(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139657
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】マクロシステム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/042 20060101AFI20241002BHJP
B25J 9/22 20060101ALI20241002BHJP
G05B 19/42 20060101ALI20241002BHJP
G05D 1/00 20240101ALN20241002BHJP
【FI】
G05B19/042
B25J9/22 A
G05B19/42 Z
G05D1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023146959
(22)【出願日】2023-09-11
(62)【分割の表示】P 2023050159の分割
【原出願日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】714008031
【氏名又は名称】株式会社キビテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 泰士
(72)【発明者】
【氏名】新堀 良一
【テーマコード(参考)】
3C269
3C707
5H220
5H301
【Fターム(参考)】
3C269AB33
3C269CC11
3C269EF02
3C269JJ09
3C269JJ20
3C269KK08
3C269MN46
3C269SA09
3C269SA17
3C269SA29
3C269SA37
3C707CS08
3C707DS01
3C707JS03
3C707JU03
3C707JU12
3C707KS12
3C707KS30
3C707KS36
3C707KS38
3C707KT02
3C707KT05
3C707LS15
3C707LV11
3C707LW03
3C707WA16
5H220AA05
5H220BB05
5H220CC08
5H220CX09
5H220DD07
5H220DD09
5H220EE01
5H220FF05
5H220GG03
5H220GG05
5H220GG14
5H220GG22
5H220GG25
5H220HH01
5H220JJ02
5H220JJ12
5H220JJ24
5H220JJ34
5H220KK06
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD15
5H301GG09
5H301KK08
5H301KK19
(57)【要約】
【課題】効率的なマクロの運用を可能とすることを課題とする。
【解決手段】複数のマクロ121について、当該複数のマクロ121が実行される際における自律動作装置2の状態を比較することによって、マクロ同士の類似性を比較する状態比較部112と、状態比較部112による比較の結果、比較されているマクロ同士が類似している場合、類似性の比較結果を入出力部31に表示する入出力処理部32と、を有することを特徴とする。そして状態比較部112は、マクロ121が実行される直前における自律動作装置2の状態を比較する
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマクロについて、当該複数のマクロが実行される際におけるマクロ実行対象物の状態を比較することによって、マクロ同士の類似性を比較する状態比較部と、
前記状態比較部による比較の結果、比較されている前記マクロ同士が類似している場合、前記類似性の比較結果を出力部に表示する出力処理部と、
を有することを特徴とするマクロシステム。
【請求項2】
前記状態比較部は、
前記マクロが実行される直前における前記マクロ実行対象物の状態を比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のマクロシステム。
【請求項3】
前記状態比較部は、
前記マクロが実行される前後における前記マクロ実行対象物の状態を比較する
ことを特徴とする請求項1に記載のマクロシステム。
【請求項4】
前記比較は、比較される前記マクロに関する複数の要素毎に行われ、
前記比較において、前記要素のそれぞれに重み係数が乗算されたものが用いられ、
前記重み係数は、前記マクロが実行される前後における前記要素の変化が所定の値以下の要素を無視できるよう調整される
ことを特徴とする請求項3に記載のマクロシステム。
【請求項5】
入力部を介して入力された指示を基に、前記マクロ実行対象物における過去の動作履歴情報を取得する動作履歴情報取得部と、
取得した前記動作履歴情報を基に、前記マクロを生成するマクロ生成部
を有することを特徴とする請求項1に記載のマクロシステム。
【請求項6】
入力部を介してマクロ生成の指示が入力されたことにともない、前記マクロ実行対象物における動作履歴情報を収集する動作履歴情報取得部と、
収集した前記動作履歴情報を基に、前記マクロを生成するマクロ生成部
を有することを特徴とする請求項1に記載のマクロシステム。
【請求項7】
前記比較は、比較されるマクロに関する複数の要素毎に行われる
ことを特徴とする請求項1に記載のマクロシステム。
【請求項8】
前記要素は、定量的状態ベクトル及びフラグ的状態ベクトルによって構成される
ことを特徴とする請求項7に記載のマクロシステム。
【請求項9】
マクロシステムが、
複数のマクロについて、当該複数のマクロが実行される際におけるマクロ実行対象物の状態を比較することによって、マクロ同士の類似性を比較する状態比較ステップと、
前記状態比較ステップによる比較の結果、比較されている前記マクロ同士が類似している場合、前記類似性の比較結果を出力部に表示する出力処理ステップと、
を実行することを特徴とするマクロ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マクロシステム及びマクロ管理方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自律的に移動・動作する自律動作装置が用いられている。このような自律動作装置では、自動では復旧できない不具合が発生することがある。そこで、不具合発生時に、遠隔地からオペレータが自律動作装置を操作して復旧できるようにしたシステムが使用されている。
【0003】
このようなシステムでは、似たような状況で不具合が発生することが多い。不具合が発生するたびに、パラメータ等を調整して動作指令を自律動作装置へ送ることは手間がかかる上、入力ミスが生じる可能性がある。従って、遠隔操作の効率化のために、よく使用される一連の操作をマクロとして記憶させて、再利用できるようにしておくと便利である。
【0004】
自律動作装置に関して、特許文献1には、ロボットに複数の移動経路を記憶させておき、ユーザがその後ロボットの位置に応じて適切な動作経路の候補を選択できるようにする技術が開示されている。
【0005】
また、マクロの作成について、特許文献2には、操作コマンドを履歴として保存し、当該履歴からマクロを抽出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許5217845号明細書
【特許文献2】特許5056134号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した自律動作システムでは、複数のユーザが1台の自律動作装置を共有して使用することが行われることがある。このような場合、同じようなマクロを複数人が作成してしまい、似たようなマクロが複数存在することがある。ただし、複数のユーザがマクロを登録すると、重複するマクロが作られることがあり非効率である。また、ユーザのお互いが知らないうちに新しいマクロが増えたり、有用なマクロの検索に手間がかかったりして、マクロを効率的に活用できないといった課題がある。そして、前記した特許文献1,2に開示されている技術では、このような課題に対処することができない。
【0008】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、効率的なマクロの運用を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した課題を解決するため、本発明は、複数のマクロについて、当該複数のマクロが実行される際におけるマクロ実行対象物の状態を比較することによって、マクロ同士の類似性を比較する状態比較部と、前記状態比較部による比較の結果、比較されている前記マクロ同士が類似している場合、前記類似性の比較結果を出力部に表示する出力処理部と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、効率的なマクロの運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】自律動作システムの全体構成を示す図である。
【
図2】自律動作システムにおける機器のそれぞれの構成を示す図である。
【
図3A】自律動作装置の外観を示す図(正面図)である。
【
図3B】自律動作装置の外観を示す図(側面図)である。
【
図5】手動制御の実行シーケンスを示すタイミングチャートである。
【
図6】マクロ実行のシーケンスを示すタイミングチャートである。
【
図7A】第1実施形態に係るマクロ生成処理の手順を示すフローチャート(その1)である。
【
図7B】第1実施形態に係るマクロ生成処理の手順を示すフローチャート(その2)である。
【
図8】動作履歴画面の例を示す図(その1)である。
【
図9】動作履歴画面の例を示す図(その2)である。
【
図10】動作履歴画面の例を示す図(その3)である。
【
図14】自律動作装置2が操作される際におけるマクロの検索処理手順を示すフローチャートである。
【
図20】第2実施形態におけるマクロ生成処理の手順を示すフローチャートである
【
図21】第2実施形態における操作画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第1実施形態]
まず、
図1~
図19を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態では、過去におこなわれた自律動作装置2の動作履歴情報に基づいてマクロ121が作成される。
【0014】
<自律動作システムZ>
図1は、自律動作システムZの全体構成を示す図である。
マクロシステムである自律動作システムZは、処理装置1、自律動作を行う自律動作装置2、及び、複数の操作用端末3、がWANや、LAN等のネットワークNを介して接続されている。なお、自律動作装置2は、マクロ実行対象物である。なお、
図1に示すように、自律動作装置2に対して複数のユーザPがアクセス可能である。
【0015】
自律動作装置2は、原則として地図等を基に自律移動を行い、予め設定されている動作(物体の把持等)を行う。しかし、トラブルが発生した場合、ユーザPが操作用端末3を介して自律動作装置2を操作することで、トラブルからの復帰を行う。
【0016】
また、同じようなトラブルが生じた場合、ユーザPが行う操作が定まっていることが多い。このような場合、ユーザPは、一定の動作をマクロ121(
図2参照)として登録する。本実施形態では、複数のユーザPによるマクロ121の登録が可能である。
【0017】
処理装置1は、マクロ121の登録や、後記するマクロ121の類似判定等を行う。本実施形態では、処理装置1がクラウドサーバの形式を有しているが、このような形式に限らない。なお、処理装置1がクラウドサーバとして設定されると、ネットワークNがあれば、どこからでも操作できる上、複数台の自律動作装置2のデータをまとめて管理することができる。
【0018】
図2は、自律動作システムZにおける機器のそれぞれの構成を示す図である。
まず、操作用端末3は、出力処理部及び動作履歴情報取得部である入出力処理部32と、入力部及び出力部である入出力部31を有している。操作用端末3がPC(Personal Computer)で構成されている場合、入出力部31は、キーボード、マウス、ディスプレイ等で構成される。操作用端末3がスマートフォンや、タブレット端末で構成される場合、入出力部31は、タッチパネルディスプレイ等で構成される。
【0019】
また、操作用端末3では、入出力部31からの入力情報を受け取ったり、入出力部31へ出力情報をわたしたりする入出力処理部32を有している。また、入出力処理部32は、入出力部31から受け取った情報を処理装置1や、自律動作装置2へ送信する。さらに、入出力処理部32は、動作入力処理部321、出力処理部322、マクロ入力処理部323を有している。
【0020】
動作入力処理部321は、マクロ121の指定や、自律動作装置2への動作指示を入力し、自律動作装置2の処理部210や、状態比較部112へ情報を送信する。
出力処理部322は、処理部210や、状態比較部112等から送信された情報を入出力部31に出力(表示)する。
マクロ入力処理部323は、マクロ作成のための情報をマクロ生成部111へ送信したり、類似するマクロ121を検索するための情報を状態比較部112へ送信したりする。また、マクロ入力処理部323は、マクロ121に関するパラメータを設定するためのパラメータ設定処理部324を有する。
【0021】
自律動作装置2では、処理部210が実行されている。処理部210は、
図5及び
図6で後記する動作定義部211、動作受信部212、動作状態管理部213、動作実行部214、マクロ受信部215を有する。処理部210を構成する動作定義部211~マクロ受信部215の動作については後記する。操作用端末3の入出力処理部32を介して入力される指令に従って、自律動作装置2の処理部210は自律動作装置2を動作させる。
【0022】
また、処理装置1は、マクロ生成部111、状態比較部112、記憶部120を有している。マクロ生成部111は、操作用端末3の入出力処理部32から入力された情報等を基にマクロ121を生成し、記憶部120に格納する。また、記憶部120には、自律動作装置2の状態に関する情報である動作状態情報122が格納されている。状態は、時刻等と紐づけられて格納されているとよい。状態比較部112は、記憶部120に格納されているマクロ121の情報、動作状態情報122、自律動作装置2から取得される状態を基に類似のマクロ121(類似マクロ)の存在を判定する。そして、状態比較部112による判定結果は操作用端末3の入出力処理部32を介して入出力部31で出力される。類似マクロの存在判定は、マクロ生成部111によるマクロ121作成のタイミングや、入出力部31で行われるマクロ121の実行タイミング等で行われる。
【0023】
入出力処理部32として、例えば、ウェブブラウザを用いたウェブアプリ等が用いられると、OSに依存せず、ネットワークNからの操作が容易となる。ただし、入出力処理部32はウェブアプリに限らない。
【0024】
本実施形態では、記憶部120が処理装置1に備えらえている形式であるが、これに限らない。記憶部120がデータベースとして処理装置1とは別の装置として設けられていてもよい。このようにすることで、簡便なデータの追加・書き換え、検索、保守が可能となる。
【0025】
<自律動作装置2>
図3A及び
図3Bは自律動作装置2の外観を示す図である。
図3Aは自律動作装置2の正面図を示し、
図3Bは自律動作装置2の側面図を示す。
自律動作装置2は、本体部21と、アーム部22で構成されている。アーム部22の先端には、物体を把持するためのエンドエフェクタ23と、ハンドアイ・カメラ25が備えられている。ハンドアイ・カメラ25で撮像された画像は、必要に応じて
図1に示す操作用端末3の画面に表示される。ユーザPは、ハンドアイ・カメラ25が撮像した画像を確認することで、自律動作装置2が物体を正しく把持しているか否か等を判定する。また、自律動作装置2による物体の把持が失敗した場合、ユーザPは、ハンドアイ・カメラ25による画像を基に、操作用端末3を操作することで、遠隔手動制御(手動制御)による自律動作装置2の操作を行う。
【0026】
周辺監視カメラ26は、自律動作装置2の周辺環境を撮像するものである。周辺監視カメラ26で撮像された画像は、操作用端末3の画面(入出力部31)に表示される。ユーザPは、周辺監視カメラ26で撮像された画像を確認することで、自律動作装置2の動作環境を確認する。また、障害物等で自律動作装置2が走行不可能となった場合、ユーザPは、周辺監視カメラ26による画像を基に、操作用端末3(入出力処理部32)を操作することで、遠隔手動制御(手動制御)による自律動作装置2の操作を行う。
【0027】
本体部21の下部には、走行用車輪24が備えられている。また、本体部21の内部には制御用計算機200が備えられている。そして、本体部21には情報取得用計算機27が備えられている。
情報取得用計算機27は、ネットワークNを介して処理装置1や、操作用端末3と情報を送受信する。また、受信した情報を制御用計算機200にわたしたり、制御用計算機200からわたされた情報を送信したりする。さらに、情報取得用計算機27は、ハンドアイ・カメラ25や、周辺監視カメラ26、図示しない各種センサから自律動作装置2の状態を収集する。
【0028】
制御用計算機200は、自律動作装置2が自律移動する際の処理を行ったり、情報取得用計算機27が受信した指令に基づいた処理を行ったりすることで、自律動作装置2の移動や、把持等の動作を制御する。このように、情報取得用計算機27と制御用計算機200を別々に備えることで、例えば既存製品である自律動作装置2の既存ソフトウェアの改変による予想外の性能棄損等のリスクを低減することができる。なお、情報取得用計算機27の機能が制御用計算機200に備えられ、情報取得用計算機27の機能が制御用計算機200に搭載され、情報取得用計算機27は、アンテナとなってもよい。ちなみに、
図2に示す処理部210は制御用計算機200及び情報取得用計算機27の機能をまとめたものである。
【0029】
<ハードウェア構成>
図4は、計算機Cのハードウェア構成を示す図である。
計算機Cは、処理装置1、操作用端末3、制御用計算機200を構成するものである。
計算機Cは、処理装置1、操作用端末3、制御用計算機200の共通構成としてメモリC1、演算装置C2、記憶装置C3、通信装置C4を有している。
演算装置C2は、CPU(Central Processing Unit)や、GPU(Graphic Processing Unit)等で構成される。また、記憶装置C3は、HD(Hard Disk)や、SSD(Solid
State Drive)等で構成される。なお、処理装置1における記憶装置C3は、
図2に示す記憶部120に相当する。また、自律動作装置2における通信装置C4は、
図3A及び
図3Bに示す情報取得用計算機27に含まれる。
【0030】
記憶装置C3に格納されているプログラムがメモリC1にロードされ、演算装置C2によって実行される。これによって、
図2に示す入出力処理部32、処理部210()や、マクロ生成部111、状態比較部112が具現化する。なお、入出力処理部32は、
図2に示す動作入力処理部321~パラメータ設定処理部324を含み、処理部210は、
図5及び
図6に示す動作定義部211~マクロ受信部215を含む。
【0031】
<タイミングチャート>
次に、
図5及び
図6を参照して自律動作装置2の操作に関する処理を説明する。
なお、前記したように、
図5及び
図6に示される動作定義部211~マクロ受信部215は
図2に示す処理部210に含まれている。また、
図5及び
図6に示す動作受信部212、動作状態管理部213、マクロ受信部215は
図3A及び
図3Bに示す情報取得用計算機27に搭載されている。そして、動作定義部211及び動作実行部214は
図3A及び
図3Bに示す制御用計算機200に搭載されている。
【0032】
(手動制御)
図5は、手動制御の実行シーケンスを示すタイミングチャートである。適宜、
図1、
図2を参照する。
まず、ユーザPが、操作用端末3の入出力処理部32を介して動作定義要求を入力すると、入出力処理部32から自律動作装置2の動作定義部211へ動作定義が要求される(S101)。動作定義とは、操作用端末3から送信される動作指令のパラメータに関する制限条件である。例えば、X座標、Y座標、ヨー角等は実数で規定されること等である。動作定義は、後記するマクロ作成の際に使用される。
【0033】
動作定義部211は、動作定義をまとめて操作用端末3へ送信する(S102)。操作用端末3の入出力処理部32は、送信された動作定義を入出力部31に出力させる。ユーザPは入出力部31に出力されている動作定義を確認する。なお、送信された動作定義は、操作用端末3の記憶装置C3(
図4参照)に格納される。
【0034】
次に、ユーザPは操作用端末3の入出力処理部32を介して、動作実行を要求すると、操作用端末3の入出力処理部32から動作コマンドが自律動作装置2の動作受信部212に送信される(S111)。
動作受信部212は、動作コマンドを動作状態管理部213のキューに追加する(S112)。
【0035】
動作状態管理部213は、処理装置1へ自律動作装置2の現在の状態を通知する(S113)。処理装置1は記憶部120に格納されている動作状態情報122に通知された、現在の状態を格納する。状態には、自律動作装置2の位置や、非常停止や、障害物阻害の有無等の情報が含まれている。状態は、自律動作装置2に備えられているハンドアイ・カメラ25、周辺監視カメラ26(
図3A及び
図3B参照)や、図示しないセンサや、測距センサ等が取得したデータ、自律動作装置2の内部信号等を基に収集される。このような手法で状態が収集されることにより、遠隔手動制御に必要な情報を適宜取得することができる。
【0036】
動作状態管理部213は、ステップS112でキューに追加された動作コマンドの順番になると、動作コマンドを動作実行部214に送信する(S114)とともに、動作開始通知を操作用端末3へに送信する(S115)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31に動作開始通知を出力することで自律動作装置2の動作が開始されたことをユーザPに通知する。
【0037】
一方、動作状態管理部213から動作コマンドを送信された動作実行部214は、動作コマンドの動作を実行する(S121)。動作コマンドの動作が完了すると、動作実行部214は動作状態管理部213に動作完了通知を送る(S122)。
【0038】
動作実行状態管理部から動作完了通知を受け取った動作状態管理部213は、処理装置1に自律動作装置2の現在の状態を通知し(S124)、処理装置1は記憶部120に動作状態情報122に通知された、現在の状態を格納する。
【0039】
また、動作状態管理部213は、動作完了通知を操作用端末3に送る(S124)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31に動作完了通知を出力することで自律動作装置2の動作が完了したことを操作用端末3に通知する(S125)。
【0040】
(マクロ実行)
図6は、マクロ実行のシーケンスを示すタイミングチャートである。適宜
図1、
図2を参照する。
まず、ユーザPが入出力処理部32を介してマクロ情報要求を行う(S201)。すると、処理装置1は、記憶部120に格納されているマクロ121に関する情報(マクロ情報)を取得し、取得したマクロ情報を操作用端末3に送信する(S202)。操作用端末3の入出力処理部32は、送信されたマクロ情報を入出力部31に出力する。そして、ユーザPは、入出力部31に出力されているマクロ情報を確認する。
【0041】
そして、ユーザPは、入出力処理部32を介してマクロ121の実行の要求を入力する。すると、入出力処理部32は、要求されたマクロ121を実行するコマンド(マクロコマンド)を自律動作装置2のマクロ受信部215へ送信する(S211)。
マクロ受信部215は、マクロ121内におけるすべての動作コマンドを動作状態管理部213のキューに追加する(S212)。
【0042】
マクロ121に含まれる、すべての動作コマンドをキューに追加された動作状態管理部213は、マクロ開始通知を操作用端末3へ通知する(S213)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31にマクロ121開始通知を出力することで、マクロ121が開始されたことをユーザPに通知する。
【0043】
そして、マクロ実行処理が行われる(S220)。マクロ実行処理では、以下に示すステップS221~S227の処理がマクロ121に格納されている動作分ループされる。
【0044】
まず、動作状態管理部213は、処理装置1に自律動作装置2の現在の状態を通知する(S221)。状態を通知された処理装置1は、記憶部120に格納されている動作状態情報122に通知された状態を格納する。
【0045】
そして、動作状態管理部213は、ステップS113でキューに追加された動作コマンドの順番になると、動作コマンドを動作実行部214に送信する(S222)。
また、動作状態管理部213は動作開始通知を操作用端末3へ通知する(S223)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31に動作開始通知を出力することで自律動作装置2の動作が開始されたことをユーザPに通知する。
【0046】
一方、動作状態管理部213から動作コマンドを送信された動作実行部214は、動作コマンドの動作を実行する(S224)。動作コマンドの動作が完了すると、動作実行部214は動作状態管理部213に動作完了通知を通知する(S225)。
【0047】
動作実行部214から動作完了通知を受け取った動作状態管理部213は、処理装置1へ自律動作装置2の現在の状態を通知する(S226)。状態を通知された処理装置1は、記憶部120に格納されている動作状態情報122に通知された状態を格納する。
【0048】
また、動作状態管理部213は、動作完了通知を操作用端末3へ送信する(S227)。動作完了通知を受信した操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31に動作完了通知を出力することで自律動作装置2の動作が完了したことをユーザPに通知する。
【0049】
ステップS221~S227の処理は、マクロ121に含まれている1つの動作に関する処理である。マクロ121に含まれているすべての動作が完了するまで、ステップS221~S227の処理がループされる。
【0050】
そして、マクロ121に含まれているすべての動作が完了すると、動作状態管理部213はマクロ完了通知を操作用端末3へ送信する(S231)。マクロ完了通知を受信した操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31にマクロ完了通知を出力することでマクロ121が完了したことをユーザPに通知する。
【0051】
(動作状態の比較)
本実施形態で状態比較部112(
図2参照)が行うマクロ121の類似判定処理の際に行われる自律動作装置2の状態比較について説明する。本状態比較は、2つのマクロ121が行われる際における自律動作装置2の状態を比較することによって、2つのマクロ121が類似しているか否かが判定される。自律動作装置2の状態比較は以下の式(1)を用いて行われる。
【0052】
【0053】
ここで、Dは類似度を示し、Va、Vbは、比較される要素である定量的状態ベクトルである。そして、Sa、Sbは、比較される要素であるフラグ的状態ベクトルである。Va、Saは一方のマクロ121における定量的状態ベクトル及びフラグ的状態ベクトルである。定量的状態ベクトルと、フラグ的状態ベクトルをあわせて状態ベクトルと適宜称する。また、Vb、Sbは他方の一方のマクロ121における定量的状態ベクトル及びフラグ的状態ベクトルである。定量的状態ベクトル及びフラグ的状態ベクトルは、
図2、
図5、
図6に示される動作状態情報122を基に状態比較部112によって生成されるものである。定量的状態ベクトルと、フラグ的状態ベクトルを構成する成分要素は、比較されるマクロ121に関する複数の要素である。そして、式(1)に示すように、比較は、比較されるマクロ121に関する状態ベクトルの複数の要素毎に行われる。
【0054】
定量的状態ベクトルとは、座標(x,y,θ)、バッテリ残量、障害物までの最短距離、障害物までの平均距離、障害物までの距離の分散等、自律動作装置2の状態を示す情報の内、数値で示されるものである。なお、x、yは地図上に設定されている座標であり、θは自律動作装置2のヨー角を示す。
【0055】
障害物までの平均距離、障害物までの距離の分散とは、マクロ121が実行される際における値である。本実施形態では、複数のマクロ121が存在するため、これらのマクロ121が登録される際における障害物までの平均距離、障害物までの距離の分散が定量的状態ベクトルとして用いられる。
【0056】
これに対して、フラグ的状態ベクトルとは、自律動作装置2の状態を示す情報のうち、真偽値で示されるものである。フラグ的状態ベクトルとして、非常停止、自己位置喪失、障害物阻害、バンパーエラー、アクチュエータ前進端の検出、アクチュエータ後進端の検出、アクチュエータ駆動の有無等がある。
【0057】
また、丸の中に点がある符号は、ベクトルの成分同士を乗算することを意味している。また、縦二重線はノルムである。ノルムはL2ノルムでもよいし、L1ノルムでもよい。
【0058】
Cv及びCsは重み係数である。このように、比較において、状態ベクトルの要素それぞれに重み係数が乗算されたものが用いられる。
【0059】
このようにして、状態比較部112は、複数のマクロ121について、当該複数のマクロ121が実行される際におけるマクロ実行対象物(本実施形態では自律動作装置2)の状態を比較する。これにより、状態比較部112は、マクロ121同士の類似性を比較する。特に、Va,Vb,Sa,Sbに、マクロ121が実行される直前の状態が適用されることで、状態比較部112は、マクロ121が実行される直前における自律動作装置2の状態を比較する。
【0060】
これにより、マクロ121の間の類似度が算出可能となり、複数のユーザPが似たようなマクロ121を作成しても、互いに類似しているマクロ121を検索可能となる。そして、互いに類似しているマクロ121が出力されることによって、重複するマクロ121が作られることを防止したり、有用なマクロ121の検索が簡便に行われたりすることが可能となる。この結果、効率的なマクロ121の運用が可能となる。
【0061】
また、前記した場合、式(1)におけるVa、Vb、Sa、Sbは、マクロ121が実行される直前の状態とすることが可能である。このようにすることで、マクロ121を実行する際に、類似のマクロ121が存在するか否かをユーザPに示すことが可能となる。
【0062】
さらに、マクロ121の類似判定の際に行われる比較が、定量的状態ベクトルや、フラグ的状態ベクトルによって行われることで、簡便な方法で類似判定を行うことができる。
【0063】
また、Va、Vb、Sa、Sbは、以下に示す式(2-1)~(2-4)のように、マクロ実行前後の状態の差分で表現されてもよい。
【0064】
Va=Va,post-Va,pre・・・(2-1)
Vb=Vb,post-Vb,pre・・・(2-2)
Sa=Sa,post-Sa,pre・・・(2-3)
Sb=Sb,post-Sb,pre・・・(2-4)
【0065】
Va,postは、マクロ121の実行直後における定量的状態ベクトルを示し、Va,preは、マクロ121の実行直前における定量的状態ベクトルを示す。Vb,post、Vb,pre、Sa,post、Sa,pre、Sb,post、Sb,preも同様である。
【0066】
式(2-1)~(2-4)が用いられることにより、状態比較部112は、マクロ121が実行される前後における自律動作装置2の状態を比較する。このようにすることで、自律動作装置2がマクロ121を実行する前と、後の状態でマクロ121の比較が可能となる。つまり、マクロ121によって変更された状態だけを比較することができる。例えば、マクロ実行時の自律動作装置2の絶対座標の影響を受けずにマクロ121の比較が可能となる。例えば、自律動作装置2が右方向に距離「L1」だけ進み、その後、前方に「L2」だけ進んだ場合をケースCA1と称する。また、自律動作装置2が、まず、前方に「L2」だけ進み、その後、右方向に距離「L1」だけ進んだ場合をケースCA2と称する。ケースCA1と、ケースCA2とは最終的に同じ結果となるが、式(2-1)~(2-4)が用いられることにより、このような場合でも類似のマクロ121と判定されることが可能となる。
【0067】
(重み係数設定例)
状態比較部112は、マクロ121を優先候補順に表示する場合がある。このような場合、状態比較部112は、マクロ121を実行する直前と直後の状態の差分のベクトルのうち特定の値よりも小さい値の要素の重みは「0」として重み係数を設定する。そうすることで、例えば座標変化のないエラー解除のようなマクロ121について、マクロ121の登録時と異なる座標に自律動作装置2が存在していても、発生しているエラーだけが似ていれば候補として上位に表示されるようになる。
【0068】
具体的には、以下のように設定する。まず、E及びBを以下のように定義する。
E=[Va,Sa]=[E1,E2,E3,…,En]
B=[B1,B2,B3,…,Bn]
【0069】
ここで、Va、Saは、前記した式(2-1)、(2-3)で定義されるものである。
そして、Bが以下のように定義される。
【0070】
【0071】
ここで、dnは無視する際の差分の閾値である。dnはヒューリスティックに決定されたり、機械学習等で決定されたりする。
そして、状態比較部112は、式(11)に示すように、Bと、予め設定されている重み係数を要素毎に乗算した結果を、新たな重み係数としてマクロ優先候補順の計算の際に利用する。
【0072】
【0073】
C0=[Cv0、Cs0]:すべての要素が有効な場合の重み係数
C=[Cv,Cs]:変化が所定の値より大きい要素だけが有効な場合の重み係数
【0074】
なお、Cv0及びCvは定量的状態ベクトルに適用される重み係数であり、Cs0、Csはフラグ的状態ベクトルに適用される重み係数である。式(11)に基づく重み係数は、マクロ121が実行される前後における前記要素の変化が所定の値以下の要素を無視できるよう調整されたものである。このようにすることで、例えば座標変化のないエラー解除のようなマクロ121について、マクロ121の登録時と異なる座標に自律動作装置2が存在している場合がある。このような場合でも、発生しているエラーだけが似ていれば類似のマクロ121として検索可能となる。
【0075】
以下、
図7A~
図21を参照して、本実施形態に係るマクロ管理方法について説明する。
【0076】
<マクロ生成手順>
次に、
図7A~
図7Bと、
図8~
図11に示す画面例を参照して第1実施形態におけるマクロ生成手順を説明する。また、適宜、
図1、
図2を参照する。
図7A及び
図7Bは、第1実施形態に係るマクロ生成処理の手順を示すフローチャートである。
また、
図8~
図11は、マクロ生成手順において操作される画面例を示す。また、以下の説明においてステップ番号は
図7A及び
図7Bに示すフローチャートのステップ番号である。
【0077】
まず、入出力処理部32が行う処理によって動作履歴画面400が入出力部31に出力される(
図7AのS301)。
続いて、ユーザPはマクロ121として登録したい動作履歴情報を1つ以上選択する(S302)。
以下、
図8を参照して、
図7AのステップS301~S302の処理手順について説明する。
【0078】
(動作履歴画面400)
図8~
図10は、動作履歴画面400の例を示す図である。
図8~
図10において、同様の構成について、同一の符号を付し、説明を省略する。また、
図8~
図10において、説明をしない要素については、適宜符号を省略している。なお、動作履歴画面400及び動作履歴画面400を構成する要素は、
図2に示すマクロ入力処理部323によって表示される画面である。
図8に示す動作履歴画面400は、
図7AのステップS301で表示(出力)される動作履歴画面400であり、履歴表示部410、先頭表示ボタン401、続行ボタン402、コメント表示部420を有する。
履歴表示部410には、自律動作装置2から送られた動作履歴情報が表示されている。履歴表示部410に表示されている動作履歴情報は、過去の過去の動作履歴情報である。動作履歴情報は、「動作ID」、「動作名」、「パラメータ」、「実行日時」の項目を有する。また、動作履歴情報のそれぞれに対応してチェックボックス411が表示されている。ユーザPは、スライダ403を操作することで、多数ある動作履歴情報のうち、目的とする動作履歴情報を表示することができる。なお、動作履歴情報は、前記した状態とは異なるものである。状態は、自律動作装置2の状態(位置等)であるが、動作履歴情報は、自律動作装置2の動作(前進、行進、把持等)である。
【0079】
破線枠411aに示すようにユーザPが入出力処理部32を介してチェックボックス411にチェックを入れることで、ユーザPはマクロ121にしたい動作を選択する。このようにして、マクロ121に登録する自律動作装置2の動作が選択される(
図7AのS302)。つまり、入出力処理部32は、入出力部31を介して入力された指示を基に、自律動作装置2における過去の動作履歴情報を取得する。
先頭表示ボタン401は、動作履歴情報の先頭を表示するためのボタンである。
図8に示す例では、最新の動作履歴情報が最下部に表示されているが、ユーザPが先頭表示ボタン401を押下すると、最も先頭の(もっとも古い)動作履歴情報までスクロールされる。
コメント表示部420には、ユーザPに対する警告や、通知内容が表示される。
【0080】
ユーザPは、チェックボックス411にチェックを入れることで動作履歴情報を選択した後、続行ボタン402を押下することで、入出力処理部32は、
図9又は
図10に示す画面に遷移させる。ユーザPが、チェックボックス411にチェックを入れることで、ステップS302における動作履歴情報の選択が行われる。
【0081】
図7Aの説明に戻る。
ユーザPが
図8に示すチェックボックス411にチェックを入れた後、続行ボタン402を押下すると、入出力処理部32は、選択した動作履歴情報が不連続であるか否かを判定する(
図7AのS311)。動作履歴情報が不連続であることについては後記して説明する。
不連続ではない場合(S311→No)、入出力処理部32は、ステップS321へ処理を進める。
不連続である場合(S311→Yes)、入出力処理部32は、選択した動作履歴情報が不連続である旨の警告を入出力部31に出力する(S312)。その後、入出力処理部32は、ステップS311へ処理を戻す。
【0082】
選択した動作履歴情報が不連続である旨の警告が入出力部31に出力されると、ユーザPは入出力処理部32を介して動作履歴情報が連続となるよう修正する。この際、処理はステップS311へ戻される。
【0083】
図7AのステップS311~S312の処理について
図9を参照して説明する。
【0084】
図9は、不連続である旨の警告が表示(出力)されている動作履歴画面400の例を示す図である。
図9では、連続していない動作履歴情報が選択されたため、警告画面が表示されている例を示している。
ステップS311で不連続と判定される場合として、以下の2つがある。
(A1)破線枠412に示すように実行日時が離れているため不連続とみなされる場合。実際には、入出力処理部32は、選択した動作履歴情報のそれぞれについて、直前または直後の動作が実行されるまでに一定時間以上間隔がある場合、選択されている動作履歴情報が不連続と判定する。
(A2)破線枠411bに示すように、選択されている複数の動作履歴情報のなかで、選択されていない動作履歴情報がある場合、入出力処理部32は、選択されている動作履歴情報が不連続であると判定する。
【0085】
図9に示すように、選択されている動作履歴情報が不連続である場合、入出力処理部32は、コメント表示部420に警告を表示(出力)する(
図7AのS312)。前記したように、ユーザPは、コメント表示部420に表示されている警告を確認すると、動作履歴情報が連続となるよう修正する。
【0086】
図7Aの説明に戻る。
入出力処理部32が、ステップS311で「No」と判定すると、入出力処理部32は、類似マクロの判定を処理装置1に指示する。すると、処理装置1の状態比較部112は、作成しようとしているマクロ121と類似のマクロ121(類似マクロ)が存在するか否かを検索する(S321)。
そして、状態比較部112は、ステップS321の結果を基に類似マクロがあるか否かを判定する(S322)。
類似マクロがない場合(S322→No)、状態比較部112は、その旨を操作用端末3へ送信する。すると、操作用端末3の入出力処理部32は
図7BのステップS3331へ処理を進める。
類似マクロがある場合(S322→Yes)、状態比較部112は、その旨を操作用端末3へ送信する。そして、操作用端末3の入出力処理部32は類似マクロが存在する旨の情報を入出力部31に出力し、ユーザPは類似マクロ確認画面430を出力するか否かを判断する(S323)。
ユーザPが類似マクロ確認画面430を出力しないと判断した場合(S323→No)、入出力処理部32はステップS325へ処理を進める。
ユーザPが類似マクロ確認画面430を出力すると判断した場合(S323→Yes)、入出力処理部32は類似マクロ確認画面430を入出力部31に出力する(S324)。
【0087】
ステップS321では、式(1)等を用いて前記した処理が行われる。この際、マクロ121の類似判定処理に用いられる状態は、マクロ実行前後の状態であり、式(2-1)~(2-4)が用いられる。また、比較される状態は、マクロ121として登録される動作履歴情報、及び、マクロ121に登録されている動作履歴情報の時刻をキーとして抽出されるとよい。
【0088】
図10は、
図7AのステップS324で表示(出力)される類似マクロ確認画面430の例を示す図である。
不連続となっている動作履歴情報がない場合(
図7AのS311「No」)、前記したように、状態比較部112は、式(1)等で前記した方法で、選択されている動作履歴情報をマクロ121とした場合、類似マクロがあるか否かを判定する(
図7AのS321:状態比較ステップ)。なお、類似マクロ確認画面430では、式(1)のDの値が小さい順にマクロ121が表示される。
【0089】
類似マクロがある場合、状態比較部112から、その旨を送信された操作用端末3の入出力処理部32は
図10に示すようにコメント表示部420に、既に類似したマクロ121が登録済みである旨を表示する。ユーザPがコメント表示部420の「表示する」のリンク部分421をクリックすると(
図7AのS323「Yes」)、類似マクロ確認画面430がポップアップ表示される(
図7AのS324:出力処理ステップ)。
【0090】
類似マクロ確認画面430は、選択中動作履歴情報表示部431及び類似マクロ表示部432で構成されている。選択中動作履歴情報表示部431には、
図8に示す動作履歴画面400でチェックボックス411にユーザPがチェックを入れることによって選択した動作履歴情報の動作名、パラメータ及び動作日時が動作順に表示される。
【0091】
類似マクロ表示部432には、選択中動作履歴情報表示部431に表示されている動作と類似するマクロ121の一覧が表示される。マクロ121の一覧において、それぞれのマクロ121に対するマクロ名、マクロ121のパラメータ、及び、マクロ121の作成日時が表示される。
図10に示す例では、自律動作装置2が把持対象物の把持に失敗した際における復帰動作(把持失敗復帰の名称が設定されている)に関するマクロ121の一覧が類似マクロ表示部432に表示されている。
【0092】
また、前記した式(2-1)~(2-4)が用いられることにより、類似マクロ表示部432には、作成しようとするマクロ121とに対して動作前後の状態が同一となるが異なるマクロ121が表示される。つまり、マクロ121を登録しようとした際に、類似のマクロ121が存在することが警告される。
【0093】
類似マクロ確認画面430で、これから作成しようとするマクロ121と類似するマクロ121の確認を行ったユーザPは、「閉じる」ボタン433を押下することで、類似マクロ確認画面430を閉じる。
【0094】
図7Aの説明に戻る。
類似マクロ確認画面430で類似マクロの確認を行ったユーザPは、マクロ121の作成を続行するか否かを判断する(S325)。
マクロ121の作成を続行しない場合(S325→No)、入出力処理部32は、動作履歴画面400を閉じ、マクロ121作成処理を終了する。
マクロ121の作成を続行する場合(S325→Yes)、ユーザPは、
図10に示す続行ボタン402を押下することで、入出力処理部32は、
図11に示すパラメータ設定画面500を入出力部31に出力する(
図7BのS331)。
【0095】
類似マクロ確認画面430において、状態比較部112による比較の結果、比較されているマクロ同士が類似している場合、類似性の比較結果が入出力部31に出力される。
【0096】
(パラメータ設定画面500)
図11は、
図7BのステップS331で表示(出力)されるパラメータ設定画面500の例を示す図である。
パラメータ設定画面500では、これからマクロ121として登録する動作履歴情報のパラメータが設定される。以下、
図11を参照しつつ、
図7BのステップS331~S342を説明する。なお、パラメータ設定画面500及びパラメータ設定画面500を構成する要素は、
図2に示すパラメータ設定処理部324によって表示されるものである。
【0097】
パラメータ設定画面500は、動作履歴情報表示部510と、マクロ名入力欄501と、コメント入力欄502と、戻るボタン503と、マクロ作成ボタン504によって構成されている。
動作履歴情報表示部510には、これからマクロ121として登録しようとしている動作履歴情報、即ち、
図8の動作履歴画面400で選択した動作履歴情報が表示される。
【0098】
ユーザPが、動作履歴情報表示部510に表示されている動作履歴情報の1つを選択すると、
図11に示すように、選択された動作履歴情報が強調表示されるとともに、パラメータ設定部520が表示される。パラメータ設定部520では、選択されている動作履歴情報のパラメータをユーザPが設定できる。パラメータ設定部520のパラメータ編集欄521で示されるように選択された動作履歴情報のパラメータのそれぞれが編集可能な形式で表示される。
図11に示す例では、選択された動作例歴情報のパラメータ(「position」)が6つの値を有するリスト形式で設定されている。そのため、
図11に示すパラメータ設定部520では、パラメータ編集欄521が6要素分表示されている。
【0099】
ユーザPがパラメータ設定部520に表示されているパラメータを更新することで、動作履歴情報のパラメータが設定される(
図7BのS332)。この際、入出力処理部32は、マクロ121に登録予定のパラメータのそれぞれが動作定義を満足しているか否かを判定する(
図7BのS333)。動作定義とは、
図3のステップS102で操作用端末3が取得した動作定義である。例えば、動作定義を満足していない例として、整数値で設定されるべきパラメータが実数値で設定されたり、実数値で設定されるべきパラメータが文字列で設定されたりすることが挙げられる。
【0100】
パラメータ設定部520に示されるように、本実施形態では、パラメータも固定していいものは固定してマクロ化できるようにしている。
【0101】
マクロ121に登録予定のパラメータのそれぞれが動作定義を満足している場合(S333→Yes)、入出力処理部32は
図7BのステップS335へ処理を進める。
マクロ121に登録予定のパラメータのそれぞれが動作定義を満足していない場合(S333→No)、
図11の符号511に示すように動作履歴情報表示部510における確認欄に「NG」が表示(出力)される(
図7BのS334)。
【0102】
そして、ユーザPは、マクロ121の作成を続行するか否かを判断する(
図7BのS335)。
【0103】
図7BのステップS335でユーザPが続行と判断しない場合(S335→No)、入出力処理部32は、ステップS332へ処理を戻し、ユーザPがパラメータの修正を行う。
例えば、
図11に示すように、パラメータ設定部520には、リセットボタン522及び適用ボタン523が表示されている。ユーザPがリセットボタン522を押下すると、パラメータ設定部520に表示されているパラメータが動作定義で登録されているデフォルト値に戻る。また、ユーザPが適用ボタン523を押下すると、パラメータ設定部520で設定したパラメータがマクロ121のデフォルト値として設定される。
【0104】
図7BのステップS335でユーザPが続行と判定した場合(S335→Yes)、入出力処理部32は
図7BのステップS336の処理を行う。
ステップS336において、
図11に示すユーザPはマクロ名入力欄501に、作成するマクロ121の名称として任意の名称を入力することでマクロ名の設定を行う。
そして、ユーザPは、
図11に示すコメント入力欄502に作成するマクロ121に対するコメントを入力する(
図7BのS337)。ステップS337は省略されてもよい。
その後、ユーザPが現在のパラメータでマクロ121を登録するか否かを判断する(S341)。
ユーザPが現在のパラメータでマクロ121を登録しないと判断した場合(S341→No)、ユーザPが
図11に示す戻るボタン503を押下する。これによって、入出力処理部32は処理を
図7AのステップS301へ戻り、画面が
図8に示す動作履歴画面400に戻る。
【0105】
また、ユーザPが現在のパラメータでマクロ121を登録すると判定した場合(S341→Yes)、ユーザPが、
図11に示すマクロ作成ボタン504を押下することによって動作履歴情報表示部510に表示されている動作履歴情報や、マクロ名入力欄501等に入力された情報が処理装置1へ送信される。そして、処理装置1のマクロ生成部111が送信された情報を基にマクロ121を生成し、生成したマクロ121を記憶部120に登録する(S342)。この際、マクロ名入力欄501に入力された名称が、マクロ121の名称として設定される。このようにして、マクロ生成部111は、取得した動作履歴情報を基に、マクロ121を生成する。
【0106】
図8~
図11に示す手法でマクロ121が作成された場合、入出力処理部32は、入出力部31を介して入力された指示を基に、マクロ実行対象物における過去の動作履歴情報を取得する。そして、マクロ生成部111は取得した動作履歴情報を基に、マクロ121を生成する。このようにすることで、簡便なマクロ121の作成が可能となる。
【0107】
(マクロ一覧画面600)
図12は、マクロ一覧画面600の例を示す図である。
マクロ一覧画面600は、作成されている(登録済み)マクロ121の一覧が表示される画面である。マクロ一覧画面600は、
図8等に示す動作履歴画面400や、
図15等に示す操作画面700において、所定の操作を行うこと等で入出力部31に出力(表示)される画面である。また、マクロ一覧画面600は、ユーザPがいつでも閲覧できる画面である。
【0108】
マクロ一覧画面600には、それぞれのマクロ121に関して、マクロ名、動作一覧、作成日、更新日の各項目が表示される。動作一覧には、それぞれにマクロ121を構成する動作履歴情報が表示される。作成日は、マクロ121が最初に作成された年月日が表示され、更新日には、マクロ121のパラメータが更新(変更)された年月日が表示される。
【0109】
また、マクロ一覧画面600には、編集ボタン610が表示されており、ユーザPが編集ボタン610を押下することにより、
図13に示すパラメータ設定ボタンが表示される。これにより、押下された編集ボタン610に対応付けられているマクロ121のデフォルトパラメータが編集(更新)可能となる。
【0110】
ちなみに、ユーザPが追加ボタン601を押下することで、
図8に示す動作履歴画面400が表示され、新たなマクロ121の作成が可能となる。なお、マクロ一覧画面600で、式(1)のDの値が小さい順にマクロ121が表示されてもよい。
【0111】
(パラメータ更新画面620)
図13は、パラメータ更新画面620の例を示す図である。
パラメータ更新画面620は、動作履歴情報表示部621、戻るボタン622、編集ボタン623、削除ボタン624によって構成されている。
動作履歴情報表示部621には、
図12に示すマクロ一覧画面600で押下された編集ボタン610に対応するマクロ121を構成する動作履歴情報の一覧が表示される。なお、
図13では、「把持失敗復帰」がパラメータ更新の対象となっている例が示されている。それぞれの動作履歴情報には、動作ID、動作名、パラメータが表示されている。
【0112】
ユーザPが動作履歴情報表示部621に表示されている動作履歴情報の1つを選択して、編集ボタン623を押下すると、
図11に示すものと同様のパラメータ設定部520が表示される。これによって、パラメータの更新が可能となる。
【0113】
なお、動作履歴情報表示部621には、確認欄が表示されている。動作定義が、マクロ121の作成時から変更されており、かつ、設定されているパラメータが変更された動作定義と異なる場合、符号621aに示すように確認欄に「NG」が表示される。
【0114】
ユーザPが戻るボタン622を押下すると、
図12に示すマクロ一覧画面600に画面が戻る。また、ユーザPが削除ボタン624を押下すると、パラメータ更新画面620に表示されているマクロ121が削除される。
【0115】
(操作画面700)
次に、
図14~
図19を参照して、自律動作装置2が操作される際における処理について説明する。
図14は、自律動作装置2が操作される際におけるマクロ121の検索処理手順を示すフローチャートである。また、
図15~
図19は、操作画面700の例を示す図である。
図15~
図19において、同様の構成について、同一の符号を付し、説明を省略する。また、
図15~
図19において、説明をしない要素については、適宜符号を省略している。さらに、
図15~
図19の説明において、
図1を適宜参照する。なお、操作画面700及び操作画面700を構成する要素は、
図2の動作入力処理部321によって表示されるものである。
【0116】
図14に示すように入出力処理部32は、
図15に示す操作画面700を入出力部31に出力する(S401)。操作される操作画面700に基づいてユーザPは自律動作装置2を操作する。
【0117】
図15に示すように操作画面700は、地図表示部711、画像表示部712、コメント表示部730、動作・表示選択部701、マクロ選択部702、実行ボタン703、操作終了ボタン704、ジョグ動作ボタン720、動作対象選択ラジオボタン721を有する。
地図表示部711は、自律動作装置2が自律移動する領域の地図が表示されている。画像表示部712には、自律動作装置2に備えられている周辺監視カメラ26で撮像された画像が表示される。
図15に示す例において、本実施形態では、画像表示部712に表示される画像は、周辺監視カメラ26で撮像された画像であるが、これらに限らない。自律動作装置2に備えられているハンドアイ・カメラ25(
図3A、
図3B参照)や、リアカメラ(不図示)で撮像された画像、室内に備えられたカメラ(不図示)で撮像された画像等が画像表示部712に表示されてもよい。地図表示部711や、画像表示部712は、表示画像選択部713によって他の画面に切り替え可能である。
図15に示す例では、地図表示部711、及び、画像表示部712の2つしか示されていないが、例えば、これらの画像に加えて、ハンドアイ・カメラ25の画像等が表示される場合がある。そして、3つの画像が表示されると、操作画面700が煩雑になる場合がある。このような場合、ユーザPは、表示画像選択部713を押下することで、所望の画像を前面に表示することができる。
【0118】
ジョグ動作ボタン720は、ジョグ動作を行うためのボタンである。ジョグ動作とは、自律動作装置2を小刻みに少しずつ動かす動作である。ユーザPは、ジョグ動作ボタン720を押下することで、自律動作装置2を小刻みに少しずつ手動で動かすことができる。 動作対象選択チェックボックス721は、ジョグ動作を実行する対象を選択するためのラジオボタンである。例えば、動作対象としてアーム部22が選択されている場合、ユーザPが
図15に示す「X-」「X+」を押下することによっエンドエフェクタ23をX軸方向に動かすことができる。同様に、ユーザPが
図15に示す「Y-」「Y+」を押下することによってエンドエフェクタ23をY軸方向に動かすことができる。X軸、Y軸は、地図に設定されているX軸、Y軸である。そして、ユーザPが
図15に示す「Z-」「Z+」を押下するとエンドエフェクタ23をZ軸方向に移動させることができる。
【0119】
また、ユーザPが「A-」「A+」ボタンを押下することで、エンドエフェクタ23を後ろロール方向に回転させることができる。同様に、ユーザPが「B-」「B+」ボタンを押下することで、エンドエフェクタ23をピッチ方向に回転させることができる。同様に、ユーザPが「C-」「C+」ボタンを押下することで、エンドエフェクタ23をヨー方向に回転させることができる。
【0120】
なお、動作対象選択チェックボックス721で、動作対象として台車(走行用車輪24)が選択されている場合、ユーザPは自律移動装置2をジョグ動作で移動させることができる。その際、ジョグ動作ボタン720は、例えば、X方向、Y方向、ヨー方向といった、自律移動装置2が移動可能な方向だけのボタンに表示しなおされてもよい。
【0121】
コメント表示部730には、現在の自律動作装置2の状態等が表示される。
図15に示す例では、自律動作装置2が正常に起動した旨のコメントが表示されている。
【0122】
ユーザPが動作・表示選択部701を押下すると、
図16に示すように動作・表示種別がプルダウンメニュー701aとして表示される動作・表示種別は、手動制御の選択や、マクロ選択部702を押下した際に表示されるマクロ121の種別や、表示順を絞り込むものである。なお、
図16に示す例では、動作・表示種別として「手動制御」、「マクロ優先候補順」、「マクロ登録順」、「マクロ名称順」が表示されている。「手動制御」とは、ユーザPがジョグ動作ボタン720を操作することで、自律動作装置2を手動で制御することであり、
図5に示す処理が行われる。前記したように、自律動作装置2は、自律動作によって動作するが、障害物を避ける際や、エラーで自律動作装置2が自律動作できない場合に手動制御が行われる。
【0123】
本実施形態では、動作・表示種別として「マクロ優先候補順」が選択された場合について説明する。
【0124】
「マクロ優先候補順」が選択される(
図14のS402)と、操作用端末3から処理装置1に「マクロ優先候補順」が選択された旨の情報が送られる。そして、処理装置1の状態比較部112が、現在の自律動作装置2の状態を基に類似しているマクロ121(類似マクロ)を検索する(
図14のS411)。なお、この際、状態比較部112は、マクロ121が実行される直前(つまり、選択される直前)における自律動作装置2の状態を基に式(1)に示す状態比較の結果に従って類似マクロの検索を行う。
【0125】
なお、動作・表示選択部701で「マクロ登録順」が選択されると、マクロ121が作成された日時(更新されている場合は更新日時)順にすべてのマクロ121が表示される。「マクロ名称順」が選択されると、すべてのマクロ121が名称順に表示される。
【0126】
ユーザPが動作・表示選択部701によって表示するマクロ121を絞り込むと、ユーザPはマクロ選択部702を押下する。すると、
図17に示すように、動作・表示選択部701で選択された動作種別に従ってマクロ121がプルダウンメニュー702aの形式で表示される。
図17に示す例では、動作・表示選択部701で「マクロ121優先候補順」が選択されているため、マクロ選択部702では、過去に似た状況で実行されたマクロ121から、類似度順にマクロ121が表示(出力)されている(
図14のS412)。つまり、処理装置1の状態比較部112によって検索された結果が、類似度順に表示されている。プルダウンメニュー702aでは、式(1)のDの値が小さい順にマクロ121が表示されるとよい。
【0127】
このように、プルダウンメニュー702aによって、状態比較部112による比較の結果、比較されているマクロ121同士が類似している場合、類似性の比較結果が入出力部31に表示される。
【0128】
ユーザPは、マクロ選択部702でマクロ121を選択すると、実行ボタン703を押下する。すると、
図18に示すように、ボタン認識画面740が表示される。
【0129】
そして、
図18に示すように、ボタン認識画面740は、動作履歴情報表示部741、リセットボタン742、戻るボタン743、実行ボタン744によって構成されている。ボタン認識画面740によって、ユーザPは、これから実行しようとしているマクロ121の動作内容や、パラメータを確認する。
【0130】
動作履歴情報表示部741の構成は、
図11に示す動作履歴情報表示部510と同様の構成を有している。また、ユーザPが動作履歴情報表示部741に表示されている動作履歴情報の1つをダブルクリックすると、
図18に示すようにパラメータ設定部745が表示される。パラメータ設定部745は、
図11に示すパラメータ設定部520と同様の構成を有しており、
図11に示すパラメータ設定部520と同様の手順で、選択された動作履歴情報のパラメータを編集することができる。
【0131】
なお、動作定義と異なるパラメータが設定されている動作履歴情報について、確認欄で「NG」が表示される(符号741a)。このような動作履歴情報がマクロ121に含まれていると、マクロ121の実行ができない。例えば、ボタン認識画面740の実行ボタン744がグレーアウトとなり、実行できないようになる。ちなみに、
図18に示す符号741aに示す例では、マクロ121の登録時から値が変更された際に「target」の値が空欄となったため、「NG」が表示されている。このように、確認欄において「NG」が表示されている動作履歴情報がある場合、ユーザPはパラメータ設定部745でパラメータの編集を行った後、実行ボタン744を押下する。
【0132】
なお、ユーザPがリセットボタン742を押下すると、動作履歴情報のパラメータがパラメータ設定部745による編集前の値に戻る。パラメータ設定部745によるパラメータの編集が行われていない場合、ユーザPがリセットボタン742を押下しても、動作履歴情報表示部510のパラメータ欄に表示されているパラメータの値は変化しない。
【0133】
ユーザPが戻るボタン743を押下すると、動作実行部214は、画面を
図17に示す画面に戻す。
【0134】
そして、ユーザPが、
図18に示す実行ボタン744を押下すると、動作実行部214は、操作画面700を
図19に示す操作画面700に遷移させ、選択されたマクロ121に従って自律動作装置2の動作を制御する。この際、
図6に示される処理が行われる。
【0135】
図19に示す操作画面700の例では、コメント表示部730に選択されたマクロ121である「ボタン認識」が実行中である旨、即ち、マクロ121の実行状態が表示される。また、マクロ121が実行されると、入出力処理部32は、コメント表示部730に一時停止ボタン731、実行ボタン732、停止ボタン733を表示する。ユーザPは、一時停止ボタン731、実行ボタン732、停止ボタン733を押下することで、マクロ121の一時停止、実行(再実行)、停止等を操作することができる。
【0136】
なお、ユーザPが操作画面700に表示されている操作終了ボタン704を押下することで、自律動作装置2の操作が終了する。
【0137】
[第2実施形態]
次に、
図9~
図21を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、これから行う自律動作装置2の動作を記録し、記録した動作履歴情報を基にマクロ121の作成が行われる。
【0138】
図20及び
図21を参照して第2実施形態におけるマクロ121作成処理の手順を説明する。
図20は、第2実施形態におけるマクロ生成処理の手順を示すフローチャートである
まず、入出力処理部32は操作画面700Aを入出力部31に出力する(
図20のS501)。
【0139】
(操作画面700A)
図21は、第2実施形態における操作画面700Aの例を示す図である。
図21において、
図15と同様の構成については適宜符号を省略している。操作画面700Aは、記録開始ボタン751、記録終了ボタン752、マクロ作成ボタン504が追加されていること以外は、
図15に示す操作画面700と同様の構成を有している。なお、
図21に示す操作画面700Aは、
図20のステップS501で表示される画面である。また、適宜
図2を参照する。
【0140】
ユーザPは、これから行う自律動作装置2の動作をマクロ121として作成したい場合、記録開始ボタン751を押下した(
図20のS502)後、ユーザPは自律動作装置2の手動制御を行う(
図20のS503)。記録開始ボタン751が押下されることで、入出力処理部32を介してマクロ121生成の指示が入力される。
【0141】
自律動作装置2の手動制御は、
図15及び
図16に示すようにユーザPが動作・表示選択部701による「手動制御」を選択し、ジョグ動作ボタン720を操作することによって行われる。ユーザPが記録開始ボタン751を押下することにより、以降の動作履歴情報が操作用端末3から処理装置1へ送られる。そして、処理装置1のマクロ生成部111は、記録開始ボタン751が押下された時刻以降における自律動作装置2の動作に関する動作履歴情報をマクロ121作成用の動作履歴情報として記憶部120に記録する。例えば、マクロ121生成用フラグ等がたっている状態で動作履歴情報が記憶部120に記録される。
【0142】
入出力処理部32は、記録終了ボタン752が押下されたか否かを判定する(S504)。
ステップS504の結果、記録終了ボタン752が押下されていない場合(S504→No)、入出力処理部32はステップS503へ処理を戻すことで、自律動作装置2の手動制御が継続される。
【0143】
ステップS504で記録終了ボタン752が押下されたと判定された場合(S504→Yes)、即ち、ユーザPが記録終了ボタン752を押下すると、その旨が操作用端末3から処理装置1へ送られる。そして、処理装置1のマクロ生成部111は、記録終了ボタン752が押下された以降の自律動作装置2の動作に関する動作履歴情報をマクロ生成用の動作履歴情報として記憶することを停止する。このように、入出力処理部32は、入出力部31を介してマクロ生成の指示が入力されたことにともない、自律動作装置2における動作履歴情報を収集する。
【0144】
そして、適切な時期(例えば、自律動作装置2の操作が完了した後)にユーザPがマクロ作成ボタン761を押下することにより、
図8に示す動作履歴画面400が表示される(S301)。第2実施形態では、
図8に示す動作履歴画面400のチェックボックス411には、
図21に示す記録開始ボタン751が押下された以降、記録終了ボタン752が押下されるまでの動作履歴情報にチェックが入っている。
【0145】
以降、
図8~
図13に示す処理と同様の処理が行われることで、マクロ121の作成が行われる。つまり、マクロ生成部111は、収集した動作履歴情報を基に、マクロ121を生成する。
【0146】
第2実施形態によれば、これから行う手動制御による自律動作装置2の動作をマクロ121として登録できるため、簡便な方法によるマクロ121の作成が可能となる。
【0147】
動作履歴情報の単位は、巡回開始/中断/停止/再開、ジョグ移動、目標値への移動、エラーリセット、周辺機器の操作、動作パラメータ(移動速度など)の変更等がある。また、類似判定処理に用いられる定量的状態ベクトルとして以下のものが使用されてもよい。
【0148】
(B1)動作のハッシュタグ。(B2)動作の識別記号。(B3)自律動作装置2のID。(B4)周辺機器のステータス。
【0149】
また、フラグ的状態ベクトルとして以下のものが使用されてもよい。
【0150】
(C1)発生中のエラーの有無。(C2)動作の実行ステータス。例えば、正常終了、異常終了、中断、割り込み実行の有無等。
【0151】
また、本実施形態で適用されるマクロ121が使用される例として以下のような場合が考えられる。
(D1)自己位置ロストした時の復旧動作:
例えば、(D1-1)エラーリセット→(D1-2)ランドマークを見つけるために、ユーザPがジョグ移動(手動制御)で一定確度旋回を一定回数実行→(D1-3)巡回再開
(D2)牽引台車との嵌めあいに失敗した際の復旧動作:
例えば、(D2-1)エラーリセット→(D2-2)ユーザPの手動制御によって牽引機構で解放動作を実行→(D2-3)ユーザPの手動制御によるジョグ移動で前進→(D2-4)ユーザPが手動制御によるジョグ移動で後退→(D2-5)ユーザPの牽引機構で把持動作を実行。
【0152】
以上のような動作がマクロ121登録されることで、同じルートを通る複数のロボットで共通のマクロ121を利用することができる。
【0153】
自律動作装置2として産業用AMRや、自律動作装置2の代わりに産業用マニピュレータ等が用いられてもよい。また、自律動作装置2の代わりにPLCや、マテハン機器に、本実施形態の技術がもちいられてもよい。
【0154】
また、産業用マニピュレータの遠隔手動制御について本実施形態のマクロ生成が行われる場合、以下のようになる。
まず、動作履歴情報として、物体認識のための画像撮影、物体の把持/解放等が含まれる。また、類似判定処理に含まれる状態として、バッテリ残量が含まれない。また、マクロ実行対象物の座標は、TCP(ハンドの先端)の座標となる。
【0155】
また、マクロ実行対象物として産業用マニピュレータが適用された場合、以下に示す動作がマクロ121として登録されるとよい。
(E1)過負荷で停止した時の復旧動作:
(E1-1)エラーリセット。→(E1-2)ユーザPの手動制御によるジョグ移動でワークから離れる向き(垂直上方向)へマニピュレータが移動。→(E1-3)ユーザによる手動制御でマニピュレータをホームポジションへ移動。→(E1-4)動作再実行。
【0156】
(E2)
把持対象のワーク認識を失敗したときの復旧動作:
(E2-1)エラーリセット。→(E2-2)ワークを別の角度から認識するために、ユーザPが手動制御によるジョグ移動を一定回数実行。→(E203)認識再実行。
【0157】
以上のような動作がマクロ121として登録されることで、同じワークで同じ作業を実行する複数のロボットにおいてマクロ121を共通で利用することができる。
【0158】
また、マクロ121の候補(類似マクロ)の表示の際、例えば、マクロ11が行うアクションに、座標を変化させるものがあった場合のみ、座標に対する重み係数を大きくすることも可能である。このようにすることで、互いに無関係なマクロ121をフィルタリングすることができる。
【符号の説明】
【0159】
1 処理装置
2 自律動作装置(マクロ実行対象物)
3 操作用端末
27 情報取得用計算機
31 入出力部(入力部、出力部)
32 入出力処理部(出力処理部、動作履歴情報取得部)
111 マクロ生成部
112 状態比較部
120 記憶部
121 マクロ
122 動作状態情報
200 制御用計算機
210 処理部
211 動作定義部
212 動作受信部
213 動作状態管理部
214 動作実行部
215 マクロ受信部
321 動作入力処理部
322 出力処理部
323 マクロ入力処理部
324 パラメータ設定処理部
400 動作履歴画面
410 履歴表示部
411 チェックボックス
430 類似マクロ確認画面
431 選択中動作履歴情報表示部
432 類似マクロ表示部
500 パラメータ設定画面
504 マクロ作成ボタン
510 動作履歴情報表示部
520 パラメータ設定部
521 パラメータ編集欄
600 マクロ一覧画面
620 パラメータ更新画面
621 動作履歴情報表示部
700 操作画面
700A 操作画面
701 動作・表示選択部
701a プルダウンメニュー
702 マクロ選択部
702a プルダウンメニュー
703 実行ボタン
704 操作終了ボタン
711 地図表示部
712 画像表示部
720 ジョグ動作ボタン
740 ボタン認識画面
741 動作履歴情報表示部
745 パラメータ設定部
P ユーザ
Z 自律動作システム(マクロシステム)
S321 類似マクロの検索(状態比較ステップ)
S324 類似マクロ確認画面を出力(出力処理ステップ)
【手続補正書】
【提出日】2024-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマクロについて、当該複数のマクロが実行される際におけるマクロ実行対象物の状態を比較することによって、マクロ同士の類似性を比較する状態比較部と、
前記状態比較部による比較の結果、比較されている前記マクロ同士が類似している場合、前記類似性の比較結果を出力部に出力する出力処理部と、
を有することを特徴とするマクロシステム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、マクロシステムの技術に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
前記した課題を解決するため、本発明は、複数のマクロについて、当該複数のマクロが実行される際におけるマクロ実行対象物の状態を比較することによって、マクロ同士の類似性を比較する状態比較部と、前記状態比較部による比較の結果、比較されている前記マクロ同士が類似している場合、前記類似性の比較結果を出力部に出力する出力処理部と、を有することを特徴とする。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
【
図1】自律動作システムの全体構成を示す図である。
【
図2】自律動作システムにおける機器のそれぞれの構成を示す図である。
【
図3A】自律動作装置の外観を示す図(正面図)である。
【
図3B】自律動作装置の外観を示す図(側面図)である。
【
図5】手動制御の実行シーケンスを示すタイミングチャートである。
【
図6】マクロ実行のシーケンスを示すタイミングチャートである。
【
図7A】第1実施形態に係るマクロ生成処理の手順を示すフローチャート(その1)である。
【
図7B】第1実施形態に係るマクロ生成処理の手順を示すフローチャート(その2)である。
【
図8】動作履歴画面の例を示す図(その1)である。
【
図9】動作履歴画面の例を示す図(その2)である。
【
図10】動作履歴画面の例を示す図(その3)である。
【
図14】自律動作装
置が操作される際におけるマクロの検索処理手順を示すフローチャートである。
【
図20】第2実施形態におけるマクロ生成処理の手順を示すフローチャートである
。
【
図21】第2実施形態における操作画面の例を示す図である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、処理装置1は、マクロ生成部111、状態比較部112、記憶部120を有している。マクロ生成部111は、操作用端末3の入出力処理部32から入力された情報等を基にマクロ121を生成し、記憶部120に格納する。また、記憶部120には、自律動作装置2の状態に関する情報である動作状態情報122が格納されている。状態は、時刻等と紐づけられて格納されているとよい。状態比較部112は、記憶部120に格納されているマクロ121の情報、動作状態情報122、自律動作装置2から取得される状態を基に類似のマクロ121(類似マクロ)の存在を判定する。そして、状態比較部112による判定結果は操作用端末3の入出力処理部32を介して入出力部31で出力される。類似マクロの存在判定は、マクロ生成部111によるマクロ作成のタイミングや、入出力部31で行われるマクロ121の実行タイミング等で行われる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
本実施形態では、記憶部120が処理装置1に備えられている形式であるが、これに限らない。記憶部120がデータベースとして処理装置1とは別の装置として設けられていてもよい。このようにすることで、簡便なデータの追加・書き換え、検索、保守が可能となる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
制御用計算機200は、自律動作装置2が自律移動する際の処理を行ったり、情報取得用計算機27が受信した指令に基づいた処理を行ったりすることで、自律動作装置2の移動や、把持等の動作を制御する。このように、情報取得用計算機27と制御用計算機200を別々に備えることで、例えば既存製品である自律動作装置2の既存ソフトウェアの改変による予想外の性能棄損等のリスクを低減することができる。なお、情報取得用計算機27の機能が制御用計算機200に備えられ、情報取得用計算機27の機能が制御用計算機200に
備えられ、情報取得用計算機27は、アンテナとなってもよい。ちなみに、
図2に示す処理部210は制御用計算機200及び情報取得用計算機27の機能をまとめたものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
記憶装置C3に格納されているプログラムがメモリC1にロードされ、演算装置C2によって実行される。これによって、
図2に示す入出力処理部32、処理部21
0や、マクロ生成部111、状態比較部112が具現化する。なお、入出力処理部32は、
図2に示す動作入力処理部321~パラメータ設定処理部324を含み、処理部210は、
図5及び
図6に示す動作定義部211~マクロ受信部215を含む。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
動作実行部214から動作完了通知を受け取った動作状態管理部213は、処理装置1に自律動作装置2の現在の状態を通知し(S124)、処理装置1は記憶部120に格納されている動作状態情報122に通知された、現在の状態を格納する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
また、動作状態管理部213は、動作完了通知を操作用端末3に送る(S125)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31に動作完了通知を出力することで自律動作装置2の動作が完了したことをユーザPに通知する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
マクロ121に含まれる、すべての動作コマンドをキューに追加された動作状態管理部213は、マクロ開始通知を操作用端末3へ通知する(S213)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31にマクロ開始通知を出力することで、マクロ121が開始されたことをユーザPに通知する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
そして、動作状態管理部213は、ステップS212でキューに追加された動作コマンドの順番になると、動作コマンドを動作実行部214に送信する(S222)。
また、動作状態管理部213は動作開始通知を操作用端末3へ通知する(S223)。操作用端末3の入出力処理部32は、入出力部31に動作開始通知を出力することで自律動作装置2の動作が開始されたことをユーザPに通知する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
以下、
図7A~図
19を参照して、本実施形態に係るマクロ管理方法について説明する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
(動作履歴画面400)
図8~
図10は、動作履歴画面400の例を示す図である。
図8~
図10において、同様の構成について、同一の符号を付し、説明を省略する。また、
図8~
図10において、説明をしない要素については、適宜符号を省略している。なお、動作履歴画面400及び動作履歴画面400を構成する要素は、
図2に示すマクロ入力処理部323によって表示される画面である。
図8に示す動作履歴画面400は、
図7AのステップS301で表示(出力)される動作履歴画面400であり、履歴表示部410、先頭表示ボタン401、続行ボタン402、コメント表示部420を有する。
履歴表示部410には、自律動作装置2から送られた動作履歴情報が表示されている。履歴表示部410に表示されている動作履歴情報は、過去
の動作履歴情報である。動作履歴情報は、「動作ID」、「動作名」、「パラメータ」、「実行日時」の項目を有する。また、動作履歴情報のそれぞれに対応してチェックボックス411が表示されている。ユーザPは、スライダ403を操作することで、多数ある動作履歴情報のうち、目的とする動作履歴情報を表示することができる。なお、動作履歴情報は、前記した状態とは異なるものである。状態は、自律動作装置2の状態(位置等)であるが、動作履歴情報は、自律動作装置2の動作(前進、
後進、把持等)である。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
図7Aの説明に戻る。
入出力処理部32が、ステップS311で「No」と判定すると、入出力処理部32は、類似マクロの判定を処理装置1に指示する。すると、処理装置1の状態比較部112は、作成しようとしているマクロ121と類似のマクロ121(類似マクロ)が存在するか否かを検索する(S321)。
そして、状態比較部112は、ステップS321の結果を基に類似マクロがあるか否かを判定する(S322)。
類似マクロがない場合(S322→No)、状態比較部112は、その旨を操作用端末3へ送信する。すると、操作用端末3の入出力処理部32は
図7BのステップS
331へ処理を進める。
類似マクロがある場合(S322→Yes)、状態比較部112は、その旨を操作用端末3へ送信する。そして、操作用端末3の入出力処理部32は類似マクロが存在する旨の情報を入出力部31に出力し、ユーザPは類似マクロ確認画面430を出力するか否かを判断する(S323)。
ユーザPが類似マクロ確認画面430を出力しないと判断した場合(S323→No)、入出力処理部32はステップS325へ処理を進める。
ユーザPが類似マクロ確認画面430を出力すると判断した場合(S323→Yes)、入出力処理部32は類似マクロ確認画面430を入出力部31に出力する(S324)。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0094】
図7Aの説明に戻る。
類似マクロ確認画面430で類似マクロの確認を行ったユーザPは、マクロ121の作成を続行するか否かを判断する(S325)。
マクロ121の作成を続行しない場合(S325→No)、入出力処理部32は、動作履歴画面400を閉じ、マク
ロ作成処理を終了する。
マクロ121の作成を続行する場合(S325→Yes)、ユーザPは、
図10に示す続行ボタン402を押下することで、入出力処理部32は、
図11に示すパラメータ設定画面500を入出力部31に出力する(
図7BのS331)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
ユーザPがパラメータ設定部520に表示されているパラメータを更新することで、動作履歴情報のパラメータが設定される(
図7BのS332)。この際、入出力処理部32は、マクロ121に登録予定のパラメータのそれぞれが動作定義を満足しているか否かを判定する(
図7BのS333)。動作定義とは、図
5のステップS102で操作用端末3が取得した動作定義である。例えば、動作定義を満足していない例として、整数値で設定されるべきパラメータが実数値で設定されたり、実数値で設定されるべきパラメータが文字列で設定されたりすることが挙げられる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
マクロ121に登録予定のパラメータのそれぞれが動作定義を満足している場合(S333→Yes)、入出力処理部32は
図7BのステップS335へ処理を進める。
マクロ121に登録予定のパラメータの
いずれかが動作定義を満足していない場合(S333→No)、
図11の符号511に示すように動作履歴情報表示部510における確認欄に「NG」が表示(出力)される(
図7BのS334)。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
図7BのステップS335でユーザPが続行と判定した場合(S335→Yes)、入出力処理部32は
図7BのステップS336の処理を行う。
ステップS336において
、ユーザPは
図11に示すマクロ名入力欄501に、作成するマクロ121の名称として任意の名称を入力することでマクロ名の設定を行う
(図7BのS336)。
そして、ユーザPは、
図11に示すコメント入力欄502に作成するマクロ121に対するコメントを入力する(
図7BのS337)。ステップS337は省略されてもよい。
その後、ユーザPが現在のパラメータでマクロ121を登録するか否かを判断する(S341)。
ユーザPが現在のパラメータでマクロ121を登録しないと判断した場合(S341→No)、ユーザPが
図11に示す戻るボタン503を押下する。これによって、入出力処理部32は処理を
図7AのステップS301へ戻り、画面が
図8に示す動作履歴画面400に戻る。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0109】
また、マクロ一覧画面600には、編集ボタン610が表示されており、ユーザPが編集ボタン610を押下することにより、
図13に示すパラメータ
更新画面620が表示される。これにより、押下された編集ボタン610に対応付けられているマクロ121のデフォルトパラメータが編集(更新)可能となる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
ジョグ動作ボタン720は、ジョグ動作を行うためのボタンである。ジョグ動作とは、自律動作装置2を小刻みに少しずつ動かす動作である。ユーザPは、ジョグ動作ボタン720を押下することで、自律動作装置2を小刻みに少しずつ手動で動かすことができる。
動作対象選択
ラジオボタン721は、ジョグ動作を実行する対象を選択するためのラジオボタンである。例えば、動作対象としてアーム部22が選択されている場合、ユーザPが
図15に示す「X-」「X+」を押下することによっ
てエンドエフェクタ23をX軸方向に動かすことができる。同様に、ユーザPが
図15に示す「Y-」「Y+」を押下することによってエンドエフェクタ23をY軸方向に動かすことができる。X軸、Y軸は、地図に設定されているX軸、Y軸である。そして、ユーザPが
図15に示す「Z-」「Z+」を押下するとエンドエフェクタ23をZ軸方向に移動させることができる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0119】
また、ユーザPが「A-」「A+」ボタンを押下することで、エンドエフェクタ23をロール方向に回転させることができる。同様に、ユーザPが「B-」「B+」ボタンを押下することで、エンドエフェクタ23をピッチ方向に回転させることができる。同様に、ユーザPが「C-」「C+」ボタンを押下することで、エンドエフェクタ23をヨー方向に回転させることができる。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
なお、動作対象選択ラジオボタン721で、動作対象として台車(走行用車輪24)が選択されている場合、ユーザPは自律移動装置2をジョグ動作で移動させることができる。その際、ジョグ動作ボタン720は、例えば、X方向、Y方向、ヨー方向といった、自律移動装置2が移動可能な方向だけのボタンに表示しなおされてもよい。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0137】
[第2実施形態]
次に、図
20~
図21を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、これから行う自律動作装置2の動作を記録し、記録した動作履歴情報を基にマクロ121の作成が行われる。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0138
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0138】
図20及び
図21を参照して第2実施形態におけるマク
ロ作成処理の手順を説明する。
図20は、第2実施形態におけるマクロ生成処理の手順を示すフローチャートである
。
まず、入出力処理部32は操作画面700Aを入出力部31に出力する(
図20のS501)。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0139
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0139】
(操作画面700A)
図21は、第2実施形態における操作画面700Aの例を示す図である。
図21において、
図15と同様の構成については適宜符号を省略している。操作画面700Aは、記録開始ボタン751、記録終了ボタン752、マクロ作成ボタン
761が追加されていること以外は、
図15に示す操作画面700と同様の構成を有している。なお、
図21に示す操作画面700Aは、
図20のステップS501で表示される画面である。また、適宜
図2を参照する。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0140
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0140】
ユーザPは、これから行う自律動作装置2の動作をマクロ121として作成したい場合、記録開始ボタン751を押下した(
図20のS502)後、ユーザPは自律動作装置2の手動制御を行う(
図20のS503)。記録開始ボタン751が押下されることで、入出力処理部32を介してマク
ロ生成の指示が入力される。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0141】
自律動作装置2の手動制御は、
図15及び
図16に示すようにユーザPが動作・表示選択部701による「手動制御」を選択し、ジョグ動作ボタン720を操作することによって行われる。ユーザPが記録開始ボタン751を押下することにより、以降の動作履歴情報が操作用端末3から処理装置1へ送られる。そして、処理装置1のマクロ生成部111は、記録開始ボタン751が押下された時刻以降における自律動作装置2の動作に関する動作履歴情報をマク
ロ作成用の動作履歴情報として記憶部120に記録する。例えば、マク
ロ生成用フラグ等がたっている状態で動作履歴情報が記憶部120に記録される。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
また、本実施形態で適用されるマクロ121が使用される例として以下のような場合が考えられる。
(D1)自己位置ロストした時の復旧動作:
例えば、(D1-1)エラーリセット→(D1-2)ランドマークを見つけるために、ユーザPがジョグ移動(手動制御)で一定角度旋回を一定回数実行→(D1-3)巡回再開。
(D2)牽引台車との嵌めあいに失敗した際の復旧動作:
例えば、(D2-1)エラーリセット→(D2-2)ユーザPの手動制御によって牽引機構で解放動作を実行→(D2-3)ユーザPの手動制御によるジョグ移動で前進→(D2-4)ユーザPが手動制御によるジョグ移動で後退→(D2-5)ユーザPの牽引機構で把持動作を実行。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0152】
以上のような動作がマクロ121として登録されることで、同じルートを通る複数のロボットで共通のマクロ121を利用することができる。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0158】
また、マクロ121の候補(類似マクロ)の表示の際、例えば、マクロ121が行うアクションに、座標を変化させるものがあった場合のみ、座標に対する重み係数を大きくすることも可能である。このようにすることで、互いに無関係なマクロ121をフィルタリングすることができる。
【手続補正33】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正34】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正35】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】