(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139524
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】異物検知装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20241002BHJP
B65G 1/137 20060101ALN20241002BHJP
【FI】
G06K7/10 100
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050499
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梁瀬 蓉平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祥一
(72)【発明者】
【氏名】田中 千裕
(72)【発明者】
【氏名】中島 泰浩
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC08
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD23
3F522DD32
3F522FF02
3F522FF23
3F522GG22
3F522HH02
3F522LL51
3F522LL58
3F522LL62
(57)【要約】
【課題】収容物に混入した異物の検知を効率的に行うことを可能にする。
【解決手段】物品を収容する収容物に対し、無線タグ読み取り用の電波を放射することで得られた無線タグの読み取り結果と、前記物品とは異なる異物に付された無線タグが保持するタグ識別子を登録したデータファイルとに基づき、異物に付された無線タグが読み取られたかを判定する判定手段と、異物に付された無線タグが読み取られたと判定された場合、異物を検知したことを報知する報知手段と、を備える。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容物に対し、無線タグ読み取り用の電波を放射することで得られた無線タグの読み取り結果と、前記物品とは異なる異物に付された無線タグが保持するタグ識別子を登録したデータファイルとに基づき、異物に付された無線タグが読み取られたかを判定する判定手段と、
異物に付された無線タグが読み取られたと判定された場合、異物を検知したことを報知する報知手段と、
を備える異物検知装置。
【請求項2】
異物に付された無線タグが読み取られたと判定された場合に、当該無線タグの読み取りに係る電波の受信状況に基づいて異物が存在する位置を探索し、探索した位置を表示部に表示させる探索手段を更に備える、
請求項1に記載の異物検知装置。
【請求項3】
前記無線タグの読み取り結果と、前記データファイルとに基づいて、当該データファイルに登録された各異物の存否を判定し、判定結果を表示部に表示させる棚卸手段を更に備える、
請求項1に記載の異物検知装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記無線タグの読み取り動作が終了した時点で、異物に付された無線タグが読み取られていない場合、異物が存在しないことを報知する、
請求項1に記載の異物検知装置。
【請求項5】
前記無線タグ読み取り用の電波を放射し、当該電波に応答した無線タグから前記タグ識別子を読み取る読取手段を更に備え、
前記判定手段は、前記読取手段の読み取り結果と、前記データファイルとに基づき、異物に付された無線タグが読み取られたかを判定する、
請求項1~4の何れか一項に記載の異物検知装置。
【請求項6】
異物検知装置のコンピュータを、
物品を収容する収容物に対し、無線タグ読み取り用の電波を放射することで得られた無線タグの読み取り結果と、前記物品とは異なる異物に付された無線タグが保持するタグ識別子を登録したデータファイルとに基づき、異物に付された無線タグが読み取られたかを判定する判定手段と、
異物に付された無線タグが読み取られたと判定された場合に報知を行う報知手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、異物検知装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物流の対象となる物品に無線タグを付加し、当該無線タグが記憶するデータを読み取ることで商品の在庫管理等が行われている。かかる無線タグの読み取りには、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)等の近距離無線通信を用いたリーダライタ装置が用いられる。
【0003】
ところで、物流倉庫等の現場では、物品の梱包作業等にハサミ等の備品が使用される場合がある。かかる現場では、物品を収容する収容物に備品を混入したまま収容物を発送してしまうミスが発生する可能性がある。そのため、収容物に混入した備品の検知を効率的に行うことが可能な技術が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、収容物に混入した異物の検知を効率的に行うことを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の異物検知装置は、判定手段と、報知手段とを備える。判定手段は、物品を収容する収容物に対し、無線タグ読み取り用の電波を放射することで得られた無線タグの読み取り結果と、前記物品とは異なる異物に付された無線タグが保持するタグ識別子を登録したデータファイルとに基づき、異物に付された無線タグが読み取られたかを判定する。報知手段は、異物に付された無線タグが読み取られたと判定された場合、異物を検知したことを報知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る異物検知システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る無線タグ読取装置の外観の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る無線タグ読取装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る備品マスタのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る無線タグ読取装置及び携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る携帯端末の表示部に表示されるGUIの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態の携帯端末が実行する異物検知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、実施形態の携帯端末が実行する探索処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施形態の携帯端末が実行する棚卸処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係る異物検知装置及びプログラムについて説明する。本実施形態では、倉庫等の物流現場において、物流対象の物品を収容する収容物に混入した異物を検知する異物検知システムに適用した例を説明する。なお、以下に説明する実施形態により、この発明が限定されるものではない。
【0008】
図1は、本実施形態に係る異物検知システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、異物検知システム1は、無線タグ読取装置10と、携帯端末20と、情報処理装置30とを有する。
【0009】
無線タグ読取装置10は、読取手段の一例である。無線タグ読取装置10は、無線タグTGが記憶するタグデータを非接触で読み取ることが可能なリーダライタ装置である。また、無線タグTGは、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等のパッシブ型の無線タグである。
【0010】
本実施形態では、無線タグTGは、物流倉庫等の物流現場で使用される備品Fの各々に付されており、図示しない記憶媒体にタグデータを記憶する。タグデータには、無線タグTG自身を識別可能なタグ識別子等が含まれる。無線タグ読取装置10は、無線タグTGからタグデータを読み取ると、自己の無線タグ読取装置10に接続された携帯端末20等の外部装置に出力する。
【0011】
図2は、無線タグ読取装置10の外観の一例を示す図である。
図2(a)は正面側(商品に向ける側)から見た状態、
図2(b)は背面側(操作者に面する側)から見た状態を示す。本実施形態の無線タグ読取装置10は、
図2に例示するようなハンディタイプの無線タグ読取装置であり、操作者が携帯することが可能となっている。携帯に際し、操作者は、無線タグ読取装置10の背面に設けられたハンドル17を持ち手として用いることができる。ハンドル17には、当該ハンドル17を把持した状態で操作することが可能なトリガボタン171が設けられている。また、無線タグ読取装置10には、携帯端末20を着脱自在に取り付けるための取付部18が設けられている。
【0012】
無線タグ読取装置10は、
図1に示すように、収容物Pに向けられ、当該収容物Pに混入した異物の検知に用いられる。ここで、収容物Pは、例えばコンテナや段ボール箱等であり、物流対象の物品Gを収容する。また、異物とは、物品Gの収容時等に混入した非物流対象の物品である。本実施形態では、物流現場で使用されるハサミやカッター等の備品Fを異物として検知する。
【0013】
携帯端末20は、異物検知装置の一例である。携帯端末20は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な端末装置である。携帯端末20は、Bluetooth(登録商標)等の無線接続又は有線接続により無線タグ読取装置10と通信可能に接続される。また、携帯端末20は、有線接続又は無線接続により情報処理装置30と接続することも可能である。
【0014】
携帯端末20は、無線タグ読取装置10による無線タグの読み取り動作を制御する。また、携帯端末20は、無線タグ読取装置10から送信されるタグデータを受信し、当該タグデータに基づいて収容物に混入した異物の検知を行う。
【0015】
なお、本実施形態の携帯端末20は、
図1に示すように無線タグ読取装置10と別体である。携帯端末20は、
図2に示したように、無線タグ読取装置10に設けられた取付部18を介して無線タグ読取装置10に着脱自在に取り付けることが可能となっている。なお、無線タグ読取装置10及び携帯端末20の構成はこれに限らず、無線タグ読取装置10と携帯端末20とが一体に構成されていてもよい。
【0016】
情報処理装置30は、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。情報処理装置30は、無線接続又は有線接続により無線タグ読取装置10や携帯端末20と接続することが可能である。
【0017】
本実施形態では、情報処理装置30は、無線タグ読取装置10を用いることで異物検知用のデータファイル(以下、備品マスタともいう)を生成し管理する。例えば、情報処理装置30は、無線タグ読取装置10を用いることで、物流現場で使用される備品Fの各々から無線タグTGのタグ識別子を取得し、取得したタグ識別子を備品Fに関する情報に関連付けた備品マスタを生成し、図示しない記憶媒体に記憶する。また、情報処理装置30は、生成した備品マスタを携帯端末20に送信することで、異物検知等の用に供させる。なお、備品マスタのデータ構成については後述する。
【0018】
次に、無線タグ読取装置10及び携帯端末20のハードウェア構成について説明する。
【0019】
図3は、無線タグ読取装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、無線タグ読取装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14等を備えている。CPU11は、プロセッサの一例であり、無線タグ読取装置10の動作を統括的に制御する。ROM12は、各種プログラムを記憶する。RAM13は、各種データを展開するためのワーキングメモリとして使用される。
【0020】
CPU11、ROM12、RAM13及び記憶部14は、バス等を介して接続される。ここで、CPU11、ROM12及びRAM13は、制御部100を構成する。制御部100は、CPU11がROM12や記憶部14に記憶されたプログラムに従って動作することによって、各種制御処理を実行する。
【0021】
記憶部14は、電源を切っても記憶情報を保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部14は、各種のプログラムや設定情報を記憶する。
【0022】
また、制御部100には、バス等を介して、リードライト部15と、通信部16とが接続される。リードライト部15は、アンテナ151と、送信部152と受信部153とを有する。
【0023】
アンテナ151は、無線タグTGと交信可能な電波を送受信する。送信部152は、アンテナ151から電波を放射させるための電力をアンテナ151に供給する。受信部153は、アンテナ151を介して無線タグTGから送信される電波を受信する。
【0024】
リードライト部15は、制御部100の制御の下、無線タグTGを読み取るための電波を放射し、当該電波を受けた無線タグが発する電波を受信することで、無線タグTGに記憶されたタグデータを読み取る。また、リードライト部15は、制御部100の制御の下、無線タグTGにデータを書き込むための電波を放射することで、無線タグTGが有する記憶媒体にデータを書き込むことも可能である。
【0025】
通信部16は、携帯端末20や情報処理装置30を接続するための通信インタフェースである。例えば、通信部16は、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に準拠した通信インタフェースである。また、例えば、通信部16は、USB(Universal Serial Bus)等の通信企画に準拠した通信インタフェースである。
【0026】
図4は、携帯端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末20は、
図4に示すように、CPU21、ROM22、RAM23、記憶部24等を備えている。
【0027】
CPU21は、プロセッサの一例であり、携帯端末20の動作を統括的に制御する。ROM22は、各種プログラムを記憶する。RAM23は、各種データを展開するためのワーキングメモリとして使用される。また、RAM23は、無線タグ読取装置10で読み取られたタグデータを記憶(以下、登録ともいう)するための読取バッファ231を保持する。
【0028】
CPU21、ROM22、RAM23、及び記憶部24は、バス等を介して接続される。ここで、CPU21、ROM22及びRAM23は、制御部200を構成する。制御部200には、バス等を介して、表示部25、操作部26、及び通信部27等が接続される。制御部200は、CPU21がROM22や記憶部24に記憶されたプログラムに従って動作することによって、上記各部(表示部25、操作部26、通信部27等)を統括的に制御する各種制御処理を実行する。
【0029】
記憶部24は、電源を切っても記憶情報を保持するフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。記憶部24は、各種のプログラムや設定情報を記憶する。
【0030】
例えば、記憶部24は、無線タグ読取装置10を制御するためのアプリケーションプログラムを記憶する。このアプリケーションプログラムをCPU21が実行すると、表示部25に、無線タグ読取装置10を操作するためのGUI(Graphic User Interface)が表示される。
【0031】
また、記憶部24は、備品マスタ241を記憶する。
図5は、備品マスタ241のデータ構成の一例を示す図である。
図5に示すように、備品マスタ241は、管理番号と、品名と、分類と、タグ識別子とを関連付けて記憶する。
【0032】
管理番号は、備品Fの各々に割り当てられた備品Fを管理するための固有情報である。品名は、備品Fの品名を示す情報である。なお、
図5では備品Fの各々に固有の品名を割り当てた例を示している。分類は、備品Fが属する分類を示す情報である。例えば、ハサミ類の備品Fには、分類としてハサミを示す文字列や分類コードが格納される。なお、
図5では分類として分類コードを格納した例を示している。タグ識別子には、備品Fに付された無線タグTGが記憶するタグ識別子が格納される。
【0033】
なお、備品マスタ241のデータ構成は
図5の例に限らないものとする。例えば、備品マスタ241は、分類毎にその分類に属する備品Fの点数を記憶してもよい。
【0034】
図4に戻り、表示部25は、例えば液晶パネル等で形成されており、操作者に対して各種の情報を表示する。操作部26は、例えば各種操作ボタンやタッチパネル等の入力デバイスを有し、操作者による操作を受け付ける。タッチパネルは表示部25に重ねて設けられ、表示部25の表示内容(GUI)に応じた操作を受け付ける。通信部27は、上述した通信部16と同様の通信規格に準拠した通信インタフェースである。通信部27は、無線タグ読取装置10や情報処理装置30と通信を行う。
【0035】
次に、無線タグ読取装置10及び携帯端末20の機能構成について説明する。
図6は、無線タグ読取装置10及び携帯端末20の機能構成の一例を示す図である。
【0036】
無線タグ読取装置10は、
図6に示すように、読取処理部101と、通信制御部102とを機能構成として備える。
【0037】
無線タグ読取装置10が備える機能構成の一部又は全ては、無線タグ読取装置10のプロセッサ(例えばCPU11)とメモリ(例えばROM12、記憶部14)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、無線タグ読取装置10が備える機能構成の一部又は全ては、無線タグ読取装置10に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0038】
一方、携帯端末20は、
図6に示すように、通信制御部201と、表示制御部202と、操作制御部203と、読取動作制御部204と、設定変更部205と、読取結果処理部206と、異物検知部207と、探索処理部208と、棚卸処理部209とを機能構成として備える。
【0039】
携帯端末20が備える機能構成の一部又は全ては、携帯端末20のプロセッサ(例えばCPU21)とメモリ(例えばROM22、記憶部24)に記憶されたプログラムとの協働により実現されるソフトウェア構成であってもよい。また、携帯端末20が備える機能構成の一部又は全ては、携帯端末20に搭載された専用回路等で実現されるハードウェア構成であってもよい。
【0040】
読取処理部101は、リードライト部15と協働することで、無線タグTGからタグデータを読み取る。具体的には、読取処理部101は、携帯端末20からの指示に基づき、アンテナ151の交信領域内にある無線タグTGからタグデータを読み取る。また、読取処理部101は、携帯端末20からタグ識別が指定された場合、そのタグ識別を含んだタグデータの読み取りを行う。
【0041】
通信制御部102は、通信部16と協働することで、携帯端末20との間の通信を制御する。具体的には、通信制御部102は、読取処理部101が読み取ったタグデータを携帯端末20に送信する。また、通信制御部102は、携帯端末20から送信される各種情報(後述する動作指示等)を受信する。
【0042】
通信制御部201は、通信部27と協働することで、無線タグ読取装置10との間の通信を制御する。具体的には、通信制御部201は、読取動作制御部204が出力する読取開始/終了等の無線タグ読取装置10の動作を指示する指示情報を無線タグ読取装置10に送信する。また、通信制御部201は、無線タグ読取装置10から送信されたタグデータを受信する。
【0043】
表示制御部202は、各種の情報を表示部25に表示させる。具体的には、表示制御部202は、無線タグ読取装置10の操作に係るGUIを表示部25に表示させる。例えば、表示制御部202は、
図7に示すGUIを表示部25に表示させる。
【0044】
図7は、携帯端末20の表示部25に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、
図7は、メニュー画面の一例を示している。メニュー画面Aは、携帯端末20を用いて実行する業務を選択するための操作画面であり、各種の操作子を有する。
【0045】
データ取込ボタンAaは、備品マスタの取得(更新)を指示するための操作子である。データ取込ボタンAaが操作されると、制御部200は、通信制御部201と協働することで、自装置に接続された情報処理装置30から備品マスタを取得し、備品マスタ241として記憶部24に記憶するデータ取込処理を実行する。
【0046】
設定ボタンAbは、無線タグ読取装置10の動作に係る設定を変更する際に操作する操作子である。異物検知ボタンAcは、後述する異物検知の実行を指示するための操作子である。棚卸ボタンAdは、後述する棚卸処理の実行を指示するための操作子である。これらの操作子が操作されると、表示制御部202は、他の機能構成と協働することで、各種業務用のGUIを表示部25に表示させる。
【0047】
図6に戻り、操作制御部203は、操作部26を介して操作者の操作を受け付ける。例えば、操作制御部203は、表示制御部202が表示させるGUIに対する操作を受け付ける。また、操作制御部203は、トリガボタン171等のハードウェアキーに対する操作を受け付ける。
【0048】
読取動作制御部204は、操作者から受け付ける操作に応じて、読取開始等の無線タグ読取装置10の動作を指示する。具体的には、読取動作制御部204は、GUIに表示される操作子やトリガボタン171を介して、操作者の操作を受け付ける。例えば、読取動作制御部204は、読み取り開始の操作を受け付けると、読み取り開始を指示する指示情報を出力する。また、例えば、読取動作制御部204は、読み取り終了(停止)の操作を受け付けると、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0049】
また、読取動作制御部204は、読み取り動作に係る設定情報に基づいて、読み取りを行う時間やトリガボタン171の有効/無効を切り替える。
【0050】
設定変更部205は、操作者から受け付ける操作に応じて、無線タグ読取装置10の読取動作に係る設定変更を指示する。設定変更部205は、例えば
図8に示すGUIを介して、操作者の操作を受け付ける。
【0051】
図8は、携帯端末20の表示部25に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、
図8は、設定画面の一例を示している。かかる設定画面は、例えば、
図7のメニュー画面Aで設定ボタンAbが操作されると表示される。
【0052】
図8に示すように、設定画面Bは、各種設定を行うためのラジオボタンBa~Bdを含む。ここで、ラジオボタンBa~Bcは、無線タグTGの読み取りに係る時間(以下、検出時間ともいう)に係る設定を行うための操作子であり、択一的に選択することが可能となっている。
【0053】
ラジオボタンBaは、検出時間を明示的に指定する際に操作する操作子である。ラジオボタンBaを選択することで、検出時間を設定することが可能となる。
図8では、検出時間として5秒が設定された例を示している。この場合、設定変更部205は、指定された検出時間を設定情報として記憶する。また、読取動作制御部204は、検出時間が設定された場合、検出時間を指定した読み取り開始の指示情報を出力する。また、読取動作制御部204は、設定された検出時間の間、読み取り開始の指示情報の出力を継続してもよい。
【0054】
ラジオボタンBbは、携帯端末20に表示される操作子(開始ボタンCaa等)やトリガボタン171を用いて読み取りを行う場合に使用する操作子である。ラジオボタンBbが選択された場合、設定変更部205は、携帯端末20に表示される操作子(開始ボタンCaa等)やトリガボタン171の操作に連動して読み取りの開始/終了を行うことを設定情報として記憶する。この場合、設定変更部205は、携帯端末20に表示される操作子(開始ボタンCaa等)やトリガボタン171の操作に応じて、読み取り開始/終了の指示情報を出力する。
【0055】
ラジオボタンBcは、検出時間を無制限とする際に操作する操作子である。ラジオボタンBcが選択された場合、設定変更部205は、検出時間を無制限に設定する。なお、この場合は、操作者から読み取り停止が指示されるまでの間、無線タグTGの読み取りが継続されることになる。
【0056】
ラジオボタンBdは、読み取り対象の分類を指定する際に操作する操作子である。操作者は、ラジオボタンBdを選択することで、読み取り対象の分類(分類コード)を設定することが可能となる。
図8では、01から99までの分類コードが設定された例を示している。設定変更部205は、設定された分類コードを設定情報として記憶する。なお、この場合、読取結果処理部206は、通信制御部201が受信したタグデータのうち、設定された分類コードの条件に該当するタグデータ(タグ識別子)を抽出して報知等の処理を行う。
【0057】
図6に戻り、読取結果処理部206は、通信制御部201が受信したタグデータを取得し、RAM23に設けられた読取バッファ231に登録する。ここで、読取結果処理部206は、新たなタグデータが通信制御部201で受信される毎に、当該タグデータに含まれるタグ識別子と、読取バッファ231に登録されたタグデータのタグ識別子とを比較する。そして、読取結果処理部206は、タグ識別子が重複した場合に、受信されたタグデータを破棄する重複チェックを実行する。これにより、同一のタグ識別子を含むタグデータが読取バッファ231に重複して登録されてしまうことを抑制することができる。
【0058】
異物検知部207は、判定手段及び報知手段の一例である。異物検知部207は、備品マスタ241に基づいて、収容物Pに混入した異物の検知を行う。具体的には、異物検知部207は、新たなタグデータが読取バッファ231に登録される毎に、そのタグデータのタグ識別子と、備品マスタ241に登録されたタグ識別子とを照合し、一致するタグ識別子が備品マスタ241に登録されているか否かを判定する。言い換えると、異物検知部207は、読取バッファ231に登録されたタグ識別子と、備品マスタ241に登録されたタグ識別子とを照合することで、備品Fに付された無線タグTGが読み取られたか否かを判定する。そして、異物検知部207は、備品マスタ241に登録されていると判定した場合、つまり備品Fに付された無線タグTGが読み取られたと判定した場合、異物を検知したと判断し、異物検知の報知を行う。
【0059】
なお、異物検知部207は、操作者から受け付ける操作に応じて、上述の異物検知を行う。例えば、異物検知部207は、
図7のメニュー画面Aで異物検知ボタンAcが操作されると、表示制御部202と協働することで、
図9~
図12に示すような異物検知に係るGUIを表示させる。
【0060】
図9~
図12は、携帯端末20の表示部25に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、
図9~
図12は、異物検知画面の一例を示している。
【0061】
図9に示すように、異物検知画面Cは、第1領域Caと、第2領域Cbとを有する。ここで、第2領域Cbは、無線タグ読取装置10の動作状態や読み取り結果を表示するための領域である。
【0062】
第1領域Caには、各種の操作子が表示される。例えば、第1領域Caには、開始ボタンCaaと、終了ボタンCabとが表示される。
【0063】
開始ボタンCaaは、異物検知の開始を指示するための操作子である。異物検知部207は、開始ボタンCaaの操作を受け付けると、読取動作制御部204と協働することで、読み取り開始を指示する指示情報を出力する。開始ボタンCaaの操作により読み取りが開始されると、
図10に示すように、異物の検知中であることを示す情報が、第2領域Cbに表示される。
【0064】
また、開始ボタンCaaは、操作を受ける都度、異物検知の開始と停止とが切り替わるトグルボタンである。開始ボタンCaaは、操作を受けると、
図10に示すように、異物検知の停止を指示するための停止ボタンCacへと表示を切り替える。なお、異物検知部207は、停止ボタンCacの操作を受け付けると、読取動作制御部204と協働することで、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0065】
終了ボタンCabは、異物検知の終了を指示するための操作子である。表示制御部202は、終了ボタンCabの操作を受け付けると、異物検知画面Cの表示を終了し、例えばメニュー画面Aを表示させる。なお、読み取り動作中に終了ボタンCabが操作された場合、異物検知部207は、読取動作制御部204と協働することで、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0066】
異物検知が開始されると、読取動作制御部204及び読取結果処理部206により、無線タグ読取装置10で読み取られたタグデータが読取バッファ231に登録される。異物検知部207は、無線タグ読取装置10で読み取られたタグデータのタグ識別子を、備品マスタ241に照合することで、備品Fに付された無線タグTGが読み取られたか否かを判定する。ここで、異物検知部207は、読取バッファ231に登録されたタグ識別子が備品マスタ241に登録されている場合、備品Fに付された無線タグTGが読み取られたと判定し、異物を検知したことの報知を行う。
【0067】
例えば、異物検知部207は、該当するタグ識別子に関連付けられた備品Fの管理番号や品名等を備品マスタ241から読み出し、
図11に示すように、読み出した情報を第2領域Cbに表示させることで異物検知の報知を行う。
【0068】
図11は、異物が検知された場合の異物検知画面Cの一例を示している。
図11に示すように、異物検知部207は、異物として検知した備品Fの管理番号、品名を第2領域Cbに表示させることで報知を行う。また、異物検知部207は、異物を検知したことを強調して報知するため、第2領域Cbの背景色を赤色等の警戒色で表示させる。
図11では、管理番号が「10001」の品名「ハサミ1」が異物として検知された例を示している。
【0069】
なお、
図11では、一の異物が検知された場合の報知例を示しているが、異物を複数検知した場合には、処理部206は、検知した異物の各々について、管理番号及び品名を表示部25に表示させる。この場合、操作者は、第2領域Cbに表示された何れか一又は複数の異物を後述する探索処理の処理対象(以下、探索対象ともいう)として選択することが可能である。
【0070】
また、異物が検知された場合、第1領域Caには、異物が混入した収容物Pの位置を探索することを指示するための探索ボタンCadが表示される。探索ボタンCadが操作された場合の処理については後述する。
【0071】
また、異物検知部207は、無線タグ読取装置10により読み取りが終了するまでの間に異物を検知しなかった場合には、
図12に示すように、第2領域Cbを介して、異物が検知されなかったことを報知する。
【0072】
ここで、
図12は、異物が検知されなかった異物検知画面Cを示している。異物検知部207は異物を検知しなかった場合、
図12に示すように、異常なし等のメッセージを第2領域Cbに表示させることで異物が存在しないことを報知する。また、異物検知部207は、異物が存在しないことを強調して報知するため、第2領域Cbの背景色を、異物検知時とは異なる青色等で表示させる。
【0073】
これにより、携帯端末20の操作者は、携帯端末20のアンテナ151を収容物Pに向けることで、異物が混入しているか否かを容易に把握することができる。したがって、携帯端末20は、収容物Pに混入した異物の検知を効率的に行うことができる。
【0074】
なお、異物の有無の報知方法は、画面表示に限らないものとする。例えば、読取結果処理部206は、携帯端末20が備えるスピーカー等の音声出力装置(図示せず)からビープ音等の音声を出力させることで異物の有無を報知してもよい。
【0075】
図6に戻り、探索処理部208は、探索手段の一例である。探索処理部208は、異物として検知された備品Fについて、当該備品Fが収容された収容物Pを探索するための処理を実行する。例えば、探索処理部208は、上述した異物検知画面Cの探索ボタンCad(
図11参照)の操作を受け付けると、検知された異物のタグ識別子に基づき探索処理を実行する。
【0076】
具体的には、探索処理部208は、読取動作制御部204と協働することで、探索対象となる異物のタグ識別子(以下、探索対象のタグ識別子ともいう)を指定した読み取りの開始指示を出力する。これにより、無線タグ読取装置10では、指定されたタグ識別子のタグデータの読み取りを選択的に行い、その読み取り結果を携帯端末20に出力する。
【0077】
次いで、探索処理部208は、探索対象のタグ識別子の読み取り結果から、当該タグ識別子を保持する無線タグTGの存在位置、つまり異物として検知された備品Fの存在位置を推定する。例えば、探索処理部208は、アンテナ151の指向性や通信制御部201の受信電波強度等のタグデータの受信状況に基づき、無線タグTGが存在する方向や距離を推定する。そして、探索処理部208は、
図13に示すように、無線タグTGが存在する方向および距離に対応する位置を表示部25に表示させる。
【0078】
ここで、
図13は、携帯端末20の表示部25に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、
図13は、探索画面の一例を示している。かかる探索画面は、例えば、
図11の異物検知画面Cで探索ボタンCadが操作されると表示される。
【0079】
図13に示すように、探索画面Dは、異物検知画面Cと同様に第1領域Daと、第2領域Dbとを有する。第1領域Caには、操作ボタンDaaと、終了ボタンDabとが表示される。
【0080】
操作ボタンDaaは、探索処理の開始/停止を指示するための操作子である。操作ボタンDaaは、操作を受ける都度、探索処理の開始と停止とが切り替わるトグルボタンである。探索処理部208は、読取動作制御部204と協働することで、操作ボタンDaaの操作に応じて、読み取り開始又は停止を指示する指示情報を出力する。
【0081】
図13では、探索処理が実行中の状態を示しており、操作ボタンDaaの表記が、探索処理の停止を意味する「停止」となっている。この状態で操作ボタンDaaが操作されると、読取動作制御部204は、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。また、
図13の状態で、操作ボタンDaaが操作されると、操作ボタンDaaの表記が探索処理の開始を意味する「開始」等に切り替えられる。
【0082】
終了ボタンDabは、探索処理の終了を指示するための操作子である。終了ボタンDabが操作されると、表示制御部202は、探索画面Dの表示を終了し、例えば異物検知画面Cを表示させる。なお、探索処理の最中に終了ボタンDabが操作された場合には、探索処理部208は、読取動作制御部204と協働することで、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0083】
第2領域Dbには、探索対象のタグ識別子と、当該タグ識別子に対応する備品Fの品名とが表示される。また、第2領域Dbには、探索対象のタグ識別子に対応する無線タグTGが存在する方向及び距離を表すレーダ画面Dbaが表示される。
【0084】
レーダ画面Dbaは、無線タグ読取装置10の位置を中心Dbbとし、方向および距離を同心円で表したものである。また、レーダ画面Dbaにおいて、扇形で示す領域Dbcは無線タグ読取装置10が放射する電波の放射範囲を示すものである。
【0085】
探索対象の備品Fが放射範囲に入り、その備品Fに付された無線タグTGのタグデータが通信制御部201で取得されると、探索処理部208は、その無線タグTGが存在する方向及び距離を推定し、推定した無線タグTGの位置Dbdを領域Dbc中に表示する。
【0086】
これにより、操作者は、領域Dbc中の位置Dbdと中心Dbbとが近づくように移動することで、探索対象のタグ識別子が存在する位置、つまり異物として検知された備品Fが混入する収容物Pの位置を容易に探索することができる。このように、本実施形態によれば、異物の検知から、その異物が混入した収容物Pの探索業務へと容易に移行することができる。
【0087】
図6に戻り、棚卸処理部209は、棚卸手段の一例である。棚卸処理部209は、無線タグの読み取り結果と、備品マスタ241とに基づいて、当該備品マスタ241に登録された各異物の存否を判定する棚卸処理を行う。ここで、棚卸処理は、物流現場で用いる備品Fの各々が、規定の場所(以下、備品管理スペースともいう)に予め定められた個数(以下、理論在庫数ともいう)が存在するか否かを確認するための処理である。例えば、操作者は、携帯端末20のアンテナ151を備品管理スペースに向けることで、棚卸対象の備品Fからタグデータの読み取りが行われる。
【0088】
具体的には、棚卸処理部209は、操作者により棚卸処理の開始が指示されると、読取動作制御部204と協働することで、読み取りの開始指示を出力する。また、棚卸処理部209は、及び読取結果処理部206と協働することで、読取バッファ231をクリアする。
【0089】
次いで、棚卸処理部209は、備品マスタ241に基づき、タグデータの読み取り結果を集計する。具体的には、棚卸処理部209は、読取バッファ231に登録されたタグ識別子の各々に対応する備品Fの読み取り点数を集計する。ここで、読み取り点数の集計は、個品(管理番号、品名)単位であってもよいし、分類単位であってもよい。そして、棚卸処理部209は、集計した結果を棚卸結果として出力する。
【0090】
なお、棚卸処理部209は、操作者から受け付ける操作に応じて、上述の棚卸処理を行う。例えば、棚卸処理部209は、
図7のメニュー画面Aで棚卸ボタンAdが操作されると、表示制御部202と協働することで、
図14に示すような棚卸処理に係るGUIを表示させる。
【0091】
図14は、携帯端末20の表示部25に表示されるGUIの一例を示す図である。なお、
図14は、棚卸画面の一例を示している。
【0092】
図14に示すように、棚卸画面Eは、異物検知画面Cと同様に第1領域Eaと第2領域Ebとを有する。第1領域Eaには、操作ボタンEaaと、終了ボタンEabとが表示される。
【0093】
操作ボタンEaaは、棚卸処理の開始/停止を指示するための操作子である。操作ボタンEaaは、操作を受ける都度、棚卸処理の開始と停止とが切り替わるトグルボタンである。棚卸処理部209は、読取動作制御部204と協働することで、操作ボタンEaaの操作に応じて、読み取り開始又は停止を指示する指示情報を出力する。
【0094】
図14では、棚卸処理が実行中の状態を示しており、操作ボタンEaaの表記が、棚卸処理の停止を意味する「停止」となっている。この状態で操作ボタンEaaが操作されると、棚卸処理部209は、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。また、
図14の状態で、操作ボタンEaaが操作されると、操作ボタンEaaの表記が棚卸処理の開始を意味する「開始」等に切り替えられる。
【0095】
終了ボタンEabは、棚卸処理の終了を指示するための操作子である。終了ボタンEabが操作されると、表示制御部202は、棚卸画面Eの表示を終了し、例えばメニュー画面Aを表示させる。なお、棚卸処理の最中に終了ボタンEabが操作された場合には、棚卸処理部209は、読取動作制御部204と協働することで、読み取り終了を指示する指示情報を出力する。
【0096】
第2領域Ebには、棚卸処理の結果が表示される。第2領域Ebは、例えば上下方向にスクロール可能となっており、スクロール操作によって表示されていない棚卸処理の結果を表示することができる。
【0097】
図14では、個品単位での棚卸結果を示しており、備品Fの管理番号及び品名毎に、理論在庫数と実測在庫数とを関連付けて表示している。ここでは、備品Fを個品単位で表しているため、理論在庫数は何れも「1」となる。また、実測在庫数は、棚卸処理部209によって集計された読み取り点数を表すものであり、備品Fの存否を示す情報である。なお、実測在庫数は、棚卸処理の開始前は何れも「0」である。
【0098】
例えば、備品管理スペースに全ての備品Fが揃っている場合、棚卸処理の結果は、実測在庫数が全て「1」となる。また例えば、一部の備品Fが収容物Pに混入する等することで、備品管理スペースに存在しないような場合、棚卸処理の結果は、不在の備品Fの実測在庫数が「0」となる。
【0099】
これにより、操作者は、第2領域Ebに表示される棚卸結果を確認することで、備品管理スペースに全ての備品Fが存在するか否か確認することができ、不在の備品Fを容易に把握することができる。このように、本実施形態によれば、備品Fの管理を容易に行うことができる。
【0100】
なお、本実施形態では、棚卸処理部209の棚卸結果を表示部25に出力する形態としたが、出力先はこれに限らないものとする。例えば、棚卸処理部209は、棚卸結果を記憶部24に出力することで、記憶部24に記憶する形態としてもよい。また、棚卸処理部209は、棚卸結果を情報処理装置30に出力する形態としてもよい。
【0101】
以下、
図15~
図17を参照して、携帯端末20の動作例について説明する。
【0102】
図15は、携帯端末20が実行する異物検知処理の一例を示すフローチャートである。まず、異物検知部207は、異物検知画面Cの開始ボタンCaa(
図9参照)の操作等により操作者から異物検知の開始が指示されると、読取動作制御部204と協働することで、読み取りの開始を無線タグ読取装置10に指示する(ステップS11)。
【0103】
続いて、異物検知部207は、無線タグ読取装置10によりタグデータが読み取られたか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、異物検知部207は、読取バッファ231を監視することで、読取バッファ231に新たなタグデータが登録されたか否かを判定する。タグデータの読み取りが行われない場合には(ステップS12;No)、ステップS18に移行する。
【0104】
異物検知部207は、ステップS12でタグデータが読み取られたと判定すると(ステップS12;Yes)、ステップS13に移行する。ステップS13では、異物検知部207は、ステップS12で読み取られたタグデータに含まれるタグ識別子と、備品マスタ241に登録されたタグ識別子とを照合することで、当該タグ識別子が異物(備品F)を示すものか否かの判定を行う(ステップS13)。
【0105】
ここで、ステップS12で読み取られたタグデータのタグ識別子が備品マスタ241に登録されていない場合、異物検知部207は、異物でないと判定し(ステップS13;No)、ステップS17に移行する。また、ステップS12で読み取られたタグデータのタグ識別子が備品マスタ241に登録されている場合、異物検知部207は、異物を検知したと判定し(ステップS13;Yes)、ステップS14に移行する。
【0106】
ステップS14では、異物検知部207は、検知した異物の管理番号や品名等を備品マスタ241から読み出し表示部25に表示させることで、異物を検知したことを報知する(ステップS14)。また、異物検知部207は、探索処理への移行を指示することが可能な操作子(探索ボタンCad)を表示部25に表示させる(ステップS15)。
【0107】
続いて、異物検知部207は、探索処理への移行が指示されたか否かを判定する(ステップS16)。ここで、探索処理への移行が指示された場合(ステップS16;Yes)、探索処理部208は探索処理を実行する(ステップS17)。また、探索処理への移行が指示されない場合には(ステップS16;No)、ステップS18に移行する。
【0108】
続いて、異物検知部207は、異物検知の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS18)。ここで、異物検知の終了指示は、操作者による操作に限らず、検出時間の時間切れによる読み取り終了をも含む概念である。
【0109】
異物検知の終了が指示されない場合(ステップS18;No)、異物検知部207は、ステップS12に処理を戻すことで異物検知を継続する。また、異物検知の終了が指示された場合(ステップS18;Yes)、異物検知部207は、本異物検知で異物が検知されたか否かを判定する(ステップS19)。
【0110】
ここで、異物が検知されなかったと判定した場合(ステップS19;No)、異物検知部207は、「異常なし」等のメッセージを表示部25に表示させることで異物が存在しないことを報知した後(ステップS20)、処理を終了する。また、異物が検知されたと判定した場合(ステップS19;Yes)、異物検知部207は、ステップS14、S15で表示した異物の報知及び探索ボタンを残したまま本処理を終了する。
【0111】
図16は、携帯端末20が実行する探索処理の一例を示すフローチャートである。なお、本処理は、例えば異物検知画面Cに表示される探索ボタンCad(
図11参照)の操作に応じて行われるものである。また、本処理は、例えば
図15のステップS17で行われる探索処理に対応するものでもある。
【0112】
まず、探索処理部208は、読取動作制御部204と協働することで、探索対象のタグ識別子を指定した読み取りの開始を無線タグ読取装置10に指示する(ステップS31)。
【0113】
続いて、探索処理部208は、探索対象のタグ識別子の読み取りに係る電波の受信状況に基づいて、当該タグ識別子を保持する無線タグTGの存在位置を推定する(ステップS32)。次いで、探索処理部208は、推定した存在位置と自装置の存在位置との相対的な位置関係を、
図13に示したレーダ画面Dba等を用いて表示部25に表示させる(ステップS33)。
【0114】
続いて、探索処理部208は、探索処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS34)。ここで、探索処理の終了指示は、操作者による操作に限らず、検出時間の時間切れによる読み取り終了をも含む概念である。なお、探索処理部208は、探索処理を行う間は、検出時間を無制限に設定する構成としてもよい。
【0115】
探索処理の終了が指示されない場合(ステップS34;No)、探索処理部208は、ステップS32に処理を戻すことで、探索処理を継続する。また、探索処理の終了が指示された場合(ステップS34;Yes)、探索処理部208は、本処理を終了する。
【0116】
なお、本処理の実行が
図15のステップS17から開始された場合には、探索処理部208は、探索処理の終了後、ステップS18に処理を戻してもよい。また、この場合、探索処理部208は、読取バッファ231をクリアした後、ステップS18に処理を戻してもよい。
【0117】
図17は、携帯端末20が実行する棚卸処理の一例を示すフローチャートである。まず、棚卸処理部209は、棚卸画面Eの操作ボタンEaa(
図14参照)の操作等により操作者から棚卸処理の開始が指示されると、読取動作制御部204と協働することで、読み取りの開始を無線タグ読取装置10に指示する(ステップS41)。
【0118】
続いて、棚卸処理部209は、無線タグ読取装置10によりタグデータが読み取られたか否かを判定する(ステップS42)。タグデータの読み取りが行われない場合には(ステップS42;No)、ステップS45に移行する。
【0119】
棚卸処理部209は、ステップS42でタグデータが読み取られたと判定すると(ステップS42;Yes)、備品マスタ241に基づき、タグデータに含まれたタグ識別子の各々に対応する備品Fの読み取り点数を集計する(ステップS43)。次いで、棚卸処理部209は、集計結果を表示部25に表示させ(ステップS44)、ステップS45に移行する。
【0120】
続いて、棚卸処理部209は、棚卸処理の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS45)。ここで、棚卸処理の終了指示は、操作者による操作により読み取り終了の指示がなされる。なお、棚卸処理の終了指示は、操作者による操作に限らず、検出時間の時間切れによる読み取り終了をも含む概念としてもよい。
【0121】
棚卸処理の終了が指示されない場合(ステップS45;No)、棚卸処理部209は、ステップS42に処理を戻すことで、棚卸処理を継続する。また、探索処理の終了が指示された場合(ステップS45;Yes)、棚卸処理部209は、本処理を終了する。
【0122】
以上のように、本実施形態の携帯端末20は、物品Gを収容する収容物Pに対し、無線タグ読取装置10が無線タグ読み取り用の電波を放射することで得られた無線タグTGの読み取り結果と、備品Fに付された無線タグTGが保持するタグ識別子を登録した備品マスタ241とに基づき、備品Fに付された無線タグTGが読み取られたかを判定する。そして、携帯端末20は、備品Fに付された無線タグTGが読み取られたと判定した場合に、異物を検知したことを報知する。また、携帯端末20は、無線タグの読み取り動作が終了した時点で異物が検知されない場合、異物が存在しないことを報知する。
【0123】
これにより、携帯端末20の操作者は、無線タグ読取装置10の電波を収容物Pに向けることで、収容物Pに備品Fが混入されているか否かを容易に把握することができる。したがって、本実施形態の携帯端末20によれば、収容物Pに混入した異物の検知を効率的に行うことができる。
【0124】
また、携帯端末20は、異物が検知された場合に、異物に付された無線タグの読み取りに係る電波の受信状況に基づいて異物が存在する位置を探索し、探索した位置を表示部25に表示させる。
【0125】
これにより、携帯端末20の操作者は、異物が混入した収容物Pの位置を特定することができる。したがって、本実施形態の携帯端末20によれば、収容物Pに混入した異物の検知を効率的に行うことができる。
【0126】
また、携帯端末20は、無線タグ読取装置10による無線タグの読み取り結果と、備品マスタ241とに基づいて、備品マスタ241に登録された各備品Fの存否を判定し、その判定結果を表示部25に表示させる。
【0127】
これにより、携帯端末20の操作者は、例えば、無線タグ読取装置10の電波を備品管理スペースに向けることで、流通現場で使用される各備品Fの存否を容易に把握することができる。したがって、本実施形態の携帯端末20によれば、収容物Pに混入した異物の検知を効率的に行うことができる。
【0128】
このように、本実施形態の異物検知システム1によれば、収容物Pに混入した異物の検知を効率的に行うことができる。
【0129】
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0130】
(変形例1)
上述の実施形態では、異物となる備品Fに無線タグTGを付加し、読み取ったタグデータを備品マスタ241と照合することで異物の検知を行う構成を説明した。しかしながら、無線タグTGは備品Fに限らず、物品Gに付加される構成としてもよい。
【0131】
例えば、物流の現場では、物流の対象となる物品Gの各々や、当該物品Gを収容する収容物Pに無線タグTGを付すことで、入出庫管理や在庫管理等の物品管理に活用する場合がある。このような場合、例えば、物品Gや収容物Pに付された無線タグTGのタグ識別に関連付けて、物品Gや収容物Pに関する情報(以下、物品情報)を登録した物品管理用のデータファイル(以下、物品管理マスタともいう)を用意し、携帯端末20の記憶部24に記憶する。そして、携帯端末20は、無線タグ読取装置10を介して読み取ったタグデータを、備品マスタ241と照合することで異物の検知を行うとともに、物品管理マスタと照合することで物品管理を行う構成としてもよい。
【0132】
例えば、異物検知部207は、無線タグ読取装置10で読み取られたタグデータのタグ識別子が、物品管理マスタに登録されたタグ識別子と一致した場合に、そのタグ識別子に関連付けられた物品情報を物品管理マスタから読み出す。そして、異物検知部207は、読み出した物品情報を表示部25に表示させてもよい。なお、異物検知部207は、物品管理に係る無線タグTGの読み取りの際に異物を検知した場合には、物品情報とともに検知した異物の管理番号や品名を表示部25に表示させることで、異物を検知したことを報知する。
【0133】
また、例えば、棚卸処理部209は、物品管理マスタに基づき、物品Gや収容物Pの物品管理に係る棚卸処理を実行してもよい。この場合、異物検知部207は、棚卸処理部209による物品管理に係る棚卸処理のバックグラウンドで、備品マスタ241に基づいた異物検知を行ってもよい。なお、この場合も、異物検知部207は、異物を検知した場合には、検知した異物の管理番号や品名を表示部25に表示させることで、異物を検知したことを報知する。
【0134】
これにより、本変形例に係る携帯端末20は、物品Gや収容物Pの物品管理を行うことができるとともに、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0135】
(変形例2)
上述の実施形態では、無線タグ読取装置10をハンディタイプの無線タグ読取装置としたが、無線タグ読取装置10はこの形態に限らないものとする。例えば、無線タグ読取装置10を、ゲート型の無線タグ読取装置に適用してもよい。この場合、無線タグ読取装置10は、ゲートを通過する収容物Pに電波を放射することで、無線タグTGの読み取りを行う。これにより、携帯端末20は、ゲート型の無線タグ読取装置10で読み取られたタグデータに基づき、異物の検知を行うことができる。
【0136】
また、ゲート型の無線タグ読取装置10と、ハンディタイプの無線タグ読取装置10とを併用する形態としてもよい。この場合、例えば、携帯端末20は、最初にゲート型の無線タグ読取装置10に接続される。次いで、携帯端末20は、ゲート型の無線タグ読取装置10において異物を検知すると、その異物のタグ識別子を保持したまま、ハンディタイプの無線タグ読取装置10へと接続される。そして、携帯端末20の操作者は、ハンディタイプの無線タグ読取装置10を用いて探索処理を行うことで、ゲートを通過した複数の収容物Pの中から、異物が混入した収容物Pの探索を行うことができる。
【0137】
(変形例3)
上述の実施形態では、携帯端末20が異物検知や探索処理、棚卸処理を行う構成としたが、携帯端末20以外の他の装置が
図6に示した携帯端末20の機能構成と備えることで、当該他の装置が異物検知や探索処理、棚卸処理を行う構成としてもよい。
【0138】
例えば、情報処理装置30が、携帯端末20の機能構成の一部又は全てを備えることで、探索処理、棚卸処理を行う構成としてもよい。
【0139】
(変形例4)
上記の実施形態では、無線タグ読取装置10の動作に係る設定画面(
図8参照)の一例を説明したが、設定可能な内容はこれに限らないものとする。
【0140】
例えば、無線タグ読取装置10から放射する電波の出力(送信出力)を設定可能な構成としてもよい。また、例えば、1回の処理で読み取る無線タグの最大枚数を規定する、アンチコリジョン機能に係るQ値を設定可能な構成としてもよい。また、例えば、無線タグが持つインベントリーフラグ(A、B)の状態保持方法を指定するためのセッションID(S0~S3)を設定可能な構成としてもよい。
【0141】
また、例えば、無線タグ読取装置10がバーコード等のコードシンボルを読み取ることが可能な構成(例えば、コードスキャナ等)を備える場合、読み取り対象を無線タグのみとするか、無線タグ及びコードシンボルの両方とするかを設定可能な構成としてもよい。なお、読み取り対象が無線タグのみに設定された場合、無線タグ読取装置10は、設定変更部205からの指示に応じて、コードシンボルの読み取り機能を無効化する。
【0142】
なお、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、ROMや記憶部等に予め組み込まれた状態で提供される。上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0143】
さらに、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0144】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0145】
1 異物検知システム
10 無線タグ読取装置
20 携帯端末
30 情報処理装置
101 読取処理部
102 通信制御部
201 通信制御部
202 表示制御部
203 操作制御部
204 読取動作制御部
205 設定変更部
206 読取結果処理部
208 探索処理部
209 棚卸処理部
241 備品マスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0146】