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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139664
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】真空装置、真空容器
(51)【国際特許分類】
   G21B 1/17 20060101AFI20241002BHJP
   F04C 25/02 20060101ALI20241002BHJP
   F04B 37/16 20060101ALI20241002BHJP
   G21B 1/05 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
G21B1/17 B
F04C25/02 A
F04B37/16 Z
G21B1/05
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023174037
(22)【出願日】2023-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】714009083
【氏名又は名称】西沢 克弥
(72)【発明者】
【氏名】西沢 克弥
【テーマコード(参考)】
3H076
3H129
【Fターム(参考)】
3H076AA16
3H076AA29
3H076BB50
3H076CC51
3H129AA04
3H129AA07
3H129AB07
(57)【要約】
【課題】高エネルギー中性子を放射する核融合反応(D-T反応等)を起そうとする熱核融合炉のうちコイルなど磁気発生手段を用いた磁気閉じ込め核融合炉に用いられる真空容器において、前記中性子による超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題があった。またプラズマの荷電分離による変形の問題がある。
【解決手段】 超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題についてはトランジスタのキャリア導入の原理を用いたコイル(4C-EDL)を用いる。またプラズマの荷電分離による変形問題についてはプラズマに向かい合う回転可能な導体部(導体で構成された環状の真空容器の内壁部4D-IN)を備えさせ、内壁部4D-INをプラズマに対し相対的に回転させプラズマ変形を抑制しようとする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器であって、前記コイルはトランジスタの絶縁体(105)と、材料部分(101)とゲート部分(106)により構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイルに用いる特徴を持つ、真空容器。
【請求項2】
プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な請求項1に記載の真空容器。
【請求項3】
環状・ドーナツ状・トーラス型の前記内壁若しくは前記内壁の面を有する、請求項2に記載の真空容器。
【請求項4】
前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項3に記載の真空容器。
【請求項5】
プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な真空容器。
【請求項6】
前記回転可能な、環状・ドーナツ状・トーラス型の前記内壁を有する、請求項5に記載の真空容器。
【請求項7】
前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項6に記載の真空容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案・本願は真空装置、真空機器、真空ポンプ、真空容器に関する。作動液体を用いたポンプと真空容器を開示する。(本願は実証が必要である)
【背景技術】
【0002】
(1)<真空ポンプ>真空ポンプにはスプレンゲルポンプ(水銀を用いて大気を排出するポンプ)、水銀拡散ポンプ、拡散ポンプ、油回転ポンプ(作動液体に油を用いるもの、ローター・シリンダー・カム・ベーンの摺動部を油・流体にて潤滑・シーリングする物)、液封式ポンプ(液封式圧縮機、水封式ポンプ、羽根車をモータ等動力で駆動し作動液体による液体リングを形成する物)、渦巻ポンプ(渦巻ポンプを用いてスプレンゲルポンプの様に液体を循環させ真空槽内部の大気を取り込んで排出するポンプでもよい)が存在する。(図4
【0003】
液封ポンプ・液封真空ポンプの作動液・作動流体は前記ポンプの到達可能な真空度・圧力(Torr・Pa)の上限を決定する。特許文献1に記載のように、液封真空ポンプでは回転する流体環が互いに相対する羽根室同士を密封し、ガスに必要な圧力エネルギーを伝達するために必要であって、前記環の液体の蒸気圧が、達成し得る吸引圧力レベルの最低値を制限する。例えば水や油を用いるときはその液体の蒸気圧に制限される。また同様に、スプレンゲルポンプ等においても用いる液体金属・水銀の蒸気圧により到達可能な(真空の)圧力が決定される。作動液体として水銀を用いたポンプが古くから公知であり白熱電球の製造等で用いられている。
【0004】
真空ポンプの作動液・作動流体の蒸気圧は低いことが好ましいかもしれない。公知の方法として、特許文献1のように、(出願時点では高価であるが、)蒸気圧が低い特徴を持つイオン液体を用いた液封ポンプが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008-530441
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】インジウムコーポレーション社、「ガリウムの特徴と利点」各金属の温度と蒸気圧関係。インターネット、令和5年4月12日閲覧、https://www.indium.com/products/metals/gallium/#image-4
【非特許文献2】「Vapor Pressure Mapping of Ionic Liquids and Low-Volatility Fluids Using Graded Isothermal Thermogravimetric Analysis」2019, 3(2), 42; https://doi.org/10.3390/chemengineering3020042
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願において解決しようとする問題点は、(実用的又は安価な、)蒸気圧の低い、前記真空ポンプの作動液体を考案することである。
【0008】
(2)本願は水・油・水銀の代わりに天然深共晶溶媒NADESやガリウム・ガリウム合金・溶融した錫・溶融金属を用いた真空ポンプ・スプレンゲルポンプ(ガイスラー・スプレンゲルポンプの水銀をガリウムやDES・NADES等別の物質に置き換えたもの)を開示する。
また水を含む内容物Nを真空引きする際にポンプ4RFPに水分が取り込まれる恐れがある。そこで水分を除去する部分や水分を取り込みにくい・取り込んだ水分を分離しやすい作動流体の提案(DES利用時の疎水性DES利用、或いは同様にイオン液体利用時の疎水性イオン液体の利用)を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(3)<解決手段としての液体金属の作動流体への利用>本願はガリウム・ガリウム合金・溶融した錫・溶融金属を前記作動液体に用いた真空ポンプを開示する。例えば図1のスプレンゲルポンプ式の真空ポンプ4RFPに前記ガリウム・ガリウム合金・ガリウムインジウム錫GaInSn・溶融した錫・溶融金属を用いてよい。
非特許文献1においてもガリウム及びインジウムの蒸気圧は水銀より低い。水銀を用いたポンプでは水銀の蒸気圧より高い真空に到達できないが、ガリウムの場合その蒸気圧は水銀より低く、前記ガリウムをポンプに用いることでより高い真空に到達させることを意図している。前記ガリウム・ガリウム合金・ガリウムインジウム錫GaInSn・溶融した錫・溶融金属を用いた液封ポンプ・ロータリーポンプでもよい。
【0010】
水銀と液体のガリウム・金属ガリウムを比較すると金属ガリウムは溶融時に蒸気圧が低く、ガリウムを作動流体に用いた真空ポンプは水銀を用いた場合よりも高真空に真空引きできうる。そこで本願では作動流体に液体ガリウムを用いたスプレンゲルポンプや、その他作動流体を用いる真空ポンプを含む、真空ポンプ4RFPを開示する。(*ただし、公知のようにガリウム資源量の制約があるため、本願ではこの開示とは別にイオン液体やDESを用いたポンプ4RFPも開示している。)
【0011】
(4)<解決手段としてのイオン液体並びに深共晶溶媒の利用>また前記作動液体にイオン液体・深共晶溶媒を用いた場合も開示する。液封ポンプ、ロータリーポンプにおいては真空ポンプ用オイルを用いるが、そのオイルをイオン液体・深共晶溶媒に置き換えた系(1、1IL、1DES)を開示する。
●イオン液体はオイルよりも蒸気圧が低い場合(10のマイナス2から3乗パスカルクラスの場合)、イオン液体を用いた前記ポンプは所謂ロータリーポンプ用の合成油・真空用オイルを用いた場合(0.1パスカル)より高い真空度への到達をできる事を期待する。
●DESのうちNADESは合成油・合成真空用オイルより生物・環境への影響が小さくなることを期待して食品用途の真空ポンプへの利用を開示する。
【0012】
液封ポンプ等で作動流体に用いる水をイオン液体・深共晶溶媒に置き換え真空度を向上させた前記ポンプにつながる可能性がある。またスプレンゲルポンプ等の真空ポンプにおいて作動流体に用いる水銀をガリウム合金系、ガリウムに置き換えることで蒸気圧が低下し、真空度を向上させた前記ポンプにつながる可能性がある。
【0013】
<イオン液体の利用>
非特許文献2によればイオン液体の蒸気圧は373から523ケルビンで10の-3乗から27パスカルの範囲にある。この値は水による液封ポンプの水の蒸気圧( 水温摂氏15度で10の3乗パスカル )やロータリーポンプのオイルの蒸気圧(10の-1乗、0.1パスカル)よりは低くできる範囲にある。そのため、イオン液体をロータリーポンプ・液封ポンプの作動流体に用いることで到達可能な圧力を低減できうる。本願では図1図3等の真空ポンプ4RFPにイオン液体を用いる系を開示する。
(注:水が作動液体である液封ポンプは到達圧力が10の3乗パスカル程度である。水が作動液体である液封ポンプは水の蒸気圧による制限がある。水温摂氏15度で10の3乗パスカルである。)(注:ロータリーポンプの作動流体は潤滑油部分。図4のシール部等)
【0014】
<深共晶溶媒DES、天然深共晶溶媒NADESの利用>
本願では前記作動液体に深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADESを用いてよい。非特許文献2によれば深共晶溶媒の蒸気圧は液封ポンプの到達可能な圧力よりは低いかもしれない。非特許文献2にはNADESなCholine chloride:urea (1:2) Relineの他に、NADESではないが人工なDESのCholine chloride:ethylene glycol (1:2) Ethaline、Choline chloride:glycerol (1:2)がある。それらNADES、DESの蒸気圧は313-433ケルビンの範囲で2-161パスカルであり、上記水の蒸気圧(10の3乗パスカル)より低いといえる。その為、本願で開示する1DESの4RFPポンプが液封ポンプ、ロータリーポンプ等であって、その作動液体に水の代わりにNADES・DES用いたとき、水より低い圧力・高い真空(2.12-161.95 パスカル)に到達可能である効果を期待する。
【0015】
*イオン液体にはイミダゾリウムカチオン等の人工的な有機カチオンと、[BF4-]、[TfO-]、[Tf2N-(TFSIアニオン)]、[PF6-]等のアニオンは人体になじみのない物質であることは考慮する。イオン液体の製造コストが高い可能性があることも考慮すると図2の食品用の用途で、液封ポンプやロータリーポンプの作動流体に用いるにはイオン液体より、人体に関わりのある物質、(天然に存在しうる、)塩化コリン・尿素等の系を用いるNADESのほうが好ましいと考えるため、本願ではNADESを用いたポンプ4RFPを用いる図2の系を開示する。
【0016】
本願では食品の用途に水を用いた液封ポンプ・ロータリーポンプより低い圧力に到達できるようにしつつ、人造油を用いたロータリーポンプの可食できない・人体に適合しないオイルミストの発生をさせない系として、塩化コリン(ビタミンB2複合体の一つ)と尿素(尿中に含まれる有機物)の混合物Choline chloride:urea (1:2) Relineを本願で開示する1DESの4RFPポンプが液封ポンプ、ロータリーポンプ等であって、その作動液体に水の代わりにNADES・DES用いてよい。
【0017】
前記作動液体に用いる場合、ポンプが大型になるほど大量の作動液体を要することが推定され、作動液体のコストを低減することが必要になる。金属ガリウムを作動液体に用いる場合資源量に制限があるガリウムに利用が必要になる。またイオン液体・DESも低コストであると好ましい。前記イオン液体はカチオンとアニオンからなる塩であり、極性が高く、合成時に副生物の塩や水分などを取り込むなどでそれらを分離する等により高価になる虞がある。
一方で深共晶溶媒DESは水素結合ドナー性の物質Dとアクセプター性の物質Aを混合・加熱することで形成出来、前記物質DとAをあらかじめ生成・精製しておき混合することで溶媒にして前記作動流体として利用する。
【0018】
(5)そのためDESは前記イオン液体よりも精製や不純物・水分の混入を抑えられるならば低価格化につながり、前記DESを作動液体に用いた真空ポンプは低価格・低環境負荷・作動液体の蒸気圧が非特許文献2図4のように水銀などより低く、到達可能な真空度を水銀を用いたポンプ、拡散ポンプ、油回転ポンプ、水を用いた液封式ポンプ、水を用いた渦巻ポンプよりも低くできるかもしれない。
【0019】
(6)環境負荷を低くし、大量生産にも貢献するかもしれない天然深共晶溶媒NADESが存在する。(例:塩化コリン・クエン酸の系)前記DES・NADESを真空ポンプの作動液体として用いてよい。例えば尿素と塩化コリンのDES(共晶温度12℃、モル比で尿素2:塩化コリン1)が存在し、温度12℃以上の環境では真空ポンプの前記作動流体に用いてよい。
【0020】
*深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvent:DES):水素結合ドナー性の化合物と水素結合アクセプター性の化合物を一定比率で混ぜ合わせ室温で液体となる溶媒。蒸気圧が低い・難燃性・熱安定性・電気化学的安定性が高い・電位窓が広い・任意の物質を溶かしやすい等の特徴を有しイオン液体より安価な場合もある。天然に得られ環境負荷が低いとみられる天然深共晶溶媒も存在する。それらを用いてよい。
【0021】
(7)また水分や二酸化炭素など大気等気体を含む容器から真空ポンプにて排気するときに、前記作動流体・DES・NADESが取り込みした・吸収した・含んだ前記水分・二酸化炭素等を除去する部分4RFP-REFIを真空ポンプ・真空排気システムに備えさせて良い。例えば水分を吸収しやすいイオン液体・NADESを乾燥させる部分を装置・真空ポンプ・真空排気システムに備えてよい。
【0022】
(8)本願図2のように、食品用途で食品FDの乾燥・フリーズドライ・フリーズドライ食品製造に前記NADESを作動液体に用いた真空ポンプを用いてよい。冷凍・凍結された食品FDFを真空ポンプを動作させフリーズドライ食品FDFDRYを製造してよい。前記NADESは天然に得られうる物質であって、食品用(若しくは医療用・生物へ提供されるサービス用の)真空ポンプの作動流体に適しているかもしれない。フリーズドライにおいては水分を含む食品FDを凍結し凍結した食品FDFを得て、前記FDFを減圧下・真空下に置き水分を昇華・除去することで乾燥させ製品となる食品FDFDRYを製造する。(喫食時は水分を与え用いる)
【0023】
(9)前記フリーズドライ時、作動流体(NADES等。イオン液体でも同様)は食品から昇華・除去された水分を含むことが想定され、水分除去のために作動流体中の水分など不純物除去部分4RFP-REFIを作動流体の流路(真空ポンプ4、真空排気システム4P)に備えてよい。また作動流体がポンプや真空容器内に漏洩しないよう防止する手段を備えてよい。(例えば逆流を防止する弁・作動流体のトラップ部。)
【0024】
(10)作動流体が水分を吸収しやすい時、前記フリーズドライ時は作動流体が水分を含みやすくなり水分など不純物除去部分4RFP-REFIが必要になりうる。他方、作動流体は水分を取り込みやすい場合、前記フリーズドライ時の様に水分を除去する際に作動流体への水分吸収と真空・減圧による水分除去の双方を行い、フリーズドライすることが可能かもしれない。
【0025】
食品用ポンプでは作動流体に水を用いる渦巻ポンプやゴム・インペラ・ベーン・ピストン・ギヤによるポンプ・容積式ポンプが用いられる。他方油回転ポンプ・ロータリーポンプは動作時に食用ではない・真空用途に合成された油のミストを放出しミストを嫌う製造装置・製造ラインでは利用を避ける。また真空容器内も油の蒸気混入の恐れがある(例えば別の油を用いる方式の油拡散ポンプにおいても、真空容器内への油蒸気の影響を考え、有機半導体デバイス製造用にはターボ分子ポンプなどのドライポンプが利用される)ので、前記油・油蒸気は食品用途に利用しにくいかもしれない。
他方本願の(特に栄養強化剤に用いられる、一般に安全であると認められる塩化コリンと、柑橘類など果実・食品に含まれうるクエン酸を用いる)NADESは真空容器に到達しうる作動流体の蒸気(非特許文献2図4のようにNADES・DES・イオン液体は低い蒸気であり、例えば真空容器中に存在するNADESは微量となりうる)が前記の様に安全・又は食用のものであり、真空容器内に食品を配置し食品の加工・製造に用いる用途では体内に微量に取り込んでもよい(少量ならば食べても問題ない)作動流体の蒸気を発する真空ポンプとして提供できるかもしれない。
【0026】
(11)食用の化学物質であっても食塩等は過剰に製品に混入すると有害であるのと同様に、定期メンテナンスされていない等で装置の破損しNADESが真空容器や製造ライン・製品に大量に混入することは好ましくない・避けなければいけない。
例えば急性毒性について、塩化コリンはLD50 = 3400 mg/kg (ラット)であり、NADESのうち非特許文献2に記載のReline塩化コリン尿素混合物に含まれる尿素はLD50=14300 mg/kg(経口 ラット)である。NADESの他の構成例としてクエン酸水和物は LD50=5,040 mg/kg(経口 マウス)である。身の回りにある物質の例として食塩はLD50=4.0g/kg(経口 マウス)である。食塩と同等にNADESも急性毒性を有しており、塩化コリン・尿素からなるNADESを用いた真空ポンプ4Pも食塩と同程度に大量摂取しないようにする事が望まれる。例えば(真空容器内での作動流体の蒸気での今夕ではなくて)製造ラインにて塩化コリン・尿素からなるNADESを用いた真空ポンプ4Pが何らかの事故により破損・NADESが漏洩し食品に混入する事は避けるべきである。
【0027】
本願の真空ポンプ4Pにおいて作動流体量を監視するセンサ4RFP-SENとコンピュータ又は制御部4PCONを備えさせ、作動流体・NADESのポンプ内の残存量・溶液量の監視・モニタリングや作動流体中の水分を検出するセンサ手段として用いてよい。また前記作動流体・NADESのポンプ内の残存量・溶液量・水分の含有状態等センシングデータは4PCONに備えさせた出力装置・無線通信装置にて外部に出力・通信・伝達してよく、例えば漏洩時・液量の継続的減少検知したとき・水分異常時はブザーで通知する・無線ビーコンで周囲に知らせる・無線通信を介してインターネット・社内ネットワーク経由で管理者にモニタリング情報や漏洩・異常の発生・疑いを伝達するなどしてよい)
【0028】
(12)食品分野に限らず、金属製品・部品の真空焼き入れなど製品の加工用途や半導体・電子部品製造分野のポンプに用いてよいし、製造ラインでの搬送用の吸引・減圧ポンプ(製品を吸引し持ち運ぶ・チャックする)や家電・ロボット・機械装置・医療機器を駆動する用途に用いてよい。
【0029】
図3は本願のポンプを単体で真空槽・真空容器・真空引きする部分に接続して用いた例や他のポンプを組み合わせて用いた場合の説明図である。
【発明の効果】
【0030】
本願のポンプ・真空排気系について、実施例の1つの例として、天然に(安価に)存在する環境負荷・蒸気圧が低いNADES溶媒を真空ポンプの作動流体に用いた場合、真空蒸着・電子部品製造・理化学機械器具に加え、食品用途に利用可能な真空ポンプが提供可能な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は深共晶溶媒等を作動液体に用いた真空ポンプ4RFPを用いた系1の説明図である。(実施例1、ポンプの例としてスプレンゲルポンプ式を用いている例)
図2図2は系1の説明図である。(実施例2、例として食品用ポンプに用いる系1の説明図である。ここでポンプの形式は液封ポンプ、ロータリーポンプ等の作動液体を用いるポンプでよい。)
図3図3は低真空用ポンプRP、高真空ポンプFPを含む真空排気系と本願真空ポンプ4RFP・系1との比較図であって、組合せの説明図である。
図4図4は一般的な液封ポンプ、ロータリーポンプ説明図である。(本願では例えば作動液体・液封・液封環・シール部にNADES、イオン液体ILを利用)
図5図5は環状真空容器のコイル4C-EDLの説明図である。(環状真空容器:ドーナツ・環状の真空槽・プラズマ容器4D、4D-T、4D-ST、4D-Hを含む)
図6図6は環状真空容器の説明図である。(環状真空容器の回転手段4ROTを備えてよい。)
図7図7はモーターとベアリングを回転手段に用いた真空容器の説明図
図8図8は推進装置を備えた真空容器の説明図(推進装置4ROT-TH)
図9図9は円柱のチューブ状真空容器を前記円柱の円周方向・シータ方向へ回転させるときの説明図(磁気ミラー型、磁場反転配位型等に用いる円筒チューブ状真空容器を回転させたときの例。図9において磁気閉じ込めのコイルは4C-EDLを用いてよい。)
【発明を実施するための形態】
【0032】
<DESを用いる系>作動流体にDES、NADESを用いることで公知の元素・資源量の限られる液体金属を用いる場合と比べ、低コスト・低環境負荷に構成・提供する。(図1図2の4RFP)<イオン液体を用いる系>作動流体にDES、NADESと比べ蒸気圧の低いイオン液体を用いた真空ポンプを構成・提供する。(図1図3の4RFP)
<ガリウムを用いる系>イオン液体よりも蒸気圧が低く高真空化可能であると期待できる作動流体としてガリウムを用いる。その例としてスプレンゲルポンプでの例を開示する。(図1図3の4RFP)
【0033】
作動流体のガリウムを溶融させるために作動流体を用いる4RFPにはガリウムを加熱するヒータ・加温手段・溶融手段を内蔵してよい。作動流体のイオン液体・DESにおいても液の温度を制御し、温度・粘度を制御するため、作動流体を用いる4RFPには作動流体を加熱するヒータ・加温手段・溶融手段を内蔵してよい。また加熱後に冷却し温度調整する目的で冷却フィン・ヒートシンク・ラジエータ・熱交換機、ファン、ペルチェ素子、温度調節用装置があってもよい。
【0034】
ガリウムはアルミニウム製のヒートシンク・配管・冷却部を脆弱化させるため、銅やその他ガリウムによる腐食又は合金化・溶融に耐性のある金属を用いる事が好ましい。
【実施例0035】
図1図2図3は本願の実施例である。
【0036】
図1のポンプ例>図1はスプレンゲルポンプにおいて本考案を適用したときのポンプ4RFPと真空排気系1の説明図・説明例である。作動流体を水銀からDES、NADES溶媒(或いは本願の別の実施形態ではガリウム、ガリウムを含む流体金属)に置き換えた系(1,NADES時:1DES、ガリウム含有液体金属時:1LM)の例である。
【0037】
真空排気される真空容器4はスプレンゲルポンプ型の4RFPと接続され、4RFPは液体タンクFTよりB部分において容器4の気体を巻き込みながら流れ落ち・移動して、真空排気を行う。流れ落ちた・移動した作動流体は流体受けで受け止め、(4RFP-REFIにて作動流体中の水分・不純物を除去し、)ポンプ・動力にてタンクFTに戻され再度流れ落ちてを繰り返し容器4を真空排気する。
【0038】
図2の食品ポンプ例>図2は各種作動液を用いる真空ポンプ(油回転ポンプ・ロータリーポンプ、液封式ポンプ、渦巻ポンプ、他に拡散ポンプ)において作動液体を油類からをDES、NADES溶媒に置き換えた系(1,1DES)の説明図であって、その利用例の一つとしてフリーズドライ食品を製造する際に食品の内容物Nを真空凍結乾燥機にて冷凍し真空引きを行って水分を除去しているときの真空排気系(1、1DES)の説明図である。用途としてはフリーズドライの味噌汁、インスタント(ソリュブル・粉末)コーヒー・飲料類、凍み豆腐・寒天、米飯・おかず・弁当の類、レーション類、宇宙食の製造、医薬品用・医療用などである。例えば図4の液封ポンプの液封環にDES・NADESを用いる。
【0039】
食品用に用いる時、作動液体のDES、NADESの食品製造ラインへの漏洩やポンプの動作異常を察知するため、入力装置・センサ4RFP-SENを持つコントローラ部4PCONを前記ポンプ4RFPは備えていてもよい。また4RFPはRFP-REFIを備え、該部分にて作動流体中の水分・不純物を除去できてよい。
【0040】
上記凍結真空乾燥、真空乾燥の他に、蒸留(ウイスキー・焼酎蒸留酒、各種食品薬品、化学薬品)、真空濃縮、調理や乾燥、保温、冷却、脱臭用途、吸引・吸着・ガス収集、に用いてよく、成型(パック成型)、液体充填、ガスの置換、脱気・脱泡、真空蒸着・スパッタリング・化学蒸着CVD、真空断熱容器の真空引き、酸化防止等用いてよい。
【0041】
図3の例>図3は粗びきポンプ、フォアポンプを含む真空排気系と本考案を適用したときの真空ポンプ4RFP・真空排気系1との比較図であって、組合せの説明図である。4RFPは各種作動液を用いる真空ポンプ(油回転ポンプ・ロータリーポンプ、液封式ポンプ、渦巻ポンプ、他に拡散ポンプ)において作動液体を油類からをDES、NADES溶媒に置き換えたポンプ(4RFP)である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本願のNADESを用いる真空ポンプ4RFPは食品や医薬品の用途に利用できる。
【符号の説明】
【0043】
図1等>
1:深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADES等を作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
1LM:1のうちガリウムを含む作動液体を作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
1IL:1のうちイオン液体を作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
1DES:1のうち深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADESを作動液体として用いる真空ポンプ4RFPを含む真空排気系。
4:真空容器、(4D:ドーナツ状真空容器、4D-T:トカマク核融合炉に用いられる様な、ドーナツ状・トーラス型の真空容器、4T:チューブ・円筒状真空容器。)
*核融合炉用・実験用の真空容器は真空排気すべき容積が大きく、真空排気するためのポンプの廃棄速度が大きく、到達可能な蒸気圧が低い方が良いかもしれない。そこで本願では公知のオーソドックスなロータリーポンプ+油拡散ポンプやターボ分子ポンプの構成に加えて、イオン液体IL、DES・NADES、ガリウム・ガリウム合金、流体金属LMを作動流体に用いた真空排気ポンプ4P、4RFPを開示する。
4P:真空ポンプ。(真空容器4又は真空排気したい部分に対し真空引きするポンプ)
4RP:低真空ポンプ、粗びきポンプ(RP:油回転ポンプ等。この箇所は次の4RFPでもよい。)
4FP:高真空ポンプ、主ポンプ(DP:拡散ポンプ、TMP:ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、チタンゲッターポンプ等。この箇所は次の4RFPでもよい。)
4RFP:作動流体を用いるポンプ。スプレンゲルポンプ、油回転、液封、渦巻ポンプ。4RFPの作動流体は流体・流体金属(例:ガリウムを含む)・イオン液体・深共晶溶媒・天然深共晶溶媒。
4RFP-LM:液体ガリウム、又は液体のガリウム含有合金・金属を用いた高真空ポンプ4FP又はポンプ4RFP。本願実施例の1つ。
液体金属LM:ガリウム・ガリウム含有金属・ガリウム合金の他に、公知にはやリチウムLi、スズSn、リチウム鉛合金等があり核融合炉の内壁・ブランケットの液体金属ブランケットに用いられるものもある。冷却に用いられるナトリウムNaや、ガリウムGaより低融点だが水分大気との接触で発火の恐れのあるナトリウムカリウム合金NaK等もある。リチウム鉛は核融合炉において生じた中性子をリチウムに捕捉させトリチウムTを生じさせる。
4RFP-IL:(蒸気圧が10のー3乗であってもよい、)イオン液体の作動流体を用いた高真空ポンプ4FP又はポンプ4RFP。本願実施例の1つ。
4RFP-DES:DES又はNADESを作動流体に用いた真空ポンプ。本願実施例の1つ。
4RFP-REFI:イオン液体・深共晶溶媒の精製部・水分除去部または液入れ替え部。作動流体の品質を保つ部分。
4RFP-REFI-DES:DESの精製部・水分除去部または液入れ替え部。
DESの精製部・水分除去部または液入れ替え部に関連して、DESは親水性DESと疎水性DESがあり、本願では双方用いてよい。例えば疎水性DESは水相と接触すると相分離する(参考文献:J.Phys.Chem.B2022,126,2,513-527)ので、ポンプ作動中に内部に取り込んだ水分を疎水性DESと分離できうる。ポンプ4RFPで吸引したい物質の特性(親水性物質、疎水性物質、表面張力等)に合わせて親水DES、疎水DESを作動流体に用いてよい。
(DESは混合物を液化するまで加熱して室温に戻すか、混合物に水を加えて凍結乾燥するか、または混合物を粉砕して時間の経過とともに液化するペーストを形成することによって調製される。DESは前記のように精製・乾燥されてよい。)
イオン液体・高分子化イオン液体やDESには加熱等温度変化により含んでいた水を吐き出し・除去してよい。
4AOS: 4を大気開放する場合の接続先大気・空間。(4AOSは外部でよく、大気であったり、宇宙空間であるかもしれない。)
4MP:圧力計、真空計。ブルドン管圧力計、(マノメータ、)ダイヤフラム真空計、ベローズ真空計、マクラウド真空計、半導体技術を用いた圧力センサ素子、ピラニ真空計、電離真空計等の測定装置・素子。
図2
4RFP:作動流体を用いるポンプ。スプレンゲルポンプ、油回転、液封、渦巻ポンプ。作動流体:流体・流体金属・イオン液体・深共晶溶媒
4RFP-REFI:イオン液体・深共晶溶媒の生成部・水分除去部。作動流体の物質としての性能・性質・状態維持するための手段、作動流体のメンテナンス部。
4PCON:ポンプ制御部・コンピュータ(センサ等入力装置・記憶装置・処理装置・出力装置・通信装置など備えてよい。例えばスマートフォン・無線接続式コンピュータでもよい)
4RFP-SEN:センサ。作動流体の水分量・不純物量・液体の濁り具合等を測定する手段・センサを備えてよい。
N、FD、FDF、FDFDRY:真空引きされる内容物N、その例としてフリーズドライ食品・内容物
4AOS: 4を大気開放する場合の接続先大気Air、または、接続先が宇宙空間Outer Spaceの真空である場合の宇宙空間Space。
4MP:圧力計、真空計
図3
1:真空ポンプを用いた系。深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADES・イオン液体・ガリウムを含む流体金属を用いた真空ポンプ、真空排気系。
4:容器、真空容器。真空蒸着機・スパッタ装置の真空槽や、真空管、各種理化学機械器具、電子顕微鏡など真空応用測定機器、各種真空機器の真空槽・真空引きされる部分でもよい。
4D:環状の真空容器。4D-T:ドーナツ状真空容器、4D-Tは粒子加速器やプラズマを用いる核融合炉などの大型実験装置のの容器でもよい。ダイバータ4P-DVに排気ポートと4Pを連結してよい。例えば容積の大きい加速器やトカマク系核融合炉の真空容器の真空引きに用いてよい。本願ポンプ4RFP、4RFP-NADESは(本願の考案が実際に可能である場合には)作動流体により、液封ポンプ、ロータリーポンプ風に(安価かつ)大流量にて真空排気可能になるかもしれない。
4P:真空ポンプ・真空排気システム、
4RP:ラフポンプ。4FP:フォアポンプ。
4RFP:流体金属・イオン液体・深共晶溶媒を用いるポンプ(本願ポンプ)
4AOS: 外部大気・宇宙空間への開放先、
4MP:圧力計、真空計
VALV:バルブVALVE
【0044】
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
【0045】
<書類名>要約書
<要約><課題>真空ポンプの作動流体を考案する。作動流体には水銀のように蒸気圧の高い液体金属や、生体に適合しない合成油等の作動流体があり、蒸気圧が低い作動流体や生体に適合し環境負荷の低い作動流体を検討した。
<解決手段>作動流体にガリウム・ガリウムを含む液体金属を提案する。またイオン液体、深共晶溶媒DES・天然深共晶溶媒NADESを作動流体に用いた真空ポンプを開示する。
<選択図>図2
<書類名>図面
図1図2図3図4
<請求の範囲>
<請求項PDES1>作動流体に深共晶溶媒DESを含む真空ポンプ。
<請求項PDES2>作動流体に天然深共晶溶媒NADESを含む請求項PDES1に記載の真空ポンプ。
<請求項PDES3>ロータリーポンプの作動流体に天然深共晶溶媒NADESを含む請求項PDES2に記載の真空ポンプ。
<請求項PDES4>液封ポンプの作動流体に天然深共晶溶媒NADESを含む請求項PDES2に記載の真空ポンプ。
<請求項PDES5>請求項PDES2に記載の真空ポンプを用いた真空引き・減圧工程を経て製造・加工された食品・医薬品・化学物質・包装・容器。
<請求項PIL1>ロータリーポンプの作動流体にイオン液体を用いる真空ポンプ。
(<請求項PIL2>液封ポンプの作動流体にイオン液体を用いるの真空ポンプ。)
<請求項PLM1>作動流体にガリウム・ガリウム合金を含む真空ポンプ。
<請求項PLM2>スプレンゲルポンプの作動流体・液体金属部にガリウム・ガリウム合金を含む請求項PLM1に記載の真空ポンプ。
<請求項PLM1>請求項PLM1に記載の真空ポンプを用いる半導体製造装置・真空容器。
【0046】
以下に真空容器(4D、4T等)に関連する考案を記載する。
<書類整理番号>R5F-RYU-S-E
<発明の名称>真空容器、プラズマ容器、熱核融合炉
<技術分野>
<F0001>
本願発明は真空容器、プラズマを保持する容器に関する。本願は、原子力に関連する考案・発明である。(アイデアによる出願であって、実証が必要である)
<背景技術>
<F0002>
真空は食品の加工、真空蒸着等の分野に用いられ利用がされている。真空容器内で加工や操作を行いたい物質・物体を配置して利用する。あるいは大気による酸化防止や電子・イオン・荷電粒子の利用の為、ガラス製真空管・白熱電球・理化学機器のように真空そのものをつくりたい場合もある。蒸着装置等で、地上において真空引きを行った真空容器・真空槽は地上の大気圧に耐えるよう設計され金属製の重量感のある容器が多い。(他方、後述の核融合が天然に起きている太陽・恒星の位置する宇宙空間は高真空である。)
<F0003>
真空容器内は真空ポンプ(4P、4RP+4FP、4RFP)により真空引きされ利用される。(本願の形態では、ガリウムなど金属、イオン液体など作動流体を用いたものが4Pに用いられうる。油拡散ポンプ、ロータリーポンプも用いてよい。また真空容器内への不純物混入を防ぐ目的でターボ分子ポンプ等ドライな高真空用ポンプを用いてよい。)
<F0004>
真空容器、真空ポンプ、真空機器の1つの分野として真空管や粒子加速器、プラズマの容器がある。
プラズマ4PZに核融合燃料となる重水素D・三重水素T等を含ませて磁気・磁場により閉じ込め核融合を起こそうという試みは公知である。核融合反応の為、核燃料になる原子核を含むプラズマの形で加熱し、原子核同士を熱運動させ、原子核同士のクーロン力による反発に打ち勝って接近させ、核融合させる熱核融合方式(熱核反応方式)がある。(なお熱核融合の他に、レーザーによる慣性閉じ込め核融合や、ミュオン触媒核融合がある。)
<F0005>
熱核融合方式では原子核同士を熱運動で近接させるために高温を必要とする。前記高温は1億度以上の温度が必要で、その温度ではプラズマ状態の物質を非接触に容器の中に閉じ込め続けることが必要である。
(例えば、資源量の豊富であるとみられるDとTを核融合させる場合1から数億度、ホウ素と水素イオン・陽子を用いた場合その10倍の温度とされる)
<F0006>
前記非接触で容器内にプラズマ4PZを閉じ込める場合に、超伝導体を用い磁場の籠を用い、導体でもあるプラズマを閉じ込める方式が公知であり、閉じた環の、ドーナツ状のトロイダル方向(TF方向に)にコイル(4C、超伝導体コイル4C-SC、本願提示のコイル4C-EDL)を並べ配列させ、その内部に環状のプラズマが保持される。そして該閉じ込め方式にはトカマク型とヘリカル型がある。(トロイダル方向にコイルを並べドーナツ状に連なるTFコイルTF-COILとして、TFコイル内にプラズマを保持させる。)
トカマク型については、中央コイルCS-COILにより前記プラズマに電流を流して保持しようとする特徴を持つ物(国際熱核融合実験炉ITERやJT-60SA、非特許文献1)が公知である。ヘリカル型では、中央コイル・プラズマ電流が不要であってトロイダル方向にねじれた・らせんのコイル(4C、4C-SC、4C-EDL)を配置し、ヘリカルなプラズマ4PZ(ヘリカル・螺旋状にねじれたプラズマ4PZ-H)を用いるヘリカル型(非特許文献2、LHD)あるいはステラレータ型(非特許文献3、W7-X)が公知である。
<F0007>
ヘリカル・ステラレータ型はコイルをねじる或いはプラズマ4PZにねじれた磁場をかけることでプラズマ内の高速なイオン・荷電粒子が磁場のねじれ・磁場の弱い所から逃げてしまいがちであるかもしれない。同様にトカマク型もトロイダル方向に並べられたコイルはドーナツの中心内周方向はコイルの半円部分が集まるが外周方向に行くほどコイルの半円部分が開いており(図6の4C-EDL、4C-EDL-1から4C-EDL-5のようにドーナツ外周部では隣り合うコイル間での隙間が開き、磁場の籠に隙間ができ、)イオン・粒子が逃げやすいかもしれない。磁気により閉じ込める場合、前記高速なイオン・粒子が逃げやすい事を解決する必要がある。
<F0008>
そして前記磁場を生じるコイル4Cは強い磁場を生じるコイル4Cが望ましいかもしれない、公知の例では超伝導体を用いている。超伝導体は(実用を考えるとピン止めなど考慮したり銅などの安定化部材が必要であって)冷却が必要であるものの、高磁場を生じることができる。
非特許文献4によれば、既存の方式ではニオブNb(ニオブスズ等)を含む超伝導体・コイルが用いられており、ニオブの放射化による保管期間が長いことや高速な中性子のスパッタリングによる性能低下が起きる。そのため超伝導体の線材からなるコイル4C-SCを前記中性子から保護しなければいけない。(この点は高温超伝導体において放射化しにくい期待のあるバナジウムV系線材やマグネシウムホウ素MgB2線材がある。ただ、高温超電導体の場合、安定化材に放射化後の半減期が100年程度の銅を用いるため、銅の半減期より上限が決まるかもしれない。)
<F0009>
コイル4Cは小型軽量可能であると好ましい。また強い磁場であっても使えるもの、例えば超伝導状態では磁場の強度が高いと超伝導体は磁場を通さない性質から、実用上磁場を通すためにピン止め点となるドーパントを材料中に添加配置するなどして磁場を通せる点を作るなどし、冷却や常伝導体に戻るときなど考慮し、超伝導体に固有の要求性能をクリアするように電線・コイル4C・4C-SCが設計・製造される。可能であれば、好ましくは、複雑でなくシンプルな系で低抵抗の電線、かつ放射化せず軽量化出来て資源も豊富な元素からなる線材・コイル4C・4C-EDLがよい。(小型軽量であると、コンパクトでコイルや真空容器・真空槽の分解整備、部品交換、コイル交換がしやすくなる利点が生まれる)
<先行技術文献>
<非特許文献>
<F0010>
<非特許文献1>量子科学技術研究開発機構QST[「JT-60/JT-60SA概説図」、インターネット、令和5年10月1日閲覧、URL、https://www.qst.go.jp/site/jt60/4903.html]
<非特許文献2>核融合科学研究所NIFS[「ヘリカル核融合炉設計研究」、インターネット、令和5年10月1日閲覧、URL、https://ferp.nifs.ac.jp/intro/pg28.html]
<非特許文献3>マックス プランク ゲゼルシャフトIPP[「Wendelstein 7-X」、インターネット、令和5年10月1日閲覧、URL、https://www.ipp.mpg.de/w7x]
<非特許文献4>西村新、西嶋茂宏「5.中性子環境下における課題」J. Plasma Fusion Res. Vol.83, No.1 (2007)50‐54
<発明の概要>
<発明が解決しようとする課題>
<F0011>
次に複数の課題とその解決案・考案を記載する。
<発明が解決しようとする課題1:磁場を生じるコイル・電線材>
解決しようとする問題点は、球状トカマク型核融合炉(及びヘリカル型・ステラレータ型の炉、環状の真空容器にプラズマ4PZを閉じ込める核融合炉)において中性子遮蔽がなくとも核融合用プラズマ4PZを保持させるコイル4C(4C-EDL)を考案することである。(参考資料として内閣府資料https://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu13/siryo5-2.pdfによれば、球状トカマク炉はコイル部の中性子遮蔽が難しく、超伝導コイルが利用しにくいという課題があった。)
<F0012>
超電導コイルあるいは4C-EDLは中性子にさらされ、中性子の衝突を受ける。高エネルギーの中性子が一つの原子に衝突したとき、該原子はスパッタされ・弾き出されその後原子空孔が残る。常温などの温度の高い場合、(4C-EDLのように冷却をせず常温で駆動する場合)は、常温下の熱エネルギーで分子原子が振動したり結晶・材料内を動くことができ、原子空孔が集合しクラスター(原子サイズのボイド)を形成し、熱により原子空孔が集まり、原子配列の乱れが回復し、電線材・コイルをバルクで見ると抵抗率は或る程度回復しうる。(参考文献1・非特許文献4 :J. Plasma Fusion Res. Vol.83, No.1 (2007)50‐54)
<F0013>
超伝導コイルはニオブスズNb3Sn、ニオブチタンNbTi、Nb3Al等の超伝導材とアルミニウム、銅等の安定化材と絶縁材・樹脂を用いているが、それらは4Kケルビン程度の極低温下に冷却されている。4Kの低温下では、熱エネルギーにより原子空孔が自由に動けないので、欠損部が癒えない(金属原子が熱運動により移動し欠損部を埋めるように動けない)。そのため冷却された超電導コイル内部に用いるアルミや銅の部分は中性子照射により高抵抗化し、回復しにくい。
<F0014>
超伝導コイルのニオブスズなど超伝導材についても中性子により結晶格子の一部が弾き飛ばされていき長範囲規則性が壊され始め大きく劣化する。最終的には当初の超伝導体の機能を失う。(参考文献1の図5のように中性子放射継続により臨界電流Icが低下し、図6によれば臨界温度Tcが低下していく。)*参考文献1によればJT‐60SA では,超伝導マグネットへの中性子負荷を低減することを目的として,中性子を吸収しやすいホウ素を添加した樹脂で厚さ10cmで覆うことが検討されている。
<F0015>
鉄よりも重い重元素のNb を含む超伝導線材が放射化された場合、その保管・管理時間が長いことも問題である。(放射化後の減衰にNbは10万年、銅Cuは約100年必要。)
<発明が解決しようとする課題1に対する課題を解決するための手段1>(図5の4C-EDL)
<F0016><放射化に耐え低抵抗になる期待を持つコイル4C-EDL>
それら課題に対して、本願は特許第7157892号(特願2022-123161号)に記載の導線・電線(1WIRE)を用いたコイル4C-EDL(本願図5)を用いる。4C-EDLは鉄よりも軽い元素、炭素やアルミニウムで構成可能であれば、放射化しにくくできうるかもしれない。(また、4C-EDLは前記減衰が100年で済む可能性がある銅Cuを用いてもよい)
<F0017>
4C-EDLはカーボンナノチューブCNTや銅・アルミニウムが利用されうる。<F>核融合反応に重水素Dと三重水素Tを用いる場合高エネルギー・高速の中性子が発生し、前記中性子はカーボンナノチューブやアルミニウムなどの電気導体材料の結晶に欠陥を生じかねない。そこで真空容器内部に中性子を軽減する仕組みがあると好ましい。例えば4D-Tや4D-Hの真空槽の壁、炉壁に液体金属をめぐらすことは公知であるが、本願でも液体金属を炉壁に配置してよい。<F>真空容器のプラズマに接する側の炉壁4D-INに導体を張り巡らせて(全面を覆ったり)もよい、液体金属を張り巡らせてよい。<F>導体面を持つ前記4D-INはプラズマに対し回転可能でもよい。
<F0018>
特許第7157892号(特願2022-123161号)においては、材料部分101(特願2022-123161号の図1、或いは本願図5に示す材料部分101)にCNTや銅の他に鉄を用いてもよいとの記載があるが、本願の核融合炉、中性子により放射化されうる用途では、中性子にさらされ寿命の長い放射性廃棄物につながる鉄等の重元素の利用は好ましくない可能性がある。そこで本願では例えば4C-EDLの材料部分101にCNT等の炭素材料、アルミニウム、銅を用いてよい。(他に、例えば鉄よりも軽い金属又は導電体になりうる元素としてリチウム、(ベリリウム)、炭素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、(珪素)、アルミニウム、カリウム、カルシウム、チタン、バナジウム等があり、本願では4C-EDLに用いる材料部分は放射化しやすさや放射後の保存期間を考慮して前記元素から選択できる。)
<F>さらには、前記核融合後に生じた高速な中性子により導線材料の原子がスパッタされる問題を考慮すると、銅やアルミニウム等の金属製の材料部分101を4C-EDLに用いてよい。ゲート部106もスパッタされうるので銅アルミなどを持ちいてよい。絶縁体部分はイオン液体やイオン液体を含む絶縁体・スペーサ層でもよい。<F>(炭素材料、CNT等の場合、共有結合性の炭素の配列に中性子が衝突しスパッタされ、材料のキャリア導電性、キャリア移動度等が低下する場合には、別途コイルを取り換えやすい真空容器・核融合炉としてもよい。コイル交換時は、コイルが小型であれば取り換えやすい・整備しやすいので小型な核融合炉が望まれる)
<F0019>
(核融合燃料にDやTの他に陽子とホウ素等を用いてよい。陽子とホウ素からなる核融合反応系では、資源に限りの無いD-T系よりも高い温度が必要だが、中性子を考慮しなくてよいので炉やコイルの材料の放射化、放射線による材料の原子分子スパッタリング、結晶や分子構造の欠落発生による、電気導体・絶縁体等電気的物性低下や強度機械的性能低下が小さくなる期待がある。)
<F0020>
本願は特許第7157892号(特願2022-123161)または本願図5に記載のトランジスタの絶縁体105と、材料部分101(銅、銅膜、カーボンナノチューブや多孔質膜等)とゲート部分106( 銅、銅膜、カーボンナノチューブ、多孔質膜に堆積した銅膜等 )により構成されるキャパシタ部分が、ゲート電極106に印加される電圧VGSにより、充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイル4C-EDLに用いる。<F>前記キャパシタが充電されることにより、105と101の部分(106と105と101の部分)に電気二重層が形成され、電気二重層の電荷を打ち消すように前記材料部分101にキャリアが導入されキャリア導入部分104が形成される。<F>104は101よりもキャリアが増加しており電気伝導性が向上する。そして104を含む導線1WIREの導電性が向上する。
<F>前記導電性の向上は超伝導現象ではなくトランジスタのキャリア導入・キャリア増幅を用いており、コイルの電線材料を超伝導体にするための極低温への冷却が不要になる。<F>1WIREの101部・104部に銅(銅の膜、多孔質膜に銅膜を堆積したもの)を用いている場合、(トランジスタのキャリア導入は常温においても行うことができて、)常温では前記中性子の照射によるスパッタリングが101・104部に起きても、 熱エネルギーにより原子空孔が自由に動けるので、中性子の照射による原子配列の欠損部が常温下での熱により回復可能になり、導線コイル4C-EDLが中性子にさらされたとしても性能低下を抑えることができる利点が生じる。そのため本願考案では超伝導体のコイル4C-SCの代わりに、前記4C-EDLを用いる。<F>本願は特許第7157892号(特願2022-123161号)を引用して参照する。
<F0021><複雑な形の為のコイル4C-EDL>
複雑な形状・ねじれた形状を持つコイルを用いるヘリカル型・ステラレータ型の核融合炉においてもコイル4C-EDLを用いてよい。
<F0022><回転手段4ROTによりトロイダル方向に回転可能なTFコイル4C-EDL又はヘリカルコイル4C-EDL>
ヘリカル型・ステラレータ型ではコイルのねじれ(それによるヘリカルプラズマ・ねじられプラズマ内の高速粒子・高速イオンが飛び出やすい、磁場の籠の磁力の弱い部分の発生する等)により粒子(高速イオン)が逃げやすい課題があるかもしれない。高速イオンの逃げやすさの問題はトカマク型のCSコイルのリングとリングの間においても問題であるかもしれない。(本願図6左図(A)の4C-EDL、4C-EDL-1から4C-EDL-5のドーナッツ外周側に向けてコイル間の間隔と磁場の間隔が開く問題)そこで本願では真空容器及び/又はコイル4C-EDL及び/又はコイル4C-EDLにより作られる磁場の籠を回転手段4ROTにより回転させ、磁気・磁場による籠を静止したものでなく動的・回転する磁場の籠として、高速イオンを逃がさないようにしようと試みる。また後述のように、4D-INが導体であり前記回転するとき、プラズマの変形を制御・抑制することも試みる。
<F0023>
●超伝導材にはニオブスズのようなタイプの他に、それらと比べ高温で動く、高温超伝導体が存在する。例えば銅酸化物系の特殊なセラミックからなるもの(イットリウム-バリウム-酸素-銅の系)が公知である。超高磁場中でも既存ニオブスズなどより高温で動作する事が求められる。
<F0024>
●超伝導体は高磁場に耐える物を選ぶ必要がある。他方、特許第7157892号に記載の導線・導体・導体素子によるコイル4C-EDLはトランジスタを電線としても用いており、トランジスタのキャリア導入効果を用い(冷却・ピン止め・中性子による耐性・超伝導から常伝導になったときの銅などの安定化材等の考慮が必要な)超伝導現象を用いていない事で、高磁場においても超伝導由来の制約なく低抵抗な電線を構成出来うるかもしれない。(しかし前記コイルの冷却については、本願では銅線2WIREやコイル4C-EDLの冷却をしないことに限定しているわけではない。4C-EDLには明確に図示・指定されていないが、必要に応じて、銅線の冷却と同様に4C-EDLの冷却システムが備えられていてもよい。もし必要ならば水冷或いは何らかの冷却液体・流体を用いてコイルを冷却できてもよい。)
<F0025>
またMOSFET・MISFETトランジスタの形態の為、絶縁層に電荷を蓄えて稼働し、電流を常に流し続けるわけでなく、消費電力も限定的であるかもしれない。
<F0026>
コイルの冷却も4ケルビン或いは液体窒素までの冷却は必要ないので、冷却関連部分を無くしたり冷却しなければいけない温度を高温にすることができ、熱核融合炉のプラズマを真空容器(4D-T、4D-H)等の内部に保持する電線・コイルを小型化することに貢献しうる。
<F0027>
例えば4C-EDLは小型でも導電性高く高磁場を生じることができれば装置を小型化でき、装置をトロイダル方向に広がったドーナツ状の形から、球形・樽型・林檎形状(本願図5図6)の球状のトカマク型又は球状のヘリカル型・ステラレータ・ヘリオトロン型、あるいは小型で球形に近い形状・配置の真空容器・(プラズマを磁気で閉じ込める)核融合炉を構築するときに役立つかもしれない。
<F0028>
<発明が解決しようとする課題2:熱核融合用のプラズマの磁気閉込、高速イオンの漏れの防止>
解決しようとする問題点は、熱核融合用のプラズマの磁気閉込を安定に行うことを見つける事である。高速イオンの漏れを防ぐ方法をみつけることである。
<4D-INに対し4PZが回転することで4PZの変形を抑える事>
<F>参考文献(https://www.jaea.go.jp/02/press2006/p07012601/hosoku.htmlの図2-2)によればトカマク型核融合炉・球状トカマク型核融合炉について真空容器のプラズマ側の内壁面4D-INが導体であってプラズマ4PZが回転する際に、プラズマの変形を抑制しプラズマを容器内に安定に保持できうる事が公知である。
<F>公知の方法ではプラズマ4PZの回転は中性子ビームによりプラズマ4PZを推して4PZを回転させる方法が公知である。本願では中性子ビームで推す方法とは別にプラズマ4PZを回転させる方法を考案したいと考えた。
<磁場を生じるTFコイル・4C-EDLの間では磁場強度が低く、コイルのあるところとないところで磁場強弱が生じて、高速イオンの漏洩を防ぐ手段>
磁場を生じるTFコイル・4C-EDLの間では磁場強度が低く、高速イオンが逃げうる。そこでコイルよりも内径側・内部に強磁性体部品・フェライト鋼を配置して磁場の強弱を軽減し磁力線をまっすぐにしてイオンを逃げにくくすることが公知である。(参考文献https://www.jaea.go.jp/02/press2006/p07012601/hosoku.htmlの図3-1、図3-2)
<F0029>
<発明が解決しようとする課題2に対する課題を解決するための手段2>
(4PZの変形を抑える手段:図6の4ROTと4ROTによる4D-INの回転)
その課題に対して、本願は炉である容器4D-T・4D-Hが回転する方式を提案する。
4D-INを回転手段4ROTを用いてを回転させ、4D-INからみたプラズマ4PZの回転・移動を導体の炉壁4D-IN(実施例として4D-INを持つ真空容器4D・4D-ST・4D-H等)の回転で制御・実現する事を試みる・行う。
<F>(4D-INは例えば真空容器4D・4D-ST・4D-H等の真空容器のプラズマ4PZに向かい合う導体の内壁面4D-IN。4D-INは真空容器4Dのボディに設置・配置・一体化・付属しており真空容器4D等が回転することで4D-INも回転する。4D-INは4PZに対し相対的に動くため、回転する4D-INからみると4PZは回転しているに見える)
<F0030>
(高速イオンの漏洩を防ぐ手段:図6の4ROTと4ROTによる4C-EDLの回転、回転する磁気の籠による高速イオン漏洩防止)
本願ではトカマク型・ヘリカル型・ステラレータ型(4D、4D-T、4D-ST、4D-H)において、 図6の4ROTにより4C-EDL(4C-EDLによるTF方向にドーナツ状に連なるコイル・トカマク型のTFコイル、あるいはヘリカル型・ステラレータ型のTF方向に配置されているコイル4C-EDL)が(トロイダル方向、TF方向に)回転できてよい。4C-EDLが生じる磁気・磁場・磁場の籠が回転可能でもよい。
<F>ヘリカル型(ステラレータ・ヘリオトロン)においては(ねじれたコイルを用い)プラズマ電流が不要であるが、ねじれたコイル部・ねじれたヘリカルプラズマよりヘリウム粒子・高速イオン等が飛散しやすい。本願では容器・コイル4C-EDL(磁場の籠)を回転させ、ヘリカル・トカマク双方の方式でプラズマ・イオンを安定して保持しようとする。
<F>静止したTFコイルによる磁場の籠では磁場の強弱のある箇所が生じやすい。他方、本願では、実証は必要なものの、磁場の強弱部分が(動的であって一箇所にとどまらず)回転でき、強弱部分が時間平均でみると均一にならされ、磁場の強弱を軽減し高速イオンの漏洩を防止できるのでないかという考案である。(※高速イオンの漏れの原理について発明者は把握できていない。コイルの回転による時間変化よりも短い時間内のメカニズムにてイオンの漏れが起きる・イオンの漏れが支配される場合はコイル回転による方法は適用できないかもしれない。)<F>(また4PZ変形防止目的で4D-INを回転させるときに、4Dには4D-INと4C-EDLが固定されていれば4D-INと4C-EDLは同じく回転できる。4D-INの回転でプラズマ変形抑制を試みるが、それに付随してコイル4C-EDLも回転できてもよい。本願の一つの実施形態によれば4C-EDLを回転させるかどうか、4D-INを回転させるかどうかは限定されない。4D-INを回転させることで核融合炉の4PZの変形抑制ができるならば4D-INの回転をまず行ってよい。)
<F0031>
4ROTによる4C-EDLの回転は、トカマク型のTFコイルのリング間やヘリカル型のヘリカルコイル・ステラレータコイルにおいて高速イオンがコイル間の隙間・磁気の籠の弱い部分より漏洩することを防ぐ為、磁気の籠であるコイル側を回転させ、内部プラズマを保持しようとする目的がある。
<F0032>
(プラズマを制御・操作する部分)
なお容器側を回転させる方法に加えて、公知のように、中性子ビームによりプラズマ4PZを推す方法と組み合わせてもよい。またプラズマの加熱に関しても公知の方法・手段を用いてよい。図7のプラズマ系補器4P-DEVICEにはプラズマを目的の条件にする装置・手段が搭載されてよく、例えばプラズマ4PZの回転手段(例:中性子ビーム照射部)、4PZの加熱手段(例:電波利用等のプラズマ加熱手段RF)、4PZへの燃料供給手段(DやTやBや陽子を核融合燃料として導入する)、4PZを加熱するコイル等、4PZの状態を計測する測定装置でもよい。(4P-DEVICEは広義にはプラズマを維持する装置でよく、真空装置を真空に維持する装置も含んでよく、真空容器内の真空度を測定する測定部や真空排気系・真空ポンプ4P・4FP・4RP等を含んでもよい。)
<F0033>
<発明が解決しようとする課題3:熱核融合用のプラズマの磁気閉込についてCSコイル不要な方法>
(例:図6の4ROTにヘリカル型・ステラレータ型磁場を用いる場合。*ヘリカルプラズマをとる回転するコイル4C-EDLと回転する4D-INの併用。)
解決しようとする問題点は、球状トカマク型核融合炉について中央コイルCSコイルがない場合でも炉をスタートさせるプラズマの電流ないしプラズマの動きを生じさせることである。CSコイルがない場合トカマク型ではプラズマ電流が流せずプラズマの制御・スタートに課題があるかもしれない。球状トカマク型に加えヘリカル型・ステラレータ型核融合炉についてもプラズマを(電磁誘導にて)加熱する事の出来るCSコイルを用いないのでプラズマを制御・スタートさせることが必要である。
<F0034>
その課題に対して、球状トカマク型核融合炉容器4D-STやヘリカル型容器4D-Hについて、本願は4ROTでコイル4C-EDLが回転する方式を提案する。(プラズマの変形防止・変形制御には回転する4D-INを用いてよい。)
*本願の1つの形態では、4C-EDLは図5のようにトランジスタのキャリア導入を用いて導電性を向上させたものでよく、超伝導タイのように冷却不要であって導電性を高く取れコイルや真空容器を小型化できる(ベータの大きい装置にできる・容易な)ことを意図している。
<F0035>
プラズマの加熱には公知のようにプラズマ加熱用のビーム装置・加熱用ビーム等を(4P-DEVICE部に配置して4PZを加熱するように)利用してよい。(*公知のように、電波RFを炉内のプラズマに照射してプラズマ電流を起こす事を併用してもよい。)
<F>さらに、トカマク型でなくヘリカル型・ステラレータ型の磁場・コイルを用い、それらを回転させてよい。トカマク型に比べ、ヘリカル型においては(ねじれたコイルを用い、プラズマにひねりが加えられるので)プラズマ電流が不要であるが、プラズマの閉じ込めがしにくい虞がある。それに対して本願ではプラズマが炉に対して(トロイダル方向へ)回転することで安定に保持させようとする。
<F0036>
●通常トカマク型核融合炉では中央コイルCSコイルを用いてTFコイルのドーナッツ型のトロイダル磁場中に保持されたプラズマに環状に1方向に巡るプラズマ電流を生じさせ、核融合炉をスタートし、磁場によりプラズマを閉じ込め支持する。そしてプラズマを高温に加熱し核融合を起そうとする。
<F>他方、球状トカマク炉は中央コイルがない分、小型化しプラズマも高圧・高温にできる。しかし炉のプラズマに電流や動く向きを与え(プラズマに磁場を生じさせ)プラズマを炉に磁気的に閉じ込めて支持させるという運転開始時のステップ(スタートさせるステップ)の時にプラズマに電流を与える中央コイルCS-COILがないので、核融合炉をスタートできない虞があった。<F>その課題に対して、本願は球状トカマク型の炉、ヘリカル型・ステラレータ型のコイル・容器がトロイダル方向に回転する方式を提案する。
<F0037>
*真空容器4D-STを回転させると、内部プラズマは静止しつつ、装置がドーナツ環状のプラズマ4Pを囲むように回転する。この時、装置から見てプラズマ4Pは相対的に一方向に流れ回転しているように見える。この流れているように見える状態をトカマク式(或いはヘリカル式・ステラレータ式)の4Pの磁気閉じ込めに用いる。
<F0038>
図8について、宇宙空間の場合、地上より容器を回転させやすいことを狙う意図がある。
核融合炉及びその容器4D-Tについて、真空容器は地上で用いる場合大気圧に耐える必要があり強度を保つため炉や容器、装置は大型、重くなりがちである。その炉・容器・装置を回転させようとする場合、特に本考案実証の為試験炉を用いて我々が取れる最大の速度まで回転させたくなる時、地上ではベアリングを用いて回したり、回転で到達させたい速度が超伝導ベアリングを用いて容器を浮上させ真空内で空気抵抗少なく回転させるなども想定されるが、それでは炉が重く回しにくい。
<F0039>
他方、本願発明は必ずしも宇宙空間で用いるわけではない。
例えば図7のベアリングとモータにより回転させる構成で、コイルや真空容器が小型軽量化できる場合、容器・コイルを回転させやすくなる事が期待できその場合、地上等地球圏出会っても利用しやすいかもしれない。
(4C-EDLは超伝導体でなく軽量な導線を用いたとしても、地上の大気圧に耐える真空容器の要求の為容器が重量大きいかもしれない)
<F0039>
また、トカマク型核融合炉内部で加熱されたプラズマ・荷電粒子はトロイダル方向に加速し(例えば秒速100km~の速度で)移動し、プラズマの荷電分離・電荷分離が起きる(https://www.qst.go.jp/site/jt60/5248.html)。そのときに回転する導体を持つ4D-INがあることでプラズマの変形を抑制できる(https://www.jaea.go.jp/02/press2006/p07012601/hosoku.htmlの図1-2の変形は、図2-2のように環状の容器4D-T・4D-ST・4D-Hの壁面が導体で覆われているときに図2-3のろくろと手を使って粘土の器にたとえたプラズマを成型しプラズマ変形を抑えようとする図のように)プラズマの変形を抑制できるかもしれない。
<F0040>
回転する容器4D-Tの真空槽・内壁4D-INに導体を張り巡らせて回転している場合、移動する4D-INの導体壁面に対しプラズマの電荷分離部が相互作用しうる。前記相互作用(電磁誘導・電気磁気的プラズマと回転する炉の内壁導体との相互作用)によりプラズマに生じた電荷分離を吸収・中和・打ち消す電磁誘導電流を生じさせ)、プラズマの変形を電気・磁気の相互作用により抑制しようとする。
<F>この電荷分離・プラズマ変形を4D-INで抑制するという点では、導体面を持つ前記4D-INはプラズマに対し回転可能でもよい。例えば容器に固定された、容器壁面であって導体(金属板等導体)の4D-INをプラズマに対し回転可能でもよい。<F>あるいは真空容器真空槽4D-Tは固定だが、導体の面4D-INが(4D-INが液体金属であって壁面を流れることができて)プラズマに対し回転可能でもよい。
<F0041>本願の1つの実施形態ではコイル・磁場の籠の回転と、4D-INの回転の両方を4ROT(モータギヤ、軸受けなど用いて)を図7のように実施出来うる。ただし、4D-INのみ回転させたい、4C-EDLを回転させたい、若しくは4D-INと4C-EDLの回転速度差を持たせて回転させたい場合、それぞれ別に回転させる機構を備えてもよい。
<発明の効果>
<F0042>
本発明の核融合炉は、コイル4C-EDLを持ちいることでカーボンナノチューブCNTなどのキャリア密度の低い高いキャリア移動度の炭素系材料であってもキャリアをMISFETや電気二重層トランジスタのキャリア導入メカニズムを用いてキャリア導入しコイルを用いてコイルを低抵抗にして大電流・高磁場を生成し、4C-EDLは超伝導を用いないので超伝導が起きる低温まで冷却が要らず、超伝導を壊さないようなピン止めなど不要であって、高磁場小型軽量なプラズマを保持するコイル4C-EDLを構成することができる。
<F0043>
またコイル4C-EDLや導体を持つ容器の壁面4D-INをプラズマ4PZに対し(トロイダル方向に)回転させることでプラズマの形状を制御し、プラズマの変形を抑制する事を試みる。
<図面の簡単な説明>
<F0044>
図5図5は環状真空容器のコイル4C-EDLの説明図である。(環状真空容器:ドーナツ・環状の真空槽・プラズマ容器4D、4D-T、4D-ST、4D-Hを含む)
図6図6は環状真空容器の説明図である。(環状真空容器の回転手段4ROTを備えてよい。)
図7図7はモーターとベアリングを回転手段に用いた真空容器の説明図
図8図8は推進装置を備えた真空容器の説明図(推進装置4ROT-TH)
図9図9は円柱のチューブ状真空容器を前記円柱の円周方向・シータ方向へ回転させるときの説明図(磁気ミラー型、磁場反転配位型等に用いる円筒チューブ状真空容器4Tを回転させたときの例。図9において磁気閉じ込めのコイルは4C-EDLを用いてよい。)
<発明を実施するための形態>
<F0045>
例えば図7において、小型で回転可能なコイル4C-EDLを用いた磁気閉じ込めプラズマ容器(トカマク型4D-T・4D-ST及びヘリカル・ステラレータ型4D-Hの核融合炉)を軸受け4Bや回転用モータ4ROTにより容器コイルを回転させプラズマの変形や高速イオンの漏洩防止を試みる。<F>図7の構成、本発明の1つの形態では回転するコイルへのスリップリング・接触式給電部SLR・ワイヤレスな給電部SLRを備えさせる。またスリップリングSLRに接続された前記電気二重層トランジスタ・MISFETトランジスタによるキャリア導入によりキャリア増幅可能な電線によるコイル4C-EDLのゲート駆動回路EXC1と前記4C-EDLを備えた、トロイダル方向に回転可能な、図6の左図(A)のようにコイルがトロイダル方向に配置されたドーナツ・環状の真空槽(及び磁気の籠、ドーナツ型プラズマ4PZ)を持つ。<F>このような構成とすることで、核融合炉・プラズマ容器(トカマク型、ヘリカル型。4D-T、4D-H、4D-ST、4D-SH)をコンパクトに実現し、地上・空中・水上海中・宇宙空間での建物・構造物・発電所・輸送機械・人工衛星・宇宙船の核融合炉・発電部に使用する想定である。
<実施例1>
<F0046>
図5のように核融合目的のプラズマを磁気閉じ込めで保持する真空容器(トカマク型:4D-T,球状トカマク型:4D-ST、ヘリカル型:4D-H、球状ヘリカル型4D-SH)は図5に示すゲート106や絶縁体105と材料部分101やキャリア導入部104を含むコイル4C-EDLを備えていてよい。
<F0047>
図5には特願2022-123161号図面に記載のように、材料部分101(例:カーボンナノチューブ等炭素を含む材料、あるいは多孔質膜などに金属膜、銅膜を堆積させた部分)と、材料部分101に電気二重層トランジスタ・MISFET(金属-絶縁体-半導体-電界効果トランジスタ)のゲート電圧が印加された時のキャリア導入部104と、ソース電極102、ドレイン電極103と、ゲート電極106と、絶縁体105(電気二重層トランジスタではイオン液体含む層)が記載されており、前記101から106までの各部によりMISFETを構成し、前記にMISFETそのものを導線1WIREとして用い、かつ前記導線1WIREを核融合炉或いはプラズマを磁気で閉じ込める際のコイル4C-EDLに用いることを図示した説明図である。
<F0047>
図5のように4C-EDLはトランジスタ部分を含む為、ソース102-ドレイン103間の電圧印加部VDSの他にゲート106を駆動する回路・電圧印加部VGが必要である。4C-EDLは例えばVDSやVGSを含んでもよい外部回路EXC1に接続されている。
<F0048>
図6図7のように図5の容器はトロイダル方向に回転できてよい。回転する方法は限定されないが、例えば図7のようにベアリングとモータを用いて回転させてもよいし、図8のようにイオン推進・光子セイル・レーザ推進・光子を放出する反動による推進を行える推進装置4ROT-THを容器4D等に備えさせ、推進装置を動作させ容器を推進回転させてよい。
<F0049>
図7は軸受け4Bと回転手段4ROTを用いて(地上空中宇宙空間に限定せず)容器・コイル4C-EDLを回転させる場合の説明図である。回転の回転手段4ROTにモータと軸受けベアリング4B・ギヤなど伝達部4ROTGを用いる例である。図7図6の1つの具体例である。
<F0050>
図6において真空容器・真空槽のプラズマ側の内壁4D-INは導体の面でもよく、導体を用いた4D-INが回転する事で(例えば前記電荷分離を起こし変形しようとする4PZに対し、回転する導体である面4D-INとが電気的・電気及び磁気的に相互作用し、あるいは電磁誘導により)プラズマ4PZの変形を抑制・制御できてもよい。
<実施例2>
<F0051>
例えば本願の1つの実施形態として、ベアリング不要に回転できる(宇宙空間の真空により回転時の空気抵抗による回転速度の限界・減少が生じにくい)人工衛星兼プラズマ容器(核融合炉部分)を含む真空容器の実施例を図8に示す。図8において容器の回転はロケット推進器・イオン推進器により推進剤PHNUを噴射させその反動で推進させ回転させてもよいし、光子セイルにて光子PHNUを反射させたり・光子PHNUの噴射の反動により推進する。<F>該衛星は図示はしていないが副電源として宇宙用の太陽電池や、他の人工衛星からのエネルギー供給手段、例えばミリ波やレーザー等によりワイヤレス電力伝送でエネルギーを受け取り核融合炉を起動させる電力としてよいし、該人工衛星の核融合炉で発電して得られた電力をミリ波やレーザー等によりワイヤレス電力伝送で別の宇宙機や宇宙構造物、あるいは公知の宇宙太陽光発電と同様に電波レーザーを用いて地球等へ送電してもよい。<F>地上での地面と固定される核融合炉・真空容器の場合、地震対策で耐震性を考慮する必要がある。他方宇宙空間の人工衛星ではその考慮は不要である。他方、太陽風等宇宙固有の障害に備える必要はある。
<F0052>
(該例は例えば太陽光、恒星からの光により宇宙太陽光発電等ができない、月・衛星・惑星の夜間の部分、或いは惑星間・恒星間を航行する宇宙船の発電部・エネルギープラント・宇宙船の原動機・発電機部分・動力炉に用いる事も想定している。<F>地上の海中や月面・ガス型惑星(木星型惑星)に含まれるかもしれない重水素Dや三重水素Tを採取して真空容器4D・4D-T・4D-ST・4D-Hに投入加熱し核融合を起こすことを試みてもよい。高エネルギーの中性子の発生を回避するためホウ素陽子を持ちいた核融合反応系を用いてもよい。)
<F0053>
容器4D-STは、高真空宇宙空間に浮かぶドーナツ型のプラズマを保持する真空槽・真空容器4Dには導体を張り巡らした壁面4D-INが備えられており、前記容器4D-ST(4D-IN)はモーター、ロケット推進、光子セイル・レーザー推進器やイオン推進器、光子を放射してその反動で推進する機構により(プラズマ4PZに対し相対的に)回転してよい。
<F0054>
*例えば4D-STをその容器の強度の許す限りロケットやレールガン推進を超える速度でトロイダル方向に回転させるため、光子セイル・レーザー推進器や光子を放射してその反動で推進する機構により回転してよい。
<F0055>
*4D-STの内部のコイル4C-EDLが作る磁場はトカマク型又はステラレータ・ヘリカル型でよい。
<F0056>
*4D-INは導体を含んでよい。4D-INはプラズマの変形を回転により抑えるため、導体を含んでよい4D-INが導体であるとき、容器4D-T(4D-ST等)が回転する時真空容器内部に閉じ込められたプラズマの変形を抑える意図も持つ。
<F0057>
*4D-STが回転する時であって内部プラズマ4Pを回転させていない場合、回転する容器4D-STからみてプラズマ4Pは回転しているように見ることができ、本願ではその回転を(核融合炉動作時のプラズマが変形する問題に対して)プラズマの変形抑制に用いる。<F>具体的には前記回転により、導体を張り巡らされていてもよい容器の壁面4D-INはプラズマの周りを回転し、導体がプラズマの周りを回転することでプラズマの変形が回転する導体の変形でならされ、抑制され、プラズマの形が制御されうる。
<F0058>
<産業上の利用可能性>本願は地上においても、あるいは宇宙開発時・太陽光の届かない遠方の宇宙空間用宇宙船・探査船・探査ロボットにおいても核融合を促すプラズマ容器に用いることができるかもしれない。
<F0059>
<符号の説明>
図5
<コイル>
101:材料部分(導体、半導体などの電気の導体になる部分。104が形成される部分)
102:ソース電極
103:ドレイン電極
104:MISFET・金属絶縁体半導体トランジスタ構造の素子において絶縁体105を挟むゲート電極106と材料部分101にからなるキャパシタ部分にゲート電圧(VGS)を印加された時に材料部分101にキャリア導入された部分104が形成され、ソース102とドレイン103の間に存在する104の導電性が101よりも高くなる事を電線・導線・コイル4C-EDLに用いる。
105:絶縁体
106:ゲート電極、ゲート部
EXC1:102と103と106の接続先である外部回路・電源回路・電圧印加回路。ゲート・ソース間に印加するゲート電圧VGSやソース・ドレイン間に印加するソースドレイン電圧VDSの電圧印加部が含まれる。EXC1の電圧VGSやVDSはコンピュータ式などの制御部とインバータ回路・電力ドライバ回路により制御され、電線1WIREや1WIREからなるコイル4C-EDLに電流を導通させ磁場を生じさせる。
1WIRE:104と101と102と103と106等のトランジスタ部を含む電線
1COVER:1WIREが被覆電線である場合の電線被覆部。中性子遮蔽の為、ホウ素B10を含有してもよい。
4C-EDL:1WIREからなるコイル。
<容器>
4D、4D-T、4D-H、4T:真空容器。4C-EDL:1WIREからなるコイルを備え、前記コイルによって磁場(の籠)を作りプラズマ4PZを真空容器内に閉じ込め・保持する。
4D-IN:真空容器内の壁面4D-IN・プラズマに向かいあう部分4D-IN。公知の例では4D-INは例えば大気圧に耐えるステンレス鋼真空容器の金属面や、流体金属ブランケット(流体のリチウム鉛合金)の面。本願では導体であることが要求される。(図8のように宇宙空間の真空を用いる場合、真空容器内面4D-INは重量・厚さのある金属厚板・隔壁の面でなくともよいかもしれない。)
4PZ:プラズマ。核融合燃料となるD、Tやヘリウム、陽子ホウ素等を含んでよい。
※本願図5には記載していないが、特許第7157892号(特願2022-123161)の図8に記載のように、上記104を含む102と103と106を持つ3端子素子(1-3TER)である1WIREについて、VGSを印加する部分(ゲート電圧の印加を可能にする抵抗等各種素子・あるいは制御部)を3端子の1WIREに内蔵し、ソース102とドレイン103のみが電線1WIREの両端に現れる2端子素子1-2TERとしてコイル4C-EDLに用いてもよい。真空容器・核融合炉用のコイルを交換する際に1-2TERのほうがゲート電極の取り外し不要で(あついはゲートの取り扱いの考慮が不要)ため、コイルや電線部の交換時の労力を低減する。
図7等>
<<4D-INが4PZに対して回転可能な真空容器及び核融合炉と核融合炉による発電システム>>
<真空容器>
4D:真空容器、ドーナツ状又は環状真空容器
4D-T:トカマク型核融合炉の環状・トーラス型真空容器
4D-ST:球状トカマク型核融合炉の環状・トーラス型真空容器
4D-H:ヘリカル型・ステラレータ型の環状・トーラス型真空容器
4D-SH:球状に近いヘリカル型・ステラレータ型の環状・トーラス型真空容器4D-H
4D-ST-ROT:回転する4D-ST
4D-SH-ROT:回転する4D-SH
4D-IN:プラズマに向かい合う、導体を含んでよい内壁、内壁の面。4D-INは公知ではステンレス鋼を用いた内壁は公知である。また流体金属で覆う場合はその面が4D-INに該当しうる。プラズマと向かい合う、非接触に最近接する金属の面。環状のプラズマ4PZを非接触にかつ最近接して囲む環状・トーラス状の金属面4D-INでもよい。*考案者の想定では薄い金属板や金属箔からなるトーラス面持つ炉壁・構造物等を想定する。スパッタリング影響を考慮し原子番号Zの大きい導体金属(高いZのWやPbか、液体金属LiPb等をまとう4D-IN)を搭載してもよい
*容器はクライオスタット部備えてよい。
<発電部、電力>
4D-B:核融合炉のブランケット等。回転可能な4D-INとは異なり、プラズマ(或いはプラズマから照射される中性子)から見て4D-INの背後に固定・静止されたブランケット4D-Bでもよい。4D-Bは熱交換器HXや外部の発電機4PPと冷却流体の流路・パイプのループで結ばれており4D-Bを4D-INのように回転させる場合、複雑な形状・機構になる恐れがあり、4D-INの後方に4D-Bを配置する恒星を図7に記載している。4D-Bは図では一部しか記載されていないが、4PZを含む4D-INの背後を取り囲むトーラス型の部分でもよい。
ブランケットは高速中性子のエネルギーを受けとめて(リチウム等からTの製造を行う反応をさせつつ)熱エネルギーに変換し、熱エネルギーを熱交換器HX部で冷却水・流体等で熱交換・冷却し、冷却水を加熱して蒸気を生成し蒸気タービン発電機を駆動するなどして、核融合炉の中性子・粒子の持つエネルギーを熱エネルギーそして電力に変換する。)
*本願はプラズマの変形抑制や磁気閉じ込めのコイルに関する出願のため、ブランケットで行われるリチウムやベリリウム等と中性子によるトリチウムTの増殖などに関する系の詳細は省略する。
STEAM:蒸気発生部
4PP:発電部等POWER-PLANT。公知の核融合発電・火力発電・核分裂型原子力発電所のボイラや原子炉・炉・ブランケットなど、熱源のエネルギにて冷却水を加熱しHXで熱交換し蒸気を蒸気発生部で発生させ、蒸気を蒸気タービンに送り、蒸気タービンを回転させ、蒸気タービンに連動する発電機・タービン発電機を回転・駆動させ、電力を得る部分。
PWGRID:電力網、回路
<回転手段>
4ROT:4D-IN・真空容器の回転手段
4ROTG:4ROTがモータである時、モータで駆動される動力を4D-INや容器の回転させた部分に伝達する為のベルトやギアなどの動力伝達部品
4B:軸受け、ベアリング
4AXS(4AXS-D):回転軸、環状構造物・トーラス体のトロイダル方向への回転軸。ドーナツの中心軸、回転軸。
<プラズマ系>
4P-DEVICE:プラズマ系補器4P-DEVICE。(プラズマ回転手段として中性子ビーム発射・照射部分。プラズマ加熱手段としてプラズマへの電波照射部RF等。4PZへの核燃料・イオンの供給部、プラズマを制御・維持するための手段を備えてよい。例えばプラズマの為の真空を維持するための真空ポンプ、プラズマの状態を測定したり容器内の真空度・環境を測定する測定器部分含んでよい。)
NBI:中性子粒子入射装置。4P-DEVICEに含まれてよい。
4HEAT:プラズマ4P、4PAを加熱する部分。4P-DEVICEに含まれてよい。例えば公知の核融合分野での加熱装置、レーザ装置、粒子ビーム(中性粒子入射加熱用イオンビーム)、高周波加熱・マイクロ波加熱・ミリ波電波による加熱装置・手段。
4PZ:プラズマ(4PMF含む)
4PMF:プラズマイオン(ヘリウムHe3、重水素D、3重水素T、リチウム、ホウ素等、4Dのフィード4FEED)プラズマの元である元素・原子・イオン。核燃料、核反応・核融合を起こすための燃料物質(ヘリウムHe3、リチウム、重水素D、3重水素T、陽子、ホウ素等)であってよい。
<排気系(4P-DEVICEに含む)>
4P:真空排気ポンプ。
4P-DV:ダイバータ。ダイバータ板を備えてよい。4P-DVは真空容器に備えられる。プラズマに向かい合い(対向し)プラズマから核融合後生成物(ヘリウム)を容器外に排出・排気する。真空排気ポンプで真空引きされる真空容器の排気ポートを含んでよい。導体の4D-INと同じく導体であってもよい。
<コイル系等>
4C-EDL:コイル。例えば電気二重層トランジスタ等のトランジスタを用いた導線・電線を用いてもよいコイルであって、MISFETトランジスタにおいてキャリア導入される材料部分101はカーボンナノチューブCNT、炭素系材料、銅・アルミでもよい導線を用いたコイル。(図7ではトーラス型容器のトロイダル方向に4C-EDL、4C-EDL-1、4C-EDL-2、4C-EDL-3、4C-EDL-4、4C-EDL-5の6つのコイルが例として記載されている。しかし実際の例ではコイルの個数は限定されず配置される。)*図7では4D-INを図示する部分は4C-EDLが配置されてもよい記載になっているが、それは例であって、4D-INを回転させコイル4C-EDLを固定し回転させない場合は例えば固定されたブランケット部4D-Bの近傍にコイル4C-EDLを配置してよい。
EXC1:外部回路、2端子の線1WIREやコイルにVDSやVGSを印加する部分。
EXC1-SOTODUKE:コイルドライバ、コイルオンオフ部、ゲートドライバなど可。
SRL:スリップリング部。カップリング部。回転部へのワイヤレス給電、スリップリング等の電力伝達部。*回転する4C-EDLに静止した回路からの電力等を伝達する部分。*4D-Bや4D-INを流体パイプや熱交換器で冷却する場合には流体のカップリング部・スリップリング部が必要になりえる。また4D-Bと4D-INが回転する場合4D-Bに冷却流体・冷却水蒸気を通すスリンプリング・カップリングやパイプが必要になりえる。*図7では4D-INは回転可能で、4D-Bは固定された構成を記載している。
TF-COIL:トロイダルコイル。(主にトカマク型の物)トーラス型容器のトロイダル方向に配置されたコイル。4C-EDLによる。軽量であると好ましい。TF-COILはプラズマを取り囲んで回転できてよい。球状トカマクの場合装置が小型軽量化され装置回転させやすくなる。
TF-COIL-H:ヘリカル型の(トロイダル方向に磁場を形成する)コイル。
PF-COIL:ポロイダルコイル。ポロイダル方向の磁場を作るコイル。トカマク型やヘリカル型において用いる。
CS-COIL:中央コイル。トカマク型において用い、4PZにプラズマ電流を生成し、またプラズマを加熱する際に用いる。
図6
図6左図(a)はトーラスまたは球状トカマク型の真空容器を真上から見た図(トロイダル方向が円周方向の図)であり、右図(b)は左図のA-Aダッシュ面の断面図であって、八角形樽型・林檎型の容器が記載されている。
図6中コイル(4C-EDL、4C-EDL-1から4C-EDL-5)は6つ図示されているが、コイルは複数個、トロイダル方向に敷き詰めるように配置してよい。*図6中コイル4C-EDLはトカマク型のTFコイルや、ヘリカル・ヘリオトロン・ステラレータ型のコイルの配置のように、複数又はねじれたコイル4C-EDLを配置して構成されてよい。
図8
図8は、回転時のベアリングの不要な点・大気圧に耐える真空容器やシンクポンプの不要な点から、人工衛星3(または宇宙船3、宇宙機3)に本願の真空容器、プラズマの磁気閉じ込め容器4D(4D-T、4D-ST、4D-H、4D-SH。あるいは4T)を搭載し、(または前記容器が宇宙機を兼ねていてもよい)
3:宇宙機、宇宙船、人工衛星、宇宙構造物(空中構造物)
3SAT:宇宙機のシステム部、宇宙機の制御部(及びその付属動力炉でもある核融合炉4D、4Tの制御部)、人工衛星として機能させるための諸設備を備えてよい。例:コンピュータ、原子時計、無線通信装置、姿勢制御装置(スラスタ・リアクションホイール)、電池、電気回路等備えてよい。
4CON:核融合炉4D、4Tの制御部、通信部など
4ROT-TH:ロケット推進、電気推進、イオン推進・光子セイル推進・レーザ推進・光子を放出する反動による推進を行える推進装置。例えば4ROT-THは粒子加速器を用い生じさせた放射光(運動量の高い光子、紫外線・X線・ガンマ線)を放出できる装置でもよい。またはアルファ線(ヘリウム)・荷電粒子・粒子を放出する反動により推進する装置でもよい。
4POWER-IN:外部受電部。人工衛星の3において、補助電源用として太陽電池部、あるいはレーザーによる信号やエネルギー伝送を行うときの受光部、マイクロ波・ミリ波など電波でエネルギー・信号をやり取りする時のアンテナ・レクテナ部、ワイヤレス電力伝送システムの受電部。核融合を起すためのスタートアップ電力をこの部分で受け取る。核融合燃料も受け取ってよい。人工衛星の回転を外部からレーザ推進・電磁力で止めたい場合もこの部分にレーザ照射したり、コイルによる電磁誘導式ワイヤレス電力伝送又は電気的回生ブレーキにて回転停止を促してもよい。
4POWER-OUT:外部への電力伝送部。レーザー、マイクロ波・ミリ波、電磁誘導等の非接触・ ワイヤレス電力伝送システムの送電部。(例えば紫外線等を放出できてよい。該衛星3は回転部があり、例えばマイクロ波送信部などは面積が大きくなりがちである。他方レーザーは小型化できるので、3は出力制限されたレーザーによるワイヤレス電力伝送システムの送電部を有してもよい。また本願の3は例えば惑星恒星間を航行する船に含まれる又は隣接してもよく、3と外部の船の受電部EX-3との間で電力のやり取り、送電を行うため電磁誘導式の非接触なワイヤレス電力伝送システムの送電部を有してもよい。)
EX-3:外部の受電部、Ex-Planet:外部の惑星、EX-Sat:外部の衛星
図9
図9はチューブ・円筒状真空容器4Tの導体内壁4T-INをシータ方向に回転可能な時の説明図。
4T-IN:回転手段4ROTにより回転可能な導体によるプラズマに対向可能な内壁
4PZ-FRC:FRC型における(中空ソーセージ状の・中空ソーセージ状であってトーラス状でもある)プラズマ4PZ。図において左右2つの4PZが作り出された後4PZ-FRCの部分まで加速・移動させられ、2つの4PZが1つのより高温の4PZ-FRCになり、そこにはNBIにより粒子が注入され核融合を起す。しかし4PZ-FRCは容器内で回転し不安定になる課題がある。本願は4D-INと同様に4T-INを回転できてよい。
X-POINT:セパラトリクス長は2つのX-POINTの間にある。
4AXS-4T-TH:円柱のチューブ容器4Tの円柱の円方向の回転軸(シータ方向)
トカマク式:ドーナツ状のプラズマを形成、ドーナツの軸に沿ってプラズマ中に電流を流し(その方向に流れを作り)、そのプラズマ電流が生成する磁場を作って閉じ込め磁場を作る方式。
<FEX001>
本願の考案、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。
<FEX002>
*例えば本願では環状の真空容器4D、4D-T等について記載しているが、コイル4C-EDLの磁気閉じ込め式の核融合炉・真空容器での利用は環状真空容器(4D、4D-T、4D-H)にとどまらず、磁気閉じ込め型MCF(トカマク型、球状トカマク型、ヘリカル型、トロイダルマシンの他に、スフェロマック型・逆転磁場配位型FRC、磁気ミラー型等)に用いる真空容器に設置するコイルに用いてもよい。<F>核融合燃料にD-Tを用いる反応系では、コイルの材料は高速な中性子にさらされスパッタリングとコイルの伝導体としての性能低下(超伝導体の劣化)・放射化が起きうるので、それに対抗すべく上記で述べた前記4C-EDLを用いてもよい。
<FEX003>
*超伝導体コイル4C-SCは超伝導体の状態が何らかのストレスにより解除され超伝導体でなくなる場合がある。そして超伝導体の時に磁場を作りプラズマを保持していた時から超伝導体状態が解除されるとコイルに負荷がかかる。<F>他方、前記コイル4C-EDLは超伝導を用いない(トランジスタのキャリア増幅現象を用いる)ので、4C-EDLはトランジスタ動作ができていれば、プラズマを保持していた時から超伝導体状態が解除された時にコイルに負荷がかかるということはなく、(よりシンプルな、より制御しやすい、ごく低温や超伝導体固有のマネジメントが要らないので)ソースドレイン部に電圧VDSを印加しゲート部にVGSを印加・オンにするだけでコイルを動作させ、磁気閉じ込めを行える利点がある。<F>(超伝導に由来する冷却や超伝導が解除された時の制御が不要となり、トランジスタのオンオフにより駆動できる(シンプルな)磁気閉じ込めコイルを提供できる利点があるかもしれない。)
<FEX004>
*FRC型において、プラズマがシータ方向へ回転する事で不安定になるとされる。他方、本願のドーナツ・環状の真空容器4Dに関連し、スフェマロック型、逆転磁場配位FRC型や磁気ミラー型のように(環状でない)チューブ・円筒容器4Tを用いるタイプ・核融合炉において、本願の一つの形態として、容器4Tの導体の内壁面4T-IN(4D-INと同様に導体を含む、導体を張り巡らせてもよい容器内壁)を回転・移動可能であってもよい。<FE>図9の4Tように、4Tは円筒容器であって円筒容器が前記シータ方向(又は円筒容器の円筒の円の底面の円周方向)に回転又は移動できてもよい。<FE>●●但し、本願では導体壁4D-INがトロイダルな遠心力により荷電分離するプラズマ4PZに対し回転することで4PZの変形を抑制・制御し閉じ込めようとするが、FRC型の場合もトカマク型と同じくプラズマに遠心力が生じ(トカマク型と同様とすれば荷電分離が起きるのか、)プラズマが回転し変形する課題がある。<FE>●●FRC型は円筒容器内に一方向に向かう磁場中に図9のように中空のソーセージ・煙の輪のようなプラズマ4PZ-FRC(プラズマ柱、柱型ではあるがトロイダル方向に電流が生じるトーラス型、トカマクと同じくトーラス型プラズマ)が閉じ込められるようになりベータ値が1に近い利点がある。しかし、その代わりに本願のトカマク型のように回転可能な導体4D-INで覆うことができない点がある。FRCでは4D-INでなく円筒容器面4T-INをシータ方向へを回転させるなどしてもプラズマ変形を抑制できない虞がある。しかし回転可能な導体面を持つ4T-INがFRC型のプラズマと電気磁気的に作用することも出願時点では否定しないので、本願ではFRC・スフェロマック型等の円筒容器の導体含む壁面4T-INを円筒の底面の円の円周の方向又はシータ方向に回転できるものとする。<FE>*本願はトカマク型・ヘリカルステラレータ型等の磁気閉じ込め装置に用いられうる。
<請求の範囲>
<請求項FA1>プラズマ(4PZ)を磁気により閉じ込める真空容器において、前記真空容器のプラズマに向かい合う部分(4D-IN、4T-IN等容器内壁)がプラズマに対し回転可能な真空容器であって、前記回転を行う回転手段(4ROT)を備えた真空容器であって、前記内壁若しくは前記内壁の面は導体を含む・導体を張り巡らせる・敷き詰めている特徴を有する、真空容器。
<請求項FA2>
環状・ドーナツ状・トーラス型の真空容器である真空容器(4D、4D-T、4D-ST、4D-H、4D-SH)であって、前記真空容器のプラズマに向かい合う環状・ドーナツ状・トーラス型の部分・内壁(4D-IN)がプラズマ(4PZ)に対し回転可能な真空容器であって、前記回転を行う回転手段(4ROT)を備えた真空容器であって、前記部分・内壁は導体を含む・導体を張り巡らせる・導体を敷き詰めている特徴を有する、請求項FA1に記載の真空容器。
<請求項FB1>プラズマ(4PZ)を取り囲む真空容器(トーラス型4D、4D-T、4D-ST、4D-H、4D-SH、円筒型4T)において、プラズマ4PZを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段に、トランジスタの絶縁体105と、材料部分101(銅、銅膜、カーボンナノチューブ)とゲート部分106(銅膜、カーボンナノチューブ等)により構成されるキャパシタ部分が、ゲート電極106に印加される電圧VGSにより、充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイル4C-EDLを用いた特徴を持つ、真空容器。
<請求項FC1>
ヘリカル型・ステラレータ型の核融合炉用いられるコイルが、プラズマに対し回転可能な、核融合炉。
<請求項F1>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器であって、前記コイルはトランジスタの絶縁体(105)と、材料部分(101)とゲート部分(106)により構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイルに用いる特徴を持つ、真空容器。
<請求項F2>プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な請求項F1に記載の真空容器。
<請求項F3>環状・ドーナツ状・トーラス型の前記内壁若しくは前記内壁の面を有する、請求項F2に記載の真空容器。
<請求項F4>前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項F3に記載の真空容器。
<書類名>要約書<要約><課題> 高エネルギー中性子を放射する核融合反応(D-T反応等)を起そうとする熱核融合炉のうちコイルなど磁気発生手段を用いた磁気閉じ込め核融合炉に用いられる真空容器において、前記中性子による超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題があった。またプラズマの荷電分離による変形の問題がある。
<解決手段>超伝導体コイルの放射化や性能低下の問題についてはトランジスタのキャリア導入の原理を用いたコイル(4C-EDL)を用いる。またプラズマの荷電分離による変形問題についてはプラズマに向かい合う回転可能な導体部(導体で構成された環状の真空容器の内壁部4D-IN)を備えさせ、内壁部4D-INをプラズマに対し相対的に回転させプラズマ変形を抑制しようとする。<選択図>図7図6図5
<書類名>図面<図5図6図7図8図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器であって、前記コイルはトランジスタの絶縁体(105)と、材料部分(101)とゲート部分(106)により構成されるキャパシタ部分が充電可能な導線・電線(1WIRE)をコイルに用いる特徴を持つ真空容器。
【請求項2】
前記プラズマに向かい合う導体を含む内壁部を備えた真空容器であって、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な請求項1に記載の真空容器。
【請求項3】
環状・ドーナツ状・トーラス型の真空容器(4D)において、環状・ドーナツ状・トーラス型の内壁の全面又は一部は、トロイダル方向へ回転可能な前記内壁若しくは前記内壁の面を有する、請求項2に記載の真空容器。
【請求項4】
前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項3に記載の真空容器。
【請求項5】
プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器であって、前記プラズマに向かい合う導体を含む内壁部を備えた真空容器であって、前記プラズマに向かい合う真空容器の内壁部がプラズマに対し回転可能な真空容器。
【請求項6】
環状・ドーナツ状・トーラス型の真空容器(4D)において、環状・ドーナツ状・トーラス型の内壁の全面又は一部は、トロイダル方向へ前記回転可能な請求項5に記載の真空容器。
【請求項7】
前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器である、請求項6に記載の真空容器。
【請求項8】
プラズマを磁気により閉じ込める真空容器において、プラズマを磁気により閉じ込めるための磁気の発生手段にコイルを用いている真空容器であって、前記コイルが前記プラズマに対して回転可能な真空容器。
【請求項9】
環状・ドーナツ状・トーラス型の真空容器(4D)において、前記コイルはトロイダル方向へ回転可能な請求項8に記載の真空容器。