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特開2024-139303窓開閉ロック装置、窓サッシ及び壁構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139303
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】窓開閉ロック装置、窓サッシ及び壁構造
(51)【国際特許分類】
   E05C 1/14 20060101AFI20241002BHJP
   E05C 9/14 20060101ALI20241002BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
E05C1/14 C
E05C9/14
E05B65/06 H
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050181
(22)【出願日】2023-03-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】000101776
【氏名又は名称】アルメタックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390021153
【氏名又は名称】株式会社SKB
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 哲也
(72)【発明者】
【氏名】棚池 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知未
(72)【発明者】
【氏名】藤家 充朗
(72)【発明者】
【氏名】峯 永治
(72)【発明者】
【氏名】白井 利樹
(57)【要約】
【課題】障子を閉じる動作中にトリガーが施解錠カムに接触するタイミングを微調整する手段を備えて、施錠機構の応答精度を好適に保持し得る窓開閉ロック装置を提供する。
【解決手段】トリガー820は、障子の戸先框201に取り付けられたトリガー取付プレート810にピン節点83を介して枢着されて屋内側に揺動し得るように保持され、トリガー取付プレート810の上部には窓枠側に張り出す調整基片814が設けられて屋内側から調整部材としての雄ネジ84が螺合される一方、トリガー820の上部には調整基片814の屋外側に相対する受片824が設けられ、受片824に当接する雄ネジ84を回して先端位置を移動させることにより、障子を閉じる動作中にトリガー820の下部に設けられた押動片821が施解錠カムを押動するタイミングを調整可能にする。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠内に建て込まれて屋外側に開閉される障子の戸先框の見込部に受け具が取り付けられる一方、
前記戸先框と重なり合う窓枠の見込部には、前記窓枠の材長方向に沿って移動する連動部材を介して、前記受け具に係脱するロックピンが組み付けられ、
前記障子が閉じられた状態で、前記連動部材が前記ロックピンを前記受け具に係合させる「ロック位置」へと移動することにより前記障子が施錠され、前記連動部材が前記ロックピンを前記受け具から抜脱させる「アンロック位置」へと移動することにより前記障子が開閉可能になる窓開閉ロック装置において、
前記窓枠には、前記連動部材に前記ロック位置側へ移動する向きの付勢力を与え、前記障子が閉じられると前記障子の戸先框に取り付けられたトリガーからの押動によって前記アンロック位置にある前記連動部材を前記ロック位置側へ移動させる施錠機構と、前記障子の閉止位置よりも屋内側に取り付けられた解錠操作部材の操作によって前記ロック位置にある前記連動部材を前記アンロック位置側に移動させる解錠機構と、が設けられており、
前記トリガーは、前記障子の戸先框の見込部に取り付けられたトリガー取付プレートにピン節点を介して枢着されて屋内側に揺動し得るように保持され、
前記トリガーの下部には、前記施錠機構に設けられた施解錠カムに当接して前記施解錠カムを屋内側に押し込む押動片が設けられており、
前記トリガーと前記トリガー取付プレートとの取合部分には、前記施解錠カムに対する前記押動片の当接位置を屋内外方向に沿って変化させる調整手段が、屋内側から操作し得るように設けられている
ことを特徴とする窓開閉ロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載された窓開閉ロック装置において、
前記調整手段は、
前記トリガー取付プレートにおける前記ピン節点よりも上方位置に設けられて前記窓枠側に張り出す調整基片と、
前記調整基片に保持されて屋内側からの操作により屋内外方向に移動する調整部材と、
前記トリガーの上部から前記窓枠側に張り出して前記調整基片に相対する受片と、
を含んで構成され、
前記調整部材が前記受片に当接することにより前記押動片の屋外側への揺動範囲が規制されるとともに、
前記調整部材の屋内外方向の移動に応じて前記押動片と前記施解錠カムとの接触位置が変化するように構成された
ことを特徴とする窓開閉ロック装置。
【請求項3】
請求項2に記載された窓開閉ロック装置において、
前記調整部材は、前記調整基片に雌ネジ孔を形成して螺合された、屋内側に頭部を有する雄ネジである
ことを特徴とする窓開閉ロック装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載された窓開閉ロック装置によって施解錠される障子及び窓枠を具備する窓サッシ。
【請求項5】
請求項4に記載された窓サッシを具備する壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願が開示する発明は、窓枠内に建て込まれた障子が屋外側に開閉される形態の窓サッシに適用可能なロック装置に関する。より詳細には、障子を閉じると自動的に施錠される機構を備えた窓開閉ロック装置と、その窓開閉ロック装置を具備する窓サッシ及び壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
窓枠内に建て込まれた障子を屋外側に開閉する開き窓、すべり出し窓、突き出し窓、ルーバー窓、オーニング窓等の窓サッシを具備する壁構造がある。この種の窓サッシにおいて、障子の戸先框に取り付けた障子側係合部材と、戸先側の窓枠材に取り付けた枠側係合部材とを互いに係合させて障子を閉止位置に拘束するロック装置が公知である。例えば、特許文献1、2、3等には、縦すべり出し窓における障子側係合部材として、略J字形に屈曲した溝孔を有する障子側受け具(係合枠)を戸先框の見込部の複数箇所に取り付ける一方、枠側係合部材として前記障子側受け具に係脱可能な複数箇所のロックピン(係合ピン)と、それらを戸先側の縦枠に沿って連結する細板状の連動部材(ロックピン連結バー)と、を上下動可能に取り付け、障子を閉じた状態で、窓枠の屋内側に設置した施解錠用レバーを操作することにより、ロックピンを上下動させて障子側受け具に係合させる、という機構を備えた窓開閉ロック装置(施錠装置)が開示されている。
【0003】
しかし、前述の窓開閉ロック装置は、障子を開閉するオペレータ等の開閉機構とは別に設けられているので、窓を施錠する際には、オペレータ等を操作して障子を閉めた後、窓開閉ロック装置の施解錠用レバーを操作して施錠する、という二段階の手順が必要になる。かかる構成では、障子を閉めた後で窓開閉ロック装置の操作をし忘れることがあり得るので、防犯面において改善の余地がある。そこで、本出願人は、障子を閉めると自動的に施錠される窓開閉ロック装置を発明して、特許文献4に開示している。その概要を、図1図4を参照しつつ説明する。
【0004】
その窓開閉ロック装置1は、例えば図1に示すような縦すべり出し窓の窓サッシに組み込まれる。この窓サッシは、窓枠10と、その枠内に建て込まれた障子20とが、フリクションステー301、オペレータ302、ハンドル303等を含んで構成される開閉機構30を介して連結されている。
【0005】
窓開閉ロック装置1は、障子20の戸先框201の見込部に取り付けられる受け具2と、この戸先框201に重なり合う窓枠10の縦枠101の見込部に連動部材4を介して組み付けられるロックピン3と、ロックピン3及び連動部材4を縦枠101の材長方向(上下方向)に沿って解錠側(アンロック位置)に移動させる解錠機構5及び施錠側(ロック位置)に移動させる施錠機構6と、を含んで構成される。
【0006】
図2に示すように、障子20側に取り付けられた受け具2には、縦枠101側に取り付けられたロックピン3が係脱する溝孔21が形成されている。溝孔21は、戸先框201の材長方向に沿って直線状に延び、その下端には障子20の閉止側(屋内側)に開口するロックピン受渡口22が形成されている。
【0007】
連動部材4は細長い等幅の長尺材で、戸先側の縦枠101の見込部にガイドブラケット7を介して取り付けられ、縦枠101の見込部に沿って直線往復的に上下動し得るように保持されている。ガイドブラケット7は略溝形の断面形状を有する短尺の部材で、障子20を閉じたときに受け具2と重なり合う位置に取り付けられ、その正面部には、連動部材4に止め付けられたロックピン3を収容して上下動させる縦長のロックピンガイド孔71が形成されている。なお、以下の説明においては、窓開閉ロック装置1を窓の開口面内側から見た図2の視点を「正面」と定めて、部位・部材の相対的な位置関係や動作の向きを特定する。
【0008】
連動部材4の下端近傍には、連動部材4を手動操作でアンロック位置に移動させる解錠機構5が連結されている。解錠機構5は、縦枠101の屋内側に取り付けられた収納式の操作レバー51と、この操作レバー51に結合されたクランクアーム52とを具備し、クランクアーム52の先端に形成された略L字状のカム溝53が、連動部材4に取り付けられた作動ピン43に係合している。この操作レバー51を、例示形態では上向きに持ち上げると、クランクアーム52が下向きに回動して作動ピン43を押し下げ、それによって連動部材4及びロックピン3が下向きに移動する。
【0009】
さらに連動部材4には、障子20が閉じられると、連動部材4を自動的にロック位置に移動させる施錠機構6が、ロックピン3と受け具2との係脱位置から若干離れて組み付けられている。施錠機構6は、連動部材4の下端に連結された「カム取付部材」としてのカム取付プレート61、カム取付プレート61に取り付けられた施解錠カム62、縦枠101に固定される「カム受け部材」としてのカム受けブラケット63、カム取付プレート61とカム受けブラケット63との間に取り付けられた「付勢部材」としての引張コイルばね64、そして障子20の戸先框201に取り付けられたトリガー取付プレート81及びトリガー82、等を含んで構成される。
【0010】
カム取付プレート61は、連動部材4と略等幅で上下方向に延び、中間部の横幅が広くなっている薄板状の部材で、上端が連動部材4の下端に結合され、連動部材4と一体的に上下動する。カム取付プレート61の中間部には、施解錠カム62が取り付けられている。
【0011】
施解錠カム62は、図3に拡大して示すように、正面視略円形の枢着基部621と、枢着基部621の下方に延び出す細幅の首部622と、首部622の下部から屋外側に突出する係合鈎623と、首部622の屋内側の側縁から窓枠10の開口面内側に屈曲して突き出す受動片624と、を有している。そして、枢着基部621がリベット626等を介してカム取付プレート61に枢着されることにより、施解錠カム62全体が屋内外方向に揺動し得るように保持される。
【0012】
カム受けブラケット63は略溝形の断面形状を有し、カム取付プレート61を囲むようにして縦枠101にネジ止めされている。それらのネジとの干渉を避けるため、カム取付プレート61には上下方向に延びる三箇所の上下動ガイド孔611、612、613が形成されている。また、カム受けブラケット63の下縁近傍には付勢部材としての引張コイルばね64が掛止されており、引張コイルばね64の他端はカム取付プレート61の下端近傍に掛止されている。カム受けブラケット63を介して縦枠101側に掛止されたこの引張コイルばね64が、カム取付プレート61及びこれに連結される連動部材4に対して、それらを上向きに移動させる付勢力を与える。
【0013】
カム受けブラケット63の正面部には、施解錠カム62を収容してロック位置からアンロック位置まで上下動させる、窓孔状のカム案内部631が設けられている。カム案内部631の下半部における屋外側の側辺縁には、施解錠カム62の係合鈎623を係合させるための被係合部634が形成されている。施解錠カム62がカム案内部631の下半部に移動して、係合鈎623を被係合部634に係合させた状態が「アンロック位置」となり、係合鈎623が被係合部634から外れて施解錠カム62がカム案内部631の上半部に移動した状態が「ロック位置」となる。
【0014】
一方、障子20側に取り付けられるトリガー取付プレート81は、その中間部分が戸先框201の見込部と直交するように屈曲されて、トリガー押え片812となされている。トリガー取付プレート81の上部寄りにはピン83を介してトリガー82が枢着されている。このトリガー82は、屋外側の側縁がトリガー取付プレート81のトリガー押え片812に添接することで、その位置よりも屋内側にのみ揺動し得るように保持される。トリガー82の屋内側の側縁には、戸先框201の見込部と直交するように延び出す押動片(特許文献1中では「応動片」)821が形成されている。この押動片821が、障子20を閉じたときにアンロック位置に係合している施解錠カム62の受動片624に当接するように、トリガー取付プレート81が位置決めされている。
【0015】
図4及び図5は、障子20を開閉するときの各部の動作を表している。障子20が開かれている状態では、図4(a)に示すように、施解錠カム62がカム案内部631の下半部に移動して、係合鈎623が被係合部634に係合している。したがって、この施解錠カム62が取り付けられているカム取付プレート61と、これに連結された連動部材4及びロックピン3も、この高さ(アンロック位置)に仮止めされている。
【0016】
この状態で障子20が閉じられると、図4(b)に示すように、障子20に取り付けられたトリガー82の押動片821が施解錠カム62の受動片624に当接する。このとき、障子20の上方に取り付けられている受け具2は、図2(b)に示したように、そのロックピン受渡口22にロックピン3を迎え入れる位置にくる。もう少し障子20が閉じられると、図4(c)に示すように、トリガー82が施解錠カム62を屋内側に押し込んで、施解錠カム62の係合鈎623がカム案内部631の被係合部634から外れる。
【0017】
すると、カム取付プレート61は、図4(d)~(e)に示すように、引張コイルばね64の付勢力によって瞬時に引き上げられる。これに伴って連動部材4及びロックピン3も上向きに移動し、その結果、図2(a)に示したように、ロックピン3が受け具2の溝孔21の奥部まで入り込んで、障子20の開閉ができなくなる。このように、障子20を閉じるだけで、トリガー82と施解錠カム62との接触に応動してロックピン3が受け具2に係合し、自動的に施錠される。
【0018】
閉じられている障子20を開くときは、図5(a)に示した施錠状態から、解錠機構5の操作レバー51を手動で操作して、連動部材4を押し下げる。すると、図3及び図5(b)~(c)に示すように、連動部材4に連結されているカム取付プレート61も下降し、施解錠カム62がカム案内部631の下半部に移動して、係合鈎623を被係合部634に係合させる。こうして連動部材4がアンロック位置に仮止めされると、ロックピン3も受け具2のロックピン受渡口22の高さにくるので、そのまま障子20を開くことができる。
【0019】
なお、図5(c)の状態では、トリガー82の押動片821が施解錠カム62の受動片624よりも屋内側に位置しているが、障子20を開くことによってトリガー82の押動片821が施解錠カム62の受動片624に屋内側から接触する。その反力で、図5(d)に示すようにトリガー82が持ち上げられ、受動片624を乗り越えるように回動しながら屋外側へと移動する。
【0020】
こうして図5(e)に示すように障子20が開かれた後は、再度、障子20が閉じられるまで、連動部材4やロックピン3は施解錠カム62によってアンロック位置に仮止めされたままになる。
【0021】
このように構成された窓開閉ロック装置1によれば、窓枠10側に取り付けられて「アンロック位置」に仮止めされている連動部材4が、オペレータ等を操作して障子20を閉じる操作に連動して「ロック位置」へと移動し、その連動部材4に止め付けられたロックピン3が障子20に取り付けられた受け具2に対して瞬時に係合することで、障子20が施錠状態に保持される。したがって、障子20を閉じた後に施錠をし忘れる、といった事態を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2002-188336号公報
【特許文献2】特開2006-022515号公報
【特許文献3】特開2018-104947号公報
【特許文献4】特許第6977976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
特許文献4に開示された窓開閉ロック装置1に関して本出願人は、カム受けブラケット63における施解錠カムの取付精度や係合状態、窓枠10と障子20との当接箇所に介装される気密部材の弾力性、トリガー取付プレート81の施工精度、等々の要因で障子20の閉じ具合に変化や不均等が発生することで、障子20を閉じたときにトリガーが施解錠カムを押し込む動作の精度が低下して、施錠機構が確実に応動しない場合があることを発見した。しかし、前記従来の機構には、トリガーと施解錠カムとの接触状態を適正に調整する手段が備えられていない。
【0024】
そこで、本願が開示する発明は、障子を閉じる動作中にトリガーが施解錠カムに接触する位置(タイミング)を調整することによって、施錠機構の応答精度を好適に保持し得るように改良した窓開閉ロック装置を提供するものである。併せて、その窓開閉ロック装置によって開閉される窓サッシ、及びその窓サッシを具備する壁構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前述の目的を達成するために本願が開示する発明の窓開閉ロック装置は、窓枠内に建て込まれて屋外側に開閉される障子の戸先框の見込部に受け具が取り付けられる一方、前記戸先框と重なり合う窓枠の見込部には、前記窓枠の材長方向に沿って移動する連動部材を介して、前記受け具に係脱するロックピンが組み付けられ、前記障子が閉じられた状態で、前記連動部材が前記ロックピンを前記受け具に係合させる「ロック位置」へと移動することにより前記障子が施錠され、前記連動部材が前記ロックピンを前記受け具から抜脱させる「アンロック位置」へと移動することにより前記障子が開閉可能になる窓開閉ロック装置において、前記窓枠には、前記連動部材に前記ロック位置側へ移動する向きの付勢力を与え、前記障子が閉じられると前記障子の戸先框に取り付けられたトリガーからの押動によって前記アンロック位置にある前記連動部材を前記ロック位置側へ移動させる施錠機構と、前記障子の閉止位置よりも屋内側に取り付けられた解錠操作部材の操作によって前記ロック位置にある前記連動部材を前記アンロック位置側に移動させる解錠機構と、が設けられており、前記トリガーは、前記障子の戸先框の見込部に取り付けられたトリガー取付プレートにピン節点を介して枢着されて屋内側に揺動し得るように保持され、前記トリガーの下部には、前記施錠機構に設けられた施解錠カムに当接して前記施解錠カムを屋内側に押し込む押動片が設けられており、前記トリガーと前記トリガー取付プレートとの取合部分には、前記施解錠カムに対する前記押動片の当接位置を屋内外方向に沿って変化させる調整手段が、屋内側から操作し得るように設けられている、との構成を採用する。
【0026】
さらに、前記調整手段は、前記トリガー取付プレートにおける前記ピン節点よりも上方位置に設けられて前記窓枠側に張り出す調整基片と、前記調整基片に保持されて屋内側からの操作により屋内外方向に移動する調整部材と、前記トリガーの上部から前記窓枠側に張り出して前記調整基片に相対する受片と、を含んで構成され、前記調整部材が前記受片に当接することにより前記押動片の屋外側への揺動範囲が規制されるとともに、前記調整部材の屋内外方向の移動に応じて前記押動片と前記施解錠カムとの接触位置が変化する、との構成を採用する。
【0027】
さらに、前記調整部材は、前記調整基片に雌ネジ孔を形成して螺合された、屋内側に頭部を有する雄ネジである、との構成を採用する。
【0028】
そして、本願が開示する発明の窓サッシは、前述の窓開閉ロック装置によって施解錠される障子及び窓枠を具備するものとして特徴付けられる。また、本願が開示する発明の壁構造は、前述の窓サッシを具備するものとして特徴付けられる。
【発明の効果】
【0029】
前述のように構成される窓開閉ロック装置によれば、トリガーとトリガー取付プレートとの取合部分に設けられた調整手段を操作することで、障子を閉じる動作中にトリガーの押動片が施解錠カムに接触するタイミングを調整することができる。この調整作業は屋内側から容易に行うことができるので、施錠機構の応答精度を常に好適に維持することが可能になり、窓開閉ロック装置を長期間にわたり安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】特許文献1に開示された従来の窓開閉ロック装置が取り付けられている縦すべり出し窓の概略的構成を示す斜視図である。
図2】前記従来の窓開閉ロック装置の全体的構成を、図1の窓の開口面内側から見て示す正面図であり、(a)は施錠状態、(b)は解錠状態を示す。
図3】前記従来の窓開閉ロック装置における施解錠カムとカム案内部との係合動作を説明する拡大図である。
図4】前記従来の窓開閉ロック装置において、障子が閉じられると施錠機構によって自動的に施錠される動作を段階的に示す説明図である。
図5】前記従来の窓開閉ロック装置において、施錠機構によって施錠されている障子が開かれるときの動作を段階的に示す説明図である。
図6】本願が開示する発明の窓開閉ロック装置における解錠機構及び施錠機構の概略的構成を示す正面図である。
図7図6におけるB-B位置の横断面図である。
図8図6に示した窓開閉ロック装置の通常の施錠状態を示す要部斜視図である。
図9図6に示した窓開閉ロック装置の通常の解錠状態を示す要部斜視図である。
図10図6に示した窓開閉ロック装置における操作ボックス及び操作スライダの組付構造を示す分解斜視図である。
図11図6図10に示した窓開閉ロック装置を非常時に解錠する場合の手順1を示す斜視図である。
図12図11に続いて、窓開閉ロック装置を非常時に解錠する場合の手順2を示す斜視図である。
図13図12に続いて、窓開閉ロック装置を非常時に解錠する場合の手順3を示す斜視図である。
図14】本願が開示する発明の窓開閉ロック装置において障子側に取り付けられるトリガー及びトリガー取付プレートの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本願が開示する発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する実施形態において、背景技術欄に記載した従来の窓開閉ロック装置1(図1図5)と機能または作用が実質的に共通する部材・部位には同一の符号を付して、それらの説明は簡略化する。
【0032】
本願が開示する発明にかかる窓開閉ロック装置11は、例えば図1に示した縦すべり出し窓における二点鎖線の囲み部分Aに、従来の解錠機構5及び施錠機構6に替えて組み付けられる。窓枠10の枠内に建て込まれた障子20を開閉する開閉機構30については従来公知のものを適宜選択ないし組み合わせて構成することが可能であり、本願が開示する発明では、その詳細な構成を特に限定しない。
【0033】
窓開閉ロック装置11は、障子20の戸先框201の見込部に取り付けられる受け具2と、この戸先框201に重なり合う窓枠10の縦枠101の見込部にガイドブラケット7を介して上下動可能に取り付けられる連動部材4と、連動部材4の所定位置に止め付けられたロックピン3と、ロックピン3および連動部材4を縦枠101の材長方向(上下方向)に沿って解錠側(アンロック位置)に移動させる解錠機構および施錠側(ロック位置)に移動させる施錠機構と、を含んで構成される。受け具2、ロックピン3、連動部材4、ガイドブラケット7の構成は、背景技術欄に記載したものと大きな相違はないが、本願が開示する発明においては、受け具2とロックピン3との係脱形態は特に限定しない。
【0034】
図6図10は、窓開閉ロック装置11の要部を構成する解錠機構50及び施錠機構60の概略的構成と、その動作状態を示している。図6図1の囲み部分Aに組み付けられる解錠機構50及び施錠機構60の正面図であり、図7図6におけるB-B位置の横断面図である。また、図8は通常時の施錠状態(障子20が閉じてロックされている状態)を示す要部斜視図、図9は通常時の解錠状態(障子20を開閉できる状態)を示す要部斜視図、図10は操作ボックス及び操作スライダの組付構造を示す分解斜視図である。
【0035】
連動部材4を手動操作でアンロック位置に移動させる解錠機構50は、連動部材4の下端近傍に連結されている。例示の解錠機構50は、障子20の閉止位置よりも屋内側の縦枠101に取り付けられる操作ボックス54と、操作ボックス54内に組み付けられて上下方向に摺動する「解錠操作部材」としての操作スライダ55と、を備えている。
【0036】
操作ボックス54は、正面側が開口した縦長の箱形をなし、正面周縁部を除いた本体部分が縦枠101の見込部に形成された開口部内に埋め込まれている。操作ボックス54は、その上下2箇所を正面側から背面側へ貫通する2本の雄ネジ541、542によって、縦枠101の奥部に固定されている。操作スライダ55は、正面側の上下方向における中間部分に操作摘み551が突設されており、その操作摘み551の上側(ロック位置側)に小さいブロック状の磁石56が嵌め込まれている。この磁石56はネオジム磁石その他の永久磁石であり、後述する磁気形近接センサの検出体となるものである。
【0037】
操作スライダ55の上部及び下部には、上下動を円滑にするガイドプレート57、57が操作スライダ55の正面側から重ねられている。これらのガイドプレート57は、操作スライダ55の上下動に伴って、縦枠101の見込部の裏側から、操作ボックス54の上方及び下方にそれぞれの略半部を出没させる。上側のガイドプレート57は、操作スライダ55に取り付けられた磁石56を外観に現れないように隠す作用もなす。下側のガイドプレート57の表面には、解錠操作の向きを示す逆三角形の図形記号が形成されている。各ガイドプレート57には、操作ボックス54を縦枠101に固定する雄ネジ541、542の着脱操作ができるように、雄ネジ541、542の頭部よりも大径のネジ挿通孔571が形成されている。これらのネジ挿通孔571は、操作ボックス54を縦枠101に固定した後、操作ボックス54の上部及び下部に正面側から重ねられる着脱可能なネジカバー58によって隠される。
【0038】
操作スライダ55の機構部分は操作ボックス54の背面側に突出し、その機構部分に解錠操作アーム59が取り付けられている。この解錠操作アーム59は操作スライダ55の機構部分に結合されて、回転はしない。解錠操作アーム59は薄板状の部材で、縦枠101の中間部分の見付部に形成されたスリット103を通じて屋外側へと延び出し、その端部が連動部材4の下端にネジ止めされている。この解錠操作アーム59を介して操作スライダ55と連動部材4とが一体的に連結されることにより、操作スライダ55を手動操作で押し下げると、それに連係して連動部材4及びロックピン3も下降させることができる。
【0039】
操作ボックス54の上側に近接する縦枠101の見込部には、磁気形近接センサの検出素子を内蔵した窓開閉検知装置9が取り付けられている。この窓開閉検知装置9が操作スライダ55に取り付けられた磁石56の接離状態を検出することで、操作スライダ55と一体的に移動する連動部材4がロック位置にあるか、あるいはアンロック位置にあるか、が判定される。こうして障子20の開閉状態を自動的に検出し、その検出信号を所定のセキュリティ機器等に送信することにより、防犯性を高めることができる。
【0040】
なお、例示形態では解錠操作アーム59が正面から見て斜行するように配置されているが、操作ボックス54の取付位置と、連動部材4へのネジ止め位置との相対関係に応じて、解錠操作アーム59の延出方向は適宜設計されればよい。また、連動部材4を手動操作で押し下げる解錠機構としては、背景技術欄に説明した操作レバー51とクランクアーム52とを利用する解錠機構5(図2参照)も利用可能である。その解錠機構5では、操作レバー51が「解錠操作部材」に相当し、クランクアーム52が実質的に解錠操作アーム59として機能する。
【0041】
連動部材4の下方には、障子20が閉じられると、連動部材4を自動的にロック位置に移動させる施錠機構60が設けられている。施錠機構60は、連動部材4の下方に配置されて縦枠101に沿って昇降する「カム取付部材」としてのカム取付プレート61、カム取付プレート61に取り付けられた施解錠カム62、縦枠101に固定される「カム受け部材」としてのカム受けブラケット63、カム取付プレート61とカム受けブラケット63との間に取り付けられた「付勢部材」としての引張コイルばね64、障子20側に取り付けられたトリガー取付プレート810およびトリガー820、等を含んで構成される。
【0042】
カム取付プレート61は、図2図3を参照して背景技術欄に説明したものと実質的に同等の部材であり、その中間部に取り付けられる施解錠カム62の形状及び揺動形態も従来と同様である。ただし、本願が開示する発明では、カム取付プレート61の上端が連動部材4の下端に結合されるのではなく、連動部材4の下端に接離可能に当接するように保持される。
【0043】
カム受けブラケット63も、図2図3を参照して背景技術欄に説明したものと実質的に同等の部材であり、その正面部に形成されるカム案内部631の形状、カム案内部631に対する施解錠カム62の係合形態、カム取付プレート61との間に取り付けられる付勢部材(引張コイルばね64)の作用等も従来と同様である。ただし、本願が開示する発明では、カム受けブラケット63が直接、縦枠101にネジ止めされてはいない。カム受けブラケット63は、横断面形状が略溝形ではなくL字形をなしており、その正面部がカム取付プレート61に形成された上下動ガイド孔612、613に摺動可能に係合するリベット65を介して、カム取付プレート61に対してのみ連結されている。
【0044】
カム受けブラケット63の正面部の屋内側の側縁には、屋内側に向かって延出する持出しブラケット66が、ネジ止め等の固定手段によって結合されている。持出しブラケット66は縦枠101の見付部に形成されたスリット103を経由して操作ボックス54の背面側まで延び、操作ボックス54を縦枠101に固定する下側の雄ネジ542で、操作ボックス54と一緒に縦枠101に止め付けられている。つまり、操作ボックス54を縦枠101に固定する1本の雄ネジ542が、持出しブラケット66を介してカム受けブラケット63を縦枠101に固定するための「カム受け固定手段」を構成している。このようなカム受け固定手段を採用することにより、カム受けブラケット63を所定位置に保持するための基点を、障子20の閉止位置よりも屋内側に移動させることができる。
【0045】
前述のように構成された窓開閉ロック装置11は、万一、障子20が閉じている状態で施錠機構60に動作不良が生じても、以下の手順で施錠状態を解除することができる。
【0046】
手順1:施錠状態では操作スライダ55が上昇位置にある。また、施錠・解錠状態に関わらず定位置に固定されるカム受けブラケット63に対しては、引張コイルばね64の付勢力によってカム取付プレート61及び施解錠カム62も上昇位置に保持されている。その状態で、図11に示すように、まず操作ボックス54の下側のネジカバー58を取り外す。すると、下側のガイドプレート57のネジ挿通孔571内に下側の雄ネジ542の頭部が見えるので、その雄ネジ542を緩めて抜き取る。
【0047】
手順2:カム受け固定手段を構成する下側の雄ネジ542が抜き取られると、図12に示すように、持出しブラケット66は縦枠101及び操作ボックス54の双方に対する保持力を失い、カム受けブラケット63とともに数cm程度、自重でずり落ちる。このとき、カム受けブラケット63に対して上昇位置に保持されているカム取付プレート61及び施解錠カム62も、カム受けブラケット63と一体になって下降する。その結果、カム取付プレート61の上端が連動部材4の下端から離れる。
【0048】
手順3:カム取付プレート61が連動部材4の下方に離れると、施錠状態で連動部材4に与えられていた上向きの付勢力が消失して、解錠機構50の操作が自由になる。そこで図13に示すように、操作スライダ55を手動で押し下げれば、連動部材4も下降してアンロック位置に移動する。これにより、屋内側から障子20を押し開くことが可能になる。つまり、操作ボックス54を縦枠101に固定している下側の雄ネジ542は、その着脱容易性により、非常時にはカム受け固定手段を強制的に解除するための部材として機能する。なお、このカム受け固定手段には、例示した雄ネジに代えて、例えば適宜の係脱機構や挟持機構によって容易に着脱し得る機械的手段を採用することも可能である。
【0049】
障子20が開けば、窓枠10側の施錠機構60全体を屋外側に抜き出すようにして容易に取り外せるので、取り外した施錠機構60の構成部品を適宜修理または交換する。機能回復した施錠機構60の持出しブラケット66を屋外側から縦枠101のスリット103内に差し込み、カム受けブラケット63を適切に位置合わせして、操作ボックス54及び縦枠101に持出しブラケット66を固定すれば、再び利用可能になる。こうして、窓開閉ロック装置11を長期間にわたり安心して使用することができる。
【0050】
また、施錠機構60を構成する障子20側の部材として、障子20の戸先框201にはトリガー取付プレート810を介してトリガー820が取り付けられる。前述した施錠機構60は、障子20を閉じたときにトリガー820が施解錠カム62を押動することによって作動する。図14は、本願が開示する発明の窓開閉ロック装置11に採用されるトリガー取付プレート810及びトリガー820の構成を示す。本願の特許請求の範囲に記載した発明の要部は、トリガー820とトリガー取付プレート810との取合部分に、トリガー820と施解錠カム62との当接位置の調整手段が設けられている点にある。
【0051】
トリガー取付プレート810は、正面視略コ字形の薄板状部材であり、屋外側の側縁の上下二箇所から屋外側に延び出す固定片811と、屋内側の側縁の上部から戸先框201の見込部と直交するように屈折されて縦枠101側に張り出す調整基片814と、を具備している。各固定片811には屋内外方向に延びる長孔状の固定孔813が形成され、この固定孔813を利用してトリガー取付プレート810が戸先框201の見込部にネジ止めされる。固定孔813を長孔にしたことで、縦枠101側に取り付けられるカム受けブラケット63の位置や障子20の閉じ具合に合わせて、トリガー取付プレート810の固定位置を屋内外方向に粗調整することができる。
【0052】
調整基片814には、屋内外方向に貫通する雌ネジ孔が形成されて、その雌ネジ孔に屋内側から「調整部材」としての雄ネジ84が螺合されている。この雄ネジ84は、障子20を少し開いた状態で、屋内側に位置する頭部を屋内側からドライバー等で回すことができる。
【0053】
トリガー取付プレート810の中間部よりもやや上部寄りには、平頭状のピン83を利用したピン節点が設けられており、このピン83にトリガー820が枢着されて、屋内外方向に揺動しうるように保持される。トリガー820は、ピン83に枢着される正面視略台形の揺動部822と、揺動部822の下部から屋内側に向けて延び出した正面視略矩形の押動部823と、を有する薄板状の部材である。押動部823の屋内側の側縁には、戸先框201の見込部と直交するように屈折されて縦枠101側に張り出す押動片821が形成されている。この押動片821が、障子20を閉じるときにアンロック位置に係合している施解錠カム62の受動片624に当接して、施解錠カム62を屋内側に押し込み、施解錠カム62をロック位置に移動させる。
【0054】
揺動部822の屋内側の側縁の上部には、戸先框201の見込部と直交するように屈折されて縦枠101側に張り出す受片824が形成されている。この受片824が、トリガー取付プレート810の調整基片814の屋外側に、調整基片814と相対するように配置される。そして、調整基片814の雌ネジ孔に螺合された雄ネジ84の先端が受片824に当接することで、トリガー820の屋内側への揺動範囲が規制される。この雄ネジ84を回して屋内外方向に移動させ、屋外側への出寸法を変化させることにより、トリガー820の押動片821が施解錠カム62に接触する位置(障子20を閉じる動作中にトリガー820が施解錠カム62を押動するタイミング)を無段階に調整することができる。
【0055】
このように、本願が開示する発明にかかる窓開閉ロック装置11は、トリガー取付プレート810に設けられた調整基片814と、その調整基片814に保持されて屋内外方向に移動する調整部材(雄ネジ84)と、トリガー820側に設けられて調整部材に当接する受片824と、を含んで構成される調整手段を具備しており、障子20を閉じたときにトリガー820が施解錠カム62を押動するタイミングを屋内側からの操作で微調整し得るように構成されている。したがって、施錠時および解錠時における施錠機構60の応答精度や、窓枠10と障子20との密閉性を容易に好適化することができる。
【0056】
以上、本願が開示する発明の実施形態を例示したが、この発明の技術的範囲は、例示形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。本願が開示する発明の実施に際しては、例示形態と実質的に同様の動作や作用効果が得られる範囲内で、装置各部を構成する部材の形状、材質、配置、取り合い等を適宜、改変することが可能である。(例えば、例示形態では「調整部材」に雄ネジ84を採用しているが、この雄ネジ84に代えて、段付きピン、偏心カム、ダイヤル等を利用した適宜の位置調整機構を利用することもできる。また、調整部材を操作して移動させる方向は、厳密な障子の面直方向に限定されるものではなく、屋内側からの操作に支障のない範囲内で、障子の面直方向に対し目安として上下左右斜め45度以内の傾斜方向まで広く包含されるものとする。
【0057】
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、説明の簡素化のため、窓枠の開口面外方向を「屋内外方向」、障子が開放される側を「屋外側」、施錠される側を「屋内側」として説明したが、例えば窓枠が屋内空間に設置されるような場合は、屋外/屋内を前記の意味に読み換えることとする。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本願が開示する発明は、例示したような縦すべり出し窓だけでなく、その他の開閉形態を採用する窓の施解錠装置としても幅広く採用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 従来の窓開閉ロック装置
100 窓開閉ロック装置
2 受け具
3 ロックピン
4 連動部材
50 解錠機構
54 操作ボックス
541 雄ネジ
542 雄ネジ(カム受け固定手段)
55 操作スライダ
551 操作摘み
56 磁石
57 ガイドプレート
571 ネジ挿通孔
58 ネジカバー
59 解錠操作アーム
60 施錠機構
61 カム取付プレート(カム取付部材)
62 施解錠カム
624 受動片
626 リベット
63 カム受けブラケット(カム受け部材)
64 引張コイルばね(付勢部材)
65 リベット
66 持出しブラケット
810 トリガー取付プレート
811 固定片
813 固定孔
814 調整基片
820 トリガー
821 押動片
822 揺動部
823 押動部
824 受片
83 ピン
84 雄ネジ(調整部材)
9 窓開閉検知装置
10 窓枠
101 縦枠
103 スリット
20 障子
201 戸先框
30 開閉機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14