(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139330
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
A63F7/02 301C
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050218
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】中園 武
(72)【発明者】
【氏名】兼子 潔人
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA09
2C088DA23
(57)【要約】
【課題】下部装飾部の上面に光を放出する表示部を配置すると、その表示部の光が透明窓に映りこんで遊技領域が見えにくくなることが懸念され、それを防ぐことが望まれる。
【解決手段】本開示の遊技機10は、球数表示部19Aとガラス窓10Wとの間に、左右方向に延びた突条である遮蔽部21を有している。遮蔽部21は、正面から見てガラス窓10Wの下縁部に重なるように上方へ突出し、前面21Aと後面21Bとを有している。前面21Aは、球数表示部19Aの上縁部から鉛直上方に延びている一方、後面21Bは、前面21Aの上端から後ろ下がりに傾斜し、ガラス窓10Wの下縁部へ連絡している。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を視認可能とする透明窓の下方に前方へ突出した下部装飾部を備える遊技機において、
前記下部装飾部の上面に、光を放出する上面表示部と、前記上面表示部と前記透明窓との間に配されて前記上面表示部からの光が前記透明窓に映りこむことを防ぐ遮蔽部と、を備える遊技機。
【請求項2】
前記遮蔽部は、上方に突出し、正面から見て前記透明窓の下縁部に重なる突条をなし、前面と、前記前面よりも鉛直方向の傾きが大きく後ろ下がりに傾斜した後面と、を有している請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記上面表示部は、発光部と、前記発光部の上方に配されて前記下部装飾部の上面の一部をなし、後ろ上がりに傾いて前記発光部からの光を前方に向かわせる透明板と、を備える請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技球を循環して使用する封入式の遊技機であり、
前記上面表示部は、遊技者が遊技機内で使用可能な遊技球数である持ち球数を表示する請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記上面表示部として、発光ランプ部を備え、
前記発光ランプ部は、ランプ本体と、前記ランプ本体より上方に間隔をあけて配された透明板と、を備え、
前記透明板には、前記ランプ本体の真上に非透過性の文字又は記号又は装飾が付されている請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明窓の下方に前方へ突出した下部装飾部を備える遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-034569号(
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の遊技機において、下部装飾部の上面に光を放出する表示部を配置すると、その表示部の光が透明窓に映りこんで遊技領域が見えにくくなることが懸念され、それを防ぐことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の遊技機は、遊技領域を視認可能とする透明窓の下方に前方へ突出した下部装飾部を備える遊技機において、前記下部装飾部の上面に、光を放出する上面表示部と、前記上面表示部と前記透明窓との間に配されて前記上面表示部からの光が前記透明窓に映りこむことを防ぐ遮蔽部と、を備える遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る遊技機によれば、上面表示部と透明窓との間に、上面表示部からの光が透明窓に映りこむことを防ぐ遮蔽部が配置されているので、表示部の光が透明窓に映りこんで遊技領域が見えにくくなることが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図10】遊技機本体下部に備えられる球回収路周辺の分解図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1~
図30を参照して、本開示の一実施形態に係る遊技機10について説明する。
図1に示される本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面扉10Zを前面に備え、その前面扉10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の前面に形成された遊技領域R1(
図2参照)が視認可能になっている。なお、以下の説明において、遊技機10のうち遊技者に近い側を「前側」、その反対側を「後側」といい、遊技機10のうち、その前側から対峙した遊技者にとっての「右側」及び「左側」を単に「右側」及び「左側」ということとする。
【0009】
図2には、前面扉10Zを外した状態の遊技機10が示され、
図3にはその分解図が示されている。
図2及び
図3に示すように、遊技機10は、前面扉10Zの後方に固定枠10Xと遊技枠10Yとを有している。固定枠10Xは、遊技ホールの遊技島に固定される枠体であって、縦長の四角形をなし、縦長の四角形の内部空間を前後方向に貫通した状態に備える。
【0010】
遊技枠10Yは、固定枠10Xの内側に収まる枠状をなし、前側に遊技板11や発射ユニット31等が取り付けられ、後側に表示装置13や各種制御基板50,51,52,54(
図4参照)等が取り付けられている。遊技枠10Y内の各種機構は、上下の保護カバー10E,10F(
図5参照)により後側から覆われている。また、遊技枠10Yは、固定枠10Xに、左辺部を中心に回動可能に取り付けられている。なお、前面扉10Z(
図1参照)は、左辺部を中心に回動可能に遊技枠10Yに取り付けられていて、遊技枠10Y及び前面扉10Zは、施錠ユニット10Sによって固定枠10Xに対して回動可能な解錠状態と回動不能な施錠状態とに切り替え可能になっている。
【0011】
次に、遊技板11の遊技領域R1について説明する。
図2に示すように、遊技領域R1は、遊技板11の前面から突出したガイドレール12に四方を囲まれることで形成されている。そして、発射ユニット31から発射された遊技球は、ガイドレール12によって形成された遊技板11の左側部の発射通路17を通って上端寄り位置の進入口12Kから遊技領域R1に進入する。
【0012】
遊技板11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方に臨んでいる。なお、表示装置13の表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
【0013】
表示開口11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技板11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて遊技板11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
【0014】
表示装飾枠23の下辺部には、遊技球が転動可能なステージ24が形成されている。ステージ24の最下端部には、遊技球を1つずつ排出可能な排出部24Aが3つ形成されている。また、表示装飾枠23の左辺部には、遊技領域R1を流下する遊技球を受け入れてステージ24へと誘導するワープ路24Rが形成されている。そして、ワープ路24Rを通過した遊技球は、ステージ24の左端から放出されて、ステージ24上を転動し、排出部24Aから表示装飾枠23の下方に流下する。
【0015】
表示装飾枠23の下方には、第1と第2の始動入賞口14A,14Bが上下に並べて設けられている。具体的には、3つの排出部24Aのうち真ん中の排出部24Aの真下に、第1の始動入賞口14Aが配置されている。表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が備えられている。表示装飾枠23の右下側、即ち、第1と第2の始動入賞口14A,14Bの右側には、大入賞口15が設けられている。また、遊技領域R1には、始動入賞口14A,14B及び大入賞口15のほかに、複数の一般入賞口20が備えられている。また、図示しないが、遊技領域R1全体に亘って複数の障害釘が分散配置されている。
【0016】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0017】
第1の始動入賞口14Aは、上側に開放したポケット構造になっている一方、第2の始動入賞口14Bは、前方に開放し、開閉扉14Tにより開閉される。開閉扉14Tは、通常は、第2の始動入賞口14Bを閉塞する閉位置に配置され、上述した普通図柄当否判定で当りとなったことを起因にして、第2の始動入賞口14Bを開放する開位置に配置される。
【0018】
始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、予め定められた所定数の遊技球が賞球として付与されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、表示装置13の表示画面13Gにおいて特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせで表示される。そして、特別図柄当否判定の判定結果が当りであると、大当り遊技が実行される。
【0019】
具体的には、表示画面13Gには、
図2に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」~「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。そして、判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当り遊技状態」に移行する。これに対し、判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当り遊技状態」ではない通常遊技状態が続く。
【0020】
大入賞口15は、遊技板11の前面に開放して横長形状をなしており、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、上記したように「大当り遊技状態」になると、可動扉15Tが前側に倒れて大入賞口15が開放し、可動扉15Tをガイドにして大入賞口15に遊技球が入賞可能になる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、予め定められた所定数の遊技球が賞球として付与される。
【0021】
一般入賞口20は、上側に開放したポケット構造をなし、遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として付与される。
【0022】
上述した各入賞口14A,14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に設けられた複数のアウト口16に全て取り込まれる。
【0023】
<封入式遊技機について>
本実施形態の遊技機10は、内部に所定数(例えば、40~49球)の遊技球が封入された、所謂、封入式遊技機である。そして、前面扉10Zの右下隅部に備えられた発射ハンドル28(
図1参照)が回動操作されると、機台内に封入された遊技球が発射ユニット31によって1球ずつ発射され、前述したように遊技板11の発射通路17を通って進入口12Kから遊技領域R1へ進入する。そして、発射された遊技球は、各入賞口14A,14B,15,20に入賞したか否かに関わらず全ての遊技球が回収されて、循環用経路22(
図12参照)を通過して発射ユニット31に戻される。循環用経路22については後に詳細を説明する。このように、本実施形態の遊技機10では、内部の遊技球が循環的に使用されるようになっている。
【0024】
本実施形態では、機台内に封入された遊技球が循環するため、現実の遊技球が貸し出されるのではなく、貸出の金額に応じた遊技球の数が記憶される。そこで、遊技機10の隣には、カードユニット26(
図4参照)が配されている。カードユニット26は、カードが挿入されるカード挿入口を有し、カード挿入口に挿入されたカードに対して、遊技者の持ち球(遊技者が遊技機10において使用可能な遊技球)等についての読み込み、書き込み等の情報処理を行う。具体的には、カードに書き込まれているカード内貯球の数を読み込んだり、遊技者の持ち球の数をカード内貯球の数としてカードに書き込む。なお、カードユニット26は、現金で遊技球の貸出を行うための紙幣挿入口も有していて、残金の情報についてもカードに書き込み可能となっている。
【0025】
持ち球数は、遊技球が発射された分随時減少し、賞球を得ると増加する。
図1及び
図6に示すように、遊技機10の前面扉10Zの左下部には、遊技者が持ち球について管理するための球管理ユニット19が設けられている。遊技者は、球管理ユニット19で操作を行って、カード内貯球の一部を持ち球に移したり、持ち球をカード内貯球に移したりすることができる。
【0026】
<球管理ユニットについて>
球管理ユニット19には、球数表示部19Aと、計数ボタン19Hと、操作部19Sと、が設けられている。詳細には、前面扉10Zにおけるガラス窓10Wの下方部は、前方に突出した下部装飾部10Uとなっている。下部装飾部10Uの中央部には、演出用の操作ボタン10Vが配されている(
図1参照)。下部装飾部10Uの上面は、緩やかに前下がりに傾斜していて、その左側の後部(ガラス窓10Wに近い側)に球管理ユニット19が配されている。そして、球管理ユニット19では、ガラス窓10Wに近い側から順に、球数表示部19A、計数ボタン19H、操作部19Sが並んでいる。操作部19Sは、カード内貯球の一部を持ち球に移すとき等に操作され、十字キー等を備える。なお、操作部19Sは、演出等でも使用可能となっている。
【0027】
図7に示すように、球数表示部19Aは、遊技者の持ち球数を表示するものであり、下部装飾部10Uの上面に嵌め込まれた透明板19Bと、透明板19Bの下方に配された複数の7セグメント19Cと、を有する。透明板19Bは、下部装飾部10Uの上面よりも勾配が大きく傾斜しており、7セグメント19Cの上面は略水平になっている。そして、7セグメント19Cにより表示された持ち球数が透明板19Bを介して遊技者に視認される。このとき、透明板19Bが傾斜しているため、7セグメント19Cからの上方に向けた光が透明板19Bにより前方へ屈折し、斜め上から見下ろす遊技者から見えやすくなっている(
図8(A)参照)。
【0028】
ところで、球数表示部19Aからの光がガラス窓10Wに映りこんだり、表示画面13Gの光が球数表示部19Aの透明板19Bに映りこんだりすると、遊技領域R1や表示画面13G、球数表示部19Aが見えにくくなることが懸念される。そこで、本実施形態の遊技機10には、それを防ぐために遮蔽部21が設けられている。
【0029】
図7及び
図8(A)に示すように、遮蔽部21は、球数表示部19Aとガラス窓10Wとの間に配され、左右方向に延びた突条をなしている。詳細には、遮蔽部21は、正面から見てガラス窓10Wの下縁部に重なるように上方へ突出し、前面21Aと後面21Bとを有している。前面21Aは、球数表示部19Aの上縁部から鉛直上方に延びている一方、後面21Bは、前面21Aの上端から後ろ下がりに傾斜し、ガラス窓10Wの下縁部へ連絡している。
【0030】
これにより、球数表示部19Aから後上方へ向かう光の少なくとも一部が遮蔽部21により遮られてガラス窓10Wに映りこむことが防がれるので、遊技領域R1や表示画面13Gが見えにくくなることが防がれる。また、表示画面13Gから球数表示部19Aに向かう光も遮蔽部21により遮られるので、球数表示部19Aが見えにくくなることも防がれる。
【0031】
さらに、遮蔽部21の後面が後ろ下がりに傾斜しているので、遊技者がガラス窓10Wの下縁部を見下ろしたときに遮蔽部21がガラス窓10Wの下縁部に重なりにくくなる。よって、遮蔽部21を正面から見てガラス窓10Wの下縁部に重なるように上方へ突出させて球数表示部19Aの光がガラス窓10Wに映りこみにくくしつつも、遊技者によるガラス窓10W(及びガラス窓10Wを通して視認される遊技領域R1)の視認性を妨げにくくなっている。
【0032】
計数ボタン19Hは、押圧操作可能なスイッチであり、例えば遊技の終了時等に操作されると、持ち球が全てカード内貯球に追加され、持ち球が0球となる。計数ボタン19Hは、操作可能なタイミングが限られており、例えば、特別図柄13A,13B,13Cの変動中や大当り遊技状態には操作できなくなっている。そして、計数ボタン19Hの右方には、計数ボタン19Hが操作可能なタイミングであることを示す計数ランプ19Lが配されている。
図8(B)に示すように、計数ランプ19Lは、下部装飾部10Uの上面をなす透明のランプカバー19Mの下方に空間を空けて位置し、発光すると、ランプカバー19Mを通して視認される。なお、計数ボタン19Hは、ランプカバー19Mに形成された開口から上方に突出している。
【0033】
図6に示すように、ランプカバー19Mには、計数ランプ19Lが計数ボタン19Hを操作可能なタイミングであることを示すものであることが認識できるように「計数」という文字からなる表記部19Nが印刷されている。
図8(B)に示すように、この表記部19Nは計数ランプ19Lの真上に配されているが、遊技者は、表記部19N及び計数ランプ19Lを斜め上から見るので、表記部19Nと計数ランプ19Lとがずれて視認される。これにより、表記部19Nと計数ランプ19Lとを、視認性を確保しつつ省スペースに配置することができる。
【0034】
<発射ユニットについて>
次に、発射ユニット31について説明する。発射ユニット31には、発射ユニット31により発射される遊技球を検出する発射球センサ31Sと、発射ユニット31により発射されたが遊技領域R1に到達しなかった遊技球を検出する戻り球センサ36Sと(
図4参照)が備えられ、遊技球が発射球センサ31Sに検出されると、検出された遊技球の数が持ち球数から減算され、遊技球が戻り球センサ36Sに検出されると、検出された遊技球の数が持ち球数に加算される。
【0035】
図2に示すように、発射ユニット31は、遊技枠10Yの前面のうち遊技板11の下方における左右方向のほぼ中央部に配設され、発射ハンドル28(
図1参照)の回動操作に伴って遊技球を遊技領域R1に向けて打ち出す。発射ユニット31の左側方には、発射ユニット31から発射された遊技球を遊技板11上の発射通路17へと案内する発射球案内部36が設けられている。
【0036】
図9に示すように、発射ユニット31は、発射装置31Aと球供給装置31Bとから、主に構成される。具体的には、発射ユニット31は、発射装置31Aのベース板33に、球供給装置31B、発射レール31R、打撃槌34、図示しない発射用モータ等の部品を組み付けてなる。球供給装置31Bには、循環用経路22の一部であり、遊技球が1列に並んで通過する供給通路31Wが備えられていて、遊技球をベース板33に貫通形成された供給口33Kから取り込んで、発射レール31R上に1球ずつ供給する。
【0037】
打撃槌34は、ベース板33の中央位置に上下に延びていて、発射レール31R上に供給された遊技球は、球受部材35により受け止められている。発射用モータは、発射ハンドル28(
図1参照)の回動操作により駆動され、打撃槌34は、発射用モータの駆動力を受けて回動する。打撃槌34が回動して打撃位置に配されると、打撃槌34が球受部材35により受け止められた遊技球を弾く。これにより、遊技球が発射レール31Rに沿って斜め上方に発射される。なお、球供給装置31Bには、発射球センサ31Sが備えられていて、発射レール31R上に供給した遊技球をカウントする。
【0038】
図10に示すように、発射球案内部36は、遊技板11(
図3参照)と平行に配置されるベース板36Aと、ベース板36Aから後側に延びて後述する回収部43に突き当てられる複数の突壁36Bとを有し、これら複数の突壁36Bによりベース板36Aと回収部43との間に通路を形成する。具体的には、
図11に示すように、発射レール31Rに沿って斜め上方に発射された遊技球を、遊技板11の発射通路17へ進入させる発射通路37と、発射力が弱いために遊技領域R1まで到達せず、発射通路17を逆戻りした遊技球を回収する第1戻り通路38Aと、発射通路17まで到達しなかった遊技球を回収する第2戻り通路38Bと、を形成する。第1及び第2戻り通路38A,38Bは下端で合流し、回収部43に貫通形成された戻り球受入部43Kから回収部43の後面側へ案内される。なお、第1及び第2戻り通路38A,38Bの合流部分には、前述の戻り球センサ39が設けられていて、第1及び第2戻り通路38A,38Bを通過した遊技球をカウントする。
【0039】
そして、遊技領域R1に進入した遊技球は、各入賞口14A,14B,15,20又はアウト口16に入球した後、遊技板11の後方に配置された図示しない回収ダクト誘導路に案内されて遊技板11の下端まで誘導される。回収ダクト誘導路は、各入賞口14A,14B,15,20、及びアウト口16の何れにも連通していて、遊技球を遊技板11の下方で上方に開口する回収ダクト40(
図13参照)に向けて排出する。回収ダクト40は循環用経路22の一部である球回収路41に連通している。
【0040】
<循環用経路について>
図2に示すように、遊技枠10Yのうち遊技板11の下方でかつ発射ユニット31及び発射球案内部36の後方には、遊技板11と略平行に配置されて後方に開放した扁平な箱状の回収部43が嵌め込まれている。
図10に示すように、回収部43の後面には、板状のカバー部42が組み付けられていて、回収部43の後面から突出する複数の突壁43T(
図12参照)により回収部43とカバー部42との間に回収ダクト40と球回収路41が形成されている。
【0041】
具体的には、
図12及び
図13に示すように、上端部の1対の突壁43Tにより、左右の両端部から中央に向かって下るように傾斜した1対の傾斜面40Sが形成されていて、回収部43とカバー部42との間のうち、これら1対の傾斜面40S上が回収ダクト40となっている。
【0042】
そして、回収ダクト40の下方に、球回収路41が形成されている。球回収路41は、1対の傾斜面40Sの間に形成された開口部40Kから下方に延びたのち左右方向の一方(前方から見て左方)へ屈曲して斜め下方に延びる第1案内路41Aと、第1案内路41Aからの下流側端部から折り返して左右方向の中央位置まで斜め下方に延びて下端で急勾配となっている第2案内路41Bと、第2案内路41Bの出口の下方から左右方向の他端部(前方から見て右端部)まで斜め下方に延びる第3案内路41Cと、を有している。第3案内路41Cの下流側端部まで流下してきた遊技球は、カバー部42に貫通形成された回収球排出部42K(
図13参照)からカバー部42の後方に排出される。
【0043】
また、第2案内路41Bの下方には、第2案内路41Bに沿って、戻り球案内路45が延びている。戻り球案内路45と第3案内路41Cとは下面が面一になって連続している。戻り球案内路45の上端部は、回収部43に貫通形成された前述の戻り球受入部43Kに連通している。これにより、発射ユニット31により発射されたが、発射力が弱いために発射球案内部36の第1戻り通路38A又は第2戻り通路38Bにより回収された戻り球が戻り球案内路45を流下し、第2案内路41Bを流下した遊技球と合流して第3案内路41Cを流下する。
【0044】
カバー部42の後方には、揚上装置60が配されている。上述した回収球排出部42Kは、揚上装置60の球入口60A(
図14参照)に連通していて、遊技領域R1を流下した遊技球は全て、回収ダクト40で回収され、球回収路41を通過して揚上装置60に送られるようになっている。
【0045】
図10及び
図14に示すように、揚上装置60は、カバー部42の裏面のうち右端部に固定されている。
図15~
図17に示すように、揚上装置60は、前面が開放した箱形のケース61に、上下方向に延びたスクリュー62と、スクリュー62と共に遊技球を囲む樋部材63と、スクリュー62を回転駆動するモータ64と、を備える。樋部材63は、左右方向で対向する1対の樋壁部63Aを有し、ケース61内の右側領域に配されている。樋壁部63Aは、前後方向の長さがケース61の前後方向の長さの2/3~4/5程になっていて、前後方向の中央部に、互いに近づくように内側に膨出し、上下方向に延びた1対の仕切り膨出部63Bが形成されている。1対の仕切り膨出部63Bは、前方に向かうにつれて互いに近づき、間に遊技球が受容されるように湾曲し、前端部同士の間は、遊技球が通過不能な幅になっている。また、
図17及び
図18に示すように、樋部材63の下端部には、1対の樋壁部63Aの前端部同士を連絡する前壁部63Cと、1対の樋壁部63Aの後端部同士を連絡する後壁部63Dと、が設けられている。
【0046】
スクリュー62は、中心軸62Aから螺旋状のブレード62Bが張り出した形状になっていて、樋部材63のうち1対の仕切り膨出部63Bと後壁部63Dとの間の空間に配されている。また、スクリュー62は、上端部に、ブレード62Bの上端部とその真下の位置とを連絡するように中心軸62Aから径方向に張り出した押出片62Cを備える。スクリュー62の中心軸62Aの上端は断面円形をなしてケース61の軸受容部61E(
図15参照)に受容されている一方、スクリュー62の中心軸62Aの下端は断面四角状になっていて、スクリュー用ギア62Gに固定されている。このスクリュー用ギア62Gは、複数の連絡ギア64R(
図18参照)を介してモータ64(
図15参照)の駆動ギア64Gと連結されていて、スクリュー62はモータ64の動力を受けて回転する。
【0047】
図16及び
図19に示すように、スクリュー62と1対の樋壁部63Aの仕切り膨出部63Bとに囲まれた領域は、遊技球が通過する揚上経路65となっている。揚上経路65の下端部に進入した遊技球は、1対の樋壁部63Aにより左右方向で位置決めされた状態となり、スクリュー62の回転によりブレード62Bのうち揚上経路65内に張り出す部分が上昇していくにつれて、上昇する。そして、ブレード62Bによって上昇させられた遊技球は、揚上経路65の上端部に到達すると、押出片62Cによって側方へ(次述する上側通路61Bへ)押し出される。
【0048】
また、
図16及び
図17に示すように、揚上装置60には、遊技球に付着したゴミを除去するためのクリーニング機構70が組み込まれている。クリーニング機構70は、研磨ローラ71と、研磨ローラ71を保持するためのローラ保持機構80と、を備える。研磨ローラ71は、上下方向に延びたロール状をなし、揚上経路65を挟んでスクリュー62と反対側に配され、揚上経路65内の遊技球に当接する。これにより、揚上経路65内を上昇する遊技球が研磨ローラ71により研磨され、遊技球に付着したゴミが除去される。なお、遊技球に付着するゴミとしては、遊技球が遊技領域R1を流下する際に付着する釘や樹脂の削りカス等が考えられる、
【0049】
ローラ保持機構80は、研磨ローラ71の上端及び下端の連結部71A,71Bと凹凸係合する上側連結部81及び下側連結部82を有していて、下側連結部82はコイルばね82Cにより上方に付勢されている。そして、研磨ローラ71を下方へ下側連結部82ごと押し下げると、研磨ローラ71の上端の連結部71Aとローラ保持機構80の上側連結部81との係合が解除されるので、研磨ローラ71を斜めにすることで研磨ローラ71を取り外し可能となる。反対に、研磨ローラ71を取り付けるときは、研磨ローラ71を斜めにして下端の連結部71Bを下側連結部82に合わせて押し下げたのち、研磨ローラ71の姿勢を上下方向に合わせ、コイルばね82Cの弾性力に従い研磨ローラ71を上昇させることで、研磨ローラ71の上端の連結部71Aと上側連結部81とが係合し、研磨ローラ71がローラ保持機構80に保持される。
【0050】
このローラ保持機構80により、研磨ローラ71は交換可能になっていて、所定のメンテナンスタイミングで交換される。なお、カバー部42及び回収部43には、研磨ローラ71を露出させる貫通孔42X,43Xが形成されていて、研磨ローラ71は、前面扉10Zを開いた状態(
図2の状態)で着脱可能となっている。
【0051】
また、揚上装置60には、揚上装置60の前端から揚上経路65の下端部までを連絡する下側通路61A(
図18参照)と、揚上経路65の上端部から揚上装置60の前端までを連絡する上側通路61B(
図20参照)と、が設けられている。そして、下側通路61Aの前端の開口が、揚上装置60に遊技球が進入する球入口60Aとなっていて、上側通路61Bの前端の開口が、揚上経路65から遊技球が排出される球出口60Bとなっている。
【0052】
揚上装置60の球入口60Aは、上述した回収球排出部42Kと重ね合わされていて(
図14参照)、揚上装置60の球出口60Bは、回収部43に配された中継通路43R(
図10及び
図21参照)の後面開口に重ね合わされている。中継通路43Rは、発射ユニット31の供給口33Kと連通している。なお、カバー部42には、ケース61全体の前端面よりも前方に突出した上側通路61Bが挿通される貫通孔42Yが形成されている。
【0053】
以上の構成により、発射ユニット31から発射されたのち、回収ダクト40により回収された遊技球及び第1戻り通路38A又は第2戻り通路38Bにより回収された遊技球は、球回収路41を通過して回収球排出部42Kから揚上装置60の下側通路61Aに進入し、揚上経路65内を上昇したのち、上側通路61B及び中継通路43Rを通過して再び発射ユニット31へ送られる。これら球回収路41、下側通路61A、揚上経路65、上側通路61B及び中継通路43Rと供給通路31Wとから循環用経路22が構成されている。
【0054】
<球回収路について>
ここで、球回収路41についてさらに詳細を説明する。上述したように、球回収路41は、回収部43とカバー部42との間に、回収部43の後面から突出する複数の突壁43Tにより形成されている。
図12及び
図13に示すように、球回収路41のうち第1案内路41Aは、突壁43Tの一部であり、右側の傾斜面40Sの下端から垂下したのち右方へ下りながら延びる第1案内突壁91上に位置している。
【0055】
第1案内突壁91を挟む回収部43の主壁43Aとカバー部42の主壁42Aとには、第1案内路41Aの中間部を後方へ屈曲させる前側膨出部92と後側膨出部93とが配されている。
図10及び
図22に示すように、回収部43の前側膨出部92は、主壁43Aより後方で主壁42Aと平行に延びる中央壁92Bと、その左右に配されて主壁43Aから傾斜した右傾斜壁92A及び左傾斜壁92Cと、を有している。また、
図12に示すように、上下方向では、前側膨出部92は、第1案内突壁91と左側の傾斜面40Sを有する突壁43Tとの間に亘って延びている。また、第1案内突壁91のうち、前側膨出部92に対応する部分は後方に膨らんでいる。
【0056】
図22に示すように、後側膨出部93は、前側膨出部92と対向し、中央壁93Bと、その左右に配されてカバー部42の主壁42Aから傾斜した右傾斜壁93A及び左傾斜壁93Cと、を有している。また、後側膨出部93の下端は、第1案内突壁91よりも板厚1枚分下方に位置し、第1案内突壁91の下面に重なる膨出下壁93Dを有している(
図23参照)。
【0057】
第1案内路41Aのうち、前側膨出部92と後側膨出部93との間には、中央蛇行部95が形成されている。中央蛇行部95は、回収部43の前側膨出部92の中央壁92Bに形成される複数の回収通路凸部95Aと、後側膨出部93の中央壁93Bに形成される複数のカバー通路凸部95Bとを備えている。また、回収通路凸部95A及びカバー通路凸部95Bは、第1案内突壁91より上方に遊技球0.5~0.8球分ほど間隔をあけて配されている。
【0058】
回収通路凸部95Aは、ほぼ等間隔で横方向に3つ並べて備えられ、後方(第1案内路41Aの内側)に向かって突出している。また、回収通路凸部95Aと前後方向で対向する位置には、カバー通路凸部95Bが形成されている。カバー通路凸部95Bは、ほぼ等間隔で横方向に3つ並べて備えられ、後方(第1案内路41Aの外側)に向かって突出している。そして、回収通路凸部95Aとカバー通路凸部95Bとは、その突出端部が前後方向で重なるように配置されている。これにより、第1案内突壁91から跳ね上がった遊技球が中央蛇行部95で回収通路凸部95A又はカバー通路凸部95Bにぶつかって第1案内突壁91上に落下し、第1案内路41A内に一列に並びやすくなる。
【0059】
また、
図24に示すように、第2案内路41Bの中間位置から第3案内路41Cの上方部分にかけての領域は、第1案内路41Aと同様に後方へ屈曲している。詳細には、
図26に示すように、回収部43は、第2案内路41B及び第3案内路41Cの天井面を有する天井突壁97Aと、第2案内路41Bの下面を有する第2案内突壁97Bと、を備える。天井突壁97Aと第2案内突壁97Bとは、上流側端部では、回収部43の主壁43Aにより連絡されている(
図12参照)。
【0060】
図12及び
図24に示すように、回収部43の主壁43Aのうち、天井突壁97Aと第2案内突壁97Bとの間における第2案内路41Bの中間位置から右方へ延びた帯状領域が、後方へ膨出した下側膨出部97Cとなっている。そして、
図13及び
図24に示すように、カバー部42の主壁42Aには、下側膨出部97Cと対向する位置に、後方へ陥没した通路凹部98Aが形成されている。通路凹部98Aは、回収部43の第2案内突壁97Bと面一になり、第2案内路41Bの下面を形成する下壁98Bと、回収部43の天井突壁97Aと面一になる上壁98Cと、下壁98Bと上壁98Cとの間を連絡する通路側壁98Dと、を有している。
図25に示すように、この通路凹部98Aは、カバー部42の主壁42Aの後面から突出している。
【0061】
図26に示すように、回収部43には、第3案内路41C及び戻り球案内路45の下面を形成する第3案内突壁99Aが備えられている。
【0062】
図27に示すように、第3案内路41Cの下流側端部には、第3蛇行部99Cが形成されている。第3蛇行部99Cは、回収部43の主壁43Aに形成される複数の第3回収通路凸部99C1と、カバー部42の主壁42Aに形成される複数の第3カバー通路凸部99C2とを備えている。第3回収通路凸部99C1は、2つ並べて備えられ、後方(第3案内路41Cの内側)に向かって突出している。
【0063】
第3回収通路凸部99C1と前後方向で対向する位置には、第3カバー通路凸部99C2が形成されている。第3カバー通路凸部99C2は、ほぼ等間隔で3つ並べて備えられ、前方(第3蛇行部99Cの内側)に向かって突出している。
【0064】
そして、第3回収通路凸部99C1と、第3カバー通路凸部99C2とは、第3案内突壁99Aを挟んで、互い違いになるように並べられる。これにより、第3蛇行部99Cが、転動してきた遊技球を蛇行させる。
【0065】
さて、上述した球回収路41には、複数の開口部100が形成されている。開口部100には、カバー部42に形成される第1~第3開口部101A,101B,101Cと、回収部43に形成される第4~第7開口部104A,104B,104C,104Dと、第1~第4切り欠き部105A,105B,105C,105Dとが含まれる。
【0066】
図25に示すように、カバー部42の後側膨出部93には、第1及び第2開口部101A,101Bが形成されている。
図22に示すように、第1開口部101Aは、3つのうちの最も上流側に配置されるカバー通路凸部95Bの下側に設けられ、第2開口部101Bは、3つのうち最も下流側に配置されるカバー通路凸部95Bの下側に設けられる。なお、第1及び第2開口部101A,101Bは、形成される場所を除いて同様の構成になっているため、以下では代表して第2開口部101Bを説明する。
【0067】
図23に示すように、第2開口部101Bは、中央壁92Bと膨出下壁93Dとにわたって開口している。具体的には、第2開口部101Bは、中央壁92Bに開口する第2側壁開口102Aと、膨出下壁93Dに開口する第2底部開口102Bとを有している。第2側壁開口102Aは、左右方向の長さが、カバー通路凸部95Bの左右方向の幅とほぼ同一になっている。なお、これは遊技球0.5~1.2個分程の長さになっている。また、上下方向の長さは、中央壁92Bのうちのカバー通路凸部95Bよりも下方部分の上下方向の長さとほぼ同一になっている。
【0068】
第2底部開口102Bの左右方向の長さは、第2側壁開口102Aの左右方向の長さと同一になっている。また、第2底部開口102Bの前後方向の長さは、膨出下壁93Dの前後方向の幅の半分未満になっている。
【0069】
そして、第2側壁開口102Aと第2底部開口102Bとが互いに繋がり、第2開口部101Bは側断面形状がL字形の開口になっている。
【0070】
図25に示すように、通路凹部98Aには、第3開口部101Cが形成されている。第3開口部101Cは、通路側壁98Dと、下壁98Bにわたって開口している。具体的には第3開口101Cは、通路側壁98Dに形成される第3側壁開口103Aと、下壁98Bに形成される第3底部開口103Bとを有している。また、第3側壁開口103Aの左右方向の長さは第1及び第2開口部101A,101Bよりも長く、遊技球1.5~2球分程になっていて、上下方向の長さは第1及び第2開口部101A,101Bの側壁開口よりも短くなっている。
【0071】
第3底部開口103Bの左右方向の長さは、第3側壁開口103Aと同一になっている。また、第3底部開口103Bの前後方向の長さは、第2案内路41Bの幅の4分の1程度で、第1及び第2開口部101A,101Bの底部開口よりも短くなっている。そして、第3側壁開口103Aと第3底部開口103Bとが互いに繋がり、側断面形状がL字形の開口になっている。
【0072】
図12に示すように、回収部43の第2案内路41Bのうち下側膨出部97Cの手前には、第4開口部104Aが配されている。第4開口部104Aは、
図28に示すように、主壁43Aと第2案内突壁97Bとにわたって開口している。具体的には、第4開口部104Aは主壁43Aに形成される第4側壁開口106Aと、第2案内突壁97Bに形成される第4底部開口106Bとが繋がり、側断面形状がL字形の開口になっている。
【0073】
図12に示すように、第5開口部104Bは戻り球案内路45に配置されていて、第6及び第7開口部104C,104Dは第3案内路41Cに配置されている。第5,第6開口部104B,104Cは、主壁43Aと第3案内突壁99Aにわたって開口し、第4開口部104Aと同様に側断面形状がL字形になっている。第7開口部104Dは、主壁43Aと第3案内突壁99Aにわたって開口し、側断面形状がT字形になっている。
【0074】
図12に示すように、第1及び第2切り欠き部105A,105Bは、第1案内路41Aに配置されている。詳細には、
図23に示すように、第1切り欠き部105Aは、第1開口部101Aと重なる位置に形成されている。同様に、第2切り欠き部105Bは、第2開口部101Bと重なる位置に形成されている。これにより、第1案内路41Aは第1及び第2の開口部101A,101Bと、第1及び第2切り欠き部105A,105Bを通して、外側に連通している。
【0075】
図12に示すように、第3切り欠き部105Cは、戻り球案内路45の上流側端部近傍に配置されている。また、
図28に示すように、第3切り欠き部105Cの前後方向の開放部分には、カバー部42の主壁42Aが宛がわれる。
【0076】
また、第4切り欠き部105Dは、第3案内路41Cの第3案内突壁99Aに形成され、前後方向の開放部分にカバー部42が宛がわれて左右方向に延びるスリット状になっている。
【0077】
なお、各開口部100の上下方向の幅及び前後方向の幅は、遊技球半球分未満であることが好ましい。
【0078】
図29に示すように、カバー部42の後面には、保護板107が取り付けられている。この保護板107には、カバー部42の第3開口部101Cと対応する位置に作業窓107Aが開口形成されていて、第3開口部101Cを露出させる。
【0079】
また、カバー部42と保護板107との間には、第1切り欠き部105A及び第1開口部101A、第2切り欠き部105B及び第2開口部101B、第3開口部101Cが連通し、それら開口部からの落下物を溜めることが可能になっている。
【0080】
さらに、
図26及び
図28に示すように、第4~第6開口部104A,104B,104Cの下方には、それぞれ前側ゴミ溜め部110Aが形成されている。前側ゴミ溜め部110Aは、回収部43の主壁43Aを後方に陥没させてなり、複数の突壁43Tによって区画されている。なお、前側ゴミ溜め部110Aは、発射ユニット31によって前方から覆われている。
図12及び
図26に示すように、第7開口部104D及び第4切り欠き部105Dの下方には、後側ゴミ溜め部110Bが形成されている。後側ゴミ溜め部110Bは、回収部43の主壁43Aとカバー部42の主壁42Aとの間に配され、第3案内突壁99Aを含む突壁43Tによって区画されている。
【0081】
カバー部42及び保護板107は、上述した下側の保護カバー10F(
図5参照)に後側から覆われ、カバー部42及び保護板107と保護カバー10Fとの間には、電源基板51と枠制御基板54(
図4参照)とが、配されている。
【0082】
図5に示すように、下側の保護カバー10Fは、後方から見て左端部にスライドロック部10F1を備え、右端部に設けられた図示しない係止片が遊技枠10Yに係止した状態で固定されている。そして、スライドロック部10F1を操作すると、下側の保護カバー10Fが取り外し可能となる。
【0083】
電源基板51は、基板ケース108に内蔵された状態で、保護板107の後面に取り付けられている(
図30参照)。基板ケース108の前端部には、後方から見た左端部に、係合片108Bが備えられている。また、保護板107には、係合操作片107Bが取り付けられている。
図29に示すように、係合操作片107Bには、押部107B1と、係合部107B2とが備えられている。そして、係合部107B2と係合片108Bとが係合することで、基板ケース108(即ち、電源基板51)は保護板107に固定される。
【0084】
電源基板51は、以下のような手順で保護板107から取り外される。まず、係合操作片107Bの押部107B1を、前方に向かって押し込む。すると、係合部107B2が係合片108Bから離れて係合が解除され、電源基板51が取り外し可能となる。枠制御基板54も同様に、図示しない係合操作片により固定されていて、その係合操作片を押し込むことで取り外し可能となる。このように、本実施形態では、保護カバー10F、電源基板51及び枠制御基板54が、ビスを用いずに固定されており、工具を使用せずに脱着可能となっている。
【0085】
ここで、上述したように、遊技機10には、揚上装置60にクリーニング機構70が設けられ、遊技領域R1を流下した遊技球に付着したゴミが除去されるが、クリーニング機構70に到達する前にゴミが球回収路41内に落下することも考えられる。そして、それらのゴミが球回収路41内に溜まると、遊技球が転動しにくくなり、球詰まりが起こることが懸念される。これに対し、本実施形態によれば、上述した複数の開口部100からゴミが落下し、球回収路41内にゴミが溜まりにくくなるので、球詰まりが起こりにくくなる。また、所定数の遊技球を使いまわす本実施形態の遊技機10では、遊技球に汚れが溜まりやすくなっているため、開口部100を設けることの効果をより享受することができる。
【0086】
また、開口部100が球回収路41の下面である第1~第3案内突壁91,97B,99Aに形成されていることで、ゴミが重力によって排出されることになるので、作業者による清掃の手間を軽減することが可能になる。さらに、開口部100は球回収路41の側面にわたって形成されているため、角部にゴミがとどまりにくくなっている。しかも、開口部100が第1~第3案内通路41A,41B,41Cに分かれて複数設けられていることで、ゴミが落下しやすくなり、球回収路41内にゴミが溜まることがより防がれる。また、各開口部100から落下したゴミは、カバー部42の主壁42Aと保護板107との間やゴミ溜め部110に溜まるので、開口部100から排出されたゴミが他の遊技球の通路に入り込むことを抑制できる。
【0087】
また、開口部100の幅を遊技球半球分未満とすることで、遊技球が詰まることなくゴミのみを排出することができる。さらに、開口部100は第1~第3案内通路41A,41B,41Cの断面における角部に配されているので、その開口縁に遊技球が当接しにくくなり、遊技球が開口縁に引っ掛かって球詰まりが発生することが防がれる。しかも、開口部100は、循環用経路22のうち揚上装置60より手前の球回収路41に形成されているため、揚上装置60内部のクリーニング機構70に汚れが付きにくくなる。
【0088】
また、作業者が保護板107の作業窓107Aを通して第3開口部101Cに工具等を挿入することができるため、球回収路41内部にとどまってしまったゴミ等を除去することができる。さらに、球回収路41内で球詰まりが発生したときに、この第3開口部101Cに工具を差し込んで遊技球を動かすことで球詰まりを解消することができる。しかも、第3開口部101Cが比較的長くなっているので、工具を差し込み可能な範囲が広く、球詰まりが解消されやすい。さらに、保護カバー10F、電源基板51及び枠制御基板54が、ビスを用いずに固定され、工具を使用せずに脱着可能となっているので、作業を容易にすることができる。
【0089】
<電気的構成について>
図4には、遊技機10の電気的構成が示されている。同図に示す符号50は、主制御基板50であって、CPU50A、RAM50B、ROM50C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継基板及び枠制御基板54等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。
【0090】
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52A、RAM52B、ROM52C及び複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、表示装置13等を結ぶ入出力回路を備えている。
【0091】
枠制御基板54は、発射ユニット31、発射球センサ31S、戻り球センサ36S、入賞センサ25、球回収センサ44等に接続され、各入賞口14A,14B,15,20及びアウト口16への遊技球の入球に基づいた主制御基板50からの信号に基づいて機台内を循環する遊技球を管理する。また、枠制御基板54は、カードユニット26に接続され、カードから読み取った情報を受信し、カードユニット26にカードに書き込む情報を送信する。また、枠制御基板54は、球管理ユニット19に接続され、球管理ユニット19から受信した信号に基づいて、カード内貯球から遊技機側貯球へ遊技球を移したり、遊技機側貯球からカード内貯球へ遊技球を移したりすると共に、球管理ユニット19の球数表示部19A(
図6参照)に表示する持ち球の情報を球管理ユニット19へ出力する。
【0092】
なお、主制御基板50、サブ制御基板52及び枠制御基板54等は、電源基板51からの電源供給を受けて作動する。
【0093】
<遊技球数監視について>
さて、上述したように本実施形態の遊技機10には、40~49球の遊技球が封入されている。そして、遊技機10には、遊技球の総数が40~49球(以下、「所定範囲」という)内に収まっているかを判断するために、不足監視センサ120及び過剰監視センサ121が設置されている。以下、詳細を説明する。
【0094】
遊技球の発射が行われておらず、遊技領域R1を遊技球が流下していない状態では、遊技球は、1球が発射装置31Aの発射レール31R上に配され、そこから循環用経路22内を連なって並ぶ。循環用経路22の各通路の長さは、遊技球数が所定範囲内の場合に、遊技球の列の最後部が第3案内路41C内に配されるように設定されている。そして、
図26に示すように、その第3案内路41Cにおける第3案内突壁99Aの下面に、プレート状の不足監視センサ120及び過剰監視センサ121が宛がわれている。
【0095】
不足監視センサ120及び過剰監視センサ121は、高周波発振型の近接スイッチ(誘導型近接センサ)であり、遊技球1球分程の検出領域を有している。そして、不足監視センサ120は、発射装置31Aから並んだ遊技球列の40球目の遊技球(
図26中の符号K1)を検知する位置に配されている。つまり、不足監視センサ120は、遊技球数が40球(所定範囲の下限)以上の場合に検知状態(オン)となり、遊技球数が40球(所定範囲の下限)に満たない場合に非検知状態(オフ)となる。
【0096】
一方、過剰監視センサ121は、遊技球が50球以上封入されている場合に、発射装置31Aから並んだ遊技球列の50球目の遊技球(
図26中の符号K2)を検知する位置に配されている。つまり、過剰監視センサ121は、遊技球数が49球(所定範囲の上限)を超えている場合に検知状態(オン)となり、遊技球数が49球(所定範囲の上限)以下の場合に非検知状態(オフ)となる。
【0097】
また、不足監視センサ120と過剰監視センサ121とでは、発生される高周波磁界の周波数が異なっている、これにより、不足監視センサ120と過剰監視センサ121とが近くに配されても、周波数干渉が起こりにくくなり、検知が正常に行われやすくなる。
【0098】
そして、枠制御基板54が、これら不足監視センサ120及び過剰監視センサ121の検知状況に基づいて、封入された遊技球の数が所定範囲であるか否かを判別する。具体的には、枠制御基板54は、一定時間遊技がなされなかったことを契機として設定される待機状態時又は電源投入時に、不足監視センサ120及び過剰監視センサ121からの信号を受信する。そして、不足監視センサ120が検知状態でありかつ、過剰監視センサ121が非検知状態である場合は、遊技球数が所定範囲内であると判定する。一方、不足監視センサ120が非検知状態である場合及び過剰監視センサ121が検知状態である場合は、遊技球数が所定範囲外であると判定し、球数異常の信号をサブ制御基板52に送信する。球数異常の信号を受けたサブ制御基板52は、表示装置13に、球数異常を示するメッセージを表示させる。なお、球数異常の報知は、表示装置13ではなく、球数異常を報知するためのランプを別途設けて行われてもよいし、音声により行われてもよい。
【0099】
このように、本実施形態の遊技機10によれば、不足監視センサ120及び過剰監視センサ121の検知状況により、遊技球の数が所定範囲内に収まっているか確認することができるので、例えば、封入された遊技球を抜いて遊技球数を確認する等の作業を行う必要がなくなり、封入された遊技球の数が所定範囲内に収まっているかの確認が容易になる。さらに、遊技球の数が所定範囲外である場合は、表示装置13により球数異常が報知されるので、遊技ホールのスタッフ等に気付かせることができる。
【0100】
また、不足監視センサ120及び過剰監視センサ121は、遊技球が1列に並ぶ第3案内路41Cにおいて発射装置31Aから続く遊技球列の最後尾を検知する構成になっているので、幅や奥行が遊技球2球分以上ある空間に遊技球が溜められ、その空間内の遊技球を検出する構成よりも、遊技球の配置がばらつきにくくなり、誤検出が起きにくくなる。さらに、遊技球数の判別は、遊技球の発射が行われていない状態(さらに言えば、遊技球が静止した状態)で行われるので、判別が正確に行われやすくなる。
【0101】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態の遊技機10では、不足監視センサ120及び過剰監視センサ121が近接スイッチであったが、測距センサであってもよい。測距センサの場合、1つのセンサで、発射装置31Aから並んだ遊技球列の40球目の遊技球の位置の遊技球の有無と50球目の遊技球の位置の遊技球の有無とを検知する構成であってもよいし、遊技球列の最後尾の遊技球を検知し、その位置によって、遊技球数が所定範囲内か否かを判別する構成であってもよい。
【0102】
(2)不足監視センサ120及び過剰監視センサ121の検知状態のみを報知し、作業者が遊技球数過不足を判断する構成であってもよい。
【0103】
(3)不足監視センサ120と過剰監視センサ121との一方のみが設けられていてもよい。この場合でも、遊技球の過剰と遊技球の不足との一方は検出することができる。
【0104】
(4)下部装飾部10Uの上面に配された表示部は、球数表示部19Aではなく、演出用の表示部であってもよい。
【0105】
(5)下部装飾部10Uの上面の表示部と遮蔽部21との構成は、封入式ではなく、遊技ホールの球貯留部から遊技球が供給される方式の遊技機に適用されてもよい。
【0106】
(6)開口部100は、第1~第3案内通路41A,41B,41Cの下面(突壁43T)の幅方向の中央部分に形成されるスリット状になっていてもよい。また、側壁だけに設けられる構成になっていてもよい。
【0107】
(7)開口部100は遊技領域R1を流下し終えて発射ユニット31に向かう遊技球が通る通路に形成されていたが、これに限らず、例えば遊技領域R1上の遊技球の転動路に設けられていてもよい。
【0108】
(8)開口部100の下方に前側ゴミ溜め部110A及び後側ゴミ溜め部110Bが設けられない構成になっていてもよい。
【0109】
(9)開口部100は、保護カバー10F、電源基板51及び枠制御基板54を外した後、作業者によって清掃されてもよい。
【0110】
<付記>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0111】
[第1の特徴群]
本開示は、遊技機に関し、従来、封入された遊技球を循環して使用する遊技機が知られている(例えば、特開2016-034569号(段落[0010]等)参照)。上述した従来の遊技機においては、封入された遊技球の数が所定範囲内に収まっているか確認しやすくすることが求められている。これに対し、本特徴群によれば、封入された遊技球の数が所定範囲内に収まっているかの確認が容易になる。
【0112】
[特徴1]
封入された所定範囲内の数の遊技球を循環して使用する遊技機において、
遊技球の数が前記所定範囲の下限以上であるかを検出する不足監視検出部と、遊技球の数が前記所定範囲の上限以下であるかを検出する過剰監視検出部と、を備える遊技機。
【0113】
特徴1によれば、不足監視検出部及び過剰監視検出部の検出状況により、遊技球の数が所定範囲内に収まっているか確認することができるので、例えば、封入された遊技球を抜いて遊技球数を確認する等の作業を行う必要がなくなり、封入された遊技球の数が所定範囲内に収まっているかの確認が容易になる。
【0114】
[特徴2]
前記不足監視検出部及び前記過剰監視検出部は、遊技領域を流下して回収された遊技球が1列に並んで通過し、発射装置まで案内される循環用経路内の遊技球を検出する特徴1に記載の遊技機。
【0115】
特徴2によれば、不足監視検出部及び過剰監視検出部が、循環用経路に1列に並ぶ遊技球を検出するので、幅や奥行が遊技球2球分以上ある空間に遊技球が溜められ、その空間内の遊技球を検出する構成よりも、遊技球の配置がばらつきにくくなり、誤検出が起きにくくなる。
【0116】
[特徴3]
前記不足監視検出部は、前記所定範囲の下限値の数の遊技球が前記循環用経路内を前記発射装置から並んだときの最後尾の遊技球を検知する構成である一方、前記過剰監視検出部は、前記所定範囲の上限値より1球多い数の遊技球が前記循環用経路内を前記発射装置から並んだときの最後尾の遊技球を検知する構成であり、
遊技球の数が前記所定範囲内であることを、前記不足監視検出部が検知状態であり、かつ、前記過剰監視検出部が非検知状態であることをもって判別する判別手段を備える特徴2に記載の遊技機。
【0117】
特徴3の遊技機では、循環用経路内に並ぶ遊技球の最後尾の遊技球が、不足監視検出部に検知される位置から過剰監視検出部に検知される位置の手前までに配されている場合に、遊技球の数が前記所定範囲内であると判別される。
【0118】
[特徴4]
前記判別手段は、前記不足監視検出部が非検知状態であること又は前記過剰監視検出部が検知状態であることに基づいて、遊技球数異常を報知する特徴3に記載の遊技機。
【0119】
特徴4によれば、遊技球の数が前記所定範囲内でないことを、遊技ホールのスタッフ等に気付かせることができる
【0120】
[特徴5]
前記判別手段は、一定時間遊技がなされなかったことを契機として設定される待機状態時又は電源投入時に作動する特徴3又は4に記載の遊技機。
【0121】
特徴5によれば、遊技球の発射が行われていない状態で判別手段が作動するので、判別が正確に行われやすくなる。
【0122】
[特徴6]
前記不足監視検出部及び前記過剰監視検出部は、別個の近接スイッチである特徴1から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0123】
不足監視検出部及び過剰監視検出部は、測距センサであってもよいし、特徴6のように近接センサであってもよい。
【0124】
[特徴7]
前記近接スイッチは高周波発振型であり、前記不足監視検出部と前記過剰監視検出部とでは、周波数が異なる特徴6に記載の遊技機。
【0125】
特徴7によれば、不足監視検出部用の近接スイッチと過剰監視検出部用の近接スイッチとで周波数が異なるので、周波数干渉が起こりにくくなり、検出が正常に行われる。
【0126】
[特徴8]
封入された所定範囲内の数の遊技球を循環して使用する遊技機において、
遊技球が貯留される貯留部内の遊技球を検出可能な検出部と、
前記検出部の検出結果により遊技球の数が前記所定範囲内であるか判別可能な判別手段と、を備える遊技機。
【0127】
特徴8によれば、検出部と判別手段とにより、遊技球の数が所定範囲内であるか判別される。例えば、検出部が測距センサであり、貯留部内の最後尾の遊技球の位置によって、遊技球の数が所定範囲内であるか判別される構成であってもよいし、特徴6のように、近接センサを2つ備えた構成であってもよい。
【0128】
[第1の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、不足監視検出部:不足監視センサ120、過剰監視検出部:過剰監視センサ121、循環用経路:循環用経路22、判別手段:枠制御基板54
【0129】
[第2の特徴群]
本開示は、遊技機に関し、従来、透明窓の下方に前方へ突出した下部装飾部を備える遊技機が知られている(例えば、特開2016-034569号(
図1等)参照)。上述した従来の遊技機においては、下部装飾部の上面に光を放出する表示部を配置すると、その表示部の光が透明窓に映りこんで遊技領域が見えにくくなることが懸念され、それを防ぐことが望まれる。これに対し、本特徴群によれば、上面表示部と透明窓との間に、上面表示部からの光が透明窓に映りこむことを防ぐ遮蔽部が配置されているので、表示部の光が透明窓に映りこんで遊技領域が見えにくくなることが防がれる。
【0130】
[特徴1]
遊技領域を視認可能とする透明窓の下方に前方へ突出した下部装飾部を備える遊技機において、
前記下部装飾部の上面に、光を放出する上面表示部と、前記上面表示部と前記透明窓との間に配されて前記上面表示部からの光が前記透明窓に映りこむことを防ぐ遮蔽部と、を備える遊技機。
【0131】
特徴1によれば、上面表示部と透明窓との間に、上面表示部からの光が透明窓に映りこむことを防ぐ遮蔽部が配置されているので、表示部の光が透明窓に映りこんで遊技領域が見えにくくなることが防がれる。
【0132】
[特徴2]
前記遮蔽部は、上方に突出し、正面から見て前記透明窓の下縁部に重なる突条をなし、前面と、前記前面よりも鉛直方向の傾きが大きく後ろ下がりに傾斜した後面と、を有している特徴1に記載の遊技機。
【0133】
特徴2によれば、遮蔽部の後面が後ろ下がりに傾斜しているので、遊技者が透明窓の下縁部を見下ろしたときに遮蔽部が透明窓の下縁部に重なりにくくなる。よって、遮蔽部を正面から見て透明窓の下縁部に重なるように上方へ突出させて表示部の光が透明窓に映りこみにくくしつつも、遊技者による透明窓の視認性を妨げにくくなっている。
【0134】
[特徴3]
前記上面表示部は、発光部と、前記発光部の上方に配されて前記下部装飾部の上面の一部をなし、後ろ上がりに傾いて前記発光部からの光を前方に向かわせる透明板と、を備える特徴1又は2に記載の遊技機。
【0135】
特徴3によれば、透明板により発光部からの光が斜め前方に向かうので、上面表示部からの光が透明窓により映りこみにくくなる。
【0136】
[特徴4]
遊技球を循環して使用する封入式の遊技機であり、
前記上面表示部は、遊技者が遊技機内で使用可能な遊技球数である持ち球数を表示する特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0137】
上面表示部は、演出用であってもよいし、特徴4のように、封入式の遊技機における持ち球数を表示するものであってもよい。
【0138】
[特徴5]
前記上面表示部として、発光ランプ部を備え、
前記発光ランプ部は、ランプ本体と、前記ランプ本体より上方に間隔をあけて配された透明板と、を備え、
前記透明板には、前記ランプ本体の真上に非透過性の文字又は記号又は装飾が付されている特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0139】
特徴5によれば、遊技者が斜め上から発光ランプ部を見下ろしたときに、ランプ本体とその真上に配された文字又は記号又は装飾とがずれて見えるので、両者を視認性を確保しつつ省スペースに配置することができる。
【0140】
[第2の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、透明窓:ガラス窓10W、下部装飾部:下部装飾部10U、遊技領域:遊技領域R1、上面表示部:球数表示部19A、遮蔽部:遮蔽部21、発光部:7セグメント19C、透明板:透明板19B、発光ランプ部:計数ランプ19L,ランプカバー19M、ランプ本体:計数ランプ19L、透明板:ランプカバー19M、非透過性の文字又は記号又は装飾:表記部19N
【0141】
[第3の特徴群]
本開示は、遊技機に関し、従来、この種の遊技機として、遊技機単体で複数の遊技球を循環して使用するものが知られている(例えば、特開2018-143831号公報(段落[0022])参照)。上述した従来の遊技機においては、遊技球についたゴミ等が、遊技球の通路の内部にとどまってしまうことがあり、改善が求められている。本特徴群によれば、開口部からゴミを取り除くことが可能となる。
【0142】
[特徴1]
発射装置により遊技領域に打ち込まれて流下し終えた遊技球が誘導通路を通過して前記発射装置に戻り、遊技機単体で複数の遊技球を循環して使用する遊技機において、
前記誘導通路に遊技球の通過方向と直交する方向に開放した開口部が形成されている遊技機。
【0143】
特徴1によれば、遊技球に付着していたゴミ等が誘導通路内で遊技球から落ちたとしても、開口部から外側に排出されたり、開口部を通して取り除くことができるので、誘導通路にゴミ等が溜まることを防ぐことができる。また、本特徴の遊技機では、複数の遊技球を循環して使用することで遊技球に汚れが溜まりやすくなっているため、開口部を設けることの効果をより享受することができる。
【0144】
[特徴2]
前記誘導通路は左右方向に延び、
前記開口部は、前記誘導通路の下面に設けられている特徴1に記載の遊技機。
【0145】
特徴2によれば、汚れが重力で誘導通路の外側に排出される。
【0146】
[特徴3]
前記誘導通路は断面角形の樋状であって、
前記開口部は、前記誘導通路の下面と側面に亘って形成されている特徴2に記載の遊技機。
【0147】
特徴3によれば、通路の角部が切り欠かれて開口が形成されるため、誘導通路に汚れが溜まりにくくなる。
【0148】
[特徴4]
前記開口部は、前記誘導通路に沿って延びるスリット状であって、
前記開口部の短手方向の幅は、遊技球の直径の半分以下になっている、特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0149】
特徴4によれば、開口部に遊技球がはまり込むなどして球詰まりの原因になることなく、汚れだけを誘導通路の外側に排出することができる。
【0150】
[特徴5]
前記誘導通路は、遊技領域を流下し終えた遊技球が回収される回収口から、遊技球を研磨する研磨装置までの間に設けられている特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0151】
特徴5によれば、研磨装置までの間に遊技球の汚れが外に排出されやすくなるので、研磨装置が汚れにくくなる。
【0152】
[特徴6]
前面に遊技領域を有する遊技枠と、
前記遊技枠を内側に有する固定枠と、
前記遊技枠の裏側に螺合接続されずに取り付けられる基盤ケースと、を備え、
を備え、
前記遊技枠は、左右のどちらか一端を中心にして前記固定枠に対して回動し、
前記開口部は、前記基盤ケースを取り外すと裏側から露出する特徴1から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0153】
特徴6によると、作業者が開口部に工具等を挿入して清掃することができるため、誘導通路内部にとどまってしまった汚れ等を除去することができる。
【0154】
[特徴7]
前記誘導通路は、前側壁と後側壁との間に配され、
前記前側壁と前記後側壁とは後方に膨出する膨出部を備え、
前記開口部は前記膨出部に形成される特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0155】
特徴7によれば、後方に膨出した誘導通路から汚れが排出されるため、他の通路に汚れが侵入してしまうことを防ぐことができる。
【0156】
[特徴8]
前記開口部は複数設けられている特徴1から7の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0157】
特徴8によれば、汚れがより誘導通路の外側に排出されやすくなる。
【0158】
[第3の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、開口部:開口部100、誘導通路:第1案内路41A,第2案内路41B,第3案内路4C、遊技領域:遊技領域R1、回収口:回収ダクト40、研磨装置:クリーニング機構70、遊技枠:遊技枠10Y、固定枠:固定枠10X、基板ケース:基板ケース108、前側壁:43A、後側壁:42A
【0159】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0160】
10 遊技機
10F 下側の保護カバー
10U 下部装飾部
10W ガラス窓
10Y 遊技枠
19A 球数表示部
21 遮蔽部
22 循環用経路
31A 発射装置
41 球回収路
41A 第1案内路
41B 第2案内路
41C 第3案内路
51 電源基板
54 枠制御基板
91 第1案内突壁
97B 第2案内突壁
99A 第3案内突壁
100 開口部
107 保護板
107A 作業窓
120 不足監視センサ
121 過剰監視センサ