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特開2024-139539撮像レンズ、カメラモジュール、および撮像レンズの製造方法
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  • 特開-撮像レンズ、カメラモジュール、および撮像レンズの製造方法 図1
  • 特開-撮像レンズ、カメラモジュール、および撮像レンズの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139539
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】撮像レンズ、カメラモジュール、および撮像レンズの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20241002BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20241002BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20241002BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20241002BHJP
【FI】
G02B7/04 Z
G03B30/00
G02B7/28 Z
G02B7/02 E
G02B7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050524
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】321009166
【氏名又は名称】シャープセンシングテクノロジー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391014055
【氏名又は名称】カンタツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】家島 祐一
(72)【発明者】
【氏名】本山 幸次
(72)【発明者】
【氏名】磯部 康明
(72)【発明者】
【氏名】西尾 文宏
(72)【発明者】
【氏名】上野 庄之助
(72)【発明者】
【氏名】設楽 雅季
【テーマコード(参考)】
2H044
2H151
【Fターム(参考)】
2H044AE06
2H044AJ04
2H044AJ06
2H044BF00
2H151FA60
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い撮像レンズを実現する。
【解決手段】撮像レンズ(51)は、フレキシブル基板(1)を保持している基板保持部材(4)を備えている。基板保持部材(4)は、第1面(5)に対して固定されている。基板保持部材(4)には、平面視においてポリマーレンズ(2)および接続部(3)が位置している開口部(6)が形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を有しているフレキシブル基板と、
前記第1面に対して設けられているポリマーレンズと、
前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続している接続部と、
前記フレキシブル基板を保持している基板保持部材と、を備えており、
前記基板保持部材は、前記第1面に対して固定されており、
前記基板保持部材には、平面視において前記ポリマーレンズおよび前記接続部が位置している開口部が形成されている、撮像レンズ。
【請求項2】
前記基板保持部材は、樹脂を含んでいる、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
前記樹脂は、液晶ポリマーである、請求項2に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
前記ポリマーレンズの側壁と、前記基板保持部材における前記開口部を規定する内壁とが接着されている、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項5】
前記側壁と前記内壁とが、複数の接着箇所にて接着されており、
平面視において、前記複数の接着箇所は、前記ポリマーレンズの中心を中心として回転対称に位置している、請求項4に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記ポリマーレンズよりも結像面側に位置している第1レンズと、
前記第1レンズを収容しているレンズバレルと、を備えており、
前記フレキシブル基板と前記レンズバレルの外壁とが係合されている、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項7】
前記外壁は、前記フレキシブル基板に形成されている第1欠落部に嵌っている凸部を有している、請求項6に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記ポリマーレンズよりも物体側に位置しており、物体側にレンズ面を有している第2レンズと、
前記レンズ面の周囲を覆うレンズカバーと、を備えており、
前記フレキシブル基板は、前記レンズカバーに形成されている第2欠落部にて、平面視における前記レンズカバーの内側から外側へ引き出されている、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項9】
前記レンズカバーは、前記レンズ面の周囲を覆う被覆部と、前記被覆部から結像面側に延びる壁部と、を有しており、
前記第2欠落部は、前記壁部に形成されており、かつ物体側の端部が前記被覆部によって規定されている、請求項8に記載の撮像レンズ。
【請求項10】
前記ポリマーレンズよりも物体側に位置している第2レンズを備えており、
前記基板保持部材は、前記第2レンズを保持している、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項11】
前記接続部は、ボンディングワイヤおよび導電性ペーストのいずれかである、請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の撮像レンズと、
前記撮像レンズを通過した光を受光する撮像素子と、を備えている、カメラモジュール。
【請求項13】
開口部が形成されている基板保持部材を、フレキシブル基板の第1面に対して固定し、ポリマーレンズを、平面視において前記開口部に位置するように前記第1面に対して設け、
平面視において、前記開口部にて前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続する、撮像レンズの製造方法。
【請求項14】
液晶ポリマーを含んでいる前記基板保持部材を形成し、
前記基板保持部材を前記第1面に対して固定した後に、前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続する、請求項13に記載の撮像レンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像レンズ、カメラモジュール、および撮像レンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーレンズと基板とが電気的に接続されている撮像レンズが知られている。当該撮像レンズに類似した技術として、特許文献1には、PCB(Printed Circuit Board)と、可変レンズを備えたアクチュエータの端子ユニットとを電気的に接続する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9297978号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板としてフレキシブル基板を用いることが考えられる。ポリマーレンズとフレキシブル基板とが電気的に接続されている撮像レンズにおいては、フレキシブル基板が撓んで、フレキシブル基板とポリマーレンズとを電気的に接続している接続部が、フレキシブル基板および/またはポリマーレンズから外れるおそれがある。従って、当該撮像レンズは、信頼性が低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る撮像レンズは、第1面を有しているフレキシブル基板と、前記第1面に対して設けられているポリマーレンズと、前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続している接続部と、前記フレキシブル基板を保持している基板保持部材と、を備えており、前記基板保持部材は、前記第1面に対して固定されており、前記基板保持部材には、平面視において前記ポリマーレンズおよび前記接続部が位置している開口部が形成されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、信頼性の高い撮像レンズを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態1に係るカメラモジュールおよび撮像レンズの概略構成を示す断面図である。
図2】本開示の実施形態1に係るカメラモジュールの斜視図である。
図3】本開示の実施形態1に係る撮像レンズの、フレキシブル基板、ポリマーレンズ、および接続部を示す斜視図である。
図4】本開示の実施形態1に係る撮像レンズの、フレキシブル基板、ポリマーレンズ、接続部、および基板保持部材を示す斜視図である。
図5】本開示の実施形態1に係る撮像レンズの製造方法を説明するフローチャートである。
図6】本開示の実施形態2に係るフレキシブル基板、ポリマーレンズ、基板保持部材、およびレンズカバーを示す斜視図である。
図7】本開示の実施形態2に係る撮像レンズの分解斜視図である。
図8】本開示の実施形態3に係る基板保持部材兼レンズカバーの概略構成を示す、3つの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を実施するための形態について説明する。説明の便宜上、先に説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない場合がある。
【0009】
〔実施形態1〕
図1は、本開示の実施形態1に係るカメラモジュール101および撮像レンズ51の概略構成を示す断面図である。図2は、カメラモジュール101の斜視図である。カメラモジュール101は、撮像レンズ51と、撮像レンズ51を通過した光を受光する撮像素子52と、を備えている。
【0010】
図3は、撮像レンズ51の、フレキシブル基板1、ポリマーレンズ2、および接続部3を示す斜視図である。図4は、撮像レンズ51の、フレキシブル基板1、ポリマーレンズ2、接続部3、および基板保持部材4を示す斜視図である。撮像レンズ51は、フレキシブル基板1、ポリマーレンズ2、接続部3、および基板保持部材4を備えている。
【0011】
フレキシブル基板1は、第1面5を有している。ポリマーレンズ2は、第1面5に対して設けられている。接続部3は、フレキシブル基板1とポリマーレンズ2とを電気的に接続している。基板保持部材4は、フレキシブル基板1を保持している。接続部3は、ボンディングワイヤおよび導電性ペーストのいずれかであってもよい。これにより、接続部3を容易に実現できる。本実施形態において、接続部3はボンディングワイヤである。第1面5は、フレキシブル基板1のレンズ搭載面と言い換えることができる。
【0012】
基板保持部材4は、第1面5に対して固定されている。基板保持部材4には、開口部6が形成されている。開口部6には、撮像レンズ51の平面視においてポリマーレンズ2および接続部3が位置している。
【0013】
撮像レンズ51によれば、フレキシブル基板1とポリマーレンズ2との電気的接続を行う場合に、基板保持部材4がフレキシブル基板1を保持するため、フレキシブル基板1が撓んで接続部3がフレキシブル基板1またはポリマーレンズ2から外れるおそれを低減することができる。従って、信頼性の高い撮像レンズ51を実現できる。
【0014】
基板保持部材4は、樹脂を含んでいてもよい。これにより、基板保持部材4を容易に実現できる。基板保持部材4が含んでいる樹脂は、液晶ポリマー(LCP)であってもよい。これにより、基板保持部材4に対して優れた耐熱性をもたらすことができる。例えば、基板保持部材4を第1面5に対して固定した後にフレキシブル基板1とポリマーレンズ2との電気的接続を行う場合に、基板保持部材4が変形するおそれを低減することができる。基板保持部材4が含んでいる樹脂は、液晶ポリマーに限定されず、例えばポリカーボネートであってもよい。
【0015】
ポリマーレンズ2の側壁7と、基板保持部材4における開口部6を規定する内壁8とが接着されていてもよい。これにより、ポリマーレンズ2と基板保持部材4とを固定することができるため、より信頼性の高い撮像レンズ51を実現できる。
【0016】
側壁7と内壁8とが、複数の接着箇所9にて接着されており、撮像レンズ51の平面視において、複数の接着箇所9は、ポリマーレンズ2の中心10を中心として回転対称に位置していてもよい。これにより、撮像レンズ51の平面視におけるポリマーレンズ2の回転方向の位置ずれに対して強い撮像レンズ51を実現できる。
【0017】
撮像レンズ51は、第1レンズ11、第2レンズ12、およびレンズバレル13を備えている。第1レンズ11は、ポリマーレンズ2よりも結像面側(像面側)に位置している。第2レンズ12は、ポリマーレンズ2よりも物体側(被写体側)に位置している。撮像レンズ51の結像面側を、カメラモジュール101の撮像素子52側と言い換えることができる。撮像レンズ51は、第1レンズ11よりも結像面側に位置している、1枚または複数枚の第3レンズ14を備えていてもよい。図1において、第3レンズ14の枚数は3である。レンズバレル13は、第1レンズ11を収容している。
【0018】
フレキシブル基板1とレンズバレル13の外壁15とが係合されていてもよい。これにより、フレキシブル基板1の位置決めが可能となる。これにより、カメラモジュール101の製造時における、フレキシブル基板1が他の部材(例:リジッドフレキシブル基板16)に干渉することに起因する組立不良のおそれを低減することができる。フレキシブル基板1の折り曲げ位置およびフレキシブル基板1のレンズバレル13への固定位置が一定となる。これにより、フレキシブル基板1とリジッドフレキシブル基板16との半田付不良、およびフレキシブル基板1とリジッドフレキシブル基板16との干渉による組立不良を抑制できる。
【0019】
リジッドフレキシブル基板16は、カメラモジュール101が備えており、フレキシブル基板1と接続されている。リジッドフレキシブル基板16は、各種部材の接続および保持に適した比較的硬いリジッド部17と、可撓性を有しているフレキシブル部18と、を含んでいる。
【0020】
外壁15は、フレキシブル基板1に形成されている第1欠落部19に嵌っている凸部20を有していてもよい。これにより、フレキシブル基板1と外壁15との係合構造を容易に実現できる。
【0021】
図5は、撮像レンズ51の製造方法を説明するフローチャートである。撮像レンズ51の製造方法は、ステップS1~S3を含んでいる。ステップS1は、開口部6が形成されている基板保持部材4を、フレキシブル基板1の第1面5に対して固定する工程である。ステップS2は、ポリマーレンズ2を、撮像レンズ51の平面視において開口部6に位置するように第1面5に対して設ける工程である。ステップS3は、撮像レンズ51の平面視において、開口部6にてフレキシブル基板1とポリマーレンズ2とを電気的に接続する工程である。
【0022】
ここでは、ステップS1、ステップS2、およびステップS3をこの順で実施する例を説明したが、ステップS1、ステップS2、およびステップS3の実施順序はこれに限定されない。撮像レンズ51の製造が可能である範囲で、ステップS1、ステップS2、およびステップS3を、どの順序で実施してもよい。
【0023】
液晶ポリマーを含んでいる基板保持部材4を形成し、基板保持部材4を第1面5に対して固定した後に、フレキシブル基板1とポリマーレンズ2とを電気的に接続してもよい。これにより、できるだけ早く基板保持部材4によってフレキシブル基板1を保持しつつ、基板保持部材4の変形のおそれを低減することができる。
【0024】
フレキシブル基板1を折り曲げ、フレキシブル基板1の第1欠落部19を外壁15の凸部20へ、例えば両面テープで固定してもよい。レンズバレル13をリジッドフレキシブル基板16へ樹脂で固定してもよい。
【0025】
撮像レンズ51は、ポリマーレンズ2の縁に位置しているフレーム28を備えていてもよい。第2レンズ12は、ポリマーレンズ2の中央と対向しているレンズ面29、および、レンズ面29の外周に位置しておりフレーム28に対して当接している当接部30を有していてもよい。カメラモジュール101は、撮像素子52を覆うカバーガラス53を備えていてもよい。
【0026】
〔実施形態2〕
図6は、本開示の実施形態2に係るフレキシブル基板1、ポリマーレンズ2、基板保持部材4、およびレンズカバー21を示す斜視図である。撮像レンズ51は、レンズカバー21を備えている。
【0027】
ポリマーレンズ2よりも物体側に位置している第2レンズ12は、物体側にレンズ面22を有している。レンズカバー21は、レンズ面22の周囲を覆う。フレキシブル基板1は、レンズカバー21に形成されている第2欠落部23にて、撮像レンズ51の平面視におけるレンズカバー21の内側から外側へ引き出されていてもよい。これにより、フレキシブル基板1に対する物理的負荷が小さい状態でフレキシブル基板1への電圧印加が可能であるため、フレキシブル基板1の変形に起因する光学特性の劣化のおそれを低減することができる。当該光学特性の劣化の一例として、フレキシブル基板1による遮光、および光学補正の困難性が挙げられる。
【0028】
レンズカバー21は、レンズ面22の周囲を覆う被覆部24と、被覆部24から結像面側に延びる壁部25と、を有している。第2欠落部23は、壁部25に形成されており、かつ第2欠落部23の物体側の端部が被覆部24によって規定されていてもよい。これにより、被覆部24における結像面側に段差(第2欠落部23の物体側の端部による段差)が形成されないので、フレキシブル基板1に対する物理的負荷をより小さくすることができる。第2欠落部23の物体側の端部が被覆部24によって規定されていることは、第2欠落部23の物体側の端部と被覆部24の結像面側の端部とが面一であると言い換えることができる。
【0029】
ポリマーレンズ2への電圧印加には様々な手法が考えられるが、ポリマーレンズ2、第1レンズ11、第2レンズ12、および第3レンズ14の調芯を行うことを前提とする構成である場合がある。基板保持部材4に固定したポリマーレンズ2からフレキシブル基板1を介して電圧印加を実施する。レンズカバー21によって第2レンズ12を保持し、レンズカバー21に第2欠落部23を形成することで、遮光および光学補正に影響の出ない構成を実現できる。アドイン構造ではポリマーレンズ2に電圧を印加する構成となるが、第2レンズ12とポリマーレンズ2との間隔、ならびにポリマーレンズ2と第1レンズ11との間隔は、数10μmであることが推奨される。そのため、フレキシブル基板1等を用いた配線は必須となるが、フレキシブル基板1自体の反り等の、組立精度に影響する課題がある。レンズカバー21を備えた構成では、フレキシブル基板1の反り等の影響を極小にできる。第2欠落部23を基準とした当該調芯が容易である。レンズカバー21に内蔵されている部材は容易に視認でき、画像認識による補正が可能である。遮光を目的とした、基板保持部材4の周辺溝が形成されている構成であってもよい。
【0030】
図7は、本開示の実施形態2に係る撮像レンズ51の分解斜視図である。撮像レンズ51は、遮光板26を備えている。遮光板26は、遮光の機能を有している板状の部材である。
【0031】
〔実施形態3〕
図8は、本開示の実施形態3に係る基板保持部材兼レンズカバー27の概略構成を示す、3つの斜視図である。図8においては、当該3つの斜視図に、それぞれ、符号1001~1003を付している。
【0032】
基板保持部材兼レンズカバー27は、基板保持部材4の機能と、レンズカバー21の機能とを兼ね備えたものである。図8によれば、撮像レンズ51は、ポリマーレンズ2よりも物体側に位置している第2レンズ12を備えており、基板保持部材4は、基板保持部材兼レンズカバー27の形態で、第2レンズ12を保持していてもよい。これにより、部品点数を減らすことができる。本実施形態において、接続部3は銀ペースト(導電性ペースト)である。
【0033】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る撮像レンズは、第1面を有しているフレキシブル基板と、前記第1面に対して設けられているポリマーレンズと、前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続している接続部と、前記フレキシブル基板を保持している基板保持部材と、を備えており、前記基板保持部材は、前記第1面に対して固定されており、前記基板保持部材には、平面視において前記ポリマーレンズおよび前記接続部が位置している開口部が形成されている。
【0034】
前記の構成によれば、フレキシブル基板とポリマーレンズとの電気的接続を行う場合に、基板保持部材がフレキシブル基板を保持するため、フレキシブル基板が撓んで接続部がフレキシブル基板またはポリマーレンズから外れるおそれを低減することができる。従って、信頼性の高い撮像レンズを実現できる。
【0035】
本開示の態様2に係る撮像レンズは、前記態様1において、前記基板保持部材は、樹脂を含んでいる。
【0036】
前記の構成によれば、基板保持部材を容易に実現できる。
【0037】
本開示の態様3に係る撮像レンズは、前記態様2において、前記樹脂は、液晶ポリマーである。
【0038】
前記の構成によれば、基板保持部材に対して優れた耐熱性をもたらすことができる。例えば、基板保持部材を第1面に対して固定した後に、フレキシブル基板とポリマーレンズとの電気的接続を行う場合に、基板保持部材が変形するおそれを低減することができる。
【0039】
本開示の態様4に係る撮像レンズは、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記ポリマーレンズの側壁と、前記基板保持部材における前記開口部を規定する内壁とが接着されている。
【0040】
前記の構成によれば、ポリマーレンズと基板保持部材とを固定することができるため、より信頼性の高い撮像レンズを実現できる。
【0041】
本開示の態様5に係る撮像レンズは、前記態様4において、前記側壁と前記内壁とが、複数の接着箇所にて接着されており、平面視において、前記複数の接着箇所は、前記ポリマーレンズの中心を中心として回転対称に位置している。
【0042】
前記の構成によれば、平面視におけるポリマーレンズの回転方向の位置ずれに対して強い。
【0043】
本開示の態様6に係る撮像レンズは、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記ポリマーレンズよりも結像面側に位置している第1レンズと、前記第1レンズを収容しているレンズバレルと、を備えており、前記フレキシブル基板と前記レンズバレルの外壁とが係合されている。
【0044】
前記の構成によれば、フレキシブル基板の位置決めが可能となる。これにより、カメラモジュールの製造時における、フレキシブル基板が他の部材(例:リジッドフレキシブル基板)に干渉することに起因する組立不良のおそれを低減することができる。
【0045】
本開示の態様7に係る撮像レンズは、前記態様6において、前記外壁は、前記フレキシブル基板に形成されている第1欠落部に嵌っている凸部を有している。
【0046】
前記の構成によれば、フレキシブル基板とレンズバレルの外壁との係合構造を容易に実現できる。
【0047】
本開示の態様8に係る撮像レンズは、前記態様1から7のいずれかにおいて、前記ポリマーレンズよりも物体側に位置しており、物体側にレンズ面を有している第2レンズと、前記レンズ面の周囲を覆うレンズカバーと、を備えており、前記フレキシブル基板は、前記レンズカバーに形成されている第2欠落部にて、平面視における前記レンズカバーの内側から外側へ引き出されている。
【0048】
前記の構成によれば、フレキシブル基板に対する物理的負荷が小さい状態でフレキシブル基板への電圧印加が可能であるため、フレキシブル基板の変形に起因する光学特性の劣化(例:フレキシブル基板による遮光、および光学補正の困難性)のおそれを低減することができる。
【0049】
本開示の態様9に係る撮像レンズは、前記態様8において、前記レンズカバーは、前記レンズ面の周囲を覆う被覆部と、前記被覆部から結像面側に延びる壁部と、を有しており、前記第2欠落部は、前記壁部に形成されており、かつ物体側の端部が前記被覆部によって規定されている。
【0050】
前記の構成によれば、被覆部における結像面側に段差が形成されないので、フレキシブル基板に対する物理的負荷をより小さくすることができる。
【0051】
本開示の態様10に係る撮像レンズは、前記態様1から9のいずれかにおいて、前記ポリマーレンズよりも物体側に位置している第2レンズを備えており、前記基板保持部材は、前記第2レンズを保持している。
【0052】
前記の構成によれば、部品点数を減らすことができる。
【0053】
本開示の態様11に係る撮像レンズは、前記態様1から10のいずれかにおいて、前記接続部は、ボンディングワイヤおよび導電性ペーストのいずれかである。
【0054】
前記の構成によれば、接続部を容易に実現できる。
【0055】
本開示の態様12に係るカメラモジュールは、前記撮像レンズと、前記撮像レンズを通過した光を受光する撮像素子と、を備えている。
【0056】
本開示の態様13に係る撮像レンズの製造方法では、開口部が形成されている基板保持部材を、フレキシブル基板の第1面に対して固定し、ポリマーレンズを、平面視において前記開口部に位置するように前記第1面に対して設け、平面視において、前記開口部にて前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続する。
【0057】
前記の構成によれば、前記撮像レンズを製造することができる。
【0058】
本開示の態様14に係る撮像レンズの製造方法では、前記態様13において、液晶ポリマーを含んでいる前記基板保持部材を形成し、前記基板保持部材を前記第1面に対して固定した後に、前記フレキシブル基板と前記ポリマーレンズとを電気的に接続する。
【0059】
前記の構成によれば、できるだけ早く基板保持部材によってフレキシブル基板を保持しつつ、基板保持部材の変形のおそれを低減することができる。
【0060】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 フレキシブル基板
2 ポリマーレンズ
3 接続部
4 基板保持部材
5 第1面
6 開口部
7 ポリマーレンズの側壁
8 基板保持部材における開口部を規定する内壁
9 接着箇所
10 ポリマーレンズの中心
11 第1レンズ
12 第2レンズ
13 レンズバレル
14 第3レンズ
15 レンズバレルの外壁
16 リジッドフレキシブル基板
17 リジッド部
18 フレキシブル部
19 第1欠落部
20 凸部
21 レンズカバー
22 レンズ面
23 第2欠落部
24 被覆部
25 壁部
26 遮光板
27 基板保持部材兼レンズカバー
28 フレーム
29 レンズ面
30 当接部
51 撮像レンズ
52 撮像素子
53 カバーガラス
101 カメラモジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8