(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139582
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】止水構造、止水方法および燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
F16L 5/02 20060101AFI20241002BHJP
F16L 5/00 20060101ALI20241002BHJP
B65D 90/22 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
F16L5/02 J
F16L5/00 J
B65D90/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050591
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522312344
【氏名又は名称】昭プラ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522312148
【氏名又は名称】サンライズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】大友 忠春
(72)【発明者】
【氏名】加藤 浩司
(72)【発明者】
【氏名】古堀 昌城
(72)【発明者】
【氏名】山田 忠浩
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 金一郎
【テーマコード(参考)】
3E170
【Fターム(参考)】
3E170AA02
3E170AA12
3E170GB01
3E170GB04
(57)【要約】
【課題】メンテナンス性に優れた止水構造を提供する。
【解決手段】止水構造10は、壁体22に設けられる貫通穴24に挿入される筒状部30と、筒状部30の一端30aから径方向外側に延び、壁体22と対向する第1面32aおよび第1面32aとは反対側の第2面32bを有する鍔部32と、を含む本体部材12と、第1面32aに沿う第1部分36aと、第2面32bに沿う第2部分36bと、筒状部30の内周面30cに沿って筒状部30の一端30aから他端30bまで延びる内延部分38aと、筒状部30の他端30bを越えて延びる外延部分38bと、を含む止水部材14と、筒状部30の外周面30dに取り付けられ、鍔部32との間で壁体22および第1部分36aを挟み込む第1固定部材16と、外延部分38bの外面に取り付けられ、外延部分38bの内側に通される配管26または配線との間で外延部分38bを挟み込む第2固定部材18と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体に設けられる貫通穴に挿入される筒状部と、前記筒状部の一端から径方向外側に延び、前記壁体と対向する第1面および前記第1面とは反対側の第2面を有する鍔部と、を含む本体部材と、
前記第1面に沿う第1部分と、前記第2面に沿う第2部分と、前記筒状部の内周面に沿って前記筒状部の前記一端から他端まで延びる内延部分と、前記筒状部の前記他端を越えて延びる外延部分と、を含む止水部材と、
前記筒状部の外周面に取り付けられ、前記鍔部との間で前記壁体および前記第1部分を挟み込む第1固定部材と、
前記外延部分の外面に取り付けられ、前記外延部分の内側に通される配管または配線との間で前記外延部分を挟み込む第2固定部材と、を備える止水構造。
【請求項2】
前記止水部材は、前記第1部分から前記鍔部に向けて突出し、周方向に延在する突起部を含む、請求項1に記載の止水構造。
【請求項3】
前記止水部材は、前記第1部分と前記第2部分との間を接続し、前記第1部分から前記第2部分に向けて曲線状に延びる第1接続部分を含む、請求項1に記載の止水構造。
【請求項4】
前記止水部材は、前記第2部分と前記内延部分との間を接続し、前記第2部分から前記内延部分に向けて曲線状に接続する第2接続部分を含む、請求項1に記載の止水構造。
【請求項5】
前記本体部材は、前記鍔部の前記第2面と前記筒状部の前記内周面との間に隅切部が形成される、請求項1に記載の止水構造。
【請求項6】
前記本体部材は、前記筒状部の前記外周面に形成されるねじ溝を有し、
前記第1固定部材は、前記本体部材の前記ねじ溝と螺合することにより、前記筒状部の前記外周面に取り付けられる、請求項1に記載の止水構造。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の止水構造を用いる止水方法であって、
前記第1固定部材を用いて、前記鍔部と前記第1固定部材との間に前記壁体および前記第1部分を挟み込んで締結することと、
前記第2固定部材を用いて、前記配管または配線と前記第2固定部材との間に前記外延部分を挟み込んで締結することと、を備える止水方法。
【請求項8】
前記第1固定部材を締結する前に、前記止水部材が取り付けられた前記本体部材の前記筒状部を前記貫通穴に挿入することと、
前記第2固定部材を締結する前に、前記止水部材の前記内延部分および前記外延部分の内側に前記配管または前記配線を通すことと、をさらに備える、請求項7に記載の止水方法。
【請求項9】
前記壁体は、前記配管または前記配線の接続部を保護する接続ボックスの筐体であり、
前記鍔部は、前記接続ボックスの外部に配置され、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、前記接続ボックスの内部に配置される、請求項7に記載の止水方法。
【請求項10】
上部に立上げ管が設けられる地下タンクと、
前記地下タンクに注油する燃料を地上で受け入れるための注油口と、
前記地下タンクに貯蔵される燃料を地上で給油するための計量機と、
前記地下タンク内のガスを地上で出し入れするための通気口と、
前記地下タンクの内部を計測する計測器具と、
前記地下タンクと前記注油口の間を接続する注油管と、
前記地下タンクと前記計量機の間を接続する給油管と、
前記地下タンクと前記通気口の間を接続する通気管と、
前記計測器具に接続される配線と、
前記立上げ管を収容し、前記注油管、前記給油管および前記通気管のいずれかの配管または前記配線が通される貫通穴が設けられる壁体を有するサンプボックスと、
前記配管または前記配線と、前記壁体との間に設けられる請求項1から6のいずれか一項に記載の止水構造と、を備え、
前記止水構造は、前記鍔部が前記サンプボックスの外部に配置され、前記第1固定部材および前記第2固定部材が前記サンプボックスの内部に配置される向きで取り付けられる、燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、止水構造、止水方法および燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所には燃料油を貯蔵するための地下タンクが埋設される。地下タンクの上部には、タンクの立上げ配管と横引き配管とを接続する継手管を保護するためのサンプボックスが設けられる。横引き配管は、サンプボックスの壁体を貫通する配管穴に通される。横引き配管と配管穴の隙間には、ゴム製のシールリングや水中パテなどの止水部材が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-84297号公報
【特許文献2】特開2018-28341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給油所では、埋設されるサンプボックスの上を車両が走行するため、車両走行時の振動等によってシールリングの固定が緩んでしまうことがある。サンプボックスの外側は土砂で埋められているため、外側の土砂を除去してシールリングを再固定することは容易ではない。シールリングの緩みなどによって外側から水が侵入してしまう場合、サンプボックスの内側からパテなどを用いて隙間を埋める止水作業が必要となり、手間がかかる。
【0005】
本開示のある態様の例示的な目的の一つは、メンテナンス性に優れた止水構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様の止水構造は、壁体に設けられる貫通穴に挿入される筒状部と、筒状部の一端から径方向外側に延び、壁体と対向する第1面および第1面とは反対側の第2面を有する鍔部と、を含む本体部材と、第1面に沿う第1部分と、第2面に沿う第2部分と、筒状部の内周面に沿って筒状部の一端から他端まで延びる内延部分と、筒状部の他端を越えて延びる外延部分と、を含む止水部材と、筒状部の外周面に取り付けられ、鍔部との間で壁体および第1部分を挟み込む第1固定部材と、外延部分の外面に取り付けられ、外延部分の内側に通される配管または配線との間で外延部分を挟み込む第2固定部材と、を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、ある態様の止水構造を用いる止水方法である。この方法は、第1固定部材を用いて、鍔部と第1固定部材との間に壁体および第1部分を挟み込んで締結することと、第2固定部材を用いて、配管または配線と第2固定部材との間に外延部分を挟み込んで締結することと、を備える。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、燃料供給装置である。この燃料供給装置は、上部に立上げ管が設けられる地下タンクと、地下タンクに注油する燃料を地上で受け入れるための注油口と、地下タンクに貯蔵される燃料を地上で給油するための計量機と、地下タンク内のガスを地上で出し入れするための通気口と、地下タンクの内部を計測する計測器具と、地下タンクと注油口の間を接続する注油管と、地下タンクと計量機の間を接続する給油管と、地下タンクと通気口の間を接続する通気管と、計測器具に接続される配線と、立上げ管を収容し、注油管、給油管および通気管のいずれかの配管または配線が通される貫通穴が設けられる壁体を有するサンプボックスと、配管または配線と壁体との間に設けられる止水構造と、を備える。止水構造は、鍔部がサンプボックスの外部に配置され、第1固定部材および第2固定部材がサンプボックスの内部に配置される向きで取り付けられる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、メンテナンス性に優れた止水構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係る止水構造の構成を模式的に示す側面図である。
【
図2】実施の形態に係る止水構造の構成を模式的に示す断面図である。
【
図3】本体部材の構成を模式的に示す側面図である。
【
図4】本体部材の構成を模式的に示す平面図である。
【
図5】止水部材の構成を模式的に示す側面図である。
【
図6】止水部材の構成を模式的に示す平面図である。
【
図10】実施の形態に係る燃料供給装置の構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の技術を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限り、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0012】
図1は、実施の形態に係る止水構造10の構成を模式的に示す側面図である。
図2は、実施の形態に係る止水構造10の構成を模式的に示す断面図である。止水構造10は、貫通穴24が設けられる壁体22と、貫通穴24に通される配管26との間に設けられる。壁体22は、外部28aに露出する外側面22aと、内部28bに露出する内側面22bとを有する。止水構造10は、貫通穴24における壁体22と配管26との間の隙間を密閉し、壁体22の外部28aから内部28bへの水の侵入を防ぐ。
【0013】
本明細書において、貫通穴24において配管26が延びる方向を軸方向といい、軸方向に直交する方向を径方向といい、軸方向および径方向に直交する方向を周方向ということがある。図面において、外部28aから内部28bに向かう方向を+z方向とし、z方向に直交する二方向をx方向およびy方向とする座標軸が示されることがある。図示される座標軸は、説明の理解を助けるために設定されるものであり、止水構造10の使用時の向きを限定するものではない。
【0014】
止水構造10は、本体部材12と、止水部材14と、第1固定部材16と、第2固定部材18とを備える。
【0015】
本体部材12は、硬質の材料で構成され、例えばポリエチレンなどの樹脂で構成される。本体部材12は、筒状部30と、鍔部32とを含む。
【0016】
筒状部30は、貫通穴24に挿入される部分である。筒状部30は、一端30aから他端30bに向けて軸方向に延在する。筒状部30は、例えば、円筒形状である。筒状部30の内周面30cは、例えば、平滑な円筒面である。筒状部30の外周面30dには、周方向に螺旋状に延びるねじ溝30eが形成される。筒状部30の外周面30dに形成されるねじ溝30eは、第1固定部材16を筒状部30の外周面30dに取り付けるために用いられる。
【0017】
鍔部32は、筒状部30の一端30aから径方向外側に延びる部分である。鍔部32は、止水部材14によって被覆されるため、
図1において破線で示される。鍔部32は、第1面32aと、第1面32aとは反対側の第2面32bと、第1面32aと第2面32bとの間の外縁面32cとを有する。鍔部32は、壁体22の外部28aに設けられ、壁体22と対向する。鍔部32の第1面32aは、壁体22の外側面22aと対向する。
【0018】
鍔部32の第2面32bと、筒状部30の内周面30cとの間には隅切部34が形成される。隅切部34を形成することにより、隅切部34の近傍において本体部材12と止水部材14の間に隙間(空洞)が生じ、ゆとりを持たせることができる。これにより、止水部材14が本体部材12の角やエッジに押圧されて擦れることによる止水部材14の損傷を抑制できる。なお、隅切部34は必須ではなく、変形例において隅切部34が形成されなくてもよい。
【0019】
図3は、止水部材14および第1固定部材16を取り外した本体部材12を模式的に示す側面図である。
図4は、
図3の本体部材12を模式的に示す平面図であり、+z方向に見たときの鍔部32の第2面32bの正面図である。
図4の平面視において、鍔部32の外縁面32cは円形状である。隅切部34は、周方向の全体にわたって形成される。
【0020】
図2に戻り、止水部材14について説明する。止水部材14は、柔軟性および弾力性を有する材料で構成され、例えばゴム材料などで構成される。止水部材14は、鍔被覆部36と、延長部38とを含む。
【0021】
鍔被覆部36は、本体部材12の鍔部32を被覆する部分である。鍔被覆部36は、第1部分36aと、第2部分36bと、第1接続部分36cと、第2接続部分36dとを含む。第1部分36aは、鍔部32の第1面32aに沿う部分である。第2部分36bは、鍔部32の第2面32bに沿う部分である。第1接続部分36cは、第1部分36aと第2部分36bとの間を接続し、鍔部32の外縁面32cを被覆する。第2接続部分36dは、第2部分36bと延長部38との間を接続する。第2接続部分36dは、本体部材12の隅切部34を被覆する。
【0022】
第1接続部分36cは、第1部分36aから第2部分36bに向けて曲線状に延びる。第1接続部分36cが曲線状に延びることにより、本体部材12の外縁面32cと第1接続部分36cの間に隙間(空洞)が生じ、第1部分36aと第2部分36bの間にゆとりを持たせることができる。これにより、鍔被覆部36が外縁面32cの角やエッジに押圧されて擦れることによる止水部材14の損傷を抑制できる。
【0023】
第2接続部分36dは、第2部分36bから延長部38に向けて曲線状に延びる。第2接続部分36dが曲線状に延びることにより、本体部材12の隅切部34と第2接続部分36dの間に隙間(空洞)が生じ、第2部分36bと内延部分38aの間にゆとりを持たせることができる。これにより、鍔被覆部36が隅切部34の角やエッジに押圧されて擦れることによる止水部材14の損傷を抑制できる。
【0024】
第1接続部分36cおよび第2接続部分36dのそれぞれの曲率半径は、例えば、止水部材14の厚みよりも大きくなるように設定される。第1接続部分36cおよび第2接続部分36dのそれぞれの曲率半径は、例えば、止水部材14の厚みの1.5倍以上または2倍以上に設定される。
【0025】
延長部38は、筒状に軸方向に延びる部分である。延長部38は、本体部材12の筒状部30の内側に挿入される。延長部38は、内延部分38aと、外延部分38bとを含む。内延部分38aは、筒状部30の内周面30cに沿って筒状部30の一端30aから他端30bまで延びる部分である。外延部分38bは、筒状部30の他端30bを越えて延びる部分である。したがって、延長部38の軸方向の長さは、本体部材12の筒状部30の軸方向の長さよりも大きい。
【0026】
止水部材14は、全体が一定の厚みtを有するように構成される。止水部材14は、第1部分36a、第1接続部分36c、第2部分36b、第2接続部分36d、内延部分38aおよび外延部分38bがこの順に連続的につながるように形成される。
【0027】
止水部材14は、第1部分36aに形成される突起部36eをさらに含んでもよい。突起部36eは、第1部分36aから第2部分36bに向けて突出し、鍔部32の第1面32aに接触するように構成される。突起部36eは、周方向にリング状に延びるように形成される。突起部36eの第1部分36aからの突出量は、例えば、第1部分36aの他の部分の厚みt以下である。突起部36eを設けることにより、鍔被覆部36が鍔部32から外れにくくできる。突起部36eを設けることにより、壁体22と鍔部32の間の止水性を向上できる。
【0028】
図5は、本体部材12から取り外した止水部材14を模式的に示す側面図である。
図6は、
図5の止水部材14を模式的に示す平面図であり、-z方向に見たときの止水部材14を示す。
図6において、第1部分36aと第1接続部分36cとの境界が破線で示されるとともに、突起部36eの位置が破線で示される。
図6に示されるように、鍔被覆部36の外形は円形であり、鍔部32の外形に対応した形状を有する。突起部36eは、周方向の全体にわたってリング状に形成される。
【0029】
図6に示されるように、鍔被覆部36の第1部分36aは、延長部38から径方向外側に離れており、第1部分36aと延長部38との間に開口部40が設けられる。開口部40は、周方向の全体にわたって設けられる。開口部40は、鍔被覆部36の内側に鍔部32を収容するために設けられる。例えば、第1部分36aを開くように変形させ、開口部40の径方向の距離を大きくすることにより、鍔部32を鍔被覆部36の内側に収容できる。
【0030】
図2に戻り、第1固定部材16について説明する。第1固定部材16は、筒状部30の外周面30dに取り付けられる。第1固定部材16は、鍔部32との間に壁体22を挟み込むことにより、本体部材12を壁体22に対して固定する。第1固定部材16は、鍔部32との間に止水部材14の第1部分36aを挟み込むことにより、本体部材12と壁体22との間が第1部分36aによって密閉されるようにする。
【0031】
第1固定部材16は、例えば、筒状部30の外周面30dに形成されるねじ溝30eと螺合することにより、外周面30dに取り付けられる。第1固定部材16は、いわゆるロックナットとして構成されることができ、外周面30dのねじ溝30eに係合するねじ溝を有する。第1固定部材16の外形は、例えば六角形である。第1固定部材16は、硬質の材料で構成され、例えばポリエチレンなどの樹脂で構成される。第1固定部材16は、ねじ溝とは異なる機構によって、筒状部30の外周面30dに着脱可能に取り付けられてもよい。
【0032】
止水構造10は、第1固定部材16と壁体22の間に設けられるスペーサ20をさらに備えてもよい。スペーサ20は、リング状の薄板部材であり、例えばポリエチレンなどの樹脂で構成される。スペーサ20は、壁体22の内側面22bに対する第1固定部材16の滑りを促進するためのスリップシートとして機能してもよい。
【0033】
第2固定部材18は、止水部材14の外延部分38bの外面に取り付けられる。第2固定部材18は、外延部分38bの内側に通される配管26との間で外延部分38bを挟み込む。第2固定部材18は、配管26との間に外延部分38bを挟み込むことにより、止水部材14を配管26に固定し、止水部材14と配管26との間を密閉する。
【0034】
第2固定部材18は、バンド42と、締付器具44とを含む。第2固定部材18は、例えば、ステンレス鋼などで構成される締め付けバンドである。バンド42は、外延部分38bの外周に巻き付けられる。締付器具44は、バンド42を挟み込んで固定し、バンド42の一周の長さを段階的に調整できるように構成される。例えば、締付器具44に設けられる調節ねじ46をドライバーなどを用いて回動させることにより、バンド42の締め付ける長さを徐々に絞っていくことが可能である。バンド42を用いることにより、外延部分38bの外周全体を均一な力で締結し、止水部材14と配管26との間を密閉できる。
【0035】
つづいて、止水構造10を用いた止水方法について説明する。
図7~
図9は、止水方法を模式的に示す図である。まず、
図7に矢印Aで示されるように、止水部材14が取り付けられた本体部材12を壁体22の貫通穴24に挿入する。止水部材14は、鍔被覆部36が鍔部32を被覆し、延長部38が筒状部30の内側を通るようにして、本体部材12に取り付けられている。本体部材12および止水部材14は、壁体22の外部28aから貫通穴24に挿入することができる。
【0036】
図7に示されるように、止水部材14の延長部38の内側に配管26を通してもよい。延長部38の内側に配管26を通すことは、本体部材12および止水部材14を貫通穴24に挿入する前に行われてもよいし、本体部材12および止水部材14を貫通穴24に挿入した後に行われてもよい。
【0037】
次に、
図8に矢印Bで示されるように、筒状部30の外周面30dに第1固定部材16を取り付ける。第1固定部材16は、壁体22の内部28bで取り付けることができる。つづいて、第1固定部材16を用いて、鍔部32と第1固定部材16の間に壁体22および止水部材14の鍔被覆部36(特に第1部分36a)を挟み込んで締結する。これにより、本体部材12、止水部材14および第1固定部材16が壁体22に固定される。
【0038】
なお、第1固定部材16を取り付ける前に、スペーサ20を取り付け、第1固定部材16と壁体22の間にスペーサ20が挟み込まれるようにしてもよい。また、延長部38の内側に配管26を通すことは、第1固定部材16を締結する前に行われてもよいし、第1固定部材16を締結した後に行われてもよい。
【0039】
次に、
図9に矢印Cで示されるように、延長部38(特に外延部分38b)に第2固定部材18を取り付ける。第2固定部材18は、壁体22の内部28bで取り付けることができる。例えば、バンド42を緩めた状態で、延長部38の径方向外側にバンド42を配置する。つづいて、締付器具44を用いて、バンド42を締め付けることにより、配管26とバンド42との間に延長部38を挟み込んで締結する。これにより、止水部材14が配管26に固定される。
【0040】
なお、第1固定部材16および第2固定部材18による締結は、時間経過によって緩みが生じる可能性がある。例えば、定期的に第1固定部材16および第2固定部材18を締め直すことによって、貫通穴24が止水構造10によって密閉された状態を維持できる。第1固定部材16および第2固定部材18を締め直しは、壁体22の内部28bで行うことができるため、壁体22の外部28aにアクセスする必要がない。例えば、止水構造10の取り付け後に壁体22の外部28aが土砂で埋められる場合であっても、壁体22の内部28bからの作業のみで第1固定部材16および第2固定部材18を締め直すことができる。これにより、止水構造10のメンテナンス性を向上できる。
【0041】
上述の実施の形態では、本体部材12の鍔部32が壁体22の外部28aに配置され、第1固定部材16および第2固定部材18が壁体22の内部28bに配置される場合を示した。止水構造10の設置方向は逆であってもよく、本体部材12の鍔部32が壁体22の内部28bに配置され、第1固定部材16および第2固定部材18が壁体22の外部28aに配置されてもよい。例えば、壁体22の外部28aへのアクセスが容易であり、壁体22の内部28bへのアクセスが困難である場合に、止水構造10の設置方向を逆にすることで、止水構造10のメンテナンス性を向上できる。
【0042】
図10は、実施の形態に係る燃料供給装置50の構成を模式的に示す図である。燃料供給装置50は、ガソリンスタンド等の燃料給油所に設置される。燃料供給装置50は、地下タンク52と、注油口54と、計量機56と、通気口58と、サンプボックス60と、配線62と、注油管64と、給油管66と、通気管68とを備える。
【0043】
地下タンク52は、ガソリン、軽油、灯油等の燃料Fを貯蔵する。地下タンク52は、燃料給油所の地面Sよりも下側の地下(地中)に埋設される。地下タンク52は、例えば、金属製(例えば鋼製)の内殻タンクと、樹脂製(例えば繊維強化プラスチック(FRP)製)の外殻タンクとを有し、二重殻タンク構造を有する。
【0044】
注油口54は、地面Sよりも上側の地上に設けられる。注油口54は、地上から地下タンク52に燃料を注油するための受入口である。注油口54には、タンクローリ車などの燃料運搬手段からのホースが接続される。注油口54にて受け入れた燃料は、注油管64を通って地下タンク52に送られる。
【0045】
計量機56は、地上に設けられる。計量機56は、地下タンク52に貯蔵される燃料Fを地上で車両などに給油する。地下タンク52に貯蔵される燃料Fは、給油管66を通って計量機56に送られる。
【0046】
通気口58は、地上に設けられる。通気口58は、地下タンク52内のガスGを地上で出し入れ(呼吸)するために設けられる。通気口58は、通気管68を通じて地下タンク52と連通する。注油口54を通じて地下タンク52に燃料が注油されると、地下タンク52内の燃料Fの容積が増加する。このとき、通気口58を通じて地下タンク52内のガスGが外部に吐き出され、地下タンク52内のガスGの容積が減少する。計量機56を通じて地下タンク52から燃料が給油されると、地下タンク52内の燃料Fの容積が減少する。このとき、通気口58を通じてガスが内部に吸い込まれ、地下タンク52内のガスGの容積が増加する。地下タンク52の内部のガス圧力は、通気口58を通じて調整される。
【0047】
地下タンク52の上部には、複数の立上げ管70a~70d(総称して立上げ管70ともいう)が設けられる。立上げ管70は、地下タンク52の上部の殻壁を貫通するように設けられ、地下タンク52の内部と外部を連通させる。立上げ管70は、例えば、金属製(例えば鋼製)の直管であり、地下タンク52の金属製の内殻タンクに溶接されている。立上げ管70の外周面は、腐食防止のため、FRPなどの樹脂で被覆されてもよい。例えば、地下タンク52の外部に露出する立上げ管70の外周面をFRPで被覆してもよい。
【0048】
複数の立上げ管70a~70dは、地下タンク52に接続される配管または計測器具との接続口である。第1立上げ管70aは、注油管64に接続される。第2立上げ管70bは、給油管66に接続される。第3立上げ管70cは、通気管68に接続される。第4立上げ管70dは、計測器具72に接続される。複数の立上げ管70a~70dのそれぞれの上端には、継手管74a~74d(総称して継手管74ともいう)が取り付けられる。
【0049】
サンプボックス60は、地下タンク52の上部に設けられる。サンプボックス60は、地下(地中)に埋設される。サンプボックス60の外部60aは土砂で埋められる。サンプボックス60は、複数の立上げ管70a~70d、計測器具72、および複数の継手管74a~74dを収容する筐体である。サンプボックス60は、配管または配線の接続部を保護するための接続ボックスと呼ぶこともできる。サンプボックス60は、例えば、FRPなどの樹脂で構成される。
【0050】
サンプボックス60の上部には、サンプボックス60の内部60bを地上から点検するための点検口76が設けられる。点検口76は、例えば、地面Sと同じ高さ位置に設けられる。点検口76は、点検作業しない通常時において蓋78によって塞がれている。
【0051】
サンプボックス60の側部には、サンプボックス60の壁体80を貫通する複数の貫通穴82a,82b,82d(総称して貫通穴82ともいう)が設けられる。貫通穴82には、地中で横方向(水平方向)に延びる配管である横引き管84a~84cまたは配線62が通される。横引き管84a~84cは、樹脂製(例えばポリエチレン製)である。複数の貫通穴82には、外部60aから内部60bへの水の浸入を防ぐための複数の止水構造90a,90b,90d(総称して止水構造90ともいう)が設けられる。
【0052】
配線62は、計測器具72に接続される。配線62は、計測器具72を駆動するための電力を供給する電源線、計測器具72の動作を外部から制御するための制御線、計測器具72の計測結果を外部に送信するための信号線などを含む。配線62は、例えば、銅線などを絶縁材料で被覆したシールドケーブルである。計測器具72は、第4立上げ管70dに接続される継手管74dに取り付けられ、第4立上げ管70dを介して地下タンク52の内部を計測する。計測器具72は、例えば、地下タンク52内の燃料Fの液面の高さを計測するためのレベルセンサである。
【0053】
注油管64は、地下タンク52と注油口54の間を接続する配管経路である。注油管64は、継手管74a、横引き管84aと、縦管86aとを含む。給油管66は、地下タンク52と計量機56の間を接続する配管経路である。給油管66は、継手管74bと、横引き管84bと、縦管86bとを含む。通気管68は、地下タンク52と通気口58の間を接続する配管経路である。通気管68は、継手管74cと、横引き管84cと、縦管86cとを含む。
【0054】
横引き管84a~84cは、地下(地中)に埋設され、横方向に延びる部分である。縦管86a~86cは、地中の横引き管84a~86cから地上の注油口54、計量機56または通気口58に向けて縦方向に延びる部分である。横引き管84a,84bは、コネクタ88a,88bを介して継手管74a、74bに接続される。横引き管84cは、コネクタ(不図示)を介して継手管74cに接続される。コネクタ88a,88bは、例えば、樹脂管の端部と融着して一体化する管継手であり、電気融着(EF;Electrofusion)接合方式のソケットである。
【0055】
燃料供給装置50は、第1止水構造90a、第2止水構造90b、第3止水構造(不図示)および第4止水構造90dを備える。第1止水構造90aは、注油管64の横引き管84aが通される第1貫通穴82aに設けられる。第2止水構造90bは、給油管66の横引き管84bが通される第2貫通穴82bに設けられる。第3止水構造(不図示)は、通気管68の横引き管84cが通される第3貫通穴(不図示)に設けられる。第4止水構造90dは、配線62が通される第4貫通穴82dに設けられる。
【0056】
第1止水構造90a、第2止水構造90b、第3止水構造(不図示)および第4止水構造90dは、上述の実施の形態に係る止水構造10と同様に構成される。複数の止水構造90のそれぞれは、本体部材12の鍔部32がサンプボックス60の外部60aに配置され、第1固定部材16および第2固定部材18がサンプボックス60の内部60bに配置される向きで取り付けられる。
【0057】
複数の止水構造90は、配線62、注油管64、給油管66および通気管68を配設する工事においてサンプボックス60の貫通穴82に取り付けることができる。複数の止水構造90の取付工事は、サンプボックス60の外部60aの土砂が少なくとも部分的に除去された状態でなされる。したがって、複数の止水構造90は、サンプボックス60の外部60aから取り付けることができる。複数の止水構造90が取り付けられた配線62、注油管64、給油管66および通気管68の配設が完了した後、サンプボックス60の外部60aは土砂で埋められる。
【0058】
燃料供給装置50の使用時には、給油のために訪れる多数の車両が燃料給油所の地面Sを走行する。車両走行時の振動がサンプボックス60に伝わると、複数の止水構造90のそれぞれの第1固定部材16および第2固定部材18の締結に緩みが生じる可能性がある。複数の止水構造90のそれぞれの第1固定部材16および第2固定部材18は、サンプボックス60の内部60bに配置されるため、サンプボックス60の内部60bで締め直すことができる。したがって、サンプボックス60の内部60bを点検する際に、複数の止水構造90のそれぞれの第1固定部材16および第2固定部材18を再締結することにより、貫通穴82における水漏れを防止できる。本実施の形態によれば、貫通穴82における水漏れに対処するために、サンプボックス60の外部60aの土砂を除去したり、パテ材を用いて水漏れ箇所を止水したりする必要がないため、メンテナンス性を大幅に向上できる。
【0059】
図10の実施の形態では、燃料給油所に設けられるサンプボックス60に止水構造10を適用する場合について示した。実施の形態に係る止水構造10は、任意の接続ボックスの筐体(ま他は壁体)に設けられる貫通穴に適用することができる。接続ボックスは、貫通穴に通される配管または配線の接続部を保護するための筐体である。
【0060】
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0061】
以下、本開示のいくつかの態様について説明する。
【0062】
第1の態様は、壁体に設けられる貫通穴に挿入される筒状部と、前記筒状部の一端から径方向外側に延び、前記壁体と対向する第1面および前記第1面とは反対側の第2面を有する鍔部と、を含む本体部材と、前記第1面に沿う第1部分と、前記第2面に沿う第2部分と、前記筒状部の内周面に沿って前記筒状部の前記一端から他端まで延びる内延部分と、前記筒状部の前記他端を越えて延びる外延部分と、を含む止水部材と、前記筒状部の外周面に取り付けられ、前記鍔部との間で前記壁体および前記第1部分を挟み込む第1固定部材と、前記外延部分の外面に取り付けられ、前記外延部分の内側に通される配管または配線との間で前記外延部分を挟み込む第2固定部材と、を備える止水構造である。第1の態様によれば、第1固定部材を用いて、壁体と本体部材の間を止水部材で密閉するとともに、第2固定部材を用いて、配管または配線と本体部材の間を止水部材で密閉できる。また、第1固定部材および第2固定部材が壁体の一方の側に配置されるため、壁体の両側から固定部材を締結する場合に比べて、締結作業を簡便にできる。これにより、メンテナンス性に優れた止水構造を提供できる。
【0063】
第2の態様は、前記止水部材は、前記第1部分から前記鍔部に向けて突出し、周方向に延在する突起部を含む、第1の態様に記載の止水構造である。第2の態様によれば、突起部を設けることにより、止水部材が本体部材から外れにくくすることができる。また、壁体と本体部材の間の止水性を向上できる。
【0064】
第3の態様は、前記止水部材は、前記第1部分と前記第2部分との間を接続し、前記第1部分から前記第2部分に向けて曲線状に延びる第1接続部分を含む、第1または第2の態様に記載の止水構造である。第3の態様によれば、止水部材の第1部分と第2部分を接続する第1接続部分を曲線状に構成することにより、第1部分と第2部分の間にゆとりを持たせることができる。これにより、止水部材が本体部材の角やエッジに押圧されて擦れることによる止水部材の損傷を抑制できる。
【0065】
第4の態様は、前記止水部材は、前記第2部分と前記内延部分との間を接続し、前記第2部分から前記内延部分に向けて曲線状に接続する第2接続部分を含む、第1から第3のいずれか一つの態様に記載の止水構造である。第4の態様によれば、止水部材の第2部分と内延部分を接続する第2接続部分を曲線状に構成することにより、第2部分と内延部分の間にゆとりを持たせることができる。これにより、止水部材が本体部材の角やエッジに押圧されて擦れることによる止水部材の損傷を抑制できる。
【0066】
第5の態様は、前記本体部材は、前記鍔部の前記第2面と前記筒状部の前記内周面との間に隅切部が形成される、第1から第4のいずれか一つの態様に記載の止水構造である。第5の態様によれば、本体部材の鍔部と筒状部の間に隅切部を形成することにより、隅切部の近傍において本体部材と止水部材の間にゆとりを持たせることができる。これにより、止水部材が本体部材の角やエッジに押圧されて擦れることによる止水部材の損傷を抑制できる。
【0067】
第6の態様は、前記本体部材は、前記筒状部の前記外周面に形成されるねじ溝を有し、前記第1固定部材は、前記本体部材の前記ねじ溝と螺合することにより、前記筒状部の前記外周面に取り付けられる、第1から第5のいずれか一つの態様に記載の止水構造である。第6の態様によれば、本体部材にねじ溝を形成することにより、第1固定部材を本体部材に簡単に取り付けることができ、メンテナンス性に優れた止水構造を提供できる。
【0068】
第7の態様は、第1から第6のいずれか一つの態様に記載の止水構造を用いる止水方法であって、前記第1固定部材を用いて、前記鍔部と前記第1固定部材との間に前記壁体および前記第1部分を挟み込んで締結することと、前記第2固定部材を用いて、前記配管または配線と前記第2固定部材との間に前記外延部分を挟み込んで締結することと、を備える止水方法である。第7の態様によれば、第1固定部材および第2固定部材が壁体の一方の側に配置されるため、壁体の両側から固定部材を締結する場合に比べて、締結作業を簡便にできる。これにより、メンテナンス性に優れた止水構造を提供できる。
【0069】
第8の態様は、前記第1固定部材を締結する前に、前記止水部材が取り付けられた前記本体部材の前記筒状部を前記貫通穴に挿入することと、前記第2固定部材を締結する前に、前記止水部材の前記内延部分および前記外延部分の内側に前記配管または前記配線を通すことと、をさらに備える、第7の態様に記載の止水方法である。第8の態様によれば、止水部材が取り付けられた本体部材を貫通穴に挿入すればよいため、本体部材とは別のシール部材を取り付ける場合に比べて作業を簡便にできる。また、本体部材を貫通穴に取り付ける前または後のいずれであっても、配管または配線を通すことができるため、作業を簡便にできる。
【0070】
第9の態様は、前記壁体は、前記配管または前記配線の接続部を保護する接続ボックスの筐体であり、前記鍔部は、前記接続ボックスの外部に配置され、前記第1固定部材および前記第2固定部材は、前記接続ボックスの内部に配置される、第7または第8の態様に記載の止水方法である。第9の態様によれば、第1固定部材および第2固定部材の双方が接続ボックスの内部に配置されるため、接続ボックスの内部および外部の両側から固定部材を締結する場合に比べて、締結作業を簡便にできる。
【0071】
第10の態様は、上部に立上げ管が設けられる地下タンクと、前記地下タンクに注油する燃料を地上で受け入れるための注油口と、前記地下タンクに貯蔵される燃料を地上で給油するための計量機と、前記地下タンク内のガスを地上で出し入れするための通気口と、前記地下タンクの内部を計測する計測器具と、前記地下タンクと前記注油口の間を接続する注油管と、前記地下タンクと前記計量機の間を接続する給油管と、前記地下タンクと前記通気口の間を接続する通気管と、前記計測器具に接続される配線と、前記立上げ管を収容し、前記注油管、前記給油管および前記通気管のいずれかの配管または前記配線が通される貫通穴が設けられる壁体を有するサンプボックスと、前記配管または前記配線と、前記壁体との間に設けられる第1から第6のいずれか一つの態様に記載の止水構造と、を備え、前記止水構造は、前記鍔部が前記サンプボックスの外部に配置され、前記第1固定部材および前記第2固定部材が前記サンプボックスの内部に配置される向きで取り付けられる、燃料供給装置である。第10の態様によれば、第1固定部材および第2固定部材の双方がサンプボックスの内部に配置されるため、サンプボックスの内部から固定部材を再締結できる。これにより、メンテナンス性に優れた燃料供給装置を提供できる。
【0072】
上述した実施の形態または態様に係る構成の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0073】
10…止水構造、12…本体部材、14…止水部材、16…第1固定部材、18…第2固定部材、22…壁体、24…貫通穴、26…配管、28a…外部、28b…内部、30…筒状部、30a…一端、30b…他端、30c…内周面、30d…外周面、32…鍔部、32a…第1面、32b…第2面、34…隅切部、36…鍔被覆部、36a…第1部分、36b…第2部分、36c…第1接続部分、36d…第2接続部分、36e…突起部、38…延長部、38a…内延部分、38b…外延部分、30e…ねじ溝、50…燃料供給装置、52…地下タンク、54…注油口、56…計量機、58…通気口、60…サンプボックス、62…配線、64…注油管、66…給油管、68…通気管、70…立上げ管、72…計測器具、80…壁体、82…貫通穴。