(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139494
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】発電セット
(51)【国際特許分類】
F02B 63/04 20060101AFI20241002BHJP
F02B 67/00 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
F02B63/04 C
F02B67/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050452
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】内藤 敬太
(72)【発明者】
【氏名】永水 武士
(57)【要約】
【課題】燃料ガスの漏洩に起因する燃焼爆発リスクを効果的に低減可能な発電セットを提供する。
【解決手段】発電セットは、発電機と、燃料を燃焼させて前記発電機を回転駆動する駆動力を生成するための駆動装置と、を含む発電ユニットと、給気口及び排気口を有し、前記発電ユニットを収容するエンクロージャと、前記駆動装置に燃料を供給するための燃料配管と、を備え、前記燃料配管のうち、前記エンクロージャの内側に設けられる内部配管部は、上下方向にて前記発電機よりも上方に位置する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と、燃料を燃焼させて前記発電機を回転駆動する駆動力を生成するための駆動装置と、を含む発電ユニットと、
給気口及び排気口を有し、前記発電ユニットを収容するエンクロージャと、
前記駆動装置に燃料を供給するための燃料配管と、
を備え、
前記燃料配管のうち、前記エンクロージャの内側に設けられる内部配管部は、上下方向にて前記発電機よりも上方に位置する
発電セット。
【請求項2】
前記内部配管部は、前記エンクロージャの内部において、上下方向にて前記発電機に接続される電気配線よりも上方に位置する
請求項1に記載の発電セット。
【請求項3】
平面視において前記内部配管部の一部が前記発電機と重なっている
請求項1又は2に記載の発電セット。
【請求項4】
前記内部配管部に設けられるバルブを備え、
前記バルブは、前記発電機の上方に設けられる架台に支持される
請求項3に記載の発電セット。
【請求項5】
前記内部配管部に設けられる遮断弁を備え、
前記内部配管部のうち前記遮断弁よりも下流側の部分は、燃料の流れ方向における全ての位置において、水平方向に対する前記流れ方向の上向きの傾斜角が0度以上である
請求項1又は2に記載の発電セット。
【請求項6】
前記燃料配管は、前記エンクロージャの外部に設けられる外部配管部を含み、
前記内部配管部のうち前記遮断弁よりも上流側の部分の長さをL1としたとき、前記外部配管部は、前記エンクロージャからの長さがL1以下の部位に、燃料の流れ方向において下流側に向かうにつれて高さ方向の位置が低くなる下り勾配部を含む
請求項5に記載の発電セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電セットに関する。
【背景技術】
【0002】
エンクロージャの内部に発電機や発電機駆動用の装置等を収容した、輸送可能な発電セットが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、パッケージ(エンクロージャ)の内部に、発電機、発電機を駆動するためのエンジン、エンジンに供給される燃料を貯留するための燃料タンク、及び、エンジンからの排ガスが導入される消音器等が収容されたパッケージ型発電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、エンクロージャの内部には、例えば発電機や電気配線など、火花が生じ得る機器が設けられる。仮に、エンクロージャの内部で燃料ガスが漏れて局所的に濃度が高くなってしまったところに火花が生じると、この火花が着火源となり、燃焼爆発が生じる可能性がある。特に、水素等の燃焼しやすい燃料を用いる場合には、このようなリスクを低減する必要性が高い。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、燃料ガスの漏洩に起因する燃焼爆発リスクを効果的に低減可能な発電セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも一実施形態に係る発電セットは、
発電機と、燃料を燃焼させて前記発電機を回転駆動する駆動力を生成するための駆動装置と、を含む発電ユニットと、
給気口及び排気口を有し、前記発電ユニットを収容するエンクロージャと、
前記駆動装置に燃料を供給するための燃料配管と、
を備え、
前記燃料配管のうち、前記エンクロージャの内側に設けられる内部配管部は、上下方向にて前記発電機よりも上方に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、燃料ガスの漏洩に起因する燃焼爆発リスクを効果的に低減可能な発電セットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る発電セットを側方から視た概略断面図である。
【
図2】
図1に示す発電セットを平面視した概略断面図である。
【
図3】
図1に示す発電セットの一部の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す発電セットの一部を拡大して示す図である。
【
図5】
図2に示す発電セットの一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0011】
図1は、一実施形態に係る発電セットを側方から視た概略断面図である。
図2は、
図1に示す発電セットを平面視した概略断面図である。
図3は、
図1に示す発電セットの一部の外観を示す斜視図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、一実施形態に係る発電セット1は、発電機38及び駆動装置35を含む発電ユニット10と、発電ユニット10を収容するためのエンクロージャ2を備える。また、
図1及び
図2に示す発電セット1は、駆動装置35からの燃焼排ガスをエンクロージャ2の外に排気するための排気部4を備える。
【0013】
発電機38は、駆動装置35の出力シャフトに連結されるロータを含み、駆動装置35によって回転駆動されるように構成される。
【0014】
駆動装置35は、燃料を燃焼させて発電機38を回転駆動する駆動力を生成するように構成される。駆動装置35は、例えば、レシプロ式エンジンやガスタービンエンジン等の内燃機関であってもよい。
図1及び
図2に示す例示的な実施形態では、駆動装置35は、1以上のシリンダを含む燃焼室40と、回転シャフトが収容されるクランク室42と、を含むレシプロ式のエンジン36である。エンジン36には、ターボチャージャ44が設けられている。
【0015】
駆動装置35で燃焼される燃料は、空気よりも軽いガスであってもよく、例えば水素ガスであってもよい。
【0016】
駆動装置35は、エンクロージャ2の内部の空気を燃焼室40に導くための給気ダクト48と、燃焼室40に燃料ガスを導くための燃料配管52と、燃焼室40からの燃焼排ガスを排出するための排気配管50と、を含む。給気ダクト48の入口47には給気フィルタ46が設けられる。燃料配管52は、エンクロージャ2の内部に設けられる内部配管部54と、エンクロージャ2の外部に設けられる外部配管部56と、を含む。
【0017】
図1及び
図2に示すように、内部配管部54には、内部配管部54における燃料ガスの流れを調節するための1以上のバルブ57が設けられていてもよい。1以上のバルブ57は、遮断弁58を含んでもよい。
図1及び
図2に示すように、バルブ57は、エンクロージャ2の内部に設けられる架台(バルブスキッド)60(60A,60B)によって支持されていてもよい。
【0018】
図1~
図3に示すように、エンクロージャ2は、発電ユニット10を収容するためのエンクロージャ本体部8と、エンクロージャ本体部8の内部空間に空気を取り入れるための給気口12と、エンクロージャ本体部8の内部空間から空気を排出するための排気口14と、を備えている。
【0019】
エンクロージャ本体部8は、発電ユニット10が載置される基礎部16と、発電ユニット10を囲むように基礎部16の上に設けられる側壁部18と、側壁部18の上方に発電ユニット10を覆うように設けられる屋根部24と、を含む。エンクロージャ本体部8の内部空間は、基礎部16、側壁部18及び屋根部24に囲まれる空間である。
図1~
図3に示す例示的な実施形態では、側壁部18は、エンクロージャ本体部8の長手方向に沿って延在する一対の長尺部分19と、一対の長尺部分19を互いに接続する短尺部分(後述する給気側部分20及び排気側部分22)と、を含む。なお、駆動装置35の出力シャフト又は発電機38の回転軸は、エンクロージャ本体部8の長手方向に沿って延びるように設けられていてもよい。
【0020】
図1~
図3に示す例示的な実施形態では、エンクロージャ2は、エンクロージャ本体部8の外側に設けられ、給気口12を形成する給気フード30を含む。給気口12からエンクロージャ2に入り込んだ空気は、エンクロージャ本体部8の入口開口26を介して、エンクロージャ本体部8の内部空間に導入されるようになっている。
図1~
図3に示すように、入口開口26は、側壁部18の給気側部分20の上端20aと、屋根部24の下面25とによって少なくとも部分的に形成されていてもよい。
【0021】
図1~
図3に示す例示的な実施形態では、エンクロージャ2は、エンクロージャ本体部8の外側に設けられ、排気口14を形成する排気ダクト32を含む。エンクロージャ本体部8の内部の空気は、エンクロージャ本体部8の出口開口28を介して排気ダクト32に導かれ、排気口14からエンクロージャ2の外に排出されるようになっている。
図1~
図3に示すように、出口開口28は、側壁部18の排気側部分22の上端22aと、屋根部24の下面25とによって少なくとも部分的に形成されていてもよい。
【0022】
図1~
図3に示すように、エンクロージャ2は、エンクロージャ2の内部の換気をするための換気ファン34を備えていてもよい。すなわち、換気ファン34によって、外部の空気をエンクロージャ2の内部に導入するとともに、エンクロージャ2の内部の空気を外部に排出するようになっていてもよい。
【0023】
図1及び
図2に示すように、エンクロージャ2の内部空間には、平面視において給気口12と排気口14の間の位置に仕切り板37が設けられていてもよい。仕切り板37は、少なくとも部分的に上下方向に沿って延びる部分を有し、給気口12からエンクロージャ2の内部空間に導入された空気が下方に向かって流れるように案内するようになっていてもよい。なお、
図1に示す仕切り板37は、上下方向に沿って延びる下端部を含む。また、
図1に示す仕切り板37は、上方に向かうに従い入口開口26に近づくように湾曲する形状を有する上端部を含む。
【0024】
図1及び
図2に示すように、エンクロージャ2の内部空間には、平面視において給気ダクト48と内部配管部54(燃料配管52)との間の位置に仕切り板29が設けられていてもよい。仕切り板29は、上下方向に沿って延びるように設けられていてもよい。仕切り板29は、上下方向において給気ダクト48及び内部配管部54を含む領域に亘って設けられていてもよい。
【0025】
排気部4は、エンクロージャ2の外に設けられる消音器78と、駆動装置35からの燃焼排ガスを消音器78に導くための接続管部72と、を含む。また、排気部4は、消音器78に接続される出口配管部80を含む。消音器78からの燃焼排ガスは、出口配管部80の出口開口82を介して大気に放出されるようになっている。
図1に示す消音器78は、支持台84に支持されている。
【0026】
図1に示すように、消音器78を含む排気部4は、基礎部70の上に設けられている。基礎部70は、エンクロージャ2が設けられる基礎部16とは別のものであってもよい。この場合、エンクロージャ2が設けられる基礎部16と、排気部4が設けられる基礎部70とは、別々の車両に載せる等して、別々に輸送することができる。
【0027】
以下、
図3~
図5を参照して、幾つかの実施形態に係る発電セット1について、より具体的に説明する。
図4及び
図5は、
図1及び
図2に示す発電セットの一部を拡大して示す図である。
【0028】
幾つかの実施形態では、例えば
図4に示すように、燃料配管52のうち、エンクロージャ2の内側に設けられる内部配管部54は、上下方向にて発電機38よりも上方に位置する。
【0029】
上述の実施形態では、エンクロージャ2の内部において、燃料ガスが流れる内部配管部54(燃料配管52)は、上下方向にて発電機38よりも上方に位置する。したがって、仮に、内部配管部54から燃料ガスが漏洩したとしても、軽量の燃料ガスはエンクロージャ2の内部を上昇して排気口14から排出されるので、漏洩した燃料ガスと発電機38との接触を抑制することができる。よって、上述の実施形態によれば、エンクロージャ2の内部で燃料ガスが漏洩した場合であっても、燃焼爆発リスクを効果的に低減することができる。
【0030】
なお、エンクロージャ2の排気口14は、内部配管部54よりも上方の位置に設けられる。また、例えば
図4に示すように、排気口14は、エンクロージャ本体部8の屋根部24の下面25の最高位置よりも上方に位置していてもよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、例えば
図4及び
図5に示すように、平面視において内部配管部54の一部が発電機38と重なっている。
【0032】
上述の実施形態によれば、平面視において、内部配管部54の一部が発電機38と重なっているので、エンクロージャ2の内部における機器の設置スペースを低減することができる。よって、エンクロージャ2を含む発電セット1の小型化を図ることができる。
【0033】
幾つかの実施形態では、内部配管部54に設けられる1以上のバルブ57のうち少なくとも1つは、発電機38の上方に設けられる架台60(
図4及び
図5の架台60A又は60B)に支持される。
【0034】
上述の実施形態では、発電機38の上方に架台60を設けたので、この架台60により、発電機38よりも上方の比較的高い位置に設けられる内部配管部54に設置されるバルブ57を適切に支持することができる。
【0035】
幾つかの実施形態では、例えば
図4に示すように、エンクロージャ2の内部において、内部配管部54は、上下方向にて、発電機38に接続される電気配線41よりも上方に位置する。
【0036】
上述の実施形態では、エンクロージャ2の内部において、燃料ガスが流れる内部配管部54(燃料配管52)は、上下方向において、発電機38に接続される電気配線41よりも上方に位置する。したがって、仮に、内部配管部54から燃料ガスが漏洩したとしても、軽量の燃料ガスはエンクロージャ2の内部を上昇して排気口14から排出されるので、漏洩した燃料ガスと発電機38に接続される電気配線41との接触を抑制することができる。よって、上述の実施形態によれば、エンクロージャ2の内部で燃料ガスが漏洩した場合であっても、燃焼爆発リスクをより効果的に低減することができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、
図4及び
図5に示すように、内部配管部54には、燃料配管52を介した駆動装置35への燃料ガスの供給を遮断するための遮断弁58が設けられる。内部配管部54に複数のバルブ57が設けられる場合、遮断弁58は、複数のバルブ57のうち最も上流側に設けられるものであってもよい。
【0038】
幾つかの実施形態では、例えば
図4及び
図5に示すように、内部配管部54のうち遮断弁58よりも下流側の部分は、燃料の流れ方向における全ての位置において、水平方向に対する流れ方向の上向きの傾斜角が0度以上である。
図4及び
図5に示す例示的な実施形態では、内部配管部54のうち遮断弁58よりも下流側の部分は、燃料の流れ方向における全ての位置において、水平方向に対する流れ方向の上向きの傾斜角が約0度である。すなわち、内部配管部54のうち遮断弁58よりも下流側の部分は、水平面に沿って設けられている。
【0039】
上述の実施形態によれば、内部配管部54のうち、遮断弁58よりも下流側の部分は、燃料の流れ方向におけるすべての位置において、水平方向に対する前記流れ方向の上向きの傾斜角が0度以上である。すなわち、内部配管部54は、遮断弁58よりも下流側において、下り勾配を有さず、上り勾配を有するか水平に延びているので、配管内にて燃料ガスが滞留するのを抑制することができる。よって、発電ユニットの運転停止時において、内部配管部54にて燃料ガス濃度が局所的に上昇するのを抑制することができ、燃料配管等における燃焼爆発リスクを効果的に低減することができる。
【0040】
幾つかの実施形態では、内部配管部54のうち遮断弁58よりも上流側の部分の長さをL1としたとき(
図3及び
図5参照)、外部配管部56は、エンクロージャ2からの長さがL1以下の部位に、燃料の流れ方向において下流側に向かうにつれて高さ方向の位置が低くなる下り勾配部を含む。
【0041】
図示する実施形態では、外部配管部56は、エンクロージャ2に最も近接し、内部配管部54の上流端に接続され、水平方向に沿って延びる第1部分56aと、第1部分56aの上流端に接続され、鉛直方向に沿って延びる第2部分56bと、第2部分56bの上流端に接続され、水平方向に沿って延びる第3部分56cと、を含む。燃料ガス供給源からの燃料ガスは、外部配管部56を、第3部分56c、第2部分56b及び第1部分56aの順に通過し、内部配管部54に導かれる。ここで、第1部分56aの長さL2は、内部配管部54の遮断弁58よりも上流側の部分の長さL2よりも短い。すなわち、外部配管部56の第2部分56bは、エンクロージャ2からの長さがL2(L1以下)の位置に位置し、燃料の流れ方向において下流側に向かうにつれて高さ方向の位置が低くなる下り勾配部である。
【0042】
上述の実施形態によれば、外部配管部56のうち、エンクロージャ2からの長さがL1以下の部位に、下り勾配部(上述の第2部分56b)を有する。したがって、燃料ガスの供給停止時において、比較的軽量の燃料ガスを下り勾配部で留まらせることができ、エンクロージャ2の内部に漏洩し得る燃料ガスの量を、最大でも、外部配管部56のうち下り勾配部よりも下流側の部分(上述の第1部分56a)及び内部配管部54の体積分に抑えることができる。よって、上述の実施形態によれば、エンクロージャ2の内部に漏洩し得る燃料ガスの量を低減することができ、これにより、燃焼爆発リスクを効果的に低減することができる。
【0043】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0044】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る発電セット(1)は、
発電機(38)と、燃料を燃焼させて前記発電機を回転駆動する駆動力を生成するための駆動装置(35)と、を含む発電ユニット(10)と、
給気口(12)及び排気口(14)を有し、前記発電ユニットを収容するエンクロージャ(2)と、
前記駆動装置に燃料を供給するための燃料配管(52)と、
を備え、
前記燃料配管のうち、前記エンクロージャの内側に設けられる内部配管部(54)は、上下方向にて前記発電機よりも上方に位置する。
【0045】
上記(1)の構成では、エンクロージャの内部において、燃料ガスが流れる内部配管部(燃料配管)は、上下方向にて発電機よりも上方に位置する。したがって、仮に、内部配管部から燃料ガスが漏洩したとしても、軽量の燃料ガスはエンクロージャ内部を上昇して排気口から排出されるので、漏洩した燃料ガスと発電機との接触を抑制することができる。よって、上記(1)の構成によれば、エンクロージャ内部で燃料ガスが漏洩した場合であっても、燃焼爆発リスクを効果的に低減することができる。
【0046】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記内部配管部は、前記エンクロージャの内部において、上下方向にて前記発電機に接続される電気配線(41)よりも上方に位置する。
【0047】
上記(2)の構成では、エンクロージャの内部において、燃料ガスが流れる内部配管部(燃料配管)は、上下方向にて発電機に接続される電気配線よりも上方に位置する。したがって、仮に、内部配管部から燃料ガスが漏洩したとしても、軽量の燃料ガスはエンクロージャ内部を上昇して排気口から排出されるので、漏洩した燃料ガスと発電機に接続される電気配線との接触を抑制することができる。よって、上記(2)の構成によれば、エンクロージャ内部で燃料ガスが漏洩した場合であっても、燃焼爆発リスクをより効果的に低減することができる。
【0048】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
平面視において前記内部配管部の一部が前記発電機と重なっている。
【0049】
上記(3)の構成によれば、平面視において、内部配管部の一部が発電機と重なっているので、エンクロージャの内部における機器の設置スペースを低減することができる。よって、エンクロージャを含む発電セットの小型化を図ることができる。
【0050】
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記発電セットは、
前記内部配管部に設けられるバルブ(57)を備え、
前記バルブは、前記発電機の上方に設けられる架台(60)に支持される。
【0051】
上記(4)の構成によれば、発電機の上方に架台を設けたので、この架台により、発電機よりも上方の比較的高い位置に設けられる配管に設置されるバルブを適切に支持することができる。
【0052】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記発電セットは、
前記内部配管部に設けられる遮断弁(58)を備え、
前記内部配管部のうち前記遮断弁よりも下流側の部分は、燃料の流れ方向における全ての位置において、水平方向に対する前記流れ方向の上向きの傾斜角が0度以上である。
【0053】
上記(5)の構成によれば、内部配管部のうち、遮断弁よりも下流側の部分は、燃料の流れ方向におけるすべての位置において、水平方向に対する前記流れ方向の上向きの傾斜角が0度以上である。すなわち、内部配管部は、遮断弁よりも下流側において、下り勾配を有さず、上り勾配を有するか水平に延びているので、配管内にて軽量の燃料ガスが滞留するのを抑制することができる。よって、発電ユニットの運転停止時において、内部配管部にて燃料ガス濃度が局所的に上昇するのを抑制することができ、燃料配管等における燃焼爆発リスクを効果的に低減することができる。
【0054】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の構成において、
前記燃料配管は、前記エンクロージャの外部に設けられる外部配管部を含み、
前記内部配管部のうち前記遮断弁よりも上流側の部分の長さをL1としたとき、前記外部配管部は、前記エンクロージャからの長さがL1以下の部位に、燃料の流れ方向において下流側に向かうにつれて高さ方向の位置が低くなる下り勾配部(例えば上述の第2部分56b)を含む。
【0055】
上記(6)の構成によれば、外部配管部のうち、エンクロージャからの長さがL1以下の部位に、下り勾配部を有する。したがって、燃料ガスの供給停止時において、比較的軽量の燃料ガスを下り勾配部で留まらせることができ、エンクロージャの内部に漏洩し得る燃料ガスの量を、最大でも、外部配管部のうち下り勾配部よりも下流側の部分及び内部配管部の体積分に抑えることができる。よって、上記(6)の構成によれば、エンクロージャ内部に漏洩し得る燃料ガスの量を低減することができ、これにより、燃焼爆発リスクを効果的に低減することができる。
なお、屋外に設けられる外部配管部から燃料ガスが漏れたとしても、エンクロージャ内部とは異なりすぐに大気に拡散して燃料ガス濃度が下がるため、燃焼爆発が生じる可能性はほとんどない。したがって、外部配管部において、燃料ガスが滞留し得る下り勾配部を設けても、燃焼爆発リスクが増大することはないと考えられる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0057】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【符号の説明】
【0058】
1 発電セット
2 エンクロージャ
4 排気部
8 エンクロージャ本体部
10 発電ユニット
12 給気口
14 排気口
16 基礎部
18 側壁部
19 長尺部分
20 給気側部分
20a 上端
22 排気側部分
22a 上端
24 屋根部
25 下面
26 入口開口
28 出口開口
29 仕切り板
30 給気フード
32 排気ダクト
34 換気ファン
35 駆動装置
36 エンジン
37 仕切り板
38 発電機
40 燃焼室
41 電気配線
42 クランク室
44 ターボチャージャ
46 給気フィルタ
47 入口
48 給気ダクト
50 排気配管
52 燃料配管
54 内部配管部
56 外部配管部
56a 第1部分
56b 第2部分
56c 第3部分
57 バルブ
58 遮断弁
60 架台
60A 架台
60B 架台
70 基礎部
72 接続管部
78 消音器
80 出口配管部
82 出口開口
84 支持台