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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139279
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】情報読取方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20241002BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20241002BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20241002BHJP
   F16H 7/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G06K7/10 280
G06K19/07 170
G06K19/077 220
F16H7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050151
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】小田中 啓
(72)【発明者】
【氏名】新居 俊男
【テーマコード(参考)】
3J049
【Fターム(参考)】
3J049AA01
3J049BG10
3J049CA08
(57)【要約】
【課題】センサを有する非接触型データ受送信体が設けられたベルトからセンサの情報を高い精度で読み取ることができる情報読取方法を提供する。
【解決手段】情報読取方法は、センサを有するICチップと、センサの測定情報を無線信号で送信するアンテナとを備えた非接触型データ受送信体10が設置された工業用ベルト100から情報を読み取る方法である。情報読取方法は、工業用ベルト100の主面100aと対向して配置した照射源200を用いて、工業用ベルト100に電波を照射する工程と、電波を受けた非接触型データ受送信体10からの無線信号を、主面100aと対向して配置した読み取り機200が受信して測定情報を読み取る工程と、を有する。電波を照射する工程においては、工業用ベルト100に対する電波の照射領域300の長手方向D1は、工業用ベルト100の長手方向に沿う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを有するICチップと、前記センサの測定情報を無線信号で送信するアンテナとを備えた非接触型データ受送信体が設置された工業用ベルトから情報を読み取る情報読取方法であって、
前記工業用ベルトの主面と対向して配置した照射源を用いて、前記工業用ベルトに電波を照射する工程と、
前記電波を受けた前記非接触型データ受送信体からの前記無線信号を、前記主面と対向して配置した読み取り機が受信して前記測定情報を読み取る工程と、を有し、
前記電波を照射する工程において、前記工業用ベルトに対する前記電波の照射領域の長手方向は、前記工業用ベルトの長手方向に沿う、
情報読取方法。
【請求項2】
前記アンテナの平均延出方向は、前記工業用ベルトの長手方向に沿う、
請求項1記載の情報読取方法。
【請求項3】
前記非接触型データ受送信体は、板状の基材をさらに備え、
前記基材の長手方向は、前記工業用ベルトの長手方向に交差する、
請求項2記載の情報読取方法。
【請求項4】
前記読み取り機を、前記照射領域の最外部における前記無線信号の受信強度が最大となる位置に配置する、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の情報読取方法。
【請求項5】
前記工業用ベルトは、無端状とされて第1プーリおよび第2プーリに巻き掛けられ、前記第1プーリから前記第2プーリに向かう往路範囲と、前記第2プーリから前記第1プーリに向かう復路範囲とが向かい合い、
前記読み取り機を、前記往路範囲の外面に対向する位置であって、前記復路範囲において前記照射領域の最外部における前記無線信号の受信強度が最大となる位置に配置する、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の情報読取方法。
【請求項6】
前記センサは、温度センサである、
請求項1記載の情報読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流通管理などを目的として、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ(非接触型データ受送信体)が用いられている。RFIDタグは、リーダとの間で近距離の無線通信を行うことができる。
ベルトは、例えば、プーリに巻き掛けられ、プーリの回転駆動とともに走行する。特許文献1には、RFIDタグを設置したベルトが開示されている。RFIDタグにはセンサを設けることができる。このセンサで得られた情報は、リーダによって読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-118297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の情報の読取方法では、ベルトが高速で走行する場合などにおいて、リーダによってセンサの情報を読み取る際の読み取り精度が低くなることがあった。
【0005】
本発明の一態様は、センサを有する非接触型データ受送信体が設けられたベルトからセンサの情報を高い精度で読み取ることができる情報読取方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、センサを有するICチップと、前記センサの測定情報を無線信号で送信するアンテナとを備えた非接触型データ受送信体が設置された工業用ベルトから情報を読み取る情報読取方法であって、前記工業用ベルトの主面と対向して配置した照射源を用いて、前記工業用ベルトに電波を照射する工程と、前記電波を受けた前記非接触型データ受送信体からの前記無線信号を、前記主面と対向して配置した読み取り機が受信して前記測定情報を読み取る工程と、を有し、前記電波を照射する工程において、前記工業用ベルトに対する前記電波の照射領域の長手方向は、前記工業用ベルトの長手方向に沿う、情報読取方法を提供する。
【0007】
前記アンテナの平均延出方向は、前記工業用ベルトの長手方向に沿うことが好ましい。
【0008】
前記非接触型データ受送信体は、板状の基材をさらに備え、前記基材の長手方向は、前記工業用ベルトの長手方向に交差することが好ましい。
【0009】
前記情報読取方法は、前記読み取り機を、前記照射領域の最外部における前記無線信号の受信強度が最大となる位置に配置することが好ましい。
【0010】
前記工業用ベルトは、無端状とされて第1プーリおよび第2プーリに巻き掛けられ、前記第1プーリから前記第2プーリに向かう往路範囲と、前記第2プーリから前記第1プーリに向かう復路範囲とが向かい合い、前記読み取り機を、前記往路範囲の外面に対向する位置であって、前記復路範囲において前記照射領域の最外部における前記無線信号の受信強度が最大となる位置に配置することが好ましい。
【0011】
前記センサは、温度センサであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、センサを有する非接触型データ受送信体が設けられたベルトからセンサの情報を高い精度で読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る情報読取方法を適用できる伝動装置の構成図である。
図2】工業用ベルトの模式的な斜視図である。
図3】工業用ベルトの一部断面状態の斜視図である。
図4】第1実施形態に係る情報読取方法を適用できる工業用ベルトの内部構造の斜視図である。
図5】工業用ベルトに用いられるRFIDタグの一部の斜視図である。
図6】工業用ベルトの内部構造の平面図である。
図7】RFIDタグの基材の平面図である。
図8】第1実施形態に係る情報読取方法に使用できる読み取り機の構成図である。
図9】第1実施形態に係る情報読取方法のフロー図である。
図10】第2実施形態に係る情報読取方法を適用できる伝動装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による情報読取方法について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、本発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであって、本発明を限定しない。以下で参照する図面においては、理解を容易にするために、必要に応じて各部材の寸法を適宜変えて図示する。
【0015】
[情報読取方法](第1実施形態)
(伝動装置)
図1は、第1実施形態に係る情報読取方法を適用できる伝動装置500の構成図である。図2は、工業用ベルト100の模式的な斜視図である。図3は、工業用ベルト100の一部断面状態の斜視図である。
【0016】
図1に示すように、伝動装置500は、工業用ベルト100と、駆動プーリ101(第1プーリ)と、従動プーリ102(第2プーリ)と、を備える。駆動プーリ101、および従動プーリ102は「回転体」の例である。駆動プーリ101および従動プーリ102の周縁には、複数の噛合溝が設けられていてもよい。
【0017】
(工業用ベルト)
図2に示すように、工業用ベルト100は、無端状に形成されている。
図3に示すように、工業用ベルト100は、ベルト本体110と、RFIDタグ(非接触型データ受送信体)10と、を備える。
【0018】
ベルト本体110は、内層111と、中間層112と、外層113と、心線114とを備える。内層111、中間層112および外層113は、合成樹脂、ゴムなどで形成されている。内層111、中間層112および外層113の構成材料としては、例えば、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)、エチレン-プロピレンコポリマー(EPM)などのエチレン-α-オレフィンエラストマー;クロロプレンゴム(CR);クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM);水素添加アクリロニトリルゴム(H-NBR)、ポリウレタン等が挙げられる。
【0019】
内層111の内面には、複数の歯部115が形成されている。複数の歯部115は、工業用ベルト100の長さ方向に等間隔をおいて形成されている。歯部115は、駆動プーリ101および従動プーリ102の噛合溝に噛み合う。
【0020】
心線114は、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維等の撚糸で構成されている。心線114は、中間層112に埋設されている。心線114は、例えば、ベルト本体110の長さ方向に沿って設けられている。
工業用ベルト100は、例えば、可撓性を有する。工業用ベルト100は、例えば、弾性的に曲げ変形可能である。
【0021】
図1に示すように、工業用ベルト100は、駆動プーリ101および従動プーリ102に巻き掛けられている。工業用ベルト100は、駆動プーリ101の駆動力(動力)を従動プーリ102に伝達する。伝動装置500は、例えば、工作機械、印刷機械、射出成形機等に用いられる。
【0022】
図4は、工業用ベルト100の内部構造の斜視図である。図5は、RFIDタグ10の一部の斜視図である。図6は、工業用ベルト100の内部構造の平面図である。図7は、RFIDタグ10の基材11の平面図である。
【0023】
図4に示すように、RFIDタグ10は、基材11と、アンテナ12と、ICチップ13と、マッチング回路16(図7参照)とを備える。
基材11は、矩形板状に形成されている。基材11は、平面視において長方形状とされている。基材11の一方の面(+Z方向側の面)を第1主面11aという。第1主面11aと反対の面を第2主面という。
【0024】
以下の説明において、XYZ直交座標系を用いることがある。図7に示すように、X方向は第1主面11aの短手方向である。Y方向は第1主面11aの長手方向である。Y方向は第1主面11aに沿う面内においてX方向と直交する。Z方向はX方向およびY方向に直交する方向である。Z方向は基材11の厚さ方向である。Z方向から見ることを平面視という。X方向およびY方向に沿う平面をXY平面という。基材11は、Y方向(第2方向)の寸法がX方向(第1方向)の寸法より大きい形状を有する。
【0025】
図7における右方はX方向の一方の向き(+X方向)である。図7における左方は+X方向とは反対の向き(-X方向)である。図7における上方はY方向の一方の向き(+Y方向)である。図7における下方は+Y方向とは反対の向き(-Y方向)である。図7における紙面手前方向はZ方向の一方の向き(+Z方向)である。図7における紙面奥方向は+Z方向とは反対の向き(-Z方向)である。
【0026】
基材11としては、樹脂基材、紙基材、セラミックス基材等が使用できる。
ICチップ13は、基材11の第1主面11aに設けられている。ICチップ13は、第1主面11aの長手方向のほぼ中央に位置する。ICチップ13は、特に限定されず、アンテナ12およびマッチング回路16を介して非接触で情報の書き込みおよび読み出しが可能であればよい。
【0027】
ICチップ13は、センサ15を備えている。センサ15は、自然現象、物品等についての機械的、電磁気的、熱的、音響的、化学的な性質、あるいはそれらで示される情報を信号に置き換えることができる装置である。センサ15としては、温度センサが挙げられる。温度センサは、ベルト本体110の温度を測定できる。温度センサとしては、例えば、測温抵抗体、熱電対、サーミスタなどを例示できる。センサ15としては、温度センサのほか、例えば、電力センサ、湿度センサ、圧力センサ、歪センサなどが挙げられる。ICチップ13は、センサ15からのデータ(測定情報)を記憶する記憶部を備えていてもよい。
【0028】
マッチング回路16は、第1配線21を有する。マッチング回路16は、パターン形状によってインピーダンスの調整が可能である。マッチング回路16は「回路」の一例である。
【0029】
第1配線21は、第1経路23と、第2経路24とを備える。
第1経路23の一端23aはICチップ13に電気的に接続されている。第1経路23の他端23bは第1接続箇所25に電気的に接続されている。第2経路24の一端24aはICチップ13に電気的に接続されている。第2経路24の他端24bは第2接続箇所26に電気的に接続されている。
【0030】
第1接続箇所25は、ICチップ13に対して+Y方向側に離れて位置する。第2接続箇所26は、ICチップ13に対して-Y方向側に離れて位置する。
【0031】
マッチング回路16は、基材11の第1主面11aに、金属メッキによって形成することができる。マッチング回路16は、導電性箔によって形成してもよい。マッチング回路16は、ポリマー型導電インクを用いて、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷法により形成してもよい。
【0032】
図6に示すように、アンテナ12は、第1放射素子17と、第2放射素子18とを備える。第1放射素子17および第2放射素子18を「放射素子17,18」ということがある。第1放射素子17および第2放射素子18は「一対の放射素子」の例である。
アンテナ12は、センサ15(図7参照)の測定情報を無線信号で送信する。
【0033】
放射素子17,18は、線状体によって形成される。放射素子17,18は、例えば、スチール、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属で形成されている。放射素子17,18は、例えば、硬鋼線、銅合金線などで形成することが好ましい。放射素子17,18を構成する線状体は、エナメル線などの絶縁被覆線材であってもよい。線状体として絶縁被覆線材を使用すれば、巻回部33において線状体どうしの通電を抑えることができる。
【0034】
第1放射素子17は、半田付け、ハトメ留め、カシメ留め、超音波接合、などによって、第1接続箇所25に電気的に接続するとともに、第1接続箇所25に固定することができる。第1放射素子17は、第1接続箇所25において、金属接合部27(半田接合部など)を介してマッチング回路16と電気的に接続される(図7参照)。
【0035】
第2放射素子18は、半田付け、ハトメ留め、カシメ留め、超音波接合、などによって、第2接続箇所26に電気的に接続するとともに、第2接続箇所26に固定することができる。第2放射素子18は、第2接続箇所26において、金属接合部28(半田接合部など)を介してマッチング回路16と電気的に接続される(図7参照)。
【0036】
図5および図6に示すように、第1放射素子17は、折返し部41と、主体部42とを備える。
図5に示すように、折返し部41は、第1延出部51と、湾曲部52(応力吸収部)と、第2延出部53とを有する。
第1延出部51は、第1接続箇所25から+Z方向に延出する。第1延出部51の延出方向(+Z方向)は、基材11と交差する方向である。
【0037】
湾曲部52は、第1延出部51の先端から延出する。湾曲部52は、線状体の延出方向を反転させる反転部である。湾曲部52は、+Z方向に凸となる湾曲形状を有する。湾曲部52の湾曲形状は、例えば、円弧状(例えば、半円状)、楕円弧状、高次曲線状(例えば、放物線状、双曲線状など)等である。湾曲部52は、第1延出部51の+Z方向の端と第2延出部53の+Z方向の端とを接続する。湾曲部52は、急峻な曲げ箇所がなく、緩やかに曲がる形状を有する。
【0038】
第2延出部53は、湾曲部52の先端から延出する。第2延出部53は、湾曲部52の先端から-Z方向に延出する。第2延出部53は、第1延出部51に対して+X方向側に離れて位置する。第1延出部51と第2延出部53とは、X方向に間隔をおいて並んで配置されている。第2延出部53は、平面視において基材11の外に、基材11から+X方向側に離れて位置する。
【0039】
折返し部41は、X方向に間隔をおいて並ぶ第1延出部51および第2延出部53と、第1延出部51と第2延出部53の一端どうしを接続する湾曲部52とを備える。そのため、折返し部41は、逆U字形状を有する。なお、折返し部は、湾曲部のみからなる形状であってもよい。
【0040】
図6に示すように、主体部42は、複数の直線部31と、複数の反転部32とを備える。主体部42は、平面視において基材11の外にある。
【0041】
直線部31は、Y方向に沿う直線状とされている。直線部31の延在方向(Y方向)は、X方向に交差する方向である。複数の直線部31は、互いにほぼ平行である。複数の直線部31は、X方向(主方向)に間隔をおいて、X方向に並んで配置されている。反転部32は、隣り合う直線部31の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続する。そのため、第1放射素子17は、全体として蛇行形状となっている。
【0042】
図4に示すように、主体部42は、隣り合う2つの直線部31と、隣り合う2つの反転部32とで構成される繰り返し単位43を複数有する。複数の繰り返し単位43は、折返し部41の先端を起点として+X方向に並ぶ。主体部42の平均延出方向は、繰り返し単位43の並び方向である+X方向である。主体部42の平均延出方向が+X方向であるため、第1放射素子17の平均延出方向は+X方向である。
【0043】
反転部32は、巻回部33を有する。巻回部33は、平面視において円形状とされている。巻回部33は、Z方向に沿う軸(図示略)の周りをZ方向に進行しつつ周回するらせん状とされている。
【0044】
図5および図6に示すように、第2放射素子18は、折返し部141と、主体部142とを備える。
図5に示すように、折返し部141は、第1延出部151と、湾曲部152(応力吸収部)と、第2延出部153とを有する。
第1延出部151は、第2接続箇所26から+Z方向に延出する。第1延出部151の延出方向(+Z方向)は、基材11と交差する方向である。
【0045】
湾曲部152は、第1延出部151の先端から延出する。湾曲部152は、線状体の延出方向を反転させる反転部である。湾曲部152は、+Z方向に凸となる湾曲形状を有する。湾曲部152の湾曲形状は、例えば、円弧状(例えば、半円状)、楕円弧状、高次曲線状(例えば、放物線状、双曲線状など)等である。湾曲部152は、第1延出部151の+Z方向の端と第2延出部153の+Z方向の端とを接続する。湾曲部152は、急峻な曲げ箇所がなく、緩やかに曲がる形状を有する。
【0046】
第2延出部153は、湾曲部152の先端から延出する。第2延出部153は、湾曲部152の先端から-Z方向に延出する。第2延出部153は、第1延出部151に対して-X方向側に離れて位置する。第1延出部151と第2延出部153とは、X方向に間隔をおいて並んで配置されている。第2延出部153は、平面視において基材11の外に、基材11から-X方向側に離れて位置する。
【0047】
折返し部141は、X方向に間隔をおいて並ぶ第1延出部151および第2延出部153と、第1延出部151と第2延出部153の一端どうしを接続する湾曲部152とを備える。そのため、折返し部141は、逆U字形状を有する。なお、折返し部は、湾曲部のみからなる形状であってもよい。
【0048】
図6に示すように、主体部142は、複数の直線部131と、複数の反転部132とを備える。主体部142は、平面視において基材11の外にある。
【0049】
直線部131は、Y方向に沿う直線状とされている。直線部131の延在方向(Y方向)は、X方向に交差する方向である。複数の直線部131は、互いにほぼ平行である。複数の直線部131は、X方向(主方向)に間隔をおいて、X方向に並んで配置されている。反転部132は、隣り合う直線部131の一端どうしおよび他端どうしを交互に接続する。そのため、第2放射素子18は、全体として蛇行形状となっている。
【0050】
図4に示すように、主体部142は、隣り合う2つの直線部131と、隣り合う2つの反転部132とで構成される繰り返し単位143を複数有する。複数の繰り返し単位143は、折返し部141の先端を起点として-X方向に並ぶ。主体部142の平均延出方向は、繰り返し単位143の並び方向である-X方向である。主体部142の平均延出方向が-X方向であるため、第2放射素子18の平均延出方向は-X方向である。
【0051】
反転部132は、巻回部133を有する。巻回部133は、平面視において円形状とされている。巻回部133は、Z方向に沿う軸(図示略)の周りをZ方向に進行しつつ周回するらせん状とされている。
【0052】
第1放射素子17の平均延出方向が+X方向であって、第2放射素子18の平均延出方向が-X方向であるため、アンテナ12の平均延出方向はX方向である。
【0053】
主体部42,142は、例えば、基材11の第2主面(一方の面)を含む基準面に沿って配置されている。主体部42,142の下面(-Z方向側の面)は、例えば、基準面とほぼ同じ高さ位置にある。
【0054】
工業用ベルト100は、プーリ101,102上を走行する際に、プーリ101,102の周縁に沿う湾曲形状となるため、RFIDタグ10には曲げ力が加えられることがある(図1参照)。RFIDタグ10では、曲げ力が加えられた場合に、湾曲部52,152は、曲げ変形するとともに、放射素子17,18にかかる応力を吸収する。
【0055】
図4および図6に示すように、RFIDタグ10は、ベルト本体110に設置される。基材11は、ベルト本体110に沿う姿勢となる。基材11の厚さ方向はベルト本体110の厚さ方向(内層111、中間層112および外層113の厚さ方向)に沿う。
【0056】
RFIDタグ10の設置箇所は特に限定されない。図3に示すように、RFIDタグ10は、外層113の内部に設けてもよい。RFIDタグ10は、中間層112の内部に設けてもよい。RFIDタグ10は、内層111の内部に設けてもよい。RFIDタグ10は、外層113と中間層112との間に設けてもよい。RFIDタグ10は、中間層112と内層111との間に設けてもよい。RFIDタグ10は、外層113の外面または内層111の内面に設けてもよい。
【0057】
RFIDタグ10の設置形態について説明する。
図4および図6に示すように、RFIDタグ10は、基材11の長手方向がベルト本体110の長手方向(工業用ベルト100の長手方向)に交差するように配置される。基材11の長手方向は、ベルト本体110の短手方向(工業用ベルト100の短手方向)に沿うことが好ましい。
【0058】
基材11の長手方向は、ベルト本体110の長手方向に直交することが好ましいが、ベルト本体110の長手方向に対して傾斜していてもよい。ベルト本体110の長手方向に対する基材11の長手方向の傾斜角度は、45度を越える(例えば、60度以上である)ことが好ましい。
【0059】
RFIDタグ10は、放射素子17,18の平均延出方向がベルト本体110の短手方向(工業用ベルト100の短手方向)に交差するように配置される。放射素子17,18の平均延出方向は、ベルト本体110の長手方向(工業用ベルト100の長手方向)に沿うことが好ましい。
【0060】
放射素子17,18の平均延出方向は、ベルト本体110の短手方向に直交することが好ましいが、ベルト本体110の短手方向に対して傾斜していてもよい。ベルト本体110の短手方向に対する放射素子17,18の平均延出方向の傾斜角度は、45度を越える(例えば、60度以上である)ことが好ましい。
【0061】
RFIDタグ10は、折返し部41,141がベルト本体110の外面側に凸となる姿勢(外向き姿勢)でベルト本体110に設置されることが望ましい。詳しくは、RFIDタグ10の+Z方向は、内層111から外層113に向かう方向と一致するのが望ましい。RFIDタグ10の姿勢をこのように定めることによって、RFIDタグ10を、ベルト本体110に容易に設置することができる。なお、RFIDタグ10は、外向き姿勢と反対の姿勢(内向き姿勢)であってもよい。
【0062】
(情報読取方法)(第1実施形態)
図1に示す伝動装置500を用いた場合を例として、第1実施形態に係る情報読取方法を説明する。図1は、伝動装置500の側面図と平面図とを含む。図8は、読み取り機200の構成図である。図9は、本実施形態の情報読取方法のフロー図である。
【0063】
図8に示すように、読み取り機200を用意する。読み取り機200は、アンテナ201と、検出部202と、記憶部203と、受信強度確認部204と、を有する。アンテナ201は、RFIDタグ10からの無線信号を受信することができる。アンテナ201は、RFIDタグ10に向けて無線信号を送信することができる。読み取り機200は、電波の照射源としての機能と、読み取り機としての機能とを有する。
【0064】
検出部202は、アンテナ201が受信した無線信号から情報を取得する。検出部202は、センサ15(図7参照)の測定情報を取得できる。記憶部203は、取得した情報を記憶する。受信強度確認部204は、アンテナ201が受信した無線信号の受信強度を確認できる。受信強度は、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indication:受信電波強度)である。
【0065】
図1に示すように、伝動装置500の駆動プーリ101(第1プーリ)を駆動させると、工業用ベルト100は、駆動プーリ101と従動プーリ102(第2プーリ)との間で走行する。工業用ベルト100は、駆動プーリ101の駆動力(動力)を従動プーリ102に伝達する。工業用ベルト100は、プーリ101,102に巻き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトである。
【0066】
駆動プーリ101から従動プーリ102に向かう範囲の工業用ベルト100は、往路範囲210である。従動プーリ102から駆動プーリ101に向かう範囲の工業用ベルト100は、復路範囲220である。往路範囲210と復路範囲220とは向かい合う。往路範囲210と復路範囲220とは互いに平行である。
【0067】
(第1工程:工業用ベルトに電波を照射)
読み取り機200は、往路範囲210における工業用ベルト100の外面100a(主面)(図3参照)に対向して配置する。
読み取り機200は、測定情報の要求を含む電波Rを往路範囲210に照射する(図9に示すステップS11)。電波Rが往路範囲210の外面100aに照射される領域を照射領域300という。照射領域300は、電波強度(例えば、無線信号の受信強度)が所定の値以上となる領域である。
【0068】
電波Rの偏波方式としては、直線偏波方式と円偏波方式とがある。電波Rの偏波方式としては、直線偏波方式と円偏波方式とのうちいずれを使用してもよい。
【0069】
照射領域300は、非円形とされる。照射領域300の形状は、例えば、楕円形状、長円形状、長方形状などであってもよい。本実施形態では、照射領域300は、楕円形状である。照射領域300は、往路範囲210の外面100aの少なくとも一方の側縁に内接する形状であってもよい。照射領域300は、外面100aをはみ出していてもよい。
【0070】
照射領域300に2つの方向(第1方向D1および第2方向D2)を想定する。第1方向D1と第2方向D2とは互いに直交する。第1方向D1の寸法は第2方向D2の寸法より大きい。第1方向D1は、照射領域300の長軸方向(長手方向)である。第2方向D2は、照射領域300の短軸方向(短手方向)である。第1方向D1の寸法は照射領域300の長径(最大径)である。第2方向D2の寸法は照射領域300の短径である。
【0071】
照射領域300の第1方向D1(長手方向)は、往路範囲210における工業用ベルト100の長手方向に沿う。第1方向D1は、工業用ベルト100の長手方向と平行であることが望ましいが、例えば、工業用ベルト100の長手方向に対して30°以下の角度で傾斜していてもよい。照射領域300の向きは、読み取り機200の配置および姿勢によって調整することができる。第1方向D1は、電波強度によらず一定であると想定できる。
【0072】
読み取り機200は、照射領域300の最外部300a(外周縁)で、RFIDタグ10からの無線信号の受信強度(電波強度)が最大となる位置に配置するのが好ましい。すなわち、図1において、読み取り機200の高さ位置は、照射領域300の最外部300aにおける無線信号の受信強度が最も大きくなるように定めるのが好ましい。これにより、測定情報を精度よく読み取ることができる。
【0073】
無線信号の受信強度は、工業用ベルト100に対する読み取り機200の距離によって調整できる。例えば、図1における上下方向の読み取り機200の位置(高さ位置)によって無線信号の受信強度を調整できる。無線信号の受信強度は、受信強度確認部204(図8参照)によって確認できる。
【0074】
(第2工程:測定情報の読み取り)
RFIDタグ10は、照射領域300に入ることによって起電する。RFIDタグ10は、センサ15(図7参照)の測定情報を含む無線信号を送信することができる。読み取り機200のアンテナ201は、RFIDタグ10からの無線信号を受信する。読み取り機200は、検出部202(図8参照)によって、センサ15(図7参照)の測定情報を取得する(図9に示すステップS12)。読み取り機200は、測定情報を記憶部203(図8参照)に記憶することができる。
【0075】
[第1実施形態の情報読取方法が奏する効果]
本実施形態の情報読取方法では、電波Rの照射領域300の第1方向D1(長手方向)は、往路範囲210における工業用ベルト100の長手方向に沿う。そのため、照射領域300におけるRFIDタグ10の滞在時間を長くすることができる。したがって、RFIDタグ10は、センサ15(図7参照)の測定情報を含む無線信号を送信することができる。よって、読み取り機200は、センサ15の測定情報を高い精度で読み取ることができる。
【0076】
図4および図6に示すように、RFIDタグ10の基材11は、長手方向がベルト本体110の短手方向に沿うように配置されているため、ベルト長さ方向の基材11の寸法は小さい。したがって、工業用ベルト100に曲げが生じた場合でも基材11に加えられる力を抑制できる。基材11は、通常、放射素子17,18に比べて曲げ耐性が低いが、工業用ベルト100では、基材11に加えられる曲げ力が小さくなるため、基材11の破損は起こりにくい。
【0077】
RFIDタグ10は、放射素子17,18の平均延出方向がベルト本体110の長手方向に沿うように配置されている。そのため、放射素子17,18の長さに制約が少ない。RFIDタグ10では、放射素子17,18を長く形成することによって、通信性能を高めることができる。例えば、通信距離を長くすることができる。
【0078】
(情報読取方法)(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る情報読取方法を適用できる伝動装置500の構成図である。第1実施形態との共通点については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】
図10に示すように、伝動装置500の駆動プーリ101(第1プーリ)を駆動させると、工業用ベルト100は、駆動プーリ101と従動プーリ102(第2プーリ)との間で走行する。
【0080】
(第1工程:工業用ベルトに電波を照射)
読み取り機200は、第1実施形態と同様に、往路範囲210における工業用ベルト100の外面100a(主面)に対向して配置する。この読み取り機200の位置は、例えば、復路範囲220における工業用ベルト100の内面100b(主面)に対向する位置である。
【0081】
読み取り機200は、測定情報の要求を含む電波Rを工業用ベルト100に照射する。電波Rが復路範囲220の内面100bに照射される領域を照射領域400という。
【0082】
照射領域400は、非円形とされる。照射領域400の形状は、例えば、楕円形状、長円形状、長方形状などであってもよい。本実施形態では、照射領域400は、楕円形状である。照射領域400は、復路範囲220の内面100bの少なくとも一方の側縁に内接する形状であってもよい。照射領域400は、内面100bをはみ出していてもよい。
【0083】
照射領域400は、第1方向D1の寸法が第2方向D2の寸法より大きい。第1方向D1は、照射領域400の長軸方向(長手方向)である。第2方向D2は、照射領域400の短軸方向(短手方向)である。
【0084】
照射領域400の第1方向D1(長手方向)は、復路範囲220における工業用ベルト100の長手方向に沿う。第1方向D1は、工業用ベルト100の長手方向と平行であることが望ましいが、例えば、工業用ベルト100の長手方向に対して30°以下の角度で傾斜していてもよい。照射領域400の向きは、読み取り機200の配置および姿勢によって調整することができる。第1方向D1は、電波強度によらず一定であると想定できる。
【0085】
読み取り機200は、復路範囲220において、照射領域400の最外部400a(外周縁)で、RFIDタグ10からの無線信号の受信強度(電波強度)が、照射領域300の最外部300aでの受信強度(電波強度)に比べて大きくなる位置に配置する。読み取り機200は、復路範囲220において、照射領域400の最外部400aで、RFIDタグ10からの無線信号の受信強度(電波強度)が最大となる位置に配置することができる。すなわち、図10において、読み取り機200の高さ位置は、照射領域400の最外部400aにおける無線信号の受信強度が最も大きくなるように定めることができる。これにより、測定情報を精度よく読み取ることができる。
【0086】
無線信号の受信強度は、工業用ベルト100に対する読み取り機200の距離によって調整できる。無線信号の受信強度は、受信強度確認部204(図8参照)によって確認できる。
【0087】
(第2工程:測定情報の読み取り)
RFIDタグ10は、照射領域400に入ることによって起電し、復路範囲220において、センサ15(図7参照)の測定情報を含む無線信号を送信することができる。RFIDタグ10は、往路範囲210においても、センサ15の測定情報を含む無線信号を送信することができる。
【0088】
読み取り機200のアンテナ201は、RFIDタグ10からの無線信号を受信する。読み取り機200は、検出部202(図8参照)によって、センサ15(図7参照)の測定情報を取得する。読み取り機200は、測定情報を記憶部203(図8参照)に記憶することができる。
【0089】
[第2実施形態の情報読取方法が奏する効果]
本実施形態の情報読取方法では、電波Rの照射領域400の第1方向D1(長手方向)は、工業用ベルト100の長手方向に沿う。そのため、照射領域400におけるRFIDタグ10の滞在時間を長くすることができる。よって、読み取り機200は、センサ15の測定情報を高い精度で読み取ることができる。
【0090】
本実施形態の情報読取方法では、RFIDタグ10は、往路範囲210の照射領域(図1に示す照射領域300を参照)においても、センサ15の測定情報を含む無線信号を送信することができる。そのため、往路範囲210と復路範囲220の両方からの無線信号を受信できる。よって、読み取り機200は、センサ15の測定情報の読み取り精度をさらに高めることができる。
【0091】
図4および図6に示すように、RFIDタグ10の基材11は、長手方向がベルト本体110の短手方向に沿うように配置されているため、ベルト長さ方向の基材11の寸法は小さい。したがって、工業用ベルト100に曲げが生じた場合でも基材11に加えられる力を抑制できる。基材11は、通常、放射素子17,18に比べて曲げ耐性が低いが、工業用ベルト100では、基材11に加えられる曲げ力が小さくなるため、基材11の破損は起こりにくい。
【0092】
RFIDタグ10は、放射素子17,18の平均延出方向がベルト本体110の長手方向に沿うように配置されている。そのため、放射素子17,18の長さに制約が少ない。RFIDタグ10では、放射素子17,18を長く形成することによって、通信性能を高めることができる。例えば、通信距離を長くすることができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されない。
図1に示す読み取り機200は、電波Rの照射源としての機能と、読み取り機としての機能とを併せ持つが、実施形態の情報読取方法では、読み取り機とは別に、専用の電波の照射源を用いることもできる。
【0094】
図7に示すように、RFIDタグ10の基材11は長方形状とされているが、基材の形状は長方形に限らない。基材の第1主面に沿う2つの方向(第3方向および第4方向)を想定する。第3方向と第4方向とは互いに直交する。基材は、第3方向の寸法と第4方向の寸法とが異なっていればよい。基材の平面視形状は、例えば、楕円形状、長円形状、角丸四角形状、多角形状などであってもよい。
【0095】
図4に示すRFIDタグ10では、アンテナ12の平均延出方向は、基材11の長手方向に交差する方向であるが、アンテナの平均延出方向は、基材の長手方向と同じ方向であってもよい。
【0096】
RFIDタグ10では、放射素子17,18の一部について平均延出方向がベルト本体110の短手方向に交差する方向とされているが、放射素子の全部について平均延出方向がベルト本体の短手方向に交差する方向であってもよい。RFIDタグ10は、基材11と、ICチップ13と、回路16と、アンテナ12とを備えるが、RFIDタグは、基材と、ICチップと、アンテナとを備えていてもよい。その場合、アンテナはICチップに直接、接続される。
【0097】
図3に示す工業用ベルト100は、歯部115を有する歯付きベルトである。工業用ベルト100は、歯部115が駆動プーリ101および従動プーリ102の噛合溝に噛み合うことで動力を伝達する。実施形態の工業用ベルトは、プーリとの間の摩擦力にて動力を伝達する摩擦伝動ベルトであってもよい。摩擦伝動ベルトとしては、例えば、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルト等がある。
【0098】
Vベルトは、ベルト長さ方向に直交するベルト本体断面が、外周面側から内周面側に向かって幅が狭くなる略台形状の摩擦伝動ベルトである。Vベルトは、内向きに突出した複数の突部を備えていてもよい。複数の突部は、ベルト長さ方向に一定のピッチで設けられている。隣り合う突部の間には凹部が形成される。突部は、ベルト幅方向に延びるように形成されていてもよいし、ベルト幅方向に対して斜めに延びるように形成されていてもよい。
【0099】
Vリブドベルトは、1または複数の突条部を備えている。突条部は内向きに突出し、かつベルト長さ方向にわたって形成される。突条部は、例えば、ベルト長さ方向に直交する断面が略台形状である。
平ベルトは、ベルト長さ方向に直交するベルト本体断面が、ベルト幅方向が厚さ方向よりも広い略長方形状の摩擦伝動ベルトである。
【0100】
実施形態の工業用ベルトは、ダブルコグベルトであってもよい。ダブルコグベルトは、内向きに突出し、かつベルト長さ方向に一定のピッチで設けられた突部を内周面側に有する。ダブルコグベルトは、外向きに突出し、かつベルト長さ方向に一定のピッチで設けられた突部を外周面側に有する。
【0101】
実施形態の工業用ベルトは、サーペンタインベルトであってもよい。サーペンタインベルトは、内向きに突出し、かつベルト長さ方向に一定のピッチで設けられた複数の突部を内周面側に有する。サーペンタインベルトは、外向きに突出し、かつベルト長さ方向にわたって形成された1または複数の突条部を外周面側に有する。
【0102】
実施形態の工業用ベルトは、伝動ベルトに限らず、物品を搬送する搬送ベルトであってもよい。
実施形態の工業用ベルトは、伝動ベルトまたは搬送ベルトとして用いられることが好ましいが、用途については特に限定されない。
【符号の説明】
【0103】
10…RFIDタグ(非接触型データ受送信体)、11…基材、12…アンテナ、13…ICチップ、15…センサ、100…工業用ベルト、100a…外面(主面)、101…駆動プーリ(第1プーリ)、102…従動プーリ(第2プーリ)、200…読み取り機(照射源)、300,400…照射領域、300a,400a…最外部、D1…第1方向(照射領域の長手方向)、D2…第2方向(照射領域の短手方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10