(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139652
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】反射コーティングを有するガイドを備えるディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20241002BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127592
(22)【出願日】2023-08-04
(31)【優先権主張番号】18/126,667
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】519146787
【氏名又は名称】ツー-シックス デラウェア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】II-VI Delaware,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ドミトリー・イアズィコフ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・エル・ヘリット
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニ・バルバロッサ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・グレイナー
(72)【発明者】
【氏名】トニー・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アール・カークパトリック
(72)【発明者】
【氏名】ブラッド・ポンド
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA24
2H199CA25
2H199CA30
2H199CA50
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA82
2H199CA85
(57)【要約】
【課題】屈折率界面と反射コーティングとの組合せを使用することによって、1つまたは複数のイメージ源から観察者に光線を伝播させるガイドを備えるディスプレイデバイスを提供すること。
【解決手段】ディスプレイデバイスが、ガイド、後面コーティング、前面コーティング、入力カプラ、出力カプラ、およびイメージ源を含み得る。ガイドは、ガイド前面と、ガイド前面とは反対側のガイド後面とを含み得る。後面コーティングはガイド後面をライニングし得、第1の波長帯の光線を反射し得る。前面コーティングは、ガイド前面をライニングし得、第2の波長帯の光線を反射し得る。イメージ源は、ガイドに向かって光線を放射し得る。入力カプラは、イメージ源によって放射された光線を受け取り、光線をガイド内にカップリングし得る。出力カプラは、ガイド後面とガイド前面との間でガイドに沿って伝播した光線を受け取り、受け取った光線をガイド前面から放射し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド前面と、前記ガイド前面とは反対側のガイド後面とを備えるガイドと、
前記ガイド後面に沿い、第1の波長帯の光線を反射するように構成された後面コーティングと、
前記ガイド前面に沿い、第2の波長帯の光線を反射するように構成された前面コーティングと
を備えるデバイスであって、
前記前面コーティングおよび前記後面コーティングは、前記ガイド内を伝播する光を閉じ込める、
デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスであって、
前記ガイドに向かって光線を放射するように構成されたイメージ源と、
前記イメージ源によって放射された前記光線を受け取り、前記光線を前記ガイド内にカップリングするように構成された入力カプラと、
前記ガイド後面と前記ガイド前面との間で前記ガイドに沿って伝播した光線を受け取り、受け取った前記光線を前記ガイド前面から放射するように構成された出力カプラと
を備えるデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスであって、
前記ガイドは、第1の角度範囲内の前記光線の第1の部分を内部反射する屈折率界面を提供し、
前記後面コーティングおよび前記前面コーティングは、第2の角度範囲内の前記光線の第2の部分に内部反射を提供するように協働する、
デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のデバイスであって、前記第1の角度範囲と前記第2の角度範囲は重なる、デバイス。
【請求項5】
請求項3に記載のデバイスであって、前記第1の角度範囲と、前記第2の角度範囲は重ならない、デバイス。
【請求項6】
請求項3に記載のデバイスであって、前記第2の角度範囲は、前記第1の角度範囲の少なくとも部分的に外側にある、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスであって、前記前面コーティングおよび前記後面コーティングは、それぞれ、1つまたは複数の誘電体層を備える、デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスであって、前記前面コーティングおよび前記後面コーティングは、それぞれ、1つまたは複数の金属層を備える、デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスであって、前記第1の波長帯と前記第2の波長帯は重なる、デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のデバイスであって、前記第1の波長帯と前記第2の波長帯とは実質的に同一である、デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のデバイスであって、
前記後面コーティングは、前記第1の波長帯を含む第1の複数の重ならない波長帯の光線を反射するように構成され、
前記前面コーティングは、前記第2の波長帯を含む第2の複数の重ならない波長帯の光線を反射するように構成される、
デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスであって、前記第1の複数の重ならない波長帯の各波長帯は、前記第2の複数の重ならない波長帯の対応する波長帯と実質的に同一である、デバイス。
【請求項13】
請求項1に記載のデバイスであって、
第2のガイド前面と、前記第2のガイド前面とは反対側の第2のガイド後面とを備える第2のガイドと、
前記第2のガイド後面に沿い、第3の波長帯の光線を反射するように構成された第2の後面コーティングと、
前記第2のガイド前面に沿い、第4の波長帯の光線を反射するように構成された第2の前面コーティングと、
前記第2のガイドに向かって光線を放射するように構成された第2のイメージ源と、
前記第2のイメージ源によって放射された前記光線を受け取り、前記光線を前記第2のガイド内にカップリングするように構成された第2の入力カプラと、
前記第2のガイド後面と前記第2のガイド前面との間で前記第2のガイドに沿って伝播した光線を受け取り、受け取った前記光線を前記第2のガイド前面から放射するように構成された第2の出力カプラと
を備えるデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスであって、フレームを備え、前記フレームは、
前記ガイドの第1の端部に近接する第1のアームと、
前記第2のガイドの第1の端部に近接する第2のアームと、
前記ガイドの第2の端部と、前記第2のガイドの第2の端部との間のブリッジと
を含む、デバイス。
【請求項15】
請求項13に記載のデバイスであって、
前記第2のガイド後面は前記ガイド前面の上に配置され、
前記第2の入力カプラは、前記第2のガイド後面と前記ガイド前面との間に配置され、
前記出力カプラは、前記第2のガイド後面と前記ガイド前面との間に配置される、
デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載のデバイスであって、前記第2のガイド後面と前記ガイド前面との間にエアギャップを備える、デバイス。
【請求項17】
請求項13に記載のデバイスであって、
第3のガイド前面と、前記第3のガイド前面とは反対側の第3のガイド後面とを備える第3のガイドと、
前記第3のガイド後面に沿い、第5の波長帯の光線を反射するように構成された第3の後面コーティングと、
前記第3のガイド前面に沿い、第6の波長帯の光線を反射するように構成された第3の前面コーティングと、
前記第2のガイドに向かって光線を放射するように構成された第3のイメージ源と、
前記第2のイメージ源によって放射された前記光線を受け取り、前記光線を前記第3のガイド内にカップリングするように構成された第3の入力カプラと、
前記第3のガイド後面と前記第3の前記ガイド前面との間で前記第3のガイドに沿って伝播した光線を受け取り、受け取った前記光線を前記第3のガイド前面から放射するように構成された第3の出力カプラと
を備えるデバイス。
【請求項18】
請求項17に記載のデバイスであって、
前記第1の波長帯および前記第2の波長帯は赤色波長帯に対応し、
前記第3の波長帯および前記第4の波長帯は緑色波長帯に対応し、
前記第5の波長帯および前記第6の波長帯は青色波長帯に対応する、
デバイス。
【請求項19】
請求項17に記載のデバイスであって、イメージングデバイスを備え、前記イメージングデバイスは、前記イメージ源、前記第2のイメージ源、および、前記第3のイメージ源を含む、デバイス。
【請求項20】
請求項1に記載のデバイスであって、
前記前面コーティングは、第3の波長帯の光が前記前面コーティングを通過することを可能にし、
前記後面コーティングは、第4の波長帯の光が前記後面コーティングを通過することを可能にする、
デバイス。
【請求項21】
イメージ源から光線を放射するステップと、
前面コーティングを有するガイド前面と、後面コーティングを有するガイド後面とを備えるガイド内に、前記イメージ源からの前記光線をカップリングするステップと、
前記ガイド前面および前記ガイド後面の屈折率界面に基づいて、前記ガイド前面と前記ガイド後面との間で前記光線の第1の部分を反射するステップと、
前記前面コーティングおよび前記後面コーティングの共通反射波長帯に基づいて、前記前面コーティングと前記後面コーティングとの間で前記光線の第2の部分を反射するステップと、
前記光線の前記第1の部分および前記第2の部分を前記ガイド前面からアウトカップリングするステップと
を含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記光線の前記第1の部分を反射する前記ステップは、第1の角度範囲内の光線を反射するステップを含み、
前記光線の前記第2の部分を反射する前記ステップは、第2の角度範囲内の光線を反射するステップを含む、
方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
前記光線の前記第1の部分を反射する前記ステップは、第1の角度範囲内の光線を反射するステップを含み、
前記光線の前記第2の部分を反射する前記ステップは、前記第1の角度範囲と重なる第2の角度範囲内の光線を反射するステップを含む、
方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法であって、
前記光線の前記第1の部分を反射する前記ステップは、第1の角度範囲内の光線を内部反射するステップを含み、
前記光線の前記第2の部分を反射する前記ステップは、前記第1の角度範囲と重ならない第2の角度範囲内の光線を内部反射するステップを含む、
方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法であって、
第2のイメージ源から第2の光線を放射するステップと、
第2の前面コーティングを有する第2のガイド前面と、第2の後面コーティングを有する第2のガイド後面とを備える第2のガイド内に前記第2の光線をカップリングするステップと、
前記第2のガイド前面および前記第2のガイド後面の屈折率界面に基づいて、前記第2のガイド前面と前記第2のガイド後面との間で前記第2の光線の第1の部分を反射するステップと、
前記第2の前面コーティングおよび前記第2の後面コーティングの共通反射波長帯に基づいて、前記第2の前面コーティングと前記第2の後面コーティングとの間で前記第2の光線の第2の部分を反射するステップと、
前記第2の光線の前記第1の部分および前記第2の部分を前記第2のガイド前面からアウトカップリングするステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]いくつかの拡張現実感(AR)デバイス、複合現実感(MR)デバイス、およびバーチャルリアリティ(VR)デバイスは、以下では集合的に「ガイド」と呼ばれる、ライトガイドまたは導波路を利用する視覚ディスプレイを備える。
【背景技術】
【0002】
そのような視覚ディスプレイは一般に、光をガイド内にカップリングし、ガイドの内部全反射(TIR)を使用してそのような光をガイドに沿って別の位置に伝播させ、光をガイドからユーザにアウトカップリングする。ガイド内の閉じ込めはTIRに基づくので、ガイドを実装するために使用される材料の屈折率が、ガイドの性能特性に影響を及ぼす。すなわち、より高い屈折率の材料は、光がガイド内を伝播する角度の範囲がより広く、それにより、より広い視野(FOV)または広い生成イメージを実現する。さらに、AR、MR、およびVRデバイスを越える適用は、他の波長または波長範囲の光がガイドを通過することを可能にしながら、一定の波長または波長範囲の光のガイド内の閉じ込めからの恩恵を受け得る。
【0003】
[0002]しかしながら、高屈折率材料(たとえば、2より大きい屈折率を有する材料)は一般に、より低い屈折率を有する材料よりもコストが高い。したがって、高屈折率材料は一般に、一般消費者向けのARデバイス、MRデバイス、および/またはVRデバイスにとって法外にコストが高い。さらに、ガイドは、TIR効果によって光が閉じ込められ得る角度範囲が本質的に限定される。
【発明の概要】
【0004】
[0003]屈折率界面と反射コーティングとの組合せを使用することによって、1つまたは複数のイメージ源から観察者に光線を伝播させるガイドを備えるディスプレイデバイスが、図のうちの少なくとも1つに関連して図示および/または説明され、特許請求の範囲でより完全に示される。反射コーティングは、屈折率界面を補足し、光線がガイドを通じて伝播する角度を増加させ得る。このようにして、ディスプレイデバイスは、その他の方法で低屈折率材料から形成されたガイドで可能なものよりも広い視野(FOV)または広い生成イメージを実現し得る。
【0005】
[0004]本開示のこれらおよび他の利点、態様、および新規な特徴、ならびに本開示の図示される実施形態の詳細が、以下の説明および図面からより完全に理解されるであろう。
[0005]添付の図面と共に行われる以下の詳細な説明を参照しながら、本開示の様々な特徴および利点がより容易に理解され得、同様の参照番号は同様の構造的要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0006]ディスプレイデバイスを備えるコンピューティングデバイスのブロック図である。
【
図2A】[0007]
図1のディスプレイデバイスに適したディスプレイデバイスの一実施形態を示し、ディスプレイデバイスが反射コーティングを備えるガイドを有する図である。
【
図2B】[0008]
図2Aのディスプレイデバイスの反射コーティングについての透過特性のグラフである。
【
図3A】[0009]
図1のディスプレイデバイスに適したディスプレイデバイスの一実施形態を示し、ディスプレイデバイスが反射コーティングを備えるガイドを有する図である。
【
図3B】[0010]
図3Aのディスプレイデバイスの反射コーティングについての透過特性のグラフである。
【
図4A】[0011]
図1のディスプレイデバイスに適したディスプレイデバイスの一実施形態を示し、ディスプレイデバイスが反射コーティングをそれぞれ備える複数のガイドを有する図である。
【
図4B】[0012]
図4Aのディスプレイデバイスのそれぞれのガイドの反射コーティングについての透過特性のグラフである。
【
図4C】
図4Aのディスプレイデバイスのそれぞれのガイドの反射コーティングについての透過特性のグラフである。
【
図4D】
図4Aのディスプレイデバイスのそれぞれのガイドの反射コーティングについての透過特性のグラフである。
【
図5】[0013]
図1のディスプレイデバイスに適したヘッドマウントディスプレイデバイスの一実施形態を示す図である。
【
図6A】[0014]
図6Aは、スネルの法則を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、材料層を通過する光線に対する、材料層を積み重ねることの効果を示す図である。
【
図7】[0015]
図2A、3A、4A、および5のディスプレイデバイスのガイドが光線を内部反射させ得る角度範囲を反射コーティングがどれほど増大させ得るかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0016]以下の論考は、ディスプレイデバイスの様々な例、およびそのようなディスプレイデバイスを備えるコンピューティングデバイスの様々な例を提供する。そのような例は非限定的なものであり、添付の特許請求の範囲は開示される特定の例に限定されるべきではない。以下の議論では、「例」および「たとえば」という用語は非限定的なものである。
【0008】
[0017]図は構成の一般的な方式を示し、説明ならびに周知の特徴および技法の詳細は、本開示を不必要に曖昧にするのを避けるために省略されることがある。さらに、図面の図の要素は、必ずしも原寸通りではない。たとえば、本開示で論じられる例の理解を向上させる助けとなるように、図の要素の一部の寸法が、他の要素に比べて誇張されることがある。異なる図の同一の参照番号は同一の要素を表す。
【0009】
[0018]「および/または」という用語は、「および/または」で結び付けられたリスト内の項目のうちの任意の1つまたは複数を意味する。一例として、「xおよび/またはy」は3つの要素集合{(x),(y),(x,y)}の任意の要素を意味する。別の例として、「x、y、および/またはz」は、7つの要素集合{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}の任意の要素を意味する。
【0010】
[0019]「含む」および/または「備える」(”comprises,” ”comprising,” ”includes,”and/or”including”)という用語は、「オープンエンド型」の用語であり、記載の特徴の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴の存在または追加を除外しない。
【0011】
[0020]「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では様々な要素を説明するために使用されることがあり、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためだけに用いられる。したがって、たとえば、本開示の教示から逸脱することなく、本開示で論じられる第1の要素は第2の要素と呼ばれることがある。
【0012】
[0021]別段の指定がない限り、「カップリングされる」という用語は、互いに直に接触する2つの要素を記述し、あるいは1つまたは複数の他の要素によって間接的に接続された2つの要素を記述するために使用されることがある。たとえば、要素Aが要素Bにカップリングされる場合、要素Aは要素Bと直に接触していることがあり、または介在要素Cによって要素Bに間接的に接続されることがある。同様に、「の上に(over)」または「上に(on)」という用語は、互いに直に接触する2つの要素を記述し、あるいは1つまたは複数の他の要素によって間接的に接続された2つの要素を記述するために使用されることがある。
【0013】
[0022]本開示の態様は、ディスプレイデバイスまたは別のデバイスを対象とする。そのようなデバイスは、ガイド、後面コーティング、前面コーティング、入力カプラ、出力カプラ、およびイメージ源を備え得る。ガイドは、ガイド前面と、ガイド前面とは反対側のガイド後面とを備える。後面コーティングは、ガイド後面をライニングまたはコーティングし得、第1の波長帯の光線を反射し得る。前面コーティングは、ガイド前面をライニングまたはコーティングし得、第2の波長帯の光線を反射し得る。イメージ源は、ガイドに向かって光線を放射し得る。入力カプラは、イメージ源によって放射された光線を受け取り、光線をガイド内にカップリングし得る。出力カプラは、ガイド後面とガイド前面との間でガイドに沿って伝播した光線を受け取り、受け取った光線をガイド前面から放射し得る。ディスプレイデバイスまたは他のデバイスのいくつかの実施形態は、光をガイド内にカップリングするための他の技法を利用し得る。たとえば、そのようなデバイスは、ガイド内部に光源を配置し、光をガイドの縁部内にカップリングし、プリズムを使用して光をガイド内にカップリングし得る。逆に、ディスプレイデバイスまたは他のデバイスのいくつかの実施形態は、光をガイドの外に、かつ/またはセンサにカップリングするための他の技法を利用し得る。たとえば、そのようなデバイスは、ガイド内部にセンサを配置し、光をガイドの縁部の外にカップリングし、またはプリズムを使用して光をガイドの外にカップリングし得る。
【0014】
[0023]本開示のさらなる態様は、ディスプレイデバイスまたは別のデバイスの方法を対象とする。方法は、イメージ源から光線を放射するステップと、前面コーティングを有するガイド前面と、後面コーティングを有するガイド後面とを備えるガイド内に、イメージ源からの光線をカップリングするステップとを含み得る。方法はまた、ガイド前面およびガイド後面の屈折率界面に基づいて、ガイド前面とガイド後面との間で光線の第1の部分を反射するステップと、前面コーティングおよび後面コーティングの共通反射波長帯に基づいて、前面コーティングと後面コーティングとの間で光線の第2の部分を反射するステップとを含み得る。さらに、方法は、光線の第1の部分および第2の部分をガイド前面からアウトカップリングするステップを含み得る。ディスプレイデバイスまたは他のデバイスのいくつかの例示的方法は、光をガイド内にカップリングするための他の技法を利用し得る。たとえば、そのような方法は、ガイド内部に光源を配置するステップ、光をガイドの縁部内にカップリングするステップ、またはプリズムを使用して光をガイド内にカップリングするステップを含み得る。逆に、ディスプレイデバイスまたは別のデバイスのいくつかの例示的方法は、光をガイドの外に、かつ/またはセンサにカップリングするための他の技法を利用し得る。たとえば、そのような方法は、ガイド内部にセンサを配置するステップ、光をガイドの縁部の外にカップリングするステップ、またはプリズムを使用して光をガイドの外にカップリングするステップを含み得る。
【0015】
[0024]
図1を参照すると、コンピューティングデバイス100のブロック図が示されている。コンピューティングデバイス100は、1つまたは複数のプロセッサ110、1つまたは複数の記憶デバイス120、ディスプレイデバイス130、および様々な入力/出力(I/O)デバイス150を含み得る。様々な実施形態では、コンピューティングデバイス100は、拡張現実感(AR)デバイス、複合現実感(MR)デバイス、バーチャルリアリティ(VR)デバイス、または何らかの他のコンピューティングデバイス形状因子として実装され得る。
【0016】
[0025]コンピューティングデバイス100は、プロセッサ110、記憶デバイス120、ディスプレイデバイス130、およびI/Oデバイス150を互いに動作可能にカップリングするバスおよび/または他の相互接続を含み得る。プロセッサ110は、命令を実行し、そのような命令を実行した結果として、データを操作し、コンピューティングデバイス100の他の構成要素の動作を制御するように構成され得る。この目的で、プロセッサ110は、様々なベンダから入手可能な、たとえばx86プロセッサ、ARMプロセッサなどの汎用プロセッサを含み得る。しかしながら、プロセッサ110はまた、特定用途向けプロセッサならびに/あるいは他のアナログおよび/またはデジタル論理回路を使用して実装され得る。
【0017】
[0026]記憶デバイス120は、1つまたは複数の揮発性記憶デバイス、ならびに/あるいは1つまたは複数の不揮発性記憶デバイスを含み得る。一般には、記憶デバイス120はソフトウェアおよび/またはファームウェア命令を記憶し得、ソフトウェアおよび/またはファームウェア命令はプロセッサ110によって実行され得る。記憶デバイス120は、命令を実行したことに応答して、プロセッサ110がアクセスし、修正し、あるいは動作し得る様々なタイプのデータを記憶し得る。この目的で、記憶デバイス120は、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイス、ソリッドステートデバイス(SSD)ドライブ、フラッシュメモリデバイスなどを含み得る。いくつかの実施形態では、記憶デバイス120のうちの1つまたは複数のデバイスが、1つまたは複数のプロセッサ110と統合され得る。
【0018】
[0027]ディスプレイデバイス130は、イメージおよび/または他の視覚出力を提示するために光線を放射し得る。具体的には、ディスプレイデバイス130は、プロセッサ110が命令を実行したことに応答してそのような光線を放射し得る。以下でより詳細に説明されるように、ディスプレイデバイス130は、イメージ源からの光線がそれに沿ってディスプレイデバイス130の前面に伝播するガイドを含み得る。
【0019】
[0028]他のI/Oデバイス150は、ユーザまたは別のデバイス(たとえば、別のコンピューティングデバイス、ネットワーキングデバイスなど)がコンピューティングデバイス100と相互作用することを可能にするデバイスを提供し得る。たとえば、I/Oデバイス150は、それを介して人がコンピューティングデバイス100と相互作用し得るボタン、タッチスクリーン、キーボード、マイクロフォン、オーディオスピーカなどを含み得る。I/Oデバイス150はまた、コンピューティングデバイス100が他のコンピューティングデバイスおよび/またはネットワーキングデバイスと通信することを可能にするネットワークインターフェースをも含み得る。この目的で、ネットワーキングインターフェースは、イーサネット(IEEE802.3)インターフェースなどのワイヤードネットワーキングインターフェース、WiFi(IEEE802.11)インターフェース、Bluetooth(IEEE802.15.1)インターフェースなどのワイヤレスネットワーキングインターフェース、セルラインターフェース(GSM、CDMA、LTEなど)などの無線またはモバイルインターフェース、ならびに/あるいはコンピューティングデバイス100と別のコンピューティングデバイスおよび/またはネットワーキングデバイスとの間の通信リンクを提供することのできる何らかの他のタイプのネットワーキングインターフェースを含み得る。
【0020】
[0029]上記は、コンピューティングデバイス100の態様を説明するものである。しかしながら、コンピューティングデバイス100の実際の実装には著しい変化があり得る。たとえば、コンピューティングデバイス100のヘッドセット実装は、コンピューティングデバイス100のスマートフォン実装とは非常に異なる構成要素を使用し得、非常に異なるアーキテクチャを有し得る。そのような違いに関わらず、それでもなお、コンピューティングデバイスは、様々な機能を実装するためにソフトウェアおよび/またはファームウェア命令を実行するプロセッサを一般に含む。したがって、コンピューティングデバイス100の前述の態様は、限定的な観点から提示されるものではなく、全体的に例示的な観点から提示される。
【0021】
[0030]本開示のいくつかの態様は、ARデバイス、MRデバイス、またはVRデバイスとして実装されるコンピューティングデバイスにとって特に有用であり得る。本開示のいくつかの態様は、光投影または光受信のためのガイドまたは光輸送層を利用し得るセルフォン、コンピュータモニタ、タブレット、または他のデバイスのディスプレイデバイスにとっても有益であり得る。しかしながら、本開示は、態様が、様々なコンピューティングデバイスの膨大なアレイ、コンピューティングプラットフォーム、および/または他の環境にわたって有用性を見い出すことを想定し、添付の特許請求の範囲で見出され得るような何らかの制限を越える特定のコンピューティングデバイス、コンピューティングプラットフォーム、および/または環境に本開示の範囲を限定することは意図されない。
【0022】
[0031]次に
図2Aを参照すると、ディスプレイデバイス200が示されている。ディスプレイデバイス200は、
図1のディスプレイデバイス130を実装するのに適していることがある。ディスプレイデバイス200は、イメージ源210、ガイド220、入力カプラ231、出力カプラ232、後面反射コーティング241、および前面反射コーティング242を備え得る。イメージ源210は、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、liquid-crystal on silicon(LCoS)デバイス、発光ダイオード(LED)デバイス、有機発光ダイオード(OLED)デバイス、量子ドットデバイス、干渉変調器デバイス、または他のイメージ生成デバイスを含み得る。
【0023】
[0032]ガイド220は、ガイド後面221と、ガイド後面221とは反対側のガイド前面222と、ガイド後面221とガイド前面222との間のガイド側壁223とを画定する1つまたは複数の誘電体層を備え得る。ガイド220は、ガイド後面221に沿った入力カプラ231と、ガイド前面222に沿った出力カプラ232とをさらに含み得る。
【0024】
[0033]ガイド220は、ガイド後面221に沿った後面反射コーティング241と、ガイド前面222に沿った前面反射コーティング242とを含み得る。イメージ源210によって放射される光または他の電磁光線211が入力カプラ231と位置合せされるように、イメージ源210がガイド後面221の下または後方に配置され得る。
【0025】
[0034]ガイド後面221、ガイド前面222、およびそれぞれのコーティング241、242は、光線211をガイド220内に閉じ込め、閉じ込めた光線211を入力カプラ231から出力カプラ232に送るように協働し得る。様々な実施形態では、ガイド220がモードの離散的なセットまたはモードの連続体の伝播を支持するように、ガイド220を形成する1つまたは複数の誘電体層の厚さが定義され得る。
【0026】
[0035]入力カプラ231は、ガイド後面221に沿って配置され得る。入力カプラ231は、イメージ源210によって放射された光線211がガイド後面221を介してガイド220に進入することを可能にするように構築され得る。いくつかの実施形態では、入力カプラ231は、ガイド220の他の側面および/または表面(たとえば、ガイド側壁223)に沿って配置され、ガイド220のそのような側面と位置合せされたイメージ源によって放射された光線211を受け取り得る。逆に、出力カプラ232はガイド前面222に沿って配置され得る。出力カプラ232は、光線211がガイド前面222を介してガイド220を出ていくことを可能にするように構築され得る。いくつかの実施形態では、出力カプラ232は、ガイド220の他の側面および/または表面(たとえば、ガイド側壁223)に沿って配置され、光線211がガイド220のそのような側面を介して出ていくことを可能にし得る。
【0027】
[0036]カプラ231、232は、プリズムカプラ、回折カプラ、メタサーフェスカプラ、または当技術分野で周知の他のタイプの光カプラであり得る。カプラ231、232は、ガイド220の1つまたは複数の層内に埋め込まれ、ガイド220の1つまたは複数の層内にエッチングされ、あるいはガイド前面222、ガイド後面221、またはガイド側壁223上に取り付けられ得る。したがって、ガイド220は、ガイド前面222からの光線211のアウトカップリングを実現し得る。
【0028】
[0037]単一の入力カプラ231および単一の出力カプラ232と共に示したが、ディスプレイデバイス200は、複数の入力カプラ231および/または出力カプラ232を含み、したがって複数のインカップリングおよび/またはアウトカップリング領域をガイド220に設け得る。さらに、出力カプラ232は、複数のアウトカップリングまたはアンカップリング領域を有するように設計され得る。複数のアウトカップリングまたはアンカップリング領域は、たとえば、ガイド220内のいくつかのバウンスに関して光線をアウトカップリングすることによってアウトカップリングエリアの空間範囲を拡張するのに有用であり得る。
【0029】
[0038]明快のために、
図2Aは、イメージ源210によって生成された単一の光線211を示す。しかしながら、様々な実施形態では、イメージ源210は、一定の視野(FOV)内のいくつかの光線211を生成し得る。さらに、イメージ源210は複数の波長の光線211を生成し得る。
【0030】
[0039]出力カプラ232は、ガイド220を通過する周囲の環境からの光線(たとえば、外部世界からの光線)との干渉を最小限に抑えるように設計され得る。以下では、そのような光線は世界光280と呼ばれる。具体的には、適切な格子ピッチを選び、および/または出力カプラ232の屈折率コントラストを低減することにより、世界光280と干渉することなく、または明らかに干渉することなく、出力カプラ232が配置され得る。出力カプラ232は、ガイド前面222の大部分をカバーするように延在し得、または図示されるようにガイド220の離散的エリアに閉じ込められ得る。
【0031】
[0040]カプラ231、232が同一の周期を有する回折格子カプラとして実装される場合、ディスプレイデバイス200によって放射された光線211は、回折格子分散によるひずみをほとんど受けず、または全く受けないはずである。しかしながら、入力カプラ231の周期が出力カプラ232の周期とは異なる場合、光線211は、カプラ231、232の不整合分散のためにイメージひずみを受け得る。同様に、入力カプラ231がプリズムカプラとして実装され、出力カプラ232が格子カプラとして実装され、またはその逆として実装される場合、ディスプレイデバイス200によって放射される、得られる信号は、カプラ231、232の不整合分散のためにイメージひずみを受け得る。したがって、ディスプレイデバイス200は、そのようなひずみを補償する、ガイド220内に埋め込まれた光学素子などの他の素子を含み得る。さらに、プロセッサ110によって実行され、イメージ源210を駆動するために使用されるソフトウェアが、そのようなひずみを補償するように、イメージ源210によって放射される光線211を変更し得る。
【0032】
[0041]MRデバイスおよびVRデバイスについて、ディスプレイデバイス200は一般に、別のイメージ源からの光線を観察者290に提供する懸念なしに、イメージ源210によって生成された光線を観察者290に提供する。たとえば、MRデバイスまたはVRデバイスのディスプレイデバイス200は、観察者290に世界光280を提供しないことがある。したがって、そのようなデバイスについてのディスプレイデバイス200は、世界光280がガイド後面221を通過して、ガイド前面222から観察者290に進むことを可能にする必要はない。したがって、そのようなデバイスの反射コーティング241、242はそれぞれ、任意の広い反射波長帯(たとえば、可視光波長帯全体)を有し得る。
【0033】
[0042]逆に、ARデバイスでは、ディスプレイデバイス200は、イメージ源210から放射された光線を観察者290に提供するだけでなく、観察者290に世界光280も提供し得る。そのようなARデバイスでは、反射コーティング241、242が可視光波長帯の一部に及び、一般には、世界光280がガイド後面221を通じてガイド前面222の外に出て、観察者290まで進むことを可能にし得る。このようにして、観察者290は、イメージ源210と周囲の環境の両方から光線を同時に観察し得る。世界光透過はMRデバイスおよび/またはVRデバイスにとって不可欠ではないことがあるが、MRおよび/またはVRデバイスのいくつかの実施形態についてのディスプレイデバイス200の反射コーティング241、242は、ARデバイスと同様に可視光波長帯範囲の一部に同様に及び得る。
【0034】
[0043]たとえば、反射コーティング241、242は、緑色(G)波長帯にわたって高反射(低透過)を有し、イメージ源210および入力カプラ231によって生成される動作角度範囲を有するように設計され得る。さらに、反射コーティング241、242は、他の可視光波長帯にわたって高透過を有するように設計され得る。そのような反射率のために、反射コーティング241、242は一般に、周囲の環境からの世界光280がガイド220を通過して観察者290まで進むと共に、緑色(G)波長帯の光線がイメージ源210から観察者290まで伝播することを可能にし得る。
【0035】
[0044]
図2Bのグラフは、コーティング241、242のそのような反射率を示す。緑色(G)波長帯、コーティング反射帯についての示される値、およびグラフの反射/透過値は単に例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲に具体的に存在しない限り、本開示を限定するものではない。様々な実施形態では、コーティング241、242は、イメージ源210によって放射される緑色(G)波長帯光線の可能なバッチ間変動および/または温度変動を補償し得る。同様に、コーティング241、242の反射率波長帯は、可能な温度シフトと、コーティング241、242に対する光線の入射角の変化とを補償し得る。
【0036】
[0045]様々な実施形態では、コーティング241、242が同様に実装される。したがって、コーティング241、242は、同一または実質的に同一の反射波長帯を提供し、したがってコーティング241、242の反射波長帯内の光線211を伝播させるように協働する。いくつかの実施形態では、コーティング241、242は、異なる反射波長帯を提供し得る。そのような実施形態では、コーティング241、242は、共通波長帯(たとえば、重なる2つの波長帯の部分)内の光線211を伝播させるように協調し得る。
【0037】
[0046]様々な実施形態では、コーティング241、242は、異なる屈折率の誘電体材料および/または金属材料の交互層を備え得る。たとえば、コーティング241、242は、高屈折率材料と低屈折率材料との交互層を備え得る。そのような実施形態では、高屈折率材料は、酸化タンタル、酸化チタン、炭化ケイ素、窒化シリコン、窒化アルミニウムなどから選択され得る。低屈折率材料は、エポキシ、酸化アルミニウム、酸化シリコンなどから選択され得る。
【0038】
[0047]交互層の構造は、対応する波長の光が反射されるためのおよそ一定の波長の層の厚さを交互層が有する反射構造をコーティング242、242に与え得る。たとえば、着目した領域は、反射される波長の4分の1の層の厚さを有する4分の1波長スタックを備え得る。そのような実施形態では、領域の幅を削減するために、層タイプのうちの1つ(たとえば、高屈折率材料層または低屈折率材料層)が4分の1波長の約1.5倍以上の層の厚さを提供すると共に、他の層タイプが4分の1波長からわずか4分の1波長の10分の1以下まで削減された層の厚さを提供し得るように、スタックの層が4分の1波長からシフトされ得る。
【0039】
[0048]高屈折率材料(たとえば、2より大きい屈折率を有する材料)から形成されたガイド220は、低屈折率材料から形成されたガイド220よりも広い角度範囲で光線を伝播させ得る。より広い視野(FOV)をディスプレイデバイス200に提供するためにより広範な角度範囲が望ましいことがあるが、高屈折率材料は一般に、低屈折率材料よりもコストが高い。さらに、低屈折率材料のいくつかの層からガイド220を単に形成するだけでは、構成がガイド220を通じて伝播する、より広範な角度範囲を提供しない。
【0040】
[0049]材料601の層が
図6Aに示されており、光線が、法線に対して媒体内角度A1で周囲媒体603に出る。材料601が屈折率N1を有し、周囲媒体603が屈折率N3を有し、周囲媒体603が屈折率N3を有する場合、屈折率N2の材料602の層が追加される場合、最終出口角A3は変化しない。たとえば
図6Bを参照されたい。スネルの法則によれば、
N1*sin(A1)=N2*sin(A2)=N3*sin(A3)
したがって、ガイド220上に低屈折率材料の追加の層を単に積み重ねるだけでは、ディスプレイデバイス200の視野を向上させないことがある。
【0041】
[0050]したがって、ディスプレイデバイス200は、屈折率界面のためにガイド220によって反射される角度範囲を補足し、または増加させるために、反射コーティング241、242を備える。
図7に示されるように、ガイド220の屈折率界面は、光線が内部反射する第1の角度範囲701を提供し得る。コーティング241、242は、第2の角度範囲702で光線を内部反射させるように設計され得る。図示されるように、反射コーティング241、242は、屈折率界面によって提供される第1の角度範囲701内に存在しない追加の角度を第2の角度範囲702が含むように設計され得る。この目的で、範囲701、702は別個のものであり、または部分的に重なり得る。正味の結果は、屈折率界面およびコーティング241、242が光線211が内部反射する角度を向上させ、したがってディスプレイデバイス200により広い視野を提供するように協働することである。
【0042】
[0051]次に
図3Aを参照すると、ディスプレイデバイスの別の実施形態が示されている。ディスプレイデバイス201は、
図1のディスプレイデバイス130を実装するのに適していることがある。図示されるように、ディスプレイデバイス201は、イメージ源210、ガイド220、入力カプラ231、出力カプラ232、後面反射コーティング243、および前面反射コーティング244を備え得る。イメージ源210は、液晶ディスプレイ(LCD)デバイス、liquid-crystal on silicon(LCoS)デバイス、発光ダイオード(LED)デバイス、有機発光ダイオード(OLED)デバイス、量子ドットデバイス、干渉変調器デバイス、または他のイメージ生成デバイスを含み得る。
【0043】
[0052]ディスプレイデバイス201は、ディスプレイデバイス200と同様に実装され得る。しかしながら、ディスプレイデバイス201のコーティング243、244は、ディスプレイデバイス200のコーティング243、244とは異なる。具体的には、コーティング241、242の緑色(G)波長帯に加えて、コーティング243、244は、赤色(R)波長帯および青色(B)波長帯にわたって高反射(低透過)を有するように設計され得る。さらに、反射コーティング243、244は、他の可視光波長帯にわたって高透過を有するように設計され得る。そのような反射率のために、反射コーティング243、244は一般に、周囲の環境からの世界光280がガイド220を通過して観察者290まで進むと共に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)波長帯の光線がイメージ源210から観察者290まで伝播することを可能にし得る。
【0044】
[0053]
図3Bのグラフは、コーティング243、244のそのような反射率を示す。赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)波長帯、コーティング反射帯についての示される値、およびグラフの反射/透過値は単に例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲に具体的に存在しない限り、本開示を限定するものではない。様々な実施形態では、コーティング243、244は、イメージ源210によって放射される赤色(R)、緑色(G)、および/または青色(B)波長帯の光線の可能なバッチ間変動および/または温度変動を補償し得る。同様に、コーティング243、244の反射率波長帯は、可能な温度シフトと、コーティング243、244に対する光線の入射角の変化とを補償し得る。
【0045】
[0054]次に
図4Aを参照すると、ディスプレイデバイスの別の実施形態が示されている。ディスプレイデバイス202は、
図1のディスプレイデバイス130を実装するのに適していることがある。図示されるように、ディスプレイデバイス202は、イメージ源210r、210g、210b、ガイド220r、220g、220b、入力カプラ231r、231g、231b、出力カプラ232r、232g、232b、後面反射コーティング241r、241g、241b、および前面反射コーティング242r、242g、242bを備え得る。イメージ源210r、210g、210bは、ガイド後面221rの下または後方に配置され得る。
【0046】
[0055]各ガイド220r、220g、220bは、ディスプレイデバイス200のガイド220と同様に実装され得る。具体的には、各ガイド220r、220g、220bは、それぞれのガイド後面221r、221g、221bと、それぞれのガイド後面221r、221g、221bと反対側とはそれぞれのガイド前面222r、222g、222bと、それぞれのガイド後面221r、221g、221bとそれぞれのガイド前面222r、222g、222bとの間のそれぞれのガイド側壁223r、223g、223bとを有し得る。各ガイド220r、220g、220bは、ガイド後面221r、221g、221bに沿った入力カプラ231r、231g、231bと、ガイド前面222r、222g、222bに沿った出力カプラ232r、232g、232bとをさらに含み得る。
【0047】
[0056]各ガイド220r、220g、220bは、ガイド後面221r、221g、221bに沿ったそれぞれの後面反射コーティング241r、241g、241bと、ガイド前面222r、222g、222bに沿った前面反射コーティング242r、242g、242bとを含み得る。イメージ源210r、210g、210bによって放射される光線211r、211g、211bがそれぞれの入力カプラ231r、231g、231bと位置合せされるように、各イメージ源210r、210g、210bがガイド後面221rの下または後方に配置され得る。このようにして、光線211r、211b、211gは、それぞれのガイド220r、220b、220gにインカップリングされ得る。3つの別個のイメージ源として示されているが、いくつかの実施形態でのイメージ源210r、210g、210bは、単一のイメージングデバイスによって提供され得る。
【0048】
[0057]下側のガイドのアウトカップリングされた光線が上側のガイドの出力カプラを通過するように、ガイド220r、220g、220bの出力カプラ232r、232g、232bが、互いに垂直方向に位置合せされ得る。具体的には、ガイド220bがガイド220gの上に配置され得、ガイド220bの出力カプラ232bが、ガイド220gの出力カプラ232gの上に配置され得る。さらに、ガイド220gがガイド220rの上に配置され得、ガイド220gの出力カプラ232gが、ガイド220rの出力カプラ232rの上に配置され得る。このようにして、ガイド220rのアウトカップリングされた光線211rは、ガイド220rの上に配置されたガイド220g、220bと、ガイド220rの上に配置されるそれぞれの出力カプラ232g、232bとを通過し得る。同様にして、ガイド220gのアウトカップリングされた光線211gは、ガイド220gの上に配置されたガイド220bと、その出力カプラ232bとを通過し得る。したがって、観察者290は、ガイド前面222bを介してイメージ源210r、210g、210bの光線211r、211g、211bを受け取り得る。
【0049】
[0058]ディスプレイデバイス202は、イメージ源210r、210g、210bから観察者290に光線211r、211b、211gを輸送し得る。具体的には、ディスプレイデバイス202は、入力カプラ231r、231g、231bを介して光線211r、211g、211bをそれぞれのガイド220r、220g、220b内にカップリングし得る。ガイド220r、220g、220bの内部全反射(TIR)、そのコーティングの反射率が組み合わさり、光線211r、211g、211bを閉じ込め、入力カプラ231r、231g、231bから出力カプラ232r、232g、232bに伝播させ得る。次いで出力カプラ232r、232g、232bは、そのガイド前面222r、222g、222bから観察者290に光線211r、211g、211bを放射またはアウトカップリングし得る。
【0050】
[0059]
図4Aに示されるように、ディスプレイデバイス202は、3つの異なる波長帯(たとえば、赤色、緑色、青色)をサポートし得る。しかしながら、ディスプレイデバイス202は、適切な数のガイドを使用することにより、任意の数の波長帯と共に実装され得る。さらに、例示的実施形態では、ガイド220bは、外部環境(たとえば、空気)とインターフェースするガイド前面222bを備える。いくつかの実施形態では、エアギャップが各ガイド220r、220g、220bの間に維持され、ガイド前面222r、222g、222bとガイド後面221r、221g、221bとの両方が同一の屈折率を有する媒体(たとえば、空気)とインターフェースすることが保証される。これは、各ガイド220r、220g、220bの前面および後面が同一の内部屈折を実現することを保証する。
【0051】
[0060]
図4Bのグラフは、コーティング241r、242rの反射率を示す。
図4Cのグラフは、コーティング241g、242gの反射率を示す。
図4Dのグラフは、コーティング241b、242bの反射率を示す。それぞれの波長帯(たとえば、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B))、コーティング反射帯についての示される値、およびグラフの反射/透過値は単に例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲に具体的に存在しない限り、本開示を限定するものではない。様々な実施形態では、コーティングは、それぞれのイメージ源210r、210g、210bによって放射される光線の波長帯の可能なバッチ間変動および/または温度変動を補償し得る。同様に、コーティング241r、241g、241b、242r、242g、242gの反射率波長帯は、可能な温度シフトと、コーティング241r、241g、241b、242r、242g、242gに対する光線の入射角の変化とを補償し得る。
【0052】
[0061]次に
図5を参照すると、ディスプレイデバイスの別の実施形態が示されている。ディスプレイデバイス203は、
図1のディスプレイデバイス130を実装するのに適していることがある。ディスプレイデバイス203は、観察者290の第1の目290Rのための第1のディスプレイデバイス203Rと、観察者290の第2の目290Lのための第2のディスプレイデバイス203Lとを備え得る。様々な実施形態では、ディスプレイデバイス203は、めがね、バイザ、ヘッドセット、または他のAR/MR/VRディスプレイデバイス形状因子などのヘッドマウントデバイスとして実装され得る。この目的で、ディスプレイデバイス203は、アーム207R、207L、およびブリッジ209を有するフレーム205を備え得る。アーム207R、207Lは、ディスプレイデバイス203R、203Lの外部端に近接して配置され、ブリッジ209は、ディスプレイデバイス203R、203Lの内部端の間に架かり得る。フレーム205は、第1のディスプレイデバイス203Rおよび第2のディスプレイデバイス203Lを保持し、観察者290の顔面に配置し得る。具体的には、観察者290は、アーム207R、207Lを観察者290の耳の上に配置し、ブリッジ209を観察者290の鼻の鼻柱の上に配置して、それぞれ第1のディスプレイデバイス203Rおよび第2のディスプレイデバイス203Lを観察者290の目290R、290Lの前に配置する。
【0053】
[0062]図示されるように、各ディスプレイデバイス203R、203Lは、ディスプレイデバイス200と同様に実装され得る。すなわち、第1のディスプレイデバイス203Rは、イメージ源210R、ガイド220R、入力カプラ231R、出力カプラ232R、後面反射コーティング241R、および前面反射コーティング242Rを備え得る。同様に、第2のディスプレイデバイス203Lは、イメージ源210L、ガイド220L、入力カプラ231L、出力カプラ232L、後面反射コーティング241L、および前面反射コーティング242Lを備え得る。
【0054】
[0063]いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス203は、たとえば、視線追跡モジュール、3D感知モジュール、リモートコントローラモジュール、ビデオカメラ、マイクロフォン、および/またはスピーカなどの追加のAR/MR/VR構成要素を含み得る。ARの用途では、ディスプレイデバイス203R、203Lは、世界光280がそれぞれのガイド220R、220Lを通過して観察者290の目290R、290Lまで進むことを可能にするように実装され得る。VRまたはMRの用途では、ディスプレイデバイス203R、203Lは、世界光280がそれぞれのガイド220R、220Lを通過するのを防止するように実装され得る。したがって、コーティング241R、241L、242R、242Lは、ディスプレイデバイス200の緑色(G)波長帯よりも広い高反射率波長帯と共に実装され得る。いくつかの実施形態では、コーティング241R、241L、242R、242Lの高反射率波長帯は、全可視光波長帯に及び得る。
【0055】
[0064]本開示は、いくつかの例に対する参照を含むが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得、均等物に置換され得ることを当業者なら理解されよう。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された例に対して修正が行われ得る。たとえば、ディスプレイデバイス200、201、202、203は、様々な記載の特徴を保有する。追加のディスプレイデバイス実施形態は、ディスプレイデバイス200、201、202、203の特徴を混合し、整合し、かつ/または組み合わせ得る。したがって、添付の特許請求の範囲が開示される例に限定されず、それぞれの範囲内に含まれるすべての実施形態を包含するものとする。
【符号の説明】
【0056】
100 コンピューティングデバイス
110 プロセッサ
120 記憶デバイス
130 ディスプレイデバイス
150 入力/出力(I/O)デバイス
200 ディスプレイデバイス
201 ディスプレイデバイス
202 ディスプレイデバイス
203 ディスプレイデバイス
205 フレーム
207 アーム
209 ブリッジ
210 イメージ源
220 ガイド
221 ガイド後面
222 ガイド前面
223 ガイド側壁
231 入力カプラ
232 出力カプラ
241 後面反射コーティング
242 前面反射コーティング
243 後面反射コーティング
244 前面反射コーティング
280 世界光
290 観察者
601 材料
603 周囲媒体
【外国語明細書】