(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139532
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】搬送物停止装置及び搬送ユニット
(51)【国際特許分類】
B65G 47/88 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
B65G47/88 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050510
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】棚澤 賢一
【テーマコード(参考)】
3F017
【Fターム(参考)】
3F017EA05
3F017EB02
3F017EB07
3F017FA09
3F017FD07
(57)【要約】
【課題】パレットを停止させる際の跳ね返りの発生を抑制できる搬送物停止装置及び搬送ユニットを提供する。
【解決手段】実施形態に係る搬送物停止装置は、パレットに設けられる第1永久磁石と、第1方向において第1永久磁石から離れた位置に設けられる第2永久磁石と、第1方向において第1永久磁石と第2永久磁石との間に設けられる電磁石と、電磁石を第1方向に沿って移動可能とする可動部と、電磁石及び第2永久磁石を第1方向において第1永久磁石と重なる第1位置と第1方向において第1永久磁石と重ならない第2位置との間で移動させる移動部と、電磁石及び移動部を制御する制御部と、を備える。制御部は、電磁石及び第2永久磁石が第1位置にある状態で、第1永久磁石が電磁石に向かって進んでいるときに、電磁石と第1永久磁石とが反発し、かつ、電磁石と第2永久磁石とが反発するように電磁石を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を載置可能なパレットを第1方向に沿って搬送するコンベアに設けられ、前記パレットを停止させる搬送物停止装置であって、
前記パレットに設けられる第1永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石から離れた位置に設けられる第2永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に設けられる電磁石と、
前記電磁石を前記第1方向に沿って移動可能とする可動部と、
前記電磁石及び前記第2永久磁石を、前記第1方向において前記第1永久磁石と重なる第1位置と、前記第1方向において前記第1永久磁石と重ならない第2位置と、の間で移動させる移動部と、
前記電磁石及び前記移動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電磁石及び前記第2永久磁石が前記第1位置にある状態で、前記第1永久磁石が前記電磁石に向かって進んでいるときに、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御する、搬送物停止装置。
【請求項2】
前記可動部は、
前記第2永久磁石を収納する筒部と、
前記電磁石と接続され、前記筒部により案内されるシャフトと、
を有する、請求項1に記載の搬送物停止装置。
【請求項3】
前記電磁石と前記第2永久磁石との間の距離を測定可能な測距センサをさらに備え、
前記制御部は、前記距離に基づいて、前記電磁石を制御する、請求項1に記載の搬送物停止装置。
【請求項4】
前記測距センサは、前記電磁石と前記第2永久磁石との間の前記距離の最大値である第1距離と、前回の前記距離の測定から所定時間経過後の前記距離である第2距離と、を測定し、
前記制御部は、
前記第1距離と前記第2距離との差が第1閾値未満のとき、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御し、
前記第1距離と前記第2距離との差が前記第1閾値以上のとき、前記電磁石と前記第1永久磁石とが引き合い、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが引き合うように前記電磁石を制御する、請求項3に記載の搬送物停止装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1距離と前記第2距離との差が前記第1閾値未満かつ第2閾値以上のとき、前記電磁石の反発力を第1反発にし、
前記第1距離と前記第2距離との差が前記第2閾値未満のとき、前記電磁石の反発力を前記第1反発力よりも大きい第2反発力にする、請求項4に記載の搬送物停止装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発する状態で、前記移動部により、前記電磁石及び前記第2永久磁石を前記第1位置から前記第2位置に移動させる、請求項1~5のいずれか1つに記載の搬送物停止装置。
【請求項7】
前記電磁石と前記第1永久磁石との接触を検出可能な近接センサをさらに備え、
前記制御部は、前記電磁石と前記第1永久磁石とが接触していない状態で、前記移動部により、前記電磁石及び前記第2永久磁石を前記第1位置から前記第2位置に移動させる、請求項6に記載の搬送物停止装置。
【請求項8】
物品を載置可能なパレットと、
前記パレットを第1方向に沿って搬送するコンベアと、
前記コンベアに設けられ、前記パレットを停止させる搬送物停止装置と、
を備え、
前記搬送物停止装置は、
前記パレットに設けられる第1永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石から離れた位置に設けられる第2永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に設けられる電磁石と、
前記電磁石を前記第1方向に沿って移動可能とする可動部と、
前記電磁石及び前記第2永久磁石を、前記第1方向において前記第1永久磁石と重なる第1位置と、前記第1方向において前記第1永久磁石と重ならない第2位置と、の間で移動させる移動部と、
前記電磁石及び前記移動部を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記電磁石及び前記第2永久磁石が前記第1位置にある状態で、前記第1永久磁石が前記電磁石に向かって進んでいるときに、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御する、搬送ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、搬送物停止装置及び搬送ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
アキュームコンベアなどの搬送ユニットにおいて、搬送物を停止させるために、ショックアブソーバやエアシリンダなどの停止機構を設けることが知られている。しかし、これらの停止機構は、搬送物を減速させずに停止機構に接触させて停止させるため、搬送物の速度や重量によっては、搬送物を停止させる際に跳ね返りが発生し、位置決めが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、パレットを停止させる際の跳ね返りの発生を抑制できる搬送物停止装置及び搬送ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る搬送物停止装置は、物品を載置可能なパレットを第1方向に沿って搬送するコンベアに設けられ、前記パレットを停止させる搬送物停止装置である。実施形態に係る搬送物停止装置は、前記パレットに設けられる第1永久磁石と、前記第1方向において、前記第1永久磁石から離れた位置に設けられる第2永久磁石と、前記第1方向において、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に設けられる電磁石と、前記電磁石を前記第1方向に沿って移動可能とする可動部と、前記電磁石及び前記第2永久磁石を、前記第1方向において前記第1永久磁石と重なる第1位置と、前記第1方向において前記第1永久磁石と重ならない第2位置と、の間で移動させる移動部と、前記電磁石及び前記移動部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記電磁石及び前記第2永久磁石が前記第1位置にある状態で、前記第1永久磁石が前記電磁石に向かって進んでいるときに、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係る搬送物停止装置を備えた搬送ユニットを表す平面図である。
【
図2】実施形態に係る搬送物停止装置を表す断面図である。
【
図3】実施形態に係る搬送物停止装置を表すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る搬送ユニットの動作を表す断面図である。
【
図5】実施形態に係る搬送ユニットの動作を表す断面図である。
【
図6】実施形態に係る搬送ユニットの動作を表す断面図である。
【
図7】実施形態に係る搬送ユニットの動作を表す断面図である。
【
図8】実施形態に係る搬送ユニットの動作を表す断面図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、実施形態に係る搬送物停止装置の一部を模式的に表す模式図である。
【
図10】実施形態に係る搬送物停止装置の動作を表すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る搬送物停止装置の動作を表すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る搬送物停止装置の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
図1は、実施形態に係る搬送物停止装置を備えた搬送ユニットを表す平面図である。
図2は、実施形態に係る搬送物停止装置を表す断面図である。
図3は、実施形態に係る搬送物停止装置を表すブロック図である。
図2は、
図1に示したA1-A2線による断面図である。
図1~
図3に表したように、実施形態に係る搬送ユニット100は、パレット10と、コンベア20と、搬送物停止装置30と、を備えている。
【0009】
パレット10には、物品1を載置可能である。パレット10は、例えば、物品1を載置可能な載置面を有する。
【0010】
コンベア20は、パレット10を第1方向D1に沿って搬送する。コンベア20は、例えば、ローラコンベアである。コンベア20は、例えば、ローラを回転させることで、ローラの上に載置されたパレット10を第1方向D1に沿って移動させる。
【0011】
コンベア20は、例えば、フリーフロー式のコンベアである。コンベア20は、例えば、連続的にローラを回転させることで、パレット10を搬送する。コンベア20は、例えば、パレット10を停止させる際にも、ローラの回転を停止させない。
【0012】
搬送物停止装置30は、パレット10を停止させる。搬送物停止装置30は、例えば、コンベア20の駆動を停止させずに、パレット10を停止させるための装置である。搬送物停止装置30は、コンベア20に設けられる。搬送物停止装置30は、第1永久磁石31と、第2永久磁石32と、電磁石33と、可動部34と、測距センサ35と、近接センサ36と、移動部37と、制御部38と、を備えている。
【0013】
第1永久磁石31は、パレット10に設けられる。第1永久磁石31は、例えば、パレット10の搬送物停止装置30と対向する面に設けられる。
【0014】
第2永久磁石32は、第1方向D1において、第1永久磁石31から離れた位置に設けられる。第2永久磁石32は、可動部34の一部(後述の筒部34a)に支持される。
【0015】
電磁石33は、第1方向D1において、第1永久磁石31と第2永久磁石32との間に設けられる。電磁石33は、可動部34の一部(後述のシャフト34b)に支持される。電磁石33は、制御部38と電気的に接続される。電磁石33は、制御部38により制御される。
【0016】
可動部34は、電磁石33を第1方向D1に沿って移動可能とする。可動部34は、例えば、第2永久磁石32及び電磁石33を支持する。可動部34は、例えば、第1永久磁石31と第2永久磁石32との間において、電磁石33を第1方向D1に沿って移動させる。可動部34は、例えば、筒部34aと、シャフト34bと、第1規制部34cと、第2規制部34dと、を有する。
【0017】
筒部34aは、第1方向D1に沿って延びる筒状である。筒部34aは、第1方向の一側において開口している。筒部34aは、内部の空間に第2永久磁石32を収納する。筒部34aは、第2永久磁石32を支持する。第2永久磁石32は、筒部34aに対して固定される。
【0018】
シャフト34bは、電磁石33と接続される。シャフト34bは、電磁石33を支持する。シャフト34bは、筒部34aにより案内され、第1方向D1に沿って移動する。この例では、シャフト34bは、筒部34aの内部に設けられており、筒部34aの内壁面により案内される。シャフト34bは、例えば、筒部34aの外部に設けられてもよい。この場合、シャフト34bは、例えば、筒部34aの外壁面により案内されてもよい。シャフト34bが筒部34aにより案内されて第1方向D1に沿って移動することで、シャフト34bと接続された電磁石33を第1方向D1に沿って移動させることができる。
【0019】
第1規制部34cは、筒部34aの第1方向D1における一側の端部に設けられている。第1規制部34cは、筒部34aからシャフト34bに向かって突出している。第2規制部34dは、シャフト34bの第1方向D1における他側の端部に設けられている。第2規制部34dは、シャフト34bから筒部34aに向かって突出している。
【0020】
第1規制部34c及び第2規制部34dは、シャフト34bが最大に伸びた状態において、当接する。つまり、第1規制部34c及び第2規制部34dは、電磁石33と第2永久磁石32との間の距離が最大の状態において、当接する。これにより、第1規制部34c及び第2規制部34dは、シャフト34bの筒部34aに対する第1方向D1の動きを規制する。このように、第1規制部34c及び第2規制部34dを設けることで、シャフト34bが筒部34aから抜けることを抑制できる。
【0021】
測距センサ35は、電磁石33と第2永久磁石32との間の距離Xを測定可能である。測距センサ35は、例えば、電磁石33と第2永久磁石32との接触を検出可能である。測距センサ35は、例えば、レーザ変位計である。測距センサ35は、制御部38と電気的に接続される。測距センサ35は、制御部38に測定結果を出力する。
【0022】
測距センサ35は、例えば、可動部34に設けられる。この例では、測距センサ35は、筒部34aに設けられている。この例では、測距センサ35は、第2永久磁石32と上下方向において重なる位置に設けられている。
【0023】
近接センサ36は、電磁石33と第1永久磁石31との間の距離Yを測定可能である。近接センサ36の検知範囲(測定可能な距離の上限)は、例えば、測距センサ35の検知範囲(測定可能な距離の上限)よりも小さい。近接センサ36は、例えば、電磁石33と第1永久磁石31との接触を検出可能である。近接センサ36は、例えば、レーザ変位計である。近接センサ36は、制御部38と電気的に接続される。近接センサ36は、制御部38に測定結果を出力する。
【0024】
近接センサ36は、例えば、電磁石33に設けられる。この例では、近接センサ36は、電磁石33と上下方向において重なる位置に設けられている。近接センサ36は、例えば、可動部34に設けられていてもよい。この場合、近接センサ36は、例えば、シャフト34bに設けられてもよい。
【0025】
移動部37は、電磁石33及び第2永久磁石32を、第1位置と、第2位置と、の間で移動させる。移動部37は、制御部38と電気的に接続される。移動部37は、制御部38により制御される。
【0026】
第1位置は、電磁石33及び第2永久磁石32が第1方向D1において第1永久磁石31と重なる位置である。電磁石33及び第2永久磁石32が第1位置にある状態とは、搬送物停止装置30によりパレット10を停止させることができる状態である。言い換えれば、電磁石33及び第2永久磁石32が第1位置にある状態とは、パレット10が搬送物停止装置30よりも下流側に搬送されないようにしている状態である。
【0027】
第2位置は、電磁石33及び第2永久磁石32が第1方向D1において第1永久磁石31と重ならない位置である。電磁石33及び第2永久磁石32が第2位置にある状態とは、搬送物停止装置30によりパレット10を停止させることができない状態である。言い換えれば、電磁石33及び第2永久磁石32が第2位置にある状態とは、パレット10が搬送物停止装置30よりも下流側に搬送されるようにしている状態である。
【0028】
図1及び
図2は、電磁石33及び第2永久磁石32が第1位置にある状態を示している。後述する
図4~
図7は、電磁石33及び第2永久磁石32が第1位置にある状態を示している。後述する
図8は、電磁石33及び第2永久磁石32が第2位置にある状態を示している。
【0029】
この例では、電磁石33及び第2永久磁石32は、可動部34に支持されている。また、この例では、測距センサ35は、可動部34に設けられている。また、この例では、近接センサ36は、電磁石33に設けられている。そのため、この例では、移動部37により電磁石33及び第2永久磁石32が移動する際に、電磁石33及び第2永久磁石32とともに、可動部34、測距センサ35、及び近接センサ36も移動する(
図8参照)。
【0030】
制御部38は、電磁石33を制御する。制御部38は、例えば、測距センサ35の出力結果(つまり、距離Xまたは電磁石33及び第2永久磁石32との接触の有無)に基づいて、電磁石33を制御する。制御部38は、例えば、近接センサ36の出力結果(つまり、距離Yまたは電磁石33と第1永久磁石31との接触の有無)に基づいて、電磁石33を制御する。制御部38による電磁石33の制御については、後述する。
【0031】
制御部38は、電磁石33に流れる電流を制御することで、電磁石33の磁力の有無、磁力の大きさ、及び磁極の向きなどを制御する。制御部38は、例えば、電磁石33への通電の開始及び停止により、電磁石33の磁力の有無を切り替える。制御部38は、例えば、電磁石33に流れる電流の大きさを変更することで、電磁石33の磁力の大きさを変更する。制御部38は、例えば、電磁石33に流れる電流の向きを切り替えることで、電磁石33の磁極の向きを切り替える。
【0032】
制御部38は、移動部37を制御する。制御部38は、例えば、近接センサ36の出力結果(つまり、距離Yまたは電磁石33と第1永久磁石31との接触の有無)に基づいて、移動部37を制御する。制御部38による移動部37の制御については、後述する。
【0033】
以下、搬送ユニット100の動作について、説明する。
図4~
図8は、実施形態に係る搬送ユニットの動作を表す断面図である。
図4~
図7は、電磁石33及び第2永久磁石32が第1位置にある状態を示している。
図8は、電磁石33及び第2永久磁石32が第2位置にある状態を示している。
図4~
図8では、コンベア20によって、パレット10が電磁石33側に向かって搬送されている。
【0034】
図4に表したように、まず、電磁石33及び第2永久磁石32は、移動部37により、第1位置に移動する。これにより、搬送物停止装置30は、パレット10を停止させる状態になる。電磁石33は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように制御される。
【0035】
図5に表したように、第1永久磁石31(パレット10)が電磁石33に向かって進むにつれて、電磁石33と第1永久磁石31との間の距離Yが小さくなる。距離Yが小さくなると、電磁石33と第1永久磁石31との間の反発力により、電磁石33が第2永久磁石32側に押される。これにより、電磁石33と第2永久磁石32との間の距離Xが小さくなる。一方、距離Xが小さくなると、電磁石33と第2永久磁石32との間の反発力により、電磁石33が第1永久磁石31側に押される。このように、電磁石33と第1永久磁石31との間の反発力、及び、電磁石33と第2永久磁石32との間の反発力によって、第1永久磁石31(パレット10)が電磁石33に向かって進む力を相殺し、電磁石33(搬送物停止装置30)に接触させずに、パレット10の速度を低下させることができる。
【0036】
図6に表したように、距離X及び距離Yが十分に小さくなると、電磁石33は、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合うように制御される。これにより、電磁石33と第1永久磁石31とを接触させるとともに、電磁石33と第2永久磁石32とを接触させて、パレット10を所望の位置において停止させることができる。つまり、パレット10を所望の位置に位置決めすることができる。
【0037】
図7に表したように、パレット10の停止を解除する際には、電磁石33は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように制御される。これにより、電磁石33と第1永久磁石31とを引き離すとともに、電磁石33と第2永久磁石32とを引き離すことができる。
【0038】
図8に表したように、距離Yが十分に大きくなると、電磁石33及び第2永久磁石32は、移動部37により、第2位置に移動する。これにより、搬送物停止装置30は、パレット10を停止させない状態になる。つまり、パレット10を搬送物停止装置30よりも下流側に搬送することができるようになる。
【0039】
以下、第1永久磁石31、第2永久磁石32、及び電磁石33の磁極の向きについて、説明する。
図9(a)及び
図9(b)は、実施形態に係る搬送物停止装置の一部を模式的に表す模式図である。
図9(a)及び
図9(b)に表したように、第1永久磁石31及び第2永久磁石32は、例えば、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きが、第1方向D1に沿い、同じ向きになるように配置される。また、電磁石33は、例えば、電磁石33の磁極の向きが、第1方向D1に沿うように配置される。
【0040】
この場合、
図9(a)に表したように、電磁石33の磁極の向きを、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きとは反対の向きにすることで、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発する状態にすることができる。
【0041】
また、この場合、
図9(b)に表したように、電磁石33の磁極の向きを、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きと同じ向きにすることで、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合う状態にすることができる。
【0042】
なお、第1永久磁石31、第2永久磁石32、及び電磁石33の磁極の向きは、これに限定されず、電磁石33の磁極の向きを切り替えることで、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発する状態と、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合う状態と、を切り替えられればよい。
【0043】
第1永久磁石31及び第2永久磁石32は、例えば、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きが、第1方向D1と交差する方向に沿うように配置されてもよい。この場合、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きは、例えば、第1方向D1と直交する方向に沿う。なお、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きは、例えば、第1永久磁石31と電磁石33との間及び第2永久磁石32と電磁石33との間において磁力の反発または引き合いが及ぶ範囲であればよく、第1方向D1や第1方向D1に直交する方向からずれていてもよい。第1永久磁石31及び第2永久磁石32は、例えば、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きが、反対の向きになるように配置されてもよい。電磁石33は、例えば、電磁石33の磁極の向きが、第1方向D1と交差する方向に沿うように配置されてもよい。この場合、電磁石33の磁極の向きは、例えば、第1方向D1と直交する方向に沿う。なお、電磁石33の磁極の向きは、例えば、第1永久磁石31と電磁石33との間及び第2永久磁石32と電磁石33との間において磁力の反発または引き合いが及ぶ範囲であればよく、第1方向D1や第1方向D1に直交する方向からずれていてもよい。例えば、電磁石33の磁極の向きを、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きと同じ向きにすることで、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発する状態にしてもよい。例えば、電磁石33の磁極の向きを、第1永久磁石31の磁極の向き及び第2永久磁石32の磁極の向きとは反対の向きにすることで、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合う状態にしてもよい。
【0044】
以下、パレット10を停止させる際の搬送物停止装置30の制御について、説明する。
図10は、実施形態に係る搬送物停止装置の動作を表すフローチャートである。
図10に表したように、制御部38は、移動部37により、電磁石33及び第2永久磁石32を第1位置に移動させる(ステップS101)。これにより、搬送物停止装置30は、パレット10を停止させる状態になる。
【0045】
次に、制御部38は、電磁石33と第2永久磁石32との間の距離Xを最大にする(ステップS102)。より具体的には、制御部38は、測距センサ35により、電磁石33と第2永久磁石32との間の距離Xを測定し、距離Xが最大ではない場合、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御することで、距離Xを最大にする。距離Xの最大値は、例えば、10mmに設定される。
【0046】
次に、制御部38は、測距センサ35により、電磁石33と第2永久磁石32との間の第1距離X1を測定する(ステップS103)。第1距離X1は、距離Xの最大値である。
【0047】
次に、制御部38は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS104)。制御部38は、所定時間が経過するまで、ステップS104を繰り返す(ステップS104:No)。所定時間は、例えば、1秒以上10秒以下(例えば、5秒)に設定される。
【0048】
所定時間が経過すると(ステップS104:Yes)、制御部38は、電磁石33と第2永久磁石32との間の第2距離X2を測定する(ステップS105)。第2距離X2は、前回の距離Xの測定から所定時間経過後の距離Xである。
【0049】
次に、制御部38は、第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第1閾値以上か否かを判定する(ステップS106)。第1閾値は、例えば、9mmに設定される。第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第1閾値未満のとき(ステップS106:No)、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御する(ステップS107)。
【0050】
ステップS107を行うと、制御部38は、ステップS104に戻る。制御部38は、第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第1閾値以上(ステップS106:Yes)になるまで、ステップS104、ステップS105、ステップS106、及びステップS107を繰り返す。
【0051】
第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第1閾値以上のとき(ステップS106:Yes)、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合うように電磁石33を制御する(ステップS108)。
【0052】
次に、制御部38は、近接センサ36により、電磁石33と第1永久磁石31との接触が検出されたか否かを判定する(ステップS109)。制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31との接触が検出されるまで、ステップS109を繰り返す(ステップS109:No)。
【0053】
電磁石33と第1永久磁石31との接触が検出されると(ステップS109:Yes)、制御部38は、パレット10を停止させるための制御を終了する(ステップS110)。パレット10を停止させるための制御を終了すると、制御部38は、電磁石33への通電を停止させてもよいし、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合うように電磁石33を制御し続けてもよい。
【0054】
電磁石33が第1永久磁石31と反発するか引き合うか、及び電磁石33が第2永久磁石32と反発するか引き合うかは、例えば、電磁石33の磁極の向きを切り替えることにより変更可能である。電磁石33の磁極の向きは、例えば、電磁石33に流れる電流の向きにより変更可能である。
【0055】
このように、制御部38は、電磁石33及び第2永久磁石32が第1位置にある状態で、第1永久磁石31(パレット10)が電磁石33に向かって進んでいるときに、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御する。これにより、電磁石33と第1永久磁石31との間の反発力、及び、電磁石33と第2永久磁石32との間の反発力によって、パレット10が電磁石33に向かって進む力を相殺し、電磁石33(搬送物停止装置30)に接触させずに、パレット10の速度を低下させることができる。したがって、パレット10(物品1)の速度や重量によらず、パレット10を停止させる際の跳ね返りの発生を抑制できる。
【0056】
また、制御部38は、第1距離X1と第2距離X2との差が第1閾値未満のとき、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御し、第1距離X1と第2距離X2との差が第1閾値以上のとき、電磁石33と第1永久磁石31とが引き合い、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが引き合うように電磁石33を制御する。これにより、パレット10が電磁石33から離れているときには、パレット10の速度を低下させ、パレット10が電磁石33に近づいたときには、パレット10を電磁石33に引き寄せることができる。したがって、パレット10を停止させる際の跳ね返りの発生の抑制と、パレット10の位置決めと、を容易に両立できる。
【0057】
以下、パレット10を停止させる際の搬送物停止装置30の反発力の制御について、説明する。
図11は、実施形態に係る搬送物停止装置の動作を表すフローチャートである。
図11に表したように、第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第1閾値未満の場合(ステップS201)、制御部38は、第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第2閾値以上か否かを判定する(ステップS202)。第2閾値は、第1閾値よりも小さい値に設定される。第2閾値は、例えば、5mmに設定される。
【0058】
第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第2閾値以上のとき(ステップS202:Yes)、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御するとともに、電磁石33の反発力を第1反発力に設定する(ステップS203)。
【0059】
第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第2閾値未満のとき(ステップS202:No)、制御部38は、第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第3閾値以上か否かを判定する(ステップS204)。第3閾値は、第2閾値よりも小さい値に設定される。第3閾値は、例えば、1mmに設定される。
【0060】
第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第3閾値以上のとき(ステップS204:Yes)、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御するとともに、電磁石33の反発力を第2反発力に設定する(ステップS205)。第2反発力は、第1反発力よりも大きい。
【0061】
第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が第3閾値未満のとき(ステップS204:No)、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御するとともに、電磁石33の反発力を第3反発力に設定する(ステップS206)。第3反発力は、第2反発力よりも大きい。
【0062】
電磁石33の反発力の大きさは、例えば、電磁石33の磁力の大きさにより変更可能である。電磁石33の磁力の大きさは、例えば、電磁石33に流れる電流の大きさにより変更可能である。
【0063】
このように、第1距離X1と第2距離X2との差(X1-X2)が大きくなるほど、電磁石33の反発力を小さくすることで、第1永久磁石31(パレット10)が電磁石33に近づくにつれて、電磁石33の反発力を小さくすることができる。これにより、パレット10を停止させる際の跳ね返りの発生をより確実に抑制できる。
【0064】
以下、パレット10の停止を解除する際の搬送物停止装置30の制御について、説明する。
図12は、実施形態に係る搬送物停止装置の動作を表すフローチャートである。
図12に表したように、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発するように電磁石33を制御する(ステップS301)。
【0065】
次に、制御部38は、近接センサ36により、電磁石33と第1永久磁石31との接触が検出されなくなったか否かを判定する(ステップS302)。制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31との接触が検出されなくなるまで、ステップS302を繰り返す(ステップS302:Yes)。
【0066】
電磁石33と第1永久磁石31との接触が検出されなくなると、制御部38は、移動部37により、電磁石33及び第2永久磁石32を第2位置に移動させる(ステップS303)。これにより、搬送物停止装置30は、パレット10を停止させない状態になる。つまり、パレット10を搬送物停止装置30よりも下流側に搬送することができるようになる。
【0067】
このように、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが反発し、かつ、電磁石33と第2永久磁石32とが反発する状態で、移動部37により、電磁石33及び第2永久磁石32を第1位置から第2位置に移動させる。また、制御部38は、電磁石33と第1永久磁石31とが接触していない状態で、移動部37により、電磁石33及び第2永久磁石32を第1位置から第2位置に移動させる。これにより、電磁石33及び第2永久磁石32を第1位置から第2位置に移動させる際に、電磁石33と第1永久磁石31とが接触することを抑制できる。したがって、電磁石33やと第1永久磁石31が破損することを抑制できる。
【0068】
なお、上記の例では、制御部38が電磁石33と第2永久磁石32との間の距離Xに基づいて電磁石33を制御する場合について説明したが、制御部38が電磁石33を制御する手段は、これに限定されない。
【0069】
制御部38は、例えば、距離Xの単位時間当たりの変化量(つまり、電磁石33の移動速度)に基づいて電磁石33を制御してもよい。また、制御部38は、例えば、第1永久磁石31と第2永久磁石32との間の距離Yに基づいて電磁石33を制御してもよい。また、制御部38は、例えば、距離Yの単位時間当たりの変化量(つまり、第1永久磁石31の移動速度)に基づいて電磁石33を制御してもよい。また、制御部38は、例えば、これらのうち2つ以上を組み合わせて電磁石33を制御してもよい。つまり、制御部38は、例えば、距離Xと、距離Xの単位時間当たりの変化量(つまり、電磁石33の移動速度)と、に基づいて電磁石33を制御してもよい。制御部38は、例えば、距離Yと、距離Yの単位時間当たりの変化量(つまり、第1永久磁石31の移動速度)と、に基づいて電磁石33を制御してもよい。制御部38は、例えば、距離Xと、距離Yの単位時間当たりの変化量(つまり、第1永久磁石31の移動速度)と、に基づいて電磁石33を制御してもよい。制御部38は、例えば、距離Yと、距離Xの単位時間当たりの変化量(つまり、電磁石33の移動速度)と、に基づいて電磁石33を制御してもよい。例えば、距離と速度とを組み合わせて電磁石33を制御することで、より精密な反発力の調整を行うことができる。
【0070】
また、上記の例では、移動部37が電磁石33及び第2永久磁石32を上下方向に移動させる場合について説明したが、移動部37が電磁石33及び第2永久磁石32を動かす方向は、上下方向に限定されない。移動部37は、例えば、第1方向D1を前後方向としたときに、電磁石33及び第2永久磁石32を上下方向及び前後方向と交差する左右方向に移動させてもよい。
【0071】
また、上記の例では、第2位置が第1位置よりも下方に位置する場合について説明したが、第1位置と第2位置との位置関係は、これに限定されない。第2位置は、例えば、第1位置よりも上方に位置してもよいし、第1位置よりも左方に位置してもよいし、第1位置よりも右方に位置してもよい。
【0072】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0073】
(構成1)
物品を載置可能なパレットを第1方向に沿って搬送するコンベアに設けられ、前記パレットを停止させる搬送物停止装置であって、
前記パレットに設けられる第1永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石から離れた位置に設けられる第2永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に設けられる電磁石と、
前記電磁石を前記第1方向に沿って移動可能とする可動部と、
前記電磁石及び前記第2永久磁石を、前記第1方向において前記第1永久磁石と重なる第1位置と、前記第1方向において前記第1永久磁石と重ならない第2位置と、の間で移動させる移動部と、
前記電磁石及び前記移動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電磁石及び前記第2永久磁石が前記第1位置にある状態で、前記第1永久磁石が前記電磁石に向かって進んでいるときに、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御する、搬送物停止装置。
【0074】
(構成2)
前記可動部は、
前記第2永久磁石を収納する筒部と、
前記電磁石と接続され、前記筒部により案内されるシャフトと、
を有する、構成1に記載の搬送物停止装置。
【0075】
(構成3)
前記電磁石と前記第2永久磁石との間の距離を測定可能な測距センサをさらに備え、
前記制御部は、前記距離に基づいて、前記電磁石を制御する、構成1または2に記載の搬送物停止装置。
【0076】
(構成4)
前記測距センサは、前記電磁石と前記第2永久磁石との間の前記距離の最大値である第1距離と、前回の前記距離の測定から所定時間経過後の前記距離である第2距離と、を測定し、
前記制御部は、
前記第1距離と前記第2距離との差が第1閾値未満のとき、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御し、
前記第1距離と前記第2距離との差が前記第1閾値以上のとき、前記電磁石と前記第1永久磁石とが引き合い、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが引き合うように前記電磁石を制御する、構成3に記載の搬送物停止装置。
【0077】
(構成5)
前記制御部は、
前記第1距離と前記第2距離との差が前記第1閾値未満かつ第2閾値以上のとき、前記電磁石の反発力を第1反発にし、
前記第1距離と前記第2距離との差が前記第2閾値未満のとき、前記電磁石の反発力を前記第1反発力よりも大きい第2反発力にする、構成4に記載の搬送物停止装置。
【0078】
(構成6)
前記制御部は、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発する状態で、前記移動部により、前記電磁石及び前記第2永久磁石を前記第1位置から前記第2位置に移動させる、構成1~5のいずれか1つに記載の搬送物停止装置。
【0079】
(構成7)
前記電磁石と前記第1永久磁石との接触を検出可能な近接センサをさらに備え、
前記制御部は、前記電磁石と前記第1永久磁石とが接触していない状態で、前記移動部により、前記電磁石及び前記第2永久磁石を前記第1位置から前記第2位置に移動させる、構成6に記載の搬送物停止装置。
【0080】
(構成8)
物品を載置可能なパレットと、
前記パレットを第1方向に沿って搬送するコンベアと、
前記コンベアに設けられ、前記パレットを停止させる搬送物停止装置と、
を備え、
前記搬送物停止装置は、
前記パレットに設けられる第1永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石から離れた位置に設けられる第2永久磁石と、
前記第1方向において、前記第1永久磁石と前記第2永久磁石との間に設けられる電磁石と、
前記電磁石を前記第1方向に沿って移動可能とする可動部と、
前記電磁石及び前記第2永久磁石を、前記第1方向において前記第1永久磁石と重なる第1位置と、前記第1方向において前記第1永久磁石と重ならない第2位置と、の間で移動させる移動部と、
前記電磁石及び前記移動部を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記電磁石及び前記第2永久磁石が前記第1位置にある状態で、前記第1永久磁石が前記電磁石に向かって進んでいるときに、前記電磁石と前記第1永久磁石とが反発し、かつ、前記電磁石と前記第2永久磁石とが反発するように前記電磁石を制御する、搬送ユニット。
【0081】
以上のように、実施形態によれば、パレットを停止させる際の跳ね返りの発生を抑制できる搬送物停止装置及び搬送ユニットが提供される。
【0082】
以上、本発明の実施形態を例示したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。この実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1:物品
10:パレット
20:コンベア
30:搬送物停止装置
31:第1永久磁石
32:第2永久磁石
33:電磁石
34:可動部
34a:筒部
34b:シャフト
34c:第1規制部
34d:第2規制部
35:測距センサ
36:近接センサ
37:移動部
38:制御部
100:搬送ユニット
X、Y:距離
X1、X2:第1距離、第2距離