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特開2024-139570位置確認システム、位置確認方法、位置確認プログラム、およびNFCリーダ位置検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139570
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】位置確認システム、位置確認方法、位置確認プログラム、およびNFCリーダ位置検出システム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/015 20060101AFI20241002BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G06K7/015
G06K7/10 252
G06K7/10 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050570
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】516063278
【氏名又は名称】株式会社ELEMENTS
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋田 潤
(72)【発明者】
【氏名】近藤 潤也
(72)【発明者】
【氏名】保科 秀之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 敬起
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所有する通信端末とICチップを有する身分証明書との通信ができる相対的位置関係をユーザへ認識させ、通信端末を用いて身分証明書に内蔵されたICチップのアンテナの位置を読み取ることができる位置確認システム、位置確認方法、位置確認プログラムおよびNFCリーダ位置検出システムを提供する。
【解決手段】通信端末を用いて、身分証明書700に内蔵されるICチップ730のアンテナの位置を読み取る位置確認システム100であって、身分証明書700に内蔵されたICチップ730と、通信端末に内蔵され、ICチップ730のデータを読み取るNFCリーダ300と、通信端末の情報を表示可能な表示部400と、を含み、通信端末の裏面側に身分証明書700を重ねてスライド移動させ。NFCリーダ300が、ICチップ730のデータを読み取ることができた場合、表示部400が、読み取り成功をユーザへ報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末を用いて、身分証明書に内蔵されるICチップのアンテナの位置を読み取る場合に用いられる位置確認システムであって、
前記身分証明書に内蔵された前記ICチップと、
前記通信端末に内蔵され、前記ICチップのデータを読み取る読み取り部と、
前記通信端末の情報を表示可能な表示部と、を含み、
前記通信端末の裏面側に前記身分証明書を重ねてスライド移動させて前記読み取り部が前記ICチップのデータを読み取ることができた場合、前記通信端末の前記表示部に、読み取り成功をユーザへ報知させる、位置確認システム。
【請求項2】
前記通信端末は、スマートフォン、携帯端末、前記表示部を有するカードリーダ、前記表示部を有するパーソナルコンピュータに接続されたカードリーダのいずれか1つを含む、請求項1記載の位置確認システム。
【請求項3】
前記読み取り部は、NFCリーダからなる、請求項1記載の位置確認システム。
【請求項4】
前記通信端末は、さらに音声出力部および/または振動発生部を備え、
読み取り成功をビープ音および/または合成音声によりユーザへ報知させる、請求項1記載の位置確認システム。
【請求項5】
通信端末に内蔵された、ICチップのデータを読み取る読み取り部を用いて身分証明書に内蔵された前記ICチップのアンテナの位置を読み取る場合に用いられる位置確認方法であって、
前記通信端末の裏面側に前記身分証明書を重ねてスライド移動させるスライド移動工程と、
前記読み取り部が前記ICチップのデータを読み取ることができた場合、前記通信端末が、読み取り成功を表示部および/または音声出力部および/または振動発生部からユーザへ報知する報知工程と、を含む、位置確認方法。
【請求項6】
通信端末に内蔵された、ICチップのデータを読み取る読み取り部を用いて身分証明書に内蔵された前記ICチップのアンテナの位置を読み取る場合に用いられる位置確認プログラムであって、
ユーザに前記通信端末の裏面側に前記身分証明書を重ねてスライド移動させるよう表示部および/または音声出力部から案内するスライド移動案内処理と、
前記読み取り部が前記ICチップのデータを読み取ることができた場合、前記通信端末が、読み取り成功を前記表示部および/または前記音声出力部からユーザへ報知する報知処理と、を含む、位置確認プログラム。
【請求項7】
NFCリーダでデータを読み取ることのできる複数のICチップをそれぞれ所定の位置に内蔵する位置検出シートと、
前記ICチップのデータを読み取るNFCリーダを備えた通信端末と、を含み、
前記位置検出シートの上の所定の位置に前記通信端末を置き、前記NFCリーダで読み取ることのできた前記ICチップの位置を前記通信端末の表示部に表示する、NFCリーダ位置検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末を用いて身分証明書に内蔵されたICチップのアンテナの位置を読み取る、位置確認システム、位置確認方法、位置確認プログラム、およびNFCリーダ位置検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2022-143810号公報)には、認証を強化することができる情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の情報処理プログラムでは、利用者の第1の認証に用いる認証要素の変更要求を受け付けた場合、変更前の認証要素を用いた利用者の第1の認証を行い、第1の認証に成功した場合、身分証明書から読み取られた、人物の第1の画像を含む身分証情報を取得し、取得した身分証情報に基づいて、身分証明書が正当であるか否かを判定し、身分証明書が正当であると判定した場合に、撮像装置によって撮影された人物の第2の画像を取得し、取得した身分証情報に含まれる第1の画像と、取得した第2の画像とに基づいて、撮影された人物の本人性を確認する第2の認証を行い、第2の認証に成功した場合に、認証要素の変更を許可する、処理をコンピュータに実行させるものである。
【0004】
特許文献2(特開2020-064541号公報)には、本人確認の手続きにかかる負荷を軽減する本人確認プログラム、本人確認方法および情報処理装置が開示されている。
【0005】
特許文献2に記載の本人確認プログラムでは、ユーザの画像を含む個人情報を公的身分証明書から読み取り、読み取った個人情報に基づき、公的身分証明書が正当であるか否かを判定し、公的身分証明書が正当であると判定した場合に、ユーザを含む撮影画像を撮影し、読み取った個人情報に含まれるユーザの画像と、撮影したユーザを含む撮影画像とに基づいて、本人認証の結果を出力する、処理をコンピュータに実行させるものである。
【0006】
また、特許文献3(特開2013-134684号公報)には、個人認証に生体認証を利用した安全性の高い電子取引を、サーバ側に生体認証用のデータベースを持たせずに実現するための電子取引端末が開示されている。
【0007】
特許文献3に記載の電子取引端末は、識別情報と第一の生体情報が記録された携帯記録媒体から、読取手段を介して識別情報と第一の生体情報を読み取る記録入力手段と、生体情報センサーから第二の生体情報を読み取る生体情報入力手段と、第一の生体情報と第二の生体情報の一致度が所定レベル以上の場合に、識別情報をサーバへ送信する認証手段とを備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022-143810号公報
【特許文献2】特開2020-064541号公報
【特許文献3】特開2013-134684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、ネットバンキング、ネット通販などの拡大に伴い、対面ではなく、ネットワーク経由(非対面)での本人認証の重要性が高まっている。本人認証においては、免許証、マイナンバーカードなどの本人確認書類が用いられることが多い。さらに、本人確認書類を本人認証に用いる場合において、本人認証書類に内蔵されたICチップのデータを読み取ることが多くなっている。
しかしながら、通信端末の種類が多数販売されており、通信端末のセンサ(NFCリーダ)の位置が通信端末によって異なり、さらに身分証明書のICチップのアンテナの位置もそれぞれ異なることから、通信端末を用いて、本人確認書類に内蔵されたICチップのデータを読み取るのが困難な場合がある。
【0010】
特許文献1乃至3においては、認証を行うことができた後のシステム、プログラム等が開示されているが、そもそも身分証明書のICチップのアンテナ位置も不明となり、読み取りが困難であるユーザが多数存在する。特に技術的な知識を持たないユーザ、高齢者等の場合、読めないという声が多数存在する。
【0011】
また、身分証明書自体と、通信端末とを離間させるとICチップと通信できないことが多く、通信端末に汚れ防止カバーまたは落下防止カバーが装着された状態であると通信できないことがある。
さらには、身分証明書に内蔵されたICチップの内部構造は、一般には開示されておらず、ユーザは通信端末で読み取ることが困難となる。
【0012】
このように、一般のユーザが所有する通信端末のNFCリーダの位置は、通信端末毎にあらゆる位置に設けられ、それぞれ異なっており、身分証明書のICチップのアンテナ構造も異なっているため、本人認証を行うことができず、諦めるユーザが多数生じている。
【0013】
本発明の目的は、所有する通信端末とICチップを有する身分証明書との通信ができる相対的位置関係をユーザへ認識させ、通信端末を用いて身分証明書に内蔵されたICチップのアンテナの位置を読み取ることができる位置確認システム、位置確認方法、位置確認プログラムおよびNFCリーダ位置検出システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)
一局面に従う位置確認システムは、通信端末を用いて、身分証明書に内蔵されるICチップのアンテナの位置を読み取る場合に用いられる位置確認システムであって、身分証明書に内蔵されたICチップと、通信端末に内蔵され、ICチップのデータを読み取る読み取り部と、通信端末の情報を表示可能な表示部と、を含み、通信端末の裏面側に身分証明書を重ねてスライド移動させて読み取り部がICチップのデータを読み取ることができた場合、通信端末の表示部に、読み取り成功をユーザへ報知させるものである。
【0015】
この場合、ユーザは、身分証明書の情報を通信端末が読み取ったことを認識することができる。特に、通信端末毎に異なり読み取り部の位置が不明なため、ユーザに、通信端末の裏面側に身分証明書を重ねてスライド移動させることで、身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる位置を認識することができる。
【0016】
(2)
第2の発明にかかる位置確認システムは、一局面に従う位置確認システムにおいて、通信端末は、スマートフォン、携帯端末、表示部を有するカードリーダ、表示部を有するパーソナルコンピュータに接続されたカードリーダのいずれか1つを含んでもよい。
【0017】
この場合、通信端末は、スマートフォン、携帯端末、表示部を有するカードリーダ、表示部を有するパーソナルコンピュータに接続されたカードリーダのいずれか1つを含むため、いずれかを用いて身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる位置を認識することができる。
【0018】
(3)
第3の発明にかかる位置確認システムは、一局面に従う位置確認システムにおいて、読み取り部は、NFCリーダからなってもよい。
【0019】
この場合、13.56MHz帯の周波数を使った近距離無線通信技術である、NFCリーダの検出可能領域は、ある程度限られた範囲である。したがって、ユーザは、身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる位置、すなわち、通信可能な領域を認識することができる。
【0020】
(4)
第4の発明にかかる位置確認システムは、一局面に従う位置確認システムにおいて、通信端末は、さらに音声出力および/または振動発生部を備え、読み取り成功をビープ音および/または合成音声によりユーザへ報知させてもよい。
【0021】
この場合、ユーザは、表示部のみならず、音声出力から音声が出力されることで、身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる位置、すなわち、通信可能な領域を認識することができる。
【0022】
(5)
他の局面に従う位置確認方法は、通信端末に内蔵された、ICチップのデータを読み取る読み取り部を用いて身分証明書に内蔵されたICチップのアンテナの位置を読み取る場合に用いられる位置確認方法であって、通信端末の裏面側に身分証明書を重ねてスライド移動させるスライド移動工程と、読み取り部がICチップのデータを読み取ることができた場合、通信端末が、読み取り成功を表示部および/または音声出力部および/または振動発生部(バイブレーション発生部)からユーザへ報知する報知工程と、を含むものである。
【0023】
この場合、ユーザは、身分証明書の情報を通信端末が読み取ったことを認識することができる。特に、通信端末毎に読み取り部の位置が異なり、身分証明書のアンテナの位置も異なる場合において、ユーザに、通信端末の裏面側に身分証明書を重ねてスライド移動させることで、身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる位置を認識させることができる。
【0024】
(6)
さらに他の局面に従う位置確認プログラムは、通信端末に内蔵された、ICチップのデータを読み取る読み取り部を用いて身分証明書に内蔵されたICチップのアンテナの位置を読み取る場合に用いられる位置確認プログラムであって、ユーザに通信端末の裏面側に身分証明書を重ねてスライド移動させるよう表示部および/または音声出力部から案内するスライド移動案内処理と、読み取り部がICチップのデータを読み取ることができた場合、通信端末が、読み取り成功を表示部および/または音声出力部からユーザへ報知する報知処理と、を含むものである。
【0025】
この場合、ユーザは、身分証明書の情報を通信端末が読み取ったことを認識することができる。特に、通信端末毎に読み取り部の位置が異なり、身分証明書のICチップのアンテナの位置も異なる場合において、ユーザに、通信端末の裏面側に身分証明書を重ねてスライド移動させることで、身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる位置を認識することができる。
【0026】
(7)
さらに他の局面に従うNFCリーダ位置検出システムは、NFCリーダでデータを読み取ることのできる複数のICチップをそれぞれ所定の位置に内蔵する位置検出シートと、ICチップのデータを読み取るNFCリーダを備えた通信端末と、を含み、位置検出シートの上の所定の位置に通信端末を置き、NFCリーダで読み取ることのできたICチップの位置を前記通信端末の表示部に表示する。
【0027】
通信端末で身分証明書のICチップの情報を読み取るのが困難な理由は、通信端末のNFCリーダの位置が通信端末によって異なり、さらに身分証明書のICチップのアンテナの位置もそれぞれ異なるためである。
したがって、もし、通信端末のNFCリーダの位置を検出できれば、身分証明書をNFCリーダの位置の近傍でスライドさせることにより容易に身分証明書のICチップの情報を読み取ることができる。
さらに他の局面に従うNFCリーダ位置検出システムでは、複数のICチップをそれぞれ所定の位置に内蔵する位置検出シートを準備し、位置検出シートの上の所定の位置に通信端末を置いて、どのICチップのデータを読み取ることができたかを調べることによって、どのICチップの付近にNFCリーダが配置されているかを検出するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1の実施の形態にかかる位置確認システムの一例を示す模式図である。
図2】通信端末である携帯電話またはスマートフォンにおけるNFCリーダの位置の一例を示す模式的説明図である。
図3図1に示す位置確認システムの制御部の制御フローの一例を示すフローチャートである。
図4】位置確認システムの表示部の一例を示す図である。
図5】位置確認システムの表示部の一例を示す図である。
図6】位置確認システムの表示部の一例を示す図である。
図7】位置確認システムの具体的状況を説明するための説明図である。
図8】NFCリーダの検知領域の一例を示す模式図である。
図9】第2の実施の形態の位置検出シートの模式的上面図である。
図10】NFCリーダ位置検出システムの制御部の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0030】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態にかかる位置確認システム100は、運転免許証またはマイナンバーカード等のICカードをカードリーダ、携帯端末、スマートフォン等の通信端末150で読み取る場合に、通信端末150のどの位置にICカードをかざして良いのかを探索するものである。
【0031】
図1は、本実施の形態にかかる位置確認システム100の一例を示す模式図である。
【0032】
図1に示すように、位置確認システム100における通信端末150は、例えばスマートフォン、携帯端末、カードリーダ等である。カードリーダの場合には、パーソナルコンピュータ(図示せず)と接続されていることが好ましい。
また、図1に示すように、位置確認システム100は、制御部200、NFCリーダ300、表示部400、音声出力部500を有する。
制御部200は、NFCリーダ300、表示部400、音声出力部500の制御を行う。
また、身分証明書700には、ICチップ730が内蔵されている。なお、本実施の形態においては、ICチップ730と記載するが、ICチップ730は、当然のことながら、ICチップ730と接続されたアンテナも含むものとする。
【0033】
近年、運転免許証またはマイナンバーカード等の公的な身分証明書700には、ICチップ730が内蔵されており、ICチップ730内に券面記載情報と同様の氏名、生年月日、顔写真等が記憶されている。身元確認(eKYC)は、公的な身分証明書700の撮影による申請の他に、ICチップ730の情報の読み取りによる申請も同様の身元確認レベルで申請ができる。
また、現在の身元確認(eKYC)は、主に公的な身分証明書700の撮影による申請が普及しており、ICチップ730を読み取りによる方式は普及が遅れているという現実がある。一方で、犯罪収益移転防止法では、撮影の場合をホ方式、ICチップ730の読み取りを、ヘ方式またはワ方式として定義している。
【0034】
図2は、通信端末150である携帯電話またはスマートフォンにおけるNFCリーダ300の位置の一例を示す模式的説明図である。
図2(a)は、NFCリーダ300が通信端末150の上側に設けられた例を示し、図2(b)は、NFCリーダ300が通信端末150の中央に設けられた例を示し、図2(c)は、NFCリーダ300が通信端末150の下側に設けられた例を示す。
【0035】
図2に示すように、通信端末150のNFCリーダ300の配置位置が、機種ごとまたはメーカ毎に異なるため、公的な身分証明書700のICチップ730を読み取ることができたり、できなかったりするため、ユーザが、どの位置に公的な身分証明書700をかざしてよいか、わからなくなり、NFCリーダ300を用いた公的な身分証明を行うことから離脱する原因となっている。
【0036】
図3は、図1に示す位置確認システム100の制御部200の制御フローの一例を示すフローチャートであり、図4乃至図6は、位置確認システム100の表示部400の一例を示す図である。
【0037】
まず、図4に示すように、表示部400には、NFCリーダ300の場所を探すと表示され、通信端末150を身分証明書700に重ねて、5秒ほど停止してください。との表示がされる。また、通信端末150によってかざす位置が異なります。との表示がされ、かざす位置を検出するボタン410、動作環境を確認するボタン420および読み取り開始ボタン450が表示される。
通信端末150がスマートフォンまたは携帯電話の場合には、当該かざす位置を検出するボタン410、動作環境を確認するボタン420および読み取り開始ボタン450をユーザがタッチパネル機能により選択すればよい。また、通信端末150が、パーソナルコンピュータに接続されたカードリーダの場合には、パーソナルコンピュータの表示部に表示された当該かざす位置を検出するボタン410、動作環境を確認するボタン420および読み取り開始ボタン450をユーザがマウスで選択すればよい。
【0038】
かざす位置を検出するボタン410または読み取り開始ボタン450をユーザが選択した場合、図3に示すように、制御部200は、探索機能をオンにする(ステップS1)。
次いで、制御部200は、身分証明書700を通信端末150にかざすように報知し(ステップS2)、ICチップ730の探索を開始する(ステップS3)。
この場合、表示部400には、図4の表示から図5の表示に変更される。例えば、図5に示すように、表示部400には、公的な身分証明書700であるカードを通信端末150の上部から下部の方向へ、ゆっくりと動かします、と指示が表示される。
ユーザは、図5の表示に従って、身分証明書700のカードをゆっくりと動かす。
そして、後述する位置特定が報知されるまで、ユーザは少しずつ身分証明書700であるカードを最下部に向けて移動させる。
【0039】
次いで、図3に示すように、制御部200は、ICチップ730が検出されたか否かを判定する(ステップS4)。ここで、ICチップ730が検出されていないと判定した場合(ステップS4のNo)、制御部200は、図5に示した表示を表示部400に表示しつつ、位置変更を報知し(ステップS5)、ステップS3の処理から繰り返す。この場合、音声出力部500からユーザに位置変更を音声案内してもよい。
【0040】
続いて、図3に示すように、ICチップ730が検出された場合(ステップS4のYes)、制御部200は、ICチップ730の位置特定を報知し(ステップS6)、ICチップ730の探索機能をオフにする(ステップS7)。
【0041】
この場合、図6に示すように、表示部400には、読み取り成功と表示され、その位置が身分証明書700であるカードをかざす位置です、と表示される。
この場合、ビープ音または合成音声による報知を同時に行ってもよい。
さらに、もう一度探索を行うための、もう一度ボタン460、および身分証明書700であるカードをかざす位置を認識したか確認するための、覚えましたボタン470が表示される。
ユーザが、もう一度ボタン460を選択した場合には、再度、図3から図6の処理が繰り返される。一方、ユーザが、覚えましたボタン470を選択した場合には、位置確認システム100は、処理を終了する。
その結果、ユーザは、位置確認システム100を用いることで、身元証明書を確認(eKYC)する場合に、携帯電話、スマートフォンなどの通信端末150のどの位置にICチップ730内蔵のカードをかざして良いかを認識することができる。
【0042】
図7は、位置確認システム100の具体的状況を説明するための説明図であり、図8は、NFCリーダ300の検知領域の一例を示す模式図である。
【0043】
図7に示すように、ユーザは、位置確認システム100を使用しながら、身分証明書700をスライド移動させる。その結果、身分証明書700のICチップ730をNFCリーダ300で容易に検知することができる。
【0044】
また、図8に示すように、NFCリーダ300の検出範囲は、通信端末150全体ではなく、破線で示したような領域でのみ検知することができる。
そのため、ユーザは、身分証明書700を通信端末150にかざすが、読み取れないという症状が発生する。しかしながら、本発明によれば、身分証明書700のカードを移動させるように指示がなされ、ICチップ730の情報を、通信端末150のNFCリーダ300で確実に読み取ることができる。
【0045】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態にかかるNFCリーダ位置検出システム110は、カードリーダ、携帯端末、スマートフォン等などの通信端末150のどの位置にICチップ730を読み取るためのNFCリーダ300が配置されているかを確認するものである。第2の実施の形態のNFCリーダ位置検出システム110は通信端末150と位置検出シート170とで構成されている。通信端末150の構成は、第1の実施の形態と同一である。
【0046】
図9は、位置検出シート170の模式的上面図であり、図10はNFCリーダ位置検出システム110の制御部200の制御フローの一例を示すフローチャートである。
【0047】
図9に示すように、位置検出シート170には、複数のICチップ730a、730b、730c、730dが内蔵され、位置検出シート170の上面に通信端末150を置くためのガイドライン180が印刷されている。ICチップ730にはそれぞれ異なる識別子が記録されており、NFCリーダ300がどのICチップ730を読み取ったかを判別できる。
図9ではICチップ730は4個内蔵されているが、内蔵するICチップ730の個数は必要に応じて増減してよく、直列ではなく、並列または千鳥状に配置してもよい。例えば、2個、6個、7個、8個、9個、10個等、任意の個数である。また、図9では2種類の大きさのガイドライン180が印刷されているが、これも一例である。
【0048】
第2の実施形態のNFCリーダ位置検出システム110の動作について、図10を用いて説明する。
NFCリーダ位置検出システム110を起動すると、表示部400または音声出力部500から、位置検出シート170の上に通信端末150を置くよう報知される(ステップS11)ので、ユーザは、通信端末150を位置検出シート170のガイドライン180に合わせて配置する。NFCリーダ位置検出システム110は、通信端末150の大きさがガイドライン180の大きさと一致しない場合は通信端末150の左上の位置がガイドライン180と一致するように配置するよう指示する。
位置検出シート170の上に通信端末150を配置した後、読み取り開始ボタン450のクリック等により、探索機能をONする(ステップS12)。
探索機能がONされると、NFCリーダ300はICチップ730のデータを読み取り、読み取ったICチップ730のデータに含まれる識別子によりどの位置のICチップ730を読み取ったかを判別する(ステップS13)。
ここで、ICチップ730は、それぞれ異なるものであるため、予め位置検出シート170に配置されているICチップ730の配置を把握していることで、通信端末150におけるNFCリーダ300の読み取り位置を、通信端末150が認識することができる。
ICチップ探索が終わると、読み取ったICチップ730の位置を表示部400に表示するとともに制御部200のメモリに記録する(ステップS14)。この読み取ったICチップ730の位置が通信端末150のNFCリーダ300の位置に相当する。
以上により、NFCリーダ300の位置確認が終わるので、探索機能をOFFし、NFCリーダ位置検出システム110を終了させる(ステップS15)。
なお、一度確認したNFCリーダ300の位置は、メモリに記録されているので、以降は位置検出シート170を用いることなく、表示部400に表示させることができる。
【0049】
本発明の形態においては、通信端末150が「通信端末」に相当し、身分証明書700が「身分証明書」に相当し、ICチップ730が「ICチップ」に相当し、位置確認システム100が「位置確認システム」に相当し、NFCリーダ300が「読み取り部、NFCリーダ」に相当し、表示部400が「表示部」に相当し、音声出力部500が「音声出力部」に相当し、位置検出シート170が「位置検出シート」に相当し、NFCリーダ位置検出システム110が「NFCリーダ位置検出システム」に相当する。
【0050】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施の形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施の形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0051】
100 位置確認システム
200 制御部
300 NFCリーダ
400 表示部
500 音声出力部
700 身分証明書700
730、730a、730b、730c、730d ICチップ
110 NFCリーダ位置検出システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10