(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139356
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】接合体
(51)【国際特許分類】
B23K 26/28 20140101AFI20241002BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20241002BHJP
F28F 3/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
B23K26/28
B23K26/21 G
B23K26/21 N
F28F3/00 311
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050250
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】奥出 竜基
(72)【発明者】
【氏名】小川 茂
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA02
4E168BA14
4E168BA21
4E168BA73
4E168BA86
4E168BA87
(57)【要約】
【課題】溶接部分の密封性を向上する。
【解決手段】接合体は、第1板状部と、第2板状部と、少なくとも1つの溶接線と、を備える。第1板状部は、板状の部位である。第2板状部は、第1板状部と溶接されている板状の部位である。溶接線は、第2板状部における第1板状部と溶接されている線状の部分である。また、溶接線は、第1端部と、第2端部と、一般部と、を有する。第1端部は、溶接線の第1端を含む。第2端部は、溶接線の第2端を含む。一般部は、第1端部と第2端部との間の部分である。少なくとも1つの第1端部は、いずれかの一般部によって囲まれた領域である閉領域に位置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合体であって、
板状の部位である第1板状部と、
前記第1板状部と溶接されている板状の部位である第2板状部と、
前記第2板状部における前記第1板状部と溶接されている線状の部分である少なくとも1つの溶接線と、
を備え、
前記溶接線は、第1端を含む第1端部と、第2端を含む第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間の部分である一般部と、を有し、
少なくとも1つの前記第1端部は、いずれかの前記一般部によって囲まれた領域である閉領域に位置する、
接合体。
【請求項2】
請求項1に記載の接合体であって、
前記閉領域に位置する前記第1端部を有する前記溶接線と、前記閉領域を形成する前記一般部を有する前記溶接線と、は同一の前記溶接線である、
接合体。
【請求項3】
請求項1に記載の接合体であって、
前記溶接線である第1溶接線と第2溶接線とを備え、
前記第1溶接線における前記第1端部は、前記第2溶接線における前記一般部によって形成される前記閉領域に位置する、
接合体。
【請求項4】
請求項3に記載の接合体であって、
前記第2溶接線における前記第1端部は、前記第2溶接線における前記一般部によって形成される前記閉領域に位置しない、
接合体。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の接合体であって、
前記接合体は、流体が通過する流路を形成するように構成され、
前記第1板状部及び前記第2板状部は、前記流路に隣接する、
接合体。
【請求項6】
請求項5に記載の接合体であって、
前記流路における曲がっている部分である少なくとも1つの曲がり部を有し、
前記第1板状部及び前記第2板状部は、前記曲がり部の内側に隣接する部分を有し、
前記第2板状部において前記曲がり部の内側に隣接する部分における前記第1端部は、前記閉領域に位置する、
接合体。
【請求項7】
請求項5に記載の接合体であって、
前記溶接線であって、第1方向と略平行に延びる第1溶接線及び第2溶接線を備え、
前記第1溶接線及び前記第2溶接線は、前記第1方向と交差する方向に並び、
前記第1溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第1閉領域に位置し、
前記第2溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第2閉領域に位置し、
前記第1閉領域における前記第1方向の範囲と、前記第2閉領域における前記第1方向の範囲とは重ならない、
接合体。
【請求項8】
請求項5に記載の接合体であって、
前記溶接線であって、第1方向と略平行に延びる第1溶接線及び第2溶接線を備え、
前記第1溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第1閉領域に位置し、
前記第2溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第2閉領域に位置し、
前記第1閉領域における前記第1方向の範囲と、前記第2閉領域における前記第1方向の範囲とは少なくとも一部が重なる、
接合体。
【請求項9】
請求項5に記載の接合体であって、
前記接合体は、前記流路に前記流体である熱交換媒体を通過させることによって、前記接合体に当接する物体と熱交換を行う熱交換器として構成される、
接合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、積層された複数の板状ワークに設けられた貫通孔を囲むように溶接する場合の、溶接した部分の気密性を高める技術が知られている。すなわち、複数の溶接痕が各々の始端又は終端を含む端部で他の溶接痕の端部と互いに交差して接続し、これらの接続された複数の溶接痕が貫通孔を囲むように形成されている。ここで、各溶接痕の始端及び終端は、複数の溶接痕における貫通孔を囲んでいる部分の外側に位置するように形成されている。このため、貫通孔の周囲の封止を確実に行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、積層された細長い複数の板状の部位を溶接する場合、板状の部位が延びる方向に沿って溶接すると、板状の部位にゆがみが生じるなどで、溶接された2つの板状の部位の間に隙間が生じる場合がある。この場合、溶接部分の端部(換言すれば、溶接部分の始端及び終端。以下、溶接端部という。)は、当該隙間に露出した状態になる可能性がある。溶接端部はブローホールやピット等が発生しやすいため、上述のように溶接端部が隙間に露出すると、溶接部分の密封性が低下するという問題があった。
【0005】
本開示の一局面は、溶接部分の密封性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、接合体であって、第1板状部と、第2板状部と、少なくとも1つの溶接線と、を備える。第1板状部は、板状の部位である。第2板状部は、第1板状部と溶接されている板状の部位である。溶接線は、第2板状部における第1板状部と溶接されている線状の部分である。また、溶接線は、第1端部と、第2端部と、一般部と、を有する。第1端部は、溶接線の第1端を含む。第2端部は、溶接線の第2端を含む。一般部は、第1端部と第2端部との間の部分である。少なくとも1つの第1端部は、いずれかの一般部によって囲まれた領域である閉領域に位置する。
【0007】
このような構成によれば、閉領域に位置する第1端部は、閉領域を形成する一般部の外側の領域から隔離される。そのため、溶接部分の密封性を向上することができる。
本開示の一態様では、閉領域に位置する第1端部を有する溶接線と、閉領域を形成する一般部を有する溶接線と、は同一の溶接線であってもよい。
【0008】
このような構成によれば、閉領域に位置する第1端部は、閉領域を形成する一般部の外側の領域から隔離される。そのため、溶接部分の密封性を向上することができる。
本開示の一態様では、溶接線である第1溶接線と第2溶接線とを備えてもよい。第1溶接線における第1端部は、第2溶接線における一般部によって形成される閉領域に位置してもよい。
【0009】
このような構成によれば、閉領域に位置する第1端部は、閉領域を形成する一般部の外側の領域から隔離される。そのため、溶接部分の密封性を向上することができる。
本開示の一態様では、第2溶接線における第1端部は、第2溶接線における一般部によって形成される閉領域に位置しなくてもよい。
【0010】
このような構成によれば、第2溶接線は閉領域を形成するのみにとどまらず、第2溶接線における第1板状部と第2板状部とを溶接する部分を延長することができる。
本開示の一態様では、接合体は、流体が通過する流路を形成するように構成されてもよい。第1板状部及び第2板状部は、流路に隣接してもよい。
【0011】
このような構成によれば、閉領域に位置する第1端部は、流路を通過する流体から隔離される。そのため、溶接部分の密封性を向上することができる。
本開示の一態様では、流路における曲がっている部分である少なくとも1つの曲がり部を有してもよい。第1板状部及び第2板状部は、曲がり部の内側に隣接する部分を有してもよい。第2板状部において曲がり部の内側に隣接する部分における第1端部は、閉領域に位置してもよい。
【0012】
このような構成によれば、第1板状部及び第2板状部における曲がり部の内側に隣接する部分において、溶接部分の密封性を向上することができる。
本開示の一態様では、溶接線であって、第1方向と略平行に延びる第1溶接線及び第2溶接線を備えてもよい。第1溶接線及び第2溶接線は、第1方向と交差する方向に並んでもよい。第1溶接線における第1端部は、閉領域である第1閉領域に位置してもよい。第2溶接線における第1端部は、閉領域である第2閉領域に位置してもよい。第1閉領域における第1方向の範囲と、第2閉領域における第1方向の範囲とは重ならなくてもよい。
【0013】
このような構成によれば、流路の幅の偏りを低減しつつ、溶接部分の密封性を向上することができる。
本開示の一態様では、溶接線であって、第1方向と略平行に延びる第1溶接線及び第2溶接線を備えてもよい。第1溶接線における第1端部は、閉領域である第1閉領域に位置してもよい。第2溶接線における第1端部は、閉領域である第2閉領域に位置してもよい。第1閉領域における第1方向の範囲と、第2閉領域における第1方向の範囲とは少なくとも一部が重なってもよい。
【0014】
このような構成によれば、製造工程における作業工数を低減することができる。
本開示の一態様では、接合体は、流路に流体である熱交換媒体を通過させることによって、接合体に当接する物体と熱交換を行う熱交換器として構成されてもよい。
【0015】
このような構成によれば、熱交換器において、溶接部分の密封性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】第1実施形態の接合体における、第1閉領域の周辺の部分の拡大図である。
【
図4】第1実施形態の接合体における、第1溶接線として2つの溶接線が設けられている場合の、第1閉領域の周辺の部分の拡大図である。
【
図5】第1実施形態の接合体における、第2閉領域の周辺の部分の拡大図である。
【
図6】第1実施形態の接合体における、第2溶接線として2つの溶接線が設けられている場合の、第2閉領域の周辺の部分の拡大図である。
【
図8】第2実施形態の接合体における、第2A板状部及び第2B板状部の周辺の部分の拡大図である。
【
図9】第3実施形態の接合体における、第2A板状部及び第2B板状部の周辺の部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
[1-1-1.全体構成]
図1に示す接合体1は、当接する発熱体を冷却する熱交換器である。一例として、接合体1は車両に搭載される。発熱体の一例として、車載用の駆動用二次電池がある。
【0018】
接合体1は、第1部材10と、第2部材20と、を備える。
第1部材10及び第2部材20は、いずれも板状の部材である。本実施形態では一例として、第1部材10及び第2部材20は、いずれも長方形状である。第1部材10の第1面は、図示しない発熱体と当接する。第1部材10及び第2部材20の材質は、例えば、鉄、ステンレス、アルミといった金属である。第1部材10及び第2部材20の大きさは、例えば、発熱体が当接する面よりも一回り大きい。第1部材10及び第2部材20の板厚は、例えば、1.2ミリメートルである。
【0019】
第1部材10は、第1板状部11と、流入口12と、流出口13と、を有する。第1板状部11については、後述する。流入口12及び流出口13は、いずれも第1部材10における発熱体と当接する第1面の第1短辺側の端部に設けられ、第1部材10を貫通する貫通孔から突出した筒状の部位である。流入口12及び流出口13は、互いに離れている。
【0020】
第2部材20は、第2板状部21と、凹み部22と、を備える。第2板状部21については、後述する。凹み部22は、第2部材20の板厚方向に凹んだ部分であって、第2部材20の第1短辺側の端部から第2短辺側の端部に向かって延び、第2短辺側の端部において折り返し、第2短辺側の端部から第1短辺側の端部に向かって延びる、全体でU字状の部位である。凹み部22の幅は、流入口12及び流出口13のいずれの直径よりも大きくなるように形成される。
【0021】
第1部材10における流入口12及び流出口13が設けられていない面と、第2部材20における凹み部22が設けられた面と、は互いに当接し、第1部材10と凹み部22とで囲まれた空間は、冷媒が流れるU字状の流路30を形成する。
【0022】
また、第1部材10における流入口12及び流出口13が位置する部分は、第2部材20における凹み部22が形成するU字形状の第1端部及び第2端部がそれぞれ位置する。すなわち、第1部材10における流入口12及び流出口13が位置する部分は、第2部材20と当接しておらず、流入口12及び流出口13は塞がれていない。
【0023】
また、第2部材20において、凹み部22が形成するU字形状の内側に位置する部分を、第2板状部21とする。第2板状部21は、第1部材10と当接する。第1部材10における第2板状部21と当接する部分を、第1板状部11とする。第1板状部11及び第2板状部21は、いずれも細長い板状の部位である。
【0024】
流路30は、第2部材20の第1短辺側の端部から第2短辺側の端部に向かって延びる延伸部31a、31bと、第2短辺側の端部において折り返すことで延伸部31aと延伸部31bとを接続する曲がり部32と、を有する。冷媒は、外部から流入口12を介して延伸部31aに流入し、延伸部31a、曲がり部32、延伸部31bの順に流路30を通過した後、流出口13を介して外部へと流出する。流路30を通過する冷媒は、第1部材10における第2部材20が当接していない方の面に当接する発熱体を冷却する。冷媒の一例として、液体や気体等がある。
【0025】
第1部材10と第2部材20とが当接している面は、溶接によって接合され、接合体1が形成される。溶接の一例として、レーザ溶接や電子ビーム溶接等がある。
[1-1-2.溶接線]
第2部材20における第1部材10と溶接されている少なくとも1つの線状の部分を、溶接線とする。本実施形態では、第1溶接線40、第2溶接線50、及び第3溶接線60の3つの溶接線が設けられている(
図2)。なお、製造工程で第1部材10と第2部材20とを溶接するとき、各溶接線の始端から終端に向けて溶接が行われる。
【0026】
各溶接線は、溶接部分の始端を含む区間である始端部と、溶接部分の終端を含む区間である終端部と、始端部と終端部との間の部分である一般部と、を有する。また、各溶接線は、一般部と、当該溶接線又は他の溶接線における一般部と、が交差する又は接する点である共有点を有してもよい。また、各溶接線の一般部は、当該一般部によって囲まれた領域である閉領域を第2部材20に形成してもよい。閉領域の形状は特に限定されず、例えば長円状であってもよい。
【0027】
なお、本開示において、始端及び始端部はそれぞれ終端及び終端部と読み替えられ、終端及び終端部はそれぞれ始端及び始端部と読み替えられてもよい。
始端部及び終端部は、溶接時にブローホールやピット等が発生しやすい部分であり、密封性が低い。このため、始端部及び終端部は、冷媒が漏出しやすく、劣化しやすい。始端部及び終端部の長さは、一例として、およそ数ミリメートルである。
【0028】
一方、一般部は、ブローホールやピット等が発生しにくい部分であり、始端部及び終端部に比べて、密封性が高い。このため、始端部及び終端部は、冷媒が漏出しにくく、劣化しにくい。
このため、密封性が低い始端部及び終端部に共有点が形成されないように、各溶接線の始端部及び終端部から各共有点までの溶接線の長さは、十分確保されているのが望ましい。
【0029】
各溶接線は、流路30が密閉されるように設けられる。すなわち、各溶接線は、流路30の外側に位置する部分であって、第2部材20における第1部材10と当接している部分に対して設けられる。
【0030】
図2に示すように、各溶接線が形成される位置は、第2板状部21と、第2部材20における第2板状部21及び凹み部22以外の部分と、に分けられる。また、第2板状部21における各溶接線が形成される位置は、曲がり部32の内側に隣接する部分と、延伸部31a、31bの間に位置する部分と、に分けられる。
【0031】
[1-1-3.曲がり部に隣接する板状部における溶接線]
まず、第2板状部21における曲がり部32の内側に隣接する部分に形成される溶接線の構成について説明する(
図2、
図3、
図5)。当該溶接線として、第1溶接線40がある。
【0032】
第2板状部21は、曲がり部32の内側に隣接する端部である先端部23と、先端部23の反対側の端部である末端部24と、を有する。
第1溶接線40は、第1始端部41と、第1終端部42と、第1一般部43と、第1共有点441、442と、を有する。第1一般部43は、第2板状部21に第1閉領域45を形成する。
【0033】
第1始端部41は、第2板状部21の先端部23に設けられる。第1始端部41から延びる第1一般部43は、第1始端部41を囲むように形成され、第1共有点441において当該第1一般部43と交差する。
【0034】
これにより、第1一般部43は、第2板状部21に第1閉領域45を形成する。すなわち、第1始端部41は、第1閉領域45の内部に位置している。
そして、第1一般部43は、第1共有点442において当該第1一般部43と交差し、第2板状部21の先端部23と末端部24との中間付近まで延びる。すなわち、第1終端部42は、第1閉領域45の外部に位置し、かつ、第2板状部21の先端部23と末端部24との中間付近に位置している。
【0035】
なお、第1溶接線40として、第2板状部21に閉領域を形成する溶接線と、当該閉領域の内部から外部へと延びる溶接線と、の複数の溶接線が設けられていてもよい。例えば、第1溶接線40として、第1A溶接線40a及び第1B溶接線40bの2つの溶接線が設けられていてもよい(
図4)。
【0036】
すなわち、第1A溶接線40aの第1A一般部43aは第1A共有点44aにおいて当該第1A一般部43aと交差し、かつ、第1A一般部43aは第2板状部21に第1A閉領域45aを形成している。また、第1A溶接線40aの第1A始端部41a及び第1A終端部42aは、いずれも第1A閉領域45aの内部に位置する。
【0037】
一方、第1B溶接線40bの第1B始端部41bは、第1A閉領域45aの内部に位置する。第1B溶接線40bの第1B一般部43bは、第1B共有点44bにおいて第1A一般部43aと交差し、第2板状部21の先端部23と末端部24との中間付近まで延びる。すなわち、第1B溶接線40bの第1B終端部42bは、第1A閉領域45aの外部に位置し、かつ、第2板状部21の先端部23と末端部24との中間付近に位置している。
【0038】
[1-1-4.延伸部の間に位置する板状部における溶接線]
次に、第2板状部21における延伸部31a、31bの間に位置する部分に形成される溶接線の構成について説明する(
図2、
図5)。当該溶接線として、上述の第1溶接線40に加えて、第2溶接線50がある。
【0039】
第2溶接線50は、第2始端部51と、第2終端部52と、第2一般部53と、第2共有点541、542、543と、を有する。第2一般部53は、第2板状部21に第2閉領域55を形成する。
【0040】
第2始端部51は、第1溶接線40における第1終端部42の近傍に設けられる。第2始端部51から延びる第2一般部53は、第1終端部42及び第2始端部51を囲むように形成され、第2共有点543において第1一般部43と交差し、かつ、第2共有点541において第2一般部53と交差して、第2閉領域55を形成する。すなわち、第1終端部42及び第2始端部51は、第2閉領域55の内部に位置している。
【0041】
そして、第2一般部53は、第2共有点542において当該第2一般部53と交差し、延伸部31a、31bに沿って第1溶接線40の反対側へ、第2板状部21の末端部24まで延びる。さらに、第2一般部53は、第2部材20において、第2板状部21の末端部24と隣接する部分まで延びる。すなわち、第2終端部52は、第2閉領域55の外部に位置し、かつ、第2部材20において、第2板状部21の末端部24と隣接する部分に位置している。また、第2終端部52は、第2閉領域55の外部に位置している。
【0042】
なお、第2溶接線50として、第2板状部21に閉領域を形成する溶接線と、当該閉領域の内部から外部へと延びる溶接線と、の複数の溶接線が設けられていてもよい。例えば、第2溶接線50として、第2A溶接線50a及び第2B溶接線50bの2つの溶接線が設けられていてもよい(
図6)。
【0043】
すなわち、第2A溶接線50aの第2A一般部53aは第2A共有点54aにおいて当該第2A一般部53aと交差し、かつ、第2A一般部53aは第2板状部21に第2A閉領域55aを形成している。また、第2A溶接線50aの第2A始端部51a及び第2A終端部52aは、第2A閉領域55aの内部に位置する。
【0044】
また、第2A一般部53aは、第2C共有点54cにおいて第1溶接線40の第1一般部43と交差している。第1溶接線40の第1終端部42は、第2A閉領域55aの内部に位置する。
【0045】
一方、第2B溶接線50bの第2B始端部51bは、第2A閉領域55aの内部に位置する。第2B溶接線50bの第2B一般部53bは、第2B共有点54bにおいて第2A一般部53aと交差し、第2部材20において、第2板状部21の末端部24と隣接する部分まで延びる。すなわち、第2B溶接線50bの第2B終端部52bは、第2A閉領域55aの外部に位置し、かつ、第2部材20において、第2板状部21の末端部24と隣接する部分に位置している。
【0046】
[1-1-5.第2板状部及び凹み部以外の部分における溶接線]
次に、第2部材20における第2板状部21及び凹み部22以外の部分に形成される溶接線の構成について説明する(
図2)。当該溶接線として、第3溶接線60がある。
【0047】
第3溶接線60は、第3始端部61と、第3終端部62と、第3一般部63と、第3共有点641、642と、を有する。第3一般部63は、第2部材20に第3閉領域65を形成する。
【0048】
第3始端部61は、第2部材20における第2板状部21及び凹み部22の外側に設けられる。第3始端部61から延びる第3一般部63は、第2板状部21及び凹み部22を囲むように形成され、第3共有点641において第3一般部63と交差して、第3閉領域65を形成する。第3始端部61及び第3終端部62は、第3閉領域65の外部に位置している。
【0049】
また、第3一般部63は、第3共有点642において第2溶接線50の第2一般部53と交差している。第2終端部52は、第3閉領域65の外部に位置している。
[1-2.作用、効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
【0050】
(1a)第1始端部41は、第1閉領域45の内部に位置している。第1終端部42及び第2始端部51は、第2閉領域55の内部に位置している。すなわち、第1始端部41、第1終端部42及び第2始端部51は、密封性が高い第1一般部43又は第2一般部53によって囲まれている。
【0051】
このような構成によれば、第1板状部11と第2板状部21との間に隙間が生じた場合でも、第1閉領域45を形成する第1一般部43により、第1始端部41と流路30とが当該隙間を介して連通することを抑制できる(
図7)。同様に、第1板状部11と第2板状部21との間に隙間が生じた場合でも、第2閉領域55を形成する第2一般部53により、第1終端部42及び第2始端部51と流路30とが当該隙間を介して連通することを抑制できる。このため、第1溶接線40及び第2溶接線50の密封性を向上できる。
【0052】
また、第1始端部41又は第2始端部51を囲んで閉領域を形成する一般部を有する溶接線と、当該閉領域の内部から外部へと延びる溶接線と、をそれぞれ1つの第1溶接線40又は第2溶接線50によって実現できる。
【0053】
(1b)第1溶接線40の第1一般部43及び第2溶接線50の第2一般部53は、第1閉領域45又は第2閉領域55を形成する部分を除き、いずれも延伸部31a、31bに沿って延びる。
【0054】
また、第1溶接線40の第1終端部42及び第2溶接線50の第2始端部51は、第2一般部53が形成する第2閉領域55の内部に位置している。さらに、第2溶接線50の第2終端部52は、第2閉領域55の外部に位置しており、第2一般部53は、第2閉領域55から第1溶接線40の反対方向に延びている。
【0055】
このような構成によれば、第2一般部53は、第1終端部42が位置する第2閉領域55を形成するのみにとどまらず、第1板状部11と第2板状部21とが溶接されている部分を延長することができる。
【0056】
(1c)流路30は、第1部材10と凹み部22とで囲まれた空間である。凹み部22は、第3閉領域65の内部に位置する。すなわち、流路30を形成する凹み部22は、密封性が高い第3一般部63によって囲まれている。また、第2溶接線50の第2終端部52、第3溶接線60の第3始端部61及び第3終端部62は、第3閉領域65の外部に位置している。
【0057】
このような構成によれば、第1部材10と第2部材20との間に隙間が生じた場合でも、第3閉領域65を形成する第3一般部63により、第2終端部52、第3始端部61及び第3終端部62と、流路30とが当該隙間を介して連通することを抑制できる。このため、第2溶接線50及び第3溶接線60の密封性を向上できる。
【0058】
(1d)第1部材10と第2部材20との間に隙間が生じた場合でも、溶接線の始端部及び終端部と流路30とが当該隙間を介して連通することを抑制するためには、第2板状部21に閉領域を形成しない方法も考えられる。具体的には、溶接線の始端部及び終端部は第3一般部63で囲まれた領域の外部に位置し、当該溶接線の一般部は第2板状部21の内周に沿うように全体としてU字状に設けられることが考えられる。すなわち、始端部及び終端部からそれぞれ延びる一般部は、延伸部31a、31bに沿って延び、曲がり部32の内側で互いに接続する。つまり、延伸部31a、31bの間において、2つの一般部が略平行に延びる。
【0059】
これに対し、第1実施形態では、第2板状部21において、先端部23に形成される第1閉領域45と、延伸部31a、31bの間に形成される第2閉領域55と、の間には、第1溶接線40の第1一般部43が形成されている。また、第2閉領域55と末端部24との間には、第2溶接線50の第2一般部53が形成されている。つまり、第2板状部21における延伸部31a、31bの間の部分において、第1閉領域45及び第2閉領域55を除く部分では、1つの一般部が延びている。
【0060】
このため、細長い板状の部位である第1板状部11と第2板状部21との溶接において、密封性を維持しつつ、溶接線の長さを短縮することができる。
なお、第1実施形態では、始端部又は終端部が溶接線の第1端部又は第2端部に相当する。
【0061】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0062】
上述した第1実施形態では、流路30の形状は、U字状であった。これに対し、第2実施形態では、流路30の形状は、S字状である部分を有する点で、第1実施形態と相違する(
図8)。ここでいうS字状とは、流路30において形状がU字状になっている部分が少なくとも2つ形成されており、第1のU字状部分の第1端が第2のU字状部分の第1端に接続している流路30の形状のことをいう。
【0063】
すなわち、流路30は、延伸部31c、31d、31eと、第2A曲がり部32a、第2B曲がり部32bと、を有する。また、長方形状である第2部材20の長辺方向を第1方向とすると、延伸部31c、31d、31eは、第2部材20の第1短辺側の端部から第2短辺側の端部まで、第1方向と略平行に延びる。第2A曲がり部32aは、第2部材20の第1短辺側の端部において折り返すことで延伸部31cと延伸部31dとを接続する部分である。第2B曲がり部32bは、第2部材20の第2短辺側の端部において折り返すことで延伸部31dと延伸部31eとを接続する部分である。
【0064】
第2部材20において、延伸部31c、第2A曲がり部32a、及び延伸部31dによって形成されるU字形状の内側に位置する部分を、第2A板状部21aとする。また、延伸部31d、第2B曲がり部32b、及び延伸部31eによって形成されるU字形状の内側に位置する部分を、第2B板状部21bとする。すなわち、第2A板状部21aと第2B板状部21bとの間には、流路30の延伸部31dが位置する。
【0065】
第2A板状部21a及び第2B板状部21bは、いずれも第1方向と略平行に延びる細長い板状の部位である。
第2A板状部21aは、第2A曲がり部32aの内側に隣接する端部である第2A先端部23aと、第2A先端部23aの反対側の端部である第2A末端部24aと、を有する。また、第2A板状部21aは、少なくとも1つ(一例として、2つ)の第2A幅広部25aと、第2A幅広部25aよりも幅が狭い部分である少なくとも1つ(一例として、2つ)の第2A幅狭部26aと、を有する。
【0066】
第2B板状部21bは、第2B曲がり部32bの内側に隣接する端部である第2B先端部23bと、第2B先端部23bの反対側の端部である第2B末端部24bと、を有する。また、第2B板状部21bは、少なくとも1つ(一例として、2つ)の第2B幅広部25bと、第2B幅広部25bよりも幅が狭い部分である少なくとも1つ(一例として、2つ)の第2B幅狭部26bと、を有する。
【0067】
第2A板状部21aには、第1D溶接線40dと、第1E溶接線40eと、が形成されている。
第1D溶接線40dの第1D始端部41dは、第2A先端部23aに設けられる。第1D始端部41dから延びる第1D一般部43dは、第1D始端部41dを囲んで第1D閉領域45dを形成し、第2A先端部23aと第2A末端部24aとの中間付近まで延びる。第1D終端部42dは、当該中間付近に位置する。
【0068】
また、第1E始端部41eは、第1D終端部42dの近傍に設けられる。第1E始端部41eから延びる第1E一般部43eは、第1D終端部42d及び第1E始端部41eを囲んで第1E閉領域45eを形成する。さらに、第1E一般部43eは、第2部材20において、第2A板状部21aの第2A末端部24aと隣接する部分まで延びる。第1E終端部42eは、第2部材20において、第2A板状部21aの第2A末端部24aと隣接する部分に位置する。
【0069】
第2B板状部21bには、第2D溶接線50dと、第2E溶接線50eと、が形成されている。第2D溶接線50dは、第1方向に略直交する方向において、第1D溶接線40dと対面する部分と、第1E溶接線40eと対面する部分と、を有する。第2E溶接線50eは、第1方向に略直交する方向において、第1D溶接線40dと対面する部分を有する。第2D溶接線50dは第1D溶接線40dと同様に形成されており、第2E溶接線50eは第1E溶接線40eと同様に形成されている。
【0070】
すなわち、第2D溶接線50dの第2D始端部51dは、第2B先端部23bに設けられる。第2D始端部51dから延びる第2D一般部53dは、第2D始端部51dを囲んで第2D閉領域55dを形成し、第2B板状部21bの第2B先端部23bと第2B末端部24bとの中間付近まで延びる。第2D終端部52dは、当該中間付近に位置する。
【0071】
また、第2E始端部51eは、第2D終端部52dの近傍に設けられる。第2E始端部51eから延びる第2E一般部53eは、第2D終端部52d及び第2E始端部51eを囲んで第2E閉領域55eを形成する。さらに、第2E一般部53eは、第2部材20において、第2B板状部21bの第2B末端部24bと隣接する部分まで延びる。第2E終端部52eは、第2部材20において、第2B板状部21bの第2B末端部24bと隣接する部分に位置する。
【0072】
ここで、各溶接線の閉領域は、第2A幅広部25a又は第2B幅広部25bに形成される。すなわち、第1閉領域45d及び第1E閉領域45eは、第2A幅広部25aに形成される。第2D閉領域55d及び第2E閉領域55eは、第2B幅広部25bに形成される。
【0073】
そして、第2A幅広部25aにおける第1方向の範囲と、第2B幅広部25bにおける第1方向の範囲と、は重ならない。換言すれば、第2A幅広部25aにおける第1方向の範囲は、第2B幅狭部26bにおける第1方向の範囲と重なり、かつ、第2B幅広部25bにおける第1方向の範囲は、第2A幅狭部26aにおける第1方向の範囲と重なる。
【0074】
なお、第2A板状部21aと第2B板状部21bとの間に位置する流路30の延伸部31dは、流路30の幅が略一定となるように、第2A幅広部25a、第2A幅狭部26a、第2B幅広部25b、及び第2B幅狭部26bに沿うように延びている。
【0075】
[2-2.作用、効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、第2実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
【0076】
(2a)第2A板状部21a及び第2B板状部21bのいずれか一方における幅広部の第1方向の範囲は、もう一方の板状部における幅狭部の第1方向の範囲と重なる。
また、第2A板状部21aと第2B板状部21bとの間には、流路30の延伸部31dが位置する。
【0077】
このような構成によれば、流路30の幅の偏りを低減することができる。
また、各幅狭部において、各幅広部よりも幅が減少している分、接合体1全体の当該幅方向の長さを短縮できる。このため、接合体1の当該幅方向の省スペース化が可能となる。
【0078】
[3.第3実施形態]
[3-1.構成]
第3実施形態は、基本的な構成は第2実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1及び第2実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0079】
上述した第2実施形態では、第2A板状部21aに形成される閉領域における第1方向の範囲と、第2B板状部21bに形成される閉領域における第1方向の範囲と、は重ならない。これに対し、第3実施形態では、第2A板状部21aに形成される第1D閉領域45dにおける第1方向の範囲と、第2B板状部21bに形成される第2E閉領域55eにおける第1方向の範囲と、は少なくとも一部が重なる点で、第2実施形態と相違する(
図9)。同様に、第3実施形態では、第2A板状部21aに形成される第1E閉領域45eにおける第1方向の範囲と、第2B板状部21bに形成される第2D閉領域55dにおける第1方向の範囲と、は少なくとも一部が重なる。
【0080】
また、上述した第2実施形態では、第2A板状部21a及び第2B板状部21bは、幅広部と、幅広部よりも幅が狭い部分である幅狭部と、を有する。これに対し、第3実施形態では、第2A板状部21a及び第2B板状部21bの幅は、適宜定められる。
【0081】
ここで、各溶接線の一般部は、当該溶接線の始端部が位置する閉領域を形成する一般部との共有点から、別の閉領域を形成する一般部との共有点まで延びる部分である、延伸区間を有する。
【0082】
第2A板状部21aにおける第1D閉領域45dと第1E閉領域45eとの間に形成される第1D溶接線40dの一般部を、第1D延伸区間46dとする。
第2B板状部21bにおける第2D閉領域55dと第2E閉領域55eとの間に形成される第2E溶接線50eの一般部を、第2E延伸区間56eとする。
【0083】
[3-2.作用、効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、第3実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
【0084】
(3a)一般的に、溶接装置は、溶接対象としてセッティングされたワークにおける溶接が可能な範囲には制限があり、範囲を超えて広範囲の溶接を行う場合には、ワークを再度セッティングする必要がある。
【0085】
上述のような構成によれば、第1D閉領域45dにおける第1方向の範囲と、第2E閉領域55eにおける第1方向の範囲と、は重なる。同様に、第1E閉領域45eにおける第1方向の範囲と、第2D閉領域55dにおける第1方向の範囲と、は重なる。このため、1回の接合体1のセッティングによって、第1D延伸区間46dを含む第1D溶接線40dと、第2E延伸区間56eを含む第2E溶接線50eとを溶接により形成可能となり、セッティングの工数を削減することができる。
【0086】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0087】
(4a)上記第1実施形態では、第2板状部21に形成される溶接線として、第1溶接線40及び第2溶接線50の2つがあった。また、上記第2及び第3実施形態では、第2A板状部21aに形成される溶接線として、第1D溶接線40d及び第1E溶接線40eの2つがあり、第2B板状部21bに形成される溶接線として、第2D溶接線50d及び第2E溶接線50eの2つがあった。しかし、第2板状部21、第2A板状部21a、及び第2B板状部21bにそれぞれ形成される溶接線の数は2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0088】
例えば、第2板状部21において、第2溶接線50が形成されず、第1溶接線40の第1一般部43が、先端部23から、第2部材20における末端部24に隣接する部分まで延び、第1終端部42が第3閉領域65の外部に位置していてもよい。
【0089】
また、例えば、第2板状部21に形成される溶接線として、第1溶接線40及び第2溶接線50以外に少なくとも1つの溶接線が形成されていてもよい。この場合、第2板状部21に形成される各溶接線の始端部及び終端部は、いずれかの閉領域の内部に位置する。
【0090】
(4b)上記実施形態では、第1部材10及び凹み部22が形成する流路30の形状はU字状又はS字状であった。しかし、流路30の形状はU字状又はS字状に限定されるものではなく、曲がっている部分を有していてもよい。例えば、流路30は、V字状、L字状、又はY字状の形状を有していてもよい。この場合、第2部材20において、当該曲がっている部分の内側に隣接する部分を第2板状部21としてもよい。
【0091】
(4c)上記実施形態では、各溶接線は1つ乃至3つの共有点を有していたが、4つ以上の共有点を有していてもよい。
(4d)上記実施形態では、各閉領域の内部に位置する始端部又は終端部の数は1つ乃至4つであったが、5つ以上であってもよい。
【0092】
(4e)上記実施形態では、第2板状部21に閉領域が形成されていたが、第2板状部21における閉領域の内部に貫通孔が設けられていてもよい。貫通孔は、取付けや軽量化等に用いられてもよい。
【0093】
(4f)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
[本明細書が開示する技術思想]
[項目1]
接合体であって、
板状の部位である第1板状部と、
前記第1板状部と溶接されている板状の部位である第2板状部と、
前記第2板状部における前記第1板状部と溶接されている線状の部分である少なくとも1つの溶接線と、
を備え、
前記溶接線は、第1端を含む第1端部と、第2端を含む第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間の部分である一般部と、を有し、
少なくとも1つの前記第1端部は、いずれかの前記一般部によって囲まれた領域である閉領域に位置する、
接合体。
【0094】
[項目2]
項目1に記載の接合体であって、
前記閉領域に位置する前記第1端部を有する前記溶接線と、前記閉領域を形成する前記一般部を有する前記溶接線と、は同一の前記溶接線である、
接合体。
【0095】
[項目3]
項目1又は項目2に記載の接合体であって、
前記溶接線である第1溶接線と第2溶接線とを備え、
前記第1溶接線における前記第1端部は、前記第2溶接線における前記一般部によって形成される前記閉領域に位置する、
接合体。
【0096】
[項目4]
項目3に記載の接合体であって、
前記第2溶接線における前記第1端部は、前記第2溶接線における前記一般部によって形成される前記閉領域に位置しない、
接合体。
【0097】
[項目5]
項目1から項目4までのいずれか一項に記載の接合体であって、
前記接合体は、流体が通過する流路を形成するように構成され、
前記第1板状部及び前記第2板状部は、前記流路に隣接する、
接合体。
【0098】
[項目6]
項目5に記載の接合体であって、
前記流路における曲がっている部分である少なくとも1つの曲がり部を有し、
前記第1板状部及び前記第2板状部は、前記曲がり部の内側に隣接する部分を有し、
前記第2板状部において前記曲がり部の内側に隣接する部分における前記第1端部は、前記閉領域に位置する、
接合体。
【0099】
[項目7]
項目5又は項目6に記載の接合体であって、
前記溶接線であって、第1方向と略平行に延びる第1溶接線及び第2溶接線を備え、
前記第1溶接線及び前記第2溶接線は、前記第1方向と交差する方向に並び、
前記第1溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第1閉領域に位置し、
前記第2溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第2閉領域に位置し、
前記第1閉領域における前記第1方向の範囲と、前記第2閉領域における前記第1方向の範囲とは重ならない、
接合体。
【0100】
[項目8]
項目5から項目7までのいずれか一項に記載の接合体であって、
前記溶接線であって、第1方向と略平行に延びる第1溶接線及び第2溶接線とを備え、
前記第1溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第1閉領域に位置し、
前記第2溶接線における前記第1端部は、前記閉領域である第2閉領域に位置し、
前記第1閉領域における前記第1方向の範囲と、前記第2閉領域における前記第1方向の範囲とは少なくとも一部が重なる、
接合体。
【0101】
[項目9]
項目5から項目8までのいずれか一項に記載の接合体であって、
前記接合体は、前記流路に前記流体である熱交換媒体を通過させることによって、前記接合体に当接する物体と熱交換を行う熱交換器として構成される、
接合体。
【符号の説明】
【0102】
1…接合体、11…第1板状部、21,21a,21b…第2板状部、40,40a,40b,40d,40e,50,50a,50b,50d,50e,60…溶接線、41,41a,41b,41d,41e,51,51a,51b,51d,51e,61…始端部、42a,42b,42d,42e,52a,52b,52d,52e,62…終端部、43a,43b,43d,43e,53a,53b,53d,53e,63…一般部、45a,45d,45e,55a,55d,55e,65…閉領域。