(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139653
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】商品データ管理装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241002BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G07G1/00 331Z
B65D25/20 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134159
(22)【出願日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】P 2023049180
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】内田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 摩美
【テーマコード(参考)】
3E062
3E142
【Fターム(参考)】
3E062AA03
3E062AB07
3E062AC02
3E062BB02
3E062BB10
3E062DA08
3E142EA02
(57)【要約】
【課題】リユーストレーを管理する。
【解決手段】商品の指定を受け付ける受付部21と、商品に使用するトレーのトレー情報を取得するトレー情報取得部24と、受付部21により商品の指定を受け付けた場合に、トレー情報取得部24により取得したトレー情報に基づき、商品に使用するトレーが、使い捨てされる第1トレー又はリユースされる第2トレーのいずれであるかを判定する判定部25と、を備え、判定部25により、商品に使用するトレーが第2トレーであると判定された場合にその旨を出力する出力部22と、を備える商品データ管理装置1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を特定する特定手段と、
前記商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを識別可能な情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した、前記商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレー又は通常トレーのいずれであるかを認識可能な情報を出力する出力手段と、を備える、
商品データ管理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、前記特定手段で特定された商品の商品情報と、前記取得手段で取得した情報とを関連付けて出力する、
請求項1記載の商品データ管理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記取得手段で取得した情報に基づき、前記トレーがリユーストレーの場合は、該リユーストレーの保証金の額を併せて出力する、
請求項1記載の商品データ管理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記取得手段で取得した情報に基づき、前記トレーがリユーストレーの場合、前記特定手段で特定した商品の商品売価と、保証金の合算金額を出力する、
請求項1記載の商品データ管理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記取得手段で取得した情報に基づき、前記トレーがリユーストレーの場合、前記保証金を個別に取得可能なコードとして出力する、
請求項4記載の商品データ管理装置。
【請求項6】
トレーに付されたシンボルコードを読み取る読取手段、をさらに備え、
前記取得手段は、前記読取手段の読取結果に応じて、前記商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーまたは通常トレーのいずれであるかを示す情報を取得する、
請求項1乃至5いずれかの項に記載の商品データ管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リユーストレーを運用するための商品データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にも見られるように、包装機により商品を包装する際にトレーが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点、環境問題などから破棄ロスや廃材削減での店舗運用が注目されており、トレーについてもリユース、リサイクルなどの対策が求められている。
【0005】
そこで本発明は、リユーストレーを管理することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品データ管理装置は、商品の指定を受け付ける受付手段と、前記商品に使用するトレーのトレー情報を取得するトレー情報取得手段と、前記第1受付手段により前記商品の指定を受け付けた場合に、前記トレー情報取得手段により取得した前記トレー情報に基づき、前記商品に使用するトレーが、使い捨てされる第1トレー又はリユースされる第2トレーのいずれであるかを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段により、前記商品に使用するトレーが前記第2トレーであると判定された場合にその旨を出力する出力手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置が備えるハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】上記ハードウェア構成を備えた商品データ管理装置の外観構成の一例を示した外観斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置が備えるソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置上に表示される画面の一例であって、トレー情報の設定画面を示した図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置上に表示される画面の一例であって、商品について、包装、トレー、ラベル貼付の設定を登録する画面を示した図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置上に表示される画面の一例であって、ラベルの発行操作画面を示した図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置によって発行されるラベルの一例を示した図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置によって実行される処理の流れの一例を示した処理フロー図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る商品データ管理装置によって実行される処理の流れの他の一例を示した処理フロー図である。
【
図10】本発明の変形例に係る商品データ管理装置において、デポジットマスタに設定されるデータの一例を示した図である。
【
図11】本発明の変形例に係る商品データ管理装置において、デポジットの設定を行う画面の一例を示した図である。
【
図12】本発明の変形例に係る商品データ管理装置におけるラベルの発行操作画面の一例を示した図である。
【
図13】本発明の変形例に係る商品データ管理装置において、ラベルの発行操作画面に続けて表示される画面であって、デポジットの情報が表示された画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る商品データ管理装置について、図を参照して説明する。
本実施形態に係る商品データ管理装置は、商品を顧客に提供する際に用いられるリユース可能なトレーを管理する装置であり、操作者たる店員や顧客に対し、トレーがリユース可能なトレーであるか否かを積極的に認識させる。
なお、以下では説明の便宜のため、顧客に貸し出してリユースされるトレーを「リユーストレー」(特許請求の範囲における「第2トレー」である)、リユースすることなく一度きりの使用で廃棄(使い捨て)されたり、従来のリサイクル対象であるトレーなど、リユースを目的としてないような通常使用されるトレーを「通常トレー」(特許請求の範囲における「第1トレー」である)と称し、「リユーストレー」であるか「通常トレー」であるかを区別しない場合には単に「トレー」と称する。
【0009】
ここで、リユーストレーは金属製あるいは樹脂製の瓶やケースなど、繰り返し洗浄して再利用できるものであれば差し支えない。店舗が顧客にリユーストレーを貸し出す際には、所定の金額の保証金(デポジット)を顧客から預かり、リユーストレーの返却に応じて保証金を返金するように運用される。
【0010】
なお、本実施形態では、リユーストレーに当該リユーストレーのトレー種別又は/及び保証金の額等の情報が付される。この情報は、RFIDタグやコード化したシンボルマークを印字したラベルによりリユーストレーに取り付けられてもよいし、リユーストレー自体に印字されてもよい。ただし、リユーストレーは洗浄等されたり、繰り返し利用されたりするため、RFIDタグやラベルを用いる場合には当該RFIDタグやラベルを耐水性のある素材で作成したり、印字する場合にはフィルムで被覆したりするなど、水や風塵に対する耐久性を備えさせるのが好適である。また、トレーがリユーストレーであるかどうかは、商品を盛り付けるトレーを撮像すると共に、撮像画像中のトレーの側面や底面、又は平面視において見えるトレー部分の形状等を解析することにより、判別することもできる。なお、トレーの判別は、トレーに商品が盛り付けられる前の撮像画像のほか、トレーに商品が盛り付けられた後の撮像画像であっても行うこともできる。
このように、RFIDタグやラベルの情報を読み込んであり、撮像画像を解析することにより、後述のとおり、リユーストレーのトレー種別に基づいて保証金の額を特定したり、保証金の額に係る情報を直接取得したりして顧客に返金すべき保証金の額を把握できる。
【0011】
本実施形態において、トレーに盛り付けられた、又は載せられた商品としては、例えば精肉や鮮魚、総菜や青果、果物といった食品などが想定される。なお、トレーに盛り付けられた商品は提供態様如何によって包装される。ただし、このことは量り売りされないような商品の取り扱いを妨げるものではないし、顧客に販売される商品以外のもの、例えば販促品として顧客に無償で提供されるようなものも商品に含まれる。
【0012】
●商品データ管理装置1
図1は、商品データ管理装置1が備えるハードウェア構成の一例を示しており、
図2は、当該ハードウェア構成を備えた商品データ管理装置1の外観構成の一例を示している。また、
図3は、商品データ管理装置1が備えるソフトウェア構成の一例を示している。なお、本実施形態は、商品データ管理装置1がスーパーマーケット等の店舗において、商品を顧客に提供する際に用いられている場面を例示している。
以下の例において、商品データ管理装置1は、トレーに載せられた商品たる被包装物を包装すると共に、当該トレーの情報を出力する装置である。本実施形態において、この商品データ管理装置1は、トレーに載せられた被包装物を包装する機能、トレーに載せられた被包装物について自ら風袋引き処理をして価格を求める機能、包装した商品に貼付等するラベルを発行する機能を有しており、計量包装値付け機とも称される。
【0013】
なお、店舗内においては、商品データ管理装置1と共に、商品データ管理装置1により商品に対して発行されたラベルに基づき、商品の登録から会計を行うPOS端末が設けられる。このPOS端末は、自端末や他のサーバ等が備えるマスタを参照して情報の入出力を行うタッチパネル型ディスプレイ等のほか、ラベルからコード化された情報を取得するスキャナやCCDカメラ等のコード読取手段、RFIDタグに格納された情報を取得するタグ読取手段、現金やクレジットカードなどに基づいた決済を実行する決済手段、精算処理後にレシートを発行するレシート発行手段などを適宜に備える。
なお、POS端末における商品の精算処理には、リユーストレーの保証金の支払いも含まれるところ、保証金については非課税項目であるため、現金による精算のみ可能となるように設定できるようになっていてもよい。即ち、顧客が非現金による精算を選択した場合でも、保証金以外は顧客の要望に応じた支払方法による精算処理を実行する一方、保証金については現金による支払いを要求する。一方、顧客が現金による精算を選択した場合には、一括して現金による支払いを受け付ける。
【0014】
また、本実施形態にかかわらず、本発明に係る商品データ管理装置1は、店舗内の各部門で必要とされる機能に応じて適宜の仕様を備えたものとして構成でき、計量値付け装置(計量ラベルプリンタ)、計量機能を有さないラベルプリンタや可搬型のモバイルプリンタなどによって実現される場合もある。また、商品データ管理装置1がPOS端末の機能の一部又は全てを備えていてもよい。
さらに、本発明に係る商品データ管理装置1は、在庫管理や発注管理等の基幹業務を担うストアコントローラ、商品の登録から会計を実行するPOS端末、被包装物を包装する包装装置、ラベルを発行するプリンタ等のラベル発行装置など、相互に通信可能に構成された複数の端末や装置に、機能実行に必要な機能部を分散保持させたシステムとして実現することもできる。また、商品データ管理装置1はコンソールとし、各種のデータの登録や処理はクラウド上のサーバなどに実行させてもよい。
【0015】
<ハードウェア構成>
商品データ管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を有しており、インターフェース回路を介して、表示・操作部11、撮像部12、計量部13、発行部14、包装部15に接続している。
【0016】
CPUは、中央演算処理装置であり、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、商品データ管理装置1の動作を制御する。
ROMは、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPUが利用する各種の情報を記憶する。
RAMは、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、各種の登録された情報や、当該登録された情報に基づく処理において生成した情報を記憶する。
【0017】
表示・操作部11は、各種の情報を表示したり、ユーザの操作を受け付けたりする手段である。本実施形態では例えばタッチパネル式ディスプレイで構成される。
店員等の操作者は、この表示・操作部11に印字データやトレー情報を表示させて情報の編集、確認を行ったり、商品の指定入力やラベルの発行操作を行ったりすることができる。
【0018】
なお、この表示・操作部11は、店員側に情報を表示する店員側表示部と顧客側に情報を表示する顧客側表示部によって構成されていてもよい。商品データ管理装置1がPOS端末の機能を備える場合にはこのように構成されるのが好適であり、この場合、店員は店員側表示部により買上対象商品の登録状況を確認したり、買上対象商品の登録操作を実行したりできる。また、顧客は顧客側表示部により登録された商品を確認したり、必要に応じて買上対象商品に対する承認操作等を実行したりできる。
また、表示・操作部11は物理的なメカキーやスイッチといった入力手段を兼ね備えていてもよいし、物理的なメカキーと液晶ディスプレイといったように、入力手段と出力手段が別々に構成されていてもよい。
【0019】
撮像部12は、トレーを撮像してオブジェクトスキャン等を実行するための機能部であって、CCDカメラ等によって実現される。なお、撮像部12によるオブジェクトスキャンの機能に変えて、あるいはこれに加えて、トレーのサイズ等を計測するための光電センサ等のセンサを備えていてもよい。これにより、トレーの寸法や外観形状、色合いといった情報を取得できる。なお、トレーに通常トレーであるかリユーストレーであるかを示すイメージや識別符号等が付されている場合、当該イメージや識別符号等を取得することもできる。
【0020】
計量部13は、商品(量り売り商品)や容器など、所定の載置面に載置された被計量物の重量を計量する。
この計量部13は、載置面に載せられた被計量物を例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。詳細には、計量部13は重量検出部とA/D変換器によって構成され、A/D変換器が重量検出部から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。これにより、トレーに載せられた被包装物について、風袋重量の参照値を参照して計量結果から風袋引き処理を行い、表示・操作部11に被包装物の重量を表示することができる。
なお、計量部13の載置面上において、撮像部12によるオブジェクトスキャン(あるいはセンサによる計測)が実行可能となるように各機能部を配設すれば、当該載置面上において対象物のオブジェクトスキャン(計測)と計量を行うことができる。
【0021】
発行部14は、商品等に貼付するラベルを発行する。即ち、発行部14は、紙やシールなどの記録媒体に所定の印字内容を印字してラベルを作成し、所定の発行口から当該ラベルを排出する。
なお、ラベルがシールである場合、発行部14はさらに、発行したラベルを包装された商品の所定の箇所に貼付する機能を有していてもよい。
【0022】
包装部15は、トレーに載せられた被包装物をトレーごと包装する。例えば、フィルムロールから包装用フィルムを繰り出して、被包装物が載せられたトレー上に当該包装用フィルムを張架すると共に、当該包装用フィルムを切断し、当該被包装物を包装用フィルムで包む。
【0023】
ここで、上述したハードウェア構成を備えた商品データ管理装置1の外観構成を
図2に示す。
図2に例示した商品データ管理装置1は、正面を向いて開口する搬入部110を備え、当該搬入部110の内側底面は、商品を計量領域140に案内する搬入路131となっている。搬入部110は、商品を計量する計量領域140に連通している。また、搬入部110に案内された商品は、商品データ管理装置1内部で上方に持ち上げられ、搬入部110上方において正面を向いて開口する搬出部111から、搬出路132を経て搬出される。搬入路131は、例えば複数のベルトコンベアにより構成されている。また、搬出路132は、例えば傾斜面や受動ローラであってもよい。なお、搬入路131および搬出路132の各構成は、上述には限られず任意である。搬入路131および搬出路132は、総称して搬送路130ともいう。
【0024】
商品データ管理装置1は、計量部13により商品を計量領域140にて計量するとともに、商品の幅方向の大きさに基づいて、包装に用いるフィルム等の量、折込量および張力を調整する。そして、商品データ管理装置1は、商品データ管理装置1の内部に設けられている包装部15により商品をフィルム等で包装する。また、商品データ管理装置1は発行部14により、商品に関する情報を印字したラベルを発行し、発行したラベルを、包装された商品の上面等に貼付する。この商品データ管理装置1の一連の動作は自動的に行われる。
【0025】
撮像部12は、搬送路130上を撮像するように配設されている。より具体的には、撮像部12は、複数配設され、搬入路131および搬出路132をそれぞれ撮像する。第1撮像装置121は例えば、搬入路131の上方であって、搬入部110の天面に下方を向いて配設される。第2撮像装置122は例えば、搬出路132の上方であって、搬出部111の天面に下方を向いて配設される。その結果、第1撮像装置121が撮像する画像には、商品データ管理装置1に搬入前の商品や商品を入れたトレーが含まれている。また、第2撮像装置122が撮像する画像には、商品データ管理装置1から搬出され、包装された商品が含まれている。
【0026】
また、商品データ管理装置1は、包装された商品を、商品データ管理装置1側に設けられた排出コンベヤ133により、搬送方向下流側に設けられたラベル下貼り装置(不図示)に搬送してもよい。ラベル下貼り装置は例えば、複数の駆動ローラを備え、可動ローラにより搬送される商品の底面に、商品上面側に貼付されたラベルに表示しきれない項目を印字した下貼り用ラベルを貼付し、商品搬送方向の下流側に配置された別途の装置に搬送する。
【0027】
<ソフトウェア構成>
商品データ管理装置1は、情報記憶部20、受付部21、出力部22、設定登録部23、トレー情報取得部24、判定部25、重量情報取得部26、算出部27、コード化部28、印字部29、及び包装処理部30を備える。
なお、これらの機能部の機能実行のためのコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【0028】
情報記憶部20は、各種の情報を記憶する記憶部であり、各種の情報には例えば、商品マスタ201、トレーマスタ202、印字マスタ203、及び実績マスタ204が含まれる。
なお、これらの情報記憶部20に記憶されるデータは、インターネット等を介して通信可能に構成されたクラウドサーバに登録されていてもよい。
【0029】
商品マスタ201は、商品に関する情報によって構成される。この商品マスタ201に記憶されるデータ項目には例えば、JANコード等で構成される商品コード、商品名、計量区分、単価、単位重量、トレー種別が含まれる。
【0030】
計量区分は、計量に関する区分であり、不定貫、定貫、定額といった区分がある。
不定貫の計量区分に分類される商品は、予め設定した単位重量(例えば「100g」)当りの単価と、販売する重量(計量値)とに基づいて販売価格が決定される。
定貫の計量区分に分類される商品は、予め設定された所定の重量(所定の上下限に収まる一定量は許容される)のパックごとに販売価格が決定されている。
定額の計量区分に分類される商品は、予め設定した単位数量(例えば「1個」)当りの単価と、置数入力される販売数量とに基づいて販売価格が決定される。計量区分が定額の商品については、重量とは無関係に置数により販売数量が決定されるため、計量は不要である。
【0031】
トレー種別は、各種のサイズや重量、通常トレー又はリユーストレーからなるトレーの種別を特定するための設定情報であり、トレーの識別子としても機能する。このトレー種別に基づき、後述するトレーマスタ202を参照することにより、所定の商品が載せられるトレーの情報を把握できる。
なお、一の商品について、使用し得るトレーを複数(例えば、5つなど)、設定しておくことができ、この場合には例えば、操作者は、商品の包装処理を開始する際、設定されている複数のトレーのうちから任意のトレーを選択してもよい。
【0032】
トレーマスタ202は、トレーに関するトレー情報によって構成される。このトレー情報は、管理者等によってトレーごとにその内容を設定できるようになっている。
ここで、
図4はトレー情報の設定画面の一例を示している。この例に示されるように、トレーマスタ202に記憶されるデータ項目には例えば、トレー種別G11、風袋重量G12、リユース区分G13、リユース時保証金G14、リユース印字イメージG15が含まれる。
【0033】
トレー種別G11は、上述のとおりトレーの種別を示す識別情報であり、トレーの名称やID、トレーメーカーの品番のほか、サイズや材質などに応じて規定されてもよい。例えば、トレー大、トレー中、トレー小といったように規定されていてもよい。
風袋重量G12は、トレーの風袋重量であり、当該トレーを包装するラップ等の包装体の風袋重量も設定できるようになっている。この風袋重量の情報に基づき、商品の包装後の計量時、包装された商品の総重量から風袋重量を減算してNET重量を求めることができる。
リユース区分G13は、トレーがリユーストレーであるか、通常トレーであるかを示す。
リユース時保証金G14は、リユーストレーの保証金(デポジット)のことであり、ここで保証金の額を設定できる。保証金は、店舗が顧客にリユーストレーを貸し出す際に店舗が顧客から預かり、顧客が店舗にリユーストレーを返却した際に店舗から顧客に返金される。この保証金の額は、トレー種別に応じて異なるものとしてもよいし、一律なものとしてもよい。なお、保証金の額を一律とする場合には例えば、別途設けた情報の設定項目から入力設定を受け付けると、すべてのリユーストレーに一律に所定の保証金の額が設定される。
リユース印字イメージG15は、トレーがリユーストレーである場合に、表示・操作部11上に表示されるラベル発行操作画面等の画面上や、商品に対して発行されるラベル上でリユーストレーである旨を示すための画像イメージであり、出力部22によって画面上に表示されたり、印字部29によってラベル上に印字されたりする。
【0034】
このほか、トレーマスタ202は、トレーの種別ごとに、トレーの幅、高さ、奥行きといったサイズや形状に係る情報を保持してもよい。これにより、例えば撮像部12や所定のセンサによって所定の位置に載置されたトレーをオブジェクトスキャン等してサイズや形状に係る情報を取得すれば、トレーマスタ202を参照することにより、トレー種別を判別できる。
なお、トレー種別を判別する際にはトレーマスタ202ではなく、商品毎に設定される商品毎のトレー設定情報に設定されているトレーの中から判別することもできる。また、商品マスタ201において、商品情報に対し、商品に使用するトレーがリユーストレーか通常トレーかを示すリユース区分や、リユーストレーの保証金の額に係る情報を設定できるようにしてもよい。
【0035】
なお、リユース時保証金G14、リユース印字イメージG15は、トレーがリユーストレーである場合にのみ設定が必要となる情報であるため、リユース区分G13がリユーストレーに設定される場合にのみ表示されたり、操作者が設定したりできるようになっていてもよい。また、トレーが通常トレーの場合には、リユース時保証金G14やリユース印字イメージG15の設定項目が当該通常トレーに対しては反映されないようになっている。
【0036】
印字マスタ203は、ラベルに印字するデータ、具体的には印字を行う印字項目とその内容によって構成される。印字項目には例えば、品番(商品番号)、単価/値段、日時、広告文、産地名称(原産地等)、イメージ、内容量・内容量単位、上下限重量、コメント、保存温度、個体識別番号/ロット番号、添加物、バーコード、店名、製造者、風袋、品名、加工日時、賞味期限(消費期限)等がある。
なお、印字マスタ203には、印字項目に限らず、ラベルフォーマットなどの印字内容に関するもののほか、包装条件や包装の設定に関する情報などが含まれていてもよい。
【0037】
実績マスタ204は、ラベル発行実績に関するデータであって、発行したラベルの情報によって構成される。
ラベル発行実績からは、ラベルを発行した商品の内容や数量のほか、印字内容、トレー種別(リユーストレーであるか通常トレーであるか)などを把握できる。
【0038】
受付部21は、表示・操作部11上から所定のデータの入力を受け付ける。
この受付部21により、操作者から、包装する被包装物等の商品の指定を受け付けることができる。商品の指定は例えば、商品の品番指定により行うことができる。また、受付部21により、操作者からトレーの識別子としてトレー種別の入力を受け付けることもできる。
【0039】
出力部22は、表示・操作部11上に所定のデータを出力させる。
この出力部22により、商品に対して発行するラベルの発行操作画面など、各種の情報表示画面や操作画面を表示・操作部11上に表示し、さらに受付部21において指定された商品の情報を情報記憶部20から読み込んでこれらの画面上に出力する。
【0040】
また、出力部22は、当該ラベルの発行操作画面上等において商品情報が呼び出され、後述する判定部25により、被包装物を包装する際に使用するトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかが判定された場合にその旨(判定結果)を出力する。
判定結果の出力は、トレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを区別できる態様であればよく、例えば、リユーストレーである場合にのみその旨を出力してもよいし、逆に通常トレーである場合にのみその旨を出力してもよい。また、リユーストレーあるいは通常トレーの別をそれぞれ認識可能に出力してもよく、いずれのパターンにも適宜に設定変更できるようになっていてもよい。
これにより、操作者は、扱っている商品のトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを把握しやすい。
なお、リユーストレーを強調するか、あるいは通常トレーを強調するかは、店内や部門において陳列されるトレーの種類(通常トレー又はリユーストレー)の比率に応じて任意に設定すればよい。ただし、いずれの場合でも保証金の情報は印字し、把握できるようにするとよい。
【0041】
また、出力部22は、商品の提供に用いられるトレーがリユーストレーである場合に、商品の売価として、後述する算出部27が算出した、商品価格(被包装物たる商品自体の売価)とリユーストレーの保証金の合算額に係る情報を出力する。
さらに、出力部22は、ラベルの発行操作画面等において、商品やトレーに関する情報に基づいてラベルのプレビューを生成して出力することもできる。
【0042】
なお、本実施形態においては上述のとおり、判定部25による判定結果、即ちトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかの情報は、出力部22によってラベルの発行操作画面等に表示して操作者に報知するものとしたが、これにかかわらず、音声による案内、所定の紙媒体等への印字等によって操作者に報知することもできる。また、他に商品データ管理装置1と通信可能に構成された所定の端末を設けると共に、当該所定の端末に判定結果に係る情報を送信し、当該所定の端末の操作者に判定結果を報知することもできる。
【0043】
設定登録部23は、商品にトレー情報を設定登録する。
図5は、商品に対し、包装、トレー、ラベル貼付の設定を登録する画面の一例を示している。画面上には、品番に基づいて呼び出された商品情報が展開されており、各種の設定登録が完了すると、包装の操作に移行できる。
【0044】
包装の設定としては、包装モード、被包装物の搬入速度などがある。包装モードには、包装と値付けを一連で行う「包装値付け」、包装のみを行う「包装」、手で値付けのみを行う「値付け」、自動で値付けのみを行う「自動値付け」などの設定がある。搬入速度には、低速、通常、高速といった設定がある。
【0045】
トレーの設定では、トレーの自動検索G21において、トレーマスタ202から検索して所望のトレーをトレー種別等によって商品に関連付けられるようになっている。この場合、商品の包装時や搬送時の条件、あるいは商品自体の内容(例えば、撮像部12によって取得した商品の撮像画像に基づくサイズや色)に応じた条件に合うトレーの候補をトレーマスタ202から自動で検索して所定数、表示し、操作者がそこから選択できるようになっていてもよい。
なお、図示の例にかかわらず、予め商品に対して設定しておいた複数のトレーから、操作者が任意のトレーを選択するようになっていてもよいし、操作者がトレーマスタ202を参照して、すべてのトレーの中から任意のトレーを選択するようになっていてもよい。また、初期設定のトレーが優先して選択されるようになっていてもよいし、前回、商品を呼び出した際に設定したトレーが優先して選択されるようになっていてもよい。
【0046】
ラベルの貼付の設定としては、ラベルを手動又は自動のいずれで貼付するかに関するラベル貼付方法、商品に対するラベルの貼付位置、貼付する際のラベルの貼付角度などがある。
【0047】
トレー情報取得部24は、被包装物を包装する際に使用するトレーのトレー情報を取得する。
より具体的には、トレー情報取得部24は、品番呼出等により商品たる被包装物が指定されたタイミング等において、トレーマスタ202から所定のトレー種別に係るトレーのトレー情報を取得する。
【0048】
ここで、トレー情報を取得するトレーのトレー種別は、例えば、品番呼出等によって指定された所定の商品に対して一のトレー種別が設定されていた場合には、一意にトレーが特定され、当該一のトレー種別が該当することにとなる。また、商品の指定に際して、操作者から、一のトレー種別(少なくとも一のトレーを特定できる情報であればよい)が指定入力等された場合には、当該指定されたトレー種別となる。
なお、商品にリユース区分と保証金の額を設定する場合において、通常トレーを使用する場合には、少なくともリユース区分を切り替える(通常トレー又はリユーストレーに設定を切り替える)機能が設けられていればよい。この場合は、通常トレーのトレー情報のみ、トレーマスタ202を参照するようにする。また、この場合に、商品に複数のトレーを設定する場合は、当該トレーはすべて通常トレーとし、トレーを選択する。
【0049】
また、他の例において、予め商品に複数のトレーが関連付けられている場合には、複数のトレーから所定の優先ルール等に基づいて自動的に一のトレーを選択して当該トレーのトレー情報を取得してもよいし、当該複数のトレーを選択候補として操作者に所定のトレーを選択させてもよい。
【0050】
さらに、撮像部12や別途設けたトレー用のセンサによって所定の位置に載置されたトレーの幅、奥行き、高さといった寸法や形状等に係る外観の情報を取得した上で、トレーマスタ202に設定されているトレーのトレー情報を取得してもよい。この場合についても、予め商品に複数のトレーが関連付けられている場合には、複数のトレーから所定の優先ルールによって優先されるトレーや、寸法や形状等の条件が最も近いトレーを自動的に選択して当該トレーのトレー情報を取得してもよい。また、撮像画像に基づいて、寸法や形状等の条件が合致する複数のトレーを選択候補として抽出し、当該選択候補から操作者が選択したトレーについて、トレー情報を取得するようにしてもよい。
なお、トレー情報が取得できていないまま、操作者が操作を続行等しようしたときには、操作者に対してエラーを報知してトレー種別の入力やトレー情報を取得する操作を要求してもよい。
【0051】
判定部25は、トレー情報取得部24により取得したトレー情報に基づき、被包装物を包装する際に使用するトレーとして当該被包装物に対して設定されたトレーが通常トレー又はリユーストレーのいずれであるかを判定する。なお、判定部25による判定処理は、受付部21により操作者から被包装物の指定を受け付けた際や、所定の位置にトレーが載置されてラベル発行のための操作が開始されたタイミング等において実行される。
【0052】
重量情報取得部26は、商品重量として計量部13による計量値を取得する。
なお、計量値を取得する場合、計量値は、商品データ管理装置1自らが備える計量部13によらず、商品データ管理装置1にネットワーク等を介して外部接続された計量装置等から取得することもできる。また、商品重量は置数入力により取得することもできる。
【0053】
算出部27は、商品の売価を算出する処理を実行する。
この算出部27は、商品の提供に用いられるトレーがリユーストレーである場合には、商品価格とリユーストレーの保証金を合算した合算額を売価として算出する。また、商品が量り売り商品である場合には、当該量り売り商品の重量と単価に基づいて商品価格を算出する。なお、売価の算出において、商品は課税項目である一方、リユーストレーの保証金は非課税項目であり、算出部27はそれぞれを区別して税金を加算する。また、商品に割引がある場合には、商品とリユーストレーを区別し、商品についてのみ割引を適用し、リユーストレーの保証金には割引を適用しないようにする。
【0054】
コード化部28は、商品コードや商品の売価など、ラベルに印字する商品の情報をコード化し、バーコードや二次元コードといったシンボルコードを生成する。
生成されたシンボルコードは、ラベル上に印字され、POS端末は当該シンボルコードを読み取って商品の登録を行う。
【0055】
ここで、被包装物を包装する際に使用するトレーがリユーストレーである場合、商品価格とリユーストレーの保証金の額の合算額に係る情報がシンボルコードに含まれることになるが、売り上げの計上においては商品自体の売り上げと保証金は別途管理する必要がある。そのため、POS端末がシンボルコードを読み込んだ際、商品価格と保証金の額とを区別して入力できるようにするとよい。例えば、GS1-128などでアプリケーション識別子(A.I.)により商品価格と保証金の額を区別して読み取れるようにコード化しておく。なお、バーコード規格やバーコード規格を利用したアプリケーション規格は限定されることなく、POS装置との連携において、商品売価と保証金が別途に計上できればよい。
これにより、売価にリユーストレーの保証金が加算されている場合でも、ラベルから売上計上として商品代金(商品価格)、保証金の額を別途計上し、それぞれ個別に集計、分析できるので、店舗にとって売上管理が容易である。
【0056】
なお、これにかかわらず、シンボルコードの内容を商品コードと商品価格のみで構成する場合には、商品マスタ201において当該商品コードに関連付けられたトレー種別を特定した上、トレーマスタ202を参照することで、商品に設定されているトレーがリユーストレーなのか通常トレーなのか、リユーストレーである場合には保証金の額がいくらなのかといったトレー情報を把握できる。その結果、リユーストレーである場合には、自動的にPOS端末の画面やレシートにリユーストレーである旨の情報を表示又は印字するようにしてもよい。また、リユーストレーの場合には、POS端末の画面上に保証金の額の入力画面や選択画面を表示するようにしてもよい。
【0057】
印字部29は、発行部14を制御して、商品の情報を印刷媒体に印字させ、ラベルを発行させる。
具体的には、顧客に販売する商品に関する情報を所定の印字フォーマットに落とし込んで印字データを生成する。そして、発行部14に対し、当該生成した印字データを印刷媒体に印字させ、ラベルを発行させる。
顧客に販売する商品に関する情報には例えば、受付部21において指定された商品たる被包装物の情報、重量情報取得部26により取得した商品の重量に係る情報、算出部27によって算出された商品の売価、判定部25による判定結果に係る情報、商品たる被包装物を載せるのに用いられているトレーに係る情報が含まれる。
【0058】
なお、判定部25による判定結果に係る情報は、上述のとおり被包装物を包装する際に使用するトレーがリユーストレー又は通常トレーのいずれであるかを区別できる態様のものであればよい。また、トレーがリユーストレーである場合、トレーに係る情報には、トレーマスタ202において設定されている当該リユーストレーの保証金の額に係る情報を含む。さらに、この保証金の額については、商品価格との合算額と共に、当該合算額の内訳、即ち合算額に占める保証金の額が把握可能に印字されていてもよい。
これらの情報はすべて併せて一のラベル上に印字することもできるし、任意に選択した一又は複数の情報を一のラベル上に印字することもできる。
【0059】
これにより、商品のラベルにリユーストレーであることが印字されるため、商品の購入者である顧客も環境保全に協力できていることを自覚できるし、リユーストレーを店舗に返却することで返金を受けられることをはっきりと理解できる。また、リユーストレーの場合には、保証金の額に係る情報がラベルに印字されるため、顧客はリユーストレーを店舗に返却するといくら返金されるかを理解できる。
【0060】
包装処理部30は、包装部15を制御して、被包装物を包装させる。
【0061】
ここで、
図6は、ラベルの発行操作を行う際の画面を示している。
画面上には、印字データを構成する印字項目が表示されている。また、プレビュー表示欄G33には、発行されるラベルのプレビューとして、各印字項目を反映したラベルイメージが表示されている。これにより、操作者は、印字項目を編集するとどのようなラベルが発行されるかを直感的に把握できる。
なお、
図6に示したラベルのプレビューは、発行されるラベルのイメージを簡略化しており、実際には後述する
図7に示すラベルが発行されるところ、イメージを簡略化することなくラベルのイメージを正確にプレビューしてもよい。
【0062】
この
図6の例は、商品の提供に際してリユーストレーが用いられる場合を示しており、リユーストレーが用いられていることがわかるよう、商品の名称表示欄G31には「リユース」の文字が表されたイメージG32が表示されている。このイメージG32は、上述したリユース印字イメージの一例である。なお、この例にかかわらず、リユーストレーが用いられていることがわかれば、イメージG32のデザインや内容、表示位置は任意である。
【0063】
また、商品の売価は、商品の提供に用いられるトレーがリユーストレーである場合には、商品価格とリユーストレーの保証金を合算した合算額によって構成される。なお、売価の算出は上述した算出部27によって行われている。
【0064】
図7は、リユーストレーが用いられた商品に対して発行されたラベルの一例を示している。
ラベルには、商品の名称や賞味期限、内容量といった商品の内容に関する情報と併せて、商品の売価、商品に関する情報をコード化したバーコードが印字されている。
商品の売価に係る情報として、内訳表示欄G41には、商品価格とリユーストレーの保証金の額の内訳が印字されている。また、バーコードにコード化された情報には、印字されている情報が適宜に含まれる。バーコードとしてGS1-128を採用することで、その下方には、一のバーコード体系を構成するように合成された商品コード、内容量、トレー種別などを示す情報が数値により印字されている。なお、これにかかわらず、バーコード規格やバーコード規格を利用したアプリケーション規格は限定されることなく、各種のものを採用できる。
これにより、顧客は、トレーがリユーストレーであることや保証金の額を把握できる。なお、この例にかかわらず、リユーストレーであることを示すイメージ又は表示を別途、印字するようにしてもよい。
【0065】
なお、表示・操作部11が上述した店員側表示部と顧客側表示部によって構成されていれば、ラベル発行の際、店員が上述した
図6により例示される画面を確認、操作する一方、顧客側表示部にもこれに対応した画面を表示して、トレーがリユーストレーである旨やイメージの表示、保証金の額(商品の売価における内訳によって示してもよい)などを顧客に案内してもよい。また、顧客向けの情報として、保証金の説明や返金の仕方などの情報を情報記憶部20にもたせておき、顧客に案内してもよい。具体的には、「洗浄後にサービスカウンタへ返却して頂ければ満額、トレーが欠損した場合も欠損の度合いによって保証金の一部を返金します」といった案内をしてもよい。なお、欠損の度合いは店舗が設定すればよく、例えば一部の欠損でリユース可能であれば保証金の8割を返金するなどいった運用をしてもよい。
表示・操作部11が店員側表示部と顧客側表示部によって構成される例以外でも、商品データ管理装置1に顧客用の表示部が接続したりしていれば、当該顧客用の表示部によって同様のことを実現できる。
【0066】
また、上述した本実施形態に係る商品データ管理装置1の機能説明では、ラベルの発行対象として、ラベルの発行に至る工程で包装される被包装物を想定した。ただし、包装されることなく、値付けのみが行われる被値付け物も本発明の適用対象となる商品であり、包装を行わないだけで、トレーの判定やラベルの発行などの処理は上述した例と同様に実行される。
●処理の流れ
【0067】
<ラベル発行から商品の販売までの流れ>
本実施形態に係る商品データ管理装置1により、ラベルが発行される際に実行される処理の流れの一例を
図8に示す。この例は、商品データ管理装置1が計量包装値付け機として構成される場合に想定される処理の流れを示している。
操作者は、所定の商品に対してラベルを発行すべく、ラベルの発行操作画面において、商品の品番指定等により所定の商品の商品情報を呼び出す(S101)。これに応じて、受付部21は商品たる被包装物の指定を受け付ける。
【0068】
トレー情報取得部24は、所定の商品に対して設定されたトレー種別に基づき、トレーマスタ202から当該トレー種別に係るトレーのトレー情報を取得する(S102)。判定部25は、トレー情報に基づき、所定の商品に対して設定されたトレーがリユーストレー又は通常トレーのいずれであるかを判定する(S103)。
【0069】
商品の載せられたトレーが計量部13上に載置されると、重量情報取得部26は、計量部13による計量値を商品重量として取得する(S104)。
【0070】
算出部27は、商品の単価や重量などに基づいて商品の売価を算出する(S105)。商品の売価の算出においては、商品の提供に用いられるトレーがリユーストレーである場合、商品価格とリユーストレーの保証金とを合算し、合算額を商品の売価として算出する。また、算出部27は商品と保証金の課税項目の別に応じた税金を加算する。
【0071】
コード化部28は、商品コードや商品の売価など、ラベルに印字する商品の情報をコード化し、バーコードや二次元コードといったシンボルコードを生成する(S106)。
出力部22は、商品情報等を表示・操作部11上に出力する(S107)。なお、ここで出力される情報には、商品情報以外にも、トレー情報やシンボルコードなど、ここまでの処理で抽出あるいは生成した情報が含まれ、情報の出力画面の一例は
図6により既述したとおりである。
なお、商品マスタ201に登録されている商品情報について、リユース区分を設定、管理している場合には、操作画面において、リユース区分を切り替えるボタンを配置してもよい。例えば、基本機能として、
図6に例示した画面上、商品の名称表示欄G31に表示された「リユース」マークをタッチすると「通常」マークに切り替わり、リユーストレーを選択している状態でも、通常トレーとして取り扱う機能を有していてもよい。
【0072】
操作者が商品情報やラベルのプレビューなどを確認し、ラベルの発行操作を実行すると(S108)、包装処理部30は包装部15を制御して被包装物たる商品の包装を実行する(S109)。また、印字部29は、発行部14により商品の情報やシンボルコードなどの所定の印字項目を印刷媒体に印字させ、ラベルを発行させる(S110)。
発行されたラベルは、発行部14が備える貼付機構により、あるいは操作者により、包装された商品に貼付等される。
【0073】
図9は、本実施形態に係る商品データ管理装置1により、ラベルが発行される際に実行される処理の流れの他の一例を示している。この例は、商品データ管理装置1がバルク計量器、即ちトレーに盛り付けられた量り売り商品(被値付け物)を計量してラベルを発行する機器として構成される場合に想定される処理の流れを示している。ただし、この例は、
図8により説明した例とは、トレー情報の確定のタイミングが異なる場合を示すものであり、発明の実施上、必ずしも商品データ管理装置1がバルク計量器である場合に限定されるわけではなく、他の計量値付け機等にも当てはまる。
【0074】
操作者が所定の位置にトレーを載置し、ラベルの発行のための操作が開始されると、撮像部12はトレーを撮像する(S201)。なお、操作者は、運営の仕方如何により、店員となる場合もあれば顧客となる場合もある。また、トレーを載置する所定の位置は例えば、計量部13上である。
【0075】
トレー情報取得部24は、トレーマスタ202を参照して、オブジェクトスキャンしたトレーのサイズ形状等に係る外観の情報に基づいてトレー種別を判別し、当該トレー種別に係るトレーのトレー情報を取得する(S202)。判定部25は、トレー情報に基づき、所定の商品に対して設定されたトレーがリユーストレー又は通常トレーのいずれであるかを判定する(S203)。
【0076】
操作者は、所定の商品に対してラベルを発行すべく、商品の品番指定等により所定の商品の商品情報を画面上に呼び出す(S204)。これに応じて、受付部21が商品の指定を受け付けると、出力部22が商品マスタ201を参照して、指定された商品情報を画面上に出力する(S205)。
さらに、操作者がトレーに商品を盛ると(S206)、重量情報取得部26は、計量部13による計量値を商品重量として取得する(S207)。
【0077】
以降、
図8の例において説明した「売価を算出」(S105)と「情報をコード化」(106)の処理と同様に、「売価を算出」(S208)、「情報をコード化」(209)が実行されると、表示・操作部11上に表示されている情報に商品重量、売価、及びシンボルコードなどの情報が反映される(S210)。
そして、操作者が商品情報やラベルのプレビューなどを確認し、ラベルの発行操作を実行すると(S211)、印字部29は、発行部14により商品の情報やシンボルコードなどの所定の印字項目を印刷媒体に印字させ、ラベルを発行させる(S212)。発行されたラベルは
図8の例と同様、発行部14が備える貼付機構により、あるいは操作者により、包装された商品に貼付等される。
【0078】
以上の処理によれば、出力部22によって商品情報が出力されたとき、画面上には商品情報と共に、判定部25による判定結果、即ちトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかが併せて出力される。これにより、操作者に対し、扱っているトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを認識させることができる。また、ラベルにも、リユーストレーであることや保証金の額などが印字されるため、ラベルを見ることでこれらのことを認識できる。
【0079】
なお、商品にラベルが貼付等されると、当該ラベルに基づいて商品の精算処理を行うことができる。例えば、精算用に別途店舗内に用意されているPOS端末や、商品データ管理装置1が兼ね備えるPOS機能は、商品のラベルに印字されているシンボルコードを読み取ると、商品コードや商品の売価等の情報を含む商品情報を取得し、当該商品を購入対象商品として登録する。そして、購入対象商品の売価に応じて現金やクレジットカード等に基づいた決済が行われると商品の精算処理が完了し、レシートが発行される。なお、トレーがリユーストレーである場合には、レシートにおいても、商品が載せられているトレーがリユーストレーであることや保証金の額が印字されていてもよい。
【0080】
<リユーストレーの回収と返金の流れ>
顧客は、貸し出しを受けていたリユーストレーが不要になった場合には、店舗に当該リユーストレーを返却し、保証金の返金を受けることができる。
【0081】
店舗側は、顧客の申し出に基づき、トレーのトレー種別を判別して所定の保証金を返金する。トレー種別に係る情報は、例えば店員がトレーの見た目から判断してもよい。また、トレー種別に係る情報やその他のトレー情報をRFIDタグに格納してリユーストレーに貼り付けたり、コード化してリユーストレーに直接印字したりしておいてもよい。これにより、例えばPOS端末等、保証金の返金処理を実行可能な端末が備えるタグ読取部やコード読取部を適宜に用いて、あるいは店員や顧客が視認してリユーストレーから当該トレー種別に係る情報を取得できる。
なお、このようにトレーにRFIDタグ等によってトレー種別に係る情報を付す場合には例えば、商品の値付けや包装を実行するたびに、トレーからトレー種別を構成するシリアル番号(タグでUID、バーコードであればトレーメーカーが管理するシリアルコード)等を読み取った上、商品を搬送するコンベア上に設けたRFIDのR/Wによりトレー種別を書き込むとよい。
【0082】
店員は、トレー種別に係る情報を取得すると、トレーマスタ202を参照することにより保証金の額に係る情報を取得できる。なお、上述したRFIDタグ等に保証金の額を記録しておけば、これを取得することで保証金の額を把握できる。
店員は、保証金の額に係る情報に基づいて、POS端末を操作して保証金を払い戻す。これにより、保証金が顧客に返金され、リユーストレーが店舗に回収される。
【0083】
なお、上述の例にかかわらず、保証金の返金は、商品に貼付等されたラベルに基づいて行うこともできる。ラベルに印字されている保証金の額や、ラベルに印字されているシンボルコードにコード化された商品情報を取得することにより、上述の例と同様に返金処理を行うことができる。また、同様に、レシートに保証金の額や適宜にコード化された商品情報が印字されていれば、これに基づいて返金処理を行うこともできる。
【0084】
●変形例1
なお、以上の本実施形態にかかわらず、リユーストレーを一意に特定可能な管理番号を採番した上、当該管理番号にリユーストレーの風袋重量や保証金の額に係る情報を関連付けて管理マスタに登録してもよい。この場合、管理番号を適宜にコード化してラベルに印字したり、RFIDタグやシンボルコードの形態でリユーストレーに付したりすれば、商品の販売時や返金処理時に当該管理番号を取得して管理マスタを参照することにより、リユーストレーであるか否か、リユーストレーである場合には保証金の額がいくらであるかを把握できる。したがって、この場合、ラベルに印字されたシンボルコードから保証金の額に係る情報を入力する必要もない。なお、このように運用する場合には、POS端末や商品データ管理装置1の上位に位置づけられるストアコントローラ、あるいは管理用のコントローラに管理マスタをもたせ、POS端末からの管理番号に基づいた情報照会に応じてトレーに関する情報をPOS端末に供給してもよい。
【0085】
また、このように管理番号によってリユーストレーを個々に識別して管理する場合、リユーストレーごとの貸し出し日時や貸し出し時の保証金の額、これまでに貸し出した回数など、貸し出し状況を詳細に管理できる。その結果、例えば、リユーストレーを貸し出した時にキャンペーンによって保証金の額を通常よりも下げていた場合であっても、当該リユーストレーの返金時に貸し出し時の保証金の額を顧客に払い戻せるし、リユーストレーを貸し出していた期間に応じて、返金する保証金を減額することいった運用も可能となる。また、貸し出した回数が所定数に達したリユーストレーは破棄するといった運用も可能となる。
【0086】
●変形例2
以上の本実施形態では、トレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを示す情報をトレーマスタ202にもたせたが、上述した発行部14(以下では、発行部14が発行するラベルを「第1ラベル」とする)とは別の第2発行部を設け、当該第2発行部によりリユーストレーであることを表す第2ラベル(例えば、所謂POP)を発行して商品に貼付してもよい。なお、第2発行部は例えば、商品データ管理装置1と通信可能に構成されたラベラーによって実現される。
【0087】
この場合、商品マスタ201において、「トレーがリユーストレーである場合の印字」という設定項目を設け、「第1ラベルに印字」、「第2ラベルに印字」、「印字無し」を選択できるようにしてもよい。「第1ラベルに印字」とした場合は、第1ラベルの印字フォーマット内に設定された所定の印字領域(通常の印字領域の上部又は下部、あるいは任意の場所)にリユーストレーであることを示す情報や画像を印字する。「第2ラベルに印字」の場合は、第1ラベルの所定の印字領域にはリユーストレーであることを示す情報や画像を印字せず、第2ラベルにリユーストレーであることを示す情報や画像を印字する。「印字無し」の場合は、第1ラベルと第2ラベルのいずれについても、リユーストレーであることを示す情報や画像を印字しない。この「印字無し」の設定は例えば、人手でリユーストレーであることを示すラベルなどを商品に貼付等する場合に利用することが想定される。
【0088】
なお、発行部14により発行される第1ラベルにライナーレス(台紙なしラベル)を用いる場合において、第1ラベルにリユーストレーであることを示す情報や画像を印字しないときは、当該リユーストレーであることを示す情報や画像の印字領域に相当する部分を短縮して第1ラベルを発行してもよい。
【0089】
●変形例3
以上の本実施形態では、
図4の設定画面に示されるように、トレーマスタ202のトレー種別(識別子)に当該トレーが通常トレー又はリユーストレーのいずれであるかを判別する区分を設けて運用しているが、他の例として、商品マスタ201において商品ごとにデポジットの有無を登録可能にしてもよい。この例では以下に詳述するとおり、別途デポジットマスタを設けてデポジット種別ごとにデポジット金額(保証金の額)やトレー種別等を関連付けておき、商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーである場合、任意のデポジット種別を商品に関連付けて設定する。これにより、商品から所定のデポジット種別が特定され、当該所定のデポジット種別に関連付けられているデポジット金額やトレー種別等の情報に従ってラベルが印字される。
【0090】
なお、この例では、上述したトレーマスタ202には包装条件に関する情報のみが設定されるため、デポジットに関する印字制御の内容や条件等は別途設けられたデポジットマスタに設定されている情報に基づくことになる。即ち、本例の場合、上述した
図4の例に示すトレー設定では、設定項目のうち、リユース区分G13、リユース時保証金G14、リユース印字イメージG15が除外された状態となる。ただし、デポジットの有効、無効に関係なく、関連するすべてのトレーをトレーマスタ202に設定しておくとよい。もっとも、トレーサイズ(包装条件となるトレー幅、トレー奥行、トレー高さ)をスキャニングする場合などでは、必ずしもすべてのトレーがトレーマスタ202に規定されるとは限らない。また、デポジットの金額も操作画面から置数入力可能であるし、リユーストレーに貼付するラベルに印字するリユース印字イメージの選択も同じく操作画面で実行できる。
【0091】
デポジットマスタは、デポジット(保証金)に関する情報によって構成される。このデポジットマスタには例えば、
図10の例に示されるように、デポジット種別ごとに、デポジット名称、デポジット金額、ラベルサイズ、リユーストレーのトレー種別、リユース印字イメージなどが設定可能である。
【0092】
デポジット種別は、デポジットの種別を示す識別情報(識別子)であり、所定桁数の番号や英数字等からなるID等によって構成できるほか、デポジット名称などによって構成されてもよい。
【0093】
デポジット名称は、デポジット種別を端的に示す名称であり、関連付けられているリユーストレーの名称が用いられてもよい。このデポジット名称は、例えば操作画面におけるデポジットの入力又は変更の際に選択可能なリストとして表示される。
【0094】
デポジット金額は、デポジットの額であるが、デポジットマスタに登録されているデポジット金額は印字用データであり、設定は別途に行われる。なお、リユーストレーは必ずしも個別管理する必要はなく、返却時にトレーがリユーストレーであると判別できれば返金可能である。そのため、デポジット金額は、POS端末において置数入力するようになっていてもよいし、買上商品の情報とあわせて又は買上商品の情報とは別に取得可能なバーコード等のシンボルコードにコード化してラベルやレシートに印字したりして顧客に請求するようになっていてもよい。このようにコード化する場合には、少なくともデコードした情報に基づいてデポジット金額を個別に取得できるようになっているとよい。
また、店舗内システムにおいてデポジット金額を管理し、トレー種別やデポジット種別を適宜にコード化して印字したラベルを発行すれば、商品データ管理装置1においてデポジット金額を記憶していなくても、店舗内システムから当該トレー種別やデポジット種別に関連付けられたデポジット金額を取得することができる。
なお、ここでシンボルコードにコード化する情報は、デポジット種別又はデポジット金額のいずれか又は両方のいずれでもよく、コード化したシンボルコードはラベルやレシートへの印字にとどまらず、ラベル発行操作画面上に出力されてもよい。
【0095】
ラベルサイズは、リユーストレーの使用時に発行されるラベルのうち、優先的に用いられるラベルのサイズであり、例えば、具体的な数値等で示されたラベルサイズやラベルのフォーマット(印字書式)番号等で構成される。
【0096】
トレー種別は、リユーストレーの種別を特定するための設定情報であって、トレーの識別子としても機能する。このデポジットマスタに記憶されるトレー種別は、トレーマスタ202に登録されているトレー種別のうち、デポジットが発生するリユーストレーのトレー種別である。リユーストレーの使用時には、このデポジットマスタに設定されているトレー種別に係るリユーストレーが優先して用いられる。このトレー種別に基づき、トレーマスタ202を参照することにより、使用されるリユーストレーの情報を把握できる。
【0097】
リユース印字イメージは上述したのと同様であり、トレーがリユーストレーである場合に、表示・操作部11上に表示されるラベル発行操作画面等の画面上や、商品に対して発行されるラベル上でリユーストレーである旨を示すための画像イメージであり、出力部22によって画面上に表示されたり、印字部29によってラベル上に印字されたりする。
【0098】
また、
図11は、このデポジットマスタに対応した設定画面の一例を示している。ここでは、デポジットマスタから所定のデポジット種別(識別子)に係るデポジットの情報が呼び出されており、当該デポジット種別に関連付けられる情報を設定できる。画面上には、所定のデポジット種別を表示するデポジット種別表示エリアG51のほか、当該所定のデポジット種別に関連付けて登録される各種の情報の表示エリアとして、デポジット名称表示エリアG52、ラベルサイズ表示エリアG53、トレー種別表示エリアG54、リユース印字イメージ表示エリアG55が設けられており、各表示エリアにおいて設定変更が可能になっている。なお、デポジット金額を表示するデポジット金額表示エリアが設けられていてもよい。ただし、ここに表示されるデポジット金額は上述のとおり印字用データであり、設定は別途に行われる。
【0099】
本例では、商品マスタ201において商品ごとにデポジット種別が関連付けて設定される。ラベル発行の際に商品が呼び出されると、呼び出された商品に設定されているデポジット種別が特定され、特定されたデポジット種別に係るデポジットの情報が所定の取得手段によりデポジットマスタから取得されると、当該デポジットの情報がラベルの発行操作画面に反映される。ここで取得されるデポジットの情報は、リユーストレーである場合にのみ商品に関連付けて設定されているため、商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを識別可能な情報を構成する。また、デポジットマスタから取得されるデポジットの情報には、トレー種別などのトレーに関する情報など、デポジットマスタにおいてデポジット種別に関連付けられている情報が含まれており、これらの情報は出力部22によって商品情報と関連付けて出力される。
この商品マスタ201には、商品ごとにデポジットの有効/無効を設定する項目が設けられていてもよい。デポジットが有効の場合は、商品呼出時(値付け作業時)、商品に設定されているデポジット種別に関連付けられているトレー(リユーストレー)が優先的に表示され、デポジット無効の場合は、商品マスタ201において商品に設定されているトレー種別のトレーが優先的に表示される。
【0100】
なお、本例において、トレーの変更操作では包装条件のみ変更されるため、トレーの変更によってデポジットが変更となる、あるいは変更したい場合には別途、商品に設定されているデポジット種別を変更する必要がある。この点、ラベルの発行操作画面等では、操作者によりトレー種別の変更とデポジット種別の変更が合わせて行われるようになっていてもよいし、操作者がトレー種別を変更すると、ダイアログ等でデポジットの解除要否を操作者に選択させ、選択操作に応じてデポジットを解除又は維持してもよい。また、デポジット種別の入力又は変更に連動して、トレー種別もデポジットマスタに設定されている所定のトレー種別が入力されたり、所定のトレー種別に変更されたりするようになっていてもよい。
【0101】
このほか、本例において、判定部25は、商品に関連付けられたデポジット情報に基づき、商品を包装する際に使用するトレーが通常トレー又はリユーストレーのいずれであるかを判定できる。即ち、商品にデポジット種別が関連付けられていれば、商品を包装する際に使用するトレーはリユーストレーであると判定でき、商品にデポジット種別が関連付けられていなければ、商品を包装する際に使用するトレーは通常トレーであると判別できる。また、出力部22は、判定結果に応じたトレーの情報、即ち、リユーストレーであるか通常トレーであるかを認識可能な情報を商品情報と共に出力できる。
【0102】
図12は、本例におけるラベル発行操作(値付け)画面の一例である。画面上には、品番呼出等に基づいて特定された商品の商品情報と共に、デポジット種別ボタンG61、トレーの設定ボタンG62、G63が設けられている。各ボタンの近傍には、デポジット情報又はトレー情報として、商品に関連付けられているデポジット種別やトレー種別等が表示されており、デポジット情報の有無やトレー種別により把握される通常トレー又はリユーストレーの別により、商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを認識することもできる。このボタンを押下すれば、ラベルの発行操作を実行する画面上でデポジット種別やトレー種別の変更を行える。
【0103】
デポジット種別ボタンG61やトレーの設定ボタンG62、G63は、例えば押下によってそれぞれリストを表示し、操作者がリストの中から所定のデポジット種別やトレー種別を選択するようになっていてもよい。
また、トレー変更時には、「デポジットの有無を確認してください」といったメッセージを表示して操作者に確認を促したり、デポジット種別を選択可能なリストを表示して操作者に所定のデポジット種別を選択させたりしてもよい。また、このようなメッセージによりガイダンスした後、操作者がデポジット種別の変更を選択した場合にのみ、デポジット種別を選択可能なリストを表示するようにしてもよい。
【0104】
なお、
図12に示すラベル発行操作画面に限らず、値付け操作や包装操作を行う画面においては、上述した
図6の例に示されるようなラベル発行操作画面上で品番呼出等により商品が特定された後、
図13の例に示されるように、商品に関連付けられたデポジット種別とデポジット金額を商品情報と併せて出力してもよい。画面上には、デポジット情報を表示するエリアとして、デポジット種別の表示エリアG71、デポジット金額表示エリアG72が並べて設けられており、これらは商品名表示エリアG73の横に表示されて操作者の注意を引きやすいようになっている。
【0105】
また、デポジット種別の設定を変更するデポジット種別ボタンG74がデポジット金額表示エリアG72の近傍に配置されており、デポジット種別を変更したり解除したりするときにデポジット金額を視認しやすく、誤った操作を防げる。ただし、この例にかかわらず、デポジット種別ボタンG74の位置は適宜の位置に配置できる。また、デポジット種別ボタンG74の近傍に、トレー種別の設定を変更するトレー種別ボタンが設けられていてもよい。
【0106】
さらに、値段の表示領域に合計金額(図示の例では「467円」)と商品の値段(図示の例では「367円」)を併せて表記してもよいし、別途、デポジット金額も加えた金額の表示領域を設けてもよい。商品データ管理装置1に、店員と対面する客向けに客用表示器を設けるような場合には、合計金額・商品の値段・デポジット金額を表示する方が包装や値付け前に店員のみならず客も確認できるので好適である。
【0107】
本実施例によれば、デポジットの側面から設定変更が行える。また、トレーの設定も容易に切り替えられて操作性がよい。
【0108】
以上の本実施形態に係る商品データ管理装置1によれば、リユーストレーの運用を簡便な態様で実現できる。これにより、使い捨てトレー等の廃材を削減し、環境に配慮した社会の実現に貢献できる。
【0109】
なお、以上の本実施形態において、トレーにトレー種別や保証金の額、又はデポジット種別等の情報を格納したRFIDタグを取り付けたり、当該情報をコード化したシンボルコードを印字したりして商品の包装時に搬送経路上で当該情報を取得してもよい。この場合には、RFIDタグやシンボルコードから適切に情報を取得できるように搬送経路上にリーダ(読取手段)を設けるとよい。リーダは、例えばRFIDタグリーダあるいはシンボルコード取得用のスキャナやCCDカメラ等であり、一又は複数台の任意の数の台数を設けることができる。リユーストレーの側壁部にシンボルコードを印字する場合には、搬送経路上、搬送方向の側面側にリーダを取り付けてスキャンするようにするとよい。また、リユーストレーの底面や側壁部にRFIDタグを取り付ける場合には、搬送経路上にトンネル状にリーダを設けるとよい。即ち、搬送経路上にトンネル状の筐体を設けてその内周面に満遍なくリーダを設けることで、トンネル状の筐体内を通過する商品に取り付けられたRFIDタグがいずれの方向を向いていても確実に情報を取得できる。このようにトレーの情報を取得する態様によれば、商品マスタ201にトレー種別やデポジット種別が設定されない場合でもシステマティックに情報の取得、反映を行える。なお、シンボルコードは、リユーストレーに直接印字せずとも、ラベルに印字して当該ラベルを貼り付けてもよく、シンボルコードが読取可能な状態にリユーストレーに付することができれば、他の態様であってもよい。また、判定部25は、このようなRFIDタグやシンボルコードを読み取ることによって取得されたトレー種別やデポジット種別に基づいて、商品を包装するトレーがリユーストレー又は通常トレーのいずれであるかを判定できる。
【0110】
また、本実施形態に係る商品管理装置は、上述のとおり、相互に通信可能に構成された複数の端末や装置に、機能実行に必要な機能部を分散保持させた商品データ管理システムとして実現することもできる。具体的な一例では、被包装物やトレーを計量する計量装置、被包装物を包装する包装装置、ラベルを発行するラベル発行装置、ラベルの発行操作等を受け付けるなど、情報の入出力を行うコンソール(商品データ管理装置)がLANなどの構内通信回線で接続し、各種のデータの登録や処理(例えば、情報記憶部20、設定登録部23、トレー情報取得部24、判定部25、算出部27、コード化部28などの機能部に相当する機能)はクラウド上のデータ管理サーバが実行するようにしてもよい。この構成によれば、コンソール上で所定の操作が受け付けられると、当該コンソールから各装置に対して機能実行が要求され、コンソールに機能実行の結果が返される。
【0111】
●実施形態総括
本発明は、リユーストレーを運用するための商品データ管理装置に関する。
【0112】
特開平02-127213号公報にも見られるように、包装機では、商品を載せるトレーが用いられている。
【0113】
この点、環境問題などから破棄ロスや廃材削減での店舗運用が注目されており、トレーについてもリユース、リサイクルなどの対策が求められている。
【0114】
そこで本発明は、リユーストレーを管理することを目的の一つとする。
【0115】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品データ管理装置は、商品の指定を受け付ける第1受付手段と、前記商品に使用するトレーのトレー情報を取得するトレー情報取得手段と、前記第1受付手段により前記商品の指定を受け付けた場合に、前記トレー情報取得手段により取得した前記トレー情報に基づき、前記商品に使用するトレーが、通常使用される第1トレー又はリユースされる第2トレーのいずれであるかを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段により、前記商品に使用するトレーが前記第2トレーであると判定された場合にその旨を出力する出力手段と、を備える。
【0116】
前記判定手段により、前記商品に使用するトレーが前記第2トレーであると判定された場合に、その旨を前記第1受付手段により指定を受け付けた前記商品の情報と併せて印字する第1印字手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0117】
前記判定手段により、前記商品に使用するトレーが前記第2トレーであると判定された場合に、前記第2トレーに対して設定されている保証金の額に係る情報を前記第1受付手段により指定を受け付けた前記商品の情報と併せて印字する第2印字手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0118】
前記判定手段により、前記商品に使用するトレーが前記第2トレーであると判定された場合に、前記第1受付手段により指定を受け付けた前記商品の価格と前記第2トレーのトレー情報において設定されている保証金の額とを合算した合算額を出力する第2出力手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0119】
前記判定手段により、前記商品に使用するトレーが前記第2トレーであると判定された場合に、前記第1受付手段により指定を受け付けた前記商品の売価と、前記第2トレーのトレー情報において設定されている保証金の額と、を個別に取得可能にコード化するコード化手段、をさらに備えるものとしてもよい。
【0120】
前記トレーの識別子の入力を受け付ける第2受付手段、をさらに備え、前記トレー情報取得手段は、前記第2受付手段により受け付けた前記トレーの識別子により、トレー情報を取得するものとしてもよい。
【0121】
また、本発明の別の観点に係る商品データ管理装置は、値付けする被値付け物の指定を受け付ける受付手段と、前記被値付け物が盛り付けられたトレーを撮像する撮像手段と、撮像したトレーのトレー情報を取得するトレー情報取得手段と、前記受付手段により前記被値付け物の指定を受け付けた場合に、前記トレー情報取得手段により取得した前記トレー情報に基づき、前記被値付け物が盛り付けられたトレーが、使い捨てされる第1トレー又はリユースされる第2トレーのいずれであるかを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段により、前記被値付け物が盛り付けられたトレーが前記第2トレーであると判定された場合にその旨を出力する出力手段と、を備える。
【0122】
また、本発明のさらに別の観点に係る商品データ管理装置は、商品を特定する特定手段と、前記商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーであるか通常トレーであるかを識別可能な情報を取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記を包装する際に使用するトレーがリユーストレー又は通常トレーのいずれであるかを認識可能な情報を出力する出力手段と、を備える。
【0123】
前記出力手段は、前記特定手段で特定された商品の商品情報と、前記取得手段で取得した情報とを関連付けて出力するものとしてもよい。
【0124】
前記出力手段は、前記取得手段で取得した情報に基づき、前記トレーがリユーストレーの場合は、該リユーストレーの保証金の額を併せて出力するものとしてもよい。
【0125】
前記出力手段は、前記取得手段で取得した情報に基づき、前記トレーがリユーストレーの場合、前記特定手段で特定した商品の商品売価と、保証金の合算金額を出力するものとしてもよい。
【0126】
前記出力手段は、前記取得手段で取得した情報に基づき、前記トレーがリユーストレーの場合、前記保証金を個別に取得可能なコードとして出力するものとしてもよい。
【0127】
トレーに付されたシンボルコードを読み取る読取手段、をさらに備え、前記取得手段は、前記読取手段の読取結果に応じて、前記商品を包装する際に使用するトレーがリユーストレーまたは通常トレーのいずれであるかを示す情報を取得するものとしてもよい。
【0128】
本実施形態に係る商品データ管理装置によれば、リユーストレーの運用を簡便な態様で実現でき、これにより使い捨てトレー等の廃材を削減し、環境に配慮した社会の実現に貢献できる。また、商品の提供に際してリユーストレーが用いられる場合、店員が操作する操作画面や商品に付されるラベルに、リユーストレーである旨や保証金の額等が表示されるため、店員や顧客はトレーがリユーストレーであることを理解しやすく、トレーの回収率も高められる。さらに、売上計上において、操作者が意識しなくても商品価格と保証金が別々に集計されるため、売上管理が容易である。
【符号の説明】
【0129】
1 :商品データ管理装置
11 :操作部
12 :撮像部
13 :計量部
14 :発行部
15 :包装部
20 :情報記憶部
21 :受付部(第1受付手段、第2受付手段)
22 :出力部(第1出力手段、第2出力手段)
23 :設定登録部
24 :トレー情報取得部(トレー情報取得手段)
25 :判定部(判定手段)
26 :重量情報取得部
27 :算出部(算出手段)
28 :コード化部(コード化手段)
29 :印字部(第1印字手段、第2印字手段)
30 :包装処理部