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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139297
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品供給方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050174
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】松岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】長澤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】長江 和男
(72)【発明者】
【氏名】今福 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓之
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BB05
5E353EE37
5E353HH08
5E353HH34
5E353JJ08
5E353NN02
5E353NN03
5E353NN08
5E353PP01
5E353PP02
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】汎用性を向上させた部品供給装置および部品供給方法を提供すること。
【解決手段】アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連を供給方向にピッチ送りする部品供給装置は、アキシャル部品のリードに接触して供給方向に移動させる第1送り爪および第2送り爪と、第1送り爪および第2送り爪を供給方向に沿って所定のストローク量で往復移動させる駆動部と、を備え、複数のアキシャル部品をストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードを有し、第1部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、第1送り爪と第2送り爪が交互にアキシャル部品のリードに接触するように、第1送り爪と第2送り爪を供給方向に沿ってずらして配置した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連を供給方向にピッチ送りする部品供給装置であって、
アキシャル部品のリードに接触して前記供給方向に移動させる第1送り爪および第2送り爪と、前記第1送り爪および前記第2送り爪を前記供給方向に沿って所定のストローク量で往復移動させる駆動部と、を備え、
複数のアキシャル部品を前記ストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードを有し、
前記第1部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と前記第2送り爪が交互にアキシャル部品のリードに接触するように、前記第1送り爪と前記第2送り爪を前記供給方向に沿ってずらして配置した、
部品供給装置。
【請求項2】
複数のアキシャル部品を前記ストローク量以下のピッチで配列したテーピング部品連を供給する第2部品供給モードを有し、
前記第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、少なくとも前記第1送り爪をアキシャル部品のリードに接触させる、
請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記第2送り爪は、着脱可能である、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と前記第2送り爪の両方がアキシャル部品のリードに接触する、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記第1送り爪がリードに接触する第1接触位置と、前記第2送り爪がリードに接触する第2接触位置は、リードが延びる軸方向において異なる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記第1接触位置は、前記第2接触位置よりもアキシャル部品の部品本体部から遠い、請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記第2送り爪に対して前記供給方向に沿ってずらして配置した第3送り爪をさらに備え、
前記第3送り爪は、前記第1部品供給モードにおいて前記第1送り爪とともにアキシャル部品のリードに接触する、請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記第3送り爪がリードに接触する第3接触位置は、前記第2接触位置と前記軸方向で重なる、請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項9】
テーピング部品連を切断するための切断部をさらに備え、
前記第3送り爪は、前記切断部がテーピング部品連を切断する切断位置の直前に設けられる、請求項7に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記第1送り爪は、前記第3送り爪とともに前記切断位置の直前に設けられる、請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記ストローク量は、前記第1部品供給モードにおけるアキシャル部品のピッチの半分以上であり、且つピッチよりも短い、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記第1送り爪および前記第2送り爪は、アキシャル部品の2本のリードに接触するように一対ずつ設けられる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項13】
アキシャル部品のリードに接触する第1送り爪および第2送り爪を所定のストローク量で往復移動させることで、アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連をピッチ送りする部品供給方法であって、
複数のアキシャル部品を前記ストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と前記第2送り爪を交互にアキシャル部品のリードに接触させる、
部品供給方法。
【請求項14】
複数のアキシャル部品を前記ストローク量以下のピッチで配列したテーピング部品連を供給する第2部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、少なくとも前記第1送り爪をアキシャル部品のリードに接触させる、
請求項13に記載の部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アキシャル部品を供給する部品供給装置および部品供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アキシャル部品は、部品供給装置によって部品挿入装置に供給される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の部品供給装置は、アキシャル部品のリードの両端部をテープによって保持したテーピング部品連の形態で部品挿入装置に供給する。部品供給装置は、部品の供給方向に沿って往復駆動される複数の送り爪を有し、複数の送り爪が部品供給方向に進む際にアキシャル部品のリードに接触することで、テーピング部品連をピッチ送りする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-158263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の部品供給装置では、テーピング部品連における複数のアキシャル部品同士のピッチが変更になると、送り爪の配置を変更する必要がある等、汎用性という観点で改善の余地があった。
【0006】
従って、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、汎用性を向上させることができる部品供給装置および部品供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本開示の部品供給装置は、アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連を供給方向にピッチ送りする部品供給装置であって、アキシャル部品のリードに接触して前記供給方向に移動させる第1送り爪および第2送り爪と、前記第1送り爪および前記第2送り爪を前記供給方向に沿って所定のストローク量で往復移動させる駆動部と、を備え、複数のアキシャル部品を前記ストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードを有し、前記第1部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と前記第2送り爪が交互にアキシャル部品のリードに接触するように、前記第1送り爪と前記第2送り爪を前記供給方向に沿ってずらして配置した。
【0008】
また、本開示の部品供給方法は、アキシャル部品のリードに接触する第1送り爪および前記第2送り爪を所定のストローク量で往復移動させることで、アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連をピッチ送りする部品供給方法であって、複数のアキシャル部品を前記ストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と第2送り爪を交互にアキシャル部品のリードに接触させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の部品実装機の概略平面図
図2】実施形態の部品供給装置が複数のアキシャル部品を供給する状態を示す概略斜視図
図3】実施形態のアキシャル部品が基板に挿入される状態を示す概略斜視図
図4A】実施形態の部品供給装置における部品送り動作および部品切断動作を説明するための概略平面図
図4B】実施形態の部品供給装置における部品送り動作および部品切断動作を説明するための概略平面図
図4C】実施形態の部品供給装置における部品送り動作および部品切断動作を説明するための概略平面図
図5A】実施形態の部品検出部および部品ストッパを概略的に示す平面図
図5B】実施形態の部品検出部および部品ストッパを概略的に示す平面図
図6】実施形態の部品実装機の制御系を示すブロック図
図7】実施形態の部品供給装置における複数の送り爪のレイアウトを示す斜視図(第1部品供給モード)
図8A】実施形態の第1部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図
図8B】実施形態の第1部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図
図8C】実施形態の第1部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図
図8D】実施形態の第1部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図
図9】実施形態の部品供給装置における複数の送り爪のレイアウトを示す斜視図(第2部品供給モード)
図10A】実施形態の第2部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図
図10B】実施形態の第2部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の第1態様によれば、アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連を供給方向にピッチ送りする部品供給装置であって、アキシャル部品のリードに接触して前記供給方向に移動させる第1送り爪および第2送り爪と、前記第1送り爪および前記第2送り爪を前記供給方向に沿って所定のストローク量で往復移動させる駆動部と、を備え、複数のアキシャル部品を前記ストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードを有し、前記第1部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と前記第2送り爪が交互にアキシャル部品のリードに接触するように、前記第1送り爪と前記第2送り爪を前記供給方向に沿ってずらして配置した、部品供給装置を提供する。
【0012】
本開示の第2態様によれば、複数のアキシャル部品を前記ストローク量以下のピッチで配列したテーピング部品連を供給する第2部品供給モードを有し、前記第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、少なくとも前記第1送り爪をアキシャル部品のリードに接触させる、第1態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0013】
本開示の第3態様によれば、前記第2送り爪は、着脱可能である、第2態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0014】
本開示の第4態様によれば、前記第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と前記第2送り爪の両方がアキシャル部品のリードに接触する、第2態様又は第3態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0015】
本開示の第5態様によれば、前記第1送り爪がリードに接触する第1接触位置と、前記第2送り爪がリードに接触する第2接触位置は、リードが延びる軸方向において異なる、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0016】
本開示の第6態様によれば、前記第1接触位置は、前記第2接触位置よりもアキシャル部品の部品本体部から遠い、第5態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0017】
本開示の第7態様によれば、前記第2送り爪に対して前記供給方向に沿ってずらして配置した第3送り爪をさらに備え、前記第3送り爪は、前記第1部品供給モードにおいて前記第1送り爪とともにアキシャル部品のリードに接触する、第5態様又は第6態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0018】
本開示の第8態様によれば、前記第3送り爪がリードに接触する第3接触位置は、前記第2接触位置と前記軸方向で重なる、第7態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0019】
本開示の第9態様によれば、テーピング部品連を切断するための切断部をさらに備え、
前記第3送り爪は、前記切断部がテーピング部品連を切断する切断位置の直前に設けられる、第7態様又は第8態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0020】
本開示の第10態様によれば、前記第1送り爪は、前記第3送り爪とともに前記切断位置の直前に設けられる、第9態様に記載の部品供給装置を提供する。
【0021】
本開示の第11態様によれば、前記ストローク量は、前記第1部品供給モードにおけるアキシャル部品のピッチの半分以上であり、且つピッチよりも短い、第1態様から第10態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0022】
本開示の第12態様によれば、前記第1送り爪および前記第2送り爪は、アキシャル部品の2本のリードに接触するように一対ずつ設けられる、第1態様から第11態様のいずれか1つに記載の部品供給装置を提供する。
【0023】
本開示の第13態様によれば、アキシャル部品のリードに接触する第1送り爪および前記第2送り爪を所定のストローク量で往復移動させることで、アキシャル部品の2本のリードをそれぞれテープで保持したテーピング部品連をピッチ送りする部品供給方法であって、複数のアキシャル部品を前記ストローク量よりも長いピッチで配列したテーピング部品連を供給する第1部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、前記第1送り爪と第2送り爪を交互にアキシャル部品のリードに接触させる、部品供給方法を提供する。
【0024】
本開示の第14態様によれば、複数のアキシャル部品を前記ストローク量以下のピッチで配列したテーピング部品連を供給する第2部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、少なくとも前記第1送り爪をアキシャル部品のリードに接触させる、第13態様に記載の部品供給方法を提供する。
【0025】
以下、本開示に係る部品供給装置および部品供給方法の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
【0026】
(実施形態)
まず、図1図3を参照して、本開示の実施形態に係る部品実装機について説明する。
【0027】
図1は、実施形態に係る部品実装機1の概略平面図であり、図2は、部品実装機1の部品供給装置5が複数のアキシャル部品7を供給する状態を示す概略斜視図であり、図3は、個々のアキシャル部品7が基板3に挿入される状態を示す概略斜視図である。
【0028】
図1に示す部品実装機1は、アキシャル部品7(図2図3)を基板3に装着・実装する装置である。アキシャル部品7が実装された基板3は「部品実装基板」となる。
【0029】
部品実装機1は、基板搬送機構2と、部品供給機構4と、部品搬送機構8と、部品挿入機構12と、を備える。
【0030】
基板搬送機構2は、部品挿入対象の基板3をX方向に搬送して位置決め保持する機構である。基板搬送機構2は、搬入コンベア2Aと、位置決めコンベア2Bと、搬出コンベア2Cとを備える。
【0031】
図1において基台1aの手前側には、上流側(図1において左側)より、搬入コンベア2A、位置決めコンベア2B、搬出コンベア2Cが、X方向(基板搬送方向)に直列に配設されている。搬入コンベア2Aは上流側装置から供給された部品挿入対象の基板3を受け取って下流側へ搬送する。位置決めコンベア2Bは搬入コンベア2Aから受け取った基板3を部品挿入作業位置まで搬送し、XYテーブル機構(図示省略)によりXY方向に位置決めして保持する。搬出コンベア2Cは部品挿入作業後の基板3を位置決めコンベア2Bから受け取って下流側装置へ受け渡す。
【0032】
基板搬送機構2の側方には、部品供給機構4および部品搬送機構8が配設されている。
【0033】
部品供給機構4は、挿入対象のアキシャル部品7を部品搬送機構8および部品挿入機構12に供給する機構である。部品供給機構4は、複数の部品供給装置5(部品フィーダ)を所定の配列ピッチでX方向に並列した構成となっている。それぞれの部品供給装置5は、部品搬送機構8を構成する部品搬送パレット10に、部品本体部7a(図2)から軸方向の両側にリード7bが延出した形状のアキシャル部品7を供給する。
【0034】
図2に示すように、部品供給装置5は、複数のアキシャル部品7のリード7bの両端部をテープ6aによって保持したテーピング部品連6を供給方向Y1にピッチ送りする。所定の切断位置で切り出された個々のアキシャル部品7が、垂直姿勢の個片部品の形態で受取り位置/受渡し位置[P1](図1)において供給される。
【0035】
受取り位置/受渡し位置[P1]は、部品供給装置5についてみれば部品搬送パレット10にアキシャル部品7を受け渡す受渡し位置[P1]であり、部品搬送パレット10についてみれば部品供給装置5からアキシャル部品7を受け取る受取り位置[P1]である。
【0036】
部品搬送機構8は、部品供給装置5から受け取った個々のアキシャル部品7を部品挿入機構12に向けて搬送する機構である。部品搬送機構8は、部品搬送パレット10および部品搬送パレット10を搬送するパレット搬送部より構成され、部品搬送パレット10をパレット搬送部によって搬送することにより、部品供給装置5から受け渡されたアキシャル部品7を基板3上の部品挿入機構12に搬送する。パレット搬送部は、部品供給機構4の両端部に配置された第1プーリ11A、第3プーリ11Cおよび位置決めコンベア2Bに保持された基板3の上方に位置する第2プーリ11Bの3つのプーリに、複数の部品搬送パレット10が装着された無端の環状帯であるベルト9を調帯した構成となっている。
【0037】
駆動プーリである第1プーリ11Aを回転駆動することにより(矢印a)、ベルト9はプーリ11A、11B、11Cの廻りに循環移動する(矢印b)。これにより、ベルト9に装着された部品搬送パレット10は、受け取り位置[P1]において部品供給機構4の部品供給装置5からアキシャル部品7を受け取った後に第1プーリ11Aの廻りを周回して、位置決めコンベア2Bに保持された基板3の上方に移動する。このベルト9の循環移動において、ベルト9を部品供給装置5の配列ピッチに対応した所定ピッチでピッチ送りすることが可能となっており、これにより、それぞれの部品供給装置5に位置合わせされた部品搬送パレット10にアキシャル部品7を受け渡すことができる。
【0038】
基板3上において、第2プーリ11Bを周回した位置にある部品搬送パレット10に隣接する位置には、部品挿入機構12が配設されている。部品挿入機構12は、受け渡し位置[P2]において、部品搬送機構8の部品搬送パレット10から受け渡されたアキシャル部品7のリード7bを、基板3に形成された挿入孔3a(図3)のピッチに合わせて成形して挿入する。基板3の下面側において部品挿入機構12に対応した位置には、クリンチ機構74が配設されている。クリンチ機構74は、部品挿入機構12によって挿入されて基板3の裏面側に突出したリード7bをクリンチ部材によって折曲げるクリンチ動作を行う。
【0039】
上記構成を有する部品実装機1において、部品供給装置5が備える部品送り機構を用いてテーピング部品連6を受渡し位置[P1]に向けてピッチ送りする機構・動作について、図4A図4Cを用いて説明する。
【0040】
図4A図4Cは、部品供給装置5における部品送り動作および部品切断動作を説明するための概略平面図である。
【0041】
図4Aに示すように、部品供給装置5は、部品送り機構として、部品ガイド部材40と、ガイドブロック48と、複数の送り爪54と、爪送りプレート51と、カムプレート22と、駆動部42とを備える。
【0042】
図4A図4Cでは、各構成要素を大幅に簡略化して図示するとともに、2つの送り爪54のみを模式的に図示する。図4B図4Cでは、カムプレート22、爪送りプレート51および駆動部42の図示を省略している。
【0043】
部品ガイド部材40は、テーピング部品連6を供給方向Y1に走行させるための走路を規定する部材である。ガイドブロック48は、部品ガイド部材40の下流側に設けられ、部品搬送パレット10(図4B図4C)へ受け渡される直前の位置でテーピング部品連6をガイドするブロックである。
【0044】
送り爪54は、アキシャル部品7のリード7bに接触して供給方向Y1に移動させるための部材である。送り爪54は、爪送りプレート51に一体的に支持されており、爪送りプレート51の往復移動に伴って一体的に往復移動する。送り爪54が供給方向Y1に進む際にアキシャル部品7のリード7bに接触することで、テーピング部品連6をピッチ送りする。
【0045】
爪送りプレート51は、送り爪54を上下に延びる回転軸23を中心に回転可能に軸支するとともに、図示しない付勢部材によって図4Aの紙面における時計周り(矢印c)に送り爪54を付勢する。カムプレート22は、爪送りプレート51や切断部60に接続された部材であり、駆動部42によって前後方向に駆動されることで、爪送りプレート51および切断部60を所定方向に移動させる。カムプレート22の周辺には複数のカム部材やカムフォロワ部材が設けられる(図示および説明を省略)。
【0046】
駆動部42は、カムプレート22を供給方向Y1に沿って往復駆動する部材であり、例えばシリンダ等で構成される。
【0047】
上記構成において駆動部42がカムプレート22を往復移動させることで、爪送りプレート51、送り爪54、ガイドブロック48および切断部60を供給方向Y1に沿って往復移動させ、且つ切断部60の第1刃先部材61と第2刃先部材62を供給方向Y1に直交する方向(X方向)に沿って往復移動させる。
【0048】
図4Aは、送り爪54と切断部60がともに後退位置にある状態を示している。この状態では、カムプレート22は前進していないことから、送り爪54は原位置にあって、リード7bを部品送りのために係止可能な姿勢にある。そして切断部60は第1刃先部材61と第2刃先部材62が開放された状態で待機位置[P3]にある。
【0049】
そしてこの状態から、駆動部42を駆動してカムプレート22を前進させることにより、図4Bに示すように、切断部60は第1ストローク量だけ前進して待機位置[P3]から切断位置[P4]に移動する(矢印d1)。また送り爪54は第1ストローク量の2倍の第2ストローク量だけ前進する(矢印d2)。すなわち、本実施形態では、部品送り機構を構成する送り爪54のストローク量は、切断部60のストローク量よりも大きく設定されている。
【0050】
この送り爪54の前進により、送り爪54はリード7bを係止して押し出しながら前方に第2ストローク量だけ移動し、部品搬送パレット10にアキシャル部品7を受け渡すための受け渡し位置[P1]に到達する。部品供給装置5が部品搬送パレット10に位置合わされた状態で上述の部品送り動作を実行することにより、受け渡し位置[P1]では、リード7bが部品搬送パレット10の把持部17に押し込まれて把持される。
【0051】
さらにこの状態からカムプレート22を前進させることにより、図4Cに示すように、切断部60の第1刃先部材61と第2刃先部材62が切断位置[P4]において閉方向(X方向)に移動し、先端部の1つのアキシャル部品7を含むテープ6aが切断分離されて切断テープ片7xとなる。このとき、送り爪54は供給方向Y1に沿って移動せずに静止した状態である。そしてこの状態から、駆動部42を逆駆動してカムプレート22を元の状態まで後退させることにより(矢印d3)、送り爪54および切断部60は、図4Aに示す状態に復帰する。
【0052】
送り爪54が供給方向Y1に沿って前進するとき(矢印d2)は、送り爪54の先端部がアキシャル部品7のリード7bに係合してリード7bを供給方向Y1に移動させるのに対して、送り爪54が後退するとき(矢印d3)は、送り爪54の先端部はリード7bに対して滑りながら後退する形状であり、リード7bを後退させない。後退した送り爪54は、付勢部材による付勢によって、図4Aに示すようにリード7bを部品送りのために係止可能な姿勢に戻る。図4A図4Cに示す動作を繰り返すことで、テーピング部品連6を供給方向Y1に沿って所定ストローク量ずつピッチ送りすることができる。
【0053】
次に、上述の部品送り動作において、テーピング部品連6から順次、個片のアキシャル部品7(切断テープ片7x)が分離されて部品切れが生じたことを検出する部品切れ検出機能について説明する。
【0054】
図5A図5Bは、部品検出部46を概略的に示す平面図である。図5Aに示す状態では、部品検出部46からテーピング部品連6に対して水平方向に延出して設けられたリード接触部70、72は、テーピング部品連6において隣接する2本のリード7b間の隙間内に進入した位置にある。この状態では、遮光部46cはフォトセンサ47の直上に位置して検出光軸47bを遮光する。
【0055】
図5Bは、テーピング部品連6が送られる(矢印q)過程で、リード7bがリード接触部72に当接した状態を示している。このとき、リード接触部70、72が前方に押しやられることにより、部品検出部46は旋回軸46b廻りに反時計方向に回動変位し(矢印r)、遮光部46cはフォトセンサ47の直上から外れて、検出光軸47bの遮光状態が一時的に解除される。ここで、部品供給装置5にテーピング部品連6が装着されて連続的にアキシャル部品7の供給が行われている場合には、図5Aの状態と図5Bの状態が反復し、フォトセンサ47から出力される検出信号は、オン・オフを規則的に繰り返す信号パターンとなる。
【0056】
これに対し、部品切れが発生してテーピング部品連6が存在しない場合には、リード接触部70、72にリード7bが接触することがないことから、部品送り動作を実行しても部品検出部46は静止した状態を保ち、フォトセンサ47からは常に検出光軸47bが遮光状態であることを示す信号が出力される。そしてこの信号を制御装置65(図6)が受信することにより、部品切れが検出される。
【0057】
次に図6を参照して制御系の構成を説明する。
【0058】
図6において、制御装置65は、部品供給装置5を有する部品供給機構4、部品搬送機構8、部品挿入機構12、クリンチ機構74および基板搬送機構2の動作を制御する。これにより、挿入対象のアキシャル部品7が部品搬送機構8に装着された部品搬送パレット10に供給され、部品搬送機構8によって基板3上に位置する部品挿入機構12に受け渡される。受け渡されたアキシャル部品7は部品挿入機構12によって基板3に実装され、リード7bが挿入孔3a内に挿入される。このとき、制御装置65が基板搬送機構2を制御することにより、基板3の搬入・搬出および部品実装時の基板3の位置決め動作が実行される。
【0059】
制御装置65は、記憶部66、表示部67、入出力部68と接続されており、さらにフォトセンサ47の検出信号を受信する。記憶部66は上述の部品挿入動作を実行するために必要なデータやプログラムを記憶する。表示部67は液晶パネルなどの表示装置であり、データや操作コマンドの入力時の操作画面を表示する。入出力部68はキーボードやタッチパネルなどの入力装置であり、操作指示やデータなどの入力操作を行う。制御装置65がフォトセンサ47の検出信号を継続して受信することにより、当該部品供給装置5におけるアキシャル部品7の有無が検出され、部品無しと判断された場合には、表示部67にその旨が表示される。
【0060】
次に、上述構成の部品実装機1によって実行される部品挿入方法について、各図を参照しながら説明する。まず部品挿入作業の開始に先立って、基板搬送機構2によって基板3を搬送し、部品挿入作業位置に基板3を位置決め保持する(基板搬送工程)(図1参照)。次いで、挿入対象のアキシャル部品7を、リード7bの両端部をテープ6aによって保持したテーピング部品連6の形態で供給する(部品供給工程)。
【0061】
この部品供給工程においては、テーピング部品連6をリード7bが直立した垂直姿勢で部品搬送機構8への受け渡し位置[P1]まで移動させ、切断部60を所定の待機位置から切断位置に進退させてテープ6aを切断することにより、テーピング部品連6から受け渡し対象のアキシャル部品7を分離させる。
【0062】
次に、部品供給工程にて受け渡された個片のアキシャル部品7を基板3上に搬送する(部品搬送工程)。この部品搬送工程においては、受け渡された垂直姿勢のアキシャル部品7のリード7bを複数箇所で把持可能な把持部17を有する部品搬送パレット10によって把持する。そして部品挿入作業を連続して実行する過程では、複数の部品搬送パレット10が装着された無端の環状帯であるベルト9を、部品供給装置5の配列ピッチに対応した所定ピッチでピッチ送りすることにより、部品搬送パレット10を部品供給装置5に対して位置合わせする(図1参照)。
【0063】
次いで、部品搬送機構8から受け取ったアキシャル部品7のリード7bを、基板3に形成された挿入孔3aのピッチに合わせて成形して挿入する(部品挿入工程)。部品搬送パレット10によって保持され部品搬送機構8によって受け渡し位置[P2](図1参照)まで搬送されたアキシャル部品7は、部品挿入機構12に受け渡される。
【0064】
アキシャル部品7を受け取った部品挿入機構12は、リード7bを所定位置で折り曲げるとともに、切断テープ片を除去するためにカットする。これにより、個片のアキシャル部品7は、図3に示すように部品挿入可能な形状に加工される。そしてこの後、部品挿入機構12の挿入ヘッドが下降して部品挿入動作を行うことにより、リード7bが基板3に形成された挿入孔3a内に挿入される。
【0065】
そしてこの後、挿入されて基板3の裏面側に突出したリード7bを折曲げるクリンチ動作を行う(クリンチ工程)。すなわち、クリンチ機構74を基板3の下面に対して上昇させ、クリンチ機構74が備えたクリンチ部材によって所定の形状に折り曲げる。これにより、アキシャル部品7は基板3に固定され,部品挿入作業が完了する。
【0066】
ここで、図2に示したように、テーピング部品連6において、複数のアキシャル部品7は供給方向Y1に沿って所定のピッチPで配列されている。本実施形態の部品実装機1は、テーピング部品連6におけるアキシャル部品7のピッチの値がPの場合と2Pの場合の両方に対応可能なように、部品供給装置5における部品送り機構(送り爪)の配置を工夫している。
【0067】
(第1部品供給モード:ピッチ2P)
図7は、本実施形態の部品供給装置5における複数の送り爪54のレイアウトを示す斜視図である。図7では、アキシャル部品7のピッチが2Pである場合の第1部品供給モードを示す。
【0068】
図7に示すように、送り爪54は、3種類の送り爪54A、54B、54Cを有する。
【0069】
第1送り爪54Aは、アキシャル部品7のリード7bに対してテープ6aに近い外側の位置で接触する爪である。第2送り爪54Bおよび第3送り爪54Cは、アキシャル部品7のリード7bに対して部品本体部7aに近い内側の位置で接触する爪である。
【0070】
アキシャル部品7のリード7bが延びる軸方向Z1において、第1送り爪54Aがリード7bに接触する接触位置(第1接触位置)と、第2送り爪54Bおよび第3送り爪54Cがリード7bに対して接触する接触位置(第2接触位置、第3接触位置)は異なっている。第1接触位置の方が第2接触位置および第3接触位置よりも、軸方向Z1において部品本体部7aから離れた位置にある。第2接触位置と第3接触位置は、軸方向Z1において重なる。
【0071】
第2送り爪54Bは、第3送り爪54Cよりも供給方向Y1の上流側に配置される。第3送り爪54Cは、切断部60の切断位置[P4]の直前に設けられる。
【0072】
図7に示す例では、第1送り爪54Aは最上段に4か所、最下段に4か所の計8か所設けられる。供給方向Y1の最も下流側に位置する第1送り爪54Aは、第3送り爪54Cと同様に切断部60の切断位置[P4]の直前に設けられる。
【0073】
図7に示す例では、第2送り爪54Bは上段に2か所、下段に2か所の計4か所に設けられる。第3送り爪54Cは上段に1か所、下段に1か所の計2か所に設けられる。
【0074】
送り爪54A、54B、54Cはいずれも、アキシャル部品7の2本のリード7bの両方に接触するように、部品本体部7aに対して一方側と他方側(上側と下側)に一対ずつ設けられる。
【0075】
ここで、アキシャル部品7がピッチ2Pを有する場合、ピッチ送り毎に、リード7bに接触する送り爪54A、54B、54Cが異なる。具体的には、あるタイミングでは第1送り爪54Aと第3送り爪54Cがリード7bに接触するのに対して、次のタイミングでは第2送り爪54Bのみがリード7bに接触し、それが交互に繰り返される。具体的な動作について、図8A図8Dを用いて説明する。
【0076】
図8A図8Dはそれぞれ、第1部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図である。図8A図8Dでは、送り爪54A、54Bの数を減らして簡略化して図示する。
【0077】
図8Aに示すように、第2送り爪54Bは、第1送り爪54Aおよび第3送り爪54Cに対して供給方向Y1に沿ってずれた位置に配置されている。図8Aに示す状態から送り爪54A、54B、54Cが一体的に駆動されると、図8Bに示すように、送り爪54A、54B、54Cのそれぞれがストローク量Aだけ往復移動される。
【0078】
図8Bに示す例では、第1送り爪54Aと第3送り爪54Cが前進するときにアキシャル部品7のリード7bに接触して供給方向Y1に移動させる。アキシャル部品7の移動量Pは、テーピング部品連6におけるアキシャル部品7のピッチ2Pの半分に相当する。
【0079】
送り爪54A、54Cによってテーピング部品連6が前進するのに対して、供給方向Y1に沿ってずれて配置された第2送り爪54Bはアキシャル部品7のリード7bに接触しない。リード7bとの接触/非接触を区別するために、図8Bでは、送り爪54A、54Cを黒塗り表示し、送り爪54Bを白抜き表示する。
【0080】
図示を省略しているが、前述した切断部60が動作することで、切断位置[P4]においてテープ6aが切断される。切断された切断テープ片7xは、アキシャル部品7を保持しないテープ6aのみで構成され、例えば下方に配置された回収箱に回収される。
【0081】
図8Bに示す状態からさらに送り爪54A、54B、54Cが駆動されると、図8Cに示すように、送り爪54A、54B、54Cが一体的にストローク量Aだけ往復移動される。このとき、第2送り爪54Bが前進するときにアキシャル部品7のリード7bに接触して供給方向Y1に移動させるのに対して、送り爪54A、54Cはアキシャル部品7のリード7bに接触しない。アキシャル部品7の送り量Pは、テーピング部品連6におけるアキシャル部品7のピッチ2Pの半分に相当する。
【0082】
図8Cに示す状態から、前述した切断部60が動作することで、図8Dに示すように、切断位置[P4]においてテープ6aが切断される。切断された切断テープ片7xは、アキシャル部品7を保持しており、部品搬送機構8の部品搬送パレット10(図示せず)に受け渡される。
【0083】
図8A図8Dの動作を繰り返すことで、アキシャル部品7のピッチが2Pであるテーピング部品連6を部品搬送機構8に向けてピッチ送りすることができる。
【0084】
上記動作によれば、テーピング部品連6におけるアキシャル部品7がピッチ2Pを有する場合に、3種類の送り爪54A、54B、54Cを用いてテーピング部品連6を送り量Pずつピッチ送りして、アキシャル部品7を部品搬送機構8に順次供給することができる。第1部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、送り爪54A、54Cと送り爪54Bが交互にリード7bに接触する。アキシャル部品7の軸方向Z1における異なる位置に交互に送り爪54が接触することで、リード7bの偏った変形等を抑制することができ、アキシャル部品7を安定的に送ることができる。
【0085】
第1部品供給モードにおける送り爪54A、54B、54Cのストローク量AとピッチPの関係は、P≦A<2Pであればよい。また、同じタイミングでリード7bに接触する送り爪54Aと送り爪54Cとの間隔は、2P×n(nは整数)であればよい。また、異なるタイミングでリード7bに接触する送り爪54Bと送り爪54A、54Cとの間隔は、P+2P×n(nは整数)であればよい。
【0086】
(第2部品供給モード:ピッチP)
図9は、本実施形態の部品供給装置5における複数の送り爪54のレイアウトを示す斜視図である。図9では、アキシャル部品7のピッチがPである場合の第2部品供給モードを示す。
【0087】
図9に示す第2部品供給モードにおいても、図7に示す第1部品供給モードと同様に、部品供給装置5は、同様のレイアウトの3種類の送り爪54A、54B、54Cを有する。
【0088】
アキシャル部品7がピッチPを有する場合、ピッチ送り毎に、3種類の送り爪54A、54B、54Cがいずれもリード7bに接触する。具体的な動作について、図10A図10Bを用いて説明する。
【0089】
図10A図10Bはそれぞれ、第2部品供給モードの部品送り動作を説明するための概略側面図である。
【0090】
図10Aに示す状態から送り爪54A、54B、54Cが駆動されると、図10Bに示すように、送り爪54A、54B、54Cが一体的にストローク量Aだけ往復移動される。
【0091】
図10Bに示す例では、ピッチPで配列されたアキシャル部品7のリード7bに対して3種類の送り爪54A、54B、54Cが同じタイミングで接触し、アキシャル部品7を供給方向Y1に移動させる。これにより、複数のアキシャル部品7を有するテーピング部品連6が一体的に供給方向Y1に前進する。1ピッチ毎のアキシャル部品7の送り量Pは、テーピング部品連6におけるアキシャル部品7のピッチPに相当する。
【0092】
図10Bに示す状態から切断部60が動作することで、切断位置[P4]においてテープ6aが切断され、アキシャル部品7を保持した切断テープ片7xが部品搬送機構8の部品搬送パレット10(図示せず)に受け渡される。
【0093】
図10A図10Bの動作を繰り返すことで、アキシャル部品7がピッチPを有するテーピング部品連6を部品搬送機構8に向けてピッチ送りすることができる。
【0094】
上記動作によれば、テーピング部品連6におけるアキシャル部品7がピッチPを有する場合に、3種類の送り爪54A、54B、54Cを用いてテーピング部品連6を送り量Pずつピッチ送りすることで、アキシャル部品7を部品搬送機構8に順次供給することができる。第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、3種類の送り爪54A、54B、54Cがいずれもリード7bに接触するため、アキシャル部品7をより安定的に送ることができる。
【0095】
第2部品供給モードにおける送り爪54A、54B、54Cのストローク量AとピッチPの関係は、P≦Aであればよい。
【0096】
本実施形態の部品供給装置5では、第1送り爪54Aと第3送り爪54Cが固定的に設けられるのに対して、第2送り爪54Bは着脱可能である。第2送り爪54Bを取り付けた状態では、第1部品供給モードと第2部品供給モードの両方が実行可能であるのに対して、第2送り爪54Bを取り付けていない状態では、図9図10A図10Bに示した第2部品供給モードのみ実行可能である。
【0097】
第1送り爪54Aと第3送り爪54Cを有する部品供給装置5に第2送り爪54Bを付加することで、ピッチPに対応した第2部品供給モードに加えて、ピッチ2Pに対応した第1部品供給モードの機能を付加することができる。従来備わっている送り爪54A、54Cのレイアウトを変更することなく、新しい送り爪54Bを付加することでアキシャル部品7の複数ピッチに対応することができるため、部品供給装置5を大幅に設計することなく比較的容易なアレンジで、部品供給装置5の汎用性を向上させることができる。
【0098】
図5A図5Bに示したように、部品検出部46においても、アキシャル部品7のピッチがPの場合と2Pの場合の両方に対応するために、2つのリード接触部70、72を設けている。2つのリード接触部70、72の間隔は、第2部品供給モードにおけるアキシャル部品7のピッチと同じPに設定されている。
【0099】
当該構成によれば、第2部品供給モードのように、アキシャル部品7のピッチがPで送り量もPの場合は、ピッチ送り毎にリード接触部70、72がアキシャル部品7のリード7bに接触するとともに(図5B)、テーピング部品連6の供給方向Y1とは逆方向の後退を防止するストッパとして機能する(図5A)。第1部品供給モードのようにアキシャル部品7のピッチが2Pで送り量がPの場合は、ピッチ送り毎に、リード接触部70、72が交互にアキシャル部品7のリード7bに接触するとともに、リード接触部70、72が交互にテーピング部品連6のストッパとして機能する。
【0100】
(作用・効果)
上述したように、本実施形態の部品供給装置5は、アキシャル部品7の2本のリード7bをそれぞれテープ6aで保持したテーピング部品連6を供給方向Y1にピッチ送りする部品供給装置であって、アキシャル部品7のリード7bに接触して供給方向Y1に移動させる第1送り爪54Aおよび第2送り爪54Bと、第1送り爪54Aおよび第2送り爪54Bを供給方向Y1に沿って所定のストローク量Aで往復移動させる駆動部42と、を備え、複数のアキシャル部品7をストローク量Aよりも長いピッチ2Pで配列したテーピング部品連6を供給する第1部品供給モードを有し、第1部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、第1送り爪54Aと第2送り爪54Bが交互にアキシャル部品7のリード7bに接触するように、第1送り爪54Aと第2送り爪54Bを供給方向Y1に沿ってずらして配置する。
【0101】
このような構成によれば、アキシャル部品7のピッチ2Pが送り爪54A、54Bのストローク量Aよりも長い場合にも対応することができ、部品供給装置5の汎用性を向上させることができる。
【0102】
また、実施形態の部品供給装置5では、第2送り爪54Bは、着脱可能である。このような構成によれば、第1送り爪54Aを有する部品供給装置に第2送り爪54Bを着けることで、第2部品供給モードに加えて第1部品供給モードの機能を付加することができる。
【0103】
また、実施形態の部品供給装置5では、第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、第1送り爪54Aと第2送り爪54Bの両方がアキシャル部品7のリード7bに接触する。このような構成によれば、第2部品供給モードにおいてテーピング部品連6をより安定的に送ることができる。
【0104】
なお、第2送り爪54Bが着脱可能である場合、第2部品供給モードでは、ピッチ送り毎に、少なくとも第1送り爪54Aがアキシャル部品7のリード7bに接触すればよい。これにより、部品供給装置5の汎用性を向上させることができる。
【0105】
また、実施形態の部品供給装置5では、第1送り爪54Aがリード7bに接触する第1接触位置と、第2送り爪54Bがリード7bに接触する第2接触位置は、リード7bが延びる軸方向Z1において異なる。このような構成によれば、第1部品供給モードではリード7bの異なる位置に送り爪54A、54Cと送り爪54Bが交互に接触することで、リード7bの偏った変形等を抑制することができる。
【0106】
また、実施形態の部品供給装置5では、第1接触位置は、第2接触位置よりもアキシャル部品7の部品本体部7aから遠い。このような構成によれば、リード7bの偏った変形等を抑制しつつ、テーピング部品連6を安定的に送ることができる。
【0107】
また、実施形態の部品供給装置5では、第2送り爪54Bに対して供給方向Y1に沿ってずらして配置した第3送り爪54Cをさらに備え、第3送り爪54Cは、第1部品供給モードにおいて第1送り爪54Aとともにアキシャル部品7のリード7bに接触する。このような構成によれば、第3送り爪54Cを設けることでテーピング部品連6をより安定的に送ることができる。
【0108】
また、実施形態の部品供給装置5では、第3送り爪54Cがリード7bに接触する第3接触位置は、第2接触位置と軸方向Z1で重なる。このような構成によれば、第3送り爪54Cを設けることでテーピング部品連6をより安定的に送ることができる。
【0109】
また、実施形態の部品供給装置5では、テーピング部品連6を切断するための切断部60をさらに備え、第3送り爪54Cは、切断部60がテーピング部品連6を切断する切断位置[P4]の直前に設けられる。このような構成によれば、切断位置[P4]の直前に第3送り爪54Cを設けることで、アキシャル部品7の姿勢を安定させた状態で切断位置[P4]に供給することができる。
【0110】
また、実施形態の部品供給装置5では、第1送り爪54Aは、第3送り爪54Cとともに切断位置[P4]の直前に設けられる。このような構成によれば、アキシャル部品7の姿勢を安定させた状態で切断位置[P4]に供給することができる。
【0111】
また、実施形態の部品供給装置5では、送り爪54A~54Cのストローク量Aは、第1部品供給モードにおけるアキシャル部品7のピッチ2Pの半分以上であり、且つピッチ2Pよりも短い(P≦A<2P)。このような構成によれば、第1部品供給モードにおいて、第1送り爪54Aと第2送り爪54Bを交互に接触させる動作を実行し易くなる。
【0112】
また、実施形態の部品供給装置5では、第1送り爪54Aおよび第2送り爪54Bは、アキシャル部品7の2本のリード7bに接触するように一対ずつ設けられる。このような構成によれば、テーピング部品連6を安定的に送ることができる。
【0113】
上述したように、本実施形態の部品供給装置5は、アキシャル部品7のリード7bに接触する第1送り爪54Aおよび第2送り爪54Bを所定のストローク量Aで往復移動させることで、アキシャル部品7の2本のリード7bをそれぞれテープ6aで保持したテーピング部品連6をピッチ送りする部品供給方法であって、複数のアキシャル部品7をストローク量Aよりも長いピッチ2Pで配列したテーピング部品連6を供給する第1部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、第1送り爪54Aと第2送り爪54Bを交互にアキシャル部品7のリード7bに接触させる。
【0114】
このような方法によれば、アキシャル部品7のピッチ2Pが送り爪54A~54Cのストローク量Aよりも長い場合にも対応することができ、部品供給方法の汎用性を向上させることができる。
【0115】
また、実施形態の部品供給方法では、複数のアキシャル部品7をストローク量A以下のピッチPで配列したテーピング部品連6を供給する第2部品供給モードにおいて、ピッチ送り毎に、少なくとも第1送り爪54Aをアキシャル部品7のリード7bに接触させる。このような方法によれば、第1部品供給モードと第2部品供給モードによってアキシャル部品7のピッチP、2Pが異なる場合にも対応することができ、部品供給方法の汎用性を向上させることができる。
【0116】
以上、上述の実施形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されない。例えば、本実施形態では、第1送り爪54Aおよび第2送り爪54Bに加えて第3送り爪54Cを有する場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、第3送り爪54Cを設けない場合であってもよい。
【0117】
また本実施形態では、送り爪54A~54Cのそれぞれの数が複数である場合について説明したが、このような場合に限らず、送り爪54A~54Cのそれぞれの数は任意の数であってもよい。
【0118】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示は、アキシャル部品を供給する部品供給装置および部品供給方法であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 部品実装機
2 基板搬送機構
3 基板
4 部品供給機構
5 部品供給装置
6 テーピング部品連
6a テープ
7 アキシャル部品
7a 部品本体部
7b リード
8 部品搬送機構
12 部品挿入機構
54 送り爪
54A 第1送り爪
54B 第2送り爪
54C 第3送り爪
Y1 供給方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B