(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139321
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20241002BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H05K5/02 A
H04M1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050208
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】中山 貴之
【テーマコード(参考)】
4E360
5K023
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB02
4E360AB08
4E360AB13
4E360AB42
4E360BC05
4E360CA01
4E360EA12
4E360ED02
4E360GA14
4E360GB26
5K023AA07
5K023BB27
5K023DD06
5K023LL06
5K023PP02
(57)【要約】
【課題】電子機器の耐衝撃性を確保しつつ電子機器の構成物の配置の自由度を向上する。
【解決手段】電子機器1は、第1方向に沿って位置する第1側部14と、第1方向に交差する第2方向に沿って位置する第2側部16とを有する筐体10と、第1側部14と第2側部16とが交差する角部18から第1側部14及び第2側部16の両方に沿って延在する衝撃吸収部材40及び50とを備える。衝撃吸収部材40及び50の、第1側部14に沿って延在する側の先端が二股に分岐している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って位置する第1側部と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って位置する第2側部とを有する筐体と、
前記第1側部と前記第2側部とが交差する角部から前記第1側部及び前記第2側部の両方に沿って延在する衝撃吸収部材と
を備え、
前記衝撃吸収部材の、前記第1側部に沿って延在する側の先端が二股に分岐している、
電子機器。
【請求項2】
前記衝撃吸収部材は、前記第2側部の両端に位置する2つの前記角部のそれぞれから前記第1側部に沿って延在する側の先端が二股に分岐している、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記衝撃吸収部材は、前記筐体を前記第2側部から見たときに両端で二股に分岐している、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記衝撃吸収部材は、前記角部で二股に分岐し始める分岐部と、前記分岐部から2つに分かれて前記角部と前記第1側部とに沿って延在する突出部とを有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
端部カバーと側部カバーとを更に備え、
前記端部カバーは、前記衝撃吸収部材の分岐部に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部において前記衝撃吸収部材によって固定され、
前記衝撃吸収部材は、前記突出部の間に位置する、前記側部カバーに接合する接合部を有し、前記接合部において前記端部カバーによって固定される、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体は、ディスプレイを有し、
前記分岐部から2つに分かれた突出部のうち前記ディスプレイの表面の側に位置する突出部は、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に沿って、前記ディスプレイの表面よりも突出している、請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記分岐部から2つに分かれた突出部のそれぞれは、前記第1側部において前記突出部の間に位置する入力部の少なくとも一部よりも前記第2方向に突出している、請求項4に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケースの外面に緩衝材を設けて耐衝撃性を高めた携帯電話機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の耐衝撃性を確保しつつ、電子機器の構成物の配置の自由度を向上することが求められる。
【0005】
本開示は、電子機器の耐衝撃性を確保しつつ、電子機器の構成物の配置の自由度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る電子機器は、筐体と、衝撃吸収部材とを備える。前記筐体は、第1方向に沿って位置する第1側部と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って位置する第2側部とを有する。前記衝撃吸収部材は、前記第1側部と前記第2側部とが交差する角部から前記第1側部及び前記第2側部の両方に沿って延在する。前記衝撃吸収部材の、前記第1側部に沿って延在する側の先端が二股に分岐している。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態に係る電子機器によれば、耐衝撃性の確保と構成の配置の自由度の向上とが両方とも実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る電子機器の一例を示す平面図である。
【
図2A】電子機器の上端部カバーをワイヤーフレーム表示した斜視図である。
【
図2B】電子機器の上端側の衝撃吸収部材をワイヤーフレーム表示した斜視図である。
【
図2C】電子機器の下端部カバーをワイヤーフレーム表示した斜視図である。
【
図2D】電子機器の下端側の衝撃吸収部材をワイヤーフレーム表示した斜視図である。
【
図3】電子機器の上端部カバーと衝撃吸収部材と側部カバーとの分解斜視図である。
【
図4A】電子機器の組立手順(1)を表す図である。
【
図4B】電子機器の組立手順(2)を表す図である。
【
図4C】電子機器の組立手順(3)及び(4)を表す図である。
【
図9】電子機器の左側部の一部を背面から見た図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係る電子機器は、携帯電話、又はスマートフォン等の携帯電子機器であってよい。本実施形態に係る電子機器は、携帯電子機器に限定されるものではない。電子機器は、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット型PC、家電製品、産業用機器若しくはFA(Factory Automation)機器、又は専用端末等の種々の電子機器であってよい。
【0010】
(電子機器1の全体構成)
図1に示されるように、一実施形態に係る電子機器1は、筐体10とディスプレイ12とを備える。筐体10はディスプレイ12を保持する。ディスプレイ12は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、無機ELディスプレイ等の表示デバイスであってよいが、これらに限られない。ディスプレイ12は、タッチセンサを備えるタッチパネルとして構成されてもよい。
【0011】
本実施形態において筐体10の形状は略直方体であるとする。筐体10は、ディスプレイ12が位置する第1面と、表面の反対側に位置する第2面とを備える。第1面はZ軸正方向に向くとする。第1面は前面とも称される。第2面はZ軸負方向に向くとする。第2面は背面とも称される。筐体10は、第1面と第2面との間に位置する4つの側面として、Y軸方向に延在する2つの第1側部14と、X軸方向に延在する2つの第2側部16とを備える。Y軸方向は第1方向とも称される。X軸方向は第2方向とも称される。第1側部14は第2側部16よりも長いとする。つまり、第1面及び第2面の形状は第1方向に沿う辺が第2方向に沿う辺よりも長い略矩形である。第1方向は筐体10の長手方向に対応する。第2方向は筐体10の短手方向に対応する。筐体10は、第1側部14と第2側部16とが交差する部分に位置する角部18を更に備える。
【0012】
本実施形態において筐体10は主に6つの面を有する。筐体10の各面は、平面に限られず、湾曲形状等を含む曲面であってよい。筐体10の各面は、互いに交差するように接続してよい。筐体10の各面は、互いになめらかに接続してよい。筐体10が有する主な面の数は6つに限られない。筐体10の形状は略直方体に限られず他の種々の形状であってよい。
【0013】
電子機器1は、Y軸正方向の端部に位置する上端部カバー20と、Y軸負方向の端部に位置する下端部カバー30とを備える。上端部カバー20及び下端部カバー30は、筐体10の第2側部16に沿って位置する。上端部カバー20及び下端部カバー30は、端部カバーとも総称される。
【0014】
電子機器1は、Y軸正方向の端部に位置する衝撃吸収部材40と、Y軸負方向の端部に位置する衝撃吸収部材50とを備える。衝撃吸収部材40及び50は、筐体10の第1側部14と角部18と第2側部16とに沿って位置する。言い換えれば、衝撃吸収部材40及び50は、筐体10の角部18から第1側部14及び第2側部16の両方に沿って延在する。
【0015】
電子機器1は、X軸負方向の端部に位置する側部カバー61と、X軸正方向の端部に位置する側部カバー62とを備える。側部カバー61及び62は、筐体10の第1側部14に沿って位置する。
【0016】
電子機器1は、側部カバー61に位置する入力部71、72及び73と、側部カバー62に位置する入力部74及び75とを備える。入力部71、72、73及び74は物理ボタンとして構成されるとする。電子機器1がカメラを備える場合、例えば入力部74がカメラのシャッターボタンとして構成されてもよい。入力部75は例えば指紋センサとして構成される。入力部71~75のそれぞれは、これらの例に限られず他の種々の形態の入力デバイスとして構成されてよい。電子機器1が備える入力部の数は5個に限られず4個以下であってもよいし6個以上であってもよい。
【0017】
図2Aに示されるように、上端部カバー20は、X軸負方向の端部に位置する嵌合部21と、X軸正方向の端部に位置する嵌合部22とを備える。
図2Bに示されるように、衝撃吸収部材40は、X軸負方向側の第1側部14においてY軸の負方向に向けて延在する突出部41と突出部42とを有する。また、衝撃吸収部材40は、X軸正方向側の第1側部14においてY軸の負方向に向けて延在する突出部45と突出部46とを有する。
【0018】
図2Cに示されるように、下端部カバー30は、X軸負方向の端部に位置する嵌合部31と、X軸正方向の端部に位置する嵌合部32とを備える。
図2Dに示されるように、衝撃吸収部材50は、X軸負方向側の第1側部14においてY軸の正方向に向けて延在する突出部51と突出部52とを有する。また、衝撃吸収部材50は、X軸正方向側の第1側部14においてY軸の正方向に向けて延在する突出部55と突出部56とを有する。つまり、衝撃吸収部材50の、第1側部14に沿って延在する側の先端は、二股に分岐している。
【0019】
言い換えれば、衝撃吸収部材40及び50の、第1側部14に沿って延在する側の先端は、二股に分岐している。また、衝撃吸収部材40及び50は、筐体10の第2側部16の両端に位置する2つの角部18のそれぞれから第1側部14に沿って延在する。衝撃吸収部材40及び50の、角部18から第1側部14に沿って延在する側の先端は、二股に分岐している。
【0020】
(筐体10の組立手順)
図3、並びに、
図4A、
図4B及び
図4Cを参照して、電子機器1のY軸正方向の端部において、上端部カバー20と衝撃吸収部材40と側部カバー61との組立手順が説明される。
【0021】
図3及び
図4Aにおいて手順(1)として破線の矢印で表されるように、上端部カバー20が、筐体10のY軸正方向の端部に前面側から取り付けられる。上端部カバー20は、X軸負方向の端部に位置する嵌合部21と、X軸正方向の端部に位置する嵌合部22とを有する。
【0022】
図3及び
図4Bにおいて手順(2)として破線の矢印で表されるように、衝撃吸収部材40が、上端部カバー20を固定するようにY軸正方向側からY軸負方向に向かって筐体10に取り付けられる。衝撃吸収部材40は、X軸負方向側の第1側部14に沿って二股に分岐して延在する突出部41及び42と、X軸正方向側の第1側部14に沿って二股に分岐して延在する突出部45及び46とを有する。衝撃吸収部材40は、突出部41及び42の分岐元である分岐部44と、突出部45及び46の分岐元である分岐部48とを有する。衝撃吸収部材40は、突出部41と突出部42との間に位置する接合部43と、突出部45と突出部46との間に位置する接合部47とを有する。
【0023】
衝撃吸収部材40は、筐体10の角部18に対応する位置に、分岐部44及び48を有する。つまり、衝撃吸収部材40は、角部18で二股に分岐し始める。突出部41及び42は、角部18に位置する分岐部44から2つに分かれて、角部18と第1側部14とに沿って延在する。突出部45及び46は、角部18に位置する分岐部48から2つに分かれて、角部18と第1側部14とに沿って延在する。
【0024】
衝撃吸収部材40は、分岐部44と突出部41と突出部42とで囲まれる部分が上端部カバー20の嵌合部21と嵌合するように取り付けられる。また、衝撃吸収部材40は、分岐部48と突出部45と突出部46とで囲まれる部分が上端部カバー20の嵌合部22と嵌合するように取り付けられる。衝撃吸収部材40と上端部カバー20の嵌合部21及び22とが嵌合することによって、上端部カバー20が筐体10に固定される。
【0025】
図3及び
図4Cにおいて手順(3)として破線の矢印で表されるように、X軸負方向側の側部カバー61が、衝撃吸収部材40を固定するようにX軸正方向に向かって筐体10に取り付けられる。側部カバー61は、衝撃吸収部材40の接合部43と接合するように取り付けられる。さらに手順(4)として破線の矢印で表されるように、ねじ63が筐体10のねじ穴19に取り付けられる。側部カバー61がねじ63によって筐体10に取り付けられることによって、衝撃吸収部材40の接合部43が側部カバー61によって筐体10に固定される。
【0026】
また、X軸正方向側の側部カバー62が、衝撃吸収部材40を固定するようにX軸負方向に向かって筐体10に取り付けられる。側部カバー62は、衝撃吸収部材40の接合部47と接合するように取り付けられる。側部カバー62はねじによって筐体10に取り付けられる。側部カバー62がねじによって筐体10に取り付けられることによって、衝撃吸収部材40の接合部47が側部カバー62によって筐体10に固定される。
【0027】
以上述べてきたように、側部カバー61及び62を筐体10に固定することによって、衝撃吸収部材40が接合部43及び47において筐体10に固定される。また、衝撃吸収部材40が筐体10に固定されることによって、上端部カバー20が嵌合部21及び22において筐体10に固定される。つまり、側部カバー61及び62を筐体10に固定することによって、上端部カバー20及び衝撃吸収部材40そのものにねじ63等の接合部材を適用せずに、上端部カバー20及び衝撃吸収部材40が筐体10に固定される。
【0028】
以上、電子機器1のY軸正方向側の端部におけるカバーの組立手順が説明された。電子機器1のY軸負方向側の端部においても、同様の手順でカバーが組み立てられる。
【0029】
(衝撃吸収部材40及び50による電子機器1の各構成部の保護)
図5に示されるように、筐体10のX軸負方向側の第1側部14の断面視において、側部カバー61の中に、入力部71が操作キーとして設けられている。入力部71は、側部カバー61から突出している先端部71Aを有する。衝撃吸収部材40の突出部41及び42のそれぞれは、側部カバー61よりもX軸負方向側に突出している先端部41A及び42Aを有する。衝撃吸収部材40の先端部41Aと先端部42Aとを結ぶ線は、入力部71の先端部71Aを通る平行線に対して、L1で表される長さだけX軸負方向側に出ている。逆に言えば、入力部71の先端部71Aは、衝撃吸収部材40の先端部41A及び42Aに対してL1で表される長さだけ引っ込んでいる。したがって、仮に電子機器1が第1側部14から床等の他の物体と衝突する場合に、衝撃吸収部材40の先端部41A又は42Aは、入力部71を保護できる。衝撃吸収部材40は、入力部71だけでなく入力部72~75についても同様に保護できる。
【0030】
図6に示されるように、電子機器1をY軸正方向側から見た場合において、上端部カバー20は、Z軸正方向側に対応する前面側に位置する面20Aを有する。また、衝撃吸収部材40の突出部45は、Z軸正方向側に突出している先端部45Aを有する。衝撃吸収部材40の突出部45の先端部45Aは、上端部カバー20の面20Aに対してZ軸正方向側にL2で表される長さだけ突出している。逆に言えば、上端部カバー20の面20Aは、衝撃吸収部材40の突出部45の先端部45AよりもZ軸負方向側に引っ込んでいる。また、上端部カバー20の面20Aは、衝撃吸収部材40の突出部41の先端部よりもZ軸負方向側に引っ込んでいる。したがって、仮に電子機器1が前面側から床等の他の物体と衝突する場合に、衝撃吸収部材40の突出部45又は41は、上端部カバー20を保護できる。また、Y軸負方向側に位置する衝撃吸収部材50の突出部51又は55は、下端部カバー30を保護できる。
【0031】
また、
図6に示されるように、衝撃吸収部材40は、筐体10を第2側部16から見たときに両端で二股に分岐していることによってX字状に見える。衝撃吸収部材40がこのように見えることによって、電子機器1全体としての美観が向上し得る。
【0032】
図7に示されるように、電子機器1のY軸正方向側からの断面視において、ディスプレイ12は、Z軸正方向側に対応する前面側に位置する表面12Aを有する。衝撃吸収部材40の突出部45の先端部45Aは、ディスプレイ12の表面12Aに対してZ軸正方向側にL3で表される長さだけ突出している。逆に言えば、ディスプレイ12の表面12Aは、衝撃吸収部材40の突出部45の先端部45AよりもZ軸負方向側に引っ込んでいる。また、ディスプレイ12の表面12Aは、衝撃吸収部材40の突出部41の先端部よりもZ軸負方向側に引っ込んでいる。したがって、仮に電子機器1が前面側から床等の他の物体と衝突する場合に、衝撃吸収部材40の突出部45又は41は、ディスプレイ12を保護できる。また、Y軸負方向側に位置する衝撃吸収部材50の突出部51又は55は、ディスプレイ12を保護できる。
【0033】
Z軸方向は第3方向とも称される。Z軸はX軸及びY軸に交差する。したがって、第3方向は、第1方向及び第2方向に交差する。衝撃吸収部材40の突出部45は、第3方向に沿ってディスプレイ12の表面12Aよりも突出している。
【0034】
ディスプレイ12は、表面12Aに貼り付けられた保護フィルム13を更に備えてよい。ディスプレイ12は、保護フィルム13によって更に保護され得る。保護フィルム13の表面は、衝撃吸収部材40の突出部41及び45、並びに、衝撃吸収部材50の突出部51及び55のZ軸正方向側の先端部よりもZ軸負方向側に引っ込んでいる。したがって、衝撃吸収部材40又は50は、保護フィルム13も保護できる。
【0035】
図8に示されるように、側部カバー61の平面視において、入力部71の少なくとも一部は、衝撃吸収部材40の突出部41と突出部42との間に位置してよい。言い換えれば、衝撃吸収部材40の分岐部44から2つに分かれた突出部41及び42のそれぞれは、第1側部14において突出部41及び42の間に位置する入力部71の少なくとも一部よりも第2方向に突出してよい。
【0036】
突出部41及び42は、Y軸負方向に延在する。突出部41及び42のうちY軸負方向に最も長く突出している部分は、突出部42の先端部42Bであるとする。一方で、入力部71は、Y軸正方向側の端部71Bを有する。入力部71のY軸正方向側の端部71Bは、突出部42の先端部42Bから見てY軸正方向側に位置してよい。入力部71の端部71Bと突出部42の先端部42BとのY軸に沿った距離はL4で表される。入力部71の少なくとも一部が突出部41と突出部42との間に位置することによって、仮に電子機器1が第1側部14から床等の他の物体と衝突する場合に、衝撃吸収部材40の突出部41又は42は、入力部71を保護できる。
【0037】
図9に示されるように、突出部42は、X軸負方向側に最も長く突出した先端部42Cを有する。また、入力部71は、側部カバー61の側面視において側部カバー61よりもX軸負方向側に突出している部分のY軸正方向側の先端部71Cを有する。先端部42Cから先端部71CまでのY軸に沿った距離はL5で表される。L5が長いほど、第1側部14が衝撃を受けた場合に入力部71に伝わる衝撃が大きくなり得る。逆に言えば、L5を短くすることによって、入力部71に伝わる衝撃が小さくされ得る。
【0038】
図10に示されるように、側部カバー61の断面視において、衝撃吸収部材40の接合部43が筐体10と側部カバー61との間に挟まれることによって、衝撃吸収部材40が筐体10に固定される。側部カバー61は、ねじ63によって筐体10のねじ穴19に接合されている。一方で、衝撃吸収部材40は、ねじ等の接合部材を用いずに筐体10に固定される。つまり、衝撃吸収部材40は、側部カバー61によって筐体10に共締めされる。
【0039】
(まとめ)
以上述べてきたように、本開示の一実施形態に係る電子機器1は、筐体10の端部に、先端が二股に分岐した衝撃吸収部材40及び50を備える。衝撃吸収部材40及び50の二股に分岐した突出部41、45、51及び55がディスプレイ12の表面12A等よりも前面側に突出していることによって電子機器1の耐衝撃性が確保される。また、筐体10の第1側部14において突出部41及び42の間等に入力部71等が配置されることによって、入力部71等の構成物の耐衝撃性が確保される。また、筐体10の第1側部14において突出部41及び42の間等で側部カバー61又は62が筐体10にねじで固定されることによって、第1側部14における入力部71又は72等の配置の自由度が向上する。
【0040】
上述してきた実施形態において、衝撃吸収部材40は、筐体10の第2側部16の両端に位置する2つの角部18の間でつながっている。衝撃吸収部材40は、2つの角部18の間で分離した2つの部材として構成されてもよい。具体的に、衝撃吸収部材40は、第2側部16の両端の2つの角部のうち一方の角部18から第1側部14に沿って延在する部分と第2側部16に沿って延在する部分とを有してよい。第2側部16に沿って延在する部分の先端は、他方の角部18にまで到達しないとする。つまり、衝撃吸収部材40は、筐体10の第2側部16の両端の2つの角部18のそれぞれに対応する2つの部材に分かれてよい。このようにすることで、電子機器1の各構成部の配置の自由度が向上する。また電子機器1のデザインの自由度が向上する。
【0041】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部などに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部などを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0042】
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1面は、第2面と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
【0043】
一実施形態において、電子機器は、第1方向に沿って位置する第1側部と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って位置する第2側部とを有する筐体と、前記第1側部と前記第2側部とが交差する角部から前記第1側部及び前記第2側部の両方に沿って延在する衝撃吸収部材とを備える。前記衝撃吸収部材の、前記第1側部に沿って延在する側の先端が二股に分岐している。
【0044】
(2)上記(1)の電子機器において、前記衝撃吸収部材は、前記第2側部の両端に位置する2つの前記角部のそれぞれから前記第1側部に沿って延在する側の先端が二股に分岐してよい。
【0045】
(3)上記(2)の電子機器において、前記衝撃吸収部材は、前記筐体を前記第2側部から見たときに両端で二股に分岐してよい。
【0046】
(4)上記(1)から(3)までのいずれか1つの電子機器において、前記衝撃吸収部材は、前記角部で二股に分岐し始める分岐部と、前記分岐部から2つに分かれて前記角部と前記第1側部とに沿って延在する突出部とを有してよい。
【0047】
(5)上記(4)の電子機器は、端部カバーと側部カバーとを更に備えてよい。前記端部カバーは、前記衝撃吸収部材の分岐部に嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部において前記衝撃吸収部材によって固定されてよい。前記衝撃吸収部材は、前記突出部の間に位置する、前記側部カバーに接合する接合部を有し、前記接合部において前記端部カバーによって固定されてよい。
【0048】
(6)上記(4)又は(5)の電子機器において、前記筐体は、ディスプレイを有してよい。前記分岐部から2つに分かれた突出部のうち前記ディスプレイの表面の側に位置する突出部は、前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向に沿って、前記ディスプレイの表面よりも突出してよい。
【0049】
(7)上記(4)から(6)までのいずれか1つの電子機器において、前記分岐部から2つに分かれた突出部のそれぞれは、前記第1側部において前記突出部の間に位置する入力部の少なくとも一部よりも前記第2方向に突出してよい。
【符号の説明】
【0050】
1 電子機器
2 制御部
10 筐体(14:第1側部、16:第2側部、18:角部、19:ねじ穴)
12 ディスプレイ(12A:表面、13:保護フィルム)
20 上端部カバー(20A:表面、21、22:嵌合部)
30 下端部カバー(31、32:嵌合部)
40 衝撃吸収部材
41、42、45、46 突出部(41A、42A、42C、45A:厚み方向先端、42B:突出方向先端)
43、47 接合部
44、48 分岐部
50 衝撃吸収部材
51、52、55、56 突出部
53、57 接合部
54、58 分岐部
61、62 側部カバー
63 ねじ
71~75 入力部(71A:先端部、71B、71C:端部)