(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139600
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H03K 17/22 20060101AFI20241002BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20241002BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241002BHJP
G05F 1/56 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H03K17/22 E
H01L27/06 102A
H01L27/04 F
H03K17/22 B
G05F1/56 310A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050617
(22)【出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関谷 勇一
【テーマコード(参考)】
5F038
5F048
5H430
5J055
【Fターム(参考)】
5F038DF07
5F038DF17
5F048AB03
5F048AB04
5F048AB10
5F048AC01
5H430BB01
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5H430GG08
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5J055AX21
5J055AX57
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5J055BX41
5J055CX10
5J055DX01
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5J055EY21
5J055EZ01
5J055EZ09
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX05
(57)【要約】
【課題】レギュレータ回路の起動タイミング及びパワーオンリセット回路のリセット生成タイミングを整合できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置11は、レギュレートされた内部電圧を内部電源線25に提供すると共に第1電源線21と第2電源線23との間に接続される電圧レギュレータ15と、第1電源線21と第2電源線23との間において動作するパワーオンリセット回路17と、を備え、パワーオンリセット回路17は、第1電源線21と第2電源線23との間に接続された論理回路31及び検知回路33を含み、検知回路33は、第1電源線21と検知出力33cとの間において互いに並列に接続された抵抗素子41及びキャパシタ43を含む負荷回路37と、内部電源線25に接続されたゲート及び検知出力33cに接続されたドレインを有するMIS型トランジスタ39を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源線に接続された第1電極と、
前記第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間において動作するように構成された電圧レギュレータであって、前記電圧レギュレータは、内部電源線にレギュレートされた内部電圧を提供する、電圧レギュレータと、
前記第1電源線と前記第2電源線との間において動作するように構成されたパワーオンリセット回路と、
を備え、
前記パワーオンリセット回路は、
前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続された検知回路及び論理回路、並びにPOR出力を含み、
前記論理回路は、前記検知回路の検知出力に接続される入力、及び前記POR出力に接続された出力を有し、
前記検知回路は、
前記第1電源線と前記検知出力との間に接続された負荷回路と、
前記内部電源線に接続されたゲート、前記第2電源線に接続されたソース、及び前記検知出力に接続されたドレインを有するMIS型トランジスタと、
を含み、
前記負荷回路は、前記第1電源線と前記検知出力との間において互いに並列に接続された抵抗素子及びキャパシタを含む、
半導体装置。
【請求項2】
前記パワーオンリセット回路の前記POR出力に接続されたレベルダウン回路を更に備え、
前記レベルダウン回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間の電圧値の信号から前記第2電源線と前記内部電源線との間の電圧値の信号を生成する、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項3】
前記抵抗素子は、前記第1電源線と前記検知出力との間に接続された抵抗体を含む、
請求項1に記載された半導体装置。
【請求項4】
前記キャパシタは、前記第1電源線と前記検知出力との間に接続された第2MIS型トランジスタのゲート容量を含む、
請求項1に記載された半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、外部電源電圧と、オンチップレギュレータより降圧した内部電源電圧との2種類の動作電圧を使用するシステムLSIを開示する。このシステムLSIは、動作電圧検出回路のためにパワーオンリセット回路を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO05-091503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体集積回路装置、例えば大規模集積回路(LSI)は、オンチップのレギュレータ回路を備え、このレギュレータ回路は、外部電圧から降圧された電圧を半導体集積回路装置内の内部回路(例えば、デジタル回路)に供給する。デジタル回路には、リセット信号が提供されて、このリセット信号は、オンチップのパワーオンリセット回路によって発生される。
【0005】
しかしながら、レギュレータ回路の出力の起動、及びパワーオンリセット回路のリセット信号の生成は、電源起動時において複雑な事象である。電源起動が長いと、リセット信号が生成されないことがあり得る。また、電源起動が速いと、リセット信号が生成されないことがあり得る。レギュレータ回路からの内部電源電圧が内部回路の動作に適切な値でない場合には、例えば、内部回路のデジタル回路は、パワーオンリセット回路のリセット信号によってリセットされない可能性がある。また、内部回路のリセットには、内部回路のための電圧レベルの信号を必要とする。
【0006】
パワーオンリセット回路は、外部電源電圧或いは内部電源電圧からのいずれかから給電される。電源起動時に、パワーオンリセット回路に確実にリセット信号を生成させることが必要である。
【0007】
求められていることは、レギュレータ回路の起動の後に、パワーオンリセット回路にリセット信号を生成させることである。
【0008】
本発明は、レギュレータ回路の起動タイミング及びパワーオンリセット回路のリセット生成タイミングを整合できる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様に係る半導体装置は、第1電源線に接続された第1電極と、前記第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間において動作するように構成された電圧レギュレータであって、前記電圧レギュレータは、内部電源線にレギュレートされた内部電圧を提供する、電圧レギュレータと、前記第1電源線と前記第2電源線との間において動作するように構成されたパワーオンリセット回路と、を備え、前記パワーオンリセット回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続された検知回路及び論理回路、並びにPOR出力を含み、前記論理回路は、前記検知回路の検知出力に接続される入力、及び前記POR出力に接続された出力を有し、前記検知回路は、前記第1電源線と前記検知出力との間に接続された負荷回路と、前記内部電源線に接続されたゲート、前記第2電源線に接続されたソース、及び前記検知出力に接続されたドレインを有するMIS型トランジスタと、を含み、前記負荷回路は、前記第1電源線と前記検知出力との間において互いに並列に接続された抵抗素子及びキャパシタを含む。
【発明の効果】
【0010】
上記の側面によれば、レギュレータ回路の起動タイミング及びパワーオンリセット回路のリセット生成タイミングを整合できる半導体装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る半導体装置のパワーオンリセット回路を示す回路図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2に示された半導体装置における外部電源の起動の際の主要なノードの波形を示す図面である。
【
図4】
図4は、
図1及び
図2に示された半導体装置における外部電源の起動の際の主要なノードの波形を示す図面である。
【
図5】
図5は、RC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置の構成を概略的に示す図面である。
【
図6】
図6は、RC型パワーオンリセット回路を示す回路図である。
【
図7】
図7は、RC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置における主要ノードの動作波形を示す図面である。
【
図8】
図8は、DC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置の構成を概略的に示す図面である。
【
図9】
図9は、DC型パワーオンリセット回路を示す回路図である。
【
図10】
図10は、DC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置における主要ノードの動作波形を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための各実施の形態について説明する。同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付して、複写的な記述を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る半導体装置の構成を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る半導体装置のパワーオンリセット回路を示す回路図である。
【0014】
図1を参照すると、半導体装置11は、電極13、電圧レギュレータ15、及びパワーオンリセット回路17を備える。電極13は、外部電源10からの電力を受けることができるように構成され、また第1電源線21(例えば、DVDD)に接続される。電圧レギュレータ15は、第1電源線21と第1電源線21と異なる第2電源線23(例えば、VSS)との間において動作するように構成され、また電圧レギュレータ15は、内部電源線25にレギュレートされた内部電圧を提供するように構成される。パワーオンリセット回路17は、第1電源線21と第2電源線23との間において動作するように構成される。
【0015】
図2を参照すると、半導体装置では、パワーオンリセット回路17は、論理回路31、検知回路33、及びPOR出力35を含むことができる。論理回路31及び検知回路33は、第1電源線21と第2電源線23との間に接続される。論理回路31は、入力31b及び出力31cを有し、入力31bは、検知回路33に接続され、出力31cは、POR出力35に接続される。また、検知回路33は、入力33b及び検知出力33cを有し、入力33bは、パワーオンリセット回路17の入力17bを介して内部電源線25又は内部電源線25の電位を生成する回路に接続され、検知出力33cは、論理回路31の入力31bに接続される。
【0016】
論理回路31は、検知回路33の検知出力33cからの検知信号を受けて、論理信号(第1電源線21及び第2電源線23の電圧振幅を有する信号)を生成する。検知回路33は、負荷回路37及びMIS型トランジスタ39を含む。MIS型トランジスタ39は、パワーオンリセット回路17の入力17bを介して内部電源線25に接続されたゲート(G)、第2電源線23に接続されたソース(S)、及び検知出力33cに接続されたドレイン(D)を有する。例示的な負荷回路37は、互いに並列に接続された抵抗素子41及びキャパシタ43を含み、抵抗素子41及びキャパシタ43は、第1電源線21と検知出力33cとの間に接続される。具体的には、抵抗素子41の一端41b及びキャパシタ43の一端43bが第1電源線21に接続され、抵抗素子41の他端41c及びキャパシタ43の他端43cは、MIS型トランジスタ39のドレイン(D)(検知出力33c)に接続される。
【0017】
検知回路33では、MIS型トランジスタ39が非導通であるとき、MIS型トランジスタ39のドレイン(D)は、第1電源線21の電圧を受ける。MIS型トランジスタ39が導通すると、検知出力33cの電圧が遷移する。具体的には、MIS型トランジスタ39からの電子がキャパシタ43の他端43cに移動して、キャパシタ43の他端43cの電位が変化する(具体的には、他端43cの電位が下がる)。出力31cの電位は、抵抗素子41に流れる電流がMIS型トランジスタ39に流れる電流と釣り合うように決定される。出力31cの電圧遷移の波形に関しては、MIS型トランジスタ39が導通するとき、MIS型トランジスタ39のドレイン(D)は、第2電源線23の電圧に近い電圧を受ける。
【0018】
この半導体装置11によれば、パワーオンリセット回路17は、第1電源線21と第2電源線23との間において動作する。負荷回路37のキャパシタ43は、外部電源の起動に応答する第1電源線21の電位の上昇に際して、検知出力33cに、第2電源線23の電位よりも第1電源線21の電位に近い初期電位を与える。具体的には、負荷回路37の抵抗素子41は、第1電源線21の電位の起動に際してMIS型トランジスタ39が導通していないので、検知出力33cの初期電位(DVDD電位)を第1電源線21の電位に維持するように作用する。電圧レギュレータ15が内部電圧を生成すると、パワーオンリセット回路17のMIS型トランジスタ39は、内部電源線25の電位変化に応答して導通する。この導通は、電圧レギュレータ15が電圧制御の動作を行うことができることを示す。MIS型トランジスタ39の導通は、検知出力33cの電圧を第2電源線23の電源電位へ変化させる。検知出力33cの電圧変化に応答して、POR出力35が変化する。
【0019】
再び
図1を参照すると、電圧レギュレータ15は、出力15b及び基準電圧入力15cを有する。出力15bが内部電源線25に接続される。基準電圧入力15cは、第1電源線21と第2電源線23との間に接続される基準電圧生成回路45からの基準電圧VREFを受ける。電圧レギュレータ15は、例えばシリーズレギュレータであって、駆動回路47及び差動増幅回路49を含むことができる。差動増幅回路49は、第1入力(+)49b、第2入力(-)49c及び差動出力49dを有し、第1入力(+)49bは基準電圧VREFを受ける。第2入力(-)49cは電圧レギュレータ15の出力15bからの帰還信号を受ける。差動出力49dは、駆動回路47を駆動する駆動信号を提供する。駆動回路47は、例えばMIS型トランジスタ、具体的には、p型トランジスタPMを含む。p型トランジスタPMのソース(S)は第1電源線21に接続され、ドレイン(D)は、内部電源線25に接続され、ゲート(G)は差動増幅回路49の差動出力49dからの制御信号を受ける。
【0020】
内部電源線25は、内部回路51に接続されて、内部回路51内のデジタル回路及び/又はアナログ回路に給電する。電圧レギュレータ15の出力15b及び内部電源線25は、パッド電極といった電極53に接続されることができる。
【0021】
半導体装置11は、さらに、レベルダウン回路55を備えることができ、レベルダウン回路55は、第1電源線21と第2電源線23との間の電圧値の信号から内部電源線25と第2電源線23との間の電圧値の信号を生成する。具体的には、パワーオンリセット回路17のPOR出力35からの信号(por_hv)を入力55bに受けて、信号(por_lv)を出力55cに生成する。レベルダウン回路55は、内部回路51にリセット信号を提供できる。
【0022】
この半導体装置11によれば、外部から与えられる外部電圧(DVDD)の第1電源線21と第2電源線23との間でパワーオンリセット回路17を動作させる。外部電圧(DVDD)は、電圧レギュレータ15の出力15bの内部電圧に比べて安定しているので、パワーオンリセット回路17の動作を安定させることができる。レベルダウン回路55は、このパワーオンリセット回路17からの信号(por_hv)を信号(por_lv)に変換する。
【0023】
パワーオンリセット回路17の抵抗素子41は、MIS型トランジスタのソース領域又はドレイン領域のためのドープされた半導体領域、MIS型トランジスタのゲート電極のための半導体層、或いはその他の抵抗層を含む抵抗体を備えることができる。また、パワーオンリセット回路17のキャパシタ43は、第1電源線21と出力31cとの間に接続されたMIS型トランジスタのゲート容量を含むことができる。
【0024】
パワーオンリセット回路17の抵抗素子41は、いわゆるプルアップ抵抗として働くことができる。また、パワーオンリセット回路17は、POR出力35と第2電源線23との間に接続された抵抗素子57を含むことができ、例示的な抵抗素子57は、プルダウン抵抗として働くことができる。抵抗素子57も、抵抗素子41と同様に、MIS型トランジスタのソース領域又はドレイン領域のためのドープされた半導体領域、MIS型トランジスタのゲート電極のための半導体層、或いはその他の抵抗層を含むことができる。
【0025】
図3及び
図4は、
図1及び
図2に示された半導体装置における外部電源の起動の際の主要なノードの波形を示す図面である。
【0026】
図3では、実線は、外部電源10の立ち上がり標準的な波形を表す。時刻は、標準的な波形に対して付される。
【0027】
時刻t1において、外部電源10が立ち上がる。この立ち上がりとほぼ同時に、パワーオンリセット回路17の検知回路33の出力(
図2の「VB」)の電圧も上昇する。
【0028】
時刻t2において、第1電源線21の電圧上昇に従って、基準電圧生成回路45が動作して、基準電圧VREFが、第1電源線21の電圧上昇に従って上昇する。
【0029】
時刻t3において、第1電源線21の電圧上昇が完了する。
【0030】
時刻t4において、電圧レギュレータ15が起動して、内部電源線25の電圧(VDDL)が上昇する。
【0031】
時刻t5において、電圧レギュレータ15の起動の後に、パワーオンリセット回路17の検知回路33が、電圧レギュレータ15の出力に接続された内部電源線25の電圧上昇を検知して、検知回路33の検知出力33cの電圧(VB)が低下する。
【0032】
時刻t6において、パワーオンリセット回路17の論理回路31が、検知回路33の検知出力33cの電圧変化を検知して、パワーオンリセット回路17は、POR出力35に信号(por_hv)を生成する。この信号(por_hv)はレベルダウン回路55に与えられて、レベルダウン回路55が信号(por_lv)を生成する。この信号(por_lv)がリセット信号として使用されることができる。本実施例では、時刻t8において、信号(por_lv)の変化が完了し、時刻t9において、信号(por_hv)の変化が完了する。
【0033】
電圧レギュレータ15の出力電圧は、時刻t5以降のある時刻t7において、基準電圧VREFに従った出力電圧に到達して、その電圧が維持される。この時刻辺りにおいて、内部回路51はリセット信号に対して適切に応答できる。
【0034】
図3に示される破線は、実線に比べて遅い立ち上がりの波形を表す。いくつかの回路ノードは、外部電源のゆっくりした立ち上がりに応答して、緩やかな遷移波形になる。この緩やかな遷移波形に応答する回路は、外部電源10の立ち上がりの標準的な時刻より後の時刻において応答する。しかしながら、個々の回路の出力の変化は、時刻の遅れであって、波形の消失といった変化は生じない。
【0035】
図3の波形によれば、電圧レギュレータ15の動作が開始されて、電圧レギュレータ15の出力が上昇した後に、パワーオンリセット回路17のノード(VB)が変化して、リセット期間が終了する。
【0036】
図4では、実線は、
図3と同様に、外部電源10の立ち上がりの標準的な波形を表す。
図4に示される破線は、実線に比べて速い立ち上がりの波形を表す。時刻は、標準的な波形に対して付される。
【0037】
いくつかの回路ノードは、外部電源の速やかな立ち上がりに応答して、速やかな遷移波形になる。速やかな遷移波形に応答する回路は、外部電源10の立ち上がりの標準的な時刻より先に時刻において応答する。しかしながら、個々の回路の出力の変化は、時刻の先取りであって、波形の消失といった変化は生じない。
図4の波形によれば、電圧レギュレータ15の動作が開始されて、電圧レギュレータ15の出力が上昇した後に、リセット期間が終了する。
【0038】
図4の波形によれば、電圧レギュレータ15の動作が開始されて、電圧レギュレータ15の出力が上昇した後に、同様に、パワーオンリセット回路17のノード(VB)が変化して、リセット期間が終了する。
【0039】
いずれの電源電圧の上昇速度においても、パワーオンリセット回路17は、電圧レギュレータ15の出力に接続された内部電源線25の電圧上昇を検知して、その検知に従ってPOR出力35が変化する。これ故に、リセット期間は、電圧レギュレータ15の出力に接続された内部回路51が動作可能になった後に、解除される。
【0040】
パワーオンリセット(POR)回路には、RC型パワーオンリセット回路及びDC型パワーオンリセット回路がある。
【0041】
図5は、RC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置の構成を概略的に示す図面である。
図6は、RC型パワーオンリセット回路を示す回路図である。
【0042】
RC型パワーオンリセット回路は、外部電源10からの電源電圧を受けて動作する。RC型パワーオンリセット回路からの信号(por_hv)は、レベルダウン回路55によって信号(por_lv)に変換される。また、パワーオンリセット回路からの信号(por_hv)は、レギュレータ回路に与えられて、レギュレータ回路の起動を制御する。
【0043】
RC型パワーオンリセット回路は、外部電源の起動時に、p型トランジスタP1とキャパシタC1とのCR時定数によってリセット期間の終期を決める。具体的には。ノードVN1が、外部電源の起動時に、「L」レベルである。ノードVN2が「H」レベルであり、ノードVN3が「L」レベルである。外部電源10の起動時にノードVN4が「H」レベルであるので、n型トランジスタN2は導通する。これ故に、p型トランジスタP1は、外部電源の起動時に導通している。このp型トランジスタP1に流れる電流がキャパシタC1を充電して、この充電により、ノードVN1のレベルを上昇させる。ノードVN1のレベルの上昇に応答して、ノードVN2、ノードVN3、及びノードVN4のレベルが順に反転する。最終的に、ノードVN4が「L」レベルに変化するので、n型トランジスタN2は非導通になると共に、p型トランジスタのゲートは、n型トランジスタN1を介して電圧を受ける。
【0044】
図7は、RC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置における主要ノードの動作波形を示す。実線を参照すると、CR時定数で規定されるリセット期間が与えられる。
【0045】
しかしながら、このCR時定数は、電源の立ち上がり期間と独立しているので、電源の立ち上がり期間が、
図7の破線によって示されるように、CR時定数による期間より長くなると、リセット期間が消失する。このため、適切なリセット信号が提供されない。
【0046】
具体的には、10ミリ秒程度の電源の立ち上がり期間を越えるCR時定数を提供することは、その回路サイズの観点で実用的ではないことがある。
【0047】
図8は、DC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置の構成を概略的に示す図面である。
図9は、DC型パワーオンリセット回路を示す回路図である。
【0048】
外部電源の起動時に基準電圧VREFが供給されるまで、n型トランジスタN3のゲートは不定である。これ故に、接地電位をゲートに受けるp型トランジスタP2の導通により、外部電源10の起動時にノードVN5をレベル「H」にする。この後に、基準電圧VREFが供給されると、n型トランジスタN3が導通して、ノードVN5をレベル「L」にする。n型トランジスタN3が導通するまでの期間が、リセット期間になる。
【0049】
図10は、DC型パワーオンリセット回路を用いる半導体装置における主要ノードの動作波形を示す。実線を参照すると、基準電圧VREFが立ち上がる期間の終期が、リセット期間を規定する。
【0050】
しかしながら、電源の立ち上がりが速いと、ノードVN5がレベル「H」になるときには、基準電圧VREFが既に立ち上がっていることがある。このときには、適切なリセット信号が提供されない。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、レギュレータ回路に起動タイミング及びパワーオンリセット回路にリセット生成タイミングを整合できる半導体装置を提供できる。半導体装置は、リセット期間を提供できる。
【0052】
本実施形態は、様々な側面を有する。
【0053】
本実施形態に係る第1側面の半導体装置は、第1電源線に接続された第1電極と、前記第1電源線と前記第1電源線と異なる第2電源線との間において動作するように構成された電圧レギュレータであって、前記電圧レギュレータは、内部電源線にレギュレートされた内部電圧を提供する、電圧レギュレータと、前記第1電源線と前記第2電源線との間において動作するように構成されたパワーオンリセット回路と、を備え、前記パワーオンリセット回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間に接続された検知回路及び論理回路、並びにPOR出力を含み、前記論理回路は、前記検知回路の検知出力に接続される入力、及び前記POR出力に接続された出力を有し、前記検知回路は、前記第1電源線と前記検知出力との間に接続された負荷回路と、前記内部電源線に接続されたゲート、前記第2電源線に接続されたソース、及び前記検知出力に接続されたドレインを有するMIS型トランジスタと、を含み、前記負荷回路は、前記第1電源線と前記検知出力との間において互いに並列に接続された抵抗素子及びキャパシタを含む。
【0054】
第1側面に係る第2側面の半導体装置は、前記パワーオンリセット回路の前記POR出力に接続されたレベルダウン回路を更に備え、前記レベルダウン回路は、前記第1電源線と前記第2電源線との間の電圧値の信号から前記第2電源線と前記内部電源線との間の電圧値の信号を生成することができる。
【0055】
第1側面又は第2側面に係る第3側面の半導体装置では、前記抵抗素子は、前記第1電源線と前記検知出力と間に接続された抵抗体を含むことができる。
【0056】
第1側面から第3側面のいずれか一側面に係る第4側面の半導体装置では、前記キャパシタは、前記第1電源線と前記検知出力との間に接続された第2MIS型トランジスタのゲート容量を含むことができる。
【0057】
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
10・・・外部電源、11・・・半導体装置、13・・・第1電極、15・・・電圧レギュレータ、15b・・・出力、15c・・・基準電圧入力、17・・・パワーオンリセット回路、17b・・・入力、21・・・第1電源線、23・・・第2電源線、25・・・内部電源線、31・・・論理回路、31b・・・入力、31c・・・出力、33・・・検知回路、33b・・・入力、33c・・・検知出力、35・・・出力、37・・・負荷回路、39・・・トランジスタ、41・・・抵抗素子、43・・・キャパシタ、45・・・基準電圧生成回路、47・・・駆動回路、49・・・差動増幅回路、49d・・・差動出力、51・・・内部回路、53・・・電極、55・・・レベルダウン回路、55b・・・入力、55c・・・出力、57・・・抵抗素子、C1・・・キャパシタ、VN1、VN2、VN3、VN4、VN5・・・ノード、VREF・・・基準電圧。