(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024139701
(43)【公開日】2024-10-09
(54)【発明の名称】複数のあり得る状況から知覚された状況を判定することに基づく運転者支援システムおよびその運転者支援システムを含む車両
(51)【国際特許分類】
B60W 30/08 20120101AFI20241002BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20241002BHJP
B60W 30/14 20060101ALI20241002BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20241002BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20241002BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20241002BHJP
【FI】
B60W30/08
B60W30/10
B60W30/14
B60W40/02
G08G1/16 C
B60W50/14
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024025328
(22)【出願日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】18/190,932
(32)【優先日】2023-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503113186
【氏名又は名称】ホンダ リサーチ インスティテュート ヨーロッパ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Honda Research Institute Europe GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プファル,ティム
(72)【発明者】
【氏名】プロプスト,マルテ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンツェル,ラファエル
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA11
3D241BA31
3D241BA60
3D241BA65
3D241BB16
3D241BB31
3D241CD10
3D241DC57Z
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF25
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5H181FF33
5H181LL01
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】改良された支援システムを提供すること。
【解決手段】コンピュータ実装方法は、少なくとも1つの他エージェントを含む、自エージェントの環境を感知することを含む。方法は、感知された環境に基づいて少なくとも1つの他エージェントのあり得る挙動を予測し、少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について自エージェントの軌跡を計画して、計画された軌跡のセットを生成する。方法は続いて、自エージェントの実際の軌跡を判定し、自エージェントの判定された実際の軌跡を自エージェントの計画された軌跡の各々と比較し、自エージェントの実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を判定する。その後、予測されるあり得る挙動のうち、最も大きい類似度を有する計画された軌跡に対応する特定の予測されるあり得る挙動に基づいて、自エージェントによって知覚される知覚された状況が判定される。方法は、判定された知覚された状況に基づいて支援システム内で行動を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定するための支援システムにおけるコンピュータ実装方法であって、
少なくとも1つの他エージェントを含む、前記自エージェントの環境を感知するステップと、
前記感知された環境に基づいて前記少なくとも1つの他エージェントのあり得る挙動を予測するステップと、
前記少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について前記自エージェントの軌跡を計画して、計画された軌跡のセットを生成するステップと、
前記自エージェントの実際の軌跡を判定するステップと、
前記自エージェントの前記判定された実際の軌跡を前記自エージェントの複数の前記計画された軌跡と比較し、前記自エージェントの前記実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を判定するステップと、
前記予測されるあり得る挙動のうち、前記最も大きい類似度を有する前記計画された軌跡に対応する、特定の予測されるあり得る挙動に基づいて、前記自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定するステップと、
前記判定された知覚された状況に基づいて前記支援システム内で行動を実行するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記軌跡を計画する前記ステップにおいて、前記方法が、
前記自エージェントの挙動と、前記少なくとも1つの他エージェントの前記挙動の各々との組合せごとに、前記自エージェントの前記軌跡を計画するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実際の軌跡との前記最も高い類似度を有する前記計画された軌跡に対応する、前記軌跡を計画する前記ステップで使用されるリスク値が、知覚リスク値である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記軌跡を計画する前記ステップにおいて、前記方法が、
経路予測モジュールにより、運動学的拡張のプロセスに基づいて前記軌跡を計画するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの他エージェントの前記あり得る挙動を予測する前記ステップにおいて、前記方法が、
前記支援システムの予測モデルにより、前記感知された環境に基づいて前記少なくとも1つの他エージェントの知覚された挙動を近似することにより、前記軌跡を予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記自エージェントの前記軌跡を計画する前記ステップにおいて、前記方法が、
前記支援システムの計画モデルにより、前記少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について、前記自エージェントの最適な計画を決定するために計画を行うステップを含み、
前記最適な計画は、安全な計画、効率的な計画、および快適な計画という基準の少なくとも1つに関して最適化され、
前記方法がさらに、
前記決定された最適な計画に基づいて前記自エージェントの前記軌跡を計画するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記支援システムが、車線変更アシスタント、クルーズコントロールシステム、交差点アシスタントの少なくとも1つを含む道路交通運転支援システムである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、
前記知覚された状況に基づいて知覚リスク値を決定するステップと、
前記少なくとも1つの他エージェントの前記知覚された挙動と前記少なくとも1つの他エージェントの実際の挙動との間の差に基づいて、前記自エージェントのリスク知覚エラーを決定するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、
前記決定されたリスク知覚エラーを警告するように構成された警告信号を生成するかどうかを決定し、前記生成された警告信号を前記支援システムに出力するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、
前記知覚されたリスクと実際のリスクとの間の差が閾値を超える場合、前記警告信号を生成して出力することを決定する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、
前記リスク知覚エラーの報知を含む前記警告信号を、前記自エージェントの操作者に出力する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記リスク知覚エラーが、軌跡予測エラー、動態推定エラー、および存在物知覚エラーの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
デジタル処理装置に請求項1に記載の動作を行わせる、前記デジタル処理装置によって実行可能な機械可読命令のプログラムを組み込んでいる非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
支援システムにおいて自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定するためのシステムであって、
少なくとも1つの他エージェントを含む、前記自エージェントの環境を感知するように構成されたセンサと、
プロセッサであって、
前記感知された環境に基づいて前記少なくとも1つの他エージェントのあり得る挙動を予測することと、
前記少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について前記自エージェントの軌跡を計画して、計画された軌跡のセットを生成することと、
前記自エージェントの実際の軌跡を判定することと、
前記自エージェントの前記判定された実際の軌跡を前記自エージェントの前記計画された軌跡の各々と比較し、前記自エージェントの前記実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を判定することと、
前記予測されるあり得る挙動のうち、前記最も大きい類似度を有する前記計画された軌跡に対応する特定の予測されるあり得る挙動に基づいて、前記自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定することと、
前記判定された知覚された状況に基づいて行動を実行するように構成された少なくとも1つのアクチュエータまたは人間-機械インターフェースを制御するために、前記判定された知覚された状況に基づく制御信号を生成し、前記支援システムに出力することと、
を行うように構成されたプロセッサと、を備えるシステム。
【請求項15】
前記支援システムが、前記自エージェントの操作者を支援するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記支援システムが、人間-機械インターフェースを含みユーザによって携行される携帯型デバイスに含まれ、
前記支援システムが、前記生成された制御信号に基づいて、前記人間-機械インターフェースを介して、知覚可能な信号を前記ユーザに出力することにより、前記ユーザを支援するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
請求項14に記載の支援システムを含む車両。
【請求項18】
前記車両が、道路車両、海洋車両、空中車両、宇宙船、自律運転車両、およびマイクロモビリティ車両の少なくとも1つである、請求項17に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自エージェントの動作を支援するための支援システムの分野に関する。詳細には、知覚された状況を判定する能力をもつ自動車運転者支援システムのための方法、対応する運転者支援システム、および、その運転者支援システムを含む車両が提案される。
【背景技術】
【0002】
自エージェントを動作させるのを支援する支援システムは、顕著な例として、道路交通環境で車両(自車両)を支援する、またはさらには自律的に動作させる運転支援システムを含むことがある。支援システムは、これらに限定されないが、自車両に搭載されたセンサを含む、複数のセンサからセンサデータを獲得し、自車両の環境内の現在の状況の表現を生成し、現在の運転状況を分類する。支援システムは、自車両の人間の運転者に、現在の状況でどのように進行するかの挙動を推奨し、またはさらには現在の状況に対処するのに適切と考えられる挙動を自律的に実行する。
【0003】
支援システムは、そのために、現在の状況における自エージェントの操作の順序を決定しなければならない。操作の順序は、環境内での自エージェントの軌跡を決定する。利用可能な演算リソースが増加したことにより、交通環境のこれまで以上に複雑な状況に対処することが可能な支援システムを設計することが可能となっている。支援システムは、車線変更支援機能に加えてアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)機能を行うこと、交差点で支援を提供することから、自車両を動作させる際により高いレベルの自律性を提供することに発展する。
【0004】
特に、都市交通環境は、自エージェントと、大抵の場合は複数の他エージェント(例えば、車、トラック、オートバイ、自転車、歩行者、動物など、大幅に差のある能力および特性を有する種々のタイプであることが多い)とを含む複数のエージェントを含む、密で複雑な環境に起因して、支援システムに対して大きな困難を呈する。複数のリスク、例えば自エージェントと他エージェントまたは静止している物体との間の衝突リスク、軌跡および車線または道路の湾曲が存在している。別のリスク源は、規制、例えば交差点における優先権の規則、交通信号灯、交通標識、速度制限に由来する。都市環境は、大抵、環境の複雑性を増す、挙げられた要素のすべてまたはサブセットを同時に含む複数の要素を含み、感知された現在の状況から開始する非常に動的な進展を特徴とする。交通状況の動的な進展は、支援システムによる、常時更新される状況を認識した計画を必要とする。
【0005】
通例、挙動および軌跡を計画することは、様々なレベルを要する。計画レベルは緊急レベルを含むことがあり、これは例えば衝突リスクを緩和するために環境内の現在の状況への差し迫った迅速な反応を必要とする。
【0006】
中期計画レベルは、速度の段階的な変化と、環境に存在する各エージェントの横方向位置を考慮する。中期計画は、現在の状況からどのように行動するかに着目する。
【0007】
長期計画レベルは、自エージェントの決定に応じて、現在の状況の異なる結果および進展、例えば現在の状況で何をするか、を考慮する。
【0008】
詳細には、中期計画レベルと長期計画レベルは、時間的により長い計画期間を考慮し、エージェント間のより多い数の相互依存性、エージェント間およびエージェントの潜在的な挙動間の相互作用を含めて、それらを考慮しなければならず、これらはすべて、関与する各エージェントの決定に影響を与える。
【0009】
米国特許第9,165,477(B2)号は、道路モデル、車両モデルおよび運転者モデルを構築し、運転者の挙動の観察から構築されるマップに基づいて、構築された道路モデル、車両モデルおよび運転者モデルから予測を行うための方法を開示している。同方法は、学習された運転モデルを実際の人間の運転と比較することを含む。予測を生成するために、米国特許第9,165,477(B2)号に開示される方法は、運転データベースを利用する。運転シナリオにおける他車両との自車両の相互作用は、米国特許第9,165,477(B2)号では考慮されない。しかし、挙動計画のために、計画期間内の他エージェントとの自エージェントの相互作用は、現在の交通シナリオがどのように進展していくかに対する影響要因を表す。自エージェントによって知覚される、他エージェントを含む現在の環境の現在の状況およびそれらの想定される意図の知覚は、現在の状況および予測される進展を考慮に入れるために、どの行動を行うかについての自エージェントの意思決定に影響する。環境内の1つのまたはさらには複数の他エージェントを含む、そして場合によっては将来の進展の誤認を含む、現在の状況の人間による知覚は、現在の状況の将来の進展に負の影響を与え、それにより潜在的な安全性問題を生じさせ、リスクを増大する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、上述の安全性問題を克服する、改良された支援システムを提供することである。本発明の目的は、特に、運転ミスを識別し、さらに、識別された運転ミスの根底にある理由を識別するのを支援する能力をもつ支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、独立請求項1による方法が上述の問題を解決する。第2の態様に係るプログラム、第3の態様に係る支援システム、および第4の態様に係る車両は、この問題のさらに好都合な解決を提供する。
【0012】
第1の態様において、自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定するための支援システムにおけるコンピュータ実装方法は、少なくとも1つの他エージェントを含む、自エージェントの環境を感知するステップを含み、方法はさらに、感知された環境に基づいて少なくとも1つの他エージェントのあり得る挙動を予測するステップと、少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について自エージェントの軌跡を計画して、計画された軌跡のセットを生成するステップと、自エージェントの実際の軌跡を判定するステップと、を含む。方法は続いて、自エージェントの判定された実際の軌跡を自エージェントの計画された軌跡の各々と比較し、自エージェントの実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を判定するステップを行う。その後、方法は、予測されるあり得る挙動のうち、最も大きい類似度を有する計画された軌跡に対応する特定の予測されるあり得る挙動に基づいて、自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定し、判定された知覚された状況に基づいて支援システム内で行動を実行する。
【0013】
第1の態様に係る方法は、自エージェントと他エージェントの相互作用についてあり得る状況を予測し、予測されるあり得る状況各々に対して自エージェントの安全な挙動を計画する。方法は、自エージェントが行う実際に走行した軌跡を観察し、観察された走行した軌跡を、自エージェントの計画された挙動の軌跡と比較する。知覚された状況および誘発されたリスクが実際の状況から逸脱している場合、方法は、判定された知覚された状況に基づいて、詳細には、実際のリスクからの知覚されたリスクの判定された逸脱に基づいて、支援システムの行動を引き起こす。
【0014】
行動は、誤って知覚された、または少なくとも不十分に知覚されたリスクを被支援者に警告することを含んでよい。
【0015】
代替としてまたは追加として、行動は、判定された逸脱に基づいて被支援者の知覚エラーを判定し、判定された知覚エラーを、被支援者への適切な出力の中で強調することを含んでよい。
【0016】
コンピュータ実装方法は、あり得る状況に対する計画された挙動と、実際に実行された挙動との比較に基づいて、知覚されたリスクを見つけることを可能にする。これにより、方法は、自エージェントがどのように環境内の他エージェントの挙動を予測するかを決定する。方法は、観察された自エージェントの自身の挙動を他エージェントの予測される挙動に関係づける。観察された自エージェントの自身の挙動は、自エージェントの視点からの行動と他エージェントの知覚された挙動および予測される挙動への反応とを含む。
【0017】
従属請求項は、本発明のさらに有利な実施形態を定義する。
【0018】
第2の態様に係る非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、デジタル処理装置に第1の態様に係る方法の実施形態の1つによる動作を行わせる、デジタル処理装置によって実行可能な機械可読命令のプログラムを組み込んでいる。
【0019】
第2の態様に係るプログラムは、プログラムがコンピュータまたはデジタル信号プロセッサ上で実行されたときに、第1の態様に係る方法の実施形態の1つによるステップを実行するプログラムコード手段を含む。
【0020】
第2の態様によると、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、デジタル処理装置に第1の態様に係る方法の実施形態の1つによる動作を行わせる、デジタル処理装置によって実行可能な機械可読命令のプログラムを組み込んでいる。
【0021】
第3の態様に係る支援システムは、支援システムにおいて自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定するように適合され、支援システムは、少なくとも1つの他エージェントを含む、自エージェントの環境を感知するように構成されたセンサと、プロセッサとを備える。プロセッサは、感知された環境に基づいて少なくとも1つの他エージェントのあり得る挙動を予測することと、少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について自エージェントの軌跡を計画して、計画された軌跡のセットを生成することと、を行うように構成される。プロセッサはさらに、自エージェントの実際の軌跡を判定することと、自エージェントの判定された実際の軌跡を自エージェントの計画された軌跡の各々と比較し、自エージェントの実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を判定することと、を行うように構成される。プロセッサはさらに、予測されるあり得る挙動のうち、最も大きい類似度を有する計画された軌跡に対応する特定の予測されるあり得る挙動に基づいて、自エージェントによって知覚される知覚された状況を判定することと、判定された知覚された状況に基づいて行動を実行するように構成された少なくとも1つのアクチュエータまたは人間-機械インターフェースを制御するために、判定された知覚された状況に基づく制御信号を生成し、支援システムに出力することと、を行うように構成される。
【0022】
第4の態様に係る車両は、第3の態様に係る実施形態の1つによる支援システムを含む。
【0023】
実施形態の説明は、以下の添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】一実施形態に係る方法の簡略フローチャートである。
【
図2】一実施形態に係る方法の第1の概略的な機能概要の図である。
【
図3】一実施形態に係る方法の第2の概略的な機能概要の図である。
【
図5】一実施形態に係る運転者支援システムの概略的構造図である。
【
図6】都市環境における複数のエージェントを含む複雑な例示的交通状況を示す図である。
【
図7】複数のエージェントを含む、さらなる例示的交通状況を示す図である。
【
図8】環境内の複雑な状況に対処する自エージェント1の複雑な挙動を計画するための簡略化された処理フローである。
【
図9】環境内の複雑な状況に対処する自エージェント1の複雑な挙動を計画するためのより詳細な処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図中、対応する要素は同じ参照符号を有する。理解性に負の影響を与えることなく可能である場合には、異なる図面にある同じ参照符号の説明を省略する。
【0026】
第1の態様に係る方法は、上述の問題の好都合な解決を提供する。第2の態様に係るプログラム、第3の態様に係る支援システム、および第4の態様に係る車両は、この問題のさらに好都合な解決を提供する。従属請求項は、本発明のさらに好都合な実施形態を定義する。
【0027】
一実施形態に係る方法は、軌跡を計画するステップにおいて、
自エージェントの挙動と、少なくとも1つの他エージェントの挙動の各々との組合せごとに、自エージェントの軌跡を計画するステップを含む。
【0028】
方法の一実施形態によると、実際の軌跡との最も高い類似度を有する計画された軌跡に対応する、軌跡を計画するステップで使用されるリスク値が、知覚リスク値である。
【0029】
一実施形態に係る方法は、経路予測モジュールにより、運動学的拡張のプロセスに基づいて軌跡を計画する、軌跡を予測するステップを含む。
【0030】
方法の一実施形態によると、少なくとも1つの他エージェントのあり得る挙動を予測するステップにおいて、方法は、支援システムの予測モデルにより、感知された環境に基づいて少なくとも1つの他エージェントの知覚された挙動を近似することにより、計画された軌跡を予測することを含む。
【0031】
一実施形態に係る方法は、自エージェントの軌跡を計画するステップにおいて、支援システムの計画モデルにより、少なくとも1つの他エージェントの各あり得る挙動について、自エージェントの最適な計画を決定するために計画を行うステップを含み、この最適な計画は、安全な計画、効率的な計画、および快適な計画という基準の少なくとも1つに関して最適化され、方法はさらに、決定された最適な計画に基づいて自エージェントの軌跡を計画するステップを含む。
【0032】
方法の一実施形態によると、支援システムは、車線変更アシスタント、クルーズコントロールシステム、交差点アシスタントの少なくとも1つを含む道路交通運転支援システムである。
【0033】
一実施形態に係る方法は、知覚された状況に基づいて知覚リスク値を決定するステップと、少なくとも1つの他エージェントの知覚された挙動と少なくとも1つの他エージェントの実際の挙動との間の差に基づいて、自エージェントのリスク知覚エラーを決定するステップと、をさらに含む。
【0034】
方法の一実施形態によると、方法は、決定されたリスク知覚エラーを警告するように構成された警告信号を生成するかどうかを決定し、生成された警告信号を支援システムに出力するステップをさらに含む。
【0035】
一実施形態に係る方法は、知覚されたリスクと実際のリスクとの間の差が閾値を超える場合、警告信号を生成して出力することを決定する。
【0036】
方法の一実施形態によると、方法は、リスク知覚エラーの報知を含む警告信号を自エージェントの操作者に出力する。
【0037】
一実施形態に係る方法は、リスク知覚エラーが、軌跡予測エラー、動態推定エラー、および存在物知覚エラーの少なくとも1つを含む。
【0038】
第2の態様に係るプログラム、第3の態様に係る支援システム、および第4の態様に係る車両は、第1の態様に係る方法の実施形態に関して説明されるように、対応する好都合な解決を提供する。
【0039】
車両は、道路車両、海洋車両、空中車両、宇宙船、自律運転車両、およびマイクロモビリティ車両の少なくとも1つであってよい。
【0040】
マイクロモビリティ車両という語は、寸法が小さく、典型的には毎時25km以下の動作速度である、各種の軽量車両を指す。マイクロモビリティ車両は、そのユーザによって個人的に運転されることがあり、自転車、e-バイク、電動スクータ、電動スケートボード、および電動ペダルアシスト自転車(ペデレック(pedelec))を含む。マイクロモビリティ車両(マイクロモビリティ装置)の定義は、総車両重量が500kg未満で、最大速度が45km/h以下である装置を含んでよく、内燃機関付きの装置を除外する。
【0041】
一態様に係る支援システムは、人間-機械インターフェースを含みユーザによって携行される携帯型デバイスに含まれてよい。支援システムは、生成された制御信号に基づいて、人間-機械インターフェースを介して、知覚可能な信号をユーザに出力することによってユーザを支援するように構成される。
【0042】
図1は、一実施形態に係る方法の簡略フローチャートを示す。
【0043】
コンピュータ実装方法は、自エージェント1によって知覚される知覚された状況を判定するために支援システムで使用するように適合される。自エージェント1は特に、少なくとも1つ、普通は複数の他エージェントが存在し、特に動いている、交通環境内を移動する道路車両であってよい。他エージェントは、他の交通関係者、例えば歩行者、自転車に乗っている人、車、トラック、バス、および路面電車を含んでよい。
【0044】
支援システムは、例えば、自エージェント1の環境内の交通シナリオにおいて適すると判定される行動を推奨するまたは警報もしくは警告信号を発することにより、自エージェント1(自車両)の人間の操作者(運転者)を支援してよい。
【0045】
代替としてまたは追加として、支援システムは、例えば、自エージェント1の環境内の交通シナリオにおいて適すると判定される行動を実行することにより、自エージェント1を少なくとも部分的に自律的に動作させるように構成される。行動は、環境内で自エージェント1の移動の横方向または縦方向の制御を行うことを含んでよい。詳細には、行動は、自エージェント1を加速または減速させること、自エージェント1の現在の速度を維持すること、少なくとも1つのアクチュエータ、例えば自エージェント1のモータ、ブレーキ、もしくは操舵アセンブリなどの運転手段、を使用して自エージェント1の操舵角を修正することを含んでよい。
【0046】
方法は、自エージェント1の環境を感知するステップS1を含む。感知された環境には、少なくとも1つの他エージェント2が存在する。自エージェント1は、少なくとも1つのセンサを備え、このセンサは、自エージェント1の環境からセンサデータを獲得し、自エージェント1のローカルに配置されるか、またはリモートにサーバ設備に配置されるかの少なくとも一方である少なくとも1つのプロセッサを含む処理機器でさらに処理するためのセンサデータを生成する。
【0047】
それに続くステップS2~S7は、基本的に、プロセッサによって行われる処理ステップであり、少なくとも1つのセンサによってセンサ信号中で提供されるセンサデータに基づいて行われる。
【0048】
方法はステップS2に続き、これは、感知された環境に基づいて、詳細には、少なくとも1つのセンサから獲得されたセンサ信号に基づいて、少なくとも1つの他エージェント2のあり得る挙動を予測することを含む。
【0049】
ステップS3で、方法は続いて、少なくとも1つの他エージェント2のあり得る各挙動について自エージェント1の軌跡を計画して、計画された軌跡のセットを生成する。計画された軌跡のセットに含まれる各計画された軌跡は、自エージェント1の挙動オプションと、少なくとも1つの他エージェント2の予測される挙動とに対応する。
【0050】
ステップS4で、方法は、自エージェント1の実際の軌跡を判定する。方法は、センサ信号を介して少なくとも1つのセンサから獲得されたセンサ信号に基づいて、自エージェント1の実際の軌跡を判定する。
【0051】
少なくとも1つのプロセッサは、順次、または少なくとも部分的に並行してのいずれかで、一方でステップS2、S3を行い、他方でステップS4を行ってよい。
【0052】
ステップS3およびステップS4に続くステップS5で、方法は続いて、判定された自エージェント1の実際の軌跡を自エージェント1の各計画された軌跡と比較するステップを行う。
【0053】
ステップS6で、方法は、自エージェント1の実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を、計画された軌跡のセットから判定する。自エージェント1の実際の軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡は、環境内で時間的および空間的に実際の軌跡の最も近くを走る、軌跡のセットに含まれる特定の計画された軌跡として判定されてよい。
【0054】
方法は、実際の軌跡と各計画された軌跡との類似度指標を計算し、最も高い計算された類似度指標に対応する、計画された軌跡との最も大きい類似度を有する計画された軌跡を判定することを含んでよい。
【0055】
その後、方法はステップS7に進み、予測されるあり得る挙動のうち、最も大きい類似度を有する計画された軌跡に対応する、特定の予測されるあり得る挙動に基づいて、環境内の現在の状況において自エージェント1によって知覚される知覚された状況を判定する。
【0056】
ステップS8で、支援システムは、生成され、出力された制御信号に基づく行動、または自エージェント1によって知覚された判定された知覚された状況に基づく支援システムにおける一連の動作を実行する。
【0057】
制御信号によってトリガされる行動は、自車両1の環境内の状況の誤った知覚を自エージェント1の操作者に認識させるために、警告を生成し、その警告を、支援システムの人間-機械インターフェースを介して操作者に提供することを含んでよい。
【0058】
運転者の誤った知覚は、自エージェント1の知覚エラーの結果として生じ得る。自エージェント1、例えば人間の運転者、の誤った知覚は、誤った仮定の予測の結果として生じ得る。誤った仮定の予測は、少なくとも1つの他エージェント2が車線変更すると予測するが、他エージェント2は実際には現在の車線に留まることを意図しているなどの、誤った軌跡予測を含み得る。
【0059】
自エージェント1の誤った知覚は、誤った仮定の動態推定の結果として生じ得る。誤った仮定の動態推定は、例えば、自エージェント1、特に自エージェント1の運転者、の誤った現在位置または誤った現在速度推定、例えば他エージェント2が、他エージェント2が実際に運転しているよりも速く運転していると想定することを含み得る。
【0060】
知覚エラーは、自エージェント1の環境内の他エージェント2の存在を認識していないこと、または、他エージェント2が実際には自エージェント1の環境に存在するのに他エージェント2を考慮しないことを含み得る。
【0061】
図2は、一実施形態に係る方法をさらに説明する第1の概略的な機能概要を提供する。
【0062】
環境は、同じ方向への交通のための2つの車線がある道路の一区間を含む。自エージェント1(自車両)の環境内の交通状況は、右車線を第1の速度で走行している他エージェント2(他車両)を含む。自エージェント1は、左車線で、第1の速度よりも高い第2の速度で軌跡3(自軌跡)を移動する。自エージェント1は、後方から他エージェント2に接近しつつある。現在の交通状況のさらなる進展を予測することは、交通状況の様々なあり得る進展を提供する。
【0063】
現在の交通状況の第1の予測される進展では、他車両2が、図示しない別の車両が右車線で他車両2の前方を低速度で走行している、または次の交差点で左折することを意図しているために、左車線に変更する。
図2は、第1の軌跡4を進み、左車線上の自エージェント1の前方に割り込もうとしている他エージェント2に関する、交通状況のこのあり得る進展を示す。
【0064】
現在の交通状況の第2の予測される進展では、他車両2は、右車線を走行し続け、それにより第2の軌跡5を進む可能性がある。
【0065】
一実施形態に係る方法のステップS2およびS3の実行は、環境内の感知された状況に基づいて自エージェント1の代替の挙動(挙動オプション)を決定する。
図2は、自エージェント1の2つの計画される挙動を例として示す。ステップS2およびS3は、協働挙動計画工程を使用して、例えば
図8および
図9を参照して説明されるリスクマップなどの挙動計画ツールを使用して、行われてよい。
【0066】
第1の挙動オプション6は、他エージェント2が軌跡4上を進み、自エージェント1の前方に割り込むものと予測する。第1の挙動オプション6は、自エージェント1と、自エージェント1のすぐ前で自エージェント1の車線に変更する他エージェント2との衝突を回避するために、自エージェント1の低下させた(第1の)速度での自エージェント1の軌跡3.1を含む。
【0067】
第2の挙動オプション7は、他エージェント2が軌跡5上を進み、引き続き右車線を走行するものと予測する。第2の挙動オプション7は、例えば、他エージェント2が自エージェント1に追い越された後に自エージェント1の車線に変更できるようにするという意図をもって、可能な限り早く他エージェント2を追い越すために、自エージェント1の上昇させた(第2の)速度での自エージェントの軌跡3.2を含む。
【0068】
図2に図示される自エージェント1の計画された軌跡のセットは、第1の挙動オプション6に対応する第1の計画された軌跡8、および第2の挙動オプション7に対応する第2の計画された軌跡9を含んでいる。
【0069】
方法は、ステップS4で、自エージェント1の実際の挙動を判定する。自エージェント1の実際の挙動を判定することは、自エージェント1の実際の軌跡10を判定することを含む。
【0070】
方法のステップS5およびS6は、自車両1によって走行された実際の軌跡10を、計画された軌跡のセットに含まれる計画された軌跡の各々と比較する。実際の軌跡10と計画された軌跡8、9の各々との比較は、計画期間中の同じ時間点について、実際の軌跡10上での自車両1の予測位置と、計画された軌跡8、9の各々とを比較することを含んでよい。
図2は、軌跡8、9、10各々における対応する時間点の自車両1の3つの位置を示すことによって、点ごとの比較を説明している。
【0071】
図2の図示の例は、実際に走行された軌跡10と計画された軌跡8との間の妥当な類似度を示している。よって、ステップS7を行って、方法は、実際の軌跡10と計画された軌跡8との判定された類似度に基づいて、自エージェント1が第1の計画された挙動6を実行すると決定する。第1の計画された挙動6は、現在の状況の自エージェント1の知覚と、自エージェントの環境における現在の交通状況の想定される進展とを表す。
【0072】
加えて、協働挙動計画工程、例えば挙動計画ツールリスクマップを使用して、実際の軌跡10と計画された軌跡8とを比較することは、現在の状況においてユーザによって知覚されたリスクを記述する知覚リスク値と、自エージェント1の視点からの環境内の現在の交通状況の想定される進展とを決定することを可能にする。
【0073】
図3は、一実施形態に係る方法の第2の概略的な機能概要を提供する。
【0074】
自エージェントの環境内の環境および交通状況は、
図1の環境および状況に基づいている。環境は、同じ方向への交通のための2つの車線がある道路の区間を含む。環境内の交通状況は、左車線で自軌跡3上を移動している自エージェント1と、右車線を走行している1つの他エージェント2とを含む。現在の交通状況のさらなる進展を予測することは、
図1を参照して説明したように、交通状況の様々なあり得る進展を提供する。
【0075】
方法のステップS1~S7の実行は、自エージェント1の実際の軌跡10と計画された軌跡8との判定された類似度に基づいて、自エージェント1が第1の計画された挙動6を実行すると決定する。第1の計画された挙動6は、現在の状況の自エージェント1の知覚と、自エージェントの環境における現在の交通状況の想定される進展とを表す。自エージェント1によって知覚された知覚された状況に基づいて、
図2の方法は、知覚リスクモデル11を決定するステップS8を行う。
【0076】
さらに、
図2は、右車線で、他エージェントの実際の挙動に対応する、判定された、実際に確定された、例えば観察された、軌跡上を走行している1つの他エージェント2を示す。支援システムの予測モジュールが、実際に確定された軌跡を判定し、それに基づいて他車両2の実際の挙動(他の挙動)を判定してよい。
【0077】
図3の方法の実施形態は、自エージェント1への、詳細には自エージェント1の操作者への、警告または同様の行動が必要とされるかどうかを判定するステップS9を示す。ステップS9は、決定された知覚リスクモデル11を決定された実際のリスクモデル12と比較してよい。
【0078】
詳細には、ステップS9で、状況に対応する知覚されたリスク値が、決定された知覚リスクモデル11に基づいて算出されてよい。ステップS9は、決定された実際のリスクモデル13に基づいて、状況に対応する実際のリスク値を算出することをさらに含む。ステップS9は、算出された知覚リスク値と算出された実際のリスク値とを比較する。比較が、知覚されたリスク値と実際のリスク値とが異なるという結果を与える場合、システムは、行動、例えば自エージェント1の操作者の警告14が必要であり得ると結論付けてよい。
【0079】
システムは、知覚されたリスク値と実際のリスク値との差が所定の閾値を超える場合、その行動が必要であると判定してよい。
【0080】
決定された行動は警告を含んでよい。加えて、行動は、判定された知覚エラーを操作者に通知することを含んでよい。
【0081】
判定された知覚エラーの通知は、判定された知覚エラーの判定された発生源を強調することを含んでよい。
【0082】
図4は、一実施形態に係る方法を適用するために構成された自エージェント1を表す車両の概要を提供する。
図4の自エージェント1は、その特徴が、米国特許出願公開第2020/231149(A1)号に開示される自車両に対応する。
【0083】
詳細には、
図4は、自エージェント1の1つの特定の実施形態である道路車両(自車両)を側面図で示している。自車両は、運転者である人が自車両1を操作するのを支援するためのシステムを具備している。支援システムは、他エージェント、ここでは交通関係者に関する状況で、情報、例えば警告信号または行動に関する推奨を被支援者に出力することにより、自律的にまたは少なくとも部分的に自律的に自車両1を動作させる形態で、支援を提供してよい。
【0084】
自エージェント1は、これらに限定されないが、車、トラック、オートバイ、バスを含む、任意種類の道路車両であってよく、これらに限定されないが、歩行者、自転車、オートバイ、および自動車を含む他の交通関係者である他エージェント2に反応する。
【0085】
図4に示される自エージェント1は、自エージェント1の周囲の環境を感知するための前方RADARセンサ15、後方RADARセンサ16、および複数のカメラセンサ17、18、19、20を含む複数のセンサを含む。複数のセンサは、自エージェント1の前面、自エージェント1の後面、および自エージェント1の屋根にそれぞれ取り付けられる。カメラセンサ17、..、20は、好ましくは、自エージェント1の周囲360°の監視エリアが可能となるように配置される。よって、自エージェント1は、自エージェント1の環境を監視することが可能である。
【0086】
代替としてまたは追加として、さらなるセンサシステム、例えば立体カメラシステムまたはLIDARセンサが、自エージェント1に設けられ得る。
【0087】
自エージェント1は、自エージェント1の位置を含む位置データを少なくとも提供する、自エージェント1に搭載された位置センサ21、例えば全地球航法衛星システム(GNSS)ナビゲーション装置、をさらに備える。位置センサ21は、自エージェント1の空間的向きを含む向きデータをさらに提供してよい。
【0088】
自エージェント1の運転者支援システムは、少なくとも1つの電子制御装置(ECU)24およびコンピュータ23をさらに備える。コンピュータ23は、少なくとも1つのプロセッサ、例えば複数のプロセッサ、マイクロコントローラ、信号プロセッサ、ならびにメモリおよびバスシステムを含むプロセッサの周辺機器を含んでよい。コンピュータ23は、前方RADARセンサ15、後方RADARセンサ16、カメラセンサ17、..、20、位置センサ21からの信号と、少なくとも1つのECU24によって提供される自エージェント1のステータスデータとを受信または取得する。ステータスデータは、少なくとも1つのECU24によって提供されてよい、自エージェント1の車両速度、操舵角、エンジントルク、エンジン回転速度、またはブレーキ作動に関するデータを含んでよい。
【0089】
図5は、一実施形態に係る運転者支援システムのコンピュータ23の機能要素を示す概略構造図を示す。
図5の自エージェント1のコンピュータ23の機能の説明は、その特徴が、米国特許出願公開第2020/231149(A1)号に開示される自車両に対応している。
【0090】
自エージェント1の支援システム、例えばアダプティブ・クルーズ・コントロール、の信号を処理するために使用される少なくとも1つのプロセッサまたは信号プロセッサを含む既存のコンピュータ23が、下記で説明され論じられる機能構成要素を実装するように構成されてよい。描かれたコンピュータ23は、画像処理モジュール25、オブジェクト分類モジュール26、オブジェクトデータベース27、優先度判定モジュール28、地図データベース29、計画モジュール30、および挙動決定モジュール31を備える。
【0091】
各モジュールは、少なくとも1つのプロセッサで実行されているソフトウェア、または、少なくとも部分的に、電子回路を含む専用ハードウェアとして実装される。
【0092】
画像処理モジュール25は、カメラセンサ17、..、20からの信号を受信し、これらに制限されないが、自車両1の車線(自車線)、自車両1の環境内の他エージェントを含む物体、道路の進路、および自エージェント1の環境内の交通標識を含む、環境内の関連する要素を識別する。
【0093】
分類モジュール26は、識別された関連する要素を分類し、分類結果を計画モジュール30に送信し、ここで、画像処理モジュール25によって識別され、計画モジュール30によって関連すると査定された、別の車両の技術的に実現可能な最大速度および加速度が少なくとも、オブジェクトデータベース27に基づいて判定される。
【0094】
オブジェクトデータベース27は、複数の車両部類、例えばトラック、車、オートバイ、自転車、歩行者、の各々の最大速度(スピード)および加速度を記憶し、ならびに/または、複数の既存車両の識別情報(種類、ブランド、モデル等)を、対応する最大速度および加速度と組み合わせて記憶する。
【0095】
優先度判定モジュール28は、自エージェント1と、画像処理モジュール25によって識別され、予測モジュール16による評価の下で現在の交通状況に関与している各他エージェント2(交通関係者)との間の優先関係を個々に判定する。交通状況は、優先度判定モジュール28により、少なくとも2つのカテゴリに分類されてよい。
【0096】
縦方向の場合、自エージェント1と他エージェント2は、同じ経路または車線上を同じ方向に走行し、例えば一方の車両が他方の車両の後に続き、横方向の場合は、現在の時点において、自エージェント1と他エージェント2は同じ経路をたどらず、将来の経路が、支援システムの予測期間内に交差または合流する。よって、現在、自エージェント1の移動方向とそれぞれの他エージェント2の移動方向は異なる。道路交通環境における例示的シナリオは、道路交差点、合流車線、その他であり得る。
【0097】
横方向の場合には、優先度判定モジュール28が、車線、他エージェント2の位置、道路の進路、および/または画像処理モジュール25によって識別された交通標識に基づいて、自エージェント1が他エージェント2に対して優先権を有するか、それとも他エージェント2が自エージェント1に対して優先権を有するかを判定する。代替としてまたは追加として、優先度判定モジュール28は、位置センサ21の位置信号、および道路網に関する適用可能な優先規則に関する情報を含む地図データベース29からの地図データに基づいて、この判定を行う。
【0098】
計画モジュール30は、ECU24から受け取られるステータスデータ、画像処理モジュール25から受け取られる情報、前方RADARセンサ15および後方RADARセンサ16から受け取られる信号、ならびに、自エージェント1が自律走行する場合は、運転タスクによって定義される運転ルートに関する情報に基づいて、自エージェント1の少なくとも1つの仮定的な将来の軌跡を計算する。計算された将来の軌跡は、自エージェント1の一連の将来の位置を示す。
【0099】
計画モジュール30は、優先度判定モジュール28によって判定された優先関係に応じて、他の交通関係者のための予測モデルを選択する。さらに、最大速度および加速度が分類モジュール26によって判定されてよく、ここで、自車両1と他エージェント2が同じ経路をたどる場合、選択された予測モデルは、予測期間にわたって一定した速度を定義してよい。これは、現在の状況に基づいて行われる予測では、他エージェント2は、予測期間に対応する時間間隔にわたって一定した速度でより遠くまで移動すると仮定されることを意味する。
【0100】
一方、自エージェント1の軌跡と他エージェント2の軌跡とが交差または合流するときは、遅らせた速度変更を定義する予測モデルが選択される。詳細には、自エージェント1が他エージェント2に対して優先権を有する場合、遅らせた速度変更としての遅らせた速度低下が設定される。他エージェント2が自エージェント1に対して優先権を有する場合に選択される予測モデルでは、遅らせた速度変更として、遅らせた速度上昇が定義される。
【0101】
自エージェント1にとって適切なまたは最良の挙動を決定するために、計画モジュール30は、米国特許第9,463,797(B2)号に開示されるように、自エージェント1について複数の軌跡(自軌跡)を計算して、最良の挙動関連スコアをもたらす自軌跡を選択するか、または、挙動関連スコアを最適化するように自軌跡速度プロファイルの少なくとも1つを反復的に変更してよい。
【0102】
計画モジュール30は、最終的に決定された自軌跡(速度プロファイル)に関する情報を挙動決定モジュール31に出力する。挙動決定モジュール31は、計画モジュール30によって提供された情報に基づいて自車両1の挙動を決定し、自エージェント1の加速度、減速度、および操舵の少なくとも1つを制御することによって決定された挙動を実行するための対応する運転制御信号を生成し、生成された制御信号をECU24に出力する。
【0103】
代替としてまたは追加として、挙動決定モジュール31は、警告信号または自エージェント1を操作する人物に行動を推奨する情報の少なくとも1つを生成し、出力してよい。自エージェント1は、例えば、操作者に対する音響出力のためのラウドスピーカ、および視覚的出力のための表示画面もしくはヘッドアップディスプレイを含む適切な出力手段を有する人間-機械インターフェースを含んでよい。
【0104】
支援システムは、説明された工程およびステップを繰り返し実行し、選択された予測モデルのパラメータが、環境の変化と、自エージェント1および他エージェント2の挙動の変化とに合わせて適合される。
【0105】
図6は、都市交通環境に特徴的である、自エージェント1および複数の他エージェント2を含む複雑な例示的交通状況を示す。
【0106】
図6に描かれた複雑な交通状況は、その結果生じる、自エージェント1にとって適切な操作シーケンスを決定するという目的の複雑性を示している。自エージェント1の適切な操作シーケンスまたは挙動は、結果として自エージェント1のそれぞれの軌跡4、5を生じさせる複数の挙動候補の中から選択することを含む。
【0107】
交通状況は、様々なリスク源、例えば衝突リスクおよび湾曲リスクを含む。潜在的な自軌跡4は、図の右下の他エージェント2との衝突リスクと、自車両1が現在走行している車線から右車線への車線変更に起因する湾曲リスクとの両方を考慮に入れなければならない。さらに、同じ車線上で自エージェント1のすぐ前にいる他エージェントには、複数の挙動選択肢が存在する。複数の挙動選択肢は結果として、自エージェント1に対して複数の予測軌跡3.1、3.2を生じ、これらは各々、異なる潜在的な結果および異なるリスクモデルを生じさせる。
【0108】
さらに、描かれた交通状況は、複数の規制項目、例えば2つの道路の交差点における優先権を含んでおり、交差点は明らかに交通信号灯も標識も含んでいない。よって、交通信号灯、道路標識、および適用可能な交通規則を含む規制項目はすべて、査定される交通状況に強く影響し、支援システムによって解決される。これは特に、関連する要素としての複数のエージェント、各種の規制項目、および複数のリスク源を同時に含むのが通例である、密な都市交通環境に当てはまる。自エージェント1の挙動を見つけることのさらなる困難が、交通状況の進展に起因して存在し、交通状況は、都市環境では特に急速であり、例えば陸路で遭遇される低速の場面進展とは対照的である。交通状況の進展は、状況を認識した計画の常時の更新を必要とし、特に、自エージェント1の視点からの知覚されたリスクを考慮に入れることによって取り込まれる利点から利益を得る。
【0109】
図7は、複数のエージェントを含む、2つのさらなる例示的交通状況を示す。
【0110】
図6は、複雑な交通状況によって呈されるシナリオに対処する自エージェント1のための挙動を見つけるという目的を説明する交通状況を示すのに対し、
図7の交通状況は、順序付け問題によって呈される困難を示している。
図7の上および下部分は、道路交通シナリオをそれぞれ示し、ここでは自エージェント1および他エージェント2の予測される挙動が結果としてそれぞれの予測される軌跡3、4を生じさせ、それらは結果として、環境内のエリア32で著しい衝突リスクを有するリスクモデルをもたらす。両方の場合とも、自エージェント1により知覚されたリスクを判断することは、交通規則が、交通状況に固有の順序付け問題の解決を明瞭に支援することができない、現在の状況を解決するために好都合であると判明する可能性がある。
【0111】
知覚リスクモデルを決定するための方法は特に、中期計画問題および長期計画問題に対して適切な挙動選択肢を見つけるための計画問題を支援するのに適する。中期計画問題は、速度および横方向位置の段階的な変化を特徴とし、どのように進行するかの問題を解決する。長期計画問題は、「あなたが先?それとも私が先?」の問題のいくつかの異なる結果を決定することに関し、何をするかの問題を解決する。
【0112】
図8は、環境内の複雑な状況に対処する自エージェント1の複雑な挙動を計画するための簡略化された処理フローを示す。
【0113】
この簡略化された処理フローは、特に、協働挙動計画モジュール35(CoRiMaエージェント)に入力される、自エージェント1の環境内の知覚された状況の表現を使用する挙動を計画するための処理を示している。協働挙動計画モジュール35は、自エージェント1および少なくとも1つの他エージェント2を含む知覚された環境の表現に基づいて挙動の計画を行う。詳細には、協働挙動計画モジュール35は、さらなる評価のために、知覚された状況に対処するための自エージェントの適切な挙動オプションを生成するコンピュータ実装システムである。協働挙動計画モジュール35は、包括的な環境表現に対して適切な軌跡を生成する。協働挙動計画モジュール35は、効率的な分析のために、一般化可能な概念を提供する。協働挙動計画モジュール35は、挙動オプションならびに予測される軌跡からの選択を行う。
【0114】
軌跡を評価するために、協働挙動計画モジュール35は、リスクマッピングモジュール36(リスク・マップ・コア)を利用してよい。リスクマッピングモジュール36は、軌跡リスク、例えば衝突リスク、行われた場合の軌跡の有用性および軌跡の快適性、の少なくとも1つの評価に基づいて、リスクマッピングモジュール36に入力される軌跡に値を割り当てる。それにより、リスクマッピングモジュール36は、評価された軌跡に対応する挙動の評価を提供する。挙動計画モジュール35およびリスクマッピングモジュール36を使用して知覚リスクモデルを決定する、提案される方法は、軌跡および挙動計画のための既存の他の評価方法よりも、証明されているリスクマップに基づくリスク分析の利点から利益を得る、挙動選択肢および予測される軌跡を分析する、分析的で、解釈可能、一般化可能で、全体的な手法に一体化されてよい。
【0115】
協働挙動計画モジュール35およびリスクマッピングモジュール36は、自エージェント1のコンピュータ23の計画モジュール30および挙動決定モジュール31の実装の一部をなしてよい。
【0116】
協働挙動計画モジュール35は、現在の状況で、自エージェント1のための選択された挙動および適切な軌跡を決定する。挙動決定モジュール31は、自エージェント1の加速度、減速度、および操舵の少なくとも1つを制御することによって決定された挙動を実行するための対応する運転制御信号を生成してよく、決定された挙動を実行するために、生成された制御信号を自エージェント1のECU24に出力する。
【0117】
図9は、
図8による協働挙動計画モジュール35およびリスクマッピングモジュール36の実装に基づく、挙動計画システム内での自エージェント1のための複数の挙動オプションの例を示す。
【0118】
環境を知覚して表現を生成し、自車両1の環境内の現在の状況に対して挙動選択肢を予測することは、リスクマッピングモジュール36で評価するための複数の挙動オプション37、38、39(自挙動オプション)を提供する。
【0119】
各挙動オプション37、38、39は、自エージェント1の軌跡に対応し、これは、その一部が詳細に説明された複数の具体的なリスクタイプを含む、関連するリスクに関して分析される。
【0120】
複数の他エージェント2のうちの1つの他エージェント2との自エージェント1の衝突リスクを分析することは、2つの正規分布の積に比例する衝突確率と、自エージェント1と衝突に関与する他エージェント2との間の衝突のモデル化された重大度とを算出することを含んでよい。
【0121】
考慮に入れられる他の種類のリスクには、規制リスク、例えば速度制限、または静止物体の側方リスクが含まれ得る。
【0122】
考慮に入れられてよい各挙動オプション37、38、39のさらなる態様は、挙動オプション37、38、39の有用性および快適性の少なくとも一方を含む。挙動オプション37、38、39の有用性および快適性は、挙動オプション37、38、39の軌跡に沿って移動しながら自エージェント1によって被覆される地面を査定することによって決定されてよい。代替としてまたは追加として、挙動オプション37、38、39の有用性および快適性は、挙動オプション37、38、39の軌跡に沿って移動する間に自エージェント1に及ぼされる加速度に基づいて算出されてよい。代替としてまたは追加として、挙動オプション37、38、39の有用性および快適性は、挙動オプション37、38、39の軌跡に沿って移動する間に自エージェント1に及ぼされるジャーク(jerk)に基づいて算出されてよい。
【0123】
分析に基づいて、リスクマッピングモジュール36は、各自挙動オプション37、38、39に目的値を割り当てる。目的値は、生存分析によって算出される合計累積スコアに基づいて決定されてよい。
図9は、合計累積スコアに寄与する3つの例示的な種類のリスクである、湾曲リスク、衝突リスク、および規制リスクを示す。
【0124】
自挙動オプション37、38、39は、各自挙動オプション37、38、39の目的値に対応するコスト関数に基づいて最適化される。
【0125】
最適化された自挙動オプション37、38、39は、続く選択ステップに提供され、選択ステップは、最も適する最適化された自挙動オプション37、38、39を選択する。選択は、条件付き選択であってよく、例えば、選択された自挙動オプション37、38、39は、知覚された状況における所定のイベントが発生すると判定されることを前提条件として選択される。条件付き選択の場合、最も適する最適化された自挙動オプション37、38、39が選択されてよく、また、知覚された状況において効果を奏する少なくとも1つの予備の最適化された自挙動オプション37、38、39も選択され、所定のイベントが発生すると判定される場合に実行される。
【0126】
最後に、選択された自挙動37、38、39が、実行のためにECU24に出力される。
【0127】
説明された実施形態は、支援システムのための方法がどのように交差点シナリオおよび車線変更シナリオに適用されてよいかを示す。しかし、支援システムは、この方法を道路交通環境におけるさらに他の運転状況に適用してよい。
【0128】
さらに、方法は、米国特許第10,627,812(B2)号に詳細に説明されるように、仮想の交通エンティティと自エージェント1との間の衝突に関するリスク指標を使用して、遮られたセンサ被覆範囲に対処する改良された能力を用いて、車両の制御を支援する支援システムへの好都合な付加であると判明する可能性がある。
【0129】
代替として、方法は、道路車両以外の種類の乗り物、例えば宇宙船、船舶、または飛行機の制御を支援する支援システムへの好都合な付加であると判明する可能性がある。
【0130】
代替として、自エージェントは、歩行者と通信するための人間-機械インターフェースを含む携帯型デバイスを携行している歩行者であってもよい。携帯型デバイスは、支援システムの実施形態を含み、生成された制御信号に基づいて人間-機械インターフェースを介して知覚可能な信号をユーザに出力することによってユーザを支援するように適合される。知覚可能な信号は、例えば環境内の現在の状況の誤解釈が判定された場合に歩行者ユーザに警告を発する、視覚的信号、可聴信号、または触覚信号の少なくとも1つを含んでよい。
【0131】
自エージェント1の視点から知覚されたリスクを判定することも、環境内で自エージェント1を自律的にまたは少なくとも部分的に自律的に動作させる能力をもつ支援システムへの好都合な付加である。
【0132】
本開示に記載される様々なエンティティによって行われるすべてのステップならびに様々なエンティティによって行われるものと説明された機能は、それぞれのエンティティがそれぞれのステップおよび機能を行うように適合または構成されることを意味するものと意図される。特許請求の範囲ならびに詳細な説明において、「~を備える」という単語は、他の要素やステップの存在を排除しない。
【0133】
不定冠詞の「a」または「an」は複数を排除しない。単一の要素または他の単位が、特許請求の範囲に述べられるいくつかのエンティティまたは項目の機能を遂行してよい。異なる従属請求項が、変換回路の特定の手段および機能を述べているという単なる事実は、それら手段および機能の組合せを有利な実装として組み合わせることができないことを排除しない。
【符号の説明】
【0134】
1 自エージェント、自車両
2 他エージェント、他車両
3、3.1、3.2、4、5、8、9、10 軌跡
6、7、37、38、39 挙動オプション
11 知覚リスクモデル
12、13 実際のリスクモデル
14 警告
15 前方RADARセンサ
16 後方RADARセンサ
17、18、19、20 複数のカメラセンサ
21 位置センサ
9、23 コンピュータ
10、24 電子制御装置(ECU)
25 画像処理モジュール
26 オブジェクト分類モジュール
27 オブジェクトデータベース
28 優先度判定モジュール
29 地図データベース
30 計画モジュール
31 挙動決定モジュール
35 協働挙動計画モジュール、CoRiMaエージェント
36 リスクマッピングモジュール
【外国語明細書】