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特開2024-139380混合装置、ボトルユニット及びパンク修理キット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139380
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】混合装置、ボトルユニット及びパンク修理キット
(51)【国際特許分類】
   B29C 73/02 20060101AFI20241002BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20241002BHJP
【FI】
B29C73/02
B29L30:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050286
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】高木 啓治
(72)【発明者】
【氏名】木平 智一
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AH20
4F213AR07
4F213AR12
4F213WA95
4F213WB01
4F213WM01
4F213WM07
(57)【要約】
【課題】 パンク修理を短時間で行うための混合装置、ボトルユニット及びパンク修理キットを提供する。
【解決手段】 パンク修理液Rと圧縮空気Aとを混合するための混合装置4である。使用時に上方に位置する天面8aと下方に位置する床面8bとを含む混合室8と、混合室8に圧縮空気Aを供給するための第1入口9と、混合室8にパンク修理液Rを供給するための第2入口10と、混合室8からパンク修理液Rと圧縮空気Aとの混合物を排出するための出口11とを備えている。混合室8は、天面8aと床面8bとの距離が最も大きい最大部8dから最も小さい最小部8eにかけて漸減している。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンク修理液と圧縮空気とを混合するための混合装置であって、
使用時に上方に位置する天面と下方に位置する床面とを含む混合室と、
前記混合室に前記圧縮空気を供給するための第1入口と、
前記混合室に前記パンク修理液を供給するための第2入口と、
前記混合室から前記パンク修理液と前記圧縮空気との混合物を排出するための出口とを備え、
前記混合室は、前記天面と前記床面との距離が最も大きい最大部と最も小さい最小部とを有する、
混合装置。
【請求項2】
前記最小部は、前記天面及び前記床面の少なくとも一方から前記混合室の内部に向けて突出する突出部により形成される、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記突出部は、最も突出した頂点を有する円錐形状である、請求項2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記突出部は、半球状に突出するドーム形状である、請求項2に記載の混合装置。
【請求項5】
前記突出部は、最も突出した頂部を有する円錐台形状である、請求項2に記載の混合装置。
【請求項6】
前記頂部が、突出方向とは反対方向に凹む凹部を有する、請求項5に記載の混合装置。
【請求項7】
前記突出部が、前記天面に設けられる、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項8】
前記突出部が、前記床面に設けられる、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項9】
前記突出部が、前記天面及び前記床面の両方にそれぞれ設けられる、請求項2ないし6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項10】
前記混合室は、前記天面と前記床面との距離が前記最大部から前記最小部にかけて漸減する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項11】
前記最小部は、前記混合室の平面視において、前記第1入口と前記出口との間に位置する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項12】
前記混合室は、前記天面及び前記床面が円形状の円柱形状である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項13】
前記最小部は、前記混合室の中心線上に位置する、請求項12に記載の混合装置。
【請求項14】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の混合装置と、前記パンク修理液を収容するための容器とを含むボトルユニットであって、
前記容器は、前記パンク修理液を前記容器の内部に収容するための口部を有し、
前記混合装置は、前記口部に取り付けられる、ボトルユニット。
【請求項15】
請求項14に記載のボトルユニットと、前記圧縮空気を供給するためのコンプレッサとを含む、パンク修理キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンク修理液と圧縮空気とを混合するための混合装置、当該混合装置を含むボトルユニット及び当該ボトルユニットを含むパンク修理キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パンクしたタイヤを修理するためのパンク修理キットが知られている。例えば、下記特許文献1では、コンプレッサからの圧縮空気により、パンクしたタイヤにパンク修理液と圧縮空気とを順次注入してパンクを修理するためのパンク修理キットを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-056662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のパンク修理キットは、パンク修理液を注入後、圧縮空気を注入するため、パンクしている部位をパンク修理液で塞ぐのに要する時間が長くなる傾向にあった。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、パンク修理を短時間で行うための混合装置、ボトルユニット及びパンク修理キットを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、パンク修理液と圧縮空気とを混合するための混合装置であって、使用時に上方に位置する天面と下方に位置する床面とを含む混合室と、前記混合室に前記圧縮空気を供給するための第1入口と、前記混合室に前記パンク修理液を供給するための第2入口と、前記混合室から前記パンク修理液と前記圧縮空気との混合物を排出するための出口とを備え、前記混合室は、前記天面と前記床面との距離が最も大きい最大部から最も小さい最小部にかけて漸減する、混合装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の混合装置は、上述の構成を備えることにより、パンク修理を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のパンク修理キットの一実施形態を概念的に示す断面図である。
図2】本実施形態の混合室の模式図である。
図3】第2の実施形態の混合室の模式図である。
図4】第3の実施形態の混合室の模式図である。
図5】第4の実施形態の混合室の模式図である。
図6】第5の実施形態の混合室の模式図である。
図7】第6の実施形態の混合室の模式図である。
図8】第7の実施形態の混合室の模式図である。
図9】第8の実施形態の混合室の模式図である。
図10】第9の実施形態の混合室の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態のパンク修理キット1を概念的に示す断面図である。図1に示されるように、パンク修理キット1は、例えば、パンクしたタイヤ等の対象物Tに、パンク修理液Rと圧縮空気Aとを充填するために好適に用いられる。本実施形態のパンク修理キット1は、ボトルユニット2と、ボトルユニット2に圧縮空気Aを供給するためのコンプレッサ3とを含んでいる。
【0010】
本実施形態のボトルユニット2は、パンク修理液Rと圧縮空気Aとを混合するための混合装置4と、パンク修理液Rを収容するための容器5とを含んでいる。混合装置4は、例えば、容器5に取り付けられるアダプタ部材6と、アダプタ部材6に取り付けられるキャップ部材7とを含んでいる。
【0011】
このようなボトルユニット2は、混合装置4と容器5との取り付けが容易であり、パンク修理に要する時間の短縮に役立つ。また、混合装置4は、パンク修理液Rと圧縮空気Aとを対象物Tに充填する前に予め混合することができ、パンク修理に要する時間を短縮することができる。なお、混合装置4は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、アダプタ部材6とキャップ部材7とが一体化された一体成型品であってもよい。
【0012】
容器5は、例えば、パンク修理液Rを容器5の内部に収容するための口部5aを有している。容器5は、例えば、口部5aからパンク修理液Rを容器5内に収容している。口部5aは、例えば、収容されたパンク修理液Rを気密に保持するためのフィルム(図示省略)を有している。混合装置4は、容器5の口部5aに取り付けられるのが望ましい。このような容器5は、パンク修理液Rの取り出し口を別途形成する必要がなく、製造コストを低減させることに役立つ。
【0013】
混合装置4は、例えば、アダプタ部材6とキャップ部材7との間に形成された混合室8を含んでいる。本実施形態の混合室8は、使用時、すなわち、混合装置4が容器5に取り付けられてパンク修理をするときに上方に位置する天面8aと下方に位置する床面8bとを含んでいる。混合室8は、天面8aと床面8bとをつなぐ側面8cを含むのが望ましい。このような混合室8は、パンク修理液Rと圧縮空気Aとを予め混合するための空間を確保するのに適している。
【0014】
混合室8は、例えば、天面8a及び床面8bが円形状の円柱形状である。すなわち、混合室8の側面8cは、円筒形状であるのが望ましい。このような混合室8は、側面8cに角部がなく、混合室8内の滞留物を低減するのに適している。
【0015】
混合室8の天面8aは、例えば、アダプタ部材6の隔壁6aにより構成されている。混合室8の床面8bは、例えば、キャップ部材7により構成されている。混合室8の側面8cは、例えば、アダプタ部材6により構成されている。混合室8の側面8cは、例えば、キャップ部材7により構成されていてもよい。このような混合室8は、天面8a及び床面8bの加工が容易であり、製造コストを低減させることに役立つ。
【0016】
本実施形態の混合装置4は、混合室8に圧縮空気Aを供給するための第1入口9と、混合室8にパンク修理液Rを供給するための第2入口10とを備えている。このような混合装置4は、コンプレッサ3から供給される圧縮空気Aの脈動により、混合室8が正圧状態と負圧状態とに繰り返されることで、第2入口10からパンク修理液Rを混合室8内に滴下して、混合物を生成することができる。
【0017】
混合物の少なくとも一部は、例えば、パンク修理液Rと圧縮空気Aとのエアロゾルである。すなわち、本実施形態の混合室8は、混合物の少なくとも一部をエアロゾル化することができる。このような混合物は、パンク修理液Rの少なくとも一部を1~100μm程度のエアロゾル粒子として供給することができる。これにより、パンク修理キット1は、パンクした部分を少量のパンク修理液Rで効率よく修理可能であり、対象物Tが内部に吸音材、センサ等を配したタイヤであっても、吸音材、センサ等への影響を低減することができる。
【0018】
パンク修理液Rは、グリコールを少なくとも含むのが望ましい。グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール等が挙げられる。このようなパンク修理液Rは、パンクしたタイヤ等の対象物Tにエアロゾルとして少量を注入したときにも、パンクした部分を効率よく修理することに適している。
【0019】
混合装置4は、混合室8からパンク修理液Rと圧縮空気Aとの混合物を排出するための出口11を備えるのが望ましい。このような混合装置4は、パンク修理液Rと圧縮空気Aとの出し入れをスムーズに行うことができ、パンク修理に要する時間の短縮に役立つ。
【0020】
第1入口9及び出口11は、例えば、キャップ部材7に設けられる。本実施形態の第1入口9及び出口11は、床面8bに設けられている。第2入口10は、例えば、アダプタ部材6の隔壁6aに設けられる。本実施形態の第2入口10は、天面8aに設けられている。
【0021】
このような混合装置4は、上方に位置する第2入口10から滴下されたパンク修理液Rと圧縮空気Aとの混合物を、下方に位置する出口11から排出するので、滴下されたパンク修理液Rの滞留を抑制し、混合物を効率よく生成することができる。
【0022】
図2は、本実施形態の混合室8の概念図である。理解しやすいように、図2では、混合室8が着色されており、図3以降も同様である。図2に示されるように、本実施形態の混合室8は、天面8aと床面8bとの距離が最も大きい最大部8dと最も小さい最小部8eとを有している。
【0023】
このような混合室8は、内部の流れに方向性を持たせることができ、パンク修理液Rと圧縮空気Aとの混合物を効率よく排出することができる。その結果、本実施形態の混合装置4は、少なくとも一部がエアロゾル化した混合物であっても、混合物を出口11から速やかに排出することができ、混合物の凝集を抑制することができる。このため、本実施形態の混合装置4は、パンク修理を短時間で行うことができる。
【0024】
より好ましい態様として、混合室8は、天面8aと床面8bとの距離が最大部8dから最小部8eにかけて漸減している。このような混合室8は、天面8aと床面8bとの距離が局所的に変動する部分がなく、変動する部分に混合物が滞留するおそれがない。
【0025】
最小部8eにおける天面8aと床面8bとの距離である第1高さH1は、好ましくは、最大部8dにおける天面8aと床面8bとの距離である第2高さH2の60%以下である。第1高さH1が第2高さH2の60%以下であることで、最大部8dに沿って混合物が流れ易くなり、混合室8の内部の流れに方向性を持たせることができる。このような観点から、第1高さH1は、より好ましくは、第2高さH2の50%以下であり、更に好ましくは、第2高さH2の35%以下である。
【0026】
最小部8eは、混合室8の平面視において、第1入口9と出口11との間に位置するのが望ましい。本実施形態の最小部8eは、第1入口9の中心と出口11の中心とを結ぶ直線上に位置している。このような混合室8は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0027】
本実施形態の最小部8eは、円柱形状の混合室8の中心線C上に位置している。このような混合室8は、内部の流れを対称形にすることができ、流れをスムーズにして混合物の混合室8内での滞留時間を短くすることに役立つ。
【0028】
最小部8eは、天面8a及び床面8bの少なくとも一方、本実施形態では天面8aから混合室8の内部に向けて突出する突出部12により形成されている。本実施形態の突出部12は、天面8aの一部が混合室8の内部に向けて突出するように設けられている。これにより、混合室8は、側面8cに沿った周辺部分から一定の範囲の最大部8dを有している。このような混合室8は、一定の内部容積を確保することができ、短時間に多くの混合物を生成することに役立つ。
【0029】
突出部12の体積は、好ましくは、混合室8の突出部12を含む全体容積の10%以上である。突出部12の体積が混合室8の全体容積の10%以上であることで、混合室8の内部の流速を高め、パンク修理液Rの混合室8内での滞留時間を短くすることができる。このような観点から、突出部12の体積は、より好ましくは、混合室8の全体容積の25%以上であり、更に好ましくは、混合室8の全体容積の35%以上である。
【0030】
本実施形態の突出部12は、最も突出した頂点12aを有する円錐形状である。すなわち、突出部12の頂点12aは、最小部8eを形成している。本実施形態の突出部12の頂点12aは、円筒形状の混合室8の中心線C上に位置している。このような突出部12は、天面8aの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0031】
図1に示されるように、混合室8は、例えば、天面8a、床面8b及び側面8cの少なくとも1つに、複数の半球状の凹部13が形成されていてもよい。このような複数の凹部13は、流れをスムーズにして混合物の混合室8内での滞留時間を短くすることに役立つ。
【0032】
アダプタ部材6は、例えば、容器5の口部5aにアダプタ部材6が取り付けられたときに、口部5aのフィルム(図示省略)を破断する破断部14を有している。このような破断部14は、混合装置4が容器5に取り付けられたときに、口部5aのフィルムを破断することができ、パンク修理液Rを混合室8に供給することができる。
【0033】
キャップ部材7は、例えば、混合装置4で混合物の少なくとも一部をエアロゾル化することが困難な極低温の環境下であれば、容器5の口部5aに直接取り付けられてもよい。キャップ部材7は、容器5の口部5aにキャップ部材7が取り付けられたときに、口部5aのフィルムを破断する副破断部15を有している。副破断部15は、例えば、出口11の開口部近傍に設けられている。
【0034】
このような副破断部15は、キャップ部材7が容器5に直接取り付けられたときに、口部5aのフィルムを破断することができる。また、この副破断部15は、混合装置4としてキャップ部材7がアダプタ部材6に装着されたときに、混合室8内の流路抵抗を低減することに役立つ。
【0035】
アダプタ部材6は、例えば、容器5の口部5a及びキャップ部材7の両者にネジ止めされている。アダプタ部材6と口部5aとの間は、シール部材16により密閉されるのが望ましい。アダプタ部材6とキャップ部材7との間は、例えば、副シール部材17により密閉されている。このようなアダプタ部材6は、容器5への取り付け及びキャップ部材7との取り付けが容易であり、取り付け後の気密性にも優れている。
【0036】
図3は、第2の実施形態の混合室20の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図3に示されるように、第2の実施形態の混合室20は、使用時に上方に位置する天面20aと、下方に位置する床面20bと、天面20aと床面20bとをつなぐ側面20cとを含んでいる。第2の実施形態の混合室20は、上述の混合室8と同様、天面20a及び床面20bが円形状の円柱形状であり、側面20cが円筒形状である。
【0037】
第2の実施形態の混合室20は、上述の混合室8と同様、天面20aと床面20bとの距離が最も大きい最大部20dから最も小さい最小部20eにかけて漸減している。第2の実施形態の最小部20eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の円柱形状の混合室20の中心線C上に位置している。このような混合室20は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0038】
第2の実施形態の最小部20eは、上述の最小部8eと同様、天面20aから混合室20の内部に向けて突出する突出部21により形成されている。第2の実施形態の突出部21は、天面20aの全体が混合室20の内部に向けて突出するように設けられている。これにより、混合室20は、側面20cに沿った周辺部分に最大部20dを有している。このような混合室20は、内部容積の変化を滑らかにすることができ、混合物の滞留を抑制することに役立つ。
【0039】
第2の実施形態の突出部21は、上述の突出部12と同様、最も突出した頂点21aを有する円錐形状である。第2の実施形態の突出部21の頂点21aは、円筒形状の混合室20の中心線C上に位置している。このような突出部21は、天面20aの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0040】
図4は、第3の実施形態の混合室25の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図4に示されるように、第3の実施形態の混合室25は、使用時に上方に位置する天面25aと、下方に位置する床面25bと、天面25aと床面25bとをつなぐ側面25cとを含んでいる。第3の実施形態の混合室25は、上述の混合室8と同様、天面25a及び床面25bが円形状の円柱形状であり、側面25cが円筒形状である。
【0041】
第3の実施形態の混合室25は、上述の混合室8と同様、天面25aと床面25bとの距離が最も大きい最大部25dから最も小さい最小部25eにかけて漸減している。第3の実施形態の最小部25eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の第1入口9の中心と出口11の中心とを結ぶ直線上に位置している。
【0042】
第3の実施形態の最小部25eは、円柱形状の混合室20の中心線Cよりも第1入口9側に位置している。最小部25eの位置は、このような態様に限定されるものではなく、滴下されるパンク修理液Rやコンプレッサ3に応じて、任意の位置に設定することができる。このような混合室25は、流れをスムーズにして混合物の混合室8内での滞留時間を短くするのに最適な形状に設定することができる。
【0043】
第3の実施形態の最小部25eは、上述の最小部8eと同様、天面25aから混合室25の内部に向けて突出する突出部26により形成されている。第3の実施形態の突出部26は、上述の突出部21と同様、天面25aの全体が混合室25の内部に向けて突出するように設けられている。これにより、混合室25は、側面25cに沿った周辺部分に最大部25dを有している。このような混合室25は、流れをスムーズにするのに最適な位置に最小部25eを設定することに役立つ。
【0044】
第3の実施形態の突出部26は、最も突出した頂点26aを有する斜円錐形状である。ここで、斜円錐形状は、頂点26aが底面の中心上に位置しない円錐形状の一種である。第3の実施形態の突出部26の頂点26aは、混合室25の最小部25eの位置である。このような突出部26は、天面25aの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0045】
図5は、第4の実施形態の混合室30の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図5に示されるように、第4の実施形態の混合室30は、使用時に上方に位置する天面30aと、下方に位置する床面30bと、天面30aと床面30bとをつなぐ側面30cとを含んでいる。第4の実施形態の混合室30は、上述の混合室8と同様、天面30a及び床面30bが円形状の円柱形状であり、側面30cが円筒形状である。
【0046】
第4の実施形態の混合室30は、上述の混合室8と同様、天面30aと床面30bとの距離が最も大きい最大部30dから最も小さい最小部30eにかけて漸減している。第4の実施形態の最小部30eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の円柱形状の混合室30の中心線C上に位置している。このような混合室30は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0047】
第4の実施形態の最小部30eは、上述の最小部8eと同様、天面30aから混合室30の内部に向けて突出する突出部31により形成されている。第4の実施形態の突出部31は、上述の突出部21と同様、天面30aの全体が混合室30の内部に向けて突出するように設けられている。
【0048】
第4の実施形態の床面30bは、突出部31の突出方向に凹んでいる。第4の実施形態の最小部30eは、突出部31の傾斜角度と床面30bの傾斜角度とを異ならせることで混合室30の中心線C上に形成している。これにより、混合室30は、側面30cに沿った周辺部分に最大部30dを有している。このような混合室30は、天面30aと床面30bの両方で、流れの方向性を制御することができる。
【0049】
第4の実施形態の突出部31は、上述の突出部21と同様、最も突出した頂点31aを有する円錐形状である。第4の実施形態の突出部31の頂点31aは、円筒形状の混合室30の中心線C上に位置している。このような突出部31は、天面30aの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0050】
図6は、第5の実施形態の混合室35の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図6に示されるように、第5の実施形態の混合室35は、使用時に上方に位置する天面35aと、下方に位置する床面35bと、天面35aと床面35bとをつなぐ側面35cとを含んでいる。第5の実施形態の混合室35は、上述の混合室8と同様、天面35a及び床面35bが円形状の円柱形状であり、側面35cが円筒形状である。
【0051】
第5の実施形態の混合室35は、上述の混合室8と同様、天面35aと床面35bとの距離が最も大きい最大部35dから最も小さい最小部35eにかけて漸減している。第5の実施形態の最小部35eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の円柱形状の混合室35の中心線C上に位置している。このような混合室35は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0052】
第5の実施形態の最小部35eは、上述の最小部8eと同様、天面35aから混合室35の内部に向けて突出する突出部36により形成されている。第5の実施形態の突出部36は、上述の突出部21と同様、天面35aの全体が混合室35の内部に向けて突出するように設けられている。これにより、混合室35は、側面35cに沿った周辺部分に最大部35dを有している。このような混合室35は、内部容積の変化を滑らかにすることができ、混合物の滞留を抑制することに役立つ。
【0053】
第5の実施形態の突出部36は、半球状に突出するドーム形状である。第5の実施形態の突出部36の頂点36aは、円筒形状の混合室35の中心線C上に位置している。このような突出部36は、天面35aの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0054】
図7は、第6の実施形態の混合室40の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図7に示されるように、第6の実施形態の混合室40は、使用時に上方に位置する天面40aと、下方に位置する床面40bと、天面40aと床面40bとをつなぐ側面40cとを含んでいる。第6の実施形態の混合室40は、上述の混合室8と同様、天面40a及び床面40bが円形状の円柱形状であり、側面40cが円筒形状である。
【0055】
第6の実施形態の混合室40は、上述の混合室8と同様、天面40aと床面40bとの距離が最も大きい最大部40dから最も小さい最小部40eにかけて漸減している。第6の実施形態の最小部40eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間に位置している。このような混合室40は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0056】
第6の実施形態の最小部40eは、上述の最小部8eと同様、天面40aから混合室40の内部に向けて突出する突出部41により形成されている。第6の実施形態の突出部41は、上述の突出部21と同様、天面40aの全体が混合室40の内部に向けて突出するように設けられている。これにより、混合室40は、側面40cに沿った周辺部分に最大部40dを有している。このような混合室40は、内部容積の変化を滑らかにすることができ、混合物の滞留を抑制することに役立つ。
【0057】
第6の実施形態の突出部41は、最も突出した頂部41aを有する円錐台形状である。第6の実施形態の突出部41の頂部41aは、円筒形状の混合室30の中心線C上に中心を有する円形状である。このような突出部41は、天面40aの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0058】
第6の実施形態の突出部41の頂部41aは、突出部41の突出方向とは反対方向に凹む凹部41bを有している。このような突出部41は、混合室40の内部容積を増加させることができ、短時間に多くの混合物を生成することに役立つ。
【0059】
図8は、第7の実施形態の混合室45の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図8に示されるように、第7の実施形態の混合室45は、使用時に上方に位置する天面45aと、下方に位置する床面45bと、天面45aと床面45bとをつなぐ側面45cとを含んでいる。第7の実施形態の混合室45は、上述の混合室8と同様、天面45a及び床面45bが円形状の円柱形状であり、側面45cが円筒形状である。
【0060】
第7の実施形態の混合室45は、上述の混合室8と同様、天面45aと床面45bとの距離が最も大きい最大部45dから最も小さい最小部45eにかけて漸減している。第7の実施形態の最小部45eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の円柱形状の混合室45の中心線C上に位置している。このような混合室45は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0061】
第7の実施形態の最小部45eは、床面45bから混合室45の内部に向けて突出する突出部46により形成されている。第7の実施形態の突出部46は、床面45bの全体が混合室45の内部に向けて突出するように設けられている。これにより、混合室45は、側面45cに沿った周辺部分に最大部45dを有している。このような混合室45は、内部容積の変化を滑らかにすることができ、混合物の滞留を抑制することに役立つ。
【0062】
第7の実施形態の突出部46は、最も突出した頂点26aを有する円錐形状である。第7の実施形態の突出部46の頂点46aは、円筒形状の混合室45の中心線C上に位置している。このような突出部46は、床面45bの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0063】
図9は、第8の実施形態の混合室50の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図9に示されるように、第8の実施形態の混合室50は、使用時に上方に位置する天面50aと、下方に位置する床面50bと、天面50aと床面50bとをつなぐ側面50cとを含んでいる。第8の実施形態の混合室50は、上述の混合室8と同様、天面50a及び床面50bが円形状の円柱形状であり、側面50cが円筒形状である。
【0064】
第8の実施形態の混合室50は、上述の混合室8と同様、天面50aと床面50bとの距離が最も大きい最大部50dから最も小さい最小部50eにかけて漸減している。第8の実施形態の最小部50eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の円柱形状の混合室50の中心線C上に位置している。このような混合室50は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0065】
第8の実施形態の最小部50eは、上述の最小部45eと同様、床面50bから混合室50の内部に向けて突出する突出部51により形成されている。第8の実施形態の突出部51は、上述の突出部46と同様、床面50bの全体が混合室50の内部に向けて突出するように設けられている。
【0066】
第8の実施形態の天面50aは、突出部51の突出方向に凹んでいる。第8の実施形態の最小部50eは、突出部51の傾斜角度と天面50aの傾斜角度とを異ならせることで混合室50の中心線C上に形成している。これにより、混合室50は、側面50cに沿った周辺部分に最大部50dを有している。このような混合室50は、天面50aと床面50bの両方で、流れの方向性を制御することができる。
【0067】
第8の実施形態の突出部51は、上述の突出部46と同様、最も突出した頂点51aを有する円錐形状である。第8の実施形態の突出部51の頂点51aは、円筒形状の混合室50の中心線C上に位置している。このような突出部51は、床面50bの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0068】
図10は、第9の実施形態の混合室55の模式図である。上述の実施形態と共通する要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図10に示されるように、第9の実施形態の混合室55は、使用時に上方に位置する天面55aと、下方に位置する床面55bと、天面55aと床面55bとをつなぐ側面55cとを含んでいる。第9の実施形態の混合室55は、上述の混合室8と同様、天面55a及び床面55bが円形状の円柱形状であり、側面55cが円筒形状である。
【0069】
第9の実施形態の混合室55は、上述の混合室8と同様、天面55aと床面55bとの距離が最も大きい最大部55dから最も小さい最小部55eにかけて漸減している。第9の実施形態の最小部55eは、上述の最小部8eと同様、第1入口9と出口11との間の円柱形状の混合室55の中心線C上に位置している。このような混合室55は、第1入口9から出口11までの圧縮空気Aの流れに方向性を持たせることができる。
【0070】
第9の実施形態の最小部55eは、天面55a及び床面55bから混合室55の内部に向けて突出する突出部56により形成されている。第9の実施形態の突出部56は、天面55a及び床面55bの両方の全体が混合室55の内部に向けてそれぞれ突出するように設けられている。これにより、混合室55は、側面55cに沿った周辺部分に最大部55dを有している。このような混合室55は、内部容積の変化を滑らかにすることができ、混合物の滞留を抑制することに役立つ。
【0071】
第9の実施形態の突出部56は、天面55aに設けられた第1突出部56Aと床面55bに設けられた第2突出部56Bとを含んでいる。このような混合室55は、天面55aの第1突出部56Aと床面55bの第2突出部56Bの両方で、流れの方向性を制御することができる。
【0072】
第9の実施形態の第1突出部56Aは、最も突出した頂点56aを有する円錐形状である。第9の実施形態の第2突出部56Bは、最も突出した頂点56bを有する円錐形状である。第9の実施形態の第1突出部56Aの頂点56a及び第2突出部56Bの頂点56bは、それぞれ、円筒形状の混合室55の中心線C上に位置している。このような突出部56は、天面55a及び床面55bの加工が容易であり、簡易な構成で内部の流れを対称形にすることができ、混合物を分散して滞留を抑制することに役立つ。
【0073】
第9の実施形態の突出部56は、第1突出部56Aと第2突出部56Bとが同一の形状を有しているが、このような態様に限定されるものでない。突出部56の形状は、例えば、高さが互いに異なるものであってもよく、頂点56a、56bの位置や形状が互いに異なるものであってもよい。
【0074】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【0075】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0076】
[本発明1]
パンク修理液と圧縮空気とを混合するための混合装置であって、
使用時に上方に位置する天面と下方に位置する床面とを含む混合室と、
前記混合室に前記圧縮空気を供給するための第1入口と、
前記混合室に前記パンク修理液を供給するための第2入口と、
前記混合室から前記パンク修理液と前記圧縮空気との混合物を排出するための出口とを備え、
前記混合室は、前記天面と前記床面との距離が最も大きい最大部から最も小さい最小部にかけて漸減する、
混合装置。
【0077】
[本発明2]
前記最小部は、前記天面及び前記床面の少なくとも一方から前記混合室の内部に向けて突出する突出部により形成される、本発明1に記載の混合装置。
【0078】
[本発明3]
前記突出部は、最も突出した頂点を有する円錐形状である、本発明2に記載の混合装置。
【0079】
[本発明4]
前記突出部は、半球状に突出するドーム形状である、本発明2に記載の混合装置。
【0080】
[本発明5]
前記突出部は、最も突出した頂部を有する円錐台形状である、本発明2に記載の混合装置。
【0081】
[本発明6]
前記頂部が、突出方向とは反対方向に凹む凹部を有する、本発明5に記載の混合装置。
【0082】
[本発明7]
前記突出部が、前記天面に設けられる、本発明2ないし6のいずれかに記載の混合装置。
【0083】
[本発明8]
前記突出部が、前記床面に設けられる、本発明2ないし6のいずれかに記載の混合装置。
【0084】
[本発明9]
前記突出部が、前記天面及び前記床面の両方にそれぞれ設けられる、本発明2ないし6のいずれかに記載の混合装置。
【0085】
[本発明10]
前記混合室は、前記天面と前記床面との距離が前記最大部から前記最小部にかけて漸減する、本発明1ないし9のいずれかに記載の混合装置。
【0086】
[本発明11]
前記最小部は、前記混合室の平面視において、前記第1入口と前記出口との間に位置する、本発明1ないし10のいずれかに記載の混合装置。
【0087】
[本発明12]
前記混合室は、前記天面及び前記床面が円形状の円柱形状である、本発明1ないし11のいずれかに記載の混合装置。
【0088】
[本発明13]
前記最小部は、前記混合室の中心線上に位置する、本発明12に記載の混合装置。
【0089】
[本発明14]
本発明1ないし13のいずれかに記載の混合装置と、前記パンク修理液を収容するための容器とを含むボトルユニットであって、
前記容器は、前記パンク修理液を前記容器の内部に収容するための口部を有し、
前記混合装置は、前記口部に取り付けられる、ボトルユニット。
【0090】
[本発明15]
本発明14に記載のボトルユニットと、前記圧縮空気を供給するためのコンプレッサとを含む、パンク修理キット。
【符号の説明】
【0091】
4 混合装置
8 混合室
8a 天面
8b 床面
8d 最大部
8e 最小部
9 第1入口
10 第2入口
11 出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10