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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139638
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】自動試料生成供給装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
G01N35/10 C
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050680
(22)【出願日】2023-03-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年12月7日一般社団法人粉体工学会秋期研究発表会にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】000113355
【氏名又は名称】ホソカワミクロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003007
【氏名又は名称】弁理士法人謝国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹辺 修司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 達也
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058EA02
2G058EA04
2G058ED03
2G058ED04
2G058ED06
(57)【要約】
【課題】 小型の自動試料生成供給装置の提供。
【解決手段】 自動試料生成供給装置100は、駆動力発生部、駆動力によって回転駆動する第1の回転軸103aとともに回転する第1のプーリ103b、所定の位置に固定される第2の回転軸103cを中心に回転できるように配置される第2のプーリ103d、第1のプーリ103b、第2のプーリ103dに巻回され、第1のプーリ103bの回転にともなって第2のプーリ103dを回転させる第1のベルト103f、第2の回転軸103cに固定される第3のプーリ103g、第2のプーリ103dとともに回転するアーム筐体103h、アーム筐体103hに対して回転できるように配置される第4の回転軸103jとともに回転する第4のプーリ103k、第3のプーリ103g、第4のプーリ103kに巻回され、第4のプーリ103kの回転とともに回転する第2のベルト103m、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器に、分析対象である分析試料を生成し、生成した前記分析試料を、前記試料容器から、所定の分析装置に提供し、所定の装置配置平面に配置される自動試料生成供給装置であって、
所定の位置に固定される第1の回転軸を回転駆動する駆動力を発生する駆動力発生部、
所定の位置に固定され、前記駆動力によって回転駆動する第1の回転軸、
前記第1の回転軸に固定され、前記第1の回転軸とともに回転する第1のプーリ、
前記第1の回転軸に平行に配置され、所定の位置に固定される第2の回転軸、
前記第2の回転軸を中心に、前記第2の回転軸に対して回転できるように配置される第2のプーリ、
前記第1のプーリ、及び、前記第2のプーリに巻回され、前記第1のプーリの回転にともなって、前記第2のプーリを回転させる第1のベルト、
前記第2の回転軸に固定される第3のプーリ、
前記第2のプーリに固定され、前記第2のプーリとともに回転するアーム、
前記アームの第2の回転軸と平行に配置され、前記アームに対して回転できるように配置される第4の回転軸、
前記第4の回転軸とともに回転する第4のプーリ、
前記第3のプーリ、及び、前記第4のプーリに巻回され、前記第4のプーリの回転とともに回転する第2のベルト、
前記試料容器に前記分析試料を生成する試料、及び/又は、溶媒を供給し、及び/又は、所定量の前記分析試料を取得する分析試料生成取得部、
前記分析試料生成取得部を取り付ける取付平面であって、前記第4の回転軸に形成される取付平面、
を有する自動試料生成供給装置。
【請求項2】
請求項1に係る自動試料生成供給装置において、
前記第2回転軸を中心とする前記アームの回転方向と、前記第4の回転軸の回転方向とが反対であること、及び、前記第2の回転軸を中心とする前記アームの回転角度と、前記第4の回転軸の回転角度とが同じであること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。
【請求項3】
請求項2に係る自動試料生成供給装置において、
前記第3のプーリ、及び、前記第4のプーリは、
同じ歯数を有すること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。
【請求項4】
請求項2に係る自動試料生成供給装置において、
前記アームは、前記分析試料生成取得部が前記分析試料を取得する生成取得位置から、前記分析試料生成取得部において、前記試料、前記溶媒、又は、前記分析試料に接する部分を洗浄する洗浄位置までに、180度回転すること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動試料生成供給装置に関し、特に、小型で、細かな調整を要することなく分析試料生成取得部を回転移動できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動試料生成供給装置について、図11に示すノズル移動機構(100)を有する自動サンプリング装置を用いて説明する。所定の試薬容器又は試料容器から試薬又は試料を吸引して他の容器内に吐出する自動サンプリング装置に用いるノズル移動機構(100)は、ノズルを保持するノズルホルダ(1)と、このノズルホルダー(1)を回動可能に固定して、1つの平面上を循環させる無端循環長手体であるローラ・チエン(2)と、この長手体を、その循環路の内側から回動可能に支持して、その循環方向を上向き及び下向きに変換させる、少なくとも3つ以上の方向変換用の回動体であるスプロケット(3)と、これらの回動体の一つに連結され、この回動体を回動させる1つの駆動モータであるステッピングモータ(6)と、この駆動モータの作動を制御する作動制御手段と、ノズルホルダ(1)に連結され、ノズル(1a)の噴出口を常時下向きに制御するように、ノズルホルダ(1)の循環運動を往復運動に変換させるリンク手段であるリンク機構(7)とを備える。
【0003】
これにより、ノズル(1a)を上下及び水平移動させる駆動源は1つとすると共に、ノズル(1a)が所定の移動軌跡以外の位置にこない様に運動を規制して、ノズル移動の制御と安全対策を簡素化する(以上、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60-119468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の自動サンプリング装置におけるノズル移動機構(100)には、以下に示すような改善すべき点がある。前述のノズル移動機構(100)では、3つのスプロケット(3)、及び、1つの駆動スプロケット(4)、つまり、4つのスプロケットを用いて循環軌道を形成しているため、配置するローラ・チエン(2)の長さが長くなる。また、ローラ・チエン(2)に、ノズルホルダ(1)を懸垂取り付けする。このため、ローラ・チエン(2)のテンション、軌道等について、細かい調整が必要となる、という改善すべき点がある。
【0006】
また、4つのスプロケットを用いて、ノズルホルダ(1)の軌道を含み、ノズルホルダ(1)の軌道より大きい範囲にローラ・チエン(2)を配置する必要があるため、装置が大型化する、という改善すべき点がある。
【0007】
そこで、本発明は、小型で、細かな調整を要することなく分析試料生成取得部を回転移動できる自動試料生成供給装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明における課題を解決するための手段及び発明の効果を以下に示す。
【0009】
本発明に係る自動試料生成供給装置は、試料容器に、分析対象である分析試料を生成し、生成した前記分析試料を、前記試料容器から、所定の分析装置に提供し、所定の装置配置平面に配置される自動試料生成供給装置であって、所定の位置に固定される第1の回転軸を回転駆動する駆動力を発生する駆動力発生部、所定の位置に固定され、前記駆動力によって回転駆動する第1の回転軸、前記第1の回転軸に固定され、前記第1の回転軸とともに回転する第1のプーリ、前記第1の回転軸に平行に配置され、所定の位置に固定される第2の回転軸、前記第2の回転軸を中心に、前記第2の回転軸に対して回転できるように配置される第2のプーリ、前記第1のプーリ、及び、前記第2のプーリに巻回され、前記第1のプーリの回転にともなって、前記第2のプーリを回転させる第1のベルト、前記第2の回転軸に固定される第3のプーリ、前記第2のプーリに固定され、前記第2のプーリとともに回転するアーム、前記アームの第2の回転軸と平行に配置され、前記アームに対して回転できるように配置される第4の回転軸、前記第4の回転軸とともに回転する第4のプーリ、前記第3のプーリ、及び、前記第4のプーリに巻回され、前記第3のプーリの回転とともに前記第4のプーリを回転させる第2のベルト、前記試料容器に前記分析試料を生成する試料、及び/又は、溶媒を供給し、及び/又は、所定量の前記分析試料を取得する分析試料生成取得部、前記分析試料生成取得部を取り付ける取付平面であって、前記第4の回転軸に形成される取付平面、を有する。
【0010】
これにより、第1の回転軸に回転駆動力を与えるだけで、分析試料生成取得部を回転移動できる。また、2つのベルトを用いて、分析試料生成取得部を回転移動するため、自動試料生成供給装置を小型化できる。
【0011】
本発明に係る自動試料生成供給装置では、前記第2回転軸を中心とする前記アームの回転方向と、前記第4の回転軸の回転方向とが反対であること、及び、前記第2の回転軸を中心とする前記アームの回転角度と、前記第4の回転軸の回転角度とが同じであること、を特徴とする。
【0012】
これにより、装置配置平面と前記取付平面との関係を維持しながら、分析試料生成取得部を、回転移動できる。つまり、装置配置平面、取付平面を水平とすれば、水平を維持しながら、分析試料生成取得部を、回転移動できる。
【0013】
本発明に係る自動試料生成供給装置では、前記第3のプーリ、及び、前記第4のプーリは、同じ歯数を有すること、を特徴とする。
【0014】
これにより、容易に、装置配置平面、取付平面を水平とすれば、水平を維持しながら、分析試料生成取得部を、回転移動できる。
【0015】
本発明に係る自動試料生成供給装置では、前記アームは、前記分析試料生成取得部が前記分析試料を取得する生成取得位置から、前記分析試料生成取得部において、前記試料、前記溶媒、又は、前記分析試料に接する部分を洗浄する洗浄位置までに、180度回転すること、を特徴とする。
【0016】
これにより、生成取得位置と洗浄位置とを、対向する位置に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る自動試料生成供給装置の一実施例である自動試料生成供給装置100を示す図であり、回転アーム部103が生成取得位置にある状態を示す。
図2】自動試料生成供給装置100の構成を示す図であり、回転アーム部103が洗浄位置にある状態を示す。
図3】分析試料生成取得部101の構成を示す図である。
図4】回転アーム部103の構成を示す図である。
図5】回転アーム部103の構成を示す図である。
図6】第2の回転軸103cの中心断面における端面図である。
図7】第4の回転軸103jの中心断面における端面図である。
図8】回転アーム部103の動作を示す図である。
図9】回転アーム部103の動作を示す図である。
図10】回転アーム部103の動作を示す図である。
図11】従来の自動試料生成供給装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明していく。
【実施例0019】
本発明に係る自動試料生成供給装置について、一実施例である自動試料生成供給装置100を例に説明する。自動試料生成供給装置100は、元素分析装置やクロマトグラフ等の所定の分析装置に、自動的に、分析対象となる分析試料を生成し、提供する装置である。
【0020】
第1 自動試料生成供給装置100
自動試料生成供給装置100の構成について、図1を用いて説明する。自動試料生成供給装置100は、所定の装置配置平面P100上に配置される。自動試料生成供給装置100は、分析試料生成取得部101、回転アーム部103、試料容器保持部105、試料容器移動部107、及び、装置筐体109を有している。
【0021】
分析試料生成取得部101は、分析試料を生成する試料、及び、溶媒を試料容器SBに供給し、両者を混合して分析試料を生成するとともに、生成した分析試料から所定量を取得し、分析装置に提供する。分析試料生成取得部101は、生成取得位置と洗浄位置との間を移動する。ここで、分析試料生成取得部101における生成取得位置とは、図1に示すように、試料容器SBに試料、溶媒を供給し、試料容器SBから分析試料を取得する位置をいう。一方、分析試料生成取得部101における洗浄位置とは、分析試料生成取得部101において、試料、溶媒、又は、分析試料に接する部分を洗浄する位置をいう。自動試料生成供給装置100では、洗浄位置は、図2に示すように、所定の回転軸を中心に、生成取得位置に対して、ほぼ180度、回転した位置をいう。
【0022】
分析試料生成取得部101の構成について、図3を用いて説明する。分析試料生成取得部101は、分析試料取得ノズル101a、試料溶媒供給ノズル101b、撹拌スリーブ101c、撹拌棒101d、超音波撹拌部101e、及び、取得筐体101fを有している。分析試料取得ノズル101aは、試料容器SBから分析試料を取得するためのノズルである。試料溶媒供給ノズル101bは、試料容器SBに、試料、溶媒を供給するためのノズルである。試料溶媒供給ノズル101bは、分析試料取得ノズル101aを中心に対向する位置に、分析試料取得ノズル101aに隣接するように配置されている。撹拌スリーブ101cは、所定の動力源(図示せず)によって回転する。撹拌棒101dは、撹拌スリーブ101cに配置されており、撹拌スリーブ101cの回転とともに、回転する。試料容器SB内の分析試料は、撹拌棒101dの回転により、撹拌される。なお、撹拌スリーブ101cの回転中心に対して、4つの撹拌棒101dが、配置されている。
【0023】
超音波撹拌部101eは、超音波を発生し、試料容器SB内の分析試料を撹拌する。なお、超音波を発生する機構については、装置筐体109に収納される。
【0024】
取得筐体101fは、内部に撹拌スリーブ101cの動力源(図示せず)を有している。また、取得筐体101fには、分析試料取得ノズル101aから取得した分析試料を分析装置へ供給するための配管(図示せず)、及び、試料溶媒供給ノズル101bに試料や溶媒を供給するための配管(図示せず)が配置されている。取得筐体101fは、第4の回転軸103jに形成される取付平面P103jの上に配置される。
【0025】
図1に示すように、回転アーム部103は、分析試料生成取得部101を、生成取得位置と洗浄位置との間で、回転移動させる。回転アーム部103の構成については、後述する。
【0026】
試料容器保持部105は、複数の試料容器SBを保持する。試料容器保持部105は、試料容器移動部107に載置される。試料容器移動部107は、試料容器保持部105に保持されている複数の試料容器SBを、順次、生成取得位置にある分析試料生成取得部101に対応する位置に、所定の移動機構(図示せず)を用いて移動させる。
【0027】
装置筐体109は、分析試料生成取得部101等の各種の構成要素を、内部空間に収納する。装置筐体109は、前面に、スライド扉S109を有している。使用者は、スライド扉S109を開閉することによって、試料容器保持部105に試料容器SBを配置するとともに、試料容器保持部105から試料容器SBを取得する。
【0028】
第2 回転アーム部103の構成
回転アーム部103の構成について、図4図7を用いて説明する。なお、図4図5においては、回転アーム部103の駆動軸(後述)を駆動するモータ、各種ギア機構等の駆動部、第1のプーリ(後述)、第2のプーリ(後述)を装置筐体109に固定する固定構造の記載を省略している。
【0029】
図4に、分析試料生成取得部101が洗浄位置にある場合の回転アーム部103の主たる構造を示す。回転アーム部103は、駆動力発生部であるモータが発生する駆動力を取得する駆動力伝達部L103a、及び、駆動力発生部から取得した駆動力を用いて、分析試料生成取得部101を回転移動するアーム部L103bを有している。
【0030】
図4に示す回転アーム部103から、アーム部L103bのアーム筐体103h(後述)の前面を取り除き、アーム部L103bの内部構造が見えるようにした状態を図5に示す。駆動力伝達部L103aは、第1の回転軸103a、第1のプーリ103b、第2の回転軸103c、第2のプーリ103d、第1のタイミングベルト103fを有している。第1の回転軸103aは、装置筐体109(図1参照)の所定の位置に固定され、駆動力発生部が発生する駆動力によって回転駆動する。第1のプーリ103bは、いわゆるタイミングプーリによって形成されている。第1のプーリ103bは、第1の回転軸103aに固定されている。つまり、第1のプーリ103bは、第1の回転軸103aとともに回転する。
【0031】
第2の回転軸103cは、装置筐体109の所定の位置に固定される固定軸として配置される。第2の回転軸103cは、第1の回転軸103aと平行に配置される。
【0032】
第2のプーリ103dは、いわゆるタイミングプーリによって形成されている。第2の回転軸103cと第2のプーリ103dとの関係について、図6を用いて説明する。図6は、第2の回転軸103cの中心断面における端面図を示している。第2のプーリ103dは、ベアリングB103dを有している。第2のプーリ103dは、ベアリングB103dを介して、第2の回転軸103cに取り付けられている。つまり、第2のプーリ103dは、第2の回転軸103cを中心に、第2の回転軸103cに対して回転できるように配置される。
【0033】
図5に示すように、第1のタイミングベルト103fは、第1のプーリ103b、及び、第2のプーリ103dに巻回される。第1のタイミングベルト103fは、第1のプーリ103bの回転にともなって回転し、第2のプーリ103dを回転させる。なお、図4図7においては、第1のタイミングベルト103fにおいて、第1のプーリ103b、及び、第2のプーリ103dに係合する凹凸の記載を省略している。
【0034】
これにより、第1のプーリ103b、及び、第2のプーリ103dは、第1のタイミングベルト103fを介して、連動して回転する。
【0035】
アーム部L103bは、第3のプーリ103g、アーム筐体103h、第4の回転軸103j、第4のプーリ103k、及び、第2のタイミングベルト103mを有している。第3のプーリ103gは、いわゆるタイミングプーリにより形成される。第3のプーリ103gは、第2の回転軸103cに固定されている。第2の回転軸103cは固定軸であり、また、第3のプーリ103gは、第2の回転軸103cに固定されているため、第3のプーリ103gは、回転しない。
【0036】
アーム筐体103hは、第4の回転軸103j、ひいては、第4の回転軸103jに取り付けられる分析試料生成取得部101を、第4の回転軸103jを中心に回転させるアームとしての機能を有している。また、アーム筐体103hは、第4のプーリ103k、第4の回転軸103j、第3のプーリ103g、第2のタイミングベルト103mを収納する筐体としての機能を有している。
【0037】
アーム筐体103hと第2のプーリ103dとの関係について、図6を用いて説明する。アーム筐体103hは、第2のプーリ103dに固定される。つまり、アーム筐体103hは、第2のプーリ103dとともに回転する。また、アーム筐体103hは、ベアリングB103hを有している。アーム筐体103hは、ベアリングB103hを介して、第2の回転軸103cに取り付けられている。つまり、アーム筐体103hは、第2のプーリ103dと同様に、第2の回転軸103cを中心に、第2の回転軸103cに対して回転できるように配置される。
【0038】
図5に示すように、第4の回転軸103jは、アーム筐体103hの第2の回転軸103c側とは反対側の端部に、第2の回転軸103cと平行に配置される。第4の回転軸103jは、アーム筐体103hに対して回転できるように配置される。また、第4の回転軸103jは、一端に、分析試料生成取得部101を取り付けるための取付平面P103jを有している。
【0039】
第4の回転軸103jと第4のプーリ103kとの関係について、図7を用いて説明する。図7は、第4の回転軸103jの中心断面における端面図を示している。第4の回転軸103jは、ベアリングB103jを有している。第4の回転軸103jは、ベアリングB103jを介して、アーム筐体103hに取り付けられている。つまり、第4の回転軸103jは、アーム筐体103hに対して回転できるように配置される。
【0040】
図5に示すように、第4のプーリ103kは、いわゆるタイミングプーリによって形成されている。第4のプーリ103kは、第4の回転軸103jに固定される。つまり第4のプーリ103kは、第4の回転軸103jとともに回転する。
【0041】
第2のタイミングベルト103mは、第3のプーリ103g、及び、第4のプーリ103kに巻回される。第2のタイミングベルト103mは、第4のプーリ103kの回転にともなって回転する。なお、図5図7においては、第1のタイミングベルト103fと同様に、第2のタイミングベルト103mにおいて、第3のプーリ103g、及び、第4のプーリ103kに係合する凹凸の記載を省略している。
【0042】
これにより、第1の回転軸103aに回転駆動力を与えるだけで、アーム筐体103h、ひいては、アーム筐体103hに配置される第4の回転軸103j、さらには、第4の回転軸103jに取り付けられる分析試料生成取得部101を回転させることができる。また、第4の回転軸103j、ひいては、第4の回転軸103jに取り付けられる分析試料生成取得部101を、取付平面P103jと装置配置平面P100との関係を維持しながら、アーム筐体103hに対して、回転させることができる。
【0043】
第3 回転アーム部103の動作
回転アーム部103の動作について、図8図10を用いて説明する。なお、図8図10においては、回転アーム部103の動作説明に必要な構成要素のみを示し、その他の構成要素の記載を省略している。
【0044】
図8に洗浄位置にある状態における回転アーム部103を示す。図8に示すように、所定の動力源を用いて、第1の回転軸103aを矢印A101方向に回転させると、第1のプーリ103bも同方向に回転する。第1のプーリ103bの回転により、第1のタイミングベルト103fが、矢印A101方向と同方向の矢印A102方向に回転する。第1のタイミングベルト103fの回転により、第2のプーリ103dが、矢印A101方向と同方向の矢印A103方向へ回転する。
【0045】
また、第2のプーリ103dの回転により、第2のプーリ103dに固定されているアーム筐体103h、つまり、第4の回転軸103j、及び、第4のプーリ103kが、矢印A101方向と同方向の矢印A104方向へ回転する。これにより、第4の回転軸103jに取り付けられている分析試料生成取得部101(図1参照)も、矢印A104方向へ回転する。
【0046】
アーム筐体103hが矢印A104方向へ回転したとしても、第4の回転軸103jは、アーム筐体103hに対して回転できるように配置されているため、第4の回転軸103jは、アーム筐体103hの矢印A104方向への回転とは反対方向の矢印A105方向へ回転する。第4の回転軸103jが矢印A105方向に回転すると、第4のプーリ103kも同方向に回転する。第4のプーリ103kの回転により、第2のタイミングベルト103mが、矢印A105方向と同方向の矢印A107方向に回転する。
【0047】
なお、第2のタイミングベルト103mが矢印A107方向へ回転することによって、第4のプーリ103kを安定して回転させるとともに、第4のプーリ103kの回転量を制御できる。
【0048】
第4の回転軸103jの第2の回転軸103c周りの回転と第4の回転軸103j周りの回転との関係について、図9を用いて説明する。図9は、回転アーム部103の洗浄位置と生成取得位置との間の中間位置の状態を示している。第4の回転軸103jが、第2の回転軸103cを中心に、角度αだけ、矢印A104方向へ回転すると、第4の回転軸103jは、第4の回転軸103jを中心に、角度αだけ、矢印A106方向へ回転するように構成されている。これにより、第4の回転軸103jが有する取付平面P103jは、洗浄位置、又は、生成取得位置における装置配置平面P100(図1参照)との位置関係を維持できる。つまり、洗浄位置において、分析試料生成取得部101を装置配置平面P100に対して平行に配置したならば、回転アーム部103が洗浄位置から生成取得位置へ、又は、生成取得位置から洗浄位置へ回転移動している間も、分析試料生成取得部101は、装置配置平面P100に対して平行を維持できる。
【0049】
図10に生成取得位置まで移動した状態における回転アーム部103を示す。
【0050】
[その他の実施形態]
(1)第2のタイミングベルト103m、第3のプーリ103g、第4のプーリ103k:前述の実施例1においては、第3のプーリ103g、及び、第4のプーリ103kの回転を、第3のプーリ103g、及び、第4のプーリ103kにタイミングプーリを用い、第2のタイミングベルト103mによって、制御するとしたが、所定のスプロケット、及び、チェーン等の回転係合要素を用いて制御するようにしてもよい。
【0051】
(2)第1のタイミングベルト103f、第1のプーリ103b、第2のプーリ103d:前述の実施例1においては、第1のタイミングベルト103fを用いて、タイミングプーリである第1のプーリ103b、第2のプーリ103dに動力を供給したが、動力を供給できるものであれば、例示のものに限定されない。
【0052】
(3)アーム筐体103h:前述の実施例1においては、アーム筐体103hは、アームとしての機能と、所定の構成要素を収納する筐体としての機能を有していたが、アームと筐体とを個別に配置するようにしてもよい。
【0053】
(4)洗浄位置、生成取得位置:前述の実施例1においては、洗浄位置と生成取得位置とを180度回転した位置に、対向して配置するとしたが、装置における各構成要素の配置、装置の大きさ等によって、アーム筐体103hの回転移動範囲において、適宜、配置すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る自動試料生成供給装置は、例えば、一般的な試料分析において用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
100 自動試料生成供給装置
101 分析試料生成取得部
101a 分析試料取得ノズル
101b 試料溶媒供給ノズル
101c 撹拌スリーブ
101d 撹拌棒
101e 超音波撹拌部
101f 取得筐体
103 回転アーム部
103a 第1の回転軸
103b 第1のプーリ
103c 第2の回転軸
103d 第2のプーリ
103f 第1のタイミングベルト
103g 第3のプーリ
103h アーム筐体
103j 第4の回転軸
103k 第4のプーリ
103m 第2のタイミングベルト
105 試料容器保持部
107 試料容器移動部
109 装置筐体
SB 試料容器
P103j 取付平面
S109 スライド扉
L103a 駆動力伝達部
L103b アーム部
B103d ベアリング
B103h ベアリング
B103j ベアリング
P100 装置配置平面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料容器に、分析対象である分析試料を生成し、生成した前記分析試料を、前記試料容器から、所定の分析装置に提供し、所定の装置配置平面に配置される自動試料生成供給装置であって、
所定の位置に固定される第1の回転軸を回転駆動する駆動力を発生する駆動力発生部、
所定の位置に固定され、前記駆動力によって回転駆動する第1の回転軸、
前記第1の回転軸に固定され、前記第1の回転軸とともに回転する第1のプーリ、
前記第1の回転軸に平行に配置され、所定の位置に固定される第2の回転軸、
前記第2の回転軸を中心に、前記第2の回転軸に対して回転できるように配置される第2のプーリ、
前記第1のプーリ、及び、前記第2のプーリに巻回され、前記第1のプーリの回転にともなって、前記第2のプーリを回転させる第1のベルト、
前記第2の回転軸に固定される第3のプーリ、
前記第2のプーリに固定され、前記第2のプーリとともに回転するアーム、
前記アームの第2の回転軸と平行に配置され、前記アームに対して回転できるように配置される第4の回転軸、
前記第4の回転軸とともに回転する第4のプーリ、
前記第3のプーリ、及び、前記第4のプーリに巻回され、前記第4のプーリの回転とともに回転する第2のベルト、
前記試料容器に前記分析試料を生成する試料、及び/又は、溶媒を供給し、及び/又は、所定量の前記分析試料を取得する分析試料生成取得部、
前記分析試料生成取得部を取り付ける取付平面であって、前記第4の回転軸に形成される取付平面、
を有し、
前記試料生成取得部は、
前記第4の回転軸を、前記第2の回転軸を中心とする前記アームの回転方向に回転させるように前記取付平面に取り付けられ、
前記第2の回転軸を中心とする前記アームの回転方向と、前記第4の回転軸の回転方向とが反対であること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。
【請求項2】
請求項1に係る自動試料生成供給装置において、
前記第2の回転軸を中心とする前記アームの回転方向と、前記第4の回転軸の回転方向とが反対であること、及び、前記第2の回転軸を中心とする前記アームの回転角度と、前記第4の回転軸の回転角度とが同じであること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。
【請求項3】
請求項2に係る自動試料生成供給装置において、
前記第3のプーリ、及び、前記第4のプーリは、
同じ歯数を有すること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。
【請求項4】
請求項2に係る自動試料生成供給装置において、
前記アームは、前記分析試料生成取得部が前記分析試料を取得する生成取得位置から、前記分析試料生成取得部において、前記試料、前記溶媒、又は、前記分析試料に接する部分を洗浄する洗浄位置までに、180度回転すること、
を特徴とする自動試料生成供給装置。