(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139525
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】LED照明装置及びLED照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20241002BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20241002BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241002BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20241002BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241002BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V19/00 450
F21V19/00 130
F21S2/00 230
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050500
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA02
3K013CA05
(57)【要約】
【課題】フレームの強度を確保しながらフレームを薄型化できるLED照明装置等を提供する。
【解決手段】LED照明装置3は、LED12が配置された基板11と、基板11が取り付けられた長尺状で板状のフレーム20と、フレーム20に取り付けられたカバー部材30と、を備え、フレーム20は、基板11が配置される凹部20aと、フレーム20の短手方向において凹部20aの両側に位置する一対の横板部23と、一対の横板部23から第2方向側に延出する一対の側板部24(延出部)とを有し、一対の側板部24の先端は、凹部20aの底部よりも第2方向側に位置し、凹部20aの深さをa[mm]とし、一対の側板部24の一方の長さをb[mm]とし、LED照明装置3の長手方向の長さをL[ft]とすると、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たす。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のLED照明装置であって、
LEDが配置された基板と、
前記基板が取り付けられた長尺状で板状のフレームと、
前記LEDを覆うように前記フレームに取り付けられたカバー部材と、を備え、
前記フレームを基準にして前記LEDの光出射側の方向を第1方向とし、前記第1方向とは反対側の方向を第2方向としたときに、
前記フレームは、前記基板が配置される凹部と、前記フレームの短手方向において前記凹部の両側に位置し且つ前記フレームの長手方向に沿って延在する一対の板部と、前記一対の板部から前記第2方向側に延出する一対の延出部とを有し、
前記LEDの前記第1方向側の端部は、前記凹部の開口面よりも前記第2方向側に位置しており、
前記一対の延出部の先端は、前記凹部の底部よりも前記第2方向側に位置しており、
前記凹部の深さをa[mm]とし、前記一対の延出部の一方の長さをb[mm]とし、前記LED照明装置の長手方向の長さをL[ft]とすると、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たす、
LED照明装置。
【請求項2】
さらに、(3/8)×L-1≦b/aの関係式を満たす、
請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記フレームは、前記凹部の底部である主板部を有し、
前記基板は、前記主板部に配置され、
前記一対の板部の各々は、前記主板部に対して傾斜する傾斜板部を有する、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記凹部の幅をw1[mm]とし、前記一対の板部の一方の幅をw2[mm]とすると、w1>2×w2の関係式を満たす、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記凹部の幅をw1[mm]とすると、w1≧10×aの関係式を満たす、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記フレームの幅をw3[mm]とすると、w3≦20×aの関係式を満たす、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記LEDに電力を供給するための電源装置を備え、
前記電源装置は、前記フレームの前記第2方向側に配置されている、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記電源装置は、回路部品が実装された回路基板と、前記回路基板を収納するケースとを有し、
前記電源装置は、前記フレームの短手方向に偏って配置されている、
請求項7に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記LEDに電力を供給するための電源装置を備え、
前記電源装置は、回路部品が実装された回路基板を有し、
前記回路基板は、前記延出部の先端よりも前記第2方向側に位置している
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のLED照明装置と、
前記LED照明装置が収納される凹部を有する器具本体と、を備える、
LED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置及びLED照明装置を備えるLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を用いたLED照明器具が知られている。例えば、天井に設置されるLED照明器具として、ライトバーと呼ばれる長尺状のLED照明装置と、LED照明装置が着脱可能に取り付けられる凹部を有する長尺状の器具本体とを備えるLED照明器具が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されたLED照明器具におけるLED照明装置(LEDユニット)は、長尺状の基板と、基板に実装された複数のLEDと、複数のLEDを覆う長尺状で透光性を有するカバー部材と、基板を支持するとともにカバー部材が取り付けられる長尺状のフレームとを備える。
【0004】
特許文献1に開示されたLED照明装置では、フレームの断面形状がコの字状になっている。断面形状がコの字状のフレームは、例えば、LEDが実装された基板が取り付けられる主板部と、主板部の短手方向(幅方向)の両端部から天井側に向けて延出する一対の側板部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたLED照明装置のようにフレームの断面形状がコの字状であると、器具本体の凹部とフレームとで囲まれる空間領域が狭くなるので、この空間領域に機能部品又は電線等の各種部品を配置することが難しくなる。
【0007】
一方、器具本体の凹部とフレームとで囲まれる空間領域を広くしようとして、断面コの字状のフレームの一対の側板部の長さ(主板部からの突出量)を単に短くしてフレームを薄型化すると、フレームの強度が低下するおそれがある。特に、フレームが板金製であって板状である場合、断面コの字状のフレームの一対の側板部の長さを短くすると、フレームの強度が大きく低下してしまう。
【0008】
フレームの強度が低下すると、LED照明装置を器具本体に取り付ける際の施工時にLED照明装置が変形したり、施工後にLED照明装置の自重や電線等で押されてLED照明装置がたわんだりする。このため、LED照明装置と器具本体の凹部の開口端縁との間に隙間が生じることがある。この結果、その隙間から電線がはみ出したり、その隙間に電線が挟まって線噛みが生じたりする。また、LED照明装置と器具本体との間に隙間が生じると、照明器具としての意匠性が低下する。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、板状のフレームであってもフレームの強度を確保しながらフレームを薄型化することができるLED照明装置及びそのLED照明装置を備えるLED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るLED照明装置の一態様は、長尺状のLED照明装置であって、LEDが配置された基板と、前記基板が取り付けられた長尺状で板状のフレームと、前記LEDを覆うように前記フレームに取り付けられたカバー部材と、を備え、前記フレームを基準にして前記LEDの光出射側の方向を第1方向とし、前記第1方向とは反対側の方向を第2方向としたときに、前記フレームは、前記基板が配置される凹部と、前記フレームの短手方向において前記凹部の両側に位置し且つ前記フレームの長手方向に沿って延在する一対の板部と、前記一対の板部から前記第2方向側に延出する一対の延出部とを有し、前記LEDの前記第1方向側の端部は、前記凹部の開口面よりも前記第2方向側に位置しており、前記一対の延出部の先端は、前記凹部の底部よりも前記第2方向側に位置しており、前記凹部の深さをa[mm]とし、前記一対の延出部の一方の長さをb[mm]とし、前記LED照明装置の長手方向の長さをL[ft]とすると、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たす。
【0011】
また、本発明に係るLED照明器具の一態様は、上記のLED照明装置と、前記LED照明装置が収納される凹部を有する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
フレームの強度を確保しながら、フレームの薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るLED照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係るLED照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係るLED照明器具の部分断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るLED照明装置をカバー部材側から見たときの斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るLED照明装置を裏側から見たときの斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係るLED照明装置の断面斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係るLED照明装置の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係るLED照明器具において、LED照明装置を器具本体に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【
図11】
図11は、LED照明装置におけるフレームの突出部の形状とフレームの強度との関係を示す図である。
【
図12】
図12は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームの断面形状を示す図である。
【
図13】
図13は、実施の形態に係るLED照明装置について、LED照明装置の長手方向の長さと、フレームの凹部の深さに対するフレームの側板部の長さとの関係を示す図である。
【
図14】
図14は、実施の形態に係るLED照明装置において、工事用電線の配置の第1例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施の形態に係るLED照明装置において、工事用電線の配置の第2例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施の形態に係るLED照明装置において、工事用電線の配置の第3例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームの第1のバリエーションの断面形状を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームの第2のバリエーションの断面形状を示す図である。
【
図19】
図19は、
図18のフレームを用いた実施の形態に係るLED照明器具の断面図である。
【
図20】
図20は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームを用いたときのLED照明装置の第1のバリエーションの断面形状を示す図である。
【
図21】
図21は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームを用いたときのLED照明装置の第2のバリエーションの断面形状を示す図である。
【
図22】
図22は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームを用いたときのLED照明装置の第3のバリエーションの断面形状を示す図である。
【
図23】
図23は、実施の形態に係るLED照明装置の長さ違いによるフレームを用いたときのLED照明装置の第4のバリエーションの断面形状を示す図である。
【
図24】
図24は、変形例1に係るLED照明装置の断面図である。
【
図25】
図25は、変形例2に係るLED照明装置の断面図である。
【
図26】
図26は、変形例3に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図30】
図30は、変形例4に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図31】
図31は、変形例5に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図32】
図32は、変形例6に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図33】
図33は、変形例7に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図34】
図34は、変形例8に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図35】
図35は、変形例9に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図36】
図36は、変形例10に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図37】
図37は、変形例11に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図38】
図38は、変形例12に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図39】
図39は、変形例13に係るLED照明装置の半断面図である。
【
図40】
図40は、フレームの第1変形例を示す断面図である。
【
図41】
図41は、フレームの第2変形例を示す断面図である。
【
図42】
図42は、フレームの第3変形例を示す断面図である。
【
図43】
図43は、フレームの第4変形例を示す断面図である。
【
図44】
図44は、フレームの第5変形例を示す断面図である。
【
図45】
図45は、フレームの第6変形例を示す断面図である。
【
図46】
図46は、フレームの第7変形例を示す断面図である。
【
図47】
図47は、フレームの第8変形例を示す断面図である。
【
図48】
図48は、フレームの第9変形例を示す断面図である。
【
図49】
図49は、フレームの第10変形例を示す断面図である。
【
図50】
図50は、フレームの第11変形例を示す断面図である。
【
図51】
図51は、フレームの第12変形例を示す断面図である。
【
図52】
図52は、フレームの第13変形例を示す断面図である。
【
図53】
図53は、フレームの第14変形例を示す断面図である。
【
図54】
図54は、フレームの第15変形例を示す断面図である。
【
図55】
図55は、フレームの第16変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0016】
(実施の形態)
まず、実施の形態に係るLED照明器具1の構成について、
図1~
図4を用いて説明する。
図1は、実施の形態に係るLED照明器具1の斜視図である。
図2は、同LED照明器具1の分解斜視図である。
図3及び
図4は、同LED照明器具1の断面図であり、LED照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。
図3は、電源装置4が存在しない部分の断面を示しており、
図4は、電源装置4が存在する部分の断面を示している。
図5は、同LED照明器具1の部分断面図であり、LED照明器具1の長手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。具体的には、
図5は、LED照明器具1の長手方向の両端部のうちの一方の端部周辺の断面を示している。
【0017】
LED照明器具1は、
図1~
図5に示すように、器具本体2と、器具本体2に取り付けられたLED照明装置3とを備える。本実施の形態に係るLED照明装置3は、LEDを光源とするLEDユニットである。LED照明器具1及びLED照明装置3は、長尺状である。LED照明装置3の全長は、一例として、2フィート、3.2フィート、4フィート、6フィート又は8フィートである。本実施の形態におけるLED照明装置3の全長は4フィートである。なお、1フィート(=1[ft])は、304.8[mm]である。
【0018】
器具本体2は、LED照明装置3を保持している。器具本体2は、建物における所定の箇所に設置される。本実施の形態におけるLED照明器具1は、天井直付け型の照明器具である。この場合、LED照明器具1は、床面側に向かって照明光を照射する。具体的には、LED照明器具1のLED照明装置3から照明光が照射される。LED照明器具1を天井に設置する場合、LED照明器具1の器具本体2は、ボルト等を用いて天井に取り付けられる。例えば、
図2に示すように、器具本体2に設けられたボルト挿通孔2dに、天井から突出するボルト101を挿通し、ボルト101に座金及びナットを取り付けて器具本体2をボルトに固定する。なお、施工現場によってはダブルナットによって器具本体2が取り付けられる場合もある。器具本体2には、ボルトの出代(器具本体2へのボルト引き込み代)が必要となり、その周辺には、LED照明装置3の部品が干渉しないようになっていることが望ましい。
【0019】
また、LED照明装置3のフレーム20の背面側に設けられた部品(電源装置4、調光用端子台9、機能付きユニット等)は、フレーム20から出っ張っているので、器具本体2に設けられた、ボルト挿通孔2d、配線挿通孔2e(天井から引き出された電源線や調光信号線等の配線102が挿通される孔)及び端子台と干渉しないように、ボルト挿通孔2d、配線挿通孔2e及び端子台と重ならないように配置されているとよい。特に、凹部2aの深さが浅い器具本体2では、フレーム20の背面側に設けられた部品は、ボルト挿通孔、配線挿通孔及び端子台と重ならないように配置するとよい。なお、蛍光ランプを備えた既存の照明器具に用いられる凹部の深さが深い器具本体(リニューアル用器具本体等)であっても、フレーム20の背面側に設けられた部品は、ボルト挿通孔、配線挿通孔及び端子台と重ならないように配置するとよい。なお、配線挿通孔2e(特に電源線が挿通される孔)と端子台との間にも電源線(VVFケーブル)が2本(入力用・送り用)配置される可能性があるため、フレーム20の背面側に設けられた部品(電源線等の配線)は、配線挿通孔と端子台との間の領域にも重ならないように配置することが望ましい。
【0020】
器具本体2は、金属製であり、金属板に曲げ加工等を施すことにより、Y軸方向に長尺且つ扁平な箱形状に形成されている。
図2に示すように、器具本体2には、矩形状の開口面を有する凹部2aが設けられている。凹部2aは、器具本体2の長手方向に沿って長尺状に設けられている。凹部2aは、LED照明装置3が収納される収納部であり、器具本体2の略全長に亘って設けられている。また、
図2及び
図3に示すように、器具本体2の幅方向における凹部2aの両側には、凹部2aの開口端縁2a1から延出し且つ外側に行くほど上側(天井側)に傾斜する傾斜面2bがそれぞれ設けられている。
図2に示すように、凹部2aの一対の側面のうちの一方の側面には、2つのスリット2cが設けられている。
【0021】
LED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに着脱自在に取り付けられている。例えば、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに取り付けたり、器具本体2の凹部2aに取り付けられたLED照明装置3を凹部2aから取り外したりすることができる。詳細は後述するが、LED照明装置3と器具本体2とは、LED照明装置3に設けられた引っ掛け金具5及び弾性保持部材6(本実施の形態ではキックバネ)を器具本体2に引っ掛けて係止させることで固定することができる。引っ掛け金具5は、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるための金具である。本実施の形態において、引っ掛け金具5は、スライド金具である。
【0022】
なお、LED照明装置3と器具本体2とを取り付けるための手段は、引っ掛け金具5とキックバネによる弾性保持部材6とを用いるものに限らない。例えば、LED照明装置3と器具本体2とは、シングルトーションバネ、ダブルトーションバネ又は板バネ等の他のバネ部材によって取り付けてもよいし、ネジ又はラッチ等のバネ部材以外の取付部材によって取り付けてもよい。また、キックバネ等のバネ部材及びそのバネ部材を受けるバネ受け金具は、器具本体2及びLED照明装置3のいずれに設けられていてもよい。つまり、バネ部材を器具本体2に設け且つバネ受け金具をLED照明装置3に設けてもよいし、バネ部材をLED照明装置3に設け且つバネ受け金具を器具本体2に設けてもよい。
【0023】
図4に示すように、LED照明装置3は、器具本体2に収納された電源装置4から供給される電力によって発光する。電源装置4は、LED照明装置3の光源部10に電力を供給するための装置である。
【0024】
電源装置4は、LED照明装置3の背面側に配置されている。具体的には、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに配置される。つまり、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに収納されている。本実施の形態において、電源装置4は、LED照明装置3の一部としてLED照明装置3に取り付けられており、LED照明装置3と一体になっている。なお、電源装置4は、LED照明装置3と一体ではなく、LED照明装置3と分離して器具本体2に配置されていてもよい。例えば、電源装置4は、器具本体2に固定されていてもよい。
【0025】
電源装置4は、LED照明装置3を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。具体的には、電源装置4は、プリント配線基板等の回路基板4aと、回路基板4aに実装された複数の電子部品4bとを有する。本実施の形態において、電源装置4は、さらに、複数の電子部品4bが実装された回路基板4aを収納する回路ケース4cを有する。回路ケース4cは、電子部品4bが実装された回路基板4aを覆うカバーである。回路ケース4cは、一例として、金属板によって構成された金属製の筐体である。なお、回路ケース4cは、樹脂製の筐体であってもよい。電源装置4を構成する電源回路は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLED照明装置3のLEDに供給する。
【0026】
電源装置4には、天井裏から器具本体2の貫通孔(配線挿通孔)に挿通されて器具本体2の凹部2a内に引き出された電源線(VVFケーブル等)が接続された電源端子台8(
図2参照)を介して交流電力が供給される。VVFケーブル等の電源線は、工事用電線であり、電線の一例である。電源端子台8は、器具本体2の凹部2aに設置されている。
【0027】
また、電源線を介して電源端子台8と電源装置4とを接続する場合、一端が電源端子台8に接続された電源線の他端に設けられたコネクタを電源装置4の差し込み口に差し込んでもよいし、一端が電源端子台8に接続された電源線の他端に設けられたコネクタと一端が電源装置4に接続された電源線の他端に設けられたコネクタ同士を接続してもよいし、一端が電源装置4に接続された電源線の他端に設けられたコネクタを電源端子台8の差し込み口に差し込んでもよいし、LED照明装置3に設けられた電源端子台8と電源装置4とを電源線で接続しておいて天井からのVVFケーブルを電源端子台8に結線してもよいし、電源装置4から引き出された口出し線と天井からのVVFケーブルとを直結してもよい。
【0028】
次に、
図1~
図5を参照しつつ、
図6~
図9を用いて、LED照明装置3の詳細な構造について説明する。
図6は、実施の形態に係るLED照明装置3をカバー部材30側から見たときの斜視図であり、
図7は、同LED照明装置3を裏側から見たときの斜視図である。
図8は、同LED照明装置3の断面斜視図である。
図9は、同LED照明装置3の分解斜視図である。
【0029】
図2、
図6及び
図7に示すように、LED照明装置3は、ライトバーと呼ばれる長尺状のライン光源である。LED照明装置3は、照明光として、例えば白色光等の所定の色の光を発光する。
【0030】
図3、
図8及び
図9に示すように、LED照明装置3は、光源部10と、光源部10が配置されるフレーム20と、光源部10を覆うカバー部材30と、エンドキャップ40とを備える。
【0031】
本実施の形態において、LED照明装置3は、電源装置4も備えている。つまり、電源装置4は、LED照明装置3に設けられている。具体的には、電源装置4は、フレーム20の天井側の面に取り付けられている。例えば、
図4に示すように、電源装置4は、ネジ50によって回路ケース4cの一部をフレーム20の主板部21にネジ止めすることでフレーム20に固定されている。具体的には、回路ケース4cは、開口部を有する筐体であり、底板と底板に立設する側板とによって構成されている。回路ケース4cは、回路ケース4cの開口部がフレーム20側に位置するように配置されている。つまり、回路ケース4cのフレーム20側の部分は、開放されている。
【0032】
以下、LED照明装置3を構成する各部材について詳細に説明する。
【0033】
光源部10は、照明光を発する発光部である。本実施の形態において、光源部10は、長尺状である。この場合、長尺状の光源部10は、フレーム20の長手方向(Y軸方向)の全長と略同等の長さの1つの光源部であってもよいし、フレーム20の長手方向に沿って複数個並べられていてもよい。
図9に示すように、本実施の形態において、光源部10は、フレーム20の長手方向に沿って2つ並べられている。
【0034】
光源部10は、LEDを用いたLEDモジュールであり、
図8及び
図9に示すように、基板11と、基板11に配置されたLED12とを備える。
【0035】
基板11は、LED12を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板11は、フレーム20の長手方向(Y軸方向)に長尺状をなす略矩形状に形成されている。基板11の厚みは、例えば1.0mmである。
図9に示すように、本実施の形態において、基板11は、フレーム20の長手方向に沿って2枚並べられている。
【0036】
基板11は、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板(プリント基板)である。なお、基板11の表面には、配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。基板11は、LED12が実装される主面のみに配線が形成された片面配線基板であってもよいし、両面に配線が形成された両面配線基板であってもよい。
【0037】
基板11を構成する基材としては、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体からなるセラミック基板、アルミニウム又は銅等の金属材料からなる金属基材の表面に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板等が用いられる。
【0038】
基板11が樹脂基板によって構成されている場合、樹脂基板としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM-3、FR-4等)、クラフト紙等とフェノール樹脂とによって構成された紙フェノール基材(FR-1、FR-2)、紙とエポキシ樹脂とによって構成された紙エポキシ基材(FR-3)、又は、ポリイミド等からなるポリイミド基板等を用いることができる。また、基板11は、リジッド基板であってもよいし、フィルム状のフレキシブル基板であってもよい。
【0039】
基板11に形成された金属配線は、電源装置4と電気的に接続されている。この場合、基板11に形成された電極又はコネクタ端子と電源装置4とは、リード線等の電線によって接続されている。基板11と電源装置4とを接続する電線は、例えば、フレーム20に設けられた貫通孔に挿通されている。
【0040】
基板11は、フレーム20に配置される。基板11は、LED12が実装される面である第1面と、第1面に背向する第2面とを有する。基板11の第1面は、カバー部材30側の面であり、基板11の第2面は、フレーム20側の面である。本実施の形態において、基板11の第2面は、フレーム20に接触している。
【0041】
図8及び
図9に示すように、基板11には、LED12が配置されている。具体的には、基板11の第1面に複数のLED12が配置されている。本実施の形態において、複数のLED12は、基板11の長手方向(Y軸方向)に沿って直線状に一列に且つ所定の間隔をおいて実装されている。具体的には、複数のLED12は、基板11の長手方向の略全長にわたって実装されている。したがって、複数のLED12は、フレーム20及びカバー部材30の長手方向に沿って実装されている。なお、複数のLED12は、基板11の長手方向に沿って、一列ではなく、複数列で実装されていてもよい。複数のLED12は、電源装置4と基板11とを接続する電線を介して電源装置4から供給される直流電流によって発光する。
【0042】
LED12は、発光素子の一例である。本実施の形態において、複数のLED12の各々は、個々にパッケージ化されたSMD構造のLED素子(LED光源)である。したがって、光源部10は、SMDタイプのLEDモジュールである。
【0043】
SMDタイプのLED12は、樹脂製又はセラミック製の白色の容器(パッケージ)と、容器内に配置されたLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する封止部材とを備える。本実施の形態において、LED12は、白色光を放出する白色LED素子である。この場合、例えば、LEDチップとしては、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられ、容器に充填される封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体等が含有されたシリコーン樹脂(蛍光体含有樹脂)が用いられる。
【0044】
このように構成される光源部10は、フレーム20に配置される。具体的には、光源部10の基板11がフレーム20に配置される。
【0045】
フレーム20は、光源部10が取り付けられる長尺状の取付部材(ベース部材)である。具体的には、フレーム20には、光源部10の基板11が取り付けられる。
【0046】
フレーム20は、光源部10及び器具本体2と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。光源部10は、フレーム20に支持されている。つまり、フレーム20は、光源部10を支持する支持部材である。本実施の形態において、フレーム20は、光源部10を支持するだけではなく、カバー部材30も支持している。具体的には、LED12が配置された基板11をフレーム20に載置して基板11をフレーム20に固定することで、LED12が配置された基板11がフレーム20に支持される。
【0047】
フレーム20は、板状である。本実施の形態において、フレーム20は、金属製であり、金属板によって構成されている。フレーム20は、例えば、SPCC(Steel Plate Cold Commercial;冷間圧延鋼板)製の1枚の板金(金属板)にロール成形加工及び/又はプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。フレーム20を構成する金属板の厚みは、一例として、0.2mm~2mmである。本実施の形態において、フレーム20は、板金加工により形成されているので、フレーム20を構成する金属板の厚みは、1mm以下であるとよい。具体的には、フレーム20を構成する金属板の厚みは、0.5mmとした。なお、フレーム20の作製方法は、ロール成形加工及びプレス加工に限るものではなく、アルミニウムの押出成型等であってもよい。
【0048】
図3及び
図4に示すように、板状のフレーム20は、主板部21と、一対の立板部22と、一対の横板部23と、一対の側板部24とを有する。
図9に示すように、主板部21、一対の立板部22、一対の横板部23及び一対の側板部24は、いずれも、フレーム20の長手方向(Y軸方向)に沿って延在している。また、
図3及び
図4に示すように、本実施の形態において、フレーム20は、XZ断面において、フレーム20の短手方向の中心を基準にして左右対称に形成されているが、これに限らない。
【0049】
主板部21は、フレーム20の本体部である。主板部21は、全体として平板状をなす厚みが一定の板状体である。
図3に示すように、主板部21には、光源部10が配置される。具体的には、主板部21には、LED12が配置された基板11が載置される。つまり、主板部21は、基板11を支持している。本実施の形態において、基板11と主板部21とは接している。なお、光源部10のLED12は、主板部21の幅方向の中心部に配置されているが、これに限らない。
【0050】
主板部21は、基板11側の面である第1面と、第1面に背向する第2面とを有する。本実施の形態において、主板部21の第1面は、基板11が取り付けられる基板取付面である。LED照明器具1が天井に設置された状態において、フレーム20は、主板部21の第1面及び第2面が天井面と略平行となるように配置されている。この場合、主板部21の第1面は、床側の面となり、主板部21の第2面は、天井側の面となる。
【0051】
図3に示すように、主板部21は、器具本体2の凹部2aの開口面よりも天井側(つまり凹部2aの底面側)に位置している。本実施の形態では、LED12も、器具本体2の凹部2aの開口面よりも凹部2aの底面側に位置している。具体的には、主板部21及びLED12は、凹部2aの開口端縁2a1よりも天井側に位置している。これにより、カバー部材30とLED12との距離を遠ざけることができるので、直線状に配列された複数のLED12の輝度むら(粒々感)を抑制することができる。
【0052】
図9に示すように、主板部21には、金属板で構成されたフレーム20の一部を切り起こすことによって形成された爪片21aが形成されている。
【0053】
主板部21に載置された基板11は、この爪片21aに係止されることで主板部21に固定される。この場合、例えば、基板11をスライドさせて基板11を爪片21aに係止させて基板11の長手方向の端部を別の爪片で係止する等して基板11を主板部21に固定してもよいし、爪片21aをかしめることで基板11を爪片21aに係止させて基板11を主板部21に固定してもよい。なお、主板部21と基板11との固定方法は、爪片21aによる係止構造に限るものではなく、主板部21と基板11とは、接着剤又は接着テープ等によって接着固定されていてもよい。また、主板部21と基板11とは接しているが、これに限らない。例えば、主板部21と基板11との間に、熱伝導シート等の別部材が挿入されていてもよい。また、主板部21には、基板11の配線と電源装置4とを電気的に接続するための電線が挿通される貫通孔が設けられている。
【0054】
一対の立板部22は、主板部21に立設する立設板部である。具体的には、一対の立板部22は、主板部21の一方の端部から立設しており、一対の立板部22の他方は、主板部21の他方の端部から立設している。立板部22及び横板部23は、主板部21と側板部24との間に設けられている。一対の立板部22の各々は、平板状である。
【0055】
図3に示すように、本実施の形態において、一対の立板部22の各々は、主面が主板部21の主面と直交しており、フレーム20の短手方向と直交する方向に延在している。つまり、立板部22は、主板部21に対して垂直に設けられている。具体的には、一対の立板部22の各々は、Z軸方向に沿って延在している。なお、立板部22は、主板部21に対して傾斜するように形成されていてもよい。
【0056】
図3及び
図4に示すように、主板部21と一対の立板部22とで凹部20aが構成されている。凹部20aの底部は、主板部21である。したがって、凹部20aの底部(主板部21)には、LED12が実装された基板11が配置される。このように、フレーム20は、基板11が配置される凹部20aを有する。また、凹部20aの側部は、立板部22である。本実施の形態において、凹部20aの断面形状は、コの字状である。つまり、凹部20aの空間領域(主板部21と一対の立板部22とで囲まれる領域)の断面形状は、矩形である。
【0057】
なお、凹部20aの断面形状は、コの字状でなくてもよい。つまり、凹部20aの空間領域の断面形状は、矩形でなくてもよい。例えば、凹部20aの空間領域の断面形状は、台形であってもよい。この場合、主板部21が台形の凹部20aの下底又は上底に対応する部分となり、立板部22が主板部21に対して傾斜する台形の凹部20aの側辺に対応する部分となる。
【0058】
凹部20aの底部に配置された光源部10は、凹部20aに収納されている。本実施の形態において、凹部20aの深さは光源部10の高さ(厚み)よりも大きくなっており、光源部10は、凹部20aからはみ出さないように収納されている。つまり、LED12は、凹部20aに収納されている。したがって、光源部10のLED12の床側の端部(発光面)は、凹部20aの開口面よりも天井側に位置している。この場合、LED12の床側の端部は、凹部20aの開口面から後退した位置に存在していてもよいし、凹部20aの開口面と面一になっていてもよい。このように、凹部20aにLED12を収納することで、LED12とカバー部材30の主部31との距離を長くすることができるので、フレーム20の長手方向に配列された複数のLED12の輝度むら(粒々感)を抑制することができる。
【0059】
なお、本実施の形態において、光源部10のLED12は、凹部20aからはみ出ないように凹部20aに収納されているが、これに限らない。例えば、LED12の一部又は全部は、凹部20aからはみ出していてもよい。この場合であっても、光源部10の基板11は、凹部20aからはみ出さないように配置されているとよく、凹部20aの深さは、光源部10の基板11の厚さよりも大きくなっているとよい。
【0060】
また、
図4に示すように、フレーム20の凹部20aの深さをa[mm]とし、凹部20aの幅をw1[mm]とすると、w1≧10×aの関係式を満たしているとよい。つまり、凹部20aの深さaと凹部20aの幅w1との比は、1:10以上であるとよい。これにより、凹部20aに光源部10が収納されていても、LED12から出射する光が凹部20aの開口面の角部(立板部22と横板部23との接続部分)に当たって遮光されてしまうことを抑制することができる。つまり、w1≧10×aとすることで、LED12から出射する光をけられにくくすることができる。この場合、
図4に示すように、凹部20aの幅をw1[mm]とし、横板部23の幅をw2[mm]とすると、w1>2×w2の関係式を満たしているとよい。
【0061】
また、フレーム20は、主板部21から光源部10の光出射側に向かって突出する突出部20bを有する。突出部20bは、フレーム20の短手方向における主板部21の両側に一対で設けられている。フレーム20に凹部20aが形成されることで、フレーム20に一対の突出部20bが形成される。本実施の形態では、凹部20aが天井側に窪むように形成されているので、一対の突出部20bの各々は、床側に突出するように形成されている。一対の突出部20bの各々は、横板部23と立板部22とによって構成されている。このように、主板部21に突出部20bを形成することで、フレーム20の強度を向上させることができる。凹部20aと一対の突出部20bとは、プレス加工等によってフレーム20を構成する金属板を変形させることで形成することができる。具体的には、凹部20a及び突出部20bは、金属板を折り曲げることで構成されている。したがって、主板部21、立板部22、横板部23及び側板部24の板厚は、同じになっている。
【0062】
横板部23は、凹部20aの横に位置している。本実施の形態において、横板部23は、フレーム20の短手方向における凹部20aの両側に位置している。つまり、凹部20aを挟むように一対の横板部23が形成されている。具体的には、一対の横板部23の一方は、フレーム20の短手方向における凹部20aの一方側に位置し、一対の横板部23の他方は、フレーム20の短手方向における凹部20aの他方側に位置している。つまり、一対の横板部23の一方は、フレーム20の短手方向における主板部21の一方側に位置し、一対の横板部23の他方は、フレーム20の短手方向における主板部21の他方側に位置している。一対の横板部23の各々は、立板部22の床側の端部に接続されており、立板部22の床側の端部から外方に向かって延在している。
【0063】
また、主板部21を基準にして光源部10(LED12)の光出射側の方向である第1方向を床側の方向とし、主板部21を基準にして床側方向(第1方向)とは反対側の方向である第2方向を天井側の方向としたときに、一対の横板部23の各々の少なくとも一部は、主板部21よりも床側(第1方向側)に位置している。本実施の形態では、横板部23の全体が主板部21よりも床側に位置している。したがって、各々が立板部22と横板部23とで構成される一対の突出部20bは、主板部21よりも床側に位置している。これにより、各突出部20bの天井側には、空間領域が形成される。空間領域は、フレーム20の天井側において、突出部20bで囲まれる領域である。つまり、この空間領域は、フレーム20の天井側において、立板部22と横板部23とで囲まれる領域である。本実施の形態では、横板部23における立板部22の反対側に側板部24が設けられているので、この空間領域は、立板部22と横板部23と側板部24とで囲まれる領域になっており、床側に窪む凹状の窪み部である。詳細は後述するが、この空間領域には、器具内電線、工事用電線(器具外電線)、バネやネジ等の構造部材、又は機能部品が収納されていてもよい。特に、この空間領域の外壁として側板部24が存在するので、空間領域に収納された器具内電線が空間領域からはみ出しにくくなっている。これにより、器具内電線がはみ出して線噛みが発生することを抑制できる。
【0064】
また、この空間領域には、1本の器具内電線ではなく、複数本の器具内電線が収納されていてもよい。この空間領域に収納された1本又は複数本の器具内電線は、テープ又は金具等の固定部材によってフレーム20に固定される。この場合、この空間領域を利用してテープを貼り付けたり金具を取り付けたりするとよい。例えば、金具を用いて器具内電線を固定する場合、器具内電線が収納された空間領域に蓋をするようにして金具を空間領域に固定する。この場合、金具を立板部22と側板部24との間に突っ張るように配置するとよい。
【0065】
なお、器具内電線は、この空間領域に収納されていなくてもよい。この場合、器具内電線をフレーム20の主板部21の天井側の面に配置し、器具内電線をテープによって接着固定してもよい。ただし、テープが主板部21のみに貼り付けられていると、テープが剥がれやすい。そこで、この場合、この空間領域を利用してテープを貼り付けるとよい。例えば、主板部21の天井側の面に器具内電線を配置し、主板部21と立板部22とに跨るようにテープを貼り付けるとよい。これにより、向きが異なる2つの面にテープが貼り付けられるので、テープが剥がれることを抑制できる。
【0066】
図3の拡大図に示すように、一対の横板部23の各々は、複数の板部によって構成されている。本実施の形態において、横板部23は、2つの板部によって構成されており、複数の板部として、主板部21と平行な平行板部23a(第1板部)と、主板部21に対して傾斜する傾斜板部23b(第2板部)とを有する。平行板部23a及び傾斜板部23bは、いずれも平板状である。
【0067】
横板部23において、平行板部23aは、フレーム20の短手方向(幅方向)に延在しており、傾斜板部23bは、フレーム20の短手方向に対して傾斜する方向に延在している。本実施の形態において、傾斜板部23bは、天井側に向かって広がるように傾斜している。したがって、立板部22と横板部23とで構成される突出部20bは、全体として外向きに傾斜するように構成されている。傾斜板部23bは、平行板部23aの外側に位置しており、側板部24の端部に接続されている。本実施の形態において、平行板部23aの長さは、傾斜板部23bの長さよりも長くなっている。
【0068】
図3及び
図4に示すように、フレーム20に形成された一対の突出部20bの少なくとも一部は、器具本体2の凹部2aの開口面よりも床側に位置している。つまり、一対の突出部20bの少なくとも一部は、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1よりも床側に位置している。本実施の形態では、一対の横板部23が器具本体2の凹部2aの開口面よりも床側に位置している。具体的には、横板部23の平行板部23a及び傾斜板部23bの両方が凹部2aの開口面よりも床側に位置している。
【0069】
なお、横板部23と立板部22とで構成される突出部20bは、内向きに傾斜するように構成されていてもよい。この場合、横板部23の傾斜板部23bは、平行板部23aの内側に位置し且つ主板部21の端部に接続され、立板部22は、横板部23の平行板部23aの外側に位置し且つ側板部24の端部に接続される。
【0070】
図3及び
図4に示すように、一対の側板部24は、板状の側面部であり、フレーム20における一対の脚部(足)として形成されている。一対の側板部24の各々は、光源部10の光出射側とは反対側に向かって延在している。本実施の形態において、一対の側板部24の各々は、横板部23の端部から天井側(第2方向側)に延出する延出部である。具体的には、一対の側板部24の一方は、一対の横板部23の一方の外側端部から天井側に向かって延在しており、一対の側板部24の他方は、一対の横板部23の他方の外側端部から天井側に向かって延在している。つまり、一対の側板部24は、フレーム20の短手方向における突出部20bの外側端部から天井側に向かって延在している。具体的には、一対の側板部24の各々は、Z軸方向に延在している。
【0071】
一対の側板部24の各々は、各横板部23の外側端部から主板部21の位置を超えて天井側に向かって延在している。したがって、各側板部24(延出部)の先端は、主板部21よりも天井側(第2方向側)に位置している。つまり、側板部24(延出部)の先端は、凹部20aの底部よりも天井側に位置している。本実施の形態において、側板部24は、横板部23の傾斜板部23bに接続されている。なお、側板部24は、フレーム20の長手方向の両端部には形成されておらず、フレーム20の長手方向の端部は開口している。
【0072】
図3の拡大図に示すように、側板部24と横板部23との接続部分Pは、凹部20aの底部である主板部21よりも床側(第1方向側)に位置しているとよい。これにより、LED12から出射した光が、カバー部材30の外側端部31aの近傍に形成された空間領域にまで回り込みやすくなる。なお、側板部24と横板部23との接続部分Pが凹部20aの底部よりも天井側に位置していると、LED12から出射した光が天井側に回り込んでしまい、光漏れや光損失の原因となる。
【0073】
一方、側板部24と横板部23との接続部分Pは、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1よりも天井側(第2方向側)に位置しているとよい。これにより、カバー部材30の外観に影が生じることを抑制できる。また、側板部24と横板部23との接続部分Pは、カバー部材30における取付部33と延設部32との接続部分よりも天井側(第2方向側)に位置しているとよい。これにより、カバー部材30の外観に影が生じることを抑制できる。なお、本実施の形態において、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1の位置は、カバー部材30における取付部33と延設部32との接続部分の位置と同じである。
【0074】
このように、側板部24と横板部23との接続部分Pは、凹部20aの底部である主板部21の位置と、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1の位置又はカバー部材30における取付部33と延設部32との接続部分の位置との間の領域(
図3の拡大図の領域R)に存在しているとよい。
【0075】
また、側板部24の長さ(延出量)は、凹部20aの深さよりも長くなっている。すなわち、
図3及び
図4に示すように、凹部20aの深さをa[mm]とし、側板部24の長さをb[mm]とすると、b≧aの関係式を満たしているとよい。この場合、側板部24の長さbの上限は特に限定されるものではないが、凹部20aの深さaと側板部24の長さbとは、b≦2×aの関係式を満たしているとよい。つまり、凹部20aの深さと側板部24の長さとの比は、1:2以下であるとよい。b≧aの関係式を満たしていることで、フレーム20の強度が強くなってLED照明装置3全体の強度が向上する。これにより、施工時等においてLED照明装置3が取り扱いやすくなる。また、b≧aの関係式を満たしていることで、側板部24の長さが長くなる。これにより、スナップインによりカバー部材30を容易にフレーム20に取り付けることができる。また、b≧aの関係式を満たしていることで、フレーム20全体のZ軸方向の厚さを短くすることができ、フレーム20を薄型化することができる。なお、b≧aの関係式は、満たしていなくてもよい。
【0076】
また、側板部24と横板部23との接続部分Pが主板部21よりも天井側に位置していてもよい。この場合も、側板部24の長さbは凹部20aの深さaよりも長くなっているとよいが(つまり、b>aであるとよいが)、側板部24の長さbが凹部20aの深さaよりも短くなっていてもよい。この場合、側板部24の長さbの下限は特に限定されるものではない。なお、凹部20aの深さaは、3mm以上であることが好ましい。
【0077】
図3及び
図4に示すように、一対の側板部24の各々の先端部分には、折れ曲げられるように形成された折曲部24aが設けられている。折曲部24aは、側板部24の先端部を構成している。本実施の形態において、折曲部24aは、側板部24の先端部分を厚み方向に折り返すことで形成された折返部である。したがって、折曲部24aは、折り返された部分と、折り返された部分に対向する部分(折り返されていない部分)とによって構成されている。折曲部24aは、例えばヘミング加工により形成されたヘミング曲げ構造である。なお、折曲部24aは、ヘミング加工により形成されたものに限るものではなく、側板部24の先端部分をカールさせて巻き上げることで形成されたカール曲げ構造であってもよい。また、折曲部24aは、幅方向の内側に折り曲げられて形成されているが、これに限るものではなく、幅方向の外側に折り曲げられて形成されていてもよい。また、側板部24に折曲部24aが形成されていなくてもよい。
【0078】
一対の側板部24の各々には、カバー部材30の取付部33が取り付けられる。本実施の形態において、カバー部材30は、スナップインによりフレーム20に取り付けられる。具体的には、カバー部材30の幅方向からカバー部材30の取付部33に設けられた係合部33aを側板部24の折曲部24aに嵌め合わせることで、カバー部材30をフレーム20に固定することができる。
【0079】
フレーム20に支持された光源部10は、カバー部材30で覆われている。カバー部材30は、光源部10のLED12を覆っている。本実施の形態において、カバー部材30は、光源部10における全てのLED12を覆っている。また、カバー部材30は、LED12だけではなく、光源部10の基板11も覆っており、複数のLED12を覆うように基板11と対向して配置されている。つまり、カバー部材30は、光源部10の全体を覆っている。このように、カバー部材30は、光源部10を覆うようにフレーム20に取り付けられている。
【0080】
カバー部材30は、透光性を有する透光カバーの一例であり、光源部10(LED12)から出射する光を透過する。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性を有するだけではなく、拡散性を有する拡散カバーである。したがって、カバー部材30に入射したLED12の光は、カバー部材30で拡散(散乱)しながらカバー部材30を透過する。
【0081】
図8に示すように、カバー部材30は、さらに、光源部10が配置されたフレーム20を覆っている。本実施の形態において、カバー部材30は、光源部10が配置されたフレーム20の全体を覆っている。なお、カバー部材30は、光源部10及びフレーム20と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。
【0082】
カバー部材30は、フレーム20に取り付けられる。また、カバー部材30とフレーム20とによって筒体が構成されており、光源部10は、この筒体内に収納されている。
【0083】
図3及び
図8に示すように、カバー部材30は、光源部10を覆う主部31と、カバー部材30の内方に向かって延出する延出部である延設部32と、フレーム20が取り付けられる取付部33とを有する。
【0084】
図3の拡大図に示すように、カバー部材30と器具本体2の凹部2aの内面との間に隙間Gが存在する。本実施の形態において、この隙間Gは、取付部33と凹部2aの内面との間の隙間である。
【0085】
主部31は、カバー部材30における本体部であり、光源部10のLED12から出射する光を透過させて外部に照射させる。主部31は、光源部10を覆っている。つまり、主部31は、光源部10に対向している。したがって、主部31は、基板11及びLED12と対向する面を有する。
【0086】
主部31は、カバー部材30の外観を構成している。
図9に示すように、主部31は、Y軸方向に長尺状であり、樋状に形成されている。主部31は、例えば扁平状の略セミシリンドリカル形状である。したがって、主部31は、Y軸方向に延在する長尺矩形状の開口端面を有する。また、X軸方向に沿って切断したときの主部31の断面形状は、略円弧状に湾曲した湾曲形状を有する。なお、主部31の形状は、桶状のR形状に限るものではなく、コの字状等の角形状であってもよいし、側面の一部がくびれた角形状等であってもよいし、筒状であってもよい。
【0087】
主部31は、フレーム20の突出部20bよりもフレーム20の短手方向の外側に位置する外側端部31aを有する。具体的には、外側端部31aは、主部31における取付部33よりも外側に位置する部分である。主部31の外側端部31aは、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1に対向している。なお、凹部2aの開口端縁2a1は、XY平面に平行な平坦面である。
【0088】
延設部32は、光源部10に向かって延出している。本実施の形態において、延設部32は、主部31に接続されており、主部31から光源部10に向かって延出している。したがって、延設部32は、主部31からカバー部材30の内方に向かって延出している。具体的には、延設部32は、主部31の内面から光源部10側に向かって延在している。また、延設部32は、フレーム20の主板部21に向かって延出している。本実施の形態において、延設部32は、主部31から主板部21に向かって延出している。なお、延設部32が光源部10又は主板部21に向かって延出するとは、延設部32の一部が光源部10又は主板部21に向かって延出していればよい。延設部32は、厚みが一定で板状の板片であり、
図8及び
図9に示すように、Y軸方向に延在している。
【0089】
延設部32は、一対設けられている。一対の延設部32は、フレーム20の短手方向において光源部10を挟んで設けられている。具体的には、一対の延設部32は、X軸方向において対向する位置に設けられている。本実施の形態において、一対の延設部32は、XZ断面において、カバー部材30の短手方向の中心を基準にして左右対称に形成されているが、これに限らない。
【0090】
各延設部32は、フレーム20の突出部20bを覆っている。つまり、各延設部32は、突出部20bを覆って主板部21に向かっている。したがって、各延設部32は、主部31から突出部20bを超えて延在している。本実施の形態において、延設部32は、突出部20bを覆うようにアーチ状に形成されている。したがって、延設部32は、主部31に向かって凸となるアーチ状である。これにより、光源部10から出射した光を延設部32で反射させることができるので、光取出し効率を向上させることができる。また、フレーム20に突出部20bを形成すると、カバー部材30の外側端部に影が生じやすくなるが、突出部20bを覆うようにアーチ状の延設部32を設けることで、カバー部材30の外側端部に影が生じにくくすることができる。
【0091】
各延設部32は、突出部20bよりも外側に位置する外延設部32aと、外延設部32aから突出部20bを覆って光源部10に向かって延在する内延設部32bとを有する。外延設部32aは、フレーム20の横板部23よりもフレーム20の短手方向の外側に位置している。
【0092】
本実施の形態において、外延設部32aは、取付部33よりも外側に位置する部分であり、内延設部32bは、取付部33よりも内側に位置する部分である。この場合、
図3に示すように、外延設部32aは、平板状に形成された部分であり、内延設部32bは、フレーム20の横板部23を境界にして折れ曲がるように形成された部分である。内延設部32bは、フレーム20の突出部20bを覆うようにして折れ曲がっている。
【0093】
また、各延設部32は、主部31の内面からLED12側に向かって延在している。各延設部32は、主部31の内面におけるフレーム20の突出部20bのうち最も床側(第1方向側)に位置する部位よりも天井側(第2方向側)の位置から突出部20bを覆うように光源部10側に向かって延在している。本実施の形態において、フレーム20の突出部20bのうち最も床側に位置する部位は、横板部23の平行板部23aである。つまり、各延設部32は、各突出部20bの平行板部23aよりも天井側の位置から光源部10側に向かって延在している。具体的には、各延設部32は、主部31の外側端部31aの先端に接続されている。したがって、各延設部32において、外延設部32aが主部31の外側端部31aの先端に接続されており、外延設部32aは、主部31の外側端部31aから光源部10側に向かって延在している。
【0094】
このように、延設部32は、フレーム20の横板部23のうち最も床側に位置する部位よりも天井側の位置からフレーム20の突出部20bを覆うようにして光源部10側に向かって延在している。これにより、カバー部材30の外側端部31aの近傍において、フレーム20の突出部20bよりも外側の天井側に向かって広がる空間領域を形成することができる。この結果、床側に突出する突出部20bをフレーム20に設けたとしても、LED12から出射した光のうちカバー部材30の主部31を透過せずに主部31の内面で反射した光を、カバー部材30の外側端部31aの近傍に形成された空間領域にまで回り込ませることができる。このため、LED12から出射した光をカバー部材30の主部31の外側端部31aにまで十分に行きわたらせることができるので、カバー部材30の主部31の外側端部31aの近傍まで十分に光らせることができる。したがって、幅方向(X軸方向)の全体にわたってカバー部材30を光らせることができ、カバー部材30の幅方向の端部が暗くなることを抑制することができる。つまり、フレーム20の突出部20bによるカバー部材30の幅方向の端部の暗がりを低減することができる。
【0095】
また、カバー部材30に延設部32を設けることで、LED照明装置3から出射する照明光の天井側への光束(上方光束)を低減することもできる。この結果、LED照明装置3から出射する照明光の床側への光束を増加させることができるので、LED照明器具1の直下照度を向上させることができる。これにより、複数のLED照明器具1を設置する場合、LED照明器具1の設置台数を削減することができる。
【0096】
延設部32の外延設部32aは、床側の方向又は天井側の方向において(つまりZ方向において)、凹部2aの内面と取付部33との間の隙間Gと重なる部位を有する。また、外延設部32aは、凹部2aの開口端縁2a1に対向している。したがって、外延設部32aは、隙間Gを跨るように形成されている。この構成により、カバー部材30の主部31の外側端部31aの近傍まで十分に光らせることができるので、幅方向(X軸方向)の全体にわたってカバー部材30の主部31を光らせることができる。したがって、カバー部材30の幅方向の端部が暗くなることを抑制することができる。
【0097】
各延設部32の外延設部32aにおける開口端縁2a1に対向する部分と主部31の外側端部31aとは、取付部33から外側に突出する突出部を形成している。具体的には、この突出部は、XZ断面において、断面V字形状に形成されている。なお、外延設部32aは、器具本体2の凹部2aの開口面の幅方向外側端部よりも外側に飛び出していない。具体的には、外延設部32aは、凹部2aの開口端縁2a1よりもY軸方向の外側に飛び出していない。具体的には、外延設部32aと主部31の外側端部31aの接続部分(V字の頂点)は、器具本体2の傾斜面2bとほぼ同一面に存在している。これにより、器具本体2の傾斜面2bとカバー部材30の主部31の表面とが連続する一つの面となるので、LED照明装置3の意匠性が向上する。
【0098】
各延設部32における外延設部32aは、内延設部32bと主部31とを連結する部分である。したがって、外延設部32aの一方の端部は、内延設部32bに接続されており、外延設部32aの他方の端部は、主部31の内面に接続されている。
【0099】
外延設部32aは、器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1に当接しうる当たり部である。LED照明装置3が器具本体2の凹部2aに収納された状態において、外延設部32aは、開口端縁2a1に当接していてもよいし、開口端縁2a1に当接していなくてもよい。つまり、外延設部32aと開口端縁2a1との間に隙間が存在していてもよいし、外延設部32aと開口端縁2a1とが密着していてもよい。
【0100】
本実施の形態では、LED照明装置3を弾性保持部材6(キックバネ)で引き上げて器具本体2に取り付ける際、外延設部32aが器具本体2の開口端縁2a1に当接することでLED照明装置3が器具本体2に取り付けられる。このため、外延設部32aと開口端縁2a1とは当接していることが望ましい。ただし、フレーム20又はカバー部材30等の各種部品の反り・ねじれ・うなり、又は、LED照明器具1の施工時のバラツキ(ボルト締付でのひずみ、配線によるバラツキなど)等によって、外延設部32aと開口端縁2a1との間に隙間が生じる場合もある。
【0101】
なお、外延設部32aは、主部31の一部であってもよい。この場合、延設部32は、内延設部32bのみで構成される。
【0102】
延設部32の少なくとも一部は、フレーム20の一部に沿った形状を有している。本実施の形態では、延設部32の少なくとも一部は、フレーム20の突出部20bに沿った形状を有する。具体的には、上記のように、延設部32の内延設部32bがフレーム20の突出部20bに沿った形状を有している。
【0103】
図3に示すように、内延設部32bは、床側に向かって突出するように屈曲している。つまり、内延設部32bは、フレーム20の突出部20bと同様に、床側に向かって突出する突出部を有するように形成されている。フレーム20の突出部20bは、この内延設部32bの屈曲する部分(突出部分)に向かって突出している。したがって、フレーム20の突出部20bは、内延設部32bの突出部分に嵌るように形成されている。
【0104】
また、内延設部32bの少なくとも一部は、フレーム20に当接しうる。後述するように、本実施の形態では、内延設部32bの先端部がフレーム20の主板部21に当接している。なお、カバー部材30は、基本的には、内延設部32bの先端部と取付部33の先端部(係合部33a)との2箇所のみでフレーム20に接触しているので、内延設部32bとフレーム20の突出部20bとの間には隙間が存在している。ただし、部品バラツキ又は施工バラツキ等によっては、内延設部32bと突出部20bの一部とが接触する場合もある。
【0105】
各延設部32の光源部10側の先端部は、フレーム20の突出部20bよりもフレーム20の中央側に位置している。具体的には、延設部32の内延設部32bの先端部は、突出部20bの側方に位置している。
【0106】
内延設部32bは、フレーム20の突出部20bに対向する第1板部32b1と、突出部20bを超えた位置から光源部10側に向かって延在する第2板部32b2と、第2板部32b2から天井側に向かって立設する第3板部32b3とを有する。
【0107】
第1板部32b1は、突出部20bを構成する横板部23と対向しており、横板部23と同様に、傾斜板部と平行板部とによって構成されている。
【0108】
第2板部32b2は、突出部20b(横板部23)を超えた位置からフレーム20の主板部21に傾斜するように延在する傾斜板部である。なお、第2板部32b2は、傾斜していなくてもよい。例えば、第2板部32b2は、フレーム20の主板部21と平行であってもよい。
【0109】
第3板部32b3は、第2板部32b2の先端部から天井側に向かって立設する立板部である。つまり、第3板部32b3は、フレーム20の主板部21に立設している。具体的には、第3板部32b3は、フレーム20の主板部21に対して垂直に形成された垂直部である。第3板部32b3は、内延設部32bの先端部となる。つまり、第3板部32b3の先端部は、延設部32の光源部10側の先端部である。なお、第3板部32b3の高さ(長さ)は、フレーム20の主板部21に形成された突出部20bの高さ(本実施の形態では、横板部23の位置)よりも低くなっている。
【0110】
延設部32は、フレーム20に押し付けられた状態で当接する当接部を有する。本実施の形態において、この当接部は、内延設部32bに設けられている。具体的には、当接部は、内延設部32bの第3板部32b3である。つまり、当接部である第3板部32b3は、フレーム20の主板部21に当接している。第3板部32b3(当接部)は、フレーム20に押し付けられている。フレーム20に押し付けられた延設部32は、弾性変形している。つまり、延設部32が弾性変形することで、その反力によって第3板部32b3(当接部)がフレーム20に押し付けられている。
【0111】
LED照明装置3が器具本体2の凹部2aに収納された状態において、各延設部32の少なくとも一部は、横板部23に接していてもよいし、横板部23に接していなくてもよい。例えば、延設部32における内延設部32bの第1板部32b1及び第2板部32b2とフレーム20における横板部23の平行板部23a及び傾斜板部23bとは、接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0112】
本実施の形態において、カバー部材30は、基本的には、内延設部32bの先端部と取付部33の先端部(係合部33a)との2箇所のみでフレーム20に接触しているので、延設部32は、横板部23に接していない。これにより、延設部32と横板部23とが接触することによって異音が発生することを抑制できる。なお、部品バラツキ又は施工バラツキ等によっては、延設部32の少なくとも一部は、横板部23に接していてもよい。
【0113】
各延設部32の先端は、フレーム20の突出部20bよりもフレーム20の中央側に位置している。具体的には、各延設部32の内延設部32bにおける第3板部32b3の先端が、フレーム20の横板部23の内側端部よりもフレーム20の中央側に位置している。
【0114】
内延設部32bにおける第3板部32b3は、先端が基板11に向かって延在するように形成されている。本実施の形態では、第3板部32b3は、基板11に向かって基板11側に傾斜するように形成されている。
【0115】
各延設部32は、LED12の指向特性(配光角)よりも外側に配置されているとよい。例えば、LED12の配光角(1/2ビーム角)は、120°であるので、一対の延設部32における一対の第2板部32b2の開き角(第2板部32b2の傾斜角)は、120°以上であるとよい。これにより、LED12から出射した光のカバー部材30での損失を少なくして、LED12から出射した光の多くをカバー部材30を透過させて外部に出射させることができる。つまり、カバー部材30の光取り出し効率を向上させることができる。一対の第2板部32b2の開き角は、160°以上であるとよい。なお、一対の第2板部32b2の開き角の上限は、一例として、170°である。なお、2色成型により延設部32を白色(高反射の不透過)にすることで、さらに光取出し率を向上させることができる。
【0116】
各延設部32とフレーム20との間には、空間領域S1が存在している。具体的には、各延設部32における内延設部32bとフレーム20の主板部21との間に空間領域S1が存在している。空間領域S1には、各種部品をネジ止めしたときネジ足又はネジ頭が収納されたり、フレーム20と他の金属部品とをかしめたときのカシメ部が収納されたりしていてもよい。本実施の形態では、
図4に示すように、この空間領域S1には、電源装置4とフレーム20とを固定するためのネジ50のネジ足が収納されている。
【0117】
また、その他に、空間領域S1には、機能部品が収納されていてもよいし、LED照明装置3を製造する際に工場で配線処理される器具内電線が収納されていてもよい。
【0118】
空間領域S1に収納される機能部品は、例えば機能拡張モジュールである。機能拡張モジュールは、一例として、人感センサや明るさセンサの各種センサを備えるセンサユニット、無線信号を受信するアンテナ及び制御回路を有する無線モジュール、赤外線信号を受信する受光素子及び制御回路を有する赤外線モジュール、プルスイッチ、又は、基板11に実装されたLED12(第1光源)とは別の第2光源等である。無線信号又は赤外線信号は、例えば、LED12を点灯及び消灯したり調光・調色したりするためのリモコン信号、又は、LED照明装置3の各種設定を行うための設定信号等である。また、第2光源は、モニタ表示用の光源(モニタランプ)、カバー部材30から出射する照明光の配光を制御するための光源(例えばワイド配光にするための光源)、演出するためのカラー光源(例えば、赤色、青色及び緑色等のLED光源)、又は、非常時に点灯する非常用光源等である。なお、第2光源として非常用光源を用いる場合は、第2光源を覆うカバー及び/又はカバー部材30は、ガラス等の難燃性材料によって構成されているとよい。なお、無線とは、特定の周波数帯域に限定されるものではなく、電波や光(赤外線を含む)等も含む広義の無線を意味していてもよい。無線モジュールにおけるアンテナは、例えば、パターンアンテナ、チップアンテナ、棒アンテナ又は板アンテナ等であるが、これらに限定されるものではない。また、無線モジュールは、アンテナ領域と制御領域とを有していてもよい。無線モジュールと電源装置との接続は、電線の両端コネクタであってもよいし、無線モジュール及び電源装置の一方のみがコネクタであってもよい。また、無線モジュールと電源装置4との接続は、電線による有線接続ではなく、無線通信による無線接続であってもよい。
【0119】
空間領域S1に収納される器具内電線は、例えば、電源装置4に接続された電線又は複数の光源部10同士を接続する電線等である。このうち、電源装置4に接続される電線としては、電源装置4と光源部10とを接続する電力供給線、電源装置4と電源端子台8とを接続する電源線、電源装置4と調光用端子台9とを接続する調光制御線、及び、後述する機能拡張モジュール(センサ等)に接続された制御線等がある。
【0120】
カバー部材30の取付部33は、光源部10の光出射側とは反対側に延在している。具体的には、取付部33は、延設部32に接続されており、延設部32の一部から天井側に向かって延在している。取付部33は、フレーム20の一対の側板部24に取り付けられる。
【0121】
また、空間領域S1に虫等の異物が侵入したとしても、空間領域S1と主部31との距離が長いので、空間領域S1に存在する異物によって影が生じにくい。また、フレーム20の傾斜板部23bと内延設部32bとの間に隙間領域は、主部31までの距離が近いために、この隙間領域に虫が存在すると影になりやすいものの、この隙間領域は小さいので虫がたまりにくくなっている。また、仮にこの隙間領域に虫が侵入したとしても、虫は推進性能を有するため、虫は、この隙間領域から空間領域S1に向かって進むことになり、影が生じにくい空間領域S1に入ることになる。なお、空間領域S1の入口(隙間領域の出口)が狭くなっているので、一旦虫が空間領域S1に入ると、虫は空間領域S1から出ることがない。つまり、影が生じにくい空間領域S1に虫を留めることができる。なお、延設部32が白樹脂等の不透光性材料によって構成されている場合は、この限りではない。
【0122】
本実施の形態において、取付部33は、フレーム20を挟むように一対設けられている。一対の取付部33は、カバー部材30における一対の脚部(足)として形成されている。一対の取付部33のZ軸方向の長さは、同じである。なお、
図9に示すように、一対の取付部33の各々は、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。一対の取付部33のY軸方向の長さも互いに同じである。
【0123】
図3及び
図8に示すように、一対の取付部33の各々は、フレーム20の一対の側板部24の先端部に係合する係合部33aを有する。本実施の形態において、係合部33aは、各取付部33の先端部に形成されている。係合部33aは、例えば、取付部33の先端部をL字状に折り曲げられた折曲部である。この係合部33aにフレーム20の側板部24の先端部に設けられた折曲部24aが係合することで、カバー部材30の一対の取付部33とフレーム20の一対の側板部24とが互いに係止して固定される。これにより、カバー部材30の一対の取付部33は、フレーム20を抱え込むようにしてフレーム20に固定される。
【0124】
また、フレーム20の側板部24とカバー部材30の取付部33とは、ネジで固定されていてもよい。この場合、ネジは、側板部24と取付部33とが重なった部分に、取付部33の外側からねじ込まれる。あるいは、フレーム20とカバー部材30とは、カシメ構造によって固定されていてもよい。例えば、フレーム20の側板部24の一部をかしめてカバー部材30の取付部33に固定することで、フレーム20とカバー部材30とを固定してもよい。また、金具等の別部品によってフレーム20とカバー部材30とを固定してもよい。
【0125】
なお、本実施の形態では、上記のように、スナップインによりカバー部材30の幅方向からカバー部材30の取付部33をフレーム20の側板部24に嵌め合わせることでカバー部材30をフレーム20に取り付けたが、これに限らない。例えば、フレーム20の長手方向の端部からカバー部材30を挿入してカバー部材30をスライドさせることでカバー部材30をフレーム20に取り付けてもよい。
【0126】
また、本実施の形態において、係合部33aは、断面形状がL字状であって先端が折り返されないように形成されていたが、これに限らない。例えば、係合部33aの断面形状は、V字状であってもよいし、円弧状であってもよい。また、係合部33aは、先端が折り返されるように形成されていてもよい。この場合、係合部33aは、断面形状が略コの字状又は略U字状の凹部である。
【0127】
カバー部材30は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、カバー部材30は、光拡散材が内部に分散された乳白色のカバー部材とすることができる。このようなカバー部材30は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0128】
なお、カバー部材30としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明カバーの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、カバー部材30は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、カバー部材30は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明カバーの表面に微小凹凸を形成したり、透明カバーの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、カバー部材30は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0129】
本実施の形態において、カバー部材30を構成する主部31、延設部32及び取付部33は、一体に形成されている。したがって、主部31、延設部32及び取付部33は、同じ材料によって構成されている。なお、主部31、延設部32及び取付部33は、いずれも同じ材料強度であるが、これに限らない。例えば、主部31、延設部32及び取付部33の材料強度は異なっていてもよい。この場合、主部31の材料強度は、延設部32の材料強度及び取付部33の材料強度よりも大きくなっているとよい。この構成により、主部31が変形することを抑制できる。つまり、主部31の形状が安定する。これにより、カバー部材30の変形による光学性能への影響を小さくすることができる。
【0130】
また、主部31、延設部32及び取付部33の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5mm以上5mm以下である。一例として、主部31の厚みを1mm以下にしてもよい。なお、主部31、延設部32及び取付部33は、いずれも同じ厚みであるが、これに限らない。例えば、主部31、延設部32及び取付部33の厚みは異なっていてもよい。この場合、主部31の厚みは、延設部32の厚み及び取付部33の厚みよりも大きくするとよい。この構成により、主部31が変形することを抑制できる。つまり、主部31の形状が安定する。これにより、カバー部材30の変形による光学性能への影響を小さくすることができる。
【0131】
また、本実施の形態において、主部31、延設部32及び取付部33は、同じ樹脂材料によって構成されていたが、これに限るものではない、主部31、延設部32及び取付部33は、2種類以上の材料によって構成されていてもよい。この場合、主部31と延設部32とを異なる樹脂材料によって構成することができる。例えば、主部31を透光性樹脂材料によって構成し、延設部32の一部又は全部を白色又は乳白色の樹脂材料によって構成することができる。また、取付部33は、主部31又は延設部32と同じ樹脂材料によって構成する。具体的には、主部31、取付部33、延設部32の外延設部32a及び延設部32の内延設部32bの第2板部32b2を透光性樹脂材料で構成し、延設部32の内延設部32bの第1板部32b1及び第3板部32b3を白色又は乳白色の樹脂材料によって構成することができる。このように、延設部32の一部又は全部を白色又は乳白色にすることで、延設部32(例えば内延設部32b)に反射機能を持たせることができる。これにより、LED12から出射する光のうち延設部32に到達する光を内延設部32bで反射させて主部31に入射させることができる。この結果、LED照明装置3の光取出し効率を向上させることができる。したがって、LED照明器具1の直下照度を向上させることができるので、複数のLED照明器具1を設置する場合、LED照明器具1の設置台数を削減することができる。また、取付部33を白色又は乳白色にすることで器具本体2の内部に光が漏れることを低減することができる。このように部分的に白色又は乳白色の樹脂材料で構成されたカバー部材30は、2色成形により形成することができる。なお、延設部32を2色2層によって成型してもよい。例えば、延設部32のベース層を主部31と同じ透光性樹脂材料で構成し、延設部32の表面層(ベース層に積層された層)を白色又は乳白色の樹脂材料で構成してもよい。
【0132】
カバー部材30は、当該カバー部材30の長手方向の両端部が閉塞されている。本実施の形態において、カバー部材30の長手方向の両端部は、エンドキャップ40により閉塞されている。具体的には、カバー部材30とフレーム20とが固定されることで長尺状の筒体が構成されており、この筒体の長手方向の両端部の各々にエンドキャップ40が取り付けられている。カバー部材30とフレーム20との間には、空間領域S2が形成されている。この空間領域S2は、虫や埃等の異物が侵入しないように構成された領域(防虫領域)であり、カバー部材30の主部31とフレーム20の主板部21とによって囲まれた領域である。具体的には、空間領域S2は、カバー部材30の主部31及び延設部32とフレーム20の主板部21とエンドキャップ40とによって閉じられた領域である。光源部10は、この空間領域S2に配置されている。
【0133】
エンドキャップ40は、カバー部材30とフレーム20とで構成される筒体の内部に埃や虫等の異物が侵入することを抑制するための部品である。エンドキャップ40は、フレーム20とカバー部材30とで構成される筒体の開口端部を封鎖するように設けられている。つまり、エンドキャップ40は、フレーム20とカバー部材30とで構成される筒体の開口端部に蓋をするように筒体に取り付けられており、筒体の開口端部を閉塞している。これにより、フレーム20とカバー部材30とで構成される筒体の内部に埃や虫等の異物が入ることを抑制することができる。つまり、空間領域S2に、埃や虫等の異物が入ることを抑制することができる。
【0134】
エンドキャップ40は、カバー部材30の長手方向の端部に設けられたカバーエンドである。エンドキャップ40は、カバー部材30の長手方向の両端部の各々に設けられている。エンドキャップ40は、カバー部材30の長手方向の端部に直接又は間接的に接続されている。
【0135】
図9に示すように、カバー部材30の長手方向の一方の端部に設けられたエンドキャップ40は、第1エンドキャップ40aであり、カバー部材30の長手方向の他方の端部に設けられたエンドキャップ40は、第2エンドキャップ40bである。本実施の形態において、第1エンドキャップ40aと第2エンドキャップ40bとは、同じ部品である。つまり、第2エンドキャップ40bの形状は、第1エンドキャップ40aの形状と同じである。これにより、コストを削減することができる。なお、第1エンドキャップ40aと第2エンドキャップ40bとは、カバー部材30の長手方向(Y軸方向)において、逆向きの関係で配置されている。
【0136】
図9に示すように、エンドキャップ40は、板状の主部41と、カバー部材30に直接又は間接的に接続される接続部42と、主部41から突出する突出片43とを有する。
【0137】
主部41は、エンドキャップ40の本体部を構成しており、主として、カバー部材30とフレーム20とで構成される筒体の開口端部に蓋をする機能を有する。本実施の形態において、板状の主部41の全部又は一部は、透光性を有する。このように、主部41が透光性を有することで、光源部10からの光を透過させることができる。つまり、光源部10のLED12から出射する光は、主部41を透過してエンドキャップ40の外部に取り出される。
【0138】
具体的には、エンドキャップ40は、全体が透光性を有している。したがって、主部41の全体と接続部42の全体とが透光性を有する。透光性を有するエンドキャップ40は、透明であってもよいし、拡散性を有していてもよい。透光性及び拡散性を有するエンドキャップ40を用いることで、エンドキャップ40に入射したLED12の光は、エンドキャップ40で拡散(散乱)しながらエンドキャップ40を透過する。
【0139】
エンドキャップ40は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、エンドキャップ40は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、エンドキャップ40は、光拡散材が内部に分散された拡散部材とすることができる。このようなエンドキャップ40は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0140】
なお、透光性及び拡散性を有するエンドキャップ40としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明なエンドキャップの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、エンドキャップ40は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、エンドキャップ40は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明なエンドキャップの表面に微小凹凸を形成したり、透明なエンドキャップの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、エンドキャップ40は、拡散加工を施す場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0141】
エンドキャップ40は、カバー部材30と同じ材料によって構成されていてもよいし、カバー部材30と異なる材料によって構成されていてもよい。
【0142】
また、主部41は、透光性を有していなくてもよい。この場合、エンドキャップ40の全体が透光性を有していなくてもよい。例えば、不透光性のエンドキャップ40としては、遮光性(光吸収性)又は光反射性を有するものが例示される。この場合、エンドキャップ40は、例えば、白色、黒色又は有色の樹脂材料によって構成される。また、エンドキャップ40は、透光性を有する部分と不透光性とを有する部分とを有していてもよい。
【0143】
主部41の正面視形状は、例えば、全体として扁平状の蒲鉾形状である。したがって、主部41のZ軸方向における一方側の外形は、カバー部材30の形状に沿うように円弧状に湾曲した湾曲形状になっている。板状の主部41の厚みは、一定である。一例として、主部41の厚みは、1mm~5mmであるが、これに限らない。なお、主部41の厚みは、主部41の全領域で一定としたが、これに限らない。
【0144】
主部41は、当該主部41の厚み方向の面として外側面41aと内側面41bとを有する。エンドキャップ40において、内側面41bは、LED12側の端であり、外側面41aは、LED12側とは反対側の面である。上記のように、本実施の形態では、主部41の全体が透光性を有するので、LED12から出射して主部41に入射する光は主部41の全体を透過する。したがって、主部41の内側面41bは、LED12の光が入射する光入射面となり、主部41の外側面41aは、LED12の光が外部に出射する光出射面となる。
【0145】
主部41は、内側に凹むように全体として凹状に湾曲している。一例として、主部41における外側面41a及び内側面41bは、パラボラ形状である。また、本実施の形態において、主部41は、Z軸方向である高さ方向では上側部分(天井側部分)が下側部分(床側部分)よりも内側に後退するように全体的に傾斜し、かつ、X軸方向である幅方向では中央部分が周辺部分よりも内側に後退するように、全体的に湾曲した形状になっている。
【0146】
なお、主部41は、内側に後退するように(つまり内側に凸となるように)湾曲した形状でなくてもよい。例えば、主部41は、外側に凸となるように湾曲した形状であってもよい。また、主部41は、湾曲した形状でなくてもよい。例えば、主部41は、傾斜した板状の傾斜板であってもよいし、傾斜せずにZ軸方向に平行な板状の垂直板であってもよい。
【0147】
接続部42は、主部41の床側の端部に形成されている。接続部42は、主部41の内側面に立設するように形成されている。接続部42は、主部41の外周部のうちの湾曲部分に形成されている。つまり、接続部42は、カバー部材30の主部31に対応する部分に形成されている。本実施の形態において、接続部42は、カバー部材30に直接接続される。具体的には、接続部42は、カバー部材30の主部31と嵌合している。
【0148】
突出片43は、主部41の天井側の端部に形成されている。突出片43は、主部41の内側面に立設するように形成されている。突出片43は、フレーム20の主板部21に対向するように突出している。主板部21はX軸方向に延在しているので、
図9に示すように、突出片43もX軸方向に延在している。
【0149】
図5に示すように、主部41における天井側の端部には、弾性部材44が設けられている。弾性部材44は、突出片43の主板部21側部分に取り付けられている。弾性部材44は、例えば樹脂材料等によって構成された弾性体であり、弾性変形する。本実施の形態において、弾性部材44は、エラストマーによって構成されている。一例として、弾性部材44は、シリコンゴムによって構成されており、ゴム弾性を有する。なお、エラストマーで構成された弾性部材44は、ソリッド成型品に限らず、発泡成形品であってもよい。
【0150】
弾性部材44は、パッキン部材として機能し、エンドキャップ40の天井側部分とフレーム20の主板部21との隙間を埋めるように設けられている。主板部21はX軸方向に延在しているので、
図9に示すように、弾性部材44もX軸方向に延在している。本実施の形態において、弾性部材44は、薄板状に形成されている。
図5に示すように、薄板状の弾性部材44は、傾斜する状態でエンドキャップ40の天井側部分とフレーム20の主板部21との隙間に設けられている。弾性部材44を設けることで、カバー部材30とフレーム20との間の空間領域S2に虫等の異物が侵入することを抑制する効果(防虫効果)を高めることができる。なお、本実施の形態では、弾性部材44を設けたが、弾性部材44は、設けられていなくてもよい。この場合、エンドキャップ40とフレーム20との隙間はなるべく小さくなっているとよい。
【0151】
また、本実施の形態では、接続部42とカバー部材30とは接しているが、これに限らない。例えば、接続部42とカバー部材30との間に、接続部42を囲むようにリング状のパッキン部材を配置してもよい。この場合、パッキン部材は、主部41の内側面の外周端部とカバー部材30の主部31の端面との間に挿入される。
【0152】
このように構成されるエンドキャップ40は、カバー部材30に固定される。この場合、エンドキャップ40は、カバー部材30との間に隙間が生じないように設けられる。具体的には、エンドキャップ40は、接続部42がカバー部材30の内面に接するようにしてカバー部材30の開口端部に嵌め込まれている。これにより、エンドキャップ40の主部41の外周端縁とカバー部材30の外周面とが連続した面となる。
【0153】
エンドキャップ40とカバー部材30とは、接着剤により固着されていてもよいし、超音波溶着によって固着されていてもよい。また、エンドキャップ40及びカバー部材30に爪部や凹部等の係止構造を設けて、エンドキャップ40とカバー部材30とを接合させてもよい。
【0154】
なお、
図3及び
図4に示すように、フレーム20の天井側には、空間領域S3が形成されている。つまり、器具本体2とフレーム20との間に空間領域S3が存在している。空間領域S3は、器具本体2の凹部2aの一部又は全部でもある。
【0155】
この空間領域S3には、電源装置4が配置されている。つまり、電源装置4は、フレーム20の天井側に配置されている。本実施の形態において、電源装置4の中心位置は、LED照明装置3の短手方向における中心位置からずれており、電源装置4は、空間領域S3において、LED照明装置3の短手方向(フレーム20の短手方向)に偏って配置されている。具体的には、電源装置4は、引っ掛け金具5側(
図4において左側)に偏っている。また、フレーム20の側板部24が短くなっており、電源装置4の回路基板4aは、回路ケース4c内において、フレーム20の側板部24の先端よりも天井側に位置している。
【0156】
なお、電源装置4の回路ケース4cのフレーム20側の部分が開放しているので、横板部23の第2方向側は、電源装置4の回路ケース4cに向かって開放している。したがって、フレーム20の突出部20bで構成される空間領域と回路ケース4cの内部の空間領域とは連通している。これにより、フレーム20の突出部20bにより形成される空間領域を有効に活用することができる。
【0157】
器具本体2とフレーム20との間の空間領域S3には、LED照明装置3に用いられる電線が配置されていてもよい。LED照明装置3に用いられる電線としては、LED照明器具1を天井等に設置する際に配線処理される工事用電線(工事用配線)と、LED照明装置3を製造する際に工場で配線処理される器具内電線(器具内配線)とがある。
【0158】
工事用電線としては、VVFケーブル等の電源線及び調光信号線等の信号線等がある。電源線及び信号線等の工事用電線は、例えば、天井から引き出されており、LED照明器具1の施工時にLED照明器具1の所定の箇所に接続される。例えば、VVFケーブル等の電源線は、電源端子台8に接続され、調光用信号線は、調光用端子台9に接続される。なお、LED照明器具1内に送り配線が設置される場合もあるため、LED照明装置3と器具本体2の凹部2aとの間に空間領域S3には、VVFケーブル等の電源線が少なくとも1本通るスペースがあることが望ましい。また、送り配線は、器具本体2側で保持(仮保持又は配置)できるようにしてもよいし、LED照明装置3側で保持(仮保持・配置)できるようにしてもよい。
【0159】
一例として、
図4には、工事用電線としてVVFケーブル61及び信号線62が空間領域S3に配置された例が示されている。この場合、本実施の形態では、電源装置4が空間領域S3において偏って配置されているので、フレーム20の一対の横板部23のうちの一方(
図4では、右側の横板部23)の天井側が開放されている。これにより、
図4に示すように、空間領域S3における電源装置4が存在する領域では、LED照明装置3の短手方向における一方側の領域が他方側の領域よりも大きくなっている。つまり、空間領域S3における電源装置4の両側のうちの一方側は、広い領域になっており、空間領域S3における電源装置4の両側のうちの他方側は、狭い領域になっている。このため、工事用配線については、電源装置4の両側の2つの領域のうちの広い領域に配置するとよい。特に、本実施の形態では、フレーム20の側板部24の長さ(高さ)が短くなっているので、側板部24周辺における空間領域S3の上下方向のスペースをさらに広くすることができる。このため、この広くなった空間領域S3を有効活用して工事用配線を配置することができる。例えば、工事用配線を空間領域S3の器具本体2側の天井側端部に寄せて配置することができる。このように、広い空間領域S3を有効活用して工事用配線を配置することができるので、工事用配線が干渉してLED照明装置3が浮いてしまって器具本体2とLED照明装置3との間に隙間が生じることを抑制できる。
【0160】
また、空間領域S3における広い領域と狭い領域とに、工事用配線を分けて配置してもよい。この場合、比較的に太い線であるVVFケーブル61は、電源装置4の両側の2つの領域のうちの広い領域に配置し、比較的に細い線である信号線62は、電源装置4の両側の2つの領域のうちの狭い領域に配置してもよい。
【0161】
なお、電源装置4は、フレーム20の幅方向に偏って配置されておらず、フレーム20の幅方向の中央に配置されていてもよい。この場合、工事用配線及び器具内配線を電源装置4の両側に配置してもよい。つまり、電源装置4の両側に、配線挿通部が設けられていてもよい。
【0162】
また、空間領域S3には、機能拡張モジュール等の機能部品が配置されていてもよい。この場合、機能拡張モジュールは、LED照明装置3(例えば電源装置4の端部)に設けられていてもよいし、LED照明装置3と離間して器具本体2に取り付けられていてもよい。また、機能拡張モジュールは、LED照明器具1に予め設置されているのではなく、施工業者が後付けできるようになっていてもよいし、別機能に交換できる互換性があってもよい。
【0163】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、
図3及び
図4に示されるように、フレーム20に形成された突出部20bによって突出部20bの天井側に空間領域が形成されている。この空間領域にも、機能部品又は器具内電線等の部品を収納することができる。なお、この空間領域の活用方法は、機能部品又は器具内電線等の部品を収納することに限るものではなく、この空間領域は、金具類のセンター合わせ、金具類の位置決め、金具類のガイド又はアース導通等に利用することもできる。
【0164】
このように構成されるLED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに収納されて器具本体2に取り付けられる。具体的には、LED照明装置3は、
図3及び
図7に示される引っ掛け金具5及び弾性保持部材6を用いて器具本体2に取り付けられる。引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム20に固定されている。
【0165】
図3に示すように、引っ掛け金具5は、フレーム20の天井側に配置されている。引っ掛け金具5は、板金製の板部材である。引っ掛け金具5は、フレーム20の端部に固定されている。一例として、引っ掛け金具5は、ネジ等の固定部材によってフレーム20に固定されており、フレーム20から外側にはみ出すように延在している。引っ掛け金具5は、器具本体2に引っ掛けられる。本実施の形態では、器具本体2の凹部2aの内壁面にスリット2c(
図2参照)が設けられており、引っ掛け金具5は、このスリット2cに引っ掛けられる。
【0166】
弾性保持部材6は、フレーム20の天井側に配置されている。弾性保持部材6は、例えばキックバネ等のスプリングである。弾性保持部材6は、フレーム20の天井側面において、フレーム20の幅方向の端部に固定されている。弾性保持部材6は、フレーム20の幅方向において、引っ掛け金具5とは反対側に固定されている。弾性保持部材6は、ネジ等の固定部材によってフレーム20に固定されている。具体的には、弾性保持部材6は、取付ネジによってフレーム20に固定された保持金具6c(
図7参照)に固定されている。弾性保持部材6は、器具本体2に着脱可能に取り付けられる。本実施の形態において、弾性保持部材6は、器具本体2に固定された受け金具7に着脱可能に係止されている。
【0167】
なお、
図2に示すように、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム20の長手方向の両端部に2つずつ設けられているが、これに限らない。また、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム20の短手方向に対向する位置に設けられているが、これに限らない。
【0168】
次に、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法について、
図10を用いて説明する。
図10は、実施の形態に係るLED照明器具1において、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【0169】
天井100に設置された器具本体2にLED照明装置3を取り付ける場合、まず、
図10の(a)に示すように、器具本体2に設けられたスリット2c(
図2参照)に引っ掛け金具5を引っ掛けてLED照明装置3を片持ち状態で吊り下げるとともに電源装置4と天井から引き出された電源線とを結線し、キックバネである弾性保持部材6の一方の端部を器具本体2に固定された受け金具7に係止させる。
【0170】
次いで、
図10の(b)に示すように、引っ掛け金具5をスリット2cの奥に押し込みながら引っ掛け金具5を支点としてLED照明装置3を回転させることでLED照明装置3を器具本体2の凹部2a内に押し上げていく。
【0171】
このとき、本実施の形態では、電源装置4がフレーム20の幅方向の一方側に偏って配置されている。具体的には、電源装置4は、LED照明装置3を回転させるときの回転軸側に寄せて配置されている。このように、重量のある電源装置4を回転軸側に寄せて配置することで、小さな力でLED照明装置3を回転させることができる。
【0172】
そして、LED照明装置3を回転させてLED照明装置3を器具本体2の凹部2aに押し込むことで、
図10の(c)に示すように、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに嵌め込むことができる。このとき、凹部2aの開口端縁2a1とカバー部材30の外側端部31aとが当接する。これにより、LED照明装置3を器具本体2に取り付けることができる。
【0173】
なお、LED照明装置3を器具本体2から取り外す際は、上記とは逆の動作をすることで、LED照明装置3を器具本体2から取り外すことができる。例えば、LED照明装置3を引き下げながら回転させることで、LED照明装置3を器具本体2から取り外すことができる。
【0174】
ここで、本発明者らは、フレーム20の突出部20bの形状とフレーム20の強度との関係を検討したので、その検討結果について、
図11を用いて説明する。
図11は、フレーム20の突出部20bの形状とフレーム20の強度との関係を示す図である。
図11に示すように、フレーム20の強度(剛性)は、断面2次モーメントで評価した。また、
図11に示される断面2次モーメントの値は、各フレーム20の半断面での計算結果を示しており、全断面の数値は2倍になる。各フレーム20の寸法については、半断面の幅を30mmとし、凹部20aの深さを3mmとし、板厚を0.5mmとした。なお、各フレーム20において、凹部20aの深さaと凹部20aの幅w1とフレーム20の全幅w3の比は、a:w1:w3=1:10:20で統一した。
【0175】
図11において、パターン1は、側板部24(足)が存在しない形態であり、パターン2は、側板部24の長さが凹部20aの底部までの形態であり、パターン3は、凹部2aの深さと側板部24の長さとの比が1:1の形態であり、パターン4は、凹部2aの深さと側板部24の長さとの比が1:1.5の形態であり、パターン5は、凹部2aの深さと側板部24の長さとの比が1:2の形態である。
【0176】
また、構造1は、パターン1~5において、フレーム20の横板部23が傾斜板部23bのみで構成されている形態である。構造2は、パターン1~5において、フレーム20の横板部23が平行板部23aのみで構成されている形態である。構造3は、パターン1~5において、フレーム20の横板部23が平行板部23aと傾斜板部23bとで構成されている形態である。なお、
図3及び
図4に示されるフレーム20の形状は、構造3のパターン3~5であるが、本実施の形態のフレームには、構造1のパターン3~5及び構造2のパターン4~5に示される形態のフレームも含まれる。
【0177】
図11に示すように、パターン1、2とパターン3~5とを比較して分かるように、フレーム20の側板部24の先端が凹部20aを超えることで、断面2次モーメントの値が大幅に大きくなることが分かる。つまり、フレーム20の側板部24の先端が凹部20aを超えることで、フレーム20の強度が大幅に向上する。
【0178】
また、構造1と構造2とを比較して分かるように、横板部23を傾斜板部23bのみとするよりも平行板部23aのみとした方が断面2次モーメントの値が大幅に大きくなることが分かる。さらに、構造2と構造3とを比較して分かるように、横板部23を平行板部23aのみとするよりも平行板部23aと傾斜板部23bとで構成した方が断面2次モーメントの値が大きくなることが分かる。
【0179】
このように、本実施の形態のフレーム20の形状(つまり、構造1のパターン3~5、構造2のパターン4~5、構造3のパターン3~5)にすることで、断面2次モーメントの値が20以上となり、フレーム20の強度を大幅に向上させることができる。つまり、
図3及び
図4に示されるフレーム20のように、側板部24の先端が凹部20aの底部よりも天井側に位置することで、フレーム20の強度を大幅に向上させることができる。
【0180】
さらに、本発明者らは、本実施の形態のフレーム20について、フレーム20が変形しにくい凹部20aの深さの寸法と側板部24の長さの寸法とを検討した。このとき、本発明者らは、フレーム20が変形しにくい凹部20aの深さの寸法と側板部24の長さの寸法とが、フレーム20の長手方向の長さに依存することも見出した。
【0181】
具体的には、本発明者らは、フレーム20の凹部20aの深さをa[mm]とし、フレーム20の側板部24の長さをb[mm]とし、LED照明装置3の長手方向の長さをL[ft(フィート)]として、
図12に示すように、L=2フィート(2×304.8mm)の場合と、L=4フィート(4×304.8mm)の場合と、L=8フィート(8×304.8mm)の場合とについて、フレーム20が変形しないa及びbの寸法を検討した。
【0182】
その結果、L=2フィートの場合は、b/a=0.75とすることで、フレーム20が変形しないことが分かった。また、L=4フィートの場合は、b/a=1.5とすることで、フレーム20が変形しないことが分かった。また、L=8フィートの場合は、b/a=3.0とすることで、十分な強度を得ることができてフレーム20が変形しないことが分かった。なお、
図12の(a)は、a:b=1:0.75の場合のフレーム20の断面形状を示しており、
図12の(b)は、a:b=1:1.5の場合のフレーム20の断面形状を示しており、
図12の(c)は、a:b=1:3の場合のフレーム20の断面形状を示している。
【0183】
図13は、この結果をプロットしたグラフであり、LED照明装置3の長手方向の長さLと、フレーム20の凹部20aの深さに対するフレーム20の側板部24の長さ(b/a)との関係を示す図である。
【0184】
図13には、L=2フィート、4フィート、8フィートの各々の場合について、フレーム20が変形しない最小のb/aの値を示す3点がプロットされている。具体的には、(L、b/a)=(2、0.75)、(4、1.5)、(8、3)の3点がプロットされている。
図13に示される直線F1は、この3点を通る直線であり、b/a=(3/8)×L[ft]の一次関数になっている。したがって、フレーム20が変形しないようにするには、この直線F1よりも上側の領域のb/aを選択すればよい。つまり、b/a≧(3/8)×Lの関係式を満たすことで、フレーム20が変形しないようにすることができる。なお、b/a≧(3/8)×Lの式はあくまでも概算の数値であるので、数値をある程度丸めて用いてもよい。このことは、以下も同様である。また、bとaとに関する数式及び比率等も同様であり、数値をある程度丸めて用いてもよい。
【0185】
ここで、b/a≧(3/8)×Lの関係式を満たすようにするには、側板部24の長さを長くすることが考えられる。つまり、側板部24の長さを長くすればするほど、フレーム20の強度を高くすることができる。
【0186】
しかしながら、側板部24の長さを長くすると、フレーム20の高さが高くなってしまい、フレーム20を薄型化できなくなる。この結果、LED照明器具1において、器具本体2の凹部2aとフレーム20とで囲まれる空間領域S3(フレーム20の背面側の領域)が狭くなってしまう。つまり、b/a≧(3/8)×Lの関係式を満たすようにフレーム20を構成することで、フレーム20が変形しないようにすることができる一方で、空間領域S3が狭くなってしまう。空間領域S3が狭くなると、空間領域S3に機能部品又は電線等の各種部品を配置することが難しくなる。
【0187】
そこで、本発明者らは、さらに、フレーム20が変形しにくい凹部20aの深さの寸法と側板部24の長さの寸法とをさらに検討した。その結果、L=4フィートの場合は、b/a≧0.5とすることで、フレーム20が変形しにくくなることが分かった。また、L=8フィートの場合は、b/a≧2.0とすることで、フレーム20が変形しにくくなることが分かった。
図13には、L=4フィートの場合とL=8フィートの場合とにおいてフレーム20が変形しにくくなる2点がプロットされている。具体的には、(L、b/a)=(4、0.5)、(8、2.5)の2点がプロットされている。
図13に示される直線F2は、この2点を通る直線であり、b/a=(3/8)×L-1の一次関数になっている。したがって、フレーム20が変形しないようにするとともに空間領域S3が狭くならないようにするには、直線F1と直線F2との間の領域に含まれるb/aを満たすa及びbを選択すればよい。つまり、(3/8)×L-1≦b/a≦(3/8)×Lの関係式(Lは、フィートである)を満たすように、a、b、Lを選択することで、フレーム20が変形することを抑制できるとともに空間領域S3を広く確保することができる。これにより、空間領域S3を広く確保するために側板部24を短くしてフレーム20を薄型化したとしても、必要とされるフレーム20の強度を確保してフレーム20が変形することを抑制できる。つまり、フレーム20の背面のスペースを確保しながら、フレーム20の強度の確保とフレーム20の薄型化との両立を図ることができる。
【0188】
なお、
図12では、フレーム20のみの断面2次モーメントでフレーム20が変形しないことを確認したが、実際には、フレーム20にカバー部材30が組み合わされた強度になるので、フレーム20とカバー部材30とを合わせた断面2次モーメントで確認したところ、8フィートの場合はb/a=2で、4フィートの場合はb/a=0.5であれば、強度的に十分であることが分かった。また、フレーム20とカバー部材30とが組み合わされて一体となったものとしての強度(合成強度)は、フレーム20単体の場合よりも単純に強くなる。したがって、
図13に示す直線F2以上であれば、十分な強度を得ることができる。
【0189】
以上説明したように、本実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1は、LED12が配置された基板11と、基板11が取り付けられた長尺状で板状のフレーム20と、LED12を覆うようにフレーム20に取り付けられたカバー部材30とを備えている。そして、フレーム20は、基板11が配置される凹部20aと、フレーム20の短手方向において凹部20aの両側に位置し且つフレーム20の長手方向に沿って延在する一対の横板部23と、一対の横板部23から天井側に延出する延出部である側板部24とを有しており、側板部24の先端は、フレーム20の凹部20aの底部よりも天井側に位置している。
【0190】
このように、本実施の形態では、フレーム20に凹部20aが形成されているので、凹部20aの側方には横板部23で構成された突出部20bが形成される。これにより、フレーム20の強度を高くすることができる。しかも、本実施の形態では、横板部23から天井側に延出する側板部24の先端を凹部20aの底部よりも天井側に位置するように延出させている。これにより、フレーム20の強度をさらに高くすることができる。
【0191】
したがって、フレームの側板部24の長さを短くしてフレーム20を薄型化しても、必要とされるフレーム20の強度を容易に確保することができる。つまり、フレーム20の側板部24の長さを短くすることで低下した分のフレーム20の強度を、床側に突出する突出部20bを形成することで補うことができる。これにより、板状のフレーム20であっても、フレーム20の強度を確保しながらフレーム20を薄型化することができる。つまり、フレーム20の強度の確保とフレーム20の薄型化との両立を図ることができる。
【0192】
また、実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1において、フレーム20の凹部20aの深さをa[mm]とし、一対の側板部24(延出部)の一方の長さをb[mm]とし、LED照明装置3の長手方向の長さをL[ft]とすると、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たしているとよい。
【0193】
この構成により、LED照明装置3の長さにかかわらず、フレーム20の強度を確保しながらフレーム20を薄型化することができる。
【0194】
この場合、b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たしているだけではなく、さらに、(3/8)×L-1≦b/aの関係式を満たしているとよい。
【0195】
この構成により、フレーム20を薄型化してもフレーム20が変形することを抑制できるとともに、フレーム20を薄型化によってフレーム20と器具本体2の凹部2aとで囲まれる空間領域S3(フレーム20の背面のスペース)を広くすることができる。つまり、任意の長さのLED照明装置3について、フレーム20の背面のスペースを確保しながら、フレーム20の強度の確保とフレーム20の薄型化との両立を図ることができる。
【0196】
このように、空間領域S3(フレーム20の背面のスペース)を広くすることで、LED照明装置3を器具本体2に設置する際の施工性を向上させることができる。特に、本実施の形態では、LED照明装置3を回転させて器具本体2の凹部2aに設置するので、空間領域S3が広くなることで、LED照明装置3を容易に回転させることができる。
【0197】
また、空間領域S3が広くなることで、空間領域S3を有効活用することもできる。具体的には、機能部品、工事用電線や器具内電線等の電線、金具、又は、電源装置4等の各種部品を空間領域S3に容易に配置することができる。また、空間領域S3を広くすることで、これらの部品を空間領域S3に取り付ける際の取付作業を容易に行うことができる。なお、この空間領域S3には、例えば、
図4に示すように、工事用電線としてVVFケーブル61及び信号線62が配置される。この場合、
図4に示すように、カバー部材30の取付部33の先端と器具本体2の凹部2aの底面との間の長さをH1とし、器具本体2の凹部2aの深さをH2とすると、H1/H2≧1/2であるとよい。これにより、空間領域S3に工事用電線を容易に配置することができる。特に、H1/H2≧1/2とすることで、VVFケーブル61がたわんでも空間領域S3からはみ出すことなく空間領域S3に収めることができる。また、H1/H2≧1/2とすることで、電源装置4の露出が増えるので、電源装置4で発生する熱の放熱効果が向上する。
【0198】
なお、
図4において、空間領域S3に配置されたVVFケーブル61は、器具本体2の凹部2aの底面付近に配置したが、これに限らない。例えば、
図14に示されるように、空間領域S3に配置されたVVFケーブル61は、フレーム20に接するように配置してもよい。また、本実施の形態における空間領域S3は広いスペースになっているので、
図15に示されるように、重ねた2本のVVFケーブル61を空間領域S3に配置することもできる。また、重ねた2本のVVFケーブル61を横向きに配置するのではなく、
図16に示されるように、重ねた2本のVVFケーブル61を縦置きに配置することもできる。なお、
図15及び
図16において、2本のVVFケーブル61のうちの1本は、複数のLED照明器具1を設置したときに、隣りのLED照明器具1に交流電力を供給するための送り電線とすることができる。
【0199】
また、LED照明装置3の長手方向の長さLに応じて、(3/8)×L-1≦b/a≦(3/8)×Lの関係式を満たすようにaとbを選択することで、フレーム20の強度確保とフレーム20の薄型化との両立を図ることができる最適寸法のフレーム20を設計することができる。
【0200】
例えば、LED照明装置3の長手方向の長さLが2フィートの場合と4フィートの場合と8フィートの場合とで、フレーム20の断面形状を分けることができる。具体的には、L=8フィートの場合に比べてL=2フィート、4フィートの場合のフレーム20の側板部24の長さを短くすることができる。これにより、L=8フィートの場合に比べてL=2フィート、4フィートの場合にフレーム20の強度を過度に大きくする必要が無くなるので、フレーム20の材料費を削減することができる。また、フレーム20の側板部24の長さを短くすることで、フレーム20を軽量化することができる。これにより、LED照明装置3の施工性を向上させることができる。
【0201】
また、フレーム20の薄型化によりフレーム20の側板部24が短くなることで、フレーム20がたわみやすくなる。これにより、LED照明装置3を器具本体2に設置する際に弾性保持部材6(キックバネやトーションバネ)でLED照明装置3を引き上げることで、フレーム20に反りやねじれがあっても器具本体2になじみやすくなる。つまり、フレーム20及びカバー部材30等の部品にバラツキ(部品バラツキ)があったりLED照明器具1を施工するときにバラツキ(施工時バラツキ)があったりしても、LED照明装置3が器具本体2になじみやすくなるので、器具本体2とLED照明装置3との間に隙間が生じにくくなる。さらに、フレーム20の側板部24が短くなることで、フレーム20の側板部24とカバー部材30の取付部33との接触面積が減るので、フレーム20とカバー部材30との接触による異音の発生を抑制することができる。
【0202】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3及びLED照明器具1において、フレーム20の凹部20aの深さをa[mm]とし、フレーム20の幅(全幅)をw3[mm]とすると、w3≦20×aの関係式を満たしているとよい。つまり、凹部20aの深さとフレーム20の全幅との比が1:20以下であるとよい。これにより、縦横比が大きい扁平で薄型のフレーム20を実現することができる。
【0203】
しかも、フレーム20の側板部24の長さを短くすることで、フレーム20の軽量化及び低コスト化を図ることができる。さらに、フレーム20の側板部24の長さを短くすることで、LED照明装置3を器具本体2に着脱する際の施工性を改善することもできる。具体的には、フレーム20の側板部24の長さを短くしてフレーム20の全高が低くなることで、LED照明装置3を回転させやすくなってLED照明装置3を器具本体2の凹部2aに容易に挿入することができたり、指が入りやすくなって工事用電線をコネクタに着脱しやすくなったり、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける際に内部を覗き込みやすくなって電線が線噛みしにくくなったり、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける際の施工時に弾性保持部材6(キックバネ)をつまみやすくなったりする。
【0204】
また、本実施の形態に係るLED照明装置3では、カバー部材30の延設部32における内延設部32bとフレーム20の横板部23とが当接しうる構成になっている。具体的には、フレーム20の横板部23における平行板部23a及び傾斜板部23bと、カバー部材30の延設部32における第1板部32b1及び第2板部32b2とが、点ではなく面で当接しうる構成になっている。
【0205】
この構成により、フレーム20とカバー部材30とが強固に固定されるので、フレーム20の側板部24の長さを短くしてフレーム20を薄型化しても、高い強度を有するLED照明装置3を得ることができる。
【0206】
このように、本実施の形態に係るLED照明装置3では、フレーム20の強度が確保されているので、LED照明装置3を器具本体2に取り付けたり器具本体2から取り外したりする際の施工時にLED照明装置3が変形したり、施工後にLED照明装置3の自重や電線等で押されてLED照明装置3がたわんだりすることを抑制できる。この結果、LED照明装置3と器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1との間に隙間が生じることを抑制できる。これにより、LED照明装置3と器具本体2の凹部2aの開口端縁2a1との間から工事用電線又は器具内電線がはみ出すことを抑制できるとともに、LED照明装置3と器具本体2との間に工事用電線又は器具内電線が挟まって線噛みが生じることを抑制できる。また、LED照明装置3と器具本体2との間に隙間が生じてLED照明器具1の意匠性が低下することを抑制することもできる。
【0207】
また、上記のように、本実施の形態におけるLED照明装置3では、LED照明装置3の長手方向の長さLに応じて、フレーム20の凹部20aの深さaとフレーム20の側板部24の長さbとを最適な寸法に設計することができる。この場合、
図12では、L=2フィート、4フィート、8フィートの場合に、フレーム20の凹部20aの深さaを一定とし、フレーム20の側板部24の長さbを変化させてaとbの比率を変更したが、これに限らない。
【0208】
例えば、
図17に示すように、L=2フィート、4フィート、8フィートの場合において、フレーム20の凹部20aの深さaとフレーム20の側板部24の長さbとの両方を変化させてaとbの比率を変更してもよい。
図17は、LED照明装置3の長さ違いによるフレーム20の第1のバリエーションの断面形状を示す図である。
【0209】
図17のようにaとbの比率を変更させることで、
図12の場合と比べて、フレーム20の強度を大きくすることができる。ただし、
図17の場合は、
図12の場合と比べて、LED照明装置3の外観特性(配光、光束、輝度ムラ、カバー部材30の外形寸法等)が長さLの違いで変わってしまったり、長さLが異なる複数種のLED照明装置3においてエンドキャップ40を共有することができなかったり、長さLが異なる2種類のLED照明装置3を連結して使用する時に2種類のLED照明装置3で光り方が異なったりするおそれがある。
【0210】
一方、
図12の場合は、LED照明装置3の長さLの違いでLED照明装置3の外観特性(配光、光束、輝度ムラ)が変わることがなかったり、長さLが異なる複数種のLED照明装置3においてエンドキャップ40を共有することができたりする。したがって、長さLが異なる複数種のLED照明装置3のラインナップを揃える場合は、
図12のように、フレーム20の凹部20aの深さaを一定とし、フレーム20の側板部24の長さbを変化させて複数種のLED照明装置3を作製するとよい。
【0211】
なお、
図4では、L=4フィートの場合を例示しているが、長さLが異なる複数種のLED照明装置3に応じてフレーム20の側板部24の長さが異なっていても、器具本体2の凹部2aとフレーム20とで囲まれる空間領域S3には、工事用電線及び器具内配線の配線スペースを十分確保することができる。特に、本実施の形態では、電源装置4がフレーム20の幅方向に偏って配置されているので、空間領域S3の配線スペースをより十分に確保することができる。特に、L=2フィートの場合は、LED照明器具1及びLED照明装置3の全長が短いために、内部部品(電源装置4、引っ掛け金具5、弾性保持部材6、調光用端子台9等)の占有比率が大きいため、側板部24を短くすることによるフレーム20の薄型化の効果が高い。また、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、最も長さLが短いLED照明装置3のフレーム20の側板部24の長さと最も長さLが長いLED照明装置3のフレーム20の側板部24の長さとの比が1:3以上となっても、空間領域S3の配線スペースを十分確保することができる。
【0212】
また、
図12に示すように、本実施の形態におけるLED照明装置3では、LED照明装置3の長手方向の長さLが異なった場合でも、フレーム20の側板部24は、同じ方向に延在している。具体的には、L=2フィート、4フィート、8フィートのいずれの場合においても、フレーム20の側板部24は、Z軸方向に延在している。つまり、フレーム20における凹部20aの底面(基板取付面)よりも天井側部分である側板部24が真っすぐに延在している。
【0213】
これにより、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、フレーム20の一対の側板部24の間に収納する部品(電源装置4、取付金具等)を共通化することができる。なお、LED照明装置3の長さLが異なっていても、フレーム20における凹部20aの底面(基板取付面)より床側部分である突出部20bの形状は同じになっている。これにより、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、外観特性(配光、光束、輝度ムラ、カバー部材30の外形寸法等)を同じにすることができるとともに、エンドキャップ40を共用することができる。
【0214】
なお、
図12では、LED照明装置3の長さLが異なっていてもフレーム20の側板部24を同じ方向に延在させたが、これに限らない。例えば、
図18に示すように、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、フレーム20の側板部24を傾斜させることで、フレーム20の側板部24の長さbを変化させてaとbの比率を変更してもよい。つまり、側板部24の傾斜量(傾斜角度)を変化させてフレーム20の側板部24の長さを変更してもよい。
図18は、LED照明装置3の長さ違いによるフレームの第2のバリエーションの断面形状を示す図である。
【0215】
図18の(a)、(b)及び(c)は、傾斜させた側板部24の始点(根元)が主板部21よりも床側に位置する場合を示している。この場合、
図18の(a)、(b)及び(c)の場合で、エンドキャップ40を共通化することが難しいため、外観特性(配光、光束、輝度ムラ、カバー部材30の外形寸法等)が多少変わるおそれがある。例えば、傾斜した側板部24の始点から天井側に向けて光が漏れるおそれがある。なお、
図18の(a)、(b)及び(c)において、フレーム20の突出部20bの横板部23の位置は互いに同じである。
【0216】
また、
図18の(d)、(e)及び(f)に示すように、傾斜させた側板部24の始点(根元)を主板部21よりも天井側に位置するようにしてもよい。これにより、
図18の(d)、(e)及び(f)の場合で、エンドキャップ40を共通化することができるので、観特性(配光、光束、輝度ムラ、カバー部材30の外形寸法等)を同じにすることができる。なお、
図18の(d)、(e)及び(f)において、フレーム20の突出部20bの横板部23の位置は異なっている。具体的には、
図18の(d)、(e)及び(f)の順で、突出部20bの高さが高くなっている。この場合、
図18の(f)のフレーム20において、傾斜させた側板部24の始点(根元)を、
図18の(c)のように、主板部21よりも床側に位置するようにしてもよい。
【0217】
また、フレーム20の側板部24を傾斜させる場合、
図18に示すように、側板部24は、内側に倒れるように傾斜させるとよい。これにより、LED照明装置3を回転させて器具本体2の凹部2aに容易に収納させることができる。つまり、LED照明器具1の施工性を向上させることができる。また、
図18に示すように、側板部24の傾斜量は、側板部24の長さが長くなるほど大きくしてもよい。また、一対の側板部24の両方を傾斜させてもよいが、一対の側板部24のうちの一方のみを傾斜させてもよい。この場合、
図19に示すように、一対の側板部24のうち弾性保持部材6側に位置する側板部24を傾斜させるとよい。なお、
図19に示すように、器具本体2の開口寸法をmとし、LED照明装置3の対角寸法をnとすると、m≧nであるとよい。このことは、側板部24を傾斜させない場合も同様である。
【0218】
また、LED照明装置3の長さLに応じてフレーム20の側板部24の長さを長くする場合、側板部24の長さに応じてカバー部材30の取付部33の長さも長くするとよいが、これに限らない。例えば、
図20に示すように、LED照明装置3の長さLに応じてフレーム20の側板部24の長さを変更しても、カバー部材30の取付部33の長さを変更しなくてもよい。これにより、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、カバー部材30を共用することができる。
【0219】
また、
図21に示すように、LED照明装置3の長さLに応じてフレーム20の側板部24の長さを長くする場合、側板部24に段差を設けて側板部24を折れ曲がるように形成してもよい。この場合、側板部24の長さ及び形状に応じてカバー部材30の取付部33の長さ及び形状を変更してもよいが、
図21に示すように、フレーム20の側板部24の長さ及び形状を変更しても、カバー部材30の取付部33の長さ及び形状を変更しなくてもよい。これにより、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、カバー部材30を共用することができる。
【0220】
なお、LED照明装置3の長さLに応じてフレーム20の側板部24の長さを変更するのではなく、
図22の(a)~(c)に示すように、フレーム20の形状を変えずに、LED照明装置3の長さLに応じてカバー部材30の取付部33の長さを変更してもよいし、
図23の(a)~(c)に示すように、フレーム20の側板部24の長さもカバー部材30の取付部33の長さも変えずに、脚部71を有するL字状又はコの字状の金具70を別途設けて、LED照明装置3の長さLに応じて金具70の脚部71の長さを変更してもよい。これにより、長さLが異なる複数種のLED照明装置3において、フレーム20を共用することができる。なお、金具70は、ネジ80を用いてフレーム20及びカバー部材30の取付部33に固定される。
【0221】
また、上記実施の形態において、フレーム20の横板部23は、平行板部23aと傾斜板部23bとを含んでいたが、これに限らない。例えば、
図24に示されるLED照明装置3Aのように、フレーム20Aの横板部23Aは、平行板部23aを有さず、傾斜板部23bのみで構成されていてもよい。この場合、カバー部材30Aの延設部32Aにおける内延設部32bの第1板部32b1(横板部23Aと対向する部分)も、傾斜板部のみで構成されていてもよい。
【0222】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32の内延設部32bは、フレーム20の突出部20bを超えるように延在していたが、これに限らない。例えば、
図25に示されるLED照明装置3Bのように、カバー部材30Bの延設部32Bの内延設部32bは、フレーム20の突出部20bを超えないように延在していてもよい。なお、
図25では、延設部32Bの内延設部32bは、フレーム20の横板部23の途中まで延在している。これにより、カバー部材30の材料費を削減することができる。また、フレーム20を白色(高反射)の材料で形成することで、光取出し効率を向上させることができる。
【0223】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32の先端部は、フレーム20の主板部21のみに当接していたが、これに限らない。例えば、
図26に示されるLED照明装置3Cのように、カバー部材30Cの延設部32Cの先端部は、フレーム20と光源部10の両方に当接していてもよい。これにより、延設部32Cを光源部10の基板11の取付構造として兼用することができたり、基板11がフレーム20から離れること(基板11の垂れ下がり)を防止することができたり、光源部10をフレーム20に押さえ付けて接触させることができるので光源部10の熱を効率良く放熱することができたりする。
図26では、カバー部材30Cの延設部32Cを第3板部32b3からさらに延在させて延設部32Cに延在部32cを設けている。なお、
図26において、カバー部材30Cの延在部32cは、光源部10の基板11に面接触しているが、これに限らない。
【0224】
また、上記実施の形態において、カバー部材30の延設部32は、主部31から延出していたが、これに限らない。例えば、延設部32又は内延設部32bは、
図27の(a)に示されるカバー部材30の点A1~点A5の位置から光源部10に向かって延出していてもよい。なお、点A1は、主部31に位置する点であり、点A2は、主部31と外延設部32aとが結合する部分の点であり、点A3は、外延設部32aに位置する点であり、点A4は、取付部33と外延設部32aとが結合する部分の点であり、点A5は、取付部33に位置する点である。また、延設部32又は内延設部32bは、
図27の(b)に示されるカバー部材30aの点B1~点B3の位置から光源部10に向かって延出していてもよい。カバー部材30aは、主部31と取付部33とで構成されており、外延設部32aを有していない。点B1は、主部31に位置する点であり、点B2は、主部31と取付部33とが結合する部分の点であり、点B3は、取付部33に位置する点である。
【0225】
例えば、
図27の(a)に示す形状のカバー部材30を用いた場合、
図28の(a)に示すように、内延設部32bは、外延設部32aではなく主部31から延出していてもよいし、
図28の(b)に示すように、内延設部32bは、外延設部32aの途中から延出していてもよいし、
図28の(c)に示すように、主部31が延設部32の途中に連結されていてもよいし、
図28の(d)に示すように、外延設部32aは、取付部33の途中に連結されていてもよい。また、
図27の(b)に示す形状のカバー部材30aを用いた場合、
図29の(a)に示すように、延設部32は、主部31から傾斜するように延出していてもよいし、
図29の(b)に示すように、主部31からアーチ状に延出していてもよい。
【0226】
なお、
図28及び
図29において、延設部32又は内延設部32bが直結している部分は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の影響を受けやすく、延設部32又は内延設部32bが直結していない部分(例えば別の部位を介している場合)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の影響を受けにくい。
【0227】
このため、
図28の(a)、(c)、(d)及び
図29の(a)、(b)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の主部31への影響度が大きくなる。一方、
図28の(b)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の主部31への影響度が小さい。
【0228】
また、
図28の(d)及び
図29の(a)、(b)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の取付部33への影響度が大きくなる。一方、
図28の(a)~(c)は、延設部32又は内延設部32bを変形させた時の取付部33への影響度が小さい。
【0229】
このため、
図28の(b)の構造については、延設部32又は内延設部32bがたわんだときに主部31及び取付部33に与える影響がいずれも小さくなる。
【0230】
また、上記実施の形態において、フレーム20の主板部21に凸部及び/又は凹部を形成してもよい。具体的には、
図30に示されるLED照明装置3Dのように、フレーム20Dの主板部21に床側に突出する凸部21cを形成してもよい。凸部21cは、凸状の突起であり、例えば主板部21にプレス加工等を施すことで形成することができる。凸部21cは、例えばビードであるが、これに限らない。具体的には、凸部21cは、半月ダボ等のダボであってもよいし、ブリッジであってもよい。また、凸部21cは、Y軸方向の全長にわたって形成された突条部であってもよいし、Y軸方向に沿って断続的に複数形成されていてもよい。なお、プレス加工により形成された凸部21cの断面形状は、例えば、矩形であるが、これに限るものではない。例えば、凸部21cの断面形状は、円弧形状であってもよいし、台形であってもよいし、三角形であってもよいし、U字状等であってもよい。また、
図30において、凸部21cは、空間領域S1に形成されている。したがって、延設部32の第3板部32b3は、光源部10の基板11と凸部21cとの間に位置している。このように、主板部21に凸部21cを形成することで、フレーム20Dの強度を向上させることができる。しかも、主板部21に凸部21cを形成することで、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。さらに、空間領域S1に凸部21cを形成することで迷路構造にすることができるので、空間領域S2に虫が侵入することをさらに抑制できる。
【0231】
なお、
図30において、凸部21cは、空間領域S1に形成されていたが、これに限らない。例えば、
図31に示されるLED照明装置3Eのように、フレーム20Eの主板部21に形成される凸部21cは、光源部10の基板11と延設部32の第3板部32b3との間に形成されていてもよい。これにより、フレーム20Eの強度を向上させることができる。
【0232】
また、
図30及び
図31において、凸部21cは、主板部21に1つのみ形成したが、これに限らない。例えば、
図32に示されるLED照明装置3Fのように、フレーム20Fの主板部21に2つの凸部21cを形成してもよい。この場合、延設部32の先端部である第3板部32b3は、2つの凸部21cの間に挿入されるとよい。つまり、延設部32の先端部は、2つの凸部21cに挟まれるように配置されるとよい。このように、主板部21に2つの凸部21cを形成することで、フレーム20Fの強度をさらに向上させることができる。しかも、2つの凸部21cの間に延設部32の先端部を挿入することで、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。また、2つの凸部21cの一方を空間領域S1に形成し、2つの凸部21cの他方を空間領域S1の外部に形成することで、さらに複雑な迷路構造にすることができるので、空間領域S2に虫が侵入することをさらに抑制できる。
【0233】
また、
図30~
図32では、主板部21に凸部21cを形成したが、これに限らない。例えば、
図33に示されるLED照明装置3Gのように、フレーム20Gの主板部21には、天井側に窪む凹部21dを形成してもよい。凹部21dは、例えば凸部21cと同様に、例えば主板部21にプレス加工等を施すことで形成することができる。凹部21dは、天井側に凸となる凸部でもあり、例えばビード等であるが、これに限らない。また、凹部21dは、Y軸方向の全長にわたって形成された溝であってもよいし、Y軸方向に沿って断続的に複数形成されていてもよい。なお、プレス加工により形成された凹部21dの断面形状は、例えば、矩形であるが、これに限るものではない。例えば、凹部21dの断面形状は、円弧形状であってもよいし、台形であってもよいし、三角形であってもよいし、U字状等であってもよい。また、
図33において、凹部21dには、延設部32の先端部である第3板部32b3が挿入されている。このように、主板部21に凹部21dを形成することで、フレーム20Gの強度を向上させることができる。しかも、凹部21dに延設部32の先端部を挿入することで、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。
【0234】
なお、
図34に示されるLED照明装置3Hのように、フレーム20Hの主板部21には、凸部21cと凹部21dとを近接して形成してもよい。このように、主板部21に凸部21cと凹部21dとを形成することで、フレーム20Hの強度をさらに向上させることができる。この場合、延設部32の先端部である第3板部32b3は、凹部21dに挿入されるとよい。これにより、延設部32が外れることを抑制できるとともに、延設部32が変形することを抑制することができる。また、凸部21cを空間領域S1に形成することで迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0235】
また、
図35に示されるLED照明装置3Iのように、主板部21に2つの凸部21cが形成されたフレーム20Fを用いる場合、カバー部材30Iの延設部32Iに第3板部32b3だけではなく第4板部32b4を形成し、基板11と凸部21cとの間に第3板部32b3を挿入し、2つの凸部21cの間に第4板部32b4を挿入してもよい。この構成により、フレーム20Fの強度を向上させることができるとともに、延設部32Iが外れることを抑制し、かつ、延設部32Iが変形することを抑制することができる。さらに、2つの凸部21cの一方を空間領域S1に形成することで迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0236】
また、
図36に示されるLED照明装置3Jのように、主板部21に2つの凸部21cが形成されたフレーム20Fを用いる場合、カバー部材30Jの延設部32Jを第3板部32b3からさらに延在させて延設部32Jに延在部32hを形成し、第3板部32b3を2つの凸部21cの間に挿入してもよい。この構成により、フレーム20Fの強度を向上させることができるとともに、延設部32Jが外れることを抑制し、かつ、延設部32Jが変形することを抑制することができる。さらに、2つの凸部21cの一方を空間領域S1に形成することで迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0237】
なお、
図37に示されるLED照明装置3Kのように、主板部21に3つの凸部21cが形成されたフレーム20Kを用いてもよい。この場合、カバー部材30Kの延設部32Kを第3板部32b3からさらに延在させて延設部32Kに延在部32hを形成するともに、延設部32Kに第4板部32b4を形成し、第3板部32b3及び第4板部32b4のそれぞれを隣り合う2つの凸部21cの間に挿入してもよい。この構成により、フレーム20Kの強度をさらに向上させることができるとともに、延設部32Kが外れることを抑制し、かつ、延設部32Kが変形することを抑制することができる。さらに、3つの凸部21cのうちの2つを空間領域S1に形成することでさらに複雑な迷路構造にすることができる。これにより、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。
【0238】
また、
図38に示されるLED照明装置3Lのように、主板部21に凸部21cが形成されたフレーム20Dを用いる場合、カバー部材30の延設部32の先端面を凸部21cの天面に接触させてもよい。
【0239】
また、
図39に示されるLED照明装置3Mのように、主板部21に凹部21dが形成されたフレーム20Gを用いる場合、カバー部材30Mの延設部32Mに第3板部32b3の途中から分岐する分岐部32mを形成し、この分岐部32mを光源部10の基板11の端面に当接させるとともに第3板部32b3を凹部21dに挿入するとよい。この構成により、延設部32Mが外れることをさらに抑制できるとともに、延設部32Mが変形することをさらに抑制することができる。
【0240】
なお、
図30~
図39のように、主板部21に凸部21c及び/又は凹部21dが形成されている場合、カバー部材の延設部は弾性変形しなくてもよい。つまり、延設部はたわまなくてもよい。この場合でも、空間領域S2に虫が侵入することを抑制できる。また、主板部21に設けられる凸部21cは、主板部21の一部ではなく、主板部21とは別の部材によって構成されていてもよい。
【0241】
また、上記実施の形態において、フレーム20の横板部23と側板部24との接続部分は、凹部20aの底部をなす主板部21よりも床側に位置していたが、これに限らない。例えば、
図40に示されるフレーム20Nのように、横板部23Nと側板部24との接続部分は、凹部20aの底部をなす主板部21よりも天井側に位置していてもよい。
【0242】
(変形例)
以上、本発明に係るLED照明器具及びLED照明装置について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。
【0243】
例えば、上記実施の形態では、LED照明装置3に用いられるフレームとしては種々の形状のものを例示したが、以下に説明する形状のフレームを用いてもよい。なお、以下に説明するフレームの中には、既に上述した形状を有するものも含まれる。また、以下に説明するフレームについては、形状は異なるものの、便宜上、上記実施の形態と同じ符号を用いている。また、以下に説明するフレームの特徴は、互いに適用しあってもよいし、上記実施の形態及び変形例に適用してもよい。
【0244】
まず、上記実施の形態では、横板部23は、平行板部23aと傾斜板部23bとによって構成されていたが、これに限らない。例えば、
図41に示されるフレーム201のように、横板部23は、平行板部のみによって構成されていてもよいし、
図42に示されるフレーム202のように、横板部23は、傾斜板部のみによって構成されていてもよい。この場合、
図42に示されるフレーム202のように、横板部23は、外側に向かって傾斜する傾斜板部のみによって構成されていてもよいし、
図43に示されるフレーム203のように、横板部23は、内側に向かって傾斜する傾斜板部のみによって構成されていてもよい。
【0245】
また、上記実施の形態では、フレーム20の立板部22は、主板部21と垂直に立設していたが、これに限らない。例えば、
図44に示されるフレーム204のように、立板部22は、主板部21に対して傾斜するように設けられた傾斜板部であってもよい。この場合、
図44に示されるフレーム204では、横板部23は、外側に向かって傾斜する傾斜板部のみによって構成されている。また、
図44では、横板部23と側板部24との接続部の位置は主板部21(凹部20aの底部)の位置と同じになっているが、これに限らない。具体的には、
図45に示されるフレーム205のように、横板部23と側板部24との接続部の位置は、主板部21(凹部20aの底部)よりも床側に位置していてもよい。また、図示しないが、横板部23と側板部24との接続部の位置は、主板部21(凹部20aの底部)よりも天井側に位置していてもよい。
【0246】
また、
図46に示されるフレーム206のように、横板部23は、湾曲板部で構成されていてもよい。また、
図47に示されるフレーム207のように、立板部22が傾斜板部のみで構成され、横板部23が平行板部のみで構成されていてもよいし、
図48に示されるフレーム208のように、立板部22が傾斜板部のみで構成され、横板部23が平行板部と傾斜板部とで構成されていてもよい。
【0247】
また、
図49に示されるフレーム209のように、横板部23は、段差状に形成されていてもよい。つまり、横板部23には段差が設けられていてもよい、この場合、
図49に示されるフレーム209では、段差を有する横板部23は、主板部21とは高さの位置が異なる2つの平行板部によって構成されているが、これに限らない。例えば、
図50に示されるフレーム210のように、段差を有する横板部23は、平行板部と、平行板部の内側に位置する傾斜板部とを有していてもよいし、
図51に示されるフレーム211のように、段差を有する横板部23は、平行板部と、平行板部の外側に位置し且つ内側に傾斜する傾斜板部とを有していてもよいし、
図52に示されるフレーム212のように、段差を有する横板部23は、外側に傾斜する傾斜板部と内側に傾斜する傾斜板部とを有していてもよい。また、
図53に示されるフレーム213のように、横板部23が傾斜板部と平行板部とを有する段差状であり、かつ、立板部22が傾斜板部であってもよいし、
図54に示されるフレーム214のように、横板部23が2つの平行板部を有する段差状であり、かつ、立板部22が傾斜板部であってもよい。
【0248】
なお、
図55に示されるフレーム215のように、主板部21における立板部22との境界部分に補強リブ21bを形成してもよい。これにより、側板部24の長さが短いフレームであっても、フレームの強度を確保することができる。補強リブ21bは、例えばプレス加工により形成することができる。
【0249】
また、上記実施の形態において、フレーム20における側板部24は、一対の横板部23の各々から延出していたが、これに限らない。例えば、フレーム20における側板部24は、一対の横板部23の一方のみから延出していてもよい。つまり、側板部24は、一対の横板部23の少なくとも一方から延出していればよい。
【0250】
また、上記実施の形態において、カバー部材30における外延設部32aを主部31の一部としてもよい。この場合、カバー部材30において、延設部32は、例えば内延設部32bのみとなり、主部31の一部である外延設部32aからカバー部材30の内方に向かって延在することになる。
【0251】
また、上記実施の形態では、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける場合、LED照明装置3を回転させることで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けたが、これに限らない。つまり、LED照明装置3を回転させることなく、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。具体的には、LED照明装置3に設けられた板バネ等を天井に設置された器具本体2に引っ掛けて、器具本体2に向かってLED照明装置3を平行移動させるように鉛直方向に移動させることで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。この場合、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに鉛直方向に押し込んで嵌め込むことで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けることができる。
【0252】
また、上記実施の形態における照明器具1では、
図56の(a)に示すように、断面形状が逆富士型の器具本体2を用いていたが、これに限らない。例えば、
図56の(b)に示すように、断面形状が矩形の器具本体2Aを用いてもよい。器具本体2Aは、I形状であり、傾斜面(反射面)を有する傾斜面部2dを有していない。なお、
図56の(b)に示される器具本体2Aでは、凹部2aの開口端縁を形成する部分に、折曲部が形成されている。この折曲部は、90°曲げであってもよいし、鋭角曲げであってもよいし、ヘミング曲げであってもよい。また、器具本体2又は2Aに嵌め込まれるLED照明装置3は、LED照明装置3の一部が器具本体2又は2Aの凹部2aの内部に落ち込んでいてもよい。また、器具本体2の形状のバリエーションとしては、
図56の(b)の形状に限るものではなく、器具本体2を天井に設置したときに床側に傾斜面部(反射部)を有する笠付形状であってもよい。
【0253】
また、上記実施の形態において、LED照明器具1は、器具本体2が天井面に直接設置された天井直付け型の照明器具であったが、これに限らない。例えば、LED照明器具1は、器具本体2が天井に埋め込まれた天井埋め込み型の照明器具であってもよい。この場合、
図56の(c)に示されるように、器具本体2Bは、天井100に設けられた開口部に埋め込まれる。器具本体2Bに嵌め込まれるLED照明装置3については、天井100の天井面からLED照明装置3の一部が飛び出さないようにLED照明器具3の全部が器具本体2Bの凹部2aの内部に落ち込んでいてもよいが、LED照明装置3の一部が天井100の天井面から飛び出していてもよい。
【0254】
また、上記実施の形態では、LED12としてLEDチップがパッケージに実装されたSMDタイプのLED素子を用いており、基板11とLED12とからなる発光モジュールがSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、基板11とLED12とからなる発光モジュールは、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、LED12として、LEDチップ(ベアチップ)そのものを用いて、基板11に複数のLED12(LEDチップ)を直線状に配列し、封止部材(例えば蛍光体含有樹脂)によって複数のLED12を一括又は個別に封止すればよい。
【0255】
また、上記実施の形態では、拡散性及び透光性を有するカバー部材30を用いたが、これに限らない。例えば、カバー部材30に代えて、拡散性及び透光性のうち透光性のみを有する透光カバーを用いてもよい。この場合、透光カバーとして、向こう側が透けて見えるくらいに透過率が高い透明カバーを用いてもよい。
【0256】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。また、本願出願時の特許請求の範囲に記載された複数の請求項の中から技術的に矛盾しない範囲で2つ以上の請求項を任意に組み合わせたものも本発明に含まれる。例えば、本願出願時の特許請求の範囲に記載された引用形式請求項を、技術的に矛盾しない範囲で上位請求項の全てを引用するようにマルチクレーム又はマルチマルチクレームとしたときに、そのマルチクレーム又はマルチマルチクレームに含まれる全ての請求項の組み合わせも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0257】
1 LED照明器具
2、2A、2B 器具本体
2a 凹部
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I、3J、3K、3L、3M LED照明装置
4 電源装置
4a 回路基板
4b 電子部品
4c 回路ケース
11 基板
12 LED
20、20A、20D、20E、20F、20G、20H、20K、20N、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215 フレーム
20a 凹部
21 主板部
23、23A、23N 横板部
23b 傾斜板部
24 側板部(延出部)
30、30a、30A、30B、30C、30I、30J、30K、30M カバー部材