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特開2024-139683スライドレール組立体及びスライドレール
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  • 特開-スライドレール組立体及びスライドレール 図1
  • 特開-スライドレール組立体及びスライドレール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139683
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】スライドレール組立体及びスライドレール
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/487 20170101AFI20241002BHJP
【FI】
A47B88/487
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000077
(22)【出願日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】112111853
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】葉 至欣
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB32
3B160EA03
3B160EA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造強度を向上させることができるスライドレール組立体及びそのスライドレールを提供する。
【解決手段】スライドレール組立体20は、少なくとも2つのスライドレールを含む。2つのスライドレールのうちの1つは、一対の壁28a,28bと、一対の壁の間に接続された中間壁30とを含む。スライドレールの中間壁は、中間壁に対して曲げられた所定部分52,74が配置され、所定部分にはボール溝40,60が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1壁と、第2壁と、前記第1壁と前記第2壁との間に接続されている第1中間壁とを含む第1レールと、
前記第1壁と、前記第2壁と、前記第1中間壁とによって画定される通路と、
前記第1レールの前記通路に配置されているスライド補助装置であり、第1転動部材を含むスライド補助装置と、
前記第1レールに対して移動可能である第2レールであり、第3壁と、第4壁と、前記第3壁と前記第4壁との間に接続されている第2中間壁とを含む第2レールとを備え、
前記第1レールの前記第1中間壁は、前記第1中間壁に対して曲げられた第1所定部分を伴って配置され、前記第1所定部分は、第1ボール溝を伴って形成され、
前記第2レールはさらに、第1延長壁を含み、前記第1延長壁は、第1延長区間と、第2延長区間と、前記第1延長区間と前記第2延長区間との間に接続されている第1中間区間とを含み、前記第1延長区間は、前記第2レールの前記第3壁から延び、前記第1中間区間は、第2ボール溝を伴って形成され、
前記第1転動部材は、前記第1ボール溝と前記第2ボール溝との間に位置する、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記第1レールの前記第1壁は、第1支持区間と、前記第1支持区間に対して曲げられた第2支持区間とを含み、
前記第2支持区間は、前記第2レールの前記第2延長区間を保持するように構成されている、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
前記第1レールの前記第1中間壁は、互いに反対側の第1表面と第2表面とを有し、
前記第1所定部分は、実質的に円弧状であり、第1肩区間と、第2肩区間と、前記第1所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間との間に位置する谷区間とを含み、
前記第1所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間とは、前記第1中間壁の前記第1表面に対して突出する、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
前記第1表面は、前記第2表面よりも前記第2レールに近接する、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記スライド補助装置はさらに、第2転動部材を含み、前記第1レールの前記第1中間壁は、前記第1中間壁に対して曲げられた第2所定部分を伴って配置され、前記第2所定部分は、第3ボール溝を伴って形成され、
前記第2レールはさらに、第2延長壁を含み、前記第2延長壁は、第3延長区間と、第4延長区間と、前記第3延長区間と前記第4延長区間との間に接続されている第2中間区間とを含み、
前記第3延長区間は、前記第2レールの前記第4壁から延び、前記第2中間区間は、第4ボール溝を伴って形成され、前記第2転動部材は、前記第3ボール溝と前記第4ボール溝との間に位置する、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
前記第1レールの前記第2壁は、第3支持区間と、前記第3支持区間に対して曲げられた第4支持区間とを含み、前記第4支持区間は、前記第2レールの前記第4延長区間を保持するように構成されている、請求項5記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記第2所定部分は、実質的に円弧状であり、第1肩区間と、第2肩区間と、前記第2所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間との間に位置する谷区間とを含み、
前記第2所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間とは、前記第1中間壁の前記第1表面に対して突出する、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
第1壁と、
第2壁と、
前記第1壁と前記第2壁との間に接続されている中間壁とを備え、
スライドレールの前記中間壁は、前記中間壁に対して曲げられた第1所定部分を伴って配置され、前記第1所定部分は、ボール溝を伴って形成されている、スライドレール。
【請求項9】
第1のスライドレールの第1の前記中間壁は、互いに反対側の第1表面と第2表面とを有し、
前記第1所定部分は、第1肩区間と、第2肩区間と、前記第1所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間との間に位置する谷区間とを含み、前記第1所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間とは、前記中間壁の前記第1表面に対して突出する、請求項8記載のスライドレール。
【請求項10】
スライドレールの前記中間壁はさらに、前記中間壁に対して曲げられた第2所定部分を伴って配置され、前記第2所定部分は、ボール溝を伴って形成され、
前記第2所定部分は、第1肩区間と、第2肩区間と、前記第2所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間との間に位置する谷区間とを含み、前記第2所定部分の前記第1肩区間と前記第2肩区間とは、前記中間壁の前記第1表面に対して突出する、請求項9記載のスライドレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドレール機構に関し、さらに詳細には、構造強度を向上させることができるスライドレール組立体及びそのスライドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許9894993B2号は、第1レール、第2レール、及び第3レールを含み、支持能力が強化された3部構成のスライドレール組立体を開示している。第1レールは、第1長手方向本体の両側から一対の第1アームで延びた第1長手方向本体を有する。第1の通路は、一対の第1アームと第1長手方向本体とによって定義される。各第1アームは、第1通路に配置されている第1ボールレースウェイを有する。第2レールは、第1レールの第1通路に対して移動可能である。第2レールは、第2長手方向本体を有する。一対の第2アームが、第2長手方向本体に伴い、第2長手方向本体の両側から延びる。第2通路は、一対の第2アームと第2長手方向本体とによって定義される。各第2アームは、第1アーム区間と第2アーム区間とを有する。第1アーム区間は、第2内側ボールレースウェイを有し、第2アーム区間は、第2外側ボールレースウェイを有する。第3レールは、第2レールの第2通路に対して移動可能である。第3レールは、第3長手方向本体を有する。一対の長手方向支持構造が、第3長手方向本体の両側から延びる。各支持構造は、第1支持アームと第2支持アームとを含む。第1支持アームと第2支持アームとの一方は、第2レールの第2内側ボールレースウェイを向く第3ボールレースウェイを有する。
【発明の概要】
【0003】
しかし、市場の多様な要求に応えるためには、多様な製品を開発することが重要である。
【0004】
本発明は、構造強度を向上させることができるスライドレール組立体及びそのスライドレールに関する。
【0005】
本発明の一実施形態によれば、スライドレール組立体は、第1壁と、第2壁と、第1壁と第2壁との間に接続されている第1中間壁とを含む第1レールと;第1壁と、第2壁と、第1中間壁とによって画定される通路と;第1レールの通路に配置されているスライド補助装置であり、第1転動部材を含むスライド補助装置と;第1レールに対して移動可能である第2レールであり、第3壁と、第4壁と、第3壁と第4壁との間に接続されている第2中間壁とを含む第2レールとを備え;第1レールの第1中間壁は、第1中間壁に対して曲げられた第1所定部分を伴って配置され、第1所定部分は、第1ボール溝を伴って形成され;第2レールはさらに、第1延長壁を含み、第1延長壁は、第1延長区間と、第2延長区間と、第1延長区間と第2延長区間との間に接続されている第1中間区間とを含み、第1延長区間は、第2レールの第3壁から延び、第1中間区間は、第2ボール溝を伴って形成され;第1転動部材は、第1ボール溝と第2ボール溝との間に位置する。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールは、第1壁と;第2壁と;第1壁と第2壁との間に接続されている中間壁とを備え;スライドレールの中間壁は、中間壁に対して曲げられた第1所定部分を伴って配置され、第1所定部分は、ボール溝を伴って形成されている。
【0007】
さまざまな図及び図面に示された好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読めば、本発明のこれらの目的及び他の目的は、当業者には疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るスライドレール組立体を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係り、スライドレール組立体20は、第1レール22と、スライド補助装置24と、第2レール26とを備えている。例えば、第1レール22は外側レールであり、第2レール26は内側レールである。
【0010】
第1レール22は、第1壁28aと、第2壁28bと、第1壁28aと第2壁28bとの間に接続されている第1中間壁30とを含む。通路32が、第1壁28aと、第2壁28bと、第1中間壁30とによって画定される。
【0011】
スライド補助装置24は、第1レール22の通路32に配置されている。スライド補助装置24は、第1転動部材34を含む。本実施形態で、第1転動部材34はボールであるが、本発明はこれに限定されない。好ましくは、スライド補助装置24はさらに、第1転動部材34を取り付けるように構成されている保持器35を含む。
【0012】
第2レール26は、第1レール22に対して移動可能であり、第2レール26は、第3壁36aと、第4壁36bと、第3壁36aと第4壁36bとの間に接続されている第2中間壁38とを含む。
【0013】
第1レール22の第1中間壁30は、第1中間壁30に対して曲げられた第1所定部分52を伴って配置されている。例えば、第1所定部分52は、実質的に円弧状に配置されている。第1所定部分52は、第1ボール溝40を有し、第2レール26はさらに、第1延長壁42を含む。第1延長壁42は、第1延長区間44と、第2延長区間46と、第1延長区間44と第2延長区間46との間に接続されている第1中間区間48とを含む。第1延長区間44は、第2レール26の第3壁36aから延び、第1中間区間48は、第2ボール溝50を含む。第1転動部材34は、第1ボール溝40と第2ボール溝50との間に位置する。
【0014】
第1所定部分52は、第1レール22の第1壁28aに隣接する。第2レール26の第1中間区間48は、円弧輪郭を有する。本実施形態で、第1転動部材34は、第1ボール溝40と第1中間区間48の円弧輪郭との間で接触する。
【0015】
好ましくは、第1レール22の第1壁28aは、第1支持区間K1と、第1支持区間K1に対して曲げられた第2支持区間K2とを含む。第2支持区間K2は、第2レール26が第1レール22の通路32から外れることを防止するために、第2レール26の第2延長区間46を保持するように構成されている。
【0016】
好ましくは、第1レール22の第1中間壁30は、第1表面S1と、第1表面S1から反対側の第2表面S2とを有する。第1表面S1は、第2レール26に面する姿勢であり、言い換えれば、第1表面S1は、第2表面S2とは対照的に(第2表面S2よりも)、第2レール26に近接する。第1所定部分52は、第1肩区間54aと、第2肩区間54bと、第1肩区間54aと第2肩区間54bとの間に位置する谷区間56とを含む。肩区間54a,54bは、第1中間壁30の第1表面S1に対して突出又は隆起し、これにより、第1レール22(第1レール22の第1中間壁30)の構造強度を高め、第1ボール溝40と第2ボール溝50との間に位置する第1転動部材34の安定性をさらに向上させる。
【0017】
好ましくは、スライド補助装置24はさらに、第2転動部材58を含む。本実施形態で、第2転動部材58はボールであるが、本発明はこれに限定されない。好ましくは、保持器35は、第2転動部材58を取り付けるように構成されている。第1レール22の第1中間壁30はさらに、第1中間壁30に対して曲げられた第2所定部分74を伴って配置されている。例えば、第2所定部分74は、実質的に円弧状に配置されている。第2所定部分74は、第3ボール溝60を有し、第2レール26はさらに、第2延長壁62を含む。第2延長壁62は、第3延長区間64と、第4延長区間66と、第3延長区間64と第4延長区間66との間に接続されている第2中間区間68とを含む。第3延長区間64は、第2レール26の第4壁36bから延びる。第2中間区間68は、第4ボール溝70を含む。第2転動部材58は、第3ボール溝60と第4ボール溝70との間に位置する。
【0018】
好ましくは、第2所定部分74は、第1レール22の第2壁28bに隣接する。第2レール26の第2中間区間68は、円弧輪郭を有する。本実施形態で、第2転動部材58は、第3ボール溝60と第2中間区間68の円弧輪郭との間で接触する。
【0019】
好ましくは、第1レール22の第2壁28bは、第3支持区間K3と、第3支持区間K3に対して曲げられた第4支持区間K4とを含む。第4支持区間K4は、第2レール26が第1レール22の通路32から外れることを防止するために、第2レール26の第4延長区間66を保持するように構成されている。
【0020】
好ましくは、第2所定部分74は、第1肩区間76aと、第2肩区間76bと、第1肩区間76aと第2肩区間76bとの間に位置する谷区間78とを含む。肩区間76a,76bは、第1中間壁30の第1表面S1に対して突出又は隆起し、これにより、第1レール22(第1レール22の第1中間壁30)の構造強度を高め、第3ボール溝60と第4ボール溝70との間に位置する第2転動部材58の安定性をさらに向上させる。
【0021】
さらに第2レール26は、通常、載せる物品(図示せず)を載せるように構成されているので、載せる物品は重力を受ける。第1レール22の第1所定部分52は、第1中間壁30に対して曲げられて補強効果を有し、第1レール22(又はスライドレール組立体20)全体の構造強度又は支持強度を向上させる。即ち、第1所定部分52の第1肩区間54aと第2肩区間54bとは、第1中間壁30の第1表面S1に対して突出又は隆起する。これにより、第1レール22(第1レール22の第1中間壁30)の構造強度を高め、第1ボール溝40と第2ボール溝50との間に位置する第1転動部材34の安定性をさらに向上させる。
【0022】
同様に、第1レール22の第2所定部分74は、第1中間壁30に対して曲げられて補強効果を有し、第1レール22(又はスライドレール組立体20)全体の構造強度又は支持強度を向上させる。即ち、第2所定部分74の第1肩区間76aと第2肩区間76bとは、第1中間壁30の第1表面S1に対して突出又は隆起して、補強リブとして使用される。これにより、第1レール22(第1レール22の第1中間壁30)の構造強度を高め、第3ボール溝60と第4ボール溝70との間に位置する第2転動部材58の安定性をさらに向上させる。
【0023】
さらに本発明の実施形態は、第1レール22のようなスライドレールを提供する。第1レール22は、前述の構造構成を有する。図2に示す第1レール22の構造構成及び関連する説明を、参照するものとする。簡略化のため、これ以上の図示はしない。
【0024】
従って、本発明の実施形態によって提供されるスライドレール組立体20と、そのスライドレール(第1レール22など)とは、前述の技術的特徴によって、一層優れた構造強度又は支持強度を有することができる。
【0025】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び変更が可能であることを、当業者であれば容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。
図1
図2