(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024013933
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】海苔製造機
(51)【国際特許分類】
A23L 17/60 20160101AFI20240125BHJP
【FI】
A23L17/60 103B
A23L17/60 103G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116383
(22)【出願日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000210241
【氏名又は名称】竹下産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】竹下 政敏
(72)【発明者】
【氏名】谷延 優裕
【テーマコード(参考)】
4B019
【Fターム(参考)】
4B019LT21
4B019LT41
4B019LT51
(57)【要約】
【課題】海苔簀に海苔生地を均一に供給する抄製装置を有する海苔製造機を提供すること。
【解決手段】本発明では、抄製装置(9)で海苔簀(4)に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀(4)に海苔生地を抄製した後に、乾燥装置(11)で海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機(1)において、海苔原料を海苔簀(4)に供給するための抄き升(21)に複数の供給口(24)を形成し、抄き升(21)の内部に複数の供給口(24)を開閉するための開閉弁体(22)を昇降可能に設け、抄き升(21)と開閉弁体(22)との間に開閉弁体(22)を供給口(24)へ向けて付勢するための付勢手段(32)を設けるとともに、開閉弁体(22)の水平回動を阻止するための回動阻止手段(33)を設けることにした。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄製装置で海苔簀に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀に海苔生地を抄製した後に、乾燥装置で海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機において、
海苔原料を海苔簀に供給するための抄き升に複数の供給口を形成し、抄き升の内部に複数の供給口を開閉するための開閉弁体を昇降可能に設け、抄き升と開閉弁体との間に開閉弁体を供給口へ向けて付勢するための付勢手段を設けるとともに、開閉弁体の水平回動を阻止するための回動阻止手段を設けたことを特徴とする海苔製造機。
【請求項2】
前記抄き升の中央部に開閉弁体を昇降させるための昇降ロッドを設け、昇降ロッドを中心とする同心円上に複数の前記付勢手段を等間隔で設けたことを特徴とする請求項1に記載の海苔製造機。
【請求項3】
前記回動阻止手段として開閉弁体に形成したガイド孔に挿通させたガイドピンを抄き升に設けるとともに、前記付勢手段として抄き升と開閉弁体との間にバネを設け、バネをガイドピンに挿通させてガイドピンに沿ってバネが伸縮するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の海苔製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄製装置で海苔簀に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀に海苔生地を抄製した後に、乾燥装置で海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、海苔製造機では、海苔簀を搬送装置で連続的に搬送する搬送経路上に抄製装置、脱水装置、乾燥装置を順に配置し、抄製装置で海苔簀に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀に所定形状の海苔生地を抄製し、その後、脱水装置で海苔生地を脱水した後に、乾燥装置で海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造している(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この海苔製造機の抄製装置では、海苔原料を海苔簀に供給するための抄き升に複数の供給口を形成するとともに、抄き升の内部に供給口を開閉するための開閉弁体を昇降可能に設けている。
【0004】
そして、抄製装置では、開閉弁体を下降させて抄き升の供給口を開閉弁体で閉塞することで、抄き升に所定量の海苔原料を一時的に貯留し、その後、開閉弁体を上昇させて抄き升の供給口を開放することで、抄き升の複数の供給口から海苔原料を海苔簀に向けて供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
海苔製造機では、抄製装置の抄き升の供給口から海苔簀に向けて海苔原料を供給することで海苔簀に海苔生地を抄製しており、この抄製工程において海苔簀に海苔生地を均一に供給することで、均質な乾燥海苔を製造することができる。
【0007】
そのため、海苔生地の供給前には、抄き升の供給口を開閉弁体で良好に閉塞し、海苔生地の供給時には、開閉弁体を供給口の直上方に向けて上昇させて複数の供給口から海苔生地が均等に供給されるようにすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、抄製装置で海苔簀に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀に海苔生地を抄製した後に、乾燥装置で海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機において、海苔原料を海苔簀に供給するための抄き升に複数の供給口を形成し、抄き升の内部に複数の供給口を開閉するための開閉弁体を昇降可能に設け、抄き升と開閉弁体との間に開閉弁体を供給口へ向けて付勢するための付勢手段を設けるとともに、開閉弁体の水平回動を阻止するための回動阻止手段を設けることにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記抄き升の中央部に開閉弁体を昇降させるための昇降ロッドを設け、昇降ロッドを中心とする同心円上に複数の前記付勢手段を等間隔で設けることにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記回動阻止手段として開閉弁体に形成したガイド孔に挿通させたガイドピンを抄き升に設けるとともに、前記付勢手段として抄き升と開閉弁体との間にバネを設け、バネをガイドピンに挿通させてガイドピンに沿ってバネが伸縮するようにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、抄製装置で海苔簀に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を供給して海苔簀に海苔生地を抄製した後に、乾燥装置で海苔生地を乾燥させて乾燥海苔を製造する海苔製造機において、海苔原料を海苔簀に供給するための抄き升に複数の供給口を形成し、抄き升の内部に複数の供給口を開閉するための開閉弁体を昇降可能に設け、抄き升と開閉弁体との間に開閉弁体を供給口へ向けて付勢するための付勢手段を設けるとともに、開閉弁体の水平回動を阻止するための回動阻止手段を設けることにしているために、海苔生地の供給前には、付勢手段によって抄き升の供給口を開閉弁体で良好に閉塞することができるとともに、海苔生地の供給時には、回動阻止手段によって開閉弁体を回動させることなく供給口の直上方に向けて上昇させて複数の供給口から海苔生地を均等に供給することができる。
【0013】
特に、前記抄き升の中央部に開閉弁体を昇降させるための昇降ロッドを設け、昇降ロッドを中心とする同心円上に複数の前記付勢手段を等間隔で設けることにした場合には、抄き升に形成された複数の供給口を均等の押圧力で良好に付勢することができる。
【0014】
また、前記回動阻止手段として開閉弁体に形成したガイド孔に挿通させたガイドピンを抄き升に設けるとともに、前記付勢手段として抄き升と開閉弁体との間にバネを設け、バネをガイドピンに挿通させてガイドピンに沿ってバネが伸縮するようにした場合には、開閉弁体の昇降時(バネの伸縮時)にバネの不測の撓みを防止することができるので、これによっても、抄き升に形成された複数の供給口を均等の押圧力で良好に付勢することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】海苔製造機を示す側面説明図(a)、海苔簀を示す平面説明図(b)。
【
図3】海苔生地供給機構を示す平面図(a)、側面図(b)、背面図(c)、底面図(d)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る海苔製造機の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、海苔製造機1は、製造機2と乾燥機3とを前後に並べて配置している。これら製造機2及び乾燥機3には、複数枚の海苔簀4を左右幅方向に並べて着脱自在に張設した簀枠5を間欠的に搬送するための間欠搬送装置6,7,8が設けられている。
【0018】
海苔簀4は、簀枠5ごと製造機2の間欠搬送装置6で製造機2の上部前端から上部後端まで搬送された後に、製造機2の間欠搬送装置6から乾燥機3の上側の間欠搬送装置7に受け渡される。その後、海苔簀4は、簀枠5ごと乾燥機3の上側の間欠搬送装置7で乾燥機3の上部前端から上部後端まで搬送された後に、乾燥機3の上部後端で下方に折り返され、乾燥機3の中途部後端から中途部前端まで搬送され、乾燥機3の中途部前端で乾燥機3の上側の間欠搬送装置7から下側の間欠搬送装置8に受け渡される。その後、海苔簀4は、簀枠5ごと乾燥機3の下側の間欠搬送装置8で乾燥機3の中途部前端から中途部後端まで搬送された後に、乾燥機3の中途部後端で下方に折り返され、乾燥機3の下部後端から下部前端まで搬送され、乾燥機3の下部前端で乾燥機3の下側の間欠搬送装置8から再び製造機2の間欠搬送装置6に受け渡される。その後、海苔簀4は、簀枠5ごと製造機2の間欠搬送装置6で製造機2の下部後端から下部前端まで搬送された後に、製造機2の下部前端で上方に折り返される。これにより、海苔製造機1には、海苔簀4を簀枠5ごと連続して搬送する搬送経路が形成されることになる。
【0019】
搬送経路には、製造機2に設けた抄製装置9、脱水装置10、乾燥機3に設けた乾燥装置11、製造機2に設けた剥離装置12が順に配置されている。
【0020】
海苔製造機1は、間欠搬送装置6,7,8、抄製装置9、脱水装置10、乾燥装置11、剥離装置12を駆動装置13によって連動して動作させる。この駆動装置13には、制御装置14が接続されており、制御装置14によって駆動装置13を介して抄製装置9・脱水装置10・乾燥装置11・剥離装置12の駆動が制御されている。
【0021】
そして、海苔製造機1は、複数の海苔簀4を簀枠5ごと搬送経路に沿って搬送していき、抄製装置9で各海苔簀4の上面に海苔原藻と水分とからなる海苔原料を所定形状(たとえば、正方形)に抄製した後に、脱水装置10で海苔生地の脱水を行い、その後、乾燥装置11で海苔生地を熱風によって強制的に乾燥させて乾燥海苔とした後に、剥離装置12で各海苔簀4から乾燥した乾燥海苔を剥離し、その後、再び海苔簀4を簀枠5ごと抄製装置9に搬送する動作を連続して繰り返し行う。これにより、海苔製造機1は、海苔生地から乾燥海苔を連続して、しかも、複数枚の乾燥海苔を同時に製造する。
【0022】
この海苔製造機1において、抄製装置9は、
図2に示すように、搬送経路に沿って間欠搬送装置6で搬送される海苔簀4の上下に海苔生地供給機構15と保水機構16とを対向させて設けている。
【0023】
保水機構16は、製造機2に矩形板状のスノコ17を固定し、スノコ17の下部に可撓性を有する袋状の保水袋18を圧縮及び膨張可能に取付けている。スノコ17は、複数個の上下に貫通する通水孔19を形成している。また、保水袋18は、駆動装置13に連動連結させた昇降体20の上端に中央部が取付けられており、駆動装置13によって昇降体20を昇降させることで内部を圧縮又は膨張するようにしている。
【0024】
海苔生地供給機構15は、製造機2に中空矩形箱型状の抄き升21を固定し、抄き升21の内部に開閉弁体22を昇降可能に配置するとともに、抄き升21の下端外部に下端を開口させた中空矩形箱型状の抄き枠23を昇降可能に配置している。抄き升21は、底部に複数の供給口24を形成している。また、開閉弁体22は、駆動装置13に連動連結させた昇降ロッド25の下端に取付けられており、駆動装置13によって昇降ロッド25を昇降させることで抄き升21の供給口24を開閉するようにしている。さらに、抄き枠23は、駆動装置13に連動連結した一対の昇降体26,26の間に取付けられており、駆動装置13によって昇降体26を昇降させることで海苔簀4に対して接離移動するようにしている。
【0025】
抄き升21は、
図3~
図6に示すように、中空矩形箱型状の透明な抄き升本体27の上部開口に支持体28を着脱自在に取付けている。
【0026】
抄き升本体27には、底部に複数(ここでは、16個)の供給口24を抄き升21の中心から均等に形成し、後側中途部にオーバーフロー樋29を後側下方へ向けて傾斜状に形成している。
【0027】
支持体28には、中央(抄き升21の中央)に上下に貫通する中空円筒状の支持管30を形成して、昇降ロッド25を昇降自在に挿通させている。昇降ロッド25の上端部には、昇降量(抄き升21の供給口24の開放時間:海苔原料の供給量)を調整するための調整ナット31を上下移動可能に螺着しており、調整ナット31を介して昇降ロッド25を駆動装置13に連動連結させている。また、昇降ロッド25の下端部には、開閉弁体22の上端中心部を取付けている。
【0028】
また、支持体28には、昇降ロッド25(支持管30)を挟んで左右等間隔に、開閉弁体22を供給口24へ向けて付勢するための付勢手段32,32と、開閉弁体22の水平回動を阻止するための回動阻止手段33,33とを設けている。これにより、抄き升21に付勢手段32,32と回動阻止手段33,33とを昇降ロッド25(支持管30)の中心軸を中心とする同心円上に円周方向に向けて等間隔で複数(ここでは、2個)配置している。
【0029】
開閉弁体22は、昇降ロッド25の下端部に矩形板状の昇降板34の中心部を水平に取付け、昇降板34の四隅に上下に垂直に伸延させた連結体35の上端部を取付け、4本の連結体35の下端部に板状の弁保持板36を水平に取付け、弁保持板36の下部に各供給口24を開閉するための伸縮可能なシリコン製の弁37を着脱自在に取付けている。なお、弁保持板36には、上下貫通孔が中心から均等に形成されている。
【0030】
付勢手段32は、支持体28に上下に貫通する中空円筒状の保持管38を形成し、保持管38の上端部に円環鍔状の保持体39を形成し、保持管38に上下に伸縮自在の鶴巻状のバネ40を挿入し、バネ40の上端部を抄き升21の保持体39に当接させるとともに、バネ40の下端部を開閉弁体22の昇降板34に当接させている。
【0031】
これにより、付勢手段32は、バネ40の伸縮力によって抄き升21と開閉弁体22との間で開閉弁体22を抄き升21の供給口24へ向けて付勢するようになっている。
【0032】
回動阻止手段33は、保持体39の中心に形成される挿入孔41に上下に垂直に伸延させた円棒状のガイドピン42を挿通し、ガイドピン42の下部を開閉弁体22の昇降板34に形成した上下に垂直に貫通させたガイド孔43に挿通させている。ガイドピン42は、保持体39の上部に設けた調節ネジ44を上下移動可能に螺着して、調節ネジ44によってガイドピン42を上下に調節できるようにしている。
【0033】
これにより、回動阻止手段33は、開閉弁体22が昇降する際に昇降板34のガイド孔43がガイドピン42によって案内され、開閉弁体22が昇降ロッド25を中心にして水平方向に回動するのを阻止して、開閉弁体22(弁37)を供給口24の直上方へ向けて垂直に昇降するようにしている。
【0034】
さらに、回動阻止手段33としてのガイドピン42には、付勢手段32としてのバネ40を挿通させて、ガイドピン42に沿ってバネ40が伸縮するようにして、開閉弁体22の昇降時(バネ40の伸縮時)にバネ40が左右に撓んでしまうことが無いようにしている。
【0035】
そして、海苔製造機1は、
図7に示すように、制御装置14で駆動装置13を駆動させると、駆動装置13によって間欠搬送装置6,7,8を駆動させて、所定のサイクルタイムで海苔簀4を搬送経路に沿って間欠的に所定距離ごと搬送する(
図7(a)参照。)。その後、海苔製造機1は、駆動装置13によって昇降ロッド25を降下させて、抄き枠23の下端開口面を海苔簀4を介してスノコ17の上面に当接させる(
図7(b)参照。)。これにより、抄き枠23とスノコ17(保水袋18)とで海苔簀4を挟んだ状態となる。その後、海苔製造機1は、駆動装置13によって昇降体20を上昇させて、保水袋18の下部中央を上方に持ち上げることで保水袋18を圧縮させる(
図7(c)参照。)。これにより、保水袋18の内部に貯留しておいた水がスノコ17の通水孔19から海苔簀4を透過して抄き枠23の内部に供給され、海苔簀4の上面が水で満たされた状態となる。その後、海苔製造機1は、駆動装置13によって昇降ロッド25を上昇させて、開閉弁体22を上昇させて抄き升21の供給口24を開放状態にする(
図7(d)参照。)。これにより、抄き升21に貯留しておいた海苔生地が抄き升21の供給口24から抄き枠23の内部に供給される。その際に、予め保水袋18から供給された水で抄き枠23の内部が充填されているために、その水によって海苔生地が抄き枠23の内部で分散される。その後、海苔製造機1は、駆動装置13によって昇降ロッド25を降下させて、開閉弁体22を降下させて抄き升21の供給口24を閉塞状態にする(
図7(c)参照。)。これにより、抄き升21から抄き枠23への海苔生地の供給が停止される。その後、海苔製造機1は、駆動装置13によって昇降体20を降下させて、保水袋18の下部中央を下方に引き下げることで保水袋18を膨張させる(
図7(b)参照。)。これにより、海苔簀4の上方において抄き枠23の内部に充填されていた海苔生地と水とが保水袋18によって吸引され、水分が海苔簀4とスノコ17の通水孔19を透過して保水袋18の内部に流入し、一方、固形分(生海苔)が海苔簀4の上面に張り付くことで、海苔生地が海苔簀4で抄かれる。その後、海苔製造機1は、駆動装置13によって昇降体28を上昇させて、抄き枠23を上昇させる(
図7(a)参照。)。海苔製造機1は、上記動作を制御装置14に予め設定された所定のサイクルタイムで繰返し連続して行う。海苔簀4に抄製される海苔生地の量は、開閉弁体22が開放状態となっている時間で決まることになる。
【0036】
なお、海苔製造機1は、抄製装置9の抄き升21や弁37などの海苔原料等と接触する部材に抗菌処理を施している。
【0037】
以上に説明したように、上記海苔製造機1は、海苔原料を海苔簀4に供給するための抄き升21に複数の供給口24を形成し、抄き升21の内部に複数の供給口24を開閉するための開閉弁体22を昇降可能に設け、抄き升21と開閉弁体22との間に開閉弁体22を供給口24へ向けて付勢するための付勢手段32を設けるとともに、開閉弁体22の水平回動を阻止するための回動阻止手段33を設けた構成となっている。
【0038】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、海苔生地の供給前には、付勢手段32によって抄き升21の供給口24を開閉弁体22で良好に閉塞することができるとともに、海苔生地の供給時には、回動阻止手段33によって開閉弁体22を回動させることなく供給口24の直上方に向けて上昇させて複数の供給口24から海苔生地を均等に供給することができる。
【0039】
また、上記海苔製造機1は、抄き升21の中央部に開閉弁体22を昇降させるための昇降ロッド25を設け、昇降ロッド25を中心とする同心円上に複数の付勢手段32を等間隔で設けた構成となっている。
【0040】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、抄き升21に形成された複数の供給口24を均等の押圧力で良好に付勢することができる。
【0041】
また、上記海苔製造機1は、回動阻止手段33として開閉弁体22に形成したガイド孔43に挿通させたガイドピン42を抄き升21に設けるとともに、付勢手段32として抄き升21と開閉弁体22との間にバネ40を設け、バネ40をガイドピン42に挿通させてガイドピン42に沿ってバネ40が伸縮する構成となっている。
【0042】
そのため、上記構成の海苔製造機1では、開閉弁体22の昇降時(バネ40の伸縮時)にバネ40の不測の撓みを防止することができるので、これによっても、抄き升21に形成された複数の供給口24を均等の押圧力で良好に付勢することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 海苔製造機 2 製造機
3 乾燥機 4 海苔簀
5 簀枠 6,7,8 間欠搬送装置
9 抄製装置 10 脱水装置
11 乾燥装置 12 剥離装置
13 駆動装置 14 制御装置
15 海苔生地供給機構 16 保水機構
17 スノコ 18 保水袋
19 通水孔 20 昇降体
21 抄き升 22 開閉弁体
23 抄き枠 24 供給口
25 昇降ロッド 26 昇降体
27 抄き升本体 28 支持体
29 オーバーフロー樋 30 支持管
31 調整ナット 32 付勢手段
33 回動阻止手段 34 昇降板
35 連結体 36 弁保持板
37 弁 38 保持管
39 保持体 40 バネ
41 挿入孔 42 ガイドピン
43 ガイド孔 44 調節ネジ