(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139682
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】盛付方法及び盛付装置
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20241002BHJP
【FI】
A23L7/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023222434
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2023049198
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月13日にJA全農ラドファ株式会社 無菌包装米飯工場でのプラント新設工事にて公開。
(71)【出願人】
【識別番号】390007456
【氏名又は名称】株式会社中西製作所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 真一
(72)【発明者】
【氏名】古川 正人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】古賀 星太
(72)【発明者】
【氏名】西藤 誠亮
(72)【発明者】
【氏名】松中 優
(72)【発明者】
【氏名】小松 順一
(72)【発明者】
【氏名】上岡 悟
【テーマコード(参考)】
4B023
【Fターム(参考)】
4B023LE11
4B023LP19
4B023LT44
4B023LT45
(57)【要約】
【課題】所定の量の米飯を複数に安定して分けて、複数の容器へと盛り付けることのできる盛付方法及び盛付装置を提供する。
【解決手段】ほぐした米飯を振り分ける複数の流通路と、複数の流通路にそれぞれ設けた複数の振分シャッタと、計量上シャッタと、計量下シャッタと、複数の流通路を閉鎖した計量上シャッタの上に貯留した米飯が所定の高さとなったことを検知する複数の筒内センサと、閉鎖した計量下シャッタの上に米飯が載置された状態で計量上シャッタを閉鎖して所定の量の米飯を貯留し、計量下シャッタを開放することにより、複数の容器へと所定の量の米飯を略均等に盛り付けるよう制御する制御手段201とを備え、筒内センサにより米飯が検知されていない特定の流通路の振分シャッタを開放し、開放した振分シャッタの上に載置した米飯を特定の流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上へと落下させるものとしたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぐした米飯を所定の量に計量し、複数の容器に略均等に盛り付ける盛付方法において、
前記米飯を複数の流通路へと振り分け、前記複数の流通路のそれぞれに設けた振分シャッタを開放することにより、前記振分シャッタの上に載置された前記米飯を前記複数の流通路内で落下させる振分ステップと、
前記振分ステップで前記複数の流通路内で落下させた米飯を前記流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上に載置して貯留する貯留ステップと、
前記貯留ステップで前記流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上に載置して貯留した米飯を、前記複数の流通路内で前記計量上シャッタを開放して前記計量上シャッタの下方に位置する計量下シャッタの上に載置した後に、前記計量下シャッタの上方に位置する計量上シャッタを閉鎖して、前記複数の流通路内で前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に、所定の量の前記米飯を計量して貯留する計量ステップと、
前記計量ステップで、前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に計量して貯留した所定の量の米飯を、前記計量下シャッタを開放することにより、前記複数の流通路の下方に位置させた複数の容器へと前記所定の量の米飯を盛り付ける盛付ステップと、
を含み、
前記振分ステップでは、前記計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されていない特定の前記流通路の上流側の振分シャッタを開放し、前記開放した振分シャッタの上に載置した米飯を前記特定の流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とする盛付方法。
【請求項2】
貯留ステップでは、計量上シャッタの上方で水平方向に移動する振分アームを、前記計量上シャッタの上に貯留した米飯に接触させる
ことを特徴とする請求項1に記載の盛付方法。
【請求項3】
振分シャッタを、複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分下シャッタと、前記振分下シャッタの上流側に設けた複数の振分上シャッタとにより構成し、
振分ステップでは、計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されていない特定の前記流通路の上流側の前記振分上シャッタと前記振分下シャッタとの間に米飯を貯留した後に、前記特定の流通路に設けた振分下シャッタのみを開放して、前記振分上シャッタと振分下シャッタとの間に貯留した米飯を、前記特定の流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とする請求項1に記載の盛付方法。
【請求項4】
計量ステップでは、
全ての流通路で、閉鎖する計量上シャッタの上に所定の高さまで米飯が載置された場合にのみ、前記計量上シャッタを開放し、
閉鎖していた前記計量上シャッタの上に載置されていた米飯を前記全ての流通路内で落下させる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の盛付方法。
【請求項5】
ほぐした米飯を所定の量に計量して、複数の容器に略均等に盛り付ける盛付装置において、
前記米飯を振り分ける複数の筒状の部材の組み合わせにより構成される複数の流通路と、
前記複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分シャッタと、
前記振分シャッタよりも下流側で、前記複数の流通路に設けた計量上シャッタと、
前記計量上シャッタよりも下流側で、前記複数の流通路に設けた計量下シャッタと、
前記計量上シャッタにより前記複数の流通路を閉鎖し、前記計量上シャッタの上に前記米飯が載置されて貯留されたときに、前記流通路内で前記計量上シャッタの上に貯留した米飯が所定の高さとなったことを検知する前記複数の流通路のそれぞれに設けた複数の筒内センサと、
閉鎖した前記計量下シャッタの上に前記米飯が載置された状態で前記計量上シャッタを閉鎖し、前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に所定の量の前記米飯を貯留して、前記計量下シャッタを開放することにより、前記複数の流通路の下方に位置させた複数の容器へと前記所定の量の米飯を盛り付けるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されておらず、前記筒内センサにより前記米飯が検知されていない特定の前記流通路の前記振分シャッタを開放し、前記開放した振分シャッタの上に載置した米飯を前記特定の流通路に設けた計量上シャッタの上に落下させる
ことを特徴とする盛付装置。
【請求項6】
計量上シャッタの上方で水平方向に移動することにより、前記計量上シャッタの上に貯留された米飯に接触する振分アームと、前記振分アームを水平方向に移動させる振分アーム駆動手段と、を有する振分部を備える
ことを特徴とする請求項5に記載の盛付装置。
【請求項7】
複数の振分シャッタを、複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分下シャッタと、前記振分下シャッタの上流側に設けた複数の振分上シャッタとにより構成し、
計量上シャッタの上に米飯が所定の高さまで貯留されておらず、筒内センサにより前記米飯が検知されていない特定の流通路の上流側の前記振分上シャッタと前記振分下シャッタとの間に米飯を貯留した後に、
前記特定の流通路に設けた振分下シャッタのみを開放して、前記振分上シャッタと振分下シャッタとの間に貯留した米飯を、前記特定の流通路に設けた計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とする請求項5に記載の盛付装置。
【請求項8】
複数の振分シャッタを設け複数の流通路で構成される振分ホッパ部と、計量上シャッタ及び計量下シャッタを設け複数の流通路で構成される計量ホッパ部と、を備え、
前記振分ホッパ部と前記計量ホッパ部とで複数の流通路の数を異なるように構成した
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の盛付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盛付方法及び盛付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、盛付方法及び盛付装置として、以下のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたものは、ほぐしホッパーへと投入された米飯をほぐし羽根でほぐし、その下方に米飯を落下させる。そして、落下させた米飯をほぐしホッパー内に設けた振り分けダンパーにより、ほぐしホッパーの下方に設けた二つに分岐する計量ホッパーへと振り分けつつ、落下させる。
【0004】
計量ホッパーへと落下させた米飯は、計量ホッパーの下端に備える上部シャッターと下部シャッターとにより容器へと盛り付ける所定の量に計量され、下部シャッターを開くことにより、下部シャッターの下方に位置させた間欠搬送にて供給される二つの容器へと所定の量に計量した米飯を盛り付ける盛付装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された盛付装置は出願人により出願されたものであり、振り分けダンパーにより二つに分岐した計量ホッパ―の一方側と他方側とのいずれかを選択し、選択した側へと米飯を供給することができるが、一方側と他方側との両側の計量ホッパ―に同時に米飯を供給することはできない。そして、二つに分岐した計量ホッパ―のそれぞれに貯留する米飯の量が一定とならなくなると、上部シャッターと下部シャッターとで米飯を計量する際に、容器へと盛り付ける米飯の量が所定の量とならず一定しないというおそれがあった。あるいは、計量ホッパ―のそれぞれに貯留する米飯の量が一定になるまでの間、上部シャッターと下部シャッターとによる米飯の計量を停止させる必要があり、単位時間当たりの盛付数が少なくなるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、所定の量の米飯を複数に安定して分けて、複数の容器へと盛り付けることのできる盛付方法及び盛付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明に係る盛付方法は、
ほぐした米飯を所定の量に計量し、複数の容器に略均等に盛り付ける盛付方法において、
前記米飯を複数の流通路へと振り分け、前記複数の流通路のそれぞれに設けた振分シャッタを開放することにより、前記振分シャッタの上に載置された前記米飯を前記複数の流通路内で落下させる振分ステップと、
前記振分ステップで前記複数の流通路内で落下させた米飯を前記流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上に載置して貯留する貯留ステップと、
前記貯留ステップで前記流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上に載置して貯留した米飯を、前記複数の流通路内で前記計量上シャッタを開放して前記計量上シャッタの下方に位置する計量下シャッタの上に載置した後に、前記計量下シャッタの上方に位置する計量上シャッタを閉鎖して、前記複数の流通路内で前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に、所定の量の前記米飯を計量して貯留する計量ステップと、
前記計量ステップで、前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に計量して貯留した所定の量の米飯を、前記計量下シャッタを開放することにより、前記複数の流通路の下方に位置させた複数の容器へと前記所定の量の米飯を盛り付ける盛付ステップと、
を含み、
前記振分ステップでは、前記計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されていない特定の前記流通路の上流側の振分シャッタを開放し、前記開放した振分シャッタの上に載置した米飯を前記特定の流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明に係る盛付装置は、
ほぐした米飯を所定の量に計量して、複数の容器に略均等に盛り付ける盛付装置において、
前記米飯を振り分ける複数の筒状の部材の組み合わせにより構成される複数の流通路と、
前記複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分シャッタと、
前記振分シャッタよりも下流側で、前記複数の流通路に設けた計量上シャッタと、
前記計量上シャッタよりも下流側で、前記複数の流通路に設けた計量下シャッタと、
前記計量上シャッタにより前記複数の流通路を閉鎖し、前記計量上シャッタの上に前記米飯が載置されて貯留されたときに、前記流通路内で前記計量上シャッタの上に貯留した米飯が所定の高さとなったことを検知する前記複数の流通路のそれぞれに設けた複数の筒内センサと、
閉鎖した前記計量下シャッタの上に前記米飯が載置された状態で前記計量上シャッタを閉鎖し、前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に所定の量の前記米飯を貯留して、前記計量下シャッタを開放することにより、前記複数の流通路の下方に位置させた複数の容器へと前記所定の量の米飯を盛り付けるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されておらず、前記筒内センサにより前記米飯が検知されていない特定の前記流通路の前記振分シャッタを開放し、前記開放した振分シャッタの上に載置した米飯を前記特定の流通路に設けた計量上シャッタの上に落下させる
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の盛付方法及び盛付装置によれば、所定の量の米飯を複数に安定して分けて、複数の容器へと盛り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の盛付装置の全体的な構成を示す左側面図。
【
図3】上記盛付装置の振分ホッパ部の構成を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は(b)のB-B線における左側面断面図、(d)は(a)のA-A線における正面断面図、(e)は振分ホッパから取り外した振分壁の左側面図、(f)は振分壁の正面図。
【
図4】上記盛付装置の振分ホッパ及び振分シャッタ部のうち、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口から抜き出し、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口へと挿入したときの構成を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略した左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のC-C線における上面断面図。
【
図5】上記盛付装置の振分ホッパ及び振分シャッタ部のうち、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口へと挿入し、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口へと挿入したときの構成を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略した左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のD-D線における上面断面図。
【
図6】上記盛付装置の振分ホッパ及び振分シャッタ部のうち、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口へと挿入し、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口から抜き出したときの構成を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略した左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のE-E線における上面断面図。
【
図7】上記盛付装置の貯留ホッパ部及び振分部の構成を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は(b)のG-G線における左側面断面図、(d)は(a)のF-F線における正面断面図。
【
図8】上記盛付装置の計量ホッパ部及び計量シャッタ部の構成を示し、(a)は計量上枠と、計量中枠と、計量下枠とを上下方向に分離したときの構成を示す正面図、(b)は(a)のH-H線における左側面断面図、(c)は(b)のI-I線における計量ホッパ部の正面拡大断面図。
【
図9】上記盛付装置の計量ホッパ部及び計量シャッタ部の構成を示し、(a)は計量上シャッタを開放し、計量下シャッタを閉鎖したときの左側面断面図、(b)は計量上シャッタ及び計量下シャッタを閉鎖したときの左側面断面図、(c)は計量上シャッタを閉鎖し、計量下シャッタを開放したときの左側面断面図。
【
図10】上記盛付装置の計量ホッパ部及び計量シャッタ部と、高さ調整部と、搬送部との構成を示し、(a)は右側面図、(b)は正面図、(c)は左側面図。
【
図11】上記盛付装置の計量中枠を交換した状態の計量ホッパ部及び計量シャッタ部と、高さ調整部と、搬送部との構成を示し、(a)は右側面図、(b)は正面図、(c)は左側面図。
【
図12】上記盛付装置における盛り付け方法の振分ステップにおける、上記盛付装置の振分ホッパ部及び振分シャッタ部の様子を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略し、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口へと挿入して、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口へと挿入したときの左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のJ-J線における上面断面図。
【
図13】上記盛り付け方法の振分ステップにおける、上記盛付装置の振分ホッパ部及び振分シャッタ部の様子を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略し、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口から抜き出して、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口へと挿入したときの左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のK-K線における上面断面図。
【
図14】上記盛り付け方法の振分ステップにおける、上記盛付装置の振分ホッパ部及び振分シャッタ部の様子を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略し、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口へと挿入して、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口へと挿入したときの左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のL-L線における上面断面図。
【
図15】上記盛り付け方法の振分ステップにおける、上記盛付装置の振分ホッパ部及び振分シャッタ部の様子を示し、(a)は第1~7の振分壁を省略し、第1~4の振分上シャッタを第1~4の振分上シャッタ開口へと挿入して、第1~8の振分下シャッタを第1~8の振分下シャッタ開口から抜き出したときの左側面断面図、(b)は第1~7の振分壁を記載した(a)のM-M線における上面断面図。
【
図16】上記盛り付け方法の貯留ステップにおける、上記盛付装置の貯留ホッパ部及び振分部と、計量ホッパ部及び計量シャッタ部の構成を示し、(a)は正面断面図、(b)はN-N線における左側面断面図。
【
図17】上記盛り付け方法の計量ステップ及び盛付ステップにおける、上記盛付装置の計量ホッパ部及び計量シャッタ部の構成を示し、(a)は計量上シャッタを開放し、計量下シャッタを閉鎖したときの左側面断面図、(b)は計量上シャッタ及び計量下シャッタを閉鎖したときの左側面断面図、(c)は計量上シャッタを閉鎖し、計量下シャッタを開放したときの左側面断面図。
【
図18】上記盛り付け方法の計量ステップ及び盛付ステップにおける、上記盛付装置の計量ホッパ部及び計量シャッタ部の構成を示し、(a)は計量上シャッタを開放し、計量下シャッタを閉鎖したときの正面断面図、(b)は計量上シャッタ及び計量下シャッタを閉鎖したときの正面断面図、(c)は計量上シャッタを閉鎖し、計量下シャッタを開放したときの正面断面図。
【
図19】本発明の実施形態2の盛付装置の貯留ホッパ部及び振分部の構成を示し、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は(b)のQ-Q線における左側面断面図、(d)は(a)のP-P線における正面断面図。
【
図20】上記盛付装置の貯留ホッパ部及び振分部の構成を示し、(a)は、
図19(c)の拡大図、(b)は(a)のR-R線における上面一部拡大図。
【
図21】上記盛付装置における盛り付け方法の貯留ステップにおける、上記盛付装置の筒内センサを省略した貯留ホッパ部及び振分部と、計量ホッパ部及び計量シャッタ部の構成を示し、(a)は振分アームが第8の貯留筒の上方に位置しているときの正面断面図、(b)は振分アームが水平方向に移動して第1の貯留筒の上方に位置しているときの正面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、
ほぐした米飯を所定の量に計量し、複数の容器に略均等に盛り付ける盛付方法において、
前記米飯を複数の流通路へと振り分け、前記複数の流通路のそれぞれに設けた振分シャッタを開放することにより、前記振分シャッタの上に載置された前記米飯を前記複数の流通路内で落下させる振分ステップと、
前記振分ステップで前記複数の流通路内で落下させた米飯を前記流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上に載置して貯留する貯留ステップと、
前記貯留ステップで前記流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上に載置して貯留した米飯を、前記複数の流通路内で前記計量上シャッタを開放して前記計量上シャッタの下方に位置する計量下シャッタの上に載置した後に、前記計量下シャッタの上方に位置する計量上シャッタを閉鎖して、前記複数の流通路内で前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に、所定の量の前記米飯を計量して貯留する計量ステップと、
前記計量ステップで、前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に計量して貯留した所定の量の米飯を、前記計量下シャッタを開放することにより、前記複数の流通路の下方に位置させた複数の容器へと前記所定の量の米飯を盛り付ける盛付ステップと、
を含み、
前記振分ステップでは、前記計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されていない特定の前記流通路の上流側の振分シャッタを開放し、前記開放した振分シャッタの上に載置した米飯を前記特定の流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とする盛付方法としたものである。
【0013】
これにより、所定の高さまで米飯が貯留されていない流通路の計量上シャッタの上に米飯を落下させて、それぞれの流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。そして、計量上シャッタを開放したときには、安定して計量下シャッタへと米飯を落下させ、計量上シャッタを閉鎖して計量下シャッタを開放したときには、所定の量の米飯を安定して分けて、複数の容器へと盛り付けることができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、
貯留ステップでは、計量上シャッタの上方で水平方向に移動する振分アームを、前記計量上シャッタの上に貯留した米飯に接触させる
ことを特徴とする盛付方法としたものである。
【0015】
これにより、流通路内で滞留してしまった米飯を計量上シャッタの上方でならし、米飯が滞留した流通路と異なる流通路内へと落下させ、複数の流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。
【0016】
第3の発明は、第1の発明において、
振分シャッタを、複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分下シャッタと、前記振分下シャッタの上流側に設けた複数の振分上シャッタとにより構成し、
振分ステップでは、計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されていない特定の前記流通路の上流側の前記振分上シャッタと前記振分下シャッタとの間に米飯を貯留した後に、前記特定の流通路に設けた振分下シャッタのみを開放して、前記振分上シャッタと振分下シャッタとの間に貯留した米飯を、前記特定の流通路内の閉鎖した計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とする盛付方法としたものである。
【0017】
これにより、特定の流通路の計量上シャッタに落下させる米飯の量を制御し、複数の流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。また、多量の米飯が落下して、特定の流通路がつまってしまうことを防止することができる。
【0018】
第4の発明は、第1~3のいずれか一つの発明において、
計量ステップでは、
全ての流通路で、閉鎖する計量上シャッタの上に所定の高さまで米飯が載置された場合にのみ、前記計量上シャッタを開放し、
閉鎖していた前記計量上シャッタの上に載置されていた米飯を前記全ての流通路内で落下させる
ことを特徴とする盛付方法としたものである。
【0019】
これにより、計量ステップでは、計量上シャッタの上に米飯を載置する全ての流通路で、計量上シャッタと計量下シャッタとの間に、より確実に所定の量の米飯を計量して貯留することができる。そして、盛付ステップでは、複数の容器に、より確実に所定の量の米飯を盛り付けることができる。
【0020】
第5の発明は、
ほぐした米飯を所定の量に計量して、複数の容器に略均等に盛り付ける盛付装置において、
前記米飯を振り分ける複数の筒状の部材の組み合わせにより構成される複数の流通路と、
前記複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分シャッタと、
前記振分シャッタよりも下流側で、前記複数の流通路に設けた計量上シャッタと、
前記計量上シャッタよりも下流側で、前記複数の流通路に設けた計量下シャッタと、
前記計量上シャッタにより前記複数の流通路を閉鎖し、前記計量上シャッタの上に前記米飯が載置されて貯留されたときに、前記流通路内で前記計量上シャッタの上に貯留した米飯が所定の高さとなったことを検知する前記複数の流通路のそれぞれに設けた複数の筒内センサと、
閉鎖した前記計量下シャッタの上に前記米飯が載置された状態で前記計量上シャッタを閉鎖し、前記計量上シャッタと計量下シャッタとの間に所定の量の前記米飯を貯留して、前記計量下シャッタを開放することにより、前記複数の流通路の下方に位置させた複数の容器へと前記所定の量の米飯を盛り付けるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記計量上シャッタの上に前記米飯が所定の高さまで貯留されておらず、前記筒内センサにより前記米飯が検知されていない特定の前記流通路の前記振分シャッタを開放し、前記開放した振分シャッタの上に載置した米飯を前記特定の流通路に設けた計量上シャッタの上に落下させる
ことを特徴とする盛付装置としたものである。
【0021】
これにより、所定の高さまで米飯が貯留されていない流通路の計量上シャッタの上に米飯を落下させて、それぞれの流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。そして、計量上シャッタを開放したときには、安定して計量下シャッタへと米飯を落下させ、計量上シャッタを閉鎖して計量下シャッタを開放したときには、所定の量の米飯を安定して分けて、複数の容器へと盛り付けることができる。
【0022】
第6の発明は、第5の発明において、
計量上シャッタの上方で水平方向に移動することにより、前記計量上シャッタの上に貯留された米飯に接触する振分アームと、前記振分アームを水平方向に移動させる振分アーム駆動手段と、を有する振分部を備える
ことを特徴とする盛付装置としたものである。
【0023】
これにより、流通路内で滞留してしまった米飯を計量上シャッタの上方でならし、米飯が滞留した流通路と異なる流通路内へと落下させ、複数の流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。
【0024】
第7の発明は、第5の発明において、
複数の振分シャッタを、複数の流通路のそれぞれに設けた複数の振分下シャッタと、前記振分下シャッタの上流側に設けた複数の振分上シャッタとにより構成し、
計量上シャッタの上に米飯が所定の高さまで貯留されておらず、筒内センサにより前記米飯が検知されていない特定の流通路の上流側の前記振分上シャッタと前記振分下シャッタとの間に米飯を貯留した後に、
前記特定の流通路に設けた振分下シャッタのみを開放して、前記振分上シャッタと振分下シャッタとの間に貯留した米飯を、前記特定の流通路に設けた計量上シャッタの上へと落下させる
ことを特徴とする盛付装置としたものである。
【0025】
これにより、特定の流通路の計量上シャッタに落下させる米飯の量を制御し、複数の流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。また、多量の米飯が落下して、特定の流通路がつまってしまうことを防止することができる。
【0026】
第8の発明は、第5~7のいずれか一つの発明において、
複数の振分シャッタを設け複数の流通路で構成される振分ホッパ部と、計量上シャッタ及び計量下シャッタを設け複数の流通路で構成される計量ホッパ部と、を備え、
前記振分ホッパ部と前記計量ホッパ部とで複数の流通路の数を異なるように構成した
ことを特徴とする盛付装置としたものである。
【0027】
これにより、盛り付ける容器の数を変更する際、振分ホッパ部は交換せずに、容器の数に合わせた流通路で構成される計量ホッパ部のみ交換することにより、それぞれの流通路の米飯の貯留量のバラツキを抑制することができる。
【0028】
(実施形態1)
(盛付装置の構成)
まず、本発明の盛付装置1について、基本的な構成を説明する。
【0029】
図1及び
図2に示すように、盛付装置1は、
図示しない炊飯装置により炊飯した米飯Rを収納する炊飯釜を反転して、投入する米飯Rを受け入れる投入ホッパ部10と、
投入ホッパ部10へと受け入れた米飯Rを、回転するほぐし羽根22によりほぐしつつ下方へと落下させるほぐしホッパ部20と、
ほぐしホッパ部20でほぐしつつ落下させた米飯Rを、第1~8の振分筒(振分筒)33a~hへと振り分ける振分ホッパ部30と、
往復動する第1~4の振分上シャッタ駆動手段(振分シャッタ駆動手段)42a~d及び第1~8の振分下シャッタ駆動手段(振分シャッタ駆動手段)44a~hを駆動することにより、第1~4の振分上シャッタ(振分シャッタ)41a~d及び第1~8の振分下シャッタ(振分シャッタ)43a~hを移動させて、第1~8の振分筒33a~hを閉鎖し、若しくは開放する振分シャッタ部40と、
振分ホッパ部30で振り分けて落下させた米飯Rを貯留する第1~8の貯留筒(貯留筒)52a~hを有する貯留ホッパ部50と、
第1~8の貯留筒52a~hの上方に位置させた振分アーム61を往復動させ、第1~8の貯留筒52a~hの上方の開口周辺に滞留した米飯Rに接触させて、滞留した米飯Rを第1~8の貯留筒52a~h内へと落下させる振分部60と、
所定の量の米飯Rを計量して、下方に位置させた複数の容器Cへと米飯Rを落下させて盛り付ける計量ホッパ部70と、
往復動する計量上シャッタ駆動手段(計量シャッタ駆動手段)83及び計量下シャッタ駆動手段(計量シャッタ駆動手段)88を駆動することにより、計量上シャッタ(計量シャッタ)82及び計量下シャッタ(計量シャッタ)87を移動させて、閉鎖し、若しくは開放する計量シャッタ部80と、
計量ホッパ部70のうちの計量中枠73の高さ位置を変更することにより、計量中枠73の有する第1~8の計量中枠筒(計量中枠筒)74a~hの高さの異なるものと交換し、計量する米飯Rの所定の量を変更することを可能とする高さ調整部100と、
計量ホッパ部70の下方へ、米飯Rを盛り付ける複数の容器Cを間欠搬送する搬送部130と、
盛付装置1に有する機器の駆動及び運転や、停止を制御し、各種センサからの信号を受ける制御部200と、
盛付装置1に備える投入ホッパ部10と、ほぐしホッパ部20と、振分ホッパ部30と、振分シャッタ部40と、貯留ホッパ部50と、振分部60と、計量シャッタ部80と、高さ調整部100と、搬送部130と、制御部200と、を支持する、例えばステンレス鋼により形成した図示しないフレームと、
を備える。
【0030】
なお、
図1、
図10(a)(c)、
図11(a)(c)、
図17(a)~(c)中で、実線矢印は容器Cの搬送方向を示している。
【0031】
(投入ホッパ部)
図1及び
図2に示すように、投入ホッパ部10は、
上方と下方とを開口する筒状で、上方の開口である投入口12へと投入される炊飯した米飯Rを受け入れる投入ホッパ11を備えている。
【0032】
(ほぐしホッパ部)
ほぐしホッパ部20は、
上方と下方とを開口する筒状で、投入ホッパ11に投入された米飯Rを上方の開口にて受け入れて、下方の開口から落下させるほぐしホッパ21と、
回転することにより、ほぐしホッパ21内を落下する米飯Rをほぐす複数のほぐし羽根22と、
を備える。
【0033】
複数のほぐし羽根22は、公知の技術として知られるように、回転軸に複数の棒状の羽根が取り付けられたものであり、図示しない駆動手段により回転軸を中心として回転する。
【0034】
(振分ホッパ部)
図3(a)~(f)に示すように、振分ホッパ部30は、
上方と下方とを開口する筒状で、ほぐしホッパ21から落下した米飯Rを上方の開口にて受け入れて、下方の開口から落下させる振分ホッパ31と、
振分ホッパ31内を水平方向に8等分するように設けた第1~7の振分壁(振分壁)32a~gと、
振分ホッパ31の上部で、米飯Rと接触することで制御手段201へと信号を発信する振分センサ36と、
を備える。
【0035】
振分ホッパ31は、
図3(a)に示す左側面視で、上方の開口は、ほぐしホッパ21の下方の開口よりも大きく上方に拡がるように形成している。これにより、ほぐしホッパ21から振分ホッパ31内へと確実に米飯Rを落下させることができる。また、
図3(a)に示す左側面視と、
図3(b)に示す正面視とで、下方の開口は、後述する貯留ホッパ51の上方の開口よりも小さく下方にすぼまるように形成している。これにより、振分ホッパ31から下方に位置する貯留ホッパ51へと米飯Rを落下させるときに、確実に貯留ホッパ51内へと米飯Rを落下させることができる。
【0036】
また、
図3(b)に示すように、振分ホッパ31は、正面側に、
第1~8の振分筒33a~hのうち、隣接する2つの振分筒ごとに共通して上部に設けた第1~4の振分上シャッタ開口(振分シャッタ開口)34a~dと、
第1~8の振分筒33a~hのうち、それぞれの振分筒の第1~4の振分上シャッタ開口34a~dの下方となる下部に設けた第1~8の振分下シャッタ開口(振分シャッタ開口)35a~hと、
を有する。
【0037】
図3(d)に示すように、第1~7の振分壁32a~gは、振分ホッパ31の内部を水平方向に8等分して、振分ホッパ31内に第1~8の振分筒33a~hを形成している。
【0038】
なお、第1~7の振分壁32a~gの上端又は下端を傾斜させた構造とすることにより、米飯Rの落下の方向を制御するよう構成してもよい。また、上端と下端を共に傾斜させることも可能である。またさらに、第1~7の振分壁32a~gの位置や角度を、異なる位置や角度としてもよい。例えば、第1~3の振分壁32a~cの上端を右側へと傾斜させ、第5~7の振分壁32e~gの上端を左側へと傾斜させてもよい。また、第1~7の振分壁32a~gにより振分ホッパ31の内部を水平方向に8等分せず、中央側を狭く、両サイド側を広くしてもよいし、第1~7の振分壁32a~g全体に角度をつけてもよい。これにより、後述する貯留ホッパ51の各貯留筒52a~h内へと、均等に米飯Rを落下させることができる。
【0039】
図3(e)(f)に示すように、第1~7の振分壁32a~gは一体となっており、振分ホッパ31に着脱自在に取り付けられている。これにより、異なる形状の第1~7の振分壁32a~gを取付ける、振分壁の数量を減らした振分壁を取付ける、等を行うことができ、米飯Rの状態に合わせた構成に変更することができる。
【0040】
(振分シャッタ部)
図4(a)(b)に示すように、振分シャッタ部40は、
振分ホッパ31の第1~4の振分上シャッタ開口34a~dに挿入する板状の第1~4の振分上シャッタ41a~dと、
第1~4の振分上シャッタ41a~dを往復動させる第1~4の振分上シャッタ駆動手段42a~dと、
振分ホッパ31の第1~8の振分下シャッタ開口35a~hに挿入する板状の第1~8の振分下シャッタ43a~hと、
第1~8の振分下シャッタ43a~hを往復動させる第1~8の振分下シャッタ駆動手段44a~hと、
により構成される。
【0041】
制御手段201により駆動及び停止が制御される第1~4の振分上シャッタ駆動手段42a~dは、第1~4の振分上シャッタ41a~dのそれぞれを個別に往復動させる例えばエアシリンダであり、第1~4の振分上シャッタ41a~dを第1~4の振分上シャッタ開口34a~dへと挿入して、また抜き出す。
【0042】
詳しく説明すると、
図3(b)及び
図5(a)(b)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dは、2つの振分筒にまたがって1つ設けた振分上シャッタ開口に対して、1つの振分上シャッタがあてがわれている。
【0043】
そして、制御手段201により第1~4の振分上シャッタ駆動手段42a~dをそれぞれ駆動することにより、第1~4の振分上シャッタ41a~dをそれぞれ移動させ、第1~4の振分上シャッタ41a~dを第1~4の振分上シャッタ開口34a~dへと挿入して、第1及び第2の振分筒33a,33b、第3及び第4の振分筒33c,33d、第5及び第6の振分筒33e,33f、第7及び第8の振分筒33g,33hのそれぞれの上部を個別に閉鎖する。
【0044】
また、
図4(a)(b)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dを第1~4の振分上シャッタ開口34a~dから抜き出すことにより、第1及び第2の振分筒33a,33b、第3及び第4の振分筒33c,33d、第5及び第6の振分筒33e,33f、第7及び第8の振分筒33g,33hのそれぞれの上部を個別に開放する。
【0045】
図3(b)(d)及び
図6(a)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dを第1~4の振分上シャッタ開口34a~dへ挿入した際に干渉しないよう、第1,第3,第5及び第7の振分壁32a,32c,32e,32gの上端の高さは、第2,第4及び第6の振分壁32b,32d,32fの上端の高さに比較して低くなるよう構成している。
【0046】
これにより、第1~4の振分上シャッタ41a~dを第1~4の振分上シャッタ開口34a~dに挿入したときには、第1及び第2の振分筒33a,33bの上部、第3及び第4の振分筒33c,33dの上部、第5及び第6の振分筒33e,33fの上部、第7及び第8の振分筒33g,33hの上部を閉鎖しつつ、第2,第4,第6の振分壁32b,32d,32fにより、隣接する振分筒を略隔絶することができる。
【0047】
また、
図5(a)(b)に示すように、例えばエアシリンダである第1~8の振分下シャッタ駆動手段44a~hを駆動することにより、第1~8の振分下シャッタ43a~hのそれぞれは、振分ホッパ31の第1~8の振分下シャッタ開口35a~hへと挿入され、第1~8の振分筒33a~hの下部を個別に閉鎖する。また、
図6(a)(b)に示すように、抜き出すことにより、第1~8の振分筒33a~hの下部を個別に開放する。
【0048】
図5(a)に示すように、第1~8の振分筒33a~h内には、閉鎖した第1~4の振分上シャッタ41a~dと第1~8の振分下シャッタ43a~hとの間に、それぞれ所定の大きさの空間が形成される。そして、この空間内に、第1~8の振分筒33a~hから貯留ホッパ51へと落下させる米飯Rを一時的に貯留することができるとともに、貯留する米飯Rの最大量を規制することができる。また、閉鎖した第1~4の振分上シャッタ41a~dと第1~8の振分下シャッタ43a~hとの間隔を変更することで、第1~8の振分筒33a~hから貯留ホッパ51へと落下させる米飯Rの最大量を変更することができる。
【0049】
なお、振分上シャッタを4枚としたが、振分筒と同数である8枚としてもよく、その他の枚数でもよい。また、振分下シャッタを8枚としたが、振分筒の数とは異なる枚数としてもよい。
【0050】
以下、本実施形態では、第1~4の振分上シャッタ駆動手段42a~dを駆動し、第1~4の振分上シャッタ41a~dを移動して第1~4の振分上シャッタ開口34a~dへと挿入することを、単に第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hを閉鎖する、と記載することもある。また、第1~4の振分上シャッタ駆動手段42a~dを駆動し、第1~4の振分上シャッタ41a~dを移動して第1~4の振分上シャッタ開口34a~dから抜き出すことを、単に第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hを開放する、と記載することもある。
【0051】
同じく、第1~8の振分下シャッタ駆動手段44a~hを駆動し、第1~8の振分下シャッタ43a~hを移動して第1~8の振分下シャッタ開口35a~hへと挿入することを、単に第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを閉鎖する、と記載することもある。また、第1~8の振分下シャッタ駆動手段44a~hを駆動し、第1~8の振分下シャッタ43a~hを移動して第1~8の振分下シャッタ開口35a~hから抜き出すことを、単に第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを開放する、と記載することもある。
【0052】
(貯留ホッパ部)
図7(a)~(d)に示すように、貯留ホッパ部50は、
上方と下方とを開口する筒状で、振分ホッパ31から落下した米飯Rを上方の開口にて受け入れて、水平方向に8等分する第1~8の貯留筒52a~hへと導き、下方の開口から落下させる貯留ホッパ51と、
図16(a)(b)に示すように、貯留ホッパ51の下方に着脱自在に接続する計量上枠71に有する計量上シャッタ82を閉鎖したときに、第1~8の貯留筒52a~h内に貯留した米飯Rが所定の高さまで貯留されたことを、米飯Rと接触することで制御手段201へと信号を発信する、第1~8の貯留筒52a~h内のそれぞれに配置した第1~8の筒内センサ(筒内センサ)53a~hと、
を備える。
【0053】
また、
図7(d)に示すように、貯留ホッパ51は、第1の貯留筒52aと第2の貯留筒52bとの上方の開口間と、第2の貯留筒52bと第3の貯留筒52cとの上方の開口間と、第6の貯留筒52fと第7の貯留筒52gとの上方の開口間と、第7の貯留筒52gと第8の貯留筒52hとの上方の開口間と、に鉛直方向に延設された円柱状の第1~4のガイド棒(ガイド棒)54a~dを有する。
【0054】
第1~4のガイド棒54a~dは、例えば、金属製の棒材に摺動性の高い樹脂材によるコーティングをほどこして形成したものであり、貯留ホッパ51に固定されている。なお、ガイド棒54a~dは、金属製の棒材に、米飯Rの付着しにくい摺動性の高い樹脂材を取付けることにより形成してもよい。
【0055】
なお、ガイド棒は、第1~4のガイド棒54a~dに加え、第3の貯留筒52cと第4の貯留筒52dとの上方の開口間と、第4の貯留筒52dと第5の貯留筒52eとの上方の開口間と、第5の貯留筒52eと第6の貯留筒52fとの上方の開口間と、に設けてもよい。
【0056】
第1~8の筒内センサ53a~hが第1~8の貯留筒52a~h内に取付けられる高さ位置は、計量上シャッタ82の上方に載置され、第1~8の貯留筒52a~h内に貯留する米飯Rの量が、後述する計量ステップS500において、計量上シャッタ82と計量下シャッタ87との間で計量し貯留する所定の量、つまり複数の容器Cに1回盛り付けることができる量以上の量となる位置としている。なお、第1~8の筒内センサ53a~hが第1~8の貯留筒52a~h内に取付けられる高さ位置は、複数の容器Cに複数回盛り付けることができる量となる位置とするのが好ましい。これにより、例えば、複数の容器Cへの米飯Rの盛り付けを連続的に行う場合、単位時間当たりの盛り付け数量を増やすことができる。
【0057】
(振分部)
図7(c)(d)に示すように、振分部60は、
第1~8の貯留筒52a~hの上方を水平方向に移動し、第1~4のガイド棒54a~dに接触しないよう下方に向けて二股の形状とした振分アーム61と、
振分アーム61を、第1~8の貯留筒52a~hの上方となる範囲で水平方向に往復動させる振分アーム駆動手段62と、
により構成される。
【0058】
なお、振分アーム駆動手段62による振分アーム61の動きは、水平方向への往復動に限らない。例えば、第1~8の貯留筒52a~hが上面視で円形に配置されている場合は、振分アーム61の動きは第1~8の貯留筒52a~hの上方となる範囲で、円を描くように一方向に移動するようにしてもよい。
【0059】
(計量ホッパ部)
図2、
図8(a)及び
図10(b)に示すように、計量ホッパ部70は、
貯留ホッパ51の下端に着脱自在に接続した計量上枠71と、
計量上枠71の下方に締結部材等により接続し、計量中枠翼右端部75a及び計量中枠翼左端部75bを高さ調整部100によって着脱自在に下方から支持する計量中枠73と、
計量中枠73の下端に着脱自在に接続し、計量下枠翼右端部78a及び計量下枠翼左端部78bを図示しないフレームによって着脱自在に下方から支持された計量下枠76と、
により構成される。
【0060】
図8(a)~(c)は計量上枠71と、計量中枠73と、計量下枠76とを上下方向に分離したときの構成を示している。
図8(c)に示す正面断面視で、計量上枠71は、上方と下方とを開口する筒である第1~8の計量上枠筒(計量上枠筒)72a~hを有する。計量上枠71と計量中枠73との間には計量上シャッタレール(シャッタレール)81を上下方向で挟み込むように取り付け、計量シャッタ部80の計量上シャッタ82を左右両側から挟み込んで保持している。
【0061】
また、計量中枠73は、上方と下方とを開口する筒である第1~8の計量中枠筒74a~hを有する。第1~8の計量上枠筒72a~hの下端と、第1~8の計量中枠筒74a~hの上端との間には、計量上シャッタ82が挿入される程度の隙間が形成されている。
【0062】
計量下枠76は、上方と下方とを開口する筒である第1~8の計量下枠筒(計量下枠筒)77a~hを有する。第1~8の計量下枠筒77a~hは、第1~8の計量中枠筒74a~hの下端が挿入されるように構成している。計量下枠76の下部には計量下シャッタレール(シャッタレール)86を取り付け、計量シャッタ部80の計量下シャッタ87を左右両側から挟み込んで保持している。
【0063】
なお、計量中枠73は、盛付装置1の各部を支持する図示しないフレームには支持されておらず、計量中枠翼右端部75a及び計量中枠翼左端部75bを高さ調整部100により、下方から支持することにより着脱自在に固定している。
【0064】
(計量シャッタ部)
図8(b)(c)に示すように、計量シャッタ部80は、
計量ホッパ部70の計量上枠71と計量中枠73との間に、上下方向で挟み込むように取付けた摺動性の高い樹脂材である一対の計量上シャッタレール81により左右両側を挟み込んで保持し、正面側と背面側とに設けた一対の計量上シャッタ駆動手段83を駆動させることにより対向して動作し、開放又は閉鎖する、正面側と背面側との二枚一対とした計量上シャッタ82と、
計量下枠76の下部の左右両側に設けた摺動性の高い樹脂材である一対の計量下シャッタレール86により左右両側を挟み込んで保持し、正面側と背面側とに設けた一対の計量下シャッタ駆動手段88を駆動させることにより対向して動作し、開放又は閉鎖する、正面側と背面側との二枚一対とした計量下シャッタ87と、
により構成される。
【0065】
図8(c)及び
図9(a)(b)に示すように、計量上シャッタ82は、制御手段201により一対の計量上シャッタ駆動手段83を駆動することで、計量上シャッタ82を移動させて計量上枠71と計量中枠73との間へと挿入し、第1~8の計量上枠筒72a~hの下端、及び第1~8の計量中枠筒74a~hの上端をまとめて閉鎖する。また、抜き出すことにより、第1~8の計量上枠筒72a~hの下端、及び第1~8の計量中枠筒74a~hの上端をまとめて開放する。
【0066】
図8(c)及び
図9(b)(c)に示すように、計量下シャッタ87は、制御手段201により一対の計量下シャッタ駆動手段88を駆動することで、計量下シャッタ87を移動させて第1~8の計量下枠筒77a~hの下端をまとめて閉鎖する。また、抜き出すことにより、第1~8の計量下枠筒77a~hの下端をまとめて開放する。
【0067】
以下、本実施形態では、正面側と背面側とに設けた一対の計量上シャッタ駆動手段83を駆動して、計量上シャッタ82を移動し、第1~8の計量上枠筒72a~hの下端、及び第1~8の計量中枠筒74a~hの上端を閉鎖することを、単に計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を閉鎖する、若しくは計量上シャッタ82により第1~8の計量中枠筒74a~hの上端を閉鎖する、と記載することもある。
【0068】
また、正面側と背面側とに設けた一対の計量上シャッタ駆動手段83を駆動して、計量上シャッタ82を移動し、第1~8の計量上枠筒72a~hの下端、及び第1~8の計量中枠筒74a~hの上端を開放することを、単に計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を開放する、若しくは計量上シャッタ82により第1~8の計量中枠筒74a~hの上端を開放する、と記載することもある。
【0069】
同じく、正面側と背面側とに設けた一対の計量下シャッタ駆動手段88を駆動して、計量下シャッタ87を移動し、第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を閉鎖することを、単に計量下シャッタ87により第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を閉鎖する、と記載することもある。
【0070】
また、正面側と背面側とに設けた一対の計量下シャッタ駆動手段88を駆動して、計量下シャッタ87を移動し、第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を開放することを、単に計量下シャッタ87により第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を開放する、と記載することもある。
【0071】
(高さ調整部)
図10(b)に示すように、高さ調整部100は、
右側端部にハンドル102を有し、図示しないフレームに、回転自在となるよう固定した共通軸101と、
計量中枠翼右端部75aを下方から支持し、ハンドル102を回転させることにより計量中枠翼右端部75aの高さ位置を調整する右高さ調整部110と、
計量中枠翼左端部75bを下方から支持し、ハンドル102を回転させることにより計量中枠翼左端部75bの高さ位置を調整する左高さ調整部120と、
を備える。
【0072】
(右高さ調整部)
図10(a)(b)に示すように、右高さ調整部110は、
共通軸101に取付けた第1のスプロケット111、及び右従動軸112に取付けた第2のスプロケット113により循環駆動する無端状のチェーン114と、
第2のスプロケット113を取付けた右従動軸112から、ウォームギア等により接続して昇降する右昇降棒115と、
とを備える。
【0073】
ハンドル102を回転させることにより、共通軸101に取付けた第1のスプロケット111、チェーン114、第2のスプロケット113へと回転を伝え、右従動軸112を介して右昇降棒115を上昇、又は下降させ、計量中枠翼右端部75aの高さ位置を上昇、又は下降させる構造となっている。
【0074】
(左高さ調整部)
図10(b)(c)に示すように、左高さ調整部120は、
共通軸101に取付けた第3のスプロケット121、及び左従動軸122に取付けた第4のスプロケット123により循環駆動する無端状のチェーン124と、
第4のスプロケット123を取付けた左従動軸122から、ウォームギア等により接続して昇降する左昇降棒125と、
とを備える。
【0075】
ハンドル102を回転させることにより、共通軸101に取付けた第3のスプロケット121、チェーン124、第4のスプロケット123へと回転を伝え、左従動軸122を介して左昇降棒125を上昇、又は下降させて、計量中枠翼左端部75bの高さ位置を上昇、又は下降させる構造となっている。
【0076】
ハンドル102を回転させたときに、右昇降棒115と左昇降棒125とが上昇若しくは下降する高さ方向の距離は、同じとなるよう構成している。これにより、ハンドル102を回転させるだけで計量中枠翼右端部75a及び計量中枠翼左端部75bの高さを同じ高さだけ上昇、若しくは下降させ、計量中枠73の高さを調整することができる。
【0077】
(搬送部)
図1、
図2、
図17(a)~(c)及び
図18(a)~(c)に示すように、搬送部130は、
図示しないフレームにより支持され、無端状のチェーンを図示しない駆動手段により循環駆動するチェーンコンベアである搬送手段131を備える。無端状のチェーンには容器Cを搬送するための爪が装着され、その爪で容器Cを順次搬送する。
【0078】
搬送手段131は、往路面である搬送面で搬送する複数の容器Cを、計量下枠76の第1~8の計量下枠筒77a~hの下方に位置させて所定の時間だけ停止する間欠搬送を行う。
【0079】
(制御部)
図1に示すように、制御部200は、
盛付装置1に備えるセンサからの電気信号を受けるとともに、各機器の運転及び停止を制御する制御手段201と、
盛付装置1の状況を表示するとともに、接触により操作することのできるタッチディスプレイである表示手段202と、
を備える。
【0080】
なお、制御部200には、押しボタンスイッチやノブを設けて操作することができるようにしてもよい。
【0081】
(振分筒と、貯留筒と、計量上枠筒と、計量中枠筒と、計量下枠筒との対応する関係について)
本実施形態において、それぞれ複数の筒状の部材である、第1~8の振分筒33a~hと、第1~8の貯留筒52a~hと、第1~8の計量上枠筒72a~hと、第1~8の計量中枠筒74a~hと、第1~8の計量下枠筒77a~hとは、それぞれ対応する関係、つまり、より上方に位置するものと同数であり、
図1に示す左側面視及び
図2に示す正面視で鉛直方向に略一直線上に配置されている関係としている。これにより、米飯Rの状態にかかわらず、振分ホッパ31へと落下した米飯Rを8つに振り分けつつ、第1~8の計量下枠筒77a~hまで円滑に落下させることができる。
【0082】
また、それぞれ複数の筒状の部材である、第1~8の振分筒33a~hと、第1~8の貯留筒52a~hと、第1~8の計量上枠筒72a~hと、第1~8の計量中枠筒74a~hと、第1~8の計量下枠筒77a~hとは、それぞれ対応する関係にあるため、第1~8の流通路(流通路)90a~hを形成する。例えば、第1の流通路90aは、第1の振分筒33aと、第1の貯留筒52aと、第1の計量上枠筒72aと、第1の計量中枠筒74aと、第1の計量下枠筒77aとにより構成されており、第2~8の流通路90b~hも同様となる。
【0083】
(盛付方法)
次に、盛付装置1による盛付方法について説明する。
【0084】
盛付方法についての説明では、第1~8の流通路90a~h内を落下する米飯Rの様子を具体的に説明するため、第1~8の流通路90a~hの各部を、第1~8の振分筒33a~hと、第1~8の貯留筒52a~hと、第1~8の計量上枠筒72a~hと、第1~8の計量中枠筒74a~hと、第1~8の計量下枠筒77a~hとを用いて説明する。
【0085】
盛付装置1による盛付方法は、
図示しない炊飯装置により炊飯した米飯Rを収納する炊飯釜を反転し、盛付装置1の投入ホッパ部10へと米飯Rを投入する投入ステップS100と、
投入ステップS100により投入ホッパ部10へと投入された米飯Rを、ほぐしホッパ部20でほぐすほぐしステップS200と、
ほぐしステップS200によりほぐした米飯Rを、第1~8の振分筒33a~h内へと落下させて振り分ける振分ステップS300と、
振分ステップS300で第1~8の振分筒33a~h内へと落下させた米飯Rを、第1~8の振分筒33a~hの下方に設けた第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内へと落下させて貯留する貯留ステップS400と、
貯留ステップS400で第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内に貯留した米飯Rを、第1~8の計量中枠筒74a~h内及び第1~8の計量下枠筒77a~h内へと落下させて所定の量に計量する計量ステップS500と、
計量ステップS500で所定の量に計量した米飯Rを、下方に有する搬送部130で間欠搬送する複数の容器Cへと落下させて盛り付ける盛付ステップS600と、
により構成される。
【0086】
(投入ステップ)
まず、盛付方法の最初に行う投入ステップS100について説明する。
【0087】
図1に示す投入ホッパ11へと、図示しない炊飯装置により炊飯した米飯Rを収納する炊飯釜を反転し、米飯Rを投入する。米飯Rとしては例えば、略7kgの洗米済み白米を炊飯釜に入れて加水し、炊飯装置により加熱することで炊き上げた略15kgの米飯Rで、炊飯釜を反転することで全量を投入ホッパ11へと投入し、下方のほぐしホッパ部20へと落下させる。
【0088】
(ほぐしステップ)
投入ステップS100の次に行うほぐしステップS200について説明する。
【0089】
投入ステップS100で投入ホッパ11へと投入された米飯Rは、ほぐしホッパ21内へと落下する。ほぐしホッパ21内では、公知の技術である複数のほぐし羽根22が回転しており、複数のほぐし羽根22が有する棒状の羽根により、空気を含ませるように、炊飯釜から投入された米飯Rをほぐす。
【0090】
複数のほぐし羽根22によりほぐされた米飯Rは、下方の振分ホッパ部30へと落下する。
【0091】
また、ほぐしステップS200では、投入ステップS100で投入ホッパ11へと投入された米飯Rが、第1~8の振分筒33a~h内へとそのまま落下することなく、
図3(d)に示す第1~7の振分壁32a~gの上端に載置されて滞留してしまうことがある。又は、第1~8の振分筒33a~h内に入りきらず、第1~8の振分筒33a~h内から上方に溢れて、第1~7の振分壁32a~gの上端に載置されて滞留してしまうことがある。
【0092】
そのような場合、第1~7の振分壁32a~gの上端に載置されて滞留した米飯Rは、さらにより多くの米飯Rを滞留させ、
図3(c)に示す振分ホッパ31の上部に取付けた振分センサ36に接触することとなる。振分センサ36に米飯Rが接触している間、振分センサ36から
図1に示す制御手段201へと信号を送り、制御手段201は複数のほぐし羽根22の回転を停止する。そして、振分センサ36に米飯Rが接触していないときは、複数のほぐし羽根22が回転してほぐしホッパ21内で米飯Rをほぐしつつ落下させる。
【0093】
これにより、第1~7の振分壁32a~gの上端に載置されて米飯Rが滞留しているときには、振分ホッパ31内に米飯Rを落下させないようにして、米飯Rの状態にかかわらず、振分ホッパ31内で米飯Rがつまってしまうことを抑制することができる。
【0094】
(振分ステップ)
ほぐしステップS200の次に行う振分ステップS300について説明する。
【0095】
図12(a)(b)に示すように、ほぐしステップS200にてほぐされた米飯Rは、振分ホッパ31内へと落下し、第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hを閉鎖した第1~8の振分筒33a~h内へと落下する。そして、振分ホッパ31内で、第1~4の振分上シャッタ41a~dの上に米飯Rが載置される。
【0096】
図13(a)(b)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hを開放することで、第1~4の振分上シャッタ41a~dの上に載置された米飯Rは、第1~8の振分筒33a~h内で第1~8の振分下シャッタ43a~hの上へと落下する。
【0097】
図14(a)(b)に示すように、第1~8の振分下シャッタ43a~hの上に米飯Rが落下して載置された後に、第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hを閉鎖する。これにより、第1~8の振分筒33a~h内で、第1~4の振分上シャッタ41a~dと第1~8の振分下シャッタ43a~hとの間の空間に米飯Rを貯留することができる。
【0098】
図15(a)(b)に示すように、第1~8の振分筒33a~h内で、第1~4の振分上シャッタ41a~dと第1~8の振分下シャッタ43a~hとの間の空間に貯留した米飯Rは、第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを開放することで、第1~8の振分筒33a~h内から下方に位置する貯留ホッパ51へと落下する。
【0099】
このように、第1~4の振分上シャッタ41a~dと第1~8の振分下シャッタ43a~hとの間の空間に貯留した分の米飯Rを落下させることで、第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを1回開放することで落下させる米飯Rの量を制御することができる。
【0100】
これにより、貯留ホッパ51の第1~8の貯留筒52a~hへと落下させる米飯Rの量を制御し、一部の貯留筒に一度に多量の米飯Rが落下して貯留筒52a~hがつまってしまうことを防止することができる。
【0101】
なお、この振分ステップS300では、第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hの制御に、示した以外の制御の方法を採用してもよい。
【0102】
例えば、ほぐしステップS200にてほぐされた米飯Rを
図12(a)(b)に示す振分ホッパ31内へと落下させ、第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hを開放した第1~8の振分筒33a~h内へと、米飯Rを落下させる。そして、第1~4の振分上シャッタ41a~dを閉鎖した直後に、第1~8の振分下シャッタ43a~hを閉鎖する。
【0103】
これにより、第1~8の振分筒33a~h内へと落下させた米飯Rは、第1~8の振分下シャッタ43a~hに載置されない状態で、可能な限り自由落下に近い状態の米飯Rを第1~4の振分上シャッタ41a~dにより可能な限り押しつぶさないようにして区切ることができる。そして、可能な限り押しつぶさないようにした米飯Rを、第1~8の振分筒33a~h内で、第1~4の振分上シャッタ41a~dと第1~8の振分下シャッタ43a~hとの間の空間に貯留することができる。
【0104】
(貯留ステップ)
振分ステップS300の次に行う貯留ステップS400について説明する。
【0105】
図16(a)(b)に示すように、振分ステップS300にて第1~8の振分筒33a~h内から下方に位置する貯留ホッパ51へと落下させた米飯Rは、第1~8の貯留筒52a~hにより水平方向に8つに振り分けられる。そして、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内を落下し、閉鎖した第1~8の計量上シャッタ82の上に載置され貯留される。
【0106】
このとき、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内に貯留する米飯Rが、所定の高さであることを後述する第1~8の筒内センサ53a~hが検知するタイミングによっては、第1~8の振分下シャッタ43a~hを閉鎖したままとするタイミングとずれて、第1~8の振分筒33a~h内から米飯Rが落下してしまう場合がある。例えば、第1~8の振分筒33a~h内から落下した米飯Rが、第1~8の貯留筒52a~h内の上部開口から第1~8の筒内センサ53a~hへ至るまでの壁面に接触しながら緩やかに落下すると、第1~8の筒内センサ53a~hが検知するまでに、次の米飯Rが第1~8の振分筒33a~h内から落下することがある。この場合、落下した米飯Rは、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内に収まりきらず、第1~8の貯留筒52a~hの上方へはみ出すことがある。
【0107】
この上方へはみ出した米飯Rは、第1~8の貯留筒52a~hの上方となる範囲で水平方向に往復動する振分アーム61に接触し、例えば米飯Rが収まりきらなかった貯留筒及び計量上枠筒に隣接する貯留筒内及び計量上枠筒内へと落下する。
【0108】
具体的には、例えば、
図16(a)における第3の貯留筒52c及び第3の計量上枠筒72cのように、米飯Rが第3の貯留筒52cから上方へはみ出した場合、その米飯Rは、第1~8の貯留筒52a~hの上方となる範囲で水平方向に往復動する振分アーム61に接触し、第2の貯留筒52b内及び第2の計量上枠筒72b内、又は第4の貯留筒52d内及び第4の計量上枠筒72d内へ落下する。
【0109】
これにより、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内へと均等に米飯Rを貯留させやすくすることができる。
【0110】
このとき、例えば第3の貯留筒52cから上方へはみ出した米飯Rが、水平方向に往復動する振分アーム61に接触して、第2の貯留筒52b内及び第2の計量上枠筒72b内へと塊状で運ばれる際に、ガイド棒54bと振分アーム61とで挟み込んで砕くことができる。これにより、振分アーム61により運ばれる米飯Rが、貯留筒内及び計量上枠筒内と落下しやすくすることができ、つまってしまうことを抑制することができる。
【0111】
また、第1~8の振分筒33a~h内から、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内へと米飯Rを落下させると、隣接する第1~8の貯留筒52a~hの上方の開口間に米飯Rが落下することがある。
【0112】
その場合、
図16(a)に示すガイド棒54a~dが、第1~3の貯留筒52a~c及び第6~8の貯留筒52f~hの上方の開口間に米飯Rが滞留するのを抑制する。
【0113】
なお、振分アーム61を水平移動させる振分アーム駆動手段62は、振分ホッパ部30の振分センサ36に米飯Rが接触していないときに駆動するよう構成しているが、常時駆動していてもよいし、他の条件で駆動するようにしてもよい。
【0114】
(計量ステップ)
貯留ステップS400の次に行う計量ステップS500について説明する。
【0115】
図17(a)及び
図18(a)に示すように、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内に貯留された米飯Rは、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hを開放することにより、閉鎖した計量下シャッタ87の上へと落下して載置される。
【0116】
そして、
図17(b)及び
図18(b)に示すように、閉鎖した計量下シャッタ87の上へと米飯Rが落下して載置された後に、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を閉鎖する。これにより、第1~8の計量中枠筒74a~h内及び第1~8の計量下枠筒77a~h内で、閉鎖した計量上シャッタ82と計量下シャッタ87との間に、所定の量の米飯Rを貯留することができる。
【0117】
(盛付ステップ)
計量ステップS500の次に行う盛付ステップS600について説明する。
【0118】
図17(c)及び
図18(c)に示すように、計量ステップS500にて、第1~8の計量中枠筒74a~h内及び第1~8の計量下枠筒77a~h内で、閉鎖した計量上シャッタ82と計量下シャッタ87との間に所定の量貯留された米飯Rは、計量下シャッタ87により第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を開放することにより、下方へと落下する。
【0119】
第1~8の計量下枠筒77a~hの下方には、搬送手段131により第1~8の計量下枠筒77a~hに対応する数、ここでは8個の容器Cが待機している。これにより、第1~8の計量下枠筒77a~h内から8個の容器Cへと所定の量の米飯Rを落下させて、盛り付けることができる。
【0120】
第1~8の計量下枠筒77a~h内から8個の容器Cへと所定の量の米飯Rを落下させて盛り付けた後は、停止していた搬送手段131が駆動し、米飯Rを盛り付けた容器Cを搬送して、往路の搬送面上に配置した、次に米飯Rを盛り付ける8個の空の容器Cを第1~8の計量下枠筒77a~hの下方へと配置する。
【0121】
(振分シャッタ、及び計量シャッタの開放及び閉鎖の条件について)
次に、振分ステップS300における第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hの開放及び閉鎖の条件と、計量ステップS500における計量上シャッタ82及び計量下シャッタ87の開放及び閉鎖の条件と、について記載する。
【0122】
まず、振分ステップS300における第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hによる第1~8の振分筒33a~hの開放及び閉鎖の条件について説明する。その後に、その具体的な例を用いて説明する。
【0123】
図12(a)(b)に示すように、振分ステップS300の前に行うほぐしステップS200では、ほぐされた米飯Rが、第1~8の振分筒33a~hを閉鎖する第1~4の振分上シャッタ41a~dの上へと落下し、第1~4の振分上シャッタ41a~dの上に載置された。
【0124】
そして、
図13(a)(b)に示すように、振分ステップS300では、第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hを開放して、第1~8の振分筒33a~hを閉鎖する第1~8の振分下シャッタ43a~hの上へと米飯Rを落下させる。
【0125】
このとき第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hのそれぞれを開放する条件は、第1~8の振分筒33a~hのそれぞれに対応する、
図16(a)に示す第1~8の貯留筒52a~hのそれぞれに配置した第1~8の筒内センサ53a~hが、米飯Rに接触していない場合のみとしている。
【0126】
つまり、第1~8の筒内センサ53a~hのうち、米飯Rに接触していない筒内センサのある貯留筒に対応する第1~4の振分上シャッタ41a~dのみが、当該第1~8の振分筒33a~hを開放するように条件を定めている。
【0127】
このようにして、
図13(a)(b)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hをそれぞれ所定の時間、例えば1.5秒間だけ開放し、米飯Rを第1~8の振分下シャッタ43a~hへと落下させた後に閉鎖する。
【0128】
図14(a)(b)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dにより第1~8の振分筒33a~hを閉鎖した後には、
図15(a)(b)に示すように、第1~4の振分上シャッタ41a~dを閉鎖したときから所定の時間、例えば0.2秒後に第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを所定の時間、例えば0.7秒間だけ開放し、米飯Rを貯留ホッパ51へと落下させた後に閉鎖する。
【0129】
このとき第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hのそれぞれを開放する条件は、第1~8の振分筒33a~hのそれぞれに対応する、
図16(a)に示す第1~8の貯留筒52a~hのそれぞれに配置した第1~8の筒内センサ53a~hが、米飯Rに接触していない場合のみとしている。
【0130】
つまり、第1~8の筒内センサ53a~hのうち、米飯Rに接触していない筒内センサのある貯留筒に対応する第1~8の振分下シャッタ43a~hのみが、当該第1~8の振分筒33a~hを開放するように条件を定めている。
【0131】
このようにして、
図15(a)(b)に示すように、第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hをそれぞれ所定の時間、例えば0.7秒間だけ開放し、米飯Rを貯留ホッパ51へと落下させた後に閉鎖する。
【0132】
第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを閉鎖した後には、例え先ほど開放した第1~4の振分上シャッタ41a~dに対応する第1~8の筒内センサ53a~hが米飯Rに接触していない場合であったとしても、次に先ほど開放した第1~4の振分上シャッタ41a~dを開放するまでには、第1~8の振分下シャッタ43a~hにより第1~8の振分筒33a~hを閉鎖したときから所定の時間、例えば0.2秒間だけ待機するよう制御している。これにより、ほぐしホッパ21から落下する米飯Rを、第1~4の振分上シャッタ41a~dの上に載置させる時間を確保することができる。
【0133】
これらを具体的な例を用いて説明する。まずは、
図16(a)で隣接する2つの貯留筒に配置された筒内センサが米飯Rに接触している場合で、その2つの貯留筒が、
図3(b)に示す振分上シャッタ開口がまたがって空いている振分筒に対応している場合を説明する。
【0134】
例えば、
図16(a)に示す第5及び第6の貯留筒52e,52fのように、第5及び第6の筒内センサ53e,53fが、共に米飯Rに接触している場合には、第3の振分上シャッタ41cにより第5及び第6の振分筒33e,33fを閉鎖したままとする。
【0135】
次に、
図16(a)で隣接する2つの貯留筒に配置された筒内センサが米飯Rに接触していない場合で、その2つの貯留筒が、
図3(b)に示す振分上シャッタ開口がまたがって空いている振分筒に対応している場合を説明する。
【0136】
例えば、
図16(a)に示す第7及び第8の貯留筒52g,52hのように、第7及び第8の筒内センサ53g,53hが、共に米飯Rに接触していない場合には、
図13(a)(b)に示すように、第4の振分上シャッタ41dにより第7及び第8の振分筒33g,33hを1.5秒間だけ開放する。そして、第4の振分上シャッタ41dの上に載置された米飯Rを第7及び第8の振分筒33g,33hを閉鎖する第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hの上へと落下させ、
図14(a)(b)に示すように、第4の振分上シャッタ41dにより第7及び第8の振分筒33g,33hを閉鎖する。第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hの上に載置され、第4の振分上シャッタ41dと第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hとの間の空間に米飯Rが貯留される。
【0137】
第4の振分上シャッタ41dを閉鎖した後には、
図15(a)に示すように、第4の振分上シャッタ41dにより第7及び第8の振分筒33g,33hを閉鎖したときから0.2秒後に、第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hにより第7及び第8の振分筒33g,33hを0.7秒間だけ開放する。そして、第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hの上に載置し、第4の振分上シャッタ41dと第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hとの間の空間に貯留していた米飯Rを第7及び第8の貯留筒52g,52h内へと落下させ、
図12(a)に示すように第7及び第8の振分下シャッタ43g,43hにより第7及び第8の振分筒33g,33hを閉鎖する。
【0138】
例として最後に、
図16(a)で隣接する2つの貯留筒に配置された筒内センサのうち、1つのみが米飯Rに接触している場合で、その2つの貯留筒が、
図3(b)に示す振分上シャッタ開口がまたがって空いている振分筒に対応している場合を説明する。
【0139】
例えば、
図16(a)に示す第1及び第2の貯留筒52a,52bのように、第1の筒内センサ53aが米飯Rに接触しておらず、第2の筒内センサ53bが米飯Rに接触している場合には、
図13(a)(b)に示すように、第1の振分上シャッタ41aにより第1及び第2の振分筒33a,33bを1.5秒間だけ開放する。そして、第1の振分上シャッタ41aの上に載置された米飯Rを閉鎖する第1及び第2の振分下シャッタ43a,43bの上へと落下させ、
図14(a)(b)に示すように、第1の振分上シャッタ41aにより第1及び第2の振分筒33a,33bを閉鎖する。第1及び第2の振分下シャッタ43a,43bの上に載置され、第1の振分上シャッタ41aと第1及び第2の振分下シャッタ43a,43bとの間の空間に米飯Rが貯留される。
【0140】
第1の振分上シャッタ41aを閉鎖した後には、
図15(a)に示すように、第1の振分上シャッタ41aにより第1及び第2の振分筒33a,33bを閉鎖したときから0.2秒後に、第1の振分下シャッタ43aにより第1の振分筒33aを0.7秒間だけ開放する。そして、第1の振分下シャッタ43aの上に載置し、第1の振分上シャッタ41aと第1の振分下シャッタ43aとの間の空間に貯留していた米飯Rを第1の貯留筒52a内へと落下させ、
図12(a)に示すように、第1の振分下シャッタ43aにより第1の振分筒33aを閉鎖する。
【0141】
もし、第1の振分下シャッタ43aにより第1の振分筒33aを閉鎖した後も、
図16(a)に示す第1の筒内センサ53aに米飯Rが接触していない場合は、0.2秒後に
図13(a)(b)に示す第1の振分上シャッタ41aにより第1及び第2の振分筒33a,33bを1.5秒間だけ開放する。
【0142】
このとき、第2の振分下シャッタ43bの上には、米飯Rが載置されたままとなっているが、第1の振分上シャッタ41aにより第1及び第2の振分筒33a,33bを閉鎖する条件や、第1及び第2の振分下シャッタ43a,43bにより第1及び第2の振分筒33a,33bを開放及び閉鎖する条件は変わらず、第1の筒内センサ53aが米飯Rに接触するまで、この動きと制御を繰り返す。
【0143】
以上、具体例で説明した以外の、他の振分筒、振分上シャッタ、振分下シャッタ、貯留筒、及び筒内センサでも同様に制御する。
【0144】
このように、振分ステップS300における第1~4の振分上シャッタ41a~d、及び第1~8の振分下シャッタ43a~hの開放及び閉鎖の条件を定めることにより、第1~8の貯留筒52a~hのうち、米飯Rが所定の高さまで貯留されていない貯留筒内のみへと米飯Rを落下させ、米飯Rの状態にかかわらず、第1~8の振分筒33a~h内から第1~8の貯留筒52a~h内へと米飯Rを安定して振り分けつつ、落下させる米飯Rの量を制御することができる。
【0145】
これにより、第1~8の貯留筒52a~h及び第1~8の計量上枠筒72a~hのうち、一部の貯留筒内及び計量上枠筒内の計量上シャッタ82の上に多量の米飯Rが集中して落下して流通路がつまってしまうことを防止することができる。そして、計量上シャッタ82を開放したときには、安定して計量下シャッタ87へと米飯Rを落下させ、計量上シャッタ82を閉鎖して計量下シャッタ87を開放したときには、所定の量の米飯Rを安定して、複数の容器Cへと盛り付けることができる。
【0146】
なお、振分上シャッタを、振分筒及び振分下シャッタと同数である8枚に構成した場合は、例えば、筒内センサが米飯Rに接触していない貯留筒に対応する振分筒の振分上シャッタ及び振分下シャッタのみにより、当該振分筒を開放及び閉鎖するよう制御することにより、より確実に所定の量に満たない当該貯留筒内へと米飯Rを落下させることができる。
【0147】
次に、計量ステップS500における計量上シャッタ82による第1~8の計量上枠筒72a~hの下端の開放及び閉鎖の条件について説明する。
【0148】
図16(a)に示すように、計量ステップS500の前に行う貯留ステップS400では、第1~8の貯留筒52a~h内及び第1~8の計量上枠筒72a~h内に米飯Rを振り分けつつ、落下させて、第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を閉鎖する計量上シャッタ82の上へと米飯Rを貯留した。
【0149】
そして、
図17(a)及び
図18(a)に示すように、計量ステップS500では、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を開放して、第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を閉鎖する計量下シャッタ87の上へと米飯Rを落下させる。
【0150】
このとき、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を開放する条件は、
図16(a)に示す第1~8の筒内センサ53a~hの全てが米飯Rに接触している場合のみとしている。つまり、第1~8の流通路90a~hの全てにおいて、計量上シャッタ82の上に、計量上シャッタ82と計量下シャッタ87との間の空間に計量して貯留すべき米飯Rの量を確保した状態でのみ、計量ステップS500を行う条件としている。そして、
図17(b)及び
図18(b)に示すように、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を所定の時間、例えば1.4秒間だけ開放し、米飯Rを落下させた後に閉鎖する。
【0151】
次の盛付ステップS600では、
図17(c)及び
図18(c)に示すように、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を閉鎖したときから所定の時間、例えば0.3秒後に計量下シャッタ87により第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を所定の時間、例えば0.7秒間だけ開放して、第1~8の計量中枠筒74a~h内及び第1~8の計量下枠筒77a~h内の空間に貯留した所定の量の米飯Rを下方に位置する容器Cへと落下させて盛り付け、閉鎖する。
【0152】
第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を閉鎖した後、次にまた行う計量ステップS500においては、例え第1~8の筒内センサ53a~hの全てが米飯Rに接触している場合であったとしても、次に計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を開放するまでには、計量下シャッタ87により第1~8の計量下枠筒77a~hの下端を閉鎖したときから所定の時間、例えば0.3秒間だけ待機するよう制御している。
【0153】
このように、計量ステップS500での計量上シャッタ82による第1~8の計量上枠筒72a~hの下端の開放及び閉鎖の条件を定めることにより、第1~8の計量中枠筒74a~h内及び第1~8の計量下枠筒77a~h内の全てで、閉鎖した計量上シャッタ82と計量下シャッタ87との間の空間に、より確実に所定の量の米飯Rを貯留することができ、盛付ステップS600では、貯留した所定の量の米飯Rを、第1~8の計量下枠筒77a~hに対応する容器Cへとより確実に落下させて、盛り付けることができる。
【0154】
なお、万が一、
図16(a)に示す第1~8の貯留筒52a~hのうちのいずれかの貯留筒に米飯Rが長時間入らない場合、その貯留筒に配置した筒内センサが米飯Rに接触した状態とならず、計量上シャッタ82により第1~8の計量上枠筒72a~hの下端を開放することができない状態となり、米飯Rを容器Cへと盛り付けることができない。
【0155】
その場合は、第1~8の筒内センサ53a~hのいずれかに米飯Rが接触している場合であっても、所定の条件が満たされた場合に、米飯Rが接触している筒内センサに対応する振分筒の振分上シャッタ及び振分下シャッタを開放及び閉鎖する制御を行ってもよい。
【0156】
具体的に、例えば、
図12(a)(b)及び
図16(a)を用いて、第1の貯留筒52a内に所定の高さまで米飯Rが長時間、落下しなかった場合について記載する。
【0157】
まず、第1の筒内センサ53aに米飯Rが接触していない状態で、第1の貯留筒52aに対応する振分筒である第1の振分筒33aを、第1の振分下シャッタ43aが2回開放及び閉鎖した後に、いまだ第1の貯留筒52a及び第1の計量上枠筒72aに米飯Rが所定の高さとなるまで貯留されず、第1の筒内センサ53aに米飯Rが接触していない場合に、長時間第1の貯留筒52a及び第1の計量上枠筒72aには米飯Rが落下していないと制御手段201は判断する。
【0158】
そのように判断されたときには、より内側に隣接する流通路である第2の振分筒33bを開放及び閉鎖する、第1の振分上シャッタ41a、及び第2の振分下シャッタ43bを、上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放し、米飯Rを落下させた後に閉鎖する。
【0159】
これにより、第2の振分筒33b内で第2の振分下シャッタ43bの上に載置されていた米飯Rを第2の貯留筒52bへと落下させ、すでに米飯Rが所定の高さまで貯留されている第2の貯留筒52b及び第2の計量上枠筒72bの上方へと米飯Rをはみ出させる。そして、そのはみ出させた米飯Rに振分アーム61を接触させて、第1の貯留筒52a内へと落下させる。
【0160】
このように、隣接する貯留筒に米飯Rを落下させた後に振分アーム61を接触させることにより、第1~8の貯留筒52a~hの全てに米飯Rを均等に振り分けて貯留することができる。そして、盛付ステップS600では、貯留した所定の量の米飯Rを、第1~8の計量下枠筒77a~hに対応する容器Cへとより確実に落下させて、盛り付けることができる。
【0161】
当然のことながら、第2の貯留筒52b及び第2の計量上枠筒72bに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第3の振分筒33cを開放及び閉鎖する第2の振分上シャッタ41b、及び第3の振分下シャッタ43cを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。また、第3の貯留筒52c及び第3の計量上枠筒72cに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第4の振分筒33dを開放及び閉鎖する第2の振分上シャッタ41b、及び第4の振分下シャッタ43dを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。そして、第4の貯留筒52d及び第4の計量上枠筒72dに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第5の振分筒33eを開放及び閉鎖する第3の振分上シャッタ41c、及び第5の振分下シャッタ43eを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。
【0162】
さらに、第5の貯留筒52e及び第5の計量上枠筒72eに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第4の振分筒33dを開放及び閉鎖する第2の振分上シャッタ41b、及び第4の振分下シャッタ43dを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。また、第6の貯留筒52f及び第6の計量上枠筒72fに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第5の振分筒33eを開放及び閉鎖する第3の振分上シャッタ41c、及び第5の振分下シャッタ43eを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。そして、第7の貯留筒52g及び第7の計量上枠筒72gに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第6の振分筒33fを開放及び閉鎖する第3の振分上シャッタ41c、及び第6の振分下シャッタ43fを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。またそして、第8の貯留筒52h及び第8の計量上枠筒72hに所定の高さまで米飯Rが貯留されていない場合は、第7の振分筒33gを開放及び閉鎖する第4の振分上シャッタ41d、及び第7の振分下シャッタ43gを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖する。
【0163】
また、盛付装置1の構成や、投入ホッパ11の投入口12へと投入される米飯Rの状態によっては、より内側の振分筒の振分上シャッタ及び振分下シャッタを開放及び閉鎖するよりも、より外側の振分筒の振分上シャッタ及び振分下シャッタを開放及び閉鎖する方がよい場合もある。より内側の振分筒の振分上シャッタ及び振分下シャッタを開放及び閉鎖するか、より外側の振分筒の振分上シャッタ及び振分下シャッタを開放及び閉鎖するかは、盛付装置1の構成や、米飯Rの状態によって適宜決定するのが好ましい。
【0164】
なお、振分筒を開放及び閉鎖する振分上シャッタ、及び振分下シャッタを上述の開放及び閉鎖の条件に従って開放及び閉鎖したが、その条件に限定されるものではない。振分アーム61が水平方向に往復動するタイミングと連動させて、振分シャッタを開放しても良い。
【0165】
例えば、水平方向に往復動させる振分アーム61が、往路移動を開始する時、又は復路移動を開始する時に、振分下シャッタを開放し、米飯Rを落下させる。また、往路移動を開始する時、又は復路移動を開始する時から所定の時間経過した後に、振分下シャッタを開放してもよい。
【0166】
これにより、すでに米飯Rが所定の高さまで貯留されている貯留筒及び計量上枠筒の上方へと米飯Rをはみ出させ、そのはみ出させた米飯Rに振分アーム61を接触させて、所望する方向の隣接する貯留筒内へと落下させることができる。
【0167】
なお、理解のしやすさを優先して具体的な秒数により条件を記載したが、その条件に限定されるものではなく、本質的に発明を実施することができるのであれば他の条件により制御してもよい。
【0168】
(第1~8の計量中枠筒の交換について)
次に、計量中枠73を交換する方法について、説明する。
【0169】
本実施形態においては、すでに取付けられていた計量中枠73を一方の計量中枠73といい、あらかじめ用意した、例えば一方の計量中枠73の有する第1~8の計量中枠筒74a~hよりも高さの高い第1~8の計量中枠筒74a~hを有する計量中枠73を、他方の計量中枠73という。また、一方の計量中枠73の有する第1~8の計量中枠筒74a~hを一方の第1~8の計量中枠筒74a~hといい、他方の計量中枠73の有する第1~8の計量中枠筒74a~hを他方の第1~8の計量中枠筒74a~hという。
【0170】
また、一方の計量中枠73の上方と、他方の計量中枠73の上方とには、同様の形状の計量上枠71が締結部材により締結されている。
【0171】
まず、投入ステップS100等を行っておらず、盛付装置1内に米飯Rが残っていないことを確認し、制御手段201により盛付動作を停止させた後に、図示しないフレームから
図2に示す貯留ホッパ部50を取り外す。そして、
図10(b)に示す一方の計量中枠73の、右昇降棒115の上端部により下方から支持する計量中枠翼右端部75aと、左昇降棒125の上端部により下方から支持する計量中枠翼左端部75bとを、それぞれ作業員の手により持ち上げ、盛付装置1から一方の計量中枠73を取り外す。
【0172】
計量上枠71は計量中枠73の上方に締結部材により接続されているため、計量上枠71も同時に取り外される。また、一対の計量上シャッタ82は、計量上シャッタレール81から抜き出して取り外す。
【0173】
そして、ハンドル102を時計回りに回転させると、共通軸101が軸心を中心として回転し、右高さ調整部110の第1のスプロケット111、チェーン114、第2のスプロケット113へと回転を伝え、右従動軸112を介して右昇降棒115が上昇する。また、それとともに、左高さ調整部120の第3のスプロケット121が回転し、チェーン124、第4のスプロケット123へと回転を伝え、左従動軸122を介して左昇降棒125が上昇する。
【0174】
右昇降棒115及び左昇降棒125を上昇させる高さは、この後に取付ける、他方の計量中枠73の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さにより決定する。他方の計量中枠73の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さは、一方の計量中枠73の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さよりも高くなっているため、その差分だけ右昇降棒115及び左昇降棒125を上昇させる。
【0175】
図11(b)に示すように、一方と他方の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さの差分だけ右昇降棒115及び左昇降棒125を上昇させた後に、他方の計量中枠73の、計量中枠翼右端部75a及び計量中枠翼左端部75bを作業員の手により持ち上げて、それぞれ右昇降棒115の上端部と左昇降棒125の上端部とに載置して取付ける。
【0176】
そのようにして他方の計量中枠73を取付けた後には、抜き出して取り外しておいた一対の計量上シャッタ82を、計量上シャッタレール81へと挿入して取付ける。そして、図示しないフレームに
図2に示す貯留ホッパ部50を取付ける。
【0177】
これにより、盛付装置1の一部の構成を交換するだけで、計量ステップS500で
図17(b)及び
図18(b)に示す第1~8の計量中枠筒74a~h内及び第1~8の計量下枠筒77a~h内で、閉鎖した計量上シャッタ82と計量下シャッタ87との間の空間に貯留する米飯Rの所定の量を増やすことができる。そして、盛付ステップS600で搬送手段131により間欠搬送する容器Cへと落下させて盛り付ける米飯Rの量を、増やすことができる。
【0178】
(実施形態2)
以下に、実施形態2の基本的な構成を説明する。なお、実施形態1と同様の構成である部分については、記載を省略若しくは簡易なものとする。
【0179】
(振分部)
図19(a)~(d)に示すように、実施形態2は、実施形態1の振分部60を異なる構成である振分部260とし、
第1~8の貯留筒52a~hの上方を水平方向に移動し、第1~4のガイド棒54a~dに接触しないよう下方に向けて二股の形状とした部分である振分バー261aを有する振分アーム261と、
振分アーム261を、第1~8の貯留筒52a~hの上方となる範囲で水平方向に往復動させる振分アーム駆動手段262と、
振分アーム駆動手段262に設け、振分アーム261を上下方向に昇降することで、振分アーム261の振分バー261aを第1及び第8の貯留筒52a,52h内で昇降させる振分アーム昇降手段263と、
により構成する。
【0180】
また、
図20(a)に示すように、振分アーム261には振分バー261aの下端付近に振分板261bを取り付けている。
【0181】
図20(b)に示すように、振分板261bの上面視での形状は、第1~8の貯留筒52a~hの開口の形状に可能な限り近い形状としつつ、第1~8の貯留筒52a~hに挿入できる程度の大きさとしている。また、振分板261bは、第1~8の貯留筒52a~hの上方を水平方向に往復動する際に第1~4のガイド棒54a~dに接触しないよう二分割とし、第1~8の筒内センサ53a~hに接触しないよう一部を切り欠いている。
【0182】
また、
図20(a)に示すように、振分バー261aの下端は、第1~8の貯留筒52a~hの上方の開口端よりも略20~30mm高い位置に位置する構成としている。振分板261bは、第1~4のガイド棒54a~dの上端から所定の高さH1、例えば約5~10mmの高さだけ下がった位置となるよう取り付けている。
【0183】
(貯留ステップ)
次に、実施形態2の貯留ステップS1400について説明する。
【0184】
貯留ステップS1400の前には、実施形態1と同様に、投入ステップS100、ほぐしステップS200、及び振分ステップS300が順に行われる。
【0185】
振分ステップS300では、
図21(a)に示すように、第1~8の振分筒33a~hから貯留ホッパ51へと落下させた米飯Rは、第1~8の貯留筒52a~hにより水平方向に8つに振り分けられる。このとき、第2~7の貯留筒52b~gの上方へ米飯Rがはみ出すとともに、第1及び第8の貯留筒52a,52hには米飯Rが貯留されていないという場合がある。なお、
図21(a)(b)は見やすさを考慮して、第1~8の筒内センサ53a~hの記載を省略している。
【0186】
貯留ステップS1400では、その上方へはみ出した米飯Rを、第1~8の貯留筒52a~hの上方となる範囲で水平方向に往復動する振分アーム261の、二股となった部分である振分バー261a及び振分板261bに接触させて押して運び、米飯Rの貯留されていない第1及び第8の貯留筒52a,52hへと落下させて、貯留させることができる。
【0187】
具体的には例えば、
図21(b)に示すように、振分アーム261が第8の貯留筒52hの上方から、第1の貯留筒52aの上方へと水平方向に移動するとき、第2~7の貯留筒52b~gの上方へはみ出した米飯Rは振分バー261a及び振分板261bにより押され、第1の貯留筒52aへと運ばれる。
【0188】
そして、振分バー261a及び振分板261bにより押されて第1の貯留筒52aへと運ばれた米飯Rの一部は、第1の貯留筒52a内へと落下し貯留されるが、米飯Rの他の一部は、第1の貯留筒52aの開口付近に塊となり落下せず滞留することがある。
【0189】
ここで、第1の貯留筒52aの上方に位置する振分バー261a及び振分板261bは、振分アーム昇降手段263により下降して第1の貯留筒52a内へと挿入される。そして、所定の高さ、例えば振分板261bが第1の貯留筒52a内へと、上方の開口端から略10mm挿入される高さまで到達した後に上昇して、抜き出される。なお、この挿入される高さは、適宜決定してもよい。
【0190】
これにより、第1の貯留筒52aの上方の開口付近に塊となり落下せず滞留した米飯Rを、第1の貯留筒52a内へと落下させて貯留させることができる。
【0191】
また、第1の貯留筒52aの上方に位置した振分アーム261の振分板261bの上には、米飯Rが載置された状態となることもある。このように振分板261bの上に載置された状態の米飯Rは、振分アーム昇降手段263により振分バー261a及び振分板261bが下降し上昇することで、振分板261bの上に載置した米飯Rを構成する飯粒同士の上下方向の間隔を狭め、二分割となっている振分板261bを橋渡しするような安定した形態に崩される。
【0192】
そして、振分アーム261が第1の貯留筒52aの上方から第8の貯留筒の上方52hへと、水平方向に移動したときに、二分割となっている振分板261bを橋渡しする形態に安定した米飯Rを、振分板261bよりも所定の高さH1だけ上端が高くなるよう位置させた第1のガイド棒54aに接触させて、第1の貯留筒52aへと落下させることができる。
【0193】
このように、第2~7の貯留筒52b~gの上方へはみ出した米飯Rは、振分バー261a及び振分板261bと、第1のガイド棒54aとにより、第1の貯留筒52a内へと押して運び、落下させて貯留させることができる。
【0194】
なお、振分板261bと第1~4のガイド棒54a~dの上端からの高さである所定の高さH1を具体的な数値にて例示したが、米飯Rの種類や状態、水分量に応じて適宜変更してもよい。
【0195】
また、貯留ステップS1400では、この
図21(a)に示すように、第1~8の振分筒33a~hから貯留ホッパ51へと落下させた米飯Rは、第1~8の貯留筒52a~hにより水平方向に8つに振り分けられ、このときに第2~7の貯留筒52b~gの上方へ米飯Rがはみ出すとともに、第8の貯留筒52hには米飯Rが貯留されていないという場合もある。
【0196】
その場合にも、第1の貯留筒52aの上方から第8の貯留筒52hへと水平方向に移動する振分バー261a及び振分板261bにより、第2~7の貯留筒52b~gの上方へはみ出した米飯Rを第8の貯留筒52hへと押して運び、落下させて貯留させることができる。
【0197】
また、振分アーム昇降手段263により振分アーム261を下降し、昇降させて、振分バー261a及び振分板261bを第8の貯留筒52h内へと挿入し、抜き出して、第8の貯留筒52hの開口付近に塊となって滞留した米飯Rを、第8の貯留筒52h内へと落下させて貯留させることができる。
【0198】
またさらに、振分アーム261が第8の貯留筒52hの上方から第1の貯留筒52aの上方へと水平方向に移動することで、振分板261bの上に載置された状態の米飯Rを第4のガイド棒54dに接触させ、第8の貯留筒52h内へと落下させて、貯留させることができる。
【0199】
これらにより、第1及び第8の貯留筒52a,52hに米飯Rが貯留されておらず、第2~7の貯留筒52b~gに貯留した米飯Rが上方へとはみ出している場合に、第1及び第8の貯留筒52a,52hに米飯Rを落下させて貯留することができる。
【0200】
そして、貯留ステップS1400を終えた後に、後工程である計量ステップS500及び盛付ステップS600を行うことにより、所定の量の米飯Rを複数に安定して分けて、複数の容器Cへと盛り付けることができる。
【0201】
なお、振分バー261a及び振分板261bは、第1の貯留筒52a及び第8の貯留筒52h以外にも、第2~7の貯留筒52b~gのいずれかの内部へと挿入し、抜き出して、第2~7の貯留筒52b~gの開口付近に塊となって滞留した米飯Rを、他の貯留筒内へと落下させて貯留させるようにしてもよい。これにより、より柔軟に所定の量の米飯Rを安定して分けて、複数の容器Cへと盛り付けることができる。
【0202】
なお、他方の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さは、一方の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さよりも低くともよい。その場合は、一方の計量中枠73を取り外した後、ハンドル102を反時計回りに回転させ、他方の計量中枠73の、計量中枠翼右端部75a及び計量中枠翼左端部75bをそれぞれ、一方と他方の計量中枠73の第1~8の計量中枠筒74a~hの高さの差分だけ下降させた右昇降棒115の上端部及び左昇降棒125の上端部とに載置して取付ける。そして、図示しないフレームに
図2に示す貯留ホッパ部50を取付ける。
【0203】
これにより、盛付ステップS600で搬送手段131により間欠搬送する容器Cへと落下させて盛り付ける米飯Rの量を減らし、その減らした所定の量の米飯Rを8個の容器Cへと落下させて盛り付けることができる。
【0204】
なお、実施形態1,2では計量上枠71の下方に計量中枠73を締結部材により接続し、計量上シャッタレール81を、計量上枠71と計量中枠73との間に上下方向で挟み込むように取付けるよう記載したが、計量上シャッタレール81を計量上枠71の下部に固定し、計量上枠71と計量中枠73とを分離可能に構成してもよい。
【0205】
なお、第1~8の計量中枠筒74a~hの交換に際し、交換後の第1~8の計量中枠筒74a~hの形状に合わせた第1~8の計量下枠筒77a~hを有する計量下枠76へと交換してもよい。また、その他部材も、より適切に盛付方法を行うことができるよう交換することも可能である。
【0206】
なお、第1~8の流通路90a~hのうち、
図7(d)に示す第1~8の貯留筒52a~hのそれぞれの貯留筒の少なくとも左右方向の幅を、
図3(d)に示す第1~8の振分筒33a~hのそれぞれの振分筒の幅よりも大きくしてもよい。これにより、第1~8の振分筒33a~hから落下させる米飯Rを、より確実に第1~8の貯留筒52a~h内へと落下させることができる。
【0207】
なお、実施形態1,2では盛付ステップS600で一度に米飯Rを盛り付ける容器Cの数を8個としたが、8個には限らない。一度に米飯Rを盛り付ける容器Cを8個以外の数とする場合は、振分ホッパ部30の第1~8の振分筒33a~hの数を変更したものと、振分シャッタ部40の第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hの数を変更後の振分筒の数に合わせて対応させたものと、貯留ホッパ部50の第1~8の貯留筒52a~hの数、及び第1~8の筒内センサ53a~hの数を変更後の振分筒の数に合わせて対応させたものと、計量ホッパ部70の第1~8の計量上枠筒72a~h、第1~8の計量中枠筒74a~h、及び第1~8の計量下枠筒77a~hの数を変更後の振分筒の数に合わせて対応させたものと、を盛付装置1に取付けることにより行うことができる。
【0208】
なお、振分ホッパ部30と計量ホッパ部70とで複数の流通路の数を異なるように構成してもよい。例えば、盛り付ける容器Cの数を8個としているが、これを4個にすることが可能である。
【0209】
この場合、振分ホッパ部30は、ここまで実施形態1,2で説明した通りである。複数の流通路の数は、第1~8の振分筒33a~hとして8個としている。振分シャッタ部40は、第1~4の振分上シャッタ41a~d及び第1~8の振分下シャッタ43a~hとしている。
【0210】
振分ホッパ部30より下流側となる貯留ホッパ部50の複数の流通路の数は、第1~4の貯留筒52a~dとして4個としている。さらに、計量ホッパ部70の複数の流通路の数は、第1~4の貯留筒52a~dと対応して、第1~4の計量上枠筒72a~d、第1~4の計量中枠筒74a~d及び第1~4の計量下枠筒77a~dとして4個としている。
【0211】
このようにすることで、第1の貯留筒52a、第1の計量上枠筒72a、第1の計量中枠筒74a及び第1の計量下枠筒77aと対応する振分筒は、第1~2の振分筒33a~bとなる。また、第2の貯留筒52b、第2の計量上枠筒72b、第2の計量中枠筒74b及び第2の計量下枠筒77bと対応する振分筒は、第3~4の振分筒33c~dとなる。また、第3の貯留筒52c、第3の計量上枠筒72c、第3の計量中枠筒74c及び第3の計量下枠筒77cと対応する振分筒は、第5~6の振分筒33e~fとなる。また、第4の貯留筒52d、第4の計量上枠筒72d、第4の計量中枠筒74d及び第4の計量下枠筒77dと対応する振分筒は、第7~8の振分筒33g~hとなる。
【0212】
このように構成した場合、制御手段201による振分シャッタ部40の制御が少し変わる。第1~8の振分下シャッタ43a~hは、複数の振分筒に対してそれぞれ個別に対応した制御を行うのではなく、例えば、第1の貯留筒52aに対応する第1~2の振分下シャッタ43a~bを同期させて制御を行う。同様に第3~4の振分下シャッタ43c~d、第5~6の振分下シャッタ43e~f及び第7~8の振分下シャッタ43g~hもそれぞれ制御を行う。
【0213】
また、盛り付ける容器Cの数を4個にすることを説明したが2個あるいは5個等にすることも可能である。
【0214】
これにより、盛り付ける容器Cの数を変更する際、振分ホッパ部30は交換せずに、搬送手段131により搬送され盛り付けを行う容器Cの数に合わせた流通路で構成される貯留ホッパ部50と計量ホッパ部70を交換し、制御手段201による制御を変更することにより、それぞれの流通路の米飯Rの貯留量のバラツキを抑制することができる。
【0215】
なお、本願発明は、実施形態や変形例に記載した内容を適宜組み合わせることができるものである。
【符号の説明】
【0216】
1 盛付装置
10 投入ホッパ部
11 投入ホッパ
12 投入口
20 ほぐしホッパ部
21 ほぐしホッパ
22 ほぐし羽根
30 振分ホッパ部
31 振分ホッパ
32a~g 第1~7の振分壁(振分壁)
33a~h 第1~8の振分筒(振分筒)
34a~d 第1~4の振分上シャッタ開口(振分シャッタ開口)
35a~h 第1~8の振分下シャッタ開口(振分シャッタ開口)
36 振分センサ
40 振分シャッタ部
41a~d 第1~4の振分上シャッタ(振分シャッタ)
42a~d 第1~4の振分上シャッタ駆動手段(振分シャッタ駆動手段)
43a~h 第1~8の振分下シャッタ(振分シャッタ)
44a~h 第1~8の振分下シャッタ駆動手段(振分シャッタ駆動手段)
50 貯留ホッパ部
51 貯留ホッパ
52a~h 第1~8の貯留筒(貯留筒)
53a~h 第1~8の筒内センサ(筒内センサ)
54a~d 第1~4のガイド棒(ガイド棒)
60 振分部
61 振分アーム
62 振分アーム駆動手段
70 計量ホッパ部
71 計量上枠
72a~h 第1~8の計量上枠筒(計量上枠筒)
73 計量中枠
74a~h 第1~8の計量中枠筒(計量中枠筒)
75 計量中枠翼
75a 計量中枠翼右端部
75b 計量中枠翼左端部
76 計量下枠
77a~h 第1~8の計量下枠筒(計量下枠筒)
78 計量下枠翼
78a 計量下枠翼右端部
78b 計量下枠翼左端部
80 計量シャッタ部
81 計量上シャッタレール(シャッタレール)
82 計量上シャッタ(計量シャッタ)
83 計量上シャッタ駆動手段(計量シャッタ駆動手段)
86 計量下シャッタレール(シャッタレール)
87 計量下シャッタ(計量シャッタ)
88 計量下シャッタ駆動手段(計量シャッタ駆動手段)
90a~h 第1~8の流通路(流通路)
100 高さ調整部
101 共通軸
102 ハンドル
110 右高さ調整部
111 第1のスプロケット
112 右従動軸
113 第2のスプロケット
114 チェーン
115 右昇降棒
120 左高さ調整部
121 第3のスプロケット
122 左従動軸
123 第4のスプロケット
124 チェーン
125 左昇降棒
130 搬送部
131 搬送手段
200 制御部
201 制御手段
202 表示手段
260 振分部
261 振分アーム
261a 振分バー
261b 振分板
262 振分アーム駆動手段
263 振分アーム昇降手段
C 容器
H1 所定の高さ
R 米飯
S100 投入ステップ
S200 ほぐしステップ
S300 振分ステップ
S400 貯留ステップ
S500 計量ステップ
S600 盛付ステップ
S1400 貯留ステップ