(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139276
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】パーティクル検出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1409 20240101AFI20241002BHJP
【FI】
G01N15/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050145
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 貴大
(72)【発明者】
【氏名】余語 敏文
(57)【要約】
【課題】光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側の圧力を所望する圧力に精度良く減圧できるパーティクル検出装置を提供すること。
【解決手段】パーティクル検出装置10は、圧力調整部26を備える。圧力調整部26は、一次ポート61を経由して導入された第1圧力P1をパイロット圧力とするとともに、二次ポート62を経由して導入されたセンサ上流部20aの第2圧力P2をフィードバック圧力として動作するダイヤフラム式のレギュレータである。パイロット圧力は、圧力調整部26の設定圧力より大きく設定されている。センサ上流部20aの圧力が、設定圧力を上回ると、圧力調整部26は、センサ上流部20aの圧縮流体を二次ポート62から導入して排気ポート63から大気に排出する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体供給源からの圧縮流体を流体圧機器に供給する供給流路から分岐するとともに前記供給流路を流れる圧縮流体の一部が流れる分岐流路と、
前記分岐流路に設けられるとともに前記分岐流路を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する光学的センサと、
前記分岐流路における前記光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられる第1減圧部と、
前記分岐流路における前記第1減圧部よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられる第2減圧部と、
前記分岐流路における前記第1減圧部よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記分岐流路における前記第2減圧部よりも圧縮流体の流れ方向の上流側であるセンサ上流部の圧力を予め設定された設定圧力に調整する圧力調整部と、を備え、
前記圧力調整部は、一次ポート、二次ポート、及び排気ポートを備え、
前記一次ポートは、前記供給流路における前記分岐流路よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記流体圧機器よりも圧縮流体の流れ方向の上流側に接続されるとともに、
前記二次ポートは、前記分岐流路における前記センサ上流部に接続され、
前記排気ポートは、大気に開放されており、
前記圧力調整部は、前記一次ポートを経由して導入された前記供給流路の圧力をパイロット圧力とするとともに、前記二次ポートを経由して導入された前記センサ上流部の圧力をフィードバック圧力として動作するダイヤフラム式のレギュレータであり、
前記パイロット圧力は、前記設定圧力より大きく設定されており、
前記センサ上流部の圧力が、前記設定圧力を上回ると、前記圧力調整部は、前記センサ上流部の圧縮流体を前記二次ポートから導入して前記排気ポートから大気に排出することを特徴とするパーティクル検出装置。
【請求項2】
前記センサ上流部と前記二次ポートを接続する接続流路には、フィルタが設けられている請求項1に記載のパーティクル検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮流体に含まれるパーティクルを検出するパーティクル検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーティクル検出装置は、流体供給源からの圧縮流体を流体圧機器に供給する供給流路から分岐する分岐流路を備えている。分岐流路には、供給流路を流れる圧縮流体の一部が流れる。また、パーティクル検出装置は、光学的センサを備えている。光学的センサは、分岐流路に設けられている。そして、光学的センサは、分岐流路を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する。
【0003】
パーティクル検出装置では、予め設定された流量の圧縮流体が光学的センサに流れるように、分岐流路の圧力が調整されている。例えば、特許文献1に開示されるように、光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側には、流量調整のために圧縮流体を減圧する流路縮小管が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パーティクル検出装置では、予め設定された流量の圧縮流体が光学的センサに流れるように、光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側の圧力を所望する圧力に精度良く減圧することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するためのパーティクル検出装置は、流体供給源からの圧縮流体を流体圧機器に供給する供給流路から分岐するとともに前記供給流路を流れる圧縮流体の一部が流れる分岐流路と、前記分岐流路に設けられるとともに前記分岐流路を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する光学的センサと、前記分岐流路における前記光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられる第1減圧部と、前記分岐流路における前記第1減圧部よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられる第2減圧部と、前記分岐流路における前記第1減圧部よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記分岐流路における前記第2減圧部よりも圧縮流体の流れ方向の上流側であるセンサ上流部の圧力を予め設定された設定圧力に調整する圧力調整部と、を備え、前記圧力調整部は、一次ポート、二次ポート、及び排気ポートを備え、前記一次ポートは、前記供給流路における前記分岐流路よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記流体圧機器よりも圧縮流体の流れ方向の上流側に接続されるとともに、前記二次ポートは、前記分岐流路における前記センサ上流部に接続され、前記排気ポートは、大気に開放されており、前記圧力調整部は、前記一次ポートを経由して導入された前記供給流路の圧力をパイロット圧力とするとともに、前記二次ポートを経由して導入された前記センサ上流部の圧力をフィードバック圧力として動作するダイヤフラム式のレギュレータであり、前記パイロット圧力は、前記設定圧力より大きく設定されており、前記センサ上流部の圧力が、前記設定圧力を上回ると、前記圧力調整部は、前記センサ上流部の圧縮流体を前記二次ポートから導入して前記排気ポートから大気に排出することを要旨とする。
【0007】
パーティクル検出装置について、前記センサ上流部と前記二次ポートを接続する接続流路には、フィルタが設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、光学的センサよりも圧縮流体の流れ方向の上流側の圧力を所望する圧力に精度良く減圧できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、パーティクル検出装置を説明するための図である。
【
図2】
図2は、圧力調整部を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、通常時のパーティクル検出装置を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第2圧力が上昇したときを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パーティクル検出装置を具体化した一実施形態を
図1~
図4にしたがって説明する。
<パーティクル検出装置>
図1に示すように、パーティクル検出装置10は、ボディ11を備えている。ボディ11は、樹脂製又は金属製である。ボディ11は、上流ポート11a及び下流ポート11bを備えている。
【0011】
上流ポート11aには、上流配管12が接続されている。下流ポート11bには、下流配管13が接続されている。上流配管12は、流体供給源14に接続されている。上流配管12は、流体供給源14と上流ポート11aとを互いに接続している。下流配管13は、流体圧機器15に接続されている。下流配管13は、下流ポート11bと流体圧機器15とを互いに接続している。流体供給源14は、圧縮流体を流体圧機器15に供給する。圧縮流体は、例えば、圧縮空気である。
【0012】
ボディ11は、接続路11cを備えている。接続路11cは、ボディ11の内部に形成されている。接続路11cは、上流ポート11aと下流ポート11bとを互いに接続している。流体供給源14からの圧縮流体は、上流配管12、上流ポート11a、接続路11c、下流ポート11b、及び下流配管13を介して流体圧機器15に供給される。上流配管12、上流ポート11a、接続路11c、下流ポート11b、及び下流配管13は、流体供給源14からの圧縮流体を流体圧機器15に供給する供給流路16を構成している。供給流路16における圧縮流体の圧力を第1圧力P1とする。
【0013】
<分岐流路及び光学的センサ>
パーティクル検出装置10は、分岐流路20を備えている。分岐流路20は、ボディ11の内部に形成されている。分岐流路20は、接続路11cから分岐している。接続路11cは、供給流路16を構成しているため、分岐流路20は、供給流路16から分岐する。分岐流路20には、接続路11cを流れる圧縮流体の一部が流れる。
【0014】
パーティクル検出装置10は、光学的センサ30を備えている。光学的センサ30は、ボディ11に内蔵されている。光学的センサ30は、分岐流路20に設けられている。光学的センサ30は、分岐流路20を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する。光学的センサ30は、図示しない投光部及び受光部を備えている。投光部は、分岐流路20を流れる圧縮流体に光を照射する。受光部は、投光部によって圧縮流体に照射されて圧縮流体に含まれるパーティクルに反射した光である散乱光を受光する。光学的センサ30は、受光部によって受光された光の光量レベルに基づいて、分岐流路20を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する。
【0015】
分岐流路20は、一次側流路21と、二次側流路22と、を有している。一次側流路21は、分岐流路20において、光学的センサ30よりも圧縮流体の流れ方向における上流側に位置する部分である。一次側流路21に流れ込む圧縮流体の圧力は、第1圧力P1である。二次側流路22は、分岐流路20において、光学的センサ30よりも圧縮流体の流れ方向における下流側に位置する部分である。
【0016】
一次側流路21の第1端は、接続路11cに接続されているため、一次側流路21の第1端は、供給流路16に接続されている。一次側流路21の第2端は、光学的センサ30に接続されている。二次側流路22の第1端は、光学的センサ30に接続されている。二次側流路22の第2端は、大気に開放されている。供給流路16から一次側流路21に流れ込んだ圧縮流体は、光学的センサ30に向けて流れる。光学的センサ30に流れ込んだ圧縮流体は、二次側流路22を流れて大気に放出される。上記のように、二次側流路22は大気に開放されているため、供給流路16を流れる圧縮流体の一部は、分岐流路20に流れ込む。
【0017】
<第1減圧部及び第2減圧部>
一次側流路21には、第1減圧部23及び第2減圧部24が設けられている。第1減圧部23は、分岐流路20における光学的センサ30よりも圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられている。第1減圧部23は、一次側流路21に流れ込んだ第1圧力P1の圧縮流体を減圧する。第1減圧部23によって減圧された後の圧縮流体の圧力を第2圧力P2とする。第1減圧部23は、例えば、オリフィスである。第1減圧部23は、一次側流路21に流れ込んだ圧縮流体の圧力を、予め設定された設定圧力P0の範囲内に減圧するために設けられている。
【0018】
第2減圧部24は、分岐流路20における第1減圧部23よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ光学的センサ30よりも圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられている。第2減圧部24は、第1減圧部23によって減圧された圧縮流体をさらに減圧する。第2減圧部24によって減圧された後の圧縮流体の圧力を第3圧力P3とする。第2減圧部24は、例えば、オリフィスである。第2減圧部24は、第1減圧部23によって減圧された圧縮流体の圧力を、予め設定された供給圧力Pの範囲内に減圧するために設けられている。なお、分岐流路20において、第1減圧部23よりも圧縮流体の流れ方向における下流側、かつ第2減圧部24よりも圧縮流体の流れ方向における上流側の部分を、センサ上流部20aとする。このセンサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力は、第2圧力P2である。
【0019】
光学的センサ30には、当該光学的センサ30に流れ込む圧縮流体の流量に関して、規格値が予め設定されている。光学的センサ30に流れ込む圧縮流体の流量が規格値より多くなるほど、圧縮流体に含まれるパーティクル量が多くなるため、光学的センサ30の検出精度が低下しやすい。また、光学的センサ30に流れ込む圧縮流体の流量が規格値より少ない場合は、圧縮流体に含まれるパーティクル量が少なくなるため、光学的センサ30の検出精度が低下しやすい。このため、光学的センサ30に流れ込む圧縮流体の流量に関し、規格値が予め設定されている。パーティクル検出装置10では、規格値の流量が光学的センサ30に流れ込むようにするために、第2減圧部24は、光学的センサ30に流れ込む直前の圧縮流体の圧力を供給圧力Pの範囲内に収まるように減圧する。したがって、第2減圧部24は、センサ上流部20aに流れ込んだ圧縮流体の圧力を、予め設定された供給圧力Pの範囲内に減圧するために設けられている。
【0020】
しかし、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力、つまり第2圧力P2が予め設定された範囲を上回ったり、下回ったりすると、規格値の流量を光学的センサ30に流すことができなくなる。このため、分岐流路20において、第2減圧部24よりも圧縮流体の流れ方向の上流側、つまりセンサ上流部20aには、当該センサ上流部20aの圧力を予め設定された設定圧力P0に調整する圧力調整部26が設けられている。設定圧力P0は、供給圧力Pよりも高い圧力である。
【0021】
<圧力調整部>
圧力調整部26は、ダイヤフラム式のレギュレータである。圧力調整部26は、所謂、精密レギュレータである。
【0022】
図2に圧力調整部26の模式図を示す。
図2に示すように、圧力調整部26は、ボディ41を備える。ボディ41の内部には、フィードバック室S1と、パイロット室S2とが画定されている。ボディ41には、一次ポート61と、二次ポート62と、排気ポート63と、絞りを備えるパイロット通路64と、フィードバック流路65と、連通路66と、が形成されている。よって、圧力調整部26は、一次ポート61、二次ポート62、及び排気ポート63を備えている。
【0023】
圧力調整部26は、圧力調整ハンドル43と、調圧スプリング44と、パイロットダイアフラム45と、フラッパ46と、ノズル47と、メインダイアフラム48と、排気バルブ49と、メインバルブ50と、シール部材51と、を備える。なお、圧力調整部26の構造は、周知の技術であるため、詳細な構造の説明は省略する。
【0024】
<圧力調整部とパーティクル検出装置との関係>
図1に示すように、パーティクル検出装置10は、パイロット圧力導入流路27を備えている。パイロット圧力導入流路27は、ボディ11に内蔵されている。パイロット圧力導入流路27の第1端は、接続路11cに接続されている。パイロット圧力導入流路27の第1端は、供給流路16において、分岐流路20よりも圧縮流体の流れ方向における下流側、かつ流体圧機器15よりも圧縮流体の流れ方向における上流側に接続されている。パイロット圧力導入流路27の第2端は、圧力調整部26の一次ポート61に接続されている。このため、一次ポート61は、供給流路16における分岐流路20よりも圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ流体圧機器15よりも圧縮流体の流れ方向の上流側に、パイロット圧力導入流路27を介して接続されている。
【0025】
パーティクル検出装置10は、第1フィルタF1を備えている。第1フィルタF1は、パイロット圧力導入流路27に設けられている。第1フィルタF1は、圧力調整部26からパイロット圧力導入流路27に排出されるパーティクルを捕捉する。
【0026】
パーティクル検出装置10は、接続流路28を備えている。接続流路28は、ボディ11に内蔵されている。接続流路28の第1端は、分岐流路20において、第1減圧部23よりも圧縮流体の流れ方向における下流側、かつ第2減圧部24よりも圧縮流体の流れ方向における上流側に接続されている。換言すると、接続流路28の第1端は、一次側流路21におけるセンサ上流部20aに接続されている。接続流路28の第2端は、圧力調整部26の二次ポート62に接続されている。したがって、二次ポート62は、分岐流路20におけるセンサ上流部20aに接続流路28を介して接続されている。
【0027】
パーティクル検出装置10は、第2フィルタF2を備えている。第2フィルタF2は、接続流路28に設けられている。第2フィルタF2は、圧力調整部26から接続流路28に排出されたパーティクルを捕捉する。
【0028】
パーティクル検出装置10は、排気流路29を備えている。排気流路29の第1端は、排気ポート63に接続されている。排気ポート63の第2端は、大気に開放されている。排気ポート63は、排気流路29を介して大気に開放されている。
【0029】
<パーティクル検出装置の動作>
流体供給源14からの圧縮流体は、上流配管12、上流ポート11a、接続路11c、下流ポート11b、及び下流配管13を介して流体圧機器15に供給される。分岐流路20は、大気に開放されているため、分岐流路20には、供給流路16からの圧縮流体の流れが常に生じる。供給流路16から分岐流路20の一次側流路21に流れ込んだ圧縮流体は、第1減圧部23に向かって流れる。第1減圧部23は、一次側流路21に流れ込んだ圧縮流体を減圧する。第1減圧部23により、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力は第2圧力P2となる。センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力は、第1減圧部23により、予め設定された設定圧力P0の範囲内に収まるように調整される。
【0030】
第1減圧部23を通過した圧縮流体は、第2減圧部24に向かって流れる。第2減圧部24は、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力を減圧する。第2減圧部24により、光学的センサ30の直前の圧縮流体の圧力は第3圧力P3となる。光学的センサ30に流れ込む直前の圧縮流体の圧力は、第2減圧部24により、予め設定された供給圧力Pの範囲内に収まるように調整される。
【0031】
そして、光学的センサ30は、圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する。光学的センサ30を通過して二次側流路22へ流出した圧縮流体は、大気へ放出される。
<圧力調整部の動作>
図2に示す圧力調整部26は、パーティクル検出装置10の初期設定時、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が、設定圧力P0の範囲内に収まるようにするために調整される。まず、設定圧力P0に対応するように、圧力調整ハンドル43を回転させて調圧スプリング44を圧縮させる。パイロットダイアフラム45及びフラッパ46は、調圧スプリング44によって押し下げられるとともに、ノズル47が閉じられる。供給流路16を流れる圧縮流体は、パイロット圧力導入流路27を経由して一次ポート61からパイロット通路64に流入し、パイロット通路64にて絞られた後、パイロット室S2に導入される。供給流路16を流れる圧縮流体は、パイロット圧力としてパイロット室S2に導入される。
【0032】
パイロット室S2の圧力が第1圧力P1にまで上昇すると、メインダイアフラム48が押し下げられるとともに、シール部材51に抗してメインバルブ50が開く。すると、一次ポート61から供給された圧縮流体は、二次ポート62へ流れる。このため、二次ポート62での圧力は、第1圧力P1となる。二次ポート62の圧縮流体は、連通路66を介してメインダイアフラム48に作用している。
【0033】
二次ポート62へ流れた圧縮流体は、フィードバック流路65を経由してフィードバック室S1に流入する。すると、第1圧力P1が、パイロットダイアフラム45に作用する。そして、調圧スプリング44の圧縮力と等しくなるまで、フィードバック室S1の圧力が上昇すると、パイロットダイアフラム45及びフラッパ46が押し上げられる。すると、ノズル47が開かれるとともに、パイロット室S2の圧縮流体がフィードバック室S1に流れ込み、さらに、フィードバック流路65を経由して二次ポート62に流れる。その結果、パイロット室S2の圧力が低下するとともに、二次ポート62側の圧力は、メインダイアフラム48を押し上げて、シール部材51の弾性力によってメインバルブ50が閉じられる。その結果、二次ポート62の圧力が設定圧力P0に調整される。
【0034】
センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が設定圧力P0の範囲内にあるとき、メインバルブ50は閉じられている。このため、
図3の太線に示すように、一次ポート61から圧力調整部26に供給された圧縮流体は、メインバルブ50によって二次ポート62側への流れが止められている。また、一次ポート61に供給された圧縮流体の一部は、パイロット通路64を経由して、パイロット室S2に流入している。また、二次ポート62は、接続流路28を介してセンサ上流部20aに接続されている。このため、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の一部は、フィードバック流路65を経由してフィードバック室S1に流入しているとともに、連通路66を介してメインダイアフラム48に作用している。
【0035】
上記のように、圧力調整部26は、一次ポート61を経由して導入された供給流路16の圧力をパイロット圧力とするとともに、二次ポート62を経由して導入されたセンサ上流部20aの圧力をフィードバック圧力として動作する。なお、パイロット圧力、すなわち第1圧力P1は、設定圧力P0より大きく設定されている。
【0036】
センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が設定圧力P0を下回ると、フィードバック室S1の圧力が低下する。すると、調圧スプリング44の圧縮力によってパイロットダイアフラム45及びフラッパ46は押し下げられるため、ノズル47は閉じられる。その後、パイロット室S2の圧力が上昇すると、メインバルブ50が押し下げられるため、センサ上流部20aには、接続路11c、パイロット圧力導入流路27、一次ポート61、圧力調整部26、二次ポート62及び接続流路28を経由して第1圧力P1の圧縮流体が供給される。その結果、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が上昇して、設定圧力P0に調整される。
【0037】
センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が設定圧力P0を上回ると、フィードバック室S1の圧力が上昇する。パイロットダイアフラム45及びフラッパ46は押し上げられるため、ノズル47は開かれる。すると、パイロット室S2の圧縮流体がフィードバック室S1に流れ込み、さらに、フィードバック流路65を経由して二次ポート62に流れる。その後、パイロット室S2の圧力が低下すると、メインダイアフラム48が押し上げられるため、排気バルブ49が開かれる。その結果、
図4の太線に示すように、センサ上流部20aを流れる圧縮流体は、接続流路28及び二次ポート62を経由して圧力調整部26に導入されるとともに、排気ポート63及び排気流路29を経由して大気に排出される。したがって、センサ上流部20aの圧力が、設定圧力P0を上回ると、圧力調整部26は、センサ上流部20aの圧縮流体を二次ポート62から導入して排気ポート63から大気に排出する。その結果、センサ上流部20aを流れる圧縮流体が減圧されるため、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が低下して設定圧力P0に調整される。
【0038】
<実施形態の効果>
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)圧力調整部26は、ダイヤフラム式のレギュレータである。圧力調整部26は、パイロット圧力及びフィードバック圧力で動作する。このため、圧力調整部26は、微小な圧力偏差に追従した圧力調整が可能である。そして、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が設定圧力P0を上回った場合、圧力調整部26の排気ポート63からセンサ上流部20aを流れる圧縮流体を大気に排出できる。このため、センサ上流部20aを流れる圧縮流体は、圧力調整部26によって設定圧力P0に精度良く減圧される。その結果、光学的センサ30に流れる圧縮流体の圧力を供給圧力Pに精度良く調整できるため、規格値の流量を光学的センサ30に供給できる。よって、光学的センサ30は、パーティクルを精度良く検出できる。
【0039】
(2)圧力調整部26として、リリーフ弁を採用することが考えられる。リリーフ弁は、制御用スプリングによって制御弁の位置を調整する。そして、リリーフ弁は、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が、制御用スプリングの圧縮力を上回ると制御弁が開いて、圧力を開放する。このようなリリーフ弁は、制御用スプリングの不感帯や制御弁の摺動抵抗を原因とした制御精度の低下が懸念される。このような制御精度の低下を抑制するため、例えば、制御弁の摺動抵抗を小さくすることも提案されている。しかし、この場合は、制御弁は、圧縮流体の圧力を受けて容易に変位してしまうため、バイブレーションという課題が発生してしまう。
【0040】
これに対し、圧力調整部26は、ダイヤフラム式のレギュレータである。圧力調整部26は、パイロットダイアフラム45及びメインダイアフラム48を用いて制御される。このため、リリーフ弁に比べて、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力を設定圧力P0に精度良く制御できる。さらに、メインバルブ50は、圧縮流体の圧力を受けて直接動作しないため、摺動抵抗を低くする必要もない。その結果、メインバルブ50のバイブレーションの発生が抑制される。したがって、圧力調整部26にダイヤフラム式のレギュレータを採用することにより、圧縮流体を精度良く減圧できるとともに、バイブレーションの発生も抑制できる。加えて、圧力調整部26でのバイブレーションの発生に伴うパーティクルの発生も抑制できる。
【0041】
(3)パーティクル検出装置10において、センサ上流部20aと二次ポート62を接続する接続流路28には、第2フィルタF2が設けられている。第2フィルタF2は、圧力調整部26から接続流路28に排出されたパーティクルを捕捉する。このため、センサ上流部20aに圧力調整部26が接続されていても、センサ上流部20aにパーティクルが混入することを抑制できる。その結果、光学的センサ30に測定対象以外の箇所からのパーティクルが流入してしまうことを抑制できる。
【0042】
(4)パーティクル検出装置10において、圧力調整部26と供給流路16とはパイロット圧力導入流路27を介して接続されている。パイロット圧力導入流路27には第1フィルタF1が設けられている。第1フィルタF1は、圧力調整部26からパイロット圧力導入流路27に排出されるパーティクルを捕捉する。このため、接続路11cの圧力が低下した際に、パイロット圧力導入流路27における第1フィルタF1よりも圧縮流体の流れ方向の上流側にパーティクルが混入することを抑制できる。その結果、流体圧機器15に流体供給源14以外の箇所からパーティクルが流入してしまうことを抑制できる。
【0043】
(5)圧力調整部26の一次ポート61は、パイロット圧力導入流路27を介して供給流路16に接続されている。そして、センサ上流部20aの圧力が、設定圧力P0を下回ると、圧力調整部26は、供給流路16の圧縮流体を一次ポート61及び二次ポート62を経由してセンサ上流部20aに供給する。したがって、センサ上流部20aを流れる圧縮流体の圧力が低下しても、センサ上流部20aには、流体供給源14から供給された圧縮流体が供給される。例えば、異なる流体供給源からセンサ上流部20aに圧縮流体が供給される場合と比べて、分岐流路20を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルが増えてしまうことを抑制できる。
【0044】
<変形例>
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
○接続流路28に設けられた第2フィルタF2は無くてもよい。
○パイロット圧力導入流路27に設けられた第1フィルタF1は無くてもよい。
○第1減圧部23はレギュレータであってもよい。また、第2減圧部24はレギュレータであってもよい。
【0046】
○光学的センサ30は、例えば、投光部から出射された光が受光部に受光されているとともに、圧縮流体に含まれるパーティクルによって、投光部から出射された光が遮られることにより、受光部に受光される光の光量レベルが変化する構成でもよい。
【0047】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
[態様1]
流体供給源からの圧縮流体を流体圧機器に供給する供給流路から分岐するとともに前記供給流路を流れる圧縮流体の一部が流れる分岐流路と、前記分岐流路に設けられるとともに前記分岐流路を流れる圧縮流体に含まれるパーティクルを検出する光学的センサと、前記分岐流路における前記光学的センサよりも前記圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられる第1減圧部と、前記分岐流路における前記第1減圧部よりも前記圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記光学的センサよりも前記圧縮流体の流れ方向の上流側に設けられる第2減圧部と、前記分岐流路における前記第1減圧部よりも前記圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記分岐流路における前記第2減圧部よりも前記圧縮流体の流れ方向の上流側であるセンサ上流部の圧力を予め設定された設定圧力に調整する圧力調整部と、を備え、前記圧力調整部は、一次ポート、二次ポート、及び排気ポートを備え、前記一次ポートは、前記供給流路における前記分岐流路よりも前記圧縮流体の流れ方向の下流側、かつ前記流体圧機器よりも前記圧縮流体の流れ方向の上流側に接続されるとともに、前記二次ポートは、前記分岐流路における前記センサ上流部に接続され、前記排気ポートは、大気に開放されており、前記圧力調整部は、前記一次ポートを経由して導入された前記供給流路の圧力をパイロット圧力とするとともに、前記二次ポートを経由して導入された前記センサ上流部の圧力をフィードバック圧力として動作するダイヤフラム式のレギュレータであり、前記パイロット圧力は、前記設定圧力より大きく設定されており、前記センサ上流部の圧力が、前記設定圧力を上回ると、前記圧力調整部は、前記センサ上流部の圧縮流体を前記二次ポートから導入して前記排気ポートから大気に排出することを特徴とするパーティクル検出装置。
【0048】
[態様2]
前記センサ上流部と前記二次ポートを接続する接続流路には、フィルタが設けられている[態様1]に記載のパーティクル検出装置。
【0049】
[態様3]
前記圧力調整部と前記供給流路とはパイロット圧力導入流路を介して接続されており、前記パイロット圧力導入流路にはフィルタが設けられている[態様1]又は[態様2]に記載のパーティクル検出装置。
【0050】
[態様4]
前記センサ上流部の圧力が、前記設定圧力を下回ると、前記圧力調整部は、前記供給流路の圧縮流体を前記一次ポート及び前記二次ポートを経由して前記センサ上流部に供給する[態様1]~[態様3]のいずれか一つに記載のパーティクル検出装置。
【符号の説明】
【0051】
F2…第2フィルタ、10…パーティクル検出装置、14…流体供給源、15…流体圧機器、16…供給流路、20…分岐流路、20a…センサ上流部、23…第1減圧部、24…第2減圧部、26…圧力調整部、28…接続流路、61…一次ポート、62…二次ポート、63…排気ポート、30…光学的センサ。