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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139396
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】空気処理モジュール及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/22 20210101AFI20241002BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20241002BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20241002BHJP
   A61L 9/18 20060101ALI20241002BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241002BHJP
【FI】
F24F8/22
F21V33/00 470
A61L9/00 C
A61L9/18
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050309
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 祥平
(72)【発明者】
【氏名】原 拓也
【テーマコード(参考)】
3K014
4C180
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB03
4C180AA02
4C180AA07
4C180CC03
4C180DD03
4C180DD04
4C180EA16X
4C180EA22X
4C180EA54X
4C180HH05
4C180HH15
4C180HH19
4C180MM06
(57)【要約】
【課題】壁面に設置された状態において光を照射する照明器具に対して連結可能な空気処理モジュールを提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、空気処理モジュールは、処理ボックス、ファン、光触媒フィルタ及び接続フレームを備える。処理ボックスの内部の処理空間は、導入口及び排出口のそれぞれにおいて外部に開口し、ファンの駆動によって、処理空間において導入口から排出口へ向かう空気の流れを形成する。処理空間に配置される光触媒フィルタは、光の照射によって空気処理を行う。接続フレームは、光を照射可能な照明器具に接続されることにより、カバー部材を通して照明器具から照射された光が導入口又は排出口を通して処理空間に入射する状態に、処理ボックスを照明器具に連結する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に処理空間が形成され、導入口及び排出口のそれぞれにおいて前記処理空間が外部に開口する処理ボックスと;
前記処理ボックスに設置され、駆動されることにより、前記処理空間において前記導入口から前記排出口へ向かう空気の流れを形成するファンと;
前記処理空間に配置され、光が照射されることにより、空気処理を行う光触媒フィルタと;
カバー部材を通して光を照射可能な照明器具に接続可能であり、前記照明器具へ接続されることにより、前記カバー部材を通して前記照明器具から照射された前記光が前記導入口又は前記排出口を通して前記処理空間に入射する状態に、前記処理ボックスを前記照明器具に連結する接続フレームと;
を具備する、空気処理モジュール。
【請求項2】
前記処理ボックスは、光が通過可能な光通過部をさらに備え、
前記接続フレームが前記照明器具に接続された状態では、前記カバー部材を通ることなく前記照明器具から出射した光が、前記処理ボックスの前記光通過部を通して前記処理空間に入射可能である、
請求項1の空気処理モジュール。
【請求項3】
前記処理ボックスは、光を反射する反射部材をさらに備え、
前記反射部材は、前記処理空間において、前記カバー部材を通して照射された前記光が入射する前記導入口又は前記排出口と前記光触媒フィルタとの間に配置される、
請求項1又は2の空気処理モジュール。
【請求項4】
前記接続フレームが前記照明器具に接続された状態では、前記処理ボックスの前記処理空間に、波長が405nmの可視光を含む光が、前記照明器具の前記カバー部材から前記導入口又は前記排出口を通して入射する、請求項1又は2の空気処理モジュール。
【請求項5】
カバー部材を備え、カバー部材を通して光を照射可能な照明器具と;
前記照明器具に連結可能な空気処理モジュールであって、
内部に処理空間が形成され、導入口及び排出口のそれぞれにおいて前記処理空間が外部に開口する処理ボックスと;
前記処理ボックスに設置され、駆動されることにより、前記処理空間において前記導入口から前記排出口へ向かう空気の流れを形成するファンと;
前記処理空間に配置され、光が照射されることにより、空気処理を行う光触媒フィルタと;
を備え、前記カバー部材を通して前記照明器具から照射された前記光が前記導入口又は前記排出口を通して前記処理空間に入射する状態に、前記照明器具に連結される空気処理モジュールと;
を具備する、照明装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気処理モジュール及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外光等の光及び光触媒を用いて空気の脱臭及び除菌等の空気処理を行う空気処理モジュールが、知られている。このような空気処理モジュールでは、処理ボックスの内部の処理空間へ、外部から空気を導入する。そして、処理空間において光触媒を含む光触媒フィルタに光を照射することにより、光触媒を活性化させ、光触媒の活性化によって生成された生成物を用いて、導入された空気の空気処理を行う。そして、空気処理が行われた空気は、処理空間の外部へ排出される。空気処理モジュールでは、ファンの駆動によって空気の流れを形成することにより、処理空間へ空気が導入され、空気処理が行われた空気が処理空間から排出される。
【0003】
前述のような空気処理モジュールは、天井面等の壁面に設置して使用されることがある。この場合、壁面へ空気処理モジュールを設置する作業での作業効率を向上させる観点等から、壁面に設置して使用する照明器具に空気処理モジュールを連結可能にすることが、求められている。すなわち、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具に対して、空気処理モジュールを連結可能にすることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7101729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具に対して連結可能な空気処理モジュール、及び、その空気処理モジュールを備える照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、空気処理モジュールは、処理ボックス、ファン、光触媒フィルタ及び接続フレームを備える。処理ボックスの内部には、処理空間が形成され、処理空間は、導入口及び排出口のそれぞれにおいて外部に開口する。ファンは、処理ボックスに設置され、駆動されることにより、処理空間において導入口から排出口へ向かう空気の流れを形成する。光触媒フィルタは、処理空間に配置され、光が照射されることにより、空気処理を行う。接続フレームは、カバー部材を通して光を照射可能な照明器具に接続可能であり、照明器具へ接続されることにより、カバー部材を通して照明器具から照射された光が導入口又は排出口を通して処理空間に入射する状態に、処理ボックスを照明器具に連結する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具に対して連結可能な空気処理モジュール、及び、その空気処理モジュールを備える照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る照明装置を、幅方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
図2図2は、第1の変形例に係る照明装置を、幅方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
図3図3は、第2の変形例に係る照明装置を、幅方向に直交又は略直交する断面で示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の空気処理モジュール(3)は、処理ボックス(20)、ファン(41)、光触媒フィルタ(43)及び接続フレーム(36)を備える。処理ボックス(20)の内部には、処理空間(21)が形成され、処理空間(21)は、導入口(31;32)及び排出口(32;31)のそれぞれにおいて外部に開口する。ファン(41)は、処理ボックス(20)に設置され、駆動されることにより、処理空間(21)において導入口(31;32)から排出口(32;31)へ向かう空気の流れを形成する。光触媒フィルタ(43)は、処理空間(21)に配置され、光が照射されることにより、空気処理を行う。接続フレーム(36)は、カバー部材(12)を通して光を照射可能な照明器具(2)に接続可能であり、照明器具(2)へ接続されることにより、カバー部材(12)を通して照明器具(2)から照射された光が導入口(31)又は排出口(31)を通して処理空間(21)に入射する状態に、処理ボックス(20)を照明器具(2)に連結する。これにより、空気処理モジュール(3)は、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具(2)に対して連結可能となる。また、光触媒フィルタ(43)に光を照射する光源等を、照明器具(2)とは別に空気処理モジュール(3)に設ける必要がなくなる。
【0010】
実施形態の空気処理モジュール(3)では、処理ボックス(20)は、光が通過可能な光通過部(55)をさらに備える。接続フレーム(36)が照明器具(2)に接続された状態では、カバー部材(12)を通ることなく照明器具(2)から出射した光が、処理ボックス(20)の光通過部(55)を通して処理空間(21)に入射可能である。これにより、照明器具(2)から空気処理モジュール(3)の処理空間(21)へ入射する光の量が増大し、処理空間(21)において、光触媒フィルタ(43)にさらに効率的に光が照射される。
【0011】
実施形態の空気処理モジュール(3)では、処理ボックス(20)は、光を反射する反射部材(47)をさらに備える。反射部材(47)は、処理空間(21)において、カバー部材(12)を通して照射された光が入射する導入口(31)又は排出口(31)と光触媒フィルタ(43)との間に、配置される。これにより、導入口(31)又は排出口(31)を通して入射した光が、光触媒フィルタ(43)に入射し易くなり、光触媒フィルタ(43)に効率的に光が照射される。
【0012】
実施形態の空気処理モジュール(3)では、接続フレーム(36)が照明器具(2)に接続された状態において、処理ボックス(20)の処理空間(21)に、波長が405nmの可視光を含む光が、照明器具(2)のカバー部材(12)から導入口(31)又は排出口(31)を通して入射する。これにより、光を光触媒フィルタ(43)に照射することよる空気の脱臭及び除菌等の空気処理に加えて、光を空気に照射することによる除菌等の空気処理も、適切に行われる。
【0013】
実施形態の照明装置(1)は、照明器具(2)及び空気処理モジュール(3)を備える。照明器具(2)は、カバー部材(12)を備え、カバー部材(12)を通して光を照射可能である。空気処理モジュール(3)は、照明器具(2)に連結可能であり、処理ボックス(20)、ファン(41)及び光触媒フィルタ(43)を備える。処理ボックス(20)の内部には、処理空間(21)が形成され、処理空間(21)は、導入口(31;32)及び排出口(32;31)のそれぞれにおいて外部に開口する。ファン(41)は、処理ボックス(20)に設置され、駆動されることにより、処理空間(21)において導入口(31;32)から排出口(32;31)へ向かう空気の流れを形成する。光触媒フィルタ(43)は、処理空間(21)に配置され、光が照射されることにより、空気処理を行う。空気処理モジュール(3)は、カバー部材(12)を通して照明器具(2)から照射された光が導入口(31)又は排出口(31)を通して処理空間(21)に入射する状態に、照明器具(2)に連結される。これにより、空気処理モジュール(3)は、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具(2)に対して連結可能となる。また、光触媒フィルタ(43)に光を照射する光源等を、照明器具(2)とは別に空気処理モジュール(3)に設ける必要がなくなる。
【0014】
以下、実施形態について図面を参照にして説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る照明装置1を示す。図1に示すように、照明装置1は、照明器具2及び空気処理モジュール3を備え、照明器具2は、設置筐体5及び照明モジュール6を備える。照明装置1、照明器具2及び設置筐体5及び照明モジュール6では、奥行方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、奥行方向に対して交差する幅方向(図1において紙面に対して直交又は略直交する方向)、及び、奥行方向及び幅方向の両方に対して交差する高さ方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)が、規定される。奥行方向はX方向とも称され、幅方向はY方向とも称され、高さ方向はZ方向とも称される。
【0016】
ここで、図1は、幅方向に対して直交又は略直交する断面を概略的に示す。また、照明装置1及び照明器具2等では、高さ方向の一方側が、上側(矢印Z1側)に相当し、高さ方向について上側とは反対側が、下側(矢印Z2側)に相当する。また、図1の一例では、照明装置1、照明器具2及び設置筐体5及び照明モジュール6のそれぞれにおいて、奥行方向に沿った寸法は、幅方向に沿った寸法及び高さ方向に沿った寸法のそれぞれに比べて大きい。そして、照明装置1、照明器具2及び設置筐体5及び照明モジュール6のそれぞれは、奥行方向に沿った寸法が大きい長尺形状となる。このため、奥行方向は、長手方向とも称する。
【0017】
設置筐体5は、天井面や側壁面等の壁面(図示しない)に、設置される。設置筐体5が天井面に設置される場合、照明装置1、照明器具2及び照明モジュール6等の高さ方向は、鉛直方向と一致又は略一致する。そして、照明装置1等における下側は、鉛直下側と一致又は略一致し、照明装置1等における上側は、鉛直上側と一致又は略一致する。
【0018】
照明装置1及び照明器具2では、照明モジュール6は、設置筐体5に高さ方向の下側から取付けられる。ある一例では、照明モジュール6にトーションバネ(図示しない)が設けられ、設置筐体5にバネ受け(図示しない)が取付けられる。そして、トーションバネがバネ受けと係合することにより、照明モジュール6が、設置筐体5に取付けられる。照明モジュール6は、設置筐体5に取付けられることにより、設置筐体5を間に介して、壁面に設置される。
【0019】
照明モジュール6は、ベース板11及びカバー部材12を備える。照明モジュール6では、カバー部材12は、高さ方向の下側から、ベース板11に取付けられる。照明モジュール6では、ベース板11及びカバー部材12によって囲まれる内部空間13が形成され、内部空間13に、光源部15が配置される。図1の一例では、光源部15は、ベース板11の内表面に取付けられる。
【0020】
光源部15は、光を発光する発光素子16を備え、図1の一例では、光源部15に複数の発光素子16が設けられる。発光素子16は、LEDであってもよく、LED以外の発光素子であってもよい。照明モジュール6は、例えば、奥行方向(長手方向)に沿った寸法が大きいベースライト型の照明モジュールであり、ある一例では、照明モジュール6は、発光素子16としてLEDを複数備えるLEDバーである。
【0021】
ベース板11は、可視光及び紫外光等の光を透過させない、又は、ほとんど透過させない。また、カバー部材12は、可視光等の光を透過可能な材料から形成され、例えば、ガラスから形成される。このため、照明モジュール6では、光源部15の発光素子16からの光は、カバー部材12を通して照射され、高さ方向の下側へ向かって照射される。前述のようにして、照明モジュール6は、壁面に設置された状態において、壁面等によって規定される環境空間へ、可視光等の光を照射する。
【0022】
ある一例では、光源部15の発光素子16は、可視光を発光し、光源部15から照射された可視光は、カバー部材12を透過する。そして、カバー部材12を透過した可視光が、環境空間に照射される。別のある一例では、光源部15の発光素子16は、紫外光を発光し、カバー部材12の表面に、蛍光体が塗布される。この場合、光源部15からの紫外光によって蛍光体が励起され、蛍光体による波長変換によって、光源部15からの紫外光は可視光に変換される。そして、蛍光体の励起によって変換された可視光が、カバー部材12を通して環境空間に照射される。なお、カバー部材12から環境空間等へ照射される光は、波長が405nmの可視光を含むことが、好ましい。
【0023】
また、照明器具2は、光源部15の発光素子16の電源となる電源ユニット17を備える。電源ユニット17は、発光素子16に対応した電力に電力変換を行う変換回路、及び、発光素子16への電力の供給を制御する制御回路等を備える。照明器具2では、電源ユニット17は、照明モジュール6に設置されてもよく、設置筐体5に設置されてもよい。
【0024】
図1の一例等のように電源ユニット17が設置筐体5に設置される場合、照明モジュール6を設置筐体5から取外すことにより、電源ユニット17と照明モジュール6の発光素子16との間が、電気的に接続されない状態になる。そして、照明モジュール6を設置筐体5に取付けることにより、電源ユニット17と発光素子16との間が電気的に接続され、電源ユニット17から発光素子16に電力を供給可能となる。また、電源ユニット17が照明モジュール6に設置される場合、照明モジュール6を設置筐体5から取外すことにより、電源ユニット17も設置筐体5から取外される。
【0025】
空気処理モジュール3では、奥行方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)、奥行方向に対して交差する幅方向(図1において紙面に対して直交又は略直交する方向)、及び、奥行方向及び幅方向の両方に対して交差する高さ方向(矢印Z3及び矢印Z4で示す方向)が、規定される。空気処理モジュール3では、高さ方向の一方側が、上側(矢印Z3側)に相当し、高さ方向について上側とは反対側が、下側(矢印Z4側)に相当する。また、空気処理モジュール3では、奥行方向は前後方向とも称される。そして、空気処理モジュール3では、奥行方向の一方側が前方側(矢印X3側)に相当し、奥行き方向について前方側とは反対側が、後方側(矢印X4側)に相当する。
【0026】
空気処理モジュール3は、照明器具2に連結可能であり、本実施形態では、空気処理モジュール3は、照明モジュール6に連結可能である。空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態では、空気処理モジュール3の奥行方向(前後方向)が、照明モジュール6(照明器具2及び照明装置1)の奥行方向と一致又は略一致し、空気処理モジュール3の幅方向が、照明モジュール6の幅方向と一致又は略一致し、空気処理モジュール3の高さ方向が、照明モジュール6の高さ方向と一致する。また、空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態では、空気処理モジュール3の上側が、照明モジュール6(照明器具2及び照明装置1)の上側と一致又は略一致し、空気処理モジュール3の下側が、照明モジュール6の下側と一致又は略一致する。
【0027】
空気処理モジュール3は、処理ボックス20を備える。空気処理モジュール3では、処理ボックス20の内部に、処理空間21が形成される。図1の一例では、処理ボックス20は、前壁22、後壁23、天壁25、底壁26及び一対の側壁27を備える。前壁22は、奥行き方向の前方側から処理空間21を覆い、後壁23は、奥行き方向の後方側から処理空間21を覆う。このため、後壁23は、処理空間21を間に挟んで前壁22と対向する。
【0028】
天壁25及び底壁26のそれぞれは、前壁22から後壁23まで奥行方向に沿って延設される。天壁25は、高さ方向の上側から処理空間21を覆い、底壁26は、高さ方向の下側から処理空間21を覆う。このため、底壁26は、処理空間21を間に挟んで天壁25と対向する。また、前壁22及び後壁23のそれぞれは、天壁25から底壁26まで高さ方向に沿って延設される。
【0029】
側壁27のそれぞれは、前壁22から後壁23まで奥行方向に沿って延設され、天壁25から底壁26まで高さ方向に沿って延設される。一対の側壁27は、幅方向について互いに対して反対側から、処理空間21を覆う。このため、一対の側壁27は、処理空間21を間に挟んで互いに対して対向する。本実施形態では、前壁22に開口(第1の開口)31が形成され、後壁23に開口(第2の開口)32が形成される。処理空間21は、開口31,32のそれぞれにおいて、処理ボックス20の外部に対して開口する。処理空間21は、開口31において前方側へ向かって開口し、開口32において後方側へ向かって開口する。
【0030】
また、図1の一例では、処理ボックス20は、ベースフレーム33及びカバー35から形成され、カバー35は、ベースフレーム33に取外し可能に取付けられる。カバー35は、高さ方向の下側から、ベースフレーム33に取付けられる。そして、処理ボックス20において、天壁25は、ベースフレーム33から形成される。また、前壁22、後壁23、底壁26及び一対の側壁27は、カバー35から形成される。このため、開口31,32は、カバー35に形成される。
【0031】
また、本実施形態では、処理ボックス20の天壁25に、接続フレーム36が取付けられる。接続フレーム36は、高さ方向の上側から天壁25の外表面(上面)に当接する状態で、ベースフレーム33の天壁25に取付けられる。また、図1の一例では、接続フレーム36は、処理ボックス20に対して、奥行方向の前方側へ突出する。なお、接続フレーム36は、天壁25と一体に形成されてもよい。
【0032】
図1等の一例では、接続フレーム36が、ネジ38等を介して照明モジュール6のベース板11に接続されることにより、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が、照明モジュール6に連結される。接続フレーム36は、高さ方向の上側からベース板11に当接する状態で、照明モジュール6に接続される。また、照明モジュール6では、奥行方向(長手方向)の一方側の端部で、ベース板11に接続フレーム36が接続される。なお、接続フレーム36を照明モジュール6に接続される構成は、図1等に示す構成に限定されるものではない。
【0033】
前述のように接続フレーム36が照明モジュール6に接続されることにより、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3は、奥行方向(長手方向)の一方側から照明モジュール6に空気処理モジュール3が隣接する状態で、照明モジュール6に連結される。また、照明モジュール6に連結された処理ボックス20では、前壁22は、後壁23に比べて、照明モジュール6に近い位置に配置される。このため、照明モジュール6に連結された処理ボックス20では、奥行方向の前方側が、奥行方向について照明モジュール6が位置する側に相当し、奥行方向について照明モジュール6に近づく側に相当する。そして、奥行方向の後方側が、奥行方向について照明モジュール6が位置する側とは反対側に相当し、奥行方向について照明モジュール6から離れる側に相当する。
【0034】
したがって、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態では、前壁22は、奥行方向の照明モジュール6が位置する側から処理空間21を覆い、後壁23は、奥行方向の照明モジュール6が位置する側とは反対側から処理空間21を覆う。また、空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態では、処理ボックス20の天壁25、すなわち、ベースフレーム33の天壁25は、高さ方向に対して直交又は略直交する状態で延設され、奥行方向及び幅方向のそれぞれに対して平行又は略平行に延設される。
【0035】
また、空気処理モジュール3が照明器具2の照明モジュール6に連結された状態では、空気処理モジュール3は、設置筐体5に対して高さ方向の下側から隣接する。そして、処理ボックス20は、照明モジュール6に対して、高さ方向の下側へ突出する。このため、空気処理モジュール3(処理ボックス20)において高さ方向の下側の端である下端E1、及び、照明モジュール6において高さ方向の下側の端である下端E2を規定すると、空気処理モジュール3の下端E1は、照明モジュール6の下端E2に対して、高さ方向の下側に位置する。
【0036】
なお、空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態では、下端E1が、高さ方向の下側への設置筐体5からの空気処理モジュール3の突出端になり、下端E2が、高さ方向の下側への設置筐体5からの照明モジュール6の突出端になる。また、空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態では、前壁22に形成される開口31の全体が、照明モジュール6の下端E2に対して、高さ方向の下側に位置する。
【0037】
本実施形態では、処理ボックス20の内部の処理空間21に、ファン41、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45が配置される。ファン41、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45は、処理ボックス20の内表面に、直接的に、又は、フレーム等を間に介して、取付けられる。好ましい一例では、ファン41は、ベースフレーム33に取付けられ、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45は、カバー35に取付けられる。この場合、カバー35をベースフレーム33から取外すと、ファン41は、ベースフレーム33に取付けられた状態で維持され、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45は、カバー35と一緒にベースフレーム33から分離される。
【0038】
ファン41を駆動することにより、処理空間21等において空気の流れが発生する。ファン41の駆動によって空気の流れが発生することにより、開口31,32の一方を介して、外部から処理空間21に空気が導入される。そして、開口31,32の他方を介して、処理空間21から外部に空気が排出される。このため、ファン41を駆動することにより、開口31,32の一方が処理空間21への空気の導入口となり、開口31,32の導入口とは別の一方が処理空間21からの空気の排出口となる。そして、ファン41が駆動されることにより、処理空間21において、導入口から排出口へ向かう空気の流れが発生する。
【0039】
なお、ファン41は、必ずしも処理空間21に配置される必要はなく、処理空間21の外部に配置されてもよい。この場合も、ファン41は、処理ボックス20に設置され、ファン41を駆動することにより、処理空間21において、導入口から排出口へ向かう空気の流れが発生する。
【0040】
また、本実施形態の好ましい一例では、図1の一例と同様に、前壁22に形成される開口(第1の開口)31が導入口となり、後壁23に形成される開口(第2の開口)32が排出口となる。そして、ファン41を駆動することにより、開口31を通して空気が処理空間21に導入され(矢印F1)、開口32を通して空気が処理空間21から排出される(矢印F2)。これにより、開口31から開口32へ向かう空気の流れが、処理空間21において発生する。この場合、処理空間21では、奥行方向の前方側から後方側へ向かって、空気の流れが発生する。そして、処理ボックス20が照明器具2の照明モジュール6に連結された状態では、処理空間21において、奥行方向について照明モジュール6が位置する側とは反対側へ向かう空気の流れが、発生する。
【0041】
また、図1等の一例では、処理ボックス20の天壁25に、高さ方向の上側から電源ユニット46が取付けられる。電源ユニット46は、天壁25の上面に設置される。図1等の一例では、電源ユニット46は、接続フレーム36に対して、奥行方向の後方側に配置される。空気処理モジュール3では、ファン41は、電源ユニット46から電力が供給されることにより、駆動される。電源ユニット46は、ファン41に対応した電力に電力変換を行う変換回路、及び、ファン41への電力の供給を制御する制御回路等を備える。なお、ファン41用の電源ユニット46を光源部15の発光素子16の電源となる電源ユニット17とを一体として構成してもよい。
【0042】
図1等の一例では、プレフィルタ45は、導入口となる開口31に内側から対向する状態で、前壁22の内表面に設置される。プレフィルタ45は、開口31の全体を覆う状態で、前壁22の内表面に取付けられる。プレフィルタ45は、例えば、ステンレス等の金属から形成され、プレフィルタ45には、多数の貫通孔が形成される。ファン41を駆動している状態では、導入口となる開口31からプレフィルタ45の貫通孔を通して、空気が処理空間21に導入される。プレフィルタ45を設けることにより、粉塵等が処理空間21へ流入することが、防止される。なお、開口32が導入口となる一例では、プレフィルタ45は、開口32に内側から対向する状態で、後壁23の内表面に取付けられる。
【0043】
光触媒フィルタ43では、母材の表面に光触媒が担持される。ある一例では、母材は、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウム等のセラミックスから形成され、光触媒は、例えば、金属酸化物から形成される。光触媒フィルタ43の光触媒は、例えば、波長が500nm以下の可視光等の短波長の可視光を照射することにより、活性化され、活性酸素及びOHラジカル等の生成物を生成する。ある一例では、照明モジュール6のカバー部材12から環境空間等へ波長が405nmの可視光を含む光が照射され、光触媒フィルタ43の光触媒は、波長が405nmの可視光を含む光が照射されることにより、活性化する。また、光触媒は、可視光が照射されることによって活性化するとともに、UV-A等の紫外光が照射されることによって活性化してもよい。
【0044】
また、光触媒フィルタ43では、厚さ方向が規定される。図1の一例では、光触媒フィルタ43は、厚さ方向が空気処理モジュール3の奥行方向と一致又は略一致する状態で、処理空間21に配置される。また、光触媒フィルタ43は、一対のフィルタ主面51,52を備える。光触媒フィルタ43では、フィルタ主面51は、厚さ方向の一方側を向き、フィルタ主面52は、厚さ方向についてフィルタ主面51とは反対側を向く。図1等の一例では、処理ボックス20の処理空間21において、フィルタ主面51は、奥行方向の前方側を向き、フィルタ主面52は、奥行方向の後方側を向く。
【0045】
また、光触媒フィルタ43には、複数(多数)の貫通孔53が形成される。貫通孔53のそれぞれは、フィルタ主面51からフィルタ主面52まで光触媒フィルタ43を貫通する。図1等の一例では、貫通孔53のそれぞれは、光触媒フィルタ43の厚さ方向に沿って延設される。そして、処理空間21では、貫通孔53のそれぞれは、空気処理モジュール3の奥行方向に沿って延設される。ファン41を駆動している状態では、処理空間21において、貫通孔53のそれぞれを通って、導入口から排出口へ空気が流れる。
【0046】
図1の一例では、接続フレーム36が照明モジュール6に接続されることにより、カバー部材12を通して照明モジュール6から照射された光は、導入口となる開口31を通して、処理空間21に入射可能となる(矢印A1)。したがって、照明モジュール6のカバー部材12からの可視光は、環境空間に照射されるとともに、開口31を通して処理空間21に入射する。ある一例では、波長405nmの可視光を含む光が、カバー部材12から環境空間に照射されるとともに、開口31を通して処理空間21に入射する。
【0047】
なお、開口31が排出口となる場合も、接続フレーム36が照明モジュール6に接続された状態において、照明モジュール6からカバー部材12を通して照射された光は、開口31を通して処理空間21に入射する。したがって、処理ボックス20が照明器具2に連結された状態では、奥行方向の前方側に向かって開口する開口31、すなわち、奥行方向について照明モジュール6が位置する側に向かって開口する開口31を通して、カバー部材12からの光(可視光)が、処理空間21に入射する。
【0048】
また、図1の一例では、処理ボックス20は、光を反射する反射部材47を備え、反射部材47は、処理空間21に配置される。反射部材47は、可視光等の光を反射する材料から形成され、例えば、アルミニウム合金及びステンレス合金等から形成される。反射部材47は、処理空間21において、処理ボックス20の内表面に配置される。また、反射部材47は、処理空間21において、開口31と光触媒フィルタ43との間に配置される。すなわち、反射部材47は、カバー部材12を通して照射された光が入射する導入口又は排出口と光触媒フィルタ43との間に、配置される。
【0049】
開口31と光触媒フィルタ43との間では、図1の一例と同様に、反射部材47は、少なくとも底壁26の内表面に配置されることが、好ましい。また、反射部材47は、底壁26の内表面に加えて、天壁25の内表面、及び、一対の側壁27の内表面のいずれかに、配置されてもよい。また、処理空間21では、開口31と光触媒フィルタ43との間の領域に加えて、開口32と光触媒フィルタ43との間の領域に、反射部材47が配置されてもよい。
【0050】
本実施形態では、照明器具2に空気処理モジュール3が連結された状態において、照明モジュール6のカバー部材12から開口31を通して処理空間21に入射した光(可視光)は、直接的に、又は、反射部材47で反射した後に、光触媒フィルタ43に入射する(矢印A1)。図1の一例では、奥行方向の前方側から、すなわち、フィルタ主面51が向く側から、光触媒フィルタ43に光が入射する。これにより、照明器具2のカバー部材12から開口31を通して処理空間21に入射した光が、光触媒フィルタ43に照射される。
【0051】
処理空間21において、開口31を通して入射した光(可視光)が光触媒フィルタ43に照射されることにより、光触媒フィルタ43において活性酸素及びOHラジカル等が生成される。そして、生成された活性酸素及びOHラジカル等の生成物によって、処理空間21の空気に含まれるウイルス、菌(細菌)及び臭い物質等が、分解される。これにより、処理空間21において、空気の脱臭及び除菌が行われ、空気処理が行われる。
【0052】
ここで、“除菌”とは、空気中に存在するウイルス及び菌(細菌)等を不活性化すること等を意味し、“除菌”の代わりに“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等といった用語を用いることも可能である。このため、実施形態では、“除菌”という用語と用いるが、“除菌”という用語を、“殺菌”、“滅菌”及び“減菌”等に置き換え可能である。
【0053】
空気処理モジュール3を用いて空気処理を行う際には、接続フレーム36を照明モジュール6に接続することにより、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3を、前述のようにして照明器具2に連結する。そして、カバー部材12を通して光源部15からの光を照射することにより、カバー部材12を通して照射される光(可視光)が、前述のように開口31を通して処理空間21に入射し、カバー部材12からの光が光触媒フィルタ43に照射される。
【0054】
そして、カバー部材12を通して照明器具2から処理空間21に入射する光が光触媒フィルタ43に照射されている状態で、ファン41を駆動することにより、導入口から排出口に向かう空気の流れを、処理空間21において発生させる。これにより、導入口(例えば開口31)から処理空間21に導入された空気に対して、カバー部材12から処理空間に入射した光(可視光)及び光触媒フィルタ43を用いて、前述のようにして除菌及び脱臭等の空気処理が行われる。そして、処理空間21において空気処理が行われた空気は、排出口(例えば開口32)から外部に排出される。
【0055】
前述のように本実施形態では、処理ボックス20の処理空間21に導入された空気に対して光及び光触媒を用いて空気処理を行う空気処理モジュール3に、接続フレーム36が設けられ、接続フレーム36は、カバー部材12を通して可視光等の光を照射可能な照明器具2に接続可能である。そして、照明器具2に接続フレーム36が接続されることにより、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が、照明器具2に連結される。したがって、空気処理モジュール3は、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具2に対して連結可能となる。
【0056】
本実施形態では、空気処理モジュール3が照明器具2に連結可能であるため、照明器具2の設置筐体5とは別に設置筐体等を壁面に設置することなく、空気処理モジュール3を壁面に設置可能となる。このため、壁面へ空気処理モジュール3を設置する作業での作業効率が、向上する。
【0057】
また、本実施形態では、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態において、設置筐体5に照明モジュール6が取付けられることにより、空気処理モジュール3は、照明モジュール6と一体に壁面に設置される。また、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が照明モジュール6に連結された状態において、設置筐体5から照明モジュール6を分離することにより、空気処理モジュール3は、照明モジュール6と一体に壁面から取外される。このため、壁面へ空気処理モジュール3及び照明モジュール6を設置する作業、及び、壁面から空気処理モジュール3及び照明モジュール6を取外す作業での作業効率が、さらに向上する。
【0058】
また、本実施形態では、空気処理モジュール3が照明器具2に連結された状態において、カバー部材12を通して照明器具2の照明モジュール6から照射された光(可視光)は、導入口又は排出口となる開口31を通して、処理空間21に入射する。そして、開口31から処理空間21に入射した光が、光触媒フィルタ43に照射されることにより、光触媒が活性化し、前述のようにして、空気の脱臭及び除菌等の空気処理が行われる。
【0059】
照明器具2からの光によって光触媒を活性化させることにより、光触媒フィルタ43に光を照射する光源等を、照明器具2とは別に空気処理モジュール3に設ける必要はない。照明器具2とは別に光源を設けないことにより、その光源に電力を供給する電源等も設ける必要がなくなる。光源及びその光源に電力を供給する電源等が空気処理モジュール3に設けられないことにより、空気処理モジュール3の軽量化及び小型化を、実現可能となる。また、光源及びその光源に電力を供給する電源等が空気処理モジュール3に設けられないことにより、空気処理モジュール3の製造等におけるコストを、低減可能となる。
【0060】
また、本実施形態では、処理空間21において、カバー部材12を通して照射された光が入射する開口31(導入口又は排出口)と光触媒フィルタ43との間に、反射部材47が配置される。これにより、開口31を通して入射した光が、光触媒フィルタ43に入射し易くなり、光触媒フィルタ43に効率的に光が照射される。したがって、光触媒フィルタ43での光触媒の応答性が向上し、光触媒フィルタ43において、活性酸素及びOHラジカル等の生成物が発生し易くなる。これにより、開口31を通して入射した光及び光触媒フィルタ43用いた空気の脱臭及び除菌等の空気処理が、さらに適切に行われる。
【0061】
また、本実施形態のある一例では、照明器具2の照明モジュール6は、カバー部材12を通して、波長が405nmの可視光を含む光を照射する。波長が405nm及びその近傍の可視光は、空気に照射することにより、空気中の所定の菌を除菌する。このため、カバー部材12を通して波長が405nmの可視光を含む光が照射されることにより、光を光触媒フィルタ43に照射することよる空気の脱臭及び除菌等の空気処理に加えて、光を空気に照射することによる除菌等の空気処理も、適切に行われる。
【0062】
また、本実施形態の好ましい一例では、ファン41が駆動している状態において、前壁22に形成される開口(第1の開口)31は、処理空間21へ空気を導入する導入口となる。除菌及び脱臭等の空気処理が行われた空気が開口31から排出されない構成にすることにより、照明モジュール6が位置する側へ、空気処理が行われた空気が処理空間21から排出されない。これにより、照明モジュール6から環境空間への光(可視光)の照射に対する空気処理が行われた空気の影響が、適切に低減される。
【0063】
また、本実施形態の好ましい一例では、処理ボックス20において、ベースフレーム33からカバー35を取外し可能である。そして、ファン41は、ベースフレーム33に取付けられ、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45は、カバー35に取付けられる。このような構成にすることにより、カバー35をベースフレーム33から取外すと、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45は、カバー35と一緒にベースフレーム33から分離される。このため、光触媒フィルタ43及びプレフィルタ45の交換及びメンテナンス等を行い易くなる。
【0064】
(変形例)
図2に示す第1の変形例では、処理ボックス20に、開口31,32に加えて、光通過部55が形成される。光通過部55では、可視光及び紫外光等の光が、通過可能である。光通過部55は、前壁22に形成される。また、処理ボックス20の前壁22では、光通過部55は、開口(第1の開口)31に対して、高さ方向の上側に位置する。図2の一例では、光通過部55は、処理空間21を外部へ開口させる開口孔から形成される。また、ある一例では、光通過部55は、ガラス等の光を透過させる光透過部材から形成されてもよい。なお、図2は、幅方向に対して直交又は略直交する断面を概略的に示す。
【0065】
接続フレーム36が照明器具2の照明モジュール6に接続された状態では、光通過部55は、照明モジュール6の下端E2に対して、高さ方向の上側に位置する。ただし、本変形例でも、空気処理モジュール3が照明器具2の照明モジュール6に連結された状態において、処理ボックス20は、照明モジュール6に対して、高さ方向の下側へ突出する。そして、前壁22に形成される開口31の全体が、照明モジュール6の下端E2に対して、高さ方向の下側に位置する。また、光通過部55は、プレフィルタ45等で覆われていない。
【0066】
接続フレーム36が照明モジュール6に接続された状態では、光通過部55は、照明モジュール6の内部空間13に、奥行方向の一方側から隣接する。また、光通過部55が開口孔から形成される場合、処理空間21は、光通過部55となる開口孔を通して、照明モジュール6の内部空間13と連通する。接続フレーム36が照明器具2の照明モジュール6に接続された状態では、カバー部材12を通ることなく照明モジュール6から出射した光が、処理ボックス20の光通過部55を通して処理空間21に入射可能である(矢印A2)。したがって、本変形例では、カバー部材12を通して照明モジュール6から照射された光が、開口31を通して処理空間21へ入射するとともに(矢印A1)、照明器具2の光源部15からの光が、カバー部材12を通ることなく、光通過部55を通して処理空間21に入射する。
【0067】
ある一例では、光源部15の発光素子16は、可視光を発光し、光源部15から照射された可視光は、カバー部材12を通ることなく、光通過部55から処理空間21に入射する。別のある一例では、光源部15の発光素子16は、UV-A等の紫外光を発光し、光源部15から照射された紫外光は、光通過部55を通して処理空間21に入射する。この場合、光触媒フィルタ43の光触媒は、可視光が照射されることによって活性化するとともに、紫外光が照射されることによっても活性化する。
【0068】
さらに別のある一例では、光源部15の発光素子16は、紫外光を発光し、光通過部55は、光透過部材から形成される。そして、光透過部材の表面に、蛍光体が塗布される。この場合、光源部15からの紫外光によって蛍光体が励起され、蛍光体による波長変換によって、光源部15からの紫外光は可視光に変換される。そして、蛍光体の励起によって変換された可視光が、光通過部55となる光透過部材から処理空間21に入射する。
【0069】
照明器具2に空気処理モジュール3が連結された状態では、照明モジュール6から光通過部55を通して処理空間21に入射した光は、開口31を通して処理空間21に入射した光と同様に、直接的に、又は、反射部材47で反射した後に、光触媒フィルタ43に入射する(矢印A2)。この際、奥行方向の前方側から、すなわち、フィルタ主面51が向く側から、光触媒フィルタ43に光が入射する。したがって、本変形例では、照明器具2のカバー部材12から開口31を通して処理空間21に入射した光に加えて、照明器具2から光通過部55をとおして処理空間21に入射した光が、光触媒フィルタ43に照射される。
【0070】
本変形例でも、第1の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。また、本変形例では、開口31を通して処理空間21に入射するとともに、光通過部55を通しても処理空間21に光が入射する。そして、処理空間21へは、照明器具2からの光が、カバー部材12を通すことなく、光通過部55から入射する。このため、本変形例では、処理空間21に入射する光の量が、増大する。また、本変形例では、開口31が導入口となる構成であっても、光通過部55は、プレフィルタ45で覆われない。したがって、光通過部55を通しての処理空間21への光の入射が、プレフィルタ45等によって阻害されることが、適切に防止される。したがって、処理空間21に入射する光の量が、さらに増大する。
【0071】
照明器具2から空気処理モジュール3の処理空間21へ入射する光の量が増大することにより、処理空間21において、光触媒フィルタ43に光がさらに入射し易くなり、光触媒フィルタ43にさらに効率的に光が照射される。したがって、光触媒フィルタ43での光触媒の応答性がさらに向上し、光触媒フィルタ43において、活性酸素及びOHラジカル等の生成物がさらに発生し易くなる。これにより、開口31を通して入射した光及び光触媒フィルタ43用いた空気の脱臭及び除菌等の空気処理が、さらに適切に行われる。
【0072】
また、本変形例では、接続フレーム36が照明器具2の照明モジュール6に接続された状態において、光通過部55は、照明モジュール6の下端E2に対して、高さ方向の上側に位置する。このような構成にすることにより、空気処理モジュール3が壁面に設置された状態において、高さ方向の下側への空気処理モジュール3の突出量を小さく抑えることが、可能となる。壁面に設置された状態での空気処理モジュール3の突出量が小さくなることにより、例えば、空気処理モジュール3が壁面に設置される環境空間の利用者等にとって、圧迫感を低減可能となる。
【0073】
また、図3に示す第2の変形例では、接続フレーム36は、照明モジュール6ではなく、設置筐体5に接続される。本変形例では、接続フレーム36が設置筐体5に接続されることにより、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が、照明器具2に連結され、壁面に設置される。なお、図3は、幅方向に対して直交又は略直交する断面を概略的に示す。
【0074】
本変形例でも、処理ボックス20を含む空気処理モジュール3が照明器具2に連結された状態において、カバー部材12を通して照明器具2(照明モジュール6)から照射された光は、導入口又は排出口となる開口31を通して、処理空間21に入射する。このため、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0075】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、空気処理モジュールの処理ボックスの処理空間に、光触媒フィルタが配置され、ファンは、処理空間において導入口から排出口へ向かう空気の流れを形成する。そして、カバー部材を通して光を照射可能な照明器具に接続フレームが接続されることにより、カバー部材を通して照明器具から照射された光が導入口又は排出口を通して処理空間に入射する状態に、処理ボックスを照明器具に連結する。これにより、壁面に設置された状態において光を照射する照明器具に対して連結可能な空気処理モジュールを提供することができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…照明装置、2…照明器具、3…空気処理モジュール、5…設置筐体、6…照明モジュール、12…カバー部材、15…光源部、20…処理ボックス、21…処理空間、31…開口(第1の開口)、32…開口(第2の開口)、36…接続フレーム、41…ファン、43…光触媒フィルタ、55…光通過部。

図1
図2
図3