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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139296
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/10 20060101AFI20241002BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20241002BHJP
   A01G 13/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
F16B2/10 E
A01G9/14 K
A01G13/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050173
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000210975
【氏名又は名称】中央発条工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕一
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊彦
【テーマコード(参考)】
2B024
2B029
3J022
【Fターム(参考)】
2B024EC06
2B029CA09
3J022DA12
3J022EA41
3J022EB03
3J022EC02
3J022ED06
3J022FA01
3J022FB08
3J022FB12
3J022FB24
3J022HA05
3J022HB02
(57)【要約】
【課題】帯状物を簡単に固定でき、固定状態を維持し易い固定具を提供する。
【解決手段】固定具1は、第1の接触部2と、第2の接触部3と、接続型加圧部5とを備える。第2の接触部3は、所定の間隔を隔てて第1の接触部2と対向しており、第1の接触部2に弾性変形可能に連接されている。第1の接触部2は第1の平面状部分2Aを有し、第2の接触部3は第2の平面状部分3Aを有する。接続型加圧部5は略U字状の挟持部5Cを有し、第1の接触部2に回動可能に取付けられている。接続型加圧部5を回動させ、弾性変形して互いに近づいた第1の平面状部分2Aの一部と第2の平面状部分3Aの一部を挟持部5Cの内側に入り込ませて挟持し、第1の接触部2と第2の接触部3との間に配置された被固定物を固定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の部分を有する第1の接触部と、
該第1の接触部と対向しており、平面状の部分を有する第2の接触部と、
前記第1の接触部と前記第2の接触部とを一緒に、解除自在に挟持可能な加圧部とを備える
固定具。
【請求項2】
前記加圧部は、前記第1の接触部または前記第2の接触部に回動可能に取付けられた
請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記第1の接触部の平面状の部分の、前記第2の接触部へ向けられた面である第1の接触面または前記第2の接触部の平面状の部分の、前記第1の接触部へ向けられた面である第2の接触面の少なくとも1つに、複数の突起部が設けられた
請求項1に記載の固定具。
【請求項4】
前記突起部は、互いに形状が異なる複数の種類で構成された
請求項3に記載の固定具。
【請求項5】
前記第1の接触部と前記第2の接触部は、互いに所定の間隔を隔てて弾性変形可能に連接されており、
前記第1の接触部と前記第2の接触部との間の間隔は、長手方向へ延びた帯状物を配置可能な間隔であり、
前記第1の接触部及び前記第2の接触部それぞれの、互いに連接した箇所と連接した同箇所とは反対側とを結ぶ方向における平面状の部分の長さは、前記帯状物の長手方向と略直交する短手方向の長さである同帯状物の幅以上である
請求項1に記載の固定具。
【請求項6】
前記第1の接触部と前記第2の接触部は、互いに所定の間隔を隔てて弾性変形可能に連接されており、
前記第1の接触部と前記第2の接触部との間の間隔は、長手方向へ延びた帯状物を配置可能な間隔であり、
前記第1の接触部及び前記第2の接触部それぞれの、互いに連接した箇所と連接した同箇所とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向における平面状の部分の長さは、前記帯状物の長手方向と略直交する短手方向の長さである同帯状物の幅以上である
請求項1に記載の固定具。
【請求項7】
平面状の部分を有する本体部と、
所定の間隔を隔てて前記本体部と対向しており、同本体部に弾性変形可能に連接されており、平面状の部分を有する接触部と、
前記本体部と前記接触部とが連接した箇所とは反対側の同本体部の箇所から、同接触部を挟んで同本体部とは反対側の位置まで延びており、平面状の部分を有し、同接触部を加圧可能な加圧部とを備える
固定具。
【請求項8】
前記接触部の平面状の部分の、前記加圧部へ向けられた面である接触面または前記加圧部の平面状の部分の、前記接触部へ向けられた面である加圧面の少なくとも1つに、複数の突起部が設けられた
請求項7に記載の固定具。
【請求項9】
前記突起部は、互いに形状が異なる複数の種類で構成された
請求項8に記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固定具に関する。詳しくは、例えば帯状物を固定するための固定具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
ビニールハウスまたはプラスチックハウスと呼ばれる農業施設が、農作物を栽培するために設置され利用されている。
ビニールハウス(プラスチックハウス)は、躯体である複数の金属製パイプと、金属製パイプ全体を被覆した合成樹脂フィルムとで基本的に構成されている。
【0003】
また、金属製パイプは、アーチパイプと、母屋パイプと、妻柱と呼ばれるパイプと、妻梁と呼ばれるパイプと、側梁と呼ばれるパイプとで構成されている。
ここで、複数のアーチパイプが、ビニールハウスの長手方向へ一定の間隔を隔てて設置される。また、アーチパイプの湾曲部分がビニールハウスの天井部を構成し、直線部分がビニールハウスの側面を構成する。
また、直線状の母屋パイプが、複数のアーチパイプを横切るように天井部に設置される。
【0004】
また、直線状の妻柱が、ビニールハウスの長手方向の端部に位置する妻面において鉛直方向に設置され、アーチパイプを支える。
また、直線状の妻梁が、ビニールハウスの長手方向の端部に位置する妻面において水平方向に設置される。
また、直線状の側梁が、複数のアーチパイプを横切るように側面に設置される。
【0005】
また、金属製パイプ全体を被覆した合成樹脂フィルムが風などで飛ばされたり傷ついたりしないように、合成樹脂フィルムを外側から押さえるハウスバンドが使用されている。
ハウスバンドは主に、アーチパイプに沿ってアーチ状に配置され、アーチパイプ同士の間に位置する合成樹脂フィルムに押し当てられ、その端部が地面近くの側梁に結び付けられる。
【0006】
しかし、一つのビニールハウスについて、多数のハウスバンドが使用されるため、ハウスバンドの端部を側梁に結び付ける作業数や結び目を解く作業数も、その分多くなり、作業者の大きな負担となっていた。
【0007】
そこで、例えば特許文献1において、図9に示すような固定具が提案されていた。
すなわち、特許文献1に記載の固定具100は、1本の金属線材101がその中央部102で略U字状に折り曲げられ、2本の足部(103、104)が形成された構造を備える。
また、2本の足部(103、104)はさらに、中央部102と同一平面内で外側に略U字状に折り曲げられている。
【0008】
また、折り曲げられた金属線材101の先端部(107、108)は、図中の上方に幾分起立して形成されている。
また、足部(103、104)の略U字状の湾曲部(105、106)からそれぞれの金属線材101の先端部(107、108)までの長さに比較して、足部(103、104)の略U字状の湾曲部(105、106)から中央部102までの長さが長くなるように構成されている。
すなわち、特許文献1に記載の固定具100は、同一平面内において互いに平行な3つの突出部を備える。
【0009】
また、例えば非特許文献1において、図10(a)及び図10(b)に示すような固定具が提案されていた。
すなわち、非特許文献1に記載の固定具200は、本体201と、本体201から湾曲して延びたパイプ取付部202とを備える。
また、固定具200は、パイプ取付部202の、本体201と接続した箇所とは反対側の箇所に本体201と対向して取付けられた補助体203を備える。
【0010】
また、固定具200は、本体201の、パイプ取付部202と接続した箇所とは反対側の箇所に、回動可能に取付けられたストッパー部204とを備える。
ここで、ストッパー部204を回動したときに、本体201とストッパー部204との間に隙間205が形成されるようにする。
また、本体201には第1のバンド通し穴201Aが貫通して形成されており、補助体203には第2のバンド通し穴203Aが貫通して形成されている。
【0011】
また、固定具200を使用する場合は、図10(a)に示すように、パイプ取付部202を側梁パイプ210に嵌合させて固定具200を側梁パイプ210に取付ける。
次に、図10(b)に示すように、ハウスバンド211を、補助体203の第2のバンド通し穴203Aに通し(方向A)、そして本体201の第1のバンド通し穴201Aに通す(方向B)。
【0012】
第1のバンド通し穴201Aを通ったハウスバンド211を、本体201とストッパー部204との間の隙間205に通し(方向C)、そして第2のバンド通し穴203Aへ向けて延ばす(方向D)。
そして、再びハウスバンド211を第2のバンド通し穴203Aに通し(方向E)、最後にストッパー部204を回動させてハウスバンド211を固定する。
このとき、ストッパー部204は図10(a)に示す状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】実開昭61-117945号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】タキロンシーアイ株式会社アグリ事業部製品サイト、[online][令和5年2月28日検索]インターネット<https://www.tkci-agri.jp/product/purupuruwide_ex/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載の固定具100は、ハウスバンドを、湾曲部105から先端部107までの部分と湾曲部105から中央部102までの部分との間に形成された間隙、並びに湾曲部106から先端部108までの部分と湾曲部106から中央部102までの部分との間に形成された間隙に挟み、ハウスバンドを屈曲させて把持することで固定しているので、ハウスバンドに接触する部分を板状にすることはできるものの、板状の面積を大きくすると、ハウスバンドに接触する部分が弾性変形し難くなってしまってハウスバンドを間隙に挟み難くなるため、板状の面積をあまり大きくすることができない。その結果、ハウスバンドとの接触面積をあまり大きくすることができず、固定状態を維持し難いという問題があった。
【0016】
また、非特許文献1に記載の固定具200は、ハウスバンド211の固定状態を維持できるものの、何度もバンド通し穴にハウスバンド211を通す必要があり、ハウスバンドを固定する作業に手間がかかるという問題があった。
【0017】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、帯状物を簡単に固定でき、固定状態を維持し易い固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明の固定具は、平面状の部分を有する第1の接触部と、該第1の接触部と対向しており、平面状の部分を有する第2の接触部と、前記第1の接触部と前記第2の接触部とを一緒に、解除自在に挟持可能な加圧部とを備える。
【0019】
ここで、平面状の部分を有する第1の接触部と、第1の接触部と対向しており、平面状の部分を有する第2の接触部とによって、被固定物例えば帯状物を第1の接触部と第2の接触部との間に配置することができる。
【0020】
また、第1の接触部と第2の接触部とを一緒に、解除自在に挟持可能な加圧部によって、第1の接触部と第2の接触部と共に、第1の接触部と第2の接触部との間に配置された被固定物例えば帯状物をも解除自在に挟持して、第1の接触部を第2の接触部の方へ向けて、また、第2の接触部を第1の接触部の方へ向けて、それぞれを加圧できる。
【0021】
また、本発明の固定具において、加圧部は、第1の接触部または第2の接触部に回動可能に取付けられた構成とすることができる。
【0022】
この場合、加圧部が完全に第1の接触部または第2の接触部から分離した構成よりも、加圧部を紛失するおそれがないので、安心して第1の接触部と第2の接触部との間に配置された帯状物を挟持できる。
【0023】
また、本発明の固定具において、第1の接触部の平面状の部分の、前記第2の接触部へ向けられた面である第1の接触面または前記第2の接触部の平面状の部分の、前記第1の接触部へ向けられた面である第2の接触面の少なくとも1つに、複数の突起部が設けられた構成とすることができる。
【0024】
この場合、第1の接触部と第2の接触部との間に配置された帯状物に複数の突起部が押し当てられ、帯状物が微小変形して第1の接触部または第2の接触部との間に微小抵抗力が生じ、帯状物が動き難くなる。
【0025】
また、複数の突起部が設けられた本発明の固定具において、突起部は、互いに形状が異なる複数の種類で構成された構成とすることができる。
【0026】
この場合、複数の帯状物を挟持したときでも帯状物それぞれに対応して帯状物を微小変形させることができる。
【0027】
また、本発明の固定具において、第1の接触部と第2の接触部は、互いに所定の間隔を隔てて弾性変形可能に連接されており、第1の接触部と第2の接触部との間の間隔は、長手方向へ延びた帯状物を配置可能な間隔であり、第1の接触部及び第2の接触部それぞれの、互いに連接した箇所と連接した箇所とは反対側とを結ぶ方向における平面状の部分の長さは、帯状物の長手方向と略直交する短手方向の長さである帯状物の幅以上である構成とすることができる。
【0028】
この場合、第1の接触部と第2の接触部とが連接した箇所と連接した箇所とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向へ帯状物の長手方向を向けて、第1の接触部と第2の接触部との間に配置された帯状物を安定して挟持できる。
【0029】
また、本発明の固定具において、第1の接触部と第2の接触部は、互いに所定の間隔を隔てて弾性変形可能に連接されており、第1の接触部と第2の接触部との間の間隔は、長手方向へ延びた帯状物を配置可能な間隔であり、第1の接触部及び第2の接触部それぞれの、互いに連接した箇所と連接した箇所とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向における平面状の部分の長さは、帯状物の長手方向と略直交する短手方向の長さである帯状物の幅以上である構成とすることができる。
【0030】
この場合、第1の接触部と第2の接触部とが連接した箇所と連接した箇所とは反対側とを結ぶ方向へ帯状物の長手方向を向けて、第1の接触部と第2の接触部との間に配置された帯状物を安定して挟持できる。
【0031】
また、上記の目的を達成するために、本発明の固定具は、平面状の部分を有する本体部と、所定の間隔を隔てて前記本体部と対向しており、同本体部に弾性変形可能に連接されており、平面状の部分を有する接触部と、前記本体部と前記接触部とが連接した箇所とは反対側の同本体部の箇所から、同接触部を挟んで同本体部とは反対側の位置まで延びており、平面状の部分を有し、同接触部を加圧可能な加圧部とを備える。
【0032】
ここで、本体部に弾性変形可能に連接されており、平面状の部分を有する接触部と、本体部と接触部とが連接した箇所とは反対側の本体部の箇所から、接触部を挟んで本体部とは反対側の位置まで延びており、平面状の部分を有し、接触部を加圧可能な加圧部とによって、接触部に付勢力が生じて加圧部と常に接した状態となるので、接触部の平面状の部分と加圧部の平面状の部分との間に被固定物例えば帯状物を挿入して帯状物を挟持し、帯状物と接触部を加圧できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る固定具は、帯状物を簡単に固定でき、固定状態を維持し易い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明を適用した第1の実施形態の固定具の固定前の状態を示す概略図(a)、及び本発明を適用した第1の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図(b)である。
図2】本発明を適用した第2の実施形態の固定具の固定前の状態を示す概略図(a)、及び本発明を適用した第2の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図(b)である。
図3】本発明を適用した第1の実施形態の固定具によって、折り返されて重なった一つのハウスバンドを固定した状態の一例を示す概略図である。
図4】本発明を適用した第1の実施形態の固定具によって、端部が互いに向き合った複数のバンドを固定した状態の一例を示す概略図である。
図5】本発明を適用した第1の実施形態の固定具によって、延びた方向が互いに略直交した複数のバンドを固定した状態の一例を示す概略図である。
図6】本発明を適用した第3の実施形態の固定具の固定前の状態を示す概略図(a)、及び本発明を適用した第3の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図(b)である。
図7】本発明を適用した第4の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図である。
図8】本発明を適用した固定具に設けられる様々な形状の突起部の一例を示す概略図である。
図9】従来の固定具を示す概略図である。
図10】側梁パイプに取付けられた従来の別の固定具を示す概略図(a)、及び従来の別の固定具にハウスバンドが通される様子を示す概略図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1(a)は、本発明を適用した第1の実施形態の固定具の固定前の状態を示す概略図であり、図1(b)は、本発明を適用した第1の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図である。
【0036】
図1(a)に示す本発明の固定具1は、第1の接触部2を備える。
ここで、第1の接触部2は、第1の平面状部分2Aを有する。
また、第1の接触部2は、第1の平面状部分2Aから湾曲して延びた第1の湾曲状部分2Eを有する。
【0037】
また、本発明の固定具1は、第2の接触部3を備える。
ここで、第2の接触部3は、第2の平面状部分3Aを有する。
また、第2の接触部3は、第2の平面状部分3Aから湾曲して延びた第2の湾曲状部分3Dを有する。
【0038】
また、第1の接触面2Bは、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aの面であり、第2の接触部3へ向けられた面である。
また、第2の接触面3Bは、第2の接触部3の第2の平面状部分3Aの面であり、第1に接触部2へ向けられた面である。
【0039】
また、第2の接触部3は、所定の間隔を隔てて第1の接触部2と対向しており、また、第2の接触部3の第2の湾曲状部分3Dが、第1の接触部2の第1の湾曲状部分2Eに弾性変形可能に連接されている。
また、第1の接触部2と第2の接触部3は互いに、対向し所定の間隔を隔てて弾性変形可能に連接されているので、力が加えられて互いに近づくと、元の位置に戻ろうとする付勢力が発生する。
【0040】
ここで、図1に示すように、第1の湾曲状部分2Eの湾曲方向は、第2の湾曲状部分3Dの湾曲方向とは反対の方向であり、第1の湾曲状部分2Eと第2の湾曲状部分3Dとで筒状を成している。
また、連接箇所4は、第1の接触部2と第2の接触部3との間に拡がる仮想平面内に位置している。
【0041】
また、第1の接触部2及び第2の接触部3は、1枚の金属板を加工して形成されているが、必ずしもこのような加工に限定されるものではなく、第1の接触部2と第2の接触部3とを溶接などで弾性変形可能に連接させることもできる。
また、第1の接触部2は、必ずしも第1の湾曲状部分2Eを有していなくてもよく、第2の接触部3は、必ずしも第2の湾曲状部分3Dを有していなくてもよい。
【0042】
また、第1の接触部2と第2の接触部3との間の間隔は、長手方向へ延びたハウスバンドを配置可能な間隔である。
ここで、ハウスバンドは帯状物の一例である。
【0043】
また、連接箇所4と連接箇所4とは反対側とを結ぶ方向における、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
また、連接箇所4と連接箇所4とは反対側とを結ぶ方向における、第2の接触部3の第2の平面状部分3Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
【0044】
また、連接箇所4と連接箇所4とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向における、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
また、連接箇所4と連接箇所4とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向における、第2の接触部3の第2の平面状部分3Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
【0045】
また、本発明の固定具1は、接続型加圧部5を備える。
また、接続型加圧部5は1本の金属線で構成されており、一端から所定の範囲に平坦状の平坦部5Aを有する。
ここで、接続型加圧部5の金属線の一端から所定の範囲の部分は、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aに形成された貫通穴2Dに挿通されており、一端から所定の範囲の部分が貫通穴2Dから抜けないように、この部分に平坦部5Aが設けられている。
すなわち、平坦部5Aが延びた方向に対して略直交する方向であって平坦部5Aを横切る方向の長さは、貫通穴2Dの内径よりも大きくなっているので、貫通穴2Dを通り抜けることはない。
【0046】
また、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aの面積は、第2の接触部3の第2の平面状部分3Aの面積よりも大きくなっている。
従って、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aとが重なった状態のときに、第1の平面状部分2Aの一部は重ならず、この部分に貫通穴2Dが形成されている。
【0047】
また、接続型加圧部5は、アーム部5Bを有する。
ここで、アーム部5Bは平坦部5Aから延びており、平坦部5Aが延びた方向と同じ方向へ延びた部分と、この部分から湾曲して平坦部5Aに対して略直交する方向へ延びた部分とで構成されている。
また、アーム部5Bは、平坦部5Aに対して略直交する方向へ延びているので、アーム部5Bが第1の接触部2の第1の平面状部分2Aに当たり、第1の平面状部分2Aに対して略直交する方向への平坦部5Aの動きを抑制できる。
すなわち、アーム部5Bも貫通穴2Dを通り抜けることはなく、接続型加圧部5は、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aから外れることはない。
【0048】
また、アーム部5Bの、平坦部5Aが延びた方向と同じ方向へ延びた部分を中心として、接続型加圧部5は、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aに対して略平行な仮想平面内において回動することができる。
すなわち、接続型加圧部5は、第1の接触部2に回動可能に取付けられている。
【0049】
また、接続型加圧部5は、挟持部5Cを有する。
ここで、挟持部5Cは、アーム部5Bから略U字状に延びている。
また、挟持部5Cは、アーム部5Bが位置する仮想平面に対して略直交する仮想平面内に位置しており、平坦部5Aが延びた方向と同じ方向に対して略直交する方向へ湾曲している。
【0050】
また、接続型加圧部5は、引掛部5Dを有する。
ここで、引掛部5Dは、挟持部5Cと同一の仮想平面内に位置しており、挟持部5Cから斜めに延びている。
【0051】
また、接続型加圧部5は、第1の接触部2と第2の接触部3とを一緒に、解除自在に挟持可能である。
すなわち、図1(b)に示すように、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aとが互いに近づく方向へ連接箇所4を弾性変形させ、第1の平面状部分2Aと第2の平面状部分3Aとが互いに近づいた状態で接続型加圧部5を回動させて、略U字状の挟持部5Cの内側に第1の平面状部分2Aの一部と第2の平面状部分3Aの一部とを入り込ませ、挟持部5Cが第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aとを挟持し、第1の接触部2と第2の接触部3を加圧する。
【0052】
また、挟持を解除する場合は、引掛部5Dを指などで押して、挟持するときと反対方向へ接続型加圧部5を回動させ、挟持部5Cの内側から第1の平面状部分2Aの一部と第2の平面状部分3Aの一部とを出す。
【0053】
図2(a)は、本発明を適用した第2の実施形態の固定具の固定前の状態を示す概略図であり、図2(b)は、本発明を適用した第2の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図である。
【0054】
図2(a)に示す本発明の固定具21は、第1の接触部22を備える。
ここで、第1の接触部22は、第1の平面状部分22Aを有する。
また、第1の接触部22は、第1の平面状部分22Aから湾曲して延びた第1の湾曲状部分22Dを有する。
【0055】
また、本発明の固定具21は、第2の接触部23を備える。
ここで、第2の接触部23は、第2の平面状部分23Aを有する。
また、第2の接触部23は、第2の平面状部分23Aから湾曲して延びた第2の湾曲状部分23Dを有する。
【0056】
また、第1の接触面22Bは、第1の接触部22の第1の平面状部分22Aの面であり、第2の接触部23へ向けられた面である。
また、第2の接触面23Bは、第2の接触部23の第2の平面状部分23Aの面であり、第1の接触部22へ向けられた面である。
【0057】
また、第2の接触部23は、所定の間隔を隔てて第1の接触部22と対向しており、また、第2の接触部23の第2の湾曲状部分23Dが、第1の接触部22の第1の湾曲状部分22Dに弾性変形可能に連接されている。
【0058】
ここで、図2に示すように、第1の湾曲状部分22Dの湾曲方向は、第2の湾曲状部分23Dの湾曲方向とは反対の方向であり、第1の湾曲状部分22Dと第2の湾曲状部分23Dとで筒状を成している。
また、連接箇所24は、第1の接触部22と第2の接触部23との間に拡がる仮想平面内に位置している。
【0059】
また、第1の接触部22と第2の接触部23との間の間隔は、ハウスバンドを配置可能な間隔である。
【0060】
また、連接箇所24と連接箇所24とは反対側とを結ぶ方向における、第1の接触部22の第1の平面状部分22Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
また、連接箇所24と連接箇所24とは反対側とを結ぶ方向における、第2の接触部23の第2の平面状部分23Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
【0061】
また、連接箇所24と連接箇所24とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向における、第1の接触部22の第1の平面状部分22Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
また、連接箇所24と連接箇所24とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向における、第2の接触部23の第2の平面状部分23Aの長さは、ハウスバンドの長手方向と略直交する短手方向の長さであるハウスバンドの幅以上である。
【0062】
また、本発明の第2の実施形態の固定具21において、第1の接触部22の第1の平面状部分22Aの面積と第2の接触部23の第2の平面状部分23Aの面積は同じである。
【0063】
また、本発明の固定具21は、分離型加圧部25を備える。
また、分離型加圧部25は1枚の金属板で構成されており、略U字状に湾曲した挟持部25Aを有する。
【0064】
また、分離型加圧部25は、引掛部25Bを有する。
ここで、引掛部25Bは、挟持部25Aの一方の縁部から、他方の縁部とは反対側へ向けて斜めに延びている。
【0065】
また、分離型加圧部25は、本発明の第1の実施形態の固定具1が備える接続型加圧部5とは異なり、第1の接触部22にも第2の接触部23にも取付けられていない。
なお、分離型加圧部25は、第1の接触部22、第2の接触部23のいずれかに取付けることも可能である。
【0066】
また、分離型加圧部25は、第1の接触部22と第2の接触部23とを一緒に、解除自在に挟持可能である。
すなわち、図2(b)に示すように、第1の接触部22の第1の平面状部分22Aと第2の接触部23の第2の平面状部分23Aとが互いに近づく方向へ連接箇所24を弾性変形させ、第1の平面状部分22Aと第2の平面状部分23Aとが互いに近づいた状態で、略U字状の挟持部25Aの内側に第1の平面状部分22Aの一部と第2の平面状部分23Aの一部とを入り込ませ、挟持部25Aが第1の平面状部分22Aと第2の平面状部分23Aとを挟持する。
【0067】
また、挟持を解除する場合は、引掛部25Bを指などで押して、分離型加圧部25を第1の接触部22及び第2の接触部23から離れる方向へ動かし、挟持部25Aの内側から第1の平面状部分22Aの一部と第2の平面状部分23Aの一部とを出す。
【0068】
図3は、本発明を適用した第1の実施形態の固定具によって、折り返されて重なった一つのハウスバンドを固定した状態の一例を示す概略図である。
すなわち、ハウスバンド10は、ビニールハウスのアーチパイプに沿ってアーチ状に配置されたものであり、その一部が地面近くの側梁パイプ14に巻き付けられており、ハウスバンド10の端部と本体部とが重ねられ、重なった端部と本体部とが一緒に、本発明の固定具1によって挟持されて固定されている状態である。
【0069】
このとき、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aとによる面圧で、ハウスバンド10との間に摩擦抵抗を生じさせてハウスバンド10を固定している。
【0070】
ここで、ハウスバンド10を、ビニールハウスのアーチパイプに沿ってアーチ状に配置し、ハウスバンド10の所定の範囲の両端側部分を、ビニールハウスの両側面の地面近くに設置された側梁パイプ14の外周に巻き付ける。
そして、ハウスバンド10の端部と本体部とが重なった部分が、本発明の固定具1の第1の接触部2と第2の接触部3との間に配置されるように、本発明の固定具1をハウスバンド10に近づける。
このとき、ハウスバンド10の長手方向が、連接箇所4と連接箇所4とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向と同じになるようにする。
【0071】
さらに、使用者が指などで第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aを押して、第1の平面状部分2Aと第2の平面状部分3Aとが互いに近づく方向へ連接箇所4を弾性変形させる。
そして、第1の平面状部分2Aと第2の平面状部分3Aとが互いに近づいた状態で接続型加圧部5を回動させ、略U字状の挟持部5Cの内側に第1の平面状部分2Aの一部と第2の平面状部分3Aの一部とを入り込ませて、挟持部5Cで第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aとを挟持する。
その結果、ハウスバンド10の重なった端部と本体部とを一緒に、本発明の固定具1によって固定できる。
【0072】
また、本発明の第1の実施形態の固定具1を使用してハウスバンド10を固定する例を説明したが、本発明の第2の実施形態の固定具21を使用して、同様にハウスバンド10を固定できることは勿論である。
【0073】
また、本発明の固定具(1、21)は、ビニールハウスに使用されるハウスバンド10に限らず、帯状物である一般的なバンドを固定できることは勿論である。
図4は、本発明を適用した第1の実施形態の固定具によって、端部が互いに向き合った複数のバンドを固定した状態の一例を示す概略図である。
すなわち、長手方向へ延びた、第1のバンド11、第2のバンド12及び第3のバンド13それぞれの少なくとも一端が互いに同一の仮想平面内に位置しており、互いに向き合った、第1のバンド11の一端と、第2のバンド12の一端及び第3のバンド13の一端とが一緒に、本発明の固定具1によって固定されている状態である。
【0074】
ここで、第2のバンド12の一端と第3のバンド13の一端は互いに向き合っておらず、第2のバンド12と第3のバンド13は互いに略平行に配置されている。
また、第2のバンド12の長手方向と略直交する短手方向の長さと、第3のバンド13の長手方向と略直交する短手方向の長さとを合わせた長さよりも、第1のバンド11の長手方向と略直交する短手方向の長さの方が長いが、これに限定されないことは勿論である。
また、第1のバンド11の一端と、第2のバンド12の一端及び第3のバンド13の一端とが互いに向き合っている。
【0075】
このように、第1のバンド11の一端、第2のバンド12の一端及び第3のバンド13の一端を互いに結び付けなくても、本発明の固定具1によってこれら一端を固定することで、第1のバンド11と第2のバンド12と第3のバンド13とが互いに連結した状態と同じ状態にすることができる。
また、本発明の固定具1は、第2のハンド12や第3のバンド13の代わりに、別の帯状物の一端を固定できることは勿論である。
【0076】
図5は、本発明を適用した第1の実施形態の固定具によって、延びた方向が互いに略直交した複数のバンドを固定した状態の一例を示す概略図である。
すなわち、長手方向へ延びた、第2のバンド12の少なくとも一端と第3のバンド13の少なくとも本体部の一部が互いに同一の仮想平面内に位置しており、第3のバンド13の本体部の一部へ向けられた第2のバンド12の一端と、第3のバンド13の本体部の一部とが一緒に、本発明の固定具1によって挟持されて固定されている状態である。
【0077】
ここで、第2のバンド12と第3のバンド13は、平面視したときに略T字状に配置されている。
このとき、第3のバンド13の長手方向は、連接箇所4と連接箇所4とは反対側とを結ぶ方向に対して略直交する方向と同じである。
【0078】
このように、第3のバンド13の本体部に、第2のバンド12の一端を結び付けなくても、本発明の固定具1によって第3のバンド13の本体部の一部へ向けられた第2のバンド12の一端と第3のバンド13の本体部の一部とを一緒に固定することで、第2のバンド12と第3のバンド13とが互いに連結した状態と同じ状態にすることができる。
【0079】
図6(a)は、本発明を適用した第3の実施形態の固定具の固定前の状態を示す概略図であり、図6(b)は、本発明を適用した第3の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図である。
【0080】
図6(a)及び図6(b)に示す本発明の固定具31は、第1の接触部32を備える。
ここで、第1の接触部32は、第1の平面状部分32Aを有する。
また、第1の接触部32は、第1の平面状部分32Aの両縁部から突出した一対の第1の支持壁32Cを有する。
【0081】
また、本発明の固定具31は、第2の接触部33を備える。
ここで、第2の接触部33は、第2の平面状部分33Aを有する。
また、第2の接触部33は、第2の平面状部分33Aの両縁部から突出した一対の第2の支持壁33Cを有する。
【0082】
また、第1の接触部32と第2の接触部33は互いに対向している。
また、第1の接触部32と第2の接触部33は互いに連接されておらず、分離している。
【0083】
また、第1の接触面32Bは、第1の接触部32の第1の平面状部分32Aの面であり、第2の接触部33へ向けられた面である。
また、第2の接触面33Bは、第2の接触部33の第2の平面状部分33Aの面であり、第1の接触部32へ向けられた面である。
【0084】
また、本発明の固定具31は、組立型加圧部35を備える。
また、組立型加圧部35は、挟持部35Aを有する。
ここで、挟持部35Aは、一枚の金属板で構成されており、2箇所が屈曲されて縁部が対向している。
また、挟持部35Aは弾性変形可能である。
【0085】
また、挟持部35Aは、対向した縁部の間に配置された、第1の接触部32の第1の平面状部分32Aと第2の接触部33の第2の平面状部分33Aを挟持可能である。
このとき、図6(b)に示すように、第1の接触部32の第1の平面状部分32Aと第2の接触部33の第2の平面状部分33Aは互いに接しており、第1の接触部32と第2の接触部33を加圧している。
【0086】
また、組立型加圧部35は、保持部35Bを有する。
ここで、保持部35Bは、挟持部35Aの対向した縁部それぞれに一対で設けられており、金属線など棒状物を挿通できるよう筒状を成している。
【0087】
また、組立型加圧部35は、一対の開閉レバー35Cを有する。
ここで、開閉レバー35Cは、1本の金属線で構成されており、摘み部35Dと、摘み部35Dから延びた一対のアーム部35Eと、アーム部35Eから略直角に延びた回動軸部35Fとを有する。
また、回動軸部35Fが保持部35Bに挿通され、一対の開閉レバー35Cが挟持部35Aに回動可能に取付けられている。
【0088】
また、保持部35Bに挿通された回動軸部35Fが、さらに第1の支持壁32Cに形成された貫通穴と第2の支持壁33Cに形成された貫通穴に挿通され、一対の開閉レバー35Cが第1の接触部32の第1の平面状部分32A及び第2の接触部33の第2の平面状部分33Aに回動可能に取付けられている。
【0089】
従って、一対の開閉レバー35Cの摘み部35Dを指36で挟んで互いに近づく方へ押すことで、挟持部35Aが弾性変形し、対向した縁部が互いに離れる方向へ動くことで、図6(a)に示すように第1の接触部32の第1の平面状部分32Aと第2の接触部33の第2の平面状部分33Aとが引き離され、第1の平面状部分32と第2の平面状部分33Aとの間に空間が生じる。
このとき、挟持部35Aによる挟持は解除され、挟持部35Aには、対向した縁部が元の位置に戻ろうとする付勢力が生じている。
【0090】
第1の接触部32の第1の平面状部分32Aと第2の接触部33の第2の平面状部分33Aとの間に生じた空間に、被固定物例えばハウスバンドを配置し、摘み部35Dから指36を離すと、挟持部35Aに生じた付勢力によって、挟持部35Aが第1の平面状部分32と第2の平面状部分33Aを加圧し、ハウスバンドを固定できる。
【0091】
つまり、自由状態で第1の接触面32Bと第2の接触面33Bは互いに、常に弾性的に加圧接触されており、ハウスバンドなどの帯状物が第1の接触面32Bと第2の接触面33Bの間に挿入されると、帯状物の厚みの分が更に加圧され、弾性負荷勢力が増加される。
【0092】
図7は、本発明を適用した第4の実施形態の固定具の固定状態を示す概略図である。
図7に示す本発明の固定具41は、本体部42を備える。
ここで、本体部42は、第1の平面状部分42Aを有する。
また、本体部42は、第1の平面状部分42Aから湾曲して延びた第1の湾曲状部分42Bを有する。
【0093】
また、本発明の固定具41は、接触部43を備える。
ここで、接触部43は、第2の平面状部分43Aを有する。
また、接触部43は、第2の平面状部分43Aから湾曲して延びた第2の湾曲状部分43Dを有する。
【0094】
また、接触部43は、所定の間隔を隔てて本体部42と対向しており、また、接触部43の第2の湾曲状部分43Dが、本体部42の第1の湾曲状部分42Bに弾性変形可能に連接されている。
また、本体部42と接触部43は互いに対向し、所定の間隔を隔てて弾性変形可能に連接されているので、力が加えられて互いに近づくと、元の位置に戻ろうとする付勢力が発生する。
【0095】
ここで、図7に示すように、第1の湾曲状部分42Bの湾曲方向は、第2の湾曲状部分43Dの湾曲方向とは反対の方向であり、第1の湾曲状部分42Bと第2の湾曲状部分43Dとで筒状を成している。
また、連接箇所44は、本体部42と接触部43との間に拡がる仮想平面内に位置している。
【0096】
また、本発明の固定具41は、一体型加圧部45を備える。
ここで、一体型加圧部45は、連接箇所44とは反対側の本体部42の箇所から、接触部43を挟んで本体部42とは反対側の位置まで延びている。
すなわち、一体型加圧部45は、連接箇所44とは反対側の接触部43の縁部に対向する本体部42の箇所から延びている。
【0097】
また、一体型加圧部45は、第1の湾曲状部分42B及び第2の湾曲状部分43Dとは反対側に位置する第3の湾曲状部分45Bを有し、さらに、第3の湾曲状部分45Bから延びた第3の平面状部分45Aを有する。
また、第3の湾曲状部分45Bに、貫通穴45Cが形成されている。
【0098】
ここで、第3の湾曲状部分45Bは、連接箇所44とは反対側の接触部43の縁部に対向する本体部42の箇所から、接触部43の当該縁部近くの第2の平面状部分43Aまでの領域である。
すなわち、第3の湾曲状部分45Bの一部は、第2の平面状部分43Aの一部と対向している。
【0099】
また、接触部43は、連接箇所44とは反対側の縁部から突出した突出部43Cを有する。
また、接触部43の突出部43Cは、一体型加圧部45の貫通穴45Cに挿通されている。
【0100】
また、一体型加圧部45の第3の平面状部分45Aは、接触部43の第2の平面状部分43Aと対向しており、接触部43の第2の平面状部分43Aを加圧している。
【0101】
また、一体型加圧部45の第3の平面状部分45Aが接触部43の第2の平面状部分43Aを加圧しているので、接触部43に付勢力が生じて、第2の平面状部分43Aの、第3の平面状部分45Aへ向けられた面である接触面と、第3の平面状部分45Aの、第2の平面状部分43Aへ向けられた面である加圧面とが常に接した状態となっている。
このとき、接触部43の第2の平面状部分43Aも、付勢力によって第3の平面状部分45Aを加圧している。
【0102】
つまり、自由状態で第2の平面状部分43Aと第3の平面状部分45Aは互いに、常に弾性的に加圧接触されており、ハウスバンドなどの帯状物が第2の平面状部分43Aと第3の平面状部分45Aの間に挿入されると、帯状物の厚みの分が更に加圧され、弾性負荷勢力が増加される。
【0103】
また、被固定物例えばハウスバンドを、第2の湾曲状部分43Dに沿って滑らせて、第2の平面状部分43Aと第3の平面状部分45Aの間に挿入する。
このとき、第2の接触部43の突出部43Cを指で押すことで、第2の平面状部分43Aと第3の平面状部分45Aの間に隙間が生じ、ハウスバンドをさらに挿入し易くなる。
また、ハウスバンドが第2の平面状部分43Aや第3の平面状部分45Aに張り付いたときなどにおいて、第2の接触部43の突出部43Cを指で押すことで、ハウスバンドを第2の平面状部分43Aと第3の平面状部分45Aの間から取外し易くなる。
【0104】
図8は、本発明を適用した固定具に設けられる様々な形状の突起部の一例を示す概略図である。
すなわち、図8(a)は、円錐形状の第1の突起部50Aを示す概略図である。
また、図8(b)は、ドーム形状の第2の突起部50Bを示す概略図である。
また、図8(c)は、三角錐形状の第3の突起部50Cを示す概略図である。
また、図8(d)は、四角錐台形状の第4の突起部50Dを示す概略図である。
また、図8(e)は、筒形状の第5の突起部50Eを示す概略図である。
また、図8(f)は、四角柱形状の第6の突起部50Fを示す概略図である。
【0105】
ここで、一例として、本発明の第1の実施形態の固定具1が備える第1の接触部2の第1の接触面2Bに設けられる様々な種類の突起部を示す。
また、突起部の形状は、図8(a)~図8(f)に示す形状に限定されないことは勿論である。
【0106】
このような複数の突起部が、ハウスバンドなどの帯状物と接する第1の接触面2Bに設けられるので、帯状物に複数の突起部が押し当てられ、帯状物が微小変形して帯状物と第1の接触面2Bとの間に微小抵抗力が生じ、突起部が設けられていない場合よりも帯状物が動き難くなる。
【0107】
また、本発明の第1の実施形態の固定具1が備える第2の接触部3の第2の接触面3B、本発明の第2の実施形態の固定具21が備える第1の接触部22の第1の接触面22Bと第2の接触部23の第2の接触面23B、本発明の第3の実施形態の固定具31が備える第1の接触部32の第1の接触面32Bと第2の接触部33の第2の接触面33B、並びに本発明の第4の実施形態の固定具41が備える接触部43の接触面と一体型加圧部45の加圧面にも同様に、図8(a)~図8(f)に示す突起部を設けることができるのは勿論である。
【0108】
また、1つの面例えば第1の接触面2Bに1種類の突起部が複数設けられてもよいし、第1の接触面2Bに複数種類の突起部が複数設けられてもよい。
【0109】
また、例えば図8(f)に示す四角柱形状の第6の突起部50Fを、第1の接触面2Bの一方の縁部から反対側の他方の縁部まで延びるように、かつ、互いに所定の間隔を隔てて略平行になるように複数設けることで、第6の突起部50F同士の間に複数のスリットを形成することができる。
また、第6の突起部50F同士の間にスリットを形成できるのであれば、どのように第6の突起部50Fを設けてもよく、例えば第1の接触面2Bの縁部に対して斜めに延びるように第6の突起部50Fを設けてもよい。
【0110】
以上のように、本発明の固定具1は、第1の平面状部分2Aを有する第1の接触部2と、第2の平面状部分3Aを有する第2の接触部3とを備えるので、ハウスバンド10などの帯状物を、第1の接触部2と第2の接触部3との間に配置することができる。
また、本発明の固定具1は、接続型加圧部を備えるので、第1の接触部2と第2の接触部3と共に、第1の接触部2と第2の接触部との間に配置されたハウスバンド10などの帯状物をも解除自在に挟持できる。
【0111】
従って、本発明の固定部1は、第1の接触部2の第1の平面状部分2Aと第2の接触部3の第2の平面状部分3Aとを加圧してハウスバンド10などの帯状物に押し当てた状態で、これらを一緒に挟持するので、帯状物を簡単に固定でき、固定状態を維持し易いという効果を奏する。
【符号の説明】
【0112】
1 固定具
2 第1の接触部
2A 第1の平面状部分
2B 第1の接触面
2D 貫通穴
2E 第1の湾曲状部分
3 第2の接触部
3A 第2の平面状部分
3B 第2の接触面
3D 第2の湾曲状部分
4 連接箇所
5 接続型加圧部
5A 平坦部
5B アーム部
5C 挟持部
5D 引掛部
10 ハウスバンド
11 第1のバンド
12 第2のバンド
13 第3のバンド
14 側梁パイプ
21 固定具
22 第1の接触部
22A 第1の平面状部分
22B 第1の接触面
22D 第1の湾曲状部分
23 第2の接触部
23A 第2の平面状部分
23B 第2の接触面
23D 第2の湾曲状部分
24 連接箇所
25 分離型加圧部
25A 挟持部
25B 引掛部
31 固定具
32 第1の接触部
32A 第1の平面状部分
32B 第1の接触面
32C 第1の支持壁
33 第2の接触部
33A 第2の平面状部分
33B 第2の接触面
33C 第2の支持壁
35 組立型加圧部
35A 挟持部
35B 保持部
35C 開閉レバー
35D 摘み部
35E アーム部
35F 回動軸部
36 指
41 固定具
42 本体部
42A 第1の平面状部分
42B 第1の湾曲状部分
43 接触部
43A 第2の平面状部分
43C 突出部
43D 第2の湾曲状部分
44 連接箇所
45 一体型加圧部
45A 第3の平面状部分
45B 第3の湾曲状部分
45C 貫通穴
50A 第1の突起部
50B 第2の突起部
50C 第3の突起部
50D 第4の突起部
50E 第5の突起部
50F 第6の突起部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10