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特開2024-139386制御装置、観察システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139386
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】制御装置、観察システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20241002BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
A61B1/06 610
A61B1/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050295
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】313009556
【氏名又は名称】ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】萬 修太郎
(72)【発明者】
【氏名】林 俊輔
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161GG01
4C161JJ11
4C161JJ17
4C161NN01
4C161RR24
4C161WW18
(57)【要約】
【課題】光源装置において適切な温度条件下で発せられた光が観察対象に照射される状態で、当該観察対象の観察を行うに有利な技術を提供する。
【解決手段】制御装置は、生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記通知は、前記光源装置の状態に関する通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記通知は、前記光源装置の使用準備状態に関する通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記通知は、前記光源装置を用いる機能の使用の可否に関する通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記通知は、前記光源装置から発せられる前記光の種類が異なる複数のモード間の切り替えの可否に関する通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記通知は、前記光源装置の使用の可否に関する通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記通知は、ディスプレイにおける表示による通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ディスプレイにおける表示による通知は、前記ディスプレイに表示されるソフトウェアキーのアクティブ化又は非アクティブ化によって行われる通知を含む請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記ディスプレイにおける表示による通知は、前記ディスプレイに表示されるソフトウェアキーを選択することによって前記ディスプレイに表示される通知を含む請求項7に記載の制御装置。
【請求項10】
前記ディスプレイは、タッチパネルディスプレイである請求項7に記載の制御装置。
【請求項11】
前記通知は、音による通知を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
前記通知を行う通知部を備える請求項1に記載の制御装置。
【請求項13】
前記通知を行う通知部とは別体として設けられる請求項1に記載の制御装置。
【請求項14】
前記光源温度情報は、前記光源装置の温度の情報を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項15】
前記光源温度情報は、前記光源装置の温度が許容温度範囲にあるか否かの情報を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記光源温度情報の基準データに、前記温度情報取得部が取得した前記光源温度情報を照らし合わせることによって評価される前記光源装置の状態に基づいて、前記通知を制御する請求項1に記載の制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記光源装置の温度を調整する温度調整部を制御する請求項1に記載の制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記光源装置が有する複数の光源の各々の温度を個別に調整するように、前記温度調整部を制御する請求項17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記制御部は、前記光源装置が有する複数の光源の温度をまとめて調整するように、前記温度調整部を制御する請求項17に記載の制御装置。
【請求項20】
前記光源装置から発せられる前記光は、可視光を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項21】
前記光源装置から発せられる前記光は、特定の蛍光物質を励起する励起光を含む請求項1に記載の制御装置。
【請求項22】
生物組織に照射される光を発する光源装置と、
制御装置と、を備え、
制御装置は、
前記光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、
有する、
観察システム。
【請求項23】
前記生物組織の画像を取得する撮像装置と、
前記画像を表示する表示装置と、を備える請求項22に記載の観察システム。
【請求項24】
生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得するステップと、
前記光源温度情報に基づいて通知を制御するステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、観察システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術や臨床研究などの医療分野では、内視鏡や顕微鏡などの観察機器を用いて生物組織の特性や状態を観察するために、生物組織に光を照射しつつ撮像が行われる。
【0003】
特許文献1が開示する内視鏡装置では、光源制御部の制御下で光源ユニットから発せられるRGBレーザー光が、ライトガイドによって照明口に導かれ、当該照明口から体腔内の観察領域に向けて出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-98604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
観察対象に照射される光を発する光源は、所望の光を安定的に発するために、適切な作動温度を有することが必要とされることがある。そのような適切な作動温度が常温ではない場合、起動直後の光源は適切な作動温度を有していないため、所望の光を安定的に発することができない。
【0006】
すなわち光源が起動後に所望の光を安定的に発することができる状態に至るまでには、光源の温度調整のために相応の準備時間が必要である。準備が整っていない光源によって発せられる光は所望の特性を有しておらず、そのような光が照射された観察対象を撮像することで得られる撮影画像には、不適切な光照射条件下で撮像された観察対象が写されることになる。
【0007】
その一方でユーザは、起動状態の光源が適切な作動温度を有するか否か(すなわち光源の準備が完了しているか否か)を把握することが容易ではない。そのためユーザにとって観察開始タイミングの判断を適切に行うことは簡単ではなく、不適切な光照射条件下で観察対象の観察が行われる懸念がある。
【0008】
本開示は、光源装置において適切な温度条件下で発せられた光が観察対象に照射される状態で、当該観察対象の観察を行うに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、を備える制御装置に関する。
【0010】
通知は、光源装置の状態に関する通知を含んでもよい。
【0011】
通知は、光源装置の使用準備状態に関する通知を含んでもよい。
【0012】
通知は、光源装置を用いる機能の使用の可否に関する通知を含んでもよい。
【0013】
通知は、光源装置から発せられる光の種類が異なる複数のモード間の切り替えの可否に関する通知を含んでもよい。
【0014】
通知は、光源装置の使用の可否に関する通知を含んでもよい。
【0015】
通知は、ディスプレイにおける表示による通知を含んでもよい。
【0016】
ディスプレイにおける表示による通知は、ディスプレイに表示されるソフトウェアキーのアクティブ化又は非アクティブ化によって行われる通知を含んでもよい。
【0017】
ディスプレイにおける表示による通知は、ディスプレイに表示されるソフトウェアキーを選択することによってディスプレイに表示される通知を含んでもよい。
【0018】
ディスプレイは、タッチパネルディスプレイであってもよい。
【0019】
通知は、音による通知を含んでもよい。
【0020】
制御装置は、通知を行う通知部を備えてもよい。
【0021】
制御装置は、通知を行う通知部とは別体として設けられてもよい。
【0022】
光源温度情報は、光源装置の温度の情報を含んでもよい。
【0023】
光源温度情報は、光源装置の温度が許容温度範囲にあるか否かの情報を含んでもよい。
【0024】
制御部は、光源温度情報の基準データに、温度情報取得部が取得した光源温度情報を照らし合わせることによって評価される光源装置の状態に基づいて、通知を制御してもよい。
【0025】
制御部は、光源装置の温度を調整する温度調整部を制御してもよい。
【0026】
制御部は、光源装置が有する複数の光源の各々の温度を個別に調整するように、温度調整部を制御してもよい。
【0027】
制御部は、光源装置が有する複数の光源の温度をまとめて調整するように、温度調整部を制御してもよい。
【0028】
光源装置から発せられる光は、可視光を含んでもよい。
【0029】
光源装置から発せられる光は、特定の蛍光物質を励起する励起光を含んでもよい。
【0030】
本開示の他の態様は、生物組織に照射される光を発する光源装置と、制御装置と、を備え、制御装置は、光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、有する、観察システムに関する。
【0031】
生物組織の画像を取得する撮像装置と、画像を表示する表示装置と、を備えてもよい。
【0032】
本開示の他の態様は、生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得するステップと、光源温度情報に基づいて通知を制御するステップと、を含む制御方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、医療用観察システムの一例を示す図であり、特に硬性鏡(内視鏡)を具備する内視鏡装置として医療用観察システムが構成される場合を示す。
図2図2は、撮像装置、制御装置、光源装置及び表示装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3図3は、制御装置のユーザインターフェースの一例を示す図である。
図4図4は、表示装置の一例を示す図である。
図5図5は、ユーザインターフェースにおける第1通知形態例を説明する図である。
図6図6は、ユーザインターフェースにおける第1通知形態例を説明する図である。
図7図7は、ユーザインターフェースにおける第1通知形態例を説明する図である。
図8図8は、ユーザインターフェースにおける第2通知形態例を説明する図である。
図9図9は、ユーザインターフェースにおける第2通知形態例を説明する図である。
図10図10は、ユーザインターフェースにおける第3通知形態例を説明する図である。
図11図11は、ユーザインターフェースにおける第3通知形態例を説明する図である。
図12図12は、ユーザインターフェースにおける第4通知形態例を説明する図である。
図13図13は、ユーザインターフェースにおける第4通知形態例を説明する図である。
図14図14は、ユーザインターフェースにおける第4通知形態例を説明する図である。
図15図15は、ユーザインターフェースにおける第5通知形態例を説明する図である。
図16図16は、ユーザインターフェースにおける第5通知形態例を説明する図である。
図17図17は、ユーザインターフェースにおける第5通知形態例を説明する図である。
図18図18は、ユーザインターフェースにおける第5通知形態例を説明する図である。
図19図19は、医療用観察システムにおけるモード切り替えフローの一例を示す図である。
図20図20は、光源装置にリングライト(生体観察のためのオープンフィールド照明装置)が接続される術野照明観察装置として構成される医療観察システムの一例を示す概念図である。
図21図21は、顕微鏡システムとして構成される医療観察システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
【0035】
図1は、医療観察システム10の一例を示す図であり、特に硬性鏡(内視鏡)18を具備する内視鏡装置として医療観察システム10が構成される場合を示す。
【0036】
医療観察システム10は、観察対象(被検体)の対象部位を、撮影画像を介して観察したり、肉眼により観察したりするのに利用される。ここで言う「医療」は広義に解釈され、病気や怪我の治療だけではなく、健康の維持、回復或いは増進を目的とする各種行為を含みうる概念であり、研究を主目的とする行為も「医療」の概念に含まれる。
【0037】
図1に示す医療観察システム10は、撮像装置11、制御装置12、光源装置13及び表示装置14を備える。
【0038】
光源装置13は、硬性鏡18に接続可能に設けられ、制御装置12の制御下で発光を行う。光源装置13は任意の波長域の光を発することが可能であり、例えば白色光などの広帯域光及び/又は狭帯域光を発光可能な任意の装置構成を有することができる。
【0039】
ここで言う広帯域光は、広い波長帯域を有する光であるが、具体的なスペクトル特性(波長分布)は限定されず、特に白色光は、様々な色の可視光成分を含み白色として知覚可能な光である。狭帯域光は、可視光波長域及び非可視光波長域のうちの特定の波長域の光を主たる光成分として含み、中心波長(ピーク波長)を基準とした任意のスペクトル特性を有する。
【0040】
本例の硬性鏡18は、着脱型のライトガイド16を介して光源装置13に接続される。すなわちライトガイド16の一端側の第1ライトガイド端部16aが光源装置13に対して着脱可能に取り付けられ、他端側の第2ライトガイド端部16bが硬性鏡18の光接続部22に対して着脱可能に接続される。
【0041】
図1に示す硬性鏡18は、挿入部20と、挿入部20の基端側に設けられる光接続部22及び撮像接続部23とを有する。基端側とは反対側に位置する挿入部20の挿入先端部21の端面には、光伝達部(ライトガイド)及び対物レンズが設けられる。光源装置13からライトガイド16を介して送られてくる光が、挿入部20の先端側端面の光伝達部から出射する。そして観察対象からの光(例えば反射光や蛍光)である観察光が、対物レンズに入射し、挿入部20の内側を通って撮像接続部23に導かれる。
【0042】
撮像接続部23は、撮像装置11の接続部に対して着脱可能に接続される。対物レンズを介して送られてくる観察光は、撮像接続部23を通って撮像装置11に入射し、撮像装置11によって受光される。撮像接続部23は接眼部としても機能することができる。撮像装置11から撮像接続部23が取り外された状態で、医師等のユーザが撮像接続部23を介して観察光を直接的に目視することも可能である。
【0043】
撮像装置11は、硬性鏡18に接続可能に設けられ、接続される硬性鏡18を介して観察光を受光し、観察対象(生物組織)の画像を撮像取得する。撮像装置11は信号伝送ケーブル15を介して制御装置12に接続される。硬性鏡18を介して受光される観察光に応じた撮影画像のデータ(すなわち撮影画像信号)が、撮像装置11から信号伝送ケーブル15を介して制御装置12に送られる。
【0044】
制御装置12は、撮像装置11、光源装置13及び表示装置14に接続され、撮像装置11、光源装置13及び表示装置14を制御する。また制御装置12は、撮像装置11に接続される硬性鏡18を、撮像装置11を介して制御することも可能である。制御装置12は、例えば、撮像装置11によって取得される撮影画像を表示装置14に表示させたり、光源装置13の発光を制御したりする。
【0045】
上述の医療観察システム10において硬性鏡18が使われる場合、例えば観察対象の腹膜の内側の腹腔内に硬性鏡18の挿入部20が挿入され、腹腔内において挿入先端部21から光が放たれる。このように光源装置13によって発せられ硬性鏡18から出射する光は、観察対象の生物組織に照射される。
【0046】
図2は、撮像装置11、制御装置12、光源装置13及び表示装置14の機能構成例を示すブロック図である。
【0047】
図2に示す光源装置13は、第1光源31、第2光源32、温度検出部33及び温度調整部34を有する。
【0048】
第1光源31及び第2光源32は、制御装置12(特に制御部40)の制御下で、観察対象に照射される光を発し、任意の光源デバイス(例えばキセノンランプ、LED(Light-Emitting Diode)或いはレーザー)によって構成可能である。
【0049】
第1光源31及び第2光源32から発せられる光は限定されず、可視光波長帯域の光(すなわち可視光)を含んでいてもよいし、可視光波長帯域外の波長帯域の光(すなわち不可視光)を含んでいてもよい。特に、第1光源31及び第2光源32から発せられる光は、観察対象を明るく照らすための白色光などの広帯域光を含んでいてもよいし、観察対象が保有しうる特定の蛍光物質を励起する励起光や他の特殊光などの狭帯域光を含んでいてもよい。
【0050】
観察対象が保有しうる特定の蛍光物質は、観察対象に付与された薬剤や蛍光色素であってもよいし、観察対象自身を構成する蛍光物質であってもよい。
【0051】
光源装置13は、図2に示す例では2つの光源31、32を有するが、3つ以上の光源を有していてもよいし、単一の光源を有していてもよい。
【0052】
温度検出部33は、制御装置12(特に制御部40)の制御下で、光源装置13が有する光源(図2に示す例では第1光源31及び第2光源32の各々)の温度を測定して取得する。そして温度検出部33は、光源31、32の測定温度に基づく光源温度情報D1を制御装置12(特に温度情報取得部41)に送信する。光源温度を測定する温度検出部33の温度センサは、任意のセンサデバイス(例えばサーミスタなど)によって構成可能である。
【0053】
温度検出部33は、光源31、32の測定温度に基づいて光源31、32の温度状態を評価してもよいし、そのような光源31、32の温度状態の評価を行わなくてもよい。温度検出部33は、光源31、32の温度状態の評価を行う場合、光源31、32の温度状態の評価結果を含む光源温度情報D1を、制御装置12に送信してもよい。一方、温度検出部33によって光源31、32の温度状態の評価が行われない場合、光源31、32の測定温度の情報のみが光源温度情報D1に含められてもよいし、光源31、32の測定温度及び他の情報が光源温度情報D1に含められてもよい。
【0054】
そのような光源31、32の温度状態の評価結果を示す情報は、例えば、光源装置13の光源31、32の温度が許容温度範囲にあるか否かを示す情報を含んでいてもよい。ここで言う許容温度範囲は、光源31、32において所望の光を安定的に発することが可能な温度範囲であり、各光源31、32のデバイス構成や所望の光の特性に応じて決められる。
【0055】
例えば、所望の光を発するのに最適な温度が各光源31、32に関して存在する場合、当該最適温度を各光源の温度調整に関する目標温度としつつ、目標温度を基準に定められる温度範囲(例えば「目標温度±α℃」の温度範囲)を許容温度範囲としうる。ここでの「α」は、様々な事情及び条件に基づいて可変的に決められてもよい。また許容温度範囲は、「目標温度-β℃」~「目標温度+α℃」の温度範囲(ただし「α≠β」であり)であってもよい。
【0056】
また温度検出部33は、光源装置13の温度調整に関する他の情報を光源温度情報D1に含めてもよい。光源装置13の温度調整に関する他の情報には、例えば、光源31、32の許容温度範囲を示す情報、光源31、32の温度が許容温度範囲にキープされている継続時間を示す情報、及び光源31、32の経時的な温度変化を示す情報が含まれうる。
【0057】
温度調整部34は、制御装置12(特に制御部40)の制御下で、光源装置13の光源31、32の温度を調整する。温度調整部34は、光源31、32の温度を調整する任意のデバイス構成を有することが可能であり、光源31、32の温度を上げるための加熱デバイス及び/又は光源31、32の温度を下げるための冷却デバイスを有しうる。
【0058】
一般的には、通電によって光源31、32の温度は徐々に上昇し、光源31、32が目標温度を超えて過熱する可能性がある。したがって温度調整部34は、光源31、32のそのような過熱を防ぐため、光源31、32を冷却可能な冷却デバイスとして設けられてもよい。冷却デバイスは、任意の構成及び任意のやり方で光源31、32を冷却することが可能である。例えば、通電によって積極的に光源31、32を冷却するペルチェ素子などのデバイスや、構造的に放熱を促すヒートシンクなどのデバイスを、冷却デバイスは有することが可能である。
【0059】
図2に示す制御装置12は、制御部40、温度情報取得部41、画像処理部42、ユーザインターフェース43及び記憶部44を有する。
【0060】
温度情報取得部41は、制御部40の制御下で、光源装置13の温度に関する情報である光源温度情報D1を、光源装置13の温度検出部33から取得して、制御部40に送る。
【0061】
光源温度情報D1に含まれる具体的な情報は限定されないが、本例では光源31、32の温度調整に関する情報が光源温度情報D1に含まれる。上述のように、光源温度情報D1は、光源31、32の測定温度自体を含んでいてもよいし、光源31、32の測定温度から導き出される情報を含んでいてもよい。
【0062】
画像処理部42は、制御部40の制御下で、撮像装置11から送られてくる撮影画像データD2の画像処理を行って出力画像データD3を生成し、出力画像データD3を表示装置14に送信したり、制御部40を介してユーザインターフェース43に送信したりする。
【0063】
出力画像データD3は、ディスプレイを介してユーザに提示可能な画像のデータであり、様々な表示形態の画像データを含みうる。例えば、個々の撮影画像データD2に基づいて生成される観察対象の個々の撮影画像のデータが、出力画像データD3に含まれていてもよい。また複数の撮影画像データD2の組み合わせに基づいて生成される画像(例えば複数の撮影画像の重畳画像)のデータが、出力画像データD3に含まれていてもよい。
【0064】
ユーザインターフェース43は、制御部40の制御下で機能するタッチパネルディスプレイ43a及びスピーカー43bを有する。
【0065】
タッチパネルディスプレイ43aは、ユーザからの入力を受け付ける入力部として機能するとともに、ユーザに各種の表示情報(例えば画像情報(文字画像情報を含む))を通知する通知部として機能する。例えば制御部40を介して送られてくる出力画像データD3が、制御部40の制御下でタッチパネルディスプレイ43aに表示される。スピーカー43bは、ユーザに各種の音情報を通知する通知部として機能する。
【0066】
図2に示す例では、ディスプレイ14a及びスピーカー14bを有する表示装置14も通知部として機能する。制御部40は、例えば画像処理部42から表示装置14に送られる出力画像データD3を、表示装置14のディスプレイ14aに画像表示させることが可能であり、また音情報をスピーカー14bから発せさせることが可能である。
【0067】
このように図2に示す例では、光源温度情報D1に基づいて制御部40により制御される通知を行う通知部が、制御装置12自体に設けられるとともに、制御装置12とは別体の表示装置14に設けられる。
【0068】
記憶部44は、制御部40の制御下で各種データが記憶され、制御部40によって記憶部44から各種データが読み出される。
【0069】
記憶部44に記憶されるデータは限定されず、撮影画像データD2及び出力画像データD3などの画像データが記憶部44に記憶されてもよいし、制御部40の制御処理に必要なプログラム及び各種データが記憶部44に記憶されてもよい。また記憶部44から読み出される各種データは、任意の用途に適宜使用可能である。
【0070】
なお本例の記憶部44は制御装置12の一部として設けられるが、制御装置12とは別体の装置(例えば光源装置13、サーバー、或いはUSBメモリなどの外部記憶装置)に記憶部44が設けられてもよい。この場合、制御部40は、有線及び/又は無線を介して記憶部44に対する各種データの記憶及び読み出しを行う。
【0071】
また制御部40の制御下で、制御装置12内の記憶部44と、制御装置12とは別体の記憶部との間で、各種データの送受信が行われてもよい。医療観察システム10において使用される光源(すなわち光)が変更されることがない場合、記憶部44に記憶される「光源に関する各種データ」をアップデートする必要はないかもしれない。一方、記憶部44に記憶される「光源に関する各種データ」のアップデートが必要になることがある場合には、アップデートデータが、制御装置12とは別体の記憶部から、制御装置12の記憶部44に記憶されて用いられてもよい。この場合、医療観察システム10において新たな光源(すなわち新たな光)を使う場合であっても、そのような新たな光源を使った観察対象の観察を適切に行うことが可能である。
【0072】
制御部40は、温度情報取得部41を介して取得される光源温度情報D1に基づいて、温度調整部34を制御する。
【0073】
上述のように各光源31、32には所望の光を安定的に発することが可能な温度範囲(すなわち許容温度範囲)がある。制御部40は、光源温度情報D1に基づいて温度調整部34を制御することで、各光源31、32の温度を許容温度範囲に調整する。
【0074】
制御部40による各光源31、32の温度制御の具体的なやり方は限定されず、例えばフィードバック制御或いはフィードフォーワード制御が行われてもよい。また制御部40は、各光源31、32のデバイスとしての寿命や波長シフトなどの情報を考慮して温度調整部34を制御することで、各光源31、32の温度調整を行ってもよい。
【0075】
図示の例のように光源装置13が複数の光源31、32を有する場合、制御部40は、当該複数の光源31、32のすべての温度が適切に調整されるように、温度調整部34を制御する。ただし、そのような複数の光源31、32の温度調整の具体的なやり方は限定されない。
【0076】
一例として、制御部40は、光源装置13の複数の光源31、32の各々の温度を個別に調整するように、温度調整部34を制御してもよい。例えば白色光観察において、互いに異なる波長帯域を有する複数種類の可視光(例えばRGB光)を発する複数の光源を光源装置13が有する場合、それぞれの光源の目標温度及び許容温度範囲は互いに異なることがある。蛍光観察においても同様に、互いに異なる波長帯域を有する複数種類の励起光を発する複数の光源を光源装置13が有する場合、それぞれの光源の目標温度及び許容温度範囲は互いに異なることがある。
【0077】
このように光源装置13が、目標温度及び許容温度範囲が互いに異なる複数の光源を含む場合であっても、温度調整部34がそれらの光源の各々の温度を個別に調整することで、各光源が所望の光を発することができる。その結果、適切な光照射条件下で観察対象の撮像が行われ、適切な撮影画像が得られる。また光源毎に温度調整が行われることによって、各光源の寿命が長くなることが期待できる。
【0078】
また制御部40は、光源装置13の複数の光源31、32の温度をまとめて調整するように、温度調整部34を制御してもよい。すなわち複数の光源31、32が基本的に同一温度を有するように、複数の光源31、32の温度が一括的に調整されてもよい。この場合、温度調整デバイスを光源毎に準備する必要はなく、温度調整部34は、共通の温度調整デバイスを使って複数の光源31、32の温度を調整できる。そのため温度調整部34のデバイス構成の簡素化及び小型化が可能であり、温度調整部34を安価に構成しうる。
【0079】
さらに制御部40は、光源温度情報D1に基づいて、通知部(図2に示す例ではユーザインターフェース43及び表示装置14)における通知を制御する。すなわち制御部40は、観察対象に照射される光を発する光源装置13の温度に関する情報である光源温度情報D1を取得するステップと、光源温度情報D1に基づいて通知を制御するステップとを含む制御方法を実行する。
【0080】
通知部14、43を介したそのような通知は、光源装置13(例えば光源31、32)の状態に関する通知を含んでいてもよく、例えば光源装置13の光源31、32の温度調整状態に関する通知や使用準備状態に関する通知を含んでいてもよい。
【0081】
例えば、ユーザが医療観察システム10(例えば制御装置12)を操作する前には、光源装置13の準備状況(例えば光源装置13の準備が未完了なのか完了しているのか)に関する通知を、通知部14、43において行うことが可能である。一方、ユーザが制御装置12を操作して、ある観察モードの実行指示を制御部40に入力したにもかかわらず、当該観察モードで使用される光源装置13(例えば対応光源)の準備が完了していない場合がある。そのような場合、当該観察モードの実行が不可能であることをユーザに伝える通知を、通知部14、43において行うことが可能である。
【0082】
一例として、制御部40は、光源温度情報の基準データに、温度情報取得部41が取得した光源温度情報D1を照らし合わせることによって評価される光源装置13の状態に基づいて、通知部14、43を介した通知を制御してもよい。ここで言う「光源温度情報の基準データ」は、データテーブルの形態であってもよいし、他の任意のデータ形態あってもよく、制御部40により保持されていてもよいし、制御部40によって読み出し可能なメモリ(例えば記憶部44)に記憶されていてもよい。
【0083】
なお光源31、32の温度状態の評価は、このように制御部40により行われてもよいが、上述のように光源装置13(図2に示す例では温度検出部33)により行われてもよい。光源装置13によって光源31、32の温度状態の評価が行われる場合、制御部40における通知制御のための処理の負荷を軽減できる。
【0084】
制御部40は、通知部14、43を介して、様々な通知をユーザに対して行うことができるが、通知の具体的な内容は限定されない。例えば、ユーザによって選択された観察モードの実行が不可能であることをユーザに伝える代わりに、装置(例えば光源装置13)の準備が完了するまで待つ必要があることをユーザに伝える通知を行ってもよい。
【0085】
また通知部14、43を介したそのような通知は、光源装置13の使用の可否に関する通知を含んでいてもよい。例えば光源装置13の光源31、32の温度が許容温度範囲にある間は、光源装置13の使用が可能であることをユーザに知らせる通知が行われてもよい。一方、光源装置13の光源31、32の温度が許容温度範囲にから外れている間は、光源装置13の使用が不可能であることをユーザに知らせる通知が行われてもよい。
【0086】
また通知部14、43を介したそのような通知は、光源装置13を用いる機能の使用の可否に関する通知を含んでいてもよい。
【0087】
また通知部14、43を介したそのような通知は、光源装置13から発せられる光の種類が異なる複数のモード間の切り替えの可否に関する通知を含んでいてもよい。例えば、所望のモードで使用される所望の光(例えば白色光や励起光)を発する光源の温度が許容温度範囲にある間は、当該所望モードへの切り替えが可能であることをユーザに知らせる通知が行われてもよい。一方、所望のモードで使用される所望の光を発する光源の温度が許容温度範囲から外れている間は、当該所望モードへの切り替えが不可能であることをユーザに知らせる通知が行われてもよい。
【0088】
[通知部]
上述のように、通知部を介した通知(特に制御部40によって制御される通知)によって、医師及び操作補助者等のユーザは、光源装置13の状態(例えば光源31、32の温度調整状態や使用準備状態など)を、適時、正確に認知できる。そのような通知部として、図2に示す例では、制御装置12のユーザインターフェース43と、表示装置14とが用いられる。
【0089】
図3は、制御装置12のユーザインターフェース43の一例を示す図である。図4は、表示装置14の一例を示す図である。
【0090】
図3に示すユーザインターフェース43のディスプレイは、入力部及び通知部として機能するタッチパネルディスプレイ43aにより構成されており、様々なソフトウェアキーが表示される。タッチパネルディスプレイ43aに表示されるソフトウェアキーは、制御部40(図2参照)の制御下で、各種モード及び状況に応じて適宜変わりうる。ユーザは、所望のソフトウェアキーを選択する場合、タッチパネルディスプレイ43aの対応箇所にタッチする。
【0091】
一方、図4に示す表示装置14のディスプレイ14aは、専ら表示情報の表示のみを行う通知部として機能し、ユーザからの操作を受け付ける入力部としては機能しない。したがってユーザは、基本的には、表示装置14のディスプレイ14aに接触する必要がない。
【0092】
一般に、観察対象に接触しうる医師は、汚染の可能性がある制御装置12(例えば図3に示すようなタッチパネルディスプレイ43a)の操作を行わず、医師とは別の操作補助者によって制御装置12の操作が行われる。特に、制御装置12のタッチパネルディスプレイ43aは、通常、観察対象の近くには設置されず、また表示領域が小さいことが多いため、医師が医療行為をしながら目視するディスプレイとしては不向きである。そのため医師は、制御装置12とは別体に設けられ且つ観察対象の撮影画像Iaを大きく表示可能な表示装置14(図4参照)を確認しながら、医療行為をするのが一般的である。
【0093】
したがって制御装置12のユーザインターフェース43及び表示装置14が通知部として用いられる図2に示す例によれば、医療観察システム10の操作に携わる医師及び操作補助者の双方に対し、適切且つ迅速に通知を行うことができる。
【0094】
すなわち制御装置12のタッチパネルディスプレイ43aを介して医療観察システム10の設定等の操作を行う操作補助者は、制御装置12のユーザインターフェース43を介して通知を素早く認知することができる。一方、観察対象に対する硬性鏡18の挿入等の医療行為をする医師は、表示装置14を介して通知を素早く認知することができる。
【0095】
なお表示装置14のディスプレイ14aにおいて、通知に関する画像(以下「通知画像Ib」と称する)が表示される位置や表示形態は限定されない。例えば図4に示すように、ディスプレイ14aの表示領域に、観察対象の撮影画像Iaが表示されない領域(例えばマスク画像領域など)が存在する場合、通知画像Ibは、そのような撮影画像Iaが表示されない領域に表示されてもよい。
【0096】
或いは、通知画像Ibは、ディスプレイ14aにおいて観察対象の撮影画像Iaに重畳するように表示されてもよい。通知画像Ibが撮影画像Iaと重畳するように表示される場合、撮影画像Iaから得られる有効な情報が可能な限り損なわれないように、通知画像Ibが表示されることが好ましい。例えばディスプレイ14aの表示領域のエッジ近傍(例えばコーナー近傍)に通知画像Ibを表示したり、撮影画像Iaの重畳部分を視認可能なように通知画像Ibを半透明表示したりすることで、ディスプレイ14a上の撮影画像Iaに対する影響を抑えられる。
【0097】
通知部14、43を介した通知は、ディスプレイ(タッチパネルディスプレイ43a及びディスプレイ14a)における表示(表示情報)による通知だけではなく、スピーカー43b、14b(図3及び図4参照)からの音(音情報)による通知も含んでいてもよい。
【0098】
ディスプレイにおける表示による通知は、典型的には、光源装置13の状態を直接的又は間接的に示すアイコンなどの画像(通知画像Ib)を、ディスプレイに表示させたり表示させなかったりすることで実行可能である。ユーザは、通知画像Ibがディスプレイに表示されているか否かに応じて、光源装置13の状態を認識できる。
【0099】
またソフトウェアキーを表示可能なタッチパネルディスプレイ43aにおける通知は、タッチパネルディスプレイ43aに表示されるソフトウェアキーのアクティブ化(有効化)又は非アクティブ化(無効化)によって行われる通知を含んでいてもよい。このようにソフトウェアキー機能のON/OFFボタンの有効状態及び無効状態を切り替えることで、対応の光源の準備が不完全な状態でソフトウェアキー機能が実行されるのを防ぐことができる。
【0100】
また制御装置12のタッチパネルディスプレイ43aにおける表示による通知は、タッチパネルディスプレイ43aに表示されるソフトウェアキーがユーザにより選択されることでタッチパネルディスプレイ43aに表示される通知を含んでいてもよい。このようにユーザがソフトウェアキー機能のON/OFFボタンを選択する操作に連動して通知を行うことで、ユーザの注意を効果的に喚起可能な通知を行うことができる。
【0101】
以下、制御装置12のユーザインターフェース43における通知例について説明する。以下の各通知形態例で行われるユーザインターフェース43における通知は、制御部40の制御下で適宜実行される。
【0102】
[第1通知形態例]
図5図6及び図7は、ユーザインターフェース43における第1通知形態例を説明する図である。図5は、光源装置13(特に光源31、32)の準備が未完了な状態でのディスプレイ表示の一例を示す。図6は、光源装置13(特に光源31、32)の準備が未完了な状態でのディスプレイ表示の他の例を示す。図7は、光源装置13(特に光源31、32)の準備が完了した状態でのディスプレイ表示の一例を示す。
【0103】
本通知形態例では、タッチパネルディスプレイ43aにおける対応の通知画像Ib(例えばアイコン)の表示によって、光源装置13の準備が完了したことの通知が行われる。
【0104】
すなわち光源装置13の準備が完了した後は、完了状態を示す通知画像Ibがタッチパネルディスプレイ43aに表示される(図7参照)。一方、光源装置13の準備が未完了な状態の間は、関連の通知画像Ibがタッチパネルディスプレイ43aに表示されなかったり(図5参照)、未完了な状態を示す通知画像Ibがタッチパネルディスプレイ43aに表示されたりする(図6参照)。
【0105】
本通知形態によれば、ユーザは、タッチパネルディスプレイ43aに表示される通知画像Ibを確認することにより、或いは、タッチパネルディスプレイ43a上における通知画像Ibの表示の有無を確認することにより、光源装置13の状態を知ることができる。
【0106】
すなわちユーザは、タッチパネルディスプレイ43aに通知画像Ibが表示されていない間は、光源装置13が準備未完了の状態にあると認識できる(図5参照)。或いは、ユーザは、準備未完了を示す通知画像Ibがタッチパネルディスプレイ43aに表示されている間は、光源装置13が準備未完了の状態にあると認識できる(図6参照)。そしてユーザは、準備完了を示す通知画像Ibがタッチパネルディスプレイ43aに表示されている間は、光源装置13が準備完了の状態にあると認識できる(図7参照)。
【0107】
なお、光源装置13が準備未完了状態にある間のみタッチパネルディスプレイ43aに通知画像Ibが表示され、光源装置13が準備完了状態にある間はタッチパネルディスプレイ43aに通知画像Ibが表示されなくてもよい。この場合にも、ユーザは、タッチパネルディスプレイ43a上における通知画像Ibの表示の有無を確認することによって、光源装置13の状態を認識できる。
【0108】
[第2通知形態例]
図8及び図9は、ユーザインターフェース43における第2通知形態例を説明する図である。図8は、観察モード1~5のすべてに関し、光源装置13の準備が未完了な状態でのディスプレイ表示の一例を示す。図9は、観察モード1に関する光源装置13の準備が完了している一方で、観察モード2~5に関する光源装置13の準備が未完了である状態でのディスプレイ表示の一例を示す。
【0109】
本通知形態における通知は、光源装置13から発せられる光の種類が異なる複数のモード間の切り替えの可否に関する通知を含む。
【0110】
すなわち本例では、ユーザの選択に応じて、観察モードが複数のモード(観察モード1~5)間で切り替え可能である。これらの複数のモード間において、光源装置13から発せられる光(すなわち観察対象に照射される光)の種類が異なっており、特に2つ以上のモード間において、実際に発光を行う光源(すなわち観察対象に照射される光を発する光源)が異なる。
【0111】
タッチパネルディスプレイ43aには、それぞれのモードの選択のためのソフトウェアキー(図8及び図9の「観察モード1」等の表記参照)とは別に、それぞれのモードに対応する複数の通知画像Ib(アイコン)が表示される。そして、タッチパネルディスプレイ43aにおける各モードに対応する通知画像Ibの通知形態が、対応の光源装置13(特に光源31、32)の準備が未完了な状態の場合及び完了している状態の場合で変えられる。
【0112】
すなわち各モードに関し、対応光源の準備が整っていない間(すなわち準備未完了状態の間)、タッチパネルディスプレイ43aにおいて対応の通知画像Ibがグレーアウト表示される(図8参照)。一方、各モードに関し、対応光源の準備が整っている間(すなわち準備完了状態の間)は、タッチパネルディスプレイ43aにおいて対応の通知画像Ibが通常表示(非グレーアウト表示)される(図9参照)。
【0113】
ユーザは、タッチパネルディスプレイ43aに表示される通知画像Ibを確認することによって、切り替え可能なモード(すなわち使用可能なモード)及び切り替え不可能なモード(すなわち使用不可能なモード)を適切に認識できる。このように切り替え可能なモード及び切り替え不可能なモードの両者を、互いに異なる通知形態でタッチパネルディスプレイ43aに表示することで、ユーザは、各モードがアクティブ状態及び非アクティブ状態のいずれにあるのかを簡単且つ明確に把握できる。
【0114】
なお、対応光源の準備が整っていないモードの通知画像Ibは、図8及び図9に示す例ではグレーアウト表示されるが、他の任意の形態でタッチパネルディスプレイ43aに表示されてもよいし、タッチパネルディスプレイ43aに表示されなくてもよい。
【0115】
[第3通知形態例]
図10及び図11は、ユーザインターフェース43における第3通知形態例を説明する図である。図10は、観察モード1~4に関する光源装置13の準備が完了している一方で、観察モード5に関する光源装置13の準備が未完了である状態でのディスプレイ表示の一例を示す。図11は、観察モード1~5のすべてに関し、光源装置13の準備が完了している状態でのディスプレイ表示の一例を示す。
【0116】
本通知形態における通知は、タッチパネルディスプレイ43aに表示されるソフトウェアキーのアクティブ化又は非アクティブ化によって行われる通知を含む。
【0117】
本例においても、上述の第2通知形態例と同様に、ユーザの選択に応じて、観察モードが複数のモード(観察モード1~5)間で切り替え可能であり、複数のモード間において光源装置13から発せられる光の種類が異なる。
【0118】
ただし本例は、タッチパネルディスプレイ43aにおいて、各モードに関するソフトウェアキーSk及び通知画像Ibが一体的に表示される点で、各モードに関するソフトウェアキーSk及び通知画像Ibが別々に表示される第2通知形態例とは異なる。
【0119】
すなわち、それぞれのモード(観察モード1~5)に関して選択のためのソフトウェアキーSkが表示されるが、通知画像Ibは、非アクティブ状態のソフトウェアキーSkとアクティブ状態のソフトウェアキーSkとの間で表示画像を変えることで表示される。本例では、アクティブ状態のソフトウェアキーSkを通常表示しつつ(図11参照)、非アクティブ状態のソフトウェアキーSkをグレーアウト表示することで(図10参照)、通知画像Ibのタッチパネルディスプレイ43a上における表示が実現される。
【0120】
なお対応光源の準備が整っていないモードの通知画像Ibは、グレーアウト以外の形態でタッチパネルディスプレイ43aに表示されてもよい。また一例として、非アクティブ状態のソフトウェアキーSkをタッチパネルディスプレイ43aに表示せず、アクティブ状態のソフトウェアキーSkのみをタッチパネルディスプレイ43aに表示することで、通知画像Ibの表示が実現されてもよい。ただし、対応光源の準備が整っていないモード及び準備が整っているモードの両者を、互いに異なる通知形態で表示することで、ユーザは、各モードがアクティブ状態及び非アクティブ状態のいずれにあるのかを簡単且つ明確に把握できる。
【0121】
本通知形態例のように、モード選択のためのソフトウェアキーSkと通知画像Ibとを一体的に表示することによって、タッチパネルディスプレイ43aの表示領域を効率的に使用できる。またユーザは、各モードがアクティブ状態及び非アクティブ状態のいずれにあるのかを直感的に把握できる。
【0122】
[第4通知形態例]
図12図14は、ユーザインターフェース43における第4通知形態例を説明する図である。図12は、ユーザによってあるソフトウェアキーSkが選択される直前のディスプレイ表示の一例を示す。図13は、ユーザによってあるソフトウェアキーSkが選択された直後のディスプレイ表示の一例を示す。図14は、ユーザによってあるソフトウェアキーSkが選択された直後のディスプレイ表示の他の例を示す。
【0123】
本通知形態における通知は、タッチパネルディスプレイ43aに表示されるソフトウェアキーSkを選択することによってタッチパネルディスプレイ43aに表示される通知を含む。
【0124】
すなわちユーザが、所望のソフトウェアキーSkを選択した際(図12参照)、選択されたソフトウェアキーSkに関連付けられるモードの対応光源の温度が許容温度範囲にあり準備が整っている状態であれば、通知画像Ibが表示されない。この場合、タッチパネルディスプレイ43aには、選択されたソフトウェアキーSkに関連付けられるモードを実行するための通常のディスプレイ表示がなされる。
【0125】
一方、選択されたソフトウェアキーSkに関連付けられるモードの対応光源の温度が許容温度範囲から外れており準備が整っていない状態の場合、図13及び図14に示すようにタッチパネルディスプレイ43aに通知画像Ibがポップアップ表示される。
【0126】
このようにして表示される通知画像Ibは、選択されたソフトウェアキーSkに関連付けられるモードの対応光源の準備が整っていないことをユーザに伝えることができるものであれば、限定されない。例えば、通知画像Ibは、図13に示すように選択されたモードが準備中である旨のみを直接的に伝えるものであってもよいし、図14に示すようにより具体的な理由を併せて伝えるものであってもよい。
【0127】
ユーザが、通知画像Ibのポップアップ表示を消すモードを選択するようにタッチパネルディスプレイ43aの対応箇所をタッチすることで、通知画像Ibはタッチパネルディスプレイ43aから消される。この場合、タッチパネルディスプレイ43aの表示は、ソフトウェアキーSkの選択がキャンセルされた状態(すなわちソフトウェアキーSkの選択前の状態)に戻る。なお、選択されたソフトウェアキーSkに関連付けられるモードの対応光源の温度が許容温度範囲から外れている間は、ユーザによるタッチ操作に応じて通知画像Ibが繰り返しポップアップ表示される。
【0128】
[第5通知形態例]
図15図18は、ユーザインターフェース43における第5通知形態例を説明する図である。図15及び図16は、第1通知形態例(図5及び図7参照)に音声通知が組み合わせるケースの一例を示す。図17及び図18は、第3通知形態例(図10及び図11参照)に音声通知が組み合わせるケースの一例を示す。
【0129】
本通知形態における通知は、音による通知を含む。この音による通知は、ユーザよる操作とは無関係に発せられてもよいし、ユーザによる操作に応じて発せられてもよい。
【0130】
例えば図15及び図16に示す例のように、ユーザよる操作とは無関係に、光源装置13(すなわち光源31、32)の準備状態が、音情報としてユーザインターフェース43のスピーカー43bから発せられてもよい。すなわち光源装置13の温度が許容温度範囲から外れている場合には、準備中である旨がスピーカー43bから音声によって発せられてもよい(図15参照)。一方、光源装置13の温度が許容温度範囲に達して光源装置13の作動準備が整った場合には、準備が完了した旨がスピーカー43bから音声によって発せられてもよい(図16参照)。
【0131】
一方、図17に示すように、ユーザが切り替え不可能なモード(すなわち使用不可能なモード)の選択操作を行った場合、選択されたモードには切り替えできない旨がスピーカー43bから音声によって発せられてもよい。一方、図18に示すように、ユーザが切り替え可能なモード(すなわち使用可能なモード)の選択操作を行った場合、選択されたモードに切り替えられる旨がスピーカー43bから音声によって発せられてもよい。
【0132】
[通知形態の変形例]
上述の第1~第5通知形態例は単なる例に過ぎず、他の通知形態が採用されてもよい。
【0133】
例えば、通知画像Ibは、点滅表示されてもよいし、色が変更されながら表示されてもよいし、静止画として表示されてもよいし、動画(アニメーション画像)として表示されてもよい。点滅表示、色変更表示及び/又は動画表示される通知画像Ibは、目立ちやすいため、表示サイズが小さくても、ユーザによって認知されやすい。
【0134】
また通知画像Ibは、ユーザによって選択不可能な単なる表示画像として表示されてもよいし、ユーザによって選択可能なソフトウェアキーを構成する画像として表示されてもよい。制御部40は、タッチパネルディスプレイ43aのうち通知画像Ibに対応する領域がユーザによってタッチされた場合、通知画像Ibに関する情報をタッチパネルディスプレイ43aに表示させてもよい。
【0135】
またスピーカー43bから発せられる音情報は、言語的意味を持たない音(例えばメロディー音や警告音)であってもよい。例えば、切り替え不可能(使用不可能)なモードがユーザによって選択された場合に、スピーカー43bから単なる警告音が発せられたとしても、ユーザは、当該モードへの切り替えが不可能であることを認識することが可能である。
【0136】
また通知部14、43を介した通知は、表示情報を含まず、音情報のみを含んでいてもよい。
【0137】
なお、上述の通知形態例は、制御装置12のユーザインターフェース43において行われる通知の例であるが、表示装置14に対しても適用可能である。特に、表示装置14のディスプレイ14aをタッチパネルディスプレイによって構成することで、ディスプレイ14aにおいても上述の通知形態例(図5図18参照)と同様の表示情報の通知が可能である。
【0138】
[制御方法]
図19は、医療観察システム10におけるモード切り替えフローの一例を示す図である。なお図19に示す処理ステップS1~S8は、制御装置12(特に制御部40)の制御下で適宜行われる。
【0139】
本例では、医療観察システム10が起動されている状態で、光源温度情報D1が温度検出部33(図2参照)によって取得され(図9のS1)、光源温度情報D1に基づいて光源31、32の温度が許容温度範囲内か否かが判定される(S2)。上述のように、光源31、32の温度が許容温度範囲内か否かの判定は、制御装置12(特に制御部40)により行われてもよいし、光源装置13(特に温度検出部33)により行われてもよい。
【0140】
光源31、32の温度が許容温度範囲から外れていると判定される場合(S2のN)、通知部14、43において、光源温度が許容温度範囲外にあることの通知が行われる(S3)。そして、ユーザによる観察モードの切り替え操作が制御装置12(例えばタッチパネルディスプレイ43a)に対してなされたか否かが、制御部40によって判定される(S4)。観察モードの切り替え操作がなされた場合(S4のY)、通知部14、43において警告通知が行われ(S5)、モード切替処理は上述のステップS1に戻る。一方、観察モードの切り替え操作がなされなかった場合(S4のN)、通知部14、43における警告通知が行われることなく、モード切替処理は上述のステップS1に戻る。
【0141】
一方、光源31、32の温度が許容温度範囲内にあると判定される場合(S2のY)、通知部14、43において、光源温度が許容温度範囲内にあることの通知が行われる(S6)。そして、ユーザによる観察モードの切り替え操作が制御装置12に対してなされたか否かが制御部40によって判定される(S7)。観察モードの切り替え操作がなされた場合(S7のY)、制御部40は、ユーザによって選択されたモードに関する各種制御を行い、観察モードの切り替えを行う(S8)。一方、観察モードの切り替え操作がなされなかった場合(S7のN)、観察モードの切り替えが行われることなく、モード切替処理は上述のステップS1に戻る。光源温度は、状況に応じて時間とともに変わりうるため、一旦許容温度範囲内の温度になっても、その後に許容温度範囲外の温度になることがある。本例では、上述のように、光源温度が許容温度範囲内にあると一旦判定された後であっても観察モードの切り替え操作がなされない場合には(S7のN)、光源温度情報の取得(S1)及び光源温度が許容温度範囲内か否かの判定(S2)が再び行われる。これにより、より確実に、所望の観察モードが適切な光源温度下で遂行される。
【0142】
以上説明したように上述の実施形態によれば、光源装置13の温度に基づく通知が行われるため、ユーザは、手術、検査、研究或いは他の医療行為を円滑且つ正確に行うことが可能である。例えば、ユーザは、光源装置13が使用可能な状態にあるか否かを正確に把握でき、光源装置13において適切な温度条件下で発せられた光が観察対象に照射される状態で、当該観察対象の観察を行うことができる。
【0143】
またユーザが切り替え不可能(使用不可能)なモードを選択した場合に、切り替え不可能である旨や切り替え不可能な理由を含む通知が行われることで、ユーザは、選択したモードへの切り替えができないことを適切且つ簡単に理解することが可能である。このように光源温度情報D1に基づいて状況に応じた通知が行われることで、所望のモードへの切り替えが不可能な間のユーザの不満を軽減しつつ、光源装置13の準備完了後における所望モードへの素早い切り替えをユーザに促すことができる。
【0144】
[変形例]
上述の実施形態では、硬性鏡18(図1参照)に対して光源装置13が接続されるが、他の任意の光出射デバイスに対して光源装置13が接続されてもよい。
【0145】
図20は、光源装置13にリングライト60(生物組織の観察のためのオープンフィールド照明装置)が接続される術野照明観察装置として構成される医療観察システム10の一例を示す概念図である。
【0146】
図20に示す例において、光源装置13及び撮像装置11はリングライト60に接続される。光源装置13によって発せられる光はライトガイド16を介してリングライト60に送られ、リングライト60から観察対象Sに向けて出射する。リングライト60は、観察対象Sの外側において光を放つように使用される点で、観察対象Sの内部で光を放って当該光を観察対象Sに照射することが意図されている上述の硬性鏡18(図1参照)とは異なる。
【0147】
上述の各実施形態において、硬性鏡18の代わりに、本例のリングライト60を光源装置13及び撮像装置11に接続し、観察対象Sの撮影画像の取得及び当該撮影画像に基づく出力画像の取得が行われてもよい。この場合、観察対象Sからの観察光がリングライト60を通って撮像装置11に入射し、撮像装置11によって観察対象Sの撮影画像が取得される。そして制御装置12により、このようにして取得された撮影画像に基づき出力画像が生成され、当該出力画像が表示装置14に表示される。
【0148】
なお光源装置13に接続されて光を出射する光出射デバイスは、撮像装置11に接続されていなくてもよく、撮像装置11(特に撮像部52)とは別体に設けられていてもよい。
【0149】
図21は、顕微鏡システムとして構成される医療観察システム10の一例を示す図である。図21に示す医療観察システム10は、観察対象の視野領域を拡大して撮像し、撮像画像に基づいて生成される出力画像を表示する機能を有する手術用顕微鏡システムである。
【0150】
本例の医療観察システム10(手術用顕微鏡システム)は、観察対象の撮像を行う顕微鏡装置70と、顕微鏡装置70が撮像した画像が表示される表示装置14とを備える。図21に示す表示装置14は、顕微鏡装置70と別体に設けられるが、顕微鏡装置70と一体に設けられてもよい。
【0151】
顕微鏡装置70は、観察対象の微小部位を拡大して撮像する顕微鏡部74と、顕微鏡部74を回動可能に支持するアームを有する支持部73と、支持部73を回動可能に支持し、床面上を移動可能なベース部71と、を有する。ベース部71は、医療観察システム10の動作を制御する制御装置12を有する。制御装置12は伝送ケーブル72を介して顕微鏡部74に接続される。ベース部71は、天井や壁面等に固定される構成を有していてもよい。
【0152】
顕微鏡部74は、上述の撮像装置11(図1及び図20参照;図21では図示省略)と、顕微鏡装置70の動作指示の入力を受け付けるスイッチなどの操作部(図示省略)と、内部を保護するためのカバーガラス(図示省略)とを有する。ユーザは、顕微鏡部74の操作部を操作しつつ、顕微鏡部74を移動させることが可能である。
【0153】
本例では、観察対象の撮影画像が顕微鏡部74によって取得される。そして上述の各実施形態と同様に、制御装置12が撮影画像から出力画像を生成し、当該出力画像が表示装置14に表示される。
【0154】
本例の顕微鏡部74において、光源装置(図示省略)に接続されて光源装置からの光を出射する光出射デバイス(図示省略)は、顕微鏡部74(撮像部)と一体的に設けられてもよいし、顕微鏡部74とは別体として設けられてもよい。光出射デバイスは、一例として、ベース部71に設けられてもよいし、支持部73に設けられてもよいし、顕微鏡装置70とは別体として設けられてもよい。
【0155】
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が全体的に又は部分的に組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果がもたらされてもよい。
【0156】
上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の装置を製造する方法或いは使用する方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。
【0157】
[付記]
本開示は以下の構成をとることもできる。
【0158】
[項目1]
生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、
を備える制御装置。
【0159】
[項目2]
前記通知は、前記光源装置の状態に関する通知を含む項目1に記載の制御装置。
【0160】
[項目3]
前記通知は、前記光源装置の使用準備状態に関する通知を含む項目1又は2に記載の制御装置。
【0161】
[項目4]
前記通知は、前記光源装置を用いる機能の使用の可否に関する通知を含む項目1~3のいずれかに記載の制御装置。
【0162】
[項目5]
前記通知は、前記光源装置から発せられる前記光の種類が異なる複数のモード間の切り替えの可否に関する通知を含む項目1~4のいずれかに記載の制御装置。
【0163】
[項目6]
前記通知は、前記光源装置の使用の可否に関する通知を含む項目1~5のいずれかに記載の制御装置。
【0164】
[項目7]
前記通知は、ディスプレイにおける表示による通知を含む項目1~6のいずれかに記載の制御装置。
【0165】
[項目8]
前記ディスプレイにおける表示による通知は、前記ディスプレイに表示されるソフトウェアキーのアクティブ化又は非アクティブ化によって行われる通知を含む項目7に記載の制御装置。
【0166】
[項目9]
前記ディスプレイにおける表示による通知は、前記ディスプレイに表示されるソフトウェアキーを選択することによって前記ディスプレイに表示される通知を含む項目7又は8に記載の制御装置。
【0167】
[項目10]
前記ディスプレイは、タッチパネルディスプレイである項目7~9のいずれかに記載の制御装置。
【0168】
[項目11]
前記通知は、音による通知を含む項目1~10のいずれかに記載の制御装置。
【0169】
[項目12]
前記通知を行う通知部を備える項目1~11のいずれかに記載の制御装置。
【0170】
[項目13]
前記通知を行う通知部とは別体として設けられる項目1~11のいずれかに記載の制御装置。
【0171】
[項目14]
前記光源温度情報は、前記光源装置の温度の情報を含む項目1~13のいずれかに記載の制御装置。
【0172】
[項目15]
前記光源温度情報は、前記光源装置の温度が許容温度範囲にあるか否かの情報を含む項目1~14のいずれかに記載の制御装置。
【0173】
[項目16]
前記制御部は、前記光源温度情報の基準データに、前記温度情報取得部が取得した前記光源温度情報を照らし合わせることによって評価される前記光源装置の状態に基づいて、前記通知を制御する項目1~15のいずれかに記載の制御装置。
【0174】
[項目17]
前記制御部は、前記光源装置の温度を調整する温度調整部を制御する項目1~16のいずれかに記載の制御装置。
【0175】
[項目18]
前記制御部は、前記光源装置が有する複数の光源の各々の温度を個別に調整するように、前記温度調整部を制御する項目17に記載の制御装置。
【0176】
[項目19]
前記制御部は、前記光源装置が有する複数の光源の温度をまとめて調整するように、前記温度調整部を制御する項目17に記載の制御装置。
【0177】
[項目20]
前記光源装置から発せられる前記光は、可視光を含む項目1~19のいずれかに記載の制御装置。
【0178】
[項目21]
前記光源装置から発せられる前記光は、特定の蛍光物質を励起する励起光を含む項目1~20のいずれかに記載の制御装置。
【0179】
[項目22]
生物組織に照射される光を発する光源装置と、
制御装置と、を備え、
制御装置は、
前記光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得する温度情報取得部と、
前記光源温度情報に基づいて通知を制御する制御部と、
有する、
観察システム。
【0180】
[項目23]
前記生物組織の画像を取得する撮像装置と、
前記画像を表示する表示装置と、を備える項目22に記載の観察システム。
【0181】
[項目24]
生物組織に照射される光を発する光源装置の温度に関する情報である光源温度情報を取得するステップと、
前記光源温度情報に基づいて通知を制御するステップと、
を含む制御方法。
【符号の説明】
【0182】
10 医療観察システム、11 撮像装置、12 制御装置、13 光源装置、14 表示装置、14a ディスプレイ、14b スピーカー、15 信号伝送ケーブル、16 ライトガイド、16a 第1ライトガイド端部、16b 第2ライトガイド端部、18 硬性鏡、20 挿入部、21 挿入先端部、22 光接続部、23 撮像接続部、31 第1光源、32 第2光源、33 温度検出部、34 温度調整部、40 制御部、41 温度情報取得部、42 画像処理部、43 ユーザインターフェース、43a タッチパネルディスプレイ、43b スピーカー、44 記憶部、60 リングライト、70 顕微鏡装置、71 ベース部、72 伝送ケーブル、73 支持部、74 顕微鏡部、D1 光源温度情報、D2 撮影画像データ、D3 出力画像データ、Ia 撮影画像、Ib 通知画像、S 観察対象、Sk ソフトウェアキー
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