の作動に伴う車両10の駆動力の増大に応じて駐車制動力を減少させることを駐車制動制御装置55に指示する。
【0030】
常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうちの常用制動装置40のみによって停車が保持されていることがある。このような状況下で車両10の発進が要求された場合、指示部M15は、駆動装置30の作動に伴う車両10の駆動力の増大に応じて常用制動力を減少させることを常用制動制御装置45に指示する。
【0031】
<統括制御装置で実行される処理の流れ>
図3を参照し、統括制御装置85の処理回路86が実行する一連の処理について説明する。処理回路86は、車両10が停止している場合に、当該一連の処理を繰り返し実行する。
【0032】
はじめのステップS11において、処理回路86は、車両10の発進が要求されているか否かを判定する。例えば、アクセルセンサ101の検出信号を基にアクセルペダル11の操作が開始されたことを検知できた場合は、車両10の発進が要求されたと見なす。また例えば、駆動装置30が出力する駆動力の増大が検知できた場合は、車両10の発進が要求されたと見なす。処理回路86は、車両10の発進が要求されていると判定した場合(S11:YES)、処理をステップS21に移行する。一方、処理回路86は、車両10の発進が要求されていないと判定した場合(S11:NO)、処理をステップS13に移行する。
【0033】
ステップS13において、処理回路86は、停車状態判別部M11として機能することにより、Pロック中であること、及び車両10に駐車制動力が発生していることの何れもが成立しているか否かを判定する。Pロック中とは、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転が規制されていることである。処理回路86は、Pロック中であること、及び車両10に駐車制動力が発生していることの何れもが成立している場合(S13:YES)、処理をステップS15に移行する。一方、処理回路86は、Pロック中であること、及び車両10に駐車制動力が発生していることのうち、少なくとも一方が成立していない場合(S13:NO)、
図3に示す一連の処理を一旦終了する。
【0034】
ステップS15において、処理回路86は、停車保持判定部M13として機能することにより、Pロックを解除しても停車を保持できるか否かを判定する。処理回路86は、Pロックを解除しても停車を保持できると判定した場合(S15:YES)、処理をステップS17に移行する。一方、処理回路86は、Pロックを解除すると停車を保持できないと判定した場合(S15:NO)、
図3に示す一連の処理を一旦終了する。
【0035】
ステップS17において、処理回路86は、指示部M15として機能することにより、Pロックの解除をPロック制御装置65に指示する。また処理回路86は、シフト装置13が選択するシフトを、パーキングレンジから駆動レンジに切り替えさせる。駆動レンジとは、運転者がアクセルペダル11を操作すれば車両10を発進させることのできるレンジである。例えば前進レンジや後退レンジが、駆動レンジに相当する。その後、処理回路86は
図3に示す一連の処理を一旦終了する。
【0036】
ここで、Pロック制御装置65は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って第2アクチュエータ61を作動させることによって、2つの前輪15Fの回転が規制されている状態を解除する。また、Pロック制御装置65は、シフト装置13によって選択されるレンジが駆動レンジとなるように、シフト装置13を作動させる。
【0037】
図3に戻り、ステップS21において、処理回路86は、停車状態判別部M11として機能することにより、Pロック中であること、及び、駐車制動力が発生していることの何れもが成立しているか否かを判定する。すなわち、処理回路86は、常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、駐車制動装置50及びPロック装置60のみによって停車が保持されているか否かを判定する。処理回路86は、Pロック中であること、及び、駐車制動力が発生していることの何れもが成立している場合(S21:YES)、処理をステップS23に移行する。一方、処理回路86は、Pロック中であること、及び、駐車制動力が発生していることのうち、少なくとも一方が成立していない場合(S21:NO)、処理をステップS31に移行する。
【0038】
ステップS23において、処理回路86は、指示部M15として機能することにより、常用制動力を発生させることを常用制動制御装置45に指示する。例えば、処理回路86は、前輪15F及び後輪15Rのうち、前輪15Fで常用制動力を発生させることを常用制動制御装置45に指示する。処理回路86は、常用制動制御装置45に指示を出力すると、処理をステップS25に移行する。
【0039】
ここで、常用制動制御装置45は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って制動アクチュエータ41を作動させることによって、車両10に常用制動力を発生させる。例えば前輪15Fで摩擦制動力を発生させる場合、常用制動制御装置45は、前輪15F用のホイールシリンダ21の液圧が増大されるように制動アクチュエータ41を作動させる。
【0040】
ステップS25において、処理回路86は、上記ステップS17と同様に、指示部M15として機能することにより、Pロックの解除をPロック制御装置65に指示する。また処理回路86は、シフト装置13が選択するシフトを、駐車レンジから駆動レンジに切り替えさせる。処理回路86は、Pロック制御装置65に指示を出力すると、処理をステップS27に移行する。
【0041】
ここで、Pロック制御装置65は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って第2アクチュエータ61を作動させることによって、2つの前輪15Fの回転が規制されている状態を解除する。また、Pロック制御装置65は、シフト装置13によって選択されるレンジが駆動レンジとなるように、シフト装置13を作動させる。
【0042】
ステップS27において、処理回路86は、車両10の駆動力の増大に応じて、常用制動力を減少させることを常用制動制御装置45に指示し、駐車制動力を減少させることを駐車制動制御装置55に指示する。例えば、処理回路86は、常用制動力の減少量と駐車制動力の減少量との合計である合計制動力が駆動力の増大量と同様となるように指示する。そして、処理回路86は、常用制動力及び駐車制動力の何れもが0(零)になると、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0043】
ここで、常用制動制御装置45は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って、駆動力の増大に応じて常用制動力が減少されるように制動アクチュエータ41を作動させる。また、駐車制動制御装置55は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って、駆動力の増大に応じて駐車制動力が減少されるように2つの第1アクチュエータ51を作動させる。これにより、常用制動力と駐車制動力との合計が、駆動力の増大に応じて減少する。
【0044】
ステップS31において、処理回路86は、停車状態判別部M11として機能することにより、Pロック中であるか否かを判定する。処理回路86は、Pロック中であると判定した場合(S31:YES)、処理をステップS33に移行する。処理回路86は、常用制動力が発生しているか否かに拘わらず、Pロック中であると判定すると、処理をステップS33に移行する。一方、処理回路86は、Pロック中ではないと判定した場合(S31:NO)、処理をステップS41に移行する。
【0045】
ステップS33において、処理回路86は、指示部M15として機能することにより、常用制動力を発生させることを常用制動制御装置45に指示する。このとき、処理回路86は、前輪15F及び後輪15Rのうち、一方の車輪のみで常用制動力を発生させる指示を常用制動制御装置45に指示してもよい。また処理回路86は、前輪15F及び後輪15Rの何れにおいても常用制動力を発生させる指示を常用制動制御装置45に指示してもよい。処理回路86は、常用制動制御装置45に指示を出力すると、処理をステップS35に移行する。なお、処理回路86は、ステップS33の処理の実行前から常用制動力が既に発生している場合には、当該ステップS33の処理を実行せずに、処理をステップS35に移行してもよい。
【0046】
ここで、常用制動制御装置45は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って常用制動力が増大されるように制動アクチュエータ41を制御する。
ステップS35において、処理回路86は、上記ステップS17と同様に、指示部M15として機能することにより、Pロックの解除をPロック制御装置65に指示する。また処理回路86は、シフト装置13が選択するシフトを、駐車レンジから駆動レンジに切り替えさせる。処理回路86は、Pロック制御装置65に指示を出力すると、処理をステップS37に移行する。
【0047】
ここで、Pロック制御装置65は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って第2アクチュエータ61を作動させることによって、2つの前輪15Fの回転が規制されている状態を解除する。また、Pロック制御装置65は、シフト装置13によって選択されるレンジが駆動レンジとなるように、シフト装置13を作動させる。
【0048】
ステップS37において、処理回路86は、車両10の駆動力の増大に応じて常用制動力を減少させることを常用制動制御装置45に指示する。例えば、処理回路86は、常用制動力の減少量が駆動力の増大量と同様となるように指示する。そして、処理回路86は、常用制動力が0(零)になると、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0049】
ここで、常用制動制御装置45は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って常用制動力が減少されるように制動アクチュエータ41を制御する。
ステップS41において、処理回路86は、停車状態判別部M11として機能することにより、駐車制動力が発生しているか否かを判定する。すなわち、処理回路86は、常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、駐車制動装置50のみによって停車が保持されているか否かを判定する。処理回路86は、駐車制動力が発生していると判定した場合(S41:YES)、処理をステップS43に移行する。一方、処理回路86は、駐車制動力が発生していないと判定した場合(S41:NO)、常用制動力によって停車が維持されていると判定できるため、処理をステップS45に移行する。
【0050】
ステップS43において、処理回路86は、指示部M15として機能することにより、車両10の駆動力の増大に応じて駐車制動力を減少させることを駐車制動制御装置55に指示する。例えば、処理回路86は、駐車制動力の減少量が駆動力の増大量と同様となるように指示する。そして、処理回路86は、駐車制動力が0(零)になると、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0051】
ここで、駐車制動制御装置55は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って、駆動力の増大に応じて駐車制動力が減少されるように2つの第1アクチュエータ51を作動させる。
【0052】
ステップS45において、処理回路86は、車両10の駆動力の増大に応じて常用制動力を減少させることを常用制動制御装置45に指示する。そして、処理回路86は、常用制動力が0(零)になると、
図3に示す一連の処理を終了する。
【0053】
ここで、常用制動制御装置45は、上記の指示が入力されると、当該指示に従って、駆動力の増大に応じて常用制動力が減少されるように制動アクチュエータ41を作動させる。
【0054】
<作用及び効果>
(1)駐車制動装置50及びPロック装置60によって停車が保持されていることがある。この場合、停車制御システム80では、Pロック装置60が2つの前輪15Fの回転を規制していることを解除しても停車を保持できるか否かが判定される。車両10の発進が要求されていない状況下で、Pロック装置60が2つの前輪15Fの回転を規制していることを解除しても停車を保持できると判定された場合には、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態が解除される。
【0055】
ここで、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態を解除する際には、回転の規制の解除に起因する車体振動が車両10で発生するおそれがある。車両10の発進時にこうした車体振動が発生すると、車両10の乗員が不快に感じるおそれがある。
【0056】
この点、停車制御システム80は、車両10の発進が要求される前に、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態を解除できる。これにより、停車制御システム80は、車両10が発進する場合に、Pロック装置60による2つの前輪15Fの回転を規制する状態を解除することに起因する車体振動が発生することを抑制できる。
【0057】
(2)Pロック装置60が回転を規制する車輪は、車両10の駆動輪である。そのため、Pロック装置60によって駆動輪の回転が規制されている状態で車両10の発進が要求された場合では、Pロック装置60によって駆動輪の回転が規制されている状態が解除できるまで車両10の駆動力を増大させることができない。つまり、発進の要求に対して実際に車両10が発進するまでのタイムラグが長くなりやすい。
【0058】
この点、停車制御システム80は、車両10の発進が要求される前に、Pロック装置60によって駆動輪の回転を規制する状態を解除できる。そのため、その後に車両10の発進が要求された場合には、車両10の駆動力の増大を早期に開始させることができる。したがって、停車制御システム80は、発進の要求に対して実際に車両10が発進するまでのタイムラグが長くなることを抑制できる。
【0059】
(3)常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、駐車制動装置50のみによって停車が維持されている場合に、車両10の発進が要求されることがある。この場合、車両10の駆動力の増大に応じて駐車制動力が減少されるように、駐車制動装置50が作動する。これにより、停車制御システム80は、車両10を発進させることができる。
【0060】
(4)常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、Pロック装置60のみによって停車が保持されている場合に、車両10の発進が要求されることがある。この場合、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態を解除するのに先立って、常用制動装置40によって車両10に常用制動力が発生される。これにより、前輪15F用の摩擦ブレーキ20によって前輪15Fの回転が規制されている状態で、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態が解除される。これにより、停車制御システム80は、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態が解除される際に車両10が急発進することを抑制できる。
【0061】
また、2つの前輪15Fで常用制動力が付与された状態で、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制する状態が解除された場合には、前輪15Fでの常用制動力の発生によって上記解除に起因した車体振動の発生を抑制できる。
【0062】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0063】
・Pロック装置60は、例えば次に示す構成の装置であってもよい。Pロック装置60は、シフト装置13の変速機に設けられている。そして、Pロック装置60は、第2アクチュエータ61がオン作動することにより、駆動輪である前輪15Fの車軸31に繋がり車軸31とともに回転する駆動軸に設けられたパーキング用歯車の凹部に突起が侵入し、侵入した突起とパーキング用歯車とによって車軸31の回転を規制する。一方、Pロック装置60は、第2アクチュエータ61がオフ作動することで、突起がパーキング用歯車の凹部からパーキング用歯車の外側の位置に移動し、パーキング用歯車が回転可能となって、車軸31の回転を許容する。
【0064】
・車両が後輪駆動の車両である場合、Pロック装置は、2つの後輪15Rの回転を規制する装置であってもよい。こうした車両に適用される停車制御システムでは、常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置のうち、駐車制動装置50及びPロック装置のみによって停車が保持されている状況下で、車両10の発進が指示されることがある。この場合、停車制御システムでは、常用制動力を発生させなくてもよい。すなわち、当該システムでは、Pロック装置が2つの後輪15Rの回転を規制している状態の解除を解除させ、その後に駆動力の増大に応じて駐車制動力を減少させるようにしてもよい。
【0065】
・停車制御システムでは、常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、Pロック装置60のみによって停車が保持されている状況下で、車両10の発進が要求されることがある。この場合、停車制御システムにおいて、統括制御装置85の処理回路86は、常用制動力及び駐車制動力の何れをも発生させることを、常用制動制御装置45及び駐車制動制御装置55に指示してもよい。この場合、処理回路86は、常用制動力及び駐車制動力の何れもが発生されると、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転を規制している状態の解除をPロック制御装置65に指示する。そして、処理回路86は、Pロック装置60によって2つの前輪15Fの回転が規制されている状態が解除されると、駆動力の増大に応じて、常用制動力及び駐車制動力の何れをも減少させることを、常用制動制御装置45及び駐車制動制御装置55に指示する。
【0066】
・上記実施形態では、常用制動力及び駐車制動力の何れもが発生している状態で車両10の発進が要求された場合には、駆動力の増大に応じて、常用制動力を減少させるとともに、駐車制動力を減少させているが、これに限らない。例えば、停車制御システムは、駆動力の増大の初期では常用制動力及び駐車制動力の一方の制動力を駆動力の増大に応じて減少させ、一方の制動力の減少終了後では他方の制動力を駆動力の増大に応じて減少させるようにしてもよい。この場合であっても、停車制御システムは、駆動力の増大に応じて、常用制動力と駐車制動力との合計を減少させることができる。
【0067】
・上記実施形態では、処理回路86は、制動力を減少させる場合に、制動力の減少量が駆動力の増大量と同様となるように指示していたが、これに限らない。例えば、処理回路86は、駆動力の増大量に寄らず、所定の減少速度で制動力を減少するようにしてもよい。
【0068】
・駐車制御システムでは、常用制動装置40、駐車制動装置50及びPロック装置60のうち、Pロック装置60のみによって停車が保持されている状況下で、車両10の発進が要求された場合には、駐車制動力を発生させるのであれば、常用制動力を発生させなくてもよい。
【0069】
・統括制御装置85の処理回路86は、CPUとROMとを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。すなわち、処理回路86は、以下(a)、(b)及び(c)の何れかの構成であればよい。
【0070】
(a)処理回路86は、コンピュータプログラムに従って各種処理を実行する一つ以上のプロセッサを備えている。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリを含んでいる。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリ、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含んでいる。
【0071】
(b)処理回路86は、各種処理を実行する一つ以上の専用のハードウェア回路を備えている。専用のハードウェア回路としては、例えば、特定用途向け集積回路、すなわちASIC又はFPGAを挙げることができる。なお、ASICは、「Application Specific Integrated Circuit」の略記である。FPGAは、「Field Programmable Gate Array」の略記である。
【0072】
(c)処理回路86は、各種処理の一部をコンピュータプログラムに従って実行するプロセッサと、各種処理のうちの残りの処理を実行する専用のハードウェア回路とを備えている。
【0073】
なお、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」又は「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」又は「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0074】
10…車両
15F…前輪(第1車輪の一例)
15R…後輪(第2車輪の一例)
20…摩擦ブレーキ
21…ホイールシリンダ
40…常用制動装置
41…制動アクチュエータ
45…常用制動制御装置(常用制動装置の制御部)
50…駐車制動装置
51…第1アクチュエータ
55…駐車制動制御装置(駐車制動装置の制御部)
60…Pロック装置(パーキングロック装置)
61…第2アクチュエータ
65…Pロック制御装置(パーキングロック装置の制御部)
85…統括制御装置
86…処理回路
M13…停車保持判定部
M15…指示部