(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139359
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】換気扇
(51)【国際特許分類】
F04D 29/56 20060101AFI20241002BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20241002BHJP
F04D 29/60 20060101ALI20241002BHJP
F04D 29/64 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
F04D29/56 D
F04D29/00 C
F04D29/60 J
F04D29/64 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050253
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】大野 俊也
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC26
3H130BA95A
3H130CA24
3H130CA28
3H130DD01Z
3H130DG01Z
3H130EA04A
3H130EA06A
3H130EB01A
3H130ED03A
(57)【要約】
【課題】換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更できつつ、同一の部品を使用でき、かつ、送風効率の良い換気扇を得ること。
【解決手段】換気扇100は、ベルマウス11を有する本体枠1と、電動機2と、羽根車3と、本体枠1と電動機2とを連結する電動機固定部材4と、本体枠1に設けられて電動機固定部材4が取り付けられる取付部5とを備えている。本体枠1は、表面12aと、裏面12bとを有している。取付部5は、第1の取付部51と、第2の取付部52とを含んでいる。電動機固定部材4が第1の取付部51に取り付けられる第1用途換気扇110と、電動機固定部材4が第2の取付部52に取り付けられる第2用途換気扇とに選択可能に構成されている。取付部5は、第1用途換気扇110と第2用途換気扇との両方において羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内径が変化する円筒形状のベルマウスを有する本体枠と、
前記ベルマウスの軸方向に前記ベルマウスから離れて配置された電動機と、
前記電動機に取り付けられて前記電動機の回転に伴って回転して空気流を発生させる羽根車と、
前記本体枠と前記電動機とを連結する電動機固定部材と、
前記本体枠に設けられて前記電動機固定部材が取り付けられる取付部と、
を備え、
前記本体枠は、前記軸方向の一方を向く表面と、前記軸方向の他方を向く裏面と、を有し、
前記取付部は、前記表面に設けられた第1の取付部と、前記裏面に設けられた第2の取付部と、を含み、
前記電動機固定部材が前記第1の取付部に取り付けられる第1用途換気扇と、前記電動機固定部材が前記第2の取付部に取り付けられる第2用途換気扇とに選択可能に構成され、
前記取付部は、前記第1用途換気扇と前記第2用途換気扇との両方において前記羽根車の後端縁が前記ベルマウスの最小内径部に収まるように構成されていることを特徴とする換気扇。
【請求項2】
前記第1の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に突出する凸部であり、
前記第2の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に凹む凹部であることを特徴とする請求項1に記載の換気扇。
【請求項3】
内径が変化する円筒形状のベルマウスを有する本体枠と、
前記ベルマウスの軸方向に前記ベルマウスから離れて配置された電動機と、
前記電動機に取り付けられて前記電動機の回転に伴って回転して空気流を発生させる羽根車と、
前記本体枠と前記電動機とを連結する電動機固定部材と、
前記本体枠に設けられて前記電動機固定部材が取り付けられる取付部と、
を備え、
前記本体枠は、前記軸方向の一方を向く表面と、前記軸方向の他方を向く裏面と、を有し、
前記取付部は、前記表面に設けられた第1の取付部と、前記裏面に設けられた第2の取付部と、を含み、
前記電動機固定部材が前記第1の取付部に取り付けられる第1用途換気扇と、前記電動機固定部材が前記第2の取付部に取り付けられる第2用途換気扇とに選択可能に構成され、
前記第1の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に突出して、前記第1用途換気扇における前記羽根車の後端縁が前記ベルマウスの最小内径部に収まる前記軸方向の高さを有する凸部であり、
前記第2の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に凹んで、前記凸部の前記軸方向の高さと同一の深さを有する凹部であることを特徴とする換気扇。
【請求項4】
内径が変化する円筒形状のベルマウスを有する本体枠と、
前記ベルマウスの軸方向に前記ベルマウスから離れて配置された電動機と、
前記電動機に取り付けられて前記電動機の回転に伴って回転して空気流を発生させるとともに前記軸方向の高さが異なる複数種の中から選択可能な羽根車と、
前記本体枠と前記電動機とを連結する電動機固定部材と、
前記本体枠に設けられて前記電動機固定部材が取り付けられるとともに前記軸方向の高さが異なる複数種の中から選択可能な取付部と、
を備え、
前記本体枠は、前記軸方向の一方を向く表面と、前記軸方向の他方を向く裏面と、を有し、
前記取付部は、前記表面に設けられた第1の取付部と、前記裏面に設けられた第2の取付部と、を含み、
前記電動機固定部材が前記第1の取付部に取り付けられる第1用途換気扇と、前記電動機固定部材が前記第2の取付部に取り付けられる第2用途換気扇とに選択可能に構成され、
前記取付部は、前記第1用途換気扇と前記第2用途換気扇との両方において前記羽根車の後端縁が前記ベルマウスの最小内径部に収まるように、かつ、複数種の前記羽根車のそれぞれの後端縁が前記ベルマウスの最小内径部に収まるように構成されていることを特徴とする換気扇。
【請求項5】
前記第1の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に突出する凸部であり、
前記第2の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に凹む凹部であることを特徴とする請求項4に記載の換気扇。
【請求項6】
内径が変化する円筒形状のベルマウスを有する本体枠と、
前記ベルマウスの軸方向に前記ベルマウスから離れて配置された電動機と、
前記電動機に取り付けられて前記電動機の回転に伴って回転して空気流を発生させるとともに前記軸方向の高さが異なる複数種の中から選択可能な羽根車と、
前記本体枠と前記電動機とを連結する電動機固定部材と、
前記本体枠に設けられて前記電動機固定部材が取り付けられるとともに前記軸方向の高さが異なる複数種の中から選択可能な取付部と、
を備え、
前記本体枠は、前記軸方向の一方を向く表面と、前記軸方向の他方を向く裏面と、を有し、
前記取付部は、前記表面に設けられた第1の取付部と、前記裏面に設けられた第2の取付部と、を含み、
前記電動機固定部材が前記第1の取付部に取り付けられる第1用途換気扇と、前記電動機固定部材が前記第2の取付部に取り付けられる第2用途換気扇とに選択可能に構成され、
前記第1の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に突出して、前記軸方向の高さが異なる複数種の凸部を含み、
前記第2の取付部は、前記裏面から前記表面に向かう方向に凹んで、複数種の前記凸部のそれぞれの前記軸方向の高さと同一の深さを有する複数種の凹部を含み、
前記第1の取付部は、前記第1用途換気扇において複数種の前記羽根車のそれぞれの後端縁が前記ベルマウスの最小内径部に収まるように構成され、
前記第2の取付部は、前記第2用途換気扇において複数種の前記羽根車のそれぞれの後端縁が前記ベルマウスの最小内径部に収まるように構成されていることを特徴とする換気扇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、羽根車を回転させて空気流を発生させる換気扇に関する。
【背景技術】
【0002】
換気扇の主な用途として、工場、倉庫などの建物の広い空間の換気に用いられる換気用途と、チラー、空気調和機などの機器に組み込まれて送風用のファンまたは空冷用のファンとして用いられる機器組込用途とがある。特許文献1に開示されているように、換気扇は、内径が変化する円筒形状のベルマウスを有する本体枠、ベルマウスの軸方向にベルマウスから離れて配置された電動機、電動機に取り付けられて電動機の回転に伴って回転して空気流を発生させる羽根車、本体枠と電動機とを連結する電動機固定部材などの部品を備えているのが一般的である。
【0003】
換気用途の場合には、電動機および電動機固定部材が換気扇の意匠側に露出する構造が一般的であるが、機器組込用途の場合には、機器の見栄えを良くするために、電動機および電動機固定部材が換気扇の意匠側に露出しない構造が求められる。すなわち、換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された換気扇では、電動機および電動機固定部材が本体枠内に配置されて換気扇の意匠側に常に露出しない構造であるため、換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更できないという問題がある。
【0006】
電動機および電動機固定部材の露出の有無によって換気扇の構造が異なるため、部品を共通化できない可能性がある。このため、換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更した場合でも、同一の部品を使用できる換気扇の開発が望まれている。
【0007】
羽根車を有する換気扇では、羽根車の後縁端をベルマウスの最小内径部に収めることで送風効率の良い換気扇が得られることが分かっている。このため、換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更した場合でも、羽根車の後縁端をベルマウスの最小内径部に収めることが可能な換気扇の開発が望まれている。
【0008】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更できつつ、同一の部品を使用でき、かつ、送風効率の良い換気扇を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる換気扇は、内径が変化する円筒形状のベルマウスを有する本体枠と、ベルマウスの軸方向にベルマウスから離れて配置された電動機と、電動機に取り付けられて電動機の回転に伴って回転して空気流を発生させる羽根車と、本体枠と電動機とを連結する電動機固定部材と、本体枠に設けられて電動機固定部材が取り付けられる取付部と、を備えている。本体枠は、軸方向の一方を向く表面と、軸方向の他方を向く裏面と、を有している。取付部は、表面に設けられた第1の取付部と、裏面に設けられた第2の取付部と、を含んでいる。電動機固定部材が第1の取付部に取り付けられる第1用途換気扇と、電動機固定部材が第2の取付部に取り付けられる第2用途換気扇とに選択可能に構成されている。取付部は、第1用途換気扇と第2用途換気扇との両方において羽根車の後端縁がベルマウスの最小内径部に収まるように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本開示にかかる換気扇は、換気扇の用途に応じて電動機および電動機固定部材の露出の有無を変更できつつ、同一の部品を使用でき、かつ、送風効率の良い換気扇を得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1にかかる換気用途に適した換気扇の外観を示す斜視図
【
図2】実施の形態1にかかる機器組込用途に適した換気扇の外観を示す斜視図
【
図3】実施の形態1にかかる換気用途に適した換気扇の
図1に示されるIII-III線に沿った断面図
【
図4】実施の形態1にかかる換気用途に適した換気扇の
図3に示されるベルマウス周りを一部拡大した断面図
【
図5】実施の形態1にかかる機器組込用途に適した換気扇の
図2に示されるV-V線に沿った断面図
【
図6】実施の形態1にかかる機器組込用途に適した換気扇の
図5に示されるベルマウス周りを一部拡大した断面図
【
図7】実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の外観を示す斜視図
【
図8】実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の羽根車を示す図であって、羽根車の負圧面から見た図
【
図9】実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の羽根車を示す投影図であって、
図8に示される羽根車を軸方向と直交する方向から見た図
【
図10】実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の他の羽根車を示す投影図であって、軸方向と直交する方向から見た図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、実施の形態にかかる換気扇を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる換気用途に適した換気扇の外観を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1にかかる機器組込用途に適した換気扇の外観を示す斜視図である。
図3は、実施の形態1にかかる換気用途に適した換気扇の
図1に示されるIII-III線に沿った断面図である。
図4は、実施の形態1にかかる換気用途に適した換気扇の
図3に示されるベルマウス周りを一部拡大した断面図である。
図5は、実施の形態1にかかる機器組込用途に適した換気扇の
図2に示されるV-V線に沿った断面図である。
図6は、実施の形態1にかかる機器組込用途に適した換気扇の
図5に示されるベルマウス周りを一部拡大した断面図である。以下の説明において、換気用途に適した換気扇を第1用途換気扇110と称し、機器組込用途に適した換気扇を第2用途換気扇120と称する。
【0014】
図1および
図2に示すように、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120とは、共通の部品により構成されている。第1用途換気扇110と第2用途換気扇120とは、本体枠1と、電動機2と、羽根車3と、電動機固定部材4と、取付部5とを備えている。第1用途換気扇110と第2用途換気扇120との構造上の違いは、
図1に示すように電動機固定部材4を本体枠1の意匠面となる表面12aに固定して電動機2および電動機固定部材4を露出させるか、
図2に示すように電動機固定部材4を本体枠1の製品固定面となる裏面12bに固定して電動機2および電動機固定部材4を露出させないかの違いである。第1用途換気扇110と第2用途換気扇120との構造上の違いについては、共通の部品を説明した後に詳しく説明する。
【0015】
以下の説明において、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120とを区別せずに換気扇100と総称する場合もある。
図1に示される矢印X1は、第1用途換気扇110の送風方向を示している。
図1に示される矢印Y1は、第1用途換気扇110における後記する電動機2の回転方向を示している。
図2に示される矢印X2は、第2用途換気扇120の送風方向を示している。
図2に示される矢印Y2は、第2用途換気扇120における後記する電動機2の回転方向を示している。送風方向X1と送風方向X2とは、互いに逆になる。
【0016】
本体枠1は、第1用途換気扇110の場合には図示しない建物の壁面などに固定され、第2用途換気扇120の場合にはチラー、空気調和機などの機器に固定される部材である。本体枠1は、風洞部であるベルマウス11と、固定部12とを有している。ベルマウス11は、中心軸Cを有する筒状に形成されている。以下、換気扇100の各構成要素について方向を説明するときには、中心軸Cと平行な方向を軸方向、中心軸Cと直交し、中心軸Cから放射状に外側に向かう方向を半径方向、中心軸Cを中心とする回転方向を周方向とする。
【0017】
図3に示すように、ベルマウス11の形状は、内径が変化する円筒形状である。ベルマウス11は、最も内径が小さい最小内径部11aを有している。最小内径部11aは、ベルマウス11の軸方向の中央部に位置している。ベルマウス11は、最小内径部11aから軸方向の両端部に向かって内径が拡大する円筒形状に形成されている。以下、
図4に示すように、ベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の長さを最小内径部11aの範囲Lと称する。また、最小内径部11aの軸方向の一端部を一端部11bと称し、最小内径部11aの軸方向の他端部を他端部11cと称する。また、最小内径部11aの軸方向の両端部を両端部11b,11cと称する。
【0018】
図1および
図2に示すように、固定部12は、建物または機器に換気扇100を固定するための板状の部分である。固定部12は、ボルトなどの固定具により建物または機器に固定される。固定部12は、ベルマウス11の外周面のうち軸方向の一端から半径方向に延びている。軸方向に沿って見たときの固定部12の外周形状は、特に制限されないが、本実施の形態では矩形である。本体枠1の固定部12は、軸方向の一方を向く表面12aと、軸方向の他方を向く裏面12bとを有している。表面12aは、本体枠1の意匠面となる。裏面12bは、表面12aとは反対側を向く面であって、建物または機器に固定される製品固定面となる。ベルマウス11は、固定部12の表面12a側に配置されている。
【0019】
図1に示される第1用途換気扇110の場合には、本体枠1の裏面12bが建物の壁面などに固定される。第1用途換気扇110は、室内の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を室外へ吹き出す。
図2に示される第2用途換気扇120の場合には、本体枠1の裏面12bが冷却対象となる機器の外面に固定される。第2用途換気扇120は、機器の内部から空気を吸い込み、機器の外部に吹き出すことで機器の内部から排熱する。
【0020】
図1および
図2に示すように、電動機固定部材4は、本体枠1と電動機2とを連結する部材である。電動機固定部材4は、電動機固定枠41と、複数の電動機固定脚42とを有している。電動機固定枠41は、軸方向に沿ってベルマウス11から離れて配置されている。電動機固定枠41は、ベルマウス11の中心軸Cと同軸に配置されている。電動機固定枠41は、電動機2を保持する役割を果たしている。電動機固定枠41の形状は、電動機2を保持可能であれば特に制限されないが、本実施の形態では四角枠状である。電動機固定枠41の内周面には、半径方向の内側に向かって延びる環状のフランジ部43が形成されている。電動機固定枠41のうちフランジ部43に囲まれた部分には、電動機2が配置されている。
【0021】
電動機固定脚42は、電動機固定枠41から本体枠1に向かって延びて電動機固定枠41を支持する。電動機固定枠41は、複数の電動機固定脚42を介して、本体枠1に連結されている。電動機固定脚42の数および配置は、本体枠1に電動機固定枠41を連結可能であれば特に制限されない。本実施の形態では、4つの電動機固定脚42が本体枠1と電動機固定枠41とを連結するように配置されている。各電動機固定脚42の基端は、ボルトなどの固定具Bにより取付部5に固定されている。
【0022】
電動機2は、ベルマウス11の軸方向にベルマウス11から離れて配置された部材である。電動機2は、回転可能である。電動機2の一部は、電動機固定枠41の内部に配置されて電動機固定枠41に固定されている。
図3および
図5に示すように、電動機2のシャフト21を含む残部は、電動機固定枠41からベルマウス11に向かって突出している。
【0023】
羽根車3は、電動機2に取り付けられて電動機2の回転に伴って回転して空気流を発生させる部材である。羽根車3の一部は、ベルマウス11の内部に配置されている。羽根車3は、送風方向X1,X2の下流側を向く圧力面31と、送風方向X1,X2の上流側を向く負圧面32とを有している。圧力面31は、羽根車3の表面のうち、羽根車3を回転させたときに空気流が流出する側の面である。負圧面32は、羽根車3の表面のうち、羽根車3を回転させたときに空気流が流入する側の面である。負圧面32は、圧力面31とは反対側を向く面である。羽根車3は、電動機2のシャフト21に固定されるボス部39を有している。ボス部39は、円筒形状の部分である。
【0024】
羽根車3は、前縁33と、後縁34と、外縁35と、内縁36と、後縁端37とを有している。なお、前縁33および後縁34において、最も半径方向の外側に位置する端部を「外端」と称するとともに最も半径方向の内側に位置する端部を「内端」と称する。前縁33は、羽根車3が回転するときに回転方向Y1,Y2の前側に位置する縁部である。前縁33は、半径方向に延びている。後縁34は、羽根車3が回転するときに回転方向Y1,Y2の後側に位置する縁部である。後縁34は、半径方向に延びている。外縁35は、前縁33の外端と後縁34の外端とを繋ぐ縁部である。外縁35は、前縁33の外端から後縁34の外端に向けて回転方向Y1,Y2の後側に延びている。内縁36は、前縁33の内端と後縁34の内端とを繋ぐ縁部である。内縁36は、前縁33の内端から後縁34の内端に向けて回転方向Y1,Y2の後側に延びている。後縁端37は、後縁34と外縁35とが交わる部分である。
【0025】
図1および
図2に示すように、取付部5は、本体枠1に設けられて電動機固定部材4が取り付けられる部分である。取付部5は、表面12aに設けられた第1の取付部51と、裏面12bに設けられた第2の取付部52とを含んでいる。第1の取付部51は、裏面12bから表面12aに向かう方向に突出する凸部である。第2の取付部52は、裏面12bから表面12aに向かう方向に凹む凹部である。本実施の形態では、第1の取付部51と第2の取付部52とが表裏一体に形成されている。第1の取付部51と第2の取付部52とは、周方向における位置が一致している。第1の取付部51および第2の取付部52は、表面12a側が凸状となり裏面12b側が凹状となっている。本実施の形態では、本体枠1の固定部12を局所的に折り曲げて第1の取付部51および第2の取付部52を形成している。なお、固定部12の一部を局所的に肉厚にして第1の取付部51を形成してもよいし、固定部12を図示の例よりも肉厚にした上で固定部12の一部を局所的に切り欠いて第2の取付部52を形成してもよい。
【0026】
第1の取付部51および第2の取付部52のそれぞれの数は、本実施の形態では4つであるが、電動機固定脚42と同数であれば適宜増減してもよい。複数の第1の取付部51は、中心軸Cを中心とした同一円周上に等角度で離れて配置されている。複数の第2の取付部52は、中心軸Cを中心とした同一円周上に等角度で離れて配置されている。
図4に示すように、第1の取付部51の先端には、軸方向と直交する平面状の第1の取付面53が形成されている。
図4では、第1の取付面53を通る半径方向に延びる破線を図示している。第1の取付面53は、本体枠1の表面12aの一部となる。第1の取付面53は、第1用途換気扇110において、電動機固定部材4が取り付けられる面である。第1の取付面53とベルマウス11の最小内径部11aとは、軸方向における位置が一致している。換言すると、軸方向と直交する方向から見て、第1の取付面53の軸方向における位置は、ベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる位置となっている。
【0027】
図6に示すように、第2の取付部52の底部には、軸方向と直交する平面状の第2の取付面54が形成されている。
図6では、第2の取付面54を通る半径方向に延びる破線を図示している。第2の取付面54は、本体枠1の裏面12bの一部となる。第2の取付面54は、第2用途換気扇120において、電動機固定部材4が取り付けられる面である。第2の取付面54とベルマウス11の最小内径部11aとは、軸方向における位置が一致している。換言すると、軸方向と直交する方向から見て、第2の取付面54の軸方向における位置は、ベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる位置となっている。第1の取付面53と第2の取付面54とは、表裏一体に形成されている。第1の取付面53と第2の取付面54とは、周方向における位置が一致している。
【0028】
次に、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120との構造上の違いについて説明する。
【0029】
図1、
図3および
図4に示すように、第1用途換気扇110の場合には、電動機固定部材4の電動機固定脚42が第1の取付部51の第1の取付面53に固定される。電動機2および電動機固定部材4は、本体枠1の意匠面となる表面12aに固定されて第1用途換気扇110の意匠側に露出する。第1用途換気扇110は建物の壁面などに設置されるため、電動機固定部材4および電動機2は建物の室内側に露出する。第1の取付部51の軸方向の高さは、第1用途換気扇110における羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まる高さを有する。言い換えると、第1の取付面53の軸方向における位置は、電動機固定脚42が第1の取付面53に固定された状態で、羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる位置となっている。第1用途換気扇110では、電動機2が回転すると、電動機2に取り付けられた羽根車3がベルマウス11の内部で回転して、電動機2からベルマウス11に向かう排気流が生成される。
【0030】
ここで、
図4に示すように、第1の取付面53と、ベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の両端部11b,11cとで最短となる軸方向の距離をΔ1とする。また、第1の取付面53と、羽根車3の後縁端37との軸方向の距離をΔ2とする。本実施の形態においては、距離Δ1は距離Δ2よりも大きくなっているが、Δ1≧Δ2の関係になっていればよい。距離Δ1とは、第1の取付面53からベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の一端部11bまでの軸方向の距離と、第1の取付面53からベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の他端部11cまでの軸方向の距離とのうち短い方の距離を指す。本実施の形態においては、第1の取付面53からベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の他端部11cまでの軸方向の距離の方が短いため、この距離が距離Δ1となる。
【0031】
図2、
図5および
図6に示すように、第2用途換気扇120の場合には、電動機固定部材4の電動機固定脚42が第2の取付部52の第2の取付面54に固定される。電動機2および電動機固定部材4は、本体枠1の製品固定面となる裏面12bに固定されて第2用途換気扇120の意匠側に露出しない。第2の取付部52は、第1の取付部51の軸方向の高さと同一の深さを有する。第2の取付面54の軸方向における位置は、電動機固定脚42が第2の取付面54に固定された状態で、羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる位置となっている。第2用途換気扇120では、電動機2が回転すると、電動機2に取り付けられた羽根車3がベルマウス11の内部で回転して、電動機2からベルマウス11に向かう気流が生成される。なお、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120とで、電動機2に対して羽根車3を反転させることなく、電動機2への羽根車3の取り付け方向は同じである。また、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120とで、電動機2自体の回転方向は同じである。
【0032】
ここで、
図6に示すように、第2の取付面54と、ベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の両端部11b,11cとで最短となる軸方向の距離をΔ3とする。また、第2の取付面54と、羽根車3の後縁端37との軸方向の距離をΔ4とする。本実施の形態においては、距離Δ3は距離Δ4よりも大きくなっているが、Δ3≧Δ4の関係になっていればよい。距離Δ3とは、第2の取付面54からベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の一端部11bまでの軸方向の距離と、第2の取付面54からベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の他端部11cまでの軸方向の距離とのうち短い方の距離を指す。本実施の形態においては、第2の取付面54からベルマウス11の最小内径部11aの軸方向の一端部11bまでの軸方向の距離の方が短いため、この距離が距離Δ3となる。
【0033】
次に、本実施の形態にかかる換気扇100の効果について説明する。
【0034】
本実施の形態では、
図1および
図2に示すように、取付部5は、表面12aに設けられた第1の取付部51と、裏面12bに設けられた第2の取付部52とを含み、電動機固定部材4が第1の取付部51に取り付けられる第1用途換気扇110と電動機固定部材4が第2の取付部52に取り付けられる第2用途換気扇120とに選択可能に構成されている。この構成により、電動機固定部材4が第1の取付部51に取り付けられる場合には、電動機2および電動機固定部材4が第1用途換気扇110の意匠側に露出する。一方で、電動機固定部材4が第2の取付部52に取り付けられる場合には、電動機2および電動機固定部材4が第2用途換気扇120の意匠側に露出しない。このため、換気扇100の用途に応じて電動機2および電動機固定部材4の露出の有無を変更できる。
【0035】
本実施の形態では、
図1および
図2に示すように、電動機固定部材4を第1の取付部51に取り付けるか、または、電動機固定部材4を第2の取付部52に取り付けるだけで、換気扇100の用途に応じて電動機2および電動機固定部材4の露出の有無を変更できる。このため、電動機2および電動機固定部材4の露出の有無を変更した場合でも同一の部品を使用できる。したがって、部品の共通化によって製造コストの削減を図ることができる。
【0036】
本実施の形態では、
図4および
図6に示すように、取付部5は、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120との両方において羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されている。詳しくは、第1の取付部51は、裏面12bから表面12aに向かう方向に突出して、第1用途換気扇110における羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まる軸方向の高さを有する凸部であり、第2の取付部52は、裏面12bから表面12aに向かう方向に凹んで、凸部の軸方向の高さと同一の深さを有する凹部である。この構成により、第1の取付部51の第1の取付面53に電動機固定部材4を取り付けた第1用途換気扇110の場合に、羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるため、第1の取付部51の軸方向の高さと同一の深さを有する第2の取付部52の第2の取付面54に電動機固定部材4を取り付けた第2用途換気扇120の場合でも、羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まることになる。このため、電動機2および電動機固定部材4の露出の有無を変更した場合でも送風効率が良い換気扇100を得られる。
【0037】
本実施の形態では、
図4に示すように、第1の取付部51の第1の取付面53に電動機固定部材4を取り付けた第1用途換気扇110の場合に、軸方向と直交する方向から見て第1の取付面53の軸方向における位置がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる位置となっているとともに、Δ1≧Δ2の関係になっている。また、
図6に示すように、第2の取付部52の第2の取付面54に電動機固定部材4を取り付けた第2用途換気扇120の場合に、軸方向と直交する方向から見て第2の取付面54の軸方向における位置がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる位置となっているとともに、Δ3≧Δ4の関係になっている。これらの構成により、第1用途換気扇110と第2用途換気扇120との両方において羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まることになる。このため、電動機2および電動機固定部材4の露出の有無を変更した場合でも送風効率が良い換気扇100を得られる。
【0038】
次に、本実施の形態にかかる換気扇100の変形例について説明する。
【0039】
本実施の形態では、
図4および
図6に示すように、第1の取付面53と第2の取付面54とは、表裏一体に形成されているが、表裏一体に形成されていなくてもよい。すなわち、第1の取付面53と第2の取付面54とは、周方向における位置がずれていてもよい。さらに換言すると、第1の取付面53と第2の取付面54とは、本体枠1の表裏の同一円周上で互いの相対位置をずらして独立した状態で形成されていてもよい。このようにしても、第1の取付面53および第2の取付面54のいずれに電動機固定部材4を取り付けても、羽根車3の後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まる構造を実現できる。
【0040】
実施の形態2.
次に、
図7から
図10を参照して、実施の形態2にかかる換気扇100Aについて説明する。
図7は、実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の外観を示す斜視図である。
図8は、実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の羽根車3Aを示す図であって、羽根車3Aの負圧面32から見た図である。
図9は、実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の羽根車3Aを示す投影図であって、
図8に示される羽根車3Aを軸方向と直交する方向から見た図である。
図10は、実施の形態2にかかる換気用途に適した換気扇の他の羽根車3Aを示す投影図であって、軸方向と直交する方向から見た図である。本実施の形態では、軸方向の高さHが異なる複数種の羽根車3Aを選択可能な点および軸方向の高さが異なる複数種の第1の取付部51Aを備えている点が前記した実施の形態1と相違する。なお、実施の形態2では、前記した実施の形態1と重複する部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
実施の形態2にかかる第1用途換気扇110Aは、軸方向の高さHが異なる複数種の羽根車3Aの中から選択された一種類の羽根車3Aと、軸方向の高さが異なる複数種の第1の取付部51Aの中から選択された一種類の第1の取付部51Aとを組み合わせることが可能な換気扇である。
図9および
図10に示すように、羽根車3Aは、軸方向の高さHが異なる複数種の中から選択可能である。羽根車3Aの軸方向の高さHとは、羽根車3Aの後縁端37から羽根車固定面38までの軸方向の距離である。羽根車固定面38とは、羽根車3Aのシャフト21に固定されるボス部39のうち電動機2から最も近い面のことを意味する。
【0042】
図7に示すように、第1の取付部51Aは、軸方向の高さが異なる複数種の中から選択可能である。第1用途換気扇110Aは、複数種の第1の取付部51Aの中から選択された一種類の第1の取付部51Aに電動機固定部材4が取り付けられた状態で、複数種の羽根車3Aの中から選択された一種類の羽根車3Aの後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されている。第1の取付部51Aは、第1用途換気扇110Aにおいて複数種の羽根車3Aのそれぞれの後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されている。
【0043】
第1の取付部51Aは、凸部55と、平坦部56とを含んでいる。凸部55は、
図1および
図3に示される実施の形態1の第1の取付部51の凸部と同一である。平坦部56には、軸方向と直交する平坦状の第1の取付面57が形成されている。平坦部56の軸方向の高さは、凸部55の高さよりも低い。電動機固定部材4が表面12aに取り付けられる第1用途換気扇110Aの場合において、平坦部56の第1の取付面57の軸方向における位置は、凸部55の第1の取付面53の軸方向における位置よりも電動機2から離隔する側に位置している。
【0044】
次に、本実施の形態にかかる換気扇100Aの効果について説明する。
【0045】
換気対象とする場所の広さ、冷却対象とする機器の大小など、換気扇100Aを設置する環境に合わせて換気扇100Aを適切な風量に調整し、換気扇100Aを設置場所に適応させる場合がある。このような場合に、換気扇100Aの風量を調整する方法として、
図8および
図9に示すように、軸方向の高さHが異なる羽根車3Aを電動機2のシャフト21に付け替える方法がある。しかし、付け替え前後で羽根車3Aの軸方向の高さHが異なると、付け替え前の羽根車3Aでは後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まっていたが、付け替え後の羽根車3Aでは後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まらない場合がある。そのような場合には送風効率が悪いため、後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まるように電動機固定部材4などの部品を変更する必要がある。
【0046】
この点、本実施の形態では、換気扇100Aは、軸方向の高さHが異なる複数種の羽根車3Aの中から選択された一種類の羽根車3Aと、軸方向の高さが異なる複数種の第1の取付部51Aの中から選択された一種類の第1の取付部51Aとを組み合わせることが可能である。また、本実施の形態では、換気扇100Aは、複数種の第1の取付部51Aの中から選択された一種類の第1の取付部51Aに電動機固定部材4が取り付けられた状態で、複数種の羽根車3Aの中から選択された一種類の羽根車3Aの後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されている。すなわち、第1の取付部51Aは、第1用途換気扇110Aにおいて複数種の羽根車3Aのそれぞれの後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されている。これらの構成により、軸方向の高さHが異なる複数種の羽根車3Aのいずれを換気扇100Aに装着した場合でも、羽根車3Aの後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aの範囲L内に収まることになるため、送風効率が良い換気扇100Aを得られる。したがって、換気扇100Aの風量の調整および部品の共通化による製造コストの削減を図りながら、送風効率が良い換気扇100Aを得られる。
【0047】
ここで、
図10に示される第1用途換気扇110Aの羽根車3Aの軸方向の高さHが
図1および
図3に示される第1用途換気扇110の羽根車3の軸方向の高さよりも低く、羽根車3を羽根車3Aに付け替える場合を想定する。凸部55の第1の取付面53には、付け替え前の羽根車3を備えた第1用途換気扇110の電動機固定部材4が取り付けられる。平坦部56の第1の取付面57には、付け替え後の羽根車3Aを備えた第1用途換気扇110Aの電動機固定部材4が取り付けられる。平坦部56の第1の取付面57と凸部55の第1の取付面53との軸方向の距離を、付け替え前の羽根車3の軸方向の高さと付け替え後の羽根車3Aの軸方向の高さHとの差分と同じにする。このようにすると、前記した効果を奏することができる。
【0048】
次に、本実施の形態にかかる換気扇100Aの変形例について説明する。
【0049】
本実施の形態では、軸方向に高低差のある凸部55と平坦部56とにより複数種の第1の取付部51Aが構成されていたが、軸方向に高低差のある凸部55のみにより複数種の第1の取付部51Aが構成されていてもよい。すなわち、複数種の第1の取付部51Aは、裏面12bから表面12aに向かう方向に突出して、軸方向の高さが異なる複数種の凸部であってもよい。
【0050】
本実施の形態では、第1用途換気扇110Aについて例示したが、実施の形態2の構成を第2用途換気扇120に適用してもよい。すなわち、第2の取付部52は、第2用途換気扇120において複数種の羽根車3Aのそれぞれの後縁端37がベルマウス11の最小内径部11aに収まるように構成されていてもよい。実施の形態2の構成を第2用途換気扇120に適用する場合には、軸方向に高低差のある凹部と平坦部とにより複数種の第2の取付部52が構成されていてもよい。また、軸方向に高低差のある凹部のみにより複数種の第2の取付部52が構成されていてもよい。すなわち、複数種の第2の取付部52は、裏面12bから表面12aに向かう方向に凹んで、複数種の凸部55のそれぞれの軸方向の高さと同一の深さを有する複数種の凹部であってもよい。
【0051】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 本体枠、2 電動機、3,3A 羽根車、4 電動機固定部材、5 取付部、11 ベルマウス、11a 最小内径部、11b 一端部、11c 他端部、12 固定部、12a 表面、12b 裏面、21 シャフト、31 圧力面、32 負圧面、33 前縁、34 後縁、35 外縁、36 内縁、37 後縁端、38 羽根車固定面、39 ボス部、41 電動機固定枠、42 電動機固定脚、43 フランジ部、51,51A 第1の取付部、52 第2の取付部、53,57 第1の取付面、54 第2の取付面、55 凸部、56 平坦部、100,100A 換気扇、110,110A 第1用途換気扇、120 第2用途換気扇、B 固定具、C 中心軸、H 高さ、L 範囲、X1,X2 送風方向、Y1,Y2 回転方向、Δ1,Δ2,Δ3,Δ4 距離。