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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139301
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/00 20240101AFI20241002BHJP
【FI】
B08B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050179
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】390008338
【氏名又は名称】広和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】中村 良夫
(72)【発明者】
【氏名】中池 遼介
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116AB13
3B116AB33
3B116AB47
3B116BA02
3B116BA23
(57)【要約】
【課題】車輪を効率良く洗浄することが可能な洗浄装置を提供する。
【解決手段】本発明の洗浄装置は、台車の車輪を洗浄する洗浄装置であって、複数の洗浄ブラシと、前記複数の洗浄ブラシを配列して固定するユニットフレームと、を有する洗浄ブラシユニットと、前記洗浄ブラシユニットを円運動するように揺動させる揺動部と、を備え、前記複数の洗浄ブラシは、前記複数の洗浄ブラシの配列する方向に対して所定の傾斜角度で傾斜しており、前記洗浄ブラシユニットの揺動による前記複数の洗浄ブラシの移動方向は、同じである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車の車輪を洗浄する洗浄装置であって、
複数の洗浄ブラシと、前記複数の洗浄ブラシを配列して固定するユニットフレームと、を有する洗浄ブラシユニットと、
前記洗浄ブラシユニットを円運動するように揺動させる揺動部と、
を備え、
前記複数の洗浄ブラシは、前記複数の洗浄ブラシの配列する方向に対して所定の傾斜角度で傾斜しており、
前記洗浄ブラシユニットの揺動による前記複数の洗浄ブラシの移動方向は、同じである、
洗浄装置。
【請求項2】
前記所定の傾斜角度は、30度以上60度以下である、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄ブラシユニットの上方に配置され、前記車輪の少なくとも1つの側面に接触し、前記車輪の逆回転を規制する回転制動部をさらに備え、
前記回転制動部は、前記洗浄ブラシユニットから独立している、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記回転制動部は、サイドブラシ、ゴム又はスポンジである、
請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記複数の洗浄ブラシは、1mm以上5mm以下の隙間を有して配列されている、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記複数の洗浄ブラシは、円弧状に湾曲したブラシフレームと、前記ブラシフレームの内側に設けられるブラシ毛と、を有し、
前記ブラシ毛は、前記ブラシフレームの円弧の中心に向かって延びており、
前記ブラシ毛の先端は、円弧状の溝を画定しており、
前記ブラシ毛の密度は、前記ブラシフレームから前記ブラシ毛の先端に向かって高くなっている、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記洗浄ブラシユニットは、第1洗浄ブラシユニットと、前記第1洗浄ブラシユニットと異なる位置に配置される第2洗浄ブラシユニットと、を有し、
前記揺動部は、前記第1洗浄ブラシユニットを揺動する第1揺動部と、前記第2洗浄ブラシユニットを揺動する第2揺動部と、を有し、
前記第1揺動部と前記第2揺動部とは、異なる位相で前記第1洗浄ブラシユニットと前記第2洗浄ブラシユニットとを揺動する、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項8】
前記第1揺動部と前記第2揺動部との位相差は、160度以上200度以下である、
請求項7に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記台車の前記車輪を浮かせた状態で前記台車をスライド移動可能に支持する支持部をさらに備える、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄ブラシユニットの位置を調整可能な調整機構をさらに備える、
請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項11】
洗浄水を貯留する洗浄水タンクをさらに備え、
前記洗浄ブラシユニットは、前記洗浄水タンク内に配置され、
前記洗浄水の液面は、前記複数の洗浄ブラシの前記ブラシ毛の下部に位置する、
請求項6に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車の車輪を洗浄する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、台車の車輪を洗浄するための車輪洗浄装置が開示されている。特許文献1に記載の車輪洗浄装置は、洗浄位置にある車輪支持板に台車の車輪を乗せ、車輪支持板を降下させることで車輪を降下させて車輪回転ローラに乗せる。この状態で、下側から洗浄用回転ブラシを車輪に押し当てて車輪を洗浄する。洗浄後に、洗浄用回転ブラシを車輪支持板に干渉しない位置に退避させ、車輪支持板を上昇させ、車輪回転ローラに乗った状態の洗浄後の車輪を台車搬送路と同一高さまで上昇させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-34265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車輪洗浄装置では、車輪を効率良く洗浄するといった点で未だ改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の洗浄装置は、台車の車輪を洗浄する洗浄装置であって、複数の洗浄ブラシと、複数の洗浄ブラシを配列して固定するユニットフレームと、を有する洗浄ブラシユニットと、洗浄ブラシユニットを揺動させる揺動部と、を備え、複数の洗浄ブラシは、複数の洗浄ブラシの配列する方向に対して所定の傾斜角度で傾斜しており、揺動部は、洗浄ブラシユニットを円運動するように揺動させ、洗浄ブラシユニットの揺動による複数の洗浄ブラシの移動方向は、同じである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車輪を効率良く洗浄することが可能な洗浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る洗浄装置の概念を説明するための概略図である。
図2】台車の一例の概略斜視図である。
図3図2に示す台車の車輪を拡大して示す概略拡大斜視図である。
図4】本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の概略斜視図である。
図5】本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の内部構成を示す概略斜視図である。
図6】本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の概略正面図である。
図7】本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の概略平面図である。
図8】本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の概略側面図である。
図9図6に示す洗浄装置をA-A線で切断した概略断面図である。
図10図8に示す洗浄装置をB-B線で切断した概略断面図である。
図11】本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の主要な構成を示す概略ブロック図である。
図12】洗浄ブラシユニットの一例を示す概略斜視図である。
図13図12に示す洗浄ブラシユニットをC-C線で切断した概略断面図である。
図14】洗浄ブラシの一例を示す概略図である。
図15】洗浄装置の動作の一例を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本発明に至った経緯)
台車の車輪を洗浄する洗浄装置として、例えば、特許文献1に記載の車輪洗浄装置が知られている。特許文献1に記載の車輪洗浄装置は、車輪を乗せた車輪支持板を降下させることによって車輪を車輪回転ローラに乗せ、車輪回転ローラによって車輪を回転させている状態で洗浄用回転ブラシを車輪に押し当てることによって、車輪を洗浄している。洗浄後、洗浄用回転ブラシを移動させて退避させ、車輪支持板を上昇させることによって車輪回転ローラに載った状態の車輪を台車搬送路と同一高さまで上昇させている。
【0009】
このように、特許文献1に記載の車輪洗浄装置では、車輪を回転させるための車輪回転ローラ、車輪を降下及び上昇させる機構及び洗浄用回転ブラシを退避させるための移動機構を用いて車輪の洗浄を行っている。このため、特許文献1に記載の車輪洗浄装置は、機構が複雑で、車輪を洗浄するための工程が多くなっており、車輪を効率良く洗浄することが難しいという課題がある。
【0010】
そこで、本発明者(ら)は、簡易な構成で車輪を効率良く洗浄することができる洗浄装置を検討し、以下の発明に至った。
【0011】
(実施の形態1)
[概念]
図1は、本発明に係る洗浄装置1の概念を説明するための概略図である。図1に示すように、洗浄装置1は、台車2の車輪3を洗浄する装置である。ユーザは、荷物6を載せた台車2を押して移動させ、洗浄装置1の上に配置する。洗浄装置1上に台車2を停止させ、洗浄装置1によって車輪3を洗浄する。洗浄後、ユーザは台車2を押して洗浄装置1から台車2を移動させる。
【0012】
本実施形態では、洗浄装置1には、第1傾斜台7及び第2傾斜台8が配置されている。第1傾斜台7は、台車2の進行方向において洗浄装置1の手前側に配置されており、洗浄装置1に近づくに従って第1傾斜台7の高さが連続して高くなる傾斜面を有する。第2傾斜台8は、台車2の進行方向において洗浄装置1の奥側に配置されており、洗浄装置1から離れるに従って第2傾斜台8の高さが連続して低くなる傾斜面を有する。第1傾斜台7によって、ユーザは台車2を洗浄装置1に容易に移動させることができる。また、第2傾斜台8によって、ユーザは台車2を洗浄装置1から容易に移動させることができる。
【0013】
本実施形態では、洗浄装置1が台車2に荷物6を載せた状態で車輪3を洗浄する例について説明したが、これに限定されない。例えば、洗浄装置1は台車2に荷物6を載せずに車輪3を洗浄してもよい。
【0014】
図2は、台車2の一例の概略斜視図である。図3は、図2に示す台車2の車輪3を拡大して示す概略拡大斜視図である。図2に示すように、台車2は、複数の車輪3と、台車フレーム4と、取り付け部材5と、を備える。
【0015】
本実施形態では、複数の車輪3は、4つの車輪3で構成されている。図3に示すように、車輪3の外形は円板状に形成されており、車輪3の外表面3aは平坦面を形成している。車輪3は、例えば、樹脂、ゴム又は金属などで形成されている。車輪3は、取り付け部材5を介して台車フレーム4に取り付けられる。
【0016】
台車フレーム4は、台車2の本体部分を構成しており、底部に複数の車輪3が取り付けられ、上部に荷物6が載せられる。台車フレーム4は、例えば、矩形枠状に形成されている。台車フレーム4のコーナー側の底部には、車輪3が取り付け部材5を介して取り付けられている。
【0017】
取り付け部材5は、車輪3を台車フレーム4に取り付ける部材である。取り付け部材5は、車輪3を回転可能に保持するとともに、車輪3の向きを変更可能に保持する。
【0018】
[洗浄装置の構成]
図4は、本発明に係る実施の形態1の洗浄装置1の一例の概略斜視図である。図5は、本発明に係る実施の形態1の洗浄装置1の一例の内部構成を示す概略斜視図である。図6は、本発明に係る実施の形態1の洗浄装置1の一例の概略正面図である。図7は、本発明に係る実施の形態1の洗浄装置1の一例の概略平面図である。図8は、本発明に係る実施の形態1の洗浄装置1の一例の概略側面図である。図9は、図6に示す洗浄装置1をA-A線で切断した概略断面図である。図10は、図8に示す洗浄装置1をB-B線で切断した概略断面図である。
【0019】
図4図10に示すように、洗浄装置1は、洗浄ブラシユニット10a,10b、支持部20、回転制動部30、揺動部40a、40b、駆動部50及び洗浄水タンク60を備える。
【0020】
<洗浄ブラシユニット>
図4図5及び図7図10に示すように、洗浄ブラシユニット10a,10bは、台車2の車輪3を洗浄するユニットである。本明細書では、洗浄ブラシユニット10aを第1洗浄ブラシユニット10aと称し、洗浄ブラシユニット10bを第2洗浄ブラシユニット10bと称する。
【0021】
第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとは異なる位置に配置されている。具体的には、第1洗浄ブラシユニット10aは、第2洗浄ブラシユニット10bよりも洗浄装置1の前後方向に離れて配置されている。第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとの間の間隔は、台車2の車輪3の前後方向の間隔と略等しい。第1洗浄ブラシユニット10aは、台車2の前方側の車輪3を洗浄する。第2洗浄ブラシユニット10bは、台車2の後方側の車輪3を洗浄する。
【0022】
第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bは、円運動するように揺動することによって、車輪3を洗浄すると共に車輪3を回転させることができる。
【0023】
本実施形態では、台車2は、前方に配置される2つの車輪3と、後方に配置される2つの車輪3と、を有する。このため、洗浄装置1においては、2つの第1洗浄ブラシユニット10aと、2つの第2洗浄ブラシユニット10bと、を備える。2つの第1洗浄ブラシユニット10aの間の間隔は、台車2の前方に配置される2つの車輪3の間隔と略等しく、2つの第2洗浄ブラシユニット10bの間の間隔は、台車2の後方に配置される2つの車輪3の間隔と略等しい。
【0024】
2つの第1洗浄ブラシユニット10aは接続軸14によって接続されている。2つの第1洗浄ブラシユニット10aは接続軸14をスライド移動可能であってもよい。また、2つの第2洗浄ブラシユニット10bについても接続軸14によって接続されており、接続軸14をスライド可能であってもよい。これにより、2つの第1洗浄ブラシユニット10aとの間の間隔の大きさ、および2つの第2洗浄ブラシユニット10bとの間の間隔の大きさを調整してもよい。即ち、接続軸14は、第1洗浄ブラシユニット10a及び第2洗浄ブラシユニット10bを調整する調整機構として機能してもよい。
【0025】
<支持部>
図4及び図6図10に示すように、支持部20は、車輪3を浮かせた状態で台車2をスライド移動可能に支持する。ユーザは、台車2の台車フレーム4を支持部20に載せてスライド移動させることができる。
【0026】
支持部20は、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bに沿って配置される棒状の部材である。支持部20は、台車2の進行方向に延びている。支持部20の上面には、スライド移動させるためのフラット面が形成されている。フラット面には、台車2をスライド移動させやすいように、滑りの良いシートが設けられてもよい。シートは、例えば、樹脂で形成されていてもよい。
【0027】
本実施形態では、洗浄装置1は、2つの支持部20を備える。2つの支持部20は、2つの第1洗浄ブラシユニット10aとの間及び2つの第2洗浄ブラシユニット10bとの間に配置されている。
【0028】
なお、支持部20の上面は、台車2がスライド移動可能であればよい。例えば、支持部20の上面には、回転ローラ―が設けられていてもよい。
【0029】
<回転制動部>
図4図5及び図7図9に示すように、回転制動部30は、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bの上方に配置され、車輪3の側面に接触し、車輪3の逆回転を規制する。また、回転制動部30は、車輪3が第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bから外れて移動することを抑制する。
【0030】
例えば、回転制動部30は、車輪3の側面に接触して生じる摩擦によって車輪3の回転を抑制する。回転制動部30は、摩擦力よりも大きい力が車輪3にかかったとき、車輪3が回転するように構成されている。
【0031】
第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bから車輪3に与える回転力が摩擦力よりも大きいとき、回転制動部30は車輪3の回転を許容する。第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bから車輪3に与える回転力が摩擦力より小さいとき、回転制動部30は、車輪3の回転を停止する。このように、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bにより車輪3が回転させられるとき以外、回転制動部30は車輪3の回転を抑制することによって、車輪3の逆回転を規制している。
【0032】
回転制動部30は、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bから独立している。回転制動部30は、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bに接続されておらず、揺動しない。
【0033】
回転制動部30は、例えば、サイドブラシ、ゴム又はスポンジである。回転制動部30をサイドブラシ又はスポンジで構成することによって、車輪3が回転しているときに車輪3の側面を洗浄することもできる。
【0034】
本実施形態では、回転制動部30は、車輪3の両側面に配置されている。具体的には、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bの上方に、間隔を有して対向して配置される2つの回転制動部30が配置されている。
【0035】
なお、回転制動部30は、車輪3の少なくとも1つの側面に接触していればよい。
【0036】
<揺動部>
図5及び図9に示すように、揺動部40a、40bは、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bを揺動させる。具体的には、揺動部40a、40bは、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a,10bを円運動するように揺動させる。本明細書では、揺動部40aを第1揺動部40aと称し、揺動部40bを第2揺動部40bと称する。
【0037】
第1及び第2の揺動部40a、40bは、それぞれ、第1及び第2の揺動部40aを偏心させる偏心手段を有する。偏心手段は、例えば、円運動の中心から偏心した偏心軸を有する。偏心軸の一端は、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bに接続されている。このため、偏心軸が円運動の中心に対して偏心しながら回動すると、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bが上下前後方向に円運動するように揺動する。なお、本実施形態では、円運動の中心は、後述する駆動部50のプーリ54,55の回転中心に接続される回転軸の中心である。
【0038】
例えば、偏心軸は、円運動の中心から0.5mm以上1.0mm以下の距離で偏心している。このため、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bの円運動による上下前後方向における移動距離は1mm以上2mm以下となる。
【0039】
また、第1及び第2の揺動部40a、40bは、異なる位相で第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bを揺動する。例えば、第1揺動部40aと第2揺動部40bとの位相差は、160度以上200度以下である。好ましくは、位相差は170度以上190度以下である。より好ましくは、位相差は180度である。
【0040】
例えば、第1揺動部40aの偏心軸は、第2揺動部40bの偏心軸に対して160度以上200度以下の範囲で、好ましくは170度以上190度以下の範囲で、より好ましくは180度ずれている。
【0041】
<駆動部>
図5及び図9に示すように、駆動部50は、第1及び第2の揺動部40a、40bに接続され、第1及び第2の揺動部40a、40bを駆動する。駆動部50は、駆動源51、駆動軸52及びプーリ53~55を含む。
【0042】
駆動源51は、駆動軸52を駆動する。例えば、駆動源51は、モータである。駆動源51は、駆動軸52に接続されている。
【0043】
駆動軸52は、駆動源51により回転駆動される。駆動軸52の一端は駆動源51に接続されている。また、駆動軸52の両端付近には、プーリ53が取り付けられている。
【0044】
プーリ53は、駆動軸52の回転により回転駆動する。プーリ53は、プーリ54及びプーリ55とプーリーベルトを介して接続されている。このため、プーリ53の動力は、プーリーベルトを介してプーリ54及びプーリ55に伝達される。
【0045】
プーリ54は、回転軸を介して第1揺動部40aに接続されている。回転軸は、プーリ54の回転中心に接続されると共に、第1揺動部40aの偏心手段に接続されている。プーリ54がプーリ53からの動力を受けて回転すると、回転軸が回転する。偏心手段の偏心軸は、回転軸に対して偏心している。即ち、偏心軸は、回転軸の中心から偏心して配置されている。このため、回転軸が回転すると、偏心軸は回転軸を中心として円運動する。これにより、偏心軸に接続された第1洗浄ブラシユニット10aが上下前後方向に円運動するように揺動する。
【0046】
プーリ55は、回転軸を介して第2揺動部40bに接続されている。回転軸は、プーリ55の回転中心に接続されると共に、第2揺動部40bの偏心手段に接続されている。プーリ55がプーリ53からの動力を受けて回転すると、回転軸が回転する。偏心手段の偏心軸は、回転軸に対して偏心している。即ち、偏心軸は、回転軸の中心から偏心して配置されている。このため、回転軸が回転すると、偏心軸は回転軸を中心として円運動する。これにより、偏心軸に接続された第2洗浄ブラシユニット10bが上下前後方向に円運動するように揺動する。
【0047】
図5及び図9図10に示すように、洗浄水タンク60は、洗浄水を貯留するタンクである。洗浄水タンク60は、支持部20の下方に配置されている。また、洗浄水タンク60内には、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bが配置されている。第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bの下部は、洗浄水タンク60内に貯留された洗浄水に接触している。
【0048】
図11は、本発明に係る実施の形態1の洗浄装置の一例の主要な構成を示す概略ブロック図である。図11に示すように、洗浄装置1は、駆動部50を制御する制御部70を備える。
【0049】
<制御部>
制御部70は、例えば、プロセッサを含み、プロセッサがメモリに記憶された命令を実行することで所定の機能を実現する。例えば、制御部70は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現されてもよい。プロセッサは、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されてもよい。また、制御部70は、1つ又は複数のプロセッサで構成されてもよい。
【0050】
制御部70は、駆動部50の駆動源51を制御する。制御部70は、駆動源51のON/OFF又は回転速度を制御する。例えば、制御部70は、駆動源51の回転数を500rpm以上1200rpmの範囲で制御する。
【0051】
例えば、制御部70は、入力インタフェースに入力されたユーザからの指令情報に基づいて、駆動源51を制御してもよい。洗浄装置1が、第1及び第2の洗浄ブラシユニット10a、10bに車輪3が配置されていることを検出するセンサを備えている場合、センサの検出情報に基づいて、駆動源51を制御してもよい。
【0052】
このように、洗浄装置1では、制御部70が駆動部50を駆動する。揺動部40a,40bは、駆動部50の動力を受けて洗浄ブラシユニット10a、10bを円運動するように揺動する。
【0053】
[洗浄ブラシユニットの詳細な構造について]
図12は、洗浄ブラシユニット10aの一例を示す概略斜視図である。図13は、図12に示す洗浄ブラシユニット10aをC-C線で切断した概略断面図である。なお、図12及び図13は、第1洗浄ブラシユニット10aの詳細な構造について説明するが、第2洗浄ブラシユニット10bも第1洗浄ブラシユニット10aと同様の構造を有する。
【0054】
図12及び図13に示すように、洗浄ブラシユニット10aは、複数の洗浄ブラシ11と、ユニットフレーム12と、を有する。
【0055】
複数の洗浄ブラシ11は、複数の洗浄ブラシ11の配列する方向に対して所定の傾斜角度θ1で傾斜している。例えば、所定の傾斜角度θ1は、30度以上60度以下である。好ましくは、所定の傾斜角度θ1は、40度以上50度以下である。より好ましくは、所定の傾斜角度θ1は、45度である。
【0056】
また、複数の洗浄ブラシ11は、1mm以上5mm以下の隙間SP1を有して配列されている。
【0057】
複数の洗浄ブラシ11の数は、例えば、5個以上15個以下である。
【0058】
ユニットフレーム12は、複数の洗浄ブラシ11を配列して固定する。ユニットフレーム12は、凹状の部材で形成されている。
【0059】
ユニットフレーム12は、所定の傾斜角度θ1で傾斜し、且つ隙間SP1を有して配置される複数のスペーサ13を有する。複数のスペーサ13は、ユニットフレーム12の内側に配置されている。複数のスペーサ13は、凹形状を有する。
【0060】
複数の洗浄ブラシ11は、複数のスペーサ13に配置された状態でユニットフレーム12に固定されることによって、上述した傾斜角度θ1と隙間SP1を設定できる。
【0061】
ユニットフレーム12は、第1揺動部40aの偏心手段に接続されている。このため、ユニットフレーム12は、上下前後方向に円運動するように揺動する。このとき、複数の洗浄ブラシ11は、ユニットフレーム12に固定されているため、ユニットフレームと共に上下前後方向に円運動するように揺動する。また、揺動による複数の洗浄ブラシ11の移動方向は同じである。
【0062】
なお、「揺動による複数の洗浄ブラシ11の移動方向は同じである」とは、洗浄ブラシユニット10a,10bのそれぞれにおいて、ユニット単体内の複数のブラシ11の移動方向が同じであるという意味である。即ち、第1洗浄ブラシユニット10aにおける複数の洗浄ブラシ11の移動方向が同じであり、第2洗浄ブラシユニット10bにおける複数の洗浄ブラシ11の移動方向が同じであるという意味である。第1洗浄ブラシユニット10aにおける複数の洗浄ブラシ11の移動方向と、第2洗浄ブラシユニット10bにおける複数の洗浄ブラシ11の移動方向と、が異なっていてもよい。
【0063】
次に、図14を用いて洗浄ブラシ11の詳細な構造について説明する。
【0064】
図14は、洗浄ブラシ11の一例を示す概略図である。図14に示すように、洗浄ブラシ11は、ブラシフレーム11aと、ブラシフレーム11aの内側に設けられるブラシ毛11bと、を有する。
【0065】
洗浄ブラシ11の厚み方向から見て、ブラシフレーム11aは、円弧状に湾曲している。言い換えると、洗浄ブラシ11の厚み方向から見て、ブラシフレーム11aは、扇形状を有している。具体的には、洗浄ブラシ11の厚み方向から見て、ブラシフレーム11aは、中心C1から半径R1の円で定義される円周の一部と、中心C1から半径R2の円で定義される円周の一部と、で囲われた部分で形成されている。半径R2は、半径R1より小さい。また、ブラシフレーム11aの中心角θ2は、60度より大きく、180度よりも小さい。好ましくは、中心角θ2は、90度以上170度以下である。より好ましくは、中心角θ2は、120度以上160度以下である。なお、中心角θ2は、中心C1から延びてブラシフレーム11aの両端を通る2つの直線の間の角度を意味する。
【0066】
ブラシ毛11bは、ブラシフレーム11aの内側からブラシフレーム11aの円弧の中心C1に向かって延びている。洗浄ブラシ11の厚み方向から見て、ブラシ毛11bの先端は、円弧状の溝11cを画定している。具体的には、洗浄ブラシ11の厚み方向から見て、ブラシフレーム11aの円弧の中心C1から半径R3の円で定義される円周の一部に沿って、ブラシ毛11bの先端が配置されている。半径R3は、半径R1,R2よりも小さい。例えば、半径R3は、半径R2の1/3以上3/4以下である。好ましくは、半径R3は、半径R2の1/2以上2/3以下である。
【0067】
また、ブラシ毛11bの先端の溝11cの最大幅W1は、車輪3の幅よりも大きい。
【0068】
ブラシ毛11bの密度は、ブラシフレーム11aからブラシ毛11bの先端に向かって高くなっている。言い換えると、ブラシ毛11bを構成する複数の毛の間隔がブラシフレーム11aからブラシ毛11bの先端に向かって小さくなっている。
【0069】
[動作]
洗浄装置1の動作の一例について図15を用いて説明する。
【0070】
図15は、洗浄装置1の動作の一例を説明する概略図である。なお、図15においては説明を容易にするため、洗浄装置1のいくつかの構成要素を省略している。また、図15は、第1洗浄ブラシユニット10aの動作の一例について説明するが、第2洗浄ブラシユニット10bの動作についても同様である。
【0071】
図15に示すように、車輪3が洗浄ブラシユニット10aに配置される。車輪3は、洗浄ブラシユニット10aの複数の洗浄ブラシ11の上に配置される。具体的には、車輪3は、複数の洗浄ブラシ11のブラシ毛11bの先端に設けられた溝11cに配置される。
【0072】
洗浄ブラシユニット10aは、揺動部40aによって上下前後方向に円運動するように揺動される。また、洗浄ブラシユニット10aは、複数の洗浄ブラシ11の傾斜する傾斜方向に向かって円運動するように揺動される。複数の洗浄ブラシ11の傾斜方向は、洗浄装置1の前から後ろに向かう方向である。具体的には、洗浄ブラシユニット10aは、洗浄装置1の前方向、上方向、後方向及び下方向の順で移動するように円運動する。
【0073】
例えば、洗浄ブラシユニット10aが洗浄装置1の下方向、前方向、上方向及び後方向の順に移動すると、複数の洗浄ブラシ11も洗浄装置1の下方向、前方向、上方向及び後方向の順に移動する。
【0074】
複数の洗浄ブラシ11は、上方向に移動することによって車輪3を突き上げ、洗浄ブラシ11の先端部分で車輪3に付着した汚れを削り取る。また、複数の洗浄ブラシ11が車輪3に接触した状態で洗浄装置1の前方向から後方向に移動することによって、車輪3に対して回転力が与えられる。具体的には、複数の洗浄ブラシ11が車輪3の下部に接触し、車輪3の下部に対して洗浄装置1の前方向から後方向へ向かう方向に力を付与する。これにより、車輪3が回転する。
【0075】
また、洗浄ブラシユニット10aの揺動による複数の洗浄ブラシ11の移動方向は、同じである。即ち、複数の洗浄ブラシ11は同じ動きをする。このため、複数の洗浄ブラシ11が車輪3を突き上げているとき、複数の洗浄ブラシ11が車輪3に接触する部分を大きくすることができる。これにより、車輪3の汚れを落としやすくなり、洗浄効率が向上する。また、複数の洗浄ブラシ11が車輪3に接触する部分を大きくすることで、車輪3に対して回転力を与えやすくなる。
【0076】
複数の洗浄ブラシ11が洗浄装置1の後方向、下方向及び前方向の順に移動するとき、複数の洗浄ブラシ11の車輪3に対して付与する回転力が小さくなる。車輪3の側面には、回転制動部30が接触することによる摩擦力で車輪3の回転を抑制している。このため、複数の洗浄ブラシ11の車輪3に対して付与する回転力が回転制動部30の摩擦力よりも小さくなると、車輪3の回転が停止する。これにより、車輪3を洗浄ブラシユニット10aで洗浄している間、車輪3の逆回転を規制している。
【0077】
また、洗浄ブラシユニット10aは、洗浄水が貯留される洗浄水タンク60内に配置されている。洗浄水の液面は、複数の洗浄ブラシ11のブラシ毛11bの下部に位置する。ブラシ毛11bの密度は、ブラシフレーム11aからブラシ毛11bの先端に向かって高くなっている。このため、ブラシ毛11bの下部に洗浄水が接触していれば、ブラシ毛11bの毛細管現象によりブラシ毛11bの先端に洗浄水が供給される。これにより、洗浄ブラシユニット10aは、洗浄水を用いて車輪3を洗浄する。
【0078】
[効果]
本実施形態の洗浄装置1は、台車2の車輪3を洗浄する洗浄装置であって、洗浄ブラシユニット10a、10bと、揺動部40a、40bと、を備える。洗浄ブラシユニット10a、10bは、複数の洗浄ブラシ11と、複数の洗浄ブラシ11を配列して固定するユニットフレーム12と、を有する。揺動部40a、40bは、洗浄ブラシユニット10a、10bを上下前後方向に円運動するように揺動させる。複数の洗浄ブラシ11は、複数の洗浄ブラシ11の配列する方向に対して所定の傾斜角度θ1で傾斜している。洗浄ブラシユニット10a、10bの揺動による複数の洗浄ブラシ11の移動方向は、同じである。
【0079】
このような構成により、洗浄装置1は、車輪3を効率良く洗浄することができる。具体的には、洗浄装置1は、揺動部40a,40bによって洗浄ブラシユニット10a、10bを上下前後方向に円運動するように揺動させている。これにより、洗浄ブラシユニット10a,10bの複数の洗浄ブラシ11で車輪3を洗浄すると共に車輪3を回転させることができる。その結果、車輪3を回転させるためのローラなどの機構を備えなくてもよいため、簡易な構成で車輪3を効率良く洗浄することができる。
【0080】
また、洗浄装置1を簡易な構成で実現することができるため、小型化できる。このため、台車2の挿入高さを低くできる。このため、台車2に荷物を載せた状態で車輪3を洗浄しても転倒のリスクが低い。
【0081】
また、複数の洗浄ブラシ11が所定の傾斜角度θ1で傾斜していることにより、車輪3に対して複数の洗浄ブラシ11が斜めに接触する。これにより、車輪3の洗浄と回転を効率良く実現できる。
【0082】
また、洗浄ブラシユニット10a、10bの揺動による複数の洗浄ブラシ11の移動方向が同じであることにより、複数の洗浄ブラシ11が車輪3に接触する部分が大きくなる。これにより、複数の洗浄ブラシ11による車輪3の洗浄力を向上させると共に、車輪3に対して付与する回転力を大きくすることができる。
【0083】
所定の傾斜角度θ1は、30度以上60度以下である。このような構成により、車輪3の洗浄と回転をより効率良く実現できる。
【0084】
洗浄装置1は、洗浄ブラシユニット10a,10bの上方に配置され、車輪3の少なくとも1つの側面に接触し、車輪3の逆回転を規制する回転制動部30を備える。回転制動部30は、洗浄ブラシユニット10a,10bから独立している。このような構成により、車輪3が逆回転することを抑制できる。また、回転制動部30が洗浄ブラシユニット10a,10bから独立していることにより、回転制動部30が洗浄ブラシユニット10a、10bと共に揺動しない。これにより、回転制動部30は車輪3の逆回転を規制しやすくなる。
【0085】
回転制動部30は、サイドブラシ、ゴム又はスポンジである。このような構成により、洗浄ブラシユニット10a,10bの揺動による車輪3の回転を許容しつつ、車輪3が逆回転することを規制できる。
【0086】
複数の洗浄ブラシ11は、1mm以上5mm以下の隙間SP1を有して配列されている。このような構成により、車輪3に付着した汚れなどの付着物が複数の洗浄ブラシ11によって削り取られたとき、付着物が隙間SP1を流れ落ちる。これにより、複数の洗浄ブラシ11上に付着物が溜まらないため、複数の洗浄ブラシ11が汚れることを抑制できる。
【0087】
複数の洗浄ブラシ11は、円弧状に湾曲したブラシフレーム11aと、ブラシフレーム11aの内側に設けられるブラシ毛11bと、を有する。ブラシ毛11bは、ブラシフレーム11aの円弧の中心C1に向かって延びている。ブラシ毛11bの先端は、円弧状の溝11cを画定している。ブラシ毛11bの密度は、ブラシフレーム11aからブラシ毛11bの先端に向かって高くなっている。このような構成により、車輪3の汚れを落としやすくなり、洗浄力が向上する。
【0088】
洗浄ブラシユニット10a,10bは、第1洗浄ブラシユニット10aと、第1洗浄ブラシユニット10aと異なる位置に配置される第2洗浄ブラシユニット10bと、を有する。揺動部40a、40bは、第1洗浄ブラシユニット10aを揺動する第1揺動部40aと、第2洗浄ブラシユニット10bを揺動する第2揺動部40bと、を有する。第1揺動部40aと第2揺動部40bとは、異なる位相で第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとを揺動する。このような構成により、第1洗浄ブラシユニット10a及び第2洗浄ブラシユニット10bの揺動により車輪3が洗浄装置1の前後方向に移動することを抑制できる。例えば、第1洗浄ブラシユニット10a及び第2洗浄ブラシユニット10bが同じ位相で揺動すると、複数の車輪3に同じ方向に力がかかってしまい、第1洗浄ブラシユニット10a及び第2洗浄ブラシユニット10bから車輪3が飛び出してしまうことが考えられる。第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとを異なる位相で揺動することによって、複数の車輪3においてかかる力の方向をばらばらにできる。これにより、第1洗浄ブラシユニット10a及び第2洗浄ブラシユニット10b上に車輪3を留めておくことができる。
【0089】
第1揺動部40aと第2揺動部40bとの位相差は、160度以上200度以下である。このような構成により、第1洗浄ブラシユニット10a及び第2洗浄ブラシユニット10bの揺動により車輪3が洗浄装置1の前後方向に移動することをさらに抑制できる。
【0090】
洗浄装置1は、車輪3を浮かせた状態で台車2をスライド移動可能に支持する支持部20を備える。このような構成により、洗浄ブラシユニット10a、10bに台車2の重さが直接かからないようにすることができる。また、洗浄ブラシ11の劣化や摩耗を低減し、洗浄ブラシ11の寿命を延ばすことができる。また、洗浄効率を向上させることができる。
【0091】
洗浄装置1は、洗浄ブラシユニット10a,10bの位置を調整可能な調整機構14を備える。このような構成により、様々な台車の大きさ及び形状に応じて車輪3を洗浄することができる。
【0092】
洗浄装置1は、洗浄水を貯留する洗浄水タンク60を備える。洗浄ブラシユニット10a,10bは、洗浄水タンク60内に配置され、洗浄水の液面は、複数の洗浄ブラシ11のブラシ毛11bの下部に位置する。このような構成により、洗浄水を用いて車輪3を洗浄することができる。また、複数の洗浄ブラシ11において、ブラシ毛11bの密度がブラシフレーム11aからブラシ毛11bの先端に向かって高くなっていることで、毛細管現象によって洗浄水をブラシ毛11bの先端に供給することができる。
【0093】
なお、本実施形態では、台車2が4つの車輪3を備える例について説明したが、これに限定されない。台車2は、少なくとも1つの車輪3を備えていればよい。洗浄ブラシユニット10a,10bの数は、台車2の車輪3の数に応じて変更してもよい。
【0094】
本実施形態では、第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとが同じ構造である例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとにおいて、複数の洗浄ブラシ11の傾斜方向を反対向きにしてもよい。例えば、第1洗浄ブラシユニット10aの複数の洗浄ブラシ11が洗浄装置1の後方向に向かって傾斜し、第2洗浄ブラシユニット10bの複数の洗浄ブラシ11が洗浄装置1の前方向に向かって傾斜していてもよい。この場合、第1洗浄ブラシユニット10aと第2洗浄ブラシユニット10bとの円運動の方向が逆向きになってもよい。
【0095】
本実施形態では、駆動部50が1つの駆動源51を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、駆動部50は複数の駆動源51を備えていてもよい。
【0096】
本実施形態では、支持部20の位置は調整機構によって調整可能であってもよい。
【0097】
本実施形態では、洗浄ブラシユニット10a,10bは着脱可能であり、交換可能なユニットであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の洗浄装置は、台車の車輪を洗浄する用途に使用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 洗浄装置
2 台車
3 車輪
3a 外表面
4 台車フレーム
5 取り付け部材
6 荷物
7 第1傾斜台
8 第2傾斜台
10a,10b 洗浄ブラシユニット
11 洗浄ブラシ
11a ブラシフレーム
11b ブラシ毛
11c 溝
12 ユニットフレーム
13 スペーサ
14 接続軸
20 支持部
30 回転制動部
40a、40b 揺動部
50 駆動部
51 駆動源
52 駆動軸
53、54,55 プーリ
60 洗浄水タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図15