(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139544
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】位置特定システム、位置特定装置、位置特定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241002BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241002BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050531
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】村松 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】矢内 勝
(72)【発明者】
【氏名】大竹 一昭
(72)【発明者】
【氏名】山中 規次
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC35
5L050CC11
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にする。
【解決手段】位置特定システム(1)は、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得部(11)と、取得部(11)が取得した照合用情報を用いてユーザを特定するユーザ特定部(12)と、ユーザ特定部(12)が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定部(13)と、位置特定部(13)が特定した位置特定情報を出力する出力部(14)とを備え、位置特定部(13)は、ユーザと当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して位置特定情報を特定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記ユーザ特定手段が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段が特定した位置特定情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記位置特定手段は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する位置特定システム。
【請求項2】
前記支援者が必要とする情報は、カルテ情報を含む、
請求項1に記載の位置特定システム。
【請求項3】
前記位置特定手段が特定した位置特定情報を用いて、前記支援者が必要とする情報を記録する記録媒体及び当該支援者が必要とする物品の少なくともいずれか一方の運搬を手配する手配手段、を更に備える、
請求項1又は2に記載の位置特定システム。
【請求項4】
前記位置特定情報を用いて、前記保管場所までの経路を算出する経路算出部、を更に備える、請求項1又は2に記載の位置特定システム。
【請求項5】
前記位置特定手段は、前記支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方を示す必要情報を、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方を示す必要情報とを対応付けて記憶する前記記憶装置を参照して特定し、
前記出力手段は、前記位置特定手段が特定した前記位置特定情報と前記必要情報とを出力する、
請求項1又は2に記載の位置特定システム。
【請求項6】
前記出力手段は、複数の前記必要情報の中から必要性の度合いが他の必要情報よりも高いものを抽出し、抽出した必要情報と当該必要情報に対応する位置特定情報とを出力する、
請求項5に記載の位置特定システム。
【請求項7】
前記出力手段は、複数の前記必要情報を必要性の度合いでソートした結果を出力する、
請求項5に記載の位置特定システム。
【請求項8】
ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定手段と、
前記ユーザ特定手段が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定手段と、
前記位置特定手段が特定した位置特定情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記位置特定手段は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する位置特定装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサが、
ユーザの照合に用いる照合用情報を取得することと、
前記取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定することと、
前記特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定することと、
前記特定した位置特定情報を出力することと、
を含み、
前記位置特定情報を特定する工程においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する、
位置特定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得処理と、
前記取得処理において取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定処理と、
前記ユーザ特定処理において特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定処理と、
前記位置特定処理において特定した位置特定情報を出力する出力処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記位置特定処理においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支援を要するユーザを支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
災害等が発生した場合に避難所等に避難しているユーザを特定することでユーザ支援を行う技術が提案されている。例えば特許文献1記載の避難管理システムは、災害時に設置される避難所に来集した避難者の生体情報(顔画像)を取得し、避難所に来集した居住者の個人情報を顔認証により特定する。また、上記システムでは、居住者に家族等の関係者がいる場合は、その連絡先情報がデータベースに合わせて登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、避難所に避難した避難者の支援に必要な情報(カルテ情報等)が通信ネットワークに上がっていない場合や、上がっていたとしても通信ネットワークが断絶していて情報を取得できないといった場合がある。その場合、カルテ情報等を取得するには避難者によって病院情報等を特定してもらい、カルテ情報等を取得しに行く必要がある。しかしながら、災害時において避難者が診察カードを持ち出せなかったり、あるいは避難者が認知症で病院情報を思い出せなかったりすることによりカルテ情報等の保管場所が分からない場合があり、カルテ情報等を取得できないことで適切な支援が見込めない場合がある。このように、特許文献1に記載の技術では、災害等の非常時において支援に必要な情報が入手できないために、支援を必要とするユーザに対して適切な支援を行うことができないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る位置特定システムは、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段が特定した位置特定情報を出力する出力手段と、を備え、前記位置特定手段は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する。
【0007】
本発明の一態様に係る位置特定装置は、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段が特定した位置特定情報を出力する出力手段と、を備え、前記位置特定手段は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する。
【0008】
本発明の一態様に係る位置特定方法は、少なくとも1つのプロセッサが、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得することと、前記取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定することと、前記特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定することと、前記特定した位置特定情報を出力することと、を含み、前記位置特定情報を特定する工程においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得処理と、前記取得処理において取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定処理と、前記ユーザ特定処理において特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定処理と、前記位置特定処理において特定した位置特定情報を出力する出力処理と、を実行させるためのプログラムであって、前記位置特定処理においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的実施形態1に係る位置特定システム及び位置特定装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】例示的実施形態1に係る位置特定方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】例示的実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】例示的実施形態2に係る支援システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】例示的実施形態2に係る必要情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】例示的実施形態2に係る支援方法の流れの一例を示すフロー図である。
【
図7】例示的実施形態2に係る支援システムが出力する情報の一例を示す図である。
【
図8】各例示的実施形態に係る各装置として機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0013】
(位置特定システムの構成)
本例示的実施形態に係る位置特定システム1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、位置特定システム1の構成を示すブロック図である。位置特定システム1は、取得部11、ユーザ特定部12、位置特定部13及び出力部14を備える。
【0014】
取得部11は、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する。ユーザ特定部12は、取得部11が取得した照合用情報を用いて上記ユーザを特定する。位置特定部13は、ユーザ特定部12が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する。このとき、位置特定部13は、ユーザと当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する。出力部14は、位置特定部13が特定した位置特定情報を出力する。
【0015】
以上のように、本例示的実施形態に係る位置特定システム1においては、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得部11と、取得部11が取得した照合用情報を用いてユーザを特定するユーザ特定部12と、ユーザ特定部12が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定部13と、位置特定部13が特定した位置特定情報を出力する出力部14とを備え、位置特定部13は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る位置特定システム1によれば、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にすることができるという効果が得られる。
【0016】
(位置特定装置の構成)
本例示的実施形態に係る位置特定装置2の構成について、
図1を参照して説明する。位置特定装置2は、取得部21、ユーザ特定部22、位置特定部23及び出力部24を備える。
【0017】
取得部21は、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する。ユーザ特定部22は、取得部21が取得した照合用情報を用いて上記ユーザを特定する。位置特定部23は、ユーザ特定部22が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する。このとき、位置特定部23は、ユーザと当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する。出力部24は、位置特定部23が特定した位置特定情報を出力する。
【0018】
以上のように、本例示的実施形態に係る位置特定装置2においては、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得部21と、取得部21が取得した照合用情報を用いてユーザを特定するユーザ特定部22と、ユーザ特定部22が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定部23と、位置特定部23が特定した位置特定情報を出力する出力部24とを備え位置特定部23は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る位置特定装置2によれば、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にすることができるという効果が得られる。
【0019】
(プログラム)
上述の位置特定装置2の機能は、プログラムによって実現することもできる。本例示的実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得処理と、取得処理において取得した照合用情報を用いてユーザを特定するユーザ特定処理と、ユーザ特定処理において特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定処理と、位置特定処理において特定した位置特定情報を出力する出力処理と、を実行させるためのプログラムであって、上記位置特定処理においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する。このプログラムによれば、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にすることができるという効果が得られる。
【0020】
(位置特定方法の流れ)
本例示的実施形態に係る位置特定方法S1の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、位置特定方法S1の流れを示すフロー図である。なお、位置特定方法S1における各ステップの実行主体は、位置特定装置2が備えるプロセッサであってもよいし、他の装置が備えるプロセッサであってもよい。
【0021】
S11では、少なくとも1つのプロセッサが、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する。S12では、少なくとも1つのプロセッサが、ステップS11で取得した照合用情報を用いてユーザを特定する。S13では、少なくとも1つのプロセッサが、ステップS12で特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する。このとき、S13では、少なくとも1つのプロセッサは、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する。S14では、少なくとも1つのプロセッサが、ステップS13で特定した位置特定情報を出力する。
【0022】
以上のように、本例示的実施形態に係る位置特定方法S1は、少なくとも1つのプロセッサが、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得することと、上記取得した照合用情報を用いてユーザを特定することと、上記特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定することと、上記特定した位置特定情報を出力することと、を含み、上記位置特定情報を特定する工程においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して上記位置特定情報を特定する。本例示的実施形態に係る位置特定方法S1によれば、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザに対する支援を可能にすることができるという効果が得られる。
【0023】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
<情報処理システムの構成>
図3は、本例示的実施形態に係る情報処理システム1Aの構成を示すブロック図である。情報処理システム1Aは、災害発生時等の非常時において支援を必要とするユーザUに対する支援を可能にするためのシステムである。非常時としては例えば、地震又は台風等の自然災害の発生時、交通事故、列車事故、又は群集事故等の人為的災害の発生時、通信ネットワークの大規模な障害の発生時、旅行先での体調不良、遭難、及び、認知症患者等の俳諧、等が挙げられるがこれらに限定されない。また、支援を必要とするユーザUとしては例えば、災害発生時において避難所に避難しているユーザ、旅行者、野外フェスの参加者、認知症等による徘徊者、人身事故の被害者、乳幼児、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
情報処理システム1Aは、支援システム10、記憶部20、及び情報取得装置31を備える。支援システム10、記憶部20及び情報取得装置31は通信ネットワークNに接続される。通信ネットワークNは一例として、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらの組み合わせである。支援システム10は、本明細書に係る位置特定システム及び位置特定装置の一例である。
【0026】
図3の例では、支援システム10と記憶部20とをそれぞれ1つずつ図示しているが、支援システム10と記憶部20の数は複数であってもよい。例えば、支援システム10と記憶部20とが例えば避難所ごとに設けられ、オフライン上で運用されてもよい。
【0027】
(支援システム)
支援システム10は、支援を必要とするユーザUに対して支援者が支援を行うためのシステムである。ここで、ユーザUに対する支援としては例えば、医療、行政手続、物流、交通、防災、災害対策、社会福祉、教育、金融、環境保全等に関する支援が挙げられるが、これらに限定されない。医療に関する支援としては、例えば診察、常用薬の提供、等が挙げられる。また、支援者は、ユーザUを支援する者であり、例えば診察等を行う医療従事者(医師、看護師、等)、認知症等の疾患を有する患者を介護する介護者(患者の親族、介護士、等)、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
支援システム10の各部は、例えば専用のコンピュータシステムにより実装されてもよいし、パーソナルコンピュータなどの汎用のコンピュータシステムにおいてアプリケーションソフトウェアとして実装されてもよい。また、支援システム10の各構成要素が、通信ネットワークNを介して接続された複数のコンピュータに分散して実装されてもよい。換言すると、通信ネットワークNを介して接続された複数の装置が協働することにより、支援システム10が実現される構成であってもよい。
【0029】
(記憶部)
記憶部20は、支援システム10により参照されるデータを記憶する。記憶部20は、1台の記憶装置により構成されてもよく、また、複数の記憶装置により構成されてもよい。換言すると、記憶部20が記憶するデータは、通信ネットワークNを介して接続された複数の記憶装置等の複数の記憶装置に分散して記憶されてもよい。また、記憶部20は、支援システム10に含まれていてもよい。記憶部20は、照合用情報データベース201、及び必要情報データベース203を備える。これらのデータベースについては後述する。記憶部20は本明細書に係る記憶装置の一例である。
【0030】
(情報取得装置)
情報取得装置31はユーザUの所在地3に設置され、ユーザUの照合に用いる照合用情報を取得する。ユーザUの照合に用いる照合用情報としては例えば、(i)顔画像、指紋、声紋、静脈パターン、虹彩パターン、網膜パターン等を表す生体情報、(ii)氏名、住所、生年月日、本籍地、マイナンバー(個人番号)等の個人情報、(iii)運転免許証若しくは保険証をスキャンした画像、等が挙げられるがこれらに限定されない。例えば照合用情報がユーザUの顔写真を表す画像データである場合、情報取得装置31は例えばユーザUの顔を撮影し、撮影した顔画像を表す画像データを出力する撮影装置である。また、例えば照合用情報がユーザUの住所及び氏名を表す個人情報である場合、情報取得装置31は例えばキーボード又はマウス等の入力装置によりユーザUが個人情報を入力するコンピュータである。また、ユーザUの所在地3としては、例えば学校等の災害時の避難所、旅行先の宿泊施設(ホテル、旅館等)、野外フェスの会場、派出所、街中、路上(人身事故発生時)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
(保管場所)
保管場所4は、ユーザUの支援に要する情報及び/又は物品の保管場所であり、例えば病院、ユーザUの自宅、旅行中であるユーザUの宿泊施設、であるがこれらに限定されない。ユーザUの支援に要する情報としては例えば、診察に用いるカルテ情報、ユーザUのかかりつけ病院の情報、等が挙げられる。カルテ情報は例えば、病歴、及び持病の薬を示す情報を含む。また、ユーザUの支援に要する物品としては例えば、ユーザUの持病の薬(常用薬)、アナフィラキシーの補助治療剤、喘息の吸入器、等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
(記録媒体)
記録媒体100は、ユーザUの支援に必要な情報を記録する記録媒体である。記録媒体100としては、例えば、ハードディスク、CD-ROM等が挙げられるが、これらに限定されない。また、記録媒体100は例えば、紙に情報が印字された紙媒体であってもよい。記録媒体100は保管場所4に保管される。
【0033】
(支援システムの機能構成)
図4は、支援システム10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4の例で、支援システム10は、通信部101、照合用情報取得部102、ユーザ特定部103、必要情報特定部104、位置特定部105、出力部106、提示部107、及び手配部108を備える。照合用情報取得部102、ユーザ特定部103、位置特定部105、出力部106、提示部107、及び手配部108はそれぞれ、本明細書に係る取得手段、ユーザ特定手段、位置特定手段、出力手段、経路算出手段、及び手配手段の一例である。また、必要情報特定部104は、本明細書に係る位置特定手段の一例である。
【0034】
(通信部)
通信部101は、支援システム10の外部の装置と通信ネットワークNを介して通信する。通信部101は例えば、支援システム10の各部から供給されたデータを他の装置に送信したり、他の装置から受信したデータを各部に供給したりする。
【0035】
(照合用情報取得部・ユーザ特定部)
照合用情報取得部102は、情報取得装置31が取得した照合用情報を取得する。ユーザ特定部103は、照合用情報取得部102が取得した照合用情報を用いてユーザを特定する。ユーザ特定部103は一例として、照合用情報取得部102が取得した照合用情報を照合用情報データベース201に登録された照合用情報と照合することにより、ユーザの特定を行う。ただし、ユーザ特定部103がユーザを特定する手法は上述した例に限定されず、ユーザ特定部103は他の手法によりユーザを特定してもよい。
【0036】
(必要情報特定部)
必要情報特定部104は、支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方を示す必要情報を、必要情報データベース203を参照して特定する。必要情報データベース203については後述する。
【0037】
(位置特定部)
位置特定部105は、必要情報が示す情報及び/又は物品の保管場所4を特定可能な位置特定情報を、必要情報データベース203を参照して特定する。位置特定情報は例えば、支援に必要な情報を記録する記録媒体100の保管場所4を示す情報である。また、位置特定情報は例えば、ユーザUの常備薬の保管場所4を示す情報であってもよい。位置特定情報としては例えば、保管場所4の住所、緯度、経度等を示す情報が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
(出力部)
出力部106は、位置特定部105が特定した位置特定情報と、必要情報特定部104が特定した必要情報とを出力する。出力部106は、通信部101を介して他の装置(支援者のユーザ端末、災害対策室に設置された端末、等)に上記位置特定情報と上記必要情報とを送信することにより出力してもよいし、また、入出力インタフェースを介して出力装置(ディスプレイ、プリンタ、等)に上記位置特定情報と上記必要情報とを出力してもよい。また、出力部106は、支援システム10の内部の記憶装置又は外部の記憶装置に上記位置特定情報と上記必要情報とを書き込むことにより出力してもよい。
【0039】
(提示部)
提示部107は、位置特定部105が特定した位置特定情報を用いて、支援者が必要とする情報及び/又は物品の保管場所4までの経路を算出し、算出した経路を提示する。提示部107は、例えばユーザUの所在地3から保管場所4までの経路を算出してもよく、また、所定の位置(災害対策センターの所在地、等)から保管場所4までの経路を算出してもよい。また、提示部107は、ユーザUを支援する支援者の所在地から保管場所4までの経路を算出してもよい。提示部107が経路を算出する手法としては、例えば地図データに基づき2点間の経路検索を行う従来の経路検索エンジンを用いることができる。提示部107は一例として、算出した経路を示す情報を、通信部101を介して他の装置(支援者のユーザ端末、災害対策室に設置された端末、等)に送信する。
【0040】
(手配部)
手配部108は、位置特定部105が特定した位置特定情報を用いて、支援者が必要とする情報を記録する記録媒体100及び/又は支援者が必要とする物品の少なくともいずれか一方の運搬を手配する。ここで、運搬は、例えば自動運転車等の車両、船舶、航空機、ドローン等の移動体により行われてもよく、また、自治体の職員等が徒歩で運搬を行ってもよい。また、記録媒体100及び/又は支援者が必要とする物品の運搬は、例えば上記位置特定情報の示す保管場所4から支援者の所在地までの運搬であってもよく、また、例えば上記位置特定情報の示す保管場所4からユーザUの所在地3までの運搬であってもよい。
【0041】
手配部108は例えば、手配の内容を表す手配情報を通信部101を介して他の装置に送信することにより、移動体の手配を行ってもよい。また、手配部108は、例えばドローン等の移動体又は移動体の移動を制御する制御装置に、当該移動体を移動させるための制御信号を送信することにより上記手配を行ってもよい。この場合、例えば制御装置は受信した制御信号に基づき移動体をデータの保管場所4等まで移動させる制御を行う。
【0042】
(照合用情報データベース・必要情報データベース)
照合用情報データベース201は、ユーザUの照合処理において用いられるデータベースである。照合用情報データベース201には、ユーザ毎の照合用情報(顔画像、又は住所、等)が記憶される。必要情報データベース203には、ユーザ毎の必要情報と必要情報の位置特定情報とが記憶される。換言すると、必要情報データベース203は、ユーザUを識別する識別情報とユーザUの必要情報とユーザUの必要情報の位置特定情報とを対応付けて記憶する。照合用情報データベース201及び必要情報データベース203は、例えば自治体が管理するデータベースである。
【0043】
図5は、必要情報データベース203の一例を示す図である。
図5の例で、必要情報データベース203は、「ユーザID」と「必要情報」と「位置特定情報」との項目が互いに関連付けられている。これらの項目のうち、「ユーザID」の項目には、ユーザUを識別する識別情報が格納される。「必要情報」の項目には、ユーザIDの示すユーザUの必要情報が格納される。「位置特定情報」の項目には、ユーザIDの示すユーザUの支援に要する情報及び/又は物品の保管場所を特定可能な位置特定情報が格納される。位置特定情報としては例えば、カルテが保管されている病院の名称、住所、電話番号、ユーザUの常用薬が保管されているユーザUの自宅の住所、自宅内の詳細な位置、ロッカーの番号、等を示す情報が格納される。位置特定情報が電話番号又はロッカー番号等である場合、位置特定部105は、必要情報データベース203に登録されている位置特定情報(電話番号、ロッカー番号)が示す位置を取得するために別のデータベースを参照してもよい。
【0044】
図5では、ユーザIDと必要情報と位置特定情報とが関連付けられたデータベースを例示したが、必要情報データベース203は
図5に示す例に限定されない。必要情報データベース203は例えば、ユーザIDと必要情報とが関連付けられた第1のデータベースと、ユーザIDと位置特定情報とが関連付けられた第2のデータベースと、を含んでいてもよい。また、他の例として、例えば、必要情報データベース203は、ユーザIDと必要情報とが関連付けられた第1のデータベースと、必要情報と位置特定情報とが関連付けられた第2のデータベースと、を含んでいてもよい。換言すると、必要情報データベース203は、(i)ユーザUの支援に必要な情報及び/又は物品と、(ii)ユーザUの支援に必要な情報及び/又は物品の保管場所と、を特定可能なものであればよい。
【0045】
また、必要情報データベース203に必要情報そのものを示す情報が登録されていなくてもよく、必要情報に関連する関連情報が登録されていてもよい。例えば、必要情報がユーザUのカルテ情報である場合に、カルテ情報そのものが登録されておらず、ユーザUのかかりつけ病院を示す情報が登録されていてもよい。この場合、必要情報特定部104は、必要情報データベース203に登録されている関連情報を用いて必要情報を特定してもよい。例えば、必要情報特定部104は、必要情報データベース203に登録されている関連情報を他のデータベースに登録されたデータと照合することにより当該関連情報と関連付けられた必要情報を特定してもよい。
【0046】
<支援方法の流れ>
図6は、本例示的実施形態に係る支援方法S1Aの流れの一例を示すフロー図である。例えば情報取得装置31が避難所等においてユーザUを撮影し、撮影したユーザUの顔画像を表す画像データを照合用データとして支援システム10に送信する。また、情報取得装置31はユーザUの氏名及び住所を照合用情報として支援システム10に送信してもよい。
【0047】
ステップS101において、照合用情報取得部102は、情報取得装置31が取得した照合用情報を取得する。ステップS102において、ユーザ特定部103は、照合用情報取得部102が取得した照合用情報を照合用情報データベース201に登録された照合用情報と照合することにより、ユーザUを特定する。
【0048】
ステップS103において、必要情報特定部104は、ユーザ特定部103が特定したユーザの支援に必要な情報を、必要情報データベース203を参照して特定する。ステップS104において、位置特定部105は、必要情報が示す情報及び/又は物品の保管場所4を特定可能な位置特定情報を、必要情報データベース203を参照して特定する。
【0049】
ステップS105において、出力部106は、位置特定部105が特定した位置特定情報と、必要情報特定部104が特定した必要情報とを出力する。出力部106は一例として、通信ネットワークNを介して接続された端末(避難所に設置された端末、等)に上記情報を送信する。上記情報を受信した端末は、例えば当該端末の出力装置(ディスプレイ、プリンタ、等)に上記情報を出力する。
図3の例では、ユーザUの所在地3に設置された端末のディスプレイ5に、ユーザUの支援に必要な情報の保管場所4を示す情報が表示される。
【0050】
このとき、出力部106は、複数の必要情報の中から必要性の度合いが他の必要情報よりも高いものを抽出し、抽出した必要情報と当該必要情報に対応する位置特定情報とを出力してもよい。ここで、必要性の度合いは、例えば上記必要情報に対応するユーザに関する情報に基づき定まる情報である。より具体的には、必要性の度合いは、例えばユーザUが有する疾患の種別に応じて定まってもよく、また、例えばユーザUの常用薬の服用間隔に応じて定まってもよい。
【0051】
例えば、出力部106は、ユーザ毎の必要情報及び/又は位置特定情報の中から、基礎疾患を有するユーザの必要情報及び/又は位置特定情報を抽出して出力してもよい。また、出力部106は例えば、ユーザ毎の必要情報及び/又は位置特定情報の中から、常用薬の服用間隔が所定の条件を満たす情報を抽出して出力してもよい。
【0052】
また、出力部106は、複数の必要情報を必要性の度合いでソートした結果を出力する。例えば、出力部106は、基礎疾患を有するユーザの必要情報及び/又は位置特定情報をそれ以外のユーザの必要情報及び/又は位置特定情報よりも上位にソートした結果を出力してもよい。また、出力部106は例えば、常用薬の服用間隔が短い情報ほど上位にソートした結果を出力してもよい。
【0053】
また、ステップS106において、提示部107は、位置特定部105が特定した位置特定情報を用いて、支援者が必要とする情報及び/又は物品の保管場所4までの経路を算出し、算出した経路を提示する。提示部107は一例として、通信ネットワークNを介して接続された端末(避難所に設置された端末、等)に経路を示す経路情報を送信する。経路情報を受信した端末は、自装置に接続された出力装置(ディスプレイ、プリンタ、等)に経路情報を出力する。
【0054】
図7は、支援システム10が出力する情報の具体例を示す図である。
図7の例では、複数のユーザのそれぞれについて、「ユーザ名」、「避難場所」、「カルテの保管場所」、「カルテの保管場所までの経路」、「常用薬の保管場所」、「常用薬の保管場所までの経路」、等が出力される。
図7に示す情報は、例えば避難所に設置された端末や、支援者が所持する端末において表示される。このとき、ユーザ毎の情報は例えば、緊急性の高い順にソートして表示されてもよい。また、支援システム10が出力したユーザ毎の情報の中から、必要性の高いものが抽出して表示されてもよい。
【0055】
(データベースの更新)
照合用情報データベース201及び必要情報データベース203の少なくともいずれか一方は、ユーザU又は支援者等により定期的に又は非定期に更新されてもよい。これらのデータベースが更新されるタイミングは、例えば定期的なタイミングであってもよいし、また、例えば支援に要する情報(カルテ情報等)が更新されたタイミングであってもよい。また、上記タイミングはユーザU等が支援に要する物品の保管場所を変更したタイミングであってもよい。ユーザU又は支援者等がデータベースを更新する場合、ユーザU又は支援者等は例えば、自身が使用するユーザ端末を用いて保管場所を変更する旨のリクエストを記憶部20を管理する管理装置に送信する。当該リクエストには、新たな保管場所を示す情報が含まれる。管理装置は、上記リクエストを受信すると、受信したリクエストに基づきデータベースに登録されている保管場所を更新する。
【0056】
<支援システムの効果>
以上説明したように本例示的実施形態によれば、支援システム10は支援に必要な情報等の保管場所4を特定し、特定した保管場所4を避難所等の支援者に対して提示する。これにより、ユーザ自身で必要情報の保管場所4を申告しなくても、何かしらの手段でカルテ情報等を取得できるようになる。例えば支援システム10が出力する情報を自治体の職員等が確認し、記録媒体100及び/又はユーザUが必要とする物品を位置特定情報により特定される保管場所4までとりにいく。または、手配部108が自動運転者等の移動体を手配することにより記録媒体100及び/又はユーザUが必要とする物品を運搬させる。これにより、避難所等での支援に役立てることができる。
【0057】
また、本例示的実施形態に係る支援システム10においては、支援者が必要とする情報はカルテ情報を含む構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る支援システム10によれば、災害発生時等の非常時において診察等のカルテ情報を用いた支援を必要とするユーザに対する支援を可能にすることができる。
【0058】
また、本例示的実施形態に係る支援システム10においては、位置特定部105が特定した位置特定情報を用いて、支援者が必要とする情報を記録する記録媒体及び当該支援者が必要とする物品の少なくともいずれか一方の運搬を手配する手配部108を備える構成が採用されている。手配部108により手配された運搬が行われることにより、本例示的実施形態に係る支援システム10によれば、運搬された上記記録媒体及び/又は上記物品を用いた支援を可能にすることができる。
【0059】
また、本例示的実施形態に係る支援システム10は、位置特定情報を用いて、保管場所4までの経路を算出する提示部107を備える構成が採用されている。経路を算出することで、必要情報を取りに行く際の手助けとすることができ、迅速に情報の取得を行うことができる。
【0060】
また、本例示的実施形態に係る支援システム10においては、位置特定部105は、支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方を示す必要情報を必要情報データベース203を参照して特定し、出力部106は、位置特定部105が特定した位置特定情報と必要情報とを出力する構成が採用されている。出力される必要情報及び位置特定情報を自治体の職員等が確認することにより、ユーザUの支援に必要な情報が何であるか等を把握することができる。
【0061】
また、本例示的実施形態に係る支援システム10においては、出力部106は、複数の必要情報の中から必要性の度合いが他の必要情報よりも高いものを抽出し、抽出した必要情報と当該必要情報に対応する位置特定情報とを出力する構成が採用されている。出力部106が出力する情報を自治体の職員等が確認することにより、全てのユーザUの支援に必要な情報を網羅して確認するのではなく必要性の高い情報を優先して確認することができる。
【0062】
また、本例示的実施形態に係る支援システム10においては、出力部106は、複数の必要情報を必要性の度合いでソートした結果を出力する構成が採用されている。出力部106が出力する情報を自治体の職員等が確認することにより、必要性の高い情報を優先して確認することができる。
【0063】
〔ソフトウェアによる実現例〕
位置特定システム1、位置特定装置2、支援システム10(以下「位置特定システム1等」という)の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0064】
後者の場合、位置特定システム1等は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図8に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを位置特定システム1として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、位置特定システム1の各機能が実現される。
【0065】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)、量子プロセッサ、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0066】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0067】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0068】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0069】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
(付記1)
ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段が特定した位置特定情報を出力する出力手段と、を備え、前記位置特定手段は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する位置特定システム。
【0070】
(付記2)
前記支援者が必要とする情報は、カルテ情報を含む、付記1に記載の情報処理システム。
【0071】
(付記3)
前記位置特定手段が特定した位置特定情報を用いて、前記支援者が必要とする情報を記録する記録媒体及び当該支援者が必要とする物品の少なくともいずれか一方の運搬を手配する手配手段、を更に備える、付記1又は2に記載の情報処理システム。
【0072】
(付記4)
前記位置特定情報を用いて、前記保管場所までの経路を算出する経路算出部、を更に備える、付記1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【0073】
(付記5)
前記位置特定手段は、前記支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方を示す必要情報を、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方を示す必要情報とを対応付けて記憶する前記記憶装置を参照して特定し、前記出力手段は、前記位置特定手段が特定した前記位置特定情報と前記必要情報とを出力する、付記1~4のいずれかに記載の位置特定システム。
【0074】
(付記6)
前記出力手段は、複数の前記必要情報の中から必要性の度合いが他の必要情報よりも高いものを抽出し、抽出した必要情報と当該必要情報に対応する位置特定情報とを出力する、付記5に記載の位置特定システム。
【0075】
(付記7)
前記出力手段は、複数の前記必要情報を必要性の度合いでソートした結果を出力する、付記5に記載の位置特定システム。
【0076】
(付記8)
ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定手段と、前記ユーザ特定手段が特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定手段と、前記位置特定手段が特定した位置特定情報を出力する出力手段と、を備え、前記位置特定手段は、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する位置特定装置。
【0077】
(付記9)
少なくとも1つのプロセッサが、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得することと、前記取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定することと、前記特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定することと、前記特定した位置特定情報を出力することと、を含み、前記位置特定情報を特定する工程においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する、位置特定方法。
【0078】
(付記10)
コンピュータに、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得処理と、前記取得処理において取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定処理と、前記ユーザ特定処理において特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定処理と、前記位置特定処理において特定した位置特定情報を出力する出力処理と、を実行させるためのプログラムであって、前記位置特定処理においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定する、プログラム。
【0079】
(付記11)
前記必要性の度合いは、前記必要情報に対応するユーザに関する情報に基づき定まる情報である、付記6に記載の位置特定システム。
【0080】
(付記12)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、ユーザの照合に用いる照合用情報を取得する取得処理と、前記取得処理において取得した照合用情報を用いて前記ユーザを特定するユーザ特定処理と、前記ユーザ特定処理において特定したユーザに対して支援を行う支援者が必要とする情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報を特定する位置特定処理と、前記位置特定処理において特定した位置特定情報を出力する出力処理と、を実行し、前記位置特定処理においては、ユーザと、当該ユーザの支援に要する情報及び物品の少なくともいずれか一方の保管場所を特定可能な位置特定情報とを対応付けて記憶する記憶装置を参照して前記位置特定情報を特定するする位置特定装置。
【0081】
なお、この位置特定装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得処理と、前記ユーザ特定処理と、前記位置特定処理と、前記出力処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 位置特定システム
10 支援システム
2 位置特定装置
3 所在地
4 保管場所
11、21 取得部
12、22、103 ユーザ特定部
13、23、105 位置特定部
14、24、106 出力部
20 記憶部
31 情報取得装置
100 記録媒体
101 通信部
102 照合用情報取得部
104 必要情報特定部
107 提示部
108 手配部
201 照合用情報データベース
203 必要情報データベース
S1 位置特定方法
S1A 支援方法