(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139267
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
H01C 7/00 20060101AFI20241002BHJP
H01C 17/24 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H01C7/00 110
H01C17/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050132
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】金森 アヌーシュ
【テーマコード(参考)】
5E032
5E033
【Fターム(参考)】
5E032BA14
5E032BB02
5E032CA02
5E032CC14
5E032TA03
5E032TA17
5E032TB02
5E033AA05
5E033BC01
5E033BD12
5E033BE01
5E033BH01
(57)【要約】
【課題】高周波数帯域におけるインピーダンス特性の向上を図ること。
【解決手段】電子部品は、第1主面を有する基板と、第1主面に形成され、互いに離隔した第1外部端子31および第2外部端子32と、第1主面に形成され、第1外部端子31および第2外部端子32に電気的に接続された抵抗回路部40と、を備える。抵抗回路部40は、第1主面に形成され、第1外部端子31が電気的に接続された第1配線41と、第1主面に形成され、第2外部端子32が電気的に接続された第2配線42と、第1配線41および第2配線42に電気的に接続され、平面視においてX方向に延びるとともにY方向に配列された第1抵抗体であるメイン抵抗体51および第2抵抗体である補正抵抗体52と、を含む。補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも小さい。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面を有する基板と、
前記第1主面に形成され、互いに離隔した第1外部端子および第2外部端子と、
前記第1主面に形成され、前記第1外部端子および前記第2外部端子に電気的に接続された抵抗回路部と、
を備え、
前記抵抗回路部は、
前記第1主面に形成され、前記第1外部端子が電気的に接続された第1配線と、
前記第1主面に形成され、前記第2外部端子が電気的に接続された第2配線と、
前記第1配線および前記第2配線に電気的に接続され、平面視において第1方向に延びるとともに前記第1方向と直交する第2方向に配列された第1抵抗体および第2抵抗体と、
を含み、
前記第2抵抗体の前記第1方向の長さ寸法は、前記第1抵抗体の前記第1方向の長さ寸法よりも小さい
電子部品。
【請求項2】
前記第2抵抗体の前記第1方向の長さ寸法は、前記第1抵抗体の前記第1方向の長さ寸法の1/2以上3/4以下である
請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第1抵抗体は、前記第1配線および前記第2配線と電気的に分離不能に接続されたメイン抵抗体であり、
前記第2抵抗体は、前記第1配線および前記第2配線と電気的に分離可能に接続された補正抵抗体である
請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記第1抵抗体は、前記第1配線および前記第2配線と電気的に分離可能に接続された補正抵抗体であり、
前記第2抵抗体は、前記第1配線および前記第2配線と電気的に分離不能に接続されたメイン抵抗体である
請求項1に記載の電子部品。
【請求項5】
前記補正抵抗体は、前記第2方向において隣り合う第1補正抵抗、第2補正抵抗、および第3補正抵抗を含み、
前記第1補正抵抗、前記第2補正抵抗、および前記第3補正抵抗は、前記第2方向において前記第1抵抗体から離れる側に向けて、この順で並んでおり、
前記第2補正抵抗の前記第2方向の幅寸法は、前記第1補正抵抗の前記第2方向の幅寸法よりも小さく、
前記第3補正抵抗の前記第2方向の幅寸法は、前記第2補正抵抗の前記第2方向の幅寸法よりも小さい
請求項3に記載の電子部品。
【請求項6】
前記メイン抵抗体の前記第2方向の幅寸法は、前記第1補正抵抗の前記第2方向の幅寸法、前記第2補正抵抗の前記第2方向の幅寸法、および前記第3補正抵抗の前記第2方向の幅寸法よりも大きい
請求項5に記載の電子部品。
【請求項7】
前記メイン抵抗体の前記第2方向の幅寸法は、前記メイン抵抗体の前記第1方向の長さ寸法よりも大きい
請求項3に記載の電子部品。
【請求項8】
前記抵抗回路部は、
前記補正抵抗体と前記第1配線とを切り離し可能に接続する第1ヒューズと、
前記補正抵抗体と前記第2配線とを切り離し可能に接続する第2ヒューズと、
を含む
請求項3に記載の電子部品。
【請求項9】
前記第1主面上に形成された抵抗膜と、前記抵抗膜上に形成された第1導電膜とを含む素子積層部を含み、
前記第1導電膜は、前記第1配線と、前記第1配線とは物理的に分離された前記第2配線とを含み、
前記第1抵抗体および前記第2抵抗体は、前記第1配線と前記第2配線との間の領域において、前記第1導電膜から露出した前記抵抗膜の部分によって形成されている
請求項1に記載の電子部品。
【請求項10】
当該電子部品は、チップ抵抗器である
請求項1~9のいずれか一項に記載の電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品の一種として、基板と、基板上に形成された抵抗回路網とを含むチップ抵抗器が知られている(例えば特許文献1参照)。抵抗回路網は、多数の抵抗体を含み、1個または複数個の抵抗体が電気的に接続されることによって複数種類の抵抗単位体を構成している。これら抵抗単位体は、接続用導体膜およびヒューズ膜を用いて所定の態様で接続されている。そして、ヒューズ膜を選択的に溶断することによって、抵抗単位体が抵抗回路網に組み込まれた状態、抵抗回路網から電気的に分離された状態のいずれかに設定することができる。したがって、抵抗回路網の抵抗値を要求される抵抗値とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高周波数帯域におけるインピーダンス特性の向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電子部品は、第1主面を有する基板と、前記第1主面に形成され、互いに離隔した第1外部端子および第2外部端子と、前記第1主面に形成され、前記第1外部端子および前記第2外部端子に電気的に接続された抵抗回路部と、を備え、前記抵抗回路部は、前記第1主面に形成され、前記第1外部端子が電気的に接続された第1配線と、前記第1主面に形成され、前記第2外部端子が電気的に接続された第2配線と、前記第1配線および前記第2配線に電気的に接続され、平面視において第1方向に延びるとともに前記第1方向と直交する第2方向に配列された第1抵抗体および第2抵抗体と、を含み、前記第2抵抗体の前記第1方向の長さ寸法は、前記第1抵抗体の前記第1方向の長さ寸法よりも小さい。
【発明の効果】
【0006】
上記電子部品によれば、高周波数帯域におけるインピーダンス特性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態の電子部品の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の電子部品が回路基板に実装された状態の概略側面図である。
【
図4】
図4は、
図3のF4-F4線で電子部品を切断した概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図3の電子部品の抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【
図6】
図6は、ヒューズを溶断した状態を示す抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【
図7】
図7は、ヒューズを溶断する工程を示す電子部品の概略断面図である。
【
図8】
図8は、電子部品における抵抗回路部の等価回路図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態の電子部品について、抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態の電子部品について、抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態の電子部品について、抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態の電子部品について、抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【
図13】
図13は、変更例の電子部品について、抵抗素子およびその周辺を拡大した概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本開示における電子部品のいくつかの実施形態について説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするため、図面に示される構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするため、断面図ではハッチング線が省略されている場合がある。添付図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。
【0009】
以下の詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0010】
また以下の説明において、「A部品の幅寸法がB部品の幅寸法と等しい」との記載はA部品の長さ寸法とB部品の長さ寸法との差がA部品の長さ寸法の10%以内であることを意味し、「A部品の長さ寸法がB部品の長さ寸法と等しい」との記載はA部品の幅とB部品の幅との差がA部品の幅の10%以内であることを意味する。
【0011】
<第1実施形態>
[電子部品の全体構成]
図1~
図3を参照して、電子部品10の全体構成の一例について説明する。
図1は、電子部品10の斜視構造を模式的に示している。
図2は、電子部品10の実装状態の側面構造を模式的に示している。
図3は、電子部品10の平面構造を模式的に示している。なお、図面を容易に理解するため、
図1および
図3では、後述する表面絶縁層63および保護層64を省略している。
【0012】
図1に示される互いに直交するXYZ軸のZ方向は、電子部品10の厚さ方向に対応している。なお、本明細書において使用される「平面視」という用語は、明示的に別段の記載がない限り、Z方向に沿って電子部品10を視ることをいう。
【0013】
図1に示すように、第1実施形態では、電子部品10は、チップ抵抗器として構成されている。このチップ抵抗器は、ウエハ上に格子状に多数個のチップ抵抗器が形成された後、ウエハが切断されることによって個々のチップ抵抗器に分離されることによって得られる。
【0014】
電子部品10は、基板20と、基板20上に設けられた第1外部端子31、第2外部端子32、および抵抗回路部40と、を備える。
基板20は、Z方向が厚さ方向となる直方体形状に形成されている。
図1の例では、基板20は、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる長方形状に形成されている。一例では、基板20のX方向の寸法は0.3mm程度であり、基板20のY方向の寸法は0.15mm程度であり、基板20の厚さは0.1mm程度である。
【0015】
基板20は、例えば半導体基板によって構成されている。半導体基板は例えばシリコン(Si)基板が用いられる。一例では、基板20は、ノンドープのSi基板である。なお、基板20は、半導体基板に限られず、ガラス基板、セラミック基板等の絶縁基板であってもよい。また、基板20は、樹脂フィルムであってもよい。
【0016】
基板20は、Z方向において互いに反対側を向く第1主面21および第2主面22と、第1主面21と第2主面22とを繋ぐ第1~第4側面23~26と、を有する。第1側面23および第2側面24は基板20のX方向の両端面を構成し、第3側面25および第4側面26は基板20のY方向の両端面を構成している。
【0017】
第1外部端子31および第2外部端子32は、基板20の第1主面21においてX方向に離隔して配列されている。
図1の例では、第1外部端子31は、X方向において第1主面21の中央よりも第1側面23寄りに配置されている。第2外部端子32は、X方向において第1主面21の中央よりも第2側面24寄りに配置されている。
【0018】
第1外部端子31および第2外部端子32の各々は、外部の回路パターン等の導電体と接続する外部接続電極として機能する。
図2に示すように、電子部品10が回路基板CBに実装された状態において、第1外部端子31および第2外部端子32の各々は、導電性接合材SDによって回路基板CBの回路パターン(図示略)に電気的に接続される。導電性接合材SDは、たとえばはんだペーストが用いられる。なお、外部接続電極として機能するため、第1外部端子31および第2外部端子32は、はんだ濡れ性の向上および信頼性の向上を図るため、金(Au)で形成すること、または電極表面に金メッキを施すことが好ましい。
【0019】
図1および
図3に示すように、平面視における第1外部端子31および第2外部端子32の各々の形状は、例えばX方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる矩形状である。第1外部端子31のX方向の寸法およびY方向の寸法は、例えば第2外部端子32のX方向の寸法およびY方向の寸法と等しい。なお、平面視における第1外部端子31および第2外部端子32の各々の形状およびサイズは任意に変更可能である。
【0020】
抵抗回路部40は、基板20の第1主面21に形成された第1配線41、第2配線42、および抵抗素子50を含む。
第1配線41には、第1外部端子31が電気的に接続されている。第1配線41は、X方向において第1主面21の中央よりも第1側面23寄りに配置されている。平面視において、第1配線41は、第1外部端子31と重なる位置に配置されている。平面視における第1配線41のX方向の寸法は第1外部端子31のX方向の寸法よりも大きく、第1配線41のY方向の寸法は第1外部端子31のY方向の寸法よりも大きい。第1外部端子31は、第1配線41上に配置されているともいえる。
【0021】
第2配線42は、X方向において第1配線41と離隔して配置されている。第2配線42には、第2外部端子32が電気的に接続されている。第2配線42は、X方向において第1主面21の中央よりも第2側面24寄りに配置されている。平面視において、第2配線42は、第2外部端子32と重なる位置に配置されている。平面視における第2配線42のX方向の寸法は第2外部端子32のX方向の寸法よりも大きく、第2配線42のY方向の寸法は第2外部端子32のY方向の寸法よりも大きい。第2外部端子32は、第2配線42上に配置されているともいえる。
図3に示す例では、第2配線42のY方向の寸法は、第1配線41のY方向の寸法と等しい。
【0022】
抵抗素子50は、第1配線41と第2配線42とのX方向の間に形成されている。抵抗素子50は、第1配線41および第2配線42に電気的に接続されている。
図3に示す例では、抵抗素子50のY方向の寸法は、第1配線41のY方向の寸法(第2配線42のY方向の寸法)と等しい。なお、抵抗素子50のY方向の寸法は任意に変更可能である。一例では、抵抗素子50のY方向の寸法は、第1配線41のY方向の寸法(第2配線42のY方向の寸法)よりも小さくてもよい。
【0023】
[電子部品の断面構造]
図4を参照して、電子部品10の断面構造について説明する。
図4は、
図3のF4-F4線で電子部品10を切断した断面構造を模式的に示している。
【0024】
図4に示すように、電子部品10は、基板20の第1主面21上に積層された基板絶縁層61と、素子積層部62と、表面絶縁層63と、保護層64と、を主に含む。
基板絶縁層61は、基板20の第1主面21と素子積層部62とのZ方向の間に形成されている。基板絶縁層61は、基板20と素子積層部62とを絶縁する層である。基板絶縁層61は、第1主面21の全体にわたり形成されてよい。基板絶縁層61は、1つの絶縁膜または複数の絶縁膜の積層構造によって構成されている。基板絶縁層61は、例えば酸化シリコン(SiO
2)膜および窒化シリコン(SiN)膜の少なくとも一方を含む。一例では、基板絶縁層61は、酸化シリコン膜によって構成されている。なお、基板20として絶縁基板または樹脂フィルムが用いられる場合、基板絶縁層61は省略されてもよい。
【0025】
素子積層部62は、抵抗素子50、第1配線41、および第2配線42を形成する部分であり、例えば複数の導電膜の積層構造によって形成されている。一例では、素子積層部62は、抵抗膜62A、第1導電膜62B、および第2導電膜62Cを含む。抵抗膜62A、第1導電膜62B、および第2導電膜62Cは、基板20(基板絶縁層61)側からこの順に積層されている。
【0026】
抵抗膜62Aは、基板絶縁層61上において基板絶縁層61に接している。抵抗膜62Aは、例えば基板絶縁層61の表面の概ね全体にわたり形成されている。抵抗膜62Aは、1つの抵抗膜または複数の抵抗膜の積層構造によって構成されている。抵抗膜62Aは、例えば窒化チタン(TiN)膜、酸窒化チタン(TiON)膜、および酸窒化チタンシリコン(TiSiON)膜の少なくとも1つを含む。
【0027】
第1導電膜62Bは、第1配線41および第2配線42を構成する導電膜である。第1導電膜62Bは、抵抗膜62A上において抵抗膜62Aに接している。
図4に示す例では、第1導電膜62Bは、X方向に離隔して2つ形成されている。以降では、この2つの第1導電膜62Bを便宜上、「第1導電膜62BA」および「第2導電膜62BB」と称する。第1導電膜62BAは、X方向において基板20の中央よりも第1側面23寄りに配置されている。第1導電膜62BBは、X方向において基板20の中央よりも第2側面24寄りに配置されている。つまり、第1導電膜62BAは第1配線41を構成する導電膜であり、第1導電膜62BBは第2配線42を構成する導電膜である。
【0028】
第1導電膜62BAと第1導電膜62BBのX方向の間には、抵抗膜62Aが露出している。この露出した抵抗膜62Aによって抵抗素子50が構成されている。つまり、抵抗素子50は、抵抗膜62Aのうち第1配線41と第2配線42とのX方向の間に設けられ、第1配線41と第2配線42とを電気的に接続する部分に対応する。
【0029】
第1導電膜62BA,62BBは、例えば抵抗膜62Aよりも厚い厚さを有する。第1導電膜62BA,62BBは、抵抗膜62Aよりも抵抗値が小さくなるように形成されている。つまり、第1導電膜62BA,62BBは、抵抗膜62Aよりも電流が流れやすくなるように形成されている。第1導電膜62BA,62BBは、例えばアルミニウム(Al)および銅(Cu)の少なくとも一方を含む材料によって形成されている。一例では、第1導電膜62BA,62BBは、AlCu合金によって形成されている。
【0030】
第1配線41および第2配線42は抵抗膜62Aよりも抵抗値が小さいので抵抗膜62Aよりも第1配線41(第1導電膜62BA)および第2配線42(第1導電膜62BB)に電流が流れやすくなる。第1配線41と第2配線42とは物理的に分離され、抵抗膜62Aによって電気的に接続されているので、例えば第1配線41に流れる電流は抵抗膜62A(抵抗素子50)を経て第2配線42に流れる。第2配線42は抵抗膜62Aよりも抵抗値が小さいので抵抗膜62Aよりも第2配線42に電流が流れる。
【0031】
第2導電膜62Cは、第1導電膜62Bと第1外部端子31および第2外部端子32とを接続する導電膜である。第2導電膜62Cは、第1導電膜62B上において第1導電膜62Bと接している部分を含む。一方、
図4に示す例では、第2導電膜62Cは、Z方向において第1導電膜62Bから離隔して対向している部分を含む。なお、第2導電膜62Cは、その全体が第1導電膜62Bに直接的に接続されるように形成されていてもよい。
【0032】
図4に示す例では、第2導電膜62Cは、X方向において互いに離隔して2つ形成されている。2つの第2導電膜62CのX方向の間には、第1導電膜62Bおよび抵抗膜62Aが露出している。以降では、この2つの第2導電膜62Cを便宜上、「第2導電膜62CA」および「第2導電膜62CB」と称する。第2導電膜62CAは、第1導電膜62BA上において第1導電膜62BAと接している。第2導電膜62CBは、第1導電膜62BB上において第1導電膜62BBと接している。
【0033】
第2導電膜62CA,62CBは、例えばアルミニウムおよび銅の少なくとも一方を含む材料によって形成されている。一例では、第2導電膜62CA,62CBは、AlCu合金によって形成されている。つまり、第2導電膜62CA,62CBは、第1導電膜62BA,62BBと同じ材料によって形成されてよい。一例では、第2導電膜62CA,62CBは、抵抗膜62Aよりも厚い厚さを有する。
【0034】
表面絶縁層63は、平面視において基板20の第1主面21の全体にわたり形成されている。より詳細には、表面絶縁層63は、第1主面21上に形成された基板絶縁層61上に形成されている。表面絶縁層63は、素子積層部62上において素子積層部62と接している。つまり、表面絶縁層63は、素子積層部62を覆っている。また、表面絶縁層63は、基板20の第1~第4側面23~26を覆っている。このように、表面絶縁層63は、素子積層部62を覆う素子絶縁層63Aと、第1~第4側面23~26を全面にわたり覆う側面絶縁層63Bと、を含む。側面絶縁層63Bの厚さは、例えば素子絶縁層63Aの厚さよりも薄い。表面絶縁層63は、例えば窒化シリコン膜によって形成されている。
【0035】
保護層64は、平面視において基板20の第1主面21の全体にわたり形成されている。保護層64は、表面絶縁層63の素子絶縁層63A上において素子絶縁層63Aと接している。つまり、保護層64は、素子絶縁層63Aを覆っている。一方、保護層64は、Z方向において基板20の第1主面21よりも第2主面22寄りに形成されていない。つまり、保護層64は、表面絶縁層63の側面絶縁層63Bを覆っていない。保護層64は、例えば樹脂材料によって形成されている。一例では、保護層64は、ポリイミド(PI)によって形成されている。
【0036】
保護層64および表面絶縁層63の素子絶縁層63Aには、第2導電膜62CA,62CBを個別に露出する第1開口71および第2開口72が形成されている。第1開口71は、保護層64および素子絶縁層63AをZ方向に貫通することによって、第2導電膜62CAの一部を露出している。第2開口72は、保護層64および素子絶縁層63AをZ方向に貫通することによって、第2導電膜62CBの一部を露出している。
【0037】
第1開口71には、第1開口71を埋めるように第1外部端子31が設けられている。第1外部端子31は、第1開口71を介して第2導電膜62CA上において第2導電膜62CAと接するように形成されている。
【0038】
第2開口72には、第2開口72を埋めるように第2外部端子32が設けられている。第2外部端子32は、第2導電膜62CB上において第2導電膜62CBと接するように形成されている。
【0039】
第1外部端子31および第2外部端子32は、既知の電極材料によって形成されていてよい。電極材料の一例は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、および金(Au)の積層構造(NiPdAu)である。
【0040】
[抵抗素子の構成]
図5を参照して、抵抗素子50の詳細な構成について説明する。
図5は、
図3の電子部品10の平面構造のうち抵抗素子50およびその周辺を拡大して示している。
【0041】
図5に示すように、抵抗素子50は、平面視においてX方向に延びるとともにY方向に配列されたメイン抵抗体51および補正抵抗体52を含む。以下では、便宜上、メイン抵抗体51および補正抵抗体52においてX方向を「長さ方向」と称し、メイン抵抗体51および補正抵抗体52においてY方向を「幅方向」と称する場合がある。メイン抵抗体51および補正抵抗体52におけるX方向の寸法を「メイン抵抗体51の長さ寸法」および「補正抵抗体52の長さ寸法」と称し、メイン抵抗体51および補正抵抗体52におけるY方向の寸法を「メイン抵抗体51の幅寸法」および「補正抵抗体52の幅寸法」と称する場合がある。
【0042】
図5に示す例では、メイン抵抗体51は、平面視においてY方向が長手方向であり、X方向が短手方向となる矩形状に形成されている。このため、メイン抵抗体51は、幅寸法が長さ寸法よりも大きくなるように形成されているといえる。
【0043】
補正抵抗体52は、第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、第3補正抵抗52C、第4補正抵抗52D、第5補正抵抗52E、および第6補正抵抗52Fを含む。第1~第6補正抵抗52A~52Fは、X方向に沿って補正抵抗体52を分離する分離部53によってY方向に互いに離隔した状態で配列されている。
【0044】
メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52Fは、例えばメイン抵抗体51、第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、第3補正抵抗52C、第4補正抵抗52D、第5補正抵抗52E、および第6補正抵抗52Fの順に、等比数列的に抵抗値が増加するように設定されてよい。一例では、メイン抵抗体51、第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、第3補正抵抗52C、第4補正抵抗52D、第5補正抵抗52E、および第6補正抵抗52Fの順に、平面視における面積が小さくなるように設定されてよい。
【0045】
一例では、メイン抵抗体51の抵抗値が40Ω(等比数列の初項)であり、第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、第3補正抵抗52C、第4補正抵抗52D、第5補正抵抗52E、および第6補正抵抗52Fの抵抗値が、公比=2の等比数列で設定されてよい。より詳細には、第1補正抵抗52Aの抵抗値が80Ωであり、第2補正抵抗52Bの抵抗値が160Ωであり、第3補正抵抗52Cの抵抗値が320Ωであり、第4補正抵抗52Dの抵抗値が640Ωであり、第5補正抵抗52Eの抵抗値が1280Ωであり、第6補正抵抗52Fの抵抗値が2560Ωであってよい。なお、これら抵抗値は、メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52Fの抵抗値の一例であり、メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52Fの抵抗値は、電子部品10の仕様に応じて適宜変更することができる。
【0046】
図5に示す例では、メイン抵抗体51は、第1配線41および第2配線42と電気的に分離不能に接続されている。一例では、メイン抵抗体51は、そのY方向の全体にわたり第1配線41および第2配線42と接続されている。つまり、メイン抵抗体51は、後述する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2を介することなく第1配線41および第2配線42に接続されている。このため、メイン抵抗体51は、第1配線41および第2配線42と常時接続されている。つまり、メイン抵抗体51は、第1外部端子31および第2外部端子32と常時、電気的に接続されている。メイン抵抗体51は、第1配線41および第2配線42にX方向に挟まれた領域に配置されている。このため、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の溶断の有無に関わらず、第1配線41と第2配線42とを常時最短距離で接続することができる。
【0047】
図5に示す例では、補正抵抗体52は、第1配線41および第2配線42と電気的に分離可能に接続されている。つまり、第1~第6補正抵抗52A~52Fは、X方向の両端部において第1配線41および第2配線42と電気的に分離可能に接続されている。
【0048】
一例では、抵抗回路部40は、補正抵抗体52と第1配線41とを切り離し可能に接続する複数の第1ヒューズF1と、補正抵抗体52と第2配線42とを切り離し可能に接続する複数の第2ヒューズF2とを含む。複数の第1ヒューズF1は、第1配線41のうち抵抗素子50と接続される第1接続領域43に設けられている。複数の第2ヒューズF2は、第2配線42のうち抵抗素子50と接続される第2接続領域44に設けられている。各第1ヒューズF1および各第2ヒューズF2は、第1導電膜62Bおよび抵抗膜62Aによって構成されている。各第1ヒューズF1および各第2ヒューズF2は、平面視においてX方向に延びる細帯状に形成されている。
【0049】
第1接続領域43は、平面視において第1配線41のうち第1外部端子31と抵抗素子50とのX方向の間の領域である。第1接続領域43は、例えば抵抗素子50のY方向の全体にわたり形成されている。
図5に示す例では、複数の第1ヒューズF1は、第1接続領域43のうち第1~第6補正抵抗52A~52FとX方向に隣り合う領域に形成されている。
【0050】
第2接続領域44は、平面視において第2配線42のうち第2外部端子32と抵抗素子50とのX方向の間の領域である。第2接続領域44は、例えば抵抗素子50のY方向の全体にわたり形成されている。
図5に示す例では、複数の第2ヒューズF2は、第2接続領域44のうち第1~第6補正抵抗52A~52FとX方向に隣り合う領域に形成されている。
【0051】
複数の第1ヒューズF1は、第1~第6補正抵抗52A~52Fの各々と第1配線41とを切り離し可能に接続されている。複数の第2ヒューズF2は、第1~第6補正抵抗52A~52Fの各々と第2配線42とを切り離し可能に接続されている。複数の第1ヒューズF1は、第1~第6補正抵抗52A~52Fと第1配線41とを繋ぐ部分である。複数の第1ヒューズF1は、Y方向において互いに離隔して配列されている。換言すると、Y方向において隣り合う第1ヒューズF1の間の部分は、第1導電膜62Bおよび抵抗膜62Aが除去され、基板絶縁層61が露出している。複数の第2ヒューズF2は、第1~第6補正抵抗52A~52Fと第2配線42とを繋ぐ部分である。複数の第2ヒューズF2は、Y方向において互いに離隔して配列されている。換言すると、Y方向において隣り合う第2ヒューズF2の間の部分は、第1導電膜62Bおよび抵抗膜62Aが除去され、基板絶縁層61が露出している。一例では、複数の第1ヒューズF1の数と複数の第2ヒューズF2の数とは互いに等しい。
【0052】
第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の数は、第1~第6補正抵抗52A~52Fの幅寸法に応じて設定されている。つまり、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の数は、第1補正抵抗52Aが最も多く、第4~第6補正抵抗52D~52Fが最も少ない。一例では、第1補正抵抗52Aに対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の各々の数は8つである。第2補正抵抗52Bに対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の各々の数は4つである。第3補正抵抗52Cに対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の各々の数は2つである。第4~第6補正抵抗52D~52Fの各々に対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の各々の数は1つである。
【0053】
[抵抗回路部の抵抗値の調整方法]
図6および
図7を参照して、抵抗回路部40の抵抗値の調整方法の一例について説明する。
【0054】
図6は、
図5から第1および第2ヒューズF1,F2が溶断された後の抵抗素子50およびその周辺を拡大した平面構造を示している。
図7は、各ヒューズF1,F2を溶断する工程に示す図であり、電子部品10の概略的な断面構造を示している。なお、
図7は、
図5に示す電子部品10の断面構造と同じ箇所の断面構造を示している。
【0055】
図7に示すように、電子部品10においては、レーザ光LZによって第1ヒューズF1および第2ヒューズF2が溶断されることによって、抵抗回路部40の全体の抵抗値が任意の抵抗値に設定される。
【0056】
一例では、
図6に示すように、第2~第6補正抵抗52B~52Fに接続された第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の全てが溶断されることによって、第2~第6補正抵抗52B~52Fが抵抗回路部40から電気的に分離されている。一方、第1補正抵抗52Aに接続された複数の第1ヒューズF1および複数の第2ヒューズF2がいずれも溶断されていない。これにより、抵抗回路部40においては、第1配線41と第2配線42との間にメイン抵抗体51と第1補正抵抗52Aとが並列接続された回路が形成される。
【0057】
[第1抵抗回路部の回路構成]
図6および
図8を参照して、抵抗回路部40の抵抗素子50に関する回路構成について説明する。
図6は、抵抗回路部40の等価回路の一例を示している。
【0058】
図8に示すように、抵抗回路部40は、第1配線41から第2配線42までの導電経路の間に、並列接続されたメイン抵抗体51および補正抵抗体52の第1~第6補正抵抗52A~52Fが設けられている。第1~第6補正抵抗52A~52Fのうち第1配線41寄りの第1端子の各々は、第1ヒューズF1を介して第1配線41と電気的に接続されている。第1~第6補正抵抗52A~52Fのうち第2配線42寄りの第2端子の各々は、第2ヒューズF2を介して第2配線42と電気的に接続されている。
【0059】
メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52Fの各々は、寄生インダクタンスLと直列接続され、かつキャパシタC1および抵抗Rsの直列回路と並列接続されている。
【0060】
寄生インダクタンスLは、メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52Fの幅寸法および長さ寸法に依存する寄生インダクタンスを含む。つまり、メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52Fの幅寸法および長さ寸法の少なくとも一方を調整することによって、寄生インダクタンスLを調整することができる。一例では、第1~第6補正抵抗52A~52Fの長さ寸法を短くすることによって、寄生インダクタンスLが減少する。一例では、第1~第6補正抵抗52A~52Fの幅寸法を大きくすることによって、寄生インダクタンスLが減少する。
【0061】
抵抗Rsは、基板20の抵抗を含む。抵抗Rsに直列接続されたキャパシタC1は、例えば抵抗膜62Aの下地絶縁膜(第1実施形態では、基板絶縁層61)を介して抵抗膜62Aと基板20との間に生じる寄生容量と、表面絶縁層63を介して抵抗膜62Aと第2導電膜62Cとの間に生じる寄生容量とを含む。キャパシタC2は、例えば抵抗膜62Aの下地絶縁膜(第1実施形態では、基板絶縁層61)および表面絶縁層63を介して、メイン抵抗体51および第1~第6補正抵抗52A~52F間に生じる寄生容量を含む。キャパシタC3は、第1~第6補正抵抗52A~52Fに対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の溶断によって形成される寄生容量を含む。
【0062】
図6に示すように、第2補正抵抗52Bに対応する全ての第1ヒューズF1および全ての第2ヒューズF2が溶断された場合、第2補正抵抗52BのX方向の両側には、キャパシタC3が形成される。これは、第2補正抵抗52Bに対応する全ての第1ヒューズF1および全ての第2ヒューズF2が溶断されることによって生じたスペースを挟んで、第2補正抵抗52Bと、第1配線41および第2配線42とが対向配置されるためである。第3~第6補正抵抗52C~52Fについても同様に、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2が溶断されることによって、第3~第6補正抵抗52C~52Fの各々の両側にキャパシタC3が形成される。なお、第1補正抵抗52Aの第1ヒューズF1および第2ヒューズF2が溶断された場合、第2~第6補正抵抗52B~52Fと同様に、第1補正抵抗52AのX方向の両側にキャパシタC3が形成される。以上説明したキャパシタC1~C3、抵抗Rs、および寄生インダクタンスL等に基づいて抵抗回路部40のインピーダンスの周波数に対する特性が決定される。
【0063】
[高周波数帯域におけるインピーダンスの調整構造]
図5を参照して、抵抗回路部40について、高周波数帯域におけるインピーダンスの調整構造について説明する。ここで、高周波数帯域とは、例えば数十GHz帯の周波数帯であり、一例では10GHz~40GHzである。
【0064】
図5に示すように、抵抗素子50の構成に基づいて抵抗回路部40の高周波数帯域におけるインピーダンス値を調整している。抵抗回路部40の高周波数帯域におけるインピーダンス値の調整とは、例えば第1配線41から第2配線42までの回路における所定の高周波でのインピーダンス値が予め設定されたインピーダンス値に一致もしくは近づくようにすることである。そして、高周波数帯域におけるインピーダンス値の調整する手段として、例えば補正抵抗体52の長さ寸法を調整すること、および第1~第6補正抵抗52A~52Fの配列順序を調整することが主に挙げられる。
【0065】
補正抵抗体52の長さ寸法LB1の調整では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1がメイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも短くしている。より詳細には、第1~第6補正抵抗52A~52Fの長さ寸法は互いに等しい。このため、第1~第6補正抵抗52A~52Fの長さ寸法は「長さ寸法LB1」とすることができる。第1~第6補正抵抗52A~52Fの長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも短い。このため、補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも短いといえる。一例では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1の1/2以上3/4以下である。第1実施形態では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1の3/4である。ここで、第1実施形態では、メイン抵抗体51が「第1抵抗体」の一例であり、補正抵抗体52が「第2抵抗体」の一例である。
【0066】
メイン抵抗体51は、平面視においてX方向が短手方向となり、Y方向が長手方向となる矩形状に形成されている。つまり、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法LA2(メイン抵抗体51のY方向の寸法)よりも小さい。第1~第6補正抵抗52A~52Fは、平面視においてX方向が長手方向となり、Y方向が短手方向となる矩形状に形成されている。
【0067】
第1~第6補正抵抗52A~52Fは、Y方向においてメイン抵抗体51に近い方からこの順に並んでいる。つまり、第1補正抵抗52AがY方向においてメイン抵抗体51に最も近くに配置されており、第6補正抵抗52FがY方向においてメイン抵抗体51から最も遠くに配置されている。
【0068】
第1~第6補正抵抗52A~52Fの幅寸法は、互いに異なる。一例では、第1補正抵抗52Aの幅寸法は第2~第5補正抵抗52B~52Fの幅寸法よりも大きく、第6補正抵抗52Fの幅寸法は第1~第5補正抵抗52A~52Eの幅寸法よりも小さい。つまり、第1補正抵抗52Aの幅寸法が最大であり、第6補正抵抗52Fの幅寸法が最小となる。そして、第1実施形態では、第1補正抵抗52Aから第6補正抵抗52Fに向かうにつれて幅寸法が徐々に小さくなる。具体的には、第2補正抵抗52Bの幅寸法は第1補正抵抗52Aの幅寸法よりも小さく、第3補正抵抗52Cの幅寸法は第2補正抵抗52Bの幅寸法よりも小さい。また、第4補正抵抗52Dの幅寸法は第3補正抵抗52Cの幅寸法よりも小さく、第5補正抵抗52Eの幅寸法は第4補正抵抗52Dの幅寸法よりも小さく、第6補正抵抗52Fの幅寸法は第5補正抵抗52Eの幅寸法よりも小さい。
【0069】
換言すると、第1実施形態では、平面視において、第1補正抵抗52Aから第6補正抵抗52Fに向かうにつれて面積が徐々に小さくなる。具体的には、第2補正抵抗52Bの面積は第1補正抵抗52Aの面積よりも小さく、第3補正抵抗52Cの面積が第2補正抵抗52Bの面積よりも小さい。また、第4補正抵抗52Dの面積は第3補正抵抗52Cの面積よりも小さく、第5補正抵抗52Eの面積は第4補正抵抗52Dの面積よりも小さく、第6補正抵抗52Fの面積は第5補正抵抗52Eの面積よりも小さい。
【0070】
一例では、第1~第6補正抵抗52A~52Fの各々の幅寸法は、メイン抵抗体51の幅寸法LA2よりも小さい。また、第1~第6補正抵抗52A~52Fの合計の幅寸法は、メイン抵抗体51の幅寸法LA2よりも小さい。これにより、第1~第6補正抵抗52A~52Fの各々の面積は、メイン抵抗体51の面積よりも小さい。第1~第6補正抵抗52A~52Fの合計の面積は、メイン抵抗体51の面積よりも小さい。
【0071】
[効果]
第1実施形態の電子部品10によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)電子部品10は、第1主面21を有する基板20と、第1主面21に形成され、互いに離隔した第1外部端子31および第2外部端子32と、第1主面21に形成され、第1外部端子31および第2外部端子32に電気的に接続された抵抗回路部40と、を備える。抵抗回路部40は、第1主面21に形成され、第1外部端子31が電気的に接続された第1配線41と、第1主面21に形成され、第2外部端子32が電気的に接続された第2配線42と、第1配線41および第2配線42に電気的に接続され、平面視においてX方向に延びるとともにY方向に配列された第1抵抗体であるメイン抵抗体51および第2抵抗体である補正抵抗体52と、を含む。補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも小さい。
【0072】
この構成によれば、補正抵抗体52の長さ寸法LB1がメイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも小さくなることによって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンスの変動幅を小さくすることができる。したがって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンス特性の向上を図ることができる。加えて、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1が補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも長くなることによって、メイン抵抗体51の破壊耐量の低下を抑制できる。
【0073】
(1-2)補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1の1/2以上3/4以下である。
この構成によれば、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンスの変動幅を小さくすることができる。したがって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンス特性の向上を図ることができる。
【0074】
(1-3)メイン抵抗体51は、第1配線41および第2配線42と電気的に分離不能に接続されている。補正抵抗体52は、第1配線41および第2配線42と電気的に分離可能に接続されている。
【0075】
この構成によれば、補正抵抗体52を電気的に分離することによって、抵抗回路部40の抵抗値を調整することができる。したがって、抵抗回路部40の抵抗値を要求された抵抗値に合わせ込むことができる。
【0076】
(1-4)補正抵抗体52は、Y方向において隣り合う第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、および第3補正抵抗52Cを含む。第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、および第3補正抵抗52Cは、Y方向においてメイン抵抗体51から離れる側に向けて、この順で並んでいる。第2補正抵抗52Bの幅寸法(Y方向の寸法)は、第1補正抵抗52Aの幅寸法(Y方向の寸法)よりも小さい。第3補正抵抗52Cの幅寸法(Y方向の寸法)は、第2補正抵抗52Bの幅寸法(Y方向の寸法)よりも小さい。
【0077】
この構成によれば、幅寸法が大きい順に並んだ第1補正抵抗52A、第2補正抵抗52B、および第3補正抵抗52Cがメイン抵抗体51から離れる側に向けてこの順に配列されることによって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンスの変動幅を小さくすることができる。したがって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンス特性の向上を図ることができる。
【0078】
(1-5)抵抗回路部40は、補正抵抗体52と第1配線41とを切り離し可能に接続する第1ヒューズF1と、補正抵抗体52と第2配線42とを切り離し可能に接続する第2ヒューズF2と、を含む。
【0079】
この構成によれば、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2が補正抵抗体52のX方向の両側に分散して設けられている。補正抵抗体52は、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2によって互いに並列に接続された第1~第6補正抵抗52A~52Fを含む。例えば1つの補正抵抗に対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2を溶断した場合、補正抵抗体52によって生じる寄生容量CPは、これらヒューズF1,F2の溶断によって抵抗回路部40の1つの補正抵抗と第1配線41および第2配線42との間に生じる2つのキャパシタC3を直列接続した状態と等価となる。したがって、寄生容量CPは、それぞれの容量値を同じ符号を用いて、1/CP=1/C3+1/C3の式に基づいてCP=C3/2となる。一方、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2のいずれか一方のみが溶断された場合、補正抵抗体52によって生じる寄生容量CPは、抵抗回路部40に生じる1つのキャパシタC3によるものとなる。したがって、寄生容量CPは、1つのキャパシタC3と等しく(CP=C3)なる。つまり、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2の両方を溶断することによって、補正抵抗体52によって生じる寄生容量CPを半減することができる。第1~第6補正抵抗52A~52Fは、互いに並列接続されている。したがって、複数の補正抵抗に対応する第1ヒューズF1および第2ヒューズF2を溶断した場合も同様のことがいえる。その結果、抵抗回路部40のインピーダンスを高くすることができる。
【0080】
<第2実施形態>
図9を参照して、第2実施形態の電子部品10について説明する。第2実施形態の電子部品10では、第1実施形態の電子部品10と比較して、抵抗素子50の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の電子部品10と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態の電子部品10と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
図9に示すように、第2実施形態では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも短い。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、補正抵抗体52の長さ寸法LB1の1/2である。このため、第2実施形態では、メイン抵抗体51は「第2抵抗体」の一例であり、補正抵抗体52は「第1抵抗体」の一例である。
【0082】
図9に示す例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法(Y方向の寸法)の1/2よりも小さい。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法の1/3よりも小さくてもよい。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法の1/3よりも大きくてもよい。なお、第2実施形態では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも小さい範囲内において任意に変更可能である。
【0083】
メイン抵抗体51は、X方向において補正抵抗体52の中央と同じ位置に配置されている。なお、メイン抵抗体51の幅寸法と、補正抵抗体52の構成および幅寸法とは、第1実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。また、X方向における補正抵抗体52に対するメイン抵抗体51の位置は任意に変更可能である。
【0084】
[効果]
第2実施形態の電子部品10によれば、以下の効果が得られる。
(2-1)メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも小さい。
【0085】
この構成によれば、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンスの変動幅を小さくすることができる。したがって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンス特性の向上を図ることができる。
【0086】
<第3実施形態>
図10を参照して、第3実施形態の電子部品10について説明する。第3実施形態の電子部品10では、第2実施形態の電子部品10と比較して、抵抗素子50の構成が主に異なる。以下では、第2実施形態の電子部品10と異なる点について詳細に説明し、第2実施形態の電子部品10と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0087】
図10に示すように、第3実施形態では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1が第2実施形態の補正抵抗体52の長さ寸法LB1(
図5参照)よりも短い。第3実施形態では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1と等しい。第3実施形態のメイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、第2実施形態のメイン抵抗体51の長さ寸法LA1(
図9参照)と等しい。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法LA2の1/4よりも大きく1/2よりも小さい。
【0088】
図10に示す例では、補正抵抗体52の第1補正抵抗52Aの長さ寸法LB1は、第1補正抵抗52Aの幅寸法(Y方向の寸法)よりも小さい。また、
図10に示す例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1および補正抵抗体52の長さ寸法LB1の双方は、例えばX方向における第1外部端子31と第2外部端子32との間の距離DTの1/2以下であってよい。このように、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1および補正抵抗体52の長さ寸法LB1の双方を短くすることによって、高周波数帯域における抵抗回路部40のインピーダンスを調整してもよい。
【0089】
<第4実施形態>
図11を参照して、第4実施形態の電子部品10について説明する。第4実施形態の電子部品10では、第1実施形態の電子部品10と比較して、抵抗素子50の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の電子部品10と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態の電子部品10と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0090】
図11に示すように、第4実施形態では、メイン抵抗体51の幅寸法LA2が第1実施形態のメイン抵抗体51の幅寸法LA2(
図5参照)よりも短い。補正抵抗体52の幅寸法が第1実施形態の補正抵抗体52の幅寸法よりも短い。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法LA2よりも大きい。一例では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、補正抵抗体52の幅寸法LB2よりも小さい。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも大きい。このため、第4実施形態では、メイン抵抗体51は「第1抵抗体」の一例であり、補正抵抗体52は「第2抵抗体」の一例である。
【0091】
第4実施形態では、補正抵抗体52は、第1~第5補正抵抗52A~52Eを含む。つまり、第4実施形態の補正抵抗体52の補正抵抗の数は、第1実施形態の補正抵抗体52の補正抵抗の数よりも少ない。
【0092】
このように、メイン抵抗体51および補正抵抗体52の各々の幅寸法を変更することによって、抵抗回路部40のインピーダンスを調整することができる。より詳細には、メイン抵抗体51および補正抵抗体52の各々の幅寸法を小さくすることによって、抵抗回路部40のうち高周波数帯域におけるインピーダンスを増加することができる。
【0093】
[効果]
第4実施形態の電子部品10によれば、以下の効果が得られる。
(4-1)メイン抵抗体51の長さ寸法LA1は、メイン抵抗体51の幅寸法よりも大きい。補正抵抗体52の長さ寸法LB1は、補正抵抗体52の幅寸法LB2よりも大きい。この構成によれば、抵抗素子50の幅寸法を小さくすることができる。したがって、電子部品10のY方向の小型化を図ることができる。
【0094】
<第5実施形態>
図12を参照して、第5実施形態の電子部品10について説明する。第5実施形態の電子部品10では、第1実施形態の電子部品10と比較して、抵抗素子50の構成が主に異なる。以下では、第1実施形態の電子部品10と異なる点について詳細に説明し、第1実施形態の電子部品10と共通の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0095】
図12に示すように、補正抵抗体52は、Y方向においてメイン抵抗体51から離れる側に向かうにつれて、第6補正抵抗52F、第5補正抵抗52E、第4補正抵抗52D、第3補正抵抗52C、第2補正抵抗52B、および第1補正抵抗52Aの順に配列されている。つまり、補正抵抗体52は、メイン抵抗体51に近づくにつれて補正抵抗の幅寸法が小さくなるように構成されている。
【0096】
また、
図13に示すように、補正抵抗体52は、Y方向において第1補正抵抗52Aから離れる側に向かうにつれて、第6補正抵抗52F、第5補正抵抗52E、第4補正抵抗52D、第3補正抵抗52C、および第2補正抵抗52Bの順に配列されていてもよい。第1補正抵抗52Aは、メイン抵抗体51とY方向に隣り合っている。このように、第1~第6補正抵抗52A~52Fの配置態様を変更することによって、抵抗回路部40のうち高周波数帯域におけるインピーダンスを調整してもよい。
【0097】
図12および
図13に示す例では、補正抵抗体52の長さ寸法LB1がメイン抵抗体51の長さ寸法LA1よりも短い。このため、第5実施形態では、メイン抵抗体51は「第1抵抗体」の一例であり、補正抵抗体52は「第2抵抗体」の一例である。
【0098】
<変更例>
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。以下の変更例は、技術的に矛盾が生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0099】
・第1~第5実施形態は、技術的に矛盾が生じない限り、互いに組み合わせることができる。
一例では、第4実施形態において、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1と補正抵抗体52の長さ寸法LB1との関係は任意に変更可能である。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1が補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも短くてもよい。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1が補正抵抗体52の長さ寸法LB1と等しくてもよい。
【0100】
一例では、第5実施形態において、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1と補正抵抗体52の長さ寸法LB1との関係は任意に変更可能である。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1が補正抵抗体52の長さ寸法LB1よりも短くてもよい。一例では、メイン抵抗体51の長さ寸法LA1が補正抵抗体52の長さ寸法LB1と等しくてもよい。
【0101】
・各実施形態において、素子積層部62から第2導電膜62Cを省略してもよい。
・各実施形態において、補正抵抗体52の数は任意に変更可能である。
・各実施形態において、第1ヒューズF1および第2ヒューズF2のいずれか一方を省略してもよい。
【0102】
・各実施形態において、電子部品10をチップ抵抗器に適用した例について説明したが、チップ抵抗器に限られず、抵抗回路部40が用いられる電子部品に適用することができる。
【0103】
本開示における記述「AおよびBの少なくとも1つ」は、「Aのみ、または、Bのみ、またはAとBの両方」を意味するものとして理解されたい。
本明細書に記載の様々な例のうち1つまたは複数を、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0104】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」の意味を含む。したがって、例えば「第1要素が第2要素上に配置される」という表現は、或る実施形態では第1要素が第2要素に接触して第2要素上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1要素が第2要素に接触することなく第2要素の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1要素と第2要素との間に他の要素が形成される構造を排除しない。
【0105】
本開示で使用されるZ方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造は、本明細書で説明されるZ方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。例えばX方向が鉛直方向であってもよく、またはY方向が鉛直方向であってもよい。
【0106】
<付記>
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のため、付記に記載される構成要素には、上記実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0107】
[付記1]
第1主面(21)を有する基板(20)と、
前記第1主面(21)に形成され、互いに離隔した第1外部端子(31)および第2外部端子(32)と、
前記第1主面(21)に形成され、前記第1外部端子(31)および前記第2外部端子(32)に電気的に接続された抵抗回路部(40)と、
を備え、
前記抵抗回路部(40)は、
前記第1主面(21)に形成され、前記第1外部端子(31)が電気的に接続された第1配線(41)と、
前記第1主面(21)に形成され、前記第2外部端子(32)が電気的に接続された第2配線(42)と、
前記第1配線(41)および前記第2配線(42)に電気的に接続され、平面視において第1方向(X方向)に延びるとともに前記第1方向(X方向)と直交する第2方向(Y方向)に配列された第1抵抗体(51)および第2抵抗体(52)と、
を含み、
前記第2抵抗体(52)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LB1)は、前記第1抵抗体(51)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LA1)よりも小さい
電子部品(10)。
【0108】
[付記2]
前記第2抵抗体(52)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LB1)は、前記第1抵抗体(51)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LA1)の1/2以上3/4以下である
付記1に記載の電子部品。
【0109】
[付記3]
前記第1抵抗体は、前記第1配線(41)および前記第2配線(42)と電気的に分離不能に接続されたメイン抵抗体(51)であり、
前記第2抵抗体は、前記第1配線(41)および前記第2配線(42)と電気的に分離可能に接続された補正抵抗体(52)である
付記1または2に記載の電子部品。
【0110】
[付記4]
前記第1抵抗体は、前記第1配線(41)および前記第2配線(42)と電気的に分離可能に接続された補正抵抗体(52)であり、
前記第2抵抗体は、前記第1配線(41)および前記第2配線(42)と電気的に分離不能に接続されたメイン抵抗体(51)である
付記1または2に記載の電子部品。
【0111】
[付記5]
前記補正抵抗体(52)は、前記第2方向(Y方向)において隣り合う第1補正抵抗(52A)、第2補正抵抗(52B)、および第3補正抵抗(52C)を含み、
前記第1補正抵抗(52A)、前記第2補正抵抗(52B)、および前記第3補正抵抗(52C)は、前記第2方向(Y方向)において前記第1抵抗体(51)から離れる側に向けて、この順で並んでおり、
前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法は、前記第1補正抵抗(52A)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも小さく、
前記第3補正抵抗(52C)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法は、前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも小さい
付記3または4に記載の電子部品。
【0112】
[付記6]
前記メイン抵抗体(51)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法(LA2)は、前記第1補正抵抗(52A)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法、前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法、および前記第3補正抵抗(52C)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも大きい
付記5に記載の電子部品。
【0113】
[付記7]
前記メイン抵抗体(51)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法(LA2)は、前記メイン抵抗体(51)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LA1)よりも大きい
付記3~6のいずれか1つに記載の電子部品。
【0114】
[付記8]
前記抵抗回路部(40)は、
前記補正抵抗体(52)と前記第1配線(41)とを切り離し可能に接続する第1ヒューズ(F1)と、
前記補正抵抗体(52)と前記第2配線(42)とを切り離し可能に接続する第2ヒューズ(F2)と、
を含む
付記3~7のいずれか1つに記載の電子部品。
【0115】
[付記9]
前記第1主面(21)上に形成された抵抗膜(62A)と、前記抵抗膜(62A)上に形成された第1導電膜(62B)とを含む素子積層部(62)を含み、
前記第1導電膜(62B)は、前記第1配線(41)と、前記第1配線(41)とは物理的に分離された前記第2配線(42)とを含み、
前記第1抵抗体(51)および前記第2抵抗体(52)は、前記第1配線(41)と前記第2配線(42)との間の領域において、前記第1導電膜(62B)から露出した前記抵抗膜(62A)の部分によって形成されている
付記1~8のいずれか1つに記載の電子部品。
【0116】
[付記10]
当該電子部品(10)は、チップ抵抗器である
付記1~9のいずれか1つに記載の電子部品。
【0117】
[付記11]
第1主面(21)を有する基板(20)と、
前記第1主面(21)に形成され、互いに離隔した第1外部端子(31)および第2外部端子(32)と、
前記第1主面(21)に形成され、前記第1外部端子(31)および前記第2外部端子(32)に電気的に接続された抵抗回路部(40)と、
を備え、
前記抵抗回路部(40)は、
前記第1主面(21)に形成され、前記第1外部端子(31)が電気的に接続された第1配線(41)と、
前記第1主面(21)に形成され、前記第2外部端子(32)が電気的に接続された第2配線(42)と、
前記第1配線(41)および前記第2配線(42)に電気的に接続され、平面視において第1方向(X方向)に延びるとともに前記第1方向(X方向)と直交する第2方向(Y方向)に配列された第1抵抗体(51)および第2抵抗体(52)と、
を含み、
前記第1抵抗体(51)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LA1)および前記第2抵抗体(52)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LB1)の双方は、前記第1方向(X方向)における前記第1外部端子(31)と前記第2外部端子(32)との間の距離の1/2以下である
電子部品。
【0118】
[付記12]
前記メイン抵抗体(51)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LA1)は、前記メイン抵抗体(51)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法(LA2)よりも大きい
付記3~6のいずれか1つに記載の電子部品。
【0119】
[付記13]
前記補正抵抗体(52)は、前記第2方向(Y方向)において隣り合う第1補正抵抗(52A)、第2補正抵抗(52B)、および第3補正抵抗(52C)を含み、
前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法は、前記第1補正抵抗(52A)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも小さく、
前記第3補正抵抗(52C)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法は、前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも小さく、
前記第3補正抵抗(52C)、前記第2補正抵抗(52B)、および前記第1補正抵抗(52A)は、前記第2方向(Y方向)において前記メイン抵抗体(51)から離れる側に向けて、この順で並んでいる
付記3または4に記載の電子部品。
【0120】
[付記14]
前記補正抵抗体(52)は、前記第2方向(Y方向)において隣り合う第1補正抵抗(52A)、第2補正抵抗(52B)、および第3補正抵抗(52C)を含み、
前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法は、前記第1補正抵抗(52A)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも小さく、
前記第3補正抵抗(52C)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法は、前記第2補正抵抗(52B)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法よりも小さく、
前記第1補正抵抗(52A)、前記第3補正抵抗(52C)、および前記第2補正抵抗(52B)は、前記第2方向(Y方向)において前記メイン抵抗体(51)から離れる側に向けて、この順で並んでいる
付記3または4に記載の電子部品。
【0121】
[付記15]
第1主面(21)を有する基板(20)と、
前記第1主面(21)に形成され、互いに離隔した第1外部端子(31)および第2外部端子(32)と、
前記第1主面(21)に形成され、前記第1外部端子(31)および前記第2外部端子(32)に電気的に接続された抵抗回路部(40)と、
を備え、
前記抵抗回路部(40)は、
前記第1主面(21)に形成され、前記第1外部端子(31)が電気的に接続された第1配線(41)と、
前記第1主面(21)に形成され、前記第2外部端子(32)が電気的に接続された第2配線(42)と、
前記第1配線(41)および前記第2配線(42)に電気的に接続され、平面視において第1方向(X方向)に延びるとともに前記第1方向(X方向)と直交する第2方向(Y方向)に配列されたメイン抵抗体(51)および補正抵抗体(52)と、
を含み、
前記メイン抵抗体(51)は、前記第1配線(41)および前記第2配線(42)と電気的に分離不能に接続されており、
前記補正抵抗体(52)は、前記第1配線(41)および前記第2配線(42)と電気的に分離可能に接続されており、
前記メイン抵抗体(51)の前記第1方向(X方向)の長さ寸法(LA1)は、前記メイン抵抗体(51)の前記第2方向(Y方向)の幅寸法(LA2)よりも大きい
電子部品(10)。
【0122】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれる全ての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0123】
10…電子部品
20…基板
21…第1主面
22…第2主面
23~26…第1~第4側面
31…第1外部端子
32…第2外部端子
40…抵抗回路部
41…第1配線
42…第2配線
43…第1接続領域
44…第2接続領域
50…抵抗素子
51…メイン抵抗体
52…補正抵抗体
52A~52F…第1~第6補正抵抗
53…分離部
61…基板絶縁層
62…素子積層部
62A…抵抗膜
62B,62BA,62BB…第1導電膜
62C,62CA,62CB…第2導電膜
63…表面絶縁層
63A…素子絶縁層
63B…側面絶縁層
64…保護層
71…第1開口
72…第2開口
F1…第1ヒューズ
F2…第2ヒューズ
C1~C3…キャパシタ
CB…回路基板
CP…寄生容量
SD…導電性接合材
Rs…抵抗
L…寄生インダクタンス
LZ…レーザ光
LA1…メイン抵抗体の長さ寸法
LA2…メイン抵抗体の幅寸法
LB1…補正抵抗体の長さ寸法
LB2…補正抵抗体の幅寸法
DT…第1外部端子と第2外部端子とのX方向の間の距離